IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社三共の特許一覧

<>
  • 特許-スロットマシン 図1
  • 特許-スロットマシン 図2
  • 特許-スロットマシン 図3
  • 特許-スロットマシン 図4
  • 特許-スロットマシン 図5
  • 特許-スロットマシン 図6
  • 特許-スロットマシン 図7
  • 特許-スロットマシン 図8
  • 特許-スロットマシン 図9
  • 特許-スロットマシン 図10
  • 特許-スロットマシン 図11
  • 特許-スロットマシン 図12
  • 特許-スロットマシン 図13
  • 特許-スロットマシン 図14
  • 特許-スロットマシン 図15
  • 特許-スロットマシン 図16
  • 特許-スロットマシン 図17
  • 特許-スロットマシン 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220323BHJP
【FI】
A63F5/04 614B
A63F5/04 651
A63F5/04 631
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020147191
(22)【出願日】2020-09-02
(62)【分割の表示】P 2016072097の分割
【原出願日】2016-03-31
(65)【公開番号】P2020203107
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2020-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】佐藤 海
(56)【参考文献】
【文献】特許第6615521(JP,B2)
【文献】特開2020-203130(JP,A)
【文献】特開2015-019723(JP,A)
【文献】特開2009-095452(JP,A)
【文献】特開2015-035989(JP,A)
【文献】特許第6909345(JP,B2)
【文献】特許第6685668(JP,B2)
【文献】特許第6685667(JP,B2)
【文献】「パチスロ モンスターハンター月下雷鳴」,パチスロ攻略マガジンドラゴン 2014年5月号 ,株式会社プラントピア,2014年03月20日,p.8-21,特に第8頁中ほど左側の「1ライン」、同頁中ほど右側の「役の構成」、第10頁右側の「チェリーフラグ(リプレイ)」、第11頁左下の「レア小役成立時はモード昇格に期待」参照。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作手段の操作に応じて、表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段と、
前記複数の可変表示部の表示結果の組合せのうち、前記複数の可変表示部に跨るラインのうち入賞ライン上の識別情報の組合せに基づいて、入賞が発生したか否かの入賞判定を行う入賞判定手段と、
前記事前決定手段の決定結果が所定入賞の発生を許容する所定結果である旨を示唆する示唆手段と、を備え、
前記複数の可変表示部に跨るラインのうち、前記入賞ラインは1のみであり、
前記事前決定手段の決定結果が前記所定結果であるときに、遊技者にとって有利な有利状態への移行が決定される場合があり、
前記所定結果には、第1所定結果と、当該第1所定結果よりも前記有利状態への移行に関する有利度が低い第2所定結果とが含まれ、
前記導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1所定結果であり前記導出操作手段が特定手順で操作されたときには、前記複数の可変表示部のうちの特定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が特定識別情報となる表示結果を導出し、前記特定可変表示部とは異なる所定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が前記特定識別情報となる表示結果を導出する一方、前記事前決定手段の決定結果が前記第2所定結果であり前記導出操作手段が前記特定手順で操作されたときには、前記特定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が前記特定識別情報となる表示結果を導出し、
前記所定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が前記特定識別情報とは異なる識別情報となるとともに前記入賞ラインとは異なるライン上の識別情報が前記特定識別情報となる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1所定結果であり前記導出操作手段が前記特定手順とは異なる手順で操作されたときと、前記事前決定手段の決定結果が前記第2所定結果であり前記導出操作手段が前記特定手順とは異なる手順で操作されたときとのいずれにおいても、前記特定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が前記特定識別情報とは異なる識別情報となる表示結果を導出する一方、前記所定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が前記特定識別情報となる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1所定結果である場合に、前記導出操作手段が前記特定手順で操作されたときと前記導出操作手段が前記特定手順とは異なる手順で操作されたときとで、入賞の発生によって同じ価値が付与され、
前記事前決定手段の決定結果が前記第2所定結果である場合に、前記導出操作手段が前記特定手順で操作されたときと前記導出操作手段が前記特定手順とは異なる手順で操作されたときとで、入賞の発生によって同じ価値が付与され、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1所定結果である場合と前記事前決定手段の決定結果が前記第2所定結果である場合とで、入賞の発生によって同じ価値が付与され
前記所定結果には、前記第1所定結果と前記第2所定結果とは異なる第3所定結果がさらに含まれ、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記第3所定結果であり前記導出操作手段が前記特定手順とは異なる手順で操作されたときには、前記特定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が前記特定識別情報とは異なる識別情報となる表示結果を導出する一方、前記所定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が前記特定識別情報となる表示結果を導出する、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数
(通常は3つ)のリールを有する可変表示部を備えており、各リールは、遊技者がスター
トレバーを操作することにより回転を開始し、また、遊技者が各リールに対応して設けら
れた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延
時間の範囲内で回転を停止する。そして、全てのリールの回転を停止したときに導出され
た表示結果に従って入賞が発生する。
【0003】
入賞となる役の種類としては、小役、特別役、再遊技役といった種類がある。ここで、
小役の入賞では、小役の種類毎に定められた数のメダルが払い出されるという利益を遊技
者が得ることができる。特別役の入賞では、次のゲームからレギュラーボーナスやビッグ
ボーナスといった遊技者にとって有利な遊技状態へ移行されるという利益を遊技者が得る
ことができる。再遊技役の入賞では、賭数の設定に新たなメダルを消費することなく次の
ゲームを行うことができるという利益を得ることができる。
【0004】
このようなスロットマシンとして、入賞の発生(遊技の結果)にかかわる入賞ラインと
、入賞の発生にかかわらない無効ラインとが設定され、入賞役に当選したときに所定の報
知演出を行い、入賞役に対応する入賞図柄組合せが入賞ライン上に停止すると入賞発生と
なるもの(たとえば、特許文献1)があった。また、入賞役として、入賞図柄組合せがば
らけ目に設定され、入賞ライン上に当該入賞図柄組合せが停止されたときに、無効ライン
上に所定図柄の揃い目が停止され、入賞発生となる所定役(たとえば上段ベル)が設けら
れていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-083302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のスロットマシンにおいて実行される報知演出は、入
賞ライン上に停止する入賞図柄組合せを構成する図柄ではなく、無効ライン上に停止する
所定図柄を示唆するものであった。その結果、無効ライン上に停止された所定図柄が遊技
の結果であるかのように遊技者を誤認させてしまう虞があった。
【0007】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技の結果を誤
認させることを防止するスロットマシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作手段の操作に応じて、表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段と、
前記複数の可変表示部の表示結果の組合せのうち、前記複数の可変表示部に跨るラインのうち入賞ライン上の識別情報の組合せに基づいて、入賞が発生したか否かの入賞判定を行う入賞判定手段と、
前記事前決定手段の決定結果が所定入賞の発生を許容する所定結果である旨を示唆する示唆手段と、を備え、
前記複数の可変表示部に跨るラインのうち、前記入賞ラインは1のみであり、
前記事前決定手段の決定結果が前記所定結果であるときに、遊技者にとって有利な有利状態への移行が決定される場合があり、
前記所定結果には、第1所定結果と、当該第1所定結果よりも前記有利状態への移行に関する有利度が低い第2所定結果とが含まれ、
前記導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1所定結果であり前記導出操作手段が特定手順で操作されたときには、前記複数の可変表示部のうちの特定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が特定識別情報となる表示結果を導出し、前記特定可変表示部とは異なる所定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が前記特定識別情報となる表示結果を導出する一方、前記事前決定手段の決定結果が前記第2所定結果であり前記導出操作手段が前記特定手順で操作されたときには、前記特定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が前記特定識別情報となる表示結果を導出し、
前記所定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が前記特定識別情報とは異なる識別情報となるとともに前記入賞ラインとは異なるライン上の識別情報が前記特定識別情報となる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1所定結果であり前記導出操作手段が前記特定手順とは異なる手順で操作されたときと、前記事前決定手段の決定結果が前記第2所定結果であり前記導出操作手段が前記特定手順とは異なる手順で操作されたときとのいずれにおいても、前記特定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が前記特定識別情報とは異なる識別情報となる表示結果を導出する一方、前記所定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が前記特定識別情報となる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1所定結果である場合に、前記導出操作手段が前記特定手順で操作されたときと前記導出操作手段が前記特定手順とは異なる手順で操作されたときとで、入賞の発生によって同じ価値が付与され、
前記事前決定手段の決定結果が前記第2所定結果である場合に、前記導出操作手段が前記特定手順で操作されたときと前記導出操作手段が前記特定手順とは異なる手順で操作されたときとで、入賞の発生によって同じ価値が付与され、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1所定結果である場合と前記事前決定手段の決定結果が前記第2所定結果である場合とで、入賞の発生によって同じ価値が付与され
前記所定結果には、前記第1所定結果と前記第2所定結果とは異なる第3所定結果がさらに含まれ、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記第3所定結果であり前記導出操作手段が前記特定手順とは異なる手順で操作されたときには、前記特定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が前記特定識別情報とは異なる識別情報となる表示結果を導出する一方、前記所定可変表示部の表示結果として前記入賞ライン上の識別情報が前記特定識別情報となる表示結果を導出する。
なお、スロットマシンは、以下の構成であってもよい。
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(たとえば、内部抽選処理)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L~8R)と、
前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作手段の操作に応じて、表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段(たとえば、リール回転処理)と、
前記複数の可変表示部の表示結果の組合せのうち、前記複数の可変表示部に跨る所定ライン上の識別情報の組合せに基づいて、入賞が発生したか否かの入賞判定を行う入賞判定手段(たとえば、入賞判定処理)と、
前記事前決定手段の決定結果が、所定入賞(たとえば、第1実施形態におけるチェリーおよび赤7ベル)の発生を許容する所定結果(たとえば、第1実施形態におけるチェリー当選)である旨を、特定識別情報(たとえば、第1実施形態におけるチェリー図柄)を示唆する色彩(赤色)を用いて示唆する(たとえば、赤色のチェリー図柄に対応するキャラクタ画像を表示する)示唆手段(たとえば、サブ制御部91)とを備え、
