IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジャパンディスプレイの特許一覧

<>
  • 特許-表示装置 図1
  • 特許-表示装置 図2
  • 特許-表示装置 図3
  • 特許-表示装置 図4
  • 特許-表示装置 図5
  • 特許-表示装置 図6
  • 特許-表示装置 図7
  • 特許-表示装置 図8
  • 特許-表示装置 図9
  • 特許-表示装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20220323BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20220323BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220323BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220323BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
G09G3/36
G02F1/133 535
G02F1/133 550
G02F1/13357
G09G3/20 612U
G09G3/20 641P
G09G3/20 642B
G09G3/34 J
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017087958
(22)【出願日】2017-04-27
(65)【公開番号】P2017203981
(43)【公開日】2017-11-16
【審査請求日】2020-03-30
(31)【優先権主張番号】P 2016093860
(32)【優先日】2016-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】迫 和彦
(72)【発明者】
【氏名】高崎 直之
(72)【発明者】
【氏名】原田 勉
(72)【発明者】
【氏名】矢田 竜也
(72)【発明者】
【氏名】青木 重典
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/114682(WO,A1)
【文献】特開2010-224516(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102117600(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G02F 1/133 , 1/1357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方向に沿って並ぶ複数の光源と、
個の画素が設けられて前記複数の光源の各々と対応付けられた複数の部分領域に区分けされた表示領域を有し、前記複数の光源からの光で照明されて画像を出力する表示部と、
前記複数の部分領域の各々で最も高い輝度の光を必要とする画素に必要な光の輝度に応じた発光量となるよう前記複数の光源の各々の動作を制御する光源制御部と、
前記光源制御部によって制御された前記光源の発光量に基づいて前記n個の画素のうち一部又は全部の階調値を制御する表示制御部と、を備え、
1つの前記部分領域は、少なくとも前記一方向に沿って並ぶn個の画素を有し、
前記表示制御部は、隣接する2つの部分領域に対応付けられた2つの光源の発光量が異なる場合、第1補正と第2補正とを行い、
前記第1補正は、第1部分領域の画素のうち第2部分領域との境界からm番目の画素の位置までの第1範囲にある画素の階調値を対象とした補正であり、
前記第2補正は、前記第2部分領域の画素のうち前記境界からm番目の画素の位置までの第2範囲にある画素の階調値を対象とした補正であり、
前記第1部分領域は、隣接する2つの部分領域の一方であって、第1光源と対応付けられた部分領域であり、
前記第2部分領域は、隣接する2つの部分領域の他方であって、第2光源と対応付けられた部分領域であり、
前記第1光源は、前記2つの光源の一方であって、発光量が前記第2光源よりも大きい光源であり、
前記第2光源は、前記2つの光源の他方であって、発光量が前記第1光源よりも小さい光源であり、
前記第1補正によって、
前記光源制御部が決定した前記第1光源の発光量で照明されている画素に前記第1補正の階調値を与えられた場合に生じる当該画素の明るさが、
第1仮想光源の発光量で照明された画素に前記第1補正前の階調値を与えられた場合に生じる当該画素の明るさと同じになるように、
前記光源制御部が決定した前記第1光源の発光量で照明される画素に与えられる階調値が低くなり、
前記第1補正前の階調値は、第1範囲にある画素に前記第1補正が行われないと仮定した場合に、入力データに対応して与えられる階調値であり、
前記第1仮想光源の発光量は、前記第1光源の発光量を下回り、かつ、前記2つの光源の発光量の平均を上回るように前記複数の光源の1つが制御されたと仮定した場合に当該1つが生じさせる発光量であり、
前記第2補正によって、
前記光源制御部が決定した前記第2光源の発光量で照明されている画素に前記第2補正の階調値を与えられた場合に生じる当該画素の明るさが、
第2仮想光源の発光量で照明された画素に前記第2補正前の階調値を与えられた場合に生じる当該画素の明るさと同じになるように、
前記光源制御部が決定した前記第2光源の発光量で照明される画素に与えられる階調値がくなり、
前記第2補正前の階調値は、第2範囲にある画素に前記第2補正が行われないと仮定した場合に、入力データに対応して与えられる階調値であり、
前記第2仮想光源の発光量は、前記第2光源の発光量を上回り、かつ、前記2つの光源の発光量の平均を下回るように前記複数の光源の1つが制御されたと仮定した場合に当該1つが生じさせる発光量であり、
>n>m≧1であり、
前記発光量が相対的に小さい第2光源の発光量をLnとし、前記発光量が相対的に大きい第1光源の発光量をL(n+1)とし、前記第1部分領域の前記m番目の画素の位置から前記第2部分領域の前記m番目の画素の位置までの範囲にあり、前記第2部分領域の前記m番目の画素からa番目の画素を照らす第1仮想光源又は第2仮想光源の発光量をLaとした場合、前記表示制御部は、式(1)に基づいて、式(2)によってLaを決定する
表示装置。
A=a/2m…(1)
La=L(n+1)-{L(n+1)-Ln}×(2×A^3-3×A^2+1)…(2)
【請求項2】
前記第2範囲にある画素の前記第2補正前の階調値をP1とし、前記第2補正後の階調値をP2とした場合、前記表示制御部は、P2を、以下の式(9)で算出し、
前記第1範囲にある画素の前記第1補正前の階調値をP3とし、前記第1補正後の階調値をP4とした場合、前記表示制御部は、P4を、以下の式(10)で算出する
請求項に記載の表示装置。
P2=P1×La/Ln…(9)
P4=P3×La/L(n+1)…(10)
【請求項3】
少なくとも一方向に沿って並ぶ複数の光源と、
個の画素が設けられて前記複数の光源の各々と対応付けられた複数の部分領域に区分けされた表示領域を有し、前記複数の光源からの光で照明されて画像を出力する表示部と、
前記複数の部分領域の各々で最も高い輝度の光を必要とする画素に必要な光の輝度に応じた発光量となるよう前記複数の光源の各々の動作を制御する光源制御部と、
前記光源制御部によって制御された前記光源の発光量に基づいて前記n個の画素のうち一部又は全部の階調値を制御する表示制御部と、を備え、
1つの前記部分領域は、少なくとも前記一方向に沿って並ぶn個の画素を有し、
