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特許7044200ポリイミド、接着剤、フィルム状接着材、接着層、接着シート、樹脂付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、並びに多層配線板及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】ポリイミド、接着剤、フィルム状接着材、接着層、接着シート、樹脂付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、並びに多層配線板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 73/10 20060101AFI20220323BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20220323BHJP
   B32B 27/34 20060101ALI20220323BHJP
   C09J 7/10 20180101ALI20220323BHJP
   C09J 7/22 20180101ALI20220323BHJP
   C09J 7/28 20180101ALI20220323BHJP
   C09J 7/35 20180101ALI20220323BHJP
   C09J 179/08 20060101ALI20220323BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20220323BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
C08G73/10
B32B27/00 M
B32B27/34
C09J7/10
C09J7/22
C09J7/28
C09J7/35
C09J179/08 Z
H05K1/03 610N
H05K1/03 630H
H05K3/46 T
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021197677
(22)【出願日】2021-12-06
(62)【分割の表示】P 2018063283の分割
【原出願日】2018-03-28
(65)【公開番号】P2022033144
(43)【公開日】2022-02-28
【審査請求日】2021-12-06
(31)【優先権主張番号】P 2017066034
(32)【優先日】2017-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000168414
【氏名又は名称】荒川化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】▲杉▼本 啓輔
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴史
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 淳
(72)【発明者】
【氏名】田崎 崇司
【審査官】横山 法緒
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-199645(JP,A)
【文献】特開平11-349683(JP,A)
【文献】特開2014-051673(JP,A)
【文献】特開2013-032501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 73/10-73/16
B32B 27/00-27/42
C09J 7/00-7/50
C09J 179/08
H05K 1/03
H05K 3/46
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族テトラカルボン酸無水物及びダイマージアミンを含むジアミンを含むモノマー群の反応物であり、ポリマー主鎖にフルオレニレン基
【化1】
を含み、前記芳香族テトラカルボン酸無水物が3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、
モノマー群100質量%に対し、ジアミノポリシロキサンが0~5質量%かつ0モル%以上1モル%未満含まれ、
前記芳香族テトラカルボン酸無水物と前記ジアミンとのモル比〔芳香族テトラカルボン酸無水物/ジアミン〕が、1.0~1.5である、ポリイミド。
【請求項2】
請求項1に記載のポリイミド、架橋剤及び有機溶剤を含む、接着剤。
【請求項3】
請求項2に記載の接着剤の加熱硬化物を含む、フィルム状接着材。
【請求項4】
請求項2に記載の接着剤又は請求項3のフィルム状接着材を含む、接着層。
【請求項5】
請求項4に記載の接着層及び支持フィルムを含む、接着シート。
【請求項6】
請求項4に記載の接着層及び銅箔を含む、樹脂付銅箔。
【請求項7】
請求項6に記載の樹脂付銅箔及び銅箔又は絶縁性シートを含む、銅張積層板。
【請求項8】
請求項8に記載の銅張積層板の銅箔面に回路パターンを有する、プリント配線板。
【請求項9】
プリント配線板(1)又はプリント回路板(1)、
請求項4に記載の接着層及び
プリント配線板(2)又はプリント回路板(2)を含む、
多層配線板。
【請求項10】
下記工程1及び2を含む多層配線板の製造方法。
工程1:請求項2に記載の接着剤又は請求項3に記載のフィルム状接着材を、プリント配線板(1)又はプリント回路板(1)の少なくとも片面に接触させることによって、接着層付基材を製造する工程
工程2:該接着層付基材の上に、プリント配線板(2)又はプリント回路板(2)を積層し、加熱及び加圧下に圧着する工程
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はポリイミド、接着剤、フィルム状接着材、接着層、接着シート、樹脂付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、並びに多層配線板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話及びスマートフォン等のモバイル型通信機器やその基地局装置、サーバー・ルーター等のネットワーク関連電子機器、大型コンピュータ等に含まれるプリント配線板等を製造するために各種公知の接着剤が使用されている。
【0003】
本出願人は「芳香族テトラカルボン酸類及び特定のダイマージアミンを30モル%以上含むジアミン類を反応させてなるポリイミド樹脂、熱硬化性樹脂、難燃剤、並びに有機溶剤を含むポリイミド系接着剤組成物」を提案している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5534378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、上記ネットワーク関連電子機器では、大容量の情報を低損失かつ高速で伝送・処理する必要があり、それら製品のプリント配線板で扱う電気信号も高周波化が進んでいる。高周波の電気信号は減衰しやすいため、プリント配線板における伝送損失を一層低くする必要がある。そのため、プリント配線板に一般的に用いられる接着剤には、低誘電率且つ低誘電正接であること(低誘電特性ともいう。)が求められる。
【0006】
しかしながら、特許文献1では低誘電正接については検討されていなかった。また近年更なる電気信号の高周波化に伴い、特に低誘電正接の接着剤が要求されているという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は鋭意検討の結果、所定のポリイミドによって、上記課題が解決されることを見出した。
【0008】
本開示により以下の項目が提供される。
(項目1)
芳香族テトラカルボン酸無水物、
及びダイマージアミンを含むジアミン
を含むモノマー群の反応物であり、ポリマー主鎖にフルオレニレン基
【化4】
を含む、ポリイミド。
(項目2)
前記ジアミンが、フルオレン骨格含有ジアミン
【化5】
(式中、R又はRのどちらか一方が、アミノ基を有する基を表し、もう一方が、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、R又はRのどちらか一方が、アミノ基を有する基を表し、もう一方が、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。)
を含む、上記項目に記載のポリイミド。
(項目3)
前記ジアミンが、ジアミノポリシロキサンを含む、上記項目のいずれか1項に記載のポリイミド。
(項目4)
前記芳香族テトラカルボン酸無水物と前記ジアミンとのモル比〔芳香族テトラカルボン酸無水物/ジアミン〕が、1.0~1.5である、上記項目のいずれか1項に記載のポリイミド。
(項目5)
上記項目のいずれか1項に記載のポリイミド、架橋剤及び有機溶剤を含む、接着剤。
(項目6)
前記架橋剤が、エポキシド、ベンゾオキサジン、ビスマレイミド及びシアネートエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である、上記項目に記載の接着剤。
(項目7)
前記エポキシドが、下記構造のエポキシド
【化6】
(式中、Yはフェニレン基又はシクロヘキシレン基を表す。)
である、上記項目に記載の接着剤。
(項目8)
前記ポリイミド100質量部(固形分換算)に対し、前記架橋剤を5~900質量部含み、前記有機溶剤を150~900質量部含む、上記項目のいずれか1項に記載の接着剤。
(項目9)
上記項目のいずれか1項に記載の接着剤の加熱硬化物を含む、フィルム状接着材。
(項目10)
