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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】搬送車
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20220323BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B65G1/04 505A
B65G1/04 507
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021019650
(22)【出願日】2021-02-10
(62)【分割の表示】P 2017140912の分割
【原出願日】2017-07-20
(65)【公開番号】P2021073153
(43)【公開日】2021-05-13
【審査請求日】2021-02-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】上田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】岩田 昌重
(72)【発明者】
【氏名】江本 旭
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-063033(JP,A)
【文献】特開平08-133416(JP,A)
【文献】特開2014-125231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を支持する棚部を上下方向に複数段備えた容器棚に沿って走行して、前記容器を搬送する搬送車であって、
前記容器を支持する支持領域と、
前記棚部に支持されている前記容器の前記支持領域への移載と前記支持領域に支持されている前記容器の前記棚部への移載とを行う移載装置と、を備え、
前記容器棚に収納する前記容器を搬入容器とし、前記容器棚から取り出す前記容器を搬出容器として、
前記容器棚に隣接する位置で走行を停止した後、次に走行を開始するまでの間に、前記移載装置は、前記搬出容器を前記支持領域に移載するために前記棚部に支持されている前記搬出容器を前記棚部から取り出す動作と、当該搬出容器が保管されていた位置に前記支持領域に支持されていた前記搬入容器を収納する動作と、を行うように構成されている、搬送車。
【請求項2】
前記容器は、前記上下方向に段積み可能に構成され、
前記支持領域は、複数の前記容器が段積みされた容器群を支持可能である、請求項1に記載の搬送車。
【請求項3】
前記支持領域に段積みされた容器群の内の任意の高さの前記容器をそれより下の前記容器に対して持ち上げる持ち上げ機構を更に備え、
前記支持領域には、前記搬入容器と前記搬出容器とを段積みした状態で支持可能である、請求項に記載の搬送車。
【請求項4】
容器を支持する棚部を上下方向に複数段備えた容器棚に沿って走行して、前記容器を搬送する搬送車であって、
前記容器を支持する支持領域と、
前記棚部に支持されている前記容器の前記支持領域への移載と前記支持領域に支持されている前記容器の前記棚部への移載とを行う移載装置と、を備え、
前記容器棚に収納する前記容器を搬入容器とし、前記容器棚から取り出す前記容器を搬出容器として、
前記移載装置は、前記棚部に支持されている前記搬出容器を前記支持領域に移載し、当該搬出容器が保管されていた位置に前記支持領域に支持されていた前記搬入容器を収納し、
前記容器は、前記上下方向に段積み可能に構成され、
前記支持領域は、複数の前記容器が段積みされた容器群を支持可能であり、
前記支持領域に段積みされた容器群の内の任意の高さの前記容器をそれより下の前記容器に対して持ち上げる持ち上げ機構を更に備え、
前記支持領域には、前記搬入容器と前記搬出容器とを段積みした状態で支持可能である、搬送車。
【請求項5】
前記移載装置は、前記棚部から取り出した前記搬出容器を前記支持領域に移載する場合であって、前記支持領域に支持されている前記容器群を構成する前記容器の全てが前記搬入容器である場合には、前記搬出容器を前記支持領域に支持されている前記容器群における最上段の前記搬入容器の上に載せる、請求項3又は4に記載の搬送車。
【請求項6】
前記移載装置は、前記搬入容器の上に前記搬出容器が段積みされている場合であって、前記搬入容器を前記支持領域から前記棚部へ移載する場合に、前記持ち上げ機構により前記支持領域の全ての前記搬出容器を持ち上げ、持ち上げられずに残った前記搬入容器のうちの最上段に位置する前記搬入容器を、前記支持領域から前記棚部へ移載する、請求項3から5のいずれか一項に記載の搬送車。
【請求項7】
前記移載装置は、前記搬入容器の上に前記搬出容器が段積みされている場合であって、前記棚部から取り出した前記搬出容器を前記支持領域へ移載する場合に、前記持ち上げ機構により前記支持領域の全ての前記搬出容器を持ち上げ、持ち上げられずに残った前記搬入容器のうちの最上段に位置する前記搬入容器の上に、前記棚部から取り出した前記搬出容器を移載する、請求項からのいずれか一項に記載の搬送車。
【請求項8】
前記容器棚とは別の場所に設けられた搬入出部から複数の前記搬入容器が段積みされた容器群を受け取って前記支持領域に支持し、当該受け取った容器群を構成する前記容器を前記容器棚に収納し、前記容器棚から取り出した前記搬出容器を前記支持領域に段積みして容器群を形成し、そのように形成した容器群を前記搬入出部に搬送する、請求項3から7のいずれか一項に記載の搬送車。
