(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】バスバーユニットおよびモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 3/50 20060101AFI20220323BHJP
H02K 3/52 20060101ALI20220323BHJP
H02K 3/04 20060101ALI20220323BHJP
H02K 21/14 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
H02K3/50 A
H02K3/52 E
H02K3/04 J
H02K21/14 M
(21)【出願番号】P 2019509623
(86)(22)【出願日】2018-03-20
(86)【国際出願番号】 JP2018011185
(87)【国際公開番号】W WO2018180817
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-02-22
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】P 2017191094
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高橋 俊輔
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-259333(JP,A)
【文献】特開2008-289325(JP,A)
【文献】特開2017-143735(JP,A)
【文献】特開2016-127798(JP,A)
【文献】特表2018-537063(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0133902(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/50
H02K 3/52
H02K 3/04
H02K 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータに設けられるバスバーユニットであって、
上下方向に延びる中心軸周りに環状に配置されるステータの軸方向一方側に設けられるバスバーホルダと、
軸方向と直交する平面に沿って延び前記バスバーホルダに固定されるバスバーと、
前記バスバーに接続され前記バスバーから上側に延びる外部接続端子と、を備え、
前記バスバーは、線材からなり、
前記バスバーは、
一方の端部に位置し前記外部接続端子に接続される端子接続部と、
他方の端部に位置し前記ステータから延び出る引出線に接続される引出線接続部と、を有し、
前記引出線接続部は、U字状であり、
前記引出線接続部は、前記外部接続端子側に位置する第1の端部と、前記第1の端部の反対側に位置する第2の端部と、を有し、
前記第2の端部には、前記引出線接続部の開口から離れる方向に延びる延出部が設けられる、バスバーユニット。
【請求項2】
前記バスバーは、複数の前記引出線接続部を有し、
複数の前記引出線接続部は、径方向に開口する、請求項1に記載のバスバーユニット。
【請求項3】
複数の前記バスバーを備え、
複数の前記バスバーの前記引出線接続部は、径方向に開口する、請求項1又は2に記載のバスバーユニット。
【請求項4】
複数の前記引出線接続部が、軸方向から見て前記中心軸を中心とする同心円上に並ぶ、請求項2又は3に記載のバスバーユニット。
【請求項5】
前記バスバーホルダは、前記バスバーを挟み込んで保持する挟持部を有し、
前記バスバーは、複数の前記引出線接続部を有し、前記引出線接続部同士の間で前記挟持部に保持される、請求項1~4の何れか一項に記載のバスバーユニット。
【請求項6】
請求項1~4の何れか一項に記載のバスバーユニットを有するモータであって、
コイル線が巻き回される前記ステータと、
前記ステータと隙間を介して径方向に対向するロータと、を備える、モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスバーユニットおよびモータに関する。
【背景技術】
【0002】
バスバーユニットを備えるモータが知られる。バスバーユニットは、モータの各相のコイルが接続されるバスバーを備える。バスバーには、モータの外部から各相のコイルに給電するためのコネクタが接続される。
例えば、特許文献1には、モータの周方向に沿って延びる円環状のバスバー(バスリング)を備えるバスバーユニットが記載される。このバスバーユニットにおいて、バスバーは、線材を折り曲げて成形されている。コイルの引出線は、バスバーに設けられた引出線挿通部に挿入され接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
引出線接続部と引出線とを溶接する場合、引出線が挿通された引出線接続部を溶接治具で把持し、引出線接続部と引出線とを位置決めする。線材を折り曲げて成形された引出線接続部では、溶接治具による引出線接続部の把持が不安定になりやすいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、引出線接続部を安定して保持し、引出線接続部と引出線との溶接工程を安定して行うことができるバスバーユニットを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のバスバーユニットの一つの態様は、モータに設けられるバスバーユニットであって、上下方向に延びる中心軸周りに環状に配置されるステータの軸方向一方側に設けられるバスバーホルダと、軸方向と直交する平面に沿って延び前記バスバーホルダに固定されるバスバーと、前記バスバーに接続され前記バスバーから上側に延びる外部接続端子と、を備える。前記バスバーは、線材からなる。前記バスバーは、一方の端部に位置し前記外部接続端子に接続される端子接続部と、他方の端部に位置し前記ステータから延び出る引出線に接続される引出線接続部と、を有する。前記引出線接続部は、U字状である。前記引出線接続部は、前記外部接続端子側に位置する第1の端部と、前記第1の端部の反対側に位置する第2の端部と、を有する。前記第2の端部には、前記引出線接続部の開口から離れる方向に延びる延出部が設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、引出線接続部を安定して保持し、引出線接続部と引出線との溶接工程を安定して行うことができるバスバーユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態のモータのステータおよびバスバーユニットを示す斜視展開図である。
【
図2】
図2は、一実施形態のステータの構成を示す平断面図である。
【
図3】
図3は、一実施形態のステータの構成を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、一実施形態のバスバーユニットを示す斜視図である。
【
図5】
図5は、一実施形態のバスバーホルダを示す斜視図である。
【
図6】
図6は、一実施形態のバスバーホルダにバスバーを組み付けた状態を示す平面図である。
【
図7】
図7は、一実施形態のバスバーホルダにU相用バスバー群を組み付けた状態を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、一実施形態のバスバーホルダにU相用バスバー群とV相用バスバー群とを組み付けた状態を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、一実施形態のモータを搭載する装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態のモータのステータおよびバスバーユニットを示す斜視展開図である。
図2は、一実施形態のステータの構成を示す斜視図である。
図3は、一実施形態のステータの構成を示す斜視図である。なお、
図1、
図2および
図3において、コイルの具体的な描画を省略する。
【0010】
図1に示す様に、本実施形態のモータ10は、ロータ30(
図2参照)と、ステータ40と、ハウジング(図示無し)と、バスバーユニット60と、を備える。
【0011】
図2に示す様に、ロータ30は、シャフト31およびロータコア32を有する。シャフト31は、上下方向に延びる中心軸Jに沿って配置される。
以下の説明においては、中心軸Jと平行な方向を単に「上下方向」(軸方向)と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。また、上下方向のうちの
図1における上側を単に「上側」と呼び、上下方向のうちの
図1における下側を単に「下側」と呼ぶ。なお、上側、下側、および上下方向とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等を限定しない。
【0012】
ロータコア32は、筒状の部材である。上下方向から見て、ロータコア32の外形は、多角形である。本実施形態において、ロータコア32の外形は、八角形である。すなわち、本実施形態において、ロータコア32は、中空の略八角形柱である。なお、ロータコア32は、円筒などであってもよい。ロータコア32は、複数の電磁鋼板が上下方向に積層された積層鋼板である。
