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特許7044775門形クレーン用のクレーンレールを備えるレール車両
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  • 特許-門形クレーン用のクレーンレールを備えるレール車両 図1
  • 特許-門形クレーン用のクレーンレールを備えるレール車両 図2
  • 特許-門形クレーン用のクレーンレールを備えるレール車両 図3
  • 特許-門形クレーン用のクレーンレールを備えるレール車両 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】門形クレーン用のクレーンレールを備えるレール車両
(51)【国際特許分類】
   B61D 3/18 20060101AFI20220323BHJP
   B61D 15/00 20060101ALI20220323BHJP
   E01B 29/02 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
B61D3/18 Z
B61D15/00 B
E01B29/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019522228
(86)(22)【出願日】2017-10-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-21
(86)【国際出願番号】 EP2017001178
(87)【国際公開番号】W WO2018082797
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-06
(31)【優先権主張番号】A506/2016
(32)【優先日】2016-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】514318345
【氏名又は名称】プラッサー ウント トイラー エクスポート フォン バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Plasser & Theurer, Export von Bahnbaumaschinen, Gesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3, A-1010 Wien, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ヘッツェンドアファー
(72)【発明者】
【氏名】マンフレート ブルニンガー
【審査官】姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05778794(US,A)
【文献】特開平02-167901(JP,A)
【文献】特開平09-105104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61D 3/18
B61D 15/00
E01B 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール車両(1)であって、レール走行装置(4)上に支持される機械フレーム(2)を備え、該機械フレーム(2)には、レール車両長手方向(3)で両サイドに、走行可能な門形クレーン(11)用のクレーンレール(8)が配置されている、レール車両(1)において、
前記門形クレーン(11)を鉛直方向に下降または上昇させるべく、それぞれの前記クレーンレール(8)の一部クレーンレール区間(12)が、駆動部(18)により高さ調節可能に配置されていることを特徴とするレール車両(1)。
【請求項2】
前記機械フレーム(2)は、下に作業空間(6)を形成すべく、上方にオフセットされていることを特徴とする、請求項1記載のレール車両(1)。
【請求項3】
それぞれの前記クレーンレール(8)は、それぞれのクレーン走行装置(14)を受ける高さ調節可能な2つのクレーンレール区間(12)を有することを特徴とする、請求項1または2記載のレール車両(1)。
【請求項4】
それぞれの前記駆動部(18)は、液圧式に構成されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のレール車両(1)。
【請求項5】
それぞれ1つのクレーン走行装置(14)は、ロック装置(13)を介して、高さ調節可能な前記クレーンレール区間(12)上にロック可能であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のレール車両(1)。
【請求項6】
高さ調節可能なそれぞれの前記クレーンレール区間(12)は、前記門形クレーン(11)を下降させた位置でロックするように形成されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のレール車両(1)。
【請求項7】
それぞれの前記クレーン走行装置(14)は、下降させた位置で緩衝器(24)により規制されることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のレール車両(1)。
【請求項8】
高さ調節可能なそれぞれの前記クレーンレール区間(12)を前記機械フレーム(2)に連結すべく、クレーンレール支持体(17)、鉛直方向のガイド(21)およびセンタリング装置(20)が配置されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のレール車両(1)。
【請求項9】
それぞれの高さ調節可能な前記クレーンレール区間(12)は、上昇させた位置でロックする保持装置(22)を有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のレール車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レール走行装置上に支持される機械フレームを備え、機械フレームには、レール車両長手方向で両サイドに、走行可能な門形クレーン用のクレーンレールが配置されている、レール車両に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な公知のレール車両または軌道工事車両が、列車に編成されて門形クレーンにより軌道区間を交換するために用いられる。具体的には、軌きょうもしくはレール材またはまくらぎを改修列車に沿って搬送する。このために、門形クレーンが、固有の動作装置により、それぞれのレール車両の両サイドに取り付けられたクレーンレール上を、軌道長手方向で走行可能である。
