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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】曲尺の保持具
(51)【国際特許分類】
   B25H 3/00 20060101AFI20220323BHJP
【FI】
B25H3/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018024218
(22)【出願日】2018-02-14
(65)【公開番号】P2019136842
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2021-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】591073050
【氏名又は名称】シンワ測定株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 恵介
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-217741(JP,A)
【文献】MKK コンベ&曲尺ホルダー KS-4,Amazon,2012年09月14日,<https://www.amazon.co.jp/dp/B009ANC81M>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25H 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺部と、短尺部と、これら長尺部と短尺部との間に設けた折曲部とを備えた曲尺の保持具であって、前記曲尺を保持する保持具本体と、この保持具本体を被取付部に取り付ける取付部本体とを有し、前記保持具本体は、対向して設けた一側部材及び他側部材と、これら一側部材と他側部材の間に設けられ上部が開口した挿入溝と、この挿入溝の底部に設けられ前記折曲部の内側を載置する載置受け部とを備え
前記一側部材の前記挿入溝側に、前記折曲部の外縁側が係合し、上方への移動を規制する外側規制部を設け、
前記載置受け部は、前記折曲部の長尺部側内縁部と短尺部側内縁部が当接する長尺部側内縁受け部と短尺部側内縁受け部を有し、前記外側規制部は、前記折曲部の長尺部側外縁部と短尺部側外縁部が係合する長尺部側外縁係合部と短尺部側外縁係合部を備えることを特徴とする曲尺の保持具。
【請求項2】
長尺部と、短尺部と、これら長尺部と短尺部との間に設けた折曲部とを備えた曲尺の保持具であって、前記曲尺を保持する保持具本体と、この保持具本体を被取付部に取り付ける取付部本体とを有し、前記保持具本体は、対向して設けた一側部材及び他側部材と、これら一側部材と他側部材の間に設けられ上部が開口した挿入溝と、この挿入溝の底部に設けられ前記折曲部の内側を載置する載置受け部とを備え
前記一側部材の前記挿入溝側に、前記折曲部の外縁側が係合し、上方への移動を規制する外側規制部を設け、
前記載置受け部と前記外側規制部の間隔が調整可能であることを特徴とする曲尺の保持具。
【請求項3】
前記外側規制部に前記折曲部の外縁部側が係合する方向に案内する案内部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の曲尺の保持具。
【請求項4】
前記案内部材が、前記曲尺が吸着する永久磁石であることを特徴とする請求項3記載の曲尺の保持具。
【請求項5】
前記載置受け部と前記外側規制部の間隔が調整可能であることを特徴とする請求項1、3及び4のいずれか1項に記載の曲尺の保持具。
【請求項6】
前記長尺部の端部側と前記保持具本体とを連結する連結部材を備えることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の曲尺の保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲尺を保持する曲尺の保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして、腰ベルトに装着して使用される腰袋であって、その前面の適当な箇所に1箇所、または横に並列に複数の指矩挿入用角穴を設けた腰袋(例えば特許文献1)がある。
【0003】
上記腰袋では、横に並設した挿入用角孔に、指矩(曲尺)の長尺部を挿入するものであるから、作業中に短尺部側が低くなるように傾くと、曲尺が抜け落ちる虞がある。
