(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】管中混合固化処理土の減勢装置およびこれを用いた打設方法
(51)【国際特許分類】
E02B 3/18 20060101AFI20220323BHJP
E02D 15/10 20060101ALI20220323BHJP
E02F 7/00 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
E02B3/18 E
E02D15/10
E02F7/00 F
(21)【出願番号】P 2018089644
(22)【出願日】2018-05-08
【審査請求日】2021-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000219406
【氏名又は名称】東亜建設工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500038891
【氏名又は名称】信幸建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】長澤 太一
(72)【発明者】
【氏名】小川 康佑
(72)【発明者】
【氏名】坂本 暁紀
(72)【発明者】
【氏名】室田 啓輔
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-107939(JP,A)
【文献】特開2002-070066(JP,A)
【文献】登録実用新案第3191063(JP,U)
【文献】特開2004-036342(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/18
E02D 15/10
E02F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路内で固化処理土が形成されつつ圧送される圧送管の先端部に接続されて、前記圧送管から圧送される前記固化処理土を減勢した後で排出口から外部へ排出する管中混合固化処理土の減勢装置において、
一端部が前記圧送管の先端部に接続され、他端部に前記排出口が形成されていて、前記圧送管よりも大きな管路断面積を有する拡大管と、前記拡大管の一端部と他端部の間で周壁に設けられた取付部と、この取付部に取付けられて前記拡大管の前記取付部の位置での管軸方向に対して交差する方向に延在して前記拡大管の管路に配置される抵抗部材と
を有し、
前記取付部は前記拡大管の周壁に形成された貫通孔を有し、前記抵抗部材が前記貫通孔を貫通して前記拡大管の内側に突出していることを特徴とする管中混合固化処理土の減勢装置。
【請求項2】
前記抵抗部材が前記取付部に着脱自在に取付けられる構成である
請求項1に記載の管中混合固化処理土の減勢装置。
【請求項3】
前記貫通孔が前記拡大管の周壁の異なる位置に複数形成されている請求項1または2に記載の管中混合固化処理土の減勢装置。
【請求項4】
前記取付部が前記貫通孔に内嵌めして固定された管状の支持部材を有し、前記拡大管の外側に突出している支持部材の上端部にフランジ部が設けられていて、前記抵抗部材の一端部に設けられたフランジ部の下端面と、前記支持部材のフランジ部の上端面とが当接する位置まで前記支持部材の挿通孔に前記抵抗部材が挿入された状態で、前記拡大管に対して前記抵抗部材が支持された状態となる請求項1~3のいずれかに記載の管中混合固化処理土の減勢装置。
【請求項5】
前記取付部により、前記拡大管に対して前記抵抗部材が軸中心を中心にして回転可能に支持された構成である請求項1~4のいずれかに記載の管中混合固化処理土の減勢装置。
【請求項6】
前記貫通孔は前記抵抗部材の前記拡大管の管路に配置される部分が遊動して挿通可能な大きさに設定されていて、前記貫通孔に挿入させた前記抵抗部材の外周側に突出して前記抵抗部材を前記周壁に取付けるスペーサ部を備えた請求項1~5のいずれかに記載の管中混合固化処理土の減勢装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の減勢装置の前記拡大管の一端部に、前記圧送管の先端部を接続し、前記圧送管の管路内で形成されつつ圧送された前記固化処理土を前記拡大管の管路に流入させて、前記
拡大管の一端部から前記
