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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220323BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018162643
(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公開番号】P2020032006
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2020-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】平野 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】森 圭史
【審査官】中村 祐一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-235969(JP,A)
【文献】特開2012-244817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1配線と、
前記第1配線とは異なる第2配線と、を有する遊技機において、
遊技板と平行に延びる主面を備えるベース部材と、
前記ベース部材に組み付けられるカバー部材と、を備え、
前記ベース部材のうち前記カバー部材で覆われる部分に前記第1配線の配線ルートを形成する第1配線ルート形成部が設けられ、
前記カバー部材のうち前記ベース部材と反対側に前記第2配線の配線ルートを形成する第2配線ルート形成部が設けられ、
前記ベース部材には、前記第1配線を幅方向に挟んで前記第1配線を所定の方向に延在させる第1ガイド壁が設けられ
前記カバー部材は、前記ベース部材に重ねられる主壁と、前記主壁から前記ベース部材に向かって突出して前記ベース部材に突き当てられる突当壁と、を有し、
前記第1ガイド壁と前記突当壁とから前記第1配線ルート形成部が構成されている遊技機。
【請求項2】
前記カバー部材は、
前記ベース部材に重ねられる主壁と、
前記主壁における表側を向く面から突出した複数の突壁と、を有し、
前記複数の突壁には、前記第2配線を幅方向に挟んで前記第2配線を所定の方向に延在させる複数のガイド壁が含まれ、
前記第2配線ルート形成部は、前記複数のガイド壁によって構成されている、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記主壁には、前記第2配線を束ねるための結束バンドが取り付けられている、請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記結束バンドは、前記第2配線を結束する結束状態と、前記第2配線の結束を解除する解除状態と、に可逆的に変化する、請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記カバー部材と前記ベース部材との間に、前記第1配線ルート形成部に前記第1配線を引き回すための又は前記第1配線ルート形成部から前記第1配線を引き出すための出入口が形成されている、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の配線ルートを独立して備える遊技機が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-200506号(段落[0111])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技機では、遊技板と平行な面における配線ルートの省スペース化が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、第1配線と、前記第1配線とは異なる第2配線と、を有する遊技機において、遊技板と平行に延びる主面を備えるベース部材と、前記ベース部材に組み付けられるカバー部材と、を備え、前記ベース部材のうち前記カバー部材で覆われる部分に前記第1配線の配線ルートを形成する第1配線ルート形成部が設けられ、前記カバー部材のうち前記ベース部材と反対側に前記第2配線の配線ルートを形成する第2配線ルート形成部が設けられ、前記ベース部材には、前記第1配線を幅方向に挟んで前記第1配線を所定の方向に延在させる第1ガイド壁が設けられ、前記カバー部材は、前記ベース部材に重ねられる主壁と、前記主壁から前記ベース部材に向かって突出して前記ベース部材に突き当てられる突当壁と、を有し、前記第1ガイド壁と前記突当壁とから前記第1配線ルート形成部が構成されている遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
遊技板と平行な面における配線ルートの省スペース化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態に係る遊技機の正面図
図2】遊技盤の正面図
