(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】帯状部材及び前記帯状部材の補強帯材の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 63/32 20060101AFI20220323BHJP
F16L 1/00 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
B29C63/32
F16L1/00 J
(21)【出願番号】P 2018024246
(22)【出願日】2018-02-14
【審査請求日】2020-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【氏名又は名称】原田 三十義
(74)【代理人】
【識別番号】100153800
【氏名又は名称】青野 哲巳
(72)【発明者】
【氏名】久保 善央
(72)【発明者】
【氏名】吉野 克則
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-023296(JP,A)
【文献】特開2009-023295(JP,A)
【文献】特開2015-051597(JP,A)
【文献】特開2013-082095(JP,A)
【文献】特開昭51-084880(JP,A)
【文献】特開平10-024523(JP,A)
【文献】特開平07-088951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 63/00-63/48
F16L 1/00
F16L 55/18
B21D 5/00- 9/18
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製の主帯材と、前記主帯材の裏側部に重ね合わされるように設けられた補強帯材とを含み、螺旋管となるべき帯状部材であって、
前記補強帯材が、金属からなる補強帯本体と、前記補強帯本体を被覆する被覆層とを含み、前記被覆層が、伸び率130%以上の樹脂を含み、前記樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、若しくは中密度ポリエチレン(MDPE)、またはポリプロピレン(PP)であることを特徴とする帯状部材。
【請求項2】
合成樹脂製の主帯材と、前記主帯材の裏側部に重ね合わされるように設けられた補強帯材とを含み、螺旋管となるべき帯状部材であって、
前記補強帯材が、金属からなる補強帯本体と、前記補強帯本体を被覆する被覆層とを含み、前記被覆層が、伸び率130%以上の樹脂を含み、前記被覆層には、オレフィン系熱可塑性エラストマーが添加されていることを特徴とする帯状部材。
【請求項3】
合成樹脂製の主帯材と、前記主帯材の裏側部に重ね合わされるように設けられた補強帯材とを含み、螺旋管となるべき帯状部材であって、
前記補強帯材が、金属からなる補強帯本体と、前記補強帯本体を被覆する被覆層とを含み、前記被覆層が、伸び率130%以上の樹脂を含み、前記被覆層が、前記補強帯本体と接する被覆基層と、前記被覆基層に被さる被覆表層とを含み、前記被覆基層が変性ポリオレフィンを含むことを特徴とする帯状部材。
【請求項4】
螺旋管となるべき帯状部材の合成樹脂製の主帯材の裏側部に重ね合わされる補強帯材を製造する方法であって、
金属製の帯板の表面に伸び率130%以上の樹脂を被覆し、前記樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、若しくは中密度ポリエチレン(MDPE)、またはポリプロピレン(PP)であり、
前記被覆後の帯板を所定の断面形状に曲げ加工することによって前記補強帯材を形成することを特徴とする帯状部材の補強帯材製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば老朽化した既設の埋設管に螺旋状にライニングされて更生管となる帯状部材及び該帯状部材の補強帯材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
老朽化した下水道管等の既設埋設管の内周面に帯状部材を螺旋状にライニングして更生する方法は公知である(特許文献1等参照)。例えば特許文献1に記載の帯状部材は、ポリ塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂製の主帯材と、その裏側部に重ね合わされるように設けられた補強帯材とを備えている。補強帯材の断面は、例えば概略W字形状の断面になっている。補強帯材の鋼製の補強帯本体の表面全体が、腐食防止のために硬質のポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂からなる被覆層で覆われている。なお、硬質PVCの伸び率は2~40%程度であり、PETの伸び率は70~130%程度である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
