(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】薬物組成物およびその製造方法と使用
(51)【国際特許分類】
A61K 9/36 20060101AFI20220323BHJP
A61K 9/44 20060101ALI20220323BHJP
A61K 9/24 20060101ALI20220323BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20220323BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20220323BHJP
A61K 31/198 20060101ALI20220323BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
A61K9/36
A61K9/44
A61K9/24
A61K47/38
A61K47/32
A61K31/198
A61P25/16
(21)【出願番号】P 2020545314
(86)(22)【出願日】2019-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2019076491
(87)【国際公開番号】W WO2019165993
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2020-10-06
(31)【優先権主張番号】201810166976.4
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520255676
【氏名又は名称】シャンハイ ダブリュディー ファーマシューティカル カンパニー,リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166165
【氏名又は名称】津田 英直
(72)【発明者】
【氏名】リャンチャン トン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シーシャン
【審査官】伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-532655(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102293760(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0243036(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物プル層を含有する錠コアおよびコーティング膜を含む薬物組成物であって、前記のコーティング膜は酢酸セルロースおよびコポビドンを含み、前記酢酸セルロースの重量は前記コーティング膜の重量の50~90%で
あり、前記コポビドンの重量は前記コーティング膜の重量の10~50%で
あり、
ここで、前記コポビドンは、モル比が40:60~80:20のビニルピロリドンと酢酸ビニルを重合させる工程を含む方法によって製造されたものであ
り、
そして前記錠コアがさらに浸透プッシュ層を含み、前記浸透プッシュ層が、親水性重合体、浸透剤およびバインダーを含むことを特徴とする薬物組成物。
【請求項2】
前記薬物プル層は活性薬物成分および補助材を含み、前記活性薬物成分はレボドパ、カルビドパ、バクロフェン、アシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、メトホルミンおよびガバペンチンのうちの1種または複数種で
;又は
前記コポビドンの製造方法では、前記ビニルピロリドンと前記酢酸ビニルのモル比は50:50~70:30であ
り;又は
前記浸透プッシュ層における親水性重合体はκ-カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはポリエチレンオキサイドであり、そして前記親水性重合体の分子量は75,000~7,500,000であり、そして重量百分率は25~85%であり;又は
前記浸透プッシュ層における浸透剤は硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、マンニトール、尿素、ソルビトール、イノシトール、ショ糖およびブドウ糖のうちの1種または複数種であり、前記浸透剤の重量百分率は5~65%であり;又は
前記のバインダーはメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポビドンおよびゼラチンのうちの1種または複数種であり、前記バインダーの重量百分率は3~20%であることを特徴とする請求項
1に記載の薬物組成物。
【請求項3】
前記コポビドンの製造方法では、前記ビニルピロリドンと前記酢酸ビニルのモル比は60:40で
あり;
又は
前記活性薬物成分はレボドパおよび/またはカルビドパを含み
;又は
前記補助材は充填剤、浸透剤、親水性重合体、バインダー、潤滑剤、防腐剤、調味剤、酸味料および酸化防止剤のうちの1種または複数種で
あり、又は
前記浸透プッシュ層は親水性重合体、浸透剤、バインダー、潤滑剤および着色剤を含むことを特徴とする請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記活性薬物成分がレボドパを含む場合、前記レボドパの重量百分率は20~70%で
であり、前記活性薬物成分がカルビドパを含む場合、前記カルビドパの重量百分率は0~20%であるが、0%ではなく、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で
あり;又は
前記補助材が充填剤を含む場合、前記充填剤は微晶質セルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびマンニトールのうちの1種または複数種であり、前記充填剤の重量百分率は0~50%であるが、0%ではなく;又は
前記補助材が浸透填剤を含む場合、前記の浸透剤は硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、マンニトール、尿素、ソルビトール、イノシトール、ショ糖およびブドウ糖のうちの1種または複数種であり、前記浸透剤の重量百分率は0~50%であるが、0%ではなく;又は
前記の補助材が親水性重合体を含む場合、前記親水性重合体はヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンおよびヒドロキシエチルセルロースのうちの1種または複数種であり、前記親水性重合体の重量百分率は0~50%であるが、0%ではなく;又は
前記の補助材が酸味料を含む場合、前記の酸味料はクエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リンゴ酸、フマル酸、乳酸、リン酸、および酒石酸のうちの1種または複数種であり、前記酸味料の重量百分率は0~10%であるが、0%ではなく;又は
前記浸透プッシュ層が潤滑剤を含む場合、前記の潤滑剤はステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルマグネシウム、タルク粉およびコロイダルシリカのうちの1種または複数種であり、前記潤滑剤の重量百分率は0~2%であるが、0%ではなく;又は
前記浸透プッシュ層が着色剤を含む場合、前記の着色剤はベンガラ、黄酸化鉄および黒酸化鉄のうちの1種または複数種であり、前記着色剤の重量百分率は0~5%であるが、0%ではないことを特徴とする請求項3に記載の薬物組成物。
【請求項5】
前記活性薬物成分がレボドパを含む場合、前記レボドパの重量百分率は35~55%で
あり、前記活性薬物成分がカルビドパを含む場合、前記カルビドパの重量百分率は5~15%で
あり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で
あることを特徴とする請求項4に記載の薬物組成物。
【請求項6】
前記浸透プッシュ層はカルボキシメチルセルロースナトリウム、
Kollidon(登録商標)K30、ソルビトール、ベンガラおよびステアリン酸マグネシウムを含み、あるいは
前記浸透プッシュ層はカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、ベンガラおよびステアリン酸マグネシウムを含
むことを特徴とする請求項
1~5のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項7】
前記コーティング膜の外にさらに外コーティングがあ
る、請求項1~6のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項8】
前記外コーティングは活性薬物成分および補助材を含み、前記活性薬物成分はレボドパおよび/またはカルビドパを含み、
そして前記補助材はヒドロキシプロピルセルロース、アスパルテームおよびペパーミントエッセンスのうちの1種または複数種であ
る、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記活性薬物成分がレボドパである場合、前記レボドパの重量百分率は0~75%であるが、0%ではなく、前記活性薬物成分がカルビドパである場合、前記カルビドパの重量百分率は0~93%であるが、0%ではなく、前記外コーティングの補助材がヒドロキシプロピルセルロースを含む場合、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は2~20%であり、前記外コーティングの補助材がアスパルテームを含む場合、前記アスパルテームの重量百分率は0~5%で
あるが、0%ではなく、前記外コーティングの補助材がペパーミントエッセンスを含む場合、前記ペパーミントエッセンスの重量百分率は0~5%で
あるが、0%ではなく、前記重量百分率は各成分の外コーティングにおける重量百分率であることを特徴とする請求項
1~5のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項10】
前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の2.0%以上であり、前記コーティング膜に1個~複数個の出口孔があり、前記出口孔の直径は0.5mm~1.0mm
である、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の2.0~15.0%
又は4.0~8.0%であることを特徴とする請求項
10に記載の薬物組成物。
【請求項12】
前記薬物プル層はレボドパ、カルビドパ、微晶質セルロース、マンニトール、クエン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを含み
;又は
前記薬物プル層はレボドパ、微晶質セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびステアリン酸マグネシウムを含み
;又は
前記薬物プル層はレボドパ、カルビドパ、マンニトール、クエン酸およびステアリン酸マグネシウムを含み;又は
前記薬物プル層はレボドパ、カルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、クエン酸およびステアリン酸マグネシウムを含み
;又は
前記薬物プル層はレボドパ、カルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、クエン酸および
Kollidon(登録商標)K30を含み
;又は
前記薬物プル層はレボドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、
Kollidon(登録商標)K30、ステアリン酸マグネシウム、ペパーミントエッセンスおよびアスパルテームを含み
;又は
前記薬物プル層はレボドパ、マンニトール、
Kollidon(登録商標)K30およびステアリン酸マグネシウムを含み;又は
前記薬物プル層はレボドパ、カルビドパ,ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、アスパルテームおよびステアリン酸マグネシウムを含み
;又は
前記薬物プル層はレボドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、ステアリン酸マグネシウム、ペパーミントエッセンスおよびアスパルテームを含み
;又は
前記薬物プル層はレボドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、
Kollidon(登録商標)K30、ステアリン酸マグネシウムおよびアスパルテームを含み、
;又は
前記外コーティングはレボドパ、カルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、アスパルテームおよびペパーミントエッセンス
を含み;又は
前記外コーティングはレボドパ、カルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロースおよびアスパルテーム
を含み;又は
前記外コーティングは、カルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロースおよびアスパルテームを含み;又は
前記外コーティングはレボドパ、ヒドロキシプロピルセルロースおよびペパーミントエッセンス
を含むことを特徴とする請求項
1~11のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項13】
前記薬物プル層が
40wt%レボドパ、
10.8wt%カルビドパ、
20wt%微晶質セルロース、
18.7wt%マンニトール、
5wt%クエン酸、
5wt%ヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウムおよび
0.5wt%ステアリン酸マグネシウム
から構成され;又は、
前記薬物プル層が
38wt%レボドパ、
50wt%微晶質セルロース、
10wt%ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび
2wt%ステアリン酸マグネシウム
から構成され;又は
前記薬物プル層が
19.5wt%レボドパ、
20wt%カルビドパ、
50wt%マンニトール、
10wt%クエン酸および
0.5wt%ステアリン酸マグネシウムから
構成され;又は
前記薬物プル層が
40wt%レボドパ、
10.8wt%カルビドパ、
31wt%ヒドロキシプロピルセルロース、
12.7wt%マンニトール、
5wt%クエン酸および
0.5wt%ステアリン酸マグネシウム
から構成され;又は
前記薬物プル層が
40wt%レボドパ、
10.8wt%カルビドパ、
31wt%ヒドロキシプロピルセルロース、
12.7wt%マンニトール、
5wt%クエン酸および
0.5wt%Kollidon(登録商標)K30
から構成され;又は
前記薬物プル層が
45wt%レボドパ、
31wt%ヒドロキシプロピルセルロース、
16wt%マンニトール、
5wt%Kollidon(登録商標)K30、
1wt%ステアリン酸マグネシウム、
1wt%ペパーミントエッセンスおよび
1wt%アスパルテームから
構成され;又は
前記薬物プル層が
70wt%レボドパ、
9wt%マンニトール、
20wt%Kollidon(登録商標)K30および
1wt%ステアリン酸マグネシウムから
構成され;又は
前記薬物プル層が
20wt%レボドパ、
20wt%カルビドパ、
50wt%ヒドロキシプロピルセルロース、
4wt%マンニトール、
5wt%アスパルテームおよび
1wt%ステアリン酸マグネシウムから
構成され;又は
前記薬物プル層が
45wt%レボドパ、
31wt%ヒドロキシプロピルセルロース、
17wt%マンニトール、
5wt%Kollidon(登録商標)K30、
1wt%ステアリン酸マグネシウムおよび
1wt%アスパルテームから
構成され; 又は
前記薬物プル層が
45wt%レボドパ、
31wt%ヒドロキシプロピルセルロース、
12wt%マンニトール、
5wt%Kollidon(登録商標)K30、
5wt%ステアリン酸マグネシウム、
1wt%ペパーミントエッセンスおよび
1wt%アスパルテームから
較正され;又は
前記薬物プル層が
45wt%レボドパ、
31wt%ヒドロキシプロピルセルロース、
22wt%マンニトール、
0.9wt%ステアリン酸マグネシウム、
1.0wt%ペパーミントエッセンスおよび
0.1wt%アスパルテームから
構成され;又は
前記コーティング膜は重量百分率50%の酢酸セルロース膜および重量百分率50%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、
又は
前記コーティング膜は重量百分率70%の酢酸セルロース膜および重量百分率30%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、
又は
前記コーティング膜は重量百分比60%
の酢酸セルロース膜および重量百分率40%
のKollidon(登録商標)VA64からなり、
又は
前記コーティング膜は重量百分比90%
の酢酸セルロース膜および重量百分率10%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、
又は
前記浸透プッシュ層は
55wt%BLANOSE(登録商標)7H4XF、5wt%Kollidon(登録商標)K30、
39wt%ソルビトール、
0.5wt%ベンガラおよび
0.5wt%ステアリン酸マグネシウムからな
り、又は
前記
浸透プッシュ層は55wt%BLANOSE(登録商標)7H4XF、10wt%Kollidon(登録商標)K30
、34wt%ソルビトール
、0.5wt%ベンガラ
及び0.5
wt%ステアリン酸マグネシウム
からなり;又は
前記浸透プッシュ層は85wt%BLANOSE(登録商標)7H4XF、3wt%Kollidon(登録商標)K30
、5wt%ソルビトール
、5wt%ベンガラ
、及び2wt%ステアリン酸マグネシウム
からなり;又は
前記浸透プッシュ層は60wt%BLANOSE(登録商標)7H4XF、10wt%Kollidon(登録商標)K30
、26wt%ソルビトール
、2wt%ベンガラ
、2wt%ステアリン酸マグネシウム
からなり;又は
前記浸透プッシュ層は40wt%BLANOSE(登録商標)7H4XF、20wt%Kollidon(登録商標)K30、36wt%ソルビトール、3.5wt%ベンガラ、0.5wt%ステアリン酸マグネシウムからなり;又は
前記浸透プッシュ層は55wt%BLANOSE(登録商標)9H4XF、5wt%Kollidon(登録商標)K30、39wt%ソルビトール、0.5wt%ベンガラ、及び0.5wt%ステアリン酸マグネシウムからなり;又は
前記浸透プッシュ層は55wt%BLANOSE(登録商標)7H4XF、10wt%ヒドロキシプロピルセルロース、
34wt%ソルビトール、
0.5wt%ベンガラ
、および
0.5wt%ステアリン酸マグネシウムからな
り、
前記外コーティングが
23.78wt%レボドパ、
64.22wt%カルビドパ、
10wt%ヒドロキシプロピルセルロース、
1wt%アスパルテームおよび
1wt%ペパーミントエッセンスからな
り、又は
前記外コーティングが93wt%カルビドパ、2wt%ヒドロキシプロピルセルロース、5wt%アスパルテームからなり;又は
前記外コーティングが75wt%レボドパ、20wt%ヒドロキシプロピルセルロース、及び5ペパーミントエッセンスからなり、又は
前記外コーティングが24wt%レボドパ、65wt%カルビドパ、10wt%ヒドロキシプロピルセルロース、及び1wt%アスパルテームからなり;又は
前記外コーティングが54wt%レボドパ、35wt%カルビドパ、10wt%ヒドロキシプロピルセルロース、及び0.9wt%アスパルテームおよび0.1wt%ペパーミントエッセンスからなり;又は
前記外コーティングが42.8wt%レボドパ、46.2wt%カルビドパ、10wt%ヒドロキシプロピルセルロース、及び0.9wt%アスパルテームおよび0.1wt%ペパーミントエッセンスからなり;又は