前記表示制御部は、隣接する2つの部分領域に対応付けられた2つの光源の発光量が異なる場合、第1補正と第2補正とを行い、
前記第1補正は、第1部分領域の画素のうち第2部分領域との境界からm番目の画素の位置までの第1範囲にある画素の階調値を対象とした補正であり、
前記第2補正は、前記第2部分領域の画素のうち前記境界からm番目の画素の位置までの第2範囲にある画素の階調値を対象とした補正であり、
前記第1部分領域は、隣接する2つの部分領域の一方であって、第1光源と対応付けられた部分領域であり、
前記第2部分領域は、隣接する2つの部分領域の他方であって、第2光源と対応付けられた部分領域であり、
前記第1光源は、前記2つの光源の一方であって、発光量が前記第2光源よりも大きい光源であり、
前記第2光源は、前記2つの光源の他方であって、発光量が前記第1光源よりも小さい光源であり、
前記第1補正によって、
前記光源制御部が決定した前記第1光源の発光量で照明されている画素に前記第1補正の階調値を与えられた場合に生じる当該画素の明るさが、
第1仮想光源の発光量で照明された画素に前記第1補正前の階調値を与えられた場合に生じる当該画素の明るさと同じになるように、
前記光源制御部が決定した前記第1光源の発光量で照明される画素に与えられる階調値が低くなり、
前記第1補正前の階調値は、第1範囲にある画素に前記第1補正が行われないと仮定した場合に、入力画像に対応して与えられる階調値であり、
前記第1仮想光源の発光量は、前記第1光源の発光量を下回り、かつ、前記2つの光源の発光量の平均を上回るように前記複数の光源の1つが制御されたと仮定した場合に当該1つが生じさせる発光量であり、
前記第2補正によって、
前記光源制御部が決定した前記第2光源の発光量で照明されている画素に前記第2補正の階調値を与えられた場合に生じる当該画素の明るさが、
第2仮想光源の発光量で照明された画素に前記第2補正前の階調値を与えられた場合に生じる当該画素の明るさと同じになるように、
前記光源制御部が決定した前記第2光源の発光量で照明される画素に与えられる階調値がくなり、
前記第2補正前の階調値は、第2範囲にある画素に前記第2補正が行われないと仮定した場合に、入力画像に対応して与えられる階調値であり、
前記第2仮想光源の発光量は、前記第2光源の発光量を上回り、かつ、前記2つの光源の発光量の平均を下回るように前記複数の光源の1つが制御されたと仮定した場合に当該1つが生じさせる発光量であり、
>n>m≧1であり、
前記発光量が相対的に小さい第2光源の発光量をLnとし、前記発光量が相対的に大きい第1光源の発光量をL(n+1)とし、前記第1部分領域の前記m番目の画素の位置から前記第2部分領域の前記m番目の画素の位置までの範囲にあり、前記第2部分領域の前記m番目の画素からa番目の画素を照らす第1仮想光源又は第2仮想光源の発光量をLaとし、所定の変数をCoefとした場合、前記表示制御部は、式(3)が示す値であるAに応じて式(4)~(7)のいずれか1つを採用してCoefを決定し、決定されたCoefを用いて式(8)によってLaを決定し、A<1であるとき式(4)を採用し、1≦A<2であるとき式(5)を採用し、2≦A<3であるとき式(6)を採用し、3≦A<4であるとき式(7)を採用する
表示装置。
A=a/(2m/4)…(3)
Coef=0.5×{-1/6×(2.0-A-2.0)^3}…(4)
Coef=0.5×[1/6×{3×(2.0-A)^3-6×(2.0-A)^2+4}]+{-1/6×(3.0-A-2.0)^3}…(5)
Coef=0.5×[1/6×{3×(A-2.0)^3-6×(A-2.0)^2+4}]+[1/6×{3×(3.0-A)^3-6×(3.0-A)^2+4}]+{-1/6×(4.0-A-2.0)^3}…(6)
Coef=0.5×{-1/6×(A-2.0-2.0)^3}+[1/6×{3×(A-3.0)^3-6×(A-3.0)^2+4}]+[1/6×{3×(4.0-A)^3-6×(4.0-A)^2+4}]+{-1/6×(5.0-A-2.0)^3}…(7)
La=L(n+1)-{L(n+1)-Ln}×Coef…(8)
【請求項4】
m≧2であり、
前記表示制御部は、前記第1補正及び前記第2補正において前記境界により近い画素の階調値に対する補正の度合いをより大きくする
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バックライト等の光源装置を複数の領域に分割し、該分割した領域の映像信号に応じて領域毎に光源の発光を制御するローカルディミング機能を備えた表示装置が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-246426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の光源の各々には個体差があり、各々からの光の輝度分布が異なる。このため、厳密なローカルディミングのためには複数の光源の各々の輝度分布を示す情報を保持しておく必要があり、係る情報を保持するためのリソースが必要になる。係るリソースの規模は光源の数に応じて比例的に増加するため、ローカルディミングの実現に際して大きな負担になる。また、複数の光源の各々からの光は、厳密に対応する領域のみに照射されるのでなく、隣接領域等、対応する領域付近にもたらされる。このため、厳密なローカルディミングを行おうとすると、係る複数の光源同士の関係を考慮した演算を行う必要があり、係る演算のためのリソースが必要になる。係るリソースの規模は領域の数に応じて増加するため、ローカルディミングの実現に際して大きな負担になる。
【0005】
また、単にローカルディミングを行うだけでは、隣接する領域間で輝度差によって領域同士の境界が視認されることがあり得る。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、より少ない負担で境界を視認しにくいローカルディミングを実現することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様による表示装置は、少なくとも一方向に沿って並ぶ複数の光源と、n個の画素が設けられた表示領域を有し、前記複数の光源からの光で照明されて画像を出力する表示部と、前記表示部の表示出力内容に基づいて前記光源の動作を制御する光源制御部と、前記光源の発光量に基づいて前記複数の画素のうち一部又は全部の出力階調値を制御する表示制御部と、を備え、前記表示領域は、前記複数の光源の各々と対応付けられた複数の部分領域に区分けされ、1つの前記部分領域は、少なくとも前記一方向に沿って並ぶn個の画素を有し、前記光源制御部は、1つの部分領域で必要な光の輝度に応じて当該1つの部分領域と対応付けられた1つの光源の発光量を決定し、前記表示制御部は、隣接する2つの部分領域に対応付けられた2つの光源の発光量が異なる場合、発光量が相対的に大きい第1光源と対応付けられた一方の部分領域である第1部分領域の画素のうち発光量が相対的に小さい第2光源と対応付けられた他方の部分領域である第2部分領域との境界からm番目の画素の位置までの第1範囲にある画素の出力階調値を低くする第1補正を行うとともに、前記第2部分領域の画素のうち前記境界からm番目の画素の位置までの第2範囲にある画素の出力階調値を高くする第2補正を行い、前記第1補正後の出力階調値は、前記第1補正前の出力階調値で制御された画素が、発光量が相対的に大きい第1光源の発光量を下回り、かつ、前記2つの光源の各々の発光量の中間の発光量を上回る第1仮想光源からの光で照らされた場合の出力階調値であり、前記第2補正後の出力階調値は、前記第2補正前の出力階調値で制御された画素が、発光量が相対的に小さい第2光源の発光量を上回り、かつ、前記2つの光源の各々の発光量の中間の発光量を下回る第2仮想光源からの光で照らされた場合の出力階調値であり、n>n>m≧1である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置の主要構成を示す概略図である。
