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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】取出し装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/04 20130101AFI20220323BHJP
   A61B 17/00 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
A61F2/04
A61B17/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018560833
(86)(22)【出願日】2017-05-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 US2017033573
(87)【国際公開番号】W WO2017201424
(87)【国際公開日】2017-11-23
【審査請求日】2020-05-18
(31)【優先権主張番号】62/338,896
(32)【優先日】2016-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511235984
【氏名又は名称】メタモディクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】METAMODIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】スタンジェンズ、トッド
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツ、ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】ベルヘ、ケダル アール.
(72)【発明者】
【氏名】ジーボル、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン、エドワード
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0212042(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第19630324(DE,A1)
【文献】特表2013-538606(JP,A)
【文献】特表2007-513685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
A61F 2/04
A61F 2/95 - A61F2/97
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部と、第2の端部と、その間の長さ部分とを有し、前記第1の端部に取付け特徴部を有するフックアセンブリと、
カプセルアセンブリと
を含む取出し装置であって、前記カプセルアセンブリは、直列に連結され、かつ中心長手軸に沿った前記カプセルアセンブリの長さに沿って内周穴を画定するカプセル、カプセルシャフトおよびハンドルを含み、前記カプセルは、前記カプセルの内部への開口を画定する第1の端部と、前記フックアセンブリをスライド可能に受け入れるように構成された前記カプセルアセンブリの内周穴とを有し、
前記ハンドルは、中央部分と、前記ハンドルの第1の端部を画定し、かつ前記カプセルシャフトに取り付けられた第1の端部を有する第1の伸長部分と、前記ハンドルの第2の端部を画定する第2の端部を有する第2の伸長部分とを有し、前記第2の伸長部分は、前記第2の端部にフックアセンブリロックを有し、前記ハンドルは、前記第1の端部が前記中心長手軸に沿って前記第2の端部から第1の距離にある格納構成と、前記第1の端部が前記中心長手軸に沿って前記第2の端部から第2の距離にある伸長構成とを有し、
前記フックアセンブリロックは、前記フックアセンブリを前記第2の伸長部分にロックするように構成され、前記第2の伸長部分は、前記中心長手軸に沿って前記フックアセンブリを前記カプセルシャフトに対して引くように構成され、および前記第1の伸長部分は、前記中心長手軸に沿って前記カプセルシャフトを前記フックアセンブリに対して押すように構成され
前記ハンドルは、前記第1の伸長部分を前記格納構成と前記伸長構成との間で移行させるように構成された第1の制御ノブと、前記第2の伸長部分を前記格納構成と前記伸長構成との間で移行させるように構成された第2の制御ノブとをさらに含む、取出し装置。
【請求項2】
前記取付け特徴部は、フックである、請求項1に記載の取出し装置。
【請求項3】
前記カプセルアセンブリは、前記中心長手軸に沿って非圧縮性である、請求項1に記載の取出し装置。
【請求項4】
前記カプセルの第2の端部は、前記カプセルシャフトの第1の端部に取り付けられ、前記カプセルシャフトの第2の端部は、前記第1の伸長部分の第1の端部に取り付けられる、請求項1に記載の取出し装置。
【請求項5】
前記カプセルは、密着コイルを含む、請求項1に記載の取出し装置。
【請求項6】
前記カプセルは、前記中心長手軸に対して角度をなして撓むように可撓性である、請求項1に記載の取出し装置。
【請求項7】
前記カプセルは、前記カプセルの内部に医療装置を受け入れるように構成される、請求項1に記載の取出し装置。
【請求項8】
前記第1の制御ノブおよび前記第2の制御ノブは、前記フックアセンブリと前記カプセルシャフトとの間で回転動作を長手方向の直線動作に変換するように構成される、請求項に記載の取出し装置。
【請求項9】
前記ハンドルは、医療装置が前記取付け特徴部に取り付けられた状態で前記取付け特徴部を前記カプセルの第1の端部に引き込むように構成される、請求項1に記載の取出し装置。
【請求項10】
医療装置を拡張構成からつぶれ構成に移行させ、かつ、つぶれ構成において医療装置を前記カプセルに引き込むように構成される、請求項1に記載の取出し装置。
【請求項11】
前記カプセルの第1の端部に先端具をさらに含み、前記先端具は、前記カプセルの内部への開口を取り外し可能に覆うように構成される、請求項1に記載の取出し装置。
【請求項12】
前記フックアセンブリと前記カプセルシャフトとの間に前記中心長手軸に沿って約22.2ニュートン~約155.7ニュートンを提供するように構成される、請求項1に記載の取出し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、食道、胃および腸を含む胃腸系内に配置されるインプラントに関する。より詳細には、本開示は、肥満症、糖尿病、逆流症、胃不全麻痺および他の胃腸の状態を治療するために内視鏡技術を使用して埋め込みおよび取り外し可能な構成要素を有する埋込みおよび取出しシステムのための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スリーブ状胃切除術、ルーワイ胃バイパス術(RYGB:Roux-en-Y gastric bypass)および胆膵消化回避術(BPD:bileo-pancreatic diversion)などの肥満外科手術は、肥満患者の減量を達成するために胃腸系内の食物摂取および/または吸収を修正する。これらの手術は、特定の本来の経路を短絡するか、または摂取した食物と、消化管と、その分泌物と、食物摂取および代謝を調整する神経ホルモン系との間で様々な相互作用を引き起こすかのいずれかにより、胃腸系内の代謝過程に影響を及ぼす。この数年で、肥満外科手術を受けた肥満患者は、手術直後に2型糖尿病(T2DM:type-2 Diabetes Mellitus)が顕著に解決するという臨床上の合意ができつつある。RYGBおよびBPD後の糖尿病の顕著な解決は、通常、起こるのが早すぎるために減量のみで説明できず、グルコース恒常性に直接影響し得ることを示唆する。T2DMのこの解決のメカニズムは、十分に解明されておらず、複数のメカニズムが関係している可能性が高い。
【0003】
肥満外科手術の欠点の1つは、肥満外科手術がきわめて侵襲的な手術を必要とし、深刻な合併症を引き起こす可能性があり、患者の回復期間も長いことである。近年、肥満手術の効果に類似し、侵襲性が最小限の手術を開発しようとする取り組みが増えている。1つのそのような手術には、食物および器官分泌物の移送および吸収を修正する胃腸インプラントの使用が含まれる。例えば、(特許文献1)は、固定棘部を備えた管状スリーブを有するインプラントについて記載しており、この固定棘部は、自由度を物理的に制限し、容易に取り外し、または交換することができない。さらに、周囲組織に深く貫入する棘部などの能動固定手段を備えたステントは、粘膜組織のバクテリア感染または全身感染などの合併症をもたらすことがある組織壊死および組織に入ったインプラントの腐食を引き起こす可能性がある。また、ステントなどのインプラントは、消化管内の断続的な蠕動運動によって移動する傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第7476256号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は上記した問題を解決することができる取出し装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書において、患者の内部から異物を取り出す取出し装置が説明される。取出し装置は、拘束機構を有する取付けケーブルと取付けケーブル鞘とを含む取付けアセンブリを含む。取出し装置はまた、カプセルと、カプセル鞘と、カプセル鞘の第2の端部に取り付けられた第1の端部およびケーブルアセンブリロックを有する第2の端部を有し、第1の端部と第2の端部との間の長さを画定するハンドルとを含むカプセルアセンブリを含む。ハンドルはまた、ハンドルを引き延ばすように構成された引き延ばし機構を有し、それにより、第1の構成において、ハンドルの第1の端部は、ハンドルの第2の端部から第1の距離だけ離れ、第2の構成において、ハンドルの第1の端部は、ハンドルの第2の端部から第2の距離だけ離れる。カプセル、カプセル鞘およびハンドルの内径部は、取付けアセンブリの外径部を受け入れる大きさにされ、ケーブルアセンブリロックは、取付けアセンブリの拘束機構と係合するように構成され、それにより、取付けアセンブリは、ハンドルに対して長手方向に移動することを阻止される。
【0007】
本明細書において、医療装置を患者の内部から引き出すための引き出しシステムも開示される。引き出しシステムは、連結機構、ワイヤロック、および拘束機構を有する長尺状のワイヤを含む連結アセンブリを含む。取出し装置はまた、第1の端部と、第2の端部と、内径と、外径とを有するワイヤ管腔を有し、第2の端部は、ワイヤロックに係合するように構成された内面を画定し、ワイヤ管腔は、長尺状のワイヤの第1の端部を受け入れるように構成される。取出し装置はまた、取出し管腔と、取出しチューブと、張力システムとを含む回収機構を有し、張力システムは、張力システムの第1の端部および第2の端部の互いからの長さを伸ばすように構成される。連結アセンブリは、回収機構内に受け入れられるように構成され、張力システムのクランプは、張力システムの第2の端部に対する長尺状のワイヤの長手方向の移動を防止するように構成され、その結果、張力システムの第1の端部および第2の端部の互いからの長さを伸ばすことで、長尺状のワイヤの第1の端部を取出し管腔の第1の端部に引き込む。
【0008】
本明細書において、患者の体内から異物を引き出す方法も開示される。方法は、ワイヤアセンブリを患者に挿入することであって、ワイヤアセンブリは、ワイヤチューブ内にワイヤを含み、ワイヤは、取付け装置を有する第1の端部と第2の端部とを有する、挿入することと、ワイヤ取付け装置を異物に取り付けることと、ワイヤアセンブリを囲む回収鞘を患者の体内に前進させることであって、回収鞘は、第1の開口端と、長さ部分と、ワイヤロック機構を有する第2の端部とを有する、前進させることとを含む。方法はまた、ワイヤロック機構をワイヤの第2の端部に固定することと、ワイヤアセンブリおよび異物が回収鞘の第1の開口端に引き込まれるように回収鞘の長さを伸ばすことと、患者の体内で異物を有する回収鞘を取り出すこととを含む。
【0009】
本明細書において、引きひもと、拡張可能な基端フランジと、先端フランジとを有する胃腸装置を患者から取り出す方法も開示される。方法は、フックアセンブリを患者に挿入することを含み、フックアセンブリは、第1の端部と、第2の端部と、フックを有するフックケーブルとを含み、フックケーブルは、フック鞘の内部に受け入れられる。方法はまた、フックを胃腸装置の引きひもに取り付けることと、拡張可能な基端フランジをつぶす(collapse)ために、フックケーブルをフック鞘の第1の端部に引き込んで引きひもをフック鞘の第1の端部に引き込むことと、フックアセンブリを覆ったカプセルアセンブリを患者の体内に前進させることであって、カプセルアセンブリは、カプセルを有する第1の端部と、長さ部分と、第2の端部とを有する、前進させることとを含む。方法はまた、フックアセンブリの第2の端部をカプセルの第2の端部に固定することと、フックアセンブリの第1の端部およびつぶれた基端フランジがカプセルアセンブリの第1の端部に引き込まれるようにカプセルアセンブリを伸ばすことと、先端フランジがカプセルアセンブリの第1の端部内に受け入れられるように、フックアセンブリの第2の端部を前進させて胃腸装置の先端フランジを覆うことと、胃腸装置を収容したカプセルアセンブリを患者から回収することとを含む。
【0010】
本明細書において、インプラントを患者の体内から引き出す取出しシステムも開示される。取出しシステムは、患者の体内に少なくとも部分的に挿入されるように構成された挿入アセンブリを含む。挿入アセンブリは、長さ、内径および外径を有するカプセルと、カプセルに連結された長尺状の管腔とを含み、長尺状の管腔は、鞘に取り付けられた第1の端部と、第2の端部と、その間の長さ部分とを有し、長尺状の管腔は、長さに沿って最小限に圧縮性であるように構成される。取出しシステムはまた、長尺状の管腔の第2の端部に連結され、患者の体外に配置されるように構成され、ねじ機構を含むハンドルアセンブリを含む。ねじ機構は、挿入アセンブリに機械力を付与するように構成され、挿入アセンブリは、インプラントをつぶしてより大きい拡張構成からより小さい縮小構成にするために機械力を伝達し、かつインプラントをカプセルの内径部内に受け入れるように構成される。
【0011】
本明細書において、自己拡張式ステントを患者の体内から取り込むための取出しシステムも開示される。取出しシステムは、保護カプセルと、保護カプセル内の自己拡張式ステントをより大きい拡張可能な構成からより小さいつぶれ構成につぶして受け入れるのに必要とされる機械力を伝えるように構成されたねじハンドル機構と、保護カプセルおよびねじハンドルに取り付けられ、ねじハンドルから保護カプセルに機械力を遠隔伝達するように構成された最小限に圧縮性のカテーテルアセンブリとを含む。
【0012】
本明細書において、フックアセンブリおよびカプセルアセンブリを含む取出し装置も開示される。フックアセンブリは、第1の端部と、第2の端部と、その間の長さ部分とを有する。フックアセンブリは、第1の端部に取付け特徴部を有する。カプセルアセンブリは、直列に連結され、かつ中心長手軸に沿ったカプセルアセンブリの長さに沿って内周穴を画定するカプセル、カプセルシャフトおよびハンドルを含む。カプセルは、カプセルの内部への開口を画定する第1の端部を有する。カプセルアセンブリの内周穴は、フックアセンブリをスライド可能に受け入れるように構成される。ハンドルは、中央部分と、ハンドルの第1の端部を画定し、かつカプセルシャフトに取り付けられた第1の端部を有する第1の伸長部分と、ハンドルの第2の端部を画定する第2の端部を有する第2の伸長部分とを有する。第2の伸長部分は、第2の端部にフックアセンブリロックを有する。ハンドルは、第1の端部が中心長手軸に沿って第2の端部から第1の距離にある格納構成と、第1の端部が中心長手軸に沿って第2の端部から第2の距離にある伸長構成とを有する。フックアセンブリロックは、フックアセンブリを第2の伸長部分にロックするように構成される。第2の伸長部分は、中心長手軸に沿ってフックアセンブリをカプセルシャフトに対して引くように構成され、第1の伸長部分は、中心長手軸に沿ってカプセルシャフトをフックアセンブリに対して押すように構成される。
【0013】
本明細書において、患者の体内から物体を取り出す取出し装置も開示される。取出し装置は、フックアセンブリおよびカプセルアセンブリを含む。フックアセンブリは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延び、かつその間に管腔を画定する壁とを有する鞘を含む。フックアセンブリはまた、第1の端部に取付け特徴部を有するケーブルを含む。ケーブルは、鞘の管腔内にスライド可能に受け入れられるように構成される。ケーブルの第2の端部は、鞘に対するケーブルの長手方向の動作を阻止するために鞘の第2の端部にロックされるように構成される。カプセルアセンブリは、直列に連結され、かつカプセルアセンブリの長さに沿って内周穴を画定するカプセル、カプセルシャフトおよびハンドルを含む。カプセルは、カプセルの内部への開口を画定する第1の端部を有する。ハンドルは、第1の端部と、第2の端部と、フックアセンブリがハンドルの第2の端部に対して移動することを阻止されるように、フックアセンブリをハンドルの第2の端部にロックするように構成されたフックアセンブリロックとを有する。ハンドルは、第1の端部が第2の端部から第1の距離にある格納構成と、第1の端部が第2の端部から第2の距離にある伸長構成とを有する。カプセルアセンブリの内周穴は、フックアセンブリを中心長手軸に沿ってスライド可能に受け入れるように構成される。格納構成と伸長構成との間でハンドルを移行させることで、フックアセンブリをカプセルシャフトに対して中心長手軸に沿ってスライドさせる。
