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特許7043962訪問先管理システム、訪問先管理装置、および訪問先管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】訪問先管理システム、訪問先管理装置、および訪問先管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20120101AFI20220323BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20220323BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20220323BHJP
   G08B 21/04 20060101ALI20220323BHJP
   G06Q 10/04 20120101ALI20220323BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06Q50/22
G08B25/04 K
G08B21/04
G06Q10/04 310
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018088881
(22)【出願日】2018-05-02
(65)【公開番号】P2019194812
(43)【公開日】2019-11-07
【審査請求日】2020-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】大澤 典史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】畠山 永吉
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 桂行
(72)【発明者】
【氏名】福崎 健志
【審査官】竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-313461(JP,A)
【文献】特開2014-219957(JP,A)
【文献】特開2009-289146(JP,A)
【文献】特開2001-291177(JP,A)
【文献】特開2000-057462(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0058615(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
G08B 25/04
G08B 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
訪問業務における複数の訪問先を管理する訪問先管理システムであって、
訪問先管理装置と、前記訪問先毎に、当該訪問先の居宅内の少なくとも一つの部屋の出入口に設置された通過検知センサと、を備え
前記訪問先管理装置は、
前記訪問先毎に、当該訪問先の居宅内に設置された前記通過検知センサにより所定時間内に検知された被訪問者の通過回数を管理する通過状況管理手段と、
前記通過状況管理手段により管理されている前記複数の訪問先各々の前記所定時間内における被訪問者の通過回数に基づいて、前記複数の訪問先の優先順位を決定する優先順位決定手段と、を有する
ことを特徴とする訪問先管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の訪問先管理システムであって、
前記通過状況管理手段は、
前記訪問先毎に、前記通過回数に加えて、当該訪問先の居宅内に設置された前記通過検知センサにより最後に検知された被訪問者の通過日時である最終通過日時を管理しており、
前記優先順位決定手段は、
前記通過回数が同数である前記訪問先が複数存在する場合、当該複数の前記訪問先間の優先順位を、前記通過状況管理手段により管理されている前記最終通過日時の古い順番に決定する
ことを特徴とする訪問先管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の訪問先管理システムであって、
前記通過状況管理手段は、
前記訪問先毎に、前記通過回数および前記最終通過日時に加えて、被訪問者の通過を最後に検知した前記通過検知センサの設置場所である第一検知場所、および被訪問者の通過を最後の一つ前に検知した前記通過検知センサの設置場所である第二検知場所を管理しており、
前記訪問先管理装置は、
前記訪問先毎に、前記通過状況管理手段により管理されている前記第一検知場所および前記第二検知場所に基づいて、被訪問者の滞在場所を推定する滞在場所推定手段をさらに有し、
前記優先順位決定手段は、
前記訪問先毎に、前記通過検知センサが出入口に設置された部屋のうちの少なくとも一つを要監視場所に設定しており、前記滞在場所推定手段により推定された被訪問者の滞在場所が前記要監視場所に設定されている前記訪問先がある場合、前記最終通過日時からの経過時間が所定の監視時間以上ならば、前記通過回数にかかわらず、当該訪問先の訪問を優先する
ことを特徴とする訪問先管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の訪問先管理システムであって、
前記訪問先管理装置は、
前記優先順位決定手段により決定された前記複数の訪問先の優先順位を訪問者の端末に送信する送信手段と、
前記訪問先毎に、出入口に前記通過検知センサが設置された部屋を含む当該訪問先の居宅内のマップデータを記憶するマップデータ記憶手段と、
前記訪問先毎に、前記滞在場所推定手段により推定された被訪問者の滞在場所の変遷情報を記憶する変遷情報記憶手段と、
前記訪問者の端末から訪問先の指定を伴う動線取得要求を受信した場合に、当該訪問先に対応付けられて前記マップデータ記憶手段に記憶されているマップデータ、および当該訪問先に対応付けられて前記変遷情報記憶手段に記憶されている変遷情報に基づいて、当該訪問先の居宅内における被訪問者の動線情報を生成する動線情報生成手段と、をさらに有し、
前記送信手段は、
前記動線取得要求で指定されている訪問先について前記動線情報生成手段により生成された前記動線情報を、前記マップデータ記憶手段に記憶されている当該訪問先の居宅内のマップデータとともに、前記訪問者の端末に送信する
ことを特徴とする訪問先管理システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の訪問先管理システムにおいて用いられることを特徴とする訪問先管理装置。
【請求項6】
