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特許7044210情報提供システム、サーバ装置、情報提供方法、および情報提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】情報提供システム、サーバ装置、情報提供方法、および情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20220323BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20220323BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20220323BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G05B23/02 V
G06Q10/00 300
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021539526
(86)(22)【出願日】2021-01-14
(86)【国際出願番号】 JP2021001056
【審査請求日】2021-07-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 剛史
(72)【発明者】
【氏名】大江 正展
【審査官】堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-208214(JP,A)
【文献】特開2015-184851(JP,A)
【文献】国際公開第2019/064536(WO,A1)
【文献】特開2019-067262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G05B 23/02
G06Q 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの設備に関する設備情報を提供する情報提供システムであって、
携帯端末と、
前記携帯端末と通信するサーバ装置とを備え、
前記携帯端末は、
前記少なくとも1つの設備を識別するための第1識別情報を読み取るセンサと、
前記センサによって読み取られた前記第1識別情報と前記携帯端末のユーザを識別するための第2識別情報とを前記サーバ装置に送信する端末側通信装置とを含み、
前記サーバ装置は、
前記少なくとも1つの設備に対応付けて複数種類の前記設備情報を記憶するメモリと、
前記メモリによって記憶された複数種類の前記設備情報のうち、前記携帯端末から送信された前記第1識別情報と前記第2識別情報とに対応する種類の前記設備情報を抽出するプロセッサと、
前記プロセッサによって抽出された前記設備情報を前記携帯端末に送信するサーバ側通信装置とを含み、
前記携帯端末は、前記サーバ装置から送信された前記設備情報を表示するディスプレイを含む、情報提供システム。
【請求項2】
前記メモリは、前記ユーザの種類に応じて前記設備情報に対するアクセス権限を定めたアクセス権限テーブルを記憶し、
前記プロセッサは、前記第2識別情報に基づいて、前記メモリによって記憶された複数種類の前記設備情報のうち、前記アクセス権限テーブルにおいてアクセスが許可された前記設備情報を抽出する、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの設備として、複数の設備を備え、
前記メモリは、前記複数の設備の各々に対応付けて複数種類の前記設備情報を記憶し、
前記プロセッサは、前記メモリによって記憶された複数種類の前記設備情報のうち、前記第1識別情報によって識別される設備に対応する前記設備情報を抽出する、請求項1または請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの設備として、複数の設備を備え、
前記メモリは、前記複数の設備の各々に対応付けて複数種類の前記設備情報を記憶し、
前記プロセッサは、前記メモリによって記憶された複数種類の前記設備情報のうち、前記第1識別情報によって識別される設備とは異なる他の設備に対応する前記設備情報を抽出する、請求項1または請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項5】
複数種類の前記設備情報は、前記少なくとも1つの設備に関する分析結果を含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記第1識別情報は、前記少なくとも1つの設備に取り付けられたコードに含まれる情報である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項7】
少なくとも1つの設備に関する設備情報を提供するサーバ装置であって、
前記少なくとも1つの設備に対応付けて複数種類の前記設備情報を記憶するメモリと、
前記メモリによって記憶された複数種類の前記設備情報のうち、携帯端末によって読み取られた前記少なくとも1つの設備を識別するための第1識別情報と前記携帯端末のユーザを識別するための第2識別情報とに対応する種類の前記設備情報を抽出するプロセッサと、
前記プロセッサによって抽出された前記設備情報を前記携帯端末に送信するサーバ側通信装置とを備える、サーバ装置。
【請求項8】
少なくとも1つの設備に関する設備情報を提供する情報提供方法であって、
メモリによって記憶された前記少なくとも1つの設備に対応付けられた複数種類の前記設備情報のうち、携帯端末によって読み取られた前記少なくとも1つの設備を識別するための第1識別情報と前記携帯端末のユーザを識別するための第2識別情報とに対応する種類の前記設備情報を抽出するステップと、
抽出した前記設備情報を前記携帯端末に送信するステップとを含む、情報提供方法。
【請求項9】
少なくとも1つの設備に関する設備情報を提供する情報提供プログラムであって、
コンピュータを、
前記少なくとも1つの設備に対応付けて複数種類の前記設備情報を記憶する記憶部、
前記記憶部によって記憶された複数種類の前記設備情報のうち、携帯端末によって読み取られた前記少なくとも1つの設備を識別するための第1識別情報と前記携帯端末のユーザを識別するための第2識別情報とに対応する種類の前記設備情報を抽出する演算部、および、
前記演算部によって抽出された前記設備情報を前記携帯端末に送信するサーバ側通信部として機能させる、情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報提供システム、サーバ装置、情報提供方法、および情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2004-234229号(特許文献1)には、サーバ装置が設備に関する設備情報を記憶し、携帯端末を用いたユーザからの要求に応じてサーバ装置が携帯端末に設備情報を送信する、設備監視システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-234229号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示に係る情報提供システムは、少なくとも1つの設備に関する設備情報を提供する。情報提供システムは、携帯端末と、携帯端末と通信するサーバ装置とを備える。携帯端末は、少なくとも1つの設備を識別するための第1識別情報を読み取るセンサと、センサによって読み取られた第1識別情報と携帯端末のユーザを識別するための第2識別情報とをサーバ装置に送信する端末側通信装置とを含む。サーバ装置は、少なくとも1つの設備に対応付けて複数種類の設備情報を記憶するメモリと、メモリによって記憶された複数種類の設備情報のうち、携帯端末から送信された第1識別情報と第2識別情報とに対応する種類の設備情報を抽出するプロセッサと、プロセッサによって抽出された設備情報を携帯端末に送信するサーバ側通信装置とを含む。携帯端末は、サーバ装置から送信された設備情報を表示するディスプレイを含む。
