(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】眼の疾患のための治療用超音波
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20220323BHJP
A61N 7/00 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
A61F9/007
A61N7/00
(21)【出願番号】P 2019541680
(86)(22)【出願日】2017-10-13
(86)【国際出願番号】 US2017056624
(87)【国際公開番号】W WO2018071839
(87)【国際公開日】2018-04-19
【審査請求日】2020-10-02
(32)【優先日】2016-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519137682
【氏名又は名称】オリンピック オフサルミック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ガートナー, マイケル エリック
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ジミン
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-522673(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0190668(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0220644(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0022992(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
A61N 7/00
A61H 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者において涙液産生を刺激するためのハンドヘルドデバイスであって、
涙膜に関連する腺に神経を分布させる副交感神経と連通する求心性神経にわたって前記患者の顔面上の骨領域に係合するように構成される、振動表面を有する筐体と、
涙を産生するために前記求心性神経および涙腺神経を刺激するように選択される周波数および変位において前記振動表面を振動させるように構成される、前記筐体内の回路と
を備える、ハンドヘルドデバイス。
【請求項2】
前記振動表面は、10Hz~1,000Hz、10Hz~500Hz、10Hz~400Hz、10Hz~300Hz、10Hz~200Hz、10Hz~100Hz、10Hz~50Hz、50Hz~1,000Hz、50Hz~500Hz、50Hz~400Hz、50Hz~300Hz、50Hz~200Hz、50Hz~100Hz、200Hz~1,000Hz、200Hz~500Hz、200Hz~400Hz、200Hz~300Hz、300Hz~1,000Hz、300Hz~500Hz、300Hz~400Hz、または400Hz~1,000Hzの範囲内の周波数で振動される、請求項1に記載のハンドヘルドデバイス。
【請求項3】
前記振動表面は、0.1mm~5mm、0.25mm~5mm、0.5mm~5mm、1mm~5mm、0.1mm~3mm、0.25mm~3mm、0.5mm~3mm、1mm~3mm、0.1mm~5mm、0.25mm~2mm、0.5mm~2mm、1mm~2mm、または2mm~3mmの範囲内の変位を伴って振動される、請求項1~2のいずれか一項に記載のハンドヘルドデバイス。
【請求項4】
前記振動表面は、0.5mm
2~20mm
2、0.5mm
2~10mm
2、0.5mm
2~5mm
2、0.5mm
2~2mm
2、0.5mm
2~1.5mm
2、0.5mm
2~1mm
2、1mm
2~20mm
2、1mm
2~10mm
2、1mm
2~5mm
2、1mm
2~2mm
2、1mm
2~1.5mm
2、1.5mm
2~20mm
2、0.5mm
2~10mm
2、1.5mm
2~5mm
2、1.5mm
2~2mm
2、2mm
2~20mm
2、2mm
2~10mm
2、2mm
2~5mm
2、2.5mm
2~20mm
2、2.5mm
2~10mm
2、2.5mm
2~5mm
2、5mm
2~20mm
2、または5mm
2~10mm
2の範囲内の皮膚接触面積を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のハンドヘルドデバイス。
【請求項5】
前記振動表面は、ショアA40~ショアA80、ショアA50~ショアA80、ショアA60~ショアA80、ショアA70~ショアA80、ショアA40~ショアA70、ショアA50~ショアA70、ショアA60~ショアA70、ショアA40~ショアA60、ショアA50~ショアA60、またはショアA40~ショアA50の範囲内の硬度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のハンドヘルドデバイス。
【請求項6】
前記振動表面は、前記患者の上外側鼻軟骨が前記患者の鼻骨に衝合する場所において、前記患者の顔面上に位置付けられるように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のハンドヘルドデバイス。
【請求項7】
前記振動表面は、上向きの方向性を伴って前記患者の顔面に対して係合されるように構成され、前記振動表面は、前記領域における前記患者の鼻正中線の6.5mm~8.5mm外側の場所に位置付けられるように構成され、前記振動表面は、ポリマーインターフェース本体上に形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のハンドヘルドデバイス。
【請求項8】
ポリマーインターフェース本体は、1mm~10mm、2mm~10mm、3mm~10mm、4mm~01mm、5mm~10mm、6mm~10mm、7mm~10mm、8mm~10mm、9mm~10mm、1mm~5mm、2mm~5mm、3mm~5mm、4mm~5mm、1mm~4mm、2mm~4mm、3mm~4mm、1mm~3mm、2mm~3mm、または1mm~2mmの範囲内の厚さを有し、前記ポリマーインターフェース本体は、前記振動表面の少なくとも一部を包囲する丸い縁を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のハンドヘルドデバイス。
【請求項9】
前記丸い縁は、0.5mm~5mm、1mm~5mm、2mm~5mm、3mm~5mm、4mm~5mm、0.5mm~4mm、1mm~4mm、2mm~4mm、3mm~4mm、0.5mm~3mm、1mm~3mm、2mm~3mm、0.5mm~2mm、1mm~2mm、および0.5mm~1mmの範囲内の半径を有する、請求項8に記載のハンドヘルドデバイス。
【請求項10】
前記ポリマーインターフェース本体は、前記振動表面の少なくとも一部を包囲する四角い縁を有する、請求項7に記載のハンドヘルドデバイス。
【請求項11】
前記ポリマーインターフェース本体は、前記振動表面の少なくとも一部を包囲する剛性縁を有する、請求項7に記載のハンドヘルドデバイス。
【請求項12】
前記回路は、
90%、75%、50%、25%、または10%
のデューティサイクルを伴って振動表面を振動させるように構成され、前記回路は、前記デューティサイクルが100%未満であるときに前記振動表面のピーク変位を増加させるように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のハンドヘルドデバイス。
【請求項13】
前記振動表面は、前記
患者の皮膚と略垂直な略線形の単一の次元で振動する、請求項12に記載のハンドヘルドデバイス。
【請求項14】
前記ハンドヘルドデバイスは、前記振動表面が前記骨領域に対して前記振動表面に係合するように、前記患者によって位置付けられるように構成され、前記回路は、振動周波数の調節を可能にするように構成され、前記ハンドヘルドデバイスは、手動周波数調節インターフェースを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のハンドヘルドデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2017年6月16日に出願された米国仮出願第62/521,362号(代理人事件番号52608-703.106)、2017年5月24日に出願された米国仮出願第62/509,238号(代理人事件番号52608-703.105)、2017年1月27日に出願された米国仮出願第62/451,583号(代理人事件番号52608-703.104)、2016年11月16日に出願された米国仮出願第62/422,627号(代理人事件番号52608-703.103)、2016年10月19日に出願された米国仮出願第62/410,115号(代理人事件番号52608-703.102)、2016年10月14日に出願された米国仮出願第62/408,651号(代理人事件番号52608-703.101)の利益を主張し、これらの各々は、参照によって本明細書に援用される。
【0002】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、概して、医療デバイスおよび方法に関する。より具体的には、本発明は、眼を治療するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
治療用音および超音波は、内科的疾患を治療する際にますます一般的なモダリティになっている。音および超音波の両方を非侵襲的に送達する能力は、医学界ではますます関心が高まっている。眼科では、治療用音および超音波は、その非侵襲性および眼の内側の全ての構造に容易に到達する能力により、かつ超音波画像診断が眼の中の全ての構造を容易に撮像することができるため、特に関心が高い。
【0004】
本明細書に含有される発明は全て、頭部および頸部を伴う疾患の治療で治療用音および超音波を利用する。音および超音波はまた、機械的振動の広いカテゴリにも含有される。
【0005】
(2.背景技術の説明)
鼻腔内神経刺激装置を利用し、鼻粘膜内の神経を活性化する、流涙を生成してドライアイを治療するためのデバイスが、近年開発されている(US9,440,065号)。本デバイスは、鼻孔の内側に設置され、2つの突起が隔壁上に把持され、その後、電流が隔壁を横断して印加される。当技術分野内の企業および研究によると、電気刺激は、前篩骨神経の内部枝を活性化する。数分以内に、涙が発生される。無作為化研究は、本デバイスが、鼻腔内に設置されたとき、疑似手技と比較して、涙を産生することに高度に効果的であり(製品パンフレット;www.truetear.com)、涙は、典型的濃度のタンパク質および糖タンパク質を含有することを示した。疑似手技は、同一の神経刺激デバイスおよびパラメータが外側鼻孔上の皮膚に適用されるものであった。鼻孔の外側皮膚上の疑似手技は、基準から流涙の基準量を変更せず、優れた対照としての役割を果たした。鼻腔内神経刺激装置は、多くの患者にとって不快であり、5パーセント超の鼻出血率を含む、多数の副作用をもたらした。殆どの患者はまた、公衆の面前で手技を実施しないであろうが、それらの症状が劇的に改善されたことも報告した。
【0006】
別のドライアイ治療は、レンズが角膜にわたって設置され、デバイスが、次いで、デバイスと角膜との間で眼瞼を圧縮し、圧力および熱の両方を印加する、手技を伴う(例えば、US7,976,573号、www.tearscience.com)。本手技は、眼科医の診察室内で実施され、本デバイスは、マイボーム腺と呼ばれる眼の内側の腺を開放することが示されている(疾患は、マイボーム腺病またはMGDと呼ばれる)。本デバイスはまた、臨床試験においてドライアイにとって効果的であることが示されているが、眼科医および患者にとって煩雑かつ高価であり、医師の診察室内で約30分~1時間継続される。
【0007】
また、US2016/0158548号、US2015/0100001号、US2011/0319794号、およびUS2011/0190668号も参照されたい。
【0008】
これらのデバイスは、ドライアイの治療の進歩を表すが、新しい方法およびデバイスが、ドライアイと、涙を産生し、十分なマイボーム腺分泌を維持する能力の関連付けられる欠如とを治療するために必要とされる。本デバイスはまた、コンプライアンスを促し、それらの利用を促進する、低費用および経常因子を伴って設計されるべきである。これらの利点のうちの少なくともいくつかは、下記で本明細書に説明される本発明によって満たされるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第9,440,065号明細書
【文献】米国特許第7,976,573号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0158548号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0100001号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0319794号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0190668号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の概要)
例示的な第1の側面では、本発明は、患者において涙液産生を刺激するための方法を提供する。本方法は、涙腺に神経を分布させる副交感神経と連通する患者の顔面上の骨領域に振動表面を位置付けるステップを含む。振動表面は、涙腺神経を刺激して涙を産生するように選択される周波数および変位において振動される。典型的には、振動表面は、涙膜に関連する腺を刺激する副交感神経と連通する、求心性神経を刺激するであろう。
【0011】
振動表面は、典型的には、10Hz~1,000Hz、10Hz~500Hz、10Hz~400Hz、10Hz~300Hz、10Hz~200Hz、10Hz~100Hz、10Hz~50Hz、50Hz~1,000Hz、50Hz~500Hz、50Hz~400Hz、50Hz~300Hz、50Hz~200Hz、50Hz~100Hz、200Hz~1,000Hz、200Hz~500Hz、200Hz~400Hz、200Hz~300Hz、300Hz~1,000Hz、300Hz~500Hz、300Hz~400Hz、または400Hz~1,000Hzの範囲内である、標的神経を刺激するために効果的な任意の周波数において振動されてもよい。同様に、振動表面は、典型的には、0.1mm~5mm、0.25mm~5mm、0.5mm~5mm、1mm~5mm、0.1mm~3mm、0.25mm~3mm、0.5mm~3mm、1mm~3mm、0.1mm~5mm、0.25mm~2mm、0.5mm~2mm、1mm~2mm、または2mm~3mmの範囲内である、標的神経を刺激するために効果的な任意の変位において振動されてもよい。
【0012】
振動表面は、典型的には、0.5mm2~20mm2、0.5mm2~10mm2、0.5mm2~5mm2、0.5mm2~2mm2、0.5mm2~1.5mm2、0.5mm2~1mm2、1mm2~20mm2、1mm2~10mm2、1mm2~5mm2、1mm2~2mm2、1mm2~1.5mm2、1.5mm2~20mm2、0.5mm2~10mm2、1.5mm2~5mm2、1.5mm2~2mm2、2mm2~20mm2、2mm2~10mm2、2mm2~5mm2、2.5mm2~20mm2、2.5mm2~10mm2、2.5mm2~5mm2、5mm2~20mm2、または5mm2~10mm2の範囲内の皮膚接触面積を有する。
【0013】
振動表面は、典型的には、ショアA40~ショアA80、ショアA50~ショアA80、ショアA60~ショアA80、ショアA70~ショアA80、ショアA40~ショアA70、ショアA50~ショアA70、ショアA60~ショアA70、ショアA40~ショアA60、ショアA50~ショアA60、またはショアA40~ショアA50の範囲内の硬度を有する。
【0014】
振動表面は、通常、ポリマーインターフェース本体上に形成され、1mm~10mm、2mm~10mm、3mm~10mm、4mm~01mm、5mm~10mm、6mm~10mm、7mm~10mm、8mm~10mm、9mm~10mm、1mm~5mm、2mm~5mm、3mm~5mm、4mm~5mm、1mm~4mm、2mm~4mm、3mm~4mm、1mm~3mm、2mm~3mm、または1mm~2mmの範囲内の厚さを有してもよい。
【0015】
ポリマーインターフェース本体は、振動表面の少なくとも一部を包囲する丸い縁を有してもよい。そのような丸い縁は、0.5mm~5mm、1mm~5mm、2mm~5mm、3mm~5mm、4mm~5mm、0.5mm~4mm、1mm~4mm、2mm~4mm、3mm~4mm、0.5mm~3mm、1mm~3mm、2mm~3mm、0.5mm~2mm、1mm~2mm、および0.5mm~1mmの範囲内の半径を有してもよい。代替として、ポリマーインターフェース本体は、振動表面の少なくとも一部を包囲する四角い縁を有してもよい。縁は、振動表面の中心部分と同一の性質を有する場合とそうではない場合がある。例えば、ポリマーインターフェース本体は、振動表面の少なくとも一部を包囲する剛性縁を有してもよい。振動表面は、パルス状デューティサイクル、すなわち、90%、75%、50%、25%、または10%を伴って振動される、請求項1のいずれか1項に記載の方法。
【0016】
いくつかの実施形態では、振動表面のピーク変位は、デューティサイクルが100%未満であるときに増加されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、振動表面は、患者の上外側鼻軟骨が患者の鼻骨に衝合する場所において、患者の顔面上に位置付けられてもよい。そのような場合において、振動表面は、上向きの方向性を伴って患者の顔面に対して係合されてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、振動表面は、領域における患者の鼻正中線の6.5mm~8.5mm外側の場所に位置付けられてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、振動表面は、涙腺に神経を分布させ、蝶口蓋窩内で上顎骨の近くに位置する蝶口蓋神経節を通して進行する、副交感神経に近接して、またはそれにわたって位置付けられてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、振動表面は、骨領域に対してハンドヘルドデバイス上の振動表面を係合させることによって、位置付けられてもよい。通常、患者は、骨領域に対してハンドヘルドデバイスの振動表面を係合させる。
【0021】
いくつかの実施形態では、振動表面は、1次元において略線形方向に移動する。例えば、振動表面は、0.5~2mmの偏位を伴って略線形方向に駆動されてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、振動表面は、外鼻神経を刺激するための位置に設置されてもよい。
【0023】
例示的な第2の側面では、本発明は、患者において涙液産生を刺激するためのハンドヘルドデバイスを提供する。本デバイスは、涙膜に関連する腺に神経を分布させる副交感神経と連通する求心性神経にわたって患者の顔面上の骨領域に係合するように構成される、振動表面を有する筐体を備える。筐体内の回路は、求心性神経、涙を産生するための涙腺神経、および油を産生して涙膜を維持するためのマイボーム腺を刺激するように選択される周波数ならびに変位において振動表面を振動させるように構成される。
【0024】
振動表面のための例示的周波数、変位、皮膚接触面積、および振動表面ならびにデバイスの他の設計特徴が、本発明の第1の例示的側面に関して上記に記載されている。
【0025】
本発明の方法およびハンドヘルドデバイスの他の側面では、デバイス回路は、パルス状デューティサイクル、すなわち、90%、75%、50%、25%、または10%を伴って振動表面を振動させるように構成されてもよい。具体的実施形態では、回路は、デューティサイクルが100%未満であるときに振動表面のピーク変位を増加させるように構成されてもよい。
【0026】
ハンドヘルドデバイスは、振動表面が骨領域に対して振動表面に係合するように、患者によって位置付けられるように構成されてもよい。
【0027】
回路は、振動周波数の調節を可能にするように構成されてもよい。例えば、ハンドヘルドデバイスは、手動周波数調節インターフェースを含んでもよい。
【0028】
例示的な第3の側面では、本発明は、患者において涙液産生を刺激するための方法を提供する。本方法は、(a)眼瞼を後退させるステップと、(b)涙液産生、マイボーム腺分泌、または両方を刺激するように選択される周波数および変位において後退された眼瞼に対して振動表面を係合させるステップとを含む。
【0029】
本方法では、後退された眼瞼は、リトラクタと圧縮部材との間で圧縮されてもよく、振動表面は、リトラクタおよび圧縮部材のうちの少なくとも1つの上で少なくとも1つのトランスデューサを通電させることによって、後退された眼瞼に対して係合されてもよい。
【0030】
少なくとも1つのトランスデューサは、典型的には、20kHz~30MHzまたは3MHz~10MHzの範囲内の周波数において動作する超音波トランスデューサとなり、超音波振動は、典型的には、眼瞼の表面が実質的に体温(38℃~40℃)に留まる一方で、内側眼瞼が42℃~48℃まで加熱されるように、眼瞼に浸透し、眼瞼の内側の組織面を加熱する。
【0031】
例示的な第4の側面では、本発明は、患者において涙液産生を刺激するためのハンドヘルドデバイスを提供する。本デバイスは、眼瞼係合端およびハンドル端を有する、リトラクタを備える。振動トランスデューサは、リトラクタの眼瞼係合端上に位置し、眼瞼がリトラクタの眼瞼係合端によって係合されるときに振動エネルギーを眼瞼の中へ送達するように構成される。
【0032】
ハンドヘルドデバイスの振動トランスデューサは、典型的には、通常、20kHz~30MHzまたは3MHz~10MHzの範囲内の周波数において動作する、少なくとも1つの超音波振動トランスデューサである。ハンドヘルドデバイスはさらに、典型的には、10Hz~1,000Hz、10Hz~500Hz、10Hz~400Hz、10Hz~300Hz、10Hz~200Hz、10Hz~100Hz、10Hz~50Hz、50Hz~1,000Hz、50Hz~500Hz、50Hz~400Hz、50Hz~300Hz、50Hz~200Hz、50Hz~100Hz、200Hz~1,000Hz、200Hz~500Hz、200Hz~400Hz、200Hz~300Hz、300Hz~1,000Hz、300Hz~500Hz、300Hz~400Hz、または400Hz~1,000Hzの範囲内の周波数において動作する、少なくとも1つの非超音波振動トランスデューサを備えてもよい。
【0033】
例示的な第5の側面では、本発明は、患者において涙液産生を刺激するための方法を提供する。本方法は、(a)眼瞼を後退させるステップと、(b)患者におけるマイボーム腺を開放するように選択される周波数および変位において後退された眼瞼に対して振動表面を係合させるステップとを含む。
【0034】
これらの方法はさらに、内側および/または外側眼瞼の温度を測定するステップ、振動表面が適用されている間に眼瞼を圧縮するステップ、眼瞼の内側部分に対して振動表面を設置するステップ、眼瞼の外側部分に対して振動表面を設置するステップのうちのいずれか1つまたはそれを上回るものをさらに含んでもよい。