前記導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記所定結果(たとえば、第1実施形態におけるチェリー当選)であり前記導出操作手段が特定手順で操作されたとき(たとえば、目押し成功となるタイミングでストップスイッチが操作されたとき)に、前記複数の可変表示部のうちの所定可変表示部(たとえば、左リール2L)の表示結果として前記所定ライン上の識別情報が前記特定識別情報となる表示結果を導出し(たとえば、図6(c)に示すように、左リール2Lの上段の入賞ラインLN1上にチェリー図柄を導出し)、
前記事前決定手段の決定結果が前記所定結果(たとえば、第1実施形態におけるチェリー当選)であり前記導出操作手段が前記特定手順とは異なる手順で操作されたとき(たとえば、目押し失敗となるタイミングでストップスイッチが操作されたとき)に、前記所定可変表示部の表示結果として前記所定ライン上の識別情報が前記特定識別情報とは異なる識別情報であって該特定識別情報を示唆する色彩を含む特別識別情報(たとえば、赤7図柄)となる表示結果を導出する(たとえば、図6(f)に示すように、左リール2Lの上段の入賞ラインLN1上に、チェリー図柄と同じ赤色である赤7図柄を導出する)。
【0009】
このような構成によれば、導出操作手段が特定手順とは異なる手順で操作されたときで
あっても、特定可変表示部の表示結果として所定ライン上の識別情報が該特定識別情報を
示唆する色彩を含む特別識別情報となる表示結果が導出されるので、所定ライン上に表示
された識別情報の誤認を防止することができる。
【0010】
特定手順で操作されたときとは、特定タイミングで導出操作手段が操作されたときや、
変動表示を特定順序で停止させるように導出操作手段が操作されたとき、変動表示を特定
順序で停止させる操作であってかつ当該操作が特定タイミングで操作されたときなど、予
め定められた特定の操作であればよい。
【0011】
(2) 上記(1)のスロットマシンにおいて、
前記特別識別情報(たとえば、赤7図柄)は、前記所定入賞を発生させる表示結果の組
合せが導出されたときにおける前記所定ライン上の識別情報に含まれない(たとえば、変
形例の[小役について]に示すように、当選役であるチェリーは、「赤7-ベルーベル」
を含まない)。
【0012】
このような構成によれば、特定手順とは異なる手順での操作がされたときには、所定入
賞は発生しないことから、特定手順での操作について遊技者に緊張感を抱かせることがで
きる。
【0013】
(3) 上記(1)のスロットマシンにおいて、
前記特別識別情報(たとえば、赤7図柄)は、前記所定入賞を発生させる表示結果の組
合せが導出されたときにおける前記所定ライン上の識別情報に含まれる(たとえば、図5
の※2に示すように、当選役であるチェリーは、「赤7-ベルーベル」と、「チェリー-
ANY-ANY」とを含む)。
【0014】
このような構成によれば、特定手順とは異なる手順での操作がされたときであっても、
所定入賞を発生させることから、安心した遊技性を提供できる。
【0015】
(4) 上記(1)~(3)いずれかのスロットマシンにおいて、
前記示唆手段は、前記事前決定手段の決定結果が、特定入賞の発生を許容する特定結果
(たとえば、第1実施形態ではスイカ当選であり、第2実施形態ではチェリーリプ当選)
である旨を、特定識別情報を示唆する色彩を用いて示唆し(たとえば、第1実施形態では
、スイカ当選を示唆する演出を実行し、第2実施形態では、チェリーリプ当選を示唆する
演出を実行し)、
前記導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記所定結果(たとえば、第1実施形態ではスイカ当
選であり、第2実施形態ではチェリーリプ当選)であり前記導出操作手段が特定手順で操
作されたとき(たとえば、目押し成功となるタイミングでストップスイッチが操作された
とき)に、前記複数の可変表示部のうちの特定可変表示部(たとえば、第1実施形態では
左リール2Lであり、第2実施形態では左リール2Lと中リール2C)の表示結果として
前記所定ライン上の識別情報が特定識別情報となる表示結果を導出し(たとえば、第1実
施形態では、図8(c)に示すように、入賞ラインLN1上にスイカ図柄が揃い、第2実
施形態では、図14(c)に示すように、入賞ラインLN上にチェリー図柄が揃う)、
前記事前決定手段の決定結果が前記所定結果であり(たとえば、第1実施形態ではス
イカ当選であり、第2実施形態ではチェリーリプ当選であり)前記導出操作手段が前記特
定手順とは異なる手順で操作されたとき(たとえば、目押し失敗となるタイミングでスト
ップスイッチが操作されたとき)に、前記特定可変表示部(たとえば、第1実施形態では
左リール2Lであり、第2実施形態では左リール2Lと中リール2C)の表示結果として
前記所定ライン上の識別情報が前記特定識別情報とは異なる識別情報となる表示結果を導
出する(たとえば、第1実施形態では、図8(f)に示すように、入賞ラインLN1上の
左リール2Lにバナナ図柄が揃い、第2実施形態では、図14(f)に示すように、入賞
ラインLN上の左リール2L、中リール2Cにリプレイ図柄が揃う)一方、前記特定可変
表示部とは異なる所定可変表示部(たとえば、第1実施形態および第2実施形態では右リ
ール2R)の表示結果として前記所定ライン上の識別情報が前記特定識別情報となる表示
結果を導出する(たとえば、第1実施形態では、図8(f)に示すように、入賞ラインL
N1上の右リール2Rにスイカ図柄が導出され、第2実施形態では、図14(f)に示す
ように、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される)。
【0016】
このような構成によれば、導出操作手段が特定手順とは異なる手順で操作されたときで
あっても、所定可変表示部の表示結果として所定ライン上の識別情報が特定識別情報とな
る表示結果が導出されるので、所定ライン上に表示された識別情報の誤認を防止すること
ができる。
【0017】
(5) 上記(4)のスロットマシンにおいて、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記所定結果(たとえば、強チェ
リーリプ当選)であり前記導出操作手段が前記特定手順で操作されたとき(たとえば、目
押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L~8Rが操作されたとき)に、前記特
定可変表示部(たとえば、左リール2L、中リール2C)のみならず前記所定可変表示部
(たとえば、右リール2R)についても前記所定ライン上の識別情報が前記特定識別情報
となる表示結果を導出する(たとえば、図14(c)に示すように、入賞ラインLN上の
全てのリールにチェリー図柄が揃う)。
【0018】
このような構成によれば、特定可変表示部に特定識別情報となる表示結果が導出されて
いるか否かに関わらず、所定可変表示部にも特定識別情報となる表示結果が導出されるの
で、所定可変表示部に対する制御内容を共通化することができる。
【0019】
(6) 上記(4)または(5)のスロットマシンにおいて、
前記所定可変表示部は、第1所定可変表示部(たとえば、中リール2C)と第2所定可
変表示部(たとえば、右リール2R)とを含み、
前記導出制御手段は、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記第1
所定可変表示部および第2所定可変表示部の表示結果として前記所定ライン上の識別情報
が前記特定識別情報となる表示結果を導出可能である(たとえば、変形例の[リール配列
について]に示す中リール2Cと右リール2Rとでは、チェリーリプに当選したときに必
ず入賞ラインLN上にチェリー図柄が導出される)。
【0020】
このような構成によれば、様々な制御に対応することができ、臨機応変に機械にあった
制御を実行することができる。
【0021】
(7) 上記(4)~(6)のいずれかのスロットマシンにおいて、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記所定結果(たとえば、強チェ
リーリプ当選)であり、前記特定可変表示部(たとえば、左リール2L)よりも先に前記
所定可変表示部(たとえば、右リール2R)に表示結果を導出させる操作手順で前記導出
操作手段が操作されたときには、前記所定可変表示部の表示結果として前記所定ライン上
の識別情報が前記特定識別情報となる表示結果を導出する(たとえば、図17(b)に示
すように、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される)。
【0022】
このような構成によれば、特定可変表示部が操作される前に所定可変表示部の表示結果
として所定ライン上の識別情報が特定識別情報となる表示結果が導出されるので、特定可
変表示部の操作前に所定ライン上に表示される表示結果の誤認を防止することができる。
【0023】
(8) 上記(4)~(7)のいずれかのスロットマシンにおいて、
前記所定入賞は、前記導出制御手段により前記特定可変表示部の表示結果として前記所
定ライン上の識別情報が前記特定識別情報とは異なる識別情報となる表示結果が導出され
、前記所定可変表示部の表示結果として前記所定ライン上の識別情報が前記特定識別情報
となる表示結果が導出されたときにも発生する入賞である(たとえば、図14(f)に示
すように、目押しを失敗し左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されず、入
賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出された場合にも再遊技役の入賞が発
生する)。
【0024】
このような構成によれば、特定可変表示部に特定識別情報となる表示結果が導出されな
くても入賞が発生するので、遊技の興趣が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1実施形態のスロットマシンの正面図である。
図2】第1実施形態のリールの図柄配列を示す図である。
図3】第1実施形態および第2実施形態のスロットマシンの内部構造を示す斜視図である。
図4】第1実施形態および第2実施形態のスロットマシンの構成を示すブロック図である。
図5】第1実施形態の入賞役などを説明するための図である。
図6】第1実施形態の小役当選時のリール制御について説明するための図である。
図7】第1実施形態の小役当選時のリール制御について説明するための図である。
図8】第1実施形態の小役当選時のリール制御について説明するための図である。
図9】第2実施形態のスロットマシンの正面図である。
図10】第2実施形態のリールの図柄配列を示す図である。
図11】第2実施形態の入賞役などを説明するための図である。
図12】第2実施形態の入賞役などを説明するための図である。
図13】第2実施形態の抽選対象役などを説明するための図である。
図14】第2実施形態の再遊技役当選時のリール制御について説明するための図である。
図15】第2実施形態の再遊技役当選時のリール制御について説明するための図である。
図16】第2実施形態の小役当選時のリール制御について説明するための図である。
図17】第2実施形態の再遊技役当選時のリール制御について説明するための図である。
図18】第2実施形態の小役当選時のリール制御について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロッ
トマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された
前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液
晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透
過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表
示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並
設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する
)が視認可能となる。図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L~2Rに
は、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。また、可変表示部
は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装
置にて構成されているものであってもよい。
【0027】
本実施形態では、各リールの図柄として、赤色の赤7図柄、青色のリプレイ図柄、黄色
のベル図柄、白色の白星図柄、黒色の黒星図柄、黒色の黒BAR図柄、緑色のスイカ図柄
、黄色のバナナ図柄、赤色のチェリー図柄とがある。また、赤色の赤7図柄と、赤色のチ
ェリー図柄とをまとめて「赤色図柄」ともいう。
【0028】
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1
bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられて
いる。
【0029】
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)
として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の
賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数
を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作され
るスタートスイッチ7、リール2L~2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップ
スイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられてい
る。
【0030】
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部1
3が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数
が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが
表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED1
4、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する
