(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20220323BHJP
G01N 21/01 20060101ALI20220323BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
G01N35/00 B
G01N21/01 B
G01N21/01 C
C12M1/00 A
G01N35/00 D
(21)【出願番号】P 2018559136
(86)(22)【出願日】2017-12-22
(86)【国際出願番号】 JP2017046055
(87)【国際公開番号】W WO2018123837
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2020-11-25
(31)【優先権主張番号】P 2016256252
(32)【優先日】2016-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519363465
【氏名又は名称】株式会社Mirai Genomics
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】辻丸 光一郎
【審査官】北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0184825(US,A1)
【文献】特開2009-216395(JP,A)
【文献】特表2004-504828(JP,A)
【文献】特開2016-027827(JP,A)
【文献】特表2014-507669(JP,A)
【文献】国際公開第2014/020977(WO,A1)
【文献】特表平05-508709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00
G01N 21/01
C12M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析チップをセットするセット部と、
前記セット部を収容する収容室と、
前記セット部にセットされた分析チップを加熱する加熱部と、
前記セット部にセットされた分析チップを分析する分析部と
光を照射する光照射部を有し、
前記セット部は、円形の土台部と、土台部の外周から上方向に突出する壁部とを有し、
前記収容室は、前記セット部が収容された状態で、前記セット部にセットされた分析チップの分析室となり、
前記分析部は、前記収容室に前記セット部が収容された状態で、前記セット部にセットされた分析チップを分析する位置に配置されており、
かつ光を検出する光検出部を含み、
前記光検出部は、前記セット部の壁部における内壁に配置され、
前記光照射部は、前記収容室が前記セット部を収容した状態において、前記セット部における土台部の中心位置に配置され、
前記加熱部は、加熱プレートであり、前記収容室に前記セット部が収容された状態で、前記セット部にセットされた分析チップを加熱する位置に配置されていることを特徴とする分析装置。
【請求項2】
さらに、前記収容室の内部において、前記セット部にセットされた分析チップを回転させる駆動部を有する、請求項1記載の分析装置。
【請求項3】
前記加熱部は、前記収容室の内部に配置されている、請求項1または2記載の分析装置。
【請求項4】
前記加熱部は、セラミックス製熱プレートである、請求項1から3のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項5】
前記セット部にセットされる分析チップは、
平面方向において、その中心から放射状の位置に、複数の被分析領域を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項6】
前記分析部は、複数の前記光検出部を含み、
前記セット部における壁部の内壁に、周方向に沿って、前記複数の光検出部が配置されている、請求項
1から5のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項7】
前記収容室は、前記セット部を出し入れ可能な開口部を有する、請求項1から
6のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項8】
さらに、前記収容室の温度を測定する温度測定部、および、前記加熱部による加熱を制御する加熱制御部を有し、
前記加熱制御部は、前記温度測定部で測定した温度に基づいて、前記加熱部による加熱を制御する、請求項1から
7のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項9】
遺伝子解析用である、請求項1から