上記項目のいずれか1項に記載の接着剤又は上記項目のフィルム状接着材を含む、接着層。
(項目11)
上記項目に記載の接着層及び支持フィルムを含む、接着シート。
(項目12)
上記項目に記載の接着層及び銅箔を含む、樹脂付銅箔。
(項目13)
上記項目に記載の樹脂付銅箔及び銅箔を含む、銅張積層板。
(項目14)
上記項目に記載の樹脂付銅箔及び絶縁性シートを含む、銅張積層板。
(項目15)
上記項目のいずれか1項に記載の銅張積層板の銅箔面に回路パターンを有する、プリント配線板。
(項目16)
プリント配線板(1)又はプリント回路板(1)、
上記項目に記載の接着層、及び
プリント配線板(2)又はプリント回路板(2)を含む、
多層配線板。
(項目17)
下記工程1及び2を含む多層配線板の製造方法。
工程1:上記項目のいずれか1項に記載の接着剤又は上記項目に記載のフィルム状接着材を、プリント配線板(1)又はプリント回路板(1)の少なくとも片面に接触させることによって、接着層付基材を製造する工程
工程2:該接着層付基材の上に、プリント配線板(2)又はプリント回路板(2)を積層し、加熱及び加圧下に圧着する工程
【0009】
本開示において、上述した1又は複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得る。
【発明の効果】
【0010】
本発明のポリイミドを用いることにより、誘電正接が低い接着剤を提供することができる。上記接着剤はプリント配線板などの高機能モバイル端末等の高周波電子部品に対して好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の全体にわたり、各物性値、含有量等の数値の範囲は、適宜(例えば下記の各項目に記載の上限及び下限の値から選択して)設定され得る。具体的には、数値αについて、数値αの上限がA1、A2、A3等が例示され、数値αの下限がB1、B2、B3等が例示される場合、数値αの範囲は、A1以下、A2以下、A3以下、B1以上、B2以上、B3以上、A1~B1、A1~B2、A1~B3、A2~B1、A2~B2、A2~B3、A3~B1、A3~B2、A3~B3等が例示される。
【0012】
[ポリイミド]
本開示は、芳香族テトラカルボン酸無水物、
及びダイマージアミンを含むジアミン
を含むモノマー群の反応物であり、ポリマー主鎖にフルオレニレン基
【化7】
を含む、ポリイミドを提供する。
【0013】
本開示において「ポリマー主鎖にフルオレニレン基を含む」とは、ポリマーを構成している最も長い鎖にフルオレニレン基を含むという意味である。
【0014】
<芳香族テトラカルボン酸無水物>
芳香族テトラカルボン酸無水物は、単独又は2種以上で使用され得る。芳香族テトラカルボン酸無水物は、フルオレン骨格含有テトラカルボン酸無水物、対称芳香族テトラカルボン酸無水物等が例示される。
【0015】
(フルオレン骨格含有テトラカルボン酸無水物)
1つの実施形態において、フルオレン骨格含有テトラカルボン酸無水物は、下記一般式、
【化8】
(式中、R又はRのどちらか一方が、酸無水物基を有する基を表し、もう一方が、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、R又はRのどちらか一方が、酸無水物基を有する基を表し、もう一方が、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、又はハロゲン原子を表すか、或いはR及びR並びに/又はR及びRが一緒になって酸無水物基を形成する基を表す。)により表わされる。
【0016】
酸無水物基を有する基は、3,4-ジカルボキシフェノキシ基、3,4-ジカルボキシフェニル基等が例示される。
【0017】
及びR並びに/又はR及びRが一緒になって酸無水物基を形成した場合、形成された酸無水物基は、3,4-ジカルボキシフェニル基等が例示される。
【0018】
アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、シクロアルキル基等が例示される。
【0019】
アルキル基の炭素数は、特に限定されないが、その上限は、30、29、25、20、15、12、10、9、8、7、6、5、4、3、2等が例示され、下限は、29、25、20、15、12、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1等が例示される。1つの実施形態において、アルキル基の炭素数は、1~30程度が好ましく、1~20程度がより好ましく、1~16程度がさらに好ましく、1~12程度が特に好ましい。
【0020】
直鎖アルキル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が例示される。
【0021】
分岐アルキル基は、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、イソヘキシル基、イソデシル基等が例示される。
【0022】
シクロアルキル基は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が例示される。なお、シクロアルキル基は、各環上の1つ以上の水素原子が直鎖アルキル基(前記例示の基等)又は分岐アルキル基(前記例示の基等)で置換されていてもよい。
【0023】
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が例示される。
【0024】
フルオレン骨格含有テトラカルボン酸無水物は、9,9’-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン酸二無水物、9,9’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フルオレン酸二無水物等が例示される。
【0025】
芳香族テトラカルボン酸無水物100モル%のフルオレン骨格含有テトラカルボン酸無水物の含有量の上限は、100、90、80、70、60、55、50、40、30、20、10モル%等が例示され、下限は、95、90、80、70、60、50、40、30、20、10、0モル%等が例示される。1つの実施形態において、芳香族テトラカルボン酸無水物100モル%中のフルオレン骨格含有テトラカルボン酸無水物の含有量は、0~100モル%程度が好ましく、50~100モル%程度がより好ましい。
【0026】
芳香族テトラカルボン酸無水物100質量%中のフルオレン骨格含有テトラカルボン酸無水物の含有量の上限は、100、90、80、70、60、55、50、40、30、20、10質量%等が例示され、下限は、95、90、80、70、60、50、40、30、20、10、0質量%等が例示される。1つの実施形態において、芳香族テトラカルボン酸無水物100質量%中のフルオレン骨格含有テトラカルボン酸無水物の含有量は、0~100質量%程度が好ましく、50~100質量%程度がより好ましい。
【0027】
モノマー群100モル%中のフルオレン骨格含有テトラカルボン酸無水物の含有量の上限は、75、70、60、50、40、30、20、10、5モル%等が例示され、下限は、70、60、50、40、30、20、10、5、0モル%等が例示される。1つの実施形態において、モノマー群100モル%中のフルオレン骨格含有テトラカルボン酸無水物の含有量は、0~75モル%程度が好ましい。
【0028】
モノマー群100質量%中のフルオレン骨格含有テトラカルボン酸無水物の含有量の上限は、75、70、60、50、40、30、20、10、5質量%等が例示され、下限は、70、60、50、40、30、20、10、5、0質量%等が例示される。1つの実施形態において、モノマー群100質量%中のフルオレン骨格含有テトラカルボン酸無水物の含有量は、0~75質量%程度が好ましい。
【0029】
(対称芳香族テトラカルボン酸無水物)
本開示において「対称芳香族テトラカルボン酸無水物」は、対称軸(例えばC2対称軸)を分子内に有する芳香族テトラカルボン酸無水物を意味する。対称芳香族テトラカルボン酸無水物は、下記一般式
【化9】
(式中、Xは単結合、-SO-、-CO-、-O-、-O-C-C(CH-C-O-、-COO-(CH-OCO-、又は-COO-HC-HC(-O-C(=O)-CH)-CH-OCO-を表し、pは1~20の整数を表す。)
で示されるもの等が例示される。
【0030】
上記一般式で表わされる対称芳香族テトラカルボン酸無水物は、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、4,4’-[プロパン-2,2-ジイルビス(1,4-フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、2,2-ビス(3,3’,4,4’-テトラカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシフェニル)スルホン二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸無水物等が例示される。
【0031】
上記対称芳香族テトラカルボン酸無水物の中でも、芳香族テトラカルボン酸無水物とジアミンの相溶性、常温密着性、及び耐熱密着性等の点より、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-[プロパン-2,2-ジイルビス(1,4-フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、及び4,4’-オキシジフタル酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0032】
