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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220323BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 650
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018010583
(22)【出願日】2018-01-25
(65)【公開番号】P2019126577
(43)【公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100134599
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100166442
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋雅
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】平田 征也
【審査官】西岡 貴央
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-131052(JP,A)
【文献】特開2017-070421(JP,A)
【文献】特開2014-223449(JP,A)
【文献】特開2013-198665(JP,A)
【文献】特開2017-093605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであって、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作手段の操作に応じて表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段と、
前記事前決定手段によって特別表示結果の導出を許容する決定がなされたときに、該特別表示結果が導出されれば特別状態に遊技状態を制御する一方、該特別表示結果が導出されなければ該決定を以降の遊技に持ち越した持越状態に遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
複数種類の演出のうちの何れかの演出を実行可能な演出実行手段とを備え、
前記演出実行手段は、
前記持越状態において前記持越状態である旨を示す持越状態中画像表示し、
前記持越状態における遊技において前記事前決定手段によって前記特別表示結果とは異なる所定表示結果の導出を許容する決定がなされたとき、前記所定表示結果の導出を許容する決定がなされている旨を特定可能な所定表示結果画像前記持越状態中画像とともに表示し、
前記持越状態中画像を表示している一方で前記所定表示結果画像を表示していないときに前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開したときと、前記持越状態中画像を表示しており且つ前記所定表示結果画像を表示しているときに前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開したときと共通して前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開した旨を示す電断復帰時画像表示し、
前記持越状態における遊技において前記特別表示結果が導出されたとき、該特別表示結果が導出された旨を報知する特別報知演出を実行し、
前記持越状態における遊技において前記所定表示結果が導出されたとき、該所定表示結果が導出された旨を報知する所定報知演出を実行し、
前記特別報知演出を実行しているときに前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開したとき、前記特別報知演出を実行する一方、
前記所定報知演出を実行しているときに前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開したとき、前記所定報知演出を実行しない、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれたリールを有する可変表示部を備えており、規定の賭数が設定された状態でスタートスイッチが操作されることによりリールが回転開始し、ストップスイッチが操作されてリールの回転が停止したときに入賞ライン上に予め定められた図柄組合せ(例えば、7-7-7、以下、図柄組合せを表示結果の組合せ、もしくは役とも称する)が導出されることにより入賞が発生する。
【0003】
役の種類としては、小役、特別役、再遊技役といった種類がある。ここで、小役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、小役の種類ごとに定められた数のメダルが払い出される。特別役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、レギュラーボーナスやビッグボーナスといった遊技者にとって有利な有利状態に遊技状態が移行可能となる。再遊技役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、賭数の設定に新たなメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。
【0004】
このようなスロットマシンの一例として、ボーナスに当選してから入賞するまで継続してボーナス当選演出を実行することによって遊技者に対してボーナスに当選した旨を認識させることが可能となっているものが開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、複数種類のボーナス当選演出のうちの何れかのボーナス当選演出を実行することが可能であり、ボーナス当選演出実行中に電断が発生して当該電断から復帰したときには電断前に実行していたボーナス当選演出の種類に関わらず特定のボーナス当選演出を実行することで電断から復帰したときの処理負担を軽減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-064322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術では、ボーナスに当選してから入賞するまでにボーナス以外の小役に当選しても当該小役の当選を示唆する示唆演出を実行しておらず、遊技者に対して当該小役に当選した旨を認識させることができない問題がある。また、仮に示唆演出が実行できたとしても、当該示唆演出の実行中に発生した電断からの復帰処理について検討されておらず、電断から復帰したときの処理負担が増大する虞がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、電断から復帰したときの処理負担を軽減できるスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであって、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作手段の操作に応じて表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段と、
前記事前決定手段によって特別表示結果の導出を許容する決定がなされたときに、該特別表示結果が導出されれば特別状態に遊技状態を制御する一方、該特別表示結果が導出されなければ該決定を以降の遊技に持ち越した持越状態に遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
複数種類の演出のうちの何れかの演出を実行可能な演出実行手段とを備え、
前記演出実行手段は、
前記持越状態において前記持越状態である旨を示す持越状態中画像を表示し、
前記持越状態における遊技において前記事前決定手段によって前記特別表示結果とは異なる所定表示結果の導出を許容する決定がなされたとき、前記所定表示結果の導出を許容する決定がなされている旨を特定可能な所定表示結果画像を前記持越状態中画像とともに表示し、
前記持越状態中画像を表示している一方で前記所定表示結果画像を表示していないときに前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開したときと、前記持越状態中画像を表示しており且つ前記所定表示結果画像を表示しているときに前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開したときとに共通して前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開した旨を示す電断復帰時画像を表示し、
前記持越状態における遊技において前記特別表示結果が導出されたとき、該特別表示結果が導出された旨を報知する特別報知演出を実行し、
前記持越状態における遊技において前記所定表示結果が導出されたとき、該所定表示結果が導出された旨を報知する所定報知演出を実行し、
前記特別報知演出を実行しているときに前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開したとき、前記特別報知演出を実行する一方、
前記所定報知演出を実行しているときに前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開したとき、前記所定報知演出を実行しない。
(1)上記目的を達成するため、本発明の他のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(例えば、スロットマシン1)であって、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(例えば、メイン制御部41が実行する内部抽選処理)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(例えば、ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作手段の操作に応じて表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段(例えば、メイン制御部41が実行するリール回転処理)と、