拡大管の他端部に向って圧送される過程で、流入させた前記固化処理土を、前記抵抗部材に衝突させて分散させ、分散させた前記固化処理土どうしを合流させて互いに衝突させた後に、前記排出口から排出して所定範囲に打設することを特徴とする管中混合固化処理土の打設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管中混合固化処理土の減勢装置およびこれを用いた打設方法に関し、さらに詳しくは、圧送管から圧送される管中混合固化処理土によって減勢装置に作用する力をより効果的に軽減して、減勢装置の重厚長大化を回避できる管中混合固化処理土の減勢装置およびこれを用いた打設方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、圧送管によって浚渫土および固化材を空気圧送することで、管路内で混合して固化処理土を形成し、圧送される固化処理土を所望の範囲に打設する管中混合固化処理土の打設方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この打設方法では、圧送管から圧送される固化処理土を減勢して排出するために、特許文献1に記載されているように、減勢サイクロンが使用されている。
【0003】
しかしながら、サイクロン式の減勢装置では、圧送管から圧送される固化処理土が、そのまま減勢装置の内部の前方面に衝突する。そのため、圧送管から圧送される固化処理土によって、減勢装置には前方方向への大きな力が作用する。また、圧送された固化処理土が減勢装置の内部を螺旋状に流れることで、減勢装置に大きな遠心力も発生する。それ故、圧送管から流れ込む固化処理土の流量が多い場合や圧送速度が速い場合には、減勢装置を所定位置に固定するために相応の大きな反力を確保する必要がある。これに伴い、減勢装置を重厚長大するなどの対策が要求されることになり、減勢装置を設置する際などの取扱性を悪化させる要因になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、圧送管から圧送される管中混合固化処理土によって減勢装置に作用する力をより効果的に軽減して、減勢装置の重厚長大化を回避できる管中混合固化処理土の減勢装置およびこれを用いた打設方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明の管中混合固化処理土の減勢装置は、管路内で固化処理土が形成されつつ圧送される圧送管の先端部に接続されて、前記圧送管から圧送される前記固化処理土を減勢した後で排出口から外部へ排出する管中混合固化処理土の減勢装置において、一端部が前記圧送管の先端部に接続され、他端部に前記排出口が形成されていて、前記圧送管よりも大きな管路断面積を有する拡大管と、前記拡大管の一端部と他端部の間で周壁に設けられた取付部と、この取付部に取付けられて前記拡大管の前記取付部の位置での管軸方向に対して交差する方向に延在して前記拡大管の管路に配置される抵抗部材とを有し、前記取付部は前記拡大管の周壁に形成された貫通孔を有し、前記抵抗部材が前記貫通孔を貫通して前記拡大管の内側に突出していることを特徴とする。
【0007】
本発明の管中混合固化処理土の打設方法は、上記の減勢装置の前記拡大管の一端部に、前記圧送管の先端部を接続し、前記圧送管の管路内で形成されつつ圧送された前記固化処理土を前記拡大管の管路に流入させて、前記拡大管の一端部から前記拡大管の他端部に向って圧送される過程で、流入させた前記固化処理土を、前記抵抗部材に衝突させて分散させ、分散させた前記固化処理土どうしを合流させて互いに衝突させた後に、前記排出口から排出して所定範囲に打設することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、圧送管の先端部に圧送管よりも大きな管路断面積を有する拡大管を接続することで、圧送管から拡大管に流入する固化処理土の圧送圧力および流速を低下させることができる。これに伴い、減勢装置に作用する力を軽減させることができる。さらに、固化処理土を拡大管の一端部から他端部に向って圧送させる過程で、抵抗部材に衝突させて分散させ、分散させた固化処理土どうしを合流させて互いに衝突させることで、固化処理土を減勢しつつ、減勢装置に作用する力を軽減させることができる。このようにして、本発明では、従来のサイクロン型の減勢装置に比して、圧送管から圧送される固化処理土によって減勢装置に作用する力をより効果的に軽減できる。それ故、固化処理土の流量が多い場合や圧送管での圧送速度が速い場合においても、減勢装置を重厚長大化しなくても所定位置に安定して固定するには有利になる。そして、拡大管および抵抗部材によって減勢された固化処理土を拡大管の他端部に形成された排出口から排出することで、固化処理土を所定範囲に安定して打設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】固化処理土の打設に用いられている本発明の減勢装置の実施形態を側面視で模式的に例示する説明図である。
【
図2】
図1の減勢装置の一部を縦断面視で例示する説明図である。
【
図3】