投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であ
ることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイ
ト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転
開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞
後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
【0031】
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投
入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する
。これにより、入賞ラインLN1~5の全てが有効となり、スタートスイッチ7への操作
が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された
場合には、その分はクレジットに加算される。
【0032】
入賞ラインとは、リール2L~2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の
組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、5本の入賞ラインLN
1~5が設けられている例について説明するが、入賞ラインの数は5以外の数(たとえば
、1本を含む)であってもよい。
【0033】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L~2Rを回
転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L~8Rが操作されると対応するリール
の回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示
する。導出表示される図柄(表示結果)として、選択可能なものは、ストップスイッチ8
L、8C、8Rが操作されたときに入賞ラインLN上に表示されている図柄と、そこから
4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。規定数の賭数(たとえば、3)が
設定されると、各入賞ラインが有効化されて、ゲームが開始可能な状態となる。入賞ライ
ンLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数
のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)
に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
【0034】
また、左リール2Lについては、如何なるタイミングで左ストップスイッチ2Lが操作
されたときであっても、各入賞ラインのいずれかに赤色図柄(赤7およびチェリー)を導
出可能となるように、図柄が配列されている。また、右リール2Rについては、如何なる
タイミングで右ストップスイッチ2Rが操作されたときであっても、スイカ図柄を導出可
能となるように、図柄が配列されている。
【0035】
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図4は、スロットマシン1の機
能構成例を示す図である。図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に
応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御す
る演出制御基板90、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じ
た信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
【0036】
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例
示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技
制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40
は、リールセンサ33L~33Rからの信号に基づき、リールモータ32L~32Rを駆
動制御する。
【0037】
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内
に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うととも
に、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、
I/Oポートなどを備えている。
【0038】
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続され、また液晶表示器51などの演出
装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、
サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。
サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理
を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的
に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM
、RAM、I/Oポートなどを備えている。サブ制御部91の回路構成には、たとえば、
日および時刻のうちの少なくともいずれか一方を計時するための時計装置97(以下では
、RTCともいう)を含む。サブ制御部91は、たとえば、RTC97により計時された
日および時刻のうちの少なくともいずれか一方の値や、演出用スイッチ56からの検出信
号などに応じて演出制御を実行可能である。電源基板101には、ホッパーモータ34b
、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されてい
る。
【0039】
図5は、本実施形態の主な入賞役を説明するための図である。入賞役の名称欄には、入
賞役の名称を示し、図柄組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示してい
る。払出し枚数・作動欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)、お
よび作動(制御)される状態を示している。再遊技とは、メダルを用いることなく次のゲ
ームの賭数を自動で設定する(メダルを用いることなく次のゲームを行うことが可能とな
る)ことである。
【0040】
たとえば、スイカは、入賞ライン上に「スイカ-スイカ-スイカ」が導出されることで
入賞が発生する役である。また、赤7ベルは、入賞ライン上に「赤7-ベル-ベル」が導
出されることで入賞が発生する役である。また、チェリーは、入賞ライン上に「チェリー
-ANY-ANY」が導出されることで入賞が発生する役である。ANYとは、どのよう
な役であってもよいことを示す。
【0041】
また、※1に示すように、抽選対象役(当選役)である「チェリー」は、入賞役である
赤7ベルとチェリーとの組合せで構成される役である。つまり、チェリーが当選したとき
には、操作タイミングに応じて、赤7ベルおよびチェリーのいずれかが必ず入賞する(図
6参照)。本実施形態では、チェリーは、取りこぼしがない役である。変形例として、チ
ェリーは、取りこぼしの可能性がある役としてもよい。たとえば、中リールおよび右リー
ルのうちの少なくとも一方のリールにおいて、入賞タイミングで操作されたときには、チ
ェリーが入賞するが、入賞タイミングとは異なるタイミングで操作されたときには、チェ
リーが入賞しないような構成としてもよい。
【0042】
また、※2に示すように、抽選対象役である「スイカ」は、入賞役であるスイカで構成
される役である。本実施形態では、スイカは、取りこぼしの可能性のある役であるとして
説明する。変形例として、スイカは、取りこぼすことがない役としてもよい。また、※3
に示すように、後述するAT抽選が実行される条件は、「スイカ」が当選することにより
成立する条件と、「チェリー」が当選することにより成立する条件とを含む。
【0043】
なお、図5中のBBは、所定の小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率とな
るビッグボーナスを示す。また、CBは、全ての小役が当選するチャレンジボーナスを示
す。
【0044】
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処
理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
【0045】
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し
、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するた
めの内部抽選処理が行われる。
【0046】
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲ
ームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、
リール2L~2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L~8Rを有効化し、停止
操作に応じてリールの回転を停止させる。なお、リール回転処理では、所定のフリーズ条
件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L
~8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演
出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L~8Rを有効化して通常ゲームに移行させ
るようにしてもよい。
【0047】
リール2L~2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せ
に基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理が行われる。入賞判定処理
が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出し
またはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル
払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小
役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。
【0048】
また、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操
作されてからリール2L~2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイ
ッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L~2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態
の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
【0049】
また、本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるも
のである。詳しくは、設定値に応じて、後述する内部抽選で用いる当選確率を決定するこ
とにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり
、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くな
る。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高
く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、設
定値を変更するためには、スロットマシン1の内部に設けられた操作部(図示せず)を管
理者が操作し、設定値を変更可能な設定変更状態に移行させればよい。また、設定値を確
認するためには、管理者が所定の操作をして、設定値を確認可能な設定確認状態に移行さ
せればよい。
【0050】
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は
、ATに制御するか否かのAT抽選を実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選で
ATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞
ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するた
めの処理を実行する。
【0051】
本実施形態の有利な図柄組合せとは、たとえば、有利状態に移行させる図柄組合せ、現
在制御されている状態から不利状態への転落を防止(維持)できる図柄組合せ、該有利な
図柄組合せとは異なる図柄組合せが導出されたときよりも多くのメダルが払出される図柄
組合せなどを含む。有利状態とは、たとえば、再遊技役の当選確率が通常状態よりも高い
有利RTなどを含む。不利状態とは、たとえば、再遊技役の当選確率が通常状態よりも低
い不利RTなどを含む。
【0052】
AT抽選処理では、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATに制御すると決定
したときには、複数種類のゲーム数(たとえば、50、100、150、200、250
、300)からATゲーム数を決定する。ATゲーム数は、メイン制御部41のRAMの
所定領域において記憶する。また、メイン制御部41は、ATを開始するタイミングを抽
選する。メイン制御部41は、たとえば、AT当選ゲームから0~32ゲーム経過でAT
を開始することを乱数値の抽選により決定する。
【0053】
メイン制御部41は、AT当選しているときにはAT開始タイミングとなったときに、
ATフラグを設定してATに制御する。ATフラグは、メイン制御部41のRAMの所定
領域において記憶し、ATゲーム数が0に到達したときにクリアされる。