補強帯材の製造方法としては、補強帯本体となる帯鋼板の表面全体(両側面及び両端面)に樹脂の被覆層を被覆した後、所定の断面形状に曲げ加工する被覆後曲げ加工方式と、帯鋼板を所定断面形状に曲げ加工した後、その表面全体に樹脂の被覆層を被覆する曲げ加工後被覆方式とがある。
好ましくは、補強帯材の製造と併行して主帯材(プロファイル)が押出成形され、かつ主帯材に補強帯材が嵌め込まれる。
【0005】
曲げ加工後被覆方式によれば、ライン化が容易でなく、樹脂材料の供給スタート、ストップ等をする間に材料が焼けて物性に悪影響が生じたり、押出後の材料品質が安定するまで時間をロスしたりしやすい。また、補強帯本体の曲げ加工精度によって、被覆層の品質(特に厚み)が均一でなくなるおそれがある。
【0006】
一方、被覆後曲げ加工方式によれば、折り曲げ部分の内まわり側の被覆層は縮まされ、外まわり側の被覆層は伸ばされる。従来の被覆層は硬質PVCやPETによって構成されているため、折り曲げ度合によっては、特に外まわり側の被覆層の樹脂が伸びきれずに割れ、白化などが発生するおそれがある。
本発明は、かかる事情に鑑み、補強帯材を特に被覆後曲げ加工方式によって作製するとき、被覆層の樹脂の割れ、白化などを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、合成樹脂製の主帯材と、前記主帯材の裏側部に重ね合わされるように設けられた補強帯材とを含み、螺旋管となるべき帯状部材であって、
前記補強帯材が、金属からなる補強帯本体と、前記補強帯本体を被覆する被覆層とを含み、前記被覆層が、伸び率130%以上の樹脂を含むことを特徴とする。
前記補強帯材を被覆後曲げ加工方式によって作製する場合、曲げ加工時に折り曲げ部分の外まわり側の被覆層が補強帯本体の曲げ変形に追随して十分に伸び変形される。これによって、当該被覆層を構成する樹脂の割れ、白化等が起きるのを防止できる。
【0008】
前記樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、若しくは中密度ポリエチレン(MDPE)、またはポリプロピレン(PP)であることが好ましい。
LLDPEの伸び率は90%~800%程度である。好ましくは130%以上のLLDPEを使用する。
LDPEの伸び率は90%~800%程度である。好ましくは130%~800%のLDPEを使用する。
MDPEの伸び率は50%~600%程度である。好ましくは130%~600%のMDPEを使用する。
PPの伸び率は、200~700%程度である。
特にPPからなる被覆層には、オレフィン系熱可塑性エラストマーが添加されていることが好ましい。これによって、伸び率を変えることができる。
【0009】
前記被覆層が、前記補強帯本体と接する被覆基層と、前記被覆基層に被さる被覆表層とを含み、前記被覆基層が変性ポリオレフィンを含むことが好ましい。
前記変性ポリオレフィンは、好ましくは接着性官能基が導入されたポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンである。これによって、被覆基層に接着性を付与でき、被覆層と補強帯本体との接着強度を高めることができる。
【0010】
本発明方法は、螺旋管となるべき帯状部材の合成樹脂製の主帯材の裏側部に重ね合わされる補強帯材を製造する方法であって、
金属製の帯板の表面に伸び率130%以上の樹脂を被覆し、
前記被覆後の帯板を所定の断面形状に曲げ加工することによって前記補強帯材を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、補強帯材を曲げ加工したとき、被覆層の樹脂の割れ、白化などを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る帯状部材を示し、
図4のI-I線に沿う断面図である。
【
図2】
図2は、前記帯状部材の補強帯材を示し、
図4のII-II線に沿う断面図である。
【
図3】
図3は、
図2の円部IIIの折り曲げ部分を、曲率半径を小さくして示す拡大断面図である。
【
図4】
図4は、前記帯状部材の製造装置を概略的に示す解説図である。
【
図5】
図5(a)は、前記補強帯材の補強帯本体となる帯板を示し、
図4のVa-Va線に沿う断面図である。
図5(b)は、被覆層を被覆後の帯板を示し、
図4のVb-Vb線に沿う断面図である。
【
図6】
図6(a)は、前記帯状部材からなる螺旋管によって更生された既設埋設管の断面図である。
図6(b)は、同図(a)の円部VIbの拡大断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2実施形態を示し、補強帯材の一部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1~
図6は、本発明の第1実施形態を示したものである。