【0004】
また、類似したものとして、ベルト支持部を設けた本体部に、工具の把手部を露出させてその工具を収納するようにした筒状のポケットを設けた工具ホルダー(例えば特許文献2)がある。
【0005】
上記工具ホルダーは、把持部を有する工具用であるが、筒状のポケットに曲尺の長尺部を挿入して保持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実用新案登録第3214122号公報
【文献】特開2005-14142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記工具ホルダーを曲尺のホルダーとして用いた場合、以下の問題がある。一般的に曲尺は長尺部を持って使用するが、ホルダーから外す際、短尺部を持って抜き取るから、外した後に長尺部に持ち替える手間が掛かる。次に、吊り下げたまま膝を付くなど低い姿勢を取ると、長尺部の下端部が床に当たり易いという問題がある。さらに、長尺部に落下防止のためのロープなどの連結部材を連結すると、連結部材が邪魔になってポケットに挿入することができないため、落下防止用の連結部材を用いることができない。
【0008】
解決しようとする課題は、着脱が容易で使い勝手に優れた曲尺の保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1及び2の発明は、長尺部と、短尺部と、これら長尺部と短尺部との間に設けた折曲部とを備えた曲尺の保持具であって、前記曲尺を保持する保持具本体と、この保持具本体を被取付部に取り付ける取付部本体とを有し、前記保持具本体は、対向して設けた一側部材及び他側部材と、これら一側部材と他側部材の間に設けられ上部が開口した挿入溝と、この挿入溝の底部に設けられ前記折曲部の内側を載置する載置受け部とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項1及び2の発明は、前記一側部材の前記挿入溝側に、前記折曲部の外縁側が係合し、上方への移動を規制する外側規制部を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、前記外側規制部に前記折曲部の外縁部側が係合する方向に案内する案内部材を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、前記案内部材が、前記曲尺が吸着する永久磁石であることを特徴とする。
【0013】
さらに、請求項の発明は、前記載置受け部は、前記折曲部の長尺部側内縁部と短尺部側内縁部が当接する長尺部側内縁受け部と短尺部側内縁受け部を有し、前記外側規制部は、前記折曲部の長尺部側外縁部と短尺部側外縁部が係合する長尺部側外縁係合部と短尺部側外縁係合部を備えることを特徴とする。
【0014】
さらに、請求項の発明は、前記載置受け部と前記外側規制部の間隔が調整可能であることを特徴とする。
【0015】
請求項の発明は、前記長尺部の端部側と前記保持具本体を連結する連結部材を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1及び2の構成によれば、挿入溝の上方から折曲部内側を載置受け部に載置し、載置した状態で曲尺を保持することができ、ベルトなどの披取付部に取付部本体を取り付けて携帯することができる。また、使用の際も曲尺の端部側を把持し、上方に移動して挿入溝から簡便に取り外すことができる。
【0017】
また、請求項1及び2の構成によれば、保持状態で上方への移動が規制されるため、安定した保持状態が得られる。
【0018】
請求項3の構成によれば、案内部材により外側規制部に折曲部の外側が係合する。
【0019】
請求項4の構成によれば、永久磁石により外側規制部に折曲部の外側が係合する。
【0020】
さらに、請求項の構成によれば、折曲部の上下を外側規制部と載置受け部により挟んで保持することができる。
【0021】
さらに、請求項の構成によれば、間隔を調整することにより、幅の異なる曲尺に使用することができる。
【0022】
請求項の構成によれば、挿入溝から外しても、使用中に曲尺が連結部材の長さ以上に落下することが無い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施例1を示す使用状態の斜視図である。
図2】同上、正面図である。
図3】同上、分解斜視図である。