【0054】
また、サブ制御部91は、チェリーが当選したときに、チェリーを示唆する赤色を用い
てチェリー告知演出を実行する。本実施形態のチェリー告知演出は、たとえば、赤色のチ
ェリー図柄に対応するキャラクタ画像を表示する演出である。これにより、遊技者に、チ
ェリーが当選したことを直接的に認識させることができる。
【0055】
また、サブ制御部91は、スイカが当選したときに、スイカ告知演出を実行する。本実
施形態のスイカ告知演出は、たとえば、緑色のスイカ図柄に対応するキャラクタ画像を表
示する演出である。これにより、遊技者に、スイカが当選したことを直接的に認識させる
ことができる。以下では、スイカ告知演出とチェリー告知演出とをまとめて告知演出とも
いう。また、告知演出は、チェリー当選したときまたはスイカ当選したときに所定確率(
100%を含む)で実行するようにしてもよい。また、告知演出は、いわゆるガセ演出(
チェリーおよびスイカのいずれも当選していないにもかかわらず、実行される演出)とし
てもよい。
【0056】
[小役当選時のリール制御について]
図6図8は、小役当選時のリール制御について説明するための図である。本実施の形
態では、チェリーやスイカ等の抽選対象役に当選したときに、告知演出が実行される。告
知演出が実行されているにも関わらず、告知演出で表示されるキャラクタ画像(たとえば
、チェリーを示す画像やスイカを示す画像)が入賞ライン上ではなく、無効ライン上の表
示結果を示すものである場合、無効ライン上の表示結果を遊技の結果であると誤認させて
しまう虞がある。
【0057】
本実施の形態では、このような告知演出で表示される画像に対する遊技者の誤認を防止
するために、入賞ライン上に実際に表示される図柄との関係において、以下のようなリー
ル制御を実行している。図6は、チェリーに当選したときのリール制御を示している。図
6では、左、中、右の停止順(以下、順押しともいう。)で停止操作が実行されている。
【0058】
図6(a)~(c)は、左リールにおいて目押し成功となるタイミングで操作された場
合を示し、図6(d)~(f)は、左リール2Lにおいて目押し失敗となるタイミングで
操作された場合を示す。左リール2Lにおいて、チェリー当選時における目押し成功とな
るタイミングとは、入賞ラインLN1~LN5のいずれかにチェリー図柄を導出できるタ
イミングをいう。チェリー当選時における目押し失敗となるタイミングとは入賞ラインL
N1~LN5のいずれにもチェリー図柄を導出できないタイミングをいう。
【0059】
チェリー当選時に、目押し成功となるタイミングで、ストップスイッチ8Lが停止操作
された場合には、入賞ラインLN1上にチェリー図柄が停止する。図6(a)の例では、
左リール2Lの上段にチェリー図柄が停止する例が記載されている。図6(b)、(c)
の例では、ストップスイッチ8Cやストップスイッチ8Rが停止操作された場合において
、中リール2Cの上段および右リール2Rの上段にベル図柄が停止することが記載されて
いる。このように、チェリーが当選したときにおいて、目押し成功となるタイミングでス
トップスイッチ8Lが操作されたときには、入賞ラインLN1上に、「チェリー-ベルー
ベル」が導出されることにより、チェリーが入賞する。
【0060】
また、チェリー当選時に、目押し失敗となるタイミングで、ストップスイッチ8Lが停
止操作された場合には、入賞ラインLN1上にチェリー図柄と同一の色を含む赤7図柄が
停止する。図6(d)の例では、左リール2Lの入賞ラインLN1上(上段)に赤7図柄
が停止する例が記載されている。図6(e)、(f)の例では、ストップスイッチ8Cや
ストップスイッチ8Rが停止操作された場合において、中リール2Cの上段および右リー
ル2Rの上段にベル図柄が停止することが記載されている。このように、チェリーが当選
したときにおいて、目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8Lが操作されたと
きには、入賞ラインLN1上に、「赤7-ベルーベル」が導出されることにより、赤7ベ
ルが入賞する。
【0061】
また、左、中、右の停止順で停止操作する場合は、左リール2Lにおいて図2に示す1
0番の黒BAR図柄を透視窓3の枠内(枠の下段の位置)に狙いストップスイッチ8Lを
停止させる操作手法が存在する。このような位置でストップスイッチを押せば、入賞ライ
ン上に赤7図柄を停止させることが可能となることから、チェリーなどの取りこぼしを抑
えることができる。
【0062】
図7は、図6と同様に、チェリーに当選したときのリール制御を示している。図7では
、中、右、左の停止順で停止操作が実行されている。図7(a)~(c)は、左リールに
おいて目押し成功となるタイミングで操作された場合を示し、図7(d)~(f)は、左
リールにおいて目押し失敗となるタイミングで操作された場合を示す。左リールにおいて
、チェリー当選時における目押し成功となるタイミングとは、入賞ラインLN1~LN5
のいずれかにチェリー図柄を導出できるタイミングをいう。チェリー当選時における目押
し失敗となるタイミングとは入賞ラインLN1~LN5のいずれにもチェリー図柄を導出
できないタイミングをいう。
【0063】
チェリー当選時に、左第1停止以外(中第1停止または右第1停止:以下、変則押しと
もいう。)の操作がされた場合では、本実施形態では、図7(a)、(b)、(c)、(
d)に示すように、中リール2Cおよび右リール2Rそれぞれの上段に、ベル図柄を導出
する。左リール2Lについて、目押し成功となるタイミングで操作された場合には、図7
(c)に示すように、上段にチェリー図柄を導出する。これにより、入賞ラインLN1上
に、「チェリー-ベルーベル」が導出されることで、チェリーが入賞する。一方、左リー
ル2Lについて、目押し失敗となるタイミングで操作された場合には、図7(f)に示す
ように、上段に赤7図柄を導出する。これにより、入賞ラインLN1上に、「赤7-ベル
ーベル」が導出されることで、赤7ベルが入賞する。
【0064】
このように、本実施形態では、チェリー当選時において、順押しされたか変則押しされ
たか否かに関わらず、左リール2Lにおいて目押し成功したときには赤色のチェリー図柄
が導出され、左リール2Lにおいて目押し失敗したときには赤色の赤7図柄が導出される
【0065】
次に、変則押しがされたときに、上段にベル図柄を導出する理由を説明する。チェリー
当選時には、左リール2Lにおいて、目押し失敗したか目押し成功したかに関わらず、該
左リール2Lには、赤色図柄を導出する。仮に、チェリー当選時において、変則押しのう
ち中第1停止されたときに、中リール2Cの中段または下段に、該ベル図柄を導出させる
特定リール制御を行うスロットマシンでは、入賞ラインは、上段、中段、および下段の水
平ラインであることから、左リールでは、該中段または下段に赤色図柄を導出させる必要
がある。また、赤色図柄を中段または下段に引込むためのコマ数は、赤色図柄を上段に引
込むためのコマ数よりも多くなってしまう。したがって、特定リール制御を行うスロット
マシンでは、図柄の配列の自由度を低下させる虞がある。
【0066】
これに対し、本実施形態では、チェリー当選時において、変則押しのうち中第1停止さ
れたときにおいて、中リール2Cの上段にベル図柄を上段に導出する。これにより、左リ
ール2Lにおいて、赤色図柄を引込む場所を上段とすることができる。したがって、特定
リール制御を行うスロットマシンと比較して、本実施形態のスロットマシンでは、赤色図
柄を引込むためのコマ数を少なくすることができる。よって、図柄の配列の自由度を向上
させることができる。
【0067】
次に、スイカが当選したときのリール制御について説明する。図8(a)~(c)は、
目押し成功となるタイミングで操作された場合を示し、図8(d)~(f)は、目押し失
敗となるタイミングで操作された場合を示す。左リールにおいて、スイカ当選時における
目押し成功となるタイミングとは、入賞ラインLN1~LN5のいずれかにスイカ図柄を
導出できるタイミングをいう。スイカ当選時における目押し失敗となるタイミングとは入
賞ラインLN1~LN5のいずれにもスイカ図柄を導出できないタイミングをいう。
【0068】
スイカ当選時に、目押し成功となるタイミングで、ストップスイッチ8Lが停止操作さ
れた場合には、入賞ラインLN上にスイカ図柄が停止する。図8(a)の例では、左リー
ル2Lの上段にスイカ図柄が停止する例が記載されている。図8(b)、(c)の例では
、ストップスイッチ8Cやストップスイッチ8Rが停止操作された場合において、中リー
ル2Cの上段および右リール2Rの上段にスイカ図柄が停止することが記載されている。
このように、スイカが当選したときにおいて、目押し成功となるタイミングでストップス
イッチ8Lが操作されたときには、入賞ラインLN1上に、「スイカ-スイカ-スイカ」
が導出されることにより、スイカが入賞する。
【0069】
また、スイカ当選時に、目押し失敗となるタイミングで、ストップスイッチ8Lが停止
操作された場合には、図8(d)に示すように、入賞ラインLN上にスイカ図柄は導出し
ない。本実施形態では、目押し失敗となるタイミングで、ストップスイッチ8Lが停止操
作された場合には、図8(f)に示すように、右リールにおいて必ずスイカ図柄が導出す
る。なお、図8(e)の例では、中リール2Cではスイカ図柄は導出されていないことが
記載されている。このように、本実施形態では、スイカが当選したときにおいて、目押し
失敗となるタイミングで、ストップスイッチ8Lが停止操作された場合には、スイカは入
賞しない。
【0070】
[第1実施形態により得られる主な効果]
次に、第1実施形態により得られる主な効果を説明する。
【0071】
(1) 第1実施形態においては、チェリー当選時に、サブ制御部91によりチェリー
当選を示唆するチェリー告知演出が実行される。また、図6(a)~(c)に示すように
、左リール2Lにおいて、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8Lが操作さ
れたときは、左リール2Lに赤色のチェリー図柄が導出される。また、図6(d)~(f
)に示すように、左リール2Lにおいて、目押し失敗となるタイミングでストップスイッ
チが操作されたときは、左リール2Lに赤色の赤7図柄が導出される。つまり、左リール
2Lにおいて、目押し成功であるか目押し失敗であるかに関わらず、入賞ライン上に赤色
図柄が導出される。よって、入賞ラインLN上に表示された表示結果がチェリー当選であ
ることを示すことができ、入賞ラインLN上に表示された表示結果が入賞ラインとは異な
るライン上に表示された表示結果として誤認されることを防止することができる。
【0072】
(2) また、図6(d)~(f)に示すように、赤7図柄は、チェリー入賞を発生さ
せる表示結果が導出されたときにおける入賞ラインLN1の識別情報に含まれる図柄であ
る。本実施形態では、図5に示すように、チェリーは、チェリーである「チェリー-AN
Y-ANY」のみならず、赤7ベルである「赤7-ベル-ベル」を含む。このように、本
実施形態では、チェリーは取りこぼしのない当選役である。したがって、チェリー当選時
に、左リールにおいて目押し失敗した場合であっても、赤7ベルが入賞することから、目
押しが失敗した遊技者に対して損をさせないようにできる。したがって、安心した遊技性
を提供できる。
【0073】
(3) また、スイカ当選時に、サブ制御部91によりスイカ当選を示唆する演出が実
行される。また、図8(a)~(c)に示すように、左リール2Lにおいて、目押し成功
となるタイミングでストップスイッチ8Lが操作されたときは、左リール2Lにスイカ図
柄が導出される。また、図8(d)~(f)に示すように、左リール2Lにおいて、目押
し失敗となるタイミングでストップスイッチ8Lが操作されたときは、左リール2Lにス
イカ図柄が導出されないが、右リール2Rに、入賞ライン上にスイカ図柄が導出される。
このように、失敗タイミングでストップスイッチが操作されたときであっても、入賞ライ
ン上の右リールには、スイカ当選を示すスイカ図柄が導出される。よって、入賞ライン上
に表示された表示結果がスイカ当選であることを示すことができ、入賞ライン上に表示さ
れた表示結果が無効ライン上に表示された表示結果として誤認されることを防止すること
ができる。
【0074】
(4) また、図7で説明したように、チェリー当選したときにおいて、変則押し(中
第1停止または右第1停止)されたときには、第1停止されたリールの上段に、ベル図柄
を導出するリール制御が実行される。これにより、左リール2Cにおいて、赤色図柄を引
込むためのコマ数を少なくすることができる。よって、図柄の配列の自由度を低下させる
虞がある。
【0075】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のスロットマシンについて説明する。図9は、第2実施形態に係る
スロットマシン100の全体構造を示す正面図である。図1図9とを比較すると、入賞
ラインは、図1では、LN1~LN5であるのに対し、図9では、左下から右斜め上に上
がるように形成された入賞ラインLNである点で両図面は異なる。また、図9の例では、
入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ライ
ンLM1~LM4が設けられている。無効ラインLM1~LM4は、入賞判定されるライ
ンではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1
~LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(たとえば、ベル-ベル-ベル)を揃えること
で、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくす
るものである。
【0076】
また、図10の各リールの図柄配列については、右リール2Rにおいてチェリー図柄が
5コマ以内に必ず配置されている。また、中リール2Cにおいてスイカ図柄が5コマ以内
に必ず配置されている。各リールにおいて、所定時間内で引き込み可能な範囲内は、5コ
マ以内であるので、後述するチェリーリプ当選時には、必ず右リール2Rにチェリー図柄
を導出することが可能であり、スイカ当選時には、必ず中リール2Cにスイカ図柄を導出
することが可能である。また、第2実施形態のスロットマシン100の内部構造と機能構
成例については、図3および図4と同様なので説明を繰り返さない。
【0077】
図11および図12は、再遊技役の種類、再遊技役の図柄組合せ、及び再遊技役に関連
する技術事項について説明するための図である。図11および図12の入賞役の名称欄に
は、主な入賞役の名称として、再遊技役の名称リプ1~リプ16と、小役であるスイカと
が示されている。また、図柄組合せの欄は、その入賞役(再遊技役)が入賞となる図柄の
組合せを示している。