訪問業務で取り扱う複数の訪問先を管理する訪問先管理方法であって、
前記訪問先毎に、当該訪問先の居宅内の少なくとも一つの部屋の出入口に、訪問先管理装置に接続された通過検知センサを設置し、
前記訪問先管理装置は、
前記訪問先毎に、当該訪問先の居宅内に設置された前記通過検知センサにより所定時間内に検知された被訪問者の通過回数を管理し、
前記訪問先管理装置で管理ている前記複数の訪問先各々の前記所定時間内における被訪問者の通過回数に基づいて、前記複数の訪問先の優先順位を決定する
ことを特徴とする訪問先管理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、訪問業務で取り扱う複数の訪問先を管理する訪問先管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、住戸内に複数の検知手段を設けることなく、かつ少ない消費電力で住居者の異常を早期に検知して通報し、孤独死を防止または早期発見することができる通報システムが開示されている。
【0003】
この通報システムは、居住者異常検知器と、通報装置と、を備えている。居住者異常検知器は、居住者が必ず立ち寄る場所に設置され、居住者の動きを検出する動体検出部と、動体検出部にて居住者の動きが検出されない時間を計測するとともに、動体検出部が居住者の動きを検出すると初期化される時計部と、時計部での計測時間が所定時間に到達した場合に異常と判断する制御部と、制御部が異常と判断した場合に居住者異常信号を通報装置に送信する送信部と、を有する。また、通報装置は、居住者異常検知器から居住者異常信号を受信する受信部と、受信部が居住者異常信号を受信した場合に監視センタ等の所定の通報先に居住者異常情報を通報する通信部と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-1816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、独り暮らしの高齢者の増加に伴い、行政等による訪問業務(在宅確認)の負担が増大している。しかしながら、特許文献1に記載の通報システムは、孤独死を防止または早期発見することを目的とするものであり、複数の訪問先を取り扱う訪問業務の効率化を図ることについては何ら考慮されていない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、訪問業務の効率化を図ることができる訪問先管理技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では、訪問先毎に、訪問先の居宅内の少なくとも一つの部屋の出入口に通過検知センサを設置して、通過検知センサにより検知された被訪問者の通過回数を管理する。そして、各訪問先の所定時間内における被訪問者の通過回数に基づいて、各訪問先の優先順位を決定する。
【0008】
例えば、本発明は、
訪問業務における複数の訪問先を管理する訪問先管理システムであって、
訪問先管理装置と、前記訪問先毎に、当該訪問先の居宅内の少なくとも一つの部屋の出入口に設置された通過検知センサと、を備え
前記訪問先管理装置は、
前記訪問先毎に、当該訪問先の居宅内に設置された前記通過検知センサにより所定時間内に検知された被訪問者の通過回数を管理する通過状況管理手段と、
前記通過状況管理手段により管理されている前記複数の訪問先各々の前記所定時間内における被訪問者の通過回数に基づいて、前記複数の訪問先の優先順位を決定する優先順位決定手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、訪問先の居宅内の少なくとも一つの部屋の出入口に通過検知センサを設置して、通過検知センサにより検知された被訪問者の通過回数を管理する。そして、各訪問先の所定時間内における被訪問者の通過回数に基づいて、各訪問先の優先順位を決定する。したがって、本発明によれば、被訪問者が何らかの理由により居宅内を移動できない等、異常の可能性の高い訪問先を優先的に訪問することができ、無駄な訪問業務を増やすことなく、異常の早期発見が可能となり、訪問業務の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る訪問先管理システムの概略構成図である。
図2図2は、本発明の一実施の形態に係る訪問先管理システムの第一の動作例を説明するためのシーケンス図である。
図3図3は、本発明の一実施の形態に係る訪問先管理システムの第二の動作例を説明するためのシーケンス図である。
図4図4は、訪問先管理装置1の概略機能構成図である。
図5図5は、訪問先データ記憶部108の登録内容例を模式的に表した図である。
図6図6は、設置場所データ記憶部109の登録内容例を模式的に表した図である。
図7図7は、通過履歴データ記憶部110の登録内容例を模式的に表した図である。
図8図8は、滞在変遷履歴データ記憶部111の登録内容例を模式的に表した図である。
図9図9は、訪問先管理装置1の動作を説明するためのフロー図である。
図10図10は、訪問者端末3に表示される優先訪問通知の一例を示す図である。
図11図11は、図9に示す通過履歴データ・滞在変遷履歴データ更新処理S5を説明するためのフロー図である。
図12図12は、図9に示す優先順位決定処理S7を説明するためのフロー図である。
図13図13は、訪問者端末3に表示される優先順位通知の一例を示す図である。
図14図14は、図9に示す動線情報生成処理S9を説明するためのフロー図である。
図15図15は、訪問者端末3に表示される動線通知の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る訪問先管理システムの概略構成図である。
【0013】
本実施の形態に係る訪問先管理システムは、行政等が訪問業務で訪問する複数の世帯(訪問先)A~Cを管理するためのものであり、図示するように、訪問先管理装置1と、訪問先A~C毎に訪問先の居宅内に設置された通過検知センサ2と、訪問者端末3と、を備えている。通過検知センサ2および訪問者端末3は、アクセスポイント(AP)5およびWAN4を介して訪問先管理装置1に接続されている。なお、図1では、訪問先が3件(訪問先A~C)の場合を示しているが、訪問先は複数であればよい。
【0014】