【0003】
この種のレール車両は、例えば独国特許出願公開第2228196号明細書において公知である。この公知のレール車両には、軌きょうを搬送する複数の門形クレーンが設けられている。
【0004】
遵守すべき車両限界(Lichtraumprofil)と、これにより構造的に制限された可能性とに起因して、門形クレーンは、通常、小さな全高を有している。このことは、結果として、持ち上げたい材料または容器の利用できる高さや作業快適性を制限してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の根底にある課題は、冒頭で挙げた形態のレール車両に関して従来技術に対する改良を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により、上記課題は、請求項1記載のレール車両によって解決される。従属請求項は、本発明の有利な構成に関する。
【0007】
本発明によれば、門形クレーンを下降または上昇させるべく、それぞれのクレーンレールの一部クレーンレール区間が、駆動部によって高さ調節可能に配置されている。ここでの主な利点は、門形クレーンの高さが、より大きく形成されており、移送走行中はクレーンレール区間を下降させることで、門形クレーンが車両限界を犯さないことにある。
【0008】
本発明の有利な一発展形によれば、機械フレームは、下に作業空間を形成すべく、上方にオフセットされている。これにより、安全な作業領域が作業者のために提供される。この改善は、現状と比べてより高さのある門形クレーンが使用可能であるために、行うことができる。
【0009】
有意義な一発展形は、それぞれのクレーンレールが、それぞれのクレーン走行装置を受ける高さ調節可能な2つのクレーンレール区間を有することによって実現されている。この場合、各クレーン走行装置が個々に下降され、クレーンレールが門形クレーンの全長にわたって下降される必要がないことが有利である。
【0010】
特に有利な一形態によれば、それぞれの駆動部は、液圧式に構成されている。これは、コンパクトな構造形式と、クレーンレール区間の一様な運動と、高い動作精度とを保証する。
【0011】
本発明の別の利点は、それぞれ1つのクレーン走行装置が、ロック装置を介して、高さ調節可能なクレーンレール区間上にロック可能であるときに、提供される。これにより、移送走行時に門形クレーンがレール車両に対して動かないようになる。
【0012】
本発明の別の有利な一形態では、高さ調節可能なそれぞれのクレーンレール区間は、門形クレーンを下降させた位置でロックするように形成されている。これにより、軌道長手方向での移送走行時のクレーン走行装置の動きが付加的に規制され、これは別の安全装置を実現する。
【0013】
その際、それぞれのクレーン走行装置は、下降させた位置で緩衝器によって規制されると、有利である。これにより、クレーン走行装置とクレーンレールの端部とが、摩耗から保護される。
【0014】
本発明のさらなる改良によれば、高さ調節可能なそれぞれのクレーンレール区間を機械フレームに連結すべく、クレーンレール支持体、鉛直方向のガイドおよびセンタリング装置が配置されている。これにより、傾倒なしの低摩擦の下降または上昇運動が保証される。
【0015】
本発明の別の一形態では、それぞれの高さ調節可能なクレーンレール区間は、上昇させた位置でロックする保持装置を有している。これにより、門形クレーンの作業投入中、クレーンレール区間へのまたはクレーンレール区間からの確実な乗り移りが保証される。
【0016】
本発明の別の利点は、図面の説明から看取可能である。
【0017】
本発明について、以下に例示的に添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】レール車両の概略側面図である。
図2】上昇させた位置にあるクレーンレール区間の詳細図である。
図3】下降させた位置にあるクレーンレール区間の詳細図である。
図4】下降させたクレーン走行装置と、緩衝器による規制とを示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に看取可能なレール車両1は、上方にオフセットされた機械フレーム2を備え、機械フレーム2は、レール車両長手方向3に延在し、レール走行装置4上に支持されているか、またはレール走行装置4によって軌道5上を走行可能である。機械フレーム2の下であって、レール走行装置4の間には、作業空間6が存在している。レール車両1は、固有の走行駆動部15および液圧装置16を備えている。
【0020】
機械フレーム2は、レール車両長手方向3で両サイドの縦桁7に、軌きょう10をつかむ把持装置9を具備した門形クレーン11を走行させるクレーンレール8を有している。レール走行装置4の上方には、クレーン走行装置14をロックするロック装置13を含めた高さ調節可能なクレーンレール区間12が存在している。それぞれのロック装置13は、例えば上方に旋回可能なフックを有しており、フックは、下降または上昇中および移送走行時に、門形クレーン11を固定する。
【0021】
図2は、上昇させた位置にあるクレーンレール区間12を、レール走行装置4と機械フレーム2とを含めた詳細図で示している。機械フレーム2の側方には、クレーンレール支持体17が取り付けられている。クレーンレール支持体17には、駆動部18が存在し、駆動部18は、鉛直方向に作用する2つの液圧シリンダ19と、センタリング装置20と、鉛直方向のガイド21とからなっている。両液圧シリンダ19は、進出させた状態にある。クレーンレール区間12は、端部側に保持ピン23を含めたそれぞれ1つの保持装置22を有している。
【0022】
図3は、下降させた位置にあるクレーンレール区間12を、レール走行装置4と機械フレーム2とを含めた詳細図で示している。両液圧シリンダ19は、退入させた状態にあり、これにより、クレーンレール区間12は下降させた位置にある。
【0023】
図4は、下降可能なクレーンレール区間12の代替的な一実施例を示している。本実施例では、クレーンレール区間12の長さをクレーン走行装置14の長さにちょうど合わせてある。これにより、本実施例では、クレーン走行装置14がレール車両長手方向3で動いてしまうことが、下降させた状態において制限されているので、付加的なロック装置13を省略可能である。クレーンレール8の下降されない端部および/またはクレーン走行装置14は、緩衝器24を有している。
図1
図2
図3
図4