芳香族テトラカルボン酸無水物100モル%中の対称芳香族テトラカルボン酸無水物の含有量の上限は、100、90、80、70、60、55、50、40、30、20、10モル%等が例示され、下限は、95、90、80、70、60、50、40、30、20、10、0モル%等が例示される。1つの実施形態において、芳香族テトラカルボン酸無水物100モル%中の対称芳香族テトラカルボン酸無水物の含有量は、50~100モル%程度が好ましい。
【0033】
芳香族テトラカルボン酸無水物100質量%中の対称芳香族テトラカルボン酸無水物の含有量の上限は、100、90、80、70、60、55、50、40、30、20、10質量%等が例示され、下限は、95、90、80、70、60、50、40、30、20、10、0質量%等が例示される。1つの実施形態において、芳香族テトラカルボン酸無水物100質量%中の対称芳香族テトラカルボン酸無水物の含有量は、0~100質量%程度が好ましく、50~100質量%程度がより好ましい。
【0034】
モノマー群100モル%中の対称芳香族テトラカルボン酸無水物の含有量の上限は、75、70、60、50、40、30、20、10、5モル%等が例示され、下限は、70、60、50、40、30、20、10、5、0モル%等が例示される。1つの実施形態において、モノマー群100モル%中の対称芳香族テトラカルボン酸無水物の含有量は、0~75モル%程度が好ましい。
【0035】
モノマー群100質量%中の対称芳香族テトラカルボン酸無水物の含有量の上限は、75、70、60、50、40、30、20、10、5質量%等が例示され、下限は、70、60、50、40、30、20、10、5、0質量%等が例示される。1つの実施形態において、モノマー群100質量%中の対称芳香族テトラカルボン酸無水物の含有量は、0~75質量%程度が好ましい。
【0036】
(その他の芳香族テトラカルボン酸無水物)
1つの実施形態において、モノマー群は、上記フルオレン骨格含有テトラカルボン酸無水物でも対称芳香族テトラカルボン酸無水物でもない芳香族テトラカルボン酸無水物(その他の芳香族テトラカルボン酸無水物ともいう)を含み得る。
【0037】
1つの実施形態において、芳香族テトラカルボン酸無水物中のその他の酸無水物の含有量は、5、4、1、0.9、0.5、0.1モル%未満、0モル%程度等が例示される。
【0038】
1つの実施形態において、芳香族テトラカルボン酸無水物中のその他の酸無水物の含有量は、5、4、1、0.9、0.5、0.1質量%未満、0質量%程度等が例示される。
【0039】
1つの実施形態において、モノマー群中のその他の酸無水物の含有量は、5、4、1、0.9、0.5、0.1モル%未満、0モル%程度等が例示される。
【0040】
1つの実施形態において、モノマー群中のその他の酸無水物の含有量は、5、4、1、0.9、0.5、0.1質量%未満、0質量%程度等が例示される。
【0041】
モノマー群100モル%中の芳香族テトラカルボン酸無水物の含有量の上限は、75、70、65、60、55モル%等が例示され、下限は、70、65、60、55、50モル%等が例示される。1つの実施形態において、モノマー群100モル%中の芳香族テトラカルボン酸無水物の含有量は、50~75モル%程度が好ましい。
【0042】
モノマー群100質量%中の芳香族テトラカルボン酸無水物の含有量の上限は、75、70、65、60、55質量%等が例示され、下限は、70、65、60、55、50質量%等が例示される。1つの実施形態において、モノマー群100質量%中の芳香族テトラカルボン酸無水物の含有量は、50~75質量%程度が好ましい。
【0043】
<ジアミン>
ジアミンは、単独又は2種以上で使用され得る。ジアミンは、ダイマージアミン、フルオレン骨格含有ジアミン、ジアミノポリシロキサン等が例示される。
【0044】
(ダイマージアミン)
本開示においてダイマージアミンとは、オレイン酸等の不飽和脂肪酸の二量体であるダイマー酸の全てのカルボキシル基を一級アミノ基に置換したものであり(特開平9-12712号公報等参照)、各種公知のものを特に制限なく使用できる。以下、ダイマージアミンの非限定的な一般式を示す(各式において、m+n=6~17が好ましく、p+q=8~19が好ましく、破線部は炭素-炭素単結合又は炭素-炭素二重結合を意味する)。
【化10】
【0045】
ダイマージアミンの市販品は、バーサミン551(コグニクスジャパン(株)製)、バーサミン552(コグニクスジャパン(株)製;バーサミン551の水添物)、PRIAMINE1075、PRIAMINE1074(いずれもクローダジャパン(株)製)等が例示される。
【0046】
ジアミン100モル%中のダイマージアミン成分の含有量の上限は、100、90、80、70、60、50、40、30、25モル%等が例示され、下限は、90、80、75、70、60、50、40、30、25、20モル%等が例示される。1つの実施形態において、ジアミン100モル%中のダイマージアミン成分の含有量は、柔軟性、接着性、溶剤可溶性向上の観点から20~100モル%程度が好ましい。
【0047】
ジアミン100質量%中のダイマージアミン成分の含有量の上限は、100、90、80、70、60、50、40、30、25質量%等が例示され、下限は、90、80、75、70、60、50、40、30、25、20質量%等が例示される。1つの実施形態において、ジアミン100質量%中のダイマージアミン成分の含有量は、柔軟性、接着性、溶剤可溶性向上の観点から20~100質量%程度が好ましい。
【0048】
モノマー群100モル%中のダイマージアミンの含有量の上限は、50、40、30、20、10、8モル%等が例示され、下限は、40、30、20、10、8、5モル%等が例示される。1つの実施形態において、モノマー群100モル%中のダイマージアミンの含有量は、5~50モル%が好ましい。
【0049】
モノマー群100質量%中のダイマージアミンの含有量の上限は、50、40、30、20、10、8質量%等が例示され、下限は、40、30、20、10、8、5質量%等が例示される。1つの実施形態において、モノマー群100質量%中のダイマージアミンの含有量は、5~50質量%が好ましい。
【0050】
(フルオレン骨格含有ジアミン)
1つの実施形態において、フルオレン骨格含有ジアミンは下記一般式、
【化11】
(式中、R又はRのどちらか一方が、アミノ基を有する基を表し、もう一方が、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、R又はRのどちらか一方が、アミノ基を有する基を表し、もう一方が、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。)により表わされる。
【0051】
本開示において「アミノ基を有する基」は、アミノ基及び官能基中の少なくとも1つの水素原子がアミノ基により置換された基を意味する。アミノ基を有する基は、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルコキシアミノ基、アリールオキシアミノ基等が例示される。
【0052】
アリール基は、単環アリール基、縮合環アリール基等が例示される。またアリール基は、1個以上の水素原子が直鎖又は分岐アルキル基によって置換されていてもよい。
【0053】
単環アリール基は、フェニル基、トリル基、メシチル基等が例示される。また縮合環アリール基は、ナフチル基等が例示される。
【0054】
フルオレン骨格含有ジアミンは、9,9’-ビス(アミノフェニル)フルオレン、9,9’-ビス(4-アミノ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9’-ビス(4-アミノ-3-フルオロフェニル)フルオレン、9,9’-ビス(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9’-ビス(4-メチル-3-アミノフェニル)フルオレン、9,9’-ビス(4-フルオロ-3-アミノフェニル)フルオレン、9,9’-ビス(4-ヒドロキシ-3-アミノフェニル)フルオレン、9,9’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン等が例示される。
【0055】
ジアミン100モル%中のフルオレン骨格含有ジアミン成分の含有量の上限は、80、70、60、50、40、30、25モル%等が例示され、下限は、75、70、60、50、40、30、25、20モル%等が例示される。1つの実施形態において、ジアミン100モル%中のフルオレン骨格含有ジアミン成分の含有量は、誘電特性向上の観点から20~80モル%程度が好ましい。
【0056】
ジアミン100質量%中のフルオレン骨格含有ジアミン成分の含有量の上限は、80、70、60、50、40、30、25質量%等が例示され、下限は、75、70、60、50、40、30、25、20質量%等が例示される。1つの実施形態において、ジアミン100モル%中のフルオレン骨格含有ジアミン成分の含有量は、誘電特性向上の観点から20~80質量%程度が好ましい。
【0057】
モノマー群100モル%中のフルオレン骨格含有ジアミンの含有量の上限は、50、40、30、20、10、5モル%等が例示され、下限は、40、30、20、10、5、0モル%等が例示される。1つの実施形態において、モノマー群100モル%中のフルオレン骨格含有ジアミンの含有量は、0~50モル%が好ましい。
【0058】
モノマー群100質量%中のフルオレン骨格含有ジアミンの含有量の上限は、50、40、30、20、10、5質量%等が例示され、下限は、40、30、20、10、5、0質量%等が例示される。1つの実施形態において、モノマー群100質量%中のフルオレン骨格含有ジアミンの含有量は、0~50質量%が好ましい。