図1の減勢装置を平面視で例示する説明図である。
【
図6】抵抗部材および取付部の変形例を減勢装置の縦断面視で模式的に示す説明図である。
【
図7】減勢装置の別の実施形態を模式的に例示する説明図であり、
図7の(a)は横断面視、
図7の(b)は縦断面視で例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の管中混合固化処理土の減勢装置およびこれを用いた打設方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0011】
図1~
図5に例示する本発明の管中混合固化処理土の減勢装置1は、管路内で固化処理土MSが形成されつつ圧送される圧送管60の先端部60aに接続して使用される。減勢装置1は、圧送管60から圧送される固化処理土MSを減勢した後で排出口4から外部へ排出して打設する。
図1では、固化処理土MSの流動方向を破線の矢印で示している。
【0012】
図1に示すように、圧送管60の後端部には、圧送管60内に浚渫土を送給するポンプ71が接続されていて、そのポンプ71の後方には配管を介して浚渫土が投入されるホッパー70が接続されている。圧送管60の中途部分には、圧送管60の管路内に固化材を供給する固化材供給装置72と、圧送管60の管路内に圧縮空気を送り込むコンプレッサ73が接続されている。
【0013】
図2に示すように、減勢装置1は、一端部2aが圧送管60の先端部60aに接続される拡大管2と、拡大管2の一端部2aと他端部2bの間で周壁に設けられた取付部10と、取付部10に取付けられる抵抗部材20とを有している。この実施形態の減勢装置1は、さらに、地面Gに対して拡大管2を固定する架台5を有している。
図2では、固化処理土MSの流動方向を実線の矢印で示し、空気aの流れを白抜きの矢印で示している。
【0014】
拡大管2は、圧送管60よりも大きな管路断面積を有している。拡大管2は、鉄鋼などの金属やコンクリートなどで形成される。この実施形態の拡大管2は、2本の有底筒状の鋼管の開口部どうしを連結して形成されている。拡大管2は2つ以上の部材を組み合わせて形成してもよいし、1つの部材で構成してもよい。拡大管2は円管形状に限らず、角管形状にすることもできる。
【0015】
拡大管2の一端面の下部に、圧送管60の外形寸法と略同一寸法の接続口3が形成されていて、その接続口3に圧送管60の先端部60aが挿入されている。圧送管60および拡大管2は、同じ向きに延在して設置されていて、圧送管60の下側外周面と、拡大管2の下側内周面(管路の下側周面)とが当接した状態になっている。圧送管60の先端部60aは、下側よりも上側が先方に突出した形状になっている。
【0016】
この実施形態では、水平に設置された圧送管60に対して直線状の管路断面積が実質的に一定の拡大管2を水平に設置しているが、圧送管60および拡大管2は、設置される地面Gの起伏などに応じて、水平に対して上下方向に傾斜させた向きで設置することもできる。また、拡大管2は、中途の位置で上下方向や横方向に屈曲した形状にすることもできる。拡大管2は、中途の位置で管路断面積が変化する形状にすることもできる。
【0017】
拡大管2の寸法は、圧送管60の寸法や、圧送管60から圧送される固化処理土MSの流量や圧送速度などに応じて適宜決定される。拡大管2の管路断面積は、例えば、圧送管60の管路断面積の2以上6倍以下に設定される。例えば、内径が700mm(600mm~800mm)の圧送管60に、内径が1400mm(1200mm~1600mm)の拡大管2が接続される。
【0018】
拡大管2の一端部2aの上側周壁には、排気口6が設けられている。排気口6には拡大管2の外側に突出する排気管7が着脱可能に取付けられている。この実施形態の排気管7はアーチ状に形成されていて、排気管7の端面開口部は下側に向いている。排気管7の形状や端面開口部の向きは施工現場の条件に応じて適宜決定でき、他の形状にすることもできる。拡大管2に挿入されている圧送管60の上側の先端は、排気口6よりも拡大管2の他端部2b側に配置されていて、圧送管60から拡大管2に圧送される固化処理土MSが排気口6に流入し難い構造になっている。
【0019】
拡大管2の他端部2bには固化処理土MSが排出される排出口4が形成されている。この拡大管2では、拡大管2の他端部2bの下側周壁に排出口4が形成されている。排出口4は、拡大管2の他端面に形成することもできる。この実施形態では、拡大管2が他端面を有しているが、拡大管2を他端が開口した形状とし、その開口した他端を排出口4とすることもできる。
【0020】