【請求項9】
前記支持領域に、コンベヤが備えられ、
前記支持領域の前記容器群は、前記コンベヤの搬送面に支持され、
前記コンベヤを前記搬入出部に隣接させた状態で前記コンベヤを作動させ、前記搬入出部と前記支持領域との間での前記容器群の受け渡しを行う、請求項に記載の搬送車。
【請求項10】
前記移載装置は、前記支持領域に対して、上下方向に沿う上下方向視で隣接する状態で配置され、前記支持領域に対して前記容器を移載する動作と、前記棚部に対して前記容器を移載する動作と、を行うように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の搬送車。
【請求項11】
前記移載装置が前記支持領域に対して前記容器を移載する方向と、前記移載装置が前記棚部に対して前記容器を移載する方向とが、前記上下方向視で交差している、請求項10に記載の搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を支持する棚部を上下方向に複数段備えた容器棚の前面に沿って走行して、前記容器を搬送する搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる搬送車の従来例が、特開2004-277062号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1の搬送設備に備えられている搬送車は、容器棚に対して容器を出し入れする移載ロボット6を備えている。この搬送車は、容器棚の前方に停止した状態で移載ロボット6により容器棚から容器を取り出し、移載ロボット6が容器を支持した状態で別の容器棚の前方まで走行した後、移載ロボット6は支持している容器を別の容器棚に収納するようにして、容器を搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-277062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した搬送車は、容器棚から取り出した容器を移載ロボット6に支持した状態で走行して容器を搬送するため、容器を1つずつしか搬送することができず、搬送車による容器棚への容器の搬送や容器棚からの容器の搬送を効率よく行えなかった。
【0005】
そこで、容器を効率よく搬送できる搬送車の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記に鑑みた、搬送車の特徴構成は、容器を支持する棚部を上下方向に複数段備えた容器棚に沿って走行して、前記容器を搬送するものであり、
前記容器を支持する支持領域と、前記棚部に支持されている前記容器の前記支持領域への移載と前記支持領域に支持されている前記容器の前記棚部への移載とを行う移載装置と、を備え、前記容器棚に収納する前記容器を搬入容器とし、前記容器棚から取り出す前記容器を搬出容器として、前記容器棚に隣接する位置で走行を停止した後、次に走行を開始するまでの間に、前記移載装置は、前記搬出容器を前記支持領域に移載するために前記棚部に支持されている前記搬出容器を前記棚部から取り出す動作と、当該搬出容器が保管されていた位置に前記支持領域に支持されていた前記搬入容器を収納する動作と、を行うように構成されている点にある。
【0007】
上記に鑑みた、別の搬送車の特徴構成は、容器を支持する棚部を上下方向に複数段備えた容器棚に沿って走行して、前記容器を搬送するものであり、
前記容器を支持する支持領域と、前記棚部に支持されている前記容器の前記支持領域への移載と前記支持領域に支持されている前記容器の前記棚部への移載とを行う移載装置と、を備え、前記容器棚に収納する前記容器を搬入容器とし、前記容器棚から取り出す前記容器を搬出容器として、前記移載装置は、前記棚部に支持されている前記搬出容器を前記支持領域に移載し、当該搬出容器が保管されていた位置に前記支持領域に支持されていた前記搬入容器を収納し、前記容器は、前記上下方向に段積み可能に構成され、前記支持領域は、複数の前記容器が段積みされた容器群を支持可能であり、前記支持領域に段積みされた容器群の内の任意の高さの前記容器をそれより下の前記容器に対して持ち上げる持ち上げ機構を更に備え、前記支持領域には、前記搬入容器と前記搬出容器とを段積みした状態で支持可能である点にある。
【0008】
れらの構成によれば、移載装置により、棚部に支持されている容器を取り出して支持領域に移動させることで、支持領域に容器を支持させることができる。このように、棚部から取り出した容器や棚部に移載する容器を支持領域に支持することができるため、搬送車による容器棚への容器の搬送や容器棚からの容器の搬送を効率よく行える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】搬送設備の平面図
図2】搬送車及び容器棚の斜視図
図3】搬送車及び容器棚の平面図
図4】持ち上げ機構の斜視図
図5】支持部を支持位置とした状態を示す持ち上げ機構の縦断正面図
図6】支持部を退避位置とした状態を示す持ち上げ機構の縦断正面図
図7】保持部が引退している状態を示す移載装置の斜視図
図8】保持部が突出している状態を示す移載装置の斜視図