図3】機構枠の前方斜視図
図4】遊技機の背面図
図5】遊技機の電気的構成を示すブロック図
図6】機構枠の背面図
図7】機構枠の一部破断斜視図
図8】配線カバーと主盤の後方斜視図
図9】配線カバーが取り付けられた主盤の後方斜視図
図10】主盤の第1配線ルート形成部周辺の背面図
図11】配線カバーの後方斜視図
図12】配線カバーの前方斜視図
図13】配線カバーの背面図
図14】機構枠のを側方から見た斜視図
図15図14の配線出入口周辺の拡大図
図16】結束バンドの(A)閉環状態の断面図、(B)開環状態の断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示されるように、本実施形態の遊技機10は、図2に示される遊技盤11を前面枠10Zで覆ってなり、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、遊技盤11の前面側に形成された遊技領域R1の全体が視認可能となっている。遊技領域R1は、遊技盤11の前面から突出した略円形のガイドレール12に囲まれている(図2参照)。なお、以下の説明において、特記しない限り「右」及び「左」とは、遊技機10を前方から見た場合の「右」及び「左」を指すものとする。
【0009】
図1に示されるように、前面枠10Zのうちガラス窓10Wの周囲には、装飾ランプ22が設けられている。また、前面枠10Zのうちガラス窓10Wの上方の両側には、スピーカー25,25が備えられている。
【0010】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射用ハンドル28が備えられている。そして、発射用ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が発射装置(図示せず)によって1球ずつ遊技領域R1に向けて弾き出される。
【0011】
図2に示されるように、遊技盤11のうち遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成されていて、その表示開口11Hに遊技盤11の裏面側から表示装置13が対向している。表示装置13は、例えば、液晶モジュールで構成され、遊技に関する演出を行う表示画面13Gを前面に有する。
【0012】
遊技盤11の前面中央には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれると共に、遊技盤11の前面より前側に突出している。これにより、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23を乗り越えて表示装飾枠23の内側に進入することが規制されている。
【0013】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の右側部分には、始動ゲート18が設けられている。始動ゲート18は、遊技領域R1を流下する遊技球が潜って通過可能な門形状に形成されている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。
【0014】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下側部分における横方向の中央部には、第1始動入賞口14Aが設けられている。第1始動入賞口14Aは、遊技球が1つずつ入球可能な大きさの開口を上部に有するポケット構造をなして、常時開放している。
【0015】
第1始動入賞口14Aの下方には、第2始動入賞口14Bが設けられている。第2始動入賞口14Bは、前側に開放し、回動扉14Tによって開閉される。具体的には、回動扉14Tは、通常は、鉛直に起立した閉位置に配置され、上述の普通図柄当否判定で当りになると、下端部を中心に回動し、前倒しとなった開位置に配置される。開位置に配置された回動扉14Tは、上方から流下する遊技球を受け止めて第2の始動入賞口14Bへと案内する。
【0016】
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(図1参照)に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。特別図柄当否判定の結果は、表示画面13Gに表示される。特別図柄当否判定で当りになると、遊技状態が大当り遊技状態になって、大当り遊技が実行される。
【0017】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の右下部分には、可動扉15ATによって開閉される第1大入賞口15Aが設けられている。また、表示装飾枠23の右側部には、可動翼片15BHによって開閉される第2大入賞口15Bが設けられている。第1大入賞口15A又は第2大入賞口15Bは、大当り遊技中に開放される。第1大入賞口15A又は第2大入賞口15Bに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(図1参照)に払い出される。大当り遊技では、予め設定された回数だけ第1大入賞口15A又は第2大入賞口15Bが開放されるラウンド遊技が、大当り遊技の種類に応じた回数だけ実行される。1回のラウンド遊技は、予め定められた上限数の遊技球が第1大入賞口15A又は第2大入賞口15Bに入球するか又は予め設定されたラウンド遊技時間が経過すると、終了する。