前記外コーティングが28.2wt%レボドパ、60.8wt%カルビドパ、10wt%ヒドロキシプロピルセルロース、及び0.9wt%アスパルテームおよび0.1wt%ペパーミントエッセンスからなることを特徴とする、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層およびコーティング膜からなり、前記薬物プル層は重量百分率40%のレボドパ、重量百分率10.8%のカルビドパ、重量百分率31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率12.7%のマンニトール、重量百分率5%のクエン酸および重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率55%の
BLANOSE(登録商標)7H4XFまたはBLANOSE(登録商標)9H4XF、重量百分率5%の
Kollidon(登録商標)K30、重量百分率39%のソルビトール、重量百分率0.5%のベンガラおよび重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率70%の酢酸セルロース膜および重量百分率30%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の2.0%、4.0%または5.0%で、
前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層およびコーティング膜からなり、前記薬物プル層は重量百分率40%のレボドパ、重量百分率10.8%のカルビドパ、重量百分率31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率12.7%のマンニトール、重量百分率5%のクエン酸および重量百分率0.5%の
Kollidon(登録商標)K30からなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率55%の
BLANOSE(登録商標)7H4XF、重量百分率5%の
Kollidon(登録商標)K30、重量百分率39%のソルビトール、重量百分率0.5%のベンガラおよび重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率60%の酢酸セルロース膜および重量百分率40%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の5.0%で、
前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層およびコーティング膜からなり、前記薬物プル層は重量百分率45%のレボドパ、重量百分率31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率16%のマンニトール、重量百分率5%の
Kollidon(登録商標)K30、重量百分率1%のステアリン酸マグネシウム、重量百分率1%のペパーミントエッセンスおよび重量百分率1%のアスパルテームからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率55%の
BLANOSE(登録商標)7H4XF、重量百分率10%の
Kollidon(登録商標)K30、重量百分率34%のソルビトール、重量百分率0.5%のベンガラおよび重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率60%の酢酸セルロース膜および重量百分率40%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.2%、6.7%または9.7%で、
前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層およびコーティング膜からなり、前記薬物プル層は重量百分率45%のレボドパ、重量百分率31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率16%のマンニトール、重量百分率5%の
Kollidon(登録商標)K30、重量百分率1%のステアリン酸マグネシウム、重量百分率1%のペパーミントエッセンスおよび重量百分率1%のアスパルテームからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率55%の
BLANOSE(登録商標)7H4XF、重量百分率10%の
Kollidon(登録商標)K30、重量百分率34%のソルビトール、重量百分率0.5%のベンガラおよび重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率70%の酢酸セルロース膜および重量百分率30%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.6%または7.9%で、
前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層およびコーティング膜からなり、前記薬物プル層は重量百分率70%のレボドパ、重量百分率9%のマンニトール、重量百分率20%の
Kollidon(登録商標)K30および重量百分率1%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率85%のカルボキシメチルセルロースナトリウム、重量百分率3%の
Kollidon(登録商標)K30、重量百分率5%のソルビトール、重量百分率5%のベンガラおよび重量百分率2%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率70%の酢酸セルロース膜および重量百分率30%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.5%で、
前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層およびコーティング膜からなり、前記薬物プル層は重量百分率20%のレボドパ、重量百分率20%のカルビドパ、重量百分率50%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率4%のマンニトール、重量百分率5%のアスパルテームおよび重量百分率1%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率25%のカルボキシメチルセルロースナトリウム、重量百分率9.5%の
Kollidon(登録商標)K30、重量百分率65%のソルビトールおよび重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率90%の酢酸セルロース膜および重量百分率10%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.5%で、
前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層、コーティング膜および外コーティングからなり、前記薬物プル層は重量百分率45%のレボドパ、重量百分率31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率16%のマンニトール、重量百分率5%の
Kollidon(登録商標)K30、重量百分率1%のステアリン酸マグネシウム、重量百分率1%のペパーミントエッセンスおよび重量百分率1%のアスパルテームからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率55%の
BLANOSE(登録商標)7H4XF、重量百分率10%の
Kollidon(登録商標)K30、重量百分率34%のソルビトール、重量百分率0.5%のベンガラおよび重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率70%の酢酸セルロース膜および重量百分率30%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.8%または7.7%で、前記外コーティングは重量百分率23.78%のレボドパ、重量百分率64.22%のカルビドパ、重量百分率10%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率1%のアスパルテームおよび重量百分率1%のペパーミントエッセンスを含む迅速放出組成物で、前記重量百分率は各成分の外コーティングにおける重量百分率で、前記外コーティングの錠コア対する重量増加はそれぞれ重量百分率で13.2%および12.9%で、
前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層、コーティング膜および外コーティングからなり、前記薬物プル層は重量百分率45%のレボドパ、重量百分率31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率17%のマンニトール、重量百分率5%の
Kollidon(登録商標)K30、重量百分率1%のステアリン酸マグネシウムおよび重量百分率1%のアスパルテームからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率60%の
BLANOSE(登録商標)7H4XF、重量百分率10%の
Kollidon(登録商標)K30、重量百分率26%のソルビトール、重量百分率2%のベンガラおよび重量百分率2%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率70%の酢酸セルロース膜および重量百分率30%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.8%で、前記外コーティングは重量百分率93%のカルビドパ、重量百分率2%のヒドロキシプロピルセルロースおよび重量百分率5%のアスパルテームを含む迅速放出組成物で、前記重量百分率は各成分の外コーティングにおける重量百分率で、前記外コーティングの前記錠コア対する重量増加は重量百分率で13.2%で、
あるいは、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層、コーティング膜および外コーティングからなり、前記薬物プル層は重量百分率45%のレボドパ、重量百分率31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率12%のマンニトール、重量百分率5%の
Kollidon(登録商標)K30、重量百分率5%のペパーミントエッセンス、重量百分率1%のアスパルテームおよび重量百分率1%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率40%の
BLANOSE(登録商標)7H4XF、重量百分率20%の
Kollidon(登録商標)K30、重量百分率36%のソルビトール、重量百分率3.5%のベンガラおよび重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率70%の酢酸セルロース膜および重量百分率30%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.8%で、前記外コーティングは重量百分率75%のレボドパ、重量百分率20%のヒドロキシプロピルセルロースおよび重量百分率5%のペパーミントエッセンスを含む迅速放出組成物で、前記重量百分率は各成分の外コーティングにおける重量百分率で、前記外コーティングの錠コア対する重量増加は重量百分率で13.2%で、
あるいは、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層、コーティング膜および外コーティングからなり、前記薬物プル層は重量百分率が45%のレボドパ、重量百分率が31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が17%のマンニトール、重量百分率が5%の
Kollidon(登録商標)K30、重量百分率が1%のステアリン酸マグネシウムおよび重量百分率が1%のアスパルテームからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率が55%の
BLANOSE(登録商標)7H4XF、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が34%のソルビトール、重量百分率が0.5%のベンガラおよび重量百分率が0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は70%の酢酸セルロースおよび30%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、ここで、前記酢酸セルロースは39.8wt%のアセチル基を含む酢酸セルロース膜で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の5.9%で、及び前記外コーティングは重量百分率が24%のレボドパ、重量百分率が65%のカルビドパ、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロースおよび重量百分率が1%のアスパルテームからなり、前記重量百分率は各成分の前記外コーティングにおける重量百分率で、前記外コーティングの重量は錠コアおよびコーティング膜の合計重量の13.1%で、
あるいは、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層、コーティング膜および外コーティングからなり、前記薬物プル層は重量百分率が45%のレボドパ、重量百分率が31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が22%のマンニトール、重量百分率が0.9%のアスパルテーム、重量百分率が1.0%のステアリン酸マグネシウムおよび重量百分率が1%のペパーミントエッセンスからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率が55%の
BLANOSE(登録商標)7H4XF、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が34%のソルビトール、重量百分率が0.5%のベンガラおよび重量百分率が0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は70%の酢酸セルロースおよび30%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、ここで、前記酢酸セルロースは39.8wt%のアセチル基を含む酢酸セルロース膜で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の6.5%で、及び、前記外コーティングは重量百分率が54%のレボドパ、重量百分率が35%のカルビドパ、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロースおよび重量百分率が0.9%のアスパルテームおよび重量百分率が0.1%のペパーミントエッセンスからなり、前記重量百分率は各成分の前記外コーティングにおける重量百分率で、
あるいは、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層、コーティング膜および外コーティングからなり、前記薬物プル層は重量百分率が45%のレボドパ、重量百分率が31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が22%のマンニトール、重量百分率が0.9%のアスパルテーム、重量百分率が1.0%のステアリン酸マグネシウムおよび重量百分率が1%のペパーミントエッセンスからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率が55%の
BLANOSE(登録商標)7H4XF、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が34%のソルビトール、重量百分率が0.5%のベンガラおよび重量百分率が0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は70%の酢酸セルロースおよび30%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、ここで、前記酢酸セルロースは39.8wt%のアセチル基を含む酢酸セルロース膜で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の7.0%で、及び、前記外コーティングは重量百分率が42.8%のレボドパ、重量百分率が46.2%のカルビドパ、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロースおよび重量百分率が0.9%のアスパルテームおよび重量百分率が0.1%のペパーミントエッセンスからなり、前記重量百分率は各成分の前記外コーティングにおける重量百分率で、
あるいは、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層、コーティング膜および外コーティングからなり、前記薬物プル層は重量百分率が45%のレボドパ、重量百分率が31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が22%のマンニトール、重量百分率が0.9%のアスパルテーム、重量百分率が1%のステアリン酸マグネシウムおよび重量百分率が0.1%のペパーミントエッセンスからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率が55%の
BLANOSE(登録商標)7H4XF、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が34%のソルビトール、重量百分率が0.5%のベンガラおよび重量百分率が0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は70%の酢酸セルロースおよび30%の
Kollidon(登録商標)VA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、ここで、前記酢酸セルロースは39.8wt%のアセチル基を含む酢酸セルロース膜で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の9.0%で、及び、前記外コーティングは重量百分率が28.2%のレボドパ、重量百分率が60.8%のカルビドパ、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロースおよび重量百分率が0.9%のアスパルテームおよび重量百分率が0.1%のペパーミントエッセンスからなり、前記重量百分率は各成分の前記外コーティングにおける重量百分率であることを特徴とする請求項
7~1
1のいずれかに記載の薬物組成物。
【請求項15】
請求項1~
14のいずれかに記載の薬物組成物を含む浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システム
。
【請求項16】
放出制御錠である、請求項15に記載の浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システム。
【請求項17】
前記放出制御錠は直径5~10mm、高さ5~30mmの円柱形、または長さ10~25mm、幅5~10mmのカプレット形状であることを特徴とする
、請求項16浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システム。
【請求項18】
請求項1~1
4のいずれかに記載の薬物組成物または請求項1
5~17のいずれか一項に記載の浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムの製造方法であって、
前記薬物プル層を含む錠コアの外に前記コーティング膜を加える工程を含む方法1、