図9】搬送車の側面図
図10】搬出容器を容器群に載せている状態を示す搬送車の側面図
図11】搬入容器を容器群から取り出している状態を示す搬送車の側面図
図12】搬出容器を容器群に載せている状態を示す搬送車の側面図
図13】搬入容器を容器群から取り出している状態を示す搬送車の側面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.実施形態
搬送車を複数備えた搬送設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、搬送設備には、容器Wを収容する複数の容器棚1と、容器Wを搬送する複数の搬送車2と、容器Wを上下方向Zに段積みした容器群WGを搬入及び搬出する搬入出部3と、複数の搬送車2を制御する制御装置Hと、を備えている。
【0011】
図2及び図4に示すように、容器Wは、底部の周辺に側壁部を立設させて形成されており、上面が開口した箱形状に形成されている。容器Wの側壁部には、容器Wの長手方向に沿って形成されている突起部6(リブ)や容器Wの上下方向Zに沿って形成されている突起部6(リブ)が備えられている。そして、本例では、容器Wは、突起部6に移載装置24の保持部46が係合することで、移載装置24によって水平方向に移動させることや持ち上げることが可能となっている。尚、図3における移載装置24により移載されている容器Wは、上下方向Zに沿って形成されている突起部6を示すために横断して一部を切り欠いた容器Wを図示している。
図2及び図4に示すように、容器Wの上端部と別の容器Wの下端部とが上下方向Zに嵌合可能に構成されており、容器Wは、上下方向Zに段積み可能に構成されている。ちなみに、段積みした容器Wは、容器Wの底部と当該容器Wの上方に段積みした別の容器Wの底部との間に収容空間が形成されるようになっており、容器Wに物品を収容した状態で容器Wを段積み可能に構成されている。
【0012】
〔容器棚〕
容器棚1は、容器Wを支持する棚部11を上下方向Zに複数段備えている。棚部11には、段積みしていない容器Wが容器棚1の棚幅方向Aに並ぶ状態で複数支持される。
図1に示すように、複数の容器棚1は、棚幅方向Aに沿う姿勢で設置されている。前面が互いに対向する2つの容器棚1は、棚奥行方向Bに間隔を空けた状態で設置されている。これら2つの容器棚1の間には、棚間通路12が形成されており、棚間通路12は、搬送車2が走行する通路として用いられる。棚幅方向Aに沿う姿勢の複数の容器棚1が棚奥行方向Bに並べられており、複数の容器棚1は、棚間通路12が複数形成されるように配置されている。搬送車2が棚間通路12を走行するときは、搬送車2は容器棚1の前面に沿って走行する。ちなみに、後面が互いに対向する2つの容器棚1の間には棚間通路12は形成されていない。
尚、容器棚1の長手方向に沿う方向を棚幅方向A、上下方向Z視で棚幅方向Aに対して直交する方向を棚奥行方向Bと称している。また、容器棚1の棚間通路12を向く面を前面、容器棚1の棚間通路12を向く面とは反対側の面を後面と称している。
【0013】
棚部11は、第一規制体13と第二規制体14とを備えている。第一規制体13は、棚部11に支持された容器Wに対して棚奥行方向Bの両側に位置するように備えられており、第二規制体14は、棚部11に支持された容器Wに対して棚幅方向Aの両側に位置するように備えられている。棚部11に支持された容器Wは、第一規制体13により棚奥行方向Bに移動することが規制され、第二規制体14により棚幅方向Aに移動することが規制されている。
棚部11の前方には、棚幅方向Aに沿ってガイドレール15が設置されている。棚部11の前方を走行する搬送車2は、ガイドレール15により棚奥行方向Bへの移動が規制された状態で棚間通路12を棚幅方向Aに沿って走行する。
【0014】
搬入出部3は、搬入部16と搬出部18とを備えている。搬入部16には、複数の容器W(搬入容器W1)が上下方向Zに段積みされた容器群WGが搬入される。この搬入部16に搬入された容器群WGを構成する容器Wは、搬送車2により複数の容器棚1に収納される。また、搬送車2は、複数の容器棚1から取り出した容器W(搬出容器W2)を上下方向Zに段積みして容器群WGを形成し、その容器群WGを搬出部18に搬送する。尚、容器棚1に収納する容器Wを搬入容器W1と称し、容器棚1から取り出した容器Wを搬出容器W2と称している。
【0015】
〔搬送車〕
図2及び図3に示すように、搬送車2は、床面上を走行する走行部21と、容器Wを段積み状態で支持する支持領域22に設置されて支持領域22の容器Wを支持するコンベヤ23と、容器Wを移載する移載装置24と、支持領域22に段積みされた容器群WGの内の任意の高さの容器Wをそれより下の容器Wに対して持ち上げる持ち上げ機構25と、を備えている。搬送車2が容器棚1の前面に沿って走行する場合において、移載装置24は、支持領域22に対して前後方向第一側X1に隣接する状態で設置されている。移載装置24は、棚部11に支持されている容器Wの支持領域22への移載と、支持領域22に支持されている容器Wの棚部11への移載と、を行う。以下、搬送車2について説明するが、搬送車2が棚間通路12に位置する状態、すなわち搬送車2が容器棚1の前面に沿って走行している状態において、棚幅方向Aに沿う方向を前後方向Xとし、前後方向Xの一方側を前後方向第一側X1、その反対側を前後方向第二側X2とし、棚奥行方向Bに沿う方向であり且つ上下方向Z視で前後方向Xに対して直交する方向を左右方向Yとし、左右方向Yの一方側を左右方向第一側Y1、その反対側を左右方向第二側Y2として説明する。