8のいずれか一項に記載の分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、分析チップを用いて、遺伝子等の分析を行う分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遺伝子工学の発展により、分析チップにサンプルを添加し、前記分析チップを分析装置にセットし、前記分析装置内で、前記分析チップのサンプルについて、遺伝子増幅と、得られた増幅産物の分析を行うことが一般的になっている。遺伝子増幅においては、通常、鋳型へのプライマーのアニール、前記プライマーからの伸長、前記鋳型と伸張鎖との解離等のために、加熱が必須である。このため、前記分析装置においては、前記分析チップを加熱するための加熱機構が設けられている。前記加熱機構としては、例えば、送風ファンと加熱手段とを利用する方法が知られている。すなわち、前記分析装置の分析室内に前記分析チップをセットし、前記送風ファンによって空気を送風し、且つ、前記送風される空気を前記加熱手段で加熱することによって、前記分析チップを加熱する機構である(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、近年、前記分析装置の小型化が求められており、前記送風ファンを設けると小型化が困難という問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、小型化可能な新たな分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の分析装置は、
分析チップをセットするセット部と、
前記セット部を収容する収容室と、
前記セット部にセットされた分析チップを加熱する加熱部と、
前記セット部にセットされた分析チップを分析する分析部とを有し、
前記収容室は、
前記セット部が収容された状態で、前記セット部にセットされた分析チップの分析室となり、
前記分析部は、
前記収容室に前記セット部が収容された状態で、前記セット部にセットされた分析チップを分析する位置に配置されており、
前記加熱部は、
加熱プレートであり、
前記収容室に前記セット部が収容された状態で、前記セット部にセットされた分析チップを加熱する位置に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の分析装置によれば、前記加熱プレートを有することで、前記分析チップを加熱でき、また、小型化も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態を示す分析装置の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態を示す分析装置の斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態におけるセット部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の分析装置は、例えば、さらに、前記収容室の内部において、前記セット部にセットされた分析チップを回転させる駆動部を有する。
【0010】
本発明の分析装置は、例えば、前記加熱部は、前記収容室の内部に配置されている。
【0011】
本発明の分析装置は、例えば、前記加熱部は、セラミックス製熱プレートである。
【0012】
本発明の分析装置において、例えば、前記セット部にセットされる分析チップは、平面方向において、その中心から放射状の位置に、複数の被分析領域を有する。
【0013】
本発明の分析装置は、例えば、さらに、光を照射する光照射部を有する。また、本発明の分析装置は、例えば、前記分析部が、光を検出する光検出部を含む。
【0014】
本発明の分析装置は、例えば、前記収容室に前記セット部を収容した状態において、前記セット部にセットされた分析チップの中心位置から、前記分析チップに光を照射し、前記分析チップの外周で、前記分析チップからの光を検出する。
【0015】
本発明の分析装置は、例えば、前記セット部が、円形の土台部と、土台部の外周から上方向に突出する壁部とを有し、
前記光検出部が、前記セット部の壁部における内壁に配置され、
前記収容室が前記セット部を収容した状態において、
前記光照射部は、前記セット部における土台部の中心位置に配置されている。
【0016】
本発明の分析装置において、例えば、前記分析部は、複数の前記光検出部を含み、前記セット部における壁部の内壁に、周方向に沿って、前記複数の光検出部が配置されている。
【0017】
本発明の分析装置において、例えば、前記収容室は、前記セット部を出し入れ可能な開口部を有する。
【0018】
本発明の分析装置は、例えば、さらに、前記収容室の温度を測定する温度測定部、および、前記加熱部による加熱を制御する加熱制御部を有し、前記加熱制御部は、前記温度測定部で測定した温度に基づいて、前記加熱部による加熱を制御する。