【0059】
フルオレン骨格含有ジアミンの物質量とダイマージアミンの物質量との比率(フルオレン骨格含有ジアミン/ダイマージアミン)の上限は、4.00、3.00、2.00、1.00、0.50等が例示され、下限は、4.00、3.00、2.00、1.00、0.50、0.25等が例示される。1つの実施形態において、フルオレン骨格含有ジアミンの物質量とダイマージアミンの物質量との比率(フルオレン骨格含有ジアミン/ダイマージアミン)は、柔軟性、接着性、誘電特性向上の観点から0.25~4.00程度が好ましい。
【0060】
(ジアミノポリシロキサン)
ジアミノポリシロキサンは、α,ω-ビス(2-アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス(4-アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス(5-アミノペンチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(2-アミノフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(4-アミノフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3-ビス(4-アミノブチル)テトラメチルジシロキサン等が例示される。
【0061】
ジアミン100モル%中のジアミノポリシロキサンの含有量の上限は、5、4、3、2、1モル%等が例示され、下限は、4、3、2、1、0モル%等が例示される。1つの実施形態において、ジアミン100モル%中のジアミノポリシロキサンの含有量は、柔軟性向上の観点から0~5モル%程度が好ましい。
【0062】
ジアミン100質量%中のジアミノポリシロキサンの含有量の上限は、5、4、3、2、1モル%等が例示され、下限は、4、3、2、1、0質量%等が例示される。1つの実施形態において、ジアミン100質量%中のジアミノポリシロキサンの含有量は、柔軟性向上の観点から0~5質量%程度が好ましい。
【0063】
モノマー群100モル%中のジアミノポリシロキサンの含有量の上限は、5、4、3、2、1モル%等が例示され、下限は、4、3、2、1、0モル%等が例示される。1つの実施形態において、モノマー群100モル%中のジアミノポリシロキサンの含有量は、柔軟性向上の観点から0~5モル%程度が好ましい。
【0064】
モノマー群100質量%中のジアミノポリシロキサンの含有量の上限は、5、4、3、2、1質量%等が例示され、下限は、4、3、2、1、0質量%等が例示される。1つの実施形態において、モノマー群100質量%中のジアミノポリシロキサンの含有量は、柔軟性向上の観点から0~5質量%程度が好ましい。
【0065】
(その他のジアミン)
1つの実施形態において、モノマー群は、上記以外のジアミン(その他のジアミンともいう)を含み得る。その他のジアミンは、脂環式ジアミン、ビスアミノフェノキシフェニルプロパン、ジアミノジフェニルエーテル、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフィド、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノフェニルプロパン、ジアミノフェニルヘキサフルオロプロパン、ジアミノフェニルフェニルエタン、ビスアミノフェノキシベンゼン、ビスアミノベンゾイルベンゼン、ビスアミノジメチルベンジルベンゼン、ビスアミノジトリフルオロメチルベンジルベンゼン、アミノフェノキシビフェニル、アミノフェノキシフェニルケトン、アミノフェノキシフェニルスルフィド、アミノフェノキシフェニルスルホン、アミノフェノキシフェニルエーテル、アミノフェノキシフェニルプロパン、ビス(アミノフェノキシベンゾイル)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン、ビス[(アミノアリールオキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、ビス(アミノ-α,α-ジメチルベンジルフェノキシ)ベンゾフェノン、ビス[アミノ-α,α-ジメチルベンジルフェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’-ビス[アミノフェノキシフェノキシ]ジフェニルスルホン、ジアミノジアリールオキシベンゾフェノン、ジアミノアリールオキシベンゾフェノン、6,6’-ビス(アミノアリールオキシ)-3,3,3’,3’-テトラメチル-1,1’-スピロビインダン、ビス(アミノアルキル)エーテル、ビス(アミノアルコキシアルキル)エーテル、ビス(アミノアルコキシ)アルカン、ビス[(アミノアルコキシ)アルコキシ]アルカン、(ポリ)エチレングリコ-ルビス(アミノアルキル)エーテル、ビス(アミノアリールオキシ)ピリジン、ジアミノアルキレン等が例示される。
【0066】
脂環式ジアミンは、ジアミノシクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ジメチルージアミノジシクロヘキシルメタン、ジアミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビス(アミノメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、イソホロンジアミン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン及び1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン等が例示される。
【0067】
ビスアミノフェノキシフェニルプロパンは、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等が例示される。
【0068】
ジアミノジフェニルエーテルは、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル等が例示される。
【0069】
フェニレンジアミンは、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン等が例示される。
【0070】
ジアミノジフェニルスルフィドは、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド等が例示される。
【0071】
ジアミノジフェニルスルホンは、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン等が例示される。
【0072】
ジアミノベンゾフェノンは、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン等が例示される。
【0073】
ジアミノジフェニルメタンは、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン等が例示される。
【0074】
ジアミノフェニルプロパンは、2,2-ジ(3-アミノフェニル)プロパン、2,2-ジ(4-アミノフェニル)プロパン、2-(3-アミノフェニル)-2-(4-アミノフェニル)プロパン等が例示される。
【0075】
ジアミノフェニルヘキサフルオロプロパンは、2,2-ジ(3-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ジ(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2-(3-アミノフェニル)-2-(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等が例示される。
【0076】
ジアミノフェニルフェニルエタンは、1,1-ジ(3-アミノフェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ジ(4-アミノフェニル)-1-フェニルエタン、1-(3-アミノフェニル)-1-(4-アミノフェニル)-1-フェニルエタン等が例示される。
【0077】
ビスアミノフェノキシベンゼンは、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン等が例示される。
【0078】
ビスアミノベンゾイルベンゼンは、1,3-ビス(3-アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノベンゾイル)ベンゼン等が例示される。
【0079】
ビスアミノジメチルベンジルベンゼンは、1,3-ビス(3-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン等が例示される。
【0080】
ビスアミノジトリフルオロメチルベンジルベンゼンは、1,3-ビス(3-アミノ-α,α-ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-α,α-ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノ-α,α-ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-α,α-ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン等が例示される。
【0081】
アミノフェノキシビフェニルは、2,6-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル等が例示される。