前記事前決定手段によって特別表示結果(例えば、特別役)の導出を許容する決定がなされたときに、該特別表示結果が導出されれば特別状態(例えば、ボーナス状態)に遊技状態を制御する一方、該特別表示結果が導出されなければ該決定を以降の遊技に持ち越した持越状態(例えば、内部中状態)に遊技状態を制御する遊技状態制御手段(例えば、メイン制御部41が実行する遊技状態を制御する処理)と、
複数種類の演出のうちの何れかの演出(例えば、内部中演出)を実行可能な演出実行手段(例えば、サブ制御部41が実行するステップSa1~Sa19の処理)とを備え、
前記演出実行手段は、
前記持越状態における遊技において前記事前決定手段によって前記特別表示結果とは異なる所定表示結果(例えば、一般役、ベル、リプレイ)の導出を許容する決定がなされていないときに特定演出(例えば、ボーナス確定演出514)を実行し(例えば、サブ制御部91がステップSa1、Sa4の処理を実行し)、
前記持越状態における遊技において前記事前決定手段によって前記所定表示結果の導出を許容する決定がなされたときに所定演出(例えば、ベル当選演出516、リプレイ当選演出518)を実行し(例えば、サブ制御部91がステップSa1、Sa10、Sa11、Sa14、Sa15の処理を実行し)、
前記特定演出の実行中に前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開したときと、前記所定演出の実行中に前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開したときとで共通する共通演出(例えば、電断復帰用ボーナス確定演出520)を実行し(例えば、サブ制御部91がステップSb1~Sb3、Sb5、Sb7の処理を実行し)、
前記共通演出は、少なくとも前記持越状態における遊技中であることを特定可能な演出である(例えば、ボーナス確定演出514は、内部中状態における遊技中において特別役に内部当選している旨を報知するとともに内部当選した特別役の種類も報知する演出である)。
【0009】
このような構成によれば、遊技者は、特定演出の実行中に電断が発生して復帰したときだけでなく所定演出の実行中に電断が発生して復帰したときときにも持越状態における遊技中であることを認識できる。また、このような構成によれば、特定演出の実行中に電断が発生して復帰したときと所定演出の実行中に電断が発生して復帰したときときとで異なる演出を実行するスロットマシンよりも電断から復帰したときの処理負担を軽減できる。
【0010】
(2)上記(1)のスロットマシンにおいて、
前記所定表示結果には、少なくとも第1所定表示結果(例えば、ベル)と第2所定表示結果(例えば、リプレイ)とが含まれ、
前記所定演出には、少なくとも第1所定演出(例えば、ベル当選演出516)と第2所定演出(例えば、リプレイ当選演出518)とが含まれ、
前記演出実行手段は、
前記持越状態における遊技において前記事前決定手段によって前記第1所定表示結果の導出を許容する決定がなされたときに前記第1所定演出を実行し(例えば、サブ制御部91がステップSa1、Sa10、Sa11の処理を実行し)、
前記持越状態における遊技において前記事前決定手段によって前記第2所定表示結果の導出を許容する決定がなされたときに前記第2所定演出を実行し(例えば、サブ制御部91がステップSa1、Sa14、Sa15の処理を実行し)、
前記第1所定演出の実行中に前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開したときと、前記第2所定演出の実行中に前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開したときにとで共通する前記共通演出を実行してもよい(例えば、サブ制御部91がステップSb1~Sb3、Sb5、Sb7の処理を実行してもよい)。
【0011】
このような構成によれば、遊技者は、第1所定演出の実行中に電断が発生して復帰したときだけでなく第2所定演出の実行中に電断が発生して復帰したときときにも持越状態における遊技中であることを認識できる。また、このような構成によれば、第1所定演出の実行中に電断が発生して復帰したときと第2所定演出の実行中に電断が発生して復帰したときときとで異なる演出を実行するスロットマシンよりも電断から復帰したときの処理負担を軽減できる。
【0012】
(3)上記(1)または(2)のスロットマシンにおいて、
前記共通演出の演出態様と前記特定演出の演出態様とが同一であってもよい(例えば、サブ制御部91が共通演出としてボーナス確定演出514を実行してもよい、サブ制御部91がボーナス確定演出514に「-電断から復帰しました-」との文字画像を追加表示した電断復帰用ボーナス確定演出520を実行してもよい)。
【0013】
このような構成によれば、共通演出の演出態様と特定演出の演出態様とが異なるスロットマシンよりも演出を実行するための記憶容量を低減できる。
【0014】
(4)上記(1)~(3)の何れかのスロットマシンにおいて、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段によって前記所定表示結果の導出を許容する決定がなされたときに前記導出操作手段の操作手順に関わらず該所定表示結果を導出してもよい(例えば、ベルやリプレイが取りこぼしのない役であってもよい)。
【0015】
このような構成によれば、共通演出の演出態様と所定演出の演出態様とが異なり、共通演出によって所定表示結果の導出を許容する決定がなされた旨が示唆されなくても遊技者に不利益が発生しないようにすることができる。
【0016】
(5)上記(1)~(4)の何れかのスロットマシンにおいて、
前記演出実行手段は、前記持越状態における遊技において前記特定演出の実行を開始していないときに、前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開しても前記共通演出を実行しなくてもよい(例えば、サブ制御部91がステップSb1~Sb4の処理を実行してもよい)。
【0017】
このような構成によれば、持越状態における遊技中に電断が発生して復帰したときときに電断前に特定演出を実行していたか否かに応じて共通演出を実行するか否かを決定することができるので、電断から復帰したときの処理を好適に実行できる。
【0018】
(6)上記(1)~(5)の何れかのスロットマシンにおいて、
前記演出実行手段は、
前記持越状態における遊技において前記特別表示結果が導出されたときに該特別表示結果が導出された旨を報知する特別報知演出(例えば、ボーナス入賞演出515)を実行し(例えば、サブ制御部91がステップSa1、Sa5~Sa9の処理を実行し)、
前記持越状態における遊技において前記所定表示結果が導出されたときに該所定表示結果が導出された旨を報知する所定報知演出(例えば、ベル入賞演出517、リプレイ入賞演出519)を実行し(例えば、サブ制御部91がステップSa1、Sa12、Sa13、Sa16~Sa19の処理を実行し)、
前記特別報知演出の実行中に前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開したときに前記特別報知演出の実行を再開する一方、前記所定報知演出の実行中に前記スロットマシンに対する電力供給が停止した後に電力供給が再開したときに前記所定報知演出の実行を再開しなくてもよい(例えば、サブ制御部91がステップSb1~Sb3、Sb5~Sb7の処理を実行してもよい)。
【0019】
このような構成によれば、遊技者は、特別報知演出の実行中に電断が発生して復帰したときに特別報知演出の実行を再開して特別表示結果が導出された旨を認識でき、遊技状態の制御が持越状態から特別状態に変更されることを認識できる。また、このような構成によれば、所定報知演出の実行中に電断が発生して復帰したときに所定報知演出の実行を再開するスロットマシンよりも電断から復帰したときの処理負担を軽減できる。なお、所定報知演出の実行中に電断が発生して復帰したときに所定報知演出の実行を再開しないで所定表示結果が導出された旨を遊技者が認識できなくても、持越状態の制御が継続して遊技者に不利益が発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態1に係るスロットマシンの正面図である。
図2】スロットマシンの内部構造図である。
図3】リールの図柄配列を示す図である。
図4】入賞ラインを示す図である。
図5】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
図6】サブ制御部が実行する内部中演出実行処理の制御内容を示すフローチャートである。
図7図6の続きのフローチャートである。
図8】本実施形態に係る内部中演出の一例を示す図である。
図9】サブ制御部が実行する電断復帰時演出制御処理の制御内容を示すフローチャートである。
図10】本実施形態に係る内部中演出実行時に電断復帰が発生したときの演出実行例を説明するための図である。
図11図10の続きの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明が適用されたスロットマシンの実施形態1について、図面を用いて説明すると、本実施形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1a(図2参照)と、筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール、可変表示部)が水平方向に並設されており、図1図3に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄(所定の順序でそれぞれ21個ずつ描かれている互いに識別可能な複数種類の図柄のうちの3つの図柄)が前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3からそれぞれ見えるように配置されている。
【0022】
前面扉1bには、上部の液晶表示器51、スロットマシン1のタイトル(機種名)や配当表等が印刷された下部パネル1d、下部のスピーカ53、54が設けられている。また、前面扉1bには、メダル投入部4、メダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて最大の賭数(3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0023】