【0019】
本発明の分析装置は、例えば、遺伝子解析用である。
【0020】
以下、本発明の分析装置の一例について、図を用いて説明する。なお、これらは例示であって、本発明は、以下の形態には制限されない。
【0021】
(実施形態1)
図1および
図2に、本発明の分析装置の一例を示す。
図1および
図2は、分析装置1の概要を示す斜視図である。分析装置1は、本体10と蓋部11と操作部12とを有する。本体10は、上方向が開口する凹部であり、その中央に、分析チップをセットするセット部15を有する。蓋部11は、その一端が、本体10の一端と、開閉可能に連結している。蓋部11の他端を上方に上げて蓋部11を開けると、本体10の内部が露出し、蓋部11の他端を下方に下げて蓋部11を閉めると、本体10の内部が外部から遮断される。分析装置1において、蓋部11を閉めた状態で、本体10の前記凹部と蓋部11とで囲まれる空間が、前記収容室であり、分析装置1の使用時において、前記収容室が、分析室となる。前記収容室の内部には、セット部15にセットされた分析チップを加熱する加熱部、および、前記分析チップを分析する分析部が設けられている。セット部15は、前記分析チップを配置する土台部15Aと、土台部15Aの外周から上方向に突出する壁部(環状凸部)15Bとを有する。壁部15Bによって、例えば、セット部15にセットされた前記分析チップの位置を固定できる。操作部12は、本体10の手前に配置され、電源ボタン13、表示部14等を備える。
【0022】
分析装置1は、例えば、以下のようにして使用する。まず、分析装置1の蓋部11を、自動または手動で開け、本体10のセット部15に前記分析チップをセットする。つぎに、蓋部11を、自動または手動で閉める。分析装置1において、本体10の凹部に対して蓋部11を閉めることで、前記分析チップが収容され、前記収容室は、前記分析チップの分析室となる。そして、分析装置1内部の前記収容室において、前記加熱部により、セット部15にセットされた前記分析チップを加熱し、前記分析部により、前記分析チップの分析を行う。
【0023】
前記加熱部は、例えば、セラミックス製熱プレート等の熱プレートである。前記加熱部の位置は、特に制限されず、例えば、以下のような位置関係があげられる。本体10のセット部15に前記分析チップがセットされ、蓋部11が閉められた状態において、セット部15にセットされた前記分析チップを加熱できる位置であればよい。このため、前記加熱部は、例えば、本体10のセット部15に配置されてもよいし、セット部15を覆う蓋部11に配置されてもよい。すなわち、例えば、分析装置1の内部であって、セット部15に前記分析チップがセットされ、且つ、蓋部11が閉じた状態において、セット部15に対応する箇所に配置されてもよい。具体的に、前記加熱部は、例えば、セット部15の上方向(例えば、蓋部11側)に位置してもよいし、下方向(セット部15の下部)に位置してもよい。
【0024】
分析装置1は、さらに、前記収容室(分析室)の温度を測定する温度測定部、および、前記加熱部による加熱を制御する加熱制御部を有してもよい。この場合、前記温度測定部により、前記収容室の温度を測定し、前記加熱制御部により、前記収容室の温度が所定の温度(設定温度)となるように、前記加熱部による加熱を制御することで、より精度に優れた分析が可能となる。前記温度測定部は、例えば、温度センサである。分析装置1において、例えば、前記温度センサは、前記加熱制御部に接続されており、前記加熱制御部は、前記加熱部に接続されている。前記所定の温度は、例えば、分析対象となるサンプルの反応に応じて適宜決定でき、前記温度測定部、前記加熱制御部および前記加熱部によって、例えば、予め設定された設定温度に保つことができる。
【0025】
分析装置1は、例えば、さらに、セット部15にセットされた前記分析チップを回転させる駆動部を有してもよい。前記駆動部によれば、前記分析チップをセットし、蓋部11を閉めた状態で、前記収容室の内部において、セット部15にセットされた前記分析チップを回転させることができる。このように、分析装置1において、前記分析チップを回転させることで、前記分析チップ内には遠心力が発生する。この遠心力を利用することで、例えば、前記分析チップ内の反応液を、混合したり、前記分析チップ内で移動させたりできる。また、分析装置1は、前記分析チップを、前記駆動部により回転しながら、前記加熱部により加熱できる。このため、分析装置1内において、例えば、前記分析チップを均一に加熱し、前記分析チップにおける温度ムラを抑制できる。これによって、例えば、遺伝子増幅反応における温度設定が均一となるため、より精度に優れる分析が可能になる。
【0026】