【0082】
アミノフェノキシフェニルケトンは、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン等が例示される。
【0083】
アミノフェノキシフェニルスルフィドは、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド等が例示される。
【0084】
アミノフェノキシフェニルスルホンは、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン等が例示される。
【0085】
アミノフェノキシフェニルエーテルは、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル等が例示される。
【0086】
アミノフェノキシフェニルプロパンは、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(3-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等が例示される。
【0087】
ビス(アミノフェノキシベンゾイル)ベンゼンは、1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン等が例示される。
【0088】
ビス(アミノフェノキシ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼンは、1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン等が例示される。
【0089】
ビス[(アミノアリールオキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテルは、4,4’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル等が例示される。
【0090】
ビス(アミノ-α,α-ジメチルベンジルフェノキシ)ベンゾフェノンは、4,4’-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン等が例示される。
【0091】
ビス[アミノ-α,α-ジメチルベンジルフェノキシ]ジフェニルスルホンは、
4,4’-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン等が例示される。
【0092】
4,4’-ビス[アミノフェノキシフェノキシ]ジフェニルスルホンは、4,4’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン等が例示される。
【0093】
ジアミノジアリールオキシベンゾフェノンは、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジビフェノキシベンゾフェノン等が例示される。
【0094】
ジアミノアリールオキシベンゾフェノンは、3,3’-ジアミノ-4-フェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4-ビフェノキシベンゾフェノン等が例示される。
【0095】
6,6’-ビス(アミノアリールオキシ)-3,3,3’,3’-テトラメチル-1,1’-スピロビインダンは、6,6’-ビス(3-アミノフェノキシ)-3,3,3’,3’-テトラメチル-1,1’-スピロビインダン、6,6’-ビス(4-アミノフェノキシ)-3,3,3’,3’-テトラメチル-1,1’-スピロビインダン等が例示される。
【0096】
ビス(アミノアルキル)エーテルは、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2-アミノエチル)エーテル、ビス(3-アミノプロピル)エーテル等が例示される。
【0097】
ビス(アミノアルコキシアルキル)エーテルは、ビス[2-(アミノメトキシ)エチル]エ-テル、ビス[2-(2-アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2-(3-アミノプロトキシ)エチル]エーテル等が例示される。
【0098】
ビス(アミノアルコキシ)アルカンは、1,2-ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2-ビス(2-アミノエトキシ)エタン等が例示される。
【0099】
ビス[(アミノアルコキシ)アルコキシ]アルカンは、1,2-ビス[2-(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エタン等が例示される。
【0100】
(ポリ)エチレングリコ-ルビス(アミノアルキル)エーテルは、エチレングリコ-ルビス(3-アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコ-ルビス(3-アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコ-ルビス(3-アミノプロピル)エーテル等が例示される。
【0101】
ビス(アミノアリールオキシ)ピリジンは、2,6-ビス(3-アミノフェノキシ)ピリジン等が例示される。
【0102】
ジアミノアルキレンは、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン等が例示される。
【0103】
1つの実施形態において、ジアミン中のその他のジアミンの含有量は、5、4、1、0.9、0.5、0.1モル%未満、0モル%程度等が例示される。
【0104】
1つの実施形態において、ジアミン中のその他のジアミンの含有量は、5、4、1、0.9、0.5、0.1質量%未満、0質量%程度等が例示される。
【0105】
1つの実施形態において、モノマー群中のその他のジアミンの含有量は、5、4、1、0.9、0.5、0.1モル%未満、0モル%程度等が例示される。
【0106】
1つの実施形態において、モノマー群中のその他のジアミンの含有量は、5、4、1、0.9、0.5、0.1質量%未満、0質量%程度等が例示される。
【0107】
モノマー群100モル%中のジアミンの含有量の上限は、50、45、40、35、30モル%等が例示され、下限は、45、40、35、30、25モル%等が例示される。1つの実施形態において、モノマー群100モル%中のジアミンの含有量は、25~50モル%程度が好ましい。
【0108】
モノマー群100質量%中のジアミンの含有量の上限は、50、45、40、35、30質量%等が例示され、下限は、45、40、35、30、25質量%等が例示される。1つの実施形態において、モノマー群100質量%中のジアミンの含有量は、25~50質量%程度が好ましい。
【0109】
芳香族テトラカルボン酸無水物とジアミンとのモル比〔芳香族テトラカルボン酸無水物/ジアミン〕の上限は、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1等が例示され、下限は、1.4、1.3、1.2、1.1、1.0等が例示される。1つの実施形態において、芳香族テトラカルボン酸無水物とジアミンとのモル比〔芳香族テトラカルボン酸無水物/ジアミン〕は、溶剤可溶性、溶液安定性の観点より、1.0~1.5程度が好ましい。
【0110】
芳香族テトラカルボン酸無水物とジアミンとの質量比〔芳香族テトラカルボン酸無水物/ジアミン〕の上限は、1.5、1.4、1.2、1.0、0.9、0.7、0.6等が例示され、下限は、1.4、1.2、1.0、0.9、0.7、0.6、0.5等が例示される。1つの実施形態において、芳香族テトラカルボン酸無水物とジアミンとの質量比〔芳香族テトラカルボン酸無水物/ジアミン〕は、0.5~1.5が好ましい。
【0111】
<その他のモノマー>
1つの実施形態において、モノマー群は、芳香族テトラカルボン酸無水物でもジアミンでもないモノマー(その他のモノマーともいう)を含み得る。その他のモノマーは、脂肪族テトラカルボン酸無水物等が例示される。
【0112】
1つの実施形態において、モノマー群中のその他のモノマーの含有量は、5、4、1、0.9、0.5、0.1モル%未満、0モル%程度等が例示される。
【0113】
1つの実施形態において、モノマー群中のその他のモノマーの含有量は、5、4、1、0.9、0.5、0.1質量%未満、0質量%程度等が例示される。
【0114】
<ポリイミドの物性等>
上記ポリイミドの重量平均分子量の上限は、50000、40000、30000、20000、10000、7500、5500等が例示され、下限は、45000、40000、30000、20000、10000、7500、5000等が例示される。1つの実施形態において、上記ポリイミドの重量平均分子量は誘電特性、溶剤可溶性、柔軟性の観点から5000~50000が好ましい。
【0115】
上記ポリイミドの数平均分子量の上限は、40000、30000、20000、10000、7500、5000、3000等が例示され、下限は、35000、30000、20000、10000、7500、5000、3000、2000等が例示される。1つの実施形態において、上記ポリイミドの数平均分子量は誘電特性、溶剤可溶性、柔軟性の観点から2000~40000が好ましい。
【0116】
重量平均分子量及び数平均分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値として求められ得る。
【0117】
上記ポリイミドの軟化点の上限は、220、200、150、100、50、25℃等が例示され、下限は、210、200、150、100、50、25、20℃等が例示される。1つの実施形態において、上記ポリイミドの軟化点は作業性、耐熱性、溶剤可溶性の観点から20~220℃が好ましい。
