(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】厨房換気ユニットおよび厨房換気方法
(51)【国際特許分類】
F24F 7/007 20060101AFI20220323BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20220323BHJP
F24F 11/49 20180101ALI20220323BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24F7/06 101Z
F24F7/06 B
F24F11/49
(21)【出願番号】P 2018062297
(22)【出願日】2018-03-28
【審査請求日】2020-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591224869
【氏名又は名称】クリフ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】508243145
【氏名又は名称】マイクロコントロールシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 真示
(72)【発明者】
【氏名】羽柴 壮一
(72)【発明者】
【氏名】飯森 昌樹
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-137261(JP,A)
【文献】特開平10-300076(JP,A)
【文献】特開2011-242064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/007
F24F 7/06
F24F 11/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気フードを含む排気通路と、
前記排気通路に設けられた排気ダンパと、
前記排気フードの流量の目標流量を決定する目標決定部と、
前記排気フードの流量が前記目標流量となる目標開度に前記排気ダンパを制御するダンパ制御部とを備え、
前記ダンパ制御部は、所定の契機となると、前記排気ダンパを前記目標開度と異なる開度に制御する固着防止制御を遂行
し、
前記固着防止制御には、前記所定の契機として、前記目標流量の変化に応じて前記目標開度が変化し、前記排気ダンパを前記目標開度に制御する場合に、前記目標開度を超えてから前記目標開度に戻す処理が含まれ、この場合に、前記ダンパ制御部は、前記目標開度に加減算する補正を行うことで、前記目標開度を超える位置まで開度を変化させ、その後、前記補正をキャンセルする、
厨房換気ユニット。
【請求項2】
前記固着防止制御には、前記排気ダンパの開度を全開とする処理と、全閉とする処理が含まれる請求項1に記載の厨房換気ユニット。
【請求項3】
前記所定の契機には、第1所定期間以上、前記排気ダンパの開度が変化しないことが含まれる請求項1
または2に記載の厨房換気ユニット。
【請求項4】
前記所定の契機には、前記厨房換気ユニットが第2所定期間以上停止し続けた後、前記厨房換気ユニットが起動したことが含まれる請求項1から
3のいずれか1項に記載の厨房換気ユニット。
【請求項5】
排気通路に含まれる排気フードの流量の目標流量を決定するステップと、
前記排気フードの流量が前記目標流量となる目標開度に、前記排気通路に設けられた排気ダンパを制御するステップと、
所定の契機となると、前記排気ダンパを前記目標開度と異なる開度に制御する固着防止制御を遂行するステップと、
を有
し、
前記固着防止制御には、前記所定の契機として、前記目標流量の変化に応じて前記目標開度が変化し、前記排気ダンパを前記目標開度に制御する場合に、前記目標開度を超えてから前記目標開度に戻す処理が含まれ、この場合に、前記固着防止制御では、前記目標開度に加減算する補正を行うことで、前記目標開度を超える位置まで開度を変化させ、その後、前記補正をキャンセルする、
厨房換気方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厨房を換気する厨房換気ユニットおよび厨房換気方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排気フードおよび排気ファンが設けられた厨房換気装置が普及している(例えば、特許文献1参照。)。また、排気フードに排気ダンパおよび流速センサが設けられ、流速センサの出力に応じ、排気フードの流量が目標流量となるように、排気ダンパが制御されるものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような厨房排気装置において、排気ダンパの開度が変化しない期間が長引くと、排気に含まれる油分などによって排気ダンパが固着してしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑み、排気ダンパの固着を抑制することが可能な厨房換気ユニットおよび厨房換気方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の厨房換気ユニットは、排気フードを含む排気通路と、排気通路に設けられた排気ダンパと、排気フードの流量の目標流量を決定する目標決定部と、排気フードの流量が目標流量となる目標開度に排気ダンパを制御するダンパ制御部とを備え、ダンパ制御部は、所定の契機となると、排気ダンパを目標開度と異なる開度に制御する固着防止制御を遂行し、固着防止制御には、所定の契機として、目標流量の変化に応じて目標開度が変化し、排気ダンパを目標開度に制御する場合に、目標開度を超えてから目標開度に戻す処理が含まれ、この場合に、ダンパ制御部は、目標開度に加減算する補正を行うことで、目標開度を超える位置まで開度を変化させ、その後、補正をキャンセルする。