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数や、エラー発生時の内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1、2、3とそれぞれ設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作(スタート操作)が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回ゲーム開始から一定期間経過せずリール回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中(再遊技中)である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0024】
また、スロットマシン1には、図5に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。遊技制御基板40には、メイン制御部41、乱数発生回路42、サンプリング回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載され、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、演出用スイッチ56等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0025】
遊技者がスロットマシン1でゲームを開始する場合、メダル投入部4に所定の枚数のメダルを投入し、又はMAXBETスイッチ6を操作して所定の賭数を設定する。賭数が設定されると、スタートスイッチ7が有効になり、スロットマシン1はゲームを開始可能な状態になる。ゲーム開始可能な状態で遊技者がスタートスイッチ7を操作すると、各リール(左リール2L、中リール2C、右リール2R)が回転を開始する。この状態で遊技者がいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作して各リールの回転を停止させることで、透視窓3を介して表示結果が導出表示される。各リールの回転が停止することでゲームが終了し、予め決められた役に応じた図柄の組み合わせが表示結果として導出されている(揃っている)場合、その役に対応した入賞が発生する。入賞に応じたメダルの払い出しが枚数を記憶すると、記憶できるメダル枚数の最大値(50枚)以上となる場合、メダル払出口9から最大値を超えた分のメダルが払い出される。遊技状態の移行を伴う役の入賞が発生した場合、その役に応じて遊技状態が移行する。いずれの役の入賞も発生しなかった場合、遊技者は再度MAXBETスイッチ6を操作し、又は再度メダル投入部4にメダルを投入し、次のゲームを開始する。なお、遊技者が遊技を終了する際に記憶されているメダル数が残っている場合、遊技者が精算スイッチ10を操作することで、記憶されているメダル数がメダル払出口9から払い出される。
【0026】
各リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、「黒7」、「網7」、「白7」、「白BAR」、「黒BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「オレンジ」、「スイカ」、「チェリー」といった互いに識別可能な複数種類の図柄がそれぞれ所定の順序で合計21個ずつ描かれている。
【0027】
各リール2L、2C、2Rは、それぞれ対応して配置されたリールモータ32L、32C、32Rによって反時計回り(図1では図面上部から下部に向かう方向)に回転し、これにより透視窓3を介して複数種類の図柄が連続的に表示されることとなる。本実施形態では、各リール2L、2C、2Rは、対応して配置されたストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されてから最大190ms遅延して回転を停止する。リールが停止するまでの遅延時間はこれに限られず、ゲーム性を向上するために190ms以上遅延して回転を停止しても良い。
【0028】
なお、各リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄数)=1680コマ分の図柄を変動させる。このため、各リール2L、2C、2Rは、190msの間で最大で4コマの図柄を引き込むことができる。すなわち、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作された際に停止する図柄は、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作された際に表示されていた図柄から4コマ先にある図柄(合計5コマ分の図柄)のうちのいずれかである。例えば、図3に示す左リール2Lの10番の「黒7」が透視窓3の下段に表示された際にストップスイッチ8Lが操作された場合、左リール2Lの下段には、左リール2Lの10番の「黒7」から14番の「オレンジ」までのいずれかの図柄が停止することとなる。なお、透視窓3には、10番から12番までの「黒7・リプレイ・ベル」、11番から13番までの「リプレイ・ベル・スイカ」、12番から14番までの「ベル・スイカ・オレンジ」、13番から15番までの「スイカ・オレンジ・リプレイ」、14番から16番までの「オレンジ・リプレイ・ベル」のいずれかが表示結果として導出される。このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作された際に、対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とすると、停止するリールは、基準の図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができる。よって、リール2L、2C、2Rは、それぞれストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作された際、そのストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ラインに表示させることができる。
【0029】
ここで、入賞ラインとは、透視窓3を介して表示される3×3コマのうち、図柄の組み合わせが揃った際に入賞が発生するラインを意味する。本実施形態では、入賞ラインは、図4に示すように、透視窓3を介して表示される各リール2L、2C、2Rの各コマを、左リール上段2Lt、左リール中段2Lm、左リール下段2Lb、中リール上段2Ct、中リール中段2Cm、中リール下段2Cb、右リール上段2Rt、右リール中段2Rm、右リール下段2Rb、とすると、左リール上段2Lt、中リール中段2Cm、右リール下段2Rb、を通る斜めのラインである入賞ラインL1と、各リールの上段(2Lt、2Ct、2Rt)を結ぶ平行なラインである入賞ラインL2と、各リールの中段(2Lm、2Cm、2Rm)を結ぶ平行なラインである入賞ラインL3と、各リールを斜め右上(2Lb、2Cm、2Rt)に結ぶ斜めのラインである入賞ラインL4と、からなる。上述のようにストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されて各リール2L、2C、2Rが全て停止し、有効な入賞ラインL1~L4のうちいずれかで役に応じた図柄の組み合わせ揃うと入賞が発生する。
【0030】
本実施形態では、入賞ラインが4ライン有効である場合について説明するが、これに限られず、例えば、左リール上段2Lt、中リール中段2Cm、右リール上段2Rt、を変則的に結ぶラインを有効にしても良く、入賞ラインL3のみの1ライン構成にしても良い。また、役に応じて入賞ラインに揃う図柄の組み合わせは、任意に設定することが可能であり、同一図柄の組み合わせであっても良く、異なる図柄の組み合わせであっても良い。入賞が発生する役は、大きく分けてメダルの払い出しを伴う役(以下、小役とする)、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始することができる役(以下、再遊技役とする)、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う役(特別表示結果、以下、特別役とする)、に区分される。なお、以下の説明では、小役と再遊技役を総じて一般役とも称する。
【0031】
[特別役について]
本実施形態では、有利遊技状態であるBB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)への移行を伴う特別役は、「白7」、「白7」、「白7」が入賞ラインに揃うことで入賞が発生するBB、「黒7」、「黒7」、「網7」又は「網7」、「網7」、「黒7」が入賞ラインに揃うことで入賞が発生するRBの2種類からなる。なお、ボーナスの種類にCB(チャレンジボーナス)を加えても良い。この場合、CB図柄が入賞ラインに揃うことで入賞が発生すると、CT(チャレンジタイム)状態に移行する。CT状態においては、いずれかの役の入賞の発生を許容するか否かを決定する通常の内部抽選処理において小役が当選していなくても、リール制御の制限によって小役に入賞することが許容される。具体的には、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作してから所定の時間(75ms(通常は190ms))内にリール2L、2C、2Rが停止する制御が行われる。CB状態は、このようなCT状態に終了条件が成立するまで(メダルの払い出し枚数が254枚以上となるまで)繰り返し移行されることで実現される。
【0032】
特別役は、内部抽選処理において当選し、いずれかの入賞ラインで図柄が揃うことで入賞が発生し、特別役の入賞が発生すると遊技状態はボーナス状態(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)へと移行する。ボーナス状態は、所定の条件で終了する。本実施形態では、BBは、メダルの払い出しが361枚以上になった時点で終了するものとし、RBは、いずれかの小役の入賞が4回発生するか、又はボーナス状態で12ゲーム消化した時点で終了するものとする。終了条件は上述の条件に限らず、メダル払出率等の設計に従って任意に変更しても良いが、BBは最高でも466枚以上の払い出しを終了条件とすることが好ましい。なお、本実施形態では、特別役としてSB(シングルボーナス)を含む。SBは、「オレンジ・黒7・オレンジ」が入賞ラインに揃うことで入賞が発生する。SBの入賞が発生すると、遊技状態はSB状態に移行し、1ゲーム消化すると終了、すなわち、SB状態に移行する前の遊技状態に移行する。