前記薬物プル層および浸透プッシュ層を含む錠コアの外に前記コーティング膜を加える工程を含む方法2、
または前記薬物プル層および浸透プッシュ層を含む錠コアの外に前記コーティング膜を加え、さらに前記コーティング膜の外に外コーティングを加える工程を含む方法3
を使用
することを含む、製造方法。
【請求項19】
前記方法1、方法2および方法3では、前記錠コアの製造は、
(11)湿式または乾式造粒し、重量が125~500mg
である薬物プル層の顆粒を得る工程を含み、
前記コーティング膜の製造は、
(21)前記酢酸セルロースおよびコポビドンを前記重量百分率でアセトンに溶解させ
る工程、
(22)上記工程で得られた固体溶液を錠コアに塗布
し、コーティング膜を形成する工程、
(23)前記コーティング膜に孔を開ける工程を含
む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法2および方法3では、前記錠コアの製造は、さらに
(12)造粒し、重量が62.5~250mg
である浸透プッシュ層の顆粒を得る工程、
(13)薬物プル層の顆粒および浸透プッシュ層の顆粒を、好ましくは前記薬物プル層の顆粒と前記浸透プッシュ層の顆粒の重量比が2:1になるように、二層錠コアにプレスする工程を含
む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記方法3では、前記外コーティングの製造は、
(31)外コーティングの各成分を前記重量百分率でアルコール系溶媒、
に、好ましくは前記外コーティングの各成分とアルコール系溶媒の比率が1:10になるように、溶解させる工程、
(32)上記工程で得られたコーティング液を上記コーティング膜の外に塗布
する工程を含むことを特徴とする
、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は出願日が2018年2月28日の中国特許出願CN201810166976.4の優先権を要求する。本願は上記中国特許出願の全文を引用する。
【0002】
本発明は、生物医薬の分野に関し、特に薬物組成物およびその製造方法と使用に関する。
【背景技術】
【0003】
レボドパ、バクロフェン、アシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、メトホルミンおよびガバペンチンなどを含む、多くの活性薬物成分(active pharmaceutical ingredient、API)は、その吸収が上部胃腸管(upper gastrointestinal tract、UGIT)に限られている。これらのAPIは通常の徐放投与量(extended release dosages)で使用される場合、その生物利用能が高くなく、治療を延ばす効果も実現できない。そのため、既存技術では、それが胃内における滞在時間を延ばす技術が多く開示され、これらの技術はそれぞれ拡張、膨張、浮遊、ラフト形成、沈降および粘膜付着である。これらの技術の成功は非常に限られ、特にこれらの技術で得られた経口投与の剤形を空腹の状態で施用される場合、非常に限られている。そのため、これらのAPIの上部胃腸管の吸収ウィンドウにおける放出時間の延長を提供できる、新しい放出制御薬物送達システムが必要である。
中では、一種のAPIはパーキンソン病(Parkinson’s disease、PD)の治療に使用されるレボドパである。パーキンソン病は脳におけるドーパミン産生細胞の喪失による進行性疾患である。ドーパミンは天然に脳および脊髄に存在する物質で、大脳における神経細胞の運動機能に対する正確な制御に有用である。大脳におけるドーパミンレベルの低下につれ、パーキンソン病の症状、たとえば筋強剛、動作緩慢やバランス維持困難が現れる。ドーパミンは血液脳関門(Blood-BrainBarrier、BBB)を通過することができず、これはドーパミンの経口投与剤形が効かない理由である。レボドパ(Levodopa、LD)はドーパミンの前駆体で、BBBを通過して脳組織におけるドーパミンに転換することが可能である。レボドパ療法は依然としてパーキンソン病治療の「ゴールドスタンダード」で、ほとんどのPD患者は疾患のある段階でLD治療を受ける。しかし、レボドパのほとんどは大脳に到達する前に脱カルボキシル化されてドーパミンになる。そのため、LDは通常デカルボキシラーゼ阻害剤、たとえばカルビドパ(Carbidopa、CD)やベンセラジドと併用して、末梢ドーパミンの形成を防ぐ。LD/CD治療は脳内におけるドーパミンの含有量を増加させ、かつ、PD症状を減少させることができる。
【0004】
LDを経口投与しても、患者は通常、不安定な形態、いわゆる「オン・オフ」現象および不随意運動(運動障害)で運動合併症が生じる。不安定の原因はLDの半減期が短いため、線条体におけるシナプス後ドーパミン受容体に非生理的なパルス刺激が生じるためであると考えられる。また、PDの進行につれ、治療ウィンドウが狭くなり、これは末期PD患者はより運動不能(無動症、akinesia)および運動障害に影響されやすいことを意味する。
【0005】
理論上、徐放経口投与剤形は安定なLD血漿中濃度を提供して治療時間を延ばすことによって、「オン・オフ」現象を軽減させることができる。実際は、胃腸管(GI tract)における吸収が限られるため、徐放LD剤形の開発は大きな挑戦である。剤形の近位胃腸管における滞在時間は約3~4時間である。どのぐらいの量でもLD放出時間が3~4時間を超えると吸収されず、最終的に糞便に排出される。米国特許9089607、9089608、8,557,283、8,454,998および8,377,474では、有機酸でLD吸収時間を延ばすことによって、吸収の持続時間が約4~5時間になった徐放剤形が開示された。これらの特許で保護される配合の製品は、たとえばライタリー(Rytary)で、当該製品は早期および中度のPDの治療に適する。
【0006】
末期PD患者の治療は依然として医療のチャレンジである。現在、脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation、DBS)および十二指腸への小腸内のLD持続投与(DUOPA)は経口投与剤形の効果がよくない末期PD患者の治療に使用されている。DBSは脳部手術に関わり、このような治療は創傷が大きく、多くの患者に危害をもたらす。また、DBSは神経・精神的副作用のリスクもある。DUOPAはゲル製剤を含み、チューブを通してポンプを経て直接的に上部小腸に一日中投与される。十二指腸への小腸内のLD持続投与は16時間内で一定のLD血漿中レベルを維持し、より持続的なドーパミン受容体に刺激を与えることによって、現在の経口薬によって引き起こされるドーパミンのパルス刺激に関連する運動および非運動の合併症を減少させることができる。
【0007】
しかしながら、DUOPA療法も創傷が大きく、外科手術または経皮内視鏡的胃ろう造設術によってチューブを十二指腸に設置することが必要である。一部の患者には、ポンプの携帯は面倒かもしれない。偶発性のチューブの詰まり、チューブの位置ずれ、チューブ連結部の漏れや局部感染を含む、ほかの問題も生じうる。また、DUOPAゲルの配合は不安定で、分解物を減らすために、冷蔵庫(2℃~8℃)で保存する必要があり、特にヒドラジンは遺伝子毒性があることはすでに知られ、かつ、癌につならる可能性がある。冷凍保存の条件においても、製品の使用期限は15週と短い。最後に、高コストは一つの制限すであるかもしれない。DUOPAの治療費用は高価で、神経科学者、胃腸病学者および看護師、並びに外部との連絡者からなる専門家のチームで協力して患者を治療する必要がある。そのため、PD、特にPD末期患者の治療に、安定なLD血漿中曲線を持つ非侵襲性放出制御製品を提供するために、吸収ウィンドウを広げることが可能な薬物組成物を提供することが必要である。
【0008】
また、薬物はコーティングの場合、酢酸セルロースが析出するという問題がある。コーティング膜の全部または少なくとも一部は半透性ポリマー(semipermeable polymer)を含み、当該半透性ポリマーは口腔に存在する水または水気には浸透可能で、薬物および錠のコアに存在しうるほかの任意の成分には基本的に浸透不可である。代表的な半透性ポリマーはアセチル基の含有量が32.0~39.8%の酢酸セルロースである。流動促進剤(flux enhancer)は速度制御膜と結合することができ、既存技術では、流動促進剤はポリエチレングリコール、ポビドン及びほかの水溶性重合体を含むが、これらに限定されない。既存技術では、半透膜の水溶性重合体は一般的にポリエチレングリコール(PEG)またはポビドン(PVP)などを酢酸セルロースと併用するが、PEGおよびPVPはいずれも水に可溶であるが、アセトンに不溶である水溶性重合体であるため、一般的に、溶媒はアセトンと水の混合溶媒で、たとえば90%アセトン+10%水である。浸透圧ポンプ錠の規格が大きく、錠コアのサイズが大きい場合、速い薬物放出速度が要求されるため、高比率のPEGまたはPVPが必要である。アセトンと酢酸セルロース、または水と流動促進剤は蒸発速度の面で顕著な差があり、特に温度が低い場合、よく未知の不適合性が生じ、すなわち、コーティングの過程中で酢酸セルロースが析出する可能性がある。そのため、既存技術の溶媒は機械的欠陥がある高浸透膜を生じさせることが多く、すなわち、機械的強度が低下し、不透明、ひいては白色の膜が生じる可能性がある。よって、コーティングが不均一になり、薬物の放出が不安定で、ひいては速度制御膜が破裂する。
【発明の概要】
【0009】
【0010】
本発明の解決する技術課題は、現在の放出制御型薬物が長時間で安定な活性薬物成分の血漿中曲線を提供することができず、かつ薬物のコーティング膜における酢酸セルロースが析出し、コーティングが不均一で、薬物の放出が不安定であることにある。
【0011】
上記技術課題を解決するために、本発明の技術方案の一つは、錠コアおよびコーティング膜を含む薬物組成物であって、前記錠コアは薬物プル層を含み、前記のコーティング膜は酢酸セルロースおよびコポビドンを含み、前記酢酸セルロースの重量は前記コーティング膜の重量の50~90%で、前記コポビドンの重量は前記コーティング膜の重量の10~50%で、ここで、前記コポビドンは、重量比が40:60~80:20のビニルピロリドンと酢酸ビニルを重合させる工程を含む方法によって製造されたものである。前記錠コアとコーティング膜の位置関係は:コーティング膜が錠コアの外部にコーティングしている。当該薬物組成物は浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムの1種、すなわち、単層基本浸透圧ポンプでもよい。
【0012】
浸透圧放出制御薬物送達システムは先進的な経口浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムで、その形態は半透性外膜および1個または複数のレーザ微細穴あけの錠剤を有してもよい。錠剤が経口投与されて胃腸管を通ると、水が浸透して半透膜に吸収され、そして得られた浸透圧は活性薬物が錠剤における開口を通過するように利用される。基本浸透圧ポンプ(Elementary Osmotic Pump、EOP)はALZAによって1974年に開発され、経口浸透圧ポンプ薬物送達システムの初めての実例で、その構成は薬物含有錠コアで、その外に半透コーティング膜が被覆され、コーティング膜に一つの薬物放出細孔が開いており、浸透圧ポンプ製剤を普通のコーティング錠の様態に簡略化させた。プッシュ-プル型浸透圧ポンプ(Push-Pull Osmotic Pump、PPOP)は、易溶性または難溶性の薬物に適し、半透膜がコーティングされた二層錠でもよく、その薬物プル層は薬物および浸透活性物質を含むチャンバーで、浸透プッシュ層は浸透重合体を含む。当該システムは、水環境に接触すると、浸透プッシュ層が膨張して薬物放出細孔を通過して放出されるようにチャンバー内における薬物をプッシュする。本発明に係る薬物組成物またはUGI放出制御薬物送達システムは単層基本浸透圧ポンプ、二層プッシュ-プル型浸透圧ポンプおよび迅速放出外コーティングを含む二層プッシュ-プル型浸透圧ポンプなどの形態を含むが、既存技術の浸透圧ポンプと異なる。
【0013】
好ましくは、前記薬物プル層は活性薬物成分および補助材を含み、前記活性薬物成分はレボドパ、カルビドパ、バクロフェン、アシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、メトホルミンおよびガバペンチンのうちの1種または複数種で、前記コポビドンの製造方法では、前記ビニルピロリドンと前記酢酸ビニルの重量比は50:50~70:30である。
【0014】
好ましくは、前記コポビドンの製造方法では、前記ビニルピロリドンと前記酢酸ビニルのモル比は60:40で、前記活性薬物成分はレボドパおよび/またはカルビドパを含み、ならびに/あるいは、前記補助材は充填剤、浸透剤、親水性重合体、バインダー、潤滑剤、防腐剤、調味剤、酸味料および酸化防止剤のうちの1種または複数種である。より好ましくは、前記補助材は充填剤、浸透剤、親水性重合体、バインダー、潤滑剤および防腐剤のうちの1種または複数種である。さらに好ましくは、前記補助材は充填剤、浸透剤、親水性重合体、バインダー、潤滑剤および防腐剤である。
【0015】
好ましくは、前記活性薬物成分がレボドパを含む場合、前記レボドパの重量百分率は20~70%で、前記活性薬物成分がカルビドパを含む場合、前記カルビドパの重量百分率は0~20%であるが、0%ではなく、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率である。
【0016】
より好ましくは、前記活性薬物成分がレボドパを含む場合、前記レボドパの重量百分率は35~55%で、前記活性薬物成分がカルビドパを含む場合、前記カルビドパの重量百分率は5~15%で、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率である。
【0017】
好ましくは、上記薬物組成物において、前記補助材が充填剤を含む場合、前記充填剤は微晶質セルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびマンニトールのうちの1種または複数種で、前記充填剤の重量百分率は0~50%であるが、0%ではなく、
前記補助材が浸透填剤を含む場合、前記の浸透剤は硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、マンニトール、尿素、ソルビトール、イノシトール、ショ糖およびブドウ糖のうちの1種または複数種で、前記浸透剤の重量百分率は0~50%であるが、0%ではなく、
前記の補助材が親水性重合体を含む場合、前記親水性重合体はヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンおよびヒドロキシエチルセルロースのうちの1種または複数種で、前記親水性重合体の重量百分率は0~50%であるが、0%ではなく、
前記の補助材が酸味料を含む場合、前記の酸味料はクエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リンゴ酸、フマル酸、乳酸、リン酸、および酒石酸のうちの1種または複数種で、前記酸味料の重量百分率は0~10%であるが、0%ではなく、
前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率である。
【0018】
上記技術課題を解決するために、本発明の技術方案の一つは、上記の薬物組成物であって、前記錠コアはさらに浸透プッシュ層を含み、前記浸透プッシュ層は親水性重合体、浸透剤およびバインダーを含む。好ましくは、前記浸透プッシュ層は親水性重合体、浸透剤、バインダーおよび潤滑剤を含む。より好ましくは、前記浸透プッシュ層は親水性重合体、浸透剤、バインダー、潤滑剤および着色剤を含む。前記浸透プッシュ層と薬物プル層は二層錠コアの構成部分で、前記二層錠コアとコーティング膜の位置関係は:コーティング膜が錠コアの外部にコーティングしている。当該薬物組成物は浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムの1種、すなわち、二層プッシュ-プル型浸透圧ポンプでもよい。
【0019】
二層プッシュ-プル型浸透圧ポンプの薬物組成物として、好ましくは、前記浸透プッシュ層における親水性重合体はκ-カラギーナン、カルボキシメチルセルロースまたはポリエチレンオキサイドで、前記親水性重合体の分子量は75,000~7,500,000で、前記親水性重合体の重量百分率は25~85%で、
前記浸透プッシュ層における浸透剤は硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、マンニトール、尿素、ソルビトール、イノシトール、ショ糖およびブドウ糖のうちの1種または複数種で、前記浸透剤の重量百分率は5~65%で、
前記浸透プッシュ層がバインダーを含む場合、前記のバインダーはメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポビドンおよびゼラチンのうちの1種または複数種で、前記バインダーの重量百分率は3~20%で、
前記浸透プッシュ層が潤滑剤を含む場合、前記の潤滑剤はステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルマグネシウム、タルク粉およびコロイダルシシリカのうちの1種または複数種で、前記潤滑剤の重量百分率は0~2%であるが、0%ではなく、
ならびに/あるいは、前記浸透プッシュ層が着色剤を含む場合、前記の着色剤はベンガラ、黄酸化鉄および黒酸化鉄のうちの1種または複数種で、前記着色剤の重量百分率は0~5%であるが、0%ではなく、
前記重量百分率は各成分の重量の前記浸透プッシュ層における重量百分率である。
【0020】
好ましくは、前記浸透プッシュ層はカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、ポビドン、ベンガラおよびステアリン酸マグネシウムを含み、あるいはカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、ベンガラおよびステアリン酸マグネシウムを含み、好ましくは、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポビドンK30、ソルビトール、ベンガラおよびステアリン酸マグネシウムからなり、あるいはカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、ベンガラおよびステアリン酸マグネシウムからなり、より好ましくは、前記カルボキシメチルセルロースナトリウムはカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XFまたは9H4XFで、さらに好ましくは、前記浸透プッシュ層は重量百分率25~85%のカルボキシメチルセルロースナトリウム、重量百分率5~65%のソルビトール、重量百分率3~20%のポビドン、重量百分率0~5%のベンガラおよび重量百分率0.5~2%のステアリン酸マグネシウムを含み、あるいは重量百分率25~85%のカルボキシメチルセルロースナトリウム、重量百分率5~65%のソルビトール、重量百分率3~20%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率0~5%のベンガラおよび重量百分率0.5~2%のステアリン酸マグネシウムを含み、前記重量百分率は各成分の重量の前記浸透プッシュ層における重量百分率である。
【0021】
上記技術課題を解決するために、本発明の技術方案の一つは、上記の薬物組成物であって、前記コーティング膜の外にさらに外コーティングがある。これによって、内層が錠コアで、中間層がコーティング膜で、外層が外コーティングである三層型構造が構成される。
【0022】
好ましくは、前記外コーティングは活性薬物成分および補助材を含み、前記活性薬物成分はレボドパおよび/またはカルビドパを含み、前記補助材はヒドロキシプロピルセルロース、アスパルテームおよびペパーミントエッセンスのうちの1種または複数種を含む。
【0023】