図4】同上、背面図である。
図5】同上、位置決め部の断面図である。
図6】同上、側面図である。
図7】同上、要部の拡大側面図である。
図8】同上、平面図である。
図9】同上、底面図である。
図10】同上、曲尺の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0025】
本発明の実施例1を図1図10を参照して説明する。曲尺1は、長尺部2と、短尺部3と、これら長尺部2と短尺部3の間に設けた折曲部4を有し、略L字形をなす。また、折曲部4の外縁側には、長尺部側外縁部5Lと短尺部側外縁部5Sとが設けられ、折曲部4の内縁側には、長尺部側内縁部6Lと短尺部側内縁部6Sとが設けられ、この例では長尺部側外縁部5Lと短尺部側外縁部5Sとが直交し、長尺部側内縁部6Lと短尺部側内縁部6Sとが直交している。尚、曲尺1には目盛り(図示せず)が設けられている。
【0026】
前記曲尺1の保持具11は、合成樹脂製で、前記曲尺1を保持する保持具本体12と、この保持具本体12に連結された取付部本体13とを備え、この取付部本体13がベルト60などの被取付部に取り付けられる。
【0027】
前記保持具本体12は、前記取付部本体13に連結した一側部材14と、この一側部材14に対向して設けられた他側部材15とを備え、これら一側部材14と他側部材15は、この他側部材15の下部側に一体に設けた載置受け部16により間隔を置いて配置され、この載置受け部16の上部で一側部材14と他側部材15との間に、上部が開口した挿入溝17が形成される。
【0028】
そして、後述するように、曲尺1の折曲部4を挿入溝17の上部開口から挿入し、その曲尺1の折曲部4の内縁側が前記載置受け部16に載置されると共に、曲尺1の一側の外面が一側部材14に沿った状態で、保持具本体12に曲尺1が保持される。
【0029】
前記一側部材14は、縦長板状をなす一側部材本体21を備え、この一側部材本体21の外面21Gの上部に、正面視で略へ字状の外側規制部22を設け、この外側規制部22は上部との段差面により構成され、この段差面は下向きである。また、外側規制部22には、左右方向中央から斜め下向きに左右の外縁係合部23,23がそれぞれ設けられ、これら左右の外縁係合部23,23は正面視で90度の角度をなし、左右対称に設けられている。尚、この例では外側規制部22を一側部材14に設けたが、外側規制部22を他側部材15に設けてもよく、このように一側部材14と他側部材15の少なくともいずれか一方に外側規制部22を設けることができる。
【0030】
また、前記一側部材本体21の外面21Gの上部の左右方向中央には、前記外側規制部22の下側で近接した位置に永久磁石25が設けられ、この永久磁石25はネオジム磁石で円柱状のものを用いており、その永久磁石25が前記一側部材本体21に埋め込まれて固定され、その永久磁石25の外面25Gは前記外面21Gより僅かに内側で露出している。
【0031】
また、前記一側部材本体21の外面21Gの上部の左右中央には、前記外側規制部22の下側で近接した位置に永久磁石25が設けられ、この永久磁石25はネオジム磁石で円柱状のものを用いており、その永久磁石25が前記一側部材本体21に埋め込まれて固定され、その永久磁石25の外面25Gは前記外面21Gより僅かに内側で露出している。
【0032】
前記一側部材本体21の下部側には、上下に並んで複数の透孔26が穿設され、この例では、上中下の3箇所に透孔26,26,26が穿設されており、これら透孔26,26,26は前記一側部材14に対する他側部材15の高さ位置を調整するために設けられている。尚、図面は下の透孔26により前記一側部材14に他側部材15を固定したものを示している。
【0033】
また、図3及び図5に示すように、前記透孔26の周りには、他側部材15の位置及び向きを決めるために、位置決め凹部27が形成されている。この位置決め凹部27は前記外面21Gを凹ませて形成され、前記透孔26の回りのリング状部27Aと、このリング状部27Aの左右に設けた横向き直線状の横部27B,27Bとを備える。
【0034】
図3などに示すように、前記他側部材15は、他側部材本体31と、前記載置受け部16を有する連結筒状部32とを一体に備える。その他側部材本体31は、略縦長の長方形形状の中央平板部33を有し、この中央平板部33の周囲に拡大部34を設け、この拡大部34は前記中央平板部33から外側に斜めに拡大する。尚、拡大部34は中央平板部33に対して45度以下の角度で拡大する。また、前記載置受け部16は、内外方向の前記連結筒状部32の上側外面により構成され、背面視で略へ字状をなす。