【0033】
[一般役について]
次に一般役について説明する。本実施形態では、一般役は、再遊技役として、例えば、通常リプレイ、昇格リプレイ、突入リプレイ、転落リプレイ、複数種類の制御リプレイ(制御リプレイ1~5)を含み、メダルの払い出しを伴う小役として複数種類のベル、スイカ、チェリー、1枚役、を含む。図3に示すように、リプレイ及びベル図柄については、全てのリールにおいて5コマ以内に配置されており、リプレイやベルが当選した場合、遊技者は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらず(昇格リプレイ等は押し順を正解したり不正解したりした場合、)、これらの小役を入賞させることができる。
【0034】
一方で、スイカ、1枚役については、それぞれの図柄が全てのリールにおいて5コマ以内に配置されているわけではない。従って、スイカ、1枚役、が当選した場合、遊技者は、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正に操作しなければ、これらの小役を入賞させることができない。チェリーについても、図3に示すように、左リール2L上のチェリー図柄は1箇所にしか配置されていないため、遊技者はストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ左リール2L上にチェリー図柄を停止させることができない。一方で、中リール2C上の白7、黒7、網7、スイカ図柄と、右リール2Rのリプレイ図柄はそれぞれ5コマ以内に配置されている。従って、遊技者は左リール2L上にチェリー図柄を停止させれば、ストップスイッチ8Cの操作タイミングに依らず、チェリーを入賞させることができる。
【0035】
なお、入賞ラインを中段のL3のみの1ライン構成にする場合、無効ラインで上述の図柄の組み合わせが揃うような一般役の構成にしても良い。このような構成において、例えば、左リール2Lの8番のベル、中リール2Cの7番のベル、右リール2Rの8番のベル、が無効ラインL2で揃った場合、実際に入賞ラインL3で揃う図柄は、左リール2Lの7番のリプレイ、中リール2Cの6番のチェリー、右リール2Rの7番のスイカ、であるため、入賞ラインL3に「リプレイ・チェリー・スイカ」の図柄が揃った場合には一定の払い出し(例えば9枚)を付与することで、無効ラインでベルが揃った場合でも、入賞が発生することとなる。
【0036】
[単独役及び同時当選役について]
また、一般役は、メイン制御部41の抽選において当選する際、複数の一般役を含む複合役の一部として当選する場合がある。このような複合役は、複数の一般役から構成されているものの、メイン制御部41の抽選において当選すると、1つの当選フラグとして設定される。本実施形態では、抽選の対象となる役(抽選対象役)は複合役を含み、例えば「BB+スイカ」等、特別役と少なくとも一つ以上の一般役が同時に当選する役(以下、同時当選役とする)と、例えば「チェリー+1枚役」等、複数の一般役が同時に当選する複合役と、例えば「RB」や「チェリー」等、特別役又は一般役が単独で当選する役(以下、単独役とする)と、を含むものとする。抽選対象役として設定されている小役は、例えば、「ベル1+スイカ+チェリー(中段ベル)」、押し順ベル(「ベル1+ベル4(押し順ベル1)」、「ベル1+ベル3(押し順ベル2)」、「ベル1+ベル2(押し順ベル3)」、「ベル1(押し順ベル4)」、「ベル1+ベル3+ベル4(押し順ベル5)」)、「スイカ」、「スイカ+1枚役」、「チェリー」、「チェリー+1枚役」、「1枚役」、としてもよい。また、抽選対象役として設定されている再遊技役は、例えば、「通常リプレイ」、「押し順昇格リプレイ1」、「押し順昇格リプレイ2」、「押し順昇格リプレイ3」、「押し順昇格リプレイ4」、「押し順維持リプレイ1」、「押し順維持リプレイ2」、「押し順維持リプレイ3」、「押し順突入リプレイ1」、「押し順突入リプレイ2」、としてもよい。
【0037】
[遊技状態について]
メイン制御部41のRAM41b(図5参照)に記憶される遊技状態フラグは、複数種類の遊技状態に応じた値が設定される。本実施形態では、スロットマシン1は、通常遊技状態、RT(リプレイタイム)1~3状態、SB状態、内部中状態(持越状態)、ボーナス状態(特別状態)を含む複数種類の遊技状態に制御される。通常遊技状態は、通常の遊技状態であり、特別役が当選しておらず比較的メダル払出率の低い遊技状態である。RT1~3状態は、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なる遊技状態である。SB状態は、SBに入賞した後の1ゲームにおける遊技状態であり、通常遊技状態やRT1~3状態と比較して小役の当選確率が高い遊技状態である。内部中状態は、特別役に当選してから特別役が入賞するまでのゲームにおける遊技状態であり、ここでは既に特別役が当選しているために特別役が当選し得る役は抽選対象から除外される。ボーナス状態は、特別役の入賞の発生に伴い移行する特別遊技状態であり、メダルの払い出しを伴う小役の確率が大幅に上がることで、メダル払出率が非常に高くなる遊技状態である。
【0038】
RT1状態にはボーナス状態が終了すると移行し、RT1状態においてSBが当選し、SBが入賞しなかった(以下、SBの取りこぼしという)場合に、遊技状態は通常遊技状態に移行する。RT2状態には通常遊技状態において昇格リプレイが入賞すると移行し、RT2状態において不正解ベル又は転落リプレイが入賞するか、SBの取りこぼしが発生した場合に、遊技状態が通常遊技状態へと移行する。RT3状態にはRT2状態において突入リプレイが入賞すると移行し、RT3状態において不正解ベルが入賞すると遊技状態は通常遊技状態へと移行する。なお、RT3状態の時にSBが入賞して移行したSB状態で1ゲーム消化すると、RT3状態の1ゲームを消化したことになる。
【0039】
通常遊技状態、RT1~3状態及び後述するSB状態において特別役が当選すると、遊技状態は内部中状態へと移行する。内部中状態において特別役の入賞が発生すると、遊技状態はボーナス状態へと移行する。SB状態には通常遊技状態、RT1~3状態のいずれかの時にSBが入賞すると移行し、SB状態を1ゲーム消化すると遊技状態は元の遊技状態へと移行する。なお、SB状態の時にSBが入賞するとSB状態を1ゲーム継続し、継続した1ゲームを消化すると遊技状態は元の遊技状態(最初にSB入賞した通常遊技状態やRT1~3状態)へと移行する。また、SB状態の時に元の遊技状態であれば次の遊技状態に移行する条件が成立すると遊技状態はSB状態から次の遊技状態に直接移行する。
【0040】
また、本実施形態におけるスロットマシンでは、内部抽選結果に基づくAT抽選処理に当選したときに、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知を実行可能な報知期間となる有利状態の一例としてのAT(アシストタイム)に制御可能となっている。メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信することで、ナビ演出を実行させる。遊技状態に応じたナビ対象役とは、例えば、押し順リプレイや押し順ベルが共通のナビ対象役である。また、本実施形態においてメイン制御部41は、ATに制御していない通常状態であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。
【0041】
本実施形態のナビ報知は、遊技補助表示器12の点灯態様を変化させることにより遊技者にとって有利な停止順を識別可能に報知する。なお、ナビ報知の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて識別可能な態様であればよい。また、ナビ報知以外の報知にも用いられる遊技補助表示器12によるものに限らず、専用の表示器を用いて実行するものでも良い。本実施形態のナビ演出は、ナビ報知により報知された遊技者にとって有利な停止順を、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、演出効果LED52からのナビ照明光の出力と、スピーカ53、54からのナビ音声(ナビ演出音)の出力とによって報知する。
【0042】
以上のように、ナビ報知及びナビ演出では、遊技者にとって有利となる停止順が識別可能に報知される。本実施形態においてメイン制御部41は、抽選条件が成立した場合にATに制御するか否かを決定する抽選を行う。また、メイン制御部41は、AT終了時に、複数のゲーム数から規定ゲーム数を選択するとともに、ATの終了時から継続してATに制御されないゲーム数を計数する。そして、メイン制御部41は、AT抽選処理に当選すること、または、ATに継続して制御されないゲーム数が規定ゲーム数(所謂天井ゲーム数)に到達することでATに制御する。
【0043】
次に、メイン制御部41が実行する処理について説明する。メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われ、賭数設定後、スタート操作が行われると乱数抽選により入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選処理が行われる。内部抽選後、リール回転処理が行われ、前回ゲームのリール回転開始から規定期間(4.1秒)経過していることを条件に、リール回転開始してから定速回転になった後にストップスイッチ8L~8Rの操作(停止操作)を有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる。リール回転処理終了後、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞等が発生したか否かを判定する入賞判定処理が行われる。入賞判定処理終了後、払出処理が行われ、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算が行われるとともに、入賞ライン上の図柄組合せに応じて遊技状態が移行される。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
【0044】
[表示結果の導出制御について]