【0078】
図13は、抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、
入賞役の組合せ欄には、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示している。たとえば、
中段チェリーリプは、リプ1+リプ15+リプ16とで構成される。また、本実施形態の
AT抽選が実行される条件は、スイカ当選、中段チェリーリプ当選、強チェリーリプ当選
、弱チェリーリプ当選を含む。
【0079】
また、遊技者にとっての有利度である、AT抽選においてATに制御すると決定される
信頼度やATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値(獲得する平均ゲーム数
)は、特定の抽選対象役の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、中段チ
ェリーリプ、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、スイカの順となり、スイカが最も有利度
が低くなるようにAT抽選が行われる。
【0080】
[チェリーリプなどの当選時のリール制御について]
図14図18は、チェリーリプなどの当選時のリール制御について説明するための図
である。本実施の形態では、チェリーリプ(強チェリーリプ、弱チェリーリプ、中段チェ
リーリプ)やスイカ等の抽選対象役に当選したときに、告知演出(入賞示唆演出)が実行
される。告知演出(入賞示唆演出)が実行されることにより、いずれの抽選対象役に当選
したかを示唆することが可能となる。これらの演出が実行されているにも関わらず、告知
演出(入賞示唆演出)で表示されるキャラクタ画像(たとえば、チェリーを示す図柄やス
イカを示す図柄)が入賞ライン上ではなく、無効ライン上の表示結果を示すものである場
合、無効ライン上の表示結果を遊技の結果であると誤認させてしまう虞がある。
【0081】
本実施の形態では、このような告知演出(入賞示唆演出)で表示される画像に対する遊
技者の誤認を防止するために、入賞ラインLN上に実際に表示される図柄との関係におい
て、以下のようなリール制御を実行している。図14は、強チェリーリプまたは弱チェリ
ーリプに当選したときのリール制御を示している。図14では、左、中、右の停止順で停
止操作が実行されている。左、中、右の停止順で停止操作する場合は、左リール2Lにお
いて図10に示す3番の赤7図柄を透視窓3の枠内(枠の上段の位置)に狙いストップス
イッチ8Lを停止させる。このような位置でストップスイッチを押せば、チェリーやスイ
カの取りこぼしを抑えることができる。強チェリーリプに当選した場合には、チェリーの
キャラクタ画像を液晶表示器51の表示領域51aに表示する告知演出(入賞示唆演出)
が実行される。
【0082】
図14(a)~(c)は、目押し成功となるタイミングで操作された場合を示し、図1
4(d)~(f)は、目押し失敗となるタイミングで操作された場合を示す。目押し成功
となるタイミング、目押し失敗となるタイミングについて、図10を用いて具体的に説明
する。たとえば、強チェリーリプ当選時に左リール2Lを第1停止させるとき、図10
2番のチェリー図柄を左リール2Lの下段に停止できたときが目押し成功となるタイミン
グである。2番のチェリー図柄から4コマ先にある図柄までが引き込み可能な範囲である
ため、18番のブランク図柄、19番のリプレイ図柄、20番のベル図柄、1番のスイカ
図柄が左リール2Lの下段の位置にある場合および、2番のチェリー図柄が左リール2L
の下段の位置にある場合にストップスイッチ8Lの停止操作が実行されるとチェリー図柄
を左リール2Lの下段の位置に停止させることが可能となる。このような場合が目押し成
功となるタイミングである。また、3番の赤7図柄~17番のバー図柄を左リール2Lの
下段の位置にある場合にストップスイッチ8Lの停止操作が実行されるとチェリー図柄は
、左リール2Lの下段の位置に停止させることが不可能となる。このような場合が目押し
失敗となるタイミングである。
【0083】
強チェリーリプ当選時に目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8Lが停止操
作された場合には、図14(a)に示すように左リール2Lの下段にチェリー図柄が停止
する。次いで、中リール2Cにおいて図10に示す3番の赤7図柄を透視窓3の枠内に狙
いストップスイッチ8Cを停止させる。目押し成功となるタイミングでストップスイッチ
8Cが停止操作された場合には、図14(b)に示すように中リールの中段にチェリー図
柄が停止する。また、右リール2Rは、5コマ以内に必ずチェリー図柄が配列されている
ため、強チェリーリプ当選時は、図14(c)に示すように上段に必ずチェリー図柄が停
止する。図14(c)に示すように、入賞ラインLN上には、チェリー図柄が3つ停止し
、再遊技役が入賞する。これは、図12に示す強チェリーリプ当選時のリプ15の入賞を
示す図柄組合せが導出された場合を示している。
【0084】
また、強チェリーリプ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8Lが
停止操作された場合には、図14(d)に示すように左リール2Lの下段にリプレイ図柄
が停止する。次いで、中リール2Cにおいて、目押し成功となるタイミングでストップス
イッチ8Cが停止操作された場合には、図14(e)に示すように中リールの中段にリプ
レイ図柄が停止する。しかし、右リール2Rは、5コマ以内に必ずチェリー図柄が配列さ
れているため、目押し失敗のタイミングであるか否かに関わらず、強チェリーリプ当選時
に右リール2Rには、図14(f)に示すように上段に必ずチェリー図柄が停止する。図
14(f)に示すように、入賞ラインLN上には、リプレイ-リプレイ-チェリーとなる
図柄組合せで図柄が停止し、再遊技役が入賞する。これは、図12に示す強チェリーリプ
当選時のリプ16の入賞を示す図柄組合せが導出された場合を示している。
【0085】
なお、左リール2Lについては目押しが成功し、中リール2Cは目押しが失敗した場合
には、チェリー-リプレイ-チェリー図柄組合せが入賞ラインLN上に表示される。また
、左リール2Lについては目押しが失敗し、中リール2Cは目押しが成功した場合には、
リプレイ-チェリー-チェリー図柄組合せが入賞ラインLN上に表示される。いずれにし
ても入賞ラインLN上(右リール2Rの上段)には、チェリー図柄が表示されることとな
る。
【0086】
サブ制御部91によりチェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図14(a)~(
c)に示すように、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L~8Rが操作さ
れたときは、左リール2Lと中リール2Cとを含む入賞ラインLN上にチェリー図柄が揃
う。また、サブ制御部91によりチェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図14
d)~(f)に示すように、目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8L~8R
が操作されたときは、入賞ラインLN上の左リール2Lと中リール2Cとにリプレイ図柄
が揃う一方、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される。このように
、成功タイミングとは異なるタイミングでストップスイッチ8L~8Rが操作されたとき
であっても、入賞ラインLN上の右リール2Rには、チェリーリプ当選を示す表示結果が
導出される。つまり、告知演出(入賞示唆演出)で表示される図柄が、入賞ラインLN上
に必ず表示されることになる。よって、目押し成功となるタイミングでも、目押し失敗と
なるタイミングでも入賞ラインLN上に表示された表示結果がチェリーリプ当選であるこ
とを示すことができ、入賞ラインLN上に表示された表示結果が遊技の結果ではないとい
う誤認を防止することができる。
【0087】
また、図14(c)に示すように、強チェリーリプ当選時に、目押し成功となるタイミ
ングでストップスイッチ8L~8Rが操作されたときには、入賞ラインLN上の左リール
2L、中リール2Cのみならず右リール2Rにもチェリー図柄が揃う。よって、左リール
2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されているか否かに関わらず、右リール2Rに
もチェリー図柄を導出することができるので、図14(c)、(f)に示すように、右リ
ール2Rに対する制御内容を共通化することができる。
【0088】
また、図14(c)、(f)に示すように、目押しを成功し全てのリールにチェリー図
柄が導出された場合であっても、目押しを失敗し左リール2L、中リール2Cにチェリー
図柄が導出されず、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出された場合で
あっても、強チェリーリプの入賞として再遊技役が入賞する。よって、左リール2L、中
リール2Cにチェリー図柄が導出されなくても入賞が発生するので、遊技の興趣が向上す
る。
【0089】
また、図14(g)に示すように、弱チェリーリプ当選時に目押し成功となるタイミン
グでストップスイッチ8L~8Rが停止操作された場合には、入賞ラインLN上の左リー
ル2Lと中リール2Cとにチェリー図柄が導出され、入賞ラインLN上の右リール2Rに
は、チェリー図柄が導出されない。その代わり、右リールにおいては、無効ラインLM4
上(右リール2R下段)にチェリー図柄が導出される。よって、チェリーリプ当選を示唆
する入賞示唆演出が実行され、目押し成功となるタイミングで停止操作が実行された場合
には、右リール2Rにおけるチェリー図柄の位置により、強チェリーリプ当選であるのか
弱チェリーリプ当選であるのかを確認することができる。なお、図14(g)は、弱チェ
リーリプ当選時のリプ15の入賞を示す図柄組合せが導出された場合を示している。
【0090】
また、図14(h)に示すように、弱チェリーリプ当選時に目押し失敗となるタイミン
グでストップスイッチ8L~8Rが停止操作された場合には、入賞ラインLN上の左リー
ル2Lと中リール2Cとにリプレイ図柄が導出され、入賞ラインLN上の右リール2Rに
、チェリー図柄が導出される。この入賞ラインLN上の図柄組合せ(リプレイ-リプレイ
-チェリー)は、強チェリーリプ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッ
チ8L~8Rが停止操作された場合の入賞ラインLN上の図柄組合せと同じである。よっ
て、入賞ラインLN上に表示された表示結果がチェリーリプ当選であることを示すことが
でき、入賞ラインLN上に表示された表示結果の誤認を防止することができる。なお、図
14(f)と図14(h)とは同じ表示結果が導出されることから、チェリーリプ当選し
たことは判断できるが、チェリーリプの強弱までは、判断できない。
【0091】
なお、弱チェリーリプ当選時に、左リール2Lまたは、中リール2Cのいずれか一方の
み目押しが成功した場合には、目押しが成功したリールの入賞ラインLN上にチェリー図
柄を導出させ、失敗したリールにはリプレイ図柄を導出させるリール制御が行われる。そ
して、右リール2Rについては、入賞ラインLN上(右リール2R上段)にチェリー図柄
を導出させる制御が行われる。
【0092】
図15は、中段チェリーリプに当選したときを示している。図15では、中、左、右の
停止順で停止操作が実行されている。中リール2Cを第1停止する際には、図10に示す
3番の赤7図柄を透視窓3の枠内に狙いストップスイッチ8Lを停止させる。赤7図柄は
、チェリー図柄と赤色の態様という点で共通する図柄である。
【0093】
中段チェリーリプ当選時に中リール2Cを目押し成功となるタイミングで操作した場合
図15(a)に示すように、中リール2Cの中段に赤7図柄が停止する。さらに、左リ
ール2Lを目押し成功となるタイミングで操作した場合、図15(b)に示すように、左
リール2Lの中段にチェリー図柄が停止する。さらに、右リール2Rを目押し成功となる
タイミングで操作した場合、図15(c)に示すように、右リール2Rの上段にチェリー
図柄が停止するとともに右リール2Rの下段に赤7図柄が停止する。なお、図15(c)
は、中段チェリー入賞とともにBB5が同時当選している場合の図柄組合せである。この
ように、右リール2Rのチェリー図柄の配列のみではなく、中リール2Cの赤7図柄によ
ってもチェリーリプ当選を示唆することができ、チェリー当選となる遊技の結果が入賞ラ
インLN上にないことの誤認を防止することができる。
【0094】
なお、左リール2Lおよび中リール2Cのいずれも目押し失敗となるタイミングでスト
ップスイッチを操作したときは、左リール2Lおよび中リール2Cには、入賞ラインLN
上にリプレイ図柄が導出され、右リール2Rの上段にチェリー図柄が導出される。つまり
図14(f)や図14(h)と同じ制御が実行される。このように、弱チェリーリプ、
強チェリーリプ、中段チェリーリプのいずれに当選していても目押し失敗となるタイミン
グで実行されたときの制御を共通化することができる。また、左リール2Lまたは、中リ
ール2Cのいずれか一方のみ目押しが成功した場合には、目押しが成功したリールの入賞
ラインLN上にチェリー図柄を導出させ、失敗したリールにはリプレイ図柄を導出させる
リール制御が行われる。そして、右リール2Rについては、入賞ラインLN上(右リール
2R上段)にチェリー図柄を導出させる制御が行われる。
【0095】
図16は、スイカに当選したときを示している。図16では、左、中、右の停止順で停
止操作が実行されている。図16(a)~(c)は、目押し失敗となるタイミングで操作
された場合を示す。目押し失敗となるタイミングについて、図10を用いて具体的に説明
する。たとえば、スイカ当選時に左リール2Lを第1停止させるとき、図10の1番のス
イカ図柄、6番のスイカ図柄、11番のスイカ図柄を左リール2Lの上段に停止できたと
きが目押し成功となるタイミングである。そして、12番のベル図柄~16番のバー図柄
までを左リール2Lの上段に停止させるタイミングで停止させたときが、目押し失敗とな
るタイミングである。
【0096】
スイカ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8Lが停止操作された
場合には、図16(a)に示すように左リール2Lの上段にBAR図柄が停止する。なお
、BAR図柄は、スイカを構成する図柄として使用される図柄である。次いで、中リール
2Cにおいては、5コマ以内に必ずスイカ図柄が配置されているため、目押しのタイミン
グに関わらず、スイカ当選時に中リール2Cには、図16(b)に示すように中段に必ず