図2図2は、本実施形態に係る表示部のシステム構成例を表すブロック図である。
図3図3は、本実施形態に係る表示部の画素を駆動する駆動回路を示す回路図である。
図4図4は、表示領域の区分けの一例を示す図である。
図5図5は、光源部が有する複数の光源と複数の部分領域との対応関係の一例を示す図である。
図6図6は、一方向に沿って並ぶ4つの光源の制御パターンと、4つの光源の各々の輝度分布と、4つの光源からの光が合成された輝度分布との対応関係の一例を示すグラフである。
図7図7は、本実施形態による出力階調値の補正による4つの部分領域の計算輝度分布を示すグラフである。
図8図8は、2つの部分領域間の計算輝度分布と、部分領域間の境界からm番目までの画素の位置と、境界からm番目までの画素のうち境界から遠い方からa番目の画素の位置との関係の一例を示すグラフである。
図9図9は、X方向及びY方向の出力階調値の補正の一例を示す模式図である。
図10図10は、2つの部分領域間の計算輝度分布と、部分領域間の境界からm番目までの画素の位置と、境界からm番目までの画素のうち境界から遠い方からa番目の画素の位置との関係の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の主要構成を示す概略図である。表示装置1は、例えば、光源装置として機能する光源部6、光源部6からの光Lで照明されて画像を出力する表示部2等を有する。光源部6から発せられた光Lは、表示部2、鏡M及びフロントガラスFGにより反射されてユーザHに到達することで、ユーザHの視界内で画像VIとして認識される。すなわち、本実施形態の表示装置1は、鏡M、フロントガラスFGを用いたヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display:HUD)として機能する。
【0011】
次に、表示部2について説明する。本実施形態の表示部2は、光Lを透過させて画像を出力する透過型の液晶ディスプレイであるが、反射型の液晶ディスプレイ、デジタル・マイクロミラー・デバイス(Digital Micromirror Device:DMD(登録商標))等であってもよい。
【0012】
図2は、本実施形態に係る表示部2のシステム構成例を表すブロック図である。図3は、本実施形態に係る表示部2の画素Pixを駆動する駆動回路を示す回路図である。画素Pixは、複数の副画素Vpixを含む。表示部2は、例えば透過型の液晶ディスプレイであり、画像出力パネルと、駆動素子3、例えば、DDIC(Display Driver Integrated Circuit)を備えている。
【0013】
画像出力パネルは、例えば、透光性絶縁基板、例えばガラス基板と、ガラス基板の表面にあり、液晶セルを含む画素Pix(図3参照)がマトリクス状(行列状)に多数配置されてなる表示領域21を有する。ガラス基板は、能動素子(例えば、トランジスタ)を含む多数の画素回路がマトリクス状に配置形成される第1の基板と、この第1の基板と所定の間隙をもって対向して配置される第2の基板とによって構成される。第1の基板と第2の基板との間隙は、第1の基板上の各所に配置形成されるフォトスペーサによって所定の間隙に保持される。そして、これら第1の基板及び第2の基板間に液晶が封入される。なお、図2に示す各部の配置及び大きさは模式的なものであり、実際の配置等を反映したものでない。
【0014】
表示領域21は、液晶層を含む副画素VpixがM行×N列に配置されたマトリクス(行列状)構造を有している。なお、この明細書において、行とは、一方向に配列されるN個の副画素Vpixを有する画素行をいう。また、列とは、行が配列される方向と直交する方向に配列されるM個の副画素Vpixを有する画素列をいう。そして、MとNとの値は、垂直方向の解像度と水平方向の解像度に応じて定まる。表示領域21には、副画素VpixのM行N列の配列に対して行毎に走査線24,24,24,…,24が配線され、列毎に信号線25,25,25,…,25が配線されている。以後、本実施形態においては、走査線24,24,24,…,24を代表して走査線24のように表記し、信号線25,25,25,…,25を代表して信号線25のように表記することがある。また、本実施形態においては、走査線24,24,24,…,24の任意の3本の走査線を、走査線24,24m+1,24m+2(ただし、mは、m≦M-2を満たす自然数)のように表記し、信号線25,25,25,…,25の任意の4本の信号線を、信号線25,25n+1,25n+2,25n+3(ただし、nは、n≦N-3を満たす自然数)のように表記する。
【0015】
駆動素子3は、例えばCOG(Chip On Glass)によって画像出力パネルのガラス基板上に実装された回路である。駆動素子3は、図示しないフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuits:FPC)を介して制御部100と接続されている。制御部100は、表示部2及び光源部6の動作制御を行う回路である。具体的には、制御部100は、例えば表示制御部101及び光源制御部102として機能する。表示制御部101は、画素Pixを構成する複数の副画素Vpixを個別に駆動するための画素信号を出力する。画素信号は、例えば、後述する赤(R)、緑(G)、青(B)、白(W)の個々の階調値を組み合わせた信号であるが、画素信号を構成する階調値と対応付けられる色の種類及び色数は、任意である。また、表示制御部101は、光源制御部102に制御された光源6aの発光量に基づいて複数の画素Pixのうち一部又は全部の出力階調値を制御する機能を有する。光源制御部102は、表示部2の表示出力内容に基づいて光源6aの動作を制御する。具体的には、光源制御部102は、光源部6を構成する複数の光源6aの動作を個別に制御する。また、制御部100は、表示部2の動作に係り用いられる各種の信号(例えば、マスタークロック、水平同期信号、垂直同期信号等)を出力する機能を有していてもよい。係る各種の信号を出力する構成は、別個設けられてもよい。
【0016】
本実施形態では、光源制御部102は、1フレーム前の表示制御部101が出力した画素信号に基づいて複数の光源6aの動作を制御する所謂1フレーム遅延制御が採用されている。係る1フレーム遅延制御によって、画素信号と同一フレームで複数の光源6aの動作を制御しようとした場合に必要になる画素信号の保持のためのバッファを省略することができる。なお、バッファを設けて画素信号と同一フレームで複数の光源6aの動作を制御するようにしてもよい。
【0017】
また、表示部2は、図示しない外部入力電源等と接続されている。外部入力電源は、後述する接続端子41等を介して表示部2の動作に必要な電力を供給する。
【0018】
より具体的には、駆動素子3は、例えば制御部100から与えられる各種の信号に応じて表示部2を動作させる。制御部100は、例えば、マスタークロック、水平同期信号、垂直同期信号、画素信号、光源部6の駆動命令信号等を駆動素子3に出力する。駆動素子3は、これらの信号等に基づいてゲートドライバ及びソースドライバとして機能する。なお、ゲートドライバ又はソースドライバの一方、あるいは、その両方を、後述の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)を用いて基板上に形成してもよい。その場合は、当該ゲートドライバ又はソースドライバの一方あるいはその両方を、駆動素子3に電気的に接続すればよい。また、ソースドライバとゲートドライバは、それぞれ別の駆動素子3に電気的に接続されていてもよいし、同じ駆動素子3に接続されていてもよい。