【0005】
本開示に係るサーバ装置は、少なくとも1つの設備に関する設備情報を提供する。サーバ装置は、少なくとも1つの設備に対応付けて複数種類の設備情報を記憶するメモリと、メモリによって記憶された複数種類の設備情報のうち、携帯端末によって読み取られた少なくとも1つの設備を識別するための第1識別情報と携帯端末のユーザを識別するための第2識別情報とに対応する種類の設備情報を抽出するプロセッサと、プロセッサによって抽出された設備情報を携帯端末に送信するサーバ側通信装置とを備える。
【0006】
本開示に係る情報提供方法は、少なくとも1つの設備に関する設備情報を提供する。情報提供方法は、メモリによって記憶された少なくとも1つの設備に対応付けられた複数種類の設備情報のうち、携帯端末によって読み取られた少なくとも1つの設備を識別するための第1識別情報と携帯端末のユーザを識別するための第2識別情報とに対応する種類の設備情報を抽出するステップと、抽出した設備情報を携帯端末に送信するステップとを含む。
【0007】
本開示に係る情報提供プログラムは、少なくとも1つの設備に関する設備情報を提供する。情報提供プログラムは、コンピュータを、少なくとも1つの設備に対応付けて複数種類の設備情報を記憶する記憶部、記憶部によって記憶された複数種類の設備情報のうち、携帯端末によって読み取られた少なくとも1つの設備を識別するための第1識別情報と携帯端末のユーザを識別するための第2識別情報とに対応する種類の設備情報を抽出する演算部、および、演算部によって抽出された設備情報を携帯端末に送信するサーバ側通信部として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る情報提供システムの構成を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る情報提供システムによる設備情報の提供を説明するための図である。
図3図3は、本実施形態に係る情報提供システムのハードウェア構成を示す図である。
図4図4は、本実施形態に係る情報提供システムの機能構成を示す図である。
図5図5は、本実施形態に係るサーバ装置が記憶する設備情報のうち、作業管理テーブルを説明するための図である。
図6図6は、本実施形態に係るサーバ装置が記憶する設備情報のうち、ガス管理テーブルを説明するための図である。
図7図7は、本実施形態に係るサーバ装置が記憶する設備情報のうち、特性管理テーブルを説明するための図である。
図8図8は、本実施形態に係るサーバ装置が記憶する設備情報のうち、特性αに関する分析結果を説明するための図である。
図9図9は、本実施形態に係るサーバ装置が記憶する設備情報のうち、不良管理テーブルを説明するための図である。
図10図10は、本実施形態に係るサーバ装置が記憶する設備情報のうち、不良に関する分析結果を説明するための図である。
図11図11は、本実施形態に係るサーバ装置が記憶する識別用テーブルのうち、設備管理テーブルを説明するための図である。
図12図12は、本実施形態に係るサーバ装置が記憶する識別用テーブルのうち、ユーザ管理テーブルを説明するための図である。
図13図13は、本実施形態に係る携帯端末のディスプレイの表示の遷移を示す図である。
図14図14は、本実施形態に係る携帯端末のディスプレイの表示の遷移を示す図である。
図15図15は、本実施形態に係る情報提供システムにおいて実行される処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示が解決しようとする課題]
特許文献1に記載の設備監視システムにおいては、サーバ装置が、設備に関する設備情報をユーザに提供することができる。しかしながら、この設備監視システムでは、ユーザと設備情報との関係については何ら考慮されておらず、ユーザにとって不適切な設備情報も、サーバ装置によってユーザに提供されるおそれがある。
【0010】
本開示の目的は、ユーザに適した設備情報を提供可能な情報提供システム、サーバ装置、情報提供方法、および情報提供プログラムを提供することである。
【0011】
[本開示の効果]
本開示によれば、ユーザに適した設備情報を提供可能な情報提供システム、サーバ装置、情報提供方法、および情報提供プログラムを提供することができる。
【0012】
[本開示の実施形態の説明]
(1)本開示に係る情報提供システム1は、少なくとも1つの設備4に関する設備情報を提供する。情報提供システム1は、携帯端末5と、携帯端末5と通信するサーバ装置3とを備える。携帯端末5は、少なくとも1つの設備4を識別するための設備IDを読み取るセンサ56と、センサ56によって読み取られた設備IDと携帯端末5のユーザを識別するためのユーザIDとをサーバ装置3に送信する通信装置52とを含む。サーバ装置3は、少なくとも1つの設備4に対応付けて複数種類の設備情報を記憶するメモリ33と、メモリ33によって記憶された複数種類の設備情報のうち、携帯端末5から送信された設備IDとユーザIDとに対応する種類の設備情報を抽出するプロセッサ31と、プロセッサ31によって抽出された設備情報を携帯端末5に送信する通信装置32とを含む。携帯端末5は、サーバ装置3から送信された設備情報を表示するディスプレイ54を含む。
【0013】
(2)上記(1)に係る情報提供システム1において、メモリ33は、ユーザの種類に応じて設備情報に対するアクセス権限を定めた識別用テーブル333(ユーザ管理テーブル)を記憶してもよい。プロセッサ31は、ユーザIDに基づいて、メモリ33によって記憶された複数種類の設備情報のうち、識別用テーブル333(ユーザ管理テーブル)においてアクセスが許可された前記設備情報を抽出してもよい。
【0014】
(3)上記(1)または(2)に係る情報提供システム1において、情報提供システム1は、少なくとも1つの設備4として、複数の設備4を備えてもよい。メモリ33は、複数の設備4の各々に対応付けて複数種類の設備情報を記憶してもよい。プロセッサ31は、メモリ33によって記憶された複数種類の設備情報のうち、設備IDによって識別される設備4に対応する種類の設備情報を抽出してもよい。
【0015】
(4)上記(1)または(2)に係る情報提供システム1において、情報提供システム1は、少なくとも1つの設備4として、複数の設備4を備えてもよい。メモリ33は、複数の設備4の各々に対応付けて複数種類の設備情報を記憶してもよい。プロセッサ31は、メモリ33によって記憶された複数種類の設備情報のうち、設備IDによって識別される設備4とは異なる他の設備4に対応する種類の設備情報を抽出してもよい。
【0016】
(5)上記(1)から(4)のいずれかに係る情報提供システム1において、複数種類の設備情報は、少なくとも1つの設備4に関する分析結果を含んでいてもよい。
【0017】
(6)上記(1)から(5)のいずれかに係る情報提供システム1において、第1識別情報は、少なくとも1つの設備4に取り付けられたコード10に含まれる情報であってもよい。
【0018】
(7)本開示に係るサーバ装置3は、少なくとも1つの設備4に関する設備情報を提供する。サーバ装置3は、少なくとも1つの設備4に対応付けて複数種類の設備情報を記憶するメモリ33と、メモリ33によって記憶された複数種類の設備情報のうち、携帯端末5によって読み取られた少なくとも1つの設備4を識別するための設備IDと携帯端末5のユーザを識別するためのユーザIDとに対応する種類の設備情報を抽出するプロセッサ31と、プロセッサ31によって抽出された設備情報を携帯端末5に送信する通信装置32とを備える。
【0019】
(8)本開示に係る情報提供方法は、少なくとも1つの設備4に関する設備情報を提供する。情報提供方法は、メモリ33によって記憶された少なくとも1つの設備4に対応付けられた複数種類の設備情報のうち、携帯端末5によって読み取られた少なくとも1つの設備4を識別するための設備IDと携帯端末5のユーザを識別するためのユーザIDとに対応する種類の設備情報を抽出するステップ(S36)と、抽出した設備情報を携帯端末5に送信するステップ(S37)とを含む。
【0020】