【0035】
例示的な第6の側面では、本発明は、患者において涙液産生を刺激するためのハンドヘルドデバイスを提供する。本デバイスは、眼瞼係合端およびハンドル端を有する、リトラクタを備える。遠位部材を有するプッシュロッドは、ハンドル端上で摺動し、リトラクタと遠位部材との間で患者の眼瞼を捕捉するように構成される。リトラクタの眼瞼係合端上の振動トランスデューサは、眼瞼がリトラクタと遠位部材との間で捕捉されるときに、振動エネルギーを眼瞼の中へ送達するように構成される。
【0036】
ハンドヘルドデバイスの特定の実施例では、プッシュロッドは、眼瞼を開けるようにばね付勢され、眼瞼を閉じるように手動で前進されてもよい。ハンドヘルドデバイスはさらに、眼瞼に印加されている力を示すための力ゲージを備えてもよい。振動トランスデューサは、20KHz~30MHzの周波数において超音波を発生させ、眼瞼を加熱して閉塞導管内の濃縮を妨害してもよい。代替として、振動トランスデューサは、500kHz~3MHzの周波数において超音波を発生させ、眼瞼を加熱して閉塞導管内の濃縮を妨害してもよい。ハンドヘルドデバイスはさらに、40℃~47℃の温度を維持するための制御システムを備えてもよい。
【0037】
一実施形態では、眼の表面を保護しながら熱を眼瞼の内側に印加する能力を増補するように眼瞼の内側に設置するための超音波付属物が、説明される。
【0038】
一実施形態では、治療用超音波は、後部硝子体剥離を完了することによって黄斑円孔を修復または予防するように、後部硝子体に投影される。
【0039】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、網膜、眼瞼および関連付けられる腺ならびに構造、視神経、水晶体、小柱網、角膜、および眼の前房を含む、構造への薬物送達(の速度および数量)を改良するために利用される。
【0040】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、網膜内の水孔を開放し、薬物、遺伝子、もしくは物質を網膜および/または脈絡膜に送達するために利用される。
【0041】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、後部硝子体腔内で薬物を混合するために利用される。
【0042】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、生物活性剤を眼の後部に推進させるために利用される。
【0043】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、網膜の低強度刺激を用いて損傷した網膜細胞を修復するために利用される。
【0044】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、硝子体内の浮動残渣を分解するために使用される。
【0045】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、後部硝子体を液化し、飛蚊症を治療するために使用される。
【0046】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、網膜または視神経内の薬物取り込みの局所的領域を作成するために利用される。
【0047】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、水晶体を乳化することを支援するために利用される。
【0048】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、小柱を開放し、房水の流出を可能にして眼圧を減少させるために利用される。
【0049】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、眼の中の毛様体突起からの流体産生を阻害するために利用される。
【0050】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、集束される。
【0051】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、治療されている後部硝子体または他の眼構造上に集束されない、もしくは軽度に集束される。
【0052】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、光コヒーレンス断層撮影法、超音波画像診断、CT、MRI、光学撮像法、および蛍光眼底血管造影法等の画像診断法に結合される。
【0053】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、レーザビームに結合される。
【0054】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、眼科撮像法に結合される。
【0055】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、光コヒーレンス断層撮影法に結合される。
【0056】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、眼の中の血管内の血栓を分解するために利用される。
【0057】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、全身性医薬品の投与に結合される。
【0058】
いくつかの実施形態では、網膜への治療用超音波は、網膜内の血栓の分解を増進するように、全身投与される溶解剤を用いた治療に結合される。
【0059】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、効果を増進するために超音波感作剤と組み合わせて利用される。
【0060】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、微小気泡と組み合わせて利用される。
【0061】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、遺伝子操作されたウイルスまたはタンパク質、ウイルスまたはタンパクの取り込みを刺激もしくは増進する治療用超音波と組み合わせて利用される。
【0062】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、超音波感受性タンパク質、ナノ粒子、または他の生物活性材料と組み合わせて利用される。
【0063】
いくつかの実施形態では、高強度集束治療用超音波が、眼の構造内に組織破砕損傷を生成するために利用される。
【0064】
いくつかの実施形態では、1メガヘルツを下回る周波数が、利用される。
【0065】
いくつかの実施形態では、1メガヘルツを上回る周波数が、利用される。
【0066】
いくつかの実施形態では、低い強度が、治療効果を生成するために利用される。
【0067】
いくつかの実施形態では、50~300Hzの周波数が、利用される。
【0068】
いくつかの実施形態では、高強度超音波が、治療効果を生成するために利用される。
【0069】
いくつかの実施形態では、電離放射線が、治療用超音波と組み合わせて使用される。
【0070】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、網膜内の線維性組織を分解し、改良された薬物アクセスを可能にするために利用される。
【0071】
いくつかの実施形態では、治療用音または超音波もしくは機械的振動が、涙腺または鼻涙管を刺激することによってドライアイを治療するために利用される。
【0072】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、眼の中の涙腺まで進行する神経を刺激するために利用される。
【0073】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、眼瞼の内側のマイボーム腺を開放するために利用される。
【0074】
いくつかの実施形態では、治療用超音波または音は、患者において鼻を介して涙管を刺激するために利用される。
【0075】
いくつかの実施形態では、治療用音または超音波は、涙の分泌を刺激するために利用される。
【0076】
いくつかの実施形態では、治療用音または超音波もしくは機械的振動は、前篩骨神経(外鼻神経)の外枝を刺激して涙を生成する、または服鼻腔もしくは鼻腔の詰まりを除去するために利用される。
【0077】
いくつかの実施形態では、治療用超音波または音もしくは機械的振動は、毛様体突起からの流出を減少させて眼圧の上昇を治療するために利用される。
【0078】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、眼の小柱網内の細孔径を増加させ、流出の増加を可能にして眼圧を減少させるために利用される。
【0079】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、眼の前面内の房水への薬物送達を増進するために利用される。
【0080】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、薬物送達を増進して緑内障を治療するために利用される。
【0081】
いくつかの実施形態では、治療用音または超音波もしくは振動は、充血した眼を治療するために利用される。
【0082】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、眼の中の感染組織を治療するために利用される。
【0083】
いくつかの実施形態では、治療用音、超音波、または機械的振動は、黄斑変性症を治療するために利用される。
【0084】
いくつかの実施形態では、治療用音、振動、または超音波は、乾燥黄斑変性症を治療もしくは予防するために利用される。
【0085】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、翼状片の形成を治療または予防するために利用される。
【0086】
いくつかの実施形態では、治療用音、振動、または超音波は、眼瞼への薬物送達を増進するために利用される。
【0087】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、睫毛への薬物送達を増進し、それらの外観を改良する、またはそれらの成長を増進するために利用される。
【0088】
いくつかの実施形態では、治療用超音波、振動、または音は、医薬品の追加の有無別に睫毛成長を増進するために利用される。
【0089】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、薬物取り込みを増進し、角膜への外科的手技後の治癒を改良するために利用される。
【0090】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、眼瞼の周囲の眼の弛緩性またはしわの多い皮膚を除去もしくは緊締するために利用される。
【0091】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、外科的手技後の薬物送達の有無別に網膜の治癒を補助するために利用される。
【0092】
いくつかの実施形態では、治療用超音波は、力を網膜に印加し、網膜の中へ、またはブルッフ膜、脈絡膜、もしくは網膜の脈絡毛細管枝層を通して流体を押動するために利用される。
【0093】
本発明の実施形態のうちのいずれかでは、治療用超音波は、1,000Hzを下回る周波数を伴う音等の治療用音または音を伴わない直線機械的振動と置換される。
【0094】
上記の実施形態のうちのいずれかでは、治療用超音波は、500Hzを下回る周波数等を伴う音等の治療用音と置換される。
【0095】
いくつかの実施形態では、治療用音は、骨構造を被覆する皮膚に結合され、音の周波数は、真下の骨が音に応答して共振し、骨を通した共振が骨に近接近する神経を活性化するように、皮膚に印加される。
【0096】
いくつかの実施形態では、治療用音は、音を伝搬し、最適な安全性および有効性で頭部ならびに頸部の骨構造にそれを伝達する、エンドエフェクタを通して送達される。
【0097】
いくつかの実施形態では、治療用音は、上顎骨に重なる皮膚を通して音を伝達することによって、蝶口蓋窩の中の蝶口蓋神経節および関連付けられる神経を刺激するために使用される。
【0098】
いくつかの実施形態では、治療用音または超音波は、蝶口蓋神経節を刺激し、偏頭痛、群発頭痛、または発作に干渉するために使用される。
【0099】
いくつかの実施形態では、治療用音、振動、または超音波は、唾液産生を刺激するために使用される。
【0100】
いくつかの実施形態では、治療用音、振動、または超音波は、鼻骨が鼻中隔軟骨の外側突起に衝合する鼻の領域において、前篩骨神経(外鼻神経)の外枝を刺激するために使用される。
【0101】
いくつかの実施形態では、治療用音または超音波は、蝶口蓋神経節を刺激し、詰まった鼻腔または鼻詰まり等の風邪の症状を治療するために利用される。
【0102】
いくつかの実施形態では、治療用音、振動、または超音波は、蝶口蓋神経節を阻害するために利用される。
【0103】
いくつかの実施形態では、治療用音、振動、または超音波は、眼の眼瞼のしわもしくは弛緩性皮膚を治療または排除するために利用される。
【0104】
いくつかの実施形態では、外部超音波および/または機械的振動は、頭痛、鼻炎、鬱病、アルツハイマー病、脳卒中、パーキンソン病、メニエール病、耳鳴を治療するように、顔面領域の神経に印加される。
【0105】
いくつかの実施形態では、外部超音波および/または機械的振動は、蝶口蓋神経節に関連する神経もしくは篩骨神経を刺激し、涙を増加させる、ならびにドライアイを治療するように、鼻骨が鼻軟骨に衝合する領域に印加される。
【0106】
以下の番号付きの付記は、本発明の他の具体的側面を表す。
1.顔面領域の神経を治療するための方法であって、
a.アプリケータ先端を伴うハンドヘルドデバイスを患者の顔面の皮膚に適用するステップであって、皮膚は、その直接下の顔面骨領域を被覆する、ステップと、
b.さらなる押下が防止されるように、患者の顔面の骨に向かって皮膚上でアプリケータ先端を押下するステップと、
c.ハンドヘルドデバイスから、デバイスのアプリケータ先端を通して、患者の皮膚を通して、かつ患者の骨を通して、振動エネルギーを送達し、患者の頭部および頸部領域の神経を刺激または阻害するステップと、
を含む、方法。
2.振動エネルギーは、約50Hz~約1KHzの周波数を有する、付記1に記載の方法。
3.振動エネルギーは、約100Hz~約500Hzの周波数を有する、付記1に記載の方法。
4.ハンドヘルドデバイスは、患者において涙を刺激するように、患者の鼻の側面に適用され、軟骨が骨に衝合する領域において鼻の側面に沿って鼻骨に対して押下される、付記1に記載の方法。
5.ハンドヘルドデバイスは、鼻軟骨および鼻骨が衝合する場所において患者の鼻の側面に適用される、付記1に記載の方法。
6.ハンドヘルドデバイスは、鼻軟骨および鼻骨が衝合する場所において鼻の側面に沿って押下され、同時に指を鼻の対側に適用する、付記1に記載の方法。
7.ハンドヘルドデバイスは、治療中に同時または連続的のいずれかで患者の鼻の両側に適用される、付記1に記載の方法。
8.ハンドヘルドデバイスは、約20db未満のデシベルレベルで振動エネルギーを送達する、付記1に記載の方法。
9.ハンドヘルドデバイスは、約10db未満のデシベルレベルで振動エネルギーを送達する、付記1に記載の方法。
10.頭部および頸部領域の神経を刺激し、眼からの流涙を生成するステップをさらに含む、付記1に記載の方法。
11.患者の蝶口蓋神経節を刺激し、患者の涙腺から涙を発生させるステップをさらに含む、付記1に記載の方法。
12.鼻涙管を刺激し、患者の眼の中で涙を発生させるステップをさらに含む、付記1に記載の方法。
13.振動周波数は、神経の刺激または阻害を最適化するように調節される、付記1に記載の方法。
14.振動振幅は、神経の刺激または阻害を最適化するように調節される、付記1に記載の方法。
15.アプリケータ先端を指先に取り付け、鼻骨が鼻軟骨に衝合する領域中で指先を鼻の皮膚に圧迫するステップをさらに含む、付記1に記載の方法。
16.アプリケータ先端を2本の指に取り付けるステップと、2本の指で鼻の領域を挟持することによって振動エネルギーを骨に印加するステップとをさらに含む、付記1に記載の方法。
17.第1の手で鼻の片側にアプリケータを保持する一方で、同一の手の異なる指で鼻の反対側を押圧することによって、皮膚上のその圧力を調節するステップをさらに含む、付記1に記載の方法。
18.患者からの流涙の感覚のフィードバックに基づいて、印加の角度、皮膚に対する圧力、およびアプリケータ先端のタイプのうちの1つを調節するステップをさらに含む、付記1に記載の方法。
19.アプリケータ先端を顔面の領域に触れさせ、副鼻腔炎、鼻閉、および鼻炎のうちの1つ等の鼻詰まり症状に変化を引き起こすステップをさらに含む、付記1に記載の方法。
20.患者の頭部および頸部領域中の神経を刺激するためのデバイスであって、
a.接続されたアプリケータハンドル、ハンドヘルドアプリケータに結合されるアクチュエータ、およびアクチュエータに機械的に結合される身体表面インターフェースを伴うアプリケータを備え、
b.アクチュエータは、電流および電圧によって駆動される周波数において機械的に移動し、振動エネルギーを発生させ、
c.身体表面インターフェースは、患者の頭部および頸部領域の皮膚界面に結合し、皮膚を通して振動エネルギーを骨に伝送する、ならびに皮膚を通して骨に音響的に結合される神経を刺激するように適合される。
21.アクチュエータは、100~300Hzの周波数において振動する、付記20に記載のデバイス。
22.アクチュエータは、材料が約500ミクロンおよび約1,500ミクロン以下の平面偏位を伴って移動するように、材料に結合される、付記20に記載のデバイス。
23.身体表面インターフェースは、鼻梁に結合するように適合される、付記20に記載のデバイス。
24.身体表面インターフェースは、鼻の両側に同時に結合するように適合される、付記20に記載のデバイス。
25.身体表面インターフェースは、消しゴムの柔軟性を有する、付記20に記載のデバイス。
26.ハンドヘルドアプリケータは、手首の上に装着されるように適合され、アクチュエータは、可撓性ワイヤによってハンドヘルドアクチュエータから分離される、付記20に記載のデバイス。
27.ハンドヘルドアプリケータはさらに、携帯用バッテリを備える、付記26に記載のデバイス。
28.神経は、蝶口蓋神経節の一部である、またはそれと連通する、付記20に記載のデバイス。
29.振動エネルギーは、神経に重なる骨と共振し、神経を刺激するように構成される、付記20に記載のデバイス。
30.皮膚表面インターフェースは、患者の指の間で把持されるように適合される、付記20に記載のデバイス。
31.皮膚表面インターフェースは、眼鏡に接続される、付記20に記載のデバイス。
32.皮膚表面インターフェースはさらに、剛性材料および可鍛性材料の組み合わせから成る、付記20に記載のデバイス。
33.皮膚表面インターフェースはさらに、1つの方向に優先的に振動エネルギーを指向し、振動エネルギーを皮膚の下にある骨に結合するように適合され、ハンドヘルドアプリケータは、移動および振動から隔離される、付記32に記載のデバイス。
34.神経は、顔面神経の枝である、付記20に記載のデバイス。
35.神経は、涙腺神経である、付記20に記載のデバイス。
36.神経は、耳下または唾液腺に神経を分布させる神経である、付記20に記載のデバイス。
37.アクチュエータの振動周波数および/または振幅を変動させるための調節制御をさらに備える、付記20に記載のデバイス。
38.アプリケータは、ハンドヘルドである、付記20に記載のデバイス。
39.アプリケータは、指に取り付けられるように構成される、付記20に記載のデバイス。
40.アプリケータは、振動を頭部または頸部領域の神経に同時に伝送するように、鼻梁が2つのアクチュエータで挟持され得るように、2本の指に取り付けられるように構成される、付記20に記載のデバイス。
41.アプリケータは、患者の手首に取り付けられるように構成される、付記20に記載のデバイス。
42.アプリケータは、眼鏡に取り付けられるように構成される、付記20に記載のデバイス。
43.アプリケータは、眼瞼アプライアンスに適用されるように構成される、付記20に記載のデバイス。
44.身体表面インターフェースは、アクチュエータからの振動を皮膚の下の骨に結合するように適合される、付記20に記載のデバイス。
45.身体表面インターフェースは、半剛性材料から成る、付記20に記載のデバイス。
46.身体表面インターフェースは、ユーザの指に結合するように適合され、身体表面インターフェースはさらに、ユーザの第2の指に結合する第2のインターフェースを備える、付記20に記載のデバイス。
47.身体表面インターフェースは、ユーザの鼻の外側領域の組織への形状嵌合を促進するための形状記憶材料から成る、付記20に記載のデバイス。
48.身体表面インターフェースの振動の振幅の変調を可能にするコントローラをさらに備える、付記20に記載のデバイス。
49.振動エネルギーは、感圧神経を活性化するように適合される、付記20に記載のデバイス。
50.アクチュエータは、運動を身体表面インターフェースに付与し、運動は、線形であり、運動が皮膚表面と略垂直であるように、皮膚表面に適用するように適合される、付記20に記載のデバイス。
51.アクチュエータは、運動を身体表面インターフェースに付与し、運動は、線形であり、運動が皮膚表面と垂直であるように、皮膚表面に適用するように適合され、運動が皮膚表面に対する角度で適用可能であるように、調節されることができる、付記20に記載のデバイス。
52.アクチュエータは、運動を身体表面インターフェースに付与し、運動は、線形であり、ユーザの手への振動が最小限にされている間に、皮膚表面に適用するように適合される、付記20に記載のデバイス。
54.アクチュエータは、コントローラに電気的に接続され、コントローラは、調節可能な周波数制御を付与する、付記20に記載のデバイス。
55.アクチュエータは、コントローラに電気的に接続され、コントローラは、調節可能な振幅制御を付与する、付記20に記載のデバイス。
57.アクチュエータは、線形方向を身体表面インターフェースに付与するための電磁石を伴うソレノイドである、付記20に記載のデバイス。
59.アクチュエータは、スピーカまたは音声アクティブ化コイルである、付記20に記載のデバイス。
60.アクチュエータは、線形アクチュエータ構成要素を有し、振動は、デバイスのユーザから隔離される、付記20に記載のデバイス。
61.身体表面インターフェースは、約1~2mm幅の縁を伴って剛性であり、鼻骨および鼻軟骨の接合点において隆起内に嵌合するように構成される、付記20に記載のデバイス。
62.身体表面インターフェースはさらに、眼瞼を少なくとも部分的に後退させるように適合される縁を備える、付記20に記載のデバイス。
63.アクチュエータは、カムに接続され、カムは、ピストンを駆動して線形運動を生成する、付記20に記載のデバイス。
64.カムは、ピストンの線形運動を生成するようにモータの中心軸からオフセットされた位置に接続する、ロッドに取り付けられ、その偏位は、中心軸からのオフセットに比例する、付記63に記載のデバイス。
65.オフセットは、ピストンの1mm偏位をもたらす、付記64に記載のデバイス。
66.オフセットは、ピストンの2mm偏位をもたらす、付記64に記載のデバイス。