【0016】
支持領域22の容器群WGは、コンベヤ23の搬送面に支持されている。すなわち、この搬送車2では、コンベヤ23上に、容器Wを段積み状態で支持する支持領域22が形成されている。
コンベヤ23は、左右方向Yに沿って容器群WGを搬送するように設置されている。そのため、搬送車2の左右方向Yに搬入部16が隣接するように搬送車2を停止させた状態で、コンベヤ23を作動させることで、搬入部16の容器群WGをコンベヤ23上に搬送することができる。また、搬送車2の左右方向Yに搬出部18が隣接するように搬送車2を停止させた状態で、コンベヤ23を作動させることで、コンベヤ23上の容器群WGを搬出部18へ搬送することができる。
【0017】
〔持ち上げ機構〕
持ち上げ機構25は、容器Wを支持する支持部31と、支持部31を支持して上下方向Zに沿って移動する昇降部32と、支持領域22の容器Wを適正位置に案内する案内部33と、を備えている。
昇降部32は、上下方向Z視で矩形状に枠組みされた枠体により構成されており、上下方向Z視で支持領域22の容器Wの周囲を囲うように位置している。昇降部32は、第一モータ36の駆動により、走行部21に立設された第一マスト37に沿って上下方向Zに移動する。
【0018】
図4に示すように、案内部33は、昇降部32に支持されており、昇降部32を上下方向Zに沿って移動させた場合に、支持領域22の容器Wに接触して当該容器Wを支持領域22の適正位置に案内する。説明を加えると、案内部33は、第一案内部41と第二案内部42とを備えている。第一案内部41は、案内部33における昇降部32から上方に突出する部分に備えられている。第二案内部42は、案内部33における昇降部32から下方に突出する部分に備えられている。第一案内部41は、上下方向Z視で適正位置の容器Wに対して前後方向第二側X2及び左右方向Yの両側に位置するように備えられている。
第二案内部42は、上下方向Z視で適正位置の容器Wに対して前後方向Xの両側及び左右方向Yの両側に位置するように備えられている。
【0019】
第一案内部41は、上方側に向かうに従って適正位置の容器Wから離れる傾斜面を備えている。昇降部32が上方側に移動するときに、支持領域22の容器群WGに適正位置から水平方向にずれた容器Wが存在する場合は、その容器Wに第一案内部41の傾斜面が接触して容器Wを適正位置側に案内することで、適正位置からずれている容器Wを適正位置に移動させることができる。
また、第二案内部42は、下方側に向かうに従って適正位置の容器Wから離れる傾斜面を備えている。昇降部32が下方側に移動するときに、支持領域22の容器群WGに適正位置から水平方向にずれた容器Wが存在する場合は、この容器Wに第二案内部42の傾斜面が接触して容器Wを適正位置側に案内することで、適正位置からずれている容器Wを適正位置に移動させることができる。
なお、容器Wの適正位置は、支持領域22に対して予め設定された容器Wの位置であり、段積みされた複数の容器Wの適正位置は、上下方向Z視で同じ位置となっている。
【0020】
持ち上げ機構25は、第三案内部43を備えている。この第三案内部43は、昇降部32より上方に位置するように昇降部32に支持されている。第三案内部43は、前後方向第一側X1に向かうに従って左右方向Yにおいて適正位置の容器Wから離れる傾斜面を備えている。図10に示すように、移載装置24により支持領域22の容器群WGに容器Wを載せる場合において、当該容器Wが適正位置から左右方向Yにずれている場合には、この容器Wに第三案内部43の傾斜面が接触して左右方向Yにおいて容器Wを適正位置に移動させる。
【0021】
図4から図6に示すように、支持部31は、上下方向Z視で支持領域22の容器Wの突起部6と重なる支持位置(図4及び図5参照)と、上下方向Z視で支持領域22の容器Wと重ならない退避位置(図6参照)と、に移動自在に構成されている。説明を加えると、支持部31は中央が膨出する板状に形成されており、第二モータ44の駆動により前後方向Xに沿う軸心周りに回転することで、前後方向X及び左右方向Yに沿う回転位置となる支持位置と、前後方向X及び上下方向Zに沿う回転位置となる退避位置とに移動する。
【0022】
図6に示すように、持ち上げ機構25は、支持部31を退避位置とすることで、昇降部32を上下方向Zに移動させるときに支持部31が支持領域22の容器群WGに接触することを回避できる。
そして、図5に示すように、持ち上げ機構25は、支持領域22の容器群WGのうちの任意の容器Wに対応する高さに昇降部32を移動させた状態で、支持部31を退避位置から支持位置に移動させ、その後、昇降部32を上昇させる。これにより、任意の容器Wの突起部6に支持部31が係合し、任意の容器Wを持ち上げることができる。このとき、任意の容器Wより上に他の容器Wが段積みされている場合は、任意の容器Wと共にこれより上に段積みされている容器Wを持ち上げることができる。このように、持ち上げ機構25は、支持領域22に段積みされている容器群WGの内の任意の容器W及び任意の容器Wより上の容器Wを纏めて持ち上げることができる。