より好ましくは、前記活性薬物成分がレボドパである場合、前記レボドパの重量百分率は0~75%であるが、0%ではなく、前記活性薬物成分がカルビドパである場合、前記カルビドパの重量百分率は0~93%であるが、0%ではなく、前記外コーティングの補助材がヒドロキシプロピルセルロースを含む場合、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は2~20%で、前記外コーティングの補助材がアスパルテームを含む場合、前記アスパルテームの重量百分率は0~5%で、前記外コーティングの補助材がペパーミントエッセンスを含む場合、前記ペパーミントエッセンスの重量百分率は0~5%で、前記重量百分率は各成分の外コーティングにおける重量百分率である。
【0024】
さらに好ましくは、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の2.0%以上で、前記コーティング膜に1個~複数個の出口孔があり、前記出口孔の直径は0.5mm~1.0mmが好ましく、0.5mm、0.75mmおよび1.0mmがより好ましい。好ましくは、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の2.0~15.0%である。より好ましくは、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.0~8.0%である。
【0025】
好ましくは、上記の薬物組成物であって、前記薬物組成物は、薬物プル層およびコーティング膜からなり、薬物プル層、浸透プッシュ層およびコーティング膜からなり、あるいは薬物プル層、浸透プッシュ層、コーティング膜および外コーティングからなる。
【0026】
好ましくは、前記薬物プル層はレボドパ、カルビドパ、微晶質セルロース、マンニトール、クエン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを含み、あるいはレボドパ、微晶質セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびステアリン酸マグネシウムを含み、あるいはレボドパ、カルビドパ、マンニトール、クエン酸およびステアリン酸マグネシウムを含み、あるいはレボドパ、カルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、クエン酸およびステアリン酸マグネシウムを含み、あるいはレボドパ、カルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、クエン酸およびポビドンK30を含み、あるいはレボドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、ポビドンK30、ステアリン酸マグネシウム、ペパーミントエッセンスおよびアスパルテームを含み、レボドパ、マンニトール、ポビドンK30およびステアリン酸マグネシウムを含み、あるいはレボドパ、カルビドパ,ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、アスパルテームおよびステアリン酸マグネシウムを含み、あるいはレボドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、ステアリン酸マグネシウム、ペパーミントエッセンスおよびアスパルテームを含み、あるいはレボドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、ポビドンK30、ステアリン酸マグネシウムおよびアスパルテームを含み、
前記浸透プッシュ層はカルボキシメチルセルロースナトリウム、ポビドンK30、ソルビトール、ベンガラおよびステアリン酸マグネシウムを含み、あるいはカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、ベンガラおよびステアリン酸マグネシウムを含み、好ましくは、前記カルボキシメチルセルロースナトリウムはカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XFまたは9H4XFで、
ならびに/あるいは、前記外コーティングはレボドパ、カルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、アスパルテームおよびペパーミントエッセンスを含み、あるいはレボドパ、カルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロースおよびアスパルテームを含み、あるいはカルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロースおよびアスパルテームを含み、あるいはカルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロースおよびペパーミントエッセンスを含む。当業者には、上記「含む」は「・・・からなる」と入れ替えてもよいことが知られている。
【0027】
好ましくは、前記活性薬物成分がレボドパ、カルビドパ、微晶質セルロース、マンニトール、クエン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムからなる場合、前記レボドパの重量百分率は40%で、前記カルビドパの重量百分率は10.8%で、前記微晶質セルロースの重量百分率は20%で、前記マンニトールの重量百分率は18.7%で、前記クエン酸の重量百分率は5%で、前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウムの重量百分率は5%で、及び、前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は0.5%で、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、
前記活性薬物成分がレボドパ、微晶質セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびステアリン酸マグネシウムからなる場合、前記レボドパの重量百分率は38%で、前記微晶質セルロースの重量百分率は50%で、前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースの重量百分率は10%で、及び前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は2%で、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、
前記薬物プル層がレボドパ、カルビドパ、マンニトール、クエン酸およびステアリン酸マグネシウムからなる場合、前記レボドパの重量百分率は19.5%で、前記カルビドパの重量百分率は20%で、前記マンニトールの重量百分率は50%で、前記クエン酸の重量百分率は10%で、そして前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は0.5%で、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、
前記薬物プル層がレボドパ、カルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、クエン酸およびステアリン酸マグネシウムからなる場合、前記レボドパの重量百分率は40%で、前記カルビドパの重量百分率は10.8%で、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は31%で、前記マンニトールの重量百分率は12.7%で、前記クエン酸の重量百分率は5%で、そして前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は0.5%で、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、
前記薬物プル層がレボドパ、カルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、クエン酸およびポビドンK30からなる場合、前記レボドパの重量百分率は40%で、前記カルビドパの重量百分率は10.8%で、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は31%で、前記マンニトールの重量百分率は12.7%で、前記クエン酸の重量百分率は5%で、及び前記ポビドンK30の重量百分率は0.5%で、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、
前記薬物プル層がレボドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、ポビドンK30、ステアリン酸マグネシウム、ペパーミントエッセンスおよびアスパルテームからなる場合、前記レボドパの重量百分率は45%で、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は31%で、前記マンニトールの重量百分率は16%で、前記ポビドンK30の重量百分率は5%で、前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は1%で、前記ペパーミントエッセンスの重量百分率は1%で、及び前記アスパルテームの重量百分率は1%で、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、
前記薬物プル層がレボドパ、マンニトール、ポビドンK30およびステアリン酸マグネシウムからなる場合、前記レボドパの重量百分率は70%で、前記マンニトールの重量百分率は9%で、前記ポビドンK30の重量百分率は20%で、そして前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は1%で、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、
前記薬物プル層がレボドパ、カルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、アスパルテームおよびステアリン酸マグネシウムからなる場合、前記レボドパの重量百分率は20%で、前記カルビドパの重量百分率は20%で、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は50%で、前記マンニトールの重量百分率は4%で、前記アスパルテームの重量百分率は5%で、及び前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は1%で、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、
前記薬物プル層がレボドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、ポビドンK30、ステアリン酸マグネシウムおよびアスパルテームからなる場合、前記レボドパの重量百分率は45%で、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は31%で、前記マンニトールの重量百分率は17%で、前記ポビドンK30の重量百分率は5%で、前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は1%で、及び前記アスパルテームの重量百分率は1%で、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、
前記薬物プル層がレボドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、ポビドンK30、ステアリン酸マグネシウムおよびアスパルテームからなる場合、前記レボドパの重量百分率は45%で、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は31%で、前記マンニトールの重量百分率は17%で、前記ポビドンK30の重量百分率は5%で、前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は1%で、及び前記アスパルテームの重量百分率は1%で、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、
あるいは、前記薬物プル層がレボドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、ポビドンK30、ステアリン酸マグネシウム、ペパーミントエッセンスおよびアスパルテームからなる場合、前記レボドパの重量百分率は45%で、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は31%で、前記マンニトールの重量百分率は12%で、前記ポビドンK30の重量百分率は5%で、前記ペパーミントエッセンスの重量百分率は5%で、前記アスパルテームの重量百分率は1%で、及び前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は1%で、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、
あるいは、前記薬物プル層がレボドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、ステアリン酸マグネシウム、ペパーミントエッセンスおよびアスパルテームからなる場合、前記薬物プル層は重量百分率が45%のレボドパ、重量百分率が31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が22%のマンニトール、重量百分率が0.9%のアスパルテーム、重量百分率が1.0%のステアリン酸マグネシウムおよび重量百分率が0.1%のペパーミントエッセンスからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率である。
【0028】
より好ましくは、前記コーティング膜は重量百分率50%の酢酸セルロース膜および重量百分率50%のコポビドンVA64からなり、あるいは前記コーティング膜は重量百分率70%の酢酸セルロース膜および重量百分率30%のコポビドンVA64からなり、あるいは前記コーティング膜は重量百分比60%的酢酸セルロース膜および重量百分率40%的コポビドンVA64からなり、あるいは前記コーティング膜は重量百分比90%的酢酸セルロース膜および重量百分率10%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、
さらに好ましくは、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の2.0%、4.2%、4.5%、4.6%、4.8%、5.0%、5.9%、6.5%、6.7%、7.0%、7.7%、7.9%または9.7%である。
【0029】
好ましくは、前記浸透プッシュ層はカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、ポビドンK30、ソルビトール、ベンガラおよびステアリン酸マグネシウムからなる場合、
前記カルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XFの重量百分率は55%で、前記ポビドンK30の重量百分率は5%で、前記ソルビトールの重量百分率は39%で、前記ベンガラの重量百分率は0.5%で、及び前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は0.5%で、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、
あるいは、前記カルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XFの重量百分率は55%で、前記ポビドンK30の重量百分率は10%で、前記ソルビトールの重量百分率は34%で、前記ベンガラの重量百分率は0.5%で、及び前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は0.5%で、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、
あるいは、前記カルボキシメチルセルロースナトリウムの重量百分率は85%で、前記ポビドンK30の重量百分率は3%で、前記ソルビトールの重量百分率は5%で、前記ベンガラの重量百分率は5%で、そして前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は2%で、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、
前記カルボキシメチルセルロースナトリウムの重量百分率は25%で、前記ポビドンK30の重量百分率は9.5%で、前記ソルビトールの重量百分率は65%で、及び前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は0.5%で、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、
前記カルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XFの重量百分率は60%で、前記ポビドンK30の重量百分率は10%で、前記ソルビトールの重量百分率は26%で、前記ベンガラの重量百分率は2%で、及び前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は2%で、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、
前記カルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XFの重量百分率は40%で、前記ポビドンK30の重量百分率は20%で、前記ソルビトールの重量百分率は36%で、前記ベンガラの重量百分率は3.5%で、そして前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は0.5%で、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、
あるいは、前記浸透プッシュ層はカルボキシメチルセルロースナトリウム9H4XF、ポビドンK30、ソルビトール、ベンガラおよびステアリン酸マグネシウムからなる場合、前記カルボキシメチルセルロースナトリウム9H4XFの重量百分率は55%で、前記ポビドンK30の重量百分率は5%で、前記ソルビトールの重量百分率は39%で、前記ベンガラの重量百分率は0.5%で、及び前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は0.5%で、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、
あるいは、前記浸透プッシュ層はカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、ベンガラおよびステアリン酸マグネシウムからなる場合、前記カルボキシメチルセルロースナトリウムの重量百分率は55%で、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は10%で、前記ソルビトールの重量百分率は34%で、前記ベンガラの重量百分率は0.5%で、及び前記ステアリン酸マグネシウムの重量百分率は0.5%で、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率である。
【0030】
より好ましくは、前記外コーティングがレボドパ、カルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、アスパルテームおよびペパーミントエッセンスからなる場合、前記レボドパの重量百分率は23.78%で、前記カルビドパの重量百分率は64.22%で、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は10%で、前記アスパルテームの重量百分率は1%で、及び前記ペパーミントエッセンスの重量百分率は1%で、前記重量百分率は各成分の前記外コーティングにおける重量百分率で、