【0018】
遊技領域R1には、第1始動入賞口14A、第2始動入賞口14B、第1大入賞口15A及び第2大入賞口15Bのほか複数の一般入賞口20が設けられている。一般入賞口20は、第1始動入賞口14Aと同様のポケット構造をなして、常時開放している。一般入賞口20に遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(図1参照)に払い出される。また、遊技領域R1には、何れの入賞口14A,14B,15A,15B,20にも入球しなかった遊技球を外部に排出するためのアウト口16が備えられている。
【0019】
遊技盤11の後側には、図3に示される機構枠17が備えられている。機構枠17は、遊技盤11と略平行に配置される矩形枠状の主盤17Aと、主盤17Aの外縁部から前方に突出する包囲壁17Hと、からなる。なお、上述した表示装置13(図2参照)は機構枠17の後側に配置され、表示装置13の表示画面13Gは、主盤17Aの中央開口17Kと遊技盤11の表示開口11Hとを通して遊技者に視認可能となっている。機構枠17には、種々の可動役物装置Sが組み付けられている。
【0020】
図4に示されるように、遊技機10の後部には、各種制御回路が備えられている。具体的には、遊技機10の後部中央には、主制御回路50が設けられ、この主制御回路50の上方には、音声制御回路55、サブ制御回路52等が設けられている。さらに、各制御回路50,52,55の下方には、遊技球の払い出しを制御する払出制御回路58及び電源基板60が備えられている。各制御回路は、電源基板60から電源供給を受けて作動する。
【0021】
図5には、遊技機10の電気的な構成の概略が示されている。同図において、符号50は、主制御回路50であって、CPU50A、RAM50B、ROM50C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御回路52を結ぶ入出力回路と、大入賞装置等が接続された中継回路57及び払出制御回路58等を結ぶ入出力回路とを備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU50Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定に関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御回路52等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM50Bは、CPU50Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU50Aの作業領域を備える。ROM50Cには、制御データ、特別図柄及び普通図柄の変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている他、特別図柄当否判定及び普通図柄当否判定の判定値等が書き込まれている。
【0022】
サブ制御回路52は、主制御回路50と同様に、CPU52A、RAM52B、ROM52C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータと主制御回路50を結ぶ入出力回路と、ランプ制御回路53、表示制御回路54、音声制御回路55、各種可動役物装置S等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号をランプ制御回路53、表示制御回路54、音声制御回路55、各種可動役物装置S等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、各種演出のデータ等が記憶されている。なお、サブ制御回路52は、中継回路を介して音声制御回路53、表示制御回路54、ランプ制御回路55又は各種可動役物装置Sに接続されてもよい。
【0023】
ランプ制御回路53は、装飾ランプ22、役物に搭載された役物装飾ランプ等のランプに接続され、サブ制御回路52から出力されたランプの制御信号を中継するための基板である。
【0024】
表示制御回路54は、表示装置13に設けられていて、CPU、RAM及びROMを有している。表示制御回路54のCPUは、サブ制御回路52から出力される制御信号に基づき、画像データをROMから取得し、その画像データに基づいて表示画面13Gに画像を表示する。
【0025】
音声制御回路55は、サブ制御回路52から出力される制御信号に基づき、スピーカー25,25から発生される楽曲や音声の選択を行い、音声を制御する。
【0026】
