IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パンドウィット・コーポレーションの特許一覧

<>
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図1
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図2
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図3
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図4
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図5
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図6
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図7
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図8
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図9
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図10
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図11
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図12
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図13
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図14
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図15
  • 特許-携帯式ケーブルタイ工具 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】携帯式ケーブルタイ工具
(51)【国際特許分類】
   B65B 13/18 20060101AFI20220323BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
B65B13/18 A
H02G1/06
B65B13/18 E
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020543091
(86)(22)【出願日】2019-02-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 US2019017434
(87)【国際公開番号】W WO2019157425
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】62/629,334
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/270,777
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507202736
【氏名又は名称】パンドウィット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス・エー・ヒルゴンズ
(72)【発明者】
【氏名】サイモン・エル・ドーンボス
(72)【発明者】
【氏名】トゥック・ケー・ヴ
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド・エー・リガー
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-336763(JP,A)
【文献】特表2011-516352(JP,A)
【文献】特開平06-008910(JP,A)
【文献】特開平09-110010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 13/18
H02G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルの束の周りにケーブルタイを締め付けて固定するための自動ケーブルタイ装置であって、
第1のシャフトに第1の方向及び第2の方向に別々に回転移動を伝える第1のモータであって、前記第1及び第2の方向が、各々時計回り及び反時計回りの方向の一方である、前記第1のモータと、
前記第1のシャフトが前記第1の方向に回転すると、ケーブルタイ送達機構がケーブルタイをケーブルタイ装填開始位置に移送するように、前記第1のモータに動作可能に結合された前記ケーブルタイ送達機構と、
前記第1のシャフトが前記第2の方向に回転すると、運搬装置が前記ケーブルタイを前記ケーブルタイ装填開始位置からケーブルタイ引張り位置に移送するように、前記第1のモータに動作可能に結合される運搬装置と
前記第1の方向及び前記第2の方向に別々に第2のシャフトに回転移動を伝える第2のモータと、
前記第2のシャフトが前記第1の方向または前記第2の方向の一方に対応する方向に回転すると、ケーブルタイガイドが前記移動するケーブルタイを誘導するように、前記第2のモータに動作可能に結合されるケーブルタイガイドと、
前記第1の方向または前記第2の方向の一方に対応する前記方向と反対方向に前記第2のシャフトが回転すると、ケーブルタイテンショナが前記ケーブルタイの円周の長さを短くするように、前記第2のモータに動作可能に結合されるケーブルタイテンショナと、
を含む、前記自動ケーブルタイ装置。
【請求項2】