前記外コーティングがカルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロースおよびアスパルテームからなる場合、前記カルビドパの重量百分率は93%で、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は2%で、そして前記アスパルテームの重量百分率は5%で、前記重量百分率は各成分の前記外コーティングにおける重量百分率で、
前記外コーティングがレボドパ、ヒドロキシプロピルセルロースおよびペパーミントエッセンスからなる場合、前記レボドパの重量百分率は75%で、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は20%で、そして前記ペパーミントエッセンスの重量百分率は5%で、前記重量百分率は各成分の前記外コーティングにおける重量百分率で、
前記外コーティングがレボドパ、カルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロースおよびアスパルテームからなる場合、前記レボドパの重量百分率は24%で、前記カルビドパの重量百分率は65%で、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は10%で、及び前記アスパルテームの重量百分率は1%で、前記重量百分率は各成分の前記外コーティングにおける重量百分率で、
前記外コーティングがレボドパ、カルビドパ、ヒドロキシプロピルセルロース、アスパルテームおよびペパーミントエッセンスからなる場合、前記レボドパの重量百分率は54%で、前記カルビドパの重量百分率は35%で、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は10%で、前記アスパルテームの重量百分率は0.9%で、前記ペパーミントエッセンスの重量百分率は0.1%で、あるいは前記レボドパの重量百分率は42.8%で、前記カルビドパの重量百分率は46.2%で、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は10%で、前記アスパルテームの重量百分率は0.9%で、前記ペパーミントエッセンスの重量百分率は0.1%で、あるいは前記レボドパの重量百分率は28.2%で、前記カルビドパの重量百分率は60.8%で、前記ヒドロキシプロピルセルロースの重量百分率は10%で、前記アスパルテームの重量百分率は0.9%で、前記ペパーミントエッセンスの重量百分率は0.1%で、前記重量百分率は各成分の前記外コーティングにおける重量百分率である。
【0031】
さらに好ましくは、前記外コーティングは錠コアに対して重量増加が重量百分率で12.9~13.2%、好ましくは12.9%、13.1%または13.2%である。
【0032】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層およびコーティング膜からなり、前記薬物プル層は重量百分率40%のレボドパ、重量百分率10.8%のカルビドパ、重量百分率20%の微晶質セルロース、重量百分率18.7%のマンニトール、重量百分率5%のクエン酸、重量百分率5%のヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウムおよび重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率50%の酢酸セルロース膜および重量百分率50%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率はそのコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の2.0%である。当該薬物組成物を含む剤形であるコーティング錠の薬物層の一方の側に機械ドリルで0.5mmの出口孔が開けてあり、かつ、14.17mg/hrおよび4.59mg/hrの平均速度でレボドパおよびカルビドパを送達し、ここで、85%の薬物はそれぞれ12時間および10時間で送達する。当該剤形は浸透層が輸送口に到達するまで口腔に維持するか、そこに8~9時間維持し、その後飲み込まれてもよい。
【0033】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層およびコーティング膜からなり、前記薬物プル層は重量百分率38%のレボドパ、重量百分率50%の微晶質セルロース、重量百分率10%のヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび重量百分率2%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率50%の酢酸セルロース膜および重量百分率50%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率はそのコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.5%である。膜の重量増加が4.5%の剤形は9.4mg/hrの平均速度でレボドパを送達し、9.0時間以内で85%のレボドパを送達する。
【0034】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層およびコーティング膜からなり、前記薬物プル層は重量百分率19.5%のレボドパ、重量百分率20%のカルビドパ、重量百分率50%のマンニトール、重量百分率10%のクエン酸および重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率はその薬物プル層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率50%の酢酸セルロース膜および重量百分率50%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率はそのコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.5%である。膜の重量増加が4.5%の剤形は22.9mg/hrの平均速度でレボドパを送達し、13.0時間で85%のレボドパを送達する。
【0035】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層およびコーティング膜からなり、前記薬物プル層は重量百分率40%のレボドパ、重量百分率10.8%のカルビドパ、重量百分率31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率12.7%のマンニトール、重量百分率5%のクエン酸および重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率はその薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率55%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XFまたは9H4XF、重量百分率5%のポビドンK30、重量百分率39%のソルビトール、重量百分率0.5%のベンガラおよび重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率はその浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率70%の酢酸セルロース膜および重量百分率30%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率はそのコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の2.0%、4.0%または5.0%である。カルボキシメチルセルロースナトリウムが7H4XFである場合、薬物層の一方の側に一つの0.5mmの出口孔が含まれ、コーティング膜の重量が錠コアの重量の5.0%である当該薬物組成物を含む剤形はそれぞれ17.0mg/hrおよび4.6mg/hrの平均速度でレボドパおよびカルビドパを送達し、10.0時間以内で85%の薬物を送達する。当該剤形は浸透層が輸送口に到達するまで口腔に維持するか、口腔に6~7時間維持し、その後飲み込まれてもよい。送達孔の開口サイズが0.5mm、0.75mmおよび1.0mmに変化した場合、コーティング膜の重量が錠コアの重量の4.0%である剤形はそれぞれ21.3mg/hrおよび5.7mg/hrの平均速度でレボドパおよびカルビドパを送達し、8.0時間以内で85%の薬物を送達する。当該剤形は浸透層が輸送口に到達するまで口腔に維持するか、口腔に4~5時間維持し、その後飲み込まれてもよい。カルボキシメチルセルロースナトリウムが9H4XFである場合、コーティング膜の重量増加が2.0%である剤形はそれぞれ24.3mg/hrおよび6.6mg/hrの平均速度でレボドパおよびカルビドパを送達し、7.0時間以内で85%の薬物を送達する。当該剤形は浸透層が輸送口に到達するまで口腔に維持するか、口腔に3~4時間維持し、その後飲み込まれてもよい。
【0036】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層およびコーティング膜からなり、前記薬物プル層は重量百分率40%のレボドパ、重量百分率10.8%のカルビドパ、重量百分率31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率12.7%のマンニトール、重量百分率5%のクエン酸および重量百分率0.5%のポビドンK30からなり、前記重量百分率はその薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率55%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、重量百分率5%のポビドンK30、重量百分率39%のソルビトール、重量百分率0.5%のベンガラおよび重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率はその浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率60%の酢酸セルロース膜および重量百分率40%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率はそのコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の5.0%である。当該薬物組成物を含む剤形は6時間以内で85%の薬物を送達する。当該剤形は浸透層が輸送口に到達するまで口腔に維持するか、そこに2~3時間維持し、その後飲み込まれてもよい。
【0037】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層およびコーティング膜からなり、前記薬物プル層は重量百分率45%のレボドパ、重量百分率31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率16%のマンニトール、重量百分率5%のポビドンK30、重量百分率1%のステアリン酸マグネシウム、重量百分率1%のペパーミントエッセンスおよび重量百分率1%のアスパルテームからなり、前記重量百分率はその薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率55%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、重量百分率10%のポビドンK30、重量百分率34%のソルビトール、重量百分率0.5%のベンガラおよび重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率はその浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率60%の酢酸セルロース膜および重量百分率40%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率はそのコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.2%、6.7%または9.7%である。当該薬物組成物を含み、かつ膜重量増加が4.2%、6.7%および9.7%の剤形はそれぞれ38.3mg/hr、27.3mg/hrおよび21.3mg/hrの平均速度でレボドパを送達し、相応的にそれぞれ5.0時間、7.0時間および9.0時間以内で85%のレボドパを送達する。
【0038】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層およびコーティング膜からなり、前記薬物プル層は重量百分率45%のレボドパ、重量百分率31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率16%のマンニトール、重量百分率5%のポビドンK30、重量百分率1%のステアリン酸マグネシウム、重量百分率1%のペパーミントエッセンスおよび重量百分率1%のアスパルテームからなり、前記重量百分率はその薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率55%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、重量百分率10%のポビドンK30、重量百分率34%のソルビトール、重量百分率0.5%のベンガラおよび重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率はその浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率70%の酢酸セルロース膜および重量百分率30%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率はそのコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.6%または7.9%である。膜の重量増加が4.6%および7.9%の当該薬物組成物を含む剤形は、それぞれ25.5mg/hrおよび16.9mg/hrの平均速度でレボドパを送達し、かつ相応的に7.5時間および11.5時間以内で85%のレボドパを送達する。
【0039】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層およびコーティング膜からなり、前記薬物プル層は重量百分率70%のレボドパ、重量百分率9%のマンニトール、重量百分率20%のポビドンK30および重量百分率1%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率はその薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率85%のカルボキシメチルセルロースナトリウム、重量百分率3%のポビドンK30、重量百分率5%のソルビトール、重量百分率5%のベンガラおよび重量百分率2%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率はその浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率70%の酢酸セルロース膜および重量百分率30%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率はそのコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.5%である。当該薬物組成物を含む剤形はそれぞれ35.0mg/hrの平均速度でレボドパを送達し、8.5時間以内で85%のレボドパを送達する。
【0040】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層およびコーティング膜からなり、前記薬物プル層は重量百分率20%のレボドパ、重量百分率20%のカルビドパ、重量百分率50%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率4%のマンニトール、重量百分率5%のアスパルテームおよび重量百分率1%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率はその薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率25%のカルボキシメチルセルロースナトリウム、重量百分率9.5%のポビドンK30、重量百分率65%のソルビトールおよび重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率はその浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率90%の酢酸セルロース膜および重量百分率10%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率はそのコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.5%である。当該薬物組成物を含む剤形はそれぞれ7.1mg/hrの平均速度でレボドパおよびカルビドパを送達し、12時間以内で85%のレボドパ/カルビドパを送達する。
【0041】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層、コーティング膜および外コーティングからなり、前記薬物プル層は重量百分率45%のレボドパ、重量百分率31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率16%のマンニトール、重量百分率5%のポビドンK30、重量百分率1%のステアリン酸マグネシウム、重量百分率1%のペパーミントエッセンスおよび重量百分率1%のアスパルテームからなり、前記重量百分率はその薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率55%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、重量百分率10%のポビドンK30、重量百分率34%のソルビトール、重量百分率0.5%のベンガラおよび重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率はその浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率70%の酢酸セルロース膜および重量百分率30%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率はそのコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.8%または7.7%で、前記外コーティングは重量百分率23.78%のレボドパ、重量百分率64.22%のカルビドパ、重量百分率10%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率1%のアスパルテームおよび重量百分率1%のペパーミントエッセンスを含む迅速放出組成物で、前記重量百分率はその外コーティングにおける重量百分率で、前記外コーティングの錠コアに対する重量増加はそれぞれ重量百分率で13.2%および12.9%である。当該薬物組成物を含む剤形の放出曲線はレボドパ/カルビドパの迅速放出を示し、コーティング膜の重量増加が4.8%および7.7%の剤形はその後の放出の持続時間がそれぞれ約8.5時間および12.0時間の徐放である。膜の重量増加が4.8%の剤形は口腔に4~5時間維持した後、食事時または放出期間全体で口腔に維持することができる。膜の重量増加が7.7%の剤形は飲み込まれる前に口腔に8~9時間維持するか、あるいは放出期間全体で口腔に維持することができる。