【0118】
軟化点は、市販の測定器(「ARES-2KSTD-FCO-STD」、Rheometric Scientfic社製)等を用いて得られ得る。
【0119】
<ポリイミドの製造方法等>
上記ポリイミドは、各種公知の方法により製造できる。ポリイミドの製造方法は、芳香族テトラカルボン酸無水物、並びにダイマージアミン等を含むジアミンを含むモノマー群を、好ましくは60~120℃程度、より好ましくは80~100℃程度の温度において、好ましくは0.1~2時間程度、より好ましくは0.1~0.5時間程度、重付加反応させて、重付加物を得る工程、得られた重付加物を好ましくは80~250℃程度、より好ましくは100~200℃程度の温度において、好ましくは0.5~50時間程度、より好ましくは1~20時間程度、イミド化反応、即ち脱水閉環反応させる工程を含む方法等が例示される。
【0120】
なお、イミド化反応させる工程では、各種公知の反応触媒、脱水剤、及び後述する有機溶剤が使用され得る。各種公知の反応触媒、脱水剤、及び後述する有機溶剤は、単独又は2種以上で使用され得る。反応触媒は、トリエチルアミン等の脂肪族第3級アミン、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン、ピリジン、ピコリン、イソキノリン等の複素環式第3級アミン等が例示される。また、脱水剤は、無水酢酸等の脂肪族酸無水物や無水安息香酸等の芳香族酸無水物等が例示される。
【0121】
上記ポリイミドのイミド閉環率は特に限定されない。ここに「イミド閉環率」とは、ポリイミドにおける環状イミド結合の含有量を意味し、例えばNMRやIR分析等の各種分光手段により決定できる。常温密着性及び耐熱密着性が良好となる観点から、上記ポリイミドのイミド閉環率は、70%以上程度が好ましく、85~100%程度がより好ましい。
【0122】
[接着剤]
本開示は、上記ポリイミド、架橋剤及び有機溶剤を含む接着剤を提供する。
【0123】
上記接着剤100質量%における上記ポリイミドの含有量の上限は、90、80、70、60、50、40、30、20、10質量%等が例示され、下限は、80、70、60、50、40、30、20、10、5質量%等が例示される。上記接着剤100質量%における上記ポリイミドの含有量は、5~90質量%程度が好ましい。
【0124】
<架橋剤>
架橋剤は、ポリイミドの架橋剤として機能するものであれば、各種公知のものを特に制限なく使用できる。架橋剤は、単独又は2種以上で使用され得る。架橋剤は、エポキシド、ベンゾオキサジン、ビスマレイミド及びシアネートエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0125】
(エポキシド)
エポキシドは、フェノールノボラック型エポキシド、クレゾールノボラック型エポキシド、ビスフェノールA型エポキシド、ビスフェノールF型エポキシド、ビスフェノールS型エポキシド、水添ビスフェノールA型エポキシド、水添ビスフェノールF型エポキシド、スチルベン型エポキシド、トリアジン骨格含有エポキシド、フルオレン骨格含有エポキシド、線状脂肪族エポキシド、脂環式エポキシド、グリシジルアミン型エポキシド、トリフェノールメタン型エポキシド、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシド、ビフェニル型エポキシド、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシド、ナフタレン骨格含有エポキシド、アリールアルキレン型エポキシド、テトラグリシジルキシリレンジアミン、上記エポキシドのダイマー酸変性物であるダイマー酸変性エポキシド、ダイマー酸ジグリシジルエステル等が例示される。また、エポキシドの市販品は、三菱化学(株)製の「jER828」や「jER834」、「jER807」、新日鐵化学(株)製の「ST-3000」、ダイセル化学工業(株)製の「セロキサイド2021P」、新日鐵化学(株)製の「YD-172-X75」、三菱ガス化学(株)製の「TETRAD-X」等が例示される。これらの中でも、耐熱接着性、吸湿はんだ耐熱性及び低誘電特性のバランスの観点よりビスフェノールA型エポキシド、ビスフェノールF型エポキシド、水添ビスフェノールA型エポキシド及び脂環式エポキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0126】
特に下記構造のテトラグリシジルジアミン
【化12】
(式中、Yはフェニレン基又はシクロヘキシレン基を表す。)
は、上記ポリイミドとの相溶性が良好である。また、これを用いると接着層の低損失弾性率化が容易となり、その耐熱接着性及び低誘電特性も良好となる。
【0127】
架橋剤としてエポキシドを用いる場合、各種公知のエポキシド用硬化剤を併用できる。エポキシド用硬化剤は、単独又は2種以上で使用され得る。エポキシド用硬化剤は、無水コハク酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3-メチル-ヘキサヒドロ無水フタル酸、4-メチル-ヘキサヒドロ無水フタル酸、或いは4-メチル-ヘキサヒドロ無水フタル酸とヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物、テトラヒドロ無水フタル酸、メチル-テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、ノルボルナン-2,3-ジカルボン酸無水物、メチルノルボルナン-2,3-ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、3-ドデセニル無水コハク酸、オクテニルコハク酸無水物等の酸無水物系硬化剤;ジシアンジアミド(DICY)、芳香族ジアミン(商品名「LonzacureM-DEA」、「LonzacureM-DETDA」等。いずれもロンザジャパン(株)製)、脂肪族アミン等のアミン系硬化剤;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂、フェノール性水酸基含有ホスファゼン(大塚化学(株)製の商品名「SPH-100」等)等のフェノール系硬化剤、環状ホスファゼン系化合物、マレイン酸変性ロジンやその水素化物等のロジン系架橋剤等が例示される。これらの中でもフェノール系硬化剤、特にフェノール性水酸基含有ホスファゼン系硬化剤が好ましい。硬化剤の使用量は特に制限されないが、上記接着剤の固形分を100質量%とした場合において0.1~120質量%程度が好ましく、10~40質量%程度がより好ましい。
【0128】
架橋剤としてエポキシド及びエポキシド用硬化剤を併用する場合、反応触媒をさらに併用できる。反応触媒は、単独又は2種以上で使用され得る。反応触媒は、1,8-ジアザ-ビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン;2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾ-ル類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2-エチル-4-メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N-メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が例示される。また、当該反応触媒の使用量は特に制限されないが、上記接着剤の固形分を100質量%とした場合において0.01~5質量%程度が好ましい。
【0129】
(ベンゾオキサジン)
ベンゾオキサジンは、6,6-(1-メチルエチリデン)ビス(3,4-ジヒドロ-3-フェニル-2H-1,3-ベンゾオキサジン)、6,6-(1-メチルエチリデン)ビス(3,4-ジヒドロ-3-メチル-2H-1,3-ベンゾオキサジン)等が例示される。なお、オキサジン環の窒素にはフェニル基、メチル基、シクロヘキシル基等が結合していてもよい。また、ベンゾオキサジンの市販品は、四国化成工業(株)社製の「ベンゾオキサジンF-a型」や「ベンゾオキサジンP-d型」、エア・ウォ-タ-社製の「RLV-100」等が例示される。
【0130】
(ビスマレイミド)
ビスマレイミドは、4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、m-フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド、1,6’-ビスマレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサン、4,4’-ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’-ジフェニルスルフォンビスマレイミド等が例示される。また、ビスマレイミドの市販品は、JFEケミカル(株)社製の「BAF-BMI」等が例示される。
【0131】
(シアネートエステル)
シアネートエステルは、2-アリルフェノールシアネートエステル、4-メトキシフェノールシアネートエステル、2,2-ビス(4-シアナトフェノール)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、ビスフェノールAシアネートエステル、ジアリルビスフェノールAシアネートエステル、4-フェニルフェノールシアネートエステル、1,1,1-トリス(4-シアナトフェニル)エタン、4-クミルフェノールシアネートエステル、1,1-ビス(4-シアナトフェニル)エタン、4,4’-ビスフェノールシアネートエステル、及び2,2‐ビス(4‐シアナトフェニル)プロパン等が例示される。また、シアネートエステルの市販品は、「PRIMASET BTP-6020S(ロンザジャパン(株)製)」等が例示される。
