(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】屋外汚れ用液体洗浄剤
(51)【国際特許分類】
C11D 17/08 20060101AFI20220323BHJP
C11D 1/14 20060101ALI20220323BHJP
C11D 1/722 20060101ALI20220323BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20220323BHJP
C11D 3/43 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/14
C11D1/722
C11D3/20
C11D3/43
(21)【出願番号】P 2018082113
(22)【出願日】2018-04-23
【審査請求日】2020-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124349
【氏名又は名称】米田 圭啓
(72)【発明者】
【氏名】江塚 博紀
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 紀宏
(72)【発明者】
【氏名】小宮 博之
【審査官】林 建二
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-355000(JP,A)
【文献】特開2017-110157(JP,A)
【文献】特開2006-104438(JP,A)
【文献】特開平11-222687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00-19/00
B08B 3/00-3/14
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で示される化合物(A)、式(2)で示される化合物(B)
、化合物(C)として炭素数6~8の一価アルコール
および残分として水を含有し、
化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)および水の合計質量に対して、化合物(A)の含有量が0.05~3.5質量%、化合物(B)の含有量が2~20質量%、化合物(C)の含有量が15~50
質量%である屋外汚れ用
液体洗浄剤。
R
1O-(EO)m(PO)n-H ・・・(1)
(式中R
1は炭素数
9~10の分岐アルキル基、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、mはオキシエチレン基の平均付加モル数、nはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、mは
3~5、nは
2~4、m+nは
6~8である。EOとPOの各含有量の合計に対するPOの含有量の割合は
40~60質量%である。EOとPOの配列順序はブロック状またはランダム状である。)
R
2O-SO
3Na ・・・(2)
(式中R
2は炭素数8~9の分岐アルキル基である。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外汚れ用液体洗浄剤に関し、詳細には、家屋の外壁や窓ガラス、車などの屋外に設置または屋外で使用される物の表面上に付着した砂塵や花粉、その他汚染物質などの汚れを洗浄するための洗浄剤に関する。なお、本明細書においては「屋外汚れ用液体洗浄剤」を「屋外汚れ用洗浄剤」と表記することがある。
【背景技術】
【0002】
一般に、家屋の外壁や窓ガラス、車などの表面上には、砂塵や花粉、その他汚染物質の付着により汚れが蓄積する。これらの汚れは、水のみでは落とすことが難しく、洗浄剤を使用した上でブラシなどを使用した物理的な外力を加えて落とすことが一般的である。
しかしながら、このような洗浄対象物のなかには、繊細な構造であることから、あまり力をかけずに洗浄する方法が好まれる洗浄対象物も増加してきている。例えば、太陽光パネルにおいては、発電に寄与する表面基盤は非常に繊細な構造であることから、ジェット水流などの高圧水流による洗浄については、パネルの破損が懸念されている。また、農業用フィルムにおいては、より頑丈で交換不要なフィルム材料が流通してきたことから、従来のような洗浄や廃棄は減少傾向にあり、より洗浄の重要性が考えられるようになってきた。しかしながら、繊細なフィルムであるがゆえに、ブラシによる強い外力をかけて洗浄することが敬遠されがちとなっている。
【0003】
農業用フィルムに用いられる洗浄剤として、例えば特許文献1には、次亜塩素酸ナトリウムを洗浄主成分として、非イオン界面活性剤、クエン酸ナトリウム、水等を含む組成物が開示されている。
しかしながら、この洗浄剤では、酸化、漂白、殺菌作用を有する次亜塩素酸ナトリウムを配合していることから、昨今の肌への影響を懸念する風潮においては、使用環境が限られてしまうことが考えられる。また、次亜塩素酸ナトリウムを使用する際には水溶液をアルカリ性とする必要があることから、より肌への刺激の少ない洗浄剤が求められている。
【0004】
また特許文献2には、農業施設用洗浄剤として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の水溶性溶剤、アルカリ剤、界面活性剤、水等を含む組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献2では、使用時には組成物を噴霧して3~15分静置した後に、噴射水もしくはジェット水流等の高圧水流により汚れを除去していることから(段落〔0029〕を参照)、設備の都合や上述の洗浄対象物の特性などにより使用が制限される。したがって、洗浄力が高く、また高圧水流による洗浄を必要としない洗浄剤が求められている。