【0042】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層、コーティング膜および外コーティングからなり、前記薬物プル層は重量百分率45%のレボドパ、重量百分率31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率17%のマンニトール、重量百分率5%のポビドンK30、重量百分率1%のステアリン酸マグネシウムおよび重量百分率1%のアスパルテームからなり、前記重量百分率はその薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率60%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、重量百分率10%のポビドンK30、重量百分率26%のソルビトール、重量百分率2%のベンガラおよび重量百分率2%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率はその浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率70%の酢酸セルロース膜および重量百分率30%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率はそのコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.8%で、前記外コーティングは重量百分率93%のカルビドパ、重量百分率2%のヒドロキシプロピルセルロースおよび重量百分率5%のアスパルテームを含む迅速放出組成物で、前記重量百分率はその外コーティングにおける重量百分率で、前記外コーティングの前記錠コア対する重量増加は重量百分率で13.2%である。剤形の迅速放出の外コーティングが先に迅速に放出され、その後放出の持続時間が約8時間の徐放である。剤形は口腔に4~5時間維持した後、食事前に飲み込まるか、あるいは放出期間全体で口腔に維持することができる。
【0043】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層、コーティング膜および外コーティングからなり、前記薬物プル層は重量百分率45%のレボドパ、重量百分率31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率12%のマンニトール、重量百分率5%のポビドンK30、重量百分率5%のペパーミントエッセンス、重量百分率1%のアスパルテームおよび重量百分率1%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率はその薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率40%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、重量百分率20%のポビドンK30、重量百分率36%のソルビトール、重量百分率3.5%のベンガラおよび重量百分率0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率はその浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は重量百分率70%の酢酸セルロース膜および重量百分率30%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率はそのコーティング膜における重量百分率で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.8%で、前記外コーティングは重量百分率75%のレボドパ、重量百分率20%のヒドロキシプロピルセルロースおよび重量百分率5%のペパーミントエッセンスを含む迅速放出組成物で、前記重量百分率はその外コーティングにおける重量百分率で、前記外コーティングの錠コアに対する重量増加はそれぞれ重量百分率で13.2%である。剤形の迅速放出の外コーティングが先に迅速に放出され、その後放出の持続時間が約8時間の徐放である。剤形は口腔に4~5時間維持した後、食事前に飲み込まるか、あるいは放出期間全体で口腔に維持することができる。
【0044】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層、コーティング膜および外コーティングからなり、ここで、前記薬物プル層は重量百分率が45%のレボドパ、重量百分率が31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が16%のマンニトール、重量百分率が5%のポビドンK30、重量百分率が1%のステアリン酸マグネシウム、重量百分率が1%のペパーミントエッセンスおよび重量百分率が1%のアスパルテームからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率が55%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が34%のソルビトール、重量百分率が0.5%のベンガラおよび重量百分率が0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は70%の酢酸セルロースおよび30%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、ここで、前記酢酸セルロースは39.8wt%のアセチル基を含む酢酸セルロース膜で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の5.9%で、及び、前記外コーティングは重量百分率が64.22%のレボドパ、重量百分率が23.78%のカルビドパ、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が1%のアスパルテームおよび重量百分率が1%のペパーミントエッセンスからなり、前記重量百分率は各成分の前記外コーティングにおける重量百分率で、前記外コーティングの重量は錠コアおよびコーティング膜の合計重量の13.1%である。前記外コーティングのコーティング液の溶媒が無水エタノールである場合、得られる剤形のカルビドパ関連遺伝子毒性不純物のヒドラジンの含有量は1.7 ppmで、カルビドパ関連不純物のジヒドロキシフェニルアセトン(dihydroxyphenylacetone、DHPA)の不純物含有量は0.21%である。前記外コーティングのコーティング液の溶媒が精製水である場合、重量百分率で、外コーティング固体懸濁液の濃度は10.0wt%で、24.0wt%のレボドパ、65.0wt%のカルビドパ一水和物、10.0wt%のヒドロキシプロピルセルロースおよび1.0wt%のアスパルテームを含み、得られる剤形のカルビドパ関連遺伝子毒性不純物のヒドラジンの含有量は3.8ppmで、カルビドパ関連不純物のDHPAの含有量は0.28%である。前記外コーティングのコーティング液の溶媒が無水エタノールである場合、得られる剤形のカルビドパ関連遺伝子毒性不純物のヒドラジンおよびカルビドパ関連不純物のDHPAは前記外コーティングのコーティング液の溶媒が精製水である場合の剤形よりも顕著に低い。剤形の迅速放出の外コーティングが先に迅速に放出され、その後持続的な定速放出は約8時間である。浸透送達システムは口腔に3~5時間維持した後、食事前に飲み込まるか、あるいは放出期間全体で口腔に維持することができる。
【0045】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層、コーティング膜および外コーティングからなり、前記薬物プル層は重量百分率が45%のレボドパ、重量百分率が31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が22%のマンニトール、重量百分率が0.9%のアスパルテーム、重量百分率が0.5%のステアリン酸マグネシウムおよび重量百分率が1%のペパーミントエッセンスからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率が55%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が34%のソルビトール、重量百分率が0.5%のベンガラおよび重量百分率が0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は70%の酢酸セルロースおよび30%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、ここで、前記酢酸セルロースは39.8wt%のアセチル基を含む酢酸セルロース膜で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の6.5%で、及び前記外コーティングは重量百分率が54%のレボドパ、重量百分率が35%のカルビドパ、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロースおよび重量百分率が0.9%のアスパルテームおよび重量百分率が0.1%のペパーミントエッセンスからなり、前記重量百分率は各成分の前記外コーティングにおける重量百分率である。最終の剤形は62.5mgのレボドパおよび37.5mgのカルビドパを含有する迅速放出層を含み、187.5mgのレボドパが放出制御の薬物層に含まれている。剤形の迅速放出の外コーティングが先に迅速に放出され、その後放出の持続時間が約8時間の徐放である。浸透送達システムは口腔に4~5時間維持した後、食事前に飲み込まるか、あるいは放出期間全体で口腔に維持することができる。
【0046】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層、コーティング膜および外コーティングからなり、前記薬物プル層は重量百分率が45%のレボドパ、重量百分率が31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が22%のマンニトール、重量百分率が0.9%のアスパルテーム、重量百分率が0.5%のステアリン酸マグネシウムおよび重量百分率が1%のペパーミントエッセンスからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率が55%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が34%のソルビトール、重量百分率が0.5%のベンガラおよび重量百分率が0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は70%の酢酸セルロースおよび30%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、ここで、前記酢酸セルロースは39.8wt%のアセチル基を含む酢酸セルロース膜で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の7.0%で、及び、前記外コーティングは重量百分率が42.8%のレボドパ、重量百分率が46.2%のカルビドパ、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロースおよび重量百分率が0.9%のアスパルテームおよび重量百分率が0.1%のペパーミントエッセンスからなり、前記重量百分率は各成分の前記外コーティングにおける重量百分率である。最終の剤形は37.5mgのレボドパおよび37.5mgのカルビドパを含有する迅速放出層を含み、112.5mgのレボドパが放出制御の薬物層に含まれている。剤形の迅速放出の外コーティングが先に迅速に放出され、その後放出の持続時間が約8時間の徐放である。浸透送達システムは口腔に4~5時間維持した後、食事前に飲み込まるか、あるいは放出期間全体で口腔に維持することができる。
【0047】
一つの具体的な好適な実施例において、前記薬物組成物は薬物プル層、浸透プッシュ層、コーティング膜および外コーティングからなり、前記薬物プル層は重量百分率が45%のレボドパ、重量百分率が31%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が22%のマンニトール、重量百分率が0.9%のアスパルテーム、重量百分率が1%のステアリン酸マグネシウムおよび重量百分率が1%のペパーミントエッセンスからなり、前記重量百分率は各成分の薬物プル層における重量百分率で、前記浸透プッシュ層は重量百分率が55%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロース、重量百分率が34%のソルビトール、重量百分率が0.5%のベンガラおよび重量百分率が0.5%のステアリン酸マグネシウムからなり、前記重量百分率は各成分の浸透プッシュ層における重量百分率で、前記コーティング膜は70%の酢酸セルロースおよび30%のコポビドンVA64からなり、前記重量百分率は各成分のコーティング膜における重量百分率で、ここで、前記酢酸セルロースは39.8wt%のアセチル基を含む酢酸セルロース膜で、前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の9.0%で、及び、前記外コーティングは重量百分率が28.2%のレボドパ、重量百分率が60.8%のカルビドパ、重量百分率が10%のヒドロキシプロピルセルロースおよび重量百分率が0.9%のアスパルテームおよび重量百分率が0.1%のペパーミントエッセンスからなり、前記重量百分率は各成分の前記外コーティングにおける重量百分率である。最終の剤形は18.75mgのレボドパおよび37.5mgのカルビドパを含有する迅速放出層を含み、56.25mgのレボドパが放出制御の薬物層に含まれている。剤形の迅速放出の外コーティングが先に迅速に放出され、その後放出の持続時間が約8時間の徐放である。浸透送達システムは口腔に4~5時間維持した後、食事前に飲み込まるか、あるいは放出期間全体で口腔に維持することができる。
【0048】
ここで、上記外コーティングの製造方法は、上記重量百分率の外コーティングの各成分を無水エタノールに溶解させて、コーティング液に製造し、好ましくは前記外コーティングの各成分と無水エタノールの比率が1:10である工程を含む。当該薬物組成物において、カルビドパは迅速放出の外コーティングのみに存在し、徐放の錠コア部分には、カルビドパが含まれていない。当該剤形は、カルビドパ関連遺伝子毒性不純物のヒドラジンおよび不純物のジヒドロキシフェニルアセトン(dihydroxyphenylacetone、DHPA)の含有量がより低いという利点がある。前記外コーティングのコーティング液の溶媒が無水エタノールである場合、得られる剤形のカルビドパ関連遺伝子毒性不純物のヒドラジンおよびカルビドパ関連不純物のDHPAは前記外コーティングのコーティング液の溶媒が精製水である場合の剤形よりも顕著に低い。
【0049】
上記薬物組成物の製造方法は、特別に説明しない限り、本分野の通常の製造方法である。
【0050】
好ましくは、上記のように、薬物組成物は浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システム(本発明の具体的な実施例において、浸透送達システムとも呼ばれる)で、好ましくは、前記浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムは放出制御錠で、より好ましくは、前記放出制御錠は直径が5~10mm、高さが5~30mmの円柱形、または長さが10~25mm、幅が5~10mmのカプレット形状である。
【0051】
前記浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムは、上部胃腸管(UGI)浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムである。まず、上記の経口浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムは口腔内に滞在し、飲み込まれると、前記の経口浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムにおける薬物組成物は胃腸管で吸収される。好ましくは、前記の経口浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムの口腔における滞在時間は1~17時間で、前記胃腸管吸収薬物組成物における85%の活性薬物成分の時間は4~20時間で、より好ましくは、前記口腔における滞在時間は2~9時間、胃腸管吸収薬物組成物における85%の活性薬物成分の時間は6~12時間である。
【0052】
ここで、浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムはLDおよびCDを含んでもよいが、LDおよびCDの浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムに限定されない。浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムは単層基本浸透圧ポンプ、二層プッシュ-プル型システムまたは迅速放出の外コーティングを有する二層プッシュ-プル型浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムでもよい。浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムは口腔においてLD/CDの一致及び一定の放出を提供することができ、口腔の条件、たとえばpH、唾液の有無および有意識または無意識の舌によるマトリックス錠の研磨に敏感なマトリックス徐放システム(matrix extended release system)と鮮明な対照となる。
【0053】
本発明の浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムは、その中の薬物活性成分を除くと、浸透圧ポンプ放出制御システムになり、その後、それに任意のほかの薬物活性成分を入れ、新たなほかの疾患の治療用放出制御薬物送達システムにすることができる。
【0054】
上記技術課題を解決するために、本発明の技術方案の一つは、上記薬物組成物またはUGI浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムの製造方法であって、
前記薬物プル層を含む錠コアの外に前記コーティング膜を加える工程を含む方法1、
前記薬物プル層および浸透プッシュ層を含む錠コアの外に前記コーティング膜を加える工程を含む方法2、
または前記薬物プル層および浸透プッシュ層を含む錠コアの外に前記コーティング膜を加え、さらに前記コーティング膜の外コーティングを加える工程を含む方法3、
を使用する方法である。
【0055】
一つの具体的な実施例において、前記方法1、方法2および方法3では、前記錠コアの製造は、
(11)造粒し、重量が125~500mg、好ましくは125mg、250mg、418mg、500mgである薬物プル層の顆粒を得る工程を含み、
前記コーティング膜の製造は、
(21)前記酢酸セルロースおよびコポビドンを前記重量百分率でアセトンに溶解させ、好ましくは4%の固体溶液を調製する工程、
(22)上記工程で得られた固体溶液を錠コアに塗布し、好ましくは噴霧塗布し、コーティング膜を形成する工程、
(23)前記コーティング膜に孔を開ける工程を含む。
【0056】
一つの具体的な実施例において、前記方法2および方法3では、前記錠コアの製造は、さらに、
(12)造粒し、重量が62.5~250mg、好ましくは62.5mg、125mg、209mg、250mgである浸透プッシュ層の顆粒を得る工程、
(13)薬物プル層の顆粒および浸透プッシュ層の顆粒を、好ましくは前記薬物プル層の顆粒と前記浸透プッシュ層の顆粒の重量比が2:1になるように、二層錠コアにプレスする工程を含む。
【0057】
一つの具体的な実施例において、前記方法3では、前記外コーティングの製造は、
(31)外コーティングの各成分を前記重量百分率でアルコール系溶媒、好ましくはメタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロパノール、n-ブタノールのうちの1種または複数種、より好ましくは無水エタノールに、好ましくは前記外コーティングの各成分とアルコール系溶媒の比率が1:10になるように、溶解させる工程、
