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特許7044237空中スクリーン形成装置、画像投影システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】空中スクリーン形成装置、画像投影システム
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/608 20140101AFI20220323BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20220323BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20220323BHJP
   H04N 13/363 20180101ALI20220323BHJP
   H04N 13/395 20180101ALI20220323BHJP
【FI】
G03B21/608
G03B21/00 D
H04N5/74 C
H04N13/363
H04N13/395
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017218857
(22)【出願日】2017-11-14
(65)【公開番号】P2019090898
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-08-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ▲1▼ 平成29年10月14日に国際会議「SIGGRAPH ASIA 2017 BANGKOK CONFERENCE」のウェブサイトにて公開(https://sa2017.siggraph.org/attendees/posters?view=type&type=posters&presentations=true) ▲2▼ 平成29年10月29日に日本科学未来館にて開催された集会「デジタルコンテンツエキスポ」において行われた講演「落合陽一はどこに向かっているのか~メディアアート・アカデミックリサーチ・CREST・スタートアップ~」にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】517182918
【氏名又は名称】ピクシーダストテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230116816
【弁護士】
【氏名又は名称】成川 弘樹
(74)【代理人】
【識別番号】100146123
【弁理士】
【氏名又は名称】木本 大介
(72)【発明者】
【氏名】落合 陽一
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-203608(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第19626878(DE,A1)
【文献】特開2016-024311(JP,A)
【文献】特開2015-232634(JP,A)
【文献】特開2012-058705(JP,A)
【文献】特開2008-033202(JP,A)
【文献】特開平05-027696(JP,A)
【文献】特開平07-270915(JP,A)
【文献】特開平05-045734(JP,A)
【文献】特表2005-531812(JP,A)
【文献】特開平09-197995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B21/00-21/10
21/12-21/30
21/56-21/64
33/00-33/16
G09F19/00-27/00
H04N5/66-5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の再帰反射型粒子を収容する収容部を備え、
前記再帰反射型粒子は、プロジェクタの入射光を屈折させる屈折面と、前記屈折面で屈折した光を前記入射光の入射方向と反対方向に反射させる反射面と、を有し、
前記収容部に収容された複数の再帰反射型粒子が前記収容部の下方の空間を一様な方向に落下するように前記複数の再帰反射型粒子を投下することにより、三次元画像を投影可能であって、かつ上下方向のサイズが前記収容部の高さによって決まる空中スクリーンを前記空間に形成するコントローラを備える、
空中スクリーン形成装置。
【請求項2】
前記反射面には、反射膜が被覆される、
請求項1に記載の空中スクリーン形成装置。
【請求項3】
前記収容部の底部には、開閉可能な投下口が配置され、
前記コントローラは、前記投下口を開放することにより、前記収容部に収容された再帰反射型粒子を投下する、
請求項1又は2に記載の空中スクリーン形成装置。