【0014】
本明細書において、患者の内部から医療装置を引き出す方法も開示される。方法は、取付けアセンブリを患者の体内に挿入することを含む。取付けアセンブリは、取付け特徴部を有する第1の端部と、第2の端部とを有する取付けケーブルを含む。方法は、取付け特徴部を患者の体内に配置された医療装置に結合することと、カプセルアセンブリが取付けアセンブリを囲んでいる状態でカプセルアセンブリを患者の体内に前進させることとを含む。カプセルアセンブリは、第1の端部におけるカプセルと、第2の端部を有し、カプセルアセンブリの第2の端部を画定するハンドルとを有する。方法は、取付けケーブルの第2の端部をハンドルの第2の端部にロックすることを含む。方法はまた、ハンドルがカプセルアセンブリを通して取付けアセンブリを引き込み、および取付け特徴部がカプセルに引き込まれるように、ハンドルをつぶれ構成から拡張構成に移行させることと、医療装置に結合されたカプセルアセンブリおよび取付けアセンブリを患者の体内から取り出すこととを含む。
【0015】
複数の実施形態が開示されるが、本発明のさらに別の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示しかつ説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示であり、限定するものではないとみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一部の実施形態に従ってアンカーが幽門に配置され、スリーブがアンカーに取り付けられた人体の消化管の一部分の断面図である。
図2】一部の実施形態に従ってアンカーが幽門に配置され、スリーブがアンカーに取り付けられた人体の消化管の一部分の断面図である。
図3】アンカーが幽門に埋め込まれた人体の消化管の一部分の断面図であり、一部の実施形態によるアンカーの構造を示す。
図4】一部の実施形態によるアンカーおよびスリーブの概略図である。
図5】一部の実施形態によるアンカーおよびスリーブの概略図である。
図6】一部の実施形態によるアンカーの概略図である。
図7】一部の実施形態によるつぶれ構成のアンカーの概略図である。
図8】本開示の様々な態様による取出しシステムの全体概略図である。
図9A】本開示の様々な態様による取付けアセンブリの全体概略図である。
図9B】本開示の様々な態様による取付けアセンブリの全体概略図であり、断面図を示す。
図9C】本開示の様々な態様による、図9Aおよび図9Bの取付けアセンブリで使用できるフックの側面図である。
図10】本開示の様々な態様によるカプセルアセンブリの全体概略図である。
図11A】本開示の様々な態様によるカプセルの斜視図である。
図11B】本開示の様々な態様による、図11Aに示すカプセルの部分破断図を含む側面図である。
図12A】本開示の様々な態様による、図11Aに示すカプセルの一部分の端面図である。
図12B】本開示の様々な態様による、図11Aに示すカプセルの一部分の側面図である。
図13A】本開示の様々な態様による、図11Aに示すカプセルの一部分の端面図である。
図13B】本開示の様々な態様による、図11Aに示すカプセルの一部分の側面図である。
図14A】本開示の様々な態様による、図11Aに示すカプセルの一部分の端面図である。
図14B】本開示の様々な態様による、図11Aに示すカプセルの一部分の側面図である。
図15A】本開示の様々な態様による、カプセルで使用できる様々な例示的特徴部の側面図である。
図15B】本開示の様々な態様による、カプセルで使用できる様々な例示的特徴部の側面図である。
図15C】本開示の様々な態様による、カプセルで使用できる様々な例示的特徴部の側面図である。
図16A】本開示の様々な態様による、カプセルで使用できる様々なさらなる例示的特徴部の側面図である。
図16B】本開示の様々な態様による、カプセルで使用できる様々なさらなる例示的特徴部の側面図である。
図17A】本開示の様々な態様による、カプセルで使用できる様々なさらなる例示的特徴部の斜視図である。
図17B】本開示の様々な態様による、カプセルで使用できる様々なさらなる例示的特徴部の斜視図である。
図18A】本開示の様々な態様による、展開の様々なステップにおいてカプセルで使用できる例示的な先端具の側面図である。
図18B】本開示の様々な態様による、展開の様々なステップにおいてカプセルで使用できる例示的な先端具の側面図である。
図18C】本開示の様々な態様による、展開の様々なステップにおいてカプセルで使用できる例示的な先端具の側面図である。
図19】本開示の様々な態様による、特定の内部特徴部を示すハンドルアセンブリの全体概略図である。
図20】本開示の様々な態様による、特定の内部特徴部を示すハンドルアセンブリの全体概略図である。
図21A】本開示の様々な態様による、特定の内部特徴部を示すロック部の全体概略図である。
図21B】本開示の様々な態様による、特定の内部特徴部を示すロック部の概略図である。
図22A】本開示の様々な態様による、縮小した構成のハンドルの全体図である。
図22B】本開示の様々な態様による、拡張した構成のハンドルの全体図である。
図23】本開示の様々な態様による、開示される装置を使用する取出し方法における展開ステップを示す図である。
図24】本開示の様々な態様による、開示される装置を使用する取出し方法における展開ステップを示す図である。
図25】本開示の様々な態様による、開示される装置を使用する取出し方法における展開ステップを示す図である。
図26】本開示の様々な態様による取出し方法における展開ステップを示す図である。
図27】本開示の様々な態様による取出し方法における展開ステップを示す図である。
図28】本開示の様々な態様による取出し方法における展開ステップを示す図である。
図29】本開示の様々な態様による取出し方法における展開ステップを示す図である。
図30】本開示の様々な態様による取出し方法における展開ステップを示す図である。
図31】本開示の様々な態様による取出し方法における展開ステップを示す図である。
図32】本開示の様々な態様による取出し方法における展開ステップを示す図である。
図33】本開示の様々な態様による取出し方法における展開ステップを示す図である。
図34】本開示の様々な態様による取出し方法における展開ステップを示す図である。
図35】本開示の様々な態様による取出し方法における展開ステップを示す。
図36】本開示の様々な態様による取出し方法における展開ステップを示す。
図37】本開示の様々な態様による取出し方法における展開ステップを示す。
図38】本開示の様々な態様による取出し方法における展開ステップを示す。
図39】本開示の様々な態様による取出し方法における展開ステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の様々な態様は、意図された機能を果たすように構成された任意の数の方法および装置によって実現できることが当業者に容易に分かるであろう。なお、本明細書で言及される添付の作成図は、必ずしも一定の縮尺で作図されず、本開示の様々な態様を示すために誇張されることがあり、これに関連して、作成図は、限定するものと解釈すべきでない。
【0018】
本開示は、患者の体内に装置を配置しかつ/または患者の体内から装置を取り出すシステムおよび方法に関する。本明細書で開示されるシステムおよび方法を使用して、装置は、内視鏡的に口、喉、胃および腸を通って患者の体内に埋め込み、かつ/または患者の体内から取り出すことができる。一部の例は、装置がカテーテルに装着されたときに患者の幽門洞、幽門、十二指腸および/または空腸内などの患者の消化管内に装置を配置し、かつ/または患者の消化管内から装置を取り出すシステムおよび方法に関する。
【0019】
一部の例では、本明細書で開示されるシステムおよび方法を使用して、胃腸装置などの装置を患者の胃、腸、幽門洞、幽門、十二指腸または空腸内に配置し、かつ/またはそれらの中から取り出すことができる。本明細書で開示されるシステムおよび方法を使用して、拡張構成およびつぶれ構成を有する装置を患者の消化管内から取り出すことができる。例えば、本明細書で開示されるシステムおよび方法を使用して、つぶれ構成の装置を患者の内部に配置し、装置を拡張構成に移行させて患者の内部に装置を保持することができる。本明細書で開示されるシステムおよび方法を使用して、装置をつぶれ構成に移行させ、装置を患者の内部から引き出すことにより、拡張構成で患者の体内にある装置を取り出すことができる。
【0020】
図1は、人間の消化管10の一部分の断面図を示し、胃16および腸18を示す。図1に示すように、胃腸装置100は、胃16と腸18との間に配置することができる。胃腸装置100は、幽門20内に配置することができ、胃腸装置100の一部分は、幽門洞22内に配置されるように構成されている。胃腸装置100は、胃腸装置100の特定の部分が胃16、幽門20および腸18内に配置された状態で配置することができる。
【0021】
図2は、患者の消化管の一部分の断面図であり、幽門20、幽門洞22、十二指腸24および十二指腸球部26を示す。図2は、胃腸装置100が胃16と腸18との間に配置されていることを示す。図2に示すように、胃腸装置100は、患者の体内に配置されると胃腸装置100を所定の位置に保持または維持するアンカー110と、アンカー110に取り付けられたスリーブ120とを含むことができる。胃腸装置100は、インプラント、胃腸インプラントまたは幽門インプラントであり得る。展開時、胃腸装置100のアンカー110は、拡張構成に移行し、埋め込み後、胃腸装置100を所定の位置に保持することができる。一部の例では、展開時、スリーブ120は、患者の腸18内に配置することができる。腸18内に示されている胃腸装置100のスリーブ120は、腸スリーブ、腸バイパススリーブなどのバイパススリーブ、腸ライナまたはバイパスライナであり得る。スリーブ120は、展開時、十二指腸24内で幽門20からトライツ靱帯まで配置されるように設計することができる。患者の内部で展開されるとき、スリーブ120は、幽門20内にまたは幽門20に接して配置された胃腸装置100のアンカー110により、腸18内の所定の位置に保持される。
【0022】
図3は、アンカー110の側面図を示す。図3に示すように、アンカー110は、長手方向の長さ30と半径方向の幅32とを有する、全体的に見て円筒状の形状を有する。一部の実施形態では、アンカー110は、アンカー110の長さ30に沿った中心長手軸を画定する。アンカー110は、基端部分130、先端部分132および首部分134を有する。
【0023】
一部の実施形態では、基端部分130は、円形またはディスク形状にされる。さらなる例では、基端部分130は、基端部140、先端部142およびその間の外壁を有する。一部の例では、基端部140および先端部142は、全体的に見て円筒状または管状の形状を画定する。一部の実施形態では、基端部分130は、基端フランジ壁148を含む。基端フランジ壁148は、ディスクとして成形され、基端部分130の先端部142に取り付けられる。基端フランジ壁148は、アンカー110の中心長手軸に交差する向きに向けられている。基端部分130の先端部142および/または基端フランジ壁148は、凹状であり得、例えば、基端フランジ壁148は、ボウルに類似し得る。患者の内部に配置される場合、基端部分130は、幽門20の胃16内の側に配置することができる。拡張構成では、基端部分130は、糜粥が流入することを可能にするために開放することができる。すなわち、基端部分130は、開放されかつ第1の直径を有する基端部140を備えた全体的に見て円筒状の形状を有する。先端部142は、基端部140の第1の直径よりも小さい首部分134の直径に至るまで次第に細くなった基端フランジ壁148で終端する。基端フランジ壁148は、中心長手軸に対して角度をなして成形することができる。
【0024】
一部の実施形態では、基端部分130は、円形またはディスク形状にされる。一部の実施形態では、先端部分132は、フランジとして成形される。さらなる例では、先端部分132は、基端部144、先端部146およびその間に延びる外壁を有する円筒として成形することができる。先端部分132は、先端フランジ壁150を含む。先端フランジ壁150は、先端部分132の基端部144に配置されている。先端フランジ壁150は、アンカー110の中心長手軸に交差する向きに向けられている。拡張構成で患者の内部に配置された場合、先端部分132は、十二指腸内に配置することができる。先端部分132は、腸18内の方を向いた先端部146において開口を画定することができる。
【0025】
首部分134は、第1の端部160と、第2の端部162と、第1の端部160と第2の端部162との間に延びる壁とを含む。首部分134は、基端部分130と先端部分132との間に延びる円筒として成形することができる。首部分134は、糜粥が胃16から腸18に流れることを可能にする貫通管腔152を画定する。首部分134は、幽門20を開いた状態に保つために剛性であり得、または首部分134は、貫通管腔152が幽門20と共に開閉することを可能にするために軟性でもあり得る。本明細書において使用される場合、「開放」という用語は、半径方向に拡張する構成を指す。すなわち、基端部分130、首部分134および/または先端部分132は、拡張して幅32が広くなったときに開放することができる。
【0026】
基端フランジ壁148および先端フランジ壁150は、特定の位置で幽門20と特定の空間的関係を形成するために、首部分134に対して傾斜することができる。一部の実施形態では、基端部分130および先端部分132の両方は、それぞれ幽門20の基端面および先端面に力Fを加えるように成形される。この力の作用は、インプラントを所定の位置に保持し、幽門20の両側で固定するのに寄与することができる。アンカー110は、編組ワイヤ構造から形成され得る。編組ワイヤ構造は、アンカー110を患者の内部の適切な位置に置くのに寄与することができる。例えば、編組ワイヤ構造は、アンカー110を構造的に支持し、かつアンカー110の形状を維持するのに役立つ。
【0027】
図3に示すように、一部の実施形態では、先端部分132の外径は、先端部分132と十二指腸との間のギャップまたは空間を画定することができる。一部の実施形態では、先端部分132の外径部と十二指腸との間のギャップまたは空間は、アンカー110が、アンカー110の中心長手軸または幽門の開口によって画定される長手軸に対して略垂直な方向に回転または旋回することを可能にする。アンカー110が患者に埋め込まれた後に回転できる場合、先端部分132またはアンカー110は、全体として不必要に移動するかまたは撓むことがあり、場合により外れることもある。アンカー110または先端部分132の回転または旋回は、先端部分132を適切な長さおよび直径にすることで阻止することができる。先端部分132を適切な長さにすることにより、先端部分132が十二指腸と接触することが可能になり、先端部分132またはアンカー110が撓むかまたは外れるようになる前にさらなる回転を防止することができる。先端部分132の長さは、アンカー110が十二指腸と接触する前に受けることがある回転の程度を定めることができる。
【0028】
先端部分132の長さおよび直径は、十二指腸などの管状の解剖学的構造内での傾きまたは傾斜を防止するような大きさにされ得る。一部の実施形態では、先端部分132の長さおよび直径は、アンカー110が回転または長手軸から離れる方向に回転または傾斜するとき、先端部分132の先端部146が腸管壁と接触し、したがって患者の内部でのアンカー110の移動を阻止するような大きさにされる。不必要な回転、傾斜または長手方向の撓みを阻止することができる適切な先端部分132の長さは、約10.0mm~約50.0mmまたはその間の任意の長さであり得る。一部の実施形態では、先端部分132は、先端部分132の幅に対応する寸法にされた長さを有することができる。一部の実施形態では、先端部分132は、基端部分130の長さに対応する寸法にされた長さを有することができる。例えば、先端部分132の長さは、基端部分130と同じ長さであり得る。一部の実施形態では、先端部分132の長さは、基端部分130の長さの倍数であり得る。例えば、先端部分132は、基端部分130の1.5倍、2倍、3倍またはそれを超える長さであり得る。
【0029】
一部の実施形態では、先端部分132の直径は、約5.00mm~約60.0mmまたはその間の任意の範囲、例えば約20.0mm~約50.0mmまたは約30.0mm~約40.0mmであり得る。例えば、先端部分132は、構造物が、約40.0mmの直径を有する十二指腸球部などの管状の解剖学的構造内に配置されたままであり得ることを保証するために、約18.0mmの長さと35.0mmの直径とを有することができる。アンカー110は、先端部分132の直径を直径約35.0mmとして形成された。
【0030】
一部の実施形態では、基端部分130の直径は、約10.0mm~約75.0mmまたはその間の任意の範囲、例えば約25.0mm~約60.0mmおよび約40.0mm~約55.0mmである。一例では、アンカー110は、基端部分130の直径を約40.0mmとして形成された。
【0031】
一部の実施形態では、首部分134の直径は、約2.0mm~約30.0mまたはその間の任意の範囲、例えば約5.0mm~約30.0mmおよび約10.0mm~約20.0mmであり得る。一例では、アンカー110は、首部分134の直径を約15.0mmとして形成された。