(32)上記工程で得られたコーティング液を上記コーティング膜の外に塗布し、好ましくは噴霧塗布する工程を含む。
【0058】
本発明のUGI浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムの一つは単層基本浸透圧ポンプで、標準の製造技術によって製造することができる。まず、高剪断造粒機または流動層造粒機で通常の湿式造粒法によって錠コアの顆粒を製造する。次に、顆粒を打錠機で単層錠コアにプレスする。そして、半透膜のコーティング組成物で錠コアをコーティングする。最後に、膜に通路を開ける。
【0059】
本発明のもう一つのUGI浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムは二層プッシュ-プル型浸透圧ポンプで、以下のように製造することができる。まず、高剪断造粒機または流動層造粒機で薬物層の顆粒および浸透層の顆粒を製造する。次に、この2層の顆粒を打錠機で二層錠コアにプレスする。そして、半透膜のコーティング組成物で二層錠コアをコーティングする。最後に、薬物プル層の外のコーティング膜に通路を開ける。
【0060】
本発明のもう一つのUGI浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムは薬物迅速放出の外コーティングを有する二層プッシュ-プル型浸透圧ポンプで、以下のように製造することができる。まず、高剪断造粒機または流動層造粒機で薬物層の顆粒および浸透層の顆粒を製造する。次に、この2層の顆粒を打錠機で二層錠コアにプレスする。そして、半透膜のコーティング組成物で二層錠コアをコーティングする。その後、薬物層の外のコーティング膜に通路を開ける。最後に、孔が開いた錠コアをLD/CDの迅速放出コーティング組成物でコーティングする。
【0061】
浸透剤形の半透膜はエアサスペンション技術によって形成することができる。当該過程は、空気流およびコーティング組成物の中で単層錠コアまたは二層錠コアをコアの周りに均一に膜が形成するまで浮遊させて撹拌する。エアサスペンション工程はWursterRTM部材を有する流動層造粒機で実現することができる。少量の脱イオン水を含有するか、含有しないアセトンまたはアセトン-エタノール混合溶解助剤をコーティング溶媒として使用することができるが、そこに2.0~5wt%の膜形成組成物が溶解されてもよい。ほかの成膜技術、たとえばパンコーティングを使用することもできる。パンコーティングシステムでは、組成物を連続的に錠コアに噴霧し、同時に回転パンの中で撹拌することで、膜形成組成物を堆積させる。通常、これらの技術によって形成される膜は25~250μmの厚さを有し、好ましい厚さは100~150μmである。
【0062】
LD/CDの迅速放出外コーティングはパンコーティング装置で形成することができる。パンコーティング装置において、錠剤に連続的に懸濁液を噴霧し、同時に回転パンの中で撹拌することで、成膜ポリマーを有する薬物懸濁液を堆積させる。パンコーティング装置によって形成される外コーティングは、通常、10~75mgのCDおよび10~100mgのLDを含む。
【0063】
上記技術課題を解決するために、本発明の技術方案の一つは、上記の製造方法によって製造される薬物組成物または浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムである。
【0064】
本分野の常識に合うことを前提に、上記各好適な条件は任意に組み合わせることができ、即ち、本発明の各好適な実例が得られる。
【0065】
本発明で用いられる試薬および原料はいずれも市販品として得られる。
【0066】
本発明の積極的な進歩効果は、本発明は吸収ウィンドウを有する薬物組成物の生物利用能を向上させる浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムを提供することによって、パーキンソン病(PD)、特にPD末期患者の治療に、安定な活性薬物成分、たとえばレボドパ、またはレボドパとカルビドパの血漿中曲線を持つ非侵襲性放出制御製品を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】
図1は上部胃腸管浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムの概略図で、a.は単層基本浸透圧ポンプ(Single-layer elementary osmotic pump、EOP)で、b.は二層浸透プッシュ-プルシステム(Bi-layer osmotic push-pull system)で、c.は薬物外コーティングを含む二層浸透プッシュ-プルシステム(Bi-layer osmotic push-pull system with drug overcoat)である。
【
図2】
図2は本発明で製造される浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムのフロー図で、a.は単層基本浸透圧ポンプ(EOP)で、b.は二層浸透プッシュ-プルシステムで、c.は薬物外コーティングを含む二層浸透プッシュ-プルシステムである。
【
図3】
図3は実施例1に記載のUGI浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムの放出曲線を示す。
【
図4】
図4は実施例2に記載のUGI浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムの放出曲線を示す。
【
図5】
図5は実施例3に記載のUGI浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムの放出曲線を示す。
【
図6】
図6は実施例4に記載のUGI浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムの放出曲線を示す。
【
図7】
図7は実施例5に記載のUGI浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムの放出曲線を示す。
【
図8】
図8は実施例6に記載のUGI浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムの放出曲線を示す。
【
図9】
図9は実施例7に記載のUGI浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムの放出曲線を示す。
【
図10】
図10は実施例8に記載のUGI浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムの放出曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
具体的な実施形態
さらに本発明を記述する前に、本発明は以下に記載の特定の実施例に限定されないことが理解されるべきである。本発明に使用される活性薬物成分(active pharmaceutical ingredient、API)はレボドパ(Levodopa、LD)/カルビドパ(Carbidopa、CD)、バクロフェン、アシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、メトホルミンおよびガバペンチンを含むが、これらに限定されない。
【0069】
一つの実施形態において、APIは既存技術(米国特許3,845,770および3,916,899)で既知の単層基本浸透圧ポンプ(EOP)に配合されるLD/CDである。
図1.aに示すように、EOPはAPIを含む錠コアおよび錠コアを囲む速度制御膜(rate-controlling membrane)、すなわち、コーティング膜からなる。EOPは、膜を貫通する少なくとも一つの孔を含むことで、LD/CDが孔を通過して口腔に放出される。錠コアはLD/CD、浸透剤、微晶質セルロース(MCC)、バインダー、潤滑剤、調味剤(任意に)、酸味料(任意に)および酸化防止剤(任意に)を含む。本発明の流動促進剤はポリエチレングリコール、ポビドン、コポビドン及びほかの水溶性重合体を含むが、これらに限定されない。好適な流動促進剤はコポビドン(VA64)で、水および有機溶媒、たとえばアセトン、メタノール、エタノールやイソプロパノールに溶解可能である。アセトンまたはアセトン/エタノール混合溶媒に溶解するコポビドンの使用によって、容易により均一の膜が形成するため、ほかよりも一致した放出曲線が得られる。
【0070】
もう一つの実施形態において、LD/CDまたはLDを既存技術で既知の二層プッシュ-プル浸透送達システムに配合するだけである(米国特許番号4,327,725、4,612,008、5,200,195および5,869,096)。
図1.bに示すように、プッシュ-プル浸透送達システムは薬物プル層(薬物層と略す)と浸透プッシュ層(浸透層と略す)を含有する二層コアおよびコアを囲む速度制御膜を含む。プッシュ-プル浸透送達システムは薬物プル層の一方の側の膜を貫通する、少なくとも一つの孔を含むことで、孔からプル層の内容物を口腔に放出することができる。
【0071】
薬物層はLD/CD、親水性重合体、浸透剤、バインダー、潤滑剤、調味剤(任意に)、酸味料(任意に)、酸化防止剤(任意に)を含む。浸透プッシュ層は高分子量親水性重合体、浸透剤、バインダー、潤滑剤および着色剤(任意に)を含む。
【0072】
浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システムは水または水気を速度制御膜を介して二層コアに吸入し、二層を水和させることで、浸透プッシュ層を拡張させて孔を介してシステムから水和した送達可能な薬物プル層をプッシュする製剤である。
【0073】
親水性重合体の存在によって、プッシュ層組成物は層内に大量の水を保有することができる。親水性重合体はκ-カラギーナン、カルボキシメチルセルロースおよび分子量が75,000~7,500,000のポリエチレンオキサイドでもよい。
【0074】
本発明に使用される浸透剤は硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、マンニトール、尿素、ソルビトール、イノシトール、ショ糖、ブドウ糖などから選ばれる。薬物層の製剤は口腔で放出され、かつこのためその味および齲蝕原性が注目されるため、マンニトールおよびソルビトールは好適な浸透剤である。
【0075】
本発明のもう一つの実施形態において、二層プッシュ-プル膜コーティング錠剤は迅速放出LD/CD製剤でコーティングすることができ、これによって、LD/CDの初期の迅速放出を提供し、その後LD/CDまたはLDのみの遅延放出を提供することができる。
【0076】
図2はUGI放出制御システムを製造するフロー図で、
図2.aは単層基本浸透圧ポンプ(EOP)で、
図2.bは二層浸透プッシュ-プルシステムで、
図2.cは薬物外コーティングを含む二層浸透プッシュ-プルシステムである。
【0077】
本発明のもう一つの実施形態において、浸透圧ポンプ放出制御薬物送達システム、たとえば単層EOPまたは二層プッシュ-プル型システムまたは迅速放出の外コーティングを有する二層浸透プッシュ-プルシステムを設計することで、胃腸管送達システムの滞在時間を延ばし、たとえば4時間以上にする。当該薬物送達形態において、浸透送達システムは口腔に維持し、食事時の飲み込まれる前の放出持続時間または放出持続時間全体よりも3~4時間少なく、ここで、放出持続時間は85%の表示量のAPIが放出される時間と定義されている。
【0078】
以下、実施例の形によってさらに本発明を説明するが、これため本発明を記載された実施例の範囲内に限定するわけではない。以下の実施例において、具体的な条件が記載されていない実験方法は、通常の方法および条件、あるいは商品の説明書に従って選ばれた。
【実施例】
【0079】
実施例1
有益な薬物であるレボドパおよびカルビドパを口腔に送達するための剤形を以下のように製造した。まず、重量百分率で、40.0wt%のレボドパ(LD)、10.8wt%のカルビドパ一水和物(CD)、20.0wt%の微晶質セルロース、18.7wt%のマンニトール、5.0wt%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC E5)および5.0wt%のクエン酸を含む錠コアを製造し、それぞれ40メッシュのステンレス網に通させた後、精製水と混合して均一の湿式材料になるまで造粒し、湿式材料を20メッシュのステンレス網に通させ、かつ、80℃で2時間乾燥させ、乾燥した顆粒を18メッシュのステンレス網に通させた後、0.5wt%のステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0080】
次に、打錠機で500mgの薬物コア顆粒を9.0mmの丸パンチで単層錠コアにプレスした。
【0081】
次に、半透膜で単層錠コアをコーティングした。当該膜形成組成物は重量百分率で50wt%の酢酸セルロースおよび50wt%のコポビドンVA64を含む。当該膜形成組成物をアセトンに溶解させて4%の固体溶液を調製した。下記表に示すプロセスのパラメーターで、Glatt GC 1パンコーティング装置で膜形成組成物を錠コアに噴霧し、コーティング膜を形成させた。コーティング錠の膜重量増加は2.0%であった。最後に、コーティング錠の薬物層の一方の側に機械ドリルで0.5mmの出口孔を開けた。40℃および環境湿度において剤形を24時間乾燥して残りの溶媒を除去した。
図3に示すように、最終的に製造された剤形は14.17mg/hrおよび4.59mg/hrの平均速度でLDおよびCDを送達し、ここで、85%の薬物はそれぞれ12時間および10時間で送達した。当該浸透送達システムはプッシュ層が輸送口に到達するまで口腔に維持するか、そこに8~9時間維持し、その後飲み込まれてもよい。
【0082】
【0083】
実施例2
設計し、成形して有益な薬物であるレボドパおよびカルビドパ一水和物を口腔に送達するための剤形を以下のように製造した。まず、重量百分率で、40.0wt%のLD、10.8wt%のCD、31.0wt%の平均分子量が80,000のヒドロキシプロピルセルロース、12.7wt%のマンニトールおよび5.0wt%のクエン酸を含む薬物層組成物を製造し、これらの賦形剤をそれぞれ40メッシュのステンレス網に通させた後、95%エタノールと混合して均一の湿式材料になるまで造粒し、湿式材料を20メッシュのステンレス網に通させ、かつ、80℃で2時間乾燥させ、乾燥した顆粒を18メッシュのステンレス網に通させた後、0.5wt%のステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0084】
次に、重量百分率で、55.0wt%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、39.0wt%のソルビトール、5.0wt%のポビドンK30および0.5wt%のベンガラを含む第二の組成物、すなわち、浸透層を製造し、これらの成分をそれぞれ40メッシュのステンレス網に通させた後、95%エタノールと混合して均一の湿式材料になるまで造粒し、湿式材料を20メッシュのステンレス網に通させ、そして80℃で2時間乾燥させ、乾燥した顆粒を18メッシュのステンレス網に通させた後、0.5wt%のステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0085】
次に、薬物層および浸透層の顆粒を二層錠コアにプレスした。まず、500mgの薬物層の顆粒を打錠機の9.0mmの丸パンチに入れてプレスした後、250mgの浸透層の顆粒をパンチに入れ、そして二層の顆粒を打錠機で接触二層錠コアにプレスした。
【0086】
そして、半透膜で二層錠コアをコーティングした。当該膜形成組成物は重量百分率で70wt%のアセチル基の含有量が39.8wt%の酢酸セルロースおよび30wt%のコポビドンVA64を含む。当該膜形成組成物をアセトンに溶解させて4%の固体溶液を調製した。実施例1に示されたプロセスのパラメーターで、Glatt GC 1パンコーティング装置で膜形成組成物を二層錠コアに噴霧し、コーティング膜を形成させ、コーティング錠の膜重量増加は5.0%であった。最後に、剤形の薬物層の一方の側に機械ドリルで0.5mmの出口孔を開けた。40℃および環境湿度において剤形を24時間乾燥させて残りの溶媒を除去した。USP Iパドル法で0.1N HCl水溶液において最終的に製造された剤形の放出曲線を測定した。最終的に製造された剤形はそれぞれ17.0mg/hrおよび4.6mg/hrの平均速度でLDおよびCDを送達し、10.0時間で85%のLD/CDを送達した。
図4はLDおよびCDの一致した放出曲線を示す。当該浸透送達システムは浸透層が輸送口に到達するまで口腔に維持するか、そこに6~7時間維持し、その後飲み込まれてもよい。
【0087】
実施例3
この実施例において実施例2の工程を繰り返し、剤形は実施例2で提供されたものと同様の薬物層、浸透層およびコーティング膜を含む。この実施例において、膜の重量増加は4.0%で、かつ、送達孔のサイズは0.5mm、0.75mmおよび1.0mmに変更した。最終的に製造された剤形はそれぞれ21.3mg/hrおよび5.7mg/hrの平均速度でLDおよびCDを送達し、8.0時間で85%のLD/CDを送達した。
図5に示すように、送達孔のサイズは放出曲線に影響がなかった。当該浸透送達システムは浸透層が輸送口に到達するまで口腔に維持するか、そこに4~5時間維持し、その後飲み込まれてもよい。
【0088】
実施例4
この実施例において実施例2の工程を繰り返し、剤形は実施例2で提供されたものと同様の薬物層からなるが、浸透層は7H4XFではなく、カルボキシメチルセルロースナトリウム9H4XFを含む。この実施例において、膜形成組成物および送達孔のサイズも実施例1と同様である。当該剤形のコーティング膜の重量増加は2.0%であった。
図6に示すように、当該剤形はそれぞれ24.3mg/hrおよび6.6mg/hrの平均速度でLDおよびCDを送達し、7.0時間で85%のLD/CDを送達した。当該浸透送達システムは浸透層が輸送口に到達するまで口腔に維持するか、そこに3~4時間維持し、その後飲み込まれてもよい。
【0089】
実施例5
この実施例において実施例2の工程を繰り返し、剤形は実施例2で提供されたものと同様の薬物層および浸透層からなるが、膜形成組成物は重量百分率で60wt%のアセチル基の含有量が39.8%の酢酸セルロースおよび40wt%のコポビドンVA64を含む。当該剤形の膜の重量増加は5.0%であった。
図7に示すように、剤形は6時間で85%のLD/CDを送達した。当該浸透送達システムは浸透層が輸送口に到達するまで口腔に維持するか、そこに2~3時間維持し、その後飲み込まれてもよい。
【0090】
実施例6
この実施例において実施例2の工程を繰り返して剤形を提供した。
【0091】
本実施例において、薬物層は45.0wt%のLD、31.0wt%のヒドロキシプロピルセルロース(Klucel EXF)、16.0wt%のマンニトール、5.0wt%のポビドンK30、1.0wt%のアスパルテーム、1.0wt%のペパーミントエッセンスおよび1.0wt%のステアリン酸マグネシウムを含む。浸透層は55wt%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、34.0wt%のソルビトール、10.0wt%のポビドンK30および0.5wt%のベンガラおよび0.5wt%のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0092】
薬物層(500mg)および浸透層(250mg)の顆粒を16×7のカプレット形状の型で二層錠コアにプレスした。
【0093】
半透膜で二層錠コアをコーティングし、重量増加はそれぞれ4.2wt%、6.7%および9.7%であった。当該膜形成組成物は60wt%のアセチル基の含有量が39.8wt%の酢酸セルロースおよび40wt%のコポビドンVA64を含む。この剤形の薬物層の一方の側に機械ドリルで1.0mmの出口孔を開けた。40℃および環境湿度において剤形を24時間乾燥させて残りの溶媒を除去した。
【0094】