【0013】
ロータコア32は、その中央にシャフト貫通孔32hを有する。シャフト貫通孔32hには、シャフト31が通される。シャフト31は、ロータコア32に対して、圧入や接着などによって固定されてもよく、樹脂部材などを介して固定されてもよい。すなわち、シャフト31は、ロータコア32と、直接的又は間接的に固定される。なお、シャフト31は、中空状の部材であってもよく、特に限定されるものではない。
本実施形態では、上下方向におけるロータコア32の寸法は、後述のステータコア41の寸法と同じである。しかしながら、ロータコア32の寸法は、ステータコア41の寸法と異なってもよい。
【0014】
ロータコア32の各外側面には、複数のマグネット33がそれぞれ配置される。マグネット33は、上下方向に延びる板状の部材である。隣り合うマグネット33同士は、周方向に対向する。周方向一方側に位置するマグネット33は、周方向他方側に位置するマグネット33と、周方向に間隙を介して対向する。
【0015】
本実施形態では、上下方向において、マグネット33の寸法は、ロータコア32の寸法の長さと同じである。マグネット33の上面は、ロータコア32の上面と面一である。マグネット33の下面は、ロータコア32の下面と面一である。すなわち、マグネット33の上下方向の寸法は、ステータコア41の上下方向の寸法と同じである。なお、マグネット33の上下方向の寸法は、ステータコア41の上下方向の寸法と異なってもよい。
【0016】
ステータ40は、ロータ30の径方向外側に配置される。
図2、
図3に示す様に、ステータ40は、中心軸J周りに環状に配置される。ステータ40は、円筒状のハウジング(図示無し)に収容される。ステータ40は、環状のステータコア41と、ステータコア41に装着されたインシュレータ42と、インシュレータ42を介してステータコア41に装着されたコイル(図示無し)と、を有する。
【0017】
ステータコア41は、複数の電磁鋼板が上下方向に積層された積層鋼板である。ステータコア41は、環状のコアバック部41aと、複数のティース41bと、を有する。本実施形態において、ステータコア41は、いわゆる分割コアである。コアバック部41aは、複数の扇状のコアピース46が周方向に接続されることにより構成される。各コアピース46の内周面には、ティース41bが設けられる。ティース41bは、コアピース46の内周面から径方向内側に向かって延びる。ティース41bは、コアバック部41aの内側面において、周方向に等間隔に配置される。ティース41bは、ロータ30のマグネット33と径方向に対向する。ティース41bは、ティース41bの径方向内側の端部にアンブレラ41cを有する。アンブレラ41cは、ティース41bの径方向内側の端部から周方向の両側に延びる。周方向において隣り合うアンブレラ41c同士との間には、間隙が構成される。
なお、ステータコア41は、分割コアだけでなく、いわゆるストレートコアや丸コアなど他の種類のコアであってもよい。
【0018】
インシュレータ42の材料は絶縁性を有する。本実施形態では、インシュレータ42の材料は、絶縁性の樹脂である。インシュレータ42は、ティース41bの外周面の少なくとも一部を覆う。
インシュレータ42は、ステータ40の上側に、フランジ部42fを有する。フランジ部42fは、インシュレータ42の径方向外側に位置する。フランジ部42fは、上下方向に所定の高さを有し、周方向に延びる。
なお、インシュレータ42の材料は、絶縁性を有するのであれば、樹脂に限られず、他の材料が用いられてもよい。
【0019】
本実施形態のモータ10は、U相、V相、W相の3つの相を有する、いわゆる3相モータである。コイル(図示無し)は、U相コイル、V相コイル、W相コイルを4つずつ有する。本実施形態において、コイルの結線方式は、いわゆるY結線方式である。U相コイル、V相コイル、W相コイルは、周方向において、この順に隣り合って配置される。これらU相コイル、V相コイル、W相コイルを一組とするコイルの組が、本実施形態では4組存在する。
【0020】
コイル(図示無し)は、コイル線がインシュレータ42を介してティース41bに巻き回される。
図3に示す様に、各コイル(U相コイル、V相コイル、W相コイル)は、第1引出線44と第2引出線45とを有する。第1引出線44、第2引出線45は、上側に向かって延びる。各コイルにおいて、第1引出線44は、第2引出線45よりも径方向外側に位置する。また、各コイルにおいて、第2引出線45は、第1引出線44よりも上下方向の上側に長く延びる。本実施形態において、各コイルからは、1本の第1引出線44と1本の第2引出線45とが引き出される。本実施形態では、ティース41bの数は12本である。したがって、コイル43の数は12個である。第1引出線44と第2引出線45の数は、それぞれ12本ずつである。
【0021】
各組のU相コイル、V相コイル、およびW相コイルの第1引出線は、中性点バスバー48によって電気的に接続される。中性点バスバー48は、インシュレータ42のフランジ部42fに保持される。中性点バスバー48は、導電性を有する金属の線材を折り曲げて成形される。本実施形態では、中性点バスバー48は、周方向に等間隔にあけて4個が配置される。
【0022】
各中性点バスバー48は、バスバー本体48aと、コイル線保持部48bと、を有する。バスバー本体48aは、上下方向から見て、周方向に延びる円弧状である。
コイル線保持部48bは、バスバー本体48aの周方向に間隔をあけた複数個所に設けられる。本実施例において、コイル線保持部48bは、バスバー本体48aの4個所に設けられる。各コイル線保持部48bは、径方向外側に開口するU字状である。各コイル線保持部48bは、一対の延伸部48c,48cと、連結部48dと、を有する。一対の延伸部48c,48cは、バスバー本体48aから径方向内側に延びる。連結部48dは、一対の延伸部48c、48cの径方向内側の端部同士を連結する。連結部48dは、半円弧状である。
【0023】
各中性点バスバー48は、各組のU相コイル、V相コイル、W相コイルの第1引出線44が電気的に接続される。U相コイルの第1引出線44U、V相コイルの第1引出線44V、W相コイルの第1引出線44Wのそれぞれは、先端部がコイル線保持部48bの内側に位置する。このようにして、各組のU相コイル、V相コイル、W相コイルから引き出された3本の第1引出線44U,44V,44Wの端部は、1本の中性点バスバー48に電気的に接続される。各コイル線保持部48bと第1引出線44とは、カシメにより固定される。さらに、各コイル線保持部48bと第1引出線44の端部とは、レーザ溶接等によって強固に固定される。
【0024】
図4は、一実施形態のバスバーユニットを示す斜視図である。
図4に示す様に、バスバーユニット60は、全体として径方向に拡がる略円板状である。バスバーユニット60は、バスバー70と、バスバーホルダ61と、を有する。
【0025】
バスバーホルダ61は、ステータ40の上下方向一方側に設けられる。本実施形態では、バスバーホルダ61は、ステータ40の上側に配置される。
バスバーホルダ61は、絶縁性の材料からなる。本実施形態では、バスバーホルダ61の材料は、絶縁性の樹脂である。しかしながら、バスバーホルダ61の材料は、他の絶縁性を有する材料であってもよい。
【0026】
図5は、一実施形態のバスバーホルダを示す斜視図である。
図5に示す様に、バスバーホルダ61は、略板状の部材である。上下方向から見て、バスバーホルダ61は、略円形の外形を有する。バスバーホルダ61は、中心軸Jを中心として、120°毎の回転対称形状である。バスバーホルダ61は、中心部に、上下方向に貫通する貫通孔61hを有する。バスバーホルダ61は、ハウジング(図示無し)の径方向内側に嵌め合わされる。
【0027】
バスバーホルダ61は、引出線挿通孔62を有する。引出線挿通孔62は、バスバーホルダ61を上下方向に貫通する。引出線挿通孔62は、周方向に間隔をあけて複数設けられる。本実施形態では、引出線挿通孔62の数は、第2引出線45の数と同じである。すなわち、引出線挿通孔62の数は、12個である。
【0028】
バスバーホルダ61は、その上面に、挟持部66と、端子保持部69と、を有する。
挟持部66は、バスバーホルダ61の貫通孔61hの径方向外側に設けられる。挟持部66は、引出線挿通孔62よりも径方向内側に設けられる。挟持部66は、周方向をあけて複数設けられる。本実施形態において、挟持部66は、周方向に等間隔をあけて6個設けられる。各挟持部66は、一対の爪部材66aを有する。各爪部材66aは、上側に向かって延びる。一対の爪部材66aは、径方向に間隔をあけて互いに対向する。一対の爪部材66aは、それぞれの先端部に、爪部材66a同士が対向する方向に突出する突起(図示無し)を有する。一対の爪部材66aの突起の間隔は、後述するバスバー70の線材77の外径よりも狭い。これにより、挟持部66は、バスバー70の線材77を、スナップフィットにより保持する。
【0029】