図6に示されるように、機構枠17の主盤17Aの後面には、種々の配線Lが取り回されている。配線Lの例としては、サブ制御回路52と可動役物装置Sを接続するもの、ランプ制御回路55と各種ランプを接続するもの、中継回路57と各種センサ等を接続するもの等が挙げられる(図5参照)。配線Lは、1本のケーブルで構成されてもよいし、複数本のケーブルで構成されてもよい。
【0027】
図7図8及び図9に示されるように、種々の配線Lのうち第1配線L1は、配線カバー40によって後側を覆われている。配線カバー40は、機構枠17の主盤17Aの後面に取り付けられる。詳細には、第1配線L1は、主盤17Aの側辺部(具体的には、主盤17Aの右辺部)に沿って延在し、配線カバー40は、縦長に形成されて、主盤17Aの側辺部に重ねて固定される。なお、図7では、断面が薄灰色に表されている。
【0028】
図8及び図10に示されるように、主盤の17Aの側辺部(具体的には、右辺部)の後面には、第1配線L1の配線ルートを形成するための第1配線ルート形成部71が設けられている。本実施形態では、第1配線ルート形成部71は、主盤17Aの側辺部の全体に亘って配置されている。そして、第1配線L1は、主盤17Aの上辺部に取り付けられた上側中継基板75と、主盤17Aの下辺部に取り付けられた下側中継基板76(図6参照)を連絡している。
【0029】
第1配線ルート形成部71は、主盤17Aの後面から突出して第1配線L1を幅方向に挟む複数のガイド突部72を備えている。複数のガイド突部72は、主盤17Aの側辺に沿って延在している。また、第1配線ルート形成部71は、複数のガイド突部72に挟まれた第1配線L1の主盤17Aからの浮き上がりを抑制する複数の配線押さえ73を備えている。配線押さえ73は、例えば、ガイド突部72から片持ち梁状に突出する突片により構成されている。
【0030】
図11及び図12に示されるように、配線カバー40は、主盤17Aの側辺に沿って長くなった帯板状をなして主盤17Aの側辺部に重ねられるプレート部41を有する。なお、以下では、カバープレート41の主盤17Aに臨む側を裏側と呼び、主盤17Aと反対側を表側と呼ぶことにする。
【0031】
プレート部41には、長手方向の一端部を主盤17Aから遠ざける段差41Dが備えられていて、プレート部41の一端部が主盤17Aから遠ざかるように迫上がる迫上部41Sとなっている。なお、主盤17Aにおいて迫上部41Sと重なる部分は、後側に段付き状に突出した段状突部17ATになっていて、迫上部41Sは、段状突部17ATとの間に、第1配線L1の配線ルートを確保している(図7参照)。
【0032】
図11及び図12に示されるように、プレート部41の側縁部には、切欠部42が形成されている。切欠部42は、主盤17Aに突設された位置決め突部42T(図8参照)を受容する。位置決め突部42Tと切欠部42が凹凸係合することで、主盤17Aに対して配線カバー40が位置決めされる(図15参照)。具体的には、位置決めリブ42Tは、配線カバー40の長手方向と交差する方向に延在するリブによって構成されている。切欠部42は、プレート部42の長手方向と交差する方向に延びている。
【0033】
図11に示されるように、プレート部41の表側の面からは、複数の突壁46が起立している。複数の突壁46のうち一部の突壁46は、プレート部41の外周部に沿って配置される外壁46Gとなっている。
【0034】
図12に示されるように、プレート部41の裏面からは、複数の突当壁43が突出している。突当壁43は、主盤17Aに突き当てられて、配線カバー40と主盤17Aとの間に第1配線L1の配線ルートを形成するためのスペースを確保する(図14参照)。
【0035】
図14及び図15に示されるように、配線カバー40と主盤17Aとの間には、第1配線ルート形成部71に第1配線L1を引き回したり、第1配線ルート形成部71から第1配線L1を引き出したりするための配線出入口45が形成されている。具体的には、プレート部41の側縁部には、複数の突当壁43が間隔をあけて配置されている。そして、その側縁部における突当壁43どうしの間に、配線出入口45が形成されている。この構成によれば、配線出入口45の高さを突当壁の高さ以上にすることが可能となる。なお、配線出入口45を通って第1配線ルート形成部71から引き出された第1配線L1は、主盤17Aより前側に取り回されて、主盤17Aの前面又は包囲壁17Hに組み付けられた部材(例えば、発光基板や役物の駆動源、センサ等)に接続される。
【0036】
図11及び図13に示されるように、配線カバー40の表側には、第2配線L2の配線ルートを形成するための第2配線ルート形成部81が設けられている。第2配線ルート形成部81は、プレート部41の長手方向に沿って延在して第2配線L2を幅方向に挟む複数のガイド壁82を備えている。複数のガイド壁82は、上述の複数の突壁46のうち一部複数の突壁46によって構成されている。また、第2配線ルート形成部81は、複数のガイド壁82に挟まれた第2配線L2のプレート部41からの浮き上がりを抑制する複数の配線押さえ83を備えている。配線押さえ83は、例えば、ガイド壁82から片持ち梁状に突出する突片により構成されている。
【0037】