【0005】
一方、洗浄力向上のため、洗浄剤に界面活性剤を多量に配合した場合には、洗浄後に洗浄成分が残存してしまい、ぬめりの原因となることや、薬液(原液)および希釈液の保存安定性、低温安定性が低下してしまう場合が考えられる。
このように、肌等への刺激がより少ない洗浄剤であって、過大な負荷をかけずに拭き取ることにより対象物を傷つけることなく使用できる洗浄剤が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開昭62-160179号公報
【文献】特開2001-355000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、屋外に設置または屋外で使用される物の表面上に蓄積した汚れに対して使用できる屋外汚れ用洗浄剤であって、洗浄対象物に塗布し、拭き取るのみの簡便な使用状況で用いることができる程度に低泡性に優れ、また拭き取り後に洗浄成分によるぬめりが残存せず、薬液(原液)および希釈液の安定性に優れた洗浄剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討した結果、下記に示す特定の成分を組み合わせることにより、上記課題を解決できることを見出した。
【0009】
即ち本発明は、式(1)で示される化合物(A)、式(2)で示される化合物(B)、化合物(C)として炭素数6~8の一価アルコールおよび残分として水を含有し、化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)および水の合計質量に対して、化合物(A)の含有量が0.05~3.5質量%、化合物(B)の含有量が2~20質量%、化合物(C)の含有量が15~50質量%である屋外汚れ用液体洗浄剤である。
【0010】
R1O-(EO)m(PO)n-H ・・・(1)
(式中R1は炭素数9~10の分岐アルキル基、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、mはオキシエチレン基の平均付加モル数、nはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、mは3~5、nは2~4、m+nは6~8である。EOとPOの各含有量の合計に対するPOの含有量の割合は40~60質量%である。EOとPOの配列順序はブロック状またはランダム状である。)
【0011】
R2O-SO3Na ・・・(2)
(式中R2は炭素数8~9の分岐アルキル基である。)
【発明の効果】
【0012】
本発明の屋外汚れ用洗浄剤は、屋外に設置または屋外で使用される物の表面上に蓄積した汚れに対して使用することができ、洗浄対象物に塗布し、拭き取るのみの簡便な使用状況で用いることができる程度に低泡性に優れたものである。また、拭き取り後に洗浄成分によるぬめりが残存せず、薬液(原液)および希釈液の安定性に優れた洗浄剤である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の屋外汚れ用洗浄剤は、下記の化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)を少なくとも含有する。まず化合物(A)について説明する。
【0014】
〔化合物(A)〕
本発明で用いられる化合物(A)は、下記の式(1)で示されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルである。本発明において、式(1)に包含される複数の化合物(A)のうち1種を単独で、または2種以上を併せて用いることができる。
【0015】
R1O-(EO)m(PO)n-H ・・・(1)
【0016】
式(1)で示されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルにおいて、R1は炭素数8~12の分岐アルキル基であり、好ましくは炭素数9~10の分岐アルキル基であり、炭素数9のものが特に好ましい。好ましい分岐アルキル基として、具体的には、イソノニル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基、イソデシル基、ネオノニル基等が挙げられ、特に好ましくはイソノニル基または3,5,5-トリメチルヘキシル基であり、3,5,5-トリメチルヘキシル基がさらに好ましい。
【0017】
EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基である。mはオキシエチレン基の平均付加モル数、nはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、mは1~5、nは1~5であり、mは3~5、nは2~4がそれぞれ好ましい。両平均付加モル数の総和(m+n)は2~10であり、好ましくは4~8、特に好ましくは6~8である。
両平均付加モル数の総和(m+n)が小さすぎると、良好な洗浄効果が得られにくくなるおそれがあり、また良好な原液の安定性および水希釈後の安定性が得られにくくなるおそれがある。総和(m+n)が大きすぎると、良好な原液の安定性および水希釈後の安定性が得られにくくなるおそれがある。
【0018】
EOとPOの各含有量の合計に対するPOの含有量の割合は25~75質量%であり、好ましくは30~70質量%、特に好ましくは40~60質量%である。PO含有量の割合が小さすぎると、良好な洗浄効果が得られにくくなるおそれがある。PO含有量の割合が大きすぎると、良好な原液の安定性および水希釈後の安定性が得られにくくなるおそれがある。
