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  • 特許-バッグ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】バッグ
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/22 20060101AFI20220323BHJP
   A45F 3/04 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
A45C11/22
A45F3/04 300
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018036862
(22)【出願日】2018-03-01
(65)【公開番号】P2019150259
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2020-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】水谷 隼人
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-300612(JP,A)
【文献】登録実用新案第3126692(JP,U)
【文献】特開2014-185415(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102813304(CN,A)
【文献】実公昭44-001107(JP,Y1)
【文献】特開2006-006575(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105343909(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/22
A45C 11/00
A45F 3/00
A41D 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間及びその内部空間に通じる挿入口を有する透明な袋体と、
前記挿入口から前記袋体の内側に向けて設けられる手袋と、
両端に開口部を有するよう筒状に設けられ、一方の前記開口部の縁が前記挿入口の縁に固定され、前記挿入口から前記袋体の外側に向けて設けられ、可撓性を有するカバーと、
他方の前記開口部の縁に沿って設けられ、他方の前記開口部を開いた状態に保つ枠体と、
を備えるバッグであって、
前記バッグが、前記バッグを背負う者の背中に向く前記袋体の背面に左右対になって設けられた肩ベルトを更に備え、
前記挿入口が前記袋体の側面に形成されている
バッグ
【請求項2】
前記挿入口が設けられた前記側面とは反対側の前記袋体の側面に形成される第2の挿入口から前記袋体の内側に向けて設けられる第2の手袋と、
両端に第2の開口部を有するよう筒状に設けられ、一方の前記第2の開口部の縁が前記第2の挿入口の縁に固定され、前記第2の挿入口から前記袋体の外側に向けて設けられ、可撓性を有する第2のカバーと、
他方の前記第2の開口部の縁に沿って設けられ、他方の前記第2の開口部を開いた状態に保つ第2の枠体と、
を備える請求項に記載のバッグ。
【請求項3】
前記袋体の内面に設けられる第1の面ファスナと、
前記手袋に設けられ、前記第1の面ファスナに着脱可能な第2の面ファスナと、を更に備える請求項1又は2に記載のバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッグに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、透明なフィルム製の気密性の防水読書袋が開示されている。この防水読書袋には、手袋が防水読書袋の側面から内側に向けて突出するように設けられている。使用者が防水読書袋の外側から手袋に手を挿入して、防水読書袋内で書籍を持って、その書籍を読むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実登3173154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、水等が防水読書袋の外側から手袋の内側に浸入してしまう。水が手袋内に浸入した状態では、防水読書袋内の書籍を取り扱いにくい。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものである。その発明の目的は、袋体からその内側に向けて設けられた手袋への水の浸入を抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、バッグが、内部空間及びその内部空間に通じる挿入口を有する透明な袋体と、前記挿入口から前記袋体の内側に向けて設けられる手袋と、両端に開口部を有するよう筒状に設けられ、一方の前記開口部の縁が前記挿入口の縁に固定され、前記挿入口から前記袋体の外側に向けて設けられ、可撓性を有するカバーと、他方の前記開口部の縁に沿って設けられ、他方の前記開口部を開いた状態に保つ枠体と、を備え、前記バッグが、前記バッグを背負う者の背中に向く前記袋体の背面に左右対になって設けられた肩ベルトを更に備え、前記挿入口が前記袋体の側面に形成されている