【0035】
具体的には、載置受け部16は左右方向中央から斜め下向きに左右の内縁係合部35,35がそれぞれ設けられ、これら左右の内縁係合部35,35は90度の角度をなし、左右対称に設けられている。そして、左右の内縁係合部35,35の一方が長尺部側内縁受け部であって、前記折曲部4の前記長尺部側内縁部6Lに係合し、左右の内縁係合部35,35の他方が短尺部側内縁受け部であって、前記折曲部4の前記短尺部側内縁部6Sに係合する。
【0036】
前記左右の内縁係合部35,35の左右方向中央には水平部36が設けられている。また、前記連結筒状部32の上方の他側部材本体31の中央平板部33の内面33Nは、平坦で、前記一側部材本体21の外面21Gと平行に形成されている。さらに、前記連結筒状部32の上部中央に連続して、前記内面33Nには、案内膨出部37が形成され、この案内膨出部37の上部には斜めの案内面37Aが形成され、この案内面37Aにより前記挿入溝17の底部側が下方に向かって幅狭になるように形成されている。
【0037】
前記連結筒状部32の先端は前記一側部材本体21の外面21Gに当接する。また、前記連結筒状部32内に位置して前記他側部材15の内面に円筒状のボス部38が突設され、このボス部38の先端が前記リング状部27Aに係入する。また、前記ボス部38の左右に前記横部27B,27Bに係入する横係入部39,39が設けられている。また、前記連結筒状部32内には、縦リブ部41と横リブ部42とが設けられ、これらリブ部41,42の中央に前記ボス部38が位置し、それら横リブ部42,42の先端に前記横係入部39,39が突設されている。
【0038】
また、図4に示すように、前記一側部材本体21に内面には、縦方向の複数の縦リブ部45と横方向の複数の横リブ部46とが格子状に交差して設けられると共に、周囲に周壁リブ部47が設けられている。
【0039】
前記取付部本体13は、薄板状をなす縦方向の一側面材51と他側面材52を間隔を置いて配置し、これら一側面材51と他側面材52の上端を屈曲部53により連結している。この屈曲部53は薄板状をなし、弾性変形により屈曲可能に構成され、屈曲部53が屈強することにより、一側面材51と他側面材52の間を開いたり閉じたりすることができる。前記一側面材51の下部には、コ字状の受け溝部54を設け、この受け溝部54は斜め他側上向きをなし、他側面材52の下端52Tは斜め一側下向きをなす。そして、受け溝部54の先端54Sと前記屈曲部53との間隔が、前記他側面材52の下端52Tと前記屈曲部53の間隔より僅かに短く形成されている。
【0040】
従って、図6の実線に示すように、他側面材52の下端52Tが受け溝部54に嵌った状態が、取付部本体13が閉まった状態である。ここから他側面材52を外側に引っ張ると、他側面材52が撓むように弾性変形して下端52Tが受け溝部54から外れ、取付部本体13が開き、取付部本体13内にベルト60などの被取付部を挿入することができる。逆に下端52Tを受け溝部54に嵌めることによりベルト60に取付部本体13が固定される。
【0041】
前記受け溝部54の内面には、左右にリブ部55,55が設けられ、これらリブ部55,55により受け溝部54の変形を防止している。また、前記一側面材51の上下には他側に突出した膨出部56,56が設けられ、前記他側面材52の中央には一側に突出した膨出部56Aが設けられ、それら膨出部56,56Aは横長の略長方形形状をなす。尚、前記膨出部56Aは、前記上下の膨出部56,56の間に位置する。
【0042】
従って、取付部本体13をベルト60に取り付けると、ベルト60の内外面に膨出部56,56,56Aが当接することにより、ずれが防止され、安定した取付状態が得られる。
【0043】
また、前記一側面材51の左右縁の上側には、左右外側に突出した突出縁部57,57が形成され、前記他側面材52の左右縁の上側には、左右外側に突出した突出縁部57A,57Aが形成されている。これら突出縁部57,57Aは台形形状をなす。そして、それら突出縁部57,57Aを用いて、取付部本体13の開閉作業を容易に行うことができる。
【0044】
前記取付部本体13の下部の左右には、連結腕部61,61が設けられ、これら連結腕部61,61は前記受け溝部54から下方に突設されている。そして、左右の連結腕部61,61の間に、前記保持具本体12の上部18を配置し、それら左右の連結腕部61,61と前記上部18にピン62を挿通し、このピン62により、取付部本体13に対して保持具本体12が回動自在に連結される。尚、前記上部18は前記外側規制部22の上側の部分である。