【0032】
一部の実施形態では、首部134の長さは、略患者の幽門の幅であり得る。一部の実施形態では、首部分134の長さは、基端フランジ壁148と、先端フランジ壁150と、幽門20との間にギャップを形成するために患者の幽門の幅よりも長くすることができる。一部の実施形態では、首部分134は、基端フランジ壁148および先端フランジ壁150が幽門20に接触できるような大きさにされ得る。
【0033】
アンカー110の全長は、約10.0mm~約100.0mmであり得るが、患者の解剖学的構造または解剖学的適合性に応じて様々な大きさのアンカーを形成することができる。一部の実施形態では、アンカー110の長さは、約10.0mm~約100mm、約25.0mm~約75.0mm、約40.0mm~約60.0mmまたはこれらの範囲内の任意の長さであり得る。一部の例では、アンカー110は、約45.0mm~55.0mmの長さであり得る。一例では、形成されたアンカー110は、約50.0mmの長さであった。一部の実施形態では、アンカー110は、直径が圧縮可能であり、全径は、例えば、アンカー110がカテーテルに装着されることを可能にするために直径で約5.00mm~約10.0mmまで縮めることができる。
【0034】
図4は、アンカー110の斜視図である。一部の実施形態では、アンカー110は、自己拡張式であり得る。一部の実施形態では、アンカー110は、編組ワイヤ構造内に収容された構造要素を含む。図4に示すように、一部の実施形態では、アンカー110は、先端構造要素196を有する。先端構造要素196は、先端部分132および/または首部分134に取り付けられたリング193、194で構成することができる。先端構造要素196は、ニチノール(Nitinol、ニッケル-チタン合金)、商品名MP35N(登録商標)で販売されているものなどのニッケル-コバルト系合金、アロイ(Alloy) L605などのコバルト合金、商品名エルジロイ(Elgiloy)(登録商標)で販売されているものなどのコバルト-クロム-ニッケル-モリブデン合金、ステンレス鋼などの金属から、またはPET、PEEK、商品名デルリン(Delrin)(登録商標)で販売されているものなどのポリオキシメチレンなどのプラスチックもしくは任意の他の適切な材料から作製することができる。先端構造要素196は、適切な形状に形成された超弾性ニチノール(Nitinol)ワイヤから作製することができる。例示的な実施形態では、先端構造要素196は、ニチノールワイヤからなる3つのリングから形成された。特定の剛性(rigidity)またはこわさ(stiffness)を有する先端構造要素196が望ましい場合、大きさと、先端構造要素196が作製される材料とを使用して、これらの特性を調整することができる。例えば、ニチノールワイヤを使用して、先端構造要素196を作製するのに使用されるワイヤ径に応じて適切な圧縮および拡張強度で補強要素を形成することができる。
【0035】
先端構造要素196は、約0.254mm(0.010インチ)~約1.016mm(0.040インチ)の範囲またはこの範囲の間の任意の範囲、例えば約0.381mm(0.015インチ)~約0.762mm(0.030インチ)、約0.508mm(0.020)インチ~約0.635mm(0.025インチ)などの範囲の厚さを有する材料で形成することができる。例示的な実施形態では、複数のリングで構成される先端構造要素196は、約0.020インチ、すなわち約0.51mmの厚さを有する材料から形成された。通常、先端構造要素196を形成できる各リング193、194は、約25.4mm(1.0インチ)~約50.8mm(2.0インチ)およびこの範囲内の任意の範囲、例えば約30.48mm(1.2インチ)~約45.72mm(1.8インチ)および約33.02mm(1.3インチ)~約43.18mm(1.7インチ)などの範囲の同じ直径を有する。例示的な実施形態では、先端構造要素196は、リング193、194に形成される材料を含み、それぞれのリングは、直径が約1.38インチ、すなわち35.0mmであった。
【0036】
図4に示すように、先端構造要素196のリング193、194は、先端部分132の四方に配置され、フランジ材料に一体的に織り込むなどして先端部分132に取り付けられている。先端構造要素196のリング193、194は、最初にリング193、194を先端部分132の編組構造に通して組み付け、次いでワイヤ端部を連結スリーブに挿入し、圧着または溶接することができる。
【0037】
図4に示すように、一部の実施形態では、アンカー110は、基端部分130に取り付けられた基端構造要素172を有することができる。基端構造要素172は、ばねなどの圧縮付勢要素であり得る。基端構造要素172は、突起186を有する略円形のフレームとして構築することができる。基端構造要素172は、先端構造要素196を形成するのと同じ材料から構築することができる。基端構造要素172は、基端部分130を構造的に支持することもできる。例えば、基端構造要素172は、通常、圧縮可能であり、さらに剛性でもある総合フレームを有する。基端構造要素172は、基端部分130に付加的な半径方向の強度を付与し、基端部分130の基端部140を開いた状態に保つのに寄与することができる。基端構造要素172は、患者から取り外すために、および患者の内部に送達するための送達カテーテルに装置を装着するために、アンカー110のつぶれ方向を偏らせるように成形することができる。
【0038】
図4に示すように、一部の実施形態では、アンカー110は、引きひも192を含むことができる。引きひも192は、基端部分130に取り付けられている。引きひも192は、引きひも192を基端部分130の材料に通して組み付けることで基端部分130に取り付けることができる。図5に示すように、引きひもは、基端部分の材料に通して組み付けられて、引きひもの一部分にループ198を形成することができる。例えば、引きひも192は、ひもまたは縫糸から構築することができ、ひもまたは縫糸は、アンカー110の編組ワイヤ構造のセルに1つおきに通して組み付けられる。ループ198は、引きひも192が引戻し具、例えばフックまたはクランプに取り付けられることを可能にする。一部の実施形態では、引きひも192は、基端部分130に通して組み付けられる縫糸である。引きひも192は、基端構造要素172とは別の構造であり得る。引きひも192は、縫糸材料から構築することができ、細いワイヤまたはケーブルを含むことができる。
【0039】
図5は、つぶれ構成のアンカー110の基端部分130を示す。引きひも192は、少なくとも1つのループ198を取出し装置に連結し、かつ鞘に引き込むことにより、アンカー110を弾性的に縮小させるために使用することができる。一部の実施形態では、引きひも192は、基端部分130が首部分134の直径までつぶれることを可能にする。引きひも192は、首部分134または先端部分132内などのアンカー110の様々な部分に取り付けることもできる。アンカー110は、埋め込みまたは取出し中、アンカー110の様々な部分を順次つぶすために複数の引きひもを有することもできる。
【0040】
図5は、引きひも192が引かれた後などのつぶれ構成の基端部分130を示す。一部の実施形態では、アンカー110は、適当により細い大きさにつぶれるように構成され得る。例えば、アンカー110は、患者の内部に配置するかまたは患者から取り出すためにより細い直径までつぶすことができる。一部の実施形態では、アンカー110は、引きひも192を引くことで、例えば、ループ198を引くことでつぶすことができる。引きひも192のループ198は、アンカー110から離れる方向に引いて基端構造要素172をつぶすことができる。
【0041】
図6は、スリーブ120がアンカー110に取り付けられた胃腸装置100の斜視図である。図7は、スリーブ120がアンカー110に取り付けられた胃腸装置100の斜視図であり、さらなる特徴部を示す。図7に示すように、スリーブ120の全体概略図は、口部180、スリーブ本体182および首部184を含む。スリーブ本体182の直径は、通常、人間の腸の直径に対応する大きさにされる。スリーブ120の直径は、アンカー110の内径と合致するために首部184で縮小している。直径のこの変化はまた、スリーブ120の外側に加えられる圧力の増大に呼応して、スリーブ120が折り返してそれ自体に重なるスリーブのめくれを防止するのに寄与する。様々な実施形態によれば、スリーブ本体182は、約0.0254mm(0.001インチ)~約0.381mm(0.015インチ)の肉厚を有する。スリーブ120の首部184は、スリーブ本体182よりも厚くすることができ、例えば、首部184は、スリーブのめくれを防止する第2の機構を形成するために約0.0254mm(0.001インチ)~約0.127mm(0.005インチ)厚さの肉厚を有することができる。スリーブ120が外圧を受けると、より厚い首部184がつぶれ、スリーブ120が折り返してそれ自体に重なることを阻止する。この機構は、実質上、ダックビル弁を形成することができる。
【0042】
スリーブ120は、長さ約25.4mm(1.0インチ)~約50.8mm(約2.0インチ)、最大で長さ数フィートの長さを有することができる。一部の実施形態では、スリーブ120は、展開した場合、十二指腸の長さを超えてトライツ靱帯まで延びる大きさにされる。一方、本明細書で開示される様々な実施形態は、スリーブ120について十二指腸に入り込むとして説明されている。一般に、スリーブ120は、部分的にまたは完全に、スリーブ120が空腸に入り込むことを可能にする十分な長さを有することも企図されている。スリーブ120の適切な長さは、必要とされる作用メカニズムによって規定することができる。一部の例では、有効スリーブ長は、スリーブが基端空腸に到達することを可能にする長さである。この位置は、トライツ靱帯の位置に一致する。スリーブの長さは、所望の臨床結果に基づいて定められる。一部の例では、長さが約0.6m(2フィート)のスリーブは、腸内での食物および器官分泌物の移送および吸収を修正し、2型糖尿病を寛解させるのに十分である。
【0043】
スリーブ120は、シリコーン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン、ポリエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)または他の適切な材料などの薄肉のポリマー材料から作製することができる。例示的な実施形態では、スリーブ120の肉厚は、約0.015mm(0.0006インチ)~約0.254mm(0.010インチ)の厚さであり得る。スリーブ120は、押出成形により、液体溶液から浸漬被覆された、もしくはポリマーの微粉粒子から粉末被覆された、もしくはペースト押出しされた管状の形態でまたはインフレートチューブに作製することができ、次いでePTFEと同様に延伸することができる。
【0044】
一部の実施形態では、胃腸装置100は、アンカー110がつぶれ構成または圧縮構成の状態で幽門20内に内視鏡的に埋め込むかまたは幽門20から内視鏡的に取り出すことができる。本明細書において、閉じた、圧縮された、またはつぶれた構成とは、基端部分130または先端部分132の少なくとも1つの直径がアンカー110の(図3に示す)幅32の方向に縮小したアンカー110を指す。埋め込み後、アンカー110は解放され、開いたまたは拡張した構成を取ることができる。開いたまたは拡張した構成になると、アンカー110は、通常、それ自体を固定して、胃腸装置100の少なくとも一部分が幽門20内にある状態を維持する。
【0045】
図8は、取出し装置200の全体概略図の斜視図である。一部の実施形態では、取出し装置200は、例えば、アンカー、ステントまたは医療装置などの異物を患者の体内から取り出すための引出し装置として使用することができる。取出し装置200は、拡張可能なアンカー110とスリーブ120とを患者の身体から取り出すために使用することができる。本明細書において、取出し装置200は、図1~7にすでに開示された胃腸装置100などの胃腸装置100を患者の胃または腸から取り出すかまたは引き出すことに関連して説明される。しかし、本明細書で説明されるシステムおよび方法を使用して、患者の内部から他の異物を取り出すかまたは引き出すことも想定される。例えば、取出し装置200が、様々な形状および材料からなる異物を患者の内部から捕捉して引き出すことを可能にするために、特定の構成要素を変更または追加することができる。
【0046】
図8に示すように、取出し装置200は、フックアセンブリ210およびカプセルアセンブリ212を含む。示すように、カプセルアセンブリ212は、カプセル230、カプセルシャフト232およびハンドル234を含む。一部の実施形態では、フックアセンブリ210は、フックケーブル220およびフック鞘222を含む。一部の実施形態では、フックアセンブリ210は、フック鞘222のないフックケーブル220を含む。一部の実施形態では、使用時、フックケーブル220は、フック鞘222内に受け入れられてフックアセンブリ210を形成する。展開方法では、フックアセンブリ210およびカプセルアセンブリ212の一部分などの取出し装置200の第1の部分は、患者の体内に挿入されるように構成することができ、ハンドル234などの取出し装置200の第2の部分は、患者の外に留まる。
【0047】
図9Aおよび図9Bは、図8の取出し装置200で使用できるフックアセンブリ210の概略図の側面図である。一部の例では、フックアセンブリ210は、フックケーブル220およびフック鞘222を含む。さらなる例では、フックアセンブリ210は、フック鞘222のないフックケーブル220を含むことができる。一部の例では、フックケーブル220およびフック鞘222は、単一の統合体として形成することができる。例えば、フックケーブル220およびフック鞘222は、組み合わされて単一の統合型となり、フックアセンブリ210を形成する。さらなる例では、フックケーブル220およびフック鞘222は、組み合わされてフックアセンブリ210を形成する2つの別の装置として形成することができる。図9Aおよび図9Bに示すように、フックアセンブリ210は、フックケーブル220およびフック鞘222を有する。一部の実施形態では、フックアセンブリ210は、標準内視鏡の作業チャネル内に収まる。一部の実施形態では、フックアセンブリ210は、内径が約1.4mm、約1.6mm、約1.8mmもしくは約2.2mm、約2.4mmまたは約2.6mm、あるいは前述の値の任意の対間であるが、さらなる寸法も考えられる標準内視鏡の作業チャネル内に収まる。例えば、フックアセンブリ210は、内径が約2.8mmの内視鏡の作業チャネル内に挿入される適切な大きさにされ得る。一例では、アセンブリ210は、内径が2.0mmの内視鏡チャネルに収まるように形成された。
【0048】
図9Aに示すように、フックケーブル220は、第1の端部310と、第2の端部312と、その間の長さ部分とを有し、かつ長手軸314を画定する。フック鞘222のないフックケーブル220を有するフックアセンブリ210の例では、フックケーブル220の第1の端部310は、フックアセンブリ210の第1の端部を画定することができる。フックケーブル220の第1の端部310は、医療装置または異物などの物体に取り付くかまたはそのような物体を把持する、把持機構、フック、留め具、アーム、バスケットまたは複数の指状体などの取付け特徴部340を含む。一部の実施形態では、取付け特徴部340は、フックケーブル220の第1の端部310を画定する。取付け特徴部340は、特定の適切な寸法に対応する大きさおよび形状にされた長さ部344および幅部346を有することができる。例えば、取付け特徴部340は、図4および図5ですでに説明した引きひも192などの引きひもに取り付いて、引きひもを保持するのに適した長さ部344を有することができる。幅部346は、取付け特徴部340がフック鞘222に収まることを可能にする大きさにされ得る。すなわち、幅部346は、取付け特徴部340全体がフック鞘222の第1の内径326および第2の内径370内に収まることを可能にする大きさにされ得る。取付け特徴部340は、引きひもを捕捉および/またはロックして引きひもをフック鞘222に引き込むために使用することができる。
【0049】
図9Aに示すように、フックアセンブリ210は、フックケーブル220に沿って配置されたフックケーブルストッパ360を含む。一部の実施形態では、フックケーブルストッパ360は、フック鞘222の第1の内径326よりも大きい外径362を画定することができる。一部の実施形態では、フックケーブルストッパ360は、フック鞘222に入ることを阻止されるような外径362を有することができる。
【0050】
図9Aに示すように、一部の実施形態では、フックケーブル220の長さは、フック鞘222の長さよりも長い。フックケーブル220は、フック鞘222内に受け入れられる大きさにされる。一部の実施形態では、フックケーブル220は、取付け特徴部340を有する第1の端部310をフック鞘222の第2の端部に挿入することでフック鞘222に挿入することができる。フックケーブル220は、取付け特徴部340などのフックケーブル220の第1の端部310がフック鞘222の第1の端部320から突出するまで、フック鞘222の内側に沿って前進することができる。
【0051】