67.オフセットは、ピストンの0.5mm偏位をもたらす、付記64に記載のデバイス。
68.電子制御回路をさらに備え、電子制御回路は、モータの1分あたりの回転、したがって、ピストンの偏位周波数を決定する、プログラム可能な電圧を出力する、付記64に記載のデバイス。
69.線形運動アプリケータは、約1N~5Nの力を神経に重なる顔面の領域に印加し、皮膚を通した本力の周期的印加を用いて神経を活性化し、皮膚の下にある神経に到達して、患者において臨床効果を生成するように適合される、付記63に記載のデバイス。
70.頭痛がある患者を治療するための方法であって、
a.ハンドヘルドデバイスを、自律神経中枢と連通する顔面上の神経に重なる皮膚に適用するステップであって、ハンドヘルドデバイスは、圧力波を発生させるように構成される、ステップと、
b.頭痛時にハンドヘルドデバイスをアクティブ化し、皮膚を通して、かつ骨を通して圧力波を伝送して、自律神経系を活性化するステップと、
を含む、方法。
71.皮膚を横断して音波を印加し、自律神経系を活性化するステップをさらに含む、付記70に記載の方法。
72.鼻骨および鼻軟骨が衝合する鼻の側面に沿った皮膚に沿った領域上にハンドヘルドデバイスを設置するステップと、本領域の中へしっかりと圧迫するステップと、約100~300Hzの周波数および約0.5mm~約1.5mmのデバイス先端の偏位を伴って、ハンドヘルドデバイスから振動エネルギーを印加するステップとをさらに含む、付記70に記載の方法。
73.前篩骨神経を標的化するステップをさらに含む、付記70に記載の方法。
74.ハンドヘルドデバイスを設定し、約500kHz~約5MHzの周波数を伴う超音波圧力波を発生させるステップをさらに含む、付記70に記載の方法。
75.前篩骨神経を活性化するステップをさらに含む、付記70に記載の方法。
76.患者がくしゃみまたは流涙感覚を感じるように、圧力を患者の皮膚に沿ったハンドヘルドデバイスに印加するステップをさらに含む、付記70に記載の方法。
77.圧力波の一連の周波数を印加し、最適な周波数および圧力の程度を決定して、頭痛を予防する効果を達成するステップをさらに含む、付記70に記載の方法。
78.蝶口蓋神経節は、ハンドヘルドデバイスを外鼻神経に適用することによって活性化される、付記70に記載の方法。
79.顔面領域の神経を治療するための方法であって、
a.アプリケータ先端を伴うハンドヘルドデバイスを患者の顔面の皮膚に適用するステップであって、皮膚は、顔面の骨領域を被覆する、ステップと、
b.患者の顔面の骨に向かって皮膚上で印加先端を押下するステップと、
c.ハンドヘルドデバイスから、デバイスのアプリケータ先端を通して、患者の皮膚を通して、かつ患者の骨を通して、振動エネルギーを送達し、骨の下にある粘膜領域中で生物学的効果を生成するステップと、
を含む、方法。
80.約100~300Hzの周波数および0.5m~2.0mmの偏位を伴って、アプリケータ先端を介して振動エネルギーを送達するステップをさらに含む、付記79に記載の方法。
81.約300Hz~50kHzの周波数を伴って、アプリケータ先端を介して振動エネルギーを送達するステップをさらに含む、付記79に記載の方法。
82.約50kHz~10MHzの周波数を伴って、アプリケータ先端を介して振動エネルギーを送達するステップをさらに含む、付記79に記載の方法。
83.振動エネルギーの前、間、または後に生物活性剤を送達するステップをさらに含む、付記79に記載の方法。
84.振動エネルギーをインプラントに印加するステップをさらに含む、付記79に記載の方法。
85.外科的手技の前、間、または後に振動エネルギーを印加するステップをさらに含む、付記79に記載の方法。
86.振動エネルギーの少なくとも2つの異なるモードを同時に印加し、副鼻腔の粘膜に変化をもたらすステップをさらに含む、付記79に記載の方法。
87.顔面領域の神経を治療するための方法であって、
a.アプリケータ先端を伴うハンドヘルドデバイスを患者の顔面の皮膚に適用するステップであって、皮膚は、顔面の骨領域を被覆し、骨領域は、自律神経に結合される、ステップと、
b.患者の顔面の骨に向かって皮膚上で印加先端を押下するステップと、
c.ハンドヘルドデバイスから、デバイスのアプリケータ先端を通して、患者の皮膚を通して、かつ患者の骨を通して、振動エネルギーを送達し、骨の下にある粘膜領域中で生物学的効果を生成するステップと、
を含む、方法。
88.粘膜領域は、副鼻腔または鼻腔である、付記87に記載の方法。
89.振動エネルギーは、50Hz~5MHzの周波数を有する、付記87に記載の方法。
90.生物活性剤は、振動エネルギーの印加に先立って粘膜に適用される、付記87に記載の方法。
91.生物学的効果は、粘膜領域中の生物膜層の妨害である、付記87に記載の方法。
92.粘膜領域は、神経を含有する、付記87に記載の方法。
93.デューティサイクル、ピーク電力、および平均電力を伴って、振動電力を循環させるステップをさらに含む、付記87に記載の方法。
94.振動エネルギーの送達に先立って、その間、または後に、外科的手技を実施するステップをさらに含む、付記87に記載の方法。
95.音響インパルスを使用して、副鼻腔または鼻詰まりの領域を特定するステップをさらに含む、付記87に記載の方法。
96.複数の振動周波数を同時に利用するステップをさらに含む、付記87に記載の方法。
97.50~300Hzの周波数を伴う1つの振動エネルギーおよび約1MHz~30MHzの第2の振動エネルギーを印加するステップをさらに含む、付記87に記載の方法。
98.振動エネルギーを印加することに先立って、鼻領域の神経生体構造をマップするステップをさらに含む、付記87に記載の方法。
99.アクチベータ先端をアクティブ化し、1MHz~10MHzの周波数を伴う振動エネルギーを送達するステップをさらに含む、付記87に記載の方法。
100.アクチベータ先端をアクティブ化し、0.5MHz~5MHzの周波数を伴う振動エネルギーを送達するステップをさらに含む、付記87に記載の方法。
101.アクチベータ先端をアクティブ化し、50Hz~500Hzの周波数を伴う振動エネルギーを送達するステップをさらに含む、付記87に記載の方法。
102.副交感神経を刺激し、流涙応答を生成するステップをさらに含む、付記87に記載の方法。
103.インプラントをアクティブ化し、粘膜の中へ生物活性分子を放出するステップをさらに含む、付記87に記載の方法。
104.ポリマーをアクティブ化し、粘膜の中へ生物活性分子を放出するステップをさらに含む、付記87に記載の方法。
105.ドライアイがある患者を治療するための方法であって、
a.アプリケータ先端を伴うハンドヘルドデバイスを患者の顔面の皮膚に適用するステップであって、皮膚は、顔面の骨領域を被覆する、ステップと、
b.鼻軟骨が鼻骨に衝合する領域中で患者の顔面の骨に向かって皮膚上でアプリケータ先端を押下するステップと、
c.100Hz~400Hzの周波数および500ミクロンを上回るアプリケータ先端の振幅を伴うハンドヘルドデバイスからの振動エネルギーを、鼻軟骨が鼻骨に衝合する領域に送達し、患者の眼の中で涙を刺激するステップと、
を含む、方法。
106.周波数を150~200Hzの周波数に設定するステップをさらに含む、付記105に記載の方法。
107.生物活性剤を追加するステップをさらに含み、神経の刺激からのフィードバックは、意図された神経が治療されていることを確実にするために利用される、付記105に記載の方法。
108.鼻または副鼻腔疾患がある患者を治療するための方法であって、
a.副鼻腔を囲繞する皮膚に音または超音波アプリケータを適用するステップと、
b.皮膚に適用されるアプリケータの振幅および周波数を設定するステップと、
c.アプリケータから患者の皮膚に、かつ患者の皮膚を通して患者の鼻または副鼻腔粘膜に音もしくは超音波エネルギーを送達するステップと、
を含む、方法。
109.疾患は、アレルギー性疾患であり、音または超音波は、神経を過剰に刺激し、アレルギー性疾患におけるそれらの機能を阻害する、付記108に記載の方法。
110.バルーン副鼻腔形成術に先立って、その間、または後に、音もしくは超音波を送達するステップをさらに含む、付記108に記載の方法。
111.音または超音波は、50Hz~300Hzの周波数を備える、付記108に記載の方法。
112.内視鏡下副鼻腔外科手技の直前、間、または後に、音もしくは超音波を送達するステップをさらに含む、付記108に記載の方法。
113.音および超音波は、鼻軟骨ならびに鼻骨の接合点における外鼻神経の領域に送達される、付記108に記載の方法。
114.鼻腔の中への生物活性材料の送達の直前、間、または後に、音もしくは超音波を送達するステップをさらに含む、付記108に記載の方法。
115.患者において涙を生成する方法であって、
a.片手でデバイスを握持し、それを適用して、約500~1,500ミクロンのデバイスの先端の略線形偏位を伴って100~300Hzにおいて振動を提供するステップと、
b.鼻軟骨が鼻骨に衝合する、鼻の外部の領域に本デバイスを適用するステップと、
c.外鼻神経を活性化するステップと、
を含む、方法。
116.約0.5N~約3.0Nの力を外鼻神経に印加するステップをさらに含む、付記115に記載の方法。
117.約0.5N~約5.0Nの力を印加するステップをさらに含む、付記115に記載の方法。
118.振動エネルギーを患者の眼瞼に印加するためのデバイスであって、
a.眼の眼瞼と界面接触するように適合される、ハンドヘルド実装と、
b.ハンドヘルド実装に接続される、リトラクタ構成要素と、
c.リトラクタに沿って摺動するよう適合される、摺動要素と、
b.リトラクタ要素または摺動要素の少なくとも一部の上の少なくとも1つの圧電要素と、
c.リトラクタ要素、摺動要素、または両方に結合される、少なくとも1つの温度測定要素と、
d.温度測定要素に基づいて温度を調節し、眼瞼の温度を約39℃~50℃に維持するように構成される、プロセッサと、
e.電力供給源と、
を備える、デバイス。
119.ハンドヘルド実装はさらに、100Hz~400Hzの周波数において眼瞼と結合されるリトラクタまたは摺動要素のインターフェースを振動させるように構成される、線形共振アクチュエータを備える、付記118に記載のデバイス。
120.線形共振アクチュエータ、圧電要素、および圧力は、ドライアイを治療するように、独立して、またはともに適用可能である、付記119に記載のデバイス。
121.プロセッサは、電流を圧電要素に供給し、1MHz~5MHzの周波数において圧電要素を発振させるように構成される、付記118に記載のデバイス。
122.ハンドヘルド実装はさらに、それを通して手動圧力が眼瞼に印加され得る、実装上の領域を備える、付記118に記載のデバイス。
123.領域は、柔軟領域である、付記122に記載のデバイス。
124.プロセッサは、温度測定要素に電気的に結合される、付記118に記載のデバイス。
125.該実装の該遠位端は、眼瞼を後退させるように適合される、付記118に記載のデバイス。
126.該実装の該遠位端は、ヒドロゲルコーティングから成る、付記125に記載のデバイス。
127.該実装の該遠位端は、生体適合性シリコーンコーティングから成る、付記125に記載のデバイス。
128.該実装の該遠位端は、PTFEコーティングから成る、付記118に記載のデバイス。
129.該摺動要素は、摺動要素が眼瞼に対してその動作位置にあるときに眼瞼に印加される圧力を測定するように動作する、歪みゲージに結合される、付記118に記載のデバイス。
130.該摺動要素は、摺動要素が眼瞼に対してその動作位置にあるときに眼瞼に印加される圧力を測定し、かつ歪みおよび圧力が事前規定限界に到達したことをユーザにさらにシグナリングするように動作する、歪みゲージに結合される、付記118に記載のデバイス。
131.基礎制御ユニットをさらに備える、付記118に記載のデバイス。
132.該遠位端は、該眼瞼が後退されるときに内側眼瞼に接触するための少なくとも1つのサーミスタを備える、付記118に記載のデバイス。
133.制御ボックスをさらに備え、該制御ボックスは、温度範囲、振幅、超音波のデューティサイクル、およびアクティブ圧電要素の数のうちの少なくとも1つを設定するためのデジタル制御を備える、付記118に記載のデバイス。
134.電力供給源は、再充電可能であり、ハンドグリップ内に組み込まれ、ハンドグリップは、デバイスに動作可能に取り付けられる、付記118に記載のデバイス。
135.該実装の遠位端はさらに、圧力が実装を通して眼瞼に印加されることを可能にするように構成され、実装のオペレータからの圧力によって眼瞼に印加される圧力は、実装の柔軟部分を通して眼瞼を圧縮する、付記118に記載のデバイス。
136.柔軟部分は、可撓性膜を備える、付記135に記載のデバイス。
137.柔軟部分は、エラストマを備える、付記135に記載のデバイス。
138.柔軟部分はさらに、圧力センサを備える、付記135に記載のデバイス。
139.温度測定要素は、赤外線センサを備える、付記135に記載のデバイス。
140.温度測定要素は、サーミスタを備える、付記135に記載のデバイス。
141.温度測定要素は、眼瞼内の温度を予測するためのモデルで使用されるデータを収集する、付記118に記載のデバイス。
142.温度予測は、実装のオン・オフタイミングを制御するために利用される、付記141に記載のデバイス。
143.実装はさらに、事前設定された、または調節可能な周波数および振幅を伴う振動アクチュエータを備える、付記118に記載のデバイス。
144.実装はさらに、外側眼瞼の皮膚に対して押下されるように適合される、付記118に記載のデバイス。
145.圧電要素は、1~30MHzの超音波エネルギーを送達する、付記118に記載のデバイス。
146.圧電要素は、2~10MHzの超音波エネルギーを眼瞼に送達する、付記118に記載のデバイス。
147.圧電要素は、超音波エネルギーをマイボーム腺に送達するように構成される、付記118に記載のデバイス。
148.圧電要素は、眼瞼の外側から眼瞼を通してエネルギーを送達するように実装上で構成される、付記118に記載のデバイス。
149.熱を眼瞼に印加するためのデバイスであって、
a.眼の眼瞼と界面接触するように適合される、ハンドヘルド実装と、
b.少なくとも1つの圧電要素と、
c.少なくとも1つの温度測定要素と、
d.温度測定要素および温度測定要素に基づいて眼瞼の内側の温度を予測するモデルに基づいて、温度を調節し、安全範囲内で眼瞼の温度を維持するように構成される、プロセッサと、
を備える、デバイス。
150.温度測定要素は、赤外線センサである、付記149に記載のデバイス。
151.温度測定要素は、超音波検出器である、付記149に記載のデバイス。
152.温度測定要素は、サーミスタである、付記149に記載のデバイス。
153.プロセッサは、温度測定要素から入力を受信し、フィードバックを圧電要素に提供してデバイスの温度を制御するように適合される、付記149に記載のデバイス。
154.統合眼瞼リトラクタを組み込むステップをさらに含む、付記149に記載のデバイス。
155.ドライアイを治療するための方法であって、
a.振動実装を患者の眼瞼または鼻に近接する領域に適用するステップと、
b.実装の試験振動パラメータのセットを決定するステップと、
c.患者およびオペレータフィードバックに基づいて、実装の場所ならびに振動周波数および振幅の最適な範囲を決定するステップと、
d.患者および/またはオペレータフィードバックに基づいて、実装の振動周波数および振幅を設定するステップと、
を含む、方法。
156.実装はさらに、1MHz~30MHzの周波数を伴う超音波を備え、最適な周波数は、患者/ユーザによって決定される、付記155に記載の方法。
157.場所は、鼻骨が鼻軟骨に衝合する領域に設定される、付記155に記載の方法。
158.ユーザはさらに、実装が適用されている側の反対の面側で皮膚を押下する、付記157に記載の方法。
159.ユーザは、実装の設置の反対側で鼻の上の皮膚を押下し、実装を同時に押下して、振動を伝送し、面の両側の神経を活性化する、付記159に記載の方法。
160.場所は、眼窩下神経に近接する、付記155に記載の方法。
161.場所は、蝶口蓋神経節に近接する、付記155に記載の方法。
162.場所は、篩骨神経に近接する、付記155に記載の方法。
163.場所は、涙腺である、付記155に記載の方法。
164.場所は、副涙腺である、付記155に記載の方法。
165.場所は、眼瞼の皮膚であり、振幅および周波数は、眼瞼のしわを排除するように選定される、付記155に記載の方法。
166.振動周波数は、50Hz~300Hzの周波数から選定され、振幅は、約0.1mm~約1.5mmから選定され、振幅は、正弦波であり、実装は、略線形運動とともに移動する、付記155に記載の方法。
167.圧力およびエネルギーを眼の眼瞼に印加するためのデバイスであって、
a.眼瞼の内側を握持することによって、患者の強膜および角膜から眼瞼を引き離すように適合される、第1のシャフトと、
b.圧力を眼瞼の外側に印加し、第1のシャフトに対して眼瞼を圧縮するように適合される、第1のシャフトに動作可能に接続される第2のシャフトと、
c.第1のシャフトおよび第2のシャフトのうちの少なくとも1つを通して、エネルギーを眼瞼に、またはそこから伝送するように動作する、デバイス上に位置するエネルギー源と、
を備える、デバイス。
168.少なくとも第1のシャフトおよび/または第2のシャフトに機械的に結合される、振動要素をさらに備える、付記167に記載のデバイス。
169.第1および/または第2のシャフト上に超音波要素をさらに備える、付記167に記載のデバイス。
170.圧力を第1のシャフトと第2のシャフトとの間の眼瞼に印加するための機構と、振動を第1および/または第2のシャフトに、そこから、眼瞼に伝達する、デバイスとを備える、付記167に記載のデバイス。
171.約1MHz~約15MHzの周波数範囲内の超音波を発生させる、少なくとも1つの超音波要素をさらに備える、付記167に記載のデバイス。
172.温度感知要素をさらに備える、付記167に記載のデバイス。
173.第1のシャフトおよび第2のシャフトは、部材によって接続され、該部材は、第1のシャフトと第2のシャフトとの間に取り付けられる弾性材料から成り、該弾性材料は、シャフトが相互に対して移動すると、第1および第2のシャフト上で張力を生成する、付記167に記載のデバイス。
174.筐体は、第1および第2のシャフトを囲繞し、該筐体は、携帯用バッテリのためのコンパートメントを備える、付記167に記載のデバイス。
175.電気接続は、患者の眼瞼に接触するデバイスの領域に到達するように、シャフトを通してトンネルされる、付記167に記載のデバイス。
176.エネルギー源は、少なくとも1つの発光ダイオードである、付記167に記載のデバイス。
177.エネルギー源は、500nmを上回る波長範囲内の放射線を発生させる、少なくとも1つの発光ダイオードである、付記167に記載のデバイス。
178.エネルギー源は、眼瞼からエネルギーを伝達し、眼瞼を冷却するように動作する、付記167に記載のデバイス。
179.付記167に記載のデバイス。
180.少なくとも1つの温度センサをさらに備える、付記167に記載のデバイス。
181.第1のシャフトおよび第2のシャフトは、弾性コネクタを通して動作可能に取り付けられる、付記167に記載のデバイス。
182.第1のシャフトおよび第2のシャフトは、弾性コネクタを通して動作可能に取り付けられ、他方のシャフトに対する一方のシャフトの偏位は、それを通して歪みまたは増分移動を検出するセンサを用いて定量化される、付記167に記載のデバイス。
183.をさらに備える、付記167に記載のデバイス。
184.エネルギーを眼瞼の内側に印加するためのデバイスであって、
a.眼瞼を後退させるように構成される遠位先端と、
b.遠位先端に取り付けられるエネルギー源と、
を備える、デバイス。
185.遠位先端は、超音波エネルギー源を備える、付記184に記載のデバイス。
186.遠位先端は、50~400Hzおよび500ミクロン~3mmの振幅において振動する、振動エネルギー源を備える、付記184に記載のデバイス。
187.遠位先端は、圧力が眼瞼に印加され得る、第1の遠位先端に機械的に結合される第2の遠位先端を備える、付記184に記載のデバイス。
188.遠位先端はさらに、吸引装置を備え、該吸引装置は、該エネルギー源が適用され得るときに、眼の強膜から離れるように眼瞼を後退させるように構成される、付記184に記載のデバイス。
189.遠位先端はさらに、眼瞼の皮膚を挟持し、挟持された皮膚を通してエネルギーを印加するように構成される、吸引装置を備える、付記184に記載のデバイス。
190.遠位先端は、眼瞼の皮膚が挟持されるときに、それを通してエネルギーが眼瞼に印加される、把持器を備える、付記184に記載のデバイス。
191.デバイスは、遠位先端を備え、該遠位先端は、眼の強膜から眼瞼を機械的に後退させるためのリトラクタを有するように構成される、付記184に記載のデバイス。
192.遠位先端は、眼瞼を機械的に後退させるためのリトラクタを有するように構成される、付記184に記載のデバイス。
193.遠位先端は、眼瞼を機械的に後退させるためのリトラクタを有するように構成され、遠位先端はさらに、眼瞼を後退させる機械的部分の上に超音波要素を有するように構成される、付記184に記載のデバイス。
194.遠位先端は、構成される、付記184に記載のデバイス。
195.涙およびマイボーム腺からの分泌物を生成するための方法であって、
a.患者の眼瞼を後退させるステップと、
b.眼瞼の粘膜皮膚接合点を可視化するステップと、
c.眼瞼に近接してデバイスを位置付けるステップと、
d.適用するためにデバイスをアクティブ化し、デバイスのエンドエフェクタから粘膜皮膚接合点に機械的振動を伝送するステップと、
を含む、方法。
196.ヒト対象において涙を発生させるための方法であって、
a.アプリケータを対象の鼻の外部領域に適用するステップであって、領域は、前篩骨神経の外枝が鼻の側の皮膚へ退出する場所に位置する、ステップと、
b.アプリケータをアクティブ化し、100~300Hzの周波数において機械的振動を発生させるステップであって、振動は、神経を活性化するために十分な力を皮膚および下層神経上に発生させる、ステップと、
を含む、方法。
197.対象の顔面上の皮膚分布内で神経を能動的にマップし、外前篩骨神経の刺激のための最適な場所を決定するステップをさらに含む、付記196に記載の方法。
198.アクティブマッピングは、50Hz~300Hzの周波数の範囲、0.5mm~3.0mmの振幅の範囲、および0.5N~3Nの力の範囲を伴って、対象の顔面上の皮膚分布内で神経を刺激するステップを含む、付記197に記載の方法。
199.アクティブマッピングはさらに、神経の刺激の効果を監視するステップを含む、付記197に記載の方法。
200.アクティブマッピングは、流涙、くしゃみ、およびかゆみのうちの1つを監視するステップを含む、付記199に記載のデバイス。
201.最適周波数、位置、力、振幅、持続時間、電力、およびデューティサイクルのうちの1つを決定するステップをさらに含む、付記197に記載の方法。
202.具体的にはマップされた領域に沿って、アプリケータを位置付けるステップをさらに含む、付記199に記載の方法。
203.ヒト対象において涙を発生させるための方法であって、
a.アプリケータを対象の鼻の外部領域に適用するステップであって、領域は、前篩骨神経の外枝が鼻の側の皮膚へ退出する場所に位置する、ステップと、
b.アプリケータをアクティブ化し、50Hz~300Hzの周波数において機械的振動を発生させるステップと、
c.皮膚および下層神経上の約1mm2~約5mm2の面積にわたって約0.5N~約2Nの力を印加し、神経を活性化するステップと、
を含む、方法。
204.をさらに含む、付記203に記載の方法。