通過検知センサ2は、訪問先の居宅内の少なくとも一つの部屋(居間、浴室、寝室等)の出入口に設置され、被訪問者の出入口通過を検知する。そして、自通過検知センサ2の識別情報であるセンサIDおよび自通過検知センサ2が設置された訪問先の識別情報である訪問先IDを伴う検知信号を、アクセスポイント5およびWAN4を介して訪問先管理装置1に送信する。例えば、通過検知センサ2は、部屋の出入口の両側に設置されたビーコン送信器およびビーコン受信器で構成され、ビーコン送信器から送信されたビーコン信号をビーコン受信器で受信する。ビーコン受信器は、被訪問者が出入口を通過する際にビーコン信号が遮断されることによって生じるビーコン信号の受信強度低下を被訪問者の通過として検知し、検知信号を訪問先管理装置1に送信する。あるいは、通過検知センサ2は、部屋の出入口の両側に設置された発光器および受光器で構成され、発光器から射出された光信号を受光器で受光する。受光器は、被訪問者が出入口を通過する際に光信号が遮断されることによって生じる光信号の受光強度低下を被訪問者の通過として検知し、検知信号を訪問先管理装置1に送信する。
【0015】
訪問先管理装置1は、通過検知センサ2より受信した検知信号に従い、訪問先A~C毎に、訪問先の居宅内に設置された通過検知センサ2により所定時間内(例えば24時間以内)に検知された被訪問者の通過回数を管理する。そして、訪問先A~C各々の所定時間内における被訪問者の通過回数に基づいて訪問先A~Cの優先順位を決定し、WAN4およびアクセスポイント5を介して訪問者端末3に訪問先A~Cの優先順位を送信する。
【0016】
図2は、本実施の形態に係る訪問先管理システムの第一の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0017】
訪問先A~C各々の居宅内に設置された通過検知センサ2は、被訪問者の通過を検知する都度、自通過検知センサ2のセンサIDおよび自通過検知センサ2が設置された訪問先の訪問先IDを伴う検知信号を、アクセスポイント5およびWAN4を介して訪問先管理装置1に送信する(S100~S102)。
【0018】
訪問先管理装置1は、訪問先A~C毎に、訪問先の居宅内に設置された通過検知センサ2をその設置場所(居間、浴室、寝室等)に対応付けて管理するとともに、通過検知センサ2が設置された部屋の出入口における被訪問者の通過状況を管理している。訪問先管理装置1は、通過検知センサ2から検知信号を受信すると、この検知信号に付加されている訪問先IDおよびセンサIDに基づいて、この通過検知センサ2が居宅内に設置されている訪問先およびその居宅内における設置場所を特定し、特定した訪問先の通過履歴データおよび滞在変遷履歴データを更新する(S103)。
【0019】
具体的には、特定した訪問先の通過履歴データに、検知信号を送信した通過検知センサ2のセンサIDおよび検知信号の受信日時を含む通過履歴を追加する。また、通過履歴データに追加された最新の通過履歴に含まれているセンサIDにより特定される通過検知センサ2の設置場所(以下、第一検知場所と呼ぶ)、およびこの最新の通過履歴より一つ前の通過履歴に含まれているセンサIDにより特定される通過検知センサ2の設置場所(以下、第二検知場所と呼ぶ)に基づいて、被訪問者の現在の滞在場所を推定する。例えば、第一検知場所が第二検知場所と異なる場合、被訪問者は第一検知場所に入室したものと判断し、被訪問者の現在の滞在場所を第一検知場所と推定する。また、第一検知場所が第二検知場所と同じである場合、被訪問者は第一検知場所(第二検知場所)から退室したものと判断し、被訪問者の現在の滞在場所を不明(移動中)と推定する。
【0020】
そして、被訪問者が第一検知場所に入室したものと判断した場合、特定した訪問先の滞在変遷履歴データに、滞在場所を第一検知場所とし、かつ滞在場所の滞在開始日時を第一検知場所の通過履歴に含まれている受信日時とする滞在変遷履歴を追加する。一方、被訪問者が第一検知場所(第二検知場所)から退室したものと判断した場合、特定した訪問先の滞在変遷履歴データにおいて、滞在場所を第二検知場所(第一検知場所)とし、かつ滞在場所の滞在開始日時を第二検知場所の通過履歴に含まれている受信日時とする滞在変遷履歴に、滞在場所の滞在終了日時として、第一検知場所の通過履歴に含まれている受信日時を追加する。
【0021】
つぎに、訪問者端末3が訪問者から優先順位取得操作を受け付けたものとする(S104)。これを受けて、訪問者端末3は、アクセスポイント5およびWAN4を介して訪問先管理装置1に優先順位取得要求を送信する(S105)。
【0022】
訪問先管理装置1は、訪問者端末3から優先順位取得要求を受信すると、各訪問先A~Cの通過履歴データを参照して、訪問先A~Cの優先順位を決定する(S106)。
【0023】
具体的には、訪問先A~C毎に、現在日時から所定時間内(例えば24時間以内)の受信日時を含む通過履歴を訪問先の通過履歴データから検索し、検索した通過履歴の履歴数を通過回数に設定する。そして、訪問先A~Cの優先順位を通過回数の少ない順に設定する。ここで、通過回数が同じ訪問先が複数ある場合、これらの訪問先間の優先順位を、これらの訪問先の最新の通過履歴に含まれている受信日時の古い順に設定する。
【0024】
訪問先管理装置1は、以上のようにして決定した優先順位を含む優先順位通知を、WAN4およびアクセスポイント5を介して訪問者端末3に送信する(S107)。これを受けて、訪問者端末3は、訪問先管理装置1から受信した優先順位通知に従って訪問先A~Cの優先順位を表示する。これにより、訪問者は、訪問先A~Cの優先順位を参照して、訪問先A~Cの訪問順番を効率よく決定することができる。
【0025】
つぎに、訪問者端末3が訪問者からいずれかの訪問先の動線取得操作を受け付けたものとする(S108)。これを受けて、訪問者端末3は、アクセスポイント5およびWAN4を介して訪問先管理装置1に、訪問先の訪問先IDの指定を伴う動線取得要求を送信する(S109)。
【0026】
訪問先管理装置1は、訪問者端末3から動線取得要求を受信すると、この動線取得要求で指定されている訪問先IDにより特定される訪問先の滞在変遷履歴データを用いて、この訪問先の被訪問者の動線情報を生成する(S110)。
【0027】
具体的には、現在日時から所定時間内(例えば8時間以内)の滞在開始日時を含む滞在変遷履歴を訪問先の滞在変遷履歴データから検索し、検索した滞在変遷履歴各々に含まれている滞在場所を、予め記憶されている訪問先の居宅内のマップデータ(間取りデータ)が示す訪問先の居宅内マップ上において、各滞在変遷履歴に含まれている滞在開始日時の順番で接続することにより、被訪問者の動線情報を生成する。
【0028】