図9Bに示すように、フック鞘222は、第1の端部320と、第2の端部322と、その間でフック鞘222の長手軸に沿った長さ部分とを有する。フック鞘222は、管腔を画定する内面378と外面376とを有する可撓性チューブを含むことができる。フック鞘222は、第1の端部320に第1の内径326および第1の外径328を有する。フック鞘222は、第2の端部322に第2の内径370および第2の外径372を有することができる。一部の実施形態では、第2の内径370および第2の外径372は、それぞれ第1の内径326および第1の外径328と同じであり得る。一部の実施形態では、フック鞘222の第1の内径326は、第1の内径326内に取付け特徴部340または他の引戻し具を受け入れることができるような大きさにされる。例えば、フック鞘222の第1の内径326および第2の内径370は、取付け特徴部340をフック鞘222に挿入できるような大きさにされ得る。
【0052】
一部の実施形態では、フック鞘222は、長手軸324に対して角度をなして撓むかまたは曲がることができる可撓性チューブとして構築される。フック鞘222は、長手軸324に垂直な方向に可撓性であり得、さらに長手軸324に沿った長手方向に非圧縮性であり得る。例えば、フック鞘222は、金属またはプラスチックなどの弾性材料でできた密着コイルとして構築することができる。コイルは、長手軸324などに沿ったコイルの長さに対して垂直な方向に撓むかまたは曲がることができる。密着したコイルは、コイルが長手軸324の方向に圧縮することを防止し得、コイルは、フック鞘222がフック鞘222の長手軸324に沿って伸びるかまたは延伸することを防止するために弾性であり得る。すなわち、フック鞘222は、フック鞘素材構造により、設定長さに維持されるように最小限の圧縮性であり得る。
【0053】
フック鞘222は、内面378および/または外面376を被覆することができる。例えば、フック鞘222がコイルとして構築される場合、被覆は、コイルの巻き間の空間を覆ってまたは埋めてフック鞘222の内面378および外面376に沿った滑らかで一様な面をもたらすことができる。一部の実施形態では、フック鞘222は、滑らかで一様な面を形成し、コイルが空間を開くことを防止できる被覆を有することができる。被覆用の材料は、フック鞘222の内面378および外面376に沿った摩擦を低減するように選択することができる。例えば、フック鞘222の外面376には、食道組織または胃組織などの患者の組織との摩擦を低減するのに適した被覆を設けることができる。フック鞘222の内面378には、フックケーブル220など、フック鞘222内に挿入できる取出し装置200のさらなる特徴部との摩擦を低減するのに適した被覆を設けることができる。一部の実施形態では、フック鞘の被覆には、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)または商品名テフロン(Teflon)(商標)で販売されているものなどのポリテトラフルオロエチレンなどの滑らかなプラスチックまたはポリマー被覆が含まれ得る。一部の実施形態では、フック鞘の被覆は、熱可塑性プラスチックまたは熱可塑性エラストマーなどの溶融およびリフロー可能な材料から形成することができる。例えば、フック鞘の被覆は、商品名ペバックス(Pebax)(登録商標)で販売されているものなどのポリエーテルブロックレジンから形成することができる。
【0054】
図9Aに示すように、フックアセンブリ210はまた、フックケーブル220に沿って配置されたフックケーブルロック350を含む。フック鞘222のないフックケーブル220を有するフックアセンブリ210の例などの一部の実施形態では、フックアセンブリ210は、フックケーブルロック350なしで形成することができる。フックケーブル220およびフック鞘222を含むフックアセンブリ210の例では、フックケーブル220およびフック鞘222は、組み合わされる2つの別の装置として形成することができる。例えば、フックケーブルロック350は、フックケーブル220をフック鞘222に対して長手方向にロックするように構成することができる。フックケーブルロック350は、フックケーブル220がフック鞘222に対してフック鞘222の長手軸324に沿って移動することを防止する拘束機構を含むことができる。一例として、フックケーブルロック350は、フック鞘222上の対応するねじ山と係合できるねじ山を含むことができる。さらなる例では、フックケーブルロック350は、フック鞘222の内径部内にタブまたは指状体(図示せず)を含むことができ、タブまたは指状体は、ロック鞘354の一部分が挿入されたときに変形する。指状体は、第1の構成において、フック鞘222およびロック鞘354を共に保持するように構成することができ、ロックを無効にし、フック鞘222およびロック鞘354が互いから解放されることを可能にする特徴部を内蔵することができる。別の例では、フックケーブルロック350は、フックケーブル220の移動を防止するために、フックケーブル220に圧縮力を加えるコレット(collet)、チャックまたはタブなどの保持機構を含むことができる。
【0055】
図9Aおよび図9Bは、フックアセンブリ210を形成するためにフックケーブル220およびフック鞘222を共にロックするように構成することができるフックケーブルロック350の例示的な実施形態を示す。示すように、ケーブル220は、フックケーブル220の長さ部分に沿って配置された複数のワイヤ352を含むことができる。複数のワイヤ352は、フックケーブル220の第2の端部312の近くで束ね合わされる。フックケーブルロック350は、フック鞘222の第1の内径326よりも大きい外径362を有することができる。一部の実施形態では、フックケーブルロック350は、外側部分356を有し、複数のワイヤ352の外周を囲むロック鞘354を含むことができ、2つ以上の複数のワイヤ352間に延び、ロック鞘354の外側部分に取り付けられた尖棒358を有する。ロック鞘354の外側部分356は、例えば、尖棒358が2つ以上の複数のワイヤ352間に挿入されていてもいなくても、複数のワイヤ352の外周よりも大きい内径を有することができる。ロック鞘354の尖棒358は、尖棒が2つ以上の複数のワイヤ352間に配置された場合、2つ以上の複数のワイヤ352が互いから特定の距離だけ離れるように適切な幅を有することができる。尖棒358が2つ以上の複数のワイヤ352間に配置された場合、複数のワイヤ352は、ロック鞘354の内径よりも大きい全体外周を有する。ロック鞘354の尖棒358が複数のワイヤ352間に挿入されると、複数のワイヤ352は、互いから所定の距離だけ離れ、その結果、複数のワイヤ352は、少なくとも、フックケーブル220の尖棒358に隣接する部分に沿ってフック鞘222の第2の内径370よりも大きい全体外径362を有することになる。ロック鞘354は、フック鞘222の第2の端部322の方にフックケーブル220に沿って移動することができる。ロック鞘がフック鞘222の第2の端部322に接近すると、尖棒358は、複数のワイヤ352を分離して、全体直径をフック鞘222の第2の内径370よりも大きくする。これは、フックケーブル220がフック鞘222内にさらに移動することを防止する。
【0056】
図9Bに示すように、ロック鞘354は、フック鞘222を除いたフックケーブル220の長さ部分に沿って配置することができる。フックケーブル220の長さ部分は、2つのワイヤを含み、フックケーブルロック350は、フック鞘222を除いたフックケーブル220の長さ部分に沿って前進または後退することができる。フックケーブルロック350の尖棒358は、2つのワイヤ間にあり、外側部分356は、2つのワイヤを囲む。フックケーブルロック350の尖棒358が2つのワイヤの間にある場合、フックケーブル220は、フックケーブル220の外径がフック鞘222の第2の内径370よりも大きくなるように拡張される。この構成では、フックケーブル220が、フック鞘222から第2の端部322内に長手方向に移動することを防止する。一部の実施形態によれば、フックケーブルをロックするためのロック機構の特徴部は、欧州特許第1832250号明細書に記載された種類のものであり得、この特許は、参照により本明細書に援用される。
【0057】
一部の実施形態では、フックケーブル220は、適切な引張り強度を有し、生体適合性でもある材料から作製することができる。例えば、フックケーブル220は、単一のケーブルにまたは撚り線として形成される、ステンレス鋼、ニチノール(Nitinol)、MP3 5N(ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金)などの金属または金属合金で作製することができる。一部の実施形態では、フックケーブル220は、さらなる材料特性を付与するために、複合材料、ポリマーまたはプラスチックを含むことができる。フックケーブル220は、約0.508mm(0.020インチ)の幅からフック鞘の内径に一致する幅までの外径を有することができる。例示的な実施形態では、直径が0.635mm(0.025インチ)のフックケーブルが作製された。
【0058】
一部の実施形態では、ロック鞘354および/またはフックケーブルストッパ360は、長手方向に非圧縮性であり、さらに横方向など、長手軸に対して角度をなす方向に可撓性である任意の適切な材料から作製することができる。一部の実施形態では、ロック鞘354および/またはフックケーブルストッパ360は、剛性であり、フック鞘222内に収まるように成形することができる材料から作製することができる。一部の実施形態では、ロック鞘354および/またはフックケーブルストッパ360は、フックケーブル220と同じ材料から作製することができる。ロック鞘354および/またはフックケーブルストッパ360は、鋼から作製することができる。ロック鞘354および/またはフックケーブルストッパ360は、プラスチック被覆またはポリマー被覆などの被覆を含むことができる。一部の実施形態では、ロック鞘354および/またはフックケーブルストッパ360は、使いやすくするために色分けすることができる。
【0059】
図9Cは、図9Aおよび図9Bに示すフックアセンブリ210で使用できるフック341の側面図を示す。示すように、フック341は、シャンク342および端点343を含む。フック341は、シャンク342および端点343によってこれらの間に形成されたギャップ345を含むことができる。フック341は、物体がギャップ345内に配置できるように成形することができる。フック341は、シャンク342の一部分に沿って曲がり部349を含むことができる。シャンク342および端点343は、ギャップ345内に配置された物体がフック341に保持されるように構成することができる。例えば、端点343は、シャンク342の近くに配置することができ、シャンク342と接触することができる。フック341が展開するとき、端点343を使用して物体をギャップ345内に保持することができ、端点343およびシャンク342は、物体がフック341から解放されることを阻止するように成形することができる。シャンク342、端点343およびギャップ345は、フック341の輪郭347を画定することができる。一部の例では、フック341の輪郭347は、フック341が内視鏡の管腔に挿入され得るような大きさにされ得る。さらなる例では、フック341の輪郭347は、図9Aおよび図9Bに示すフック鞘222内に挿入されるのに適した大きさおよび/または形状を有することができる。フック341は、約1.0mm、約1.4mmもしくは約1.8mm~約2.2mm、約2.6mmもしくは約3.0mmの幅、または前述の値の任意の対間の幅であるが、さらなる寸法も考えられる輪郭347を画定することができる。
【0060】
図10は、カプセルアセンブリ212の側面図を示す。図10に示すように、カプセルアセンブリ212は、カプセル230、カプセルシャフト232およびハンドル234を含む。カプセル230、カプセルシャフト232およびハンドル234は、カプセルアセンブリ212を形成するように互いに取り付けられている。ハンドル234は、第1の端部420および第2の端部421を有する。カプセルシャフト232は、第1の端部414と、第2の端部416と、その間の長さ部分418とを有する。一部の実施形態では、カプセル230は、第1の端部410および第2の端部412を有する。第1の端部410は、カプセル230の内部への開口409を画定する。カプセルシャフト232の第1の端部414は、カプセル230の第2の端部412に取り付けられている。ハンドル234の第1の端部420は、カプセルシャフト232の第2の端部416に取り付けられている。
【0061】
カプセル230、カプセルシャフト232およびハンドル234は、それぞれ外径を有することができる。カプセル230、カプセルシャフト232およびハンドル234は、それぞれ内径を画定する内周穴を有することができる。組立後、カプセル230、カプセルシャフト232およびハンドル234は、カプセルアセンブリ212の長さに沿って連続する内周穴を形成するように、各カプセル230、カプセルシャフト232およびハンドル234の内周穴が直列に隣接した状態で組み立てることができる。
【0062】
一部の実施形態では、ハンドル234は、第1の端部420に配置された第1の制御ノブ436と、第2の端部421に配置された第2の制御ノブ438と、中央コア440とを有する。一部の実施形態では、ハンドル234は、第2の鞘442内に入れ子にされる第3の鞘444を含み、第2の鞘442は、中央コア440内に入れ子にされる。中央コア440は、ハンドル234の外側鞘を形成している。一部の実施形態では、ハンドル234は、フックアセンブリロック580を含むことができる。一部の実施形態では、ハンドル234は、引出し機構、回収機構または張力機構であり得る。一部の実施形態では、ハンドル234は、縮小または圧縮構成と、伸長または引き延ばし構成とを有することができる。
【0063】
図10に示すように、カプセルシャフト232は、通常、内径426および外径424を有する長尺状のチューブとして成形される。一部の実施形態では、カプセルシャフト232の内径426および外径424は、カプセルシャフト232の長さ部分418に沿った特定の地点で変わる。第1の端部414でのカプセルシャフト232の外径424および/または内径426は、第2の端部412でのカプセル230の内径404および外径422と同じ大きさにされ得る。一部の実施形態では、カプセルシャフト232は、カプセルシャフト232の長手軸に対して、またはカプセルシャフト232の長手軸を基準にして角度をなして撓むかまたは曲がることができる可撓性チューブとして構築される。カプセルシャフト232は、カプセルシャフト232の長さ418に沿った長手方向に非圧縮性であり得る。例えば、カプセルシャフト232は、金属またはプラスチックなどの弾性材料でできた密着コイルとして構築することができる。コイルは、コイルの長さに対して垂直な方向に撓むかまたは曲がることができる。密着したコイルは、長手方向に圧縮することを防止することができ、コイルは、カプセルシャフト232が長さ418に沿って伸びるかまたは延伸することを防止するために弾性であり得る。すなわち、カプセルシャフト232の長さ418は、カプセルシャフト232の構造によって設定長さに維持される。
【0064】
カプセルシャフト232は、内面429および/または外面430を被覆することができる。一部の例では、カプセルシャフト232がコイルとして構築された場合など、カプセルシャフトが内面429および/または外面430に沿って空間を有する場合、被覆がコイルの巻き間の空間を覆ってまたは埋めてカプセルシャフト232の内面429および/または外面430に沿って滑らかで一様な面をもたらすことができる。被覆は、カプセルシャフト232の内面429および外面430に沿った他の物体との摩擦を低減するように選択することができる。例えば、カプセルシャフト232の外面430には、食道組織または胃組織などの患者の組織との摩擦を低減するのに適した被覆を設けることができる。カプセルシャフト232の内面429には、カプセルシャフト232内に挿入できる物体、例えばすでに説明したフック鞘222などの取出し装置200のさらなる特徴部との摩擦を低減するのに適した被覆を設けることができる。被覆には、滑らかなプラスチックまたはポリマー被覆が含まれ得る。例えば、被覆は、摩擦係数が小さい滑らかな面をもたらす任意の適切な材料から形成することができる。被覆は、摩擦係数が小さい医療用材料から形成することができる。例えば、被覆には、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)または商品名テフロン(Teflon)(商標)で販売されているものなどのポリテトラフルオロエチレンなどの滑らかなプラスチックまたはポリマー被覆が含まれ得る。被覆は、熱可塑性プラスチックまたは熱可塑性エラストマーなどの溶融およびリフロー可能な材料を含むことができる。例えば、被覆は、商品名ペバックス(Pebax)(登録商標)で販売されているものなどのポリエーテルブロックレジンから形成することができる。
【0065】
図10に示すように、カプセル230は、形状が略円筒形であり、第1の端部410、第2の端部412、第1の部分406および第2の部分408を有する。示すように、カプセル230は、第1の部分406に沿った外径402と、第2の部分408に沿った外径422と、内径404を画定する内周穴とを有する。カプセル230は、体腔などの患者の体内へのカプセル230の挿入を容易にするように成形することができる。一部の例では、カプセル230の第1の端部410は、丸みを付けるかまたは先細りにすることができ、第2の端部412は、丸みを付けるかまたは先細りにすることができる。すなわち、カプセル230の内径および/または外径は、例えば、患者の内部にカプセル230を挿入するかまたは患者からカプセル230を引き出すのに寄与する適切な形状を画定するために、外径部422および内径部404に沿った様々な位置で大きさを変えることができる。カプセルの第1の部分406に沿った外径402は、カプセル230の長さに沿って実質的に一定であり得、第2の部分408に沿った外径422は、第2の端部412の近くで先細りにするなど大きさが変わる。一部の実施形態では、カプセル230の第2の部分408は、第1の部分406の外径402から、カプセルシャフト232の外径424と実質的に同じである大きさまで先細りになるかまたは小さくなる外径422を有することができる。