セット部15にセットされる前記分析チップは、例えば、サンプルの分析を行うためのチップである。前記分析チップは、例えば、1つまたは2つ以上の複数の被分析領域を有する。前記被分析領域は、例えば、分析対象のサンプル、前記サンプルの反応液等が配置される領域である。前記被分析領域は、分析装置1の前記分析部によって、直接的に分析される領域でもよいし、間接的に分析される領域でもよい。具体的に、前記被分析領域は、分析装置1の分析部によって分析される種々のシグナルが発生する領域である。しかし、分析装置1の分析部は、例えば、前記発生するシグナルを、前記被分析領域の位置で検出してもよいし、前記発生するシグナルを、前記被分析領域とは異なる位置で検出してもよい。つまり、前記被分析領域は、例えば、分析される領域そのものでもよいし、分析される領域そのものでなくてもよい。例えば、前記被分析領域において、光等が発生する場合、分析装置1の分析部により光を検出するが、前記被分析領域における光を検出してもよいし、前記被分析領域とは別の位置で光を検出してもよい。
【0027】
前記分析チップは、例えば、平面方向において、その中心から放射状の位置に、複数の被分析領域を有することが好ましい。前記分析チップを前述のように回転させる場合、例えば、前記平面方向における中心が回転中心となる。前記複数の被分析領域は、例えば、同じ円周上に配置されてもよいし、同円心状に配置されてもよい。前記分析チップは、例えば、さらに、導入口および流路を有し、前記導入口は、前記流路を介して、前記各被分析領域と連通している。前記導入口は、例えば、サンプル、試薬、これらの混合液等の液体を、前記分析チップに導入するための導入口である。前記液体が前記導入口から導入されると、前記液体は、前記流路を通過して、前記被分析領域に導入される。この際、例えば、前述のように、前記分析チップを回転させて遠心力を発生させることで、前記液体の流路の通過を促進できる。前記導入口と前記流路とは、例えば、1:1の関係でもよいし、また、一つの導入口に対して、枝分かれした複数の流路によって各被分析領域が連通してもよい。
【0028】
前記分析チップの形状は、特に制限されず、例えば、円形があげられる。
【0029】
前記分析チップの前記被分析領域には、例えば、加熱によって反応させるサンプルと試薬との混合液を導入してもよいし、予め前記試薬を配置して、前記サンプルを導入することによって、前記被分析領域において、前記サンプルと前記試薬とを混合してもよい。前記分析チップにおいて、例えば、遺伝子を増幅させて、得られた増幅産物を検出する場合、前記試薬は、例えば、プライマー等の増幅試薬、プローブ、インターカレータ、ポリメラーゼ等の酵素等が使用できる。
【0030】
分析装置1における前記分析部の種類は、特に制限されず、例えば、前記分析チップにおける加熱反応液に対する分析方法に応じて適宜決定できる。前記加熱反応液を光によって分析する場合、前記分析部は、例えば、光を検出する光検出部を含む。前記光検出部は、例えば、光を受光する受光部であり、光学センサ等があげられる。前記光検出部としては、例えば、フォトダイオード等があげられる。
【0031】
分析装置1は、例えば、前記分析チップにおける前記加熱反応液に、光照射による励起を行い、前記加熱反応液から生じた発光を受光して、分析を行ってもよい。この場合、分析装置1は、例えば、光を照射する光照射部を有し、前記分析部は、例えば、前記受光部である。前記光照射部は、特に制限されず、例えば、LED等があげられ、前記受光部は、例えば、前述のようなフォトダイオード等があげられる。
【0032】
分析装置1において、前記光照射部と前記分析部の位置は、特に制限されない。分析装置1は、例えば、蓋部11を閉めた状態で、前記収容室内において、セット部15にセットされた前記分析チップの中心位置(例えば、回転中心)から、前記分析チップに光を照射し、前記分析チップの外周で、前記分析チップからの光を検出(例えば、受光)する形態があげられる。
【0033】
このため、本発明の分析装置において、前記光照射部および前記分析部は、それぞれ、例えば、蓋部11を閉めた状態において、前記収容室の内部に配置されていればよい。
【0034】
前記光照射部および前記分析部の一例を、
図3に示す。
図3は、分析装置1におけるセット部の他の例を示す概略図であり、上図が、斜視図であり、下図が、前記斜視図のI-I方向からみた断面図である。