【0019】
ゲートドライバは、垂直同期信号及び水平同期信号に同期して水平同期信号に応じた1水平期間単位でデジタルデータをラッチする。ゲートドライバは、ラッチされた1ライン分のデジタルデータを垂直走査パルスとして順に出力し、表示領域21の走査線24(走査線24,24,24,…,24)に与えることによって副画素Vpixを行単位で順次選択する。ゲートドライバは、例えば、行方向について、走査線24,24,…の表示領域21の一方端側から他方端側へ順にデジタルデータを出力する。また、ゲートドライバは、行方向について、走査線24M,…の表示領域21の他方端側から一方端側へ順にデジタルデータを出力することもできる。
【0020】
ソースドライバには、例えば、画素信号に基づいて生成された画素駆動用のデータが与えられる。ソースドライバは、ゲートドライバによる垂直走査によって選択された行の副画素Vpixに対して、副画素毎に、若しくは複数副画素毎に、或いは全副画素一斉に、信号線25(信号線25,25,25,…,25)を介して画素駆動用のデータを書き込む。
【0021】
液晶ディスプレイの駆動方式として、ライン反転、ドット反転、フレーム反転などの駆動方式が知られている。ライン反転は、1ライン(1画素行)に相当する1H(Hは水平期間)の時間周期で映像信号の極性を反転させる駆動方式である。ドット反転は、交差する二方向(例えば、行列方向)について互いに隣接する副画素毎に映像信号の極性を交互に反転させる駆動方式である。フレーム反転は、1画面に相当する1フレーム毎に全ての副画素Vpixに書き込む映像信号を一度に同じ極性で反転させる駆動方式である。表示部2は、上記の各駆動方式のいずれを採用することも可能である。
【0022】
本実施形態に係る説明では、M本の走査線24,24,24,…,24の各々を包括して扱う場合、走査線24と記載することがある。図3における走査線24,24m+1,24m+2は、M本の走査線24,24,24,…,24の一部である。また、N本の信号線25,25,25,…,25の各々を包括して扱う場合、信号線25と記載することがある。図3における信号線25,25n+1,25n+2は、N本の信号線25,25,25,…,25の一部である。
【0023】
表示領域21には、副画素VpixのTFT素子Trに画素信号を供給する信号線25、各TFT素子Trを駆動する走査線24等の配線が形成されている。このように、信号線25は、上述したガラス基板の表面と平行な平面に延在し、副画素Vpixに画像を出力するための画素信号に基づいて生成された画素駆動用のデータを供給する。副画素Vpixは、TFT素子Tr及び液晶素子LCを備えている。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソース又はドレインの一方は信号線25に接続され、ゲートは走査線24に接続され、ソース又はドレインの他方は液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのソース又はドレインの他方に接続され、他端が共通電極COMに接続されている。共通電極COMには、図示しない駆動電極ドライバによって駆動信号が印加されている。駆動電極ドライバは、駆動素子3の一構成であってもよいし、独立した回路であってもよい。
【0024】
副画素Vpixは、走査線24により、表示領域21の同じ行に属する他の副画素Vpixと互いに接続されている。走査線24は、ゲートドライバと接続され、ゲートドライバから走査信号の垂直走査パルスが供給される。また、副画素Vpixは、信号線25により、表示領域21の同じ列に属する他の副画素Vpixと互いに接続されている。信号線25は、ソースドライバと接続され、ソースドライバより画素信号が供給される。さらに、副画素Vpixは、共通電極COMにより、表示領域21の同じ列に属する他の副画素Vpixと互いに接続されている。共通電極COMは、不図示の駆動電極ドライバと接続され、駆動電極ドライバより駆動信号が供給される。
【0025】
ゲートドライバは、走査線24を介して、副画素VpixのTFT素子Trのゲートに垂直走査パルスを印加することにより、表示領域21にマトリクス状に形成されている副画素Vpixのうちの1行(1水平ライン)を画像出力の対象として順次選択する。ソースドライバは、画素信号を、信号線25を介して、ゲートドライバにより順次選択される1水平ラインに含まれる副画素Vpixにそれぞれ供給する。そして、これらの副画素Vpixでは、供給される画素信号に応じて、1水平ラインの画像出力が行われるようになっている。
【0026】
上述したように、表示部2は、ゲートドライバが走査線24を順次走査するように駆動することにより、1水平ラインが順次選択される。また、表示部2は、1水平ラインに属する副画素Vpixに対して、ソースドライバが信号線25を介して画素信号を供給することにより、1水平ラインずつ画像出力が行われる。この画像出力動作を行う際、駆動電極ドライバは、その1水平ラインに対応する共通電極COMに対して駆動信号を印加するようになっている。
【0027】
また、表示領域21は、カラーフィルタを有する。カラーフィルタは、格子形状のブラックマトリクス76aと、開口部76bと、を有する。ブラックマトリクス76aは、図3に示すように副画素Vpixの外周を覆うように形成されている。つまり、ブラックマトリクス76aは、二次元配置された副画素Vpixと副画素Vpixとの境界に配置されることで、格子形状となる。ブラックマトリクス76aは、光の吸収率が高い材料で形成されている。開口部76bは、ブラックマトリクス76aの格子形状で形成されている開口であり、副画素Vpixに対応して配置されている。
【0028】
開口部76bは、3色(例えば赤(R)、緑(G)、青(B))、又は、4色の副画素Vpixに対応する色領域を含む。具体的には、開口部76bは、例えば、第1の色、第2の色、第3の色の一形態である赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色された色領域と、第4の色(例えば、白(W))の色領域とを含む。カラーフィルタは、開口部76bに例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色された色領域を周期的に配列する。第4の色が白(W)である場合、この白(W)の開口部76bに対してカラーフィルタによる着色は施されない。第4の色が他の色である場合、第4の色として採用された色がカラーフィルタにより着色される。本実施形態では、図3に示す各副画素VpixにR、G、Bの3色の色領域と第4の色(例えば白(W))との計4色が1組として画素Pixとして対応付けられている。本実施形態における1つの画素Pixに対する画素信号は、赤(R)、緑(G)、青(B)及び第4の色(白(W))の副画素Vpixを有する1つの画素Pixの出力に対応する画素信号である。本実施形態の説明では、赤(R)、緑(G)、青(B)、白(W)を単にR,G,B,Wと記載することがある。なお、画素Pixが2色以下又は5色以上の副画素Vpixを含む場合は、色数に応じたデジタルデータを画像の元データに基づいて供給すればよい。
【0029】
なお、カラーフィルタは、異なる色に着色されていれば、他の色の組み合わせであってもよい。一般に、カラーフィルタは、緑(G)の色領域の輝度が、赤(R)の色領域及び青(B)の色領域の輝度よりも高い。また、第4の色が白(W)である場合に、カラーフィルタに光透過性の樹脂を用いて白色としてもよい。