【0007】
固着防止制御には、排気ダンパの開度を全開とする処理と、全閉とする処理が含まれてもよい。
【0009】
所定の契機には、第1所定期間以上、排気ダンパの開度が変化しないことが含まれてもよい。
【0010】
所定の契機には、厨房換気ユニットが第2所定期間以上停止し続けた後、厨房換気ユニットが起動したことが含まれてもよい。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の厨房換気方法は、排気通路に含まれる排気フードの流量の目標流量を決定するステップと、排気フードの流量が目標流量となる目標開度に、排気通路に設けられた排気ダンパを制御するステップと、所定の契機となると、排気ダンパを目標開度と異なる開度に制御する固着防止制御を遂行するステップと、を有し、固着防止制御には、所定の契機として、目標流量の変化に応じて目標開度が変化し、排気ダンパを目標開度に制御する場合に、目標開度を超えてから目標開度に戻す処理が含まれ、この場合に、固着防止制御では、目標開度に加減算する補正を行うことで、目標開度を超える位置まで開度を変化させ、その後、補正をキャンセルする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、排気ダンパの固着を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】厨房換気ユニットの概略的な構成を示した説明図である。
【
図2】ダンパ制御装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。
【
図3】厨房換気処理の流れを示す第1のフローチャートである。
【
図4】厨房換気処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0015】
図1は、厨房換気ユニット100の概略的な構成を示した説明図である。厨房換気ユニット100は、厨房1に設けられる。厨房1には、2つの調理機器2、3が設けられる。調理機器2、3の上方には、それぞれ、排気フード110a、110bが配置される。排気フード110a、110bの内部には、排気ダクト112が連通している。排気ダクト112は、分岐部112aで分岐路112b、112cに分岐する。分岐路112bは、排気フード110aに向って延在する。分岐路112cは、排気フード110bに向って延在する。
【0016】
調理機器2、3で生じた排気は、排気フード110a、110bを通って排気ダクト112に流入する。排気フード110a、110b、排気ダクト112は、排気が流通する排気通路114を構成する。排気通路114の下流側には、排気ファン116が設けられる。排気ファン116は、例えば、電動モータによって駆動し、排気通路114の排気を屋外に送出する。
【0017】
厨房1には、吸気ダクト118が連通している。吸気ダクト118の上流側(屋外側)には、吸気ファン120が設けられる。吸気ファン120は、例えば、電動モータによって駆動し、屋外の空気を吸気として吸気ダクト118に吸い込む。吸気は、吸気ダクト118を介して厨房1に流入する。
【0018】
また、排気通路114には、排気フード110a、110bごとに排気ダンパ122a、122bが設けられる。排気ダンパ122aは、排気ダクト112の分岐路112bに設けられる。排気ダンパ122bは、排気ダクト112の分岐路112cに設けられる。排気ダンパ122a、122bは、例えば、バタフライ弁で構成される。排気ダンパ122a、122bは、弁体が電動モータによって回転することで、排気ダクト112(分岐路112b、112c)を開閉する。排気ダンパ122a、122bの開度は、弁体の回転位置によってリニア(線形的、連続的)に調整可能である。
【0019】
流速センサ124a、124bは、分岐路112b、112cにそれぞれ配される。流速センサ124a、124bは、例えば、オリフィス式、ピトー管式などの差圧センサである。流速センサ124a、124bは、差圧を換算することで、分岐路112b、112cを流れる排気の流速を検出する。また、排気フード110a、110bには、それぞれ温度センサ126a、126bが設けられる。
【0020】
ダンパ制御装置130a、130bは、排気ダンパ122a、122bごとに設けられる。ダンパ制御装置130aは、排気ダンパ122aの開度を制御する。ダンパ制御装置130bは、排気ダンパ122bの開度を制御する。ダンパ制御装置130a、130bは、温度センサ126a、126bの出力値に基づいて、調理機器2、3の稼働状態を判定する。
【0021】
図2は、ダンパ制御装置130aの概略的な構成を示した機能ブロック図である。ダンパ制御装置130aとダンパ制御装置130bは、実質的に同等の機能を有する。ここでは、説明の重複を避けるため、ダンパ制御装置130aについて詳述し、ダンパ制御装置130bについての説明は割愛する。
【0022】
図2に示すように、ダンパ制御装置130aは、通信部132と、制御部140とを含んで構成される。通信部132は、後述するセンター装置150との通信を確立する。この通信は、有線、無線を問わない。
【0023】
制御部140は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)で構成され、プログラム等が格納されたROMやワークエリアとしてのRAMと協働してダンパ制御装置130a全体を制御する。また、制御部140は、目標決定部142、通信制御部144、ダンパ制御部146としても機能する。