なお、本実施形態では、上述したリール回転処理において、特別役と一般役が同時に当選している場合、一般役が優先して入賞するように制御される。すなわち、例えば「BB+スイカ」が当選した場合、そのゲームにおいては、いずれかの入賞ラインにスイカ図柄が揃う制御となる。また、一般役(小役や再遊技役)の当選フラグは、その当選フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効となり、次ゲームでは無効となる。一方で、特別役の当選フラグは、その当選フラグが設定されたゲームから特別役が入賞するまで有効とされ、その特別役が入賞したゲームで無効となる。すなわち、一般役の場合、当選したゲームで揃えなければメダルの払い出しを伴う入賞が発生することはないが、特別役の場合は、当選したゲームで揃えることができなくても、当選フラグが無効となることはないため、特別役が当選したゲーム以降のゲームであっても入賞させることができる。このため、特別役が入賞するまでのゲームにおける内部抽選処理では、特別役の抽選は行われず、専用の抽選テーブルを基に抽選処理が行われる。なお、SBの当選フラグに限り、BB、RBとは異なり、当選したゲームで入賞が発生しないと次のゲームでは無効となる。すなわち、SBの当選フラグは一般役の当選フラグと同様に扱われる。
【0045】
ここで、メイン制御部41が回転中のリールに対応するいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を検出した場合、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。メイン制御部41は、回転中のリールに対応するいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置(例えば、0番の領域)からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、メイン制御部41は、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。
【0046】
具体的には、メイン制御部41は、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数を基に取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を求め、求めたステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施形態では、下段の領域)に停止することとなる。本実施形態では、滑りコマ数は0~4の値が設定されており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち、停止操作位置の図柄を含めて最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できる。
【0047】
本実施形態では、いずれかの役に当選した場合、その役を入賞ラインに4コマの範囲内で最大限に引き込む制御を行うような停止制御テーブルを生成する。また、いずれの役にも当選していない場合、いずれの役も入賞ラインに揃わない制御を行うような停止制御テーブルを生成する。すなわち、いずれかの役に当選した場合、当選役の4コマの範囲内で停止操作をすると、その当選役に応じた図柄の組み合わせが揃う制御がなされ、例えば滑りコマ数が2コマで停止することはない。また、いずれの役にも当選していない場合、いずれかの役を0コマの範囲で停止操作をしても、滑りコマ数が設定されているため、いずれの役も揃わない制御がなされる。
【0048】
また、本実施形態では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で一般役が当選した場合、当選した一般役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むような制御が行われる。すなわち、特別役よりも一般役の方が優先して揃う制御となる。ただし、4コマの範囲で当選した一般役が引き込めず、4コマの範囲で特別役が引き込める場合、特別役が優先して揃う制御がなされる。
【0049】
具体的には、メイン制御部41は、まず、当選した一般役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数を設定した停止制御テーブルを作成し、停止操作位置が当選した一般役を引き込めない場合、当選していた特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数を設定した停止制御テーブルを作成する。このように制御することで、入賞ラインの4コマの範囲で当選した一般役を引き込めれば、当選した一般役が揃う制御となり、当選した一般役が引き込めず、当選していた特別役が引き込めれば、当選していた特別役が揃う制御となる。例えば、BB(白7・白7・白7)が当選している状態において、「ベル」が当選した場合、左リール2Lの入賞ラインの停止操作位置が18番の「白7」であっても、4コマの範囲内に20番の「ベル」が配置されているため、左リール2L上に20番の「ベル」が停止し、中、右リール2C、2Rにおいても同様に、「ベル」が停止し、「ベル」の入賞が発生する。一方、例えば、BB(白7・白7・白7)が当選している状態において、「チェリー」が当選した場合、左リール2Lの入賞ラインの停止操作位置が、例えば18番の「白7」であるとすると、4コマの範囲内に「チェリー」が存在しないが「白7」は存在するため、左リール2L上に18番の「白7」が停止し、中、右リール2C、2Rにおいても同様に、4コマの範囲内で停止操作すれば「白7」を揃えることができる。しかし、例えば左リール2Lの下段の入賞ラインにおける停止操作位置が1番の「網7」であった場合、4コマの範囲内に5番の「チェリー」が存在するため、「チェリー」が停止する制御がなされる。
【0050】
ここで、本実施形態では、「リプレイ」又は「ベル」は、各リールで5コマ以内に配置されている。すなわち、特別役が当選している状態で「リプレイ」又は「ベル」が当選した場合は、必ず「リプレイ」又は「ベル」が揃うこととなる。本実施形態では、このような場合において、「リプレイ」又は「ベル」と同時に特別役が入賞ラインで揃うことがないように図柄が配置されているが、これに限られず、ゲーム性を高めるために「リプレイ」又は「ベル」と同時に特別役が無効ラインに揃うような図柄の配置にしても良い。この構成を採用する場合、例えば、下段の平行な無効ラインで特別役が揃う制御にすれば良い。ただし、無効ラインで役が揃った場合は、入賞は発生しない。
【0051】
なお、本実施形態では、上述のように、特別役よりも一般役を優先して入賞ラインに揃え、一般役が引き込めないときに特別役を入賞ラインに揃える制御を行うが、これに限られず、特別役を一般役よりも優先して入賞ラインに揃え、特別役が引き込めないときに一般役を入賞ラインに揃える制御にしても良い。
【0052】
また、メイン制御部41にはバックアップ電源が供給されており、RAM41bは、記憶しているデータをバックアップすることができる。すなわち、例えば停電時等、スロットマシン1への電力供給が停止した場合、RAM41bは、記憶しているデータを所定の期間保存することができる。また、RAM41bは、起動時に診断処理が行われて正常か否かの判別がなされ、ゲームの進行状況に従って各種領域が初期化される。なお、プログラム続行に必要な領域は初期化されることはない。このため、例えばゲームの進行中に不意に停電した場合でも、クレジットの残数や遊技状態を停電前の状態に復帰させることができる。
【0053】
次に、サブ制御部91が実行する処理について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41から受信した各種コマンドに基づいて、遊技状態に応じた各演出(例えば、予告演出、内部当選の示唆演出、後述する内部中演出、ボーナス中演出、AT当選等の前兆演出、ATの確定演出、ナビ演出)やデモ演出を実行することが可能となっている。
【0054】
[内部中演出実行処理について]
本実施形態では、サブ制御部91は、メイン制御部41によって遊技状態が内部中状態に制御されているときに内部中演出を実行する。サブ制御部91は、図6及び図7に示す内部中演出実行処理を実行する。先ず、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信した遊技状態コマンド等に基づいて、遊技状態が内部中状態に制御されているか否かを判定する(ステップSa1)。内部中状態に制御されていない場合(ステップSa1;N)、内部中状態に制御されるまでステップSa1の処理を繰り返し、内部中状態に制御されている場合(ステップSa1;Y)、後述するバトル演出511~513の実行を開始し(ステップSa2)、内部中状態に制御されてから所定ゲーム数を消化したか否かを判定することにより、バトル演出511~513の実行を終了したか否かを判定する(ステップSa3)。
【0055】
ここで、バトル演出511~513とは、内部中状態に制御されてから特別役に内部当選したか否かを煽る煽り演出の一例である。本実施形態のバトル演出511~513は、所定ゲーム(例えば5ゲーム)に亘って実行する連続演出である。具体的には、図8(A)に示すバトル開始演出511を実行した後に図8(B)に示すバトル中演出512を所定ゲームに亘って実行してから図8(C)に示すバトル終了演出513を実行する連続演出である。なお、バトル開始演出511は、味方キャラと敵キャラとが向き合った画像と「バトル開始!」との文字画像とを液晶表示器51に表示する演出である。また、バトル中演出512は、味方キャラが敵キャラに攻撃する画像を液晶表示器51に表示する演出である。また、バトル終了演出513は、味方キャラが敵キャラに必殺技で攻撃する画像と「勝利!!」との文字画像とを液晶表示器51に表示する演出である。
【0056】
図6に戻り、サブ制御部91は、バトル演出511~513の実行を終了していない場合、すなわち、内部中状態に制御されてから所定ゲーム数を消化しておらず、バトル終了演出513を実行していない場合(ステップSa3;N)、所定ゲーム数を消化してバトル終了演出513を実行するまでステップSa3の処理を繰り返す。一方、サブ制御部91は、バトル演出511~513の実行を終了した場合、すなわち、内部中状態に制御されてから所定ゲーム数を消化してバトル終了演出513を実行した場合(ステップSa3;Y)、後述するボーナス確定演出514の実行を開始し(ステップSa4)、特別役に入賞したか否かを判定する(ステップSa5)。