図3に示すように、セット部35は、円形の土台部35Aと、土台部35Aの外周から上方向に突出する壁部(環状凸部)35Bとを有する、円形の凹状体である。セット部35は、壁部(凸部)35Bによって、凹状の内部であって土台部35Aの上に前記分析チップを配置した際、前記分析チップを固定できる。セット部35は、その土台部35Aの中心に、セットされる前記分析チップに光照射するための、光照射部36を有する。光照射部36は、例えば、前述のように、LED等である。また、セット部35において、壁部35Bの内壁に、周方向に沿って、複数の光検出部37が配置されている。光検出部37は、例えば、前述のように、前記分析チップからの光を受光する受光部であり、フォトダイオード等があげられる。セット部35にセットする前記分析チップは、例えば、その中心に、光照射部36が貫通する貫通孔を有し、前記被分析領域は、その中心から放射状に配置されている。
【0035】
セット部35は、土台部35Aの中心に光照射部36を配置することによって、土台部35Aに配置した前記分析チップに対して、その中心側から、光を照射することができる。前述のように、前記分析チップは、放射状に前記被検出領域を有することから、前記中心側から光照射することで、効率よく、各被検出領域に光を照射することができる。また、光照射の際、前述のように、前記分析チップを回転させることによって、前記分析チップの回転中心から、前記分析チップに光照射することもできる。
【0036】
また、セット部35は、土台部35Aの外周に、環状の壁部35Bを有し、且つ、壁部35Bの内壁に光検出部37を複数有している。このため、前記分析チップに、中心から光を照射し、さらに、前記分析チップから発生した光は、壁部35Bの内壁の光検出部37によって、検出(受光)できる。前述のように、前記分析チップは、放射状に複数の前記被検出領域を有することから、外周の壁部35Bの内壁に、周方向に配置された複数の光検出部37により、それぞれの前記被検出領域について、光を検出することができる。
【0037】
分析装置や分析チップは、一般的に小型化が求められていることから、前記分析チップについても、薄型化が好ましい。その場合、前記分析チップの厚み方向に光を照射すると、例えば、光路長が短くなり、検出感度が低くなると考えられるが、この実施形態のように、回転中心に対して外周方向で光を受光することによって、十分な光路長を確保でき、検出感度の低下を抑制できる。
【0038】
セット部35は、
図3の形態には制限されず、例えば、壁部35Bの内壁に、前記光照射部を有し、土台部35Aの中心に、前記光検出部を有してもよい。
【0039】
前記駆動部は、例えば、支持部とモータとを有する。前記支持部は、例えば、セット部15にセットされた前記分析チップを回転可能に支持し、前記モータと連結されており、前記モータによって前記支持体を駆動することで、前記分析チップを回転できる。
【0040】
分析装置1において、表示部14は、例えば、温度、分析結果等を表示できる。
【0041】
図1および
図2においては、本発明の分析装置として、前記蓋部を開閉し、前記分析チップを前記セット部にセットする形態を示したが、一例であって、本発明は、これには制限されない。本発明の分析装置は、例えば、本体とトレイとを有し、前記本体の前面の開口部から、前記トレイが自動または手動で出し入れされる形態であってもよい。この場合、前記トレイが、前記セット部を有する。この形態では、例えば、前記本体の内部において、前記トレイが収容される空間が、前記収容室であり、前記分析装置の使用時において、前記収容室が、分析室となる。
【0042】
この形態の場合、まず、前記分析装置の内部の前記収容室に収容されている前記トレイを、前記開口部から引出し、前記トレイの前記セット部に前記分析チップをセットする。つぎに、前記開口部から前記トレイを、自動または手動で、前記収容室に挿入する。前記分析装置の前記収容室に、前記分析チップがセットされた前記トレイが収容されることにより、前記収容室は、前記分析チップの分析室となる。そして、前記分析装置内部の前記収容室において、前記加熱部により、前記トレイの前記セット部にセットされた前記分析チップを加熱し、前記分析部により、前記分析チップの分析を行う。前記加熱部および前記分析部の位置は、特に制限されず、前述と同様に、前記分析チップをセットした前記セット部が、前記収容室に収容状態において、前記分析チップを加熱でき、また、分析できる位置であればよい。
【0043】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0044】
この出願は、2016年12月28日に出願された日本出願特願2016-256252を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明によれば、前記加熱プレートを有することで、前記分析チップを加熱でき、また、小型化も可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 分析装置
10 本体
11 蓋部
12 操作部
13 電源ボタン
14 表示部
15、35 セット部
36 光照射部
37 光検出部