【0024】
目標決定部142は、温度センサ126aの出力に基づいて、調理機器2の稼働状態を特定する。そして、目標決定部142は、調理機器2の稼働状態に応じて排気流量の目標流量を決定する。目標流量は、例えば、調理機器2が稼働している場合には所定値、調理機器2が停止していれば0に設定される。目標流量は、例えば、調理機器2、3の種類などに応じて設定されている。
【0025】
通信制御部144は、通信部132を介して、センター装置150に、調理機器2、3の稼働状態、および、排気流量の目標流量を送信する。
【0026】
センター装置150は、ダンパ制御装置130a、130bそれぞれから、調理機器2、3の稼働状態、および、排気流量の目標流量を取得する。そして、センター装置150は、ダンパ制御装置130a、130bの排気流量の目標流量の総量に基づいて、排気ファン116を制御する。また、センター装置150は、吸気流量が排気流量に対して所定流量少なくなるように、吸気ファン120を制御する。
【0027】
そのため、厨房1では吸気流量よりも排気流量の方が多い状態が維持される。厨房1の内部の空気は、厨房1から廊下や隣室などに漏れ難くなり、厨房1内の調理で生じる匂いや煙の屋内への拡散が抑制される。
【0028】
ダンパ制御部146は、排気ダンパ122aの目標開度を特定する。目標開度は、例えば、排気流量が目標流量となると推定される開度である。ダンパ制御部146は、排気ダンパ122aを目標開度に制御する。調理機器2が停止していて目標流量が0の場合、目標開度は0(全閉)となる。
【0029】
その後、ダンパ制御部146は、流速センサ124aの出力値が示す流速に、分岐路112bの流路断面積を乗算する。こうして、ダンパ制御部146は、分岐路112bの排気流量を導出する。
【0030】
ダンパ制御部146は、流速センサ124aの出力値から導出された排気流量が目標流量となるように、目標開度を補正する。こうして、ダンパ制御部146は、排気ダンパ122aの開度を制御(例えば、フィードバック制御)する。
【0031】
このように、ダンパ制御装置130aは、流速センサ124a、温度センサ126aの出力値に応じ、排気ダンパ122aの開度を制御する。同様に、ダンパ制御装置130bは、流速センサ124b、温度センサ126bの出力値に応じ、排気ダンパ122bの開度を制御する。
【0032】
ところで、例えば、厨房1での長時間の調理がなされる場合などには、排気ダンパ122a、122bの開度が変化しない期間が長引くことがある。この場合、排気に含まれる油分などによって排気ダンパ122a、122bが固着してしまうおそれがある。そこで、ダンパ制御部146は、所定の契機になると固着防止制御を遂行する。
【0033】
固着防止制御は、排気ダンパ122a、122bの開度を目標開度から変化させる処理である。例えば、固着防止制御には、排気ダンパ122a、122bの開度を全開(開度100%)とする処理と、全閉(開度0)とする処理が含まれる。以下、これらの処理をまとめて全開全閉処理という。
【0034】
また、固着防止制御には、排気ダンパ122a、122bを目標開度に制御する(変位させる)とき、一旦、目標開度を超える位置まで開度を大きく変化させてから、再び目標開度に戻す処理が含まれる。以下、この処理をオーバシュート処理という。
【0035】
ここで、目標流量の変化が小さくとも、目標流量の変化に応じて目標開度は頻繁に変化する場合がある。この目標開度の変化に際し、ダンパ制御部146は、変化する目標開度に、例えば、10度を加減算する補正を行うことで、目標開度を超える位置まで開度を大きく変化させる。その後、上記補正をキャンセルする補正が行われる。
【0036】
ダンパ制御部146は、固着防止処理として、全開全閉処理およびオーバシュート処理の一方のみを行ってもよい。ダンパ制御部146は、固着防止処理として、全開全閉処理およびオーバシュート処理の双方を行ってもよい。
【0037】
このように、ダンパ制御部146が、所定の契機となると、排気ダンパ122a、122bを目標開度と異なる開度となるように制御する固着防止制御を遂行する。そのため、排気ダンパ122a、122bが変位することで固着が防止される。
【0038】
また、固着防止制御には、目標開度に対して、所定角度だけ、全開側および全閉側に往復移動させる往復処理が含まれてもよい。ここで、所定角度は、予め設定される。固着防止制御には、上記以外の任意のパターンで開度を変化させる処理が含まれてもよい。
【0039】
また、上記のいずれの固着防止制御においても、開度の変化速度が、固着防止制御以外のときの開度の変化速度と同一であってもよい。開度の変化速度が、固着防止制御以外のときの開度の変化速度より速くてもよいし、遅くてもよい。
【0040】
また、上記の所定の契機には、予め設定された第1所定期間以上、排気ダンパ122a、122bの開度が変化しないことが含まれる。すなわち、ダンパ制御部146は、排気ダンパ122a、122bの開度が全閉か、目標開度が0より大きい値のまま、第1所定期間以上経過すると、所定の契機となったと判定する。
【0041】
また、所定の契機には、厨房換気ユニット100が予め設定された第2所定期間以上停止した後、起動したことが含まれる。例えば、厨房換気ユニット100の起動時、センター装置150は、厨房換気ユニット100の停止から再起動までの時間を示す情報(以下、停止期間情報という)をダンパ制御装置130a、130bに送信する。ダンパ制御装置130a、130bの通信制御部144は、停止期間情報をセンター装置150から取得する。ダンパ制御部146は、停止期間情報が示す停止期間が第2所定期間以上であると、所定の契機となったと判定する。