【0030】
表示領域21は、正面に直交する方向からみた場合、走査線24と信号線25がカラーフィルタのブラックマトリクス76aと重なる領域に配置されている。つまり、走査線24及び信号線25は、正面に直交する方向からみた場合、ブラックマトリクス76aの後ろに隠されることになる。また、表示領域21は、ブラックマトリクス76aが配置されていない領域が開口部76bとなる。
【0031】
図4は、表示領域21の区分けの一例を示す図である。表示領域21は、複数の部分領域に区分けされる。具体的には、例えば図4に示すように、表示領域21がX方向に沿ってX,X,…,Xのように8等分されるとともに、Y方向に沿ってY,Y,Y,Yのように4等分されるように区切られることで、8×4の部分領域が設けられる。一例として、X方向に800個、Y方向に480個、すなわち、800×480の画素Pixがマトリクス状に並ぶ表示領域21の場合、図4に示す1つの部分領域は、100×120の画素Pixを有する。図4に示す例及び表示領域21の画素数はあくまで一例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。
【0032】
図5は、光源部6が有する複数の光源6aと複数の部分領域との対応関係の一例を示す図である。図5に示す光源6aの配置は、図4に示す部分領域の区切りに対応する配置である。複数の部分領域は、光源部6が有する複数の光源6aの各々と対応付けられている。具体的には、例えば図5に示すように、複数の部分領域の各々に1つずつ光源6aが配置されている。光源6aは、例えば発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)であるが、これは光源6aの具体的構成の一例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。また、図5では、部分領域の各々に1つずつ光源6aが配置されているが、部分領域の各々で個別に発光量の制御が可能であり、部分領域毎の輝度を調整可能な構成であればこれに限られるものでなく適宜変更可能である。
【0033】
なお、複数の光源6aの各々からの光は、厳密に対応する部分領域のみに照射されるのでなく、対応する部分領域付近の部分領域にもたらされる。このため、例えば隣接する2つの部分領域に対応する2つの光源6aが両方とも点灯している場合、当該2つの部分領域には当該2つの光源6aの光の合成光が照射されることになり得る。
【0034】
本実施形態では、光源制御部102は、複数の光源6aの動作制御に係り、ローカルディミングを採用している。すなわち、光源制御部102は、複数の光源6aの各々の発光量が複数の部分領域の各々で必要な輝度に応じた発光量となるよう複数の光源6aの動作を制御する。例えば、図4に示す(X,Y)の部分領域が有する全ての画素Pixの出力階調値が黒(例えば、(R,G,B)=(0,0,0))である場合、光源制御部102は、(X,Y)に対応する光源6aを点灯させない。また、2つの部分領域の各々で、最も高い輝度の光を必要とする画素Pixの出力階調値の比率が1:2である場合について単純化して模式的に説明すると、光源制御部102は、係る2つの部分領域の各々に対応する2つの光源6aの発光による輝度の比率が1:2となるように制御する。
【0035】
しかしながら、上記で説明したように、複数の光源6aの各々からの光は、厳密に対応する部分領域のみに照射されるのでなく、対応する部分領域付近の部分領域にもたらされる。このため、仮に厳密なローカルディミングを行おうとすると、係る複数の光源6a同士の関係を考慮する必要が生じる。
【0036】
図6は、一方向に沿って並ぶ4つの光源6aの制御パターンPと、4つの光源6aの各々の輝度分布T,T,T,Tと、4つの光源6aからの光が合成された輝度分布Tとの対応関係の一例を示すグラフである。図6及び後述する図7の横軸はX方向又はY方向のいずれかである。図6及び後述する図7では、一方向(X方向又はY方向)に沿って並ぶ4つの部分領域n,(n+1),(n+2),(n+3)に対応する4つの光源6aについて例示している。また、部分領域(n+3)は、一方向の端部に位置する部分領域である。
【0037】
図6に示す例の場合、4つの部分領域n,(n+1),(n+2),(n+3)に対応する4つの光源6aは、4つの光源6aの制御パターンPに対応してそれぞれ輝度分布T,T,T,Tを示す発光量で点灯する。これによって、4つの部分領域n,(n+1),(n+2),(n+3)に照射される光の輝度分布は、4つの光源6aからの光が合成された輝度分布Tのようになる。より具体的には、例えば輝度分布Tのうち、部分領域(n+2)内の所定位置における光の輝度Tは、当該所定位置における4つの光源6aの各々からの光によってもたらされた輝度T,T,T,Tの合成による。
【0038】
なお、図6に示す制御パターンPは、4つの部分領域n,(n+1),(n+2),(n+3)に対応する4つの光源6aに対する駆動信号が示す発光量、すなわち、4つの部分領域n,(n+1),(n+2),(n+3)の各々で求められる輝度に対応して決定された4つの光源6aの発光量を示している。図6では、部分領域(n+1),n,(n+3),(n+2)の順で、求められる輝度が高くなっている。
【0039】
このように、輝度分布Tは制御パターンPに一致しないことから、厳密に輝度分布Tを求めようとすると、輝度分布T,T,T,Tに基づいた演算が必要になる。しかしながら、輝度分布T,T,T,Tのような複数の光源6aの各々の輝度分布は、座標を変数とした式等による一般化が困難である。駆動信号が示す発光量に応じた各々の光源6aの輝度分布を示す情報を正確に求めるためには、あらかじめ個別に測定を行う必要がある。そして、係る情報の保持には、測定された複数の光源6aの輝度分布パターンを網羅的に記憶する記憶容量が求められる。係る情報は、サンプリングされた輝度分布をルックアップテーブル(Look Up Table:LUT)の形式で記録してサンプル間の輝度の近似値を補間処理で求めることによって、ある程度限定することが可能である。しかし、それでもサンプリングの度合いに応じた記憶容量のメモリが必要になる。また、複数の光源6aの光が合成されることによる輝度分布(例えば、輝度分布T)を求めるための処理では、係るLUT及び補完処理のためのアルゴリズムに基づいた演算を行うことになる。しかしながら、係る演算のために必要な演算能力は膨大になる。図6に示す例を以て具体例を模式的に示すと、制御パターンPに基づいて、光源6aの各々の輝度分布T,T,T,Tを求める。そのうえで、これらの輝度分布T,T,T,Tにおける所定位置の輝度T,T,T,Tに基づいて、輝度Tを求める処理を所定位置に限らない複数の位置で行う。これにより、輝度分布T,T,T,Tの合成による輝度分布Tが求められる。輝度分布Tを求める仕組みと同様の方法で表示領域21の輝度分布を求めようとした場合、部分領域及び光源6aの数に応じて処理負荷がさらに膨大になる。
【0040】
このように、仮に厳密なローカルディミングを行おうとすると、図6を参照して説明したような膨大な処理負荷を伴う表示領域21全体の輝度分布の特定に係る演算が求められるとともに、その前提となる複数の光源6aの各々の輝度分布を示すLUTが求められることになる。そこで、本実施形態ではより簡便な仕組みでローカルディミングを行う。
【0041】