端子保持部69は、バスバーホルダ61の外周部に設けられる。端子保持部69は、周方向に複数設けられる。本実施形態において、端子保持部69は、周方向に間隔をあけて3個設けられる。各端子保持部69は、一対の柱状部材69a,69bを有する。一対の柱状部材69a,69bは、径方向に間隔をあけて対向する。柱状部材69a,69bは、それぞれバスバーホルダ61の上面から上側に延びる。柱状部材69a,69bは、保持溝69m、69nを有する。保持溝69m、69nは、柱状部材69a,69bが互いに対向する対向方向内側に設けられる。保持溝69m、69nは、上下方向に延びる。保持溝69m、69nの上端は、柱状部材69a,69bの上端で上方に向かって開口する。
【0030】
図1に示す様に、バスバーホルダ61は、ステータ40の各コイルから上側に延びる第1引出線44よりも上側に位置する。第2引出線45は、引出線挿通孔62を通り、バスバーホルダ61の上面側に突出する。
【0031】
図6は、一実施形態のバスバーホルダにバスバーを組み付けた状態を示す平面図である。
図5、
図6に示す様に、バスバー70は、バスバーホルダ61の上側に位置する。バスバー70は、バスバーホルダ61に固定される。バスバー70は、U相用バスバー群(第1種のバスバー)70Uと、V相用バスバー群(第2種のバスバー)70Vと、W相用バスバー群(第3種のバスバー)70Wと、を有する。
U相用バスバー群70Uは、U相第1バスバー71と、U相第2バスバー72と、を有する。V相用バスバー群70Vは、V相第1バスバー73と、V相第2バスバー74と、を有する。W相用バスバー群70Wは、W相第1バスバー75と、W相第2バスバー76と、を有する。
【0032】
U相第1バスバー71、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、およびW相第2バスバー76は、それぞれ、上下方向と直交する面に沿って延びる。
【0033】
U相第1バスバー71、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、およびW相第2バスバー76は、それぞれ、断面円形の線材77からなる。線材77は、導電性を有した金属材料からなる。U相第1バスバー71、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、およびW相第2バスバー76は、それぞれ、線材77を、フォーミングマシンで折り曲げて成形される。フォーミングマシンは、線材77を繰出しながら、所定の位置で折り曲げ加工させるものである。フォーミングマシンは、線材77の折り曲げ位置、折り曲げ方向、折り曲げ部分の曲率等を、予め設定することができる。これにより、U相第1バスバー71、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、およびW相第2バスバー76は、フォーミングマシンで、予め設定されたプログラミングに基づいて自動的に製造される。
【0034】
図7は、一実施形態のバスバーホルダにU相用バスバー群を組み付けた状態を示す斜視図である。
図6、
図7に示す様に、U相第1バスバー71は、第1の直線部71sと、第2の直線部71tと、端子接続部71cと、第1の引出線接続部(引出線接続部)71aと、第2の引出線接続部(引出線接続部)71bと、を有する。
【0035】
第1の直線部71sは、第1の引出線接続部71aと第2の引出線接続部71bとの間に設けられる。第1の直線部71sは、第1の引出線接続部71aと第2の引出線接続部71bとを繋ぐ。第1の直線部71sは、上下方向から見て直線状である。第1の直線部71sは、径方向に直交する方向に延びる。
【0036】
第2の直線部71tは、第2の引出線接続部71bと端子接続部71cとの間に設けられる。第2の直線部71tは、後述する第4の端部71iから延びる。第2の直線部71tは、上下方向から見て直線状である。第2の直線部71tは、第1の直線部71sと平行である。第2の直線部71tは、第1の直線部71sを延長する仮想線Lに対して径方向内側にずれて配置される。
【0037】
端子接続部71cは、U相第1バスバー71の一方の端部に位置する。端子接続部71cは、第2の直線部71tの端部から径方向内側に約90°折り曲げられ、径方向に直交して延びる。端子接続部71cは、U相外部接続端子81に接続される。
【0038】
第1の引出線接続部71aは、U相第1バスバー71の他方の端部に位置する。第1の引出線接続部71aは、一対の延伸部71vと、湾曲部71wと、を有する。一対の延伸部71vは、径方向に沿って互いに平行に延びる。一対の延伸部71vは、バスバーホルダ61の引出線挿通孔62を挟んだ両側に配置される。湾曲部71wは、一対の延伸部71vの径方向外側の端部同士を連結する。湾曲部71wは、半円弧状で、引出線挿通孔62の内周縁に沿って湾曲する。このように、第1の引出線接続部71aは、径方向内側に開口するU字状である。第1の引出線接続部71aは、径方向内側に開口する開口71pを有する。第1の引出線接続部71aは、バスバーホルダ61から上側に突出する第2引出線45に接続される。第2引出線45は、第1の引出線接続部71aの内側に位置する。第2引出線45は、第1の引出線接続部71aに、レーザ溶接等によって接合される。
【0039】
第1の引出線接続部71aは、第1の端部71dと、第2の端部71eと、をさらに有する。第1の端部71dは、第1の直線部71sの端部に接続される。第2の端部71eは、第1の端部71dの反対側に位置する。第2の端部71eには、第1の引出線接続部71aの開口71pから離れる方向に延びる延出部71fが設けられる。延出部71fは、径方向に直交する方向に延びる。
【0040】
第2の引出線接続部71bは、端子接続部71cと第1の引出線接続部71aとの間に位置する。第2の引出線接続部71bは、第2の直線部71tと第1の直線部71sとの間に位置する。第2の引出線接続部71bは、第1の引出線接続部71aと同様の形状を有する。すなわち、第2の引出線接続部71bは、一対の延伸部71vと、湾曲部71wと、を有する。このように、第2の引出線接続部71bは、径方向内側に開口するU字状である。第2の引出線接続部71bは、径方向内側に開口する開口71pを有する。
【0041】
第2の引出線接続部71bは、バスバーホルダ61から上側に突出する第2引出線45に接続される。第2引出線45は、第2の引出線接続部71bの内側に位置する。第2引出線45は、第2の引出線接続部71bに、レーザ溶接等によって接合される。
【0042】
第2の引出線接続部71bは、第3の端部71hと、第4の端部71iと、をさらに有する。第3の端部71hは、第1の直線部71sの端部に接続される。第4の端部71iは、第3の端部71hの反対側に位置する。第4の端部71iは、第2の直線部71tの端部に接続される。
【0043】
U相第1バスバー71は、第1の直線部71sにおいて挟持部66に保持される。換言すると、U相第1バスバー71は、第1の引出線接続部71a,第2の引出線接続部71bの間で挟持部66に保持される。第1の引出線接続部71aおよび第2の引出線接続部71bは、上下方向から見て中心軸Jを中心とする同心円上に並ぶ。
【0044】
U相第2バスバー72は、第1の直線部72sと、第2の直線部72tと、端子接続部72cと、第1の引出線接続部(引出線接続部)72aと、第2の引出線接続部(引出線接続部)72bと、を有する。
第1の直線部72sは、第1の引出線接続部72aと第2の引出線接続部72bとの間に設けられる。第1の直線部72sは、第1の引出線接続部72aと第2の引出線接続部72bとを繋ぐ。第1の直線部72sは、上下方向から見て直線状である。第1の直線部72sは、径方向に直交する方向に延びる。
【0045】
第2の直線部72tは、第2の引出線接続部72bと端子接続部72cとの間に設けられる。第2の直線部72tは、後述する第4の端部72iから延びる。第2の直線部72tは、上下方向から見て直線状である。第2の直線部72tは、第1の直線部72sと平行である。第2の直線部72tは、第1の直線部72sを延長する仮想線Lから径方向内側にずれて配置される。
【0046】
端子接続部72cは、U相第2バスバー72の一方の端部に位置する。端子接続部72cは、第2の直線部72tの端部から径方向内側に約90°折り曲げられ、径方向に直交して延びる。端子接続部72cは、U相第1バスバー71の端子接続部71cに対して径方向外側にずれて配置される。端子接続部72cは、U相第1バスバー71の端子接続部71cと平行に配置される。端子接続部72cは、U相外部接続端子81に接続される。
【0047】
第1の引出線接続部72aは、U相第2バスバー72の他方の端部に位置する。第1の引出線接続部72aは、第1の引出線接続部71aと同様の形状を有する。第1の引出線接続部72aは、径方向内側に開口するU字状である。第1の引出線接続部72aは、径方向内側に開口する開口72pを有する。第1の引出線接続部72aは、バスバーホルダ61から上側に突出する第2引出線45に接続される。第2引出線45は、第1の引出線接続部72aの内側に位置する。第2引出線45は、第1の引出線接続部72aに、レーザ溶接等によって接合される。
【0048】