【0066】
カプセル230の第1の部分406は、カプセル230の内部の長さに沿って比較的一定の内径404を有することができる。一部の実施形態では、第2の部分408の内径は、内部においてカプセル230の第2の端部412の近くで先細りになっている。一部の実施形態では、第2の部分408は、第1の部分406の内径404から、カプセルシャフト232の内径426に実質的に同じである内径まで小さくなる先細りの内径を有する。
【0067】
一部の実施形態では、カプセル230は、単一の単体から形成することができる。すなわち、カプセルは、カプセル230全体を形成する連続した材料部片として形成することができる。別の例では、カプセル230は、カプセル230を形成する複数の構成要素から形成することができる。カプセル230を複数の構成要素から形成することで様々な付加的特徴部を得ることができる。これは、図11~14を参照して下記にさらに説明される。
【0068】
一部の実施形態では、カプセル230は、金属、プラスチックまたは他のポリマーなどの剛性で耐久性のある材料から構築することができる。例えば、カプセル230は、摩擦が小さく、滑らかな面をもたらす任意の適切な医療用材料から作製することができる。一部の実施形態では、カプセル230は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリカーボネート、PEEKまたはナイロンから形成することができる。一部の実施形態では、カプセル230は、物体を囲んで撓むかまたは変形することができ、さらにカプセル長さに沿って実質的に剛性かつ非圧縮性である可撓性材料から構築することができる。例えば、カプセル230は、患者の体内へのカプセルの前進を促進するように可撓性であり得る。カプセル230は、カプセル230の長手軸に対して角度をなして撓むことができる。一部の実施形態では、カプセル230は、チューブまたは管腔で形成することができる。一部の実施形態では、カプセル230は、コイル補強チューブまたはばねもしくはコイルを形成するために切れ目を入れたチューブから作製することができる。カプセル230は、カプセルの長さに沿ってセグメントを組み込むことができ、各セグメントは、セグメント間に空間を含む。空間は、カプセルが横方向に曲がるかまたは撓み、さらにカプセルの長さに沿って作用する圧縮力によってつぶれて、剛性構造を形成することを可能にする。
【0069】
カプセル230は、内径部404、428に沿ったカプセル230の面の一部分を覆うライナまたは被覆および/または外径部402、422に沿ったカプセル230の面の一部分を覆う被覆を有することができる。ライナまたは被覆は、低摩擦のまたは摩擦を小さくしたライナであり得る。低摩擦のまたは摩擦を小さくしたライナは、カプセル230が患者の体内に挿入されることを可能にするか、または物体がより小さい力でカプセル230に引き込まれることを可能にする。例えば、FEPまたは商品名テフロン(Teflon)(商標)で販売されているものなどのポリテトラフルオロエチレンでできた被覆をカプセル230の内径部404、428および/または外径部402、422の面に加えることができる。一部の実施形態では、カプセル230は、患者の内部にある間、放射線写真を使用してカプセル230を見ることを可能にする材料を含むことができる。
【0070】
図11Aおよび図11Bは、本開示の様々な態様によるカプセル230のさらなる例のそれぞれ斜視図および側面図を示す。図11Aおよび図11Bに示すように、カプセル230は、第1の部分406と、第2の部分408と、第1の端部410の近くに配置された第3の部分407とを含む。図11Bに示すように、第3の部分407は、カプセル230の内部への開口409を画定する。開口409は、カプセル230が、図6に示すアンカー110などの物体をカプセル230内に受け入れることを可能にする大きさおよび形状にされる。一部の実施形態では、第3の部分407は、第1の部分406の外径402と同じ外径411を有する。カプセル230の代替の構成も想定される。例えば、一部の例では、第3の部分407は、第1の部分406の外径402よりも大きい外径411を有する。一部の例では、第3の部分407は、第1の端部410の近くで最も幅広く、第1の部分406の近くで最も細い外径を有する。第3の部分407はまた、第1の端部410の開口409に近い部分で最も幅広く、第1の部分406の近くのより細い直径まで先細りになった内径を有することができる。第2の部分408は、第1の部分406に最も近い部分で最も幅広い外径422を有することができ、外径422は、第2の端部412の近くのより小さい外径まで先細りになっている。
【0071】
図11Bは、さらなる特徴部を示すための、カプセル230の一部分に沿った部分破断図を含む。示すように、カプセル230の少なくとも一部分は、矢印405によって示される軸に概ね一致する中心長手軸の周りで回転する1つの材料から形成されたコイル413を含む。別の例では、カプセルは、編組構造または織り構造に形成された材料を含むことができる。一部の実施形態では、コイル413は、カプセル230の本体を画定する。すなわち、コイル413は、第1の端部410から第2の端部412まで延び、カプセル230の全長を画定する。コイル413は、コイルの長さの部分に沿って大きくなったまたは小さくなった曲率半径を有することができる。コイル413は、例えば、第2の部分408および/または第3の部分407に沿って中心長手軸の方向に先細りになった外径を画定することができる。コイル413は、第1の部分406、第3の部分407および/または第2の部分408の長さに沿って延びる管腔を画定する内面を画定することができる。一部の例では、第3の部分407は、第1の端部部片から形成することができ、第2の部分408は、第2の端部部片から形成することができる。これは、下記にさらに説明される。
【0072】
一部の実施形態では、コイル413は、被覆をなくすことができ、コイル413は、カプセル230の外面および内面を画定する。図11Bに示すように、カプセル230は、カバー415を含むことができる。カバー415は、コイル413上に塗布された被覆であり得る。例えば、カバー415は、コイル上に塗布され、コイル413の外面および/または内面の周りで形成されるかまたは硬化することができるポリマーまたはレジンなどの被覆であり得る。カバー415は、コイルとは別に形成され、次いでコイル413に張り合わされるかまたは巻かれるフィルムであり得る。別の例では、カバー415は、コイル413とは別に押出成形され、次いで例えば被覆物としてコイルの表面に付加することができる。カバー415は、コイル413の各巻線間の空間を埋めて単体を形成することができ、滑らかな連続面がカプセル230の外面および/または内面を画定する。
【0073】
一部の例では、カバー415は、カプセル230を適切な形状に維持する剛性材料から形成される。別の例では、カバー415は、カプセル230が撓むかまたは曲がることができるように可撓性のまたは柔軟な材料から形成することができる。例えば、カバー415は、プラスチックまたはゴムなどのポリマーから形成することができ、このポリマーは、コイル413上に付加されて、カバー415を、コイル413を覆う連続層として維持しながら、カバー415がコイル413と共に曲がることを可能にする。カバー415は、カプセル230と接触することができる物体との摩擦を小さくする材料を含むことができる。一部の実施形態では、カバー415は、親水性材料を含むことができる。一部の実施形態では、カバー415は、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリホルムアルデヒド、商品名デルリン(Delrin)(登録商標)で販売されているものなどのポリオキシメチレンまたは商品名ペバックス(Pebax)(登録商標)で販売されているものなどのポリエーテルブロックレジンなどのポリマーを含むことができる。カバー415は、カプセル230が食道、胃または腸などの患者の体腔内を前進することができるように、または物体が最小限の力でカプセルに引き込まれることを可能にするように、摩擦係数が小さい材料を含むことができる。例えば、カバー415は、シリコン、FEPまたはテフロン(Teflon)(商標)などの材料を含むことができる。
【0074】
図12Aおよび図12Bは、それぞれコイル413の端面図および側面図を示し、さらなる特徴部を示す。コイル413は、円筒を形成するために中心長手軸の周りに巻かれた撚り線材料から形成することができる。図12Aに示すように、コイル413は、内面425および外面427を有する円筒を形成している。コイル413によって画定される円筒は、管腔を画定する内部空間を画定する。すでに開示されたように、一部の例では、コイル413の内面425および外面427は、カプセル230の内面425および外面を画定する。すなわち、一部の例では、コイル413の内面425および外面427は、さらなる構成要素で被覆されないかまたは覆われない。一部の例では、コイル413の外面427および/または内面425は、第2の材料で覆うことができる。第2の材料は、コイルの隣接する巻線間の空間を埋めてカプセル230の内側の一体連続面を画定することができる。例えば、コイルの外面427および/または内面425は、第2の材料からなる被覆またはライナで覆うことができ、または第2の材料は、コイル413に挿入され、カプセル230の内面を形成するチューブに形成することができる。例えば、カプセル230に引き込まれる物体の通路が滑らかで連続することを保証するために、第2の材料を使用して摩擦を小さくし、かつ/または耐摩耗性を有するようにすることができる。第2の材料は、親水性材料またはPTFEライナなどの付着しない材料であり得る。さらなる例では、図11Bに示すカバー415は、コイル413の外面427に付けることができ、カプセル230の外面を画定することができる。加えてまたは代わりに、カバー415は、コイル413の内面425に付けることができ、図11Aおよび図11Bに示すカプセル230の内面を画定することができる。例えば、カプセル230の内面を形成するために、コイル413の内面425に沿って含まれ得る第2の材料は、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリホルムアルデヒド、商品名デルリン(Delrin)(登録商標)で販売されているものなどのポリオキシメチレンまたは商品名ペバックス(Pebax)(登録商標)で販売されているものなどのポリエーテルブロックレジンなどのポリマーであり得る。コイル413の内面425は、付着しないかまたは摩擦係数の小さい第2の材料、例えばシリコン、FEPまたはテフロン(Teflon)(商標)などの材料で裏張りすることができる。
【0075】
図12Bに示すように、コイル413は、円筒を形成するために中心長手軸の周りに巻かれた撚り線材料から形成することができる。別の例では、コイルは、織りパターン、螺旋パターン、編組パターンまたは他のパターンなどのさらなるパターンに形成される撚り線材料から形成することができる。コイルの巻線は、密着することができ、一部の例では互いに接触することができ、これは、コイル413が中心長手軸に沿って圧縮されることを防止する。コイル413は、コイル413が中心長手軸に沿って伸びるかまたは延伸することを防止し、ギャップが隣接する巻線間で開くことを可能にするために弾性であり得る。コイル413の個々の巻線は、隣接して互いに接触することができ、さらにコイル413が中心長手軸に垂直な方向に曲がるかまたは撓むことができるように、中心長手軸に垂直な方向に互いに対して移動することができる。コイル413はまた、コイル413がコイル413の軸に向かって内方に圧縮されるかまたはつぶれることを阻止するために弾性であり得る。コイル413が中心長手軸に沿った圧縮および拡張に抗する場合、コイルの個々の巻線が分離して、隣接する巻線間でギャップが開き、ギャップが閉じるときにピンチポイントを形成することなく、コイル413を体腔内に挿入するかまたは体腔から回収することができる。
【0076】
コイル413は、弾性であり、連続する外面427および/または内面425を画定する円筒形状を維持し、さらに可撓性であり、そのため、中心長手軸に沿って撓むかまたは曲がることができるように構成することができる。一部の例では、コイル413は、コイル413の長さまたは円周に沿った力による拡張または圧縮に耐えるのに十分な弾性である。例えば、コイル413は、物体がコイル413に引き込まれるとき、中心長手軸の方向の圧縮または拡張に耐えるように弾性であり得る。コイル413はまた、物体がコイル413内に配置されている間、円周に沿った拡張または圧縮に耐えるように弾性であり得る。
【0077】
図12Aに示すように、コイル413は、内径部425と外径部427との間に画定される肉厚を有することができる。一部の例では、肉厚は、約0.05cm、約0.10cm、約0.15cm、約0.2cmまたは前述の値の任意の対間の値であるが、さらなる厚さも考えられる。例では、肉厚が約0.14cmのコイル413が形成された。コイル413の外面427は、コイル413の外径を画定する。一部の例では、コイル413の外径は、約0.50cm、約1.0cm、約1.5cm、約2.0cmまたは前述の値の任意の対間の値であるが、さらなる厚さも考えられる。一例では、外径が約1.4cmのコイル413が形成された。一部の例では、コイルの長さは、約5.0cm、約7.0cm、約11.0cm、約13.0cmまたは前述の値の任意の対間の値であるが、さらなる長さも考えられる。一例では、長さが約9.5cmのコイルが形成された。コイル413を構築するために使用される材料には、ポリマー、例えばプラスチックまたはゴムなどの弾性材料があり得る。さらに別の例では、コイル413は、チタン、ステンレス鋼または形状記憶合金などの金属または合金から作製することができる。例示的な実施形態では、コイル413は、ステンレス鋼を使用して形成された。
【0078】
図13Aおよび図13Bは、それぞれ第1の端部部片431の端面図および側面図を示し、第1の端部部片431は、一部の例において、図11Aおよび図11Bに示すカプセルの第3の部分407を形成する。図13に示すように、第1の端部部片431は、通常、第1の内面433および外面435を画定する円筒として成形される。図13Bは、第1の端部部片431を側面図で示す。図13Bに示すように、外面435は、図11Aおよび図11Bを参照して説明した第3の部分407の外径411と一致することができる第1の端部部片431の外径439を画定する。第1の端部部片431の第1の内面433も、図11Aおよび図11Bを参照して説明した第3の部分407の内径に一致する第1の内径441を画定する。示すように、第1の端部部片431は、外面427に沿うなど、図12Bに示すコイル413を囲んでフィットする大きさにされ得る第2の内径443を画定する第2の内面437を含む。一部の実施形態では、第1の端部部片431は、開口409の近くで内径が最も幅広く、開口409からより離れた地点で細くなる内径まで先細りとなった漏斗状であり得る。
【0079】
図14Aおよび図14Bは、それぞれ第2の端部部片445の端面図および側面図を示し、第2の端部部片445は、一部の例において、図11Aおよび図11Bに示すカプセルの第2の部分408を形成する。図14Aに示すように、第2の端部部片445は、中心長手軸に沿って見た場合に略円形である。第2の端部部片445は、通常、中心長手軸に沿って先細りとなった第1の内面447を画定する。
【0080】
図14Bは、第2の端部部片445の側面図を示す。図14Bに示すように、第2の端部部片445は、第1の端部457、第2の端部461を有し、図11Aおよび図11Bを参照して説明した第2の部分408の外径422に一致する第1の外径449を画定する。図14Bに示すように、第1の外径449は、第1の端部457に最も近い部分でより幅広く、第2の端部461に近い部分でより細いように先細りとなっている。第2の端部部片445は、第1の外径よりも細く、コイルの内面425によって画定される管腔内など、図12Aおよび図12Bに示すコイル413内に収まるような大きさにされる第2の外径451を有する。示すように、第2の端部部片445は、第1の端部457に近い部分に沿った第1の内径453と、第2の端部461に近い部分に沿った第2の内径455とを画定する。第1の内径453は、図10に示すカプセルシャフト232の内径426に一致することができる。第2の内径455は、カプセルシャフト232が第2の端部部片445の第2の端部461内に配置され得るように、図10に示すカプセルシャフト232の外径424に一致する大きさにされ得る。
【0081】
一部の実施形態では、第1の端部部片431および/または第2の端部部片445は、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリホルムアルデヒド、商品名デルリン(Delrin)(登録商標)で販売されているものなどのポリオキシメチレンまたは商品名ペバックス(Pebax)(登録商標)で販売されているものなどのポリエーテルブロックレジンなどのポリマーから作製することができる。加えてまたは代わりに、第1の端部部片431の第1の内面433および/または外面435など、第1の端部部片431および/または第2の端部部片445の面は、付着しないかまたは摩擦係数の小さい材料、例えばシリコン、FEPまたはテフロン(Teflon)(商標)などの材料を含むこともできる。