205.ヒト患者において涙を活性化するように構成されるデバイスであって、
a.外鼻神経が鼻骨から退出する鼻の領域にわたって外部皮膚と界面接触するように構成される、エンドエフェクタと、
b.ハンドヘルドであるように構成される、本体と、
c.エンドエフェクタに結合され、エンドエフェクタの機械的振動を生成するように構成される、作動機構と、
を備える、デバイス。
206.エンドエフェクタは、約1mm2~約5mm2の面積にわたって0.5N~3.0Nの力を印加するように構成される、付記205に記載のデバイス。
207.エンドエフェクタは、0.5mm~2.0mmの縁曲率半径を伴う縁を備える、付記205に記載のデバイス。
208.エンドエフェクタは、鼻軟骨および鼻骨の界面の領域中に嵌合するための切り欠きを備える、付記205に記載のデバイス。
209.エンドエフェクタはさらに、20A~60Aのデュロメータを伴う生体適合性材料から成る、付記205に記載のデバイス。
210.エンドエフェクタは、5mm~30mmの距離を移動するように作動される、付記205に記載のデバイス。
211.エンドエフェクタは、0.5N~3.0Nの比較的一定の力を維持しながら、5mm~30mmの距離を移動するように作動される、付記210に記載のデバイス。
212.アクチュエータは、線形共振アクチュエータを備える、付記205に記載のデバイス。
213.アクチュエータは、偏心加重モータを備える、付記205に記載のデバイス。
214.アクチュエータは、ボイスコイルを備える、付記205に記載のデバイス。
215.アクチュエータは、電磁石を備える、付記205に記載のデバイス。
216.アクチュエータは、圧電結晶を備える、付記205に記載のデバイス。
217.アクチュエータは、線形運動でエンドエフェクタを加速させるように構成される、付記205に記載のデバイス。
218.アクチュエータは、円形運動においてエンドエフェクタを加速させるように構成される、付記205に記載のデバイス。
219.アクチュエータは、正弦波パターンにおいてエンドエフェクタを加速させるように構成される、付記205に記載のデバイス。
220.アクチュエータは、プログラム可能なパターンにおいてエンドエフェクタを加速させるように構成される、付記205に記載のデバイス。
221.アクチュエータは、スマートフォンアプリケーションを用いてプログラム可能であるパターンにおいてエンドエフェクタを加速させるように構成される、付記205に記載のデバイス。
222.プローブを介して振動刺激を送達し、それを必要としている患者において鼻炎を治療するステップを含み、プローブは、振動刺激の送達中に患者の鼻の1つまたはそれを上回る組織と接触している、鼻炎を治療するための方法。
223.電気刺激は、鼻炎の1つまたはそれを上回る症状に応答して送達される、付記222に記載の方法。
224.鼻炎の1つまたはそれを上回る症状は、かゆみ、くしゃみ、鼻詰まり、鼻水、後鼻漏、口呼吸、咳、疲労、頭痛、嗅覚障害、痰、喉の炎症、眼窩周囲腫脹、涙目、耳痛、および充満感のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、付記223に記載の方法。
225.振動刺激は、スケジュールされた基準で1日あたり1回を上回って送達される、付記222に記載の方法。
226.鼻の1つまたはそれを上回る組織は、鼻粘膜である、付記222に記載の方法。
227.鼻の1つまたはそれを上回る組織は、鼻の外側の皮膚である、付記222に記載の方法。
228.1つまたはそれを上回る鼻組織は、鼻中隔に隣接する粘膜である、付記222に記載の方法。
229.振動刺激は、約100~300Hzの発振周波数を伴う線形運動である、付記222に記載の方法。
230.振動刺激を対象の鼻組織に送達し、対象の鼻炎を改善するステップを含み、振動刺激は、振動刺激を制御するための制御サブシステムを備える、プローブを介して送達される、鼻炎を治療する方法。
231.振動刺激は、鼻炎の1つまたはそれを上回る症状に応答して送達される、付記230に記載の方法。
232.鼻炎の1つまたはそれを上回る症状は、かゆみ、くしゃみ、鼻詰まり、鼻水、後鼻漏、口呼吸、咳、疲労、頭痛、嗅覚障害、痰、喉の炎症、眼窩周囲腫脹、涙目、耳痛、および充満感のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、付記231に記載の方法。
233.振動刺激は、治療周期中に毎日少なくとも1回送達される、付記232に記載の方法。
234.振動刺激は、治療周期中にスケジュールされた基準で送達される、付記232に記載の方法。
235.プローブを介して振動刺激を送達し、それを必要としている患者において眼アレルギーを治療するステップを含み、プローブは、振動刺激の送達中に患者の鼻組織と接触している、眼アレルギーを治療するための方法。
236.振動刺激は、眼アレルギーの1つまたはそれを上回る症状に応答して送達される、付記235に記載の方法。
237.眼アレルギーの1つまたはそれを上回る症状は、腫れ、腫脹、かゆみ、流涙、および排出のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、付記235に記載の方法。
238.鼻組織は、鼻粘膜である、付記235に記載の方法。
239.鼻組織は、鼻の外部皮膚である、付記235に記載の方法。
240.振動刺激は、約100Hz~300Hzにおける線形運動である、付記235に記載の方法。
241.振動刺激を対象の鼻組織に送達し、対象の眼アレルギーを改善するステップを含み、振動刺激は、振動刺激を制御するための制御サブシステムを備える、刺激装置のプローブによって送達される、眼アレルギーを治療する方法。
242.電気刺激は、眼アレルギーの1つまたはそれを上回る症状に応答して送達される、付記235に記載の方法。
243.眼アレルギーの1つまたはそれを上回る症状は、腫れ、腫脹、かゆみ、流涙、および排出のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、付記236に記載の方法。
244.ナルコレプシーを治療するための方法であって、
a.副交感神経と連通する患者の顔面上の骨領域に振動表面を位置付けるステップと、
b.外鼻神経を刺激するように選択される周波数および変位において振動表面を振動させるステップと、
を含む、方法。
245.癲癇を治療するための方法であって、
a.副交感神経と連通する患者の顔面上の骨領域に振動表面を位置付けるステップと、
b.外鼻神経を刺激するように選択される周波数および変位において振動表面を振動させるステップと、
を含む、方法。
246.頭痛を治療するための方法であって、
a.副交感神経と連通する患者の顔面上の骨領域に振動表面を位置付けるステップと、
b.外鼻神経を刺激するように選択される周波数および変位において振動表面を振動させるステップと、
を含む、方法。
247.副鼻腔炎を治療するための方法であって、
a.副交感神経と連通する患者の顔面上の骨領域に振動表面を位置付けるステップと、
b.外鼻神経を刺激するように選択される周波数および変位において振動表面を振動させるステップと、
を含む、方法。
248.鼻炎を治療するための方法であって、
a.副交感神経と連通する患者の顔面上の骨領域に振動表面を位置付けるステップと、
b.外鼻神経を刺激するように選択される周波数および変位において振動表面を振動させるステップと、
を含む、方法。
【0107】
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
患者において涙液産生を刺激するための方法であって、
(a)涙腺に神経を分布させる副交感神経と連通する前記患者の顔面上の骨領域に振動表面を位置付けることと、
(b)涙を産生するために涙腺神経を刺激するように選択される周波数および変位において前記振動表面を振動させることと
を含む方法。
(項目2)
前記振動表面は、10Hz~1,000Hz、10Hz~500Hz、10Hz~400Hz、10Hz~300Hz、10Hz~200Hz、10Hz~100Hz、10Hz~50Hz、50Hz~1,000Hz、50Hz~500Hz、50Hz~400Hz、50Hz~300Hz、50Hz~200Hz、50Hz~100Hz、200Hz~1,000Hz、200Hz~500Hz、200Hz~400Hz、200Hz~300Hz、300Hz~1,000Hz、300Hz~500Hz、300Hz~400Hz、または400Hz~1,000Hzの範囲内の周波数で振動される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記振動表面は、0.1mm~5mm、0.25mm~5mm、0.5mm~5mm、1mm~5mm、0.1mm~3mm、0.25mm~3mm、0.5mm~3mm、1mm~3mm、0.1mm~5mm、0.25mm~2mm、0.5mm~2mm、1mm~2mm、または2mm~3mmの範囲内の変位を伴って振動される、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記振動表面は、0.5mm
2
~20mm
2
、0.5mm
2
~10mm
2
、0.5mm
2
~5mm
2
、0.5mm
2
~2mm
2
、0.5mm
2
~1.5mm
2
、0.5mm
2
~1mm
2
、1mm
2
~20mm
2
、1mm
2
~10mm
2
、1mm
2
~5mm
2
、1mm
2
~2mm
2
、1mm
2
~1.5mm
2
、1.5mm
2
~20mm
2
、0.5mm
2
~10mm
2
、1.5mm
2
~5mm
2
、1.5mm
2
~2mm
2
、2mm
2
~20mm
2
、2mm
2
~10mm
2
、2mm
2
~5mm
2
、2.5mm
2
~20mm
2
、2.5mm
2
~10mm
2
、2.5mm
2
~5mm
2
、5mm
2
~20mm
2
、または5mm
2
~10mm
2
の範囲内の皮膚接触面積を有する、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記振動表面は、ショアA40~ショアA80、ショアA50~ショアA80、ショアA60~ショアA80、ショアA70~ショアA80、ショアA40~ショアA70、ショアA50~ショアA70、ショアA60~ショアA70、ショアA40~ショアA60、ショアA50~ショアA60、またはショアA40~ショアA50の範囲内の硬度を有する、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記振動表面は、ポリマーインターフェース本体上に形成される、項目5に記載の方法。
(項目7)
ポリマーインターフェース本体は、1mm~10mm、2mm~10mm、3mm~10mm、4mm~01mm、5mm~10mm、6mm~10mm、7mm~10mm、8mm~10mm、9mm~10mm、1mm~5mm、2mm~5mm、3mm~5mm、4mm~5mm、1mm~4mm、2mm~4mm、3mm~4mm、1mm~3mm、2mm~3mm、または1mm~2mmの範囲内の厚さを有する、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記ポリマーインターフェース本体は、前記振動表面の少なくとも一部を包囲する丸い縁を有する、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記丸い縁は、0.5mm~5mm、1mm~5mm、2mm~5mm、3mm~5mm、4mm~5mm、0.5mm~4mm、1mm~4mm、2mm~4mm、3mm~4mm、0.5mm~3mm、1mm~3mm、2mm~3mm、0.5mm~2mm、1mm~2mm、および0.5mm~1mmの範囲内の半径を有する、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記ポリマーインターフェース本体は、前記振動表面の少なくとも一部を包囲する四角い縁を有する、項目7に記載の方法。
(項目11)
前記ポリマーインターフェース本体は、前記振動表面の少なくとも一部を包囲する剛性縁を有する、項目1-10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
前記振動表面は、パルス状デューティサイクル、または、90%、75%、50%、25%、または10%を伴って振動される、項目1-10のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記デューティサイクルが100%未満であるときに前記振動表面のピーク変位を増加させることをさらに含む、項目1-10のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記振動表面は、前記患者の上外側鼻軟骨が前記患者の鼻骨に衝合する場所において、前記患者の顔面上に位置付けられる、項目1-10のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
前記振動表面は、上向きの方向性を伴って前記患者の顔面に対して係合される、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記振動表面は、前記領域における前記患者の鼻正中線の6.5mm~8.5mm外側の場所に位置付けられる、項目1-10のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
前記涙腺に神経を分布させる前記副交感神経は、上顎骨内を進行し、次いで、蝶口蓋窩内で前記上顎骨の近くに位置する蝶口蓋神経節を通して進行する、項目1-10のいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
振動表面を位置付けることは、前記骨領域に対してハンドヘルドデバイス上の振動表面を係合させることを含む、項目1-10のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記患者は、前記骨領域に対して前記ハンドヘルドデバイスの振動表面を係合させる、項目1-10のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記振動表面は、1次元において略線形方向に移動する、項目1-10のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記振動表面は、1~2mmの偏位を伴って略線形方向に移動する、項目1-10のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
前記振動表面は、外鼻神経を刺激するための位置に設置される、項目1-10のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
患者において涙液産生を刺激するためのハンドヘルドデバイスであって、
涙膜に関連する腺に神経を分布させる副交感神経と連通する求心性神経にわたって前記患者の顔面上の骨領域に係合するように構成される、振動表面を有する筐体と、
涙を産生するために求心性神経および涙腺神経を刺激するように選択される周波数および変位において前記振動表面を振動させるように構成される、前記筐体内の回路と
を備える、ハンドヘルドデバイス。
(項目24)
前記振動表面は、10Hz~1,000Hz、10Hz~500Hz、10Hz~400Hz、10Hz~300Hz、10Hz~200Hz、10Hz~100Hz、10Hz~50Hz、50Hz~1,000Hz、50Hz~500Hz、50Hz~400Hz、50Hz~300Hz、50Hz~200Hz、50Hz~100Hz、200Hz~1,000Hz、200Hz~500Hz、200Hz~400Hz、200Hz~300Hz、300Hz~1,000Hz、300Hz~500Hz、300Hz~400Hz、または400Hz~1,000Hzの範囲内の周波数で振動される、項目23に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目25)
前記振動表面は、0.1mm~5mm、0.25mm~5mm、0.5mm~5mm、1mm~5mm、0.1mm~3mm、0.25mm~3mm、0.5mm~3mm、1mm~3mm、0.1mm~5mm、0.25mm~2mm、0.5mm~2mm、1mm~2mm、または2mm~3mmの範囲内の変位を伴って振動される、項目23に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目26)
前記振動表面は、0.5mm
2
~20mm
2
、0.5mm
2
~10mm
2
、0.5mm
2
~5mm
2
、0.5mm
2
~2mm
2
、0.5mm
2
~1.5mm
2
、0.5mm
2
~1mm
2
、1mm
2
~20mm
2
、1mm
2
~10mm
2
、1mm
2
~5mm
2
、1mm
2
~2mm
2
、1mm
2
~1.5mm
2
、1.5mm
2
~20mm
2
、0.5mm
2
~10mm
2
、1.5mm
2
~5mm
2
、1.5mm
2
~2mm
2
、2mm
2
~20mm
2
、2mm
2
~10mm
2
、2mm
2
~5mm
2
、2.5mm
2
~20mm
2
、2.5mm
2
~10mm
2
、2.5mm
2
~5mm
2
、5mm
2
~20mm
2
、または5mm
2
~10mm
2
の範囲内の皮膚接触面積を有する、項目23に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目27)
前記振動表面は、ショアA40~ショアA80、ショアA50~ショアA80、ショアA60~ショアA80、ショアA70~ショアA80、ショアA40~ショアA70、ショアA50~ショアA70、ショアA60~ショアA70、ショアA40~ショアA60、ショアA50~ショアA60、またはショアA40~ショアA50の範囲内の硬度を有する、項目23に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目28)
前記振動表面は、前記患者の上外側鼻軟骨が前記患者の鼻骨に衝合する場所において、前記患者の顔面上に位置付けられるように構成される、項目23に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目29)
前記振動表面は、上向きの方向性を伴って前記患者の顔面に対して係合されるように構成される、項目23に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目30)
前記振動表面は、前記領域における前記患者の鼻正中線の6.5mm~8.5mm外側の場所に位置付けられるように構成される、項目32に記載のハンドヘルドデバイス。前記振動表面は、ポリマーインターフェース本体上に形成される、項目23に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目31)
ポリマーインターフェース本体は、1mm~10mm、2mm~10mm、3mm~10mm、4mm~01mm、5mm~10mm、6mm~10mm、7mm~10mm、8mm~10mm、9mm~10mm、1mm~5mm、2mm~5mm、3mm~5mm、4mm~5mm、1mm~4mm、2mm~4mm、3mm~4mm、1mm~3mm、2mm~3mm、または1mm~2mmの範囲内の厚さを有する、項目28に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目32)
前記ポリマーインターフェース本体は、前記振動表面の少なくとも一部を包囲する丸い縁を有する、項目29に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目33)
前記丸い縁は、0.5mm~5mm、1mm~5mm、2mm~5mm、3mm~5mm、4mm~5mm、0.5mm~4mm、1mm~4mm、2mm~4mm、3mm~4mm、0.5mm~3mm、1mm~3mm、2mm~3mm、0.5mm~2mm、1mm~2mm、および0.5mm~1mmの範囲内の半径を有する、項目30に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目34)
前記ポリマーインターフェース本体は、前記振動表面の少なくとも一部を包囲する四角い縁を有する、項目29に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目35)
前記ポリマーインターフェース本体は、前記振動表面の少なくとも一部を包囲する剛性縁を有する、項目28に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目36)
前記回路は、パルス状デューティサイクル、または、90%、75%、50%、25%、または10%を伴って振動表面を振動させるように構成される、項目23に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目37)
前記回路は、前記デューティサイクルが100%未満であるときに前記振動表面のピーク変位を増加させるように構成される、項目34に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目38)
前記振動表面は、前記皮膚と略垂直な略線形の単一の次元で振動する、項目34に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目39)
前記ハンドヘルドデバイスは、前記振動表面が前記骨領域に対して前記振動表面に係合するように、前記患者によって位置付けられるように構成される、項目23に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目40)
前記回路は、振動周波数の調節を可能にするように構成される、項目32に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目41)
前記ハンドヘルドデバイスは、手動周波数調節インターフェースを含む、項目40に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目42)
患者において涙液産生を刺激するための方法であって、
(a)眼瞼を後退させることと、
(b)涙液産生を刺激するように選択される周波数および変位において前記後退された眼瞼に対して振動表面を係合させることと
を含む方法。
(項目43)
リトラクタと圧縮部材との間で前記後退された眼瞼を圧縮することをさらに含む、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記後退された眼瞼に対して振動表面を係合させることは、前記リトラクタおよび前記圧縮部材のうちの少なくとも1つの上で少なくとも1つのトランスデューサを通電させることを含む、項目42に記載の方法。
(項目45)
前記少なくとも1つのトランスデューサは、20kHz~30MHzまたは3MHz~10MHzの範囲内の周波数において動作する超音波トランスデューサである、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記超音波振動は、前記眼瞼の表面が実質的に体温(38℃~40℃)に留まる一方で、内側眼瞼が42℃~48℃まで加熱されるように、前記眼瞼に浸透し、前記眼瞼の内側の組織面を加熱する、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記少なくとも1つのトランスデューサは、10Hz~1,000Hz、10Hz~500Hz、10Hz~400Hz、10Hz~300Hz、10Hz~200Hz、10Hz~100Hz、10Hz~50Hz、50Hz~1,000Hz、50Hz~500Hz、50Hz~400Hz、50Hz~300Hz、50Hz~200Hz、50Hz~100Hz、200Hz~1,000Hz、200Hz~500Hz、200Hz~400Hz、200Hz~300Hz、300Hz~1,000Hz、300Hz~500Hz、300Hz~400Hz、または400Hz~1,000Hzの範囲内の周波数において動作する、項目44に記載の方法。