第1の引出線接続部72aは、第1の端部72dと、第2の端部72eと、をさらに有する。第1の端部72dは、第1の直線部72sの端部に接続される。第2の端部72eは、第1の端部72dの反対側に位置する。第2の端部72eには、第1の引出線接続部72aの開口72pから離れる方向に延びる延出部72fが設けられる。延出部72fは、径方向に直交する方向に延びる。
【0049】
第2の引出線接続部72bは、端子接続部72cと第1の引出線接続部72aとの間に位置する。第2の引出線接続部72bは、第2の直線部72tと第1の直線部72sとの間に位置する。第2の引出線接続部72bは、第2の引出線接続部71bと同様の形状を有する。第2の引出線接続部72bは、径方向内側に開口するU字状である。第2の引出線接続部72bは、径方向内側に開口する開口72pを有する。第2の引出線接続部72bは、バスバーホルダ61から上側に突出する第2引出線45に接続される。第2引出線45は、第2の引出線接続部72bの内側に位置する。第2引出線45は、第2の引出線接続部72bに、レーザ溶接等によって接合される。
【0050】
第2の引出線接続部72bは、第3の端部72hと、第4の端部72iと、をさらに有する。第3の端部72hは、第1の直線部72sの端部に接続される。第4の端部72iは、第3の端部72hの反対側に位置する。第4の端部72iは、第2の直線部72tの端部に接続される。
【0051】
U相第2バスバー72は、第1の直線部72sにおいて挟持部66に保持される。換言すると、U相第2バスバー72は、第1の引出線接続部72a,第2の引出線接続部72bの間で挟持部66に保持される。U相第1バスバー71、U相第2バスバー72は、バスバーホルダ61の上面に沿って保持される。U相第1バスバー71、U相第2バスバー72は、バスバーホルダ61の上面との間に間隙をあけていてもよいし、バスバーホルダ61の上面に接していてもよい。
【0052】
このようなU相第1バスバー71とU相第2バスバー72とは、第1の直線部71s、端子接続部71cおよび第1の引出線接続部71aと、第1の直線部72s、端子接続部72cおよび第1の引出線接続部72aとを含む全体で、上下方向位置が一致する。
第1の引出線接続部72aおよび第2の引出線接続部72bは、上下方向から見て中心軸Jを中心とする同心円上に並ぶ。さらに、第1の引出線接続部72aおよび第2の引出線接続部72bは、U相第1バスバー71の第1の引出線接続部71aおよび第2の引出線接続部71bと、上下方向から見て中心軸Jを中心とする同心円上に並ぶ。
【0053】
U相第1バスバー71、U相第2バスバー72は、第1の直線部71sと、第1の直線部72sとが、中心軸Jを挟んで反対側に位置する。また、U相第1バスバー71、U相第2バスバー72は、第1の直線部71sと、第1の直線部72sとが、平行に延びる。
また、U相第1バスバー71と、U相第2バスバー72とは、接続されるU相外部接続端子81から互いに周方向の反対側に延びる。
これにより、U相第1バスバー71により生じる磁場とU相第2バスバー72により生じる磁場とを互いに相殺させ、外部に影響を与えることを抑制する。
【0054】
図8は、一実施形態のバスバーホルダにU相用バスバー群とV相用バスバー群とを組み付けた状態を示す斜視図である。
図6、
図8に示す様に、V相第1バスバー73は、第1の直線部73sと、第2の直線部73tと、端子接続部73cと、第1の引出線接続部(引出線接続部)73aと、第2の引出線接続部(引出線接続部)73bと、を有する。
第1の直線部73sは、第1の引出線接続部73aと第2の引出線接続部73bとの間に設けられる。第1の直線部73sは、第1の引出線接続部73aと第2の引出線接続部73bとを繋ぐ。第1の直線部73sは、上下方向から見て直線状である。第1の直線部73sは、径方向に直交する方向に延びる。
【0055】
第2の直線部73tは、第2の引出線接続部73bと端子接続部73cとの間に設けられる。第2の直線部73tは、後述する第4の端部73iから延びる。第2の直線部73tは、上下方向から見て直線状である。第2の直線部73tは、第1の直線部73sと平行である。第2の直線部73tは、第1の直線部73sを延長する仮想線Lから径方向内側にずれて配置される。
【0056】
端子接続部73cは、V相第1バスバー73の一方の端部に位置する。端子接続部73cは、第2の直線部73tの端部から径方向内側に約90°折り曲げられ、径方向に直交して延びる。端子接続部73cは、V相外部接続端子82に接続される。
【0057】
第1の引出線接続部73aは、V相第1バスバー73の他方の端部に位置する。第1の引出線接続部73aは、第1の引出線接続部71aと同様の形状を有する。第1の引出線接続部73aは、径方向内側に開口するU字状である。
第1の引出線接続部73aは、バスバーホルダ61から上側に突出する第2引出線45に接続される。第2引出線45は、第1の引出線接続部73aの内側に位置する。第2引出線45は、第1の引出線接続部73aに、レーザ溶接等によって接合される。
【0058】
第1の引出線接続部73aは、第1の端部73dと、第2の端部73eと、をさらに有する。第1の端部73dは、第1の直線部73sの端部に接続される。第2の端部73eは、第1の端部73dの反対側に位置する。第2の端部73eには、第1の引出線接続部73aの開口73pから離れる方向に延びる延出部73fが設けられる。延出部73fは、径方向に直交する方向に延びる。
【0059】
第2の引出線接続部73bは、端子接続部73cと第1の引出線接続部73aとの間に位置する。第2の引出線接続部73bは、第2の直線部73tと第1の直線部73sとの間に位置する。第2の引出線接続部73bは、第2の引出線接続部71bと同様の形状を有する。第2の引出線接続部73bは、径方向内側に開口するU字状である。第2の引出線接続部73bは、径方向内側に開口する開口73pを有する。
第2の引出線接続部73bは、バスバーホルダ61から上側に突出する第2引出線45に接続される。第2引出線45は、第2の引出線接続部73bの内側に位置する。第2引出線45は、第2の引出線接続部73bに、レーザ溶接等によって接合される。
【0060】
第2の引出線接続部73bは、第3の端部73hと、第4の端部73iと、をさらに有する。第3の端部73hは、第1の直線部73sの端部に接続される。第4の端部73iは、第3の端部73hの反対側に位置する。第4の端部73iは、第2の直線部73tの端部に接続される。
【0061】
V相第1バスバー73は、第1の直線部73sにおいて挟持部66に保持される。換言すると、V相第1バスバー73は、第1の引出線接続部73a,第2の引出線接続部73bの間で挟持部66に保持される。
第1の引出線接続部73aおよび第2の引出線接続部73bは、上下方向から見て中心軸Jを中心とする同心円上に並ぶ。
【0062】
V相第1バスバー73は、上下方向から見てU相第2バスバー72の一部と交差する交差部J1を有する。V相第1バスバー73は、交差部J1に退避部93を有する。退避部93は、交差するU相第2バスバー72の上側を通過する。退避部93は、U相第2バスバー72の第1の直線部72sの上側を通過する。退避部93は、V相第1バスバー73の第1の直線部73sに設けられる。退避部93は、第1の直線部73sにおいて、第2の引出線接続部73b側に設けられる。退避部93は、一対の脚部93aと、ブリッジ部93bと、を有する。一対の脚部93aは、第1の直線部73s、第2の引出線接続部73bから上側に延びる。ブリッジ部93bは、一対の脚部93aの上端部同士を繋ぐ。ブリッジ部93bは、第1の直線部73sに対し、上側に位置する。ブリッジ部93bは、第1の直線部73sと平行に延びる。このようにして、退避部93は、U相第2バスバー72の第1の直線部72sの上側を跨ぐ。退避部93は、U相第2バスバー72の第1の直線部72sとの間に、間隔をあけて配置される。
【0063】
V相第2バスバー74は、第1の直線部74sと、第2の直線部74tと、端子接続部74cと、第1の引出線接続部(引出線接続部)74aと、第2の引出線接続部(引出線接続部)74bと、を有する。
第1の直線部74sは、第1の引出線接続部74aと第2の引出線接続部74bとの間に設けられる。第1の直線部74sは、第1の引出線接続部74aと第2の引出線接続部74bとを繋ぐ。第1の直線部74sは、上下方向から見て直線状である。第1の直線部74sは、径方向に直交する方向に延びる。
【0064】
第2の直線部74tは、第2の引出線接続部74bと端子接続部74cとの間に設けられる。第2の直線部74tは、後述する第4の端部74iから延びる。第2の直線部74tは、上下方向から見て直線状である。第2の直線部74tは、第1の直線部74sと平行である。第2の直線部74tは、第1の直線部74sを延長する仮想線Lから径方向内側にずれて配置される。
【0065】
端子接続部74cは、V相第2バスバー74の一方の端部に位置する。端子接続部74cは、第2の直線部74tの端部から径方向内側に約90°折り曲げられ、径方向に直交して延びる。端子接続部74cは、V相第1バスバー73の端子接続部73cに径方向外側にずれて配置される。端子接続部74cは、V相第1バスバー73の端子接続部73cと平行に配置される。端子接続部74cは、V相外部接続端子82に接続される。