ここで、ボーナス確定演出514とは、特別役に内部当選している旨を報知する演出であり、内部中状態における遊技において実行する特定演出の一例である。本実施形態のボーナス確定演出514では、内部当選した特別役の種類も報知する。例えば、BBの内部中状態におけるボーナス確定演出514は、図8(D)に示すように、「ボーナス確定中」との文字画像と一列に並べられた3個の「白7」の画像とを液晶表示器51に表示する演出である。
【0057】
図6に戻り、サブ制御部91は、特別役に入賞した場合(ステップSa5;Y)、ボーナス確定演出514の実行を終了し(ステップSa6)、後述するボーナス入賞演出515の実行を開始し(ステップSa7)、メイン制御部41から受信した内部当選コマンド等に基づいて、次のゲームが開始されたか否かを判定する(ステップSa8)。サブ制御部91は、次のゲームが開始されていない場合(ステップSa8;N)、次のゲームが開始されるまでステップSa8の処理を繰り返し、次のゲームが開始された場合(ステップSa8;Y)、ボーナス入賞演出515の実行を終了し(ステップSa9)、処理を終了する。なお、サブ制御部91は、ボーナス入賞演出515の実行終了後、ボーナス中演出を実行する(図示省略)。
ここで、ボーナス入賞演出515とは、特別役に入賞してボーナス状態の制御が開始される旨を報知する特別報知演出の一例である。本実施形態のボーナス入賞演出515では、制御されるボーナス状態の種類も報知する。例えば、BBに入賞したときのボーナス入賞演出515は、図8(E)に示すように、「おめでとう!!ビッグボーナス開始!!」との文字画像を液晶表示器51に表示する演出である。
【0058】
図6に戻り、一方、サブ制御部91は、特別役に入賞していない場合(ステップSa5;N)、図7に示すように、ベルに内部当選したか否かを判定する(ステップSa10)。サブ制御部91は、ベルに内部当選した場合(ステップSa10;Y)、後述するベル当選演出516の実行を開始し(ステップSa11)、ベルに入賞したか否かを判定する(ステップSa12)。
ここで、ベル当選演出516とは、内部中状態における遊技においてベルに内部当選したことを示唆する所定演出(第1所定演出)の一例である。本実施形態のベル当選演出516は、ボーナス確定演出514に「ベル」の図柄画像を追加表示した演出である。例えば、BBの内部中状態におけるベル当選演出516は、図8(F)に示すように、ボーナス確定演出514の各画像を表示した上で「ベル」の図柄画像を右側下部に表示する演出である。
【0059】
図7に戻り、サブ制御部91は、ベルに入賞していない場合(ステップSa12;N)、ベルに入賞するまでステップSa12の処理を繰り返し、ベルに入賞した場合(ステップSa12;Y)、後述するベル入賞演出517の実行を開始する(ステップSa13)。
ここで、ベル入賞演出517とは、内部中状態における遊技においてベルに入賞したことを報知する所定報知演出(第1所定報知演出)の一例である。本実施形態のベル入賞演出517は、ボーナス確定演出514の各画像をベル当選演出516よりも小さく表示し、「ベル」の図柄画像をベル当選演出516よりも大きく表示した演出である。例えば、BBの内部中状態におけるベル入賞演出517は、図8(G)に示すように、ボーナス確定演出514の各画像を上部に小さく表示し、「ベル」の画像を下部に大きく表示した上で、「メダル4枚GET!」との文字画像を右側下部に小さく表示する演出である。
【0060】
図7に戻り、一方、サブ制御部91は、ベルに内部当選していない場合(ステップSa10;N)、リプレイに内部当選したか否かを判定する(ステップSa14)。サブ制御部91は、リプレイに内部当選した場合(ステップSa14;Y)、後述するリプレイ当選演出518の実行を開始し(ステップSa15)、リプレイに入賞したか否かを判定する(ステップSa16)。
ここで、リプレイ当選演出518とは、内部中状態における遊技においてリプレイに内部当選したことを示唆する所定演出(第2所定演出)の一例である。本実施形態のリプレイ当選演出518は、ベル当選演出516と同様に、ボーナス確定演出514に「リプレイ」の図柄画像を追加表示した演出である。例えば、BBの内部中状態におけるリプレイ当選演出518は、図8(H)に示すように、ボーナス確定演出514の各画像を表示した上で「リプレイ」の図柄画像を右側下部に表示する演出である。
【0061】
図7に戻り、サブ制御部91は、リプレイに入賞していない場合(ステップSa16;N)、リプレイに入賞するまでステップSa16の処理を繰り返し、リプレイに入賞した場合(ステップSa16;Y)、後述するリプレイ入賞演出519の実行を開始する(ステップSa17)。
ここで、リプレイ入賞演出519とは、内部中状態における遊技においてリプレイに入賞したことを報知する所定報知演出(第2所定報知演出)の一例である。本実施形態のリプレイ入賞演出519は、ベル入賞演出517と同様に、ボーナス確定演出514の各画像をリプレイ当選演出518よりも小さく表示し、「リプレイ」の図柄画像をリプレイ当選演出518よりも大きく表示した演出である。例えば、BBの内部中状態におけるリプレイ入賞演出519は、図8(I)に示すように、ボーナス確定演出514の各画像を上部に小さく表示し、「リプレイ」の図柄画像を下部に大きく表示した上で、「リプレイ!」との文字画像を右側下部に小さく表示する演出である。
【0062】
図7に戻り、ベル入賞演出又はリプレイ入賞演出519の実行開始後、サブ制御部91は、内部当選コマンド等に基づいて、次のゲームが開始されたか否かを判定する(ステップSa18)。サブ制御部91は、次のゲームが開始されていない場合(ステップSa18;N)、次のゲームが開始されるまでステップSa18の処理を繰り返し、次のゲームが開始された場合(ステップSa18;Y)、入賞演出517、519の実行を終了し(ステップSa19)、ステップSa4の処理に戻り、ボーナス確定演出514の実行を再開し(ステップSa4)、特別役に入賞するまでステップSa4~Sa19の処理を繰り返す。一方、サブ制御部91は、リプレイに入賞していない場合(ステップSa14;N)、すなわち、特別役に入賞しておらず、ベルにもリプレイにも内部当選していない場合にも、ステップSa4の処理に戻り、ボーナス確定演出514の実行を再開し(ステップSa4)、特別役に入賞するまでステップSa4~Sa19の処理を繰り返す。
【0063】
[復帰時演出制御処理について]
また、サブ制御部91にも、バックアップ電源が供給されており、RAM91b(図5参照)は、停電時においても記憶しているデータを所定の期間保持することができる。本実施形態では、サブ制御部91は、所謂電断復帰後の起動処理において、図9に示す電断復帰時演出制御処理を実行する。先ず、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信した復帰コマンド等に基づいて、メイン制御部41が電断から復帰したか否かを判定する(ステップSb1)。サブ制御部91は、電断復帰していない場合(ステップSb1;N)、電断復帰するまでステップSb1の処理を繰り返し、電断復帰した場合(ステップSb1;Y)、RAM91bが記憶しているデータに基づいて、電断前に内部中演出を実行していたか否かを判定する(ステップSb2)。
【0064】
サブ制御部91は、電断前に内部中演出を実行していた場合(ステップSb2;Y)、実行していた内部中演出がボーナス確定演出514よりも前に実行されるバトル演出511~513であるか否かを判定する(ステップSb3)。サブ制御部91は、バトル演出511~513である場合(ステップSb3;Y)、または、電断前に内部中演出を実行していなかった場合(ステップSb2;N)、電断前に実行していた演出の実行を再開し(ステップSb4)、処理を終了して起動処理に戻る。例えば、電断前に実行していた演出がデモ演出であればデモ演出の実行を再開し、電断前に実行していた演出が内部中演出以外の演出であれば当該演出の実行を再開し、電断前に実行していた演出がバトル演出511~513であればバトル演出511~513の実行を再開し、処理を終了して起動処理に戻る。
【0065】
一方、サブ制御部91は、実行していた内部中演出がバトル演出511~513でない場合(ステップSb3;N)、すなわち、ボーナス確定演出514の実行後である場合、実行していた内部中演出がボーナス入賞演出515であるか否かを判定する(ステップSb5)。サブ制御部91は、ボーナス入賞演出515である場合(ステップSb5;Y)、ボーナス入賞演出515の実行を再開し(ステップSb6)、処理を終了して起動処理に戻る。なお、サブ制御部91は、起動処理の実行終了後、内部中演出実行処理の実行を再開し、次のゲームを開始した後にボーナス入賞演出515の実行を終了してボーナス中演出の実行を開始する。
【0066】
一方、サブ制御部91は、実行していた内部中演出がボーナス入賞演出515でない場合(ステップSb5;N)、すなわち、ボーナス確定演出514、ベル当選演出516、ベル入賞演出517、リプレイ当選演出518、リプレイ入賞演出519のうちの何れかの演出である場合、後述する電断復帰用ボーナス確定演出520の実行を開始し(ステップSb7)、処理を終了して起動処理に戻る。なお、サブ制御部91は、起動処理の実行終了後、内部中演出実行処理の実行を再開し、次のゲームを開始した後に電断復帰用ボーナス確定演出520の実行を終了してボーナス確定演出514の実行を再開する。
ここで、電断復帰用ボーナス確定演出520とは、内部中状態における遊技においてボーナス確定演出514の実行後に電断復帰したことを報知する共通演出の一例である。本実施形態の電断復帰用ボーナス確定演出520は、ボーナス確定演出514に電断復帰した旨の文字画像を追加表示した演出である。例えば、BBの内部中状態における電断復帰用ボーナス確定演出520は、図8(J)に示すように、ボーナス確定演出514の各画像を表示した上で「-電断から復帰しました-」との文字画像を下部に表示する演出である。
【0067】