取付部10は、抵抗部材20を支持する。抵抗部材20は、取付部10に取付けられて、拡大管2の取付部10の位置での管軸方向に対して交差する方向に延在して拡大管2の管路に配置される。換言すると、抵抗部材20は取付部10の位置における拡大管2の管軸方向と平行でない方向に延在して配置される。
【0021】
この実施形態の取付部10は、拡大管2の周壁に形成された貫通孔11と、貫通孔11に設けられた管状の支持部材12とを有している。支持部材12は例えば、鉄鋼などの金属で形成される。拡大管2の上側周壁を上下に貫通する貫通孔11が形成されていて、その貫通孔11に支持部材12が、上下に挿通して内嵌めされている。支持部材12は拡大管2に固定されている。拡大管2の外側に突出している支持部材12の上端部にはフランジ部が設けられていて、そのフランジ部には、ボルト孔が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0022】
抵抗部材20は、鉄鋼などの金属で形成された棒状部材や板状部材などで構成される。この実施形態の抵抗部材20は、鉄鋼で形成された丸棒で構成されていて、一端部にフランジ部が設けられている。抵抗部材20のフランジ部には、支持部材12のフランジ部と同じ配置で、ボルト孔が周方向に間隔をあけて複数形成されている。抵抗部材20は、丸棒の他にも例えば、丸パイプや角棒、角パイプ等で構成することができる。
【0023】
抵抗部材20の形状や太さは、圧送管60から圧送される固化処理土MSの流量や圧送速度等に応じて適宜決定できる。例えば、抵抗部材20が丸棒や丸パイプであれば外径が50mm~150mm程度、角棒や角パイプであれば横断面の一辺が50mm~150mm程度にする。
【0024】
拡大管2の外側から抵抗部材20を支持部材12の挿通孔12aに挿入することで、抵抗部材20の丸棒部分が拡大管2の管路に配置されて上下方向に延在した状態となる。抵抗部材20のフランジ部の下端面と支持部材12のフランジ部の上端面とが当接する位置まで、抵抗部材20を挿入すると、抵抗部材20の他端部は拡大管2の管路の下側周面に当接し、支持部材12によって拡大管2に対して抵抗部材20が支持された状態となる。
【0025】
抵抗部材20のフランジ部と支持部材12のフランジ部とをボルトおよびナットで接合すると、支持部材12を介して抵抗部材20が拡大管2に対して固定された状態となる。そして、抵抗部材20が挿入された支持部材12の挿通孔12aが、抵抗部材20によって塞がれた状態となる。抵抗部材20と支持部材12との間は密閉する必要はなく、すき間を有していてもよい。抵抗部材20および支持部材12の接合方法はボルトおよびナットに限らず、ビスなどのその他の固定金具や溶接で接合することもできる。
【0026】
図2~
図4に例示するように、この実施形態では、拡大管2に対して取付部10が異なる位置に複数形成されている。具体的には、拡大管2の一端部2a側に8つの取付部10が互いに間隔をあけて配設されていて、拡大管2の中央部に取付部10が形成されていない固化処理土MSの合流領域が設けられている。そして、拡大管2の合流領域よりも他端部2b側に7つの取付部10が互いに間隔をあけて配設されている。
【0027】
この実施形態では、拡大管2の一端部2a側に設けられている8つのすべての取付部10と、拡大管2の他端部2b側に設けられている7つの取付部10の内の6つの取付部10に、それぞれ抵抗部材20を取付けている。抵抗部材20を取付けていない取付部10には、支持部材12の挿通孔12aを塞ぐ蓋部材30が取付けられている。
【0028】
蓋部材30は、鉄鋼で形成された短い丸棒で構成されていて、一端部にフランジ部が設けられている。蓋部材30の丸棒部分は、支持部材12の管軸方向の長さと略同一の長さで形成されている。蓋部材30のフランジ部には、支持部材12のフランジ部と同じ配置で、ボルト孔が周方向に間隔をあけて複数形成されている。蓋部材30のフランジ部の下面と支持部材12のフランジ部の上面とが当接する位置まで、蓋部材30の丸棒部分を支持部材12の挿入孔12aに挿入すると、挿通孔12aが蓋部材30によって塞がれた状態となる。蓋部材30のフランジ部と支持部材12のフランジ部とをボルトおよびナットで固定すると、支持部材12を介して蓋部材30が拡大管2に対して固定された状態となる。
【0029】
次に、減勢装置1を用いた管中混合固化処理土MSの打設方法を以下に説明する。
【0030】
まず、
図1に例示するように、減勢装置1の拡大管2の一端部2aに、圧送管60の先端部60aを接続する。この際、拡大管2の排出口4は、固化処理土MSの打設位置に配置する。そして、圧送管60から圧送する固化処理土MSの粒径や粘度、流量、圧送速度等に応じて、抵抗部材20を取付ける取付部10を選択し、その選択した取付部10に抵抗部材20を取付ける。この実施形態では、クレーン等を使用して、拡大管2の上方から支持部材12の挿通孔12aに抵抗部材20を挿入する。そして、支持部材12と抵抗部材20とをボルトおよびナットによって接合する。抵抗部材20を取付けない取付部10には、蓋部材30を取付ける。以上により、減勢装置1の設置が完了する。