つぎに、訪問先管理装置1は、以上のようにして生成した訪問先の動線情報と、訪問先のマップデータと、を含む動線通知を生成して、この動線通知を、WAN4およびアクセスポイント5を介して訪問者端末3に送信する(S111)。これを受けて、訪問者端末3は、訪問先管理装置1から受信した動線通知に含まれているマップデータが示す訪問先の居宅内マップを表示するとともに、この居宅内マップ上に、訪問先管理装置1から受信した動線通知に含まれている動線情報が示す被訪問者の動線を表示する。これにより、訪問者は、訪問先の被訪問者の移動状況を視覚的に把握することができる。
【0029】
図3は、本実施の形態に係る訪問先管理システムの第二の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0030】
図2に示す第一の動作例のS100~S103と同様に、訪問先A~C各々の居宅内に設置された通過検知センサ2は、被訪問者の通過を検知する都度、自通過検知センサ2のセンサIDおよび自通過検知センサ2が設置された訪問先の訪問先IDを伴う検知信号を、アクセスポイント5およびWAN4を介して訪問先管理装置1に送信する(S120~S122)。そして、訪問先管理装置1は、通過検知センサ2から検知信号を受信すると、この検知信号に付加されている訪問先IDおよびセンサIDに基づいて、この通過検知センサ2が居宅内に設置されている訪問先の通過履歴データおよび滞在変遷履歴データを更新する(S123)。
【0031】
さて、訪問先管理装置1は、訪問先A~C毎に、訪問先の滞在変遷履歴データに追加された最新の滞在変遷履歴に含まれている滞在場所が、浴室等の予め設定された要監視場所であるか否かを判断する。最新の滞在変遷履歴に含まれている滞在場所が要監視場所であると判断された訪問先があるならば、この滞在変遷履歴に含まれている滞在開始日時からの経過時間が、要監視場所に対応付けられて予め設定されている監視時間を超えているか否かを調べる。そして、滞在開始日時からの経過時間がこの監視時間を超えている場合、この訪問先に何らかの異常が発生したと推定し(S124)、この訪問先を優先的に訪問すべきことを訪問者に助言する優先訪問通知を、WAN4およびアクセスポイント5を介して訪問者端末3に送信する(S125)。これを受けて、訪問者端末3は、訪問先管理装置1から受信した優先訪問通知を表示する。これにより、訪問者は、優先訪問通知で指摘されている訪問先の被訪問者に何らかの異常が発生した可能性があることを認識して、この訪問先を優先的に訪問することができる。
【0032】
つぎに、訪問者端末3が訪問者から優先訪問通知で指摘されている訪問先の動線取得操作を受け付けると(S126)、図2に示す第一の動作例のS109~S111と同様、訪問者端末3は、アクセスポイント5およびWAN4を介して訪問先管理装置1に、この訪問先の訪問先IDの指定を伴う動線取得要求を送信する(S127)。そして、訪問先管理装置1は、訪問者端末3から受信した動線取得要求で指定されている訪問先の滞在変遷履歴データを用いて、この訪問先の被訪問者の動線情報を生成し(S128)、生成した動線情報および訪問先のマップデータを含む動線通知を、WAN4およびアクセスポイント5を介して訪問者端末3に送信する(S129)。これを受けて、訪問者端末3は、訪問先管理装置1から受信した動線通知に含まれているマップデータが示す訪問先の居宅内マップを表示するとともに、この居宅内マップ上に、訪問先管理装置1から受信した動線通知に含まれている動線情報が示す被訪問者の動線を表示する。これにより訪問者は、訪問先の被訪問者の移動状況を視覚的に把握することができる。
【0033】
つぎに、訪問先管理装置1の詳細を説明する。なお、訪問者端末3には、スマートホン、タブレットPC等の既存のネットワーク端末を利用することができるので、その詳細な説明を省略する。
【0034】
図4は、訪問先管理装置1の概略機能構成図である。
【0035】
図示するように、訪問先管理装置1は、ネットワークインターフェース部100と、通過検知センサ通信部101と、訪問者端末通信部102と、記憶部103と、通過状況管理部104と、優先順位決定部105と、滞在場所推定部106と、動線情報生成部107と、を備えている。
【0036】
ネットワークインターフェース部100は、WAN4に接続するためのインターフェースである。
【0037】
通過検知センサ通信部101は、ネットワークインターフェース部100を介して通過検知センサ2と通信を行う。
【0038】
訪問者端末通信部102は、ネットワークインターフェース部100を介して訪問者端末3と通信を行う。
【0039】
記憶部103は、訪問先データ記憶部108と、設置場所データ記憶部109と、通過履歴データ記憶部110と、滞在変遷履歴データ記憶部111と、を有する。
【0040】
訪問先データ記憶部108には、訪問先A~C各々のデータが記憶されている。
【0041】
図5は、訪問先データ記憶部108の登録内容例を模式的に表した図である。
【0042】
図示するように、訪問先データ記憶部108には、訪問先A~C毎に訪問先データのレコード1080が記憶されている。訪問先データのレコード1080は、訪問先IDを登録するフィールド1081と、被訪問者の氏名を登録するフィールド1082と、住所を登録するフィールド1083と、電話番号等の連絡先を登録するフィールド1084と、訪問先の宅内の間取りを示すマップデータを登録するフィールド1085と、を有する。
【0043】
設置場所データ記憶部109は、訪問先A~C毎に、訪問先の居宅内に設置された通過検知センサ2の設置場所に関するデータが記憶されている。
【0044】
図6は、設置場所データ記憶部109の登録内容例を模式的に表した図である。
【0045】
図示するように、設置場所データ記憶部109には、訪問先A~C毎に設置場所データのテーブル1090が記憶されている。設置場所データのテーブル1090には、訪問先の居宅内に設置された通過検知センサ2毎に、設置場所データのレコード1091が登録されている。設置場所データのレコード1091は、センサIDを登録するフィールド1092と、出入口に通過検知センサ2が設置された部屋を設置場所として登録するフィールド1093と、この部屋の識別情報である部屋IDを登録するフィールド1094と、マップデータ(図5参照)上におけるこの部屋の座標情報を登録するフィールド1095と、この部屋が被訪問者の滞在時間を監視する要監視場所に設定されている場合にその監視時間を登録するフィールド1096と、を有する。
【0046】
図7は、通過履歴データ記憶部110の登録内容例を模式的に表した図である。
【0047】