【0082】
特定の例では、図11Aおよび図11Bに示すカプセル230は、図12Aおよび図12Bに示すコイルと、図13Aおよび図13Bに示す第1の端部部片431と、図14Aおよび図14Bに示す第2の端部部片445とを組み立てることで形成される。例えば、第1の端部部片431は、コイル413の外面427が第1の端部部片の第2の内面437に隣接した状態でコイル413の一方の端部を第1の端部部片431に挿入することなどにより、コイル413の長さ部分を囲んで配置することができる。第2の端部部片445は、第2の端部部片445の第1の端部457をコイル413に挿入することなどにより、コイル413の長さ部分の内部に配置することができる。この構成では、第1の端部部片431は、図12Bに示すカプセル230の内部への開口409を画定する。
【0083】
図11Bに示す、カバー415を有するカプセル230の実施形態では、カバー415は、第1の端部部片431と一体化することができ、加えてまたは代わりに、第2の端部部片445と一体化することができる。すなわち、第1の端部部片431は、カバー415を有する連続する単体であるようにカバー415と一体に形成することができる。第1の端部部片431は、カプセル230が内側および外側に沿った滑らかな連続面を有するようにカバー415と一体に形成することができる。第2の端部部片445は、カバー415と連続するようにカバー415と一体に形成することもできる。カプセル230の内径は、第1の端部部片431の第1の内径441および/もしくはコイル413の内径により、かつ/または一部の例では例えばカバー415がコイル413の内面上にある場合にカバーにより画定することができる。カプセル230の外径は、第1の端部部片431の外径439、コイル413の外径および/もしくは第2の端部部片445の第1の外径449により、かつ/または一部の例では例えばカバー415がコイル413の外面上にある場合にカバー415により画定することができる。一部の例では、カプセル230の内径は、約0.50cm、約1.0cm、約1.5cm、約2.0cmまたは前述の値の任意の対間の値であるが、さらなる厚さも考えられる。一例では、内径が約1.1cmのカプセルが形成された。一部の例では、カプセル230の外径は、約0.8cm、約1.2cm、約1.7cm、約2.1cmまたは前述の値の任意の対間の値であるが、さらなる厚さも考えられる。一例では、外径が約1.5cmのカプセルが形成された。
【0084】
例えば、コイル413、または編組材料もしくは織り材料などの代替構造物を含む、本明細書で説明したカプセル230は、長手軸に沿って曲がるかまたは撓むことができる。取出しプロセス中、カプセル230は、患者の喉、食道、胃または腸などの体腔内に挿入することができる。カプセル230が曲がるかまたは撓むことができる場合、カプセル230は、曲がるかまたは撓むことができないカプセルと比較して、体腔の内部から挿入または格納されるときにより操作しやすくなる。曲がるかまたは撓むことができるカプセル230は、例えば、患者の喉または食道内で撓むかまたは曲がることにより、使用者が体腔内でカプセル230をより容易に操作するのに寄与することができる。曲がるかまたは撓むことができるカプセル230は、物体がカプセル230内に配置されるとき、使用者が、体腔を通るカプセル230をより容易に操作するのに寄与することもできる。あるいは、低摩擦係数を有する材料から形成された特定の面を有するカプセル230は、展開プロセスまたは取出しプロセスをより容易にするのに寄与することができる。例えば、シリコンまたはテフロン(Teflon)(商標)等のフッ化炭素などの付着しないかまたは低付着性の材料を含む被覆がカプセル230の前縁および/または内面上にある場合、物体は、そのような被覆がない場合よりもカプセル230に引き込むかまたはカプセルの内部から展開することができる。さらなる例として、付着しないかまたは低付着性の材料を含む被覆がカプセル230の外面にある場合、カプセル230は、そのような被覆のないカプセル230よりも体腔に挿入するかまたは体腔の内部から引き出すことができる。
【0085】
図15A~15Bは、様々な例示的カプセルの側面図であり、例えば上記のカプセル230に含めることができるさらなる特徴部を示す。図15Aは、カテーテル467を有し、先端具469を含むカプセル465の側面図であり、先端具469は、カプセル465の内部への開口に含まれ得る。一部の例では、先端具469は、図10に示すカプセル230の開口409に配置することができる。一部の実施形態では、先端具469は、カプセル465が内腔内などの移動路に沿ってより容易に前進するように、カプセル465の周辺に移行部を形成することができる。先端具469は、カプセル465の最も先の位置からカプセル465の外径部までの先細り移行部を形成することができ、内腔へのカプセル465の挿入を容易にする楔として機能することができる。先端具469はまた、カプセルが、内腔内に挿入されるなど、移動路に沿って前進するとき、物体がカプセル465に入ることを防止するようにカプセル465の開口を覆うことができる。一部の例では、カプセル465は、カプセル465の内部から装置を展開させるために使用される。例えば、図4に示すアンカー110および/またはスリーブ120は、カプセル465の内部から展開することができる。カプセル465が展開するとき、先端具469は、装置がカプセル465の内部から展開することを可能にするために除去されてもよい。
【0086】
図15Bおよび図15Cは、先端具をカプセルから除去することを容易にすることができる先端具およびカプセルの様々な例示的構造を示す。図15Bは、織り材料または複数のリブなどの複数の部片から形成することができる先端具479を有するカプセル477を示す。先端具479は、つぶすことができるため、大きさを縮小して、先端具479をカプセル477の内部に収めるのに寄与することができる。カプセル477が展開するとき、先端具479は、先端具479をつぶし、カプセル477内に格納することでカプセル477の第1の端部の開口から除去することができる。例えば、先端具479は、カテーテル467でつぶして、カプセル477内に案内することができる。図15Cは、単一の中実体として形成できる先端具483を有するカプセル481のさらなる例を示す。先端具483は、留め具485、例えば、ひもまたはクリップでカプセル481に連結することができる。カプセル481が例えば患者の体腔内で展開するとき、先端具483は、留め具485を解放して、先端具483をカプセル481から切り離すことでカプセル481の第1の端部の開口から除去することができる。例えば、留め具485は、先端具483をカプセル481に連結する縫糸であり得る。縫糸は、先端具483をカプセル481から切り離すために切断するかまたはほどくことができ、次いで、先端具483は、カプセル481から分離してカテーテル467から落下することができる。
【0087】
図16Aおよび図16Bは、先端具をカプセルの開口から除去し、装置をカプセルの内部から展開させることを容易にすることができる先端具およびカプセルの様々なさらなる構造を示す。図16Aは、カプセル491が患者の体腔内に配置されるときなど、カプセル491が展開するとき、複数の部片に割れるように構成された先端具493を含むカプセル491を示す。先端具493は、先端具493が割れてカプセル491から落下するようにするために使用できるリーシュ(図示せず)などの外部装置に連結することができる。図16Bは、例えば、カプセル495が展開するとき、カプセル495の開口から引き戻すことができる先端具497を含むカプセル495を示す。先端具497は、例えば、ばねを用いて、カプセル495の開口を覆う閉じた位置に維持することができる。先端具497を除去するかまたは開くために、先端具497は、カプセル495を越えて先端具497を引き戻すためのリーシュ499などの引き戻し装置によって制御することができる。この例では、カプセル495を越えて先端具497を引き戻すことで、先端具497は、カプセル495の内部を開通させてカプセル495の内部へのアクセスを可能にする。
【0088】
図17Aおよび図17Bは、先端具をカプセルの開口から除去し、装置をカプセルの内部から展開させることを容易にすることができる先端具およびカプセルの様々なさらなる構造を示す。図17Aは、先端具503を含むカプセル501を示し、先端具503は、先端具503を形成するために互いに連結できる複数の部分から形成されている。例えば、先端具503は、第1の部分505を含むことができ、第1の部分505は、第1の部分505を先端具503の残りの部分に取り付けることで、開口において先端具503を閉じた状態に維持するようにカプセル501の開口の周りの所定の位置に保持される。第1の部分505は、例えば、先端具503の残りの部分に糊付けまたは縫合することができる。図17Bは、先端具503がカプセル501の開口から除去されるカプセル501を示す。カプセル501が展開するとき、先端具503は、例えば、カプセル501を先端具503に通して前進させて、先端具503の各部分を互いから分離させることでカプセル501の開口から除去することができる。例えば、カプセル501は、先端具503を通って前進し、第1の部分505を先端具503の残りの部分に連結している縫糸または糊を破断することができる。先端具503の各部分が互いから分離した後、カプセル501は、先端具503に挿入されるようにさらに前進し、カプセル501の開口から先端具503を除去することができる。
【0089】
図18A~18Cは、先端具およびカプセルの様々なさらなる構造を示し、先端具およびカプセルは、カプセルの開口から先端具を除去することなく、カプセルの内部から装置を展開させるために使用することができる。例えば、スリーブ120および図4に示すアンカー110を有する胃腸装置100は、本明細書で説明した装置を使用してカプセルの内部から展開することができる。図18Aは、部分511から形成された先端具509を含むカプセル507を示し、部分511は、組み合わされて先端具509を形成している。例えば、先端具503は、布、プラスチックまたはゴムなどの柔軟なまたは弾性の材料から形成された部分511を含むことができる。先端具509は、カテーテルからカプセル507の大きい方の直径までの移行部を形成し、患者の体腔へのカプセル507の挿入を容易にすることを促進する。図18Aは、スリーブ120の一部分が先端具509の開口を通って、例えば先端具509の部分511間に配置されたカプセル507および先端具509を示す。この構成では、アンカーは、カプセル507が体腔に挿入されたとき、つぶれた構成でカプセル507内に保持されている。図18Bは、カプセル507から取り出されたスリーブ120と、部分的に展開した状態のアンカー110とを示す。図18Bに示すように、先端具509の部分511は、互いから分離することができ、カプセル507の開口から外方に移動することができる。この例では、先端具509は、アンカー110が先端具を通ることを可能にし、先端具509をカプセル507から除去することなく、アンカー110がカプセル507の内部から展開することを可能にする。図18Cに示すように、先端部分132は、カプセル507から展開し、カプセル507の外で拡張している。アンカー110の残りの部分も、先端具509を除去することなく、カプセル507の内部から展開することができる。この例では、カプセル507を使用して、先端具509をカプセル507から切り離すことなく、かつカプセル507の開口から先端具509を引き戻す機構を必要とすることなく、図6に示すスリーブ120およびアンカー110を有する胃腸装置100を患者の体内に展開させることができる。この例では、先端具509は、アンカー110が先端具509に押し通されるとき、断裂して先端具509の部分511が互いから分離することを可能にするスリットを備えた単体として形成することができる。このように、先端具509は、カプセル507が体腔を前進するときに連続体であり、次いで、先端具509は、アンカー110が展開するときに開く。
【0090】
図19は、図10に示すハンドル234の概略的な断面図である。ハンドル234は、図9Aおよび図9Bに示すフックアセンブリ210を図10に示すカプセルアセンブリ212に対して移動させる特徴部を含むことができる。一部の実施形態では、ハンドル234は、フックケーブル220の第1の端部310を図10に示すカプセル230に引き込むなど、フックアセンブリ210をカプセルアセンブリ212に対して前進または後退させることを容易にする特徴部を含む。一部の実施形態では、ハンドル234は、カプセルアセンブリ212および/またはフックアセンブリ210を互いに対して長手方向に移動させるために、回転動作を長手方向の動作に変換するように構成することができる。
【0091】
すでに説明したように、ハンドル234は、第1の端部420と、第2の端部421と、第1の端部420に配置された第1の制御ノブ436と、第2の端部421に配置された第2の制御ノブ438と、中央コア440とを有する。ハンドル234は、ハンドル234の長さに沿った長手軸を画定する。
【0092】
図19に示すように、第1の制御ノブ436は、内面450および外面452を有する。第1の制御ノブ436の内面450は、内径を画定し、外面452は、外径448を画定する。一部の実施形態では、第1の制御ノブ436の外径448は、第1の制御ノブ436の外面452の円周に沿って変わることができる。すなわち、第1の制御ノブ436は、第1の制御ノブ436の外面452から突出するかまたは起伏する、外面452に沿った特徴部を有することができる。特定の特徴部は、第1の制御ノブ436の外面452に沿って設けることができ、第1の制御ノブ436を中央コア440に対して周方向に回転させるときに使用者の把持を容易にする大きさおよび/または形状にされる。
【0093】
図19に示すように、第1の制御ノブ436は、第1の内径を有する第1の部分446と、第1の部分446の内径よりも幅広い第2の内径を有する第2の部分480とを有することができる。第1の制御ノブ436の第1の部分446に沿った内径は、第2の鞘442に合わせた大きさにされ得る。第1の制御ノブ436の第2の部分480に沿った内径は、中央コア440の一部分に合わせた大きさにされ得る。一部の実施形態では、第1の制御ノブ436の内面450は、ハンドル234の第1の端部420の近くで少なくとも内面450の第1の部分454に沿ってねじを切ることができる。第1の制御ノブ436の内面450は、中央コア440の近くの、第1の制御ノブ436の内面450の第2の部分456に沿って滑らかであり得る。第1の制御ノブ436の内面450の第1の部分454は、ねじを切ることができ、ねじは、滑らかである第2の部分456の面よりも内面に沿って高いねじ頂部(crest)を有する。すなわち、第1の部分454のねじは、第2の部分456の面よりも半径方向内側にさらに延びる頂部を有することができる。
【0094】
図19に示すように、第2の制御ノブ438は、内径を画定する内面460と、外径466を画定する外面462とを有する。一部の実施形態では、第2の制御ノブ438の外径466は、第2の制御ノブ438の外面462の円周に沿って変わることができる。すなわち、第2の制御ノブ438は、外面462から突出するかまたは起伏する、外面462に沿った特徴部を有することができる。特定の特徴部は、第2の制御ノブ438の外面462に沿って設けることができ、第2の制御ノブ438を中央コア440に対して周方向に回転させるときに使用者の把持を容易にする大きさおよび/または形状であり得る。
【0095】
図19に示すように、第2の制御ノブ438は、第1の内径を有する第1の部分464と、第1の部分464の第1の内径よりも幅広い第2の内径を有する第2の部分482とを有することができる。第2の制御ノブ438は、第3の鞘444に合わせた大きさにされる、第1の部分464に沿った第1の内径と、中央コア440の一部分に合わせた大きさにされる、第2の部分482に沿った第2の内径とを有することができる。一部の実施形態では、内面460は、中央コア440の近くの、内面460の第1の部分486に沿って滑らかであり得る。第2の制御ノブ438の内面460は、ハンドル234の第2の端部421の近くで少なくとも内面460の第2の部分468に沿ってねじを切ることができる。ねじを切られた第2の部分468は、内面460の滑らかな第1の部分486よりも高い頂部を含むねじを有することができる。すなわち、第2の部分468のねじは、第1の部分486の面よりも半径方向内側にさらに延びる頂部を有することができる。
【0096】
図19に示すように、中央コア440は、第1の端部494、第2の端部496、外面471および内面476を有する。外面471は外径472を画定し、内面476は、内径474を画定する。中央コア440の内面476は、ねじを切ることができる。一部の例では、内面476は、滑らかであり得る。例えば、内面476は、第2の鞘442の外面に沿ったねじと係合するようにねじを切ることができる。一部の例では、内面476は、滑らかであり、内径474は、第2の鞘442を中央コア440内にスライド可能に受け入れるのに十分に幅広い。
【0097】