【0066】
第1の引出線接続部74aは、V相第2バスバー74の他方の端部に位置する。第1の引出線接続部74aは、第1の引出線接続部71aと同様の形状を有する。第1の引出線接続部74aは、径方向内側に開口するU字状である。第1の引出線接続部74aは、径方向内側に開口する開口74pを有する。第1の引出線接続部74aは、バスバーホルダ61から上側に突出する第2引出線45に接続される。第2引出線45は、第1の引出線接続部74aの内側に位置する。第2引出線45は、第1の引出線接続部74aに、レーザ溶接等によって接合される。
【0067】
第1の引出線接続部74aは、第1の端部74dと、第2の端部74eと、をさらに有する。第1の端部74dは、第1の直線部74sの端部に接続される。第2の端部74eは、第1の端部74dの反対側に位置する。第2の端部74eには、第1の引出線接続部74aの開口74pから離れる方向に延びる延出部74fが設けられる。延出部74fは、径方向に直交する方向に延びる。
【0068】
第2の引出線接続部74bは、端子接続部74cと第1の引出線接続部74aとの間に位置する。第2の引出線接続部74bは、第2の直線部74tと第1の直線部74sとの間に位置する。第2の引出線接続部74bは、第2の引出線接続部71bと同様の形状を有する。第2の引出線接続部74bは、径方向内側に開口するU字状である。第2の引出線接続部74bは、径方向内側に開口する開口74pを有する。
第2の引出線接続部74bは、バスバーホルダ61から上側に突出する第2引出線45に接続される。第2引出線45は、第2の引出線接続部74bの内側に位置する。第2引出線45は、第2の引出線接続部74bに、レーザ溶接等によって接合される。
【0069】
第2の引出線接続部74bは、第3の端部74hと、第4の端部74iと、をさらに有する。第3の端部74hは、第1の直線部74sの端部に接続される。第4の端部74iは、第3の端部74hの反対側に位置する。第4の端部74iは、第2の直線部74tの端部に接続される。
【0070】
V相第2バスバー74は、上下方向から見てU相第1バスバー71の一部と交差する交差部J2を有する。V相第2バスバー74は、交差部J2に退避部94を有する。退避部94は、交差するU相第1バスバー71の上側を通過する。退避部94は、U相第1バスバー71の第1の直線部71sの上側を通過する。退避部94は、V相第2バスバー74の第1の直線部74sに設けられる。退避部94は、第1の直線部74sにおいて、第1の引出線接続部74a側に設けられる。退避部94は、退避部94と同様の形状である。退避部94は、U相第1バスバー71の第1の直線部71sの上側を跨ぐ。退避部94は、U相第1バスバー71の第1の直線部71sとの間に、間隔をあけて配置される。
【0071】
V相第2バスバー74は、第1の直線部74sにおいて挟持部66に保持される。換言すると、V相第2バスバー74は、第1の引出線接続部74a,第2の引出線接続部74bの間で挟持部66に保持される。V相第1バスバー73、V相第2バスバー74は、U相第1バスバー71、U相第2バスバー72に対し、周方向に120°角度を異ならせて配置される。
【0072】
挟持部66に保持されるV相第1バスバー73、V相第2バスバー74は、バスバーホルダ61の上面に沿って配置される。V相第1バスバー73、V相第2バスバー74は、バスバーホルダ61の上面との間に間隙をあけていてもよいし、バスバーホルダ61の上面に接していてもよい。
このようなV相第1バスバー73とV相第2バスバー74とは、第1の直線部73s、第2の直線部73t、端子接続部73c、第1の引出線接続部73a、および第2の引出線接続部73bと、第1の直線部74s、第2の直線部74t、端子接続部74c、第1の引出線接続部74a、および第2の引出線接続部74bで、上下方向位置が、U相第1バスバー71およびU相第2バスバー72と一致する。換言すると、V相第1バスバー73とV相第2バスバー74とは、退避部93,94以外の部位の上下方向位置が、U相第1バスバー71およびU相第2バスバー72と一致する。
【0073】
第1の引出線接続部74aおよび第2の引出線接続部74bは、上下方向から見て中心軸Jを中心とする同心円上に並ぶ。さらに、第1の引出線接続部74aおよび第2の引出線接続部74bは、V相第1バスバー73の第1の引出線接続部73aおよび第2の引出線接続部73bと、上下方向から見て中心軸Jを中心とする同心円上に並ぶ。
【0074】
V相第1バスバー73、V相第2バスバー74は、第1の直線部73sと、第1の直線部74sとが、中心軸Jを挟んで反対側に位置する。また、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74は、第1の直線部73sと、第1の直線部74sとが、平行に延びる。
また、V相第1バスバー73と、V相第2バスバー74とは、接続されるV相外部接続端子82から互いに周方向の反対側に延びる。
これにより、V相第1バスバー73により生じる磁場とV相第2バスバー74により生じる磁場とを互いに相殺させ、外部に影響を与えることを抑制する。
【0075】
図6に示す様に、W相第1バスバー75は、第1の直線部75sと、第2の直線部75tと、端子接続部75cと、第1の引出線接続部(引出線接続部)75aと、第2の引出線接続部(引出線接続部)75bと、を有する。
第1の直線部75sは、第1の引出線接続部75aと第2の引出線接続部75bとの間に設けられる。第1の直線部75sは、第1の引出線接続部75aと第2の引出線接続部75bとを繋ぐ。第1の直線部75sは、上下方向から見て直線状である。第1の直線部75sは、径方向に直交する方向に延びる。
【0076】
第2の直線部75tは、第2の引出線接続部75bと端子接続部75cとの間に設けられる。第2の直線部75tは、後述する第4の端部75iから延びる。第2の直線部75tは、上下方向から見て直線状である。第2の直線部75tは、第1の直線部75sと平行である。第2の直線部75tは、第1の直線部75sを延長する仮想線Lから径方向内側にずれて配置される。
【0077】
端子接続部75cは、W相第1バスバー75の一方の端部に位置する。端子接続部75cは、第2の直線部75tの端部から径方向内側に約90°折り曲げられ、径方向に直交して延びる。端子接続部75cは、W相外部接続端子83に接続される。
【0078】
第1の引出線接続部75aは、W相第1バスバー75の他方の端部に位置する。第1の引出線接続部75aは、第1の引出線接続部71aと同様の形状を有する。第1の引出線接続部75aは、径方向内側に開口するU字状である。第1の引出線接続部75aは、径方向内側に開口する開口75pを有する。
第1の引出線接続部75aは、バスバーホルダ61から上側に突出する第2引出線45に接続される。第2引出線45は、第1の引出線接続部75aの内側に位置する。第2引出線45は、第1の引出線接続部75aに、レーザ溶接等によって接合される。
【0079】
第1の引出線接続部75aは、第1の端部75dと、第2の端部75eと、をさらに有する。第1の端部75dは、第1の直線部75sの端部に接続される。第2の端部75eは、第1の端部75dの反対側に位置する。第2の端部75eには、第1の引出線接続部75aの開口75pから離れる方向に延びる延出部75fが設けられる。延出部75fは、径方向に直交する方向に延びる。
【0080】
第2の引出線接続部75bは、端子接続部75cと第1の引出線接続部75aとの間に位置する。第2の引出線接続部75bは、第2の直線部75tと第1の直線部75sとの間に位置する。第2の引出線接続部75bは、第2の引出線接続部71bと同様の形状を有する。第2の引出線接続部75bは、径方向内側に開口するU字状である。第2の引出線接続部75bは、径方向内側に開口する開口75pを有する。
第2の引出線接続部75bは、バスバーホルダ61から上側に突出する第2引出線45に接続される。第2引出線45は、第2の引出線接続部75bの内側に位置する。第2引出線45は、第2の引出線接続部75bに、レーザ溶接等によって接合される。
【0081】
第2の引出線接続部75bは、第3の端部75hと、第4の端部75iと、をさらに有する。第3の端部75hは、第1の直線部75sの端部に接続される。第4の端部75iは、第3の端部75hの反対側に位置する。第4の端部75iは、第2の直線部75tの端部に接続される。
【0082】
W相第1バスバー75は、第1の直線部75sにおいて挟持部66に保持される。換言すると、W相第1バスバー75は、第1の引出線接続部75a,第2の引出線接続部75bの間で挟持部66に保持される。
第1の引出線接続部75aおよび第2の引出線接続部75bは、上下方向から見て中心軸Jを中心とする同心円上に並ぶ。
【0083】
W相第1バスバー75は、交差部J3、J4を有する。
交差部J3は、上下方向から見てU相第2バスバー72の一部と交差する。W相第1バスバー75は、交差部J3に退避部93Aを有する。退避部93Aは、交差するU相第2バスバー72の上側を通過する。退避部93Aは、U相第2バスバー72の第1の直線部72sの上側を通過する。退避部93Aは、W相第1バスバー75の第1の直線部75sに設けられる。退避部93Aは、第1の直線部75sにおいて、第1の引出線接続部75a側に設けられる。