(項目48)
患者において涙液産生を刺激するためのハンドヘルドデバイスであって、
眼瞼係合端およびハンドル端を有するリトラクタと、
前記リトラクタの眼瞼係合端上にあり、眼瞼が前記リトラクタの眼瞼係合端によって係合されるときに振動エネルギーを前記眼瞼の中へ送達するように構成される振動トランスデューサと
を備えるハンドヘルドデバイス。
(項目49)
少なくとも1つの超音波振動トランスデューサを備える、項目48に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目50)
前記超音波トランスデューサは、20kHz~30MHzまたは3MHz~10MHzの範囲内の周波数において動作する、項目49に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目51)
少なくとも1つの非超音波振動トランスデューサを備える、項目48に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目52)
前記非超音波トランスデューサは、10Hz~1,000Hz、10Hz~500Hz、10Hz~400Hz、10Hz~300Hz、10Hz~200Hz、10Hz~100Hz、10Hz~50Hz、50Hz~1,000Hz、50Hz~500Hz、50Hz~400Hz、50Hz~300Hz、50Hz~200Hz、50Hz~100Hz、200Hz~1,000Hz、200Hz~500Hz、200Hz~400Hz、200Hz~300Hz、300Hz~1,000Hz、300Hz~500Hz、300Hz~400Hz、または400Hz~1,000Hzの範囲内の周波数において動作する、項目48に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目53)
少なくとも1つの超音波振動トランスデューサと、少なくとも1つの非超音波振動トランスデューサとを備える、項目48に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目54)
前記少なくとも1つのトランスデューサを駆動するように構成される回路をさらに備える、項目48に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目55)
患者において涙液産生を刺激するための方法であって、
(a)眼瞼を後退させることと、
(b)前記患者におけるマイボーム腺を開放するように選択される周波数および変位において前記後退された眼瞼に対して振動表面を係合させることと
を含む方法。
(項目56)
前記眼瞼の温度を測定することをさらに含む、項目55に記載の方法。
(項目57)
前記振動表面が適用されている間に前記眼瞼を圧縮することをさらに含む、項目55に記載の方法。
(項目58)
前記眼瞼の内側部分に対して前記振動表面を設置することをさらに含む、項目55に記載の方法。
(項目59)
前記眼瞼の外側部分に対して前記振動表面を設置することをさらに含む、項目55に記載の方法。
(項目60)
患者において涙液産生を刺激するためのハンドヘルドデバイスであって、
眼瞼係合端およびハンドル端を有するリトラクタと、
遠位部材を有するプッシュロッドであって、前記プッシュロッドは、前記ハンドル端上で摺動し、前記リトラクタと前記遠位部材との間で患者の眼瞼を捕捉するように構成される、プッシュロッドと、
前記リトラクタの眼瞼係合端上にあり、前記眼瞼が前記リトラクタと前記遠位部材との間で捕捉されるときに、振動エネルギーを前記眼瞼の中へ送達するように構成される振動トランスデューサと
を備えるハンドヘルドデバイス。
(項目61)
前記プッシュロッドは、前記眼瞼を開くようにばね付勢され、前記眼瞼を閉じるように手動で前進される、項目60に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目62)
前記眼瞼に印加されている力を示すための力ゲージをさらに備える、項目61に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目63)
前記振動トランスデューサは、20KHz~30MHzの周波数において超音波を発生させ、前記眼瞼を加熱して閉塞導管内の濃縮を妨害する、項目60に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目64)
前記振動トランスデューサは、500kHz~3MHzの周波数において超音波を発生させ、前記眼瞼を加熱して閉塞導管内の濃縮を妨害する、項目60に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目65)
40℃~47℃の温度を維持するための制御システムをさらに備える、項目60に記載のハンドヘルドデバイス。
(参照による引用および優先条項)
本明細書で記述される全ての出版物、特許、および特許出願は、各個々の出版物、特許、または特許出願が、参照することによって組み込まれるように具体的かつ個別に示された場合と同一の程度に、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
本発明の新規の特徴は、添付の付記において詳細に記載される。本発明の特徴および利点のさらなる理解は、本発明の原理が利用される、例証的実施形態を記載する以下の発明を実施するための形態と、付随する図面とを参照することによって、得られるであろう。
【0109】
【
図1】
図1は、眼瞼に近接している超音波プローブを描写する。
【0110】
【
図2】
図2は、眼瞼の内側の超音波付属物を描写する。
【0111】
【0112】
【
図4】
図4は、眼瞼の内側のリトラクタを描写する。
【0113】
【
図5】
図5は、その上の加熱要素および制御ボックスを伴うリトラクタを描写する。
【0114】
【
図6】
図6は、超音波を用いて眼瞼を治療するための方法を描写する。
【0115】
【
図7】
図7は、ともに結合されたトランスデューサおよび超音波付属物の別の実施形態を描写する。
【0116】
【
図8】
図8は、超音波を眼組織に印加する同時超音波プローブを描写する。
【0117】
【
図9】
図9は、超音波要素が下眼瞼に接触する先端上に存在する、眼瞼用のリトラクタを描写する。
【0118】
【
図10】
図10は、治療用超音波に応答するコンタクトレンズを描写する。
【0119】
【
図11】
図11は、超音波プローブの端部におけるマルチ要素アレイを描写する。
【0120】
【
図12】
図12は、集束超音波エネルギーを眼の後部に送達するための超音波トランスデューサの設定を描写する。
【0121】
【
図13】
図13は、鼻の皮膚および骨構造を通した接触を介して、振動エネルギーを鼻腔の内側の鼻甲介および神経に送達するためのデバイスを描写する。
【0122】
【0123】
【
図15】
図15は、涙管生体構造の輪郭が描かれた、顔を通した冠状断面を描写する。
【0124】
【
図16】
図16は、超音波エネルギーを鼻腔の組織に印加するように適合される超音波トランスデューサを図示する。
【0125】
【
図17】
図17は、超音波デバイスと顔面の組織との間の界面を描写する。
【0126】
【0127】
【
図19】
図19および19A-21は、振動エネルギーを頭部および頸部に印加するように設計されるデバイスのエンドエフェクタの変形例を描写する。
【
図19A】
図19および19A-21は、振動エネルギーを頭部および頸部に印加するように設計されるデバイスのエンドエフェクタの変形例を描写する。
【
図20】
図19および19A-21は、振動エネルギーを頭部および頸部に印加するように設計されるデバイスのエンドエフェクタの変形例を描写する。
【
図21】
図19および19A-21は、振動エネルギーを頭部および頸部に印加するように設計されるデバイスのエンドエフェクタの変形例を描写する。
【0128】
【
図22】
図22-23は、集束超音波を網膜に印加するためのデバイスおよびデバイスのシミュレーションを描写する。
【
図23】
図22-23は、集束超音波を網膜に印加するためのデバイスおよびデバイスのシミュレーションを描写する。
【0129】
【
図24】
図24は、周波数対応答に関連する臨床データのグラフを描写する。
【0130】
【
図25】
図25は、圧力および熱を眼瞼に印加するためのハンドヘルドデバイスを描写する。
【0131】
【
図26】
図26は、エネルギーを眼瞼に印加するためのハンドヘルドデバイスの図を描写する。
【0132】
【
図27】
図27は、超音波を眼瞼に印加するためのハンドヘルドデバイスの接写を描写する。
【0133】
【
図28】
図28は、いくつかの形態のエネルギーを眼瞼に印加するためのハンドヘルドデバイスの分解図を描写する。
【0134】
【
図29】
図29は、デバイスが振動エネルギーを顔面上の神経誘起点に印加するためのアセンブリ概略図を描写する。
【0135】
【
図30】
図30は、鼻の中および周囲の骨ならびに軟組織構造を描写する。
【0136】
【
図31】
図31は、鼻の中および周囲の神経生体構造を描写する。
【0137】
【0138】
【0139】
【
図34】
図34は、ハンドヘルド涙刺激装置の実施形態を描写する。
【0140】
【
図35】
図35は、涙を生成するためのハンドヘルド神経刺激装置の拡張図を描写する。
【0141】
【
図36】
図36は、神経刺激装置デバイスの拡張図を描写する。
【0142】
【
図37】
図37は、別の神経刺激装置デバイスの拡張図を描写する。
【0143】
【
図38】
図38は、外部鼻神経刺激装置の別の実施形態を描写する。
【0144】
【0145】
【0146】
【
図41】
図41は、振動が鼻の外側面に印加される、実施形態である。
【0147】
【0148】
【
図43】
図43は、機械的振動を患者に両側に印加するデバイスを描写する。
【0149】
【0150】
【
図45】
図45は、患者において涙を生成するためのデバイスの内側機構を描写する。
【0151】
【
図46】
図46は、患者において涙を生成するためのデバイスの内側機構を描写する。
【0152】
【
図47】
図47は、患者の顔面の皮膚に印加される線形振動運動を発生させるデバイスを描写する。
【発明を実施するための形態】
【0153】
本明細書に含有される発明は全て、眼の前部および眼の後部の疾患を含む、眼の疾患を治療するために機械力を利用することに関連する。
【0154】
音および超音波ならびに振動は、本発明の説明では同義的に利用される。可聴周波数(20~20,000Hz)における機械的振動は、可聴音波を実際に伝送する場合とそうではない場合があるが、力を表面に伝送してもよく、音および超音波の広い定義に含まれる。振動または機械的振動は、最も広義の用語であり、圧力波が生成されるかどうかにかかわらず、全ての音または超音波を包含する。音は、単純に、媒体を通して圧力波を伝送し、次いで、処理されて「聞かれる」、機械的振動である。カテゴリとしての振動は、超音波および音、ならびに音をもたらさない場合がある機械的振動を包含する。例えば、機械的振動は、線形運動、平面運動、または3つ全ての軸における運動を伴って、プローブによって送達されてもよい。機械的振動の重要な側面は、運動および少なくとも数ヘルツ(Hz)の周波数である。(起動するモータ等の別の機構に偶然に生成される不要な振動とは対照的な)意図的な振動の基礎的機構は、別の媒体、例えば、ヒト対象の身体組織への伝達とともに、移動機構によって意図的に生成される往復運動である。振動の運動は、オフセットを生成するための歯車およびカムシャフトを伴うモータ、偏心モータ、線形共振アクチュエータ、ボイスコイル、ならびに圧電機構を含む、いくつかの異なる機構によって生成されることができる。この点に関して、機械的振動は、音よりも生成することが容易である。
【0155】
音波の周波数は、低周波数副可聴範囲から高周波数不可聴範囲内まで及んでもよい。本発明の1つのデバイスは、眼瞼の内側表面において超音波を優先的に反射し、熱が眼球に伝導しないように実質的に防止しながら、熱を眼瞼の内側部分に指向する。別のデバイスは、リトラクタを通して熱を印加しながら、眼の表面から眼瞼を引動するための眼瞼用のリトラクタである。1つの方法はさらに、腺の内側の生物活性材料または遺伝子送達分子と治療を組み合わせることによって、眼瞼内の腺の開放を増進する。他の実施形態では、治療用超音波は、血液網膜関門を開放し、大型分子を用いた遺伝子および薬物療法を可能にするために利用される。他の実施形態では、治療用超音波は、眼の前部分への変化を生成するために利用される。眼瞼を通過させられる超音波を利用して、熱が眼の眼瞼に安全に印加されることを可能にする、方法およびデバイスが説明される。1つのデバイスは、その表面において超音波を優先的に反射し、熱が眼球に接触しないように実質的に防止しながら、熱を眼瞼の内側部分に指向する。別のデバイスは、熱を印加しながら、眼の表面から眼瞼を後退させ、随意に、制御された量の圧力、超音波、および機械的振動を印加する。別のデバイスは、眼瞼を通してキャビテーティング超音波を印加し、眼瞼内の腺の開放を増進する。1つの方法はさらに、腺の内側の生物活性材料と治療を組み合わせることによって、眼瞼内の腺の開放を増進する。
【0156】
他のデバイスは、眼の中の涙の量を増加させることによって、ドライアイを治療する。これらのデバイスは、涙膜の質を改良するデバイスとともに相乗的に作用する。これらのデバイスは、鼻の皮膚を通して外部から印加される超音波または音もしくは機械的振動を用いて、蝶口蓋神経節(間接的もしくは直接)および/または顔面神経枝ならびに/もしくは篩骨神経を活性化することによって、涙を生成する。蝶口蓋神経節の直接刺激の実施例は、神経節自体の刺激を通したものである。蝶口蓋神経節の間接刺激の実施例は、感覚経路の活性化を通したものであり、それは、次いで、反射神経回路を介して蝶口蓋神経節に連通し、出力または涙を増加させる。別の実施形態は、頭部および頸部の皮膚に外部から印加され、皮膚の下の1つまたは複数の神経節を活性化する、音および/または超音波ならびに/もしくは振動を利用して、種々の障害を治療することができる。別の実施形態は、振動エネルギーを、鼻の内側の粘膜に、または眼瞼の内側の粘膜に印加し、ドライアイを治療する。
【0157】
網膜血管は、脳血管と連通し、脳血管へのアクセスはまた、網膜の血管へのアクセスも提供する。本発明の一実施形態によると、方法および装置が、蝶口蓋神経節(SPG)および/またはその外向副交感神経管ならびに/もしくは別の副交感神経中枢の刺激によって、血液脳関門を横断して治療分子の送達を増進するように、提供され、SPGの刺激は、いくつかの重要な血液脳関門効果を制御することが示されている(例えば、Levi et. al. Stimulation of the Sphenopalatine Ganglion Induces Reperfusion and Blood-brain Barrier Protection in the Photothrombotic Stroke Model; PLoS One 2012; 7 (6)を参照)。重要なこととして、本方法および装置は、外部デバイスを通してSPGを刺激し、神経回路網を通して生物学的に接続される、または皮膚を通した振動を用いて直接活性化され得る、鼻領域の皮膚の近くの神経を活性化する。本装置は、典型的には、直接または間接的にSPGの副交感神経線維を刺激し、それによって、中および前大脳動脈を拡張するように誘導し、また、これらの大脳動脈壁の壁を大型分子に対してより透過性にさせる。このようにして、血管内から脳組織への大型医薬品分子の移動は、実質的に増加される。好ましくは、したがって、本方法は、従来技術の技法によって要求される分子量を犠牲にすることなく、神経学的薬物送達促進物としての役割を果たすことができる。一般に、神経および精神障害に関して脳細胞を対象とした実質的に全ての薬学的治療は、本発明のこれらの実施形態と併用するために適していると考えられる。特に、これらの実施形態は、脳腫瘍、癲癇、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、統合失調症、鬱病、ストレス、不安神経症、および脳血流の変化によって、またはBBB透過性変化によって、直接もしくは間接的に影響を受ける任意の他のCNS障害等の障害の治療で使用するために適合されてもよい。
【0158】
他の実施形態では、SPGは、偏頭痛、群発頭痛、癲癇、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、統合失調症、鬱病、ストレス、不安神経症、強迫性障害、振戦、副鼻腔炎、血管運動神経性鼻炎、アレルギー性鼻炎、普通(ウイルス性)感冒、アレルギー性結膜炎、緑内障、口内乾燥(口渇)、および鼻ポリープのための急性治療として刺激される。
【0159】
鼻涙器は、涙液産生および排出の軌道構造を含有する、生理学系である。これは、涙腺、涙小管、および鼻腔と連通する鼻涙管から成る。涙器の神経分布は、内頸動脈の周囲の頸動脈神経叢を通した交感神経供給および脳幹内の顔面神経の涙腺核からの副交感神経的の両方を伴う。信号は、顔面の周囲の感覚(求心性神経)線維から脳幹内の唾液核の面積まで進行し、蝶口蓋神経節に戻るように進行し、末端神経線維にシナプス形成し、次いで、送出して涙腺に神経を分布させる、副交感神経線維を活性化する。
【0160】
一実施形態(
図1)では、振動または音もしくは超音波が患者の眼瞼100に直接印加される、デバイス110が提示される。印加された超音波は、低周波数範囲または高周波数範囲内であってもよく、典型的には、低周波数超音波は、約20,000Hzから始まり、より高い周波数超音波は、約500,000Hzから始まり、最大で100MHzにもなる。いくつかの実施形態では、可聴音はまた、エネルギーを眼瞼に送達することも可能であり、いくつかの用途に関して、好ましい。したがって、眼瞼に送達される音の範囲は、約50Hz~約100MHzである。いくつかの実施形態では、インターフェースの直接機械的移動が、涙液産生を刺激する。いくつかの実施形態では、異なる周波数が、単独で、または相互と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、それぞれ、独立して、または組み合わせて、より高い周波数が、撮像で使用され、より低い周波数が、治療に使用される。超音波は、デバイスによって内側眼瞼100に印加されることができ、超音波エネルギーは、内側眼瞼100を通して進行することができる。いくつかの実施形態では、振動が、電流を用いた刺激と組み合わせて利用される。
【0161】
超音波が眼瞼を通して進行すると、いくつかの実施形態では、超音波は、涙管およびマイボーム腺130(
図2-3)等の構造、具体的には、濃縮油を含有し得る、または別様に涙もしくは涙成分(例えば、油、脂質等)が眼の涙膜160の中へ排出されないように防止する物質135(
図3)で閉塞される、涙管を振動させる。一実施例では、治療される疾患は、ドライアイである。
【0162】
別の実施形態では、睫毛成長が、機械的振動を用いて刺激される。例えば、骨組織における以前のモデルでは、50kHzおよび1MHzにおいて送達される超音波が、プロスタグランジン放出を刺激することが示されている(Bone 2002 Jul31; 236-41)。プロスタグランジン放出は、睫毛成長を刺激するためのFDA承認作用物質である、医薬品ビマトプロストのための主要な作用機構と見なされている。したがって、一実施形態では、振動刺激が、プロスタグランジン合成を上方調整し、対象における睫毛の太さを増加させるために利用される。実際に、本明細書の実施形態のうちのいずれかは、医薬品と組み合わせられてもよい。
【0163】
デバイス110は、いくつかの実施形態では、上眼瞼または下眼瞼に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、超音波デバイスは、同時に両方の眼瞼に適用される。本明細書に説明されるように、デバイス110は、超音波、音を発生させる、または主に、より低い不可聴周波数(例えば、100~300Hz)におけるより高い振幅において振動してもよい。振動は、いくつかの実施形態では、プログラム可能な周波数、およびいくつかの実施形態では、プログラム可能な振幅を有する、デバイス110において起こってもよい。デバイス110は、いくつかの実施形態では、眼瞼の皮膚との接触が促進される(例えば、皮膚インターフェース)、湿潤可能(例えば、ヒドロゲル)端を有する。いくつかの実施形態では、シリコーンまたはゴム皮膚インターフェースが、使用される。いくつかの実施形態では、微小気泡または医薬品添加物が、濃縮物質の妨害を促進するように眼瞼に添加され、超音波は、腺および眼瞼の中への医薬品の分布を促進することができる。例えば、ステロイドまたは洗剤が、濃縮導管および印加される振動の分解を促進し、医薬品または化学剤の効果をさらに増進するように、腺の中に導入されることができる。
【0164】
図2は、内側眼瞼150、および導管を閉塞する材料135(
図3)を伴うマイボーム腺130を描写する。超音波、音、または振動は、材料135を加熱および/または振動させ、それを導管130(
図3)から除去するために使用されることができる。好ましくは、選定される超音波周波数は、導管および濃縮物質の界面において共振し、導管からの分泌物が眼に到達し、ドライアイを予防し得るように、導管内の物質を遊離させる、または加熱するものである。例えば、初期の研究は、100Hz~500Hz範囲内の音の周波数が、濃縮導管内の物質の分解につながるであろうことを示している。高周波数超音波エネルギー(例えば、1MHz~3MHz)と組み合わせられたとき、物質は、導管の閉塞解除の効率を改良するように加熱されることができる。いくつかの好ましい実施形態では、温度測定は、治療の安全性および有効性を促進するために利用され、摂氏40~48度の温度範囲が、好ましい温度である。温度は、サーミスタが、温度を測定するために利用され、次いで、制御回路を通したフィードバックが、事前規定範囲内で温度を維持するように電力出力を制御するために利用される、閉ループ制御を用いて制御されることができる。一実施形態では、超音波付属物170(
図2)が、眼瞼の内側部分を加熱し、眼を保護する超音波の能力を増補するために利用される。一実施形態では、付属物170は、付属物と眼瞼150の内側部分との間の界面の領域において超音波を反射する、界面を含有する。一実施形態では、本付属物は、ステンレス鋼または他の金属であり、熱が、角膜の表面においてではなく、腺との界面において発生されるように、超音波の良好な反射体である。付属物は、内側にガスを伴うバルーン等の超音波を反射する界面を伴う任意の材料であることができる。超音波は、界面において反射され、付属物の領域において生成される界面は、眼が保護されている間に眼瞼の内側部分に伝送される。加熱は、付属物170および眼瞼の界面において起こるであろう。付属物は、いくつかの実施形態では、特に、強膜から離れるように、眼瞼130の内側部分に超音波を反射することに熟達している、空気界面を含有する。別の実施形態では、付属物は、空洞形成する微小気泡を含有し、小型衝撃波を発生させて濃縮物質を遊離させることができる。
【0165】
一実施形態では、下眼瞼がリトラクタ500様デバイス(