【請求項4】
前記投下口は、上面視において、線分形状、多角形状、又は、円形状を有する、
請求項3に記載の空中スクリーン形成装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載の空中スクリーン形成装置を備え、
前記空中スクリーン形成装置によって形成された空中スクリーンを基準として観察者側に配置されたプロジェクタを備え、
前記プロジェクタは、前記空中スクリーンに向かって光を照射することにより、前記空中スクリーンに前記光に対応する三次元画像を投影する、
画像投影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空中スクリーン形成装置、及び、画像投影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、空中スクリーンに三次元画像を投影する技術が注目されている。空中スクリーンは、平面スクリーンとは異なり、スクリーンの存在が知覚されないため、三次元画像の表示に好適である。
【0003】
例えば、特許文献1は、空中にミストを噴出することにより、空中スクリーンを形成する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-121655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ミストは、質量が軽いため、空中で浮遊し易い。そのため、空中スクリーンの形状が不安定になり、空中スクリーンの密度が低下する場合がある。密度の低下は、空中スクリーンの解像度の低下を招く。
【0006】
つまり、従来技術では、空中スクリーンの解像度を向上させることが難しい。
【0007】
本発明の目的は、空中スクリーンの解像度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、
複数の再帰反射型粒子を収容する収容部を備え、
前記再帰反射型粒子は、前記プロジェクタの入射光を屈折させる屈折面と、前記屈折面で屈折した光を前記入射光の入射方向と反対方向に反射させる反射面と、を有し、
前記収容部に収容された複数の再帰反射型粒子を投下することにより、三次元画像を投影可能な空中スクリーンを形成するコントローラを備える、
空中スクリーン形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、空中スクリーンの解像度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の画像投影システムの構成を示す概略図である。
図2図1の空中スクリーン形成装置の機能ブロック図である。
図3図2の収容部の構成を示す概略図である。
図4図2の収容部の動作の説明図である。
図5】再帰反射型粒子の概略図である。
図6図1の空中スクリーン形成装置によって提供されるユーザビューの概略図である。
図7】変形例1の空中スクリーン形成装置10の構成を示す概略図である。
図8図7の空中スクリーン形成装置によって形成された空中スクリーンに投影された三次元画像の概略図である。
図9】変形例2の空中スクリーン形成装置10の構成の第1例を示す概略図である。
図10図9の空中スクリーン形成装置によって形成された空中スクリーンに投影された三次元画像の概略図である。
図11】変形例2の空中スクリーン形成装置10の構成の第2例を示す概略図である。
図12図11の空中スクリーン形成装置によって形成された空中スクリーンに投影された三次元画像の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0012】
(1)画像投影システム
本実施形態の画像投影システムについて説明する。図1は、本実施形態の画像投影システムの構成を示す概略図である。
【0013】
図1に示すように、画像投影システム1は、空中スクリーン形成装置10と、プロジェクタ20と、を備える。
【0014】
空中スクリーン形成装置10は、下方(LO方向)に空間が形成されるように配置される。例えば、空中スクリーン形成装置10は、天井(不図示)から吊り下げられる。
空中スクリーン形成装置10は、再帰反射型粒子RPを投下することにより、空中スクリーン形成装置10の下方(LO方向)の空間に、YZ平面に沿った空中スクリーンSCを形成するように構成される。
【0015】
プロジェクタ20は、空中スクリーンSCに対して、観察者OBS側に配置される。プロジェクタ20は、空中スクリーンSCに向かって、空中スクリーンSCのYZ平面に直行する方向(X-方向)の光OPを放射する。
【0016】
空中スクリーンSCには、光OPに対応する三次元画像IMGが投影される。
空中スクリーンSCに対してプロジェクタ20と反対側に位置する物理オブジェクトOBJの反射光(X+方向の光)は、空中スクリーンSCを構成する再帰反射型粒子RPの隙間から観察者OBSに到達する。