(9)本開示に係る情報提供プログラム332aは、少なくとも1つの設備4に関する設備情報を提供する。情報提供プログラム332aは、サーバ装置3を、少なくとも1つの設備4に対応付けて複数種類の設備情報を記憶する記憶部330、記憶部330によって記憶された複数種類の設備情報のうち、携帯端末5によって読み取られた少なくとも1つの設備4を識別するための設備IDと携帯端末5のユーザを識別するためのユーザIDとに対応する種類の設備情報を抽出する演算部310、および、演算部310によって抽出された設備情報を携帯端末5に送信する通信部320として機能させる。
【0021】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一または対応する要素には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0022】
<情報提供システムの構成>
図1から図4を参照しながら、本実施形態に係る情報提供システム1の構成について説明する。
【0023】
図1は、本実施形態に係る情報提供システム1の構成を示す図である。図1に示されるように、情報提供システム1は、少なくとも1つの設備4と、携帯端末5とを備える。本実施形態において、情報提供システム1は、少なくとも1つの設備4として、複数の工場内に配置される複数の設備4を備える。複数の設備4のうち、設備A1および設備A2は、工場Aに設置されており、設備B1および設備B2は、工場Bに設置されている。情報提供システム1は、複数の設備4を備えるものに限らず、1つの設備4のみを備えていてもよい。
【0024】
設備4は、自動車部品および回路基板などの部品の製造、および、完成品の組み立てに用いられる機械、器具、装置などを含む。設備4の種類としては、電気設備、ガス設備、給排水設備、搬送設備、空気調和設備、および照明設備などが挙げられる。
【0025】
複数の設備4の各々には、第1識別情報が割り当てられている。第1識別情報は、設備4を識別するために用いられ、文字、記号、数字、および符号などを含む。後述する図11に示されるように、本実施形態においては、第1識別情報として、設備4の製造番号などの設備ID(identifier)が例示される。設備IDは、設備4に取り付けられたコード10に含まれる。コード10としては、バーコードなどの一次元コード、およびQRコード(登録商標)などの二次元コードなどが挙げられる。サーバ装置3は、各設備4に割り当てられた設備IDに基づき、各設備4を識別することができる。
【0026】
携帯端末5は、スマートフォン、PDA(personal digital assistant)、およびタブレットPC(personal computer)など、サーバ装置3との間で通信可能な情報端末である。携帯端末5は、設備4に割り当てられた設備IDを、後述するセンサ56によって読み取ることができる。
【0027】
携帯端末5は、ユーザによって所持される。図示は省略するが、複数の工場Aおよび工場Bの各々には、複数のユーザが存在する。ユーザとしては、主任、班長、作業者など、工場内に配置される設備4を利用する者が挙げられる。
【0028】
複数のユーザの各々には、第2識別情報が割り当てられている。第2識別情報は、ユーザを識別するために用いられ、文字、記号、数字、および符号などを含む。後述する図12に示されるように、本実施形態においては、第2識別情報として、ユーザによって設定されるユーザIDが例示される。
【0029】
サーバ装置3は、少なくとも1つの設備4に関する設備情報をユーザに提供するコンピュータである。設備情報は、設備4を用いた作業の内容(以下、作業内容とも称する。)、設備4において発生するガスに関する情報、設備4を用いて製造される製品(部品または完成品)の特性、設備4を用いて製造される製品の不良に関する情報、設備4が設置された製造ラインに関する情報、および設備4に設置された各種センサの情報など、設備4に関するいずれかの情報を含む。
【0030】
本実施形態において、サーバ装置3は、設備4が設置される工場Aおよび工場Bとは別の場所に設置される。サーバ装置3は、ネットワーク2を介して、各工場内の各設備4と通信する。サーバ装置3は、ネットワーク2を介して、各ユーザが所持する各携帯端末5と通信する。サーバ装置3は、工場Aおよび工場Bのいずれかに設置されてもよいし、クラウドコンピュータとして機能することで、各工場内の各設備4および各携帯端末5と通信してもよい。
【0031】
図2は、本実施形態に係る情報提供システム1による設備情報の提供を説明するための図である。図2に示されるように、設備4は、設備4に関する設備情報をサーバ装置3に送信する。設備4による設備情報の送信タイミングは、たとえば、設備4を用いて所定ロット数の製品の製造が完了した後など、設備4の管理者によって任意に設定される。サーバ装置3は、各工場内の各設備4から送信された設備情報を取得し、取得した設備情報を後述するメモリ33に蓄積して記憶する。
【0032】
このようにして、サーバ装置3は、各工場内の各設備4から様々な設備情報を集約し、携帯端末5を用いたユーザからの要求に応じて、設備情報をユーザに提供する。このとき、サーバ装置3がユーザを識別することなく一律に設備情報をユーザに提供した場合、ユーザにとって不適切な設備情報も、サーバ装置3によってユーザに提供されるおそれがある。
【0033】
そこで、本実施形態に係る情報提供システム1は、サーバ装置3が、ユーザIDに基づき特定したユーザに対応する種類の設備情報を、ユーザに提供するように構成されている。
【0034】
具体的には、ユーザは、予めサーバ装置3に登録していたユーザIDおよびパスワードを携帯端末5に入力する。携帯端末5は、入力されたユーザIDおよびパスワードをサーバ装置3に送信する。サーバ装置3は、携帯端末5から取得したユーザIDに基づきユーザIDに対応するユーザを特定し、パスワードが正当なものであれば、携帯端末5によるサーバ装置3へのアクセスを許可する。
【0035】
サーバ装置3によるユーザの認証が完了した後、ユーザは、設備4に取り付けられたコード10を携帯端末5によって検知することで、コード10に含まれる設備IDを携帯端末5によって読み取る。携帯端末5は、読み取った設備IDをサーバ装置3に送信する。サーバ装置3は、携帯端末5から取得した設備IDに基づき、設備IDに対応する設備4を特定する。
【0036】
サーバ装置3は、認証したユーザから設備情報の閲覧が要求された場合、その要求に応じた設備情報を抽出する。このとき、サーバ装置3は、メモリ33に記憶された複数種類の設備情報のうち、認証したユーザに対応する種類の設備情報を抽出する。たとえば、サーバ装置3は、ある種類のユーザからの要求に対しては、第1設備情報と第2設備情報とのうち、第1設備情報および第2設備情報を抽出するのに対して、他の種類のユーザからの要求に対しては、第1設備情報を抽出する一方で、第2設備情報を抽出しない。
【0037】
サーバ装置3は、抽出した設備情報をユーザが所持する携帯端末5に送信する。携帯端末5は、サーバ装置3から取得した設備情報をディスプレイ54に表示する。このようにして、サーバ装置3は、ユーザの種類に応じて、ユーザに適した設備情報をユーザに提供する。
【0038】
図3は、本実施形態に係る情報提供システム1のハードウェア構成を示す図である。図3に示されるように、サーバ装置3は、プロセッサ31と、通信装置32と、メモリ33と、メディア読込装置34とを備える。
【0039】
プロセッサ31は、各種のプログラム(たとえば、後述する制御プログラム332)を実行することで、サーバ装置3に関する各種の処理を実行する演算主体である。プロセッサ31は、たとえば、CPU(central processing unit)、FPGA(field programmable gate array)、およびGPU(graphics processing unit)のうちの少なくともいずれか1つで構成されている。プロセッサ31は、演算回路(processing circuitry)で構成されてもよい。
【0040】