【0031】
次いで、ホッパー70に浚渫土を投入し、その浚渫土をポンプ71によって圧送管60に送給する。そして、圧送管60の管路を流れる浚渫土に対して固化材供給装置72により、固化材を添加する。次いで、コンプレッサ73によって圧送管60の管路に圧縮空気を送り込むことで、圧送管60において浚渫土と固化材とを空気圧送しつつ管中混合して、固化処理土MSを形成する。圧送管60の管路内では、空気圧送によって塊状の固化処理土MSと空気が交互に形成された状態で圧送される。
【0032】
次いで、この塊状の固化処理土MSを拡大管2の管路に流入させる。そして、流入させた固化処理土MSを、
図4に示すように、拡大管2の一端部2aから他端部2bに向って圧送させる。この過程で、拡大管2に流入させた固化処理土MSを、抵抗部材20に衝突させて分散させ、分散させた固化処理土MSどうしを合流させて互いに衝突させる。
【0033】
本発明では、圧送管60の先端部60aに圧送管60よりも大きな管路断面積を有する拡大管2を接続することで、圧送管60から拡大管2に流入する固化処理土MSの圧送圧力および流速を低下させることができる。これに伴い、減勢装置1に作用する力を軽減させることができる。
【0034】
さらに、固化処理土MSを拡大管2の一端部2aから他端部2bに向って圧送させる過程で、抵抗部材20に衝突させることで、固化処理土MSの流動方向を複数の方向に分散させることができる。そして、その抵抗部材20によって分散させた流動方向の異なる固化処理土MSどうしを合流させて互いに衝突させることで、固化処理土MSを効果的に減勢しつつ、減勢装置1に作用する力を軽減させることができる。
【0035】
このようにして、本発明では、従来のサイクロン型の減勢装置に比して、圧送管60から圧送される固化処理土MSによって減勢装置1に作用する力をより効果的に軽減できる。それ故、固化処理土MSの流量が多い場合や圧送管60での圧送速度が速い場合においても、減勢装置1を重厚長大化しなくても所定位置に安定して固定するには有利になる。そして、減勢された固化処理土MSを拡大管2の他端部2bに形成された排出口4から排出することで、固化処理土MSを所定範囲に安定して打設することができる。
【0036】
また、本発明では、従来のサイクロン型の減勢装置に比して、減勢装置1の重量を軽くできるので、減勢装置1を設置する際などの取扱性を向上させるには有利になる。さらに、本発明の減勢装置1は構造が簡素であるので、工作性や設備コストの面においても優れている。
【0037】
また、従来のサイクロン型の減勢装置では、固化処理土MSが減勢装置の内部を螺旋状に流れることで固化処理土MSに大きな遠心力がかかる。そのため、圧送管60における浚渫土と固化材との管中混合が不十分な場合には、減勢装置で減勢される過程で、固化処理土MSが浚渫土と固化材とに再び分離してしまう可能性がある。一方、本発明の減勢装置1では、抵抗部材20によって固化処理土MSを複数の方向に分散させるとともに、分散した固化処理土MSどうしを合流させて互いに衝突させることで、拡大管2において浚渫土と固化材とを効果的に攪拌することができる。それ故、従来のサイクロン型の減勢装置に比して、よりムラの少ない良質な固化処理土MSを打設するにも有利である。
【0038】
この実施形態のように、拡大管2の一端部2aの上側周壁に排気口6を設けると、
図2に示すように、圧送管60から固化処理土MSとともに流入する空気aを、排気口6から拡大管2の外部へ排気することができるので、圧送管60から拡大管2に流入する固化処理土MSの圧送圧力および流速をより効果的に低下させることができる。
【0039】
さらに、排気口6に端面開口部が下側に向いた排気管7を取付けると、風が吹いている場合にも、拡大管2の外側の空気aが排気口6から拡大管2の管路に流入し難くなる。それ故、拡大管2の管路の圧力を低下させるには有利になる。排気管7が拡大管2に着脱自在に取付けられる構成にすると、排気管7を拡大管2から取り外した状態で搬送できるので、減勢装置1を設置する際などの取扱性を向上させるには有利になる。
【0040】
取付部10が異なる位置に複数形成されている構成にすると、拡大管2の管路に複数の抵抗部材20を配置することができるので、複数の抵抗部材20によって固化処理土MSの流動方向をより効果的に分散させることができる。これにより、拡大管2に流入する固化処理土MSどうしが衝突しやすくなり、固化処理土MSを効果的に減勢しつつ、減勢装置1に作用する力を軽減させるには有利になる。