図示するように、通過履歴データ記憶部110には、訪問先A~C毎に通過履歴データのテーブル1100が記憶されている。通過履歴データのテーブル1100には、訪問先の居宅内に設置された通過検知センサ2から受信した検知信号毎に通過履歴データのレコード1101が登録される。通過履歴データのレコード1101は、検知信号の受信日時を登録するフィールド1102と、検知信号を送信した通過検知センサ2のセンサIDを登録するフィールド1103と、を有する。
【0048】
図8は、滞在変遷履歴データ記憶部111の登録内容例を模式的に表した図である。
【0049】
図示するように、滞在変遷履歴データ記憶部111には、訪問先A~C毎に滞在変遷履歴データのテーブル1110が記憶されている。滞在変遷履歴データのテーブル1110には、訪問先の居宅内において被訪問者の滞在部屋が変遷する毎に、滞在変遷履歴データのレコード1111が登録される。滞在変遷履歴データのレコード1111は、部屋IDを登録するフィールド1112と、この部屋IDが付与された部屋の滞在開始日時を登録するフィールド1113と、この部屋IDが付与された部屋の滞在終了日時を登録するフィールド1114と、を有する。
【0050】
通過状況管理部104は、訪問先A~C毎に、通過検知センサ2から送られてくる検知信号に基づいて、訪問先の居宅内に設けられた少なくとも一つの部屋の出入口における被訪問者の通過状況を管理する。そして、管理内容を通過履歴データ記憶部110および滞在変遷履歴データ記憶部111に反映する。
【0051】
優先順位決定部105は、通過履歴データ記憶部110を参照して、訪問先A~C各々について、所定時間内(例えば24時間以内)における被訪問者の通過回数を特定する。そして、訪問先A~C各々の被訪問者の、所定時間内における通過回数に基づいて、訪問先A~Cの優先順位を決定する。
【0052】
滞在場所推定部106は、訪問先A~C毎に、通過履歴データ記憶部110および設置場所データ記憶部109を参照して、被訪問者の通過を最後に検知した通過検知センサ2の設置場所である第一検知場所、および被訪問者の通過を最後の一つ前に検知した通過検知センサ2の設置場所である第二検知場所を特定する。そして、特定した第一検知場所および第二検知場所に基づいて、被訪問者の滞在場所を推定する。
【0053】
動線情報生成部107は、訪問先A~C毎に、訪問先データ記憶部108に記憶されている訪問先の居宅内のマップデータ、および滞在変遷履歴データ記憶部111を参照して、訪問先の居宅内における被訪問者の動線情報を生成する。
【0054】
図9は、訪問先管理装置1の動作を説明するためのフロー図である。
【0055】
通過状況管理部104は、滞在変遷履歴データ記憶部111および設置場所データ記憶部109を参照して、被訪問者が要監視場所に滞在中の訪問先が存在するか否かを判断する(S1)。
【0056】
具体的には、訪問先A~C毎に、滞在変遷履歴データのテーブル1110において、フィールド1113に最新の滞在開始日時が登録され、かつフィールド1114に滞在終了日時が登録されていない滞在変遷履歴データのレコード1111を特定する。そして、このレコード1111のフィールド1112に登録されている部屋IDをキーにして、設置場所データのテーブル1090から設置場所データのレコード1091を検索し、このレコード1091のフィールド1096に監視時間が設定されているか否かを判断する。そして、監視時間が設定されているならば、このレコード1091を有するテーブル1090に対応する訪問先を、訪問者が要監視場所に滞在中の訪問先と判断する。
【0057】
被訪問者が要監視場所に滞在中の訪問先が存在するならば(S1でYES)、通過状況管理部104は、この訪問先における被訪問者の要監視場所での滞在時間が所定の監視時間以上であるか否かを判断する(S2)。
【0058】
具体的には、S1においてこの訪問先に対して特定した滞在変遷履歴データのレコード1111のフィールド1113に登録されている滞在開始日時からの経過時間が、S1においてこの訪問先に対して検索した設置場所データのレコード1091のフィールド1096に登録されている監視時間以上であるか否かを判断する。
【0059】
つぎに、通過状況管理部104は、訪問先の要監視場所における被訪問者の滞在時間が所定の監視時間以上であるならば(S2でYES)、訪問先データ記憶部108から、この訪問先の訪問先ID(滞在変遷履歴データのテーブル1110に対応付けられた訪問先ID)を含む訪問先データのレコード1080を特定するとともに、要監視場所の部屋ID(滞在変遷履歴データのレコード1111のフィールド1112に登録されている部屋ID)をキーにして、この訪問先に対応付けられて設置場所データ記憶部109に記憶されている設置場所データのテーブル1090から、設置場所データのレコード1091を特定する。そして、訪問者端末通信部102に、特定した訪問先データのレコード1080および設置場所データのレコード1091を渡して優先訪問通知の送信を指示する。
【0060】
これを受けて、訪問者端末通信部102は、通過状況管理部104から受け取った訪問先データのレコード1080および設置場所データのレコード1091に基づいて、訪問先データのレコード1080により特定される訪問先へ優先的に連絡・訪問するよう訪問者に促す優先訪問通知を生成し、この優先訪問通知を、ネットワークインターフェース部100を介して訪問者端末3に送信する(S3)。
【0061】
図10は、訪問者端末3に表示される優先訪問通知の一例を示す図である。
【0062】
ここで、符号300は、優先的に訪問すべき訪問先の氏名、住所、および連絡先であり、通過状況管理部104から受け取った訪問先データのレコード1080のフィールド1082~1084の登録内容により特定される。また、符号301は、異常内容を示すメッセージであり、このメッセージ301には、通過状況管理部104から受け取った設置場所データのレコード1091のフィールド1093の登録内容(通過検知センサ2の設置場所)により特定される要監視場所の部屋名302が含まれる。また、符号303は、通過状況管理部104から受け取った訪問先データのレコード1080のフィールド1085の登録内容(マップデータ)により特定される訪問先の間取り図(居宅内マップ)であり、通過状況管理部104から受け取った設置場所データのレコード1091のフィールド1095の登録内容(座標情報)により特定される被訪問者が滞在中である要監視場所304が間取り図上で強調表示されている。なお、ここでは、被訪問者が滞在中である要監視場所304が浴室である場合を例示している。
【0063】
図9に戻って説明を続ける。通過検知センサ通信部101がネットワークインターフェース部100を介して通過検知センサ2から検知信号を受信すると(S4でYES)、後述の通過履歴データ・滞在変遷履歴データ更新処理を実施する(S5)。