【0132】
上記接着剤における、上記ポリイミド100質量部(固形分換算)に対する架橋剤の含有量の上限は、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、20、10質量部等が例示され、下限は、800、700、600、500、400、300、200、100、50、20、10、5質量部等が例示される。1つの実施形態において、上記ポリイミド100質量部(固形分換算)に対する架橋剤の含有量は、5~900質量部程度が好ましい。
【0133】
上記接着剤100質量%中の架橋剤の含有量の上限は、80、70、60、50、40、30、20、10、5質量%等が例示され、下限は、70、60、50、40、30、20、10、5、2質量%等が例示される。1つの実施形態において、上記接着剤100質量%中の架橋剤の含有量は、2~80質量%程度が好ましい。
【0134】
<有機溶剤>
有機溶剤は、各種公知の有機溶剤を単独又は2種以上で使用できる。有機溶剤は、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルカプロラクタム、メチルトリグライム、メチルジグライム等の非プロトン性極性溶剤や、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン等の脂環式溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、ベンジルアルコール、クレゾ-ル等のアルコール系溶剤、トルエン等の芳香族系溶剤等が例示される。
【0135】
また、接着剤における有機溶剤の含有量は特に制限されないが、接着剤100質量%に対し、固形分質量が10~60質量%となる量が好ましい。
【0136】
上記接着剤における、上記ポリイミド100質量部(固形分換算)に対する有機溶剤の含有量の上限は、900、800、700、600、500、400、300、200質量部等が例示され、下限は、800、700、600、500、400、300、200、150質量部等が例示される。1つの実施形態において、上記接着剤における、上記ポリイミド100質量部(固形分換算)に対する有機溶剤の含有量は、150~900質量部が好ましい。
【0137】
<難燃剤>
1つの実施形態において、上記接着剤には、難燃剤が含まれる。難燃剤は、単独又は2種以上で使用され得る。難燃剤は、リン系難燃剤、無機フィラー等が例示される。
【0138】
(リン系難燃剤(リン含有難燃剤))
リン系難燃剤は、ポリリン酸やリン酸エステル、フェノール性水酸基を含有しないホスファゼン誘導体等が例示される。該ホスファゼン誘導体のうち、環状ホスファゼン誘導体は、難燃性、耐熱性、耐ブリードアウト性等の点で好ましい。環状ホスファゼン誘導体の市販品は、大塚化学(株)製のSPB-100や、伏見製薬所(株)製のラビトルFP-300B等が例示される。
【0139】
(無機フィラー)
1つの実施形態において、無機フィラーは、シリカフィラー、リン系フィラー、フッ素系フィラー、無機イオン交換体フィラー等が例示される。市販品は、デンカ株式会社製のFB-3SDC、クラリアントケミカルズ株式会社製のExolit OP935、株式会社喜多村製のKTL-500F、東亞合成株式会社製のIXE等が例示される。
【0140】
上記接着剤中のポリイミド100質量部(固形分換算)に対する難燃剤の含有量の上限は、150、100、50、10、5質量部等が例示され、下限は、125、100、50、10、5、1質量部等が例示される。1つの実施形態において、上記接着剤中のポリイミド100質量部(固形分換算)に対する難燃剤の含有量は、1~150質量部が好ましい。
【0141】
<反応性アルコキシシリル化合物>
1つの実施形態において、上記接着剤には、更に一般式:Z-Si(R(OR3-a(式中、Zは酸無水物基と反応する官能基を含む基を、Rは水素又は炭素数1~8の炭化水素基を、Rは炭素数1~8の炭化水素基を、aは0、1又は2を示す。)で表される反応性アルコキシシリル化合物が含まれる。反応性アルコキシシリル化合物により、本発明の接着剤からなる接着層の低誘電特性を維持しつつ、その溶融粘度を調節され得る。その結果、該接着層と基材との界面密着力(所謂アンカー効果)を高めながら、該基材端から生ずる該硬化層の滲みだしが抑制され得る。
【0142】
上記一般式のZに含まれる反応性官能基は、アミノ基、エポキシ基及びチオール基等が例示される。
【0143】
Zがアミノ基を含む化合物は、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン及び3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン等が例示される。Zがエポキシ基を含む化合物としては、例えば、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン及び3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が例示される。Zがチオール基を含む化合物としては、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランや、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン及び3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等が例示される。これらの中でも、反応性及びフローコントロールの効果が良好であることから、Zがアミノ基を含む化合物が好ましい。
【0144】
上記接着剤中のポリイミド100質量部(固形分換算)に対する反応性アルコキシシリル化合物の含有量の上限は、5、2.5、1、0.5、0.1、0.05質量部等が例示され、下限は、4、2.5、1、0.5、0.1、0.05、0.01質量部等が例示される。1つの実施形態において、上記接着剤中のポリイミド100質量部(固形分換算)に対する反応性アルコキシシリル化合物の含有量は、0.01~5質量部が好ましい。
【0145】
上記接着剤は、上記ポリイミド、架橋剤、有機溶剤、難燃剤、反応性アルコキシシリル化合物のいずれでもないものを添加剤として含み得る。
【0146】
添加剤は、開環エステル化反応触媒、脱水剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、シリカフィラー及びフッ素フィラー等が例示される。
【0147】
1つの実施形態において、添加剤の含有量は接着剤100質量部に対し、1質量部未満、0.1質量部未満、0.01質量部未満、0質量部等が例示される。
【0148】
別の実施形態において、添加剤の含有量は上記ポリイミド100質量部(固形分換算)に対し、1質量部未満、0.1質量部未満、0.01質量部未満、0質量部等が例示される。
【0149】
上記接着剤は、上記ポリイミド及び架橋剤並びに必要に応じて難燃剤、反応性アルコキシシリル化合物及び添加剤を有機溶剤に溶解させることにより得られ得る。
【0150】
[フィルム状接着材]
本開示は、上記接着剤の加熱硬化物を含む、フィルム状接着材を提供する。フィルム状接着材の製造方法は、上記接着剤を適当な支持体に塗工する工程、加熱して有機溶剤を揮発させることによって硬化させる工程、該支持体から剥離する工程等を含む方法等が例示される。該接着材の厚みは特に限定されないが、3~40μm程度が好ましい。支持体は、下記のもの等が例示される。
【0151】
[接着層]
本開示は、接着剤又は上記フィルム状接着材を含む、接着層を提供する。上記接着層を製造する際には、上記接着剤と上記接着剤以外の各種公知の接着剤とを併用してもよい。同様に上記フィルム状接着材と上記フィルム状接着材以外の各種公知のフィルム状接着材とを併用してもよい。
【0152】
[接着シート]
本開示は、上記接着層及び支持フィルムを含む、接着シートを提供する。
【0153】
該支持フィルムは、プラスチックフィルムが例示される。プラスチックは、ポリエステル、ポリイミド、ポリイミド-シリカハイブリッド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、エチレンテレフタレートやフェノール、フタル酸、ヒドロキシナフトエ酸等とパラヒドロキシ安息香酸とから得られる芳香族系ポリエステル樹脂(所謂液晶ポリマー;(株)クラレ製、「ベクスター」等)等が例示される。
【0154】
また、上記接着剤を該支持フィルムに塗布する際、前記塗工手段を採用できる。塗工層の厚みも特に限定されないが、乾燥後の厚みは1~100μm程度が好ましく、3~50μm程度がより好ましい。また、該接着シートの接着層は各種保護フィルムで保護してもよい。
【0155】
[樹脂付銅箔]
本開示は、上記接着層及び銅箔を含む、樹脂付銅箔を提供する。具体的には、上記樹脂付銅箔は、該接着剤又は該フィルム状接着材を銅箔に塗工又は貼り合わせたものである。該銅箔は、圧延銅箔や電解銅箔が例示される。その厚みは特に限定されず、1~100μm程度が好ましく、2~38μm程度がより好ましい。また、該銅箔は、各種表面処理(粗化、防錆化等)が施されたものであってよい。防錆化処理は、Ni,Zn,Sn等を含むメッキ液を用いたメッキ処理や、クロメート処理等の、所謂鏡面化処理が例示される。また、塗工手段としては前記した方法が例示される。
【0156】