スイカ図柄が停止する。また、スイカ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップス
イッチ8Rが停止操作された場合には、図16(c)に示すように右リール2Rの下段に
ブランク図柄a(ブラa)が停止する。
【0097】
中リール2Cにおいては、5コマ以内に必ずスイカ図柄が配置されているため、図16
に示すように、スイカ当選時には、中リール2Cにおいて必ずスイカ図柄が中段に表示さ
れるようにリール制御を実行することができる。このようにすれば、入賞ライン上にスイ
カ図柄が表示されることで、告知演出(入賞示唆演出)で表示される図柄が、入賞ライン
LN上に必ず表示されることになる。よって、スイカ当選となる遊技の結果が入賞ライン
LN上にないことの誤認を防止することができる。
【0098】
図17は、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、あるいは中段チェリーリプに当選したと
きを示している。図17では、右、中、左の停止順で停止操作が実行されている。図17
(a)に示すようにリールが回転しているときから右リール2Rを第1停止させる。図1
7(b)に示すように、右リール2Rを第1停止させた場合、チェリーリプに当選したと
きには、入賞ライン上にある右リール2Rの上段に必ずチェリー図柄が出現する。よって
、第1停止の段階でチェリーリプ当選を示唆することができる。しかし、この時点では、
左リール2Lと中リール2Cとには、どのような図柄が停止されるかが不明であるので、
チェリーリプが強、弱、中段のいずれであるかまでは分からない。
【0099】
目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L、8Cが停止操作された場合に、
強チェリーリプ当選時は、図17(c)に示すように、入賞ライン上にチェリー図柄が揃
う。また、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L、8Cが停止操作された
場合に、弱チェリーリプ当選時は、図17(d)に示すように、入賞ライン上にリプレイ
-チェリー-チェリーとなる図柄が揃う。また、目押し成功となるタイミングでストップ
スイッチ8L、8Cが停止操作された場合に、中段チェリーリプ当選時は、図17(e)
に示すように、無効ラインLM2上(左リール2Lの中段)にチェリー図柄が導出される
。なお、図17(e)は、ボーナスと中段チェリーリプとが同時当選しているときを示し
ている。中段チェリーリプ当選単独の場合は、右下がりに赤7図柄が揃うことはない。
【0100】
このように、チェリーリプ当選時に右リール2Rが最初に停止された場合には、入賞ラ
インLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される。よって、左リール2Lおよび中
リール2Cの操作前に入賞ラインLN上に表示される表示結果がチェリー当選であること
を示唆することができる。つまり、告知演出(入賞示唆演出)で表示される図柄が、入賞
ラインLN上に表示されることが第1停止の時点で示唆されることになる。よって、チェ
リー当選となる遊技の結果が入賞ラインLN上にないことの誤認を防止することができる
【0101】
図18は、スイカに当選したときを示している。図18では、中、右、左の停止順で停
止操作が実行されている。図18(a)に示すようにリールが回転しているときから中リ
ール2Cを第1停止させる。図18(b)に示すように、中リール2Cを第1停止させた
場合、スイカに当選しているときには、入賞ライン上にある中リール2Cの中段に必ずス
イカ図柄が出現する。よって、第1停止の段階でスイカ当選を示唆することができる。
【0102】
このように、スイカ当選時に中リール2Cが最初に停止された場合には、入賞ラインL
N上の中リール2Cにスイカ図柄が導出される。よって、左リール2Lおよび右リール2
Rの操作前に入賞ライン上に表示される表示結果の誤認を防止することができる。
【0103】
[第2実施形態により得られる主な効果]
次に、第2実施形態により得られる主な効果を説明する。
【0104】
(1) 前述した実施の形態においては、チェリーリプ当選時に、サブ制御部91によ
りチェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図14(a)~(c)に示すように、目
押し成功となるタイミングでストップスイッチが操作されたときは、左リール2Lと中リ
ール2Cとを含む入賞ラインLN上にチェリー図柄が揃う。また、サブ制御部91により
チェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図14(d)~(f)に示すように、目押
し失敗となるタイミングでストップスイッチが操作されたときは、入賞ラインLN上の左
リール2Lと中リール2Cとにリプレイ図柄が揃う一方、入賞ラインLN上の右リール2
Rにチェリー図柄が導出される。このように、成功タイミングとは異なるタイミングでス
トップスイッチが操作されたときであっても、入賞ラインLN上の右リール2Rには、チ
ェリーリプ当選を示す表示結果が導出される。よって、入賞ラインLN上に表示された表
示結果がチェリーリプ当選であることを示すことができ、入賞ラインLN上に表示された
表示結果が無効ライン上に表示された表示結果として誤認されることを防止することがで
きる。
【0105】
(2) 前述した実施の形態においては、図14(c)に示すように、強チェリーリプ
当選時に、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L~8Rが操作されたとき
には、入賞ラインLN上の左リール2L、中リール2Cのみならず右リール2Rにもチェ
リー図柄が揃う。よって、左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されている
か否かに関わらず、右リール2Rにもチェリー図柄を導出することができるので、図14
(c)、(f)に示すように、右リール2Rに対する制御内容を共通化することができる
【0106】
(3) 前述した実施の形態においては、図17(b)に示すように、チェリーリプ当
選時に右リール2Rが最初に停止された場合には、入賞ラインLN上の右リール2Rにチ
ェリー図柄が導出される。よって、左リール2Lおよび中リール2Cの操作前に入賞ライ
ンLN上に表示された表示結果が無効ライン上に表示された表示結果として誤認されるこ
とを防止することができる。
【0107】
(4) 前述した実施の形態においては、図14(c)、(f)に示すように、目押し
を失敗し左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されず、入賞ラインLN上の
右リール2Rにチェリー図柄が導出された場合にも強チェリーリプの入賞として再遊技役
が入賞する。よって、左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されなくても入
賞が発生するので、遊技の興趣が向上する。
【0108】
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態
に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形
態の変形例について説明する。なお、以下で説明する、第1実施形態および第2実施形態
のいずれか一方の実施形態の変形例については、他方の実施形態に適用するようにしても
よい。
【0109】
[小役について]
第1実施形態では、図5の※1に示すように、抽選対象役(当選役)である「チェリー
」は、入賞役である赤7ベルとチェリーとの組合せで構成される役である、として説明し
た。しかしながら、「チェリー」は入賞役である「赤7ベル」を含まない構成としてもよ
い。たとえば、「チェリー」は、入賞役である「チェリー」のみで構成される当選役とし
てもよい。つまり、「チェリー」は、入賞ライン上に「チェリー-ANY-ANY」が導
出されたときに入賞する役であり、「赤7-ベル-ベル」が導出されても、入賞しない役
である。これにより、左リールにおいて、目押し失敗したとき(チェリー図柄を入賞ライ
ン上に導出できなかったとき)には、チェリーは入賞しないことになる。なお、チェリー
当選はしていることから、AT抽選は実行される。このような構成によれば、チェリー当
選時の左リールに対する操作タイミングについて、遊技者に緊張感を抱かせることができ
る。
【0110】
[リール配列について]
(1) 第1実施形態については、図2に示すように、右リール2Rにおいてスイカ図
柄が引き込み可能な範囲内である5コマ以内に必ず配置されているとして説明した。した
がって、スイカ当選時は、入賞ラインLN上の右リール2Rに必ずスイカ図柄を導出させ
ることが可能であった。しかしながら、入賞ラインLN上の右リール2Rに必ずチェリー
図柄を導出させることが可能な特定リール配列としてもよい。このような特定リール配列
にすることで、チェリーが当選したときにおいて、左リール2Lでは、目押し成功したか
目押し失敗したかに関わらず必ず赤色図柄を導出し、かつ右リール2Rでは、必ずチェリ
ー図柄を導出するというリール制御が可能となる。したがって、左リールおよび右リール
の双方において、チェリー当選をより明確に示すことができる。
【0111】
仮に、特定リール配列が採用されていないスロットマシン(たとえば、図2のリール配
列が採用されたスロットマシン)では、ボーナスが当選しておらず、たとえばチェリー当
選しているゲームで、変則押し(たとえば、中右左での操作)がされた場合では、中リー
ルおよび右リールにおいて、赤7図柄がテンパイする場合がある。この場合には、左リー
ルでは、赤7図柄を揃わさないようにするリール制御を実行しなければならないという特
定の制約がある。
【0112】
そこで、特定リール配列を採用した場合には、ボーナスが当選しておらずかつチェリー
当選しているゲームで、変則押し(たとえば、中右左での操作)がされた場合でも、右リ
ールでは、チェリー図柄を導出することができることから、中リールおよび右リールにお
いて、赤7図柄がテンパイすることを防止できる。したがって、このような特定の制約を
考慮する必要はなく、リール配列の自由度を高めることができる。
【0113】
(2) 第1実施形態では、図2に示すように、左リール2Lにおいて赤色図柄が引き
込み可能な範囲内である5コマ以内に必ず配置されているとして説明した。よって、チェ
リー当選時は、入賞ラインLN上の左リール2Lに必ず赤色図柄を導出させることが可能
であった。しかしながら、3つのリールのうちの少なく1つにおいて、赤色図柄を必ず引
き込み可能な範囲内に配置するようにしてもよい。このようなリール配列にすることで、
チェリー当選時に、より明確に、チェリー当選であることを示すことができる。
【0114】
(3) 第1実施形態では、リールが3つである場合について説明した。しかしながら
、第1実施形態において、リールの数は3以外の数でもよく、たとえば、リールの数は1
としてもよい。リールの数が1であるスロットマシンで、チェリーが当選したゲームにお
いて、目押し成功したときには、該1のリールの入賞ライン上にチェリー図柄を導出し、
目押し失敗したときには、該1のリールの入賞ライン上に赤7図柄を導出する。このよう
な構成であっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0115】
(4) 第1実施形態では、目押し失敗したときにおいて、赤7図柄については、入賞
ライン上に導出するとして説明した。しかしながら、目押し失敗したときには、赤7図柄
については、入賞ラインとは異なるライン(たとえば、無効ライン)上に導出するように
してもよい。このような構成であっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができ
る。
【0116】
(5) 第1実施形態では、左リール2Lへの操作について、目押し失敗したときには
、該左リールで赤7図柄を導出として説明した。しかしながら、左リール2Lへの操作に
ついて、目押し失敗したときには、左リールとは異なるリール(中リール2Cおよび右リ
ール2Rのうちの少なくとも一方)に、赤7図柄を導出するようにしてもよい。このよう
な構成であっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0117】
(6) 第2実施形態では、図10に示すように、右リール2Rにおいてチェリー図柄
が引き込み可能な範囲内である5コマ以内に必ず配置されていた。よって、チェリーリプ
当選時は、入賞ラインLN上の右リール2Rに必ずチェリー図柄を導出させることが可能
であった。しかしながら、右リール2Rに加え、左リール2Lまたは中リール2Cのうち
少なくともいずれか一方のリールにおいて、チェリー図柄を必ず引き込み可能な範囲内に
配置するようにしてもよい。このようなリール配列にすることで、様々な制御に対応する
ことができる。
【0118】
たとえば、中リール2Cと右リール2Rとにおいて、チェリー図柄を必ず引き込み可能
な範囲内に配置するようにしてもよい。このようなリール配列にすれば、強チェリーリプ
当選時に左図柄を取りこぼした場合、リプレイ-チェリー-チェリーの図柄組合せを導出
させることができる。このようにすれば、チェリーリプ当選をより明確に示すことができ
る。また、弱チェリーリプ当選時に左図柄を取りこぼした場合、リプレイ-リプレイ-チ
ェリーの図柄組合せを導出させることで、強チェリーリプを取りこぼしたことを示すこと
ができる。また、たとえば、無効ラインLM4にリプレイ図柄が揃いそうな場合に、中リ
ール2C中段にチェリー図柄を導出させることで、チェリーリプ入賞していることを分か
りやすくすることができる。このように、図柄配列を変更することで、様々な導出表示に
対応させることができ、臨機応変に機械にあった制御を実行することができる。
【0119】
[告知演出について]
(1) 第1実施形態では、チェリーが当選したときに、チェリー当選である旨を、チ
ェリー図柄を示唆する色彩(つまり、赤色)を用いた告知演出を実行するとして説明した
。具体的には、チェリー告知演出は、赤色のチェリー図柄に対応するキャラクタ画像を表
示する演出であるとして説明した。
【0120】
しかしながら、チェリー告知演出は、チェリー当選を告知できる演出であれば、如何な
る演出であってもよい。たとえば、チェリー告知演出は、チェリー図柄そのものを表示す
る演出(チェリー図柄を示唆する演出)としてもよい。
【0121】
また、チェリー告知演出は、チェリー図柄ではなく、チェリー当選を示唆する文字を表
示する演出としてもよい。該文字とは、たとえば、「チェリー当選!」といった文字であ