【0045】
図7などに示すように、前記挿入溝17は、前記外面21Gと前記内面33Nの間隔が曲尺1の厚さTの2~3倍程度である。また、前記上部18の平坦な外面18Gと内面33Nとの間隔K(図6)は前記厚さTの1~1.5倍程度である。さらに、前記案内膨出部37の先端面37Sと前記外面21Gとの間隔Kmは前記厚さの1~1.5倍程度である。これらの範囲に設定することにより、挿入溝17への曲尺1の挿入と取出及び挿入溝17への位置決めを円滑に行うことができる。尚、前記間隔Kmが挿入溝17の幅である。
【0046】
前記曲尺1は、コードなどの可撓性を有する連結部材65により保持具11に連結される。前記曲尺1の長尺部2の先端側には、連結部たる透孔8が穿設され、前記他側部材15には、連結部たる透孔66が穿設され、この透孔66は前記拡大部34の下部に設けられている。そして、前記連結部材65は、その一端と他端に連結具(図示せず)を設け、前記連結具により前記一端と他端が前記透孔8と透孔66に着脱可能に連結される。
【0047】
次に、前記保持具11の使用方法について説明する。使用者は、取付部本体13をベルト60に取付け、左右一側に保持具11を装着する。使用者が体の左側に取付けた場合を例に説明すると、長尺部2を把持し、曲尺1を斜めにし、上から折曲部4を挿入溝17に挿入すると、案内膨出部37に案内されると共に、永久磁石25に吸着されて、折曲部4の下縁が載置受け部16に載置されると共に、折曲部4の上縁が外側規制部22の下に係止し、曲尺1の上下を外側規制部22と載置受け部16との間に嵌め入れた状態で、曲尺1が保持される。このように保持して携帯した場合、取付部本体13に対して、保持具本体12が回動するから、体の動きを妨げることがなく、曲尺1が壁などに当たっても、引っ掛かり難くなる。
【0048】
また、長尺部2が斜めに保持されるから、姿勢を低くしても、長尺部2の先端が床に当たり難い。さらに、曲尺1の途中を保持するから、連結部材65が邪魔にならない。
【0049】
そして、曲尺1を使用する際には、左手で長尺部2を把持し、折曲部4の上側を永久磁石25から離すように斜めにすると、外側規制部22から外れ、取出すことができ、そのまま長尺部2を把持した状態で、曲尺1を使用することができ、持ち替えの手間が掛からない。
【0050】
また、幅が異なる曲尺1を用いる場合は、他側部材15を取り付ける透孔26を選択し、リング状部27Aと横部27B,27Bにボス部38の先端と横係入部39,39を係入して位置決め状態で、ボス部38にビス40を挿入し、このビス40を透孔26に螺合することにより、他側部材15を一側部材14に固定する。これにより、外側規制部22と載置受け部16の間隔を曲尺1の幅に合わせることができる。
【0051】
このように本実施例では、請求項1及び2に対応して、長尺部2と、短尺部3と、これら長尺部2と短尺部3との間に設けた折曲部4とを備えた曲尺1の保持具11であって、曲尺1を保持する保持具本体12と、この保持具本体12を被取付部たるベルト60に取り付ける取付部本体13とを有し、保持具本体12は、対向して設けた一側部材14及び他側部材15と、これら一側部材14と他側部材15の間に設けられ上部が開口した挿入溝17と、この挿入溝17の底部に設けられ折曲部4の内側を載置する載置受け部16とを備えるから、挿入溝17の上方から折曲部4内側を載置受け部16に載置し、載置した状態で曲尺1を保持することができ、ベルト60などの披取付部に取付部本体13を取り付けて携帯することができる。また、使用の際も曲尺1の端部側を把持し、上方に移動して挿入溝17から簡便に取り外すことができる。
【0052】
また、このように本実施例では、請求項1及び2に対応して、一側部材14の挿入溝17側に、折曲部4の外縁部5L,5S側が係合し、上方への移動を規制する外側規制部22を設けたから、保持状態で上方への移動が規制されるため、安定した保持状態が得られる。
【0053】
このように本実施例では、請求項3に対応して、外側規制部22に折曲部4の外縁部5L,5S側が係合する方向に案内する案内部材たる永久磁石25を設けたから、案内部材により外側規制部22に折曲部4の外側が係合する。
【0054】