【0042】
ここでは、センター装置150から送信された停止期間情報によって、ダンパ制御部146が停止期間を特定する場合について説明した。しかし、ダンパ制御装置130a、130b自体が停止期間を特定可能であれば、センター装置150からの停止期間情報の送信は不要である。
【0043】
図3は、厨房換気処理の流れを示す第1のフローチャートである。
図3に示す処理は、所定周期で繰り返し実行される。
【0044】
(S200)
目標決定部142は、温度センサ126a、126bの出力に基づいて、排気流量の目標流量を決定する。
【0045】
(S202)
ダンパ制御部146は、排気ダンパ122a、122bの目標開度を特定する。排気ダンパ122a、122bがすでに開いている場合、ダンパ制御部146は、流速センサ124a、124bの出力値から導出された排気流量に基づいて補正された目標開度を特定する。
【0046】
(S204)
ダンパ制御部146は、排気ダンパ122a、122bの開度が変化しない期間が、第1所定期間以上であるか否かを判定する。例えば、開度の変化幅が予め設定された許容範囲であれば、排気ダンパ122a、122bの開度が変化しない期間としてカウントされる。開度が変化しない期間をカウントするカウンタ値が第1閾値を超えると、排気ダンパ122a、122bの開度が変化しない期間が、第1所定期間以上であると判定される。排気ダンパ122a、122bの開度が変化しない期間が、第1所定期間以上であれば、S206に処理を移す。排気ダンパ122a、122bの開度が変化しない期間が、第1所定期間未満であれば、S208に処理を移す。
【0047】
(S206)
ダンパ制御部146は、固着防止制御を遂行する。
【0048】
(S208)
ダンパ制御部146は、排気ダンパ122a、122bを目標開度となるように制御する。
【0049】
図4は、厨房換気処理の流れを示す第2のフローチャートである。
図4に示す処理は、厨房換気ユニット100の起動時に実行される。ここでは、
図3に示す処理と実質的に同等の処理は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
(S304)
ダンパ制御部146は、センター装置150から取得された停止期間情報が示す停止期間が第2所定期間以上であるか否かを判定する。停止期間が第2所定期間以上であれば、S206に処理を移す。停止期間が第2所定期間未満であれば、S208に処理を移す。例えば、停止期間をカウントするカウンタ値が設けられており、厨房換気ユニット100が停止してカウントが開始され、厨房換気ユニット100が起動してカウンタ値がリセットされる。カウンタ値が第2閾値以上となると、停止期間が第2所定期間以上であると判定される。
【0051】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0052】
例えば、コンピュータを、センター装置150やダンパ制御装置130a、130bとして機能させるプログラムや、当該プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能なフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD、DVD、BD等の記憶媒体も提供される。ここで、プログラムは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理手段をいう。
【0053】
また、上述した実施形態では、排気フード110a、110bや排気ダンパ122a、122bが複数設けられる場合について説明した。ただし、排気フード110a、110bおよび排気ダンパ122a、122bは、少なくとも1つ設けられればよい。
【0054】
また、上述した実施形態では、固着防止制御に、排気ダンパ122a、122bの開度を全開とする処理と、全閉とする処理が含まれる場合について説明した。この場合、開度変化が大きく、固着防止効果が高い。ただし、固着防止制御に、排気ダンパ122a、122bの開度を全開とする処理と、全閉とする処理が含まれずともよい。
【0055】
また、上述した実施形態では、固着防止制御に、排気ダンパ122a、122bを目標開度に制御するとき、目標開度を超えてから目標開度に戻す処理が含まれる場合について説明した。この場合、固着防止制御に要する時間が短く、排気流量への影響が抑えられる。
【0056】
また、上述した実施形態では、所定の契機には、第1所定期間以上、排気ダンパ122a、122bの開度が変化しないことが含まれる場合について説明した。上述した実施形態では、所定の契機には、厨房換気ユニットが第2所定期間以上停止した後、起動したことが含まれる場合について説明した。所定の契機がこれらの条件を含むことで、排気ダンパ122a、122bが固着し易い条件のときに固着防止制御が遂行可能となる。ただし、所定の契機は、排気ダンパ122a、122bが固着し易い条件であれば、他の条件であってもよい。
【0057】
なお、本明細書の厨房換気方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、厨房を換気する厨房換気ユニットおよび厨房換気方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
100 厨房換気ユニット
110a、110b 排気フード
112 排気ダクト
114 排気通路
122a、122b 排気ダンパ
142 目標決定部
146 ダンパ制御部