図6(a)に示すように、本発明形態の帯状部材3は、老朽化した既設の埋設管1の更生に用いられる。更生対象の埋設管1は例えば下水道管である。なお、埋設管1は、下水道管に限られず、上水道管、農業用水管、水力発電用導水管、ガス管等であってもよい。帯状部材3が人孔4間の埋設管1の内周に沿って製管機(図示せず)により螺旋状にライニングされることによって螺旋管状の更生管2となる。
【0014】
図1に示すように、帯状部材3は、主帯材10と、補強帯材20を含む。主帯材10の材質は、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂である。主帯材10は、前記合成樹脂の押出成形によって一定断面に形成され、かつ
図1の紙面と直交する方向へ長尺状に延びている。主帯材10の平坦な平帯部11の裏面(螺旋管2となったとき外周側を向く面、
図1において上面)に2つ(複数)のリブ15,16(突条)が幅方向(
図1において左右)に離れて設けられている。これらリブ15,16間に凹溝12が形成されている。平帯部11の両端部には雌雄の嵌合部13,14が設けられている。雌嵌合部13の幅方向の外側にはサブロック突片17が斜めに突出するように形成されている。
【0015】
図6(b)に示すように、帯状部材3からなる螺旋管状の更生管2において、一周違いに隣接する嵌合部13,14どうしが凹凸嵌合されている。かつ、サブロック突片17の先端部が、一周違いに隣接するリブ16の先端部に係止されている。嵌合部13,14の嵌合やサブロック突片17の係止は、図示しない製管機によって行なわれる。
【0016】
図2に示すように、補強帯材20は、所定断面に形成され、かつ
図2の紙面と直交する方向へ長尺状に延びている。例えば補強帯材20の断面形状は、U字断面の胴部21と、その両端に連なる一対の平坦な肩部22と、各肩部22から斜めに折り返された一対の腕部23を含み、概略W字形状に形成されている。胴部21の一対の側壁21bと裏側板21aとの間、各側壁21bと肩部22との間、肩部22と腕部23との間にそれぞれ折り曲げ部分20cが形成されている。
【0017】
図1に示すように、補強帯材20は、主帯材10の凹溝12に嵌め込まれることで、主帯材10の裏側部(螺旋管2となったとき外周を向く側部、
図1において上側部)に重ね合わされている。肩部22が平帯部11の裏面に宛がわれ、腕部23の先端部がリブ15,16の中間部に係止されている。
【0018】
図2に示すように、補強帯材20は、補強帯本体24と、被覆層30を含む。補強帯本体24は、スチール(金属)によって構成されている。
図5(a)に示すように、補強帯本体24は、平坦な鋼製帯板24Xを曲げ加工することによって作製される。
鋼製帯板24Xひいては補強帯本体24の厚みは、0.5mm~2mm、さらには0.8mm~1.6mm程度が好ましい。
図3に示すように、折り曲げ部分20cにおける補強帯本体24の肉厚中心(
図3の一点鎖線)の曲率半径Rは、最小でも1mm程度が好ましい。
【0019】
図2に示すように、補強帯本体24の表面全体(両側面及び両端面)が被覆層30によって被覆されている。つまり、被覆層30は、補強帯本体24の内側面24aに被さる内側層部分30aと、補強帯本体24の外側面24bに被さる外側層部分30bを含む。
図1に示すように、内側層部分30aは、主帯材10と接するか、主帯材10との間に帯材間空間3cを形成する。
図6(b)に示すように、外側層部分30bは、帯状部材3が螺旋管2となったとき、埋設管1と更生管2との間の管間空間1cに面する。
【0020】
外側層部分30bの厚みは、傷しろと腐食防止機能のために1.0mm~1.5mm程度が好ましい。内側層部分30aの厚みは、外側層部分30bより小さくてもよいが腐食防止機能を考慮すると0.5mm程度は必要である。
製管時に製管機が接触したり、搬送時に埋設管1の内面に接触したりするので、外側層部分30bの厚みは、内側層部分30aの厚みより大きいほうが好ましい。
【0021】
被覆層30は、伸び率130%以上の樹脂によって構成されている。かかる樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、ポリプロピレン(PP)が挙げられる。特にPPからなる被覆層30には、オレフィン系熱可塑性エラストマーが添加されていることが好ましい。これによって、伸び率を変えることができる。
【0022】
帯状部材3は、例えば次のようにして作製される。
図4において簡略化して示すように、帯状部材3の製造には、ライン化された製造装置40が用いられる。製造装置40は、主帯材成形ライン40aと、補強帯材成形ライン40bと、合流ライン40cを含む。
<主帯材成形工程>
主帯材成形ライン40aの押出成形部41によって、PVC樹脂原料から主帯材10を押出成形する。
【0023】
<被覆工程>
補強帯材成形ライン40bにおいては、補強帯本体24となるべき平坦な鋼製帯板24X(
図5(a))をロール状の帯板巻回体42から繰り出して被覆処理部43に導入する。被覆処理部43において、帯板24Xの両側面及び両端面を含む表面全体に被覆層30を押出成形等によって被覆する(
図5(b))。
【0024】
<曲げ加工工程>