図7は、本実施形態による出力階調値の補正による4つの部分領域n,(n+1),(n+2),(n+3)の計算輝度分布Qを示すグラフである。図8は、2つの部分領域n,(n+1)間の計算輝度分布Qと、部分領域間の境界からm番目までの画素Pixの位置と、境界からm番目までの画素Pixのうち境界から遠い方からa番目の画素Pixの位置との関係の一例を示すグラフである。本実施形態では、光源制御部102は、1つの部分領域で必要な光の輝度に応じて当該1つの部分領域と対応付けられた1つの光源6aの発光量を決定する。具体的には、光源制御部102は、複数の部分領域の各々が有する画素Pixの出力階調値に必要な輝度が得られる発光量で複数の光源6aを点灯させる駆動信号を出力する。係る駆動信号が示す発光量に応じた複数の部分領域の各々の輝度は、例えば図7に示す制御パターンPが示すように、部分領域単位で一意に定まる。ここで、本実施形態では、実際の輝度分布(例えば、輝度分布T,T,T,T,T)に関わらず、複数の光源6aが係る駆動信号に応じた発光量となるよう動作しているものとみなす。
【0042】
制御パターンPが例示するように、単に複数の光源6aの発光量を個別に制御するだけでは、隣接する部分領域間で輝度差によって境界が視認されることがあり得る。そこで、本実施形態では、表示制御部101は、隣接する2つの部分領域に対応付けられた2つの光源6aの発光量が異なる場合、第1補正及び第2補正を行う。第1補正の処理対象となるのは、発光量が相対的に大きい光源(第1光源)6aと対応付けられた一方の部分領域(第1部分領域)の画素Pixである。第1補正では、当該一方の部分領域の画素Pixのうち、境界からm番目の画素の位置までの範囲(第1範囲)にある画素Pixの出力階調値を低くする。ここで、境界とは、発光量が相対的に大きい光源6aと対応付けられた一方の部分領域と、発光量が相対的に小さい光源(第2光源)6aと対応付けられた他方の部分領域(第2部分領域)との境界をさす。第2補正の対象となるのは、他方の部分領域の画素Pixである。第2補正では、当該他方の部分領域の画素Pixのうち、境界からm番目の画素の位置までの範囲(第2範囲)にある画素Pixの出力階調値を高くする。本実施形態では、係る第1補正及び第2補正によって第1範囲および第2範囲の画素Pixの出力階調値を補正することで、図7及び図8の計算輝度分布Qが示すように、一方の部分領域(例えば、部分領域(n+1))の上記m番目の画素Pixの位置から他方の部分領域(例えば、部分領域n)の上記m番目の画素Pixの位置までの範囲に照射される光の輝度が、一方の部分領域と他方の部分領域との間でゆるやかに変化しているのと同様の状態を再現することができる。
【0043】
具体的には、発光量が相対的に小さい光源6aの発光量をLnとし、発光量が相対的に大きい光源6aの発光量をL(n+1)とし、所定位置の画素Pixを1番目の画素として、当該所定位置からa番目の画素Pixを照らす第1仮想光源又は第2仮想光源の発光量をLaとする。表示制御部101は、式(1)に基づいて、式(2)によってLaを決定する。ここで、第1仮想光源とは、発光量が相対的に大きい光源6aの発光量を仮想的に変更した光源である。また、第2仮想光源とは、発光量が相対的に小さい光源6aの発光量を仮想的に変更した光源である。「仮想的に変更」とは、光源6aの発光量自体を変えるのでなく、当該光源6aによって照明される画素Pixの出力階調値を変更することで、発光量が変更した場合と同様の表示出力(明るさ)を得ることをさす。表示制御部101が決定するLaの値は、画素Pixの出力階調値を変更することによって再現される明るさに対応した「図4,5に示すXY座標系においてその画素Pixの位置に対応する位置にあり画素Pixを照明している仮想的な光源の発光量」を示している。また、「所定位置」とは、境界からm番目の画素Pixの位置であって、かつ、発光量が相対的に小さい光源6a側に位置する画素Pixの位置である。「所定位置からa番目の画素」とは、発光量が相対的に小さい光源6a側から発光量が相対的に大きい光源6a側に向かう方向に数えた場合のa番目の画素Pixをさす。
A=a/2m…(1)
La=L(n+1)-{L(n+1)-Ln}×(2×A^3-3×A^2+1)…(2)
【0044】
表示制御部101は、境界を挟んでm番目以内に位置する全ての画素Pixについて個別に第1仮想光源又は第2仮想光源の発光量(La)を算出する。係る全ての画素Pixについて算出された発光量(La)を結ぶ曲線又は近似曲線と、境界からm番目よりも離れている範囲内における各部分領域の発光量とを結ぶと、計算輝度分布Qになる。
【0045】
表示制御部101は、決定されたLaの値に応じて輝度を補正する。具体的には、表示制御部101は、第2範囲の画素Pix、すなわち他方の部分領域(例えば、部分領域n)に含まれる位置(a≦m)の画素Pixの第2補正前の出力階調値をP1とし、第2補正後の出力階調値をP2とすると、P2を以下の式(9)で算出する。
P2=P1×La/Ln…(9)
式(9)におけるLaは、Ln<La<(Ln+L(n+1))/2を満たす。すなわち、第2補正後の出力階調値は、第2補正前の出力階調値で制御された画素Pixが、発光量が相対的に小さい光源6aの発光量(Ln)を上回り、かつ、2つの光源6aの各々の発光量の中間の発光量((Ln+L(n+1))/2)を下回る第2仮想光源からの光で照らされた場合の出力階調値である。
【0046】
具体例を挙げると、P1:(R,G,B,W)=(0,0,0,50)であって、La/Ln=1.5である場合、P2:(R,G,B,W)=(0,0,0,75)になる。このように、表示制御部101は、出力階調値を補正することで、Laの値に対応する位置に配置されている画素Pixの輝度を、発光量が相対的に小さい光源6aの発光量(Ln)に応じた輝度よりも高い輝度である場合と同様の輝度にすることができる。
【0047】
また、表示制御部101は、第1範囲の画素Pix、すなわち一方の部分領域(例えば、部分領域(n+1))に含まれる位置(a>m)の画素Pixの第1補正前の出力階調値をP3とし、第1補正後の出力階調値をP4とすると、P4を以下の式(10)で算出する。
P4=P3×La/L(n+1)…(10)
式(10)におけるLaは、(Ln+L(n+1))/2<La<L(n+1)を満たす。すなわち、第1補正後の出力階調値は、第1補正前の出力階調値で制御された画素Pixが、発光量が相対的に大きい光源6aの発光量(L(n+1))を下回り、かつ、2つの光源6aの各々の発光量の中間の発光量((Ln+L(n+1))/2)を上回る第1仮想光源からの光で照らされた場合の出力階調値である。
【0048】
具体例を挙げると、P3:(R,G,B,W)=(0,0,0,50)であって、La/L(n+1)=0.8である場合、P4:(R,G,B,W)=(0,0,0,40)になる。このように、表示制御部101は、出力階調値を補正することで、Laの値に対応する位置に配置されている画素Pixの輝度を、発光量が相対的に大きい光源6aの発光量(L(n+1))に応じた輝度よりも低い輝度である場合と同様の輝度にすることができる。
【0049】
本実施形態では、表示領域21の全画素数をn(nは自然数)とすると、n=800×480である。また、1つの部分領域でX方向又はY方向に沿って並ぶ画素Pixの数をn(nは自然数)とすると、n=100又はn=120である。また、「境界からm番目の画素Pix」におけるm(mは自然数)は、例えば8である。よって、n>n>m≧1が成立している。なお、例示したn,n,mの値はあくまで一例であってこれに限られるものでなく、n>n>m≧1が成立する範囲内で適宜変更可能である。
【0050】