交差部J4は、上下方向から見てV相第2バスバー74の一部と交差する。W相第1バスバー75は、交差部J4に退避部93Bを有する。退避部93Bは、交差するV相第2バスバー74の上側を通過する。退避部93Bは、V相第2バスバー74の第1の直線部74sの上側を通過する。退避部93Bは、W相第1バスバー75の第1の直線部75sに設けられる。退避部93Bは、第1の直線部75sにおいて、第2の引出線接続部75b側に設けられる。
【0084】
退避部93A、93Bは、退避部93と同様の形状を有する。退避部93A、93Bは、U相第2バスバー72の第1の直線部72s、V相第2バスバー74の第1の直線部74sの上側を跨ぐ。退避部93Aは、U相第2バスバー72の第1の直線部72s、V相第2バスバー74の第1の直線部74sとの間に、間隔をあけて配置される。
【0085】
W相第2バスバー76は、第1の直線部76sと、第2の直線部76tと、端子接続部76cと、第1の引出線接続部(引出線接続部)76aと、第2の引出線接続部(引出線接続部)76bと、を有する。
第1の直線部76sは、第1の引出線接続部76aと第2の引出線接続部76bとの間に設けられる。第1の直線部76sは、第1の引出線接続部76aと第2の引出線接続部76bとを繋ぐ。第1の直線部76sは、上下方向から見て直線状である。第1の直線部76sは、径方向に直交する方向に延びる。
【0086】
第2の直線部76tは、第2の引出線接続部76bと端子接続部76cとの間に設けられる。第2の直線部76tは、後述する第4の端部76iから延びる。第2の直線部76tは、上下方向から見て直線状である。第2の直線部76tは、第1の直線部76sと平行である。第2の直線部76tは、第1の直線部76sを延長する仮想線Lから径方向内側にずれて配置される。
【0087】
端子接続部76cは、W相第2バスバー76の一方の端部に位置する。端子接続部76cは、第2の直線部76tの端部から径方向内側に約90°折り曲げられ、径方向に直交して延びる。端子接続部76cは、W相第1バスバー75の端子接続部75cに径方向外側にずれて配置される。端子接続部76cは、W相第1バスバー75の端子接続部75cと平行に配置される。端子接続部76cは、W相外部接続端子83に接続される。
【0088】
第1の引出線接続部76aは、W相第2バスバー76の他方の端部に位置する。第1の引出線接続部76aは、バスバーホルダ61から上側に突出する第2引出線45に接続される。第1の引出線接続部76aは、第1の引出線接続部71aと同様の形状を有する。第1の引出線接続部76aは、径方向内側に開口するU字状である。第1の引出線接続部76aは、径方向内側に開口する開口76pを有する。第2引出線45は、第1の引出線接続部76aの内側に位置する。第2引出線45は、第1の引出線接続部76aに、レーザ溶接等によって接合される。
【0089】
第1の引出線接続部76aは、第1の端部76dと、第2の端部76eと、をさらに有する。第1の端部76dは、第1の直線部76sの端部に接続される。第2の端部76eは、第1の端部76dの反対側に位置する。第2の端部76eには、第1の引出線接続部76aの開口76pから離れる方向に延びる延出部76fが設けられる。延出部76fは、径方向に直交する方向に延びる。
【0090】
第2の引出線接続部76bは、端子接続部76cと第1の引出線接続部76aとの間に位置する。第2の引出線接続部76bは、第2の直線部76tと第1の直線部76sとの間に位置する。第2の引出線接続部76bは、第2の引出線接続部71bと同様の形状を有する。第2の引出線接続部76bは、径方向内側に開口するU字状である。第2の引出線接続部76bは、径方向内側に開口する開口76pを有する。
第2の引出線接続部76bは、バスバーホルダ61から上側に突出する第2引出線45に接続される。第2引出線45は、第2の引出線接続部76bの内側に位置する。第2引出線45は、第2の引出線接続部76bに、レーザ溶接等によって接合される。
【0091】
第2の引出線接続部76bは、第3の端部76hと、第4の端部76iと、をさらに有する。第3の端部76hは、第1の直線部76sの端部に接続される。第4の端部76iは、第3の端部76hの反対側に位置する。第4の端部76iは、第2の直線部76tの端部に接続される。
【0092】
W相第2バスバー76は、交差部J5、J6を有する。
交差部J5は、上下方向から見てV相第1バスバー73の一部と交差する。W相第2バスバー76は、交差部J5に退避部94Aを有する。退避部94Aは、交差するV相第1バスバー73の上側を通過する。退避部94Aは、V相第1バスバー73の第1の直線部73sの上側を通過する。退避部94Aは、W相第2バスバー76の第1の直線部76sに設けられる。退避部94Aは、第1の直線部76sにおいて、第1の引出線接続部76a側に設けられる。
交差部J6は、上下方向から見てU相第1バスバー71の一部と交差する。W相第2バスバー76は、交差部J6に退避部94Bを有する。退避部94Bは、交差するU相第1バスバー71の上側を通過する。退避部94Bは、U相第1バスバー71の第1の直線部71sの上側を通過する。退避部94Bは、W相第2バスバー76の第1の直線部76sに設けられる。退避部94Bは、第1の直線部76sにおいて、第2の引出線接続部76b側に設けられる。
【0093】
退避部94A、94Bは、退避部93と同様の形状を有する。退避部94A、94Bは、V相第1バスバー73の第1の直線部73s、U相第1バスバー71の第1の直線部71sの上側を跨ぐ。退避部94Aは、V相第1バスバー73の第1の直線部73s、U相第1バスバー71の第1の直線部71sとの間に、間隔をあけて配置される。
【0094】
W相第2バスバー76は、第1の直線部76sにおいて挟持部66に保持される。換言すると、W相第2バスバー76は、第1の引出線接続部76a,第2の引出線接続部76bの間で挟持部66に保持される。W相第1バスバー75、W相第2バスバー76は、U相第1バスバー71、U相第2バスバー72と、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74と、に対し、それぞれ、周方向に120°角度を異ならせて配置される。
【0095】
挟持部66に保持されるW相第1バスバー75、W相第2バスバー76は、バスバーホルダ61の上面に沿って配置される。W相第1バスバー75、W相第2バスバー76は、バスバーホルダ61の上面との間に間隙をあけていてもよいし、バスバーホルダ61の上面に接していてもよい。
このようなW相第1バスバー75とW相第2バスバー76とは、第1の直線部75s、第2の直線部75t、端子接続部75c、第1の引出線接続部75a、および第2の引出線接続部75bと、第1の直線部76s、第2の直線部76t、端子接続部76c、第1の引出線接続部76a、および第2の引出線接続部76abで、上下方向位置が、U相第1バスバー71およびU相第2バスバー72と一致する。換言すると、W相第1バスバー75とW相第2バスバー76とは、退避部93A,93B、94A,94B以外の部位の上下方向位置が、U相第1バスバー71およびU相第2バスバー72と一致する。
【0096】
第1の引出線接続部76aおよび第2の引出線接続部76bは、上下方向から見て中心軸Jを中心とする同心円上に並ぶ。さらに、第1の引出線接続部76aおよび第2の引出線接続部76bは、W相第1バスバー75の第1の引出線接続部75aおよび第2の引出線接続部75bと、上下方向から見て中心軸Jを中心とする同心円上に並ぶ。
【0097】
W相第1バスバー75、W相第2バスバー76は、第1の直線部75sと、第1の直線部76sとが、中心軸Jを挟んで反対側に位置する。また、W相第1バスバー75、W相第2バスバー76は、第1の直線部75sと、第1の直線部76sとが、平行に延びる。
また、W相第1バスバー75と、W相第2バスバー76とは、接続されるW相外部接続端子83から互いに周方向の反対側に延びる。
これにより、W相第1バスバー75により生じる磁場とW相第2バスバー76により生じる磁場とを互いに相殺させ、外部に影響を与えることを抑制する。
【0098】
図4に示す様に、バスバーホルダ61の上面には、複数の外部接続端子80が設けられる。本実施形態において、外部接続端子80は、U相外部接続端子81と、V相外部接続端子82と、W相外部接続端子83と、を有する。U相外部接続端子81、V相外部接続端子82、W相外部接続端子83は、それぞれ、バスバー70に接続され、バスバー70から上側に延びる。U相外部接続端子81、V相外部接続端子82、W相外部接続端子83は、それぞれ、共通の形状を有した端子部材85からなる。
【0099】
端子部材85は、導電性を有した金属材料からなる。端子部材85は、板状の部材であり、上側に向かって延びる。端子部材85は、端子延伸部86と、端子基部87と、を有する。端子延伸部86は、外部装置のコネクタ(図示無し)に接続される。
端子基部87は、バスバーホルダ61の端子保持部69に保持される。端子基部87は、柱状部材69a,69bは、保持溝69m、69nに、幅方向両側の端部が挿入される。