【0017】
その結果、観察者OBSは、空中スクリーンSCに投影された三次元画像IMGと、物理オブジェクトOBJの像と、を同時に観察することができる。
【0018】
(1-1)空中スクリーン形成装置
本実施形態の空中スクリーン形成装置10について説明する。図2は、図1の空中スクリーン形成装置の機能ブロック図である。
【0019】
図2に示すように空中スクリーン形成装置10は、記憶装置11と、プロセッサ(「コントローラ」の一例)12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14と、ドライバ15と、収容部16と、を備える。
【0020】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0021】
プログラムは、例えば、ドライバ15を制御するためのプログラムを含む。
【0022】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、空中スクリーン形成装置10の機能を実現するように構成される。プロセッサ12は、コンピュータの一例である。
【0023】
入出力インタフェース13は、空中スクリーン形成装置10に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、かつ、空中スクリーン形成装置10に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、ディスプレイである。
【0024】
通信インタフェース14は、空中スクリーン形成装置10とプロジェクタ20との間の通信を制御するように構成される。
【0025】
ドライバ15は、プロセッサ12の制御に従って、収容部16の可動機構を駆動するための駆動信号を生成するように構成される。
【0026】
収容部16には、複数の再帰反射型粒子RPが収容される。
【0027】
(1-2)収容部
本実施形態の収容部16について説明する。
【0028】
(1-2-1)収容部の構成
本実施形態の収容部16の構成について説明する。図3は、図2の収容部の構成を示す概略図である。
【0029】
図3Aは、収容部16の底部16hを示している。図3Bは、図3Aの鎖線領域Iの拡大斜視図である。
【0030】
図3に示すように、収容部16は、一対の可動部材16a及び16bと、一対の固定部材16c及び16dと、一対のプーリ16fと、ベルト16eと、を備える。
【0031】
図3Bに示すように、収容部16の側面16gには、プーリ16fが回転可能に取り付けられている。
一対のプーリ16fには、ベルト16eが巻きつけられている。
ベルト16eには、固定部材16c及び16dが取り付けられている。
固定部材16c及び16dには、それぞれ、可動部材16a及び16bが取り付けられている。
つまり、可動部材16a及び16bは、それぞれ、固定部材16c及び16dを介して、ベルト16eに固定されている。
【0032】
プーリ16fは、ドライバ15によって生成された駆動信号に従って回転する。
プーリ16fが反時計回り(図3B)に回転すると、固定部材16cはX-方向に移動し、且つ、固定部材16dはX+方向に移動する。これにより、可動部材16aはX-方向に移動し、且つ、可動部材16bはX+方向に移動する。
プーリ16fが時計回り(図3B)に回転すると、固定部材16cはX+方向に移動し、且つ、固定部材16dはX-方向に移動する。これにより、可動部材16aはX+方向に移動し、且つ、可動部材16bはX-方向に移動する。
このように、可動部材16a及び16bは、プーリ16fの回転方向に応じて移動する。可動部材16a及び16bの移動方向は、スクリーンSCのYZ平面に対して直行する方向(X方向)である。
【0033】
(1-2-2)収容部の動作
本実施形態の収容部16の動作について説明する。図4は、図2の収容部の動作の説明図である。
【0034】
図4Aは、閉鎖位置に位置する可動部材16a及び16bを示している。
閉鎖位置に位置する可動部材16a及び16bは、互いに接触する。この場合、収容部16は、再帰反射型粒子RPを保持する。
【0035】
可動部材16a及び16bが閉鎖位置に位置するときにプーリ16fが反時計回り(図3B)に回転すると、可動部材16aはX+方向に移動し、且つ、可動部材16bはX-方向に移動する。その結果、可動部材16a及び16bは開放位置に移動する。
【0036】
図4Bは、開放位置に位置する可動部材16a及び16bを示している。
開放位置に位置する可動部材16a及び16bは、互いに離間する。その結果、底部16hに、投下口SLが形成される。投下口SLは、上面視において、線分形状を有する。収容部16に収容された再帰反射型粒子RPは、この投下口SLを介して、下方(Y-方向)に落下する。