【0041】
抵抗部材20が取付部10に着脱自在に取付けられる構成にすると、減勢装置1を設置する際には、拡大管2と抵抗部材20とを別々に搬送することが可能となる。それ故、減勢装置1を設置する際などの取扱性を向上させるには有利になる。劣化した抵抗部材20を交換することもできるので、減勢装置1のメンテナンス性も向上する。また、例えば、拡大管2の内周面と抵抗部材20との間などに固化処理土MSが詰まる不具合が生じた場合にも、抵抗部材20を拡大管2から取外すことで、拡大管2における詰まりを容易に解消することができる。
【0042】
さらに、この実施形態のように、取付部10が異なる位置に複数形成されていて、かつ、抵抗部材20が取付部10に着脱自在に取付けられる構成にすると、圧送管60から圧送される固化処理土MSの流量や圧送速度等に応じて、拡大管2に取付ける抵抗部材20の数や配置を変更することが可能となる。施工現場によって使用する浚渫土の性状や現場条件などが異なるので、拡大管2に取付ける抵抗部材20の数や配置を変更して、その施工現場に適した仕様にできる。したがって、減勢装置1の汎用性が非常に高くなる。
【0043】
取付部10に取付けられた抵抗部材20の延在方向が上下方向であると、抵抗部材20を水平方向や斜め方向に取付ける場合に比して、抵抗部材20を取付部10にクレーン等を用いて迅速に取付けることができる。したがって、取付部10に対する抵抗部材20の着脱作業が軽労化し、重い抵抗部材20の場合には軽労化効果が著しく向上する。
【0044】
拡大管2に設ける取付部10の数や配置は適宜決定できるが、取付部10は、取付部10に取付けられる抵抗部材20によって、拡大管2に流入する固化処理土MSの流動方向が分散しやすく、かつ、分散した流動方向の異なる固化処理土MSどうしが合流しやすい位置に配置することが望ましい。具体的には、
図3に示すように、拡大管2の管軸方向と管径方向とにそれぞれ取付部10を複数列配設し、拡大管2の管軸方向に隣り合う取付部10どうしは、
図5に示すように、拡大管2の管軸方向から見て、取付部10に取付けられる抵抗部材20どうしが重ならない位置に配置するとよい。
【0045】
取付部10および抵抗部材20をこのように配置すると、
図4の実線の矢印で示すように、拡大管2に流入する固化処理土MSが複数の抵抗部材20に衝突しやすくなるので、固化処理土MSの流動方向が効果的に分散するとともに、分散した固化処理土MSどうしが合流して互いに衝突しやすくなる。それ故、抗部材20によって固化処理土MSを効果的に減勢しつつ、固化処理土MSによって減勢装置1に作用する力を軽減するには有利になる。
【0046】
また、圧送管60の先端部60aに近い拡大管2の一端部2a側に配置する取付部10は、取付部10に取付けられる抵抗部材20どうしの間に固化処理土MSが詰まらない程度に、できるだけ隣り合う取付部10に取付けられる抵抗部材20どうしの離間距離を近く設定するとよい。一方で、排出口4に近い拡大管2の他端部2b側では、拡大管2の一端部2a側に配置された抵抗部材20によってある程度減勢された状態の固化処理土MSが流れてくる。それ故、拡大管2の他端部2b側に配置する取付部10は、抵抗部材20どうしの間に固化処理土MSが詰まらないように、隣り合う取付部10どうしの離間距離を、拡大管2の一端部2a側に配置する取付部10どうしの離間距離よりも広く設定するとよい。
【0047】
取付部10および抵抗部材20をこのように配置すると、拡大管2の一端部2a側の取付部10に取付ける抵抗部材20によって固化処理土MSを効果的に減勢しつつ、拡大管2の他端部2b側において、固化処理土MSが管路内で詰まるリスクを低くすることができる。これにより、固化処理土MSを安定して打設するには有利になる。
【0048】
本発明の減勢装置1を構成する取付部10および抵抗部材20は、
図6の(a)~(e)に例示するような構成にすることもできる。
図6の(a)~(e)に例示する実施形態ではさらに、抵抗部材20の他端部を支持する受部50を設けている。その他の構成は、
図1~
図5に例示した先の実施形態と同じである。
【0049】
図6の(a)~(e)に例示するそれぞれの実施形態の減勢装置1の取付部10は、拡大管2の周壁に形成された貫通孔11を有し、その貫通孔11は抵抗部材20の拡大管2の管路に配置される部分が遊動して挿通可能な大きさに設定されている。ここでいう遊動して挿通可能な大きさとは、貫通孔11に抵抗部材20を挿入した状態で、抵抗部材20の外周面と貫通孔11の内縁との間に20mm~100mm程度のすき間ができる貫通孔11の大きさを示している。
【0050】
さらに、