通信装置32は、ネットワーク2を介して、設備4および携帯端末5の各々との間で通信を確立し、設備4および携帯端末5の各々との間でデータ(情報)の送受信を行う。
【0041】
メモリ33は、DRAM(dynamic random access memory)およびSRAM(static random access memory)などの揮発性メモリ、または、ROM(read only memory)、SSD(solid state drive)、およびHDD(hard disk drive)などの不揮発性メモリで構成される。メモリ33は、設備情報331と、制御プログラム332と、識別用テーブル333とを記憶する。
【0042】
設備情報331(以下、単に「設備情報」とも称する。)は、各工場内の各設備4から取得した各設備4に関する情報である。制御プログラム332は、サーバ装置3に含まれる各部品を制御するためのプログラムであり、情報提供プログラム332aを含む。情報提供プログラム332aは、携帯端末5を用いたユーザからの要求に応じて、ユーザに適した設備情報をユーザに提供する処理を実行するためのプログラムである。プロセッサ31は、情報提供プログラム332aを実行することで、後述する図15のフローチャートの処理を実行する。識別用テーブル333は、設備IDに基づき各設備4を識別するための情報を含む後述する図11の設備管理テーブルと、ユーザIDに基づき各ユーザを識別するための情報を含む後述する図12のユーザ管理テーブルとを含む。
【0043】
メディア読込装置34は、各種のプログラムおよびデータを記録する記録媒体35を受け付け、記録媒体35からプログラムおよびデータを読み込む。記録媒体35としては、CD(compact disk)、SDカード(secure digital card)、USBメモリ(universal serial bus memory)などが挙げられる。本実施形態において、メディア読込装置34は、記録媒体35に格納された制御プログラム332(情報提供プログラム332a)を読み込んで、メモリ33に制御プログラム332(情報提供プログラム332a)を記憶させる。
【0044】
設備4は、プロセッサ41と、通信装置42と、メモリ43と、ディスプレイ44と、入力インターフェース45と、駆動装置46とを備える。
【0045】
プロセッサ41は、各種のプログラム(たとえば、後述する制御プログラム432)を実行することで、設備4に関する各種の処理を実行する演算主体である。プロセッサ41は、たとえば、CPU、FPGA、およびGPUのうちの少なくともいずれか1つで構成されている。プロセッサ41は、演算回路(processing circuitry)で構成されてもよい。
【0046】
通信装置42は、ネットワーク2を介して、サーバ装置3との間で通信を確立し、サーバ装置3との間でデータ(情報)の送受信を行う。
【0047】
メモリ43は、DRAMおよびSRAMなどの揮発性メモリ、または、ROM、SSD、およびHDDなどの不揮発性メモリで構成される。メモリ43は、設備ID431と、制御プログラム432と、駆動データ433とを記憶する。
【0048】
設備ID431(以下、単に「設備ID」とも称する。)は、第1識別情報の一例であり、設備4を識別するための情報である。制御プログラム432は、設備4に含まれる各部品を制御するためのプログラムである。駆動データ433は、駆動装置46を駆動するために用いる各種のデータである。
【0049】
入力インターフェース45は、設備4の運用または管理に関するデータの入力を受け付けるインターフェースである。たとえば、ユーザである作業者は、入力インターフェース45を介して設備4の状態を確認するためのデータを入力することができる。
【0050】
駆動装置46は、プロセッサ41からの制御に基づき、製造に用いられる図示しないアクチュエータを駆動させる。
【0051】
携帯端末5は、プロセッサ51と、通信装置52と、メモリ53と、ディスプレイ54と、入力インターフェース55と、センサ56とを備える。
【0052】
プロセッサ51は、各種のプログラム(たとえば、後述する制御プログラム532)を実行することで、携帯端末5に関する各種の処理を実行する演算主体である。プロセッサ51は、たとえば、CPU、FPGA、およびGPUのうちの少なくともいずれか1つで構成されている。プロセッサ51は、演算回路(processing circuitry)で構成されてもよい。
【0053】
通信装置52は、ネットワーク2を介して、サーバ装置3との間で通信を確立し、サーバ装置3との間でデータ(情報)の送受信を行う。
【0054】
メモリ53は、DRAMおよびSRAMなどの揮発性メモリ、または、ROM、SSD、およびHDDなどの不揮発性メモリで構成される。メモリ53は、端末ID531と、制御プログラム532とを記憶する。
【0055】
端末ID531は、携帯端末5を識別するための情報であって、携帯端末5の製造番号またはIPアドレス(internet protocol address)を含む。本実施形態においては、第1識別情報がユーザIDであるが、第1識別情報が端末ID531であってもよい。制御プログラム532は、携帯端末5に含まれる各部品を制御するためのプログラムである。
【0056】
入力インターフェース55は、携帯端末5に対するデータの入力を受け付けるインターフェースである。たとえば、携帯端末5のユーザは、入力インターフェース55を介してユーザIDおよびパスワードを入力することができる。
【0057】
センサ56は、設備4に取り付けられたコード10を検知することで、コード10に含まれる設備ID431を読み取る。たとえば、コード10がバーコードまたはQRコード(登録商標)である場合、センサ56はカメラを用いた画像センサである。
【0058】
図4は、本実施形態に係る情報提供システム1の機能構成を示す図である。図4に示されるように、サーバ装置3は、主な機能部として、演算部310と、通信部320と、記憶部330と、メディア読込部340とを備える。
【0059】
演算部310は、プロセッサ31の機能部であり、サーバ装置3に関する各種の処理を実行する。
【0060】
通信部320は、通信装置32の機能部であり、ネットワーク2を介して、設備4および携帯端末5の各々との間でデータ(情報)の送受信を行う。
【0061】
記憶部330は、メモリ33の機能部であり、各工場内の各設備4から取得した設備情報、各設備4および各ユーザを識別するための情報など、各種の情報を記憶する。
【0062】
メディア読込部340は、メディア読込装置34の機能部であり、記録媒体35に格納されたプログラムおよびデータを読み込んで、記憶部330にプログラムおよびデータを記憶させる。
【0063】
設備4は、主な機能部として、演算部410と、通信部420と、記憶部430と、表示部440と、入力部450と、駆動部460とを備える。
【0064】
演算部410は、プロセッサ41の機能部であり、設備4に関する各種の処理を実行する。
【0065】
通信部420は、通信装置42の機能部であり、ネットワーク2を介して、サーバ装置3との間でデータ(情報)の送受信を行う。
【0066】
記憶部430は、メモリ43の機能部であり、設備ID431など、設備4に関する各種の情報を記憶する。
【0067】
表示部440は、ディスプレイ44の機能部であり、画像を表示することで各種の情報を報知する。
【0068】
入力部450は、入力インターフェース45の機能部であり、設備4の運用または管理に関するデータの入力を受け付ける。
【0069】
駆動部460は、駆動装置46の機能部であり、製造に用いられる図示しないアクチュエータを駆動させる。
【0070】
携帯端末5は、主な機能部として、演算部510と、通信部520と、記憶部530と、表示部540と、入力部550と、読取部560とを備える。
【0071】
演算部510は、プロセッサ51の機能部であり、携帯端末5に関する各種の処理を実行する。
【0072】
通信部520は、通信装置52の機能部であり、ネットワーク2を介して、サーバ装置3との間でデータ(情報)の送受信を行う。