【0100】
端子部材85は、バスバー保持溝89を有する。バスバー保持溝89は、端子基部87の下端に設けられる。バスバー保持溝89は、U字状で、端子基部87の下側に開口する。バスバー保持溝89は、端子基部87の幅方向に間隔をあけて二つ設けられる。
図7に示す様に、U相外部接続端子81のバスバー保持溝89、89には、U相第1バスバー71の端子接続部71cと、U相第2バスバー72の端子接続部72cと、が挿入される。U相外部接続端子81のバスバー保持溝89、89と、端子接続部71c、72cとは、レーザ溶接等によって接合される。
図8に示す様に、V相外部接続端子82のバスバー保持溝89、89には、V相第1バスバー73の端子接続部73cと、V相第2バスバー74の端子接続部74cと、が挿入される。V相外部接続端子82のバスバー保持溝89、89と、端子接続部73c、74cとは、レーザ溶接等によって接合される。
図4に示す様に、W相外部接続端子83のバスバー保持溝89、89には、W相第1バスバー75の端子接続部75cと、W相第2バスバー76の端子接続部76cと、が挿入される。W相外部接続端子83のバスバー保持溝89、89と、端子接続部75c、76cとは、レーザ溶接等によって接合される。
【0101】
上記した様なバスバーホルダ61を組み立てるには、まず、
図7に示す様に、バスバーホルダ61に、U相第1バスバー71とU相第2バスバー72とを組み付ける。これには、U相第1バスバー71の第1の直線部71s、U相第2バスバー72の第1の直線部72sを、それぞれ、挟持部66にスナップフィットにより嵌め込む。これにより、U相第1バスバー71の第1の引出線接続部71a,第2の引出線接続部71b、U相第2バスバー72の第1の引出線接続部72a,第2の引出線接続部72bには、それぞれ、第2引出線45の先端部が挿入される。
【0102】
次に、
図8に示す様に、バスバーホルダ61に、V相第1バスバー73とV相第2バスバー74とを組み付ける。これには、V相第1バスバー73の第1の直線部73s、V相第2バスバー74の第1の直線部74sを、それぞれ、挟持部66にスナップフィットにより嵌め込む。これにより、V相第1バスバー73の第1の引出線接続部73a,第2の引出線接続部73b、V相第2バスバー74の第1の引出線接続部74a,第2の引出線接続部74bには、それぞれ、第2引出線45の先端部が挿入される。
【0103】
次に、
図4に示す様に、バスバーホルダ61に、W相第1バスバー75とW相第2バスバー76とを組み付ける。これには、W相第1バスバー75の第1の直線部75s、W相第2バスバー76の第1の直線部76sを、それぞれ、挟持部66にスナップフィットにより嵌め込む。これにより、W相第1バスバー75の第1の引出線接続部75a,第2の引出線接続部75b、W相第2バスバー76の第1の引出線接続部76a,第2の引出線接続部76bには、それぞれ、第2引出線45の先端部が挿入される。
【0104】
この後、端子部材85を、それぞれの端子保持部69に取り付ける。これにより、U相外部接続端子81のバスバー保持溝89、89には、U相第1バスバー71の端子接続部71c、U相第2バスバー72の端子接続部72cが挿入される。V相外部接続端子82のバスバー保持溝89、89には、V相第1バスバー73の端子接続部73c、V相第2バスバー74の端子接続部74cが挿入される。W相外部接続端子83のバスバー保持溝89、89には、W相第1バスバー75の端子接続部75c、W相第2バスバー76の端子接続部76cが挿入される。
【0105】
次に、複数のバスバー(U相第1バスバー71、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、W相第2バスバー76)のそれぞれと、第2引出線45と、を溶接する。これには、引出線接続部71a,71b,72a,72b,73a,73b,74a,74b,75a、75b,76a、76bと、第2引出線45と、を溶接する。
例えば、U相第1バスバー71を例に挙げて説明する。
図6に示す様に、U相第1バスバー71の第1の引出線接続部71aと第2引出線45とを溶接するには、一対の延伸部71vを、溶接治具100で外側から挟み込んで保持する。この状態で、第1の引出線接続部71aと第2引出線45とをレーザ溶接等によって溶接する。第1の引出線接続部71aは、その両側に、第1の端部71d、第2の端部71eを介し、第1の直線部71sと延出部71fとを有する。これにより、第1の引出線接続部71aを挟み込む溶接治具100は、位置ずれが生じた場合に、第1の直線部71s、延出部71fに突き当たる。したがって、溶接治具100は、それ以上の位置ずれが抑制され、第1の引出線接続部71aは、溶接治具100により確実に保持される。
U相第1バスバー71の第2の引出線接続部71bと第2引出線45とを溶接するには、一対の延伸部71vを、溶接治具100で外側から挟み込んで保持する。この状態で、第2の引出線接続部71bと第2引出線45とをレーザ溶接等によって溶接する。第2の引出線接続部72aは、その両側に、第3の端部71h、第4の端部71iを介し、第1の直線部71sと第2の直線部71tとを有する。これにより、第2の引出線接続部71bを挟み込む溶接治具100は、位置ずれが生じた場合に、第1の直線部71s、第2の直線部71tに突き当たる。したがって、第2の引出線接続部71bは、溶接治具100により確実に保持される。
【0106】
他の、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、W相第2バスバー76についても、同様にして、溶接治具100で各引出線接続部を保持しながら、溶接をおこなう。
【0107】
上記のU相第1バスバー71、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、W相第2バスバー76のそれぞれと、第2引出線45との溶接は、溶接治具100とレーザ溶接を行うレーザ照射ノズルとに対し、バスバーホルダ61を中心軸J回りに回転させることで、順次行われる。
【0108】
この後、U相外部接続端子81、V相外部接続端子82、W相外部接続端子83と、U相第1バスバー71、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、W相第2バスバー76とを溶接する。
これにより、バスバーユニット60の組立が完了する。
【0109】
本実施形態によれば、バスバー70(U相第1バスバー71、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、W相第2バスバー76)は、それぞれ、線材77からなる。このように、バスバー70に線材77を使用することで、バスバー70をフォーミングマシンで製造することができる。これにより、バスバー70を製造するのに、金型が不要となる。このため、形状が互いに異なるU相第1バスバー71、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、W相第2バスバー76であっても、低コストで製造することができる。このように、バスバー70に線材77を使用することで、多品種少量生産に対応しやすい。また、バスバー70の設計変更にも容易に対応できる。また、バスバー70に線材77を使用することで、プレス加工等に比較し、不要となる線材77が少なくて済み、材料の歩留まりが向上する。
【0110】
また、引出線接続部71a,71b,72a,72b,73a,73b,74a,74b,75a、75b、76a、76bのそれぞれは、径方向に開口するU字状である。これにより、溶接工程において、溶接治具100の姿勢を変える必要がない。したがって、製造工程を簡素化することができる。
【0111】
また、第1の直線部71s~76sを設けることで、直線部を設けずにバスバー70を湾曲させた場合に比較すると、バスバー70の径方向の寸法を小さくしやすい。したがって、バスバー70およびそれを備えたバスバーユニット60を小型化することができる。また、第1の直線部71s~76sを設けることで、第1の引出線接続部71a~76aと、第2の引出線接続部71b~76bとを、最短距離で繋ぐことができる。これにより、線材77の使用量を節約できる。
したがって、バスバー70の小型化を図るとともに、バスバー70を構成するのに必要な線材77の使用量を節約することができる。
【0112】
本実施形態によれば、第2の端部71e~76eには、第1の引出線接続部71a~76aの開口71p~76pから離れる方向に延びる延出部71f~76fが設けられる。これにより、第1の引出線接続部71a~76aと第2引出線45とを溶接する際に、溶接治具100が位置ずれするのを抑えることができる。したがって、第1の引出線接続部71a~76aを安定して保持し、第1の引出線接続部71a~76aと第2引出線45との溶接工程を安定して行うことができる。
【0113】
本実施形態によれば、第2の引出線接続部71b~76bは、第3の端部71h~76hと、第4の端部71i~76iと、を介し、その両側に第1の直線部71s~76sと、第2の直線部71t~76tと、を有する。これにより、第2の引出線接続部71b~76bと第2引出線45とを溶接する際においても、溶接治具100が位置ずれするのを抑えることができる。