図4-5)によって下方に後退される、方法が説明される。リトラクタ510は、本実施形態では、3つまたは4つの目的を果たし、第1は、眼球との接触を防止するように眼瞼を引き止めるためのリトラクタであり、第2は、圧力を生成するためのバックストップとして作用することであり得、第3は、音、超音波、および/または振動波560を眼瞼に同時に送達することであり得、第4は、超音波用の付属物520として作用することであり得る。本方法では、振動は、後退デバイス510を通して、次いで、眼瞼515を通して濃縮導管に送達されることができる。別の実施形態では、リトラクタは、その上に加熱および/または振動要素555を含有し、例えば、圧電デバイス560は、リトラクタ510(
図4-5)の内側部分のうちの1つに直接取り付けられることができる。本実施形態では、温度を測定する1つまたはそれを上回るサーミスタ555もまた、追加されることができ、制御ループが、温度を約40~45℃の間で一定に維持し、治療を促進すること、および安全性のための安全ゾーンを維持することの両方のために、利用されることができる。別の実施形態では、温度は、38℃~48℃の間で、または42℃~44℃のより狭い範囲内に維持される。いくつかの実施形態では、要素555は、デバイスのユーザが手動圧力を眼瞼に印加することを可能にする、柔軟材料である。例えば、要素555は、デバイスのオペレータによって押下される、ゲル、バルーン、または他の軟質かつ柔軟材料である。デバイス500は、ユーザがデバイスをある距離から快適に眼に適用することを可能にする、湾曲を伴うハンドル550を有する。
【0166】
別の実施形態では、冷却が、濃縮脂質のプロファイルを変化させ、次いで、位相の変化および除去を促進するために、採用される。例えば、濃縮脂質は、それが導管の中で後退し、圧力、振動、音、または超音波によって容易に分解されるように、冷却もしくは凍結されることができる。冷却要素555、560は、熱電気型冷却要素またはペルチェ効果冷却器であり得る。冷却は、音および超音波と組み合わせられてもよい。
【0167】
制御ボックス570は、温度を制御するため、ならびにユーザ促進パラメータ制御を可能にするためのソフトウェアおよびハードウェアまたはソフトウェア制御を含有する。例えば、温度574は、電源オンおよびオフ572、最大電力578、ならびにリトラクタ510上の1つまたはそれを上回る圧電要素576のアクティブ化のデューティサイクルによって、調節されることができる。リトラクタデバイス510は、それぞれが独立して、または同時に印加されるために、異なる制御を用いて、振動の低周波数および高周波数超音波の両方を組み込むことができる。例えば、一実施形態では、要素520が、1~30MHzにおける超音波を送達する一方で、振動周波数が、50~500Hzにおいてリトラクタに印加され、機械的振動および超音波は両方とも、相乗効果的に作用して、油を払拭し、濃縮腺を閉塞解除する。これらのモードは、それらの効果を増進するように電気刺激と組み合わせられてもよい。電気刺激は、好ましくは、眼瞼の内側に接触するデバイスの部分上の双極電極を用いて実施されるであろう。
【0168】
1つの好ましい実施形態では、デバイス500は、完全に内蔵型である。すなわち、電力供給源、超音波、および電子機器等は全て、ハンドヘルドデバイス内に含有され、個々の要素を制御するための別個または外部の制御ボックスが存在しない。超音波トランスデューサと皮膚または結膜との間の制御ループが、約40℃~46℃の一定範囲内で温度を維持するために利用される。
【0169】
1つの好ましい実施形態では、柔軟材料が、直接圧力を眼瞼の外側に印加するようにリトラクタの内側部分に対して押下され得るように、柔軟領域555が、リトラクタに追加される。柔軟領域は、熱および振動エネルギーが印加されている間に、リトラクタのユーザが機械的圧力を眼瞼に同時に印加することを可能にする。柔軟領域は、一実施形態では、保護膜の内側のシリコーンの形状をとる。別の実施形態では、柔軟領域は、流体または空気で充填可能なバルーンである。リトラクタの柔軟領域の目標は、エネルギーを用いた治療の前、間、または後に、眼瞼への約5~25psiの印加を可能にすることである。したがって、1つの好ましい実施形態では、リトラクタ510は、眼瞼の内側の導管の一掃を促進するための超音波、機械的振動、および機械的圧力要素を含有する。圧力は、好ましくは、デバイス500の好ましい実施形態では定量化される。
【0170】
図6は、超音波を眼瞼の内側部分に印加し、眼瞼の内側部分上の濃縮導管を一掃するための方法600を描写する。眼瞼は、最初に、手動で610、または提供されるデバイス620を用いて、後退される。リトラクタの別の部分が、次いで、眼瞼に対して圧力を生成するように、眼瞼の外側部分に適用される。超音波は、圧力を印加する外側デバイスを用いて、トランスデューサ620を介して眼瞼の内側に印加される。本実施形態では、超音波は、トランスデューサから内側眼瞼の導管に直接伝送される。随意に、医薬品または生物活性調合剤が、超音波効果を増進するように適用される630、または逆も同様である。随意に、弾性反跳機構が、超音波および熱印加中に眼瞼に印加される力または圧力を両方とも測定するように含まれる。時間、エネルギーレベル、音の周波数、およびデューティサイクルを含む、治療パラメータ640が、トランスデューサに適用される。トランスデューサは、次いで、電源をオンにされ650、エネルギーは、眼瞼に印加される。デバイスの別の実施形態では、超音波トランスデューサは、超音波が眼瞼を通して外側から内側まで進行するように、リトラクタ(例えば、
図26-27)の外側に設置される。治療の方法は、実質的に同一であるが、しかしながら、トランスデューサが眼瞼の外側皮膚に接触するとき、内側眼瞼に接触するリトラクタの内側部分の設計は、患者にとっての快適性およびシステムのユーザのための使いやすさの能力を最大限にするように、完全に自由にされる。
【0171】
別の実施形態では、眼瞼は、後退されず、デバイス620は、眼の内側または外側のいずれかである、眼に音響エネルギーを送達するように、眼瞼にわたって適用される。エネルギーは、眼瞼を通して眼の前房の中へ進行し、電力が十分であり、減衰が低ければ、網膜および眼の後部まで進行する。本方法とともにリトラクタを用いて治療可能な他の疾患は、結膜炎、細菌性結膜炎、緑内障、黄斑変性症、および翼状片を含む。例えば、一実施形態では、超音波プローブが、振動エネルギーを眼の前房に送達し、小柱を開放し、眼内液の流出の改善を可能にして圧力を低下させるように、眼にわたって適用される。実験は、20~400Hzの音波がより低い眼圧につながることを予測する。より高い周波数、例えば、1MHz~3MHzにおける超音波は、毛様体を加熱し、眼内液の産生を減少させるであろう。したがって、振動エネルギーの2つのエネルギーレベル(例えば、200Hzおよび3MHz)を組み合わせることは、相乗効果的に作用し、眼圧を改善するであろう。
【0172】
別の実施形態(
図7)では、絶縁体(眼を保護するための超音波の反射体)1010が、治療中に超音波1030を介したエネルギー送達を保護または促進するように、眼瞼1020の内側もしくは眼1000の上に設置される。例えば、デバイス付属物は、眼瞼の内側部分上または眼瞼上に設置される材料であり得、デバイス付属物1000は、超音波プローブ1030からの超音波のさらなる伝搬を防止し、眼瞼の内側部分への熱の送達を増進して、超音波および熱から眼の結膜ならびに強膜を保護する能力を保有する。
【0173】
一実施例では、デバイス付属物1010は、外側部分および内側部分から成り得、2つの部分は、ガスによって分離される。超音波は、空気を通して十分に進行せず、したがって、超音波は、デバイス付属物1010から反射され、したがって、超音波が眼に到達しないように効果的に阻止するが、熱を眼瞼の内側部分に指向するであろう。
【0174】
さらに、付属物内の内部反射点における界面は、超音波がデバイス付属物から、かつその内側で継続的に反射されると、加熱し始めるであろう。本治療の方法では、デバイス付属物は、眼瞼の内側表面に適用され、超音波1030は、眼瞼の外側部分に印加され、超音波は、次いで、眼瞼を通してマイボーム腺に伝送し、導管内の濃縮を分解する。
【0175】
図8に描写される別の実施形態では、超音波トランスデューサプローブ1220は、眼瞼1230の下にコンタクトレンズ1210を伴う眼瞼1230に超音波を印加して示されている。眼1200は、上記および下記で説明されるように、コンタクトレンズ1210ならびにコンタクトレンズ上の付加的超音波反射層によって保護される。
【0176】
図9に描写される別の実施形態では、超音波トランスデューサ1400および超音波付属物1500は、眼瞼1450の周囲に結合される。反射材料または材料1550の複合物がさらに、結合されたトランスデューサ超音波付属物の中に含まれることができる。先の実施形態のように、結合されたトランスデューサ付属物は、眼瞼1450を囲繞し、眼1600を保護する。
【0177】
別の実施形態では、コンタクトレンズ1100(
図10)が、眼に適用され、眼がレンズ1100にわたって閉鎖されている間に、超音波エネルギープローブ1110が、上および下眼瞼に適用される。レンズは、角膜を保護し、超音波エネルギーが、眼瞼から外へ濃縮を加熱および/または機械的に振動させるように眼瞼の内側部分に戻って後退されるように、生産されることができる。
【0178】
別の実施形態では、超音波1110は、医薬品を眼瞼に送達し、ドライアイ症候群を治療するために利用される。超音波は、細胞膜の中へのそれらの取り込みを増進することによって、多くの医薬品の送達を増進することができる。本方法において、一実施形態では、医薬品が、上または下眼瞼の内側眼瞼に適用され、続いて、超音波が、眼瞼への医薬品の送達を増進するように眼瞼に印加される。
【0179】
例えば、ステロイドまたは他の抗炎症薬剤、微小気泡調合剤、もしくは他の生物活性材料が、内側眼瞼に、リトラクタに、または眼瞼の内側に設置される超音波付属物に適用されることができる。生物活性材料はさらに、例えば、付属物から眼瞼の内側部分にゆっくりと溶出するように、超音波付属物の中に組み込まれ得、超音波はさらに、眼瞼内の腺と相互作用するその能力を増補する。別の実施形態では、抗炎症剤が、眼の眼瞼または表面に適用され、超音波が、眼表面上の上皮層の中への抗炎症剤の取り込みを増進するために利用される。
【0180】
いくつかの実施形態では、超音波は、眼の組織に改変を生じるために利用される。眼の組織は、眼瞼、眉毛、睫毛、マイボーム腺および涙腺を含む腺(例えば、眼内または周囲の涙腺)、強膜の任意の部分、虹彩、小柱網、毛様体突起、シュレム管、網膜ならびにその細胞の異なる層、脈絡膜、硝子体、水晶体、水晶体嚢、小帯、前房の房水、視神経、黄斑、窩、眼内のプロセスを刺激または阻害する神経(例えば、蝶口蓋神経節、涙腺神経、三叉神経節、顔面神経、篩骨神経)、および網膜静脈ならびに動脈および任意の分岐を含む、網膜血管を含むことができる。
【0181】
典型的超音波(例えば、画像診断)は、低強度であり、撮像に組織からの反射を利用する。電力が増加される場合には、集束または非集束治療用途が生じる。例えば、高強度集束超音波は、高度に限局性の加熱を生成し得、低強度焦点超音波は、組織再生を誘発し得ることが公知である。低強度および/または低周波数(例えば、20kHz~500kHz)集束超音波もまた、細胞膜を開放し、分子が細胞および組織の中へ輸送されることを可能にすることによって、薬物送達に使用されることもできる。眼組織に印加される低強度超音波は、網膜等の組織の治癒、および眼の任意の構造への薬物ならびに遺伝子送達を含む、いくつかの有益な臨床結果をもたらし得る。
【0182】
超音波は、要素の性質によって決定される周波数において圧力波を生成する、共振要素によって生成される。いくつかの用途では、単一の要素が、利用され、本要素の湾曲形状が、焦点において超音波を自然に集束させる。例えば、
図11の別の設計1120では、複数の要素1150、1155が、アレイから遠位の点1165における集束1145を可能にする、位相制御をそれぞれ伴って、ともにリンクされてもよい。位相制御に応じて、焦点は、移動されることができる(電子位相整合)。いくつかの実施形態では、集束超音波は、眼の中の構造を同時に撮像し、座標を治療用超音波デバイスに伝送して治療を指向する、撮像デバイスに結合される。いくつかの実施形態では、超音波は、集束されていない、または軽度に集束された状態にある。
【0183】
図8を参照すると、一対の超音波トランスデューサ1220が、眼の上の2つの異なる物理的位置に描写される。典型的には、超音波は、眼が閉じられた状態で印加されるであろうが、いくつかの実施形態では、超音波は、結膜に接触する超音波プローブを用いて、眼が開いている状態で印加される。トランスデューサはそれぞれ、異なる角度から眼1200の中へ指向される。本実施形態では、一対のトランスデューサが、描写されているが、本システムは、用途に応じて、単一のトランスデューサ、または2つを上回るトランスデューサを含んでもよい。
【0184】
いくつかの実施形態では、水晶体が加熱および機械力に対して非常に敏感であり得るため、最小限の超音波エネルギーが水晶体に到達する、または全く到達しないように、トランスデューサが水晶体を回避するように角度を付けられることが好ましい。本実施形態では、超音波ビームは、水晶体の後方の位置において重複する。正確な位置は、エネルギーレベル、周波数、および超音波の具体的用途に依存する。いくつかの実施形態では、トランスデューサが水晶体からオフセットされる別の理由は、例えば、OCTが超音波または光学眼科撮像法(例えば、スリットランプを使用する)に結合する場合等に、眼の中心視覚経路が、眼内構造の撮像に利用され得ることである。
【0185】
トランスデューサ1220はそれぞれ、用途に応じて、10kHz~2MHzの超音波の周波数を生成することができる。いくつかの実施形態では、「超音波」が、使用されず、「音」または「振動」が、10Hz~10kHzに及ぶ周波数と併用される。本実施形態では、振幅および周波数が、規定される。トランスデューサはそれぞれ、眼の強膜または皮膚のための膜もしくは他の音響結合インターフェースを有することができる。膜115は、強膜表面を擦過または損傷しないように、ヒドロゲルもしくは類似材料から成ることができる。超音波アプリケータが眼瞼に適用される実施形態では、次いで、膜が要求されず、超音波プローブインターフェースのための典型的皮膚方法および材料が、利用されることができる。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、パッチまたは別様に患者の皮膚に取り付けられ得るデバイスに構成される。
【0186】
一実施形態では、超音波トランスデューサ1220は、眼の表面上に設置され、集束超音波を網膜に送達するように相互に結合される。超音波トランスデューサをともに結合することによって、それらはそれぞれ、サイズをより小さくされることができる。本配列は、複数の要素を有することと同等であるが、複数の要素は、水晶体等の敏感な構造を回避するように空間内で分離している。トランスデューサ1220は、光学結合もしくは電磁結合を使用して、結合されることができる、またはそれらは、空間内で機械的もしくは物理的に相互に結合されることができる。
【0187】
いくつかの実施形態では、単一の超音波トランスデューサが、水晶体(毛様体扁平部)に対してある角度で指向されるか、または角膜および水晶体を通して眼の後部まで直線に指向されるかのいずれかで、使用されることができる。本実施形態では、目的は、網膜または硝子体が広い超音波場に暴露されるように、超音波を軽度に集束させる、または超音波を全く集束させないことであってもよい。
【0188】
いくつかの実施形態では、単一のトランスデューサが使用されるとき、超音波は、集束されないか、または軽度に集束されるか、もしくは全く集束されないかのいずれかである。超音波が軽度に集束される、または集束されない、実施形態では、集束超音波は、中心の周囲の-6dB半径が、2mm、4mm、6mm、または1cm以内である、最大値を有することができる。集束されていない場合、超音波焦点は、無限まで延在し、治療は、広い超音波場を介して起こる。
【0189】
いくつかの実施形態では、超音波は、線維性または無血管ゾーンもしくは病変を弛緩または分解し、薬物送達、治癒、もしくは両方を助長するように、眼の後区に印加される。これらの病変への薬物送達は、ステロイド、抗血管新生因子、または成長刺激剤、および同等物を含み得る。遺伝子産生ベクターもまた、このように、眼の後部に導入されてもよい。後区への超音波は、所望の強度ならびに用途および/または場所の特異性に応じて、集束される、軽度に集束される、もしくは集束されなくてもよい。いくつかの実施形態では、超音波は、やがて乾燥AMDまたは湿潤AMDを引き起こし得る、網膜内の石灰化病変である、ドルーゼンにおいて標的化される。
【0190】
「飛蚊症」は、眼の後房内の硝子体部分の中の粒子状物質であり、それらは、典型的には、溢れ出して視覚歪曲を引き起こす、血栓、凝固コラーゲン、または他の残渣から成る。いくつかの実施形態では、非集束超音波が、本残渣を分解し、視覚を改善するために利用されることができる。本用途では、超音波プローブは、硝子体と飛蚊症との間の界面を利用するように、(例えば、10Hz~800kHz範囲内の)周波数または(100kHz~1MHz)範囲における非集束超音波の連続もしくはパルス波を印加するように構成される。いくつかの実施形態では、硝子体は、ゲルであり、この場合、粘性ゲルは、後部硝子体内でさらなる自由流を可能にするように分解または液化されることができる。
【0191】
血栓は、体内の任意の血管の中で形成し得る場合と同様に、網膜静脈または動脈内に形成し得る。いくつかの実施形態では、集束または非集束超音波が、単独で、または血栓溶解剤と組み合わせて、もしくは血栓溶解剤を伴わずに独力で、これらの血栓を分解するために使用される。いくつかの実施形態では、超音波感受性微小気泡が、静脈内で患者に、かつ循環を介して眼に送達され、超音波が、網膜閉塞に向かって、集束または非集束様式のいずれかで網膜に印加される。短いバーストが、いくつかの実施形態では送達され、より長いパルスが、他の実施形態では送達される。いくつかの実施形態では、眼を通した所望の浸透に応じて、1MHz超音波が、利用され、他の実施形態では、最大30MHzの範囲が、利用される。
【0192】
別の実施形態では、部分後部硝子体剥離が、集束または非集束超音波を使用して完了されることができる。後部空洞の硝子体は、典型的には、網膜に繋がれる。しかしながら、年齢とともに、硝子体は、分離し始める。それが部分的にのみ剥離されるとき、網膜の黄斑または他の部分上に牽引力を生成し、網膜から膜を解放する必要性および手技の両方が存在する。しかしながら、これらは、それらの侵襲性により、危険な手技である。超音波は、非侵襲的に送達されることができる。黄斑円孔または網膜剥離が、次いで、形成し得る。したがって、硝子体は、完全に剥離されるか、または網膜に完全に取り付けられるかのいずれかとなるべきである。現在利用可能な治療は、部分剥離を化学的に妨害して完全剥離を生成し、網膜への応力または硝子体切除術(後部硝子体の除去および類似液体による置換)を緩和する、酵素を用いた治療を含む。歪曲を緩和するための非侵襲性技術の使用が、おそらく好ましく、液化または硝子体切除術の標準治療モダリティよりも効果的であり得る。そのような非侵襲性技術はまた、反復治療にも適している。一実施形態では、非集束超音波は、眼瞼を通して、または顔面の骨組織を介した伝導を通して、眼に印加される。
【0193】
図12は、眼100内の深部構造への超音波を発生させる、システム300を描写する。超音波トランスデューサ312、322は、超音波エネルギー18、35、311、313を、眼の構造、例えば、強膜17、角膜の表面14、16、虹彩24、および目尻26に送達するように構成される。1つまたはそれを上回る電力増幅器306、310、302は、超音波トランスデューサを駆動し、計算された治療エネルギーを眼に送達する。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ322は、同一のトランスデューサ上の他の超音波要素または別のトランスデューサ312上の要素から超音波を指向する、撮像デバイスとしての役割を果たしてもよい。CPU308は、治療を指向する。プロセッサ304は、種々の構成要素からの信号を統合し、眼のための治療計画を作成する。治療領域318は、網膜上に示されているが、実際には、眼の中のいずれの場所にもあることができる。例えば、治療は、視神経、強膜、虹彩、瞳孔、水晶体、小柱網、角膜、水晶体嚢、結膜、眼瞼、マイボーム腺、睫毛、眼窩骨、網膜動脈および静脈等の血管等に適用されることができる。治療領域318は、異なる方向から眼の中へ印加されている集束超音波に起因し得る、または単一の伝搬超音波に起因し得る。治療領域は、眼の前部を横断する垂直線32と、例えば、反射を通して、外部治療を指向するために使用され得る、その垂直線28とによって、画定される。
【0194】
治療線30は、直接、眼の中心までの線、または眼の中心19からわずかに外れた線であり、治療のための参照点としての役割を果たすことができる。いくつかの実施形態では、超音波は、眼の本中心線に沿って網膜まで、またはそれと平行な線に沿って送達され、dは、中心線からのオフセットを表す。いくつかの実施形態では、角度シータ21が、治療トランスデューサ312、322の位置および配向を誘導するために使用される。角度シータは、眼の中心線に対する角度を表す。眼の中心線が既知であり、眼の前部から後部までの距離が既知である場合には、角度は、強膜に沿った位置を決定し、超音波エネルギーを網膜領域に送達する。
【0195】
別の実施形態では、超音波は、電離放射線を用いた網膜の治療を増進するように、電離放射線療法と同時に、または連続して、眼に印加される。
【0196】
別の実施形態では、眼用の追跡システムが、超音波を用いた治療に利用される。追跡システムでは、基準は、システムによって利用されない。眼球の3次元画像が、利用され、画像は、3次元座標参照フレームの中へ眼全体を設置するために利用される。別の実施形態では、網膜の2次元Bモード画像が、追跡に利用される。例えば、網膜超音波画像上のスペックルが、網膜の移動を追跡し、治療用超音波を用いた治療のための網膜上の場所を更新するために、使用されることができる。
【0197】
別の実施形態では、微小孔が、集束超音波を使用して生成される。微小孔は、網膜に印加されている具体的エネルギー強度に起因する。研究は、血液網膜および網膜硝子体関門が、集束超音波を使用して過渡的に中断され得ることを示唆する。本中断は、薬物送達の増進を可能にするために利用されることができる。別の実施形態では、超音波の刺激効果が、医薬品または遺伝子送達ベクターの送達を増進するために利用される。一実施例では、遺伝子送達エマルションの網膜下注射が網膜に送達されるとき、超音波が、注射後の送達を増進するために利用される。
【0198】
別の実施形態では、気泡または微小球が、薬物および遺伝子送達のために網膜に細孔を開放するために使用される。微小気泡は、細胞を過渡的に開放して領域への生物活性剤の送達を増進し得る、小キャビテーション領域を生成する。
【0199】