持ち上げ機構25は、容器Wを持ち上げた状態から昇降部32を下降させることで、支持部31にて支持していた1つ又は複数の容器Wを、コンベヤ23上、又は、コンベヤ23の支持領域22に容器Wが存在する場合はその容器W上に段積みすることができる。
【0023】
〔移載装置〕
図7及び図8に示すように、移載装置24は、容器Wを保持する保持部46と、保持部46を支持すると共に水平方向に沿って出退自在な出退部47と、容器Wの底面を下方から支持する支持体48と、出退部47及び支持体48を支持すると共に上下方向Zに沿う縦軸心周りに回転自在な回転部49と、回転部49を支持する基部50と、を備えている。保持部46及び出退部47は、出退部47の出退方向に対して上下方向Z視で直交する方向に並ぶ状態で一対備えられている。
【0024】
図9から図13に示すように、移載装置24は、支持体48に支持された容器Wの高さが、コンベヤ23に支持された容器群WGの最下段の容器Wより低くなる高さから、コンベヤ23に規定数(本実施形態では10)の容器Wを段積みした容器群WGの最上段の容器Wより高くなる高さまで、昇降可能に構成されている。また、移載装置24は、容器棚1に備えられた棚部11の夫々に対応する高さ(移載用高さ)に昇降可能である。最下段の棚部11に対応する移載用高さは、コンベヤ23に支持された容器群WGの最下段の容器Wよりも低い高さで、容器Wを支持体48によって支持する高さに設定されている。
【0025】
基部50は、第三モータ51の駆動により、走行部21に立設された第二マスト52に沿って上下方向Zに移動する。基部50は、回転部49及び出退部47が介在する状態で保持部46を支持しており、第三モータ51により基部50が上下方向Zに沿って移動することで、保持部46が上下方向Zに沿って移動する。尚、第三モータ51が、保持部46を上下方向Zに沿って移動させる上下駆動部に相当する。
【0026】
回転部49は、内装されたモータの駆動により、上下方向Zに沿う縦軸心P周りに回転する。回転部49は、出退部47を支持しており、回転部49が縦軸心P周りに回転することで、出退部47が縦軸心周りに回転して、出退部47によって保持部46が突出する方向を縦軸心P周りに変更する。具体的には、回転部49が縦軸心P周りに回転することで、出退部47によって保持部46が突出する方向を、少なくとも左右方向第一側Y1と、左右方向第二側Y2と、前後方向第二側X2と、に変更することができる。尚、回転部49が、出退部47を縦軸心P周りに回転させて出退部47によって保持部46が突出する方向を変更する回転駆動部に相当する。以下、保持部46が突出する方向を左右方向第一側Y1とした移載装置24の状態を、第一棚移載状態と称し、保持部46が突出する方向を左右方向第二側Y2とした移載装置24の状態を、第二棚移載状態と称し、保持部46が突出する方向を前後方向第二側X2とした移載装置24の状態を、段積み移載状態と称する。
【0027】
一対の出退部47の夫々は、回転部49に支持された固定部54と、固定部54に対して水平方向に出退移動する移動部55と、移動部55を固定部54に対して水平方向に出退移動させる第四モータ56と、を備えている。移動部55には、上下方向Zに沿う軸心周りに回転自在な一対のプーリ57に巻回されたベルト58と、一対のプーリ57のうちの一方を回転駆動させる第五モータ59と、を備えている。ベルト58には保持部46が固定されている。
出退部47は、第四モータ56による移動部55の出退移動と第五モータ59によるベルト58の回動とによって、保持部46を水平方向に沿って移動させ、保持部46を引退位置(図7参照)とこの引退位置から水平方向に突出させた突出位置(図8参照)とに移動させる。尚、この出退部47が、保持部46を水平方向に沿って移動させる水平駆動部に相当する。
【0028】
また、ベルト58の左右方向Yの両端部では、プーリ57の外周面に沿って移動することで、一方の出退部47に支持されている保持部46と、他方の出退部47に支持されている保持部46との間隔を変更できる。これら一対の保持部46の間隔は、一対の保持部46が容器Wに係合する係合間隔と、一対の保持部46が容器Wから離脱する離脱間隔と、に変更できる。尚、一対の保持部46により容器Wを保持するとは、保持部46が出退移動した場合に容器Wの突起部6に係合して容器Wを移動させることができることを表わしており、一対の保持部46によって容器Wを挟持していなくてもよい。
【0029】
移載装置24により、支持領域22に支持されている容器Wを支持体48に移載する場合について説明する。
移載装置24は、まず、回転部49を縦軸心P周りに回転させて、移載装置24を段積み移載状態とすると共に、基部50を昇降させて、支持領域22における移載対象の容器Wに対応する移載用高さに移載装置24を昇降させる。そして、図11図13に示すように、移載装置24を引退状態から突出状態に切り換えた後、一対の保持部46の間隔を離脱間隔から係合間隔に変更して、一対の保持部46によって容器Wを保持する。この後、保持部46を引退位置に移動させて、支持領域22の容器Wを支持体48に移載する。
尚、移載対象の容器Wが他の容器Wの上に段積みされている場合は、一対の保持部46によって容器Wを保持した後、基部50を上昇させて移載対象の容器Wの少なくとも前端部と下方に隣接する容器Wとの嵌合を外した後、保持部46を引退位置に移動させる。また、図13に示すように、移載対象の容器Wの上に他の容器Wが段積みされている場合は、持ち上げ機構25により移載対象の容器Wよりも上方の他の容器Wを持ち上げた状態で、移載装置24による移載を行う。