図6の(a)~(e)に例示するそれぞれの実施形態の取付部10は、貫通孔11に挿入させた抵抗部材20の外周側に突出して抵抗部材20を周壁に取付けるスペーサ部40を備えている。
図6の(a)~(e)では、それぞれスペーサ部40の構成が異なる実施形態を例示している。以下に、
図6の(a)~(e)のそれぞれの実施形態について詳述する。
【0051】
図6の(a)の抵抗部材20は、丸棒で構成されていて、一端部にクレーンの吊具を係合可能な係合部21が設けられている。この実施形態のスペーサ部40は、管状の嵌合部材41aで構成されている。この嵌合部材41aは、貫通孔11に抵抗部材20を挿入した状態における抵抗部材20の外周面と貫通孔11の内縁との間のすき間と略同一の寸法で形成されている。嵌合部材41aの一端部には、取っ手が設けられている。また、受部50として、拡大管2の管路内の周面における貫通孔11と対向する位置に、抵抗部材20の他端部が内嵌めされる管状の受部材51が接合されている。
【0052】
この実施形態では、貫通孔11に抵抗部材20を挿入して、抵抗部材20の他端部を受部材51(受部50)に内嵌めする。次いで、嵌合部材41a(スペーサ部40)を抵抗部材20に外嵌めして、抵抗部材20と貫通孔11との間のすき間に嵌合部材41aを嵌め込むことで、抵抗部材20と貫通孔11との間のすき間が嵌合部材41aによって塞がれる。そして、抵抗部材20は、拡大管2に対して抵抗部材20の軸中心を中心にして回転可能な状態で、スペーサ部40および受部50によって拡大管2に対して支持された状態となる。拡大管2から抵抗部材20を取り外す際には、嵌合部材41aを貫通孔11から取り外し、その後、抵抗部材20を貫通孔11から抜き取ることで、抵抗部材20を拡大管2から取り外すことができる。
【0053】
図6の(b)のスペーサ部40を構成する管状の嵌合部材41bは、
図6の(a)の嵌合部材41aの一端部にさらにフランジ部が設けられている。この実施形態では、受部50として、拡大管2に抵抗部材20の他端部が内嵌めされる凹部52が形成されている。抵抗部材20と、拡大管2に対する抵抗部材20の着脱手順は、
図6の(a)で例示した実施形態とほぼ同じである。ただし、この実施形態では、抵抗部材20と貫通孔11との間のすき間に嵌合部材41bを嵌め込む際に、嵌合部材41bのフランジ部が拡大管2の外周面に引っ掛かることで、嵌合部材41bの拡大管2の管路内への落下を確実に防止できる構造になっている。
【0054】
図6の(c)に例示する実施形態では、抵抗部材20が丸パイプで構成されている。取付部10は、貫通孔11に内嵌めされた筒状の支持部材12を備えており、支持部材12の挿通孔12aが、抵抗部材20の拡大管2の管路に配置される部分が遊動して挿通可能な大きさに設定されている。そして、スペーサ部40を構成する管状の嵌合部材41cが、抵抗部材20と挿通孔12aとの間に嵌め込まれる構成になっている。この嵌合部材41cの一端部にはフランジ部と取っ手が設けられている。また、受部50として、拡大管2の管路内の周面における挿通孔12aと対向する位置に、抵抗部材20の他端部が外嵌めされる棒状の凸部材53が接合されている。
【0055】
この実施形態では、支持部材12の挿通孔12aに抵抗部材20を挿入して、抵抗部材20の他端部を凸部材53に外嵌めする。そして、嵌合部材41cを抵抗部材20に外嵌めして、抵抗部材20と挿通孔12aとの間のすき間に嵌合部材41cを嵌め込むことで、抵抗部材20と挿通孔12aとの間のすき間が嵌合部材41cによって塞がれる。そして、抵抗部材20は、拡大管2に対して抵抗部材20の軸中心を中心にして回転可能な状態で、スペーサ部40、支持部材12、および受部50によって拡大管2に対して支持された状態となる。拡大管2から抵抗部材20を取り外す際には、嵌合部材41cを挿通孔12aから取り外し、その後、抵抗部材20を挿通孔12aから抜き取ることで、抵抗部材20を拡大管2から取り外すことができる。
【0056】
図6の(d)に例示する取付部10は、貫通孔11で構成されている。この実施形態の抵抗部材20は、スペーサ部40として、抵抗部材20の一端部に、拡大管2の管路内に配置される部分よりも太い拡頭部42を有している。拡頭部42の太さは、貫通孔11の大きさと略同一の寸法に設定されている。
【0057】
この実施形態では、貫通孔11に抵抗部材20を挿入すると、抵抗部材20の拡頭部42が貫通孔11に嵌り、抵抗部材20と貫通孔11との間のすき間が拡頭部42で塞がれ、拡大管2に対して抵抗部材20が支持された状態となる。拡大管2から抵抗部材20を取り外す際には、抵抗部材20を貫通孔11から抜き取ることで、抵抗部材20を拡大管2から取り外すことができる。
【0058】