超音波を眼の構造に送達するためのシステムの別の実施形態では、両眼を被覆し、患者の網膜に向けられた超音波トランスデューサを含有する、アイマスクの形態の治療デバイスが、利用される。マスクは、眼に指向された一連の超音波トランスデューサを有する。トランスデューサは、水晶体に対する角度21において超音波エネルギーを送達するように、リング状でマスクの周囲に、またはマスクの縁上に配列されてもよい。マスクは、眼毎に単一のトランスデューサ、または眼あたり複数のトランスデューサを含有してもよい。各トランスデューサのサイズは、1ミリメートル(mm)未満、または1mmを上回って最大1cmであり得る。トランスデューサをオンおよびオフにする電子制御回路は、トランスデューサのうちの1つまたはそれを上回るものへの電力を交互に入れ替え、所与の時間に各トランスデューサから退出する電力を最大限にするように、高い電力が交互様式でトランスデューサのそれぞれに送達されることを可能にし得る。
【0200】
別の実施形態では、超音波は、眼の中の涙腺による涙液産生を刺激するために使用される。例えば、超音波1030は、涙腺を刺激して涙を分布するように、眼瞼の上方の結膜領域(
図7)に印加される。超音波プローブ1030は、それを通して超音波が涙腺に印加される、眼瞼に適用される。非集束超音波は、眼瞼を通して涙腺を刺激するために利用される。超音波が涙腺と相互作用する点における超音波のエネルギーレベルは、音声周波数50kHz~30MHzにおいて1mW/cm
2~10W/cm
2である。ある事例では、超音波は、集束され、他の事例では、超音波は、集束されていない。プローブは、涙腺の領域中の眼瞼上で保持される棒の形態である。超音波が印加されるとき、超音波の刺激効果は、涙管を刺激して涙を放出する。いくつかの実施形態では、音波が、超音波の代わりに使用される。(例えば、50~300Hzにおける)振動音波は、骨に浸透し、神経を活性化することによって正常な組織を刺激することができる。
【0201】
また、より低い周波数の(音ではない)振動が、涙液産生を刺激し得ることも決定されている。例えば、100Hzまたは300Hzおよび最大で1KHzの周波数における振動は、前篩骨神経、蝶口蓋神経節、涙腺神経、顔面神経、および侵襲性方法のみによって別様にアクセス可能なより多くの内部神経ならびに神経節を刺激することができる。例えば、涙腺神経、または蝶口蓋神経節、篩骨神経、翼突管神経、および眼窩下神経等の涙腺神経の近位にある神経は、皮膚ならびに骨を通した振動エネルギーの印加を通して直接、刺激されることができる。エネルギーは、皮膚を通して進行し、骨に衝合し、その時点で、骨は、共振して神経の刺激を生成する。したがって、一実施形態では、プローブ1030が、上眼瞼に適用され、プローブは、振動エネルギーを涙腺に送達し、即時涙液産生を誘発する。
【0202】
別の実施形態では、超音波トランスデューサは、超音波を眼の後部または前部に伝送するように、顔面の骨領域に、好ましい実施形態では、眼窩領域上に適用される。超音波は、骨を通した伝導によって、骨を横断して網膜領域に伝送される。したがって、本方法では、振動が、眼窩の骨構造の振動および網膜への結果として生じた共振伝送を介して、網膜を刺激するために利用される。
【0203】
別の実施形態では、超音波は、中耳炎において耳管からの感染の流出を促進するように、顔面の皮膚表面に印加される。本実施例では、骨の共振は、耳管の内側の感染流体を撹拌し、その排出を支援する。別の実施形態では、本デバイスは、例えば、航空機の旅行中、スキューバダイビング中、または副鼻腔炎もしくは風邪の場合に、耳管内で一様な圧力を維持するために利用される。
【0204】
図13は、皮膚を通して神経および神経節まで経皮的に涙腺または他の神経もしくは神経節を刺激するためのデバイスの実施形態を描写する。領域2012、2014、および2010は、顔面骨の振動を介して最大量の神経刺激を生成し、これは、ひいては、蝶口蓋神経節、涙腺神経、外鼻神経、滑車下神経、滑車上神経、眼窩下神経、眼窩上神経等の神経を刺激することが、実験的に示されている。例えば、領域2012は、約100Hz~300Hz振動における直接皮膚振動に暴露されると、単一の側面のみが刺激されるときに、両側に多量の両側涙形成を生成する。いくつかの実施形態では、約50Hz~約500Hzからの振動が、顔面の骨を刺激し、ひいては、涙液産生を刺激する振動を神経に伝送するために利用される。治療は、骨の振動が最大限であり、神経の最大量の機械的移動および後続の刺激に起因して、最大限に神経に影響を及ぼすように、骨の共振周波数において最良に功を奏する。骨の共振周波数は、ある程度、患者あたり個人化される。本周波数は、実験的に決定されており、続いて、約100~300Hzの範囲内であることが証明されている。
【0205】
領域2014(
図13)は、下眼瞼(内側および外側眼瞼)、鼻涙管に沿った眼の内眼角を含む。これらの領域に沿った外部刺激は、いくつかの実施形態では、骨共振を通して神経を刺激し、いくつかの実施形態では、下眼瞼領域中の腺を直接刺激する。
【0206】
図14は、振動が
図13の好ましい外部場所2012を通して印加されるときに、皮膚から涙腺までの振動の伝達に関与する神経経路を描写する。神経節2520は、眼窩に進み、眼窩の上部分の中の主要涙腺を刺激する、涙腺神経2550に神経を突出させる。骨2530は、涙腺神経2550に、かつ蝶口蓋神経節を介して上顎洞2500の周囲に振動を伝送する。蝶口蓋神経節2520は、粘膜によって被覆され、外部鼻通路2510を通して経鼻的にアクセス可能である鼻甲介の間に位置する。外鼻神経は、三叉神経の眼枝の末端枝であり、鼻骨および前外側鼻軟骨の接合点における鼻骨の下からのその退出に対して圧縮されると、振動を用いて直接刺激される。別の実施形態では、超音波または音生成プローブが、外部鼻通路2510を通して導入され、直接刺激を通して、もしくは鼻涙反射を介して涙液産生を刺激するように、蝶口蓋神経節2520に近接する粘膜に適用される。別の実施形態では、約100~300Hzにおける振動を伴う振動プローブが、蝶口蓋神経節および/または鼻腔の内部の内前篩骨神経を直接刺激するように、鼻腔の中に挿入される。別の実施形態では、外鼻神経の電気刺激は、脳橋内の涙腺核、続いて、蝶口蓋神経節内にシナプス形成し、次いで、涙腺神経を刺激して涙を産生する、上顎神経内の神経節前線維を活性化することによって、流涙を遂行する。
【0207】
一実施形態では、経皮的に音または超音波エネルギーの印加を通して神経経路を刺激するための方法が、説明される。アプリケータが、患者の顔面に配置され、アプリケータは、約50Hz~約50kHzの振動を発生させることが可能な1つまたはそれを上回る振動要素を備える。振動は、皮膚の下の神経に近い領域に、または皮膚の近くに位置する神経領域を伴う骨構造を介して連通する骨隆起を伴う領域に、印加される。例えば、領域2010、2012(
図13)、または2014(
図13、15)に配置されるアプリケータ2000は、振動エネルギーを涙腺に伝達し、涙を産生するであろう。共振周波数は、振動の正確な場所および方向のように、個人毎に異なる。一実施形態では、個々の共振周波数が、決定され、デバイスは、個人毎に本周波数に調節される。デバイスと患者の皮膚との間の界面は、同様に、振動が刺激される頭部および頸部領域中の神経に伝送されるように調節可能である。例えば、涙腺に神経を分布させる副交感神経は、上顎骨内で、かつ蝶口蓋窩内で上顎骨の近くに位置する蝶口蓋神経節を通して進行する。上顎骨の共振周波数において、神経節が刺激され、涙が産生され得ることが発見されている。共振周波数は、材料、振動周波数、および振幅の組み合わせを通して達成される。例えば、約0.5~5mmの振幅および50Hz~400Hzの周波数を伴って5mm
2~20mm
2の表面積にわたって振動する、ショアA40~ショアA60のデュロメータを伴う材料は、多量の涙をもたらす。上向きの指向性で、鼻骨が軟骨に衝合する、鼻骨にほぼ沿った場所において、涙は、不快感またはくしゃみもしくは他の鼻の症状を伴わずに産生されることができる。表面積にわたって印加される合力は、いくつかの実施形態では、約1N(ニュートン)である。他の実施形態では、合力は、約0.5N~約2Nである。他の実施形態では、力は、約0.25N~約4Nである。
【0208】
図30は、顔面の骨生体構造を描写する。
図31は、顔面の神経生体構造を描写する。
図31では、上外側軟骨が鼻骨に衝合する点において、鼻骨を貫通する前篩骨神経の外枝が描写されている。本場所は、鼻中隔軟骨の外側突起が鼻骨(
図30)に衝合する場所であり、
図16の2012である。これは、実験を通して、機械的振動が、約0.5mm~1.5mmの振動振幅および/または約0.5~1.5Nの力を伴って50~300の周波数において印加されるときに、涙を産生することが発見されている、皮膚上に位置する場所である。
【0209】
さらに、機械的振動を用いた滑車下および眼窩下神経の直接刺激も流涙を誘発することが発見されている。
【0210】
機械的振動はまた、鼻の内側の粘膜表面との直接接触によって流涙を刺激することもできる。
【0211】
図31は、皮膚の下の本領域の神経生体構造を描写する。鼻毛様体神経の直接継続である、前篩骨神経は、2つの分岐に分割し、鼻粘膜に供給する鼻腔に進入するにつれて、内側および外側の鼻粘膜に供給する。鼻毛様体神経は、鼻骨の尾部領域に継続し、外鼻神経として正中線から6.5mm~8.5mmに出現する(Prendergast in Shaiiman, MA and Giuseppe AD Advanced Aesthetic Rhinoplasty. Springer-Verlag 2013)。眼窩下神経5010は、骨から退出し、下眼瞼の約1~2cm下方の皮膚の中へ進行する。外鼻神経は、50~300Hzにおける振動が印加されるときに流涙を誘発することが決定されている。本領域中の外鼻神経の電気刺激(双極または単極)もまた、流涙を誘発するために利用されることができる。
【0212】
流涙のための詳しく説明された経路は、(鼻の内側でアクセス可能な)前篩骨神経の求心性神経線維の刺激が、視神経を通して脳幹内の唾液核まで進行し(Dart, DA Prog Retin Eye Disease 2009; May 28 (3): 155-177)、次いで、副交感神経信号が、蝶口蓋神経節内の三叉神経シナプスの上顎枝を介して進行して涙腺神経を分布させ、涙腺を刺激する、鼻涙反射と呼ばれる。副交感神経線維は、概して、涙腺を刺激し、また、マイボーム腺に部分的に神経を分布させる。
【0213】
本明細書に記載される具体的説明に加えて、広範な実験を通して、外鼻神経の刺激が流涙を達成することが発見されている。上記で説明されるように、外鼻神経5020は、鼻軟骨5240および鼻骨5210の接合点における開口部5270を通して皮膚の層の深部に退出する。これは、電気刺激によってアクセス可能ではない。本明細書に説明されるように、ある振動パラメータは、鼻涙反射に類似する流涙の刺激をもたらす。
【0214】
Han et. al(Plast Reconstr Surg 114: 1055, 2004)は、死体標本において外鼻神経の生体構造を特性評価した。外鼻神経は、三叉神経の眼枝から生じる鼻毛様体神経の継続である。鼻の内側部分から鼻の外側部分へのその退出に先立って、これは、鼻の内側部分への2つの分岐を出す。外部鼻枝は、鼻毛様体神経の末端神経である。(鼻骨の切り欠きを通して)鼻骨と上外側軟骨との間の鼻の内側部分から退出した後、外鼻神経は、線維脂肪組織に入り込み、最終的に、遠位鼻の皮膚および脂肪組織に分岐ならびに供給する。退出は、一貫して、鼻の幅から独立した鼻正中線の6.5~8.5mm外側であった。識別された3つの分岐パターンが存在した。第1は、鼻骨から退出する単一の神経であった。第2のパターンは、鼻骨からの退出に応じた神経の分割であり、第3のパターンは、鼻の遠位領域の軟骨に近い鼻骨からの出口の遠位にある神経の分割であった。本研究における神経サイズは、一貫して、0.3mm~0.4mm直径であった。
【0215】
したがって、一実施形態では、デバイスは、上外側軟骨が鼻骨に衝合する領域において鼻正中線の約6.5~8.5mm外側に設置される。本デバイスは、一方向に、または両側に、もしくは一方向に、次いで、連続的に、両側治療のために対側に設置される。本デバイスは、100~300Hzの周波数において鼻の上の1~2mm2の面積にわたって力を印加する。いくつかの実施形態では、約0.5~約2.0ニュートン(N)の力が、鼻骨から退出するにつれて外鼻神経に印加される。他の実施形態では、約2~約5Nの力が、外鼻神経を活性化するように鼻に印加される。
【0216】
図15の別の実施形態では、鼻涙管が、標的である。内部でその長さに沿った本導管の刺激は、涙液産生の刺激につながることが臨床業務において見出されている。本機構は、鼻涙反射の直接刺激であると考えられる。本発明では、それを通して導管が進行する骨(例えば、鼻骨)の領域中で、外部から皮膚を通した100~500Hzにおける振動もまた、本反射を刺激することが、さらに発見されている。外鼻神経と同様に、電気刺激は、本生体構造を通した反射の刺激において効果がないことが見出されている。
【0217】
患者の顔面とのエフェクタインターフェースは、手技の安全性および耐用性を助長するためのエネルギー伝送の非常に重要な構成要素である。実験を通して、最適なデュロメータは、ショア40A(消しゴム)~ショア80A(革)の間のいずれかである。ショア60Aは、車のタイヤトレッドについてであり、ショア70Aは、ランニングシューズの靴底である。硬質すぎるインターフェースを用いると、皮膚が擦りむかれ、軟質すぎるインターフェースを用いると、神経が効果的に刺激されない。
【0218】
50Hz~約300Hzにおける非集束振動は、過剰刺激による鼻炎様症状の阻害および/または神経調節を介した鼻閉、偏頭痛、ナルコレプシー、口渇、ドライアイ、ならびに眼圧の上昇からの緩和につながる、蝶口蓋神経節、涙腺神経、外鼻神経、滑車下神経、眼窩下神経、眼窩上神経、または内鼻神経の一般的活性化につながることが決定されている。集束または指向振動は、振動波が、鼻口蓋神経節、外鼻神経、または眼瞼、もしくは涙腺神経に向けたプローブの位置付けを介して、皮膚および骨に指向される、音であれば、流涙等の具体的経路を引き起こすことにより効果的であることが決定されている。
【0219】
図16は、振動を鼻の側面および/または涙河に印加し、鼻の皮膚上へと鼻骨から退出するにつれて外鼻神経を活性化することによって、涙河を活性化するために使用可能なデバイスを描写する。1mm偏位および1~4Nの力を伴う100~300Hzにおける振動エネルギーは、エネルギーが十分に剛性の生体適合性材料を伴う領域に印加されるときに外鼻神経を刺激する。
【0220】
別の好ましい実施形態では、振動は、下眼瞼内の副涙腺およびマイボーム腺のそれぞれを囲繞する小筋肉を刺激することによって、涙を直接刺激するように、眼瞼の結膜領域に直接印加される。
【0221】
一実施形態では、デバイス2000のエンドエフェクタは、涙腺2100に直接、または内側眼瞼の粘膜に印加される。デバイス2000は、一実施形態では、涙を生成する、マイボーム腺を刺激する等のために、眼瞼が後退されている間に内側眼瞼に沿って延設されるように構成される。一実施形態では、デバイス2000は、軟骨および鼻骨が、外鼻神経が鼻骨から退出する領域において患者の鼻の側面に沿って衝合する、鼻軟骨が鼻骨(別名鼻翼)2012に衝合する領域中で、鼻の皮膚に対して押下される。
【0222】
したがって、一実施形態では、振動デバイスは、約50~300Hzにおいて移動するエンドエフェクタを適用して、内側眼瞼の皮膚/粘膜に適用され、エンドエフェクタは、0.5~2Nの力を伴う偏位において約250ミクロン~2mm移動し、エンドエフェクタは、約60A~100Aのデュロメータを伴う生体適合性材料と、約1mm2~5mm2の面積にわたって力を皮膚に印加する先端とを有する。パルス周波数(オン・オフ)は、効果を増進することができる。例えば、振動は、基礎振幅を上回るピーク振幅とともに、50%デューティサイクルまたは25%デューティサイクルを伴って印加されることができる。
【0223】
図17は、皮膚から骨を通した、顔面の骨の下に位置する神経までの超音波伝送の構造詳細を描写する。デバイス2002のエンドエフェクタ2004は、皮膚2050と連通し、そこから、振動は、皮膚2050を通して骨2052まで、かつその下の粘液層2054まで進行する。骨から、振動は、蝶口蓋神経節、眼窩下神経、眼窩神経、顔面神経、三叉神経、篩骨神経、および最終的に涙腺神経等の顔面の他の領域中の神経に伝送されることができる。
【0224】
骨を通した粘液層の直接刺激はまた、神経へのその効果に加えて、副鼻腔疾患の直接治療も遂行するであろう。粘膜層の振動および/または超音波刺激は、流出経路の詰まりを除去し、圧力を均等化することによって、鼻詰まりに直接影響を及ぼすであろう。
【0225】
図18は、頭蓋2150および顔面骨の内側に存在する神経音響伝導を介して神経経路と連通し得る、骨経路のうちのいくつかを描写する。上顎洞および骨2170は、蝶口蓋神経節および最終的には涙腺神経ならびに腺への振動エネルギーの伝送のための主要経路である。甲介2195は、部分的に鼻腔の中へ突出する上顎骨の襞である。甲介は、嗅球ならびに蝶口蓋神経節を保護するが、音の伝送においても役割を果たす。上顎骨およびその甲介は、頬骨2190と連通する。下顎骨2180は、顔面領域の神経の刺激のためのあまり直接的ではないが付加的な経路を表す。好ましい実施形態では、これらの骨のための共振周波数は、振動エネルギーを骨内または下方の神経に伝送し、眼の中で涙を発生させること、群発頭痛、偏頭痛、発作、鼻炎、および鼻閉を止めること等の臨床目的を達成するために、利用される。
【0226】
図19-21は、顔面領域の神経、具体的には、外鼻神経を刺激するように、それを通して振動エネルギーが経皮的に送達される、デバイス2000の種々のエンドエフェクタ2004(
図17)を描写する。
【0227】
図19は、直径が約5mmであり、2cmよりも長い、エフェクタを描写する。先端は、エネルギーを骨およびその下の神経に結合するように、鼻の側面に沿った皮膚に対して押下され得るように、比較的平坦かつ軟質である。先端2200は、その端部において丸く、皮膚との結合を促進するように、親水性物質またはヒドロゲル、もしくはより堅固でより硬質の材料から生産されてもよい。先端の一部は、振動エネルギーが皮膚に、かつそれを通して伝送される際に優先的方向を有するように、別の部分よりも堅固かつ剛性である。
【0228】
図19aは、先端の組織係合端を包囲し、皮膚の中へ振動エネルギーを伝達する先端の能力をさらに増進する、随意のリング2202または拘束構造を描写する。
【0229】
図20は、皮膚を通して骨に、かつその下の神経にエネルギーを伝送するためのエンドエフェクタの別の実施形態を描写する。本実施例では、エンドエフェクタは、振動エネルギーを神経に伝送する皮膚領域に適用され得る、細い可撓性縮径部2212を伴う小型パドルの形態である。本実施形態は、ユーザが可変圧力を皮膚に印加し、皮膚および骨を通した神経への振動を変調させることを可能にする。
【0230】
図21は、エンドエフェクタの別の実施形態である。本実施例では、エンドエフェクタ2222は、ヒドロゲルまたは他の滑りやすい材料から作製される外側層2220を伴って、軟質かつ柔軟である。エンドエフェクタが皮膚に対して押下され得るように、バッキング層が、滑りやすい材料の外側に配置される。エンドエフェクタは、厚さ1~5mmの縁を有してもよく、端部(縁半径)は、剛性であるため、鼻軟骨が骨に衝合する、鼻の側面上の隆起の中に押下されてもよい。端部は、いくつかの実施形態では、0.5mm~5mmの曲率半径を伴って丸くあり得る。縁の外側曲率は、外鼻神経の刺激における主要因子である、先端の鋭さを決定する。半径が小さくなり、先端の最外縁までの半径に沿った下降が激しくなるほど、先端がより鋭くなる。
【0231】
別の実施形態では、アプリケータ先端を異なる位置および角度に移動させることによって、最大涙活動の場所が決定される、方法が説明される。
【0232】
図22-23。別の実施形態では、集束超音波エネルギーを眼の網膜に送達するように設計される、デバイスが描写されている。
図22および23は、それぞれ、デバイスおよび眼の組織上のデバイスのシミュレーションを描写する。デバイス2410は、瞳孔2420の周囲の強膜領域に適用される、リング形状の集束超音波トランスデューサである。
図23は、トランスデューサ設計によって生成される超音波場2455を描写する。超音波は、本実施形態では、網膜上で眼の後部において集束される。超音波場は、水晶体が温存され、設計の表面強度が、強膜、小柱網、毛様体等への損傷を予防するように最小限にされるように、生成される。
【0233】
図24は、本発明の実施形態を用いて実施される、ヒト対象への実験2500を描写する。約1mmの一定の振幅を用いて、可変周波数が、本明細書に議論される眼の中および周囲の涙発生領域に印加された。涙の発生は、涙の体積が試験紙を用いて定量化される、シルマーテストを用いて測定された。周波数の極度(例えば、50Hzおよび1,000Hz)において、涙の発生に関する限りは応答がほとんどなく、(涙の体積を定量化するためのシルマーテストを使用して)涙の発生が約200~300Hzにおいてピークになることが見出された。さらに、顔面上の涙発生点の外側では、患者における涙の発生がなかった。例えば、唇、鼻の遠位縁、眉毛の上方の額、および歯へのデバイスの適用は、涙の発生をもたらさず、実際には、周波数および位置が涙腺を刺激するために最も重要であることを示した。外鼻神経は、デバイスが、上外側鼻軟骨が鼻骨に衝合する、鼻骨に対して圧縮されたときに、直接刺激され、約200~300Hzの周波数が、約1~2mmの振幅を使用して印加される。
【0234】
図25は、ドライアイにおけるマイボーム腺疾患を治療するためのデバイス2800の接写構成を描写する。2830と2840との間の眼瞼領域が、リトラクタ縁2840の端部と、可撓性構成要素2830とリトラクタ2840の先端との間に挟まれる眼瞼への圧力を有効にするように構成される、リトラクタ2830の可撓性構成要素との間に、描写されている。要素2810は、ユーザが圧力を制御し、可撓性構成要素2820および2830を操作するためのレバーである。別の実施形態では、構成要素2820および2830は、可撓性ではないが、
図24に示される実験によって決定される最適な周波数において振動し得る、線形共振アクチュエータ(LRA)等の振動要素である。いくつかの実施形態では、要素2820および2830は、可撓性であり、振動する。
【0235】
本デバイス2800は、眼瞼が強膜から離れるように後退されている間に、ユーザが腺を「絞る」能力とともに、圧力を組み合わせる。振動および熱もまた、随意に、腺および眼瞼への相乗効果を生成するようにデバイスによって提供される。
【0236】
図26は、いくつかの形態のエネルギーを眼瞼に印加するためのデバイスの実施形態を描写する。眼瞼は、リトラクタ部材3020とプッシュロッド部材3010との間に位置付けられる。内側シャフト3060は、外側シャフト3080に沿って摺動し、プッシャ部材3010を移動させるため、圧力をリトラクタ部材3020の内側と押動可能部材3040との間の眼瞼に印加する。内側部材3060は、デバイスのオペレータが内側部材3060を解放するときに内側部材を後退させるばねによって、筐体3042に取り付けられる。内側部材へのオペレータによる力の印加がないと、内側部材は、圧力が眼瞼に印加されない、基準状態に跳ね返る。そのような設計は、安全性のために作成される。オペレータの力がないと、内側部材は、筐体3042の中へ後退するため無害である。内側部材上のばねはまた、デバイスのオペレータが、自分が印加している圧力の量を実感するであろうように、眼瞼に印加されている力を測定または定量化するために使用されることもできる。印加される力は、安全かつ適切な力が眼瞼に印加されているときを示すように、振動または音を用いてデバイスのユーザにシグナリングされることができる。
【0237】