【0037】
(1-3)再帰反射型粒子
本実施形態の再帰反射型粒子RPについて説明する。図5は、再帰反射型粒子の概略図である。
【0038】
図5Aに示すように、再帰反射型粒子RPは、透明球体である。再帰反射型粒子RPは、例えば、ガラス球体である。
【0039】
図5Bは、図5Aの鎖線IIで再帰反射型粒子RPを切断したときの断面を示している。
図5Bに示すように、再帰反射型粒子RPは、屈折面RPaと、反射面RPbと、を有する。反射面RPbの内表面上には、反射膜が被覆される。
屈折面RPaがX-側に位置し、且つ、反射面RPbがX+側に位置する場合、X-方向からX+方向に入射した入射光OPaは、屈折面RPaで屈折し、且つ、反射面RPbに当たる。
反射面RPbは、入射光OPaをX-方向に反射する。
その結果、X-方向からX+方向に入射した入射光OPaは、X+方向からX-方向(つまり、入射光OPaの入射方向と反対方向)に反射される反射光OPbが発生する。反射光OPbは、屈折面RPaで屈折し、且つ、再帰反射型粒子RPの外表面からX-方向に放射される。
【0040】
(1-4)ユーザビュー
本実施形態の観察者OBSが観察可能なユーザビューについて説明する。図6は、図1の空中スクリーン形成装置によって提供されるユーザビューの概略図である。
【0041】
図4Bに示すように、開放位置に位置する可動部材16a及び16bによって形成された投下口SLから再帰反射型粒子RPがY-方向に投下されると、図1の空中スクリーン形成装置10の下方(Y-方向)の空間に空中スクリーンSCが形成される。
【0042】
プロジェクタ20が空中スクリーンSCに向かって、X-方向の光OPを放射すると、再帰反射型粒子RPに対する入射光OPaは、反射面RPbで反射することによって、X+方向の反射光OPbに変わる。反射光OPbは、観察者OBSの眼球に入射する。
【0043】
図1に示すように、空中スクリーンSCに対してプロジェクタ20と反対側に位置する物理オブジェクトOBJの反射光は、空中スクリーンSCを構成する再帰反射型粒子RPの隙間から観察者OBSに向かって進行し、観察者OBSの眼球に入射する。
【0044】
その結果、図6に示すように、観察者OBSは、空中スクリーンSCに投影された三次元画像IMGと、物理オブジェクトOBJの像と、を同時に観察することができる。
【0045】
本実施形態によれば、一定の質量を有する再帰反射型粒子RPを投下することにより空中スクリーンSCを形成する。これにより、空中スクリーンSCの解像度を向上させることができる。
【0046】
更に、本実施形態によれば、再帰反射型粒子RPは自重により落下するので、収容部16の構造を簡素化することができる。
【0047】
更に、本実施形態によれば、再帰反射型粒子RPは落下方向(Y-方向)が一様であるので、収容部16の高さによって空中スクリーンSCの上下方向(Y方向)のサイズが決まる。これにより、空中スクリーンSCのサイズを容易に拡大することができる。
【0048】
(2)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
【0049】
(2-1)変形例1
本実施形態の変形例1について説明する。変形例1は、複数の空中スクリーンを形成する空中スクリーン形成装置10の例である。図7は、変形例1の空中スクリーン形成装置10の構成を示す概略図である。図8は、図7の空中スクリーン形成装置によって形成された空中スクリーンに投影された三次元画像の概略図である。
【0050】
図7に示すように、底部16hには、複数の投下口Sl1及びSL12が形成される。投下口Sl1及びSL12は、何れも、上面視において、線分形状を有する。収容部16に収容された再帰反射型粒子RPは、この投下口Sl1及びSL12を介して、下方(Y-方向)に落下する。
【0051】
その結果、図8に示すように、空中スクリーン形成装置10の下方(Y-方向)に、複数の空中スクリーンSC1a及びSC1bが形成される。
プロジェクタ20は、空中スクリーンSC1a及びSC1bに対して、観察者OBS側(X+側)に配置される。プロジェクタ20がX-方向の光OP1を放射すると、空中スクリーンSC1a及びSC1bには、何れも、光OP1に対応する三次元画像IMG1a及びIMG1bが投影される。
【0052】
変形例1によれば、複数の空中スクリーンSC1a及びSC1bに投影された三次元画像IMG1a及びIMG1bを観察することができる。
【0053】
(2-2)変形例2
本実施形態の変形例2について説明する。変形例2は、空中スクリーン形成装置によって形成される空中スクリーンの形状の変形例である。
【0054】
(2-2-1)変形例2の第1例
変形例2の第1例について説明する。図9は、変形例2の空中スクリーン形成装置10の構成の第1例を示す概略図である。図10は、図9の空中スクリーン形成装置によって形成された空中スクリーンに投影された三次元画像の概略図である。