図19に示すように、中央コア440の第1の端部494は、第1の制御ノブ436の内面450の第2の部分456に対応する嵌合部を有する、突起または突出部などの第1の保持特徴部488を含むことができる。第1の保持特徴部488は、第1の制御ノブ436を中央コア440上に保持することができる一方、第1の制御ノブ436が、中央コア440から外れることなく、中央コア440に対して回転または旋回することを可能にする。中央コア440の第2の端部496は、第2の制御ノブ438の内面460の第1の部分486に対応する嵌合部を有する、突起または突出部などの第2の保持特徴部490を有することができる。第2の保持特徴部490は、第2の制御ノブ438を中央コア440上に保持することができ、さらに第2の制御ノブ438が、中央コア440から外れることなく、中央コア440に対して回転または旋回することを可能にする。
【0098】
図19に示すように、中央コア440は、第1の端部494において、第1の制御ノブ436の第2の部分480の内径内に収まる大きさにされる外径を有する。中央コア440は、第2の端部496において、第2の制御ノブ438の第2の部分482の内径内に収まる大きさにされる外径を有する。中央コア440の第1の端部494は、第1の制御ノブ436の第2の部分480内に配置され、中央コア440の第2の端部496は、第2の制御ノブ438の第2の部分482内に配置されている。
【0099】
図20は、図10のハンドル234の概略的な側断面図であり、特定の特徴部を示す。示すように、ハンドル234は、第2の鞘442および第3の鞘444を含む。第2の鞘442は、第1の端部510と、第2の端部512と、その間の長さ部分514とを有する略円筒形の形状を有する。第2の鞘442は、外径516を画定する外面518と、内径520を画定する内面522とを有する。一部の実施形態では、第2の鞘442の第1の端部510は、カプセルシャフト232の第2の端部416に取り付けることができる。示すように、第2の鞘442の外径516は、図19に示す中央コア440の内径474内に収まる大きさにされる。第2の鞘442の外面518は、ねじを切ることができる。外面518は、第1の制御ノブ436の内面450の第1の部分454に配置されたねじと同じピッチでねじを切ることができる。例えば、第1の制御ノブ436の内面450は、雌ねじを有することができ、第2の鞘442の外面518は、内面450の第1の部分454上のねじなどの第1の制御ノブ436の内面450にあるねじと同じピッチを有する雄ねじを有することができる。一部の実施形態では、第2の鞘442の内面522は、滑らかであり得る。
【0100】
示すように、第3の鞘444は、第1の端部530と、第2の端部532と、その間の長さ部分534とを有する略円筒形の形状を有する。第3の鞘444は、第1の部分538を有し、第1の部分538は、第3の鞘の長さ部分534の一部分に沿った第1の外径を画定する第1の面536を有する。図20に示すように、第3の鞘444の第2の端部532は、第3の鞘444の第1の部分538に沿った第1の外径よりも細い外径を有する第2の部分550を有する。一部の実施形態では、第2の部分550は、ねじを切られた外面554を有する。第3の鞘444は、滑らかな外面556を有する第3の部分552を有する。第3の部分552の一部分は、第3の部分552の一部分の外径が、第2の部分550と直径が同じである最初の直径から、より細い最終的な直径に移行するように先細りとなった外径を有する移行部分558である。第3の部分552の一部分は、第3の部分552の幅を貫通して形成された、ハンドル234の長手軸に平行なスロット568を含む。
【0101】
第3の鞘444の第1の部分538に沿った第1の外径は、第2の制御ノブ438の第2の部分550の第1の内径部内に受け入れられる大きさにされる。一部の実施形態では、第3の鞘444の第1の部分538に沿った第1の外径は、第2の鞘442の内径520部内に受け入れられる大きさにされる。一部の実施形態では、第3の鞘444の第1の部分538の第1の面536は、ねじを切られる。第3の鞘444の第1の面536は、第2の制御ノブ438の内面460の第2の部分468上のねじと同じピッチでねじを切ることができる。例えば、第2の制御ノブ438の内面460の第2の部分468は、雌ねじを有することができ、第3の鞘444の第1の部分538の外面は、第2の制御ノブ438の内面460上の雌ねじと同じピッチを有する雄ねじを有することができる。
【0102】
図20に示すように、第3の鞘444は、第1の内面541を有する第1の部分540と、第2の内面543を有する第2の部分542とを含む。一部の実施形態では、第1の内面541および/または第2の内面543は、第3の鞘444の部分の第1の内径を画定する。第3の鞘444の第1の内径は、図9Aおよび図9Bに示すフックアセンブリ210を受け入れる大きさにされる。例えば、第3の鞘444は、フックアセンブリ210の外径よりも幅広い内径を有することができる。第3の鞘444の第1の内面541および/または第2の内面543は、比較的滑らかであり得る。一部の例では、フックアセンブリ210が展開するとき、フックアセンブリ210は、第3の鞘444内にスライド可能に受け入れることができる。一部の実施形態では、第3の鞘444の第1の内径は、ハンドル234の最も内側の直径を画定する。すなわち、第3の鞘444は、ハンドル234の半径方向に最も内側の部分であり、第3の鞘444の第1の部分540に沿った第1の内径は、ハンドル234の内径を画定する。
【0103】
一部の例では、第2の鞘442の外面518および第3の鞘444の第1の面536上のねじは、第1の制御ノブ436および第2の制御ノブ438の各回転に応じて、第2の鞘442および第3の鞘444を長手方向に適切な距離だけ前進させる適切なピッチ角を有する。第2の鞘442および第3の鞘444上のねじのピッチ角はまた、第1の制御ノブ436および第2の制御ノブ438が回転したとき、適切な量の力が長手方向に第2の鞘442および第3の鞘444に伝達されるような大きさにされ得る。第2の鞘442および第3の鞘444上のねじのピッチ角はまた、第1の制御ノブ436および第2の制御ノブ438の特定の回転動作量が、カプセルアセンブリ212および/またはフックアセンブリ210を中央コア440に対して前進させる適切な長手方向動作量をもたらすような大きさにされ得る。一部の実施形態では、ハンドル234は、第1の制御ノブ436および第2の制御ノブ438に加えられた回転力を第2の鞘442および/または第3の鞘444に対する長手方向力に変えるように構成される。第2の鞘442および/または第3の鞘444に作用する長手方向の力は、第2の鞘442および第3の鞘444を互いから伸長させ、カプセルアセンブリ212およびフックアセンブリ210を中央コア440に対して長手方向に伸長させる。カプセルアセンブリ212およびフックアセンブリ210に作用する長手方向の力は、約5.0ポンド力(22.2ニュートン)~約25.0ポンド力(111.2ニュートン)であり得る。一部の例では、カプセルアセンブリ212およびフックアセンブリ210に作用する長手方向の力は、約5.0ポンド力(22.2ニュートン)~約35.0ポンド力(155.7ニュートン)であり得る。例えば、カプセルアセンブリ212とフックアセンブリ210との間に作用する長手方向の力は、約5.0ポンド力(22.2ニュートン)、10.0ポンド力(44.5ニュートン)もしくは約15.0ポンド力(66.7ニュートン)~約25.0ポンド力(111.2ニュートン)、30.0ポンド力(133.4ニュートン)もしくは約35.0ポンド力(155.7ニュートン)、または前述の値の任意の対間の力であり得るが、さらなる値も想定される。
【0104】
本明細書において、「ねじ」または「ねじ山」は、円筒または円錐を螺旋の形状で覆う隆起として定義される。本明細書において、「ピッチ」は、1つのねじの頂部と次の頂部との間の距離として定義される。本明細書において、ねじの「リード」は、ねじの完全な1回転に対応してねじが移動する長手軸に沿った距離と定義される。すなわち、ねじのリードは、ねじが360°の回転を完了したときにねじ軸に沿ってねじが移動した長さである。本明細書において、「ピッチ角」は、ねじの水平断面におけるねじの角度である。ピッチ角はまた、ねじが360°で完全に1回転したのに応じて、ねじが移動する長手方向の距離をねじの直径で除した比率として表すことができる。
【0105】
図21Aは、図20に示す第3の鞘444の第2の端部532の概略図の側面図を示す。図21Aに示すように、第3の鞘444の第2の端部532は、第2の部分550の直径と大きさが同じである第1の外径560から、第2の端部532におけるより細い第2の外径まで縮小する直径を有する移行部分558を有することができる。第3の鞘444の第2の端部532の移行部分558は、滑らかな外面を有することができる。移行部分558は、第3の鞘444の第2の端部532を貫通し、移行部分558の長さに沿った距離だけ延長するスロット568を有するスロット付の長尺状部分を含むことができる。スロット568は、第3の鞘の外面556の外形全体にわたって形成することができる。すなわち、スロット568は、第3の鞘444の第2の端部532を突起570または指状体に分割し、スロット568は、突起570間にある。
【0106】
図21Bは、第2の端部532の近辺の第3の鞘444の概略図のさらなる側面図を示す。図21Bに示すように、第3の鞘444の第2の端部532は、フックアセンブリロック580を含むことができる。フックアセンブリロック580は、第1の端部584と、第2の端部586と、外径を画定する外面588とを有するキャップ582を含む。外面588は、使用者がフックアセンブリロックを第3の鞘444に対して回転させることを可能にする特定の特徴部、例えば突出部を含むことができる。キャップ582の外径は、図19に示す第2の制御ノブ438の内径564よりも大きい。フックアセンブリロック580は、第1の端部584の近くの第1の内径を画定する第1の内面590と、第2の内径を画定する第2の内面592と、第3の内径を画定する第3の内面594とを有する。一部の実施形態では、キャップ582の第1の内面590は、第3の鞘444の第2の部分550の外面554と同じねじでねじを切られている。示すように、キャップ582の第3の内面594は、キャップ582の第2の内径と同じである第1の直径から、キャップ582の第2の端部586の近くのより小さい最終的な内径まで幅が縮小するように先細りとなっている。示すように、キャップ582の第2の内面592および第3の内面594は、滑らかである。
【0107】
図20を参照してすでに説明したように、第3の鞘444は、ねじを切られた外面554を有する第2の部分550と、滑らかな外面556を有する第3の部分552とを有する。図21Bに示すように、フックアセンブリロック580を係合させるために、キャップ582は、第3の鞘444の第2の端部532を覆って置かれ、回転されて、第3の鞘444の外面554上のねじと係合する。キャップ582を回転させて、第3の鞘444の第2の端部532を覆うキャップ582をねじ込み、第3の鞘444に沿って第2の端部532から第1の部分538に向かってキャップ582を前進させることができる。キャップ582が第2の端部532の近くで第3の鞘444に沿って前進するとき、キャップ582の第3の内面594の先細りにより、第3の鞘444の第2の端部532が半径方向内側に圧縮され、第3の鞘444の第2の端部532の内径の大きさが小さくなる。突起570が内側に縮むため、第2の内面543は、フックアセンブリ210など、第3の鞘444の内径部内に配置された物体に押し付けることができる。図21Bに示す例では、フックアセンブリロック580は、口金と同様に使用される。フックアセンブリロック580は、第2の端部532でフックアセンブリ210を第3の鞘444にロックするために、クランプまたはクラスプなどの代替の構成を含むことができることも想定される。
【0108】
図22Aおよび図22Bは、いくつかの使用方法による様々な展開段階でのハンドル234の側面図を示す。ハンドル234は、第2の鞘442および第3の鞘444を中央コア440から離れる方向に伸長させることで、図20に示す格納構成から図22Aおよび図22Bに示す引き延ばし、または伸長構成に展開することができる。図22Aは、第3の鞘444を展開した状態で示し、図22Bは、第2の鞘442を展開した状態で示す。第2の鞘442および第3の鞘444は、第1の制御ノブ436および第2の制御ノブ438の一方または両方を回転させることで中央コア440から伸長する。
【0109】
図22Aに示すように、第2の制御ノブ438は、中央コア440の第2の端部496と接触している内面460の第1の部分486を有する。第1の部分486の面を滑らかにすることで、第2の制御ノブ438が、中央コア440に対して長手方向に移動することなく、中央コア440に対して回転することが可能になる。第2の制御ノブ438が中央コア440に対して回転すると、第2の制御ノブ438の内面460の第2の部分468上のねじは、第3の鞘444の第1の面536上のねじと係合し、第3の鞘444を長手軸に沿って中央コア440から前進または後退させる。第2の制御ノブ438を中央コア440に対して周方向に回転させることで、第3の鞘444は、中央コア440に対してハンドル234の長手軸に沿って伸長するかまたは格納される。
【0110】
図22Bに示すように、第1の制御ノブ436は、中央コア440の第1の端部494と接触している、内面450の滑らかな第2の部分456を有する。第1の制御ノブ436は、中央コア440に対して長手方向に移動することなく、中央コア440に対して回転することができる。第1の制御ノブ436が中央コア440に対して回転すると、第1の制御ノブ436の内面450の第1の部分454のねじは、第2の鞘442の外面518上のねじと係合し、第2の鞘442を長手軸に沿って前進または後退させる。第1の制御ノブ436を中央コア440に対して周方向に回転させることで、第2の鞘442は、中央コア440に対してハンドル234の長手軸に沿って伸長するかまたは格納される。
【0111】
一部の実施形態では、第2の鞘442は、中央コア440から離れる方向に約25.4mm(1.0インチ)~約127mm(5.0インチ)だけ伸長するように構成される。すなわち、第2の鞘442は、中央コアから伸長することができ、25.4mm(1.0インチ)~約127mm(5.0インチ)だけハンドル234の全長を伸ばす。一部の実施形態では、第3の鞘444は、中央コア440から約25.4mm(1.0インチ)~約127mm(5.0インチ)だけ伸長するように構成される。すなわち、第3の鞘444は、中央コアから伸長することができ、25.4mm(1.0インチ)~約127mm(5.0インチ)だけハンドル234の全長を伸ばす。
【0112】
一例では、ハンドル234が作製された。例として、ねじピッチ2.50mm、ねじのリード5.0mm、および内径21.40mmの第1の制御ノブ436が形成された。例として、ねじピッチ2.50mm、ねじのリード5.0mm、および内径14.0mmの第2の制御ノブ438が形成された。例として、ねじピッチ2.50mm、ねじのリード5.0mm、および内径11.4mmのキャップ582が形成された。
【0113】
本明細書で開示されるシステムは、1つまたは複数のねじを使用して、回転動作を長手方向の動作に変換する装置および方法を提供する。この構成は、長手軸に沿った制御可能な高い機械力をもたらすことが分かった。本明細書で開示される装置は、使用者が、管腔を含む取出し具などの長尺状の装置の遠隔端などに高い機械力を伝達することを可能にし、カプセルまたは管腔に取り付けられたカテーテル内に物体を受け入れることで、使用者が物体を取り付けかつ取り出すことを可能にする装置を提供する。第1の制御ノブ436および第2の制御ノブ438は、第1の制御ノブ436および第2の制御ノブ438に加えられた回転動作をそれぞれ第2の鞘442および第3の鞘444の直線動作または長手方向動作に変換するように構成されている。
【0114】
一例では、図8に示すように、展開構成において、図9Aおよび図9Bに示すフックアセンブリ210は、図10に示すカプセルアセンブリ212内にスライド可能に受け入れることができる。フックアセンブリロック580を使用して、フックアセンブリ210をハンドル234にロックすることができる。例えば、図9Bを参照して説明したように、フックケーブル220は、最初にフック鞘222内に挿入してロックすることができる。次に、フックアセンブリ210は、ハンドル234内にスライド可能に受け入れることができ、フックアセンブリロック580は、第3の鞘444の第2の端部532でフックアセンブリ210に係合して、これをロックすることができる。フックアセンブリ210が第3の鞘444の第2の端部532にロックされた状態で、第3の鞘444の第2の端部532を中央コア440に向かってまたは中央コア440から離れる方向に移動させることで、フックアセンブリ210は、カプセルアセンブリ212の残りの部分に対してスライドする。また、フックアセンブリ210が第3の鞘444の第2の端部532にロックされた状態で、第2の鞘442の第1の端部510を中央コア440に向かってまたは中央コア440から離れる方向に移動させることで、カプセルシャフト232およびカプセル230は、フックアセンブリ210に対してスライドする。展開の例示的な方法では、フックアセンブリ210が第3の鞘444の第2の端部532にロックされた状態で、第2の制御ノブ438を回転させて取付け特徴部340をカプセル230に引き込むことができ、第1の制御ノブ436を回転させて、取付け特徴部340を覆ったカプセル230を前進させることができる。
【0115】