【0073】
記憶部530は、メモリ53の機能部であり、端末ID531など、携帯端末5に関する各種の情報を記憶する。
【0074】
表示部540は、ディスプレイ54の機能部であり、画像を表示することで各種の情報を報知する。
【0075】
入力部550は、入力インターフェース55の機能部であり、携帯端末5に対するデータの入力を受け付ける。
【0076】
読取部560は、センサ56の機能部であり、設備4に取り付けられたコード10を検知することで、コード10に含まれる設備ID431を読み取る。
【0077】
<設備情報の一例>
図5から図10を参照しながら、サーバ装置3がメモリ33に記憶する設備情報331について説明する。図5は、本実施形態に係るサーバ装置3が記憶する設備情報331のうち、作業管理テーブルを説明するための図である。図5に示されるように、作業管理テーブルは、各工場の各設備4について、作業内容ごとに作業が実行されたか否かの結果を示す情報(以下、「作業管理情報」とも称する。)を格納する。
【0078】
作業管理テーブルは、作業内容として、設備4が有するローラーの回転数の確認、設備4の亀裂の有無の確認、および設備4の空気圧の確認など、複数種類の作業内容について、各々実行されたか否かの結果を示す情報を格納する。作業管理テーブルは、作業が実行されている場合に「1」の情報を格納し、作業が実行されていない場合に「0」の情報を格納する。これらの作業を実行したか否かの結果は、ユーザによって設備4に入力されてもよいし、実行有無に応じて自動的に設備4に記憶されてもよいし、ユーザによって図示しないコンピュータに入力され、コンピュータからその結果が設備4に入力されてもよい。サーバ装置3は、各工場の各設備4から、これら作業の実行有無の結果を取得して作業管理テーブルに格納する。
【0079】
たとえば、工場Aの設備A1について、8時にローラーの回転数の確認、亀裂の有無の確認、および空気圧の確認が実行され、20時に亀裂の有無の確認および空気圧の確認が実行されている。工場Aの他の設備A2、他の工場Bの他の設備B1および設備B2についても同様に、作業管理テーブルは、作業内容ごとに作業が実行された場合に「1」の情報を格納し、作業が実行されていない場合に「0」の情報を格納する。
【0080】
このように、サーバ装置3は、作業管理テーブルを用いて各工場の各設備4について作業の実行有無の結果を管理することで、ユーザの要求に応じて、ユーザが所望する設備4について作業の実行有無の結果をユーザに提供することができる。
【0081】
図6は、本実施形態に係るサーバ装置3が記憶する設備情報331のうち、ガス管理テーブルを説明するための図である。図6に示されるように、ガス管理テーブルは、各工場の各設備4について、日ごとのガスの使用量とその合計量とを示す情報(以下、「ガス管理情報」とも称する。)を格納する。
【0082】
ガス管理テーブルは、ガスの種類として、酸素および塩素の各々の使用量を示す情報を格納する。なお、ガスは、酸素および塩素以外であってもよい。サーバ装置3は、各工場の各設備4から、これらガスの使用量を日ごとに取得してガス管理テーブルに格納する。さらに、サーバ装置3は、取得したガスの使用量を合計し、その結果を示す情報をガス管理テーブルに格納する。
【0083】
このように、サーバ装置3は、ガス管理テーブルを用いて各工場の各設備4について日ごとのガスの使用量を管理することで、ユーザの要求に応じて、ユーザが所望する設備4についてユーザが所望する日付のガスの使用量をユーザに提供することができる。
【0084】
図7は、本実施形態に係るサーバ装置3が記憶する設備情報331のうち、特性管理テーブルを説明するための図である。図7に示されるように、特性管理テーブルは、各工場の各設備4で処理される複数の製品について、工程ごとの特性αの値を示す情報(以下、「特性管理情報」とも称する。)を格納する。特性αは、設備4で処理される製品に関する特性であり、たとえば、特性αとして、電圧、電流、ばねの強度、および熱の放射率などが挙げられる。サーバ装置3は、各工場の各設備4から、各製品について、工程ごとの特性αの値を取得して特性管理テーブルに格納する。
【0085】
たとえば、工場Aの設備A1で処理された製品1について、工程Aで測定された特性αの値としてα1が特性管理テーブルに格納され、工程Bで測定された特性αの値としてα1’が特性管理テーブルに格納されている。設備A1で処理される他の製品2、工場Aの他の設備A2で処理される他の製品3および製品4、他の工場Bの他の設備4で処理される他の製品についても同様に、特性管理テーブルは、工程ごとに測定された特性αの値を示す情報を格納する。
【0086】
図8は、本実施形態に係るサーバ装置3が記憶する設備情報331のうち、特性αに関する分析結果を説明するための図である。サーバ装置3は、作業管理テーブルに格納された工程ごとの特性αを分析し、その分析結果を設備情報331としてメモリ33に記憶する。なお、特性αの分析結果は、特性管理情報に含まれる。
【0087】
たとえば、図8に示されるように、サーバ装置3は、設備A1で処理される各製品について、工程Aと、工程Aよりも後の工程Bとで、特性αの値を分析した結果を散布図で表す。図8に示す散布図において、縦軸に工程Aの特性αの値が示され、横軸に工程Bの特性αの値が示される。図8に示す例では、工程Aよりも工程Bの方が、特性αの値が大きくなっている。
【0088】
このように、サーバ装置3は、各製品について、工程ごとの特性αの値を散布図で表すことで、ユーザの要求に応じて、ユーザが所望する設備4についてユーザが所望する工程間での特性αの値の変化状況をユーザに提供することができる。
【0089】
図9は、本実施形態に係るサーバ装置3が記憶する設備情報331のうち、不良管理テーブルを説明するための図である。図9に示されるように、不良管理テーブルは、各工場の各設備4について、不良の項目ごとの不良数、累積数、および累積比率を示す情報(以下、「不良管理情報」とも称する。)を格納する。
【0090】
不良管理テーブルは、不良の項目として、ひび、欠け、熱異常、弾性異常、およびその他の不良を示す情報を格納する。サーバ装置3は、各工場の各設備4から、各不良の項目ごとに不良数を取得して不良管理テーブルに格納する。さらに、サーバ装置3は、取得した不良数を合計するとともに、項目ごとに累積比率を計数し、その結果を示す情報を不良管理テーブルに格納する。
【0091】
図10は、本実施形態に係るサーバ装置3が記憶する設備情報331のうち、不良に関する分析結果を説明するための図である。サーバ装置3は、不良管理テーブルに格納された不良の工程ごとの不良数を分析し、その分析結果を設備情報331としてメモリ33に記憶する。なお、不良に関する分析結果は、不良管理情報に含まれる。
【0092】
たとえば、図10に示されるように、サーバ装置3は、各設備4について、不良の工程ごとの不良数と、その不良数を累積した結果と、累積比率とを、パレート図で表す。図10に示すパレート図において、左の縦軸に累積比率が示され、横軸に不良の項目が示され、右の縦軸に累積数が示される。
【0093】
このように、サーバ装置3は、各設備4について、不良の項目ごとの不良数、累積数、および累積比率をパレート図で表すことで、ユーザの要求に応じて、ユーザが所望する設備4について不良の項目ごとの不良数、累積数、および累積比率をユーザに提供することができる。
【0094】
<識別用テーブルの一例>
図11および図12を参照しながら、サーバ装置3がメモリ33に記憶する識別用テーブル333について説明する。図11は、本実施形態に係るサーバ装置3が記憶する識別用テーブル333のうち、設備管理テーブルを説明するための図である。図11に示されるように、設備管理テーブルは、各工場の各設備4に割り当てられた設備IDについて、設備IDに対応する設備4に関する情報を格納する。
【0095】
たとえば、設備管理テーブルは、設備ID「AAA1」に対応する設備4として、工場Aの設備A1に関する情報を格納する。工場Aの他の設備4、他の工場Bの他の設備4についても同様に、設備管理テーブルは、設備IDと、その設備IDに対応する設備4に関する情報を格納する。