【0055】
図9に示すように、底部16hには、投下口SL21が形成される。投下口SL21は、上面視において、矩形形状を有する。収容部16に収容された再帰反射型粒子RPは、この投下口S21を介して、下方(Y-方向)に落下する。
【0056】
その結果、図10に示すように、空中スクリーン形成装置10の下方(Y-方向)に、直方体形状の空中スクリーンSC21が形成される。
【0057】
プロジェクタ20aは、空中スクリーンSC21に対して、X+側に配置される。プロジェクタ20aがX-方向の光OP21aを放射すると、空中スクリーンSC21のX+側の面SC21aには、光OP21aに対応する三次元画像IMG21aが投影される。
【0058】
プロジェクタ20bは、空中スクリーンSC21に対して、Z-側に配置される。プロジェクタ20bがZ+方向の光OP21bを放射すると、空中スクリーンSC21のZ-側の面SC21bには、光OP21bに対応する三次元画像IMG21bが投影される。
【0059】
(2-2-2)変形例2の第2例
変形例2の第2例について説明する。図11は、変形例2の空中スクリーン形成装置10の構成の第2例を示す概略図である。図12は、図11の空中スクリーン形成装置によって形成された空中スクリーンに投影された三次元画像の概略図である。
【0060】
図11に示すように、底部16hには、投下口SL22が形成される。投下口SL22は、上面視において、円形形状を有する。収容部16に収容された再帰反射型粒子RPは、この投下口S22を介して、下方(Y-方向)に落下する。
【0061】
その結果、図10に示すように、空中スクリーン形成装置10の下方(Y-方向)に、円柱形状の空中スクリーンSC22が形成される。
【0062】
複数のプロジェクタ20a及び20bが空中スクリーンSC22に対して光OP22a及びOP22bを放射すると、空中スクリーンSC22には、各プロジェクタ20a及び20bから放射された光OP22a及びOP22bに対応する三次元画像IMG22a及びIMG22bが投影される。
【0063】
(3)本実施形態の小括
以下、本実施形態について小括する。
【0064】
本実施形態の第1態様は、
複数の再帰反射型粒子RPを収容する収容部16を備え、
再帰反射型粒子RPは、プロジェクタ20の入射光OPaを屈折させる屈折面RPaと、屈折面RPaで屈折した光を入射光の入射方向(X+方向)と反対方向(X-方向)に反射させる反射面RPbと、を有し、
収容部16に収容された複数の再帰反射型粒子RPを投下することにより、三次元画像を投影可能な空中スクリーンSCを形成するコントローラ(例えば、プロセッサ12)を備える、
空中スクリーン形成装置10である。
【0065】
第1態様によれば、一定の質量を有する再帰反射型粒子RPを投下することにより空中スクリーンSCを形成する。これにより、空中スクリーンSCの解像度を向上させることができる。
【0066】
本実施形態の第2態様は、
反射面RPbには、反射膜が被覆される、
空中スクリーン形成装置10である。
【0067】
本実施形態の第3態様は、
収容部16の底部には、開閉可能な投下口SLが配置され、
コントローラは、投下口SLを開放することにより、収容部16に収容された再帰反射型粒子RPを投下する、
空中スクリーン形成装置10である。
【0068】
第3態様によれば、再帰反射型粒子RPは自重により落下する。これにより、収容部16の構造を簡素化することができる。
【0069】
本実施形態の第4態様は、
投下口SLは、上面視において、線分形状、多角形状、又は、円形状を有する、
空中スクリーン形成装置10である。
【0070】
第4態様によれば、様々な形状の空中スクリーンSCを形成することができる。
【0071】
本実施形態の第5態様は、
空中スクリーン形成装置10を備え、
空中スクリーン形成装置10によって形成された空中スクリーンSCを基準として観察者OBS側に配置されたプロジェクタ20を備え、
プロジェクタ20は、空中スクリーンSCに向かって光OPを照射することにより、空中スクリーンSCに光OPに対応する三次元画像IMGを投影する、
画像投影システム1である。
【0072】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 :画像投影システム
10 :空中スクリーン形成装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
15 :ドライバ
16 :収容部
16a,16b:可動部材
16c,16d:固定部材
16e :ベルト
16f :プーリ
16g :側面
16h :底面
20,20a,20b:プロジェクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12