る。このような構成によれば、チェリー当選したことを、遊技者に文字で認識させること
ができる。
【0122】
また、チェリー告知演出で表示される情報(キャラクタ画像または文字)の色について
は、チェリーを示唆する赤色、または、該赤色とは異なる色(たとえば、黒色)で表示す
るようにしてもよい。このような構成によれば、多様なチェリー告知演出を実行可能であ
る。また、チェリー告知演出が、赤色を用いて実行された場合と、黒色を用いて実行され
た場合とで、遊技者にとっての有利度が異なるようにしてもよい。たとえば、チェリー告
知演出が、赤色を用いて実行された場合には、黒色を用いて実行された場合よりも有利と
なるようにしてもよい。たとえば、チェリー告知演出が、赤色を用いて実行された場合に
は、黒色を用いて実行された場合には移行することのない特定状態に移行させるようにし
てもよい。特定状態とは、たとえば、所定ゲーム数毎に、AT抽選が実行される状態であ
る。このような構成によれば、多様なチェリー告知演出を実行できるとともに、チェリー
告知演出の種類に対しても遊技者の注目を集めることができる。
【0123】
(2) 本実施形態では、告知演出(入賞示唆演出)として、キャラクタ画像を用いた
演出を実行することを説明した。しかし、告知演出(入賞示唆演出)は、演出効果LED
52やリールLED55などを点灯させる制御を行い、その点灯色によって示されるよう
にしてもよい。また、告知演出(入賞示唆演出)は、スタートスイッチ7の操作時に実行
されるものではなく、1ゲームにおけるどのタイミングで実行されるようにしてもよい。
たとえば、全てのリールが停止後にチェリーリプに当選したことをLEDを赤色に発光さ
せることで示唆するようにしてもよい。
【0124】
また、本実施形態では、告知演出は、当選した役の色を用いて実行される演出であると
して説明した。しかしながら、告知演出は、当選した役の色彩を用いて実行される演出と
してもよい。ここで、色彩とは、たとえば、色、色取り、色合い、模様、および柄などの
うちの少なくとも1を含む概念である。
【0125】
[押し順について]
前述した実施の形態では、図14に示すように、目押し成功となるタイミングと目押し
失敗となるタイミングとのいずれかのタイミングにより、同じ抽選対象役が当選したとき
であっても、導出される図柄組合せが異なっていた。しかしながら、同じ抽選対象役が当
選したときに、押し順(操作手順)により導出される図柄組合せが異なるようにしてもよ
い。
【0126】
たとえば、第2実施形態においては、強チェリーリプ当選時の図柄組合せとしてリプレ
イ-リプレイ-チェリーとチェリー-チェリー-チェリーとを入賞役として設定する。そ
して、押し順として左第1停止を正解手順として、中および右第1停止を不正解手順とす
る。このような場合において、強チェリーリプ当選時に左第1停止が実行された場合には
、チェリー-チェリー-チェリーを優先的に引込み、中または右第1停止が実行された場
合には、リプレイ-リプレイ-チェリーを優先的に引込むようにしてもよい。なお、全て
のリールにおいてチェリー図柄を必ず引き込み可能な範囲内に配置すれば、正解手順で操
作された場合に、必ずチェリー-チェリー-チェリーを導出させることができる。また、
左リール2Lのチェリー図柄の位置においてチェリーリプ入賞が確定するとともに、強チ
ェリーリプ、弱チェリーリプ、中段チェリーリプのいずれの入賞役であるかが確定するよ
うにしてもよい。
【0127】
また、図柄の変動表示を特定の押し順で停止させる操作であって、かつ、当該操作が特
定のタイミングで操作されたときにのみ正解手順となる表示結果が導出されるようにして
もよい。
【0128】
[払出し枚数について]
前述した実施の形態では、図6および図14に示すように、目押し成功となるタイミン
グと目押し失敗となるタイミングとのいずれのタイミングであっても、入賞が発生するこ
とを示した。しかし、目押し成功となるタイミングと目押し失敗となるタイミングとで、
メダルの払出し枚数が異なるようにしてもよい。たとえば、目押し成功となるタイミング
で図柄が導出された場合には、目押し失敗となるタイミングで図柄が導出された場合より
も払出し枚数を多くしてもよい。また、押し順についても正解手順では不正解手順よりも
払出し枚数を多くしてもよい。また、目押し成功となるタイミングと目押し失敗となるタ
イミングとで、メダルの払出し枚数が同じになるようにしてもよい。
【0129】
[所定入賞について]
(1) 第1実施形態では、所定入賞として、チェリー、スイカなど小役を例示したが
、これに限らず、再遊技役であってもよい。この場合、所定入賞としての再遊技役は、前
述した実施の形態において示したチェリー、スイカ(たとえば、チェリーリプ、スイカリ
プ)と同じ図柄組合せで構成されるものであってもよい。また、この再遊技役については
、取りこぼしのない役とすることが好ましい。このような場合、タイミングや押し順に関
わらず、複数の可変表示部のうちの特定可変表示部である右リール2Rの表示結果として
入賞ラインLN上の識別情報が特定識別情報(チェリー図柄)となる表示結果を導出する
ようにしてもよい。たとえば、所定入賞としての再遊技役であるチェリーリプに当選した
ときに、チェリーリプの入賞示唆演出を実行する。そして、目押し成功となるタイミング
で左リール2Lが停止された場合には、左リール2Lの入賞ラインLN上にチェリー図柄
を導出し、再遊技を付与する。また、目押し失敗となるタイミングで左リール2Lが停止
された場合(左リール2Lの入賞ラインLN上にチェリー図柄を取りこぼした場合)にも
、再遊技が付与される。しかしながら、左リール2Lの入賞ラインLN上にチェリー図柄
を取りこぼした場合であっても、赤7図柄を停止させることができる(例えば、赤7-ベ
ル-ベルが入賞ラインLNに揃う)ので、チェリー当選の入賞示唆演出と表示結果との誤
認が生じることを防止することができる。
【0130】
(2) 第2実施形態では、所定入賞として、チェリーリプなどの再遊技役を例示した
が、これに限らず、メダルの付与を伴う小役であってもよい。この場合、所定入賞として
の小役は、前述した実施の形態において示したチェリーリプやスイカと同じ図柄組合せで
構成されるものであってもよい。このような場合、タイミングや押し順に関わらず、複数
の可変表示部のうちの特定可変表示部である右リール2Rの表示結果として入賞ラインL
N上の識別情報が特定識別情報(チェリー図柄)となる表示結果を導出するようにしても
よい。たとえば、所定入賞としての小役であるチェリーに当選したときに、チェリーの入
賞示唆演出を実行する。そして、目押し成功となるタイミングで左リール2Lが停止され
た場合には、左リール2Lの入賞ラインLN上にチェリー図柄を導出し、3枚のメダルを
払出せばよい。また、目押し失敗となるタイミングで左リール2Lが停止された場合(左
リール2Lの入賞ラインLN上にチェリー図柄を取りこぼした場合)には、メダルの払出
しが無いようにすればよい。しかしながら、左リール2Lの入賞ラインLN上にチェリー
図柄を取りこぼした場合であっても、右リール2Rの入賞ラインLN上にはタイミングに
関係なくチェリー図柄を停止させることができる(例えば、リプレイ-リプレイ-チェリ
ーが入賞ラインLNに揃う)ので、チェリー当選の入賞示唆演出と表示結果との誤認が生
じることを防止することができる。なお、小役を取りこぼした場合であっても、小役を取
りこぼしていない場合に比べ少なからずメダルの払出しがあるようにしてもよい。また、
小役を取りこぼした場合であっても、小役を取りこぼしていない場合であっても、同じ枚
数のメダルの払出しがあるようにしてもよい。
【0131】
[所定可変表示部の表示結果として所定ライン上に導出可能な特定識別情報について]
第2実施形態では、所定可変表示部の表示結果として所定ライン上に導出可能な特定識
別情報として、チェリーリプを発生させる図柄組合せのうちの右リールの図柄である例に
ついて説明した。しかし、所定可変表示部の表示結果として所定ライン上に導出可能な特
定識別情報は、所定入賞の発生に関わらない図柄であってもよい。すなわち、所定入賞は
、一部のリールに特定識別情報が停止することにより、他のリールに停止した識別情報に
関わらず発生するものであってもよく、この場合に所定可変表示部の表示結果として所定
ライン上に導出可能な特定識別情報は他のリールに停止する図柄であってもよい。より具
体的に、たとえば、所定入賞は、チェリー-ANY-ANYと、リプ-ANY-ANYと
のいずれでも入賞が発生するものであってもよい。この場合でも、当該所定入賞に当選し
ている場合には、右リール2Rのチェリー図柄を必ず入賞ラインLN上に引き込むような
リール制御を行うようにして、入賞ラインLN上に表示された表示結果が無効ライン上に
表示された表示結果として誤認されることを防止することができる。
【0132】
[所定ラインについて]
前述した実施の形態では、目押し成功となるタイミングで停止操作が実行された場合に
は、所定ラインとしての入賞ラインLN上に特定の図柄(チェリー図柄)が表示され、目
押し失敗となるタイミングで停止操作が実行された場合には、右リールのみ入賞ラインL
N上に特定の図柄(チェリー図柄)が表示されていた。しかし、所定ラインは、入賞ライ
ンではなく無効ラインであってもよい。そして、目押し成功となるタイミングで停止操作
が実行された場合には、無効ライン上に特定の図柄が表示され、目押し失敗となるタイミ
ングで停止操作が実行された場合には、無効ライン上に特定の図柄が表示されるようにし
てもよい。
【0133】
[リール停止タイミングについて]
第2実施形態では、チェリーリプ当選時に右リール2Rが最初に停止された場合に、入
賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出されていた。しかし、右リール2R
が最初に停止されない場合であっても入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が
導出されるようにしてもよい。たとえば、第1停止で目押しを失敗し、右リール2Rが第
2停止された場合であっても入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄を導出する
ようにしてもよい。
【0134】
[赤7図柄について]
第2実施形態では、いずれかのチェリーリプ当選時は、入賞ラインLNのいずれかにチ
ェリー図柄が停止する場合を説明した。しかし、チェリーリプ当選時に、入賞ラインLN
のいずれかにチェリー図柄が導出させなくてもよい。たとえば、中段チェリーリプ当選時
図15(c)において有効ライン上にチェリー図柄が停止しない場合(右リールの上段
にチェリー図柄が導出されない場合)を設けてもよい。このような場合、赤7図柄は、チ
ェリー図柄と赤色の態様という点で共通する図柄である。よって、赤7図柄が入賞ライン
LN上に停止した場合には、チェリー図柄が導出されていない場合であっても、チェリー
リプ当選時にチェリーリプ当選を示唆する入賞示唆演出(たとえば、赤色のキャラクタ画
像や赤色のLEDでの報知)を実行することができる。このように、入賞ラインLN上に
関連する図柄(色が共通する図柄)があることで、入賞示唆演出を実行しても遊技者の誤
認を防止することができる。
【0135】
[当選示唆演出について]
前述した実施の形態では、サブ制御部91が当選示唆演出を決定するのではなく、メイ
ン制御部41が当選示唆演出を決定するようにしてもよい。たとえば、メイン制御部41
は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およ
びAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を
行うようにしてもよい。当選示唆演出としては、たとえば、スタートスイッチ7を操作し
たときにゲームの進行を所定期間に亘って遅延させるフリーズ演出が設けられていてもよ
い。フリーズ演出中においては、リール2L~2Rを所定態様で回転させて、特定の図柄
組合せを仮停止させる擬似遊技を実行する。擬似遊技は、フリーズ演出中において複数回
実行可能である。なお、フリーズ演出は、スタートスイッチ7を操作したときに実行され
るものに限らず、第1停止操作されたときや、第3停止操作されたとき、表示結果が導出
されて1ゲームが終了したときなどに実行されるものであってもよい。
【0136】
また、BB当選あるいはAT当選している信頼度は、フリーズ演出が最も高く、続いて
、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くな
るように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められていてもよい。なお、
実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演
出が決定され得るようにしてもよい。また、当選示唆演出を実行する所定タイミングは、
これに限らず、複数タイミングからメイン制御部41により決定されるもの(より具体的
に、メイン制御部41は、AT当選示唆演出による結果報知を行うタイミングを、特定の
抽選対象役が当選したゲームから何ゲーム目(たとえば、0~32ゲームのうちいずれか
)とするかを乱数抽選などにより決定するもの)であってもよい。メイン制御部41は、
当選示唆演出を実行する所定タイミングで、当選示唆演出の種別を特定するためのコマン
ドをサブ制御部91へ出力するとともに、当該当選示唆演出がフリーズ演出である場合に
は当該フリーズ演出用の処理を実行するようにしてもよい。なお、フリーズ演出以外の当
選示唆演出については、前述した実施の形態で説明したように、サブ制御部91により決
定されるように構成してもよい。
【0137】
[スロットマシンの変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロット
マシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元
に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい
。基盤とドラムとが流通可能で、筐体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを
遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技
領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロ
ットマシンであってもよい。
【0138】
[特典について]
前述した例では、特典として、ATに制御可能にするATゲーム数など、メダルやパチ
ンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にと