表示制御部101は、第1補正及び第2補正において境界により近い画素Pixの出力階調値に対する補正の度合いをより大きくする。例えば図8に示すように、部分領域nの範囲内では、部分領域同士の境界に近づくほど計算輝度分布Qの描く曲線が発光量が相対的に小さい光源6aの発光量(Ln)から発光量が相対的に大きい光源6aの発光量(L(n+1))側に近づくように第2仮想光源の発光量(La)が算出されている。また、部分領域(n+1)の範囲内では、部分領域同士の境界に近づくほど計算輝度分布Qの描く曲線が発光量が相対的に大きい光源6aの発光量(L(n+1))から発光量が相対的に小さい光源6aの発光量(Ln)側に近づくように第1仮想光源の発光量(La)が算出されている。第1補正及び第2補正において境界により近い画素Pixの出力階調値に対する補正の度合いをより大きくするには、m≧2であればよい。
【0051】
以上、部分領域nと部分領域(n+1)の組み合わせを例として出力階調値の補正について説明したが、表示制御部101は、部分領域(n+1)と部分領域(n+2)、部分領域(n+2)と部分領域(n+3)等、他の2つの部分領域の組み合わせにおいても同様の仕組みで出力階調値を補正する。
【0052】
図9は、X方向及びY方向の出力階調値の補正の一例を示す模式図である。本実施形態では、図4で例示したように複数の部分領域がX方向及びY方向に並んでいる。よって、表示制御部101は、X方向とY方向の両方について出力階調値の補正を行う。具体的には、表示制御部101は、例えば図9に示すように、Y方向に並ぶ2つの部分領域Nと部分領域(N+1)の組み合わせについて、上記の部分領域nと部分領域(n+1)の組み合わせと同様の仕組みで出力階調値を補正する。また、表示制御部101は、X方向に並ぶ2つの部分領域nと部分領域(n+1)の組み合わせについて出力階調値を補正する。図9を参照してより具体的に説明すると、表示制御部101は、例えば、発光量が相対的に小さい光源6aの発光量をLNとし、発光量が相対的に大きい光源6aの発光量をL(N+1)とし、境界からm番目以内の画素Pixのうち境界から遠い方であって発光量が相対的に小さい光源6a側からb番目の画素Pixを照らす第2仮想光源の発光量(Lb,Lc)を算出する。言い換えると、部分領域Nと部分領域(N+1)との境界をBNとし、部分領域N内の、境界BNからm番目の画素Pixを画素PNmとし、部分領域(N+1)内の、境界BNからm番目の画素Pixを画素P(N+1)mとしたとき、表示制御部101は、画素PNmの位置から画素P(N+1)mの位置までの範囲にあり、画素PNmからb番目の画素Pixを照らす第2仮想光源の発光量(Lb,Lc)を算出する。ここで、Lb,Lcは、部分領域nと部分領域(n+1)の境界を挟んでm番目(又は、m+1番目)に位置する画素Pixの第2仮想光源の発光量である。表示制御部101は、Y方向について同じ座標に位置する部分領域nの第2仮想光源の発光量Lbと部分領域(n+1)の第2仮想光源の発光量Lcが異なる場合、発光量が相対的に大きい第2仮想光源と対応付けられた一方の部分領域の画素Pixのうち発光量が相対的に小さい第2仮想光源と対応付けられた他方の部分領域との境界からm番目までの画素Pixの出力階調値を低くする第1補正を行うとともに、他方の部分領域の画素Pixのうち境界からm番目までの画素Pixの出力階調値を高くする第2補正を行う。本実施形態の場合、表示制御部101は、発光量が相対的に小さい第2仮想光源の発光量をLnとし、発光量が相対的に大きい第2仮想光源の発光量をL(n+1)とし、境界からm番目以内の画素Pixのうち境界から遠い方であって発光量が相対的に小さい光源6a側からa番目の画素Pixを照らす第2仮想光源(又は、第1仮想光源)の発光量(La)を算出する。言い換えると、部分領域nと部分領域(n+1)との境界を境界Bnとし、部分領域n内の、境界Bnからm番目の画素Pixを画素Pnmとし、部分領域(n+1)内の、境界Bnからm番目の画素Pixを画素P(n+1)mとすると、表示制御部101は、画素Pnmの位置から画素P(n+1)mの位置までの範囲にあり、画素Pnmからa番目の画素Pixを照らす第2仮想光源(又は第1仮想光源)の発光量(La)を算出する。なお、2つの部分領域Nと部分領域(N+1)の組み合わせにおける相対的な明るさの関係が逆である場合、Lb,Lcは、第1仮想光源の発光量である。この場合も、X方向について第1補正及び第2補正が行われる。
【0053】
上記の説明では、先にY方向について第1仮想光源、第2仮想光源の発光量(例えば発光量Lb,Lc)を算出した後にX方向について第1仮想光源、第2仮想光源の発光量(La)を算出しているが、先にX方向について第1仮想光源、第2仮想光源の発光量を算出した後にY方向について第1仮想光源、第2仮想光源の発光量を算出するようにしてもよい。
【0054】
以上説明したように、本実施形態によれば、1つの部分領域で必要な光の輝度に応じて当該1つの部分領域と対応付けられた1つの光源6aの発光量を決定し、各々の光源6aの輝度分布(例えば、輝度分布T等)に依存しない処理でローカルディミングを行うので、複数の光源6aの輝度分布の合成による輝度分布(例えば、輝度分布T)の導出に係る演算及び各々の光源6aの輝度分布の保持に係るリソースを不要とすることができる。よって、より少ない負担でローカルディミングを実現することができる。また、第1補正及び第2補正を行うので、境界を視認しにくいローカルディミングを実現することができる。
【0055】
また、m≧2である場合に第1補正及び第2補正において境界により近い画素Pixの出力階調値に対する補正の度合いをより大きくすることで、境界を挟んで隣接する2つの部分領域の各々に対応する2つの光源6aの輝度差をよりゆるやかにすることができる。よって、境界をより視認しにくいローカルディミングを実現することができる。
【0056】
また、式(1)に基づいて、式(2)によって第1仮想光源又は第2仮想光源の発光量Laを決定することで、境界を挟んで隣接する2つの部分領域の各々に対応する2つの光源6aの輝度差をゆるやかにする処理を定式化することができる。よって、より少ない負担で境界をより視認しにくいローカルディミングを実現することができる。
【0057】
(変形例)
以下、本発明に係る実施形態の変形例について説明する。変形例の説明に係り、実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0058】
図10は、2つの部分領域n,(n+1)間の計算輝度分布Qと、部分領域間の境界からm番目までの画素Pixの位置と、境界からm番目までの画素Pixのうち境界から遠い方からa番目の画素Pixの位置との関係の一例を示すグラフである。変形例では、発光量が相対的に小さい光源6aの発光量をLnとし、発光量が相対的に大きい光源6aの発光量をL(n+1)とし、境界からm番目以内の画素Pixのうち境界から遠い方であって発光量が相対的に小さい光源6a側からa番目の画素Pixを照らす第1仮想光源又は第2仮想光源の発光量をLaとし、所定の変数をCoefとした場合、表示制御部101は、式(3)が示す値であるAに応じて式(4)~(7)のいずれか1つを採用してCoefを決定し、決定されたCoefを用いて式(8)によってLaを決定し、A<1であるとき式(4)を採用し、1≦A<2であるとき式(5)を採用し、2≦A<3であるとき式(6)を採用し、3≦A<4であるとき式(7)を採用する。言い換えると、部分領域nと部分領域(n+1)との境界を境界Bnとし、部分領域n内の、境界Bnからm番目の画素Pixを画素Pnmとし、部分領域(n+1)内の、境界Bnからm番目の画素Pixを画素P(n+1)mとすると、発光量(La)は、画素Pnmの位置から画素P(n+1)mの位置までの範囲にあり、画素Pnmからa番目の画素Pixを照らす第1仮想光源または第2仮想光源の発光量をさす。