EOとPOの配列順序はブロック状またはランダム状であり、EOとPOがブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよいが、好ましくはブロック状のものである。
【0019】
式(1)で示されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(A)は、公知の方法で製造することができ、例えば、分岐アルキル基を有する炭素数8~13の一価アルコールに所定量のエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを付加重合することによって得られる。
なお、一価アルコールにエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを付加重合する段階においては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとがランダム状に重合していても、ブロック状に重合していてもよい。また、オキシエチレン基(EO)やオキシプロピレン基(PO)の各平均付加モル数、EOとPOの各含有量の合計に対するPOの含有量の割合は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの各使用量を調整することによって、適宜設定することができる。
【0020】
本発明の屋外汚れ用洗浄剤における化合物(A)の含有量は、0.05~3.5質量%であり、好ましくは0.1~3質量%である。化合物(A)の含有量が少なすぎると、良好な洗浄性が得られにくくなるおそれがある。化合物(A)の含有量が多すぎると、洗浄成分残存の原因となり、良好な原液の安定性および水希釈時の安定性が得られにくくなるおそれがある。
【0021】
〔化合物(B)〕
本発明で用いられる化合物(B)は、下記の式(2)で示されるアルキル硫酸エステルナトリウムである。本発明において、式(2)に包含される複数の化合物(B)のうち1種を単独で、または2種以上を併せて用いることができる。
【0022】
R2O-SO3Na ・・・(2)
【0023】
式(2)で示されるアルキル硫酸エステルナトリウムにおいて、R2は炭素数8~9の分岐アルキル基である。
炭素数8~9の分岐アルキル基に含まれる分岐鎖としては、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられるが、洗浄性および低泡性の観点からメチル基またはエチル基の分岐が好ましく、エチル基の分岐が特に好ましい。炭素数については、炭素数8のものが好ましい。
具体的なR2としては、2-エチルヘキシル基、イソノニル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基などが挙げられ、2-エチルヘキシル基が好ましい。
【0024】
本発明の屋外汚れ用洗浄剤における化合物(B)の含有量は、2~20質量%であり、好ましくは4~10質量%である。化合物(B)の含有量が少なすぎると、良好な洗浄効果が得られなくなるおそれがある。化合物(B)の含有量が多すぎると、洗浄成分残存の原因となり、良好な原液の安定性および水希釈時の安定性が得られにくくなるおそれがある。
【0025】
〔化合物(C)〕
本発明で用いられる化合物(C)は、炭素数6~8の一価アルコールである。
本発明で用いられる化合物(C)の具体例としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール等が挙げられる。
特に、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、エチレングリコールモノブチルエーテルが好ましく、洗浄効果に優れる面から、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノールがさらに好ましい。
【0026】
本発明において、化合物(C)は1種を単独で、または2種以上を併せて用いることができる。
本発明において化合物(C)として市販品を用いてもよく、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテルとしてブチセノール20(KHネオケム株式会社製)、ジエチレングリコールモノメチルエーテルとしてハイソルブDM(東邦化学工業株式会社製)、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノールとしてソルフィットファイングレード(株式会社クラレ製)等が使用できる。
【0027】
本発明の屋外汚れ用洗浄剤における化合物(C)の含有量は、15~50質量%であり、好ましくは20~40質量%である。化合物(C)の含有量が少なすぎると、良好な原液の安定性が得られにくくなるおそれがある。化合物(C)の含有量が多すぎると、良好な洗浄効果が得られにくくなるおそれがある。
【0028】
〔その他の成分〕
本発明の屋外汚れ用洗浄剤は、通常、水を含有する。水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、RO水、水道水、工業用水が挙げられる。
本発明の屋外汚れ用洗浄剤における水の含有量は、好ましくは26.5~83質量%であり、特に好ましくは40~80質量%であり、さらに好ましくは65~75質量%である。
また、本発明の屋外汚れ用洗浄剤には、一般の洗浄剤に配合される成分が配合されていてもよい。例えば、他の界面活性剤、pH調整剤、キレート剤、防腐剤、防食材、増粘剤、着色剤などが配合されていてもよい。
【0029】