このように本実施例では、請求項4に対応して、案内部材が、曲尺1が吸着する永久磁石25であるから、永久磁石25により外側規制部22に折曲部4の外側が係合する。
【0055】
さらに、このように本実施例では、請求項に対応して、載置受け部16は、折曲部4の長尺部側内縁部6Lと短尺部側内縁部6Sが当接する長尺部側内縁受け部たる内縁係合部35と短尺部側内縁受け部たる内縁係合部35を有し、外側規制部22は、折曲部4の長尺部側外縁部5Lと短尺部側外縁部5Sが係合する長尺部側外縁係合部たる外縁係合部23と短尺部側外縁係合部たる外縁係合部23を備えるから、折曲部4の上下を外側規制部22と載置受け部16により挟んで保持することができる。
【0056】
さらに、このように本実施例では、請求項に対応して、載置受け部16と外側規制部22の間隔が調整可能であるから、幅の異なる曲尺1に使用することができる。
【0057】
このように本実施例では、請求項に対応して、長尺部2の端部側と保持具本体12とを連結する連結部材65を備えるから、挿入溝17から外しても、使用中に曲尺1が連結部材65の長さ以上に落下することが無い。
【0058】
以下、実施例上の効果として、上下の外側規制部22と載置受け部16との間に曲尺1を嵌入し、それら外側規制部22と載置受け部16との間に曲尺1を嵌合するから、曲尺1を確実に保持することができる。また、左右の外縁係合部23,23は正面視で略90度の角度をなし、左右対称に設けられ、また、左右の内縁係合部35,35は略90度の角度をなし、左右対称に設けられているから、使用者が体の左右何れに携帯しても、曲尺1を同様に保持することができる。また、一側部材14には、一側位置決め部たる位置決め凹部27を設け、他側部材15には、他側位置決め部たるボス部38の先端と横係入部39,39を設けたから、一側位置決め部と他側位置決め部が係合することにより、一側部材14に他側部材15を位置決め状態で固定することができる。
【0059】
また、他側部材15には、中央平板部33の周囲に拡大部34を設け、この拡大部34は前記中央平板部33から外側に斜めに拡大するから、拡大部34の上部側により曲尺1を挿入溝17にスムーズに案内することができる。さらに、他側部材本体31の内面33Nに案内膨出部37を形成し、この案内膨出部37の上部には斜めの案内面37Aが形成されているから、曲尺1を保持位置に案内することができる。
【0060】
取付部本体13には、突出縁部57,57Aを設けたから、取付部本体13の開閉作業を容易に行うことができる。また、取付部本体13に対して保持具本体12が回動自在に
連結したから、保持した曲尺1が体の動きを妨げることがなく、曲尺1が壁などに当たっても、引っ掛かり難くなる。
【0061】
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、載置受け部を略へ字状に形成したが、半円形でもよく、長尺部側内縁受け部及び短尺部側内縁受け部が載置され保持可能であれば、形状は適宜選定可能である。また、外縁係合部も実施例で示した略へ字状以外でも、長尺部側外縁係合部に係合する突起と短尺部側外縁係合部と突起など、長尺部側外縁係合部と短尺部側外縁係合部の上方への移動が規制されるものであれば、形状は適宜選定可能である。また、前記外側規制部に前記折曲部の外縁部側が係合する方向に案内する案内部材は、他側部材本体の内面に曲尺を一側部材本体側に付勢する付勢手段により構成してもよい。さらに、実施例では、取付部本体13に連結した一側部材14に、外側規制部22を設けたが、外側規制部22を他側部材15に設けてもよく、この場合は、外側規制部22を設けた他側部材15が請求項に記載の一側部材になると共に、一側部材14が請求項に記載の他側部材になり、この場合、その外側規制部22を設けた他側部材15に、永久磁石25を設けることが好ましい。
【符号の説明】
【0062】
1 曲尺
2 長尺部
3 短尺部
4 折曲部
5L 長尺部側外縁部
5S 短尺部側外縁部
6L 長尺部側内縁部
6S 短尺部側内縁部
11 保持具
12 保持具本体
13 取付部本体
14 一側部材
15 他側部材
16 載置受け部
17 挿入溝
23 外縁係合部(長尺部側外縁係合部,短尺部側外縁係合部)
22 外側規制部
25 永久磁石(案内部材)
35 内縁係合部(長尺部側内縁受け部,短尺部側内縁受け部)
60 ベルト(被取付部)
65 連結部材
図1
図2
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