【0096】
サーバ装置3は、設備管理テーブルを参照することで、携帯端末5から取得した設備IDに対応する設備4を特定することができる。
【0097】
図12は、本実施形態に係るサーバ装置3が記憶する識別用テーブル333のうち、ユーザ管理テーブルを説明するための図である。図12に示されるように、ユーザ管理テーブルは、各ユーザに割り当てられたユーザIDについて、ユーザIDに対応するユーザに関する情報を格納する。
【0098】
ユーザ管理テーブルは、ユーザに関する情報として、予めユーザによってサーバ装置3に登録されたユーザ名、パスワード、および役職を示す情報を格納する。さらに、ユーザ管理テーブルは、ユーザの種類に応じて設備情報に対するアクセス権限を定めている。ユーザ管理テーブルは、「アクセス権限テーブル」の一例である。サーバ装置3は、ユーザIDに基づいて、メモリ33によって記憶された複数種類の設備情報のうち、ユーザ管理テーブルにおいてアクセスが許可された設備情報を抽出する。具体的には、サーバ装置3は、ユーザ管理テーブルにおいて、登録されたユーザの役職に応じて制限レベルを設ける。制限レベルは、設備情報の重要度および機密度などに応じて、ユーザに対して設備情報の提供を許可するか否か(アクセスを許可するか否か)を示すものであり、提供が許可される設備情報に対しては「1」の情報がユーザ管理テーブルに格納され、提供が許可されない設備情報に対しては「0」の情報がユーザ管理テーブルに格納される。制限レベルは、設備情報の提供が最も許可され易い低レベルと、設備情報の提供が最も許可され難い高レベルと、低レベルと高レベルとの間の中レベルとを含む。
【0099】
たとえば、制限レベルとして低レベルに設定されたユーザ(主任)の場合、サーバ装置3は、図5の作業管理情報と、図6のガス管理情報と、図7および図8の特性管理情報と、図9および図10の不良管理情報とを、ユーザに提供することができる。このように、ユーザが主任の場合、工場内の設備4について不良割合などを含めて詳細に把握する必要があるので、主任には設備情報の提供が広く許可されている。
【0100】
制限レベルとして中レベルに設定されたユーザ(班長)の場合、サーバ装置3は、図5の作業管理情報と、図6のガス管理情報と、図7および図8の特性管理情報とを、ユーザに提供することができる一方で、図9および図10の不良管理情報についてはユーザへの提供を制限する。このように、ユーザが班長の場合、工場内の設備4について主任よりも詳細に把握する必要はないが、ある程度、設備4について詳細に把握する必要があるため、班長には設備4の特性などの設備情報の提供が許可されている。
【0101】
制限レベルとして高レベルに設定されたユーザ(作業者)の場合、サーバ装置3は、図5の作業管理情報をユーザに提供することができる一方で、図6のガス管理情報と、図7および図8の特性管理情報と、図9および図10の不良管理情報とについてはユーザへの提供を制限する。このように、ユーザが作業者の場合、工場内の設備4について作業に関する内容のみを把握できればよく、設備4の特性および不良割合などについては機密性を担保するために、作業者には作業内容の設備情報のみの提供が許可されている。
【0102】
<設備情報の提供の一例>
図13および図14を参照しながら、サーバ装置3がユーザに設備情報を提供する際の提供例について説明する。図13は、本実施形態に係る携帯端末5のディスプレイ54の表示の遷移130を示す図である。
【0103】
ユーザの携帯端末5には、サーバ装置3に記憶された設備情報を閲覧するためのアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」とも称する。)が予めダウンロードされている。ユーザが携帯端末5のアプリを起動すると、図13(A)に示されるように、ディスプレイ54にログイン画面が表示される。ログイン画面は、ユーザIDを入力するための入力欄と、パスワードを入力するための入力欄とを含む。ユーザがユーザIDおよびパスワードを入力すると、携帯端末5は、ユーザIDおよびパスワードをサーバ装置3に送信する。
【0104】
サーバ装置3がユーザIDおよびパスワードに基づきユーザを認証すると、図13(B)に示されるように、メニュー画面がディスプレイ54に表示される。メニュー画面は、コード10を読み取るためのアイコンと、各種の設定を行うためのアイコンとを含む。
【0105】
ユーザがコード10を読み取るためのアイコンを操作すると、図13(C)に示されるように、コード10を読み取るためのコード取得画面がディスプレイ54に表示される。
【0106】
ユーザが設備4に取り付けられたコード10にコード取得画面の枠を合わせると、センサ56によってコード10が検知される。コード10が検知されると、図13(D)に示されるように、サーバ装置3にアクセスするためのURL(uniform resource locator)を示す画像がディスプレイ54に表示される。
【0107】
ユーザがURLを示す画像を操作すると、図13(E)に示されるように、閲覧する設備情報について、対象となる設備4を選択するためのアイコンがディスプレイ54に表示される。たとえば、ユーザが設備A1に取り付けられたコード10を携帯端末5によって読み取った場合、読み取られたコード10が取り付けられた設備A1と、設備A1とは異なる他の設備4とのいずれかを選択するためのアイコンがディスプレイ54に表示される。つまり、ユーザは、コード10を読み取った設備A1の設備情報に限らず、他の設備4の設備情報も閲覧することができる。
【0108】
ユーザが設備A1を選択すると、図13(F)に示されるように、ユーザに割り当てられた制限レベルに応じてユーザが閲覧可能な種類の設備情報のアイコンがディスプレイ54に表示される。たとえば、制限レベルが低レベルであるユーザAの場合、図5の作業管理情報を選択するためのアイコンと、図6のガス管理情報を選択するためのアイコンと、図7および図8の特性管理情報を選択するためのアイコンと、図9および図10の不良管理情報を選択するためのアイコンとがディスプレイ54に表示される。つまり、制限レベルが低レベルに設定されたユーザは、作業管理情報、ガス管理情報、特性管理情報、および不良管理情報といった、4種類の設備情報を閲覧することができる。
【0109】
ユーザがいずれかの設備情報のアイコンを選択すると、図13(G)に示されるように、選択された設備情報がディスプレイ54に表示される。たとえば、ユーザが不良管理情報を選択した場合、図10の分析結果などがディスプレイ54に表示される。つまり、制限レベルが高レベルのユーザは、選択可能な4種類の設備情報の中から所望の設備情報を閲覧することができる。
【0110】
図14は、本実施形態に係る携帯端末5のディスプレイ54の遷移140を示す図である。図13(E)と同様に、ユーザがURLを示す画像を操作すると、図14(E)に示されるように、閲覧する設備情報について、対象となる設備4を選択するためのアイコンがディスプレイ54に表示される。
【0111】
ユーザが設備A1を選択すると、ユーザの制限レベルに応じて、前述の図13(F)、図14(F1)、および図14(F2)のいずれかに示される画像がディスプレイ54に表示される。
【0112】
たとえば、制限レベルが中レベルであるユーザBの場合、作業管理情報を選択するためのアイコンと、ガス管理情報を選択するためのアイコンと、特性管理情報を選択するためのアイコンとがディスプレイ54に表示される。一方、不良管理情報を選択するためのアイコンはディスプレイ54に表示されない。つまり、制限レベルが中レベルに設定されたユーザは、作業管理情報、ガス管理情報、および特性管理情報といった、3種類の設備情報を閲覧することができる。
【0113】
ユーザがいずれかの設備情報のアイコンを選択すると、図14(G1)に示されるように、選択された設備情報がディスプレイ54に表示される。たとえば、ユーザが特性管理情報を選択した場合、図8の分析結果などがディスプレイ54に表示される。つまり、制限レベルが中レベルのユーザは、選択可能な3種類の設備情報の中から所望の設備情報を閲覧することができる。