本発明の屋外汚れ用洗浄剤は、通常、希釈して使用される。希釈倍率は、使用用途や目的などに応じて適宜決定され、例えば1.2~20倍、好ましくは2~5倍である。
【実施例】
【0030】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
表1に示す化合物(A)、表2に示す化合物(B)、表3に示す化合物(C)を用いて、実施例(表4)および比較例(表5)の屋外汚れ用洗浄剤(原液)を通常の方法により調製した。なお、表1中の記号は式(1)における記号を表し、表2中の記号は式(2)における記号を表す。
実施例及び比較例の洗浄剤を用いて下記のとおり評価を行った。その結果を表4および表5に示す。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
(1)フィルム洗浄試験
a)希釈液の調製
100mlビーカー中にて、各屋外汚れ用洗浄剤(原液)を10g秤量し、20gの水で3倍に希釈し、スターラーチップを用いて25℃で10分間撹拌した。得られた希釈液を用いて下記の洗浄試験を行なった。
【0035】
b)洗浄試験
本試験では、1年間屋外にて使用した農業用フッ素フィルムを3cm×3cmに切断したものを用いた。
ガラスシャーレ中で3cm×3cmのフィルムを希釈液5gに対して浸漬し、1分間常温(25℃)で放置した。その後、拭き取り荷重が一定になるように、90gの重り(直径35mmの円柱状)を乗せた不織布を用いて、フィルム全体を3回なぞり、汚れを拭き取って洗浄を行なった。
ヘーズメーターを使用して、洗浄後のフィルムの光透過率を測定した。光透過率はフィルムの測定場所を変えて5回測定した。洗浄後のフィルムの光透過率は、完全に汚れを除去したフィルムの光透過率との比較により、百分率で算出した。本試験を2回実施し、光透過率の平均値を測定結果とした。
洗浄後のフィルムの光透過率により洗浄能力を判定した。判定方法は以下のとおりである。
◎:洗浄後のフィルムの光透過率が95%以上である。
○:洗浄後のフィルムの光透過率が95%未満、90%以上である。
×:洗浄後のフィルムの光透過率が90%未満である。
【0036】
(2)洗浄後ぬめり試験
上記洗浄試験後のフィルム上に残存する洗浄剤による滑りを官能評価により評価した。具体的には、ラテックス製の手袋をした手でフィルム上をなぞり、以下の判定方法により評価した。
○:ぬめりが残存していない。
×:ぬめりが残存している。
【0037】
(3)低泡性試験
各屋外汚れ用洗浄剤の原液を100mlスクリュー管に10g量りとった。その後、蓋をして10秒間激しく上下に振とうした後に静置した。静置して30秒後の液面からの泡高さにより、低泡性を評価した。低泡性は下記の評価基準に従い評価を行った。
◎:泡高さが5mm以下である。
○:泡高さが5mmより高く、かつ8mm以下である。
×:泡高さが8mmより高い。
【0038】
(4)原液安定性
各屋外汚れ用洗浄剤の原液を100mlスクリュー管に50ml入れて、-10℃および25℃の恒温槽にそれぞれ1週間静置して外観を確認し、評価を行った。原液の安定性の評価は、下記の評価基準に従い行った。
○:どちらの温度においても均一かつ透明である。
×:少なくとも一方の温度において薬液(原液)が白濁する。
【0039】
(5)10倍希釈液安定性
各屋外汚れ用洗浄剤の原液を水で10倍に希釈した希釈液を100mlスクリュー管に50ml入れて、5℃および25℃の恒温槽にそれぞれ1週間静置して外観を確認し、評価を行った。水で希釈後の安定性の評価は、下記の評価基準に従い行った。
○:どちらの温度においても均一かつ透明である。
×:少なくとも一方の温度において希釈液が白濁する。
【0040】
【0041】
【0042】
(評価結果)
実施例1~9の本発明の屋外汚れ用洗浄剤については、蓄積した汚れに対する洗浄力が高く、また洗浄後の洗浄剤の残存も確認されず、さらには高い低泡性を有することも明らかとなった。また、原液および希釈液における安定性も高いことが確認された。
【0043】
これに対して、比較例1~13の屋外汚れ用洗浄剤は、実施例1~9の屋外汚れ用洗浄剤に比して十分な性能が得られていない。
比較例1は化合物(A)におけるR1の炭素数が12を超えているため、洗浄効果、低泡性が良好ではない。
比較例2は化合物(A)のR1が分岐アルキル基ではないため、洗浄効果、低泡性が良好でない。
比較例3は化合物(B)の含有量が20質量%よりも多いため、洗浄成分の残存があり、原液および希釈液の安定性がともに得られていない。
比較例4は化合物(B)の含有量が2質量%未満であるため、低泡性、原液の安定性が得られていない。
【0044】
比較例5は化合物(C)の炭素数が5であるため、洗浄効果、原液の安定性が得られていない。
比較例6は化合物(C)の炭素数が5であるため、低泡性、原液の安定性が得られていない。
比較例7は化合物(C)の炭素数が4であり、一価アルコールではないため、低泡性、原液の安定性が得られていない。
比較例8は化合物(C)が一価アルコールではないため、低泡性、原液および希釈液の安定性が得られていない。
比較例9は化合物(C)の含有量が50質量%よりも多いため、洗浄効果が良好ではない。
比較例10は化合物(C)の含有量が15質量%未満であるため、原液の安定性が得られていない。
【0045】
比較例11は化合物(B)のR2が分岐アルキル基でないため、洗浄成分の残存があり、原液および希釈液の安定性がともに得られていない。
比較例12は化合物(A)の含有量が3.5質量%よりも多いため、洗浄成分の残存があり、低泡性と希釈液の安定性が得られていない。
比較例13は化合物(A)の含有量が0.05質量%未満であるため、洗浄効果が良好ではない。