また、該樹脂付銅箔の接着層は未硬化であってもよく、また加熱下に部分硬化ないし完全硬化させたものであってもよい。部分硬化の接着層は、いわゆるBステージと呼ばれる状態にある。また、接着層の厚みも特に限定されず、0.5~30μm程度が好ましい。また、該樹脂付銅箔の接着面に更に銅箔を貼り合わせ、両面樹脂付銅箔にすることもできる。
【0157】
[銅張積層板]
本開示は、上記樹脂付銅箔及び銅箔又は絶縁性シートを含む、銅張積層板を提供する。銅張積層板は、CCL(Copper Clad Laminate)とも呼ばれる。銅張積層板は、具体的には、各種公知の銅箔若しくは絶縁性シートの少なくとも片面又は両面に、上記樹脂付銅箔を、加熱下に圧着させたものである。片面に貼り合わせる場合には、他方の面に上記樹脂付銅箔とは異なるものを圧着させてもよい。また、当該銅張積層板における樹脂付銅箔と絶縁シートの枚数は特に制限されない。
【0158】
1つの実施形態において、絶縁性シートは、プリプレグが好ましい。プリプレグは、ガラス布等の補強材に樹脂を含浸させBステージまで硬化させたシート状材料のことをいう(JIS C 5603)。該樹脂は、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、液晶ポリマー、アラミド樹脂等の絶縁性樹脂が使用される。該プリプレグの厚みは特に限定されず、20~500μm程度が好ましい。加熱・圧着条件は特に限定されず、好ましくは150~280℃程度(より好ましくは170℃~240℃程度)、及び好ましくは0.5~20MPa程度(より好ましくは1~8MPa程度)である。
【0159】
[プリント配線板]
本開示は、上記銅張積層板の銅箔面に回路パターンを有する、プリント配線板を提供する。銅張積層板の銅箔面に回路パターンを形成するパターニング手段は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法が例示される。セミアディティブ法は、銅張積層板の銅箔面に、レジストフィルムでパターニングした後、電解銅メッキを行い、レジストを除去し、アルカリ液でエッチングする方法が例示される。また、該プリント配線板における回路パターン層の厚みは特に限定されない。また、該プリント配線板をコア基材とし、その上に同一のプリント配線板や他の公知のプリント配線板又はプリント回路板を積層することによって、多層基板を得ることもできる。積層の際には上記接着剤と上記接着剤以外の他の公知の接着剤とを併用できる。また、多層基板における積層数は特に限定されない。また、積層の都度、ビアホールを挿設し、内部をメッキ処理してもよい。前記回路パターンのライン/スペース比は特に限定されないが、1μm/1μm~100μm/100μm程度が好ましい。また、前記回路パターンの高さも特に限定されないが、1~50μm程度が好ましい。
【0160】
[多層配線板]
本開示は、プリント配線板(1)又はプリント回路板(1)、上記接着層、及びプリント配線板(2)又はプリント回路板(2)を含む、多層配線板を提供する。上記プリント配線板(1)~(2)は、上記プリント配線板であってよく、また、各種公知のものであってもよい。同様にプリント回路板(1)~(2)は、上記プリント回路板であってよく、また、各種公知のものであってもよい。またプリント配線板(1)とプリント配線板(2)は同一のものであっても異なるものであってもよい。同様にプリント回路板(1)とプリント回路板(2)も同一のものであっても異なるものであってもよい。
【0161】
[多層配線板の製造方法]
本開示は、下記工程1及び2
工程1:上記接着剤又は上記フィルム状接着材を、プリント配線板(1)又はプリント回路板(1)の少なくとも片面に接触させることによって、接着層付基材を製造する工程
工程2:該接着層付基材の上に、プリント配線板(2)又はプリント回路板(2)を積層し、加熱及び加圧下に圧着する工程
を含む多層配線板の製造方法を提供する。
【0162】
上記プリント配線板(1)~(2)は、上記プリント配線板であってよく、また、各種公知のものであってもよい。同様にプリント回路板(1)~(2)は、上記プリント回路板であってよく、また、各種公知のものであってよい。
【0163】
工程1では、上記接着剤又はフィルム状接着材を被着体に接触させる手段は特に限定されず、各種公知の塗工手段、カーテンコーター、ロールコーター、ラミネーター、プレス等が例示される。
【0164】
工程2における加熱温度及び圧着時間は特に限定されないが、(ア)本発明の接着剤又はフィルム状接着材をコア基材の少なくとも一面に接触させた後、70~200℃程度に加熱し、1~10分間程度かけて硬化反応させてから、(イ)架橋剤の硬化反応を進行させるために、更に150℃~250℃程度、10分~3時間程度加熱処理することが好ましい。また、圧力も特に限定されないが、工程(ア)及び(イ)を通じて0.5~20MPa程度が好ましく、1~8MPa程度がより好ましい。
【実施例
【0165】
以下、実施例及び比較例を通じて本発明を具体的に説明する。但し、上述の好ましい実施形態における説明及び以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供するものではない。従って、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。また、各実施例及び比較例において、特に説明がない限り、部、%等の数値は質量基準である。
【0166】
<ポリイミドの製造>
製造例1
撹拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、9,9’-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン酸二無水物(商品名「BPF-PA」、JFEケミカル株式会社製。以下、BPF-PAと略す。)290.00g、シクロヘキサノン980.20g、及びメチルシクロヘキサン196.04gを仕込み、60℃まで加熱した。次いで、市販のダイマージアミン(商品名「PRIAMINE1075」、クローダジャパン(株)製)236.60gを滴下した後、140℃で12時間かけてイミド化反応させることにより、ポリイミド(1-1)の溶液(不揮発分31.6%)を得た。なお、該ポリイミドの酸成分/アミン成分のモル比は1.03であった。
【0167】
製造例1以外の製造例及び比較製造例は、樹脂溶液の組成を表1に記載したように変更したことを除き、製造例1と同様の手法により行い、ポリイミドを得た。
【0168】
【表1】
【0169】
BPAF:9,9’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フルオレン酸二無水物(商品名「BPAF」、JFEケミカル株式会社製)
BAFL:9,9’-ビス(アミノフェニル)フルオレン(商品名「BAFL」、JFEケミカル(株)製。)
BisDA-1000:4,4’-[プロパン-2,2-ジイルビス(1,4-フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物(商品名「BisDA-1000」、SABICイノベーティブプラスチックスジャパン合同会社製。)
1,3-BAC:1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(三菱ガス化学(株)製)
【0170】
実施例1
ポリイミド樹脂(1-1)の溶液10.00g、架橋剤としてN,N-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン(三菱化学(株)製、商品名「jER630」)0.35g並びに有機溶剤としてトルエン1.35gを混合し、よく撹拌することによって、不揮発分30.0%の接着剤を得た。
【0171】
実施例1以外の実施例及び比較例は、接着剤の組成を表2に記載したように変更したことを除き、実施例1と同様の手法により行い、接着剤を得た。
【0172】
【表2】
【0173】
なお、有機溶剤には、ポリイミドを製造する際に用いた有機溶剤も含み得る。
【0174】
<接着シートの作製>
得られた接着剤を、ポリイミドフィルム(商品名「カプトン50EN」、東レ・デユポン(株)製;膜厚12.5μm;熱膨張係数;15ppm/℃)に、乾燥後の厚みが20μmとなるようギャップコーターにて塗布した後、180℃で3分間乾燥させることによって接着シートを得た。
【0175】
<銅張積層板の作製>
得られた接着シートの接着面を、市販の電解銅箔(商品名「F2-WS」、古河サーキットフォイル(株)製、18μm厚)の粗化側に重ねた、樹脂付銅箔を作製した。
【0176】
次いで、得られた樹脂付銅箔をプレス用支持体の上に置き、上方向より同素材から得られる支持体を介して圧力5MPa、200℃及び60分間の条件で加熱プレスをすることにより銅張積層板を作製した。
【0177】
<接着性試験>
得られた銅張積層板について、JIS C 6481(フレキシブルプリント配線板用銅張積層板試験方法)に準じ、引き剥がし強さ(N/cm)を測定した。結果を表に示す。
【0178】
<誘電率及び誘電正接測定>
実施例及び比較例の接着剤を、フッ素樹脂PFA平皿(直径75mm,(株)相互理化学硝子製作所製)にそれぞれ約7g注ぎ、30℃×10時間、70℃×10時間、100℃×6時間、120℃×6時間、150℃×6時間、180℃×12時間の条件で硬化させることによって、膜厚約300μmの誘電率測定用樹脂及び硬化物サンプルを得た。
【0179】
次いで、得られた誘電率測定用樹脂及び硬化物サンプルについて、JIS C2565に準じ、10GHzにおける誘電率及び誘電正接を、市販の誘電率測定装置(空洞共振器タイプ、エーイーティー製)を用いて測定した。結果を表に示す。
【0180】
【表3】