図26のデバイスは、随意に、20KHz~30MHzの周波数において超音波を発生させ得る、超音波要素3030を内側シャフト3010および/または外側シャフト3020上に含有する。好ましい実施形態では、周波数は、所望の効果に応じて、3MHz~10MHzまたは500kHz~3MHzである。これらの周波数における超音波は、眼瞼の中へ熱を効率的に発生させ、また、閉塞導管内の濃縮を分解することもできる。重要なこととして、熱が、眼瞼に浸透し、眼瞼の内側の組織面において効果的に加熱する超音波を介して、眼瞼の内側に送達される。熱は、現在広く使用されている全てのデバイスの中にあるため、外側または内側眼瞼から腺への伝導を介して送達されない。むしろ、熱は、非伝導性プロセスを介して眼瞼に、かつそれを通して印加される。眼瞼の表面および皮膚は、内側眼瞼が42℃(42~48℃)超まで加熱されている間に、体温(38~40℃)に留まる、またはそれをわずかに上回る。さらに、振動デバイス3050、3065は、それぞれ、付加的機械エネルギーを眼瞼に追加し得る、外側シャフト308または内側シャフト3060の中に組み込まれる。振動周波数は、
図24に描写され、上記に説明されるように、約100ミクロン~3mmの間のいずれかの振幅を伴って、約50Hz~約500Hzのいずれかに及ぶことができる。内側部材3010および/または外側部材3020のいずれかは、随意に、サーミスタ等の温度感知要素ならびに温度に基づく加熱の閉ループ制御を含有する。一実施形態では、制御回路が、デバイス3000の中に統合される。
【0238】
別の実施形態では、要素3030は、発光ダイオードまたは類似する熱発生要素である。赤外線ダイオードは、眼瞼を通して赤外線エネルギーを発生させ、また、非侵襲的に腺を加熱する。
【0239】
デバイス3000は、好ましくは、再充電可能である内蔵電力供給源を含有する。デバイス3000を再充電するための電力供給源を含有する基部が、提供されることができる。いくつかの実施形態では、再充電可能電力供給源は、デバイス3000に内蔵され、ユニット全体は、再充電可能である。
【0240】
図27は、振動要素3550とともに、内側プッシュロッド3540および外側リトラクタ3520を伴うリトラクタデバイス3500のより大きい図を描写する。超音波要素3530および3535は、超音波エネルギーを内側プッシュロッド3540と外側リトラクタ要素3520との間で圧縮される眼瞼に送達するように構成される。要素3515は、内側プッシュロッドが定位置(
図27に示される)に自動的に跳ね返ることを可能にするためのコネクタである。要素3515は、いくつかの実施形態では、弾性であるため、眼瞼に印加される力の定量化を可能にし、および/または患者不快感がある場合に迅速解放のために印加中に跳ね返る。
【0241】
振動要素3550は、リトラクタ3520の湾曲部分を通して、振動を先端に伝送する。先端3525は、内側眼瞼の粘膜皮膚接合点において結膜に接触して涙を生成し、マイボーム腺を刺激して開放し、かつ腺からの脂質および油の分泌を誘発して長く持続する涙膜を生成する。加えて、
図27の実施形態は、安全なデバイスおよび手技と見なされるように、眼の表面からのデバイスの距離をマークするために利用され得る、カメラ、レーザ、または超音波距離計等の距離測定要素を備える。本実施形態では、眼の強膜から離れるように眼瞼を後退させることなく、振動先端が眼に接近しすぎて設置されるときに、動作停止が起こり、本デバイスは、動作しない。
【0242】
デバイス3500は、それによって、眼瞼がリトラクタ3525を用いて後退され、プッシュロッド3540が外側眼瞼に押圧され、眼瞼がリトラクタ3520とプッシュロッド3540との間で圧縮され、圧力が、随意に、弾性反跳要素3515によって測定される、方法を可能にする。超音波要素3535からの熱および振動は、流涙を生成し、マイボーム腺内の濃縮を分解し、腺を刺激して油およびタンパク質性物質を分泌するように、眼瞼に印加される。圧力は、弾性要素3515を使用して、定量化および制御されることができる。眼球、強膜、角膜等は、下眼瞼を引き離すリトラクタを介して、熱、超音波、および圧力から保護される。サーミスタ3535は、要素が過熱せず、組織が焼かれないように、温度測定および超音波力の制御を可能にする。オペレータは、例えば、42℃~48℃の規定範囲内で温度限界を設定することができる。
【0243】
さらなる治療効果が、一実施形態では、実装3550および3510上の線形共振アクチュエータまたは類似振動要素を使用して、機械的振動を用いて達成されることができる。
200~300Hzにおいて振動する、これらの機械的振動器は、マイボーム腺を開放し、神経を刺激して涙、油、およびタンパク質性物質を分泌するために、単独で、またはデバイスの他の部分と組み合わせて、使用されることができる。
【0244】
図28は、内側4035上に超音波要素4025を伴うデバイスの拡張図である。「内側」は、眼瞼の外側部分に接触するプッシュロッド4035を指す。本実施形態では、超音波要素は、眼瞼の外側部分に接触するが、他の実施形態では、超音波要素は、眼瞼の内側に接触し、その場合、これは、デバイス4000のリトラクタ部分4045上に設置される。いくつかの実施形態では、超音波要素4025は、眼瞼の内側および外側の両方に接触するように設置される。線形共振アクチュエータ(LRA)4040は、同様に、外側および内側構成要素の両方、または1つだけもしくは他の構成要素の上に設置されることができる。いくつかの実施形態では、ボイスコイルが、使用され、携帯用バッテリを介して作動される。ワイヤ4030は、電流を搬送してもよい、または可撓性である、もしくは両方である。これは、内側プッシュロッド4035を安定させる、後退させる、または電流をデバイス4000の先端に搬送するように、内側プッシュロッドに接続される。可撓性である場合、これは、歪みゲージまたは圧力センサに取り付けられることができる。一実施形態では、可撓性ワイヤは、眼瞼が内側および外側プッシュロッドによって加圧される位置から後方に内側プッシュロッドを後退させるように、構成される。貫通孔4050は、それを通して筐体4055内に係留する、弾性バンドまたはワイヤ4030を収納する。筐体4055は、DCバッテリと、LRAを駆動するための回路とを含有してもよい。外側リトラクタ4045は、眼瞼を後退させるように、快適な生体適合性材料から成る。例えば、外側リトラクタ4045は、ヒドロゲルまたはPTFE材料から作製される。別の実施形態では、外側リトラクタ4045は、眼瞼に対して押下されたときに、ある程度の柔軟性を伴う海綿様材料から作製される。眼瞼の外側部分に接触するようにプッシュロッド4035上に超音波トランスデューサを設置することの利点は、外側リトラクタ4045が、超音波発生のための圧電材料を内側に埋め込ませることを付加的に妥協することなく、快適性のために最適化され得ることである。
【0245】
図29は、涙4100を刺激するためのデバイスの一実施形態の拡張された構成要素を描写する。4120は、デバイスを握持し、次いで、患者の外鼻神経に適用することを可能にするための高度ユーザインターフェースを伴う筐体である。グリップ4125は、生体適合性先端4150が操作され、患者の皮膚に適用されている間に、ユーザの掌に接触してデバイスの操作を可能にする、デバイス用のユーザインターフェースである。材料は、生体適合性かつ堅固である。スピーカまたはボイスコイル4135は、50HzからkHz周波数までの周波数の連続スペクトル、ならびに駆動振幅の変調を可能にする、システムの心臓部である。皮膚インターフェース4150は、フレーム4110によって安定させられる。フレーム4110はまた、デバイスのさらなる操作のための指グリップも可能にする。皮膚インターフェース4150は、外鼻神経への循環力の印加を可能にし、約175Hzの周波数において鼻骨に対して神経を圧縮し、神経を刺激して波を発生させる、生体適合性皮膚インターフェースである。エンドエフェクタの下のシャフト4130は、スピーカによって駆動され、次いで、エンドエフェクタ要素4150を駆動する。インターフェース4140は、スピーカ4135とエンドエフェクタ4150との間に伝達インターフェースを提供する。
【0246】
図30は、鼻の生体構造を描写する。前頭骨5150は、眼窩の上側境界を形成し、上顎骨5205は、眼窩の内側境界を形成する。前頭骨は、前頭洞の上部を形成する。上顎骨は、上顎洞5260の上部を形成する。鼻孔5310は、外側と鼻の内部粘膜との間の連通である。外鼻神経5215は、鼻骨5200と鼻中隔軟骨5210の外側突起との間の開口部5215を通して鼻腔から退出する。100~300Hzにおける振動を使用する、1~4Nの力を伴う本領域5215中の外鼻神経の刺激は、涙の生成、アレルギー性および血管運動神経性鼻炎の解消、副鼻腔炎の緩和、マイボーム腺の刺激、頭痛ならびにナルコレプシーの治療を含む、いくつかの臨床効果をもたらすことが発見されている。
【0247】
図31は、鼻腔の中および周囲の皮神経生体構造5000を描写する。皮膚または皮下は、概して、皮膚によって被覆される神経、死んだ重層扁平角化上皮細胞を指す。対照的に、粘膜または粘膜下神経は、概して、繊毛があり、円柱状である、非角化粘膜上皮細胞によって被覆される。皮神経は、死んだ重層が電流を広く拡散するため、あるエネルギー形態(例えば、電気刺激)と反応することがより困難である。しかしながら、振動刺激は、圧力波の伝送によって、皮膚の下にある神経に指向されることができる。外鼻神経とも称される、前篩骨神経5020の外枝は、鼻骨の尾部分において退出し、皮神経線維を伴う鼻の同側に供給する。眼窩下神経5010は、皮線維を、下眼瞼、上唇、および鼻前庭の一部に供給し、鼻前庭は、皮膚と同一の上皮によって覆われる、鼻の最前部である。その上皮は、適切に鼻腔の気道上皮まで遷移する。滑車下神経5035は、上眼瞼の皮膚、鼻梁、結膜、涙嚢、および涙丘(皮脂腺ならびに汗腺を被覆する皮膚から作成される、目頭における小さいピンク色の球状小節)に供給する。滑車上神経5030は、下側額の皮膚、結膜、および上眼瞼の皮膚に供給する。本明細書に説明される実験を通して、これらの神経および神経終末の振動刺激(例えば、50Hz~約300Hz)は、涙腺神経を刺激して涙を分泌することが発見されている。これらの実施形態では、振動刺激は、粘膜ではなく皮膚の重層上皮に接触し、エネルギーは、力学的な波によって伝達される。
【0248】
一実施形態では、涙腺は、眼窩下神経、滑車下神経、滑車上神経、涙丘、または眼瞼の内側の結膜を刺激することによって、活性化される。実際に、眼瞼の内側または眼の表面上の結膜は、粘膜であり、上層は、角化されていない。これらの組織の刺激は、随意に、音、超音波、機械的振動、電気火花、一吹きの空気、一吹きの水もしくは他の液体、または他の機械的に鋭い刺激インパルスを含む、振動エネルギーを用いて実施される。粘膜組織では、電気刺激もまた、電流を拡散する重層表皮の欠如により、より可能である。したがって、一実施形態では、電流は、涙を刺激するように、眼の結膜を通過させられる。
【0249】
図32は、本発明の実施形態5300を描写する。刺激デバイス5310は、対象の指に結合する。本実施形態では、患者またはユーザは、自分の指で自分の眼瞼を後退させ、別の指で刺激を眼瞼に印加する。一実施例では、本実施形態は、眼瞼への印加のために構成される縁を伴う線形共振アクチュエータを組み込む。別の実施形態では、デバイス上の電極は、粘膜を横断して電流を送達する。指先は、本実施形態では、眼瞼の周囲にエネルギーを印加するときに、ユーザが非常に重要である振動または他のエネルギーを細かく操作する余裕があるため、選定される。
【0250】
図33は、
図32に示される指刺激デバイス5400の構成要素を描写する。線形共振アクチュエータ(LRA)5450は、外鼻神経の出口において鼻骨の尾部分に接触する、エンドエフェクタ5460に結合する。線形共振アクチュエータは、線形運動を発生させ、1~5ニュートンまたは2~5lbsの力を印加するように構成される。バッキング5440は、LRA5450および生体適合性インターフェース5460を主に線形の方向に指向し、神経に対して印加されるエネルギーを最大限にする。電源ボタンおよび駆動回路5410は、再充電可能バッテリ5420によって給電される。
【0251】
図34は、下層副交感神経または最終的に副交感神経の刺激をもたらす回路が存在する、顔面領域に振動エネルギーを印加するためのデバイス5500のハンドヘルド実施形態を描写する。インターフェース5510は、筐体5520と略垂直な線形偏位とともに移動する。筐体5520は、快適な生体適合性プラスチックまたはアルミニウム材料から生産される、ハンドヘルドおよび内蔵型であるように構成される。インターフェース5510は、丸いが堅固な先端を伴って、極めて剛性である。先端の曲率半径は、鼻軟骨および鼻骨の接合点の中へしっかりと押動し、ユーザによって神経に印加されている力にかかわらず、一定の速度の維持とともに、100~300Hz、好ましくは、180~220Hz、または少なくとも75Hz~300Hzで振動し得るようなものである。
【0252】
図35は、
図34のハンドヘルドデバイスの詳細図を描写する。本デバイスの基本的機構は、先端5570の線形駆動運動を提供する、ボイスコイル5590である。プラスチック本体5560、5592は、デバイスを囲繞する。光学距離センサ5580は、線形振動構成要素5570の移動を検出するように較正される。プリント回路基板アセンブリ5594は、先端5570がほぼ一定の周波数において振動するように、増幅器およびバッテリ充電回路、ならびに随意の制御システムを備える。電源ボタン5596およびカバー5592、ならびにリチウムイオンバッテリ5584および5586は、ユニットを完成させる。本ユニットは、内蔵型であり、リチウムイオンバッテリは、再充電可能である。
【0253】
図36は、ユーザの指の先端とのインターフェースを用いて、ユーザの掌の中で保持されるように構成される、振動デバイス5600の構成要素を描写する。身体表面インターフェース5650は、ハンドヘルドであるように構成され、快適グリップ5694は、生体適合性材料から構成される。リチウムイオン5692バッテリは、本体の筐体5640の中に挿入される。線形振動モータ5650は、線形運動とともに進行し、線形運動も生成するように身体表面インターフェースに接続される。表面インターフェースは、外鼻神経および副交感神経系を刺激して、マイボーム腺を開放し、油の分泌を生成し、涙腺から涙を産生し、偏頭痛、癲癇、ナルコレプシー、頭痛を治療し、血液脳関門を開放し、圧力を均等化し、鼻炎および副鼻腔炎、ならびに鼻ポリープを治療するように、皮膚への垂直適用を用いて皮膚に適用される。触覚スイッチ5660は、振動振幅および/または周波数のシグナリング調節のいずれかによって、ユーザ誘導フィードバックが刺激レベルを増加もしくは減少させることを可能にする。
【0254】
図37は、振動エネルギーを顔面の副交感神経に重なる神経に印加するように構成される、デバイス6000の別の実施形態を描写する。インターフェース6020は、振動要素から、患者の骨に重なる皮膚に、かつ骨の下にある神経に力を伝達するように設計される、生体適合性皮膚インターフェースである。スナップ要素6010は、皮膚インターフェース6020の迅速な設置および除去を可能にする。振動は、デバイス6000の長軸に対して略平面かつ垂直な振動方向を伴って生体適合性インターフェースを振動する、偏心モータ6040によって発生される。スイッチ6055は、デバイスの電源をオンおよびオフにする。再充電可能バッテリ6060および電気アクセスポート6070は、デバイス6000への電力送達を可能にする。付加的電子機器6045は、ユーザがデバイスを使い過ぎないように、ロックアウトタイマを含んでもよい。事前規定モータおよび振動速度を維持するための制御システムもまた、回路の随意の特徴である。電子機器は、シェル6050の中に収納される。
【0255】
図38は、振動エネルギーが、眼瞼の皮膚が結膜に衝合する、粘膜皮膚接合点に印加される、振動デバイス6000の実施形態を描写する。眼瞼の神経終末が、本実施形態では、刺激され、エネルギーが、涙を生成し、マイボーム腺を閉塞解除および刺激するように、粘膜皮膚接合点に印加される。デバイス6000は、眼瞼に結合され得る、振動、音、または超音波発生構成要素を備える。一実施形態では、本デバイスはさらに、治療中に眼瞼上に把持するように吸引を組み込む。別の実施形態では、本デバイスは、エネルギーが印加されている間に眼瞼を保持するように、一対のピンセットまたは鉗子のようなグリップを組み込む。
【0256】
図39は、振動エネルギーを眼瞼の粘膜皮膚接合点に印加する、
図38のデバイスの内部構造6100を描写する。感圧スイッチ6110は、圧力を用いて振動エネルギーを制御する。重要なこととして、眼瞼インターフェース6140は、眼瞼と界面接触するように構成される。これは、生体適合性材料から成り、強膜および角膜を保護するように、振動または超音波を印加しながら眼瞼を引き離すための機構を備える。標準モータ6120は、デバイス6100を駆動する。随意に、モータ6120は、偏心および振動を生成するように重り6130に接続される。エラストマパッド6150は、患者またはデバイスユーザの皮膚との生体適合性インターフェースである。パッドは、20A~50Aのショアデュロメータによって特徴付けられる。別の実施形態では、線形共振アクチュエータが、振動を眼瞼の粘膜皮膚接合点に結合するために利用される。本実施形態では、約50~300Hzの振動は、眼瞼上に存在する結膜内の神経終末を刺激するために最適であることが見出されている。本実施形態における経路は、腺が刺激される、神経反射経路および機械的経路の両方であると推定される。
【0257】
図40は、
図38および39のデバイスの構成要素分解を描写する。6210は、押下されると、ユーザが好むものに応じて、より大きい振動偏位またはより小さい偏位を生成する、感圧スイッチである。6220は、デバイス用の上部カバーであり、6250は、偏心加重モータである。モータは、生体適合性患者インターフェース6275を移動させるように駆動シャフト6270に接続される。本デバイスは、平滑な縁を伴うアルミニウム6260またはプラスチックを用いて収納される。再充電可能バッテリ6240は、DCモータ6250に供給するように電圧レギュレータ6230によって調整される。DCモータ6250は、大体の場合、モータと垂直な方向にピストンを移動させるように回転カムに連結され、次いで、皮膚を通して神経を活性化するように患者の皮膚に適用され得る。
【0258】
図41-42は、振動要素が患者の指先に取り付けられる、実施形態を描写する。線形共振アクチュエータまたは偏心モータは、指先デバイスの中で利用される。指バンド6405は、ユーザの指がデバイスに取り付けられることを可能にする。生体適合性結合部6420、6430は、ユーザの皮膚へのデバイスのユーザ適用を促進する。圧力センサ6407は、エネルギーをユーザの皮膚に提供する、エンドエフェクタの周波数または振幅の圧力制御変調を可能にする。
【0259】
図43は、患者選好に応じて、同時に、または個別に外鼻神経を刺激するように、患者の鼻に両側に適用され得る、デバイス7000を描写する。本デバイスの特徴は、患者がデバイスおよび鼻を押し下げると、本デバイスが、より大きい力または変位を印加して神経刺激を確実にすることによって応答するように、触覚フィードバックを有することである。
【0260】
図44は、
図43に示されるデバイスの下面を描写する。圧力センサ7850は、ユーザによって印加されている力を感知する。材料7855は、好ましくは、ユーザがデバイスを圧搾し、外鼻神経を圧縮し、増加する振動力を印加し得、その程度が、圧力センサが皮膚上で感知する力によって決定付けられるように、可撓性である。本デバイスは、潜在的にデータポートとしての役割も果たし得る、ポート7860を介して再充電可能である。
【0261】
図45は、
図42に示されるデバイスの一部の概略図を描写する。駆動電子機器およびプログラミングは、
図42からのデバイスの本構成要素の中に含有され、ユーザの掌の中に嵌合するように設計される。ケーブル6432は、
図42に示される指エフェクタおよび指ストラップまで延在する。リチウムイオンバッテリは、ユニットの再充電を可能にする。スイッチ6440は、音声アクティブ化スイッチまたはユーザによってアクティブ化される単純トグルオン・オフスイッチである。プラスチック本体6450は、回路およびバッテリを収納し、アルミニウムまたはプラスチックから成る。回路基板アセンブリ6470は、モータが連続的に動作し得るように、電圧レギュレータと、随意に、フィードバックとを含む、制御回路を含有する。
【0262】
図46は、
図43に示されるデバイスの個々の構成要素の概略図を描写する。圧力センサ8010は、ユーザによって印加される力と、振動効果を生成する偏心モータ8020の速度、トルク、および力との間の結合を可能にし、外鼻神経および副交感神経経路を刺激する。要素8030は、電子機器用の筐体であり、振動を外鼻神経および副交感神経経路に印加しながら患者が握持するためのものである。バッテリ8040は、好ましくは、再充電可能であるが、また、交換可能なバッテリであってもよい。カバー8070は、電子回路基板8050および充電ポート8060を密閉する。
【0263】
図47は、エンドエフェクタインターフェース8110が、電気モータ8160に機械的に接続される8140、カム8150によって作動されて、線形方向に移動する、好ましい実施形態8100を描写する。カム8150に連結されるモータの回転は、外鼻神経等の神経を活性化するように適合される縁を伴う生体適合性インターフェースとしての役割も果たす、端部8110を伴うピストン8120を駆動する。ピストン8120および生体適合性インターフェース8110は、100~300Hzまたは50Hz~400Hzの最適な周波数において移動する。カム8150は、次いで、力を患者の皮膚に、次いで、刺激される神経に印加する、ピストンおよびインターフェースの偏位(例えば、1mm)を決定するように、中心軸8140からオフセットされることができる。いくつかの実施形態では、ユーザによって設定される、またはユーザへの送達の前に事前決定される周波数が、ピストン偏位の実際の周波数であることを確実にするように、調速機が含まれる。例えば、一実施形態では、フォトダイオードまたは他の検出器が、電気モータ、リンケージ、またはピストンの運動を検出するために利用され、毎分回転数(RPM)が事前決定された通りではない場合、付加的電流が追加される、またはモータから差し引かれる。本デバイスが、(例えば、本デバイスが酷使されない、または使用不足ではないことを確実にするように)治療の時間、治療の合間の時間、ならびに治療の合間のロックアウト時間を記録することを可能にする、電子回路もまた、含まれる。そのようなデータは、メモリの中に記憶され、現実世界での実践または臨床試験設定におけるデバイスの使用およびコンプライアンスの記録として、PCにオフラインでダウンロード可能である。回路はさらに、電圧を制御して、ユーザによって事前設定または変動され得る、モータへの一定の電力および一定の回転を確実にする。
【0264】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され、説明されているが、そのような実施形態は、一例のみとして提供されることが当業者に明白であろう。多数の変形例、変更、および代用が、ここで、本発明から逸脱することなく当業者に想起されるであろう。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替物が、本発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。以下の付記は、本発明の範囲を定義し、これらの付記およびそれらの均等物の範囲内の方法ならびに構造は、それによって網羅されることが意図される。