【0030】
次に、移載装置24により、支持体48に支持されている容器Wを支持領域22に移載する場合について説明する。
移載装置24は、まず、回転部49を縦軸心P周りに回転させて、移載装置24を段積み移載状態とすると共に、基部50を昇降させて、支持領域22における移載用高さに移載装置24を昇降させる。そして、図10図12に示すように、係合間隔の一対の保持部46によって容器Wを保持した状態で、移載装置24を引退状態から突出状態に切り換えて、支持体48に支持されている容器Wを支持領域22の容器Wに段積みする。その後、一対の保持部46の間隔を係合間隔から離脱間隔に変更して移載対象の容器Wに対する保持を解除した後、保持部46を引退位置に移動させる。尚、支持領域22に容器Wが存在しない場合は移載対象の容器Wはコンベヤ23上に移載する。また、図10及び図12に示すように、段積みされている容器群WGの中間の移載対象位置に容器Wを移載する場合は、持ち上げ機構25により移載対象位置よりも上方の容器Wを持ち上げた状態で、移載装置24による移載を行う。
【0031】
移載装置24により、棚部11に支持されている容器Wを支持体48に移載する場合や、移載装置24により、支持体48に支持されている容器Wを棚部11に移載する場合については、移載装置24の状態を段積み移載状態に代えて第一棚移載状態又は第二棚移載状態にすることや、移載対象の容器Wが段積みされていない場合でも第一規制体13を乗り越えるために基部50を上昇させること以外は、支持体48に支持されている容器Wを支持領域22に移載する場合と同様に移載装置24を動作させるため、説明は省略する。
【0032】
〔制御装置〕
図1に示すように、制御装置Hは、複数の搬送車2の走行経路Rを設定すると共に、複数の搬送車2が走行経路Rに沿って走行するように搬送車2を制御する。走行経路Rは、棚幅方向Aに沿う経路や棚奥行方向Bに沿う経路を有しており、制御装置Hは、走行経路Rを一方向に走行するように搬送車2を制御する。そのため、2つの容器棚1の間に形成される棚間通路12においては、搬送車2の走行方向は一方向となる。そして、例えば、複数の搬入出部3の一つである対象搬入出部3Aと、複数の容器棚1の一部である複数の対象容器棚1Aと、の間で容器Wを搬送する場合は、制御装置Hは、図1において太い実線で示した走行経路Rに沿って搬送車2が走行するとともに、複数の対象容器棚1Aに対して容器Wの収納及び取り出しを行うための搬送情報を搬送車2に送信して、搬送車2を制御する。
尚、図1においては、搬送車2の走行経路Rを一点鎖線及び太い実線で示している。また、図1においては、搬送車2の走行方向を矢印で示している。
【0033】
搬送車2に備えられた制御部は、制御装置Hからの搬送情報に基づいて、次のようにして搬送車2を制御する。
まず、搬入部16に搬送車2が隣接して停止するように走行部21を制御した後、全てが搬入容器W1で構成された容器群WGを搬入部16から支持領域22に載せるようにコンベヤ23を制御する。
そして、搬送車2が容器棚1に隣接して停止するように走行部21を制御した後、図10及び図11に示すように、又は、図12及び図13に示すように、搬出容器W2を支持領域22の容器群WGに積むことと搬入容器W1を支持領域22から移載することを続けて行うように移載装置24及び持ち上げ機構25を制御して、棚部11に支持されている搬出容器W2を支持領域22に移載すると共に、支持領域22の搬入容器W1を搬出容器W2が保管されていた位置に収納する。
このような、搬出容器W2を支持領域22の容器群WGに積むことと搬入容器W1を支持領域22から移載することを繰り返し行うことで、支持領域22に支持されている容器群WGの全てが搬出容器W2になる。
支持領域22の容器群WGの全てが搬出容器W2となった場合には、搬出部18に搬送車2が隣接して停止するように走行部21を制御した後、容器群WGを搬出部18に降ろすようにコンベヤ23を制御する。
【0034】
移載装置24により、棚部11から取り出した搬出容器W2を支持領域22に移載する場合において、支持領域22に支持されている容器群WGを構成する容器Wの全てが搬入容器W1の場合は、図10に示すように、制御部は、搬出容器W2を容器群WGにおける最上段の容器W(支持領域22における最上段の搬入容器W1)に載せて、搬出容器W2を支持領域22に移載するように、移載装置24を制御する。そして、このように搬出容器W2を支持領域22に移載する場合は、制御部は、搬出容器W2に対応する高さに持ち上げ機構25を昇降させる。これにより、搬出容器W2が適正位置に対して左右方向Yにずれている場合に、当該搬出容器W2は、第三案内部43により適正位置に向けて案内される。
【0035】
図10に示すように、容器Wの全てが搬入容器W1の容器群WGに搬出容器W2を載せることで、容器群WGの最上段の容器Wが搬出容器W2となる。移載装置24により、棚部11から取り出した搬出容器W2を支持領域22に移載する場合において、このように支持領域22に支持されている容器群WGを構成する容器Wの一つが搬出容器W2の場合は、図11に示すように、制御部は、持ち上げ機構25によって最上段の搬出容器W2のみを持ち上げるように、持ち上げ機構25を制御した後、上から2段目の容器W(支持領域22における最上段の搬入容器W1)を棚部11に収納するように、移載装置24を制御する。