続いて、曲げ加工部44において、帯板24Xを折り曲げ加工することによって、所定形状の補強帯材20(
図2)を成形する。好ましくは、曲げ加工部44は、多段(複数段)の成形ロールを含むロールフォーミング機によって構成されている。各段の成形ロールによって帯板24Xが少しずつ曲げられる。
このとき、
図3に示すように、被覆層30における、折り曲げ部分20cの内まわり側の被覆層部分33は縮まされ、折り曲げ部分20cの外まわり側の被覆層部分34は伸ばされる。折り曲げ部分20cの曲げ度合によっては、外まわり被覆層部分34が2倍程度まで伸ばされる。
例えば、折り曲げ部分20cにおける補強帯本体24の肉厚中心の曲率半径Rが1mm程度、補強帯本体24の厚みが1mm程度、外まわり側被覆層部分34の厚みが1mm程度とすると、外まわり側被覆層部分34の外周長は、折り曲げ前の2.5mmから5mm程度になる。
ここで、被覆層30の伸び率は130%以上であるから、外まわり被覆層部分34が、補強帯本体24の曲げ変形に追随して十分に伸び変形される。これによって、外まわり被覆層部分34の割れ、白化等が起きるのを防止できる。
内まわり側被覆層部分33は、多段のロールフォーミングによって徐々に圧縮されることにより座屈を防止できる。
【0025】
<嵌め合わせ工程>
図4に示すように、その後、合流ライン40cの嵌め合わせ部45において、補強帯材20が、主帯材10の凹溝12に嵌め込まれることで主帯材10の裏側部に重ね合わされる。これによって、帯状部材3が作製される。
該帯状部材3が、巻き取り部46においてコイル状に巻き取られる。
【0026】
帯状部材3によれば、鋼製(金属製)の補強帯材20によって樹脂製主帯材10の強度を高めることができる。
被覆層30によって補強帯本体20を保護でき、補強帯本体20の腐食や損傷を防止できる。ひいては、更生管2の耐久性を向上させることができる。
図6(a)及び同図(b)に示すように、帯状部材3を既設管1の内周にライニングして更生管2を構成する。補強帯材20によって更生管2に自立性を付与することで、既設管1と更生管2の間に裏込め材を注入しなくても済む。
【0027】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
<第2実施形態>
図7に示すように、第2実施形態においては、被覆層30Bが、被覆基層31と被覆表層32との複層構造になっている。被覆基層31が、補強帯本体24と接している。被覆表層32が、被覆基層31の外面(補強帯本体24とは反対側の面)に被さっている。
【0028】
被覆基層31は、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレンなどの接着性の変性ポリオレフィンによって構成されている。変性ポリオレフィンとしては、例えば三井化学株式会社製アドマー(登録商標)が挙げられる。これによって、被覆基層31ひいては被覆層30Bと補強帯本体24との接着強度を高めることができる。
【0029】
被覆表層32は、非変性かつ好ましくは被覆基層31と同種のポリオレフィンによって構成されている。
すなわち、被覆基層31が変性ポリエチレンである場合、被覆表層32は、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)又は中密度ポリエチレン(MDPE)によって構成されている。
被覆基層31が変性ポリプロピレンである場合、被覆表層32は、好ましくはポリプロピレン(PP)によって構成されている。これによって、被覆基層31と被覆表層32の接合性ないしは一体化性を高めることができる。
【0030】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、補強帯材20の作製方法は、実施形態のものに限られず、例えば曲げ加工後被覆方式を採用してもよい。
主帯材成形工程は、曲げ加工工程及び嵌め合わせ工程とは別の工程であってもよい。一旦、押出し成形した主帯材10をドラムに巻き取ってロール状にし、それを嵌め合わせ工程の現場に運び、ロール状の主帯材10をほどいて嵌め合わせ部45に送り込んでもよい。
被覆工程、曲げ加工工程、嵌め合わせ工程は、一連の工程ではなく独立した別の工程であってもよい。例えば、被覆した鋼製帯板24をコイル状に巻き取り、それを曲げ加工工程の現場に運び、曲げ加工してもよい。
主帯材10及び補強帯材20の断面形状は図示したものに限られず種々の断面形状を適用できる。
帯状部材3は、柱状体の外周面に螺旋状に巻き付けられるものであってもよい。帯状部材3の裏側部が柱状体側すなわち内周側へ向けられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、例えば下水道管などの埋設管の更生に適用できる。
【符号の説明】
【0032】
1 埋設管
2 更生管
3 帯状部材
10 主帯材
20 補強帯材
20c 折り曲げ部分
24 補強帯本体
24X 帯板
30,30B 被覆層
31 被覆基層
32 被覆表層
33 内まわり側被覆層部分
34 外まわり側被覆層部分
40 帯状部材製造装置