【0007】
以上によれば、使用者が手を挿入口から手袋に挿入して、袋体内の収納物を使用することができる。
カバーが挿入口から袋体の外側に向けて設けられているため、水がカバーによって遮断される。そのため、水が挿入口を通じて手袋内に浸入することを防止できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、手袋内への水の浸入を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】バッグの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0011】
図1は、バッグ10の斜視図である。
バッグ10は袋体11、手袋21,22、カバー23,24、面ファスナ31,32,33、肩ベルト41,42及び線ファスナ51を備える。
【0012】
バッグ10はバックパックであり、左右一対の肩ベルト41,42が袋体11の後面に設けられている。なお、肩ベルト41,42の代わりに肩提げベルト、手提げベルト又は腰ベルト等が袋体11に設けられることによって、バッグ10がショルダーバッグ、手提げバッグ又はウエストバッグであってもよい。更に、バッグ10は、バックパック、ショルダーバッグ、手提げバッグ及びウエストバッグのうち2以上の機能を兼ね備えたマルチウェイバッグであってもよい。
【0013】
袋体11は、直方体型の袋状に形成されていて、内側の空間を有する。袋体11の上面部12の左、前及び右の縁部が開口しており、線ファスナ51がその縁部に設けられ、線ファスナ51によって開口が開閉される。袋体11の上面部12の左、前及び右の縁部に、線ファスナ51を袋体11の外側から覆う防水カバーが設けられることによって、線ファスナ51が水除けされている。なお、線ファスナ51が防水ファスナであってもよい。
【0014】
袋体11は柔軟性及び可撓性を有する。
袋体11は防水性及び遮水性を有し、水が袋体11を浸透しない。
袋体11の一部又は全体が透明であり、袋体11の外側から袋体11の内側を視認することができる。
【0015】
袋体11の透明な部分は防曇加工されている。例えば、透明な部分が撥水性、特に超撥水性を有し、その透明な部分において水滴が大きく成長することによって防曇が実現される。或いは、透明な部分が親水性、特に超親水性を有し、その透明な部分に水膜が形成されることによって防曇が実現される。
【0016】
袋体11の左右側面部13,14には、手を挿入することができる挿入口15,16が形成されている。手袋21,22がそれぞれ挿入口15,16から袋体11の内側に向けて設けられており、手袋21,22の履き口部がそれぞれ挿入口15,16の縁に固定されている。手袋21,22の履き口部と袋体11との接続部が止水されている。また、手袋21,22の履き口部に枠体が設けられ、手袋21,22の履き口部が枠体によって開いた状態に保たれる。
【0017】
手袋21,22の先端側の部位は親指用、人差し指用、中指用、薬指用及び小指用に5つに分枝している。手袋21,22の指先部が導電性を有し、指先部によって静電容量式のタッチパネルを操作することができる。なお、手袋21,22は、親指用とそれ以外の指用に2つに分枝したミトン型であってもよい。或いは、手袋21,22の先端側の部位が分枝していないものでもよい。
手袋21は左右の手に兼用できる。手袋22についても同様である。なお、手袋21,22のうち一方が右手用であり、他方が左手用であってもよい。
【0018】
手袋21,22は樹脂又はゴムからなる。
手袋21,22は可撓性及び柔軟性を有するので、自重によって垂れ下がる。手袋21,22は伸縮性を有していてもよい。
手袋21,22は防水性及び遮水性を有し、水が手袋21,22を浸透しない。
【0019】
手袋21の掌部又は甲部の外面に面ファスナ31が設けられている。同様に、手袋22にも面ファスナ32が設けられている。一方、袋体11の内面、特に袋体11の正面部17の内側の面には、面ファスナ33が設けられている。面ファスナ31,32と面ファスナ33のうちの一方が多数のフック部を有し、他方が前記フック部に係合可能な多数のループ部を有する。そのため、面ファスナ31,32が面ファスナ33に貼り付くことによって、手袋21,22が袋体11の内面に固定される。なお、面ファスナ33は、袋体11の上面部12、底面部18又は背面部19の内側の面に設けられていてもよい。
【0020】
筒状のカバー23,24の一端の開口部がそれぞれ挿入口15,16の縁に固定されており、カバー23,24がそれぞれ挿入口15,16から袋体11の外側に向けて設けられている。カバー23,24の一端の開口部と袋体11との接続部が止水されている。
【0021】