A=a/(2m/4)…(3)
Coef=0.5×{-1/6×(2.0-A-2.0)^3}…(4)
Coef=0.5×[1/6×{3×(2.0-A)^3-6×(2.0-A)^2+4}]+{-1/6×(3.0-A-2.0)^3}…(5)
Coef=0.5×[1/6×{3×(A-2.0)^3-6×(A-2.0)^2+4}]+[1/6×{3×(3.0-A)^3-6×(3.0-A)^2+4}]+{-1/6×(4.0-A-2.0)^3}…(6)
Coef=0.5×{-1/6×(A-2.0-2.0)^3}+[1/6×{3×(A-3.0)^3-6×(A-3.0)^2+4}]+[1/6×{3×(4.0-A)^3-6×(4.0-A)^2+4}]+{-1/6×(5.0-A-2.0)^3}…(7)
La=L(n+1)-{L(n+1)-Ln}×Coef…(8)
【0059】
図10では、m=8である場合のAの値を例示しているが、これは一例であってこれに限られるものでなく、mの値に応じて変わってよい。
【0060】
以上、変形例によれば、ブロック境界を{Ln+L(n+1)}/2、ブロック境界から-m/2に位置する画素Pixの値をLn、 ブロック境界から+m/2に位置する画素Pixの値をL(n+1)とした3次のスプライン(spline)曲線でLnとL(n+1)を接続することができる。
【0061】
なお、LnとL(n+1)を接続する曲線を演算するための具体的な仕組みは上記の実施形態及び変形例に限られるものでなく、適宜変更可能である。例えば、表示制御部101は、LnとL(n+1)を変数として有し、LnとL(n+1)を接続する曲線を定める所定の方程式を以て第1仮想光源及び第2仮想光源の発光量を決定するようにしてもよい。また、当該曲線を定義するLUTを設けるようにしてもよい。この場合、従来のような複数の光源6aの輝度分布を示すLUTに比して大幅に小さい記憶容量のLUTでローカルディミングを実現することができる。
【0062】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【0063】
また、本発明は、以下のように記載することができる。
【0064】
1.少なくとも一方向に沿って並ぶ複数の光源と、
個の画素が設けられた表示領域を有し、前記複数の光源からの光で照明されて画像を出力する表示部と、
前記表示部の表示出力内容に基づいて前記光源の動作を制御する光源制御部と、
前記光源の発光量に基づいて前記複数の画素のうち一部又は全部の出力階調値を制御する表示制御部と、を備え、
前記表示領域は、前記複数の光源の各々と対応付けられた複数の部分領域に区分けされ、
1つの前記部分領域は、少なくとも前記一方向に沿って並ぶn個の画素を有し、
前記光源制御部は、1つの部分領域で必要な光の輝度に応じて当該1つの部分領域と対応付けられた1つの光源の発光量を決定し、
前記表示制御部は、隣接する2つの部分領域に対応付けられた2つの光源の発光量が異なる場合、発光量が相対的に大きい第1光源と対応付けられた一方の部分領域である第1部分領域の画素のうち発光量が相対的に小さい第2光源と対応付けられた他方の部分領域である第2部分領域との境界からm番目の画素の位置までの第1範囲にある画素の出力階調値を低くする第1補正を行うとともに、前記第2部分領域の画素のうち前記境界からm番目の画素の位置までの第2範囲にある画素の出力階調値を高くする第2補正を行い、
前記第1補正後の出力階調値は、前記第1補正前の出力階調値で制御された画素が、発光量が相対的に大きい第1光源の発光量を下回り、かつ、前記2つの光源の各々の発光量の中間の発光量を上回る第1仮想光源からの光で照らされた場合の出力階調値であり、
前記第2補正後の出力階調値は、前記第2補正前の出力階調値で制御された画素が、発光量が相対的に小さい第2光源の発光量を上回り、かつ、前記2つの光源の各々の発光量の中間の発光量を下回る第2仮想光源からの光で照らされた場合の出力階調値であり、
>n>m≧1である
表示装置。
【0065】
2.m≧2であり、
前記表示制御部は、前記第1補正及び前記第2補正において前記境界により近い画素の出力階調値に対する補正の度合いをより大きくする
1.に記載の表示装置。
【0066】
3.前記発光量が相対的に小さい第2光源の発光量をLnとし、前記発光量が相対的に大きい第1光源の発光量をL(n+1)とし、前記第1部分領域の前記m番目の画素の位置から前記第2部分領域の前記m番目の画素の位置までの範囲にあり、前記第2部分領域の前記m番目の画素からa番目の画素を照らす第1仮想光源又は第2仮想光源の発光量をLaとした場合、前記表示制御部は、式(1)に基づいて、式(2)によってLaを決定する
1.又は2.に記載の表示装置。
A=a/2m…(1)
La=L(n+1)-{L(n+1)-Ln}×(2×A^3-3×A^2+1)…(2)
【0067】
4.前記発光量が相対的に小さい第2光源の発光量をLnとし、前記発光量が相対的に大きい第1光源の発光量をL(n+1)とし、前記第1部分領域の前記m番目の画素の位置から前記第2部分領域の前記m番目の画素の位置までの範囲にあり、前記第2部分領域の前記m番目の画素からa番目の画素を照らす第1仮想光源又は第2仮想光源の発光量をLaとし、所定の変数をCoefとした場合、前記表示制御部は、式(3)が示す値であるAに応じて式(4)~(7)のいずれか1つを採用してCoefを決定し、決定されたCoefを用いて式(8)によってLaを決定し、A<1であるとき式(4)を採用し、1≦A<2であるとき式(5)を採用し、2≦A<3であるとき式(6)を採用し、3≦A<4であるとき式(7)を採用する
1.又は2.に記載の表示装置。
A=a/(2m/4)…(3)
Coef=0.5×{-1/6×(2.0-A-2.0)^3}…(4)
Coef=0.5×[1/6×{3×(2.0-A)^3-6×(2.0-A)^2+4}]+{-1/6×(3.0-A-2.0)^3}…(5)
Coef=0.5×[1/6×{3×(A-2.0)^3-6×(A-2.0)^2+4}]+[1/6×{3×(3.0-A)^3-6×(3.0-A)^2+4}]+{-1/6×(4.0-A-2.0)^3}…(6)
Coef=0.5×{-1/6×(A-2.0-2.0)^3}+[1/6×{3×(A-3.0)^3-6×(A-3.0)^2+4}]+[1/6×{3×(4.0-A)^3-6×(4.0-A)^2+4}]+{-1/6×(5.0-A-2.0)^3}…(7)
La=L(n+1)-{L(n+1)-Ln}×Coef…(8)
【0068】
5. 前記第2範囲にある画素の前記第2補正前の出力階調値をP1とし、前記第2補正後の出力階調値をP2とした場合、前記表示制御部は、P2を、以下の式(9)で算出し、
前記第1範囲にある画素の前記第1補正前の出力階調値をP3とし、前記第1補正後の出力階調値をP4とした場合、前記表示制御部は、P4を、以下の式(10)で算出する 3.に記載の表示装置。
P2=P1×La/Ln…(9)
P4=P3×La/L(n+1)…(10)
【符号の説明】
【0069】
1 表示装置
2 表示部
3 駆動素子
6 光源部
6a 光源
100 制御部
101 表示制御部
102 光源制御部
76a ブラックマトリクス
76b 開口部
COM 共通電極
FG フロントガラス
M 鏡
P 制御パターン
Pix 画素
Q 計算輝度分布
,T,T,T,T 輝度分布
,T,T,T,T 輝度
Vpix 副画素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10