【0064】
また、訪問者端末通信部102がネットワークインターフェース部100を介して訪問者端末3から優先順位取得要求を受信すると(S6でYES)、後述の優先順位決定処理を実施する(S7)。
【0065】
さらに、訪問者端末通信部102がネットワークインターフェース部100を介して訪問者端末3から動線取得要求を受信すると(S8でYES)、後述の動線情報生成処理を実施する(S9)。
【0066】
図11は、図9に示す通過履歴データ・滞在変遷履歴データ更新処理S5を説明するためのフロー図である。
【0067】
まず、通過検知センサ通信部101は、通過検知センサ2から受信した検知信号の受信日時と、この検知信号に付加されているセンサIDおよび訪問先IDとを、通過状況管理部104に通知する。これを受けて、通過状況管理部104は、通過検知センサ通信部101から受け取った訪問先IDに対応付けられて通過履歴データ記憶部110に記憶されている通過履歴データのテーブル1100に、新たなレコード1101を追加する(S50)。そして、このレコード1101のフィールド1102、1103に、通過検知センサ通信部101から受け取った受信日時、センサIDを登録する(S51)。
【0068】
つぎに、通過状況管理部104は、滞在場所推定部106に、通過検知センサ通信部101から受け取った訪問先IDを通知して滞在場所の推定を指示する。これを受けて、滞在場所推定部106は、通過履歴データ記憶部110および設置場所データ記憶部109を参照して、通過状況管理部104から受け取った訪問先IDにより特定される訪問先の居宅内における被訪問者の滞在場所を推定する(S52)。
【0069】
具体的には、滞在場所推定部106は、通過状況管理部104から受け取った訪問先IDに対応付けられて通過履歴データ記憶部110に記憶されている通過履歴データのテーブル1100から、フィールド1102に最新の受信日時が登録されている通過履歴データのレコード1101(以下、第1レコード1101と呼ぶ)、および最新の一つ前の受信日時が登録されている通過履歴データのレコード1101(以下、第2レコード1101と呼ぶ)を特定する。
【0070】
つぎに、滞在場所推定部106は、通過状況管理部104から受け取った訪問先IDに対応付けられて設置場所データ記憶部109に記憶されている設置場所データのテーブル1090から、第1レコード1101のフィールド1103に登録されているセンサIDがフィールド1092に登録されている設置場所データのレコード1091(以下、第3レコード1091と呼ぶ)、および第2レコード1101のフィールド1103に登録されているセンサIDがフィールド1092に登録されている設置場所データのレコード1091(以下、第4レコード1091と呼ぶ)を特定する。そして、第3レコード1091のフィールド1094に登録されている部屋IDを第一検知場所の部屋IDに設定するとともに、第4レコード1091のフィールド1094に登録されている部屋IDを第二検知場所の部屋IDに設定する。
【0071】
それから、滞在場所推定部106は、第一検知場所の部屋IDと第二検知場所の部屋IDとを比較し、両者が異なるならば、被訪問者が第一検知場所に入室し、退室していないと判断し、被訪問者の現在の滞在場所を第一検知場所と推定する。一方、両者が一致するならば、被訪問者が第一検知場所から退室したものと判断し、被訪問者の現在の滞在場所を不明(移動中)と推定する。
【0072】
つぎに、滞在場所推定部106は、被訪問者の現在の滞在場所を第一検知場所と推定した場合(S52で「第一検知場所に入室」)、この推定結果を、訪問先ID、第一検知場所の部屋ID、および第1レコード1101のフィールド1102に登録されている受信日時とともに、通過状況管理部104に通知する。
【0073】
これを受けて、通過状況管理部104は、滞在場所推定部106から受け取った訪問先IDに対応付けられて滞在変遷履歴データ記憶部111に記憶されている滞在変遷履歴データのテーブル1110に、新たなレコード1111を追加する(S53)。そして、追加したレコード1111のフィールド1112に、滞在場所推定部106から受け取った第一検知場所の部屋IDを登録するとともに、このレコード1111のフィールド1113に、滞在場所推定部106から受け取った受信日時を滞在開始日時として登録する(S54)。
【0074】
一方、滞在場所推定部106は、被訪問者の現在の滞在場所を不明(移動中)と推定した場合(S52で「第一検知場所から退室」)、この推定結果を、訪問先ID、第一検知場所(第二検知場所)の部屋ID、第1レコード1101のフィールド1102に登録されている受信日時、および、第2レコード1101のフィールド1102に登録されている受信日時とともに、通過状況管理部104に通知する。
【0075】
これを受けて、通過状況管理部104は、滞在場所推定部106から受け取った訪問先IDに対応付けられて滞在変遷履歴データ記憶部111に記憶されている滞在変遷履歴データのテーブル1110から、滞在場所推定部106から受け取った第一検知場所(第二検知場所)の部屋IDがフィールド1112に登録されているとともに、滞在場所推定部106から受け取った第2レコード1101のフィールド1102に登録されている受信日時が滞在開始日時としてフィールド1113に登録されており、かつ、フィールド1114が未登録(空欄)のレコード1111を特定する(S55)。そして、特定したレコード1111のフィールド1114に、滞在場所推定部106から受け取った第1レコード1101のフィールド1102に登録されている受信日時を滞在終了日時として登録する(S56)。
【0076】
図12は、図9に示す優先順位決定処理S7を説明するためのフロー図である。
【0077】
まず、訪問者端末通信部102は、訪問者端末3から受信した優先順位取得要求を通過状況管理部104に通知する。これを受けて、通過状況管理部104は、優先順位決定部105に優先順位の決定を指示する。優先順位決定部105は、訪問先A~C毎に、訪問先に対応付けられて通過履歴データ記憶部110に記憶されている通過履歴データのテーブル1100から、フィールド1102に登録されている受信日時が現在日時から所定時間内(例えば24時間以内)であるレコード1101を検索し、検索にヒットしたレコード数を、訪問先における所定時間内の通過回数に設定する(S70)。
【0078】