この結果、本実施形態では、内部中演出の実行中に電断復帰が発生したときには、復帰後に実行される内部中演出の種類が電断前に実行されていた内部中演出の種類によって異なることになる。具体的には、電断前に実行されていた内部中演出がバトル演出511~513であった場合には復帰後にバトル演出511~513の実行が再開される(図10(A)に示す演出実行例1参照)。一方、電断前に実行されていた内部中演出がボーナス確定演出514、ベル当選演出516、リプレイ当選演出518、ベル入賞演出517、リプレイ入賞演出519であった場合には復帰後に電断復帰用ボーナス確定演出520が実行される(図10(B)~図10(D)、図11(A)、図11(B)に示す演出実行例2~6参照)。なお、電断前に実行されていた内部中演出がボーナス入賞演出515であった場合には復帰後にボーナス入賞演出515が再開される(図11(C)に示す演出実行例7参照)。
すなわち、電断前にボーナス確定演出514の実行前であった場合には復帰後に電断前に実行されていた演出(バトル演出511~513)が再開される一方、電断前にボーナス確定演出514の実行後であった場合には特別役に入賞していない限り復帰後に演出が再開されずに電断復帰用ボーナス確定演出520が実行される。
【0068】
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、メイン制御部41は、特別役(BB、RB)に内部当選したゲームにおいて遊技者が特別役に入賞させることができれば遊技状態をボーナス状態に制御する一方、遊技者が特別役に入賞させることができなければ特別役に入賞させるまで遊技状態を内部中状態に制御する。また、サブ制御部91は、遊技状態に応じた各種演出を実行可能であり、内部中状態における遊技中に内部中演出を実行する。
【0069】
ここで、遊技者は、仮に特別役に内部当選していても特別役の種類(BB、RB)を特定できなければ入賞ラインに特別役を狙って揃えることが困難である一方、ベル及びリプレイに内部当選していれば狙って揃えようとしなくてもこれらの取りこぼしのない役には入賞させることができる。このため、通常のゲーム消化中であれば、遊技者は、特別役と同時当選している可能性があるチェリーやスイカ等の取りこぼしのある役を狙って揃えようとするようになる。このため、特別役に内部当選していてもその旨を報知したり示唆したりしていなければ、遊技者は、通常どおりチェリーやスイカ等を狙って揃えようとする。さらに、本実施形態では、特別役に内部当選していても一般役に内部当選していれば一般役の方が特別役よりも優先して揃う制御を行っており、取りこぼしのないベルやリプレイに内部当選すればベルやリプレイが特別役よりも優先的に引き込まれて入賞することになる。この結果、特別役に内部当選した後であっても、内部当選した特別役の種類が報知されており、且つ、ベルやリプレイに内部当選していない状況でなければ特別役を狙って揃えることができず、直ぐには特別役に入賞し難くなっている。
【0070】
これに対して、サブ制御部91は、揃えられる特別役の種類を報知するボーナス確定演出514を特別役に内部当選した直後に実行しておらず、内部中状態の制御開始時にバトル演出511~513を所定ゲーム間に亘って実行した後に実行している。
このようにすることで、直ぐに特別役に入賞させ難くすることができるだけでなく、特別役に入賞し難い期間をあえて利用して特別役に内部当選したか否かを示唆したり煽ったりすることができる。
【0071】
また、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、内部中状態における遊技においてボーナス確定演出514の実行後、ベルやリプレイに内部当選していなければボーナス確定演出514の実行を継続する。そして、サブ制御部91は、ボーナス確定演出514の実行後、ベルやリプレイに内部当選したときにはベル当選演出516やリプレイ当選演出518を実行して揃えられる特別役の種類を報知するとともにベルやリプレイに内部当選した旨を示唆している。
このようにすることで、特別役を狙って揃えようとしてもベルやリプレイが優先して揃ってしまうことを示唆することができ、遊技者は、次のゲーム以降に特別役を狙って揃えばよい旨を認識できる。
【0072】
なお、本実施形態では、内部中状態における遊技中に一般役が内部当選した場合には特別役よりも一般役が優先して引き込まれるようにしたが、逆に一般役よりも特別役が優先して引き込まれるようにしたとしても、内部中状態における遊技中にボーナス確定演出514を実行してからベルやリプレイに内部当選したときにはベル当選演出516やリプレイ当選演出518を実行して揃えられる特別役の種類を報知するだけでなくベルやリプレイに内部当選した旨も示唆してもよい。
このようにすることで、遊技者は、リプレイ当選演出518が実行されたときには特別役を狙って早くボーナス状態に制御されるようにすればよい旨を認識できる一方、ベル当選演出516が実行されたときにはベルを狙って賭数の3枚を超える4枚以上のメダルを獲得してから次のゲーム以降に特別役を狙って揃えればよい旨を認識できる。
【0073】
また、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、ボーナス確定演出514の実行中に電断復帰が発生したときと、ベル当選演出516やリプレイ当選演出518の実行中に電断復帰が発生したときとで共通する電断復帰用ボーナス確定演出520を実行して内部中状態における遊技においてボーナス確定演出514の実行後に電断復帰したことを報知している。
このようにすることで、遊技者は、ボーナス確定演出514の実行中に電断復帰したときだけでなくベル当選演出516やリプレイ当選演出518の実行中に電断復帰したときときにも内部中状態における遊技中であることを認識でき、遊技を終了してはいけないことを認識できる。また、このようにすることで、ボーナス確定演出の実行中に電断復帰したときとベル当選演出やリプレイ当選演出の実行中に電断復帰したときときとで異なる演出を実行するスロットマシンよりも電断復帰したときのサブ制御部91の処理負担を軽減できる。
【0074】
特に、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、ベル当選演出516の実行中に電断復帰が発生したときと、リプレイ当選演出518の実行中に電断復帰が発生したときとで共通する電断復帰用ボーナス確定演出520を実行している。
このようにすることで、遊技者は、ベル当選演出516の実行中に電断復帰したときだけでなくリプレイ当選演出518の実行中に電断復帰したときときにも内部中状態における遊技中であることを認識できる。また、このようにすることで、ベル当選演出の実行中に電断復帰したときとリプレイ当選演出の実行中に電断復帰したときときとで異なる演出を実行するスロットマシンよりも電断復帰したときのサブ制御部91の処理負担を軽減できる。
【0075】
更に、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、電断復帰用ボーナス確定演出520は、ボーナス確定演出514に「-電断から復帰しました-」との文字画像を追加表示しただけで、電断復帰用ボーナス確定演出520とボーナス確定演出514とは、演出態様が同一である。
このようにすることで、電断復帰用ボーナス確定演出の演出態様とボーナス確定演出の演出態様とが異なるスロットマシンよりも演出を実行するための記憶容量を低減できる。
【0076】
また、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、取りこぼしのない役であるベルやリプレイの内部当選を示唆するベル当選演出516やリプレイ当選演出518の実行中に電断復帰が発生したときには、電断復帰用ボーナス確定演出520を実行して内部中状態における遊技中に電断復帰したことを報知する一方、ベルやリプレイに内部当選した旨を示唆しないようになっている。
このように制御しても、電断から復帰したゲームにおいて必ずベルやリプレイに入賞するので、ベルやリプレイに内部当選した旨を示唆しないことによって遊技者に特段の不利益が発生しないようにすることができる。
【0077】
また、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、バトル演出511~513の実行中に電断復帰が発生したときには、電断復帰用ボーナス確定演出520を実行せずに、バトル演出511~513の実行を再開する。すなわち、サブ制御部91は、ボーナス確定演出514の実行前に電断復帰が発生したときには、電断復帰用ボーナス確定演出520を実行して内部中状態における遊技において特別役に内部当選したことや揃えられる特別役の種類を報知しないようになっている。
このようにすることで、内部中状態における遊技中に電断復帰したときときに電断前にボーナス確定演出514を実行していたか否かに応じて電断復帰用ボーナス確定演出520を実行するか否かを決定することができるので、電断復帰したときのサブ制御部91の処理(起動処理、電断復帰時演出制御処理等)を好適に実行できる。
【0078】
また、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、内部中状態における遊技において特別役に入賞したときにボーナス入賞演出515を実行し、内部中状態における遊技においてベルやリプレイに入賞したときにベル入賞演出517やリプレイ入賞演出519を実行する。そして、サブ制御部91は、ボーナス入賞演出515の実行中に電断復帰が発生したときにはボーナス入賞演出515の実行を再開する一方、ベル入賞演出517やリプレイ入賞演出519の実行中に電断復帰が発生したときにはベル入賞演出517やリプレイ入賞演出519の実行を再開せずに電断復帰用ボーナス確定演出520を実行する。
このようにすることで、遊技者は、ボーナス入賞演出515の実行中に電断復帰したときであっても特別役に入賞してボーナス状態に制御される旨を認識でき、遊技を終了してはいけないことを認識できる。なお、このように制御しても、電断から復帰したゲームにおいてベルやリプレイに入賞してメダルの払い出しが発生したりリプレイゲームを開始したりするので、ベルやリプレイに入賞した旨を報知しないことによって遊技者に特段の不利益が発生しないようにすることができる。
【0079】
なお、本実施形態では、特別状態をボーナス状態、持越状態を内部中状態として例示したが、これに限定されず、例えば、特別状態をAT状態やART状態やCBやCZ(チャンスゾーン)とし、持越状態をこれらの状態の準備状態としてもよい。この場合、これらの状態に移行するための特別役(特別表示結果)に入賞するまで準備状態に制御されるようにする必要がある。