図13に示されるように、配線カバー40の表側には、第2配線L2(詳細には、第2配線L2に含まれる複数のケーブル)を束ねるための結束バンド85が取り付けられている。図16(A)に示されるように、結束バンド85は、支持脚部85Aの上に環状のバンド本体85Bを備えてなる。結束バンド85は、プレート部41に形成された結束バンド取付孔84(図11参照)に支持脚部85Aが差し込まれて抜け止めされることで、配線カバー40に取り付けられている。なお、結束バンド85には、結束バンド取付孔84に差し込まれた支持脚部85をプレート部41に押し付けるための押圧片86が備えられている。
【0038】
結束バンド85は、図16(A)に示される閉環状態と図16(B)に示される開環状態とに可逆的に変化する。具体的には、結束バンド85のバンド本体85Bは、帯材を折り曲げて形成され、図16(A)の閉環状態では、帯材の一端部に形成された係止爪87Bが、他端部に形成された係止孔87Aの開口縁に係止する。そして、係止爪87Bが係止孔87Aから外れると、結束バンド85が図16(B)の開環状態となる。なお、係止爪87Bは、帯材を折り返してなる弾性片88に形成され、係止孔87Aには、弾性片88が挿通される。
【0039】
本実施形態の遊技機10では、機構枠17の主盤17Aの後面に、第1配線L1の配線ルートを形成する第1配線ルート形成部71が設けられている。また、第1配線L1の配線ルートを後側から覆う配線カバー40の表側の面には、第2配線L2の配線ルートを形成する第2配線ルート形成部81が設けられている。従って、遊技機10では、第1配線L1の配線ルートと第2配線L2の配線ルートが、配線カバー40の表側と裏側に重ねられることになる。
【0040】
このように、本実施形態の遊技機10では、第1配線L1と第2配線L2の配線ルートが重ねられるので、配線ルートの省スペース化が図られる。しかも、第2配線L2の配線ルートを形成する第2配線ルート形成部81を、第1配線L1の配線ルートを覆う配線カバー40に設けることで、第1配線L1の配線ルートを覆う配線カバー40の有効利用が図られる。
【0041】
また、第1配線L1の配線ルートを形成する第1配線ルート形成部71は、配線カバー40が組み付けられる機構枠17の主盤17Aの背面に設けられている。従って、主盤17Aの第1配線ルート形成部71に第1配線L1を取り回してから、主盤17Aに配線カバー40を組み付け、その後、配線カバー40の第2配線ルート形成部81に第2配線L2を取り回すことが可能となり、作業効率の向上が図られる。
【0042】
また、本実施形態の遊技機10では、第2配線を束ねるための結束バンド85が、結束状態と解除状態とに可逆的に変化するので、第2配線L2を第2配線ルート形成部81から着脱自在となり、配線カバー40の主盤17Aの組み付けや第2配線ルート形成部81への第2配線L2の取り回しが容易となる。
【0043】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態において、配線カバー40に取り付けられる結束バンド85は、結束状態と解除状態とに可逆的に変化せず、いったん結束状態になると、解除状態に復帰不能に構成されてもよい。
【0044】
(2)上記実施形態において、配線カバー40に結束バンド取付孔84を備えずに、配線カバー40に結束バンド85が組み付けられていない構成としてもよい。
【0045】
(3)上記実施形態において、第2配線L2の配線ルートを覆う配線カバーを備えて、その配線カバーの表側に、第1配線L1とも第2配線L2とも異なる配線Lの配線ルートを形成してもよい。
【0046】
(4)上記実施形態において、第1配線ルート形成部71が、複数のガイド突部72を備える代わりに、第1配線L1を幅方向に挟む複数のガイドピンを備えてもよい。
【0047】
(5)上記実施形態において、配線カバー40のプレート部41は、主盤17Aの後面との間に一定間隔以上の隙間を形成すればよく、主盤17Aの後面のうち配線カバー40で覆われる部分に凹凸が形成されている場合には、プレート部41は、その凹凸に沿った形状に形成されればよい。従って、主盤17Aが段状突部17ATを備えない場合には、プレート部41に段差部41Dが形成されなくてもよい。
【0048】
(6)上記実施形態において、主盤17Aにおける第1配線ルート形成部71の配置は、適宜変更されてもよく、主盤17Aの左辺部、下辺部又は上辺部に形成されてもよいし、2つ以上の辺部に亘って形成されてもよい。
【0049】
(7)上記実施形態において、主盤17Aに第1配線ルート形成部71を設けずに、配線カバー40の裏側に、第2配線ルート形成部81と同様にして、第1配線L1の配線ルートを形成するための第1配線ルート形成部を設けてもよい。このような構成としても配線ルートの省スペース化が図られる。
【0050】
以下、上記実施形態から抽出される特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0051】
<特徴A群>