つぎに、優先順位決定部105は、訪問先A~Cの優先順位を、以上にようにして設定した所定時間内の通過回数の少ない順に決定する(S71)。ここで、所定時間内の通過回数が同数の訪問先が複数存在する場合(S72でYES)、これらの訪問先各々について、訪問先に対応付けられて通過履歴データ記憶部110に記憶されている通過履歴データのテーブル1100から、最新の受信日時(以下、最終通過日時と呼ぶ)がフィールド1102に登録されているレコード1101を検索する。そして、所定時間内の通過回数が同数の訪問先間の優先順位を最終通過日時の古い順に決定する(S73)。
【0079】
つぎに、優先順位決定部105は、訪問先A~C毎に、訪問先に対応付けられて滞在変遷履歴データ記憶部111に記憶されている滞在変遷履歴データのテーブル1110から、フィールド1113に登録されている滞在開始日時が最新のレコード1111を検索し、このレコード1111のフィールド1114が未登録(空欄)ならば、このレコード1111のフィールド1112に登録されている部屋IDにより特定される部屋を滞在場所として特定するとともに、フィールド1113に登録されている滞在開始日時からの経過時間を滞在時間として特定する。一方、フィールド1114に滞在終了日時が登録済みならば、滞在場所を不明(移動中)とする(S74)。
【0080】
つぎに、優先順位決定部105は、訪問先A~C毎に、訪問先ID、所定時間内の通過回数、優先順位、滞在場所、および滞在時間を、通過状況管理部104に通知する。これを受けて、通過状況管理部104は、訪問先データ記憶部108から訪問先A~C各々の氏名を取得し、訪問先A~C毎に、訪問先ID、氏名、所定時間内の通過回数、優先順位、滞在場所、および滞在時間を、訪問者端末通信部102に通知して、優先順位通知の送信を指示する。
【0081】
これを受けて、訪問者端末通信部102は、通過状況管理部104から受け取った訪問先A~C各々の訪問先ID、氏名、所定時間内の通過回数、優先順位、滞在場所、および滞在時間に基づいて、訪問先A~Cの優先順位を訪問者に知らせるための優先順位通知を生成し、この優先順位通知を、ネットワークインターフェース部100を介して訪問者端末3に送信する(S75)。
【0082】
図13は、訪問者端末3に表示される優先順位通知の一例を示す図である。
【0083】
ここで、符号310は、訪問先A~C各々の被訪問者の居宅内における移動状況を示す移動状況データであり、訪問者端末通信部102が通過状況管理部104から受け取った優先順位311、氏名312、所定時間内の通過回数313、滞在場所314、および滞在時間315と、この移動状況データ310に対応する訪問先を選択するための選択ボックス316と、を含む。これらの移動状況データ310は、優先順位311に従って表示される。また、符号317は、選択ボックス316にチェックが入れられた移動状況データ310に対応する訪問先の訪問先IDを伴う動線取得要求を訪問先管理装置1に送信するためのボタンである。
【0084】
図14は、図9に示す動線情報生成処理S9を説明するためのフロー図である。
【0085】
まず、訪問者端末通信部102は、訪問者端末3から受信した動線取得要求を通過状況管理部104に通知する。これを受けて、通過状況管理部104は、動線情報生成部107に、動線取得要求で指定されている訪問先IDを通知して、動線情報の生成を指示する。動線情報生成部107は、通過状況管理部104から受け取った訪問先IDに対応付けられて滞在変遷履歴データ記憶部111に記憶されている滞在変遷履歴データのテーブル1110から、フィールド1113に登録されている滞在開始日時が現在日時から所定時間内(例えば8時間以内)であるレコード1111を検索する(S90)。
【0086】
つぎに、動線情報生成部107は、検索した滞在変遷履歴データのレコード1111毎に、通過状況管理部104から受け取った訪問先IDに対応付けられて設置場所データ記憶部109に記憶されている設置場所データのテーブル1090から、滞在変遷履歴データのレコード1111のフィールド1112に登録されている部屋IDがフィールド1094に登録されている設置場所データのレコード1091を検索する(S91)。
【0087】
それから、動線情報生成部107は、通過状況管理部104から受け取った訪問先IDがフィールド1081に登録されている訪問先データのレコード1080を訪問先データ記憶部108から検索し、この訪問先データのレコード1080のフィールド1085に登録されているマップデータ(通過状況管理部104から受け取った訪問先IDにより特定される訪問先のマップデータ)と、以上のようにして検索した滞在変遷履歴データのレコード1111および設置場所データのレコード1091とに基づいて、動線情報を生成する(S92)。
【0088】
具体的には、フィールド1113に登録されている滞在開始日時の古い順番に従って、検索された滞在変遷履歴データのレコード1111に滞在順番を付与する。そして、通過状況管理部104から受け取った訪問先IDにより特定される訪問先のマップデータが示す訪問先の居宅内マップ上において、検索された滞在変遷履歴データのレコード1111毎に、この滞在変遷履歴データのレコード1111のフィールド1112に登録されている部屋IDがフィールド1094に登録されている設置場所データのレコード1091のフィールド1095に登録されている座標情報により特定される地点付近に、この滞在変遷履歴データのレコード1111に付与された滞在順番を示す滞在マークを配置する。また、以上のようにして訪問先の居宅内マップ上に配置された滞在マークを滞在順番に従って移動線マークにより接続する。そして、これらの滞在マークおよび滞在マーク間の接続状態を訪問先の居宅内マップ上に描画するための情報を動線情報として生成する。
【0089】
つぎに、動線情報生成部107は、動線情報を生成したならば、検索された滞在変遷履歴データのレコード1111毎に、この滞在変遷履歴データのレコード1111のフィールド1113、1114に登録されている滞在開始日時、滞在終了日時を、この滞在変遷履歴データのレコード1111に付与された滞在順番に対応付ける。それから、動線情報と、この動線情報に含まれている滞在マーク各々が示す滞在順番に対応付けられた滞在開始日時および滞在終了日時とを、訪問先IDともに、通過状況管理部104に通知する。
【0090】
これを受けて、通過状況管理部104は、動線情報生成部107から受け取った訪問先IDにより特定される訪問先の氏名、住所、連絡先、およびマップデータを訪問先データ記憶部108から取得する。そして、動線情報生成部107から受け取った動線情報と、この動線情報に含まれている滞在マーク各々が示す滞在順番に対応付けられた滞在開始日時および滞在終了日時とを、取得した訪問先の氏名、住所、連絡先、およびマップデータとともに、訪問者端末通信部102に通知して、動線通知の送信を指示する。