図8に示すように、38.3mg/hr、27.3mg/hrおよび21.3mg/hrの平均速度でそれぞれ4.2%、6.7%および9.7%の膜重量増加でLDの剤形を送達し、相応的に85%のLDを5.0時間、7.0時間および9.0時間以内で送達した。
【0095】
実施例7
この実施例において実施例6の工程を繰り返し、膜形成組成物以外、同様の剤形を提供した。この実施例において、前記膜形成組成物は重量百分率で70wt%のアセチル基の含有量が39.8wt%の酢酸セルロースおよび30wt%のコポビドンVA64を含む。膜形成組成物を90%アセトン、9.0%エタノールおよび1.0%脱イオン水の混合溶媒に溶解させて4%固体溶液を調製した。
図9に示すように、膜の重量増加が4.6%および7.9%の剤形は、それぞれ25.5mg/hrおよび16.9mg/hrの平均速度でLDを送達し、かつ相応的に85%のLDを7.5時間および11.5時間で送達した。
【0096】
実施例8
この実施例において実施例7の工程を繰り返して剤形を提供した。この実施例において、23.78wt%のレボドパ、64.22wt%のカルビドパ、10.0wt%のヒドロキシプロピルセルロース、1.0wt%のアスパルテームおよび1.0wt%のペパーミントエッセンスを含む迅速放出組成物で4.8%および7.7%の膜重量増加を有する乾燥後の剤形を外コーティングした(
図1.cに示すように)。迅速放出外コーティング組成物を無水エタノールに入れて10.0wt%の固体懸濁液を調製した。最終の剤形は62.5mgのCDおよび25mgのLDを含有する迅速放出層を含み、225mgのLDが放出制御の薬物層に含まれている。
図10に示すように、剤形の放出曲線はLD/CDの迅速放出を示し、その後の放出の持続時間がそれぞれ約8.5時間および12.0時間の徐放であった。膜の重量増加が4.8%の浸透送達システムは口腔に4~5時間維持した後、食事時または放出期間全体で口腔に維持することができる。膜の重量増加が7.7%の浸透送達システムは飲み込まれる前に口腔に8~9時間維持するか、あるいは放出期間全体で口腔に維持することができる。
【0097】
実施例9
この実施例において実施例1の工程を繰り返し、剤形は実施例1で提供されたものと類似する薬物層および膜形成組成物を含んだ。薬物層は重量百分率で38.0wt%のレボドパ、50.0wt%の微晶質セルロース、2.0wt%のステアリン酸マグネシウムおよび10.0wt%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。コーティング膜は50wt%のアセチル基の含有量が39.8wt%の酢酸セルロースおよび50wt%のコポビドンVA64を含む。この実施例において、膜の重量増加は4.50%であった。最終的に製造された剤形は9.4mg/hrの平均速度でレボドパを送達し、9.0時間で85%のレボドパを送達した。
【0098】
実施例10
この実施例において実施例1の工程を繰り返し、剤形は実施例1で提供されたものと類似する薬物層および膜形成組成物を含んだ。薬物プル層は重量百分率で19.5wt%のレボドパ、20.0wt%のカルビドパ、50.0wt%のマンニトールおよび10.0wt%のクエン酸を含んだ。コーティング膜は50wt%のアセチル基の含有量が39.8wt%の酢酸セルロースおよび50wt%のコポビドンVA64を含んだ。この実施例において、膜の重量増加は4.50%であった。最終的に製造された剤形は22.9mg/hrの平均速度でレボドパを送達し、13.0時間で85%のレボドパを送達した。
【0099】
実施例11
この実施例において実施例2の工程を繰り返し、剤形は実施例2と類似する薬物層、浸透層および膜形成組成物を含む。薬物プル層は重量百分率で70.0wt%のレボドパ、9.0wt%のマンニトール、20.0wt%のポビドンK30および1.0wt%のステアリン酸マグネシウムを含んだ。浸透層は85.0wt%のカルボキシメチルセルロースナトリウム(7H4XF)、3.0wt%のポビドンK30、5.0wt%のソルビトール、5.0wt%のベンガラおよび2.0wt%のステアリン酸マグネシウムを含んだ。コーティング膜は重量百分率で70wt%のアセチル基の含有量が39.8wt%の酢酸セルロースおよび30wt%のコポビドンVA64を含んだ。この実施例において、膜の重量増加は4.5%であった。最終的に製造された剤形はそれぞれ35.0mg/hrの平均速度でレボドパを送達し、8.5時間で85%のレボドパを送達した。
【0100】
実施例12
この実施例において実施例2の工程を繰り返し、剤形は実施例2と類似する薬物層、浸透層および膜形成組成物を含んだ。薬物層は重量百分率で20.0wt%のレボドパ、20.0wt%のカルビドパ、50.0wt%のヒドロキシプロピルセルロース、4.0wt%のマンニトール、5.0wt%のアスパルテームおよび1.0wt%のステアリン酸マグネシウムを含んだ。浸透層は25.0wt%のカルボキシメチルセルロースナトリウム(7H4XF)、9.5wt%のポビドンK30、65.0wt%のソルビトールおよび0.5wt%のステアリン酸マグネシウムを含んだ。コーティング膜は重量百分率で90wt%のアセチル基の含有量が39.8wt%の酢酸セルロースおよび10wt%のコポビドンVA64を含んだ。この実施例において、膜の重量増加は4.5%であった。最終的に製造された剤形はそれぞれ7.1mg/hrの平均速度でレボドパおよびCDを送達し、12時間で85%のレボドパ/CDを送達した。
【0101】
実施例13
この実施例において実施例8の工程を繰り返し、剤形は実施例8と類似する薬物層、浸透層、膜形成組成物および外コーティングを含んだ。薬物層は重量百分率で45.0wt%のレボドパ、31.0wt%のヒドロキシプロピルセルロース、17.0wt%のマンニトール、5.0wt%のポビドンK30、1.0wt%のステアリン酸マグネシウムおよび1.0wt%のアスパルテームを含んだ。浸透層は60.0wt%のカルボキシメチルセルロースナトリウム(7H4XF)、10.0wt%のポビドンK30、26.0wt%のソルビトール、2.0wt%のベンガラおよび2.0wt%のステアリン酸マグネシウムを含んだ。コーティング膜は重量百分率で70wt%のアセチル基の含有量が39.8wt%の酢酸セルロースおよび30wt%のコポビドンVA64を含んだ。前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.5%であった。迅速放出の外コーティングは重量百分率で93.0wt%のCD、2.0wt%のヒドロキシプロピルセルロースEFおよび5.0wt%のアスパルテームを含み、前記外コーティングの重量は錠コア(錠コア+第一層のコーティング膜の酢酸セルロースおよびコポビドンVA64)の重量の13.2%であった。剤形の迅速放出の外コーティングが先に迅速に放出され、その後放出の持続時間が約8時間の徐放であった。浸透送達システムは口腔に4~5時間維持した後、食事前に飲み込まるか、あるいは放出期間全体で口腔に維持することができる。
【0102】
実施例14
この実施例において実施例8の工程を繰り返し、剤形は実施例8と類似する薬物層、浸透層、膜形成組成物および外コーティングを含んだ。薬物層は重量百分率で45.0wt%のレボドパ、31.0wt%のヒドロキシプロピルセルロース、12.0wt%のマンニトール、5.0wt%のポビドンK30、5.0wt%のペパーミントエッセンス、1.0wt%のステアリン酸マグネシウムおよび1.0wt%のアスパルテームを含んだ。浸透層は40.0wt%のカルボキシメチルセルロースナトリウム(7H4XF)、20.0wt%のポビドンK30、36.0wt%のソルビトール、3.5wt%のベンガラおよび0.5wt%のステアリン酸マグネシウムを含んだ。コーティング膜は重量百分率で70wt%のアセチル基の含有量が39.8wt%の酢酸セルロースおよび30wt%のコポビドンVA64を含んだ。前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の4.5%であった。迅速放出の外コーティングは重量百分率で75.0wt%のLD、20.0wt%のヒドロキシプロピルセルロースおよび5.0wt%のペパーミントエッセンスを含み、前記外コーティングの重量は錠コア(錠コア+第一層のコーティング膜の酢酸セルロースおよびコポビドンVA64)の重量の13.2%であった。剤形の迅速放出の外コーティングが先に迅速に放出され、その後放出の持続時間が約8時間の徐放であった。浸透送達システムは口腔に4~5時間維持した後、食事前に飲み込まるか、あるいは放出期間全体で口腔に維持することができる。
【0103】
実施例15
この実施例において実施例8の工程を繰り返し、剤形は実施例8と類似する薬物層、浸透層、膜形成組成物および外コーティングを含んだ。薬物層は重量百分率で45.0wt%のレボドパ、31.0wt%のヒドロキシプロピルセルロース、17.0wt%のマンニトール、5.0wt%のポビドンK30、1.0wt%のステアリン酸マグネシウムおよび1.0wt%のアスパルテームを含んだ。浸透層は55.0wt%のカルボキシメチルセルロースナトリウム(7H4XF)、10.0wt%のヒドロキシプロピルセルロース、34.0wt%のソルビトール、0.5wt%のベンガラおよび0.5wt%のステアリン酸マグネシウムを含んだ。コーティング膜は重量百分率で70wt%のアセチル基の含有量が39.8wt%の酢酸セルロースおよび30wt%のコポビドンVA64を含んだ。前記コーティング膜の重量は錠コアの重量の5.9%であった。迅速放出の外コーティング固体懸濁液の濃度は10.0wt%で、重量百分率で24.0wt%のレボドパ、65.0wt%のカルビドパ一水和物、10.0wt%のヒドロキシプロピルセルロースおよび1.0wt%のアスパルテームを含み、前記外コーティングの重量は錠コア(錠コア+第一層のコーティング膜の酢酸セルロースおよびコポビドンVA64)の重量の13.1%であった。前記外コーティングのコーティング液の溶媒が無水エタノールである場合、得られる剤形のカルビドパ関連遺伝子毒性不純物のヒドラジンの含有量は1.7ppmで、カルビドパ関連不純物のジヒドロキシフェニルアセトン(dihydroxyphenylacetone、DHPA)の含有量は0.21%であった。前記外コーティングのコーティング液の溶媒が精製水である場合、重量百分率で、外コーティング固体懸濁液の濃度は10.0wt%で、24.0wt%のレボドパ、65.0wt%のカルビドパ一水和物、10.0wt%のヒドロキシプロピルセルロースおよび1.0wt%のアスパルテームを含み、得られる剤形のカルビドパ関連遺伝子毒性不純物のヒドラジンの含有量は3.8ppmで、カルビドパ関連不純物のDHPAの含有量は0.28%であった。前記外コーティングのコーティング液の溶媒が無水エタノールである場合、得られる剤形のカルビドパ関連遺伝子毒性不純物のヒドラジンおよびカルビドパ関連不純物のDHPAは前記外コーティングのコーティング液の溶媒が精製水である場合の剤形よりも顕著に低かった。剤形の迅速放出の外コーティングが先に迅速に放出され、その後持続的な定速放出は約8時間であった。浸透送達システムは口腔に3~5時間維持した後、食事前に飲み込まるか、あるいは放出期間全体で口腔に維持することができる。
【0104】
実施例16
まず、重量百分率で、45.0wt%のレボドパ、31.0wt%のヒドロキシプロピルセルロース、22.0wt%のマンニトール、0.9wt%のアスパルテーム、0.1wt%のペパーミントエッセンスおよび0.5wt%のステアリン酸マグネシウム含む薬物層組成物を製造し、それぞれ40メッシュのステンレス網に通させた後、乾式造粒機で造粒して乾燥顆粒を得た後、0.5wt%のステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0105】
次に、55.0wt%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、34.0wt%のソルビトール、10.0wt%のヒドロキシプロピルセルロースおよび0.5wt%のベンガラを含む第二の組成物、すなわち、浸透層を製造し、これらの成分をそれぞれ40メッシュのステンレス網に通させた後、乾式造粒機で造粒して乾燥顆粒を得た後、0.5wt%のステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0106】
そして、薬物層および浸透層の顆粒を二層錠コアにプレスした。まず、418mgの薬物層の顆粒を打錠機の16×7mmの異型パンチに入れてプレスした後、209mgの浸透層の顆粒をパンチに入れ、そして二層の顆粒を打錠機で接触二層錠コアにプレスした。
【0107】
そして、半透膜で二層錠コアをコーティングした。当該膜形成組成物は重量百分率で70wt%のアセチル基の含有量が39.8wt%の酢酸セルロースおよび30wt%のコポビドンVA64を含んだ。当該膜形成組成物をアセトンに溶解させて4%の固体溶液を調製した。実施例1に示されたプロセスのパラメーターで、Glatt GC 1パンコーティング装置で膜形成組成物を二層錠コアに噴霧し、コーティング膜を形成させ、コーティング錠の膜重量増加は6.5%であった。最後に、剤形の薬物層の一方の側にレーザーで1.0mmの出口孔を開けた。
【0108】
そして、54.0wt%のレボドパ、35.0wt%のカルビドパ一水和物、10.0wt%のヒドロキシプロピルセルロース、0.9wt%のアスパルテームおよび0.1wt%のペパーミントエッセンスを含む迅速放出組成物で6.5%の膜重量増加を有する乾燥後の剤形を外コーティングした。迅速放出外コーティング組成物を無水エタノールに入れて10.0wt%の固体懸濁液を調製した。最終の剤形は62.5mgのレボドパおよび37.5mgのカルビドパを含有する迅速放出層を含み、187.5mgのレボドパが放出制御の薬物層に含まれている。
【0109】
剤形の迅速放出の外コーティングが先に迅速に放出され、その後放出の持続時間が約8時間の徐放であった。浸透送達システムは口腔に4~5時間維持した後、食事前に飲み込まるか、あるいは放出期間全体で口腔に維持することができる。
【0110】
実施例17
この実施例において実施例16の工程を繰り返し、剤形は実施例16と類似する薬物層、浸透層、膜形成組成物および外コーティングを含んだ。
【0111】
まず、重量百分率で、45.0wt%のレボドパ、31.0wt%のヒドロキシプロピルセルロース、22.0wt%のマンニトール、0.9wt%のアスパルテーム、0.1wt%のペパーミントエッセンスおよび0.5wt%のステアリン酸マグネシウム含む薬物層組成物を製造し、それぞれ40メッシュのステンレス網に通させた後、乾式造粒機で造粒して乾燥顆粒を得た後、0.5wt%のステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0112】
次に、55.0wt%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、34.0wt%のソルビトール、10.0wt%のヒドロキシプロピルセルロースおよび0.5wt%のベンガラを含む第二の組成物、すなわち、浸透層を製造し、これらの成分をそれぞれ40メッシュのステンレス網に通させた後、乾式造粒機で造粒して乾燥顆粒を得た後、0.5wt%のステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0113】
そして、薬物層および浸透層の顆粒を二層錠コアにプレスした。まず、250mgの薬物層の顆粒を打錠機の9.0mmの丸パンチに入れてプレスした後、125mgの浸透層の顆粒をパンチに入れ、そして二層の顆粒を打錠機で接触二層錠コアにプレスした。
【0114】
そして、半透膜で二層錠コアをコーティングした。当該膜形成組成物は重量百分率で70wt%のアセチル基の含有量が39.8wt%の酢酸セルロースおよび30wt%のコポビドンVA64を含んだ。当該膜形成組成物をアセトンに溶解させて4%の固体溶液を調製した。実施例1に示されたプロセスのパラメーターで、Glatt GC 1パンコーティング装置で膜形成組成物を二層錠コアに噴霧し、コーティング膜を形成させ、コーティング錠の膜重量増加は7.0%であった。最後に、剤形の薬物層の一方の側にレーザーで0.75mmの出口孔を開けた。
【0115】
そして、42.8wt%のレボドパ、46.2wt%のカルビドパ一水和物、10.0wt%のヒドロキシプロピルセルロース、0.9wt%のアスパルテームおよび0.1wt%のペパーミントエッセンスを含む迅速放出組成物で7.0%の膜重量増加を有する乾燥後の剤形を外コーティングした。迅速放出外コーティング組成物を無水エタノールに入れて10.0wt%の固体懸濁液を調製した。最終の剤形は37.5mgのレボドパおよび37.5mgのカルビドパを含有する迅速放出層を含み、112.5mgのレボドパが放出制御の薬物層に含まれている。
【0116】
剤形の迅速放出の外コーティングが先に迅速に放出され、その後放出の持続時間が約8時間の徐放であった。浸透送達システムは口腔に4~5時間維持した後、食事前に飲み込まるか、あるいは放出期間全体で口腔に維持することができる。
【0117】
実施例18
この実施例において実施例16の工程を繰り返し、剤形は実施例16と類似する薬物層、浸透層、膜形成組成物および外コーティングを含んだ。
【0118】
まず、重量百分率で、45.0wt%のレボドパ、31.0wt%のヒドロキシプロピルセルロース、22.0wt%のマンニトール、0.9wt%のアスパルテーム、0.1wt%のペパーミントエッセンスおよび0.5wt%のステアリン酸マグネシウムを含む薬物層組成物を製造し、それぞれ40メッシュのステンレス網に通させた後、乾式造粒機で造粒して乾燥顆粒を得た後、0.5wt%のステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0119】
次に、55.0wt%のカルボキシメチルセルロースナトリウム7H4XF、34.0wt%のソルビトール、10.0wt%のヒドロキシプロピルセルロースおよび0.5wt%のベンガラを含む第二の組成物、すなわち、浸透層を製造し、これらの成分をそれぞれ40メッシュのステンレス網に通させた後、乾式造粒機で造粒して乾燥顆粒を得た後、0.5wt%のステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0120】
そして、薬物層および浸透層の顆粒を二層錠コアにプレスした。まず、125mgの薬物層の顆粒を打錠機の7mmの丸パンチに入れてプレスした後、62.5mgの浸透層の顆粒をパンチに入れ、そして二層の顆粒を打錠機で接触二層錠コアにプレスした。
【0121】
そして、半透膜で二層錠コアをコーティングした。当該膜形成組成物は重量百分率で70 wt%のアセチル基の含有量が39.8 wt%の酢酸セルロースおよび30wt%のコポビドンVA64を含む。当該膜形成組成物をアセトンに溶解させて4%の固体溶液を調製した。実施例1に示されたプロセスのパラメーターで、Glatt GC 1パンコーティング装置で膜形成組成物を二層錠コアに噴霧し、コーティング膜を形成させ、コーティング錠の膜重量増加は9.0%であった。最後に、剤形の薬物層の一方の側にレーザーで0.5mmの出口孔を開けた。
【0122】
そして、28.2wt%のレボドパ、60.8wt%のカルビドパ一水和物、10.0wt%のヒドロキシプロピルセルロース、0.9wt%のアスパルテームおよび0.1wt%のペパーミントエッセンスを含む迅速放出組成物で9.0%の膜重量増加を有する乾燥後の剤形を外コーティングした。迅速放出外コーティング組成物を無水エタノールに入れて10.0wt%の固体懸濁液を調製した。最終の剤形は18.75mgのレボドパおよび37.5mgのカルビドパを含有する迅速放出層を含み、56.25mgのレボドパは放出制御の薬物層に含まれている。
【0123】
剤形の迅速放出の外コーティングが先に迅速に放出され、その後放出の持続時間が約8時間の徐放であった。浸透送達システムは口腔に4~5時間維持した後、食事前に飲み込まるか、あるいは放出全期間で口腔に維持することができる。
【0124】
以上、本発明の具体的な実施形態を記述したが、当業者にとって、これらは例示の説明だけで、本発明の原理と実質に反しないという前提下において、これらの実施形態に対して様々な変更や修正をすることができる。そのため、本発明の保護範囲は添付の請求の範囲によって限定される。