以下の特徴A群は、遊技機に関し、「特許文献A(特開2014-200506号(段落[0111]))には、複数の配線ルートを独立して備える遊技機が示されている。」という背景技術について、「特許文献Aの遊技機では、配線ルートの省スペース化が求められている。」という課題をもってなされたものである。
【0052】
[特徴A1]
第1配線(第1配線L1)と、
前記第1配線とは異なる第2配線(第2配線L2)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記第1配線の配線ルートと前記第2配線の配線ルートを1つの部材(配線カバー40)の表側と裏側に備えた、遊技機。
【0053】
本特徴に示す構成では、2つの配線の配線ルートが重ねられるので、配線ルートの省スペース化が図られる。
【0054】
[特徴A2]
前記1つの部材は、前記第1配線の配線ルートを覆う配線カバー(配線カバー40)であって、
前記配線カバーのうち前記第1配線の配線ルートと反対側を向く表側部分に、前記第2配線の配線ルートを形成する第2配線ルート形成部(第2配線ルート形成部81)が設けられている、特徴A1に記載の遊技機。
【0055】
本特徴に示す構成では、第1配線の配線ルートを覆う配線カバーを利用して第2配線の配線ルートを形成することが可能となる。
【0056】
[特徴A3]
前記配線カバーが組み付けられるベース部材(機構枠17の主盤17A)を有し、
前記ベース部材のうち前記配線カバーで覆われる部分に、前記第1配線の配線ルートを形成する第1配線ルート形成部(第1配線ルート形成部71)が設けられている、特徴A2に記載の遊技機。
【0057】
本特徴に示す構成では、ベース部材の第1配線ルート形成部に第1配線を取り回してから、ベース部材に配線カバーを組み付け、その後、配線カバーの第2配線ルート形成部に、第2配線を取り回すことが可能となる。
【0058】
[特徴A4]
前記配線カバーは、
前記ベース部材に重ねられる主壁(プレート部41)と、
前記主壁における表側を向く面から突出した複数の突壁(突壁46)と、を有し、
前記複数の突壁には、前記第2配線を幅方向に挟んで前記第2配線を所定の方向に延在させる複数のガイド壁(ガイド壁82)が含まれ、
前記第2配線ルート形成部は、前記複数のガイド壁によって構成されている、特徴A3に記載の遊技機。
【0059】
本特徴に示す構成では、第2配線ルート形成部を簡易な構成とすることが可能となる。
【0060】
[特徴A5]
前記主壁には、前記第2配線を束ねるための結束バンド(結束バンド85)が取り付けられている、特徴A4に記載の遊技機。
【0061】
本特徴に示す構成では、第2配線を結束して、第2配線の配線ルートのスリム化が図られる。
【0062】
[特徴A6]
前記結束バンドは、前記第2配線を結束する結束状態と、前記第2配線の結束を解除する解除状態と、に可逆的に変化する、特徴A5に記載の遊技機。
【0063】
本特徴に示す構成では、第2配線の配線ルートからの着脱が可能となるので、配線カバーのベース部材への組み付けや第2配線ルート形成部への第2配線の取り回しが容易となる。
【0064】
[特徴A7]
前記配線カバーは、
前記ベース部材に重ねられる主壁(プレート部41)と、
前記主壁から前記ベース部材に向かって突出して前記ベース部材に突き当てられる突当壁(突当壁43)と、を有する、特徴A3乃至A6のうち何れか1に記載の遊技機。
【0065】
本特徴に示す構成では、配線カバーとベース部材との間に、第1配線の配線ルートを形成するスペースを確保することが可能となる。
【0066】
[特徴A8]
前記突当壁は、前記主壁の外縁部に沿って間隔をあけて複数備えられ、
それら突当壁どうしの間に、前記第1配線ルート形成部に前記第1配線を引き回すための又は前記第1配線ルート形成部から前記第1配線を引き出すための出入口(配線出入口45)が形成されている、特徴A7に記載の遊技機。
【0067】
本特徴に示す構成では、出入口の高さを突当壁の高さ以上にすることが可能となる。
【0068】
[特徴A9]
第1配線(第1配線L1)と、
前記第1配線とは異なる第2配線(第2配線L2)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記第1配線の配線ルートを形成する第1配線ルート形成部(第1配線ルート形成部71)と前記第2配線の配線ルートを形成する第2配線ルート形成部(第2配線ルート形成部81)を重ねて備えている、遊技機。
【0069】
本特徴に示す構成では、2つの配線の配線ルートが重ねられるので、配線ルートの省スペース化が図られる。
【0070】
なお、特徴A9に示される構成に、特徴A1~A8に示される構成が組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10 遊技機
17 機構枠
17A 主盤
40 配線カバー
71 第1配線ルート形成部
81 第2配線ルート形成部
L1 第1配線
L2 第2配線
図1
図2
図3
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