すでに説明した取出し装置200は、図1~7にすでに示した胃腸装置100のアンカー110などのアンカー装置の取出しに使用することができる。さらなる例では、本明細書で開示される、アンカー装置を取り出すための取出し装置200および方法は、ステントまたは異物の、患者の消化管の内部からの取出しなどのさらなるまたは代替の用途に使用することができる。本明細書で開示される装置および方法は、異物を捕捉することおよび上記のカプセル230などのカプセル内に異物を格納することの両方において、大きい力を作用させることができるなどの特定の利点をもたらす。この利点は、ステントなどの異物が大きく、使用者が患者の体内から取り出すために小チューブもしくはカプセル内に物体を回収しようとする場合、または例えばステントなどの装置が患者の組織内に埋め込まれ、取り出さなければならない場合に特に有用である。
【0116】
一例では、例示的な胃腸インプラントは、拡張構成および縮小構成の両方を取ることができる。胃腸インプラントは、図6に示すようなアンカー110を使用することで患者の幽門内の所定の位置に保持することができる。図6を参照してすでに説明したように、アンカーは、患者の消化系内に配置し、消化系から取り出すために、つぶれた構成を取ることができる中空の管状編組構造体から形成することができる。一部の実施形態では、取出し装置200を使用して患者の体内からアンカー110を取り出すことができる。例えば、取出し装置200を使用して患者の胃、幽門または腸からアンカーを取り出すことができる。胃腸装置を患者の幽門から取り出すことに関連して本明細書で説明したが、本明細書で開示される方法は、本明細書で開示される装置を使用し、同様のステップを使用して患者の内部から異物または物体を取り出すために使用することができる。
【0117】
図23~27は、展開の方法をさらに説明するために、上記の取出し装置200を展開の様々な段階で示す。患者の内部に配置された、図7に示す胃腸装置100などの装置は、本明細書で説明した展開方法を使用して、患者の食道および喉などを通って内視鏡的に取り出すことができる。胃腸装置100は、本明細書で説明した展開方法を使用して、外科手術を行うことなく、例えば患者の身体を切開することなく患者の内部から取り出すことができる。
【0118】
図23は、患者の体内に配置された、図7を参照して説明した胃腸装置100を示し、アンカー110が胃16と腸18との間で幽門20に配置されている。一部の例では、内視鏡600を使用してアンカー110および引きひも192の位置を見ることができる。内視鏡600のチューブを使用してフックアセンブリ210および取付け特徴部340をアンカー110の引きひも192に向かって案内することもできる。次いで、取付け特徴部340を引きひも192に結合することができ、基端部分130をつぶすために取付け特徴部340をフック鞘222に引き込むことができる。
【0119】
図24は、内視鏡600が患者の内部から回収された後のカプセルアセンブリ212およびフックアセンブリ210を示す。取付け特徴部340は、引きひも192に結合され、内視鏡600は、フックアセンブリ210の周囲から離れてカプセルアセンブリ212に置き換えられている。カプセルアセンブリ212は、第2の端部(図9Aに示すフックケーブル220の312)をカプセル230の開口409に挿入することでフックアセンブリ210を覆って配置することができ、カプセルアセンブリ212は、カプセル230が取付け特徴部340の近くに配置されるまで、患者の体内を前進してフックアセンブリ210を囲むことができる。カプセルアセンブリ212は、カプセル230の開口409が基端部分130の近くに配置された状態で配置することができ、カプセル230の開口409が基端部分130と接触して配置された状態で配置することができる。取付け特徴部340は、患者の外に残ったフックアセンブリ210の第2の端部(図9Aに示す312)を引くなどして、カプセル230に引き込むことができる。取付け特徴部340は、カプセル230に引き込まれて、基端部分130がカプセル230の開口409に接触するまで、基端部分130を引き込むことができる。基端部分130がカプセル230の外に残ったまま、取付け特徴部340をカプセル230に引き込むことで引きひも192が基端部分から引き込まれ、基端部分130が半径方向につぶれる。基端部分130がつぶれて、外径がカプセル230の内径よりも小さくなると、基端部分130は、カプセルアセンブリ212を通るフックアセンブリ210をさらに引き込むなどしてカプセル230に引き込むことができる。
【0120】
図25は、基端部分130がカプセル230に引き込まれた後のアンカー110を示す。示すように、首部分134は、カプセル230に引き込むことができる適切な大きさである。あるいは、カプセル230は、押されて首部分134を覆うこともできる。例えば、取付け特徴部340によってアンカー110に依然として取り付けられている(図9Aに示す)フックアセンブリ210を保持する一方、カプセルアセンブリ212を長手軸に沿って押かすことでカプセル230が押されてアンカー110を覆い、首部分134を覆う。
【0121】
図26は、カプセル230が押されて、アンカー110の首部分134と、先端部分(図4に示す132)などのアンカー110の残りの部分とを覆った後のカプセル230を示す。示すように、カプセル230は、例えば、腸18に入り込むまで押して幽門20に通すことができる。一部の例では、カプセル230は、押されて先端部分(132)を覆い、先端部分132をつぶすことができる。カプセル230は、押されて、カプセル230を囲む幽門20を通り、アンカー110の先端部分(132)を囲んで先端部分をつぶすことができる。
【0122】
図27は、患者から回収されている胃腸装置100を示す。胃腸装置100は、カプセルアセンブリ212を引き込んで、内部に配置されたアンカーと共にカプセル230を引き込むことで患者の内部から引き出すことができる。アンカー110を引き込むことで、アンカー110に取り付けられたスリーブ120が引き込まれる。胃腸装置100は、患者の食道および喉を通って患者から引き出すことができる。
【0123】
図28~39は、使用方法を説明するために、上記の取出し装置200を展開の様々な段階で示す。図28~39は、使用され得る様々なステップを患者の内部の取出し装置200の各部分を示す図で示し、患者の内部の異なる角度などの別の視点からの展開ステップを示す差込図、および/または取出し装置200のうちの患者の外に残った部分を操作するための展開ステップを示す、患者の外からの差込図を含む。
【0124】
図28は、患者の体内で胃と腸との間の幽門に配置された、図6を参照して説明したアンカー110を示す。図28に示すように、一部の実施形態では、内視鏡600は、患者に挿入することができ、内視鏡600を使用してアンカー110および引きひも192の位置を視認することができる。図28は、内視鏡の視点からの別の図である差込図を含む。引きひも192は、基端部分130および/またはアンカー110をつぶす方法を実現するために基端部分130内に組み込むことができる。
【0125】
図29は、内視鏡チューブに挿入されたフックケーブル220を含むフックアセンブリ210を示す。内視鏡600を使用して、引きひも192を視認しながら取付け特徴部340を案内することができる。図29の差込図に示すように、内視鏡600を使用して取付け特徴部340を案内し、取付け特徴部340を引きひも192に取り付けることができる。
【0126】
図30は、引きひも192に取り付けられた取付け特徴部340を示す。取付け特徴部340を引きひも192に取り付けた後、取付け特徴部340は、(図9Aに示す)フックケーブル220の第2の端部312を引くことでフック鞘222に格納することができる。フック鞘222を所定の位置に維持しながら、フックケーブル220の第2の端部312を引くことで取付け特徴部340がフック鞘222に格納され、引きひも192もフック鞘222内に運ばれる。フック鞘222の第1の端部320が細すぎるため、アンカー110の基端部分130は、拡張構成を取りながらフック鞘222内に入ることができない。引きひも192をフック鞘222にさらに引き込むことで引きひも192が基端部分130から離れる方向に引かれ、これは、基端部分130の大きさを縮小させる。引きひも192は、アンカー110からさらに引き出すことができ、これは、基端部分130が縮小構成に移行するまで基端部分130をさらにつぶす。
【0127】
図31は、フック鞘222の第2の端部322に向かってフックケーブル220に沿って前進するロック鞘354を示す。一部の例では、フックケーブル220およびフック鞘222は、互いに対して長手方向に移動することを防止するために共にロックすることができる。一部の例では、フックケーブル220およびフック鞘222は、単一の統合構造として形成され、フックアセンブリ210を含むことができる。一部の例では、フックケーブルロック350は、フックケーブル220およびフック鞘222を共にロックしてフックアセンブリ210を形成するために使用することができる。図9を参照してすでに説明したように、一部の実施形態では、ロック鞘354を使用して、フックケーブル220がフック鞘222の第2の端部322の方にフック鞘222内をさらに前進することを防止することができる。一部の実施形態では、内視鏡600は、患者から取り出すことができる。内視鏡600は、フックアセンブリ210を患者の内部の所定の位置に残して患者から取り出すことができる。
【0128】
図32は、患者の体外に残ったフックケーブル220の第2の端部312がカプセルアセンブリ212に挿入されることを示す。フックケーブル220は、フックケーブル220の第2の端部312をカプセル230の第1の端部410に挿入することでカプセルアセンブリ212に挿入することができる。フックケーブル220がカプセルアセンブリ212に挿入された後、カプセルアセンブリ212は、患者の内部に挿入されて、適切な位置に達するまで前進することができる。カプセルアセンブリ212は、依然として患者の内部の所定の位置にあるアンカー110に取り付けられたフックケーブル220を覆ったカプセルアセンブリ212を前進させることで所定の位置に案内される。カプセルアセンブリ212は、カプセルアセンブリ212をフックアセンブリ210の外面に沿って前進させることで患者に挿入することができる。すなわち、フックアセンブリ210は、静止した状態に保つことができる一方、カプセルアセンブリ212は、フックアセンブリ210を囲んで前進する状態で患者の体内を前進する。このようにして、カプセルアセンブリは、アンカー110に隣接する位置に案内される。
【0129】
図33は、患者の内部に配置され、フックケーブル220を囲んだカプセルアセンブリ212を示す。カプセルアセンブリ212は、患者の内部の所定の位置にあり、フックアセンブリ210は、引きひも192に取り付けられている。図28の差込図に示すように、カプセルアセンブリ212が所定の位置を取ると、フックアセンブリロック580を係合させて、フックアセンブリ210をカプセルアセンブリ212に対して長手方向にロックすることができる。図21Bを参照してすでに説明したように、フックアセンブリロック580のキャップ582を回転させることで第3の鞘444の第2の端部532の内径が縮まる。フックケーブルストッパ360がフックアセンブリロック580内にある状態で第3の鞘444の第2の端部532の内径を小さくすることにより、第3の鞘およびフックケーブル220が共にロックされ、フックケーブル220が第3の鞘444の第2の端部532にロックされる。これはまた、フックアセンブリ210およびカプセルアセンブリ212を互いに対して長手方向に結合する。一部の実施形態では、医療従事者に視認させるために内視鏡を患者に再度挿入することができる。
【0130】
図34は、第2の制御ノブ438が中央コア440に対して回転することを示す。図22Aおよび図22Bを参照してすでに説明したように、第2の制御ノブ438を回転させることで第3の鞘444の第2の端部532が中央コア440に対して移動する。第2の制御ノブ438を回転させて、第3の鞘444の第2の端部532を中央コア440から離れる方向に伸長させ、ハンドル234の長さを伸ばすことができる。図34に示すように、第2の鞘442の第1の端部510は、カプセルシャフト232に取り付けられる一方、カプセルシャフト232は、カプセル230に取り付けられている。フック鞘222、カプセルシャフト232およびカプセル230は、非圧縮性であり、かつフックアセンブリ210は、第3の鞘444の第2の端部532に取り付けられているため、第3の鞘444の第2の端部532を中央コア440から離れる方向に伸長させることでフックアセンブリ210がカプセルシャフト232を通って引き込まれる。これにより、フックケーブル220は、引きひも192をフック鞘222にさらに引き込み、アンカー110の基端部分130がつぶれる。フックケーブル220は、基端部分130が完全につぶれるまでフック鞘222に引き込むことができる。
【0131】
図35は、アンカー110の基端部分130がつぶれ、カプセル230と一列に整列していることを示す。アンカー110の基端部分130がつぶれると、基端部分130は、カプセル230に引き込むことができる。図36は、基端フランジがカプセル230の内部に完全に収容され、カプセル230が患者の幽門を貫通していることを示す。基端フランジがつぶれた後、アンカー110の首部分をカプセル230に引き込むことができる。さらに第1の制御ノブ436を回転させることにより、第2の鞘442は、中央コア440から離れる方向に伸長し、カプセル230が押されてアンカー110を覆う。図37に示すように、カプセル230は、先端部分132に押し当たって先端部分132をつぶすまでさらに前進することができる。図38に示すように、アンカー110全体をカプセル230に引き込むことができる。アンカー110が完全につぶれた構成を取り、カプセル230の内部に収容された状態で胃腸装置100を患者の内部から取り出すことができる。図39に示すように、胃腸装置100は、取出し装置200を患者から引き出すことで患者の内部から取り出すことができる。
【0132】
本明細書で説明した装置および方法を使用して、患者の内部から胃腸装置を取り出すことができる。一部の実施形態では、本明細書で開示される装置および方法を使用して、患者の内部から様々な異物を取り出すことができる。通常、装置は、胃腸アンカーに付いた引きひもなどの物体に取り付けるための取付具または固定装置を含む。取付具または固定装置は、カプセルまたは管腔に引き込むことができ、カプセルまたは管腔は、異物の取り出しを容易にするために異物の全体的な大きさを縮小させる。取付け具または固定装置が異物に取り付けられるかまたは異物を囲むと、カプセルまたは管腔は、前進して物体を覆うことができる。
【0133】
一部の実施形態では、本明細書で開示される装置は、変形することなく、かなりの圧縮力に耐えることができる剛性シャフトを提供する。また、本明細書で開示される装置は、異物の取り出しを容易にする、保護管腔装置に異物を引き込むための機構を提供する。本明細書で開示される実施形態は、取付け特徴部のためのケーブルと、ケーブルと保護管腔装置との間に長手方向の力を作用させる手段とを提供する。本明細書で開示されるハンドル構造およびシャフト特性は、フックをカプセルに引き込むために、使用者がかなりの量の力を作用させることを可能にする。上記に開示されたハンドルは、ピッチが浅いねじ山を使用して、きわめて高い引張り力をケーブルに付与するために使用することができる。すなわち、本明細書で開示される構造は、ハンドルが浅いピッチ角のねじ山を実装することを可能にし、浅いピッチ角のねじ山は、大きい力を伝達して、使用者がフックをカプセルに引き込むことを可能にし、さらにねじを回転させるのに比較的小さい円周力のみを必要とする。適切なねじピッチを使用して、制御ノブの各回転にわたって高いてこ効果をもたらすことができるハンドルを得ることができる。したがって、本明細書で開示される装置および方法を使用して、患者の内部から異物を回収するために高い引張り力を伝達することができる取出し装置が得られる。
【0134】
一部の実施形態では、本明細書で開示される装置および方法は、消化管の外傷を最小限にして、患者の消化管に対して医療装置を送達および/または取り出すことができる内視鏡的取出しシステムを提供する。送達および/または取出しシステムは、インプラントを保持する先端カプセルと、ガイドワイヤを覆ってたどるスリーブ送達カテーテルと、インプラントを展開するためのハンドルとを含むことができる。取出しシステムは、インプラントに付いた引きひもに係合するスルーザスコープ(TTS:through-the-scope)取出しカテーテルを使用することができる。インプラントが係合すると、スコープは、取り出され、先端カプセルを有する第2のカテーテルがTTSカテーテルを覆って前進し、インプラントをカプセルに格納する。インプラントがカテーテルに完全に格納されると、インプラントは取り出される。一部の実施形態では、送達または取出し方法は、実施するのに25分未満を要する。
【0135】
本発明の範囲から逸脱することなく、説明した例示的な実施形態に対する様々な修正形態および追加形態がなされ得る。例えば、上記の実施形態は、特定の特徴について言及したが、本発明の範囲は、特徴の様々な組み合わせを有する実施形態および上記の特徴のすべてを含むとは限らない実施形態を含むこともできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C
図19
図20
図21A
図21B
図22A
図22B
図23
図24
図25
図26
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図39