っての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響
を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高
確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態
であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレ
ミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス
中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定
数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可
能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすること
が可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
【0139】
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これ
に限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(
ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数
を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制
御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を
決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するま
でATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成
立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立した
ときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決
定される継続確率を特典としてもよい。
【0140】
[有利な状態について]
前述した例では、有利な状態として、BB、全ての小役が当選するチャレンジボーナス
CB、ATなどを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではな
く、以下においてスロットマシンの例を説明する。
【0141】
有利な状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス
(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込
み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容さ
れた状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものでは
なく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化する
までの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状
態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御され
る確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、AT
の上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態
を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある
演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状
態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであって
もよい。また、有利な状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽
選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
【0142】
また、有利な状態とは、たとえば、特典を付与するか否かを決定する特典付与抽選にお
いて、「特典が付与される確率」、および「特典が付与されることが決定されたときに付
与される特典の価値(または特典量の期待値)」のうちの少なくとも一方が、通常の状態
(有利な状態とは異なる状態)よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、特
典付与抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。また、有利な
状態とは、特典を付与させるために消化することが必要な消化必要ゲーム数が、通常の状
態よりも少なくなる状態としてもよい。
【0143】
たとえば、特典をATゲーム数とした場合には、有利な状態とは、通常の状態よりも、
「AT抽選でのAT当選確率」、および「AT抽選でのAT当選した場合に付与されるA
Tゲーム数の価値」のうちの少なくとも一方が、通常の状態よりも高い状態としてもよい
。また、有利な状態とは、AT抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとし
てもよい。たとえば、通常の状態でのAT抽選の実行契機が、第1役当選および第2役当
選とした場合には、有利な状態でのAT抽選の実行契機は、第1役当選および第2役当選
に加えて第3役当選としてもよい。
【0144】
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、
スピーカ53、54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態
のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視でき
るように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ス
トップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の
変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
【0145】
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例につい
て説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が
挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストッ
クするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるも
のであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられ
る。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽
選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率や
ゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数の
ゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消
化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達し
たときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる
。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0~32ゲームの演
出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御
が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間
の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプや
LEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
【0146】
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御を
メイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行
することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。さらに、メ
イン制御部41は、たとえばAT抽選の高確率状態に制御するときなど抽選確率を向上さ
せるときに、その旨をランプやLED(たとえば、遊技補助表示器12など)の点灯制御
によって報知するようにしてもよい。より具体的に、メイン制御部41は、遊技補助表示
器12によりナビ演出を所定回数実行することによりAT抽選の高確率状態に制御する旨
を報知するようにしてもよい。あるいは、メイン制御部41は、サブ制御部91にナビ演
出を所定回数実行させることによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するように
してもよい。
【0147】
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処
理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させるこ
とが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が
実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送
することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わ
せることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足や
メインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
【0148】
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行す
るようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たと
えば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処
理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理
などを行うようにしてもよい。
【0149】
[その他]
また、設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24に
メイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/
設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行するように
してもよい。また、設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+
「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これに
より、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一
旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に
設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状
態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定
変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうこ
とを防ぐことができる。
【0150】
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定
キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をo
n状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値
が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。また、設定確認状態に
関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に
移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設
定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を
終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に
関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面
扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を
生じさせてしまうことを防ぐことができる。
【0151】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えら
れるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され
、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【符号の説明】
【0152】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、8L,8C,8R ストップスイッ
チ、40 遊技制御基板、41 メイン制御部、51 液晶表示器、90 演出制御基板
、91 サブ制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18