【0114】
たとえば、制限レベルが高レベルであるユーザBの場合、作業管理情報を選択するためのアイコンのみがディスプレイ54に表示される。一方、ガス管理情報を選択するためのアイコンと、特性管理情報を選択するためのアイコンと、不良管理情報を選択するためのアイコンはディスプレイ54に表示されない。つまり、制限レベルが高レベルに設定されたユーザは、作業管理情報のみを閲覧することができる。
【0115】
ユーザが作業管理情報のアイコンを選択すると、図14(G2)に示されるように、図5の作業管理情報がディスプレイ54に表示される。つまり、制限レベルが高レベルのユーザは、選択可能な1種類の設備情報のみを閲覧することができる。
【0116】
<情報提供システムの処理>
図15を参照しながら、情報提供システム1の処理について説明する。図15は、本実施形態に係る情報提供システム1において実行される処理を示すフローチャートである。図15に示される処理ステップ(以下、これを「S」と略す。)は、携帯端末5のプロセッサ51(演算部410)による制御プログラム432の実行、および、サーバ装置3のプロセッサ31(演算部310)による制御プログラム332(情報提供プログラム332a)の実行によって実現される。
【0117】
図15に示されるように、携帯端末5は、アプリを起動後、図13(A)のログイン画面でユーザIDおよびパスワードが入力されたか否かを判定する(S51)。携帯端末5は、ユーザIDおよびパスワードが未だ入力されていない場合(S51でNO)、S51の処理を繰り返す。携帯端末5は、ユーザIDおよびパスワードが入力された場合(S51でYES)、入力されたユーザIDおよびパスワードをサーバ装置3に送信する(S52)。
【0118】
サーバ装置3は、携帯端末5から送信されたユーザIDおよびパスワードに基づき、ユーザを認証できたか否かを判定する(S31)。この処理において、サーバ装置3は、図12のユーザ管理テーブルにおいて管理された複数のユーザに対応するユーザIDおよびパスワードの中に、携帯端末5から送信されたユーザIDおよびパスワードが存在するか否かを判定する。
【0119】
サーバ装置3は、ユーザ管理テーブルにおいて管理された複数のユーザに対応するユーザIDおよびパスワードの中に、携帯端末5から送信されたユーザIDおよびパスワードが存在しない場合、ユーザを認証せず(S31でNO)、ログインを禁止するための禁止情報を携帯端末5に送信し(S32)、本処理を終了する。
【0120】
サーバ装置3は、ユーザ管理テーブルにおいて管理された複数のユーザに対応するユーザIDおよびパスワードの中に、携帯端末5から送信されたユーザIDおよびパスワードが存在する場合、ユーザを認証するとともに(S31でYES)、ユーザを特定する(S33)。その後、サーバ装置3は、ログインを許可するための許可情報を携帯端末5に送信する(S34)。
【0121】
携帯端末5は、サーバ装置3から送信された禁止情報または許可情報に基づき、サーバ装置3によってログインが許可されたか否かを判定する(S53)。
【0122】
携帯端末5は、サーバ装置3によってログインが許可されなかった場合(S53でNO)、ログインを禁止し(S54)、本処理を終了する。
【0123】
携帯端末5は、サーバ装置3によってログインが許可された場合(S53でYES)、ログインを許可する(S55)。この場合、図13(B)に示されるように、携帯端末5のディスプレイ54にメニュー画面が表示される。
【0124】
メニュー画面において、ユーザがコード10を読み取るためのアイコンを操作すると、携帯端末5は、センサ56によってコード10を取得したか否かを判定する(S56)。携帯端末5は、コード10を読み取っていない場合(S56でNO)、S56の処理を繰り返す。携帯端末5は、コード10を読み取った場合(S56でYES)、読み取ったコード10に含まれる設備IDをサーバ装置3に送信する(S57)。
【0125】
サーバ装置3は、図13の設備管理テーブルを参照しながら、携帯端末5から送信された設備IDに基づき、設備IDに対応する設備4を特定する(S35)。その後、サーバ装置3は、メモリ33によって記憶された複数種類の設備情報のうち、携帯端末5から送信されたユーザIDと設備IDとに対応する種類の設備情報を抽出する(S36)。
【0126】
たとえば、サーバ装置3は、S33で特定したユーザに対応する制限レベルと、S35で特定した設備4とに基づき、特定した設備4に関する設備情報を抽出する。サーバ装置3は、ユーザの制限レベルが低レベルの場合、作業管理情報と、ガス管理情報と、特性管理情報と、不良管理情報とを抽出する。サーバ装置3は、ユーザの制限レベルが中レベルの場合、作業管理情報と、ガス管理情報と、特性管理情報とを抽出する一方で、不良管理情報を抽出しない。サーバ装置3は、ユーザの制限レベルが高レベルの場合、作業管理情報を抽出する一方で、ガス管理情報と、特性管理情報と、不良管理情報とを抽出しない。抽出した設備情報は、ユーザがコード10を読み取った設備4に関する設備情報となる。サーバ装置3は、抽出した設備情報を携帯端末5に送信する(S37)。
【0127】
図13(F)で示されたように、コード10が読み取られた設備4をユーザが選択した場合、携帯端末5は、サーバ装置3によって抽出された設備情報をディスプレイ54に表示し(S58)、本処理を終了する。なお、S58の処理では、コード10が読み取られた設備4をユーザが選択した場合について説明したが、ユーザが他の工場内の他の設備4を選択した場合は、選択された設備4に関する設備情報のうち、ユーザの制限レベルに応じた設備情報のみが携帯端末5のディスプレイ54に表示される。
【0128】
このように、情報提供システム1においては、サーバ装置3のメモリ33に記憶された複数種類の設備情報のうち、携帯端末5のセンサ56によって読み取られた設備IDと、ユーザIDとに対応する種類の設備情報が抽出され、抽出された設備情報が携帯端末5のディスプレイ54に表示される。これにより、ユーザの制限レベルに応じて、ユーザに適した設備情報をユーザに提供することができる。
【0129】
<作用効果>
情報提供システム1によれば、サーバ装置3は、メモリ33に記憶した各設備4に対応付けられた複数種類の設備情報のうち、携帯端末5のセンサ56によって読み取られた設備IDと、携帯端末のユーザを識別するためのユーザIDとに対応する種類の設備情報を抽出し、携帯端末5は、抽出された設備情報をディスプレイ54に表示する。これにより、情報提供システム1は、設備情報の重要度および機密度などを考慮して、ユーザに適した設備情報をユーザに提供することができる。
【0130】
情報提供システム1によれば、サーバ装置3は、図12に示されるように、ユーザの種類に応じて複数段階の制限レベルを設定し、メモリ33に記憶した複数種類の設備情報のうち、ユーザの制限レベルに対応する種類の設備情報を抽出する。たとえば、低レベルに設定されたユーザ(主任)の場合、サーバ装置3は、作業管理情報と、ガス管理情報と、特性管理情報と、不良管理情報とを抽出してユーザに提供する。中レベルに設定されたユーザ(班長)の場合、サーバ装置3は、作業管理情報と、ガス管理情報と、特性管理情報とを抽出してユーザに提供する一方で、不良管理情報を抽出することなく、ユーザへの提供を制限する。高レベルに設定されたユーザ(作業者)の場合、サーバ装置3は、作業管理情報のみを抽出してユーザに提供する一方で、ガス管理情報と、特性管理情報と、不良管理情報とを抽出することなく、ユーザへの提供を制限する。これにより、情報提供システム1は、ユーザの種類に応じて、ユーザに適した設備情報をユーザに提供することができる。
【0131】
情報提供システム1によれば、サーバ装置3は、複数の工場の各々に設置された複数の設備4の各々における設備情報をメモリ33に記憶する。サーバ装置3は、メモリ33に記憶された複数種類の設備情報のうち、携帯端末5から取得した設備IDによって識別される設備4に対応する種類の設備情報を抽出してユーザに提供する。これにより、情報提供システム1は、ユーザが携帯端末5を用いてコード10を読み取った設備4に対応する設備情報をユーザに提供することができる。したがって、ユーザは、所望する設備4に関する設備情報を得ることができるため、ユーザの利便性が向上する。