【0036】
そして、図12に示すように、移載装置24により、棚部11から取り出した搬出容器W2を支持領域22に移載する場合において、支持領域22に支持されている容器群WGを構成する容器Wの一部(図12では5つ)が搬出容器W2の場合は、制御部は、段積みされた容器群WGの中の全ての搬出容器W2を持ち上げるように、持ち上げ機構25を制御し、支持領域22において持ち上げられずに残った搬入容器W1の最上段の上に搬出容器W2を移載するように、移載装置24を制御する。
【0037】
また、図13に示すように、移載装置24により、搬入容器W1を支持領域22から移載する場合は、支持領域22に支持されている容器群WGを構成する容器Wの一部(図13では6つ)が搬出容器W2であるので、制御部は、搬出容器W2を持ち上げるように持ち上げ機構25を制御するとともに、支持領域22の搬入容器W1のうちの最上段に位置する搬入容器W1を支持領域22から移載するように、移載装置24を制御する。
【0038】
2.その他の実施形態
次に、搬送車及び搬送設備のその他の実施形態について説明する。
【0039】
(1)上記実施形態では、搬送車2によって搬入容器W1の搬送と搬出容器W2の搬送との双方を行ったが、搬送車2によって搬入容器W1の搬送と搬出容器W2の搬送との何れか一方のみ行ってもよい。
【0040】
(2)上記実施形態では、移載装置24を、支持領域22に対して前後方向第一側X1に隣接する状態で設置したが、移載装置24と支持領域22との位置関係は適宜変更してもよく、例えば、移載装置24を、支持領域22に対して前後方向第二側X2に隣接する状態に設置してもよく、また、支持領域22に対して左右方向第二側Y2に隣接する状態に設置してもよい。
【0041】
(3)上記実施形態では、回転部49により、出退部47が突出する方向を左右方向第一側Y1と左右方向第二側Y2と前後方向第二側X2とに変更したが、回転部49による出退部47が突出する方向の変更は適宜変えてもよい。具体的には、例えば、搬送車2に対して左右方向第一側Y1に隣接する容器棚1との間でのみ容器Wを移載する場合において、回転部49により、出退部47が突出する方向を、左右方向第一側Y1と前後方向第二側X2とのみに変更してもよい。また、例えば、移載装置24に対して前後方向第一側X1にも支持領域22を形成した場合において、回転部49により、出退部47が突出する方向を、左右方向第一側Y1と左右方向第二側Y2と前後方向第一側X1と前後方向第二側X2とに変更してもよい。
【0042】
(4)上記実施形態では、容器Wを支持領域22の適正位置に案内する案内部33を備えたが、この案内部33に加えて又は代えて、適正位置に対して遠近移動する押圧部を備えて、昇降部32を停止させた状態で押圧部を適正位置に向けて移動させることで、支持領域22の容器Wを側方から押圧して適正位置に移動させるようにしてもよい。
【0043】
(5)上記実施形態では、支持領域22の容器群WGを、コンベヤ23の搬送面により支持したが、支持領域22に搬送機能を備えない支持台を備え、支持領域22の容器群WGを、支持台の上面により支持するようにしてもよい。
【0044】
(6)上記実施形態では、制御装置Hが一部を除いて仮想的に走行経路Rを設定してその走行経路Rに沿って搬送車2を走行するように搬送車2を制御したが、走行経路Rの全体に亘ってガイドレール15を設置し、そのガイドレール15に沿って搬送車2が走行するようにしてもよい。
【0045】
(7)上記実施形態では、容器Wを、上面が開口した容器Wとしたが、容器Wとしては段積みできるものであればよく、例えば、上面に開閉自在に蓋が取り付けられた折り畳みコンテナ等でもよい。
【0046】
(8)上記実施形態では、移載装置24を、支持領域22の容器Wにおける左右方向Yを向く面に保持部46を係合させて容器Wを移載するように構成したが、移載装置24の構成は適宜変更してもよく、例えば、移載装置24を、支持領域22の容器Wの前後方向第一側X1を向く面に備えられた被係合部に保持部46を係合させて容器Wを移載するように構成してもよく、また、移載装置24を、支持領域22の容器Wを一対の保持部46によって左右方向Yに挟持して容器Wを移載するように構成してもよい。
【0047】
(9)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0048】
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した搬送車の概要について説明する。
【0049】
搬送車は、容器を支持する棚部を上下方向に複数段備えた容器棚に沿って走行して、前記容器を搬送するものであり、
前記容器を支持する支持領域と、前記棚部に支持されている前記容器の前記支持領域への移載と前記支持領域に支持されている前記容器の前記棚部への移載とを行う移載装置と、を備え、前記容器棚に収納する前記容器を搬入容器とし、前記容器棚から取り出す前記容器を搬出容器として、前記容器棚に隣接する位置で走行を停止した後、次に走行を開始するまでの間に、前記移載装置は、前記搬出容器を前記支持領域に移載するために前記棚部に支持されている前記搬出容器を前記棚部から取り出す動作と、当該搬出容器が保管されていた位置に前記支持領域に支持されていた前記搬入容器を収納する動作と、を行うように構成されている