【0091】
これを受けて、訪問者端末通信部102は、通過状況管理部104から受け取った動線情報と、この動線情報に含まれている滞在マーク各々が示す滞在順番に対応付けられた滞在開始日時および滞在終了日時と、訪問先の氏名、住所、連絡先、およびマップデータとを含む動線通知を生成し、この動線通知を、ネットワークインターフェース部100を介して訪問者端末3に送信する(S93)。
【0092】
図15は、訪問者端末3に表示される動線通知の一例を示す図である。
【0093】
ここで、符号320は、動線通知に含まれている訪問先の氏名、住所、および連絡先である。また、符号321は、動線通知に含まれている訪問先のマップデータにより特定される訪問先の間取り図(居宅内マップ)であり、符号322、323は、動線通知に含まれている動線情報により特定される滞在マーク、および滞在順番に従って滞在マーク間を接続する移動線マークである。また、符号324は、被訪問者の居宅内における各部屋の滞在変遷状況を示す滞在変遷状況データであり、動線通知に含まれている滞在マーク322各々が示す滞在順番毎に、滞在順番325と、この滞在順番325に対応付けられて動線通知に含まれている滞在開始日時326および滞在終了日時327と、を含む。
【0094】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0095】
本実施の形態において、訪問先管理装置1は、訪問先A~Cの居宅内の少なくとも一つの部屋の出入口に設置された通過検知センサ2からの検知信号に基づいて、被訪問者の通過回数を管理する。そして、訪問先A~C各々の所定時間内における被訪問者の通過回数に基づいて、訪問先A~Cの優先順位を決定する。したがって、本実施の形態によれば、被訪問者が何らかの理由により居宅内を移動できない等、異常の可能性の高い訪問先A~Cを優先的に訪問することができ、無駄な訪問業務を増やすことなく、異常の早期発見が可能となり、訪問業務の効率化を図ることができる。
【0096】
また、本実施の形態において、訪問先管理装置1は、訪問先A~C毎に、通過回数に加えて、居宅内に設置された通過検知センサ2により検知された被訪問者の通過日時(通過検知センサ2より送信された検知信号の受信日時)を管理しており、通過回数が同数である訪問先が複数存在する場合、これら複数の訪問先間の優先順位を、最終通過日時(検知信号の最新の受信日時)の古い順番に決定している。したがって、本実施の形態によれば、通過回数が同数である訪問先間の優先順位を、被訪問者の移動を確認できていない時間が長いものから順番に決定することができ、これにより、訪問業務の更なる効率化を図ることができる。
【0097】
また、本実施の形態において、訪問先管理装置1は、訪問先A~C毎に、通過回数および通過日時に加えて、被訪問者の通過を検知した通過検知センサ2の設置場所を管理しており、被訪問者の通過を最後に検知した通過検知センサ2の設置場所(第一検知場所)、および被訪問者の通過を最後の一つ前に検知した通過検知センサ2の設置場所(第二検知場所)に基づいて、被訪問者の滞在場所を推定する。また、訪問先管理装置1は、通過検知センサ2の設置場所の少なくとも一つを要監視場所に設定しており、推定された被訪問者の滞在場所が要監視場所と推定された訪問先がある場合、最終通過日時からの経過時間が所定の監視時間以上ならば、通過回数にかかわらず、この訪問先の訪問を優先するように優先訪問通知を生成する。したがって、本実施の形態によれば、浴室に異常に長く滞在している場合等、確認の緊急性が高い訪問先を優先させることができ、これにより、訪問業務の更なる効率化を図ることができる。
【0098】
また、本実施の形態において、訪問先管理装置1は、訪問先A~C各々の居宅内のマップデータを記憶するとともに、訪問先A~C毎に、被訪問者の滞在場所の変遷履歴を管理している。そして、訪問先管理装置1は、訪問者端末3から訪問先IDの指定を伴う動線取得要求を受信した場合に、この訪問先IDにより特定される訪問先の居宅内のマップデータ、およびこの訪問先の居宅内における被訪問者の滞在場所の変遷履歴に基づいて、この訪問先の居宅内における被訪問者の動線情報を生成する。そして、生成した動線情報およびこの訪問先IDにより特定される訪問先の居宅内のマップデータを含む動線通知を訪問者端末3に送信する。したがって、本実施の形態によれば、訪問者端末3のユーザである訪問者は、訪問先の居宅内における被訪問者の移動状況を視覚的に把握して、この訪問先への訪問の緊急度合いを判断することができ、これにより、訪問業務の更なる効率化を図ることができる。
【0099】
なお、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0100】
例えば、上記の実施の形態において、図4に示す訪問先管理装置1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるか、DSP(Digital Signal Processor)等の計算機によりソフトウエア的に実現される。あるいは、CPUと、メモリと、ハードディスク、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースと、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現される。
【0101】
また、上記の実施の形態では、訪問者端末3が無線端末である場合を例にとり説明したが、訪問者端末3は有線端末であってもよい。また、訪問者端末3は、訪問先管理装置1と同じ装置上に実現されていてもよい。
【0102】
また、居宅内の部屋の出入口だけでなく、例えば、居宅の出入口(玄関等)にも通過検知センサを配置しておき、在宅中の訪問先のみ優先順位を付けてもよい。また、訪問先によっては、外出が検知された訪問先を最優先で訪問するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1:訪問先管理装置 2:通過検知センサ 3:訪問者端末 4:WAN 5:アクセスポイント 100:ネットワークインターフェース部 101:通過検知センサ通信部 102:訪問者端末通信部 103:記憶部 104:通過状況管理部 105:優先順位決定部 106:滞在場所推定部 107:動線情報生成部 108:訪問先データ記憶部 109:設置場所データ記憶部 110:通過履歴データ記憶部 111:滞在変遷履歴データ記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15