【0132】
情報提供システム1によれば、サーバ装置3は、複数の工場の各々に設置された複数の設備4の各々における設備情報をメモリ33に記憶する。サーバ装置3は、メモリ33に記憶された複数種類の設備情報のうち、携帯端末5から取得した設備IDによって識別される設備4とは異なる他の設備4に対応する種類の設備情報を抽出してユーザに提供する。これにより、情報提供システム1は、ユーザが携帯端末5を用いてコード10を読み取った設備4とは異なる他の設備4に対応する設備情報をユーザに提供することができる。したがって、ユーザは、所望する設備4に関する設備情報を得ることができるため、ユーザの利便性が向上する。
【0133】
情報提供システム1によれば、サーバ装置3は、設備情報として、設備4に関する分析結果を含む。たとえば、サーバ装置3は、図8に示されるように、先の工程Aと後の工程Bとで特性αの値を分析した結果を、設備情報としてメモリ33に記憶する。これにより、情報提供システム1は、ユーザから要求された設備4の設備情報として、現在の設備情報に限らず、過去の設備情報についてもユーザに提供することができ、さらに、現在の設備情報と過去の設備情報とを比較した結果についてもユーザに提供することができる。たとえば、サーバ装置3は、図10に示されるように、不良の工程ごとの不良数を分析した結果を、設備情報としてメモリ33に記憶する。これにより、情報提供システム1は、ユーザから要求された設備4の設備情報として、設備4で処理された複数の製品に対する処理結果をユーザに提供することができる。
【0134】
情報提供システム1によれば、携帯端末5は、設備4に取り付けられたコード10をセンサ56で読み取ることで、設備IDを読み取ることができる。これにより、情報提供システム1は、ユーザの近辺に配置された設備4の設備情報を、より簡単にユーザに提供することができる。
【0135】
<変形例>
本実施形態に係る情報提供システム1においては、各設備4は、ネットワーク2を介して直接的に、サーバ装置3に設備情報を送信するものであった。しかしながら、複数の設備4をまとめて制御するPLC(programmable logic controller)が各設備4の設備情報を取得し、PLCがネットワーク2を介してサーバ装置3に設備情報を送信してもよい。あるいは、各設備4が備える各種のセンサまたは各設備4に接続された各種のセンサが、ネットワーク2を介してサーバ装置3に設備情報を送信してもよい。
【0136】
情報提供システム1においては、下記のように、サーバ装置3が設備情報をユーザに提供してもよい。サーバ装置3は、一の工場内に設置された一の設備4(コード10が読み取られた設備4)から取得した設備情報をユーザに提供してもよい。サーバ装置3は、一の工場内に設置された一の設備4(コード10が読み取られた設備4)から取得した現在または過去についての設備情報をユーザに提供してもよい。サーバ装置3は、一の工場内に設置された一の設備4(コード10が読み取られた設備4)の設備情報を分析した結果をユーザに提供してもよい。
【0137】
サーバ装置3は、一の工場内に設置された複数の設備4(コード10が読み取られた設備4を含む複数の設備4)の各々から取得した設備情報をユーザに提供してもよい。サーバ装置3は、一の工場内に設置された複数の設備4(コード10が読み取られた設備4を含む複数の設備4)の各々から取得した現在または過去についての設備情報をユーザに提供してもよい。サーバ装置3は、一の工場内に設置された複数の設備4(コード10が読み取られた設備4を含む複数の設備4)の各々の設備情報を分析した結果をユーザに提供してもよい。
【0138】
サーバ装置3は、一の工場に限らず、他の工場内に設置された他の設備4(コード10が読み取られた設備4とは異なる設備4)から取得した設備情報をユーザに提供してもよい。サーバ装置3は、一の工場に限らず、他の工場内に設置された他の設備4(コード10が読み取られた設備4とは異なる設備4)から取得した現在または過去についての設備情報をユーザに提供してもよい。サーバ装置3は、一の工場に限らず、他の工場内に設置された他の設備4(コード10が読み取られた設備4とは異なる設備4)の設備情報を分析した結果をユーザに提供してもよい。
【0139】
サーバ装置3は、一の工場内に設置された一の設備4(コード10が読み取られた設備4)の設備情報と、一の工場内に設置された他の設備4(コード10が読み取られた設備4とは異なる設備4)の設備情報とについて分析した結果をユーザに提供してもよい。サーバ装置3は、一の工場内に設置された一の設備4(コード10が読み取られた設備4)の設備情報と、他の工場内に設置された他の設備4(コード10が読み取られた設備4とは異なる設備4)の設備情報とについて分析した結果をユーザに提供してもよい。
【0140】
コード10は、設備4に直接的に取り付けられるものに限らず、設備4とは別体のオブジェクトに取り付けられてもよい。コード10は、バーコードなどの一次元コード、およびQRコード(登録商標)などの二次元コードに限らず、RFID(radio frequency identifier)のパッシブタグまたはアクティブタグ、Bluetooth(登録商標)のタグなど、各種のICタグ(integrated circuit tag)であってもよい。この場合、センサ56には、ICタグを読み取るためのリーダを採用すればよい。
【0141】
設備情報は、作業管理情報、ガス管理情報、特性管理情報、および不良管理情報に限らず、設備4に関する情報であればいずれの情報を含んでいてもよい。たとえば、設備情報は、設備4による製造物に関連する営業、在庫情報を含んでいてもよい。設備情報は、設備4が設置された工場、病院、倉庫など、設備4の周辺環境に関する情報を含んでいてもよい。
【0142】
サーバ装置3が設備情報を分析するタイミングは、メモリ33に設備情報が格納されたタイミング、周期的に訪れるタイミング、ユーザからの要求があったタイミングなど、任意のタイミングであってもよい。
【0143】
今回開示された実施形態および実施例は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0144】
1 情報提供システム、2 ネットワーク、3 サーバ装置、4 設備、5 携帯端末、10 コード、31,41,51 プロセッサ、32,42,52 通信装置、33,43,53 メモリ、34 メディア読込装置、35 記録媒体、44,54 ディスプレイ、45,55 入力インターフェース、46 駆動装置、56 センサ、310,410,510 演算部、320,420,520 通信部、330,430,530 記憶部、331 設備情報、332,432,532 制御プログラム、332a 情報提供プログラム、333 識別用テーブル、340 メディア読込部、431 設備ID、433 駆動データ、440,540 表示部、450,550 入力部、460 駆動部、560 読取部、531 端末ID。
【要約】
情報提供システムは、携帯端末と、携帯端末と通信するサーバ装置とを備える。携帯端末は、少なくとも1つの設備を識別するための設備IDを読み取るセンサと、センサによって読み取られた設備IDと携帯端末のユーザを識別するためのユーザIDとをサーバ装置に送信する通信装置とを含む。サーバ装置は、複数種類の設備情報を記憶するメモリと、メモリによって記憶された複数種類の設備情報のうち、携帯端末から送信された設備IDとユーザIDとに対応する種類の設備情報を抽出するプロセッサと、プロセッサによって抽出された設備情報を携帯端末に送信する通信装置とを含む。携帯端末は、サーバ装置から送信された設備情報を表示するディスプレイを含む。
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