また、第2の直線部71t~76tは、第1の直線部71s~76sと平行であり、第1の直線部71s~76sを延長する仮想線Lからずれて配置される。これにより、複数のバスバー70同士の干渉を避けて、複数のバスバー70を配置しやすい。
【0114】
本実施形態によれば、第1の引出線接続部71a~76a、および第2の引出線接続部71b~76bが、上下方向から見て中心軸Jを中心とする同心円上に並ぶ。これにより、第1の引出線接続部71a~76a、および第2の引出線接続部71b~76bと、第2引出線45とを溶接する際に、バスバーホルダ61を中心軸J回りに回転させれば、溶接治具100およびレーザ溶接ノズルを径方向に移動させる必要が無い。したがって、溶接工程を効率良く行うことができる。
【0115】
本実施形態によれば、U相第1バスバー71、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、W相第2バスバー76のそれぞれは、第1の直線部71s~76sにおいて挟持部66に保持される。これにより、第1の直線部71s~76sの両側に位置する、第1の引出線接続部71a~76a、および第2の引出線接続部71b~76bの第2引出線45に対する位置精度を高めることができる。また、外部から振動が加わった場合に、第1の引出線接続部71a~76a、および第2の引出線接続部71b~76bに負荷が掛かることを抑制できる。
【0116】
本実施形態によれば、バスバー70のそれぞれは、第1の引出線接続部71a~76aと、第2の引出線接続部71b~76bとの間で挟持部66に保持される。これにより、第1の引出線接続部71a~76a、および第2の引出線接続部71b~76bの位置精度を高めることができる。また、外部から振動が加わった場合に、第1の引出線接続部71a~76a、および第2の引出線接続部71b~76bに負荷が掛かることを抑制できる。
【0117】
本実施形態によれば、複数のバスバー70は、上下方向から見て互いに交差する交差部J1~J6を有し、交差部J1~J6において、互いに交差する一対のバスバー70のうち何れか一方は、他方の上側を通過する退避部93を有する。これにより、U相第1バスバー71、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、W相第2バスバー76を、上下方向の寸法を最低限に抑えて配置することができる。したがって、バスバーユニット60を小型化することができる。
また、U相第1バスバー71、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、W相第2バスバー76は、挟持部66で保持される。これにより、振動などが加わった場合であっても、交差部J1~J6において、バスバー70同士が接触することを抑制できる。
また、U相第1バスバー71、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、W相第2バスバー76において、少なくとも端子接続部71c~76c、および第1の引出線接続部71a~76aの上下方向位置が一致する。これにより、溶接治具100およびレーザ溶接ノズルを上下方向に移動させる必要が無い。したがって、溶接工程を効率良く行うことができる。
【0118】
本実施形態によれば、U相第1バスバー71、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、W相第2バスバー76において、端子接続部71c~76c、および第1の引出線接続部71a~76aを含む上下方向の位置が同一の領域で挟持部66に保持される。これにより、U相第1バスバー71、U相第2バスバー72、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、W相第2バスバー76を、上下方向の寸法を最低限に抑えて配置することができる。したがって、バスバーユニット60を小型化することができる。また、挟持部66の上下方向位置を同一位置とすることができる。
さらに、V相第1バスバー73、V相第2バスバー74、W相第1バスバー75、W相第2バスバー76において、挟持部66は、退避部93、94、93A,93B、94A,94Bの根元を保持する。これにより、端子接続部73c~76c、第1の引出線接続部73a~76aおよび第2の引出線接続部73b~76bの位置精度を高めることができる。また、振動などが加わった場合であっても、端子接続部73c~76c、第1の引出線接続部73a~76aおよび第2の引出線接続部73b~76bに負荷が加わることを抑制できる。
【0119】
本実施形態によれば、V相第1バスバー73およびV相第2バスバー74は、U相第1バスバー71およびU相第2バスバー72と交差する部分に退避部93、94を有する。W相第1バスバー75およびW相第2バスバー76は、U相第1バスバー71およびU相第2バスバー72およびV相第1バスバー73およびV相第2バスバー74と交差する部分に、それぞれ退避部93A,93B、94A,94Bを有する。これにより、バスバー70を、U相第1バスバー71およびU相第2バスバー72、V相第1バスバー73およびV相第2バスバー74、W相第1バスバー75およびW相第2バスバー76の順でバスバーホルダ61に組み付けることで、バスバーユニット60を容易に組み立てることができる。
【0120】
本実施形態によれば、モータ10は、上記したようなバスバーユニット60を有する。これにより、バスバー70の小型化を図るとともに、バスバー70を構成するのに必要な線材77の使用量を節約することができる。
【0121】
本実施形態によれば、モータ10は、上記したようなバスバーユニット60を有する。これにより、第1の引出線接続部71a~76aを安定して保持し、第1の引出線接続部71a~76aと第2引出線45との溶接工程を安定して行うことができる。
【0122】
本実施形態によれば、モータ10は、上記したようなバスバーユニット60を有する。これにより、バスバー70同士の接触を確実に抑えるとともに、溶接工程を効率良く行うことができる。
【0123】
図9は、一実施形態のモータを搭載する装置を示す図である。
次に、本実施形態のモータ10を搭載する装置の実施形態について説明する。本実施形態においては、モータ10を電動パワーステアリング装置に搭載した例について説明する。
図9に示す電動パワーステアリング装置2は、自動車の車輪の操舵機構に搭載される。電動パワーステアリング装置2は、操舵力を油圧により軽減する装置である。電動パワーステアリング装置2は、モータ10と、操舵軸214と、オイルポンプ216と、コントロールバルブ217と、を備える。
【0124】
操舵軸214は、ステアリング211からの入力を、車輪212を有する車軸213に伝える。オイルポンプ216は、車軸213に油圧による駆動力を伝えるパワーシリンダ215に油圧を発生させる。コントロールバルブ217は、オイルポンプ216のオイルを制御する。電動パワーステアリング装置2において、モータ10は、オイルポンプ216の駆動源として搭載される。
【0125】
本実施形態の電動パワーステアリング装置2は、本実施形態のモータ10を備えるため、バスバーユニット60の小型化を図るとともに、磁場による外部への影響を抑えることが可能となる。
【0126】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0127】
例えば、上述した実施形態のモータは、電動パワーステアリング装置に限られず、いかなる装置に搭載されてもよい。
【0128】
また、上記実施形態では、バスバー70のそれぞれは、第1の引出線接続部71a~76aと、第2の引出線接続部71b~76bとを備える様にしたが、1つのみの引出線接続部を備えていてもよく、3以上の引出線接続部を備えるようにしてもよい。
【0129】
上記の各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0130】
10…モータ、30…ロータ、40…ステータ、60…バスバーユニット、61…バスバーホルダ、66…挟持部、70…バスバー、70U…U相用バスバー群(第1種のバスバー)、70V…V相用バスバー群(第2種のバスバー)、70W…W相用バスバー群(第3種のバスバー)、71…U相第1バスバー、71a~76a…第1の引出線接続部(引出線接続部)、71b~76b…第2の引出線接続部(引出線接続部)、71c~76c…端子接続部、71d~76d…第1の端部、71e~76e…第2の端部、71f~76f…延出部、71h~76h…第3の端部、71i~71i…第4の端部、71p~76p…開口、71s~76s…第1の直線部、71t~76t…第2の直線部、72…U相第2バスバー、73…V相第1バスバー、74…V相第2バスバー、75…W相第1バスバー、76…W相第2バスバー、77…線材、80…外部接続端子、81…U相外部接続端子、82…V相外部接続端子、83…W相外部接続端子、93、94、93A、93B、94A、94B…退避部、J…中心軸、J1~J6…交差部、L…仮想線