カバー23の内側の空間と手袋21の内側の空間は挿入口15を介して通じており、カバー24の内側の空間と手袋22の内側の空間は挿入口16を介して通じている。カバー23,24の他端の開口部は、袋体11の外側において開いている。なお、カバー23と手袋21は一体形成されたものでもよいし、接合されたものでもよい。カバー24と手袋22についても同様である。
【0022】
カバー23,24は樹脂又はゴムからなる。
カバー23,24は可撓性及び柔軟性を有するので、自重によって垂れ下がる。カバー23,24は伸縮性を有していてもよい。
カバー23,24は防水性及び遮水性を有し、水がカバー23,24を浸透しない。
カバー23,24の開口部に枠体23a,24aが設けられ、カバー23,24の開口部が枠体23a,24aによって開いた状態に保たれる。
【0023】
続いて、バッグ10の使用方法について説明する。
線ファスナ51を開いて、各種の収納物(例えば、筆記具、ノート、紙、冊子、書籍、電子機器、測定器等)を袋体11に収納する。そして、線ファスナ51を閉じる。
【0024】
両手をカバー23,24及び挿入口15,16に挿入して、袋体11内にて手袋21,22を装着する。この際、袋体11を胸の前に抱えて、肩ベルト41,42を両肩に掛けると良い。なお、片手のみに手袋21,22のどちらか一方に装着してもよい。また、バッグ10を背負った者以外の者が両手又は片手に手袋21,22を装着してもよい。
【0025】
面ファスナ31,32が面ファスナ33に貼り付いている場合、手を面ファスナ33から遠ざけ、面ファスナ31,32を面ファスナ33から剥離する。
袋体11の一部又は全体が透明であるので、袋体11の内側を視認しながら袋体11内の収納物を使用することができる。この際、手が濡れていても、手に付着した水が手袋21,22によって遮水されるので、収納物が濡れない。また、前腕がカバー23,24にカバーによって覆われているため、雨水等が挿入口15,16を通じて手袋21,22の内側に浸入しにくい。
【0026】
手袋21,22から手を抜く前に、手を面ファスナ33に近づけて、面ファスナ31,32を面ファスナ33に貼り付ける。そうすると、手を手袋21,22、挿入口15,16及びカバー23,24から引き抜く際に、手袋21,22が裏返って挿入口15,16から袋体11の外側に抜け出てしまうことを防止できる。
【0027】
手をカバー23,24から抜くと、カバー23,24が自重によって垂れ下がる。そのため、挿入口15,16はそれぞれカバー23,24によって外側から覆われるとともに、カバー23,24が垂れ下がって、カバー23,24の開口部が下を向く。そのため、雨水等がカバー23,24及び手袋21,22内に浸入しにくい。
【0028】
以上のようなバッグ10は次のような有利な効果をもたらす。
袋体11が透明である上、手袋21,22がそれぞれ挿入口15,16から袋体11の内側に向けて設けられているため、収納物を袋体11から出さずとも、収納物を使用することができる。それゆえ、収納物の紛失を抑制できる。また、降雨等の際、傘を差さずとも、収納物が濡れずに済む。そうすると、傘に気を取られずに済む上、空いた手で他の作業をできる。
【0029】
濡れた手を手袋21,22に挿入しても、袋体11内の収納物を濡らさずに使用することができる。
カバー23,24がそれぞれ挿入口15,16から袋体11の外側に向けて設けられているため、水が挿入口15,16を通じて手袋21,22内に浸入しにくい。
【0030】
枠体23a,24aがカバー23,24の開口部に設けられているので、手をカバー23,24に出し入れしやすい。また、枠体が手袋21,22の履き口部に設けられているので、手を手袋21,22に出し入れしやすい。
手袋21,22及びカバー23,24が樹脂製である場合には、手がカバー23,24及び手袋21,22に対して滑りやすい。そのため、手の出し入れが容易である。
【0031】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。以上の実施形態からの変更点について以下に説明する。以下に述べる変更点は可能な限り組み合わせて適用してもよい。
【0032】
以上の実施形態では、カバー23が筒状であり、そのカバー23の端部が挿入口15の縁全体に亘って固定されている。それに対して、カバー23が可撓性及び柔軟性のあるフラップであり、そのカバー23の端部が挿入口15の上縁に固定されていてもよい。カバー24についても同様である。
【0033】
手袋22、カバー24及び挿入口16が設けられていなくてもよい。つまり、片手用として、片側の手袋21、カバー23及び挿入口15が設けられるだけでもよい。
また、手袋21,22、カバー23,24及び挿入口15,16が袋体11の上面部12、底面部18又は背面部19に設けられていてもよい。
【0034】
枠体23a,24aが設けられていなくてもよい。この場合、手をカバー23,24から抜くと、カバー23,24の開口部が自重により下を向いて、小さく閉じる。
【符号の説明】
【0035】
10…バッグ
11…袋体
15,16…挿入口
21,22…手袋
23,24…カバー
31,32,33…面ファスナ
図1