図6の(e)に例示する取付部10は、貫通孔11と、貫通孔11よりも外径が大きい環状の固定部材43と、その固定部材43を拡大管2に固定する固定金具44(ネジやビス等)で構成されている。この実施形態では、固定部材43と固定金具44がスペーサ部40を構成する。固定部材43には、抵抗部材20が挿通する挿通孔が形成されている。その固定部材43の挿通孔の外周側には、固定金具44が挿通するネジ孔が形成されている。拡大管2の貫通孔11の外側には固定金具44の先端部が接合されるネジ孔が形成されている。
【0059】
この実施形態では、貫通孔11に抵抗部材20を挿入し、固定部材43を抵抗部材20に外嵌めして、抵抗部材20と貫通孔11との間のすき間を固定部材43によって拡大管2の外側から覆うことで、抵抗部材20と貫通孔11との間のすき間が固定部材43によって塞がれた状態となる。そして、固定部材43と拡大管2とを固定金具44で接合することで、拡大管2に対して抵抗部材20が支持された状態となる。拡大管2から抵抗部材20を取り外す際には、固定金具44による固定部材43および拡大管2の接合を解除し、固定部材43と固定金具44を拡大管2から取り外す。そして、抵抗部材20を貫通孔11から抜き取ることで、抵抗部材20を拡大管2から取り外すことができる。
【0060】
図6の(a)~(e)に例示した実施形態のように、取付部10が、抵抗部材20の拡大管2の管路に配置される部分が遊動して挿通可能な大きさに設定された貫通孔11と、スペーサ部40とを備えた構成にすると、貫通孔11と抵抗部材20との間に抵抗部材20が遊動できる程度のすき間が設けられていることで、貫通孔11に対する抵抗部材20の抜き差しが行い易くなる。さらに、抵抗部材20に固化処理土MSが固着している場合や、抵抗部材20に変形が生じた場合にも、抵抗部材20を貫通孔11から抜き出しやすくなるので、減勢装置1の利便性やメンテナンス性を向上させるには有利になる。また、抵抗部材20と貫通孔11の内縁との間のすき間を、スペーサ部40で塞ぐことで、抵抗部材20と貫通孔11の内縁との間のすき間から固化処理土MSが流出することを防ぐことができる。
【0061】
拡大管2に抵抗部材20の他端部を支持する受部50を設けると、抵抗部材20を拡大管2に対してより安定した状態で取付けることができる。また、受部50を設けることで、抵抗部材20によって取付部10にかかる負荷を低減できるので、取付部10の変形や損傷を防ぐには有利になる。
【0062】
図6の(a)~(e)に例示した実施形態のように、取付部10によって拡大管2に対して抵抗部材20を固定せずに、拡大管2に対して抵抗部材20が軸中心を中心にして回転可能に支持された構成にすると、固化処理土MSによって抵抗部材20に作用する力が、抵抗部材20を回転させるために消費される。それ故、減勢装置1の減勢効果を大きくするには有利になる。
【0063】
上記で例示した実施形態では、抵抗部材20の延在方向が上下方向である場合を例示したが、
図7の(a)や
図7の(b)に例示するように、本発明の減勢装置1では、取付部10の位置での拡大管2の管軸方向に対して交差する方向であれば、抵抗部材20の延在方向は上下方向に限らず、抵抗部材20の延在方向を水平方向や斜め方向にすることもできる。なお、
図7の(b)の二点鎖線は、拡大管2の管軸方向を示している。
【0064】
また、上記で例示した実施形態では、取付部10が貫通孔11を有して構成される場合を例示したが、取付部10は他にも様々な構成にすることができる。例えば、
図7の(a)や
図7の(b)に例示するように、取付部10を溶接13で構成し、拡大管2の管路内の周面と抵抗部材20とを溶接13で接合した構成にすることもできる。
【0065】
なお、上記で例示した取付部10、抵抗部材20、スペーサ部40、受部50の構成は上記で例示した組み合わせに限定されず、それぞれ適宜組み合わせることができる。また、固化処理土MSを形成する手段として、ホッパー70、ポンプ71、固化材供給装置72、及びコンプレッサ73を例示したが、固化処理土MSを形成する手段はこの実施形態に限定されず、他にも様々な構成にすることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 減勢装置
2 拡大管
2a 一端部
2b 他端部
3 接続口
4 排出口
5 架台
6 排気口
7 排気管
10 取付部
11 貫通孔
12 支持部材
13 溶接
20 抵抗部材
21 係合部
30 蓋部材
40 スペーサ部
41a、41b、41c 嵌合部材
42 拡頭部
43 固定部材
44 固定具
50 受部
51 受部材
52 凹部
53 凸部材
60 圧送管
60a 先端部
70 ホッパー
71 ポンプ
72 固化材供給装置
73 コンプレッサ
MS 固化処理土
a 空気
G 地面