【0080】
なお、本実施形態では、ボーナス確定演出の実行中に電断復帰したときとベル当選演出やリプレイ当選演出の実行中に電断復帰したときときとで共通する共通演出として電断復帰用ボーナス確定演出520を実行したが、共通演出は少なくとも内部中状態における遊技中である旨を特定可能な演出である限りにおいて任意の演出であってもよい。例えば、共通演出としてボーナス確定演出514を実行してもよい。共通演出として通常時のボーナス確定演出514を実行することで、共通演出として電断復帰用ボーナス確定演出520のデータを記憶する必要がなく、共通演出のデータを記憶するための記憶容量(例えば、サブ制御部91のROM91c(図5参照)の記憶容量)を低減できる。なお、遊技者に不利益が発生しないように、電断復帰後に実行する共通演出は電断復帰用ボーナス確定演出520と同様に揃えられる特別役の種類まで特定可能な演出が好ましいが、例えば、「-ボーナス内部当選中に電断復帰しました-」等の文字画像を表示して揃えられる特別役の種類が特定不能となる演出であってもよい。また、本実施形態では、共通演出(電断復帰用ボーナス確定演出520)とボーナス確定演出514との演出態様が同一であることが好ましいが、上述した共通演出のように共通演出とボーナス確定演出514との演出態様が異なってもよい。
【0081】
なお、本実施形態のように、ベル当選演出516の実行中に電断復帰が発生したときと、リプレイ当選演出518の実行中に電断復帰が発生したときとで共通する電断復帰用ボーナス確定演出520を実行することが好ましいが、これに限定されず、ベル当選演出516の実行中に電断復帰が発生したときと、リプレイ当選演出518の実行中に電断復帰が発生したときとで異なる演出を実行してもよい。例えば、ベル当選演出516の実行中に電断復帰が発生したときには電断復帰用ボーナス確定演出520を実行する一方、リプレイ当選演出518の実行中に電断復帰が発生したときにはリプレイ当選演出518の実行を再開してもよい。逆に、例えば、ベル当選演出516の実行中に電断復帰が発生したときにはベル当選演出516の実行を再開する一方、リプレイ当選演出518の実行中に電断復帰が発生したときには電断復帰用ボーナス確定演出520を実行してもよい。このように、電断復帰後にベルやリプレイに内部当選した旨を示唆しなくても遊技者に不利益がなくてもベルやリプレイに内部当選した旨を示唆してもよい。なお、遊技者に不利益が発生しないように、電断復帰後に実行する演出(共通演出と異なる演出)はボーナス確定演出514やベル当選演出516やリプレイ当選演出518と同様に特別役に内部当選した旨や揃えられる特別役の種類が特定可能な演出が好ましいが、特別役に内部当選した旨や揃えられる特別役の種類が特定不能となる演出であってもよい。
【0082】
なお、本実施形態では、取りこぼしのない役であるベルやリプレイの内部当選を示唆するベル当選演出516やリプレイ当選演出518の実行中に電断復帰が発生したときには、共通演出として電断復帰用ボーナス確定演出520を実行したが、共通演出を実行する一般役の当選演出については取りこぼしのない役に限定されず、取りこぼしのある役であるチェリーやスイカ等の内部当選を示唆するチェリー当選演出(例えば、ボーナス確定演出514に「チェリー」の図柄画像を追加表示した演出)やスイカ当選演出(例えば、ボーナス確定演出514に「スイカ」の図柄画像を追加表示した演出)の実行中に電断復帰が発生したときであっても共通演出として電断復帰用ボーナス確定演出520を実行してもよい。なお、取りこぼしのある役の内部当選を示唆する当選演出の実行中に電断復帰が発生したときに取りこぼしが発生することによる遊技者にとって不利益が大きい場合には、電断復帰用ボーナス確定演出520を実行せずに当選演出を再開する等によって、取りこぼしが発生すると不利益が大きい旨を報知してもよい。例えば、不利益であるか否かを判定するための閾値として「メダル5枚以上の払い出し」を設定し、内部当選した小役に入賞すると12枚の払い出しがある場合には電断復帰時に当選演出を再開する一方、内部当選した小役に入賞すると4枚の払い出ししかない場合には電断復帰時に電断復帰用ボーナス確定演出520を実行するようにしてもよい。
【0083】
なお、本実施形態では、内部中状態の制御開始時にバトル演出511~513を実行したが、ボーナス確定演出514の実行前であれば内部中状態における遊技中の任意のゲームにおいてバトル演出511~513を実行してもよい。また、本実施形態では、連続演出としてバトル演出511~513を所定ゲーム間に亘って実行したが、バトル演出511~513を実行するゲーム数を複数種類のゲーム数(例えば、3ゲームから10ゲームまでの任意のゲーム数)のうちから選択してもよい。また、本実施形態では、所定ゲーム間に亘る連続演出としてバトル演出511~513を実行したが、1ゲーム間の単発演出としてバトル演出511~513を実行してもよい。この場合、ボーナス確定演出514の実行前にバトル演出511~513を複数回実行してもよい。
【0084】
なお、本実施形態では、内部中状態においてボーナス確定演出514の実行前にバトル演出511~513を実行したが、ボーナス確定演出514の実行前に実行する演出についてはこれに限定されず、特別役の内部当選を煽る任意の演出であってもよい。
また、本実施形態のように、内部中状態においてボーナス確定演出514の実行前にバトル演出511~513を実行して特別役に入賞し難い期間において特別役の内部当選を示唆することが好ましいが、内部中状態においてバトル演出511~513を実行せずにボーナス確定演出514を実行してもよく、例えば、内部中状態の制御を開始してから所定ゲームが経過した後にボーナス確定演出514を実行してもよく、内部中状態の制御開始と同時にボーナス確定演出514を実行してもよい。
【0085】
なお、本実施形態では、バトル演出511~513の実行中に電断復帰が発生したときにはバトル演出511~513の実行を再開したが、これに限定されず、例えば、「-電断復帰しました-」等の文字画像を表示する通常の電断復帰用演出を実行してもよい。
なお、本実施形態のように、バトル演出511~513の実行中に電断復帰が発生したときには電断復帰用ボーナス確定演出520を実行せずにバトル演出511~513の実行を再開して電断復帰時演出制御処理等を好適に実行することが好ましいが、例えば、バトル演出511~513の実行中に電断復帰が発生したときであっても共通演出として電断復帰用ボーナス確定演出520を実行してもよい。
【0086】
なお、本実施形態のように、ボーナス入賞演出515の実行中に電断復帰が発生したときにはボーナス入賞演出515の実行を再開して電断復帰したときであっても特別役に入賞した旨を報知することが好ましいが、これに限定されず、例えば、共通演出として電断復帰用ボーナス確定演出520を実行したり、通常の電断復帰用演出を実行したりして特別役に入賞した旨を報知しなくてもよい。但し、この場合であっても、次のゲームの開始時にはボーナス中演出を実行してボーナス状態に制御されたことを認識可能とする必要がある。
なお、本実施形態のように、内部中状態における遊技中に特別役に入賞したときにボーナス入賞演出515を実行することが好ましいが、内部中状態における遊技中に特別役に入賞してもボーナス入賞演出515を実行しなくてもよい。
【0087】
なお、本実施形態では、ベル入賞演出517やリプレイ入賞演出519の実行中に電断復帰が発生したときにはベル入賞演出517やリプレイ入賞演出519の実行を再開せずに電断復帰用ボーナス確定演出520を実行したが、ベル入賞演出517やリプレイ入賞演出519の実行中に電断復帰が発生したときにはベル入賞演出517やリプレイ入賞演出519の実行を再開してもよい。
なお、本実施形態のように、内部中状態における遊技においてベルやリプレイに入賞したときにベル入賞演出517やリプレイ入賞演出519を実行することが好ましいが、内部中状態における遊技においてベルやリプレイに入賞してもベル入賞演出517やリプレイ入賞演出519を実行しなくてもよい。
【0088】
なお、上記実施形態では、遊技制御基盤40がメイン制御部41を備え、演出制御基盤90がサブ制御部91を備える構成について説明したが、これに限られず、同一基盤がメイン制御部41とサブ制御部91とを備えていても良い。この構成を採用することで、メイン制御部41とサブ制御部91との通信が容易になり、また、筐体1aの体積を軽減することができる。
【0089】
なお、上記実施形態におけるスロットマシン1では、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものとして説明したが、本願請求項に係る発明のスロットマシンはこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
【0090】
なお、本発明のスロットマシンは、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンも、本発明のスロットマシンに含まれるものである。
【0091】
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、スロットマシン1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採用して良い。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採用しても良い。
【0092】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0093】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更は勿論可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、8L,8C,8R ストップスイッチ、41 メイン制御部、51 液晶表示器、91 サブ制御部、511 バトル開始演出、512 バトル中演出、513 バトル終了演出、514 ボーナス確定演出、515 ボーナス入賞演出、516 ベル当選演出、517 ベル入賞演出、518 リプレイ当選演出、519 リプレイ入賞演出、520 電断復帰用ボーナス確定演出
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11