【0050】
この構成によれば、移載装置により、棚部に支持されている容器を取り出して支持領域に移動させることで、支持領域に容器を支持させることができる。このように、棚部から取り出した容器や棚部に移載する容器を支持領域に支持することができるため、搬送車による容器棚への容器の搬送や容器棚からの容器の搬送を効率よく行える。
【0051】
前記容器は、前記上下方向に段積み可能に構成され、前記支持領域は、複数の前記容器が段積みされた容器群を支持可能であると好適である。
【0052】
また、前記支持領域に段積みされた容器群の内の任意の高さの前記容器をそれより下の前記容器に対して持ち上げる持ち上げ機構を更に備え、前記支持領域には、前記搬入容器と前記搬出容器とを段積みした状態で支持可能であると好適である。
【0053】
搬送車は、容器を支持する棚部を上下方向に複数段備えた容器棚に沿って走行して、前記容器を搬送するものであり、
前記容器を支持する支持領域と、前記棚部に支持されている前記容器の前記支持領域への移載と前記支持領域に支持されている前記容器の前記棚部への移載とを行う移載装置と、を備え、前記容器棚に収納する前記容器を搬入容器とし、前記容器棚から取り出す前記容器を搬出容器として、前記移載装置は、前記棚部に支持されている前記搬出容器を前記支持領域に移載し、当該搬出容器が保管されていた位置に前記支持領域に支持されていた前記搬入容器を収納し、前記容器は、前記上下方向に段積み可能に構成され、前記支持領域は、複数の前記容器が段積みされた容器群を支持可能であり、前記支持領域に段積みされた容器群の内の任意の高さの前記容器をそれより下の前記容器に対して持ち上げる持ち上げ機構を更に備え、前記支持領域には、前記搬入容器と前記搬出容器とを段積みした状態で支持可能である。
【0054】
また、前記移載装置は、前記棚部から取り出した前記搬出容器を前記支持領域に移載する場合であって、前記支持領域に支持されている前記容器群を構成する前記容器の全てが前記搬入容器である場合には、前記搬出容器を前記支持領域に支持されている前記容器群における最上段の前記搬入容器の上に載せると好適である。
【0055】
また、前記移載装置は、前記搬入容器の上に前記搬出容器が段積みされている場合であって、前記搬入容器を前記支持領域から前記棚部へ移載する場合に、前記持ち上げ機構により前記支持領域の全ての前記搬出容器を持ち上げ、持ち上げられずに残った前記搬入容器のうちの最上段に位置する前記搬入容器を、前記支持領域から前記棚部へ移載すると好適である。
【0056】
また、前記移載装置は、前記搬入容器の上に前記搬出容器が段積みされている場合であって、前記棚部から取り出した前記搬出容器を前記支持領域へ移載する場合に、前記持ち上げ機構により前記支持領域の全ての前記搬出容器を持ち上げ、持ち上げられずに残った前記搬入容器のうちの最上段に位置する前記搬入容器の上に、前記棚部から取り出した前記搬出容器を移載すると好適である。
【0057】
また、前記容器棚とは別の場所に設けられた搬入出部から複数の前記搬入容器が段積みされた容器群を受け取って前記支持領域に支持し、当該受け取った容器群を構成する前記容器を前記容器棚に収納し、前記容器棚から取り出した前記搬出容器を前記支持領域に段積みして容器群を形成し、そのように形成した容器群を前記搬入出部に搬送すると好適である。
【0058】
また、前記支持領域に、コンベヤが備えられ、前記支持領域の前記容器群は、前記コンベヤの搬送面に支持され、前記コンベヤを前記搬入出部に隣接させた状態で前記コンベヤを作動させ、前記搬入出部と前記支持領域との間での前記容器群の受け渡しを行うと好適である。
【0059】
この構成によれば、コンベヤを作動させることで支持領域に段積みされた容器群を纏めて搬送できる。従って、搬送車と当該搬送車以外の場所との間で、段積みされた容器群を纏めて載せ降しできる。
【0060】
また、前記移載装置は、前記支持領域に対して、上下方向に沿う上下方向視で隣接する状態で配置され、前記支持領域に対して前記容器を移載する動作と、前記棚部に対して前記容器を移載する動作と、を行うように構成されていると好適である。
【0061】
また、前記移載装置が前記支持領域に対して前記容器を移載する方向と、前記移載装置が前記棚部に対して前記容器を移載する方向とが、前記上下方向視で交差していると好適である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本開示に係る技術は、容器を搬送する搬送車に利用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1:容器棚
2:搬送車
11:棚部
12:棚間通路
22:支持領域
23:コンベヤ
24:移載装置
25:持ち上げ機構
31:支持部
32:昇降部
33:案内部
46:保持部
47:出退部(水平駆動部)
49:回転部(回転駆動部)
51:第三モータ(上下駆動部)
B:棚奥行方向
H:制御装置
P:縦軸心
R:走行経路
W:容器
WG:容器群
X:前後方向
X1:前後方向第一側
X2:前後方向第二側
Y:左右方向
Y1:左右方向第一側
Y2:左右方向第二側
Z:上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13