前記第1のモータと前記ケーブルタイ送達機構の間に配置される第1のクラッチであって、前記第1のシャフトによる前記第1の方向の回転移動が前記ケーブルタイ送達機構による移動を駆動する係合状態と、前記第2の方向の前記第1のシャフトによる回転移動が、前記第1のシャフトを前記ケーブルタイ送達機構に対してフリーホイールさせる係合解除状態とを有し、前記第2の方向の前記第1のシャフトによるそのような回転移動が、前記ケーブルタイ送達機構に移動を伝えない前記第1のクラッチをさらに含む、請求項1に記載の自動ケーブルタイ装置。
【請求項3】
前記第1のモータと前記運搬装置の間に配置される第2のクラッチであって、前記第1のシャフトによる前記第2の方向の回転移動が前記運搬装置による移動を駆動する係合状態と、前記第1の方向の前記第1のシャフトによる回転移動が、前記第1のシャフトを前記運搬装置に対してフリーホイールさせる係合解除状態とを有し、前記第1の方向の前記第1のシャフトによるそのような回転移動が、前記運搬装置に移動を伝えない前記第2のクラッチをさらに含む、請求項2に記載の自動ケーブルタイ装置。
【請求項4】
前記ケーブルタイ送達機構は、前記第1のモータに動作可能に結合されたギアリングアセンブリを含み、前記ギアリングアセンブリの第1のギアは、前記ケーブルタイ装填開始位置に前記ケーブルタイを送達するよう前記第1のシャフトが前記第1の方向に回転すると、ケーブルタイキャリアに摩擦係合して前記ケーブルタイキャリアに移動を伝えるように構成された複数の面取り歯を含む、請求項3に記載の自動ケーブルタイ装置。
【請求項5】
前記運搬装置が、前記第1のモータに動作可能に結合されたギアアセンブリを備えて、第1のギアが前記運搬装置に移動を伝えて、前記ケーブルタイを前記ケーブルタイ装填開始位置から前記ケーブルタイ引張り位置に運ぶ、請求項4に記載の自動ケーブルタイ装置。
【請求項6】
前記運搬装置が、ケーブルタイのヘッドが保持されて前記ケーブルタイ装填開始位置から前記ケーブルタイ引張り位置への前記ケーブルタイの直線の移動を伝える螺旋状チャネルを有するオーガを備える、請求項1に記載の自動ケーブルタイ装置。
【請求項7】
前記オーガが、前部及び後部ジョーのケーブルタイサポーターの周りで前記ケーブルタイを前方に押して、前記ケーブルの束の周りで環状の形状にする、請求項6に記載の自動ケーブルタイ装置。
【請求項8】
前記第2のモータと前記ケーブルタイガイドの間に配置された第3のクラッチであって、前記第2のシャフトによる前記第1の方向または前記第2の方向の一方に対応する前記方向の回転移動が前記ケーブルタイガイドによる移動を駆動する係合状態と、前記第1の方向または前記第2の方向の一方に対応する前記方向と前記反対方向の前記第2のシャフトによる回転移動が、前記第2のシャフトを前記ケーブルタイガイドに対してフリーホイールさせる係合解除状態とを有し、前記第1の方向または前記第2の方向の一方に対応する前記方向の前記反対方向の前記第2のシャフトによるそのような回転移動が、前記ケーブルタイガイドに移動を伝えない前記第3のクラッチをさらに含む、請求項に記載の自動ケーブルタイ装置。
【請求項9】
前記第2のモータと前記ケーブルタイテンショナの間に配置された第4のクラッチであって、前記第2のシャフトによる前記第1の方向または前記第2の方向の一方に対応する前記方向の前記反対方向の回転移動が前記ケーブルタイテンショナによる移動を駆動する係合状態と、前記第1の方向または前記第2の方向の一方に対応する前記方向の前記第2のシャフトによる回転移動が、前記第2のシャフトを前記ケーブルタイテンショナに対してフリーホイールさせる係合解除状態とを有し、前記第1の方向または前記第2の方向の一方に対応する前記方向での前記第2のシャフトによるそのような回転移動が、前記ケーブルタイテンショナに移動を伝えない前記第4のクラッチをさらに含む、請求項に記載の自動ケーブルタイ装置。
【請求項10】
前記第2のシャフトが前記第1の方向または前記第2の方向の一方に対応する前記方向で回転することに応答して支持壁が上方に移動するように、前記支持壁を含む前記ケーブルタイガイドが前記第2のモータに動作可能に結合される、請求項に記載の自動ケーブルタイ装置。
【請求項11】
前記支持壁が、前記ケーブルタイが前記ケーブルタイ装填開始位置から前記ケーブルタイ引張り位置に移動するときに、前記ケーブルタイを支持するために前記運搬装置に隣接する位置まで上方に移動する、請求項10に記載の自動ケーブルタイ装置。
【請求項12】
前記支持壁の上方の移動が後部ジョーを作動させ、ケーブル束の周りの前記後部ジョーを閉じる、請求項10に記載の自動ケーブルタイ装置。
【請求項13】
前記支持壁の上方の移動が前記ケーブルタイをキャリアストリップから切断し、前記ケーブルタイを前記ケーブルタイ装填開始位置に引き込む、請求項10に記載の自動ケーブルタイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年2月12日出願の米国仮出願第62/629,334号の優先権を主張するものであり、その主題は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ケーブルタイは、主に電気ケーブルや電線といった品目をまとめるための留め具の一種である。これらのケーブルタイは周知である。通常、これらはケーブルの周りに巻き付けることができる薄くて柔軟なポリマーのストリップである。低価格で使いやすいため、ケーブルタイは、他の様々な用途で使用されている。
【0003】
一般的なケーブルタイの1つはナイロン製であり、ラチェットを形成するためにヘッドの爪と係合する歯の付いた柔軟なテープの部分があり、テープの部分の自由端が引張られるときに、ケーブルタイが締め付けられ、緩むことがないようにしている。一部のタイは、押し下げてラチェットを取り外せるタブを含んでおり、タイを緩められ、または取り外せられ、場合によっては再利用できる。
【0004】
電線の束または同様の物品にケーブルタイを適用するための工具も周知である。これらの工具は、手動、半自動、または自動であり得る。これらの工具の多くは、多数のケーブルタイを含むカートリッジまたはリールを備えたディスペンサーから、適用工具に設けるための搬送機構まで、個々のケーブルタイを設ける複雑な複数の操作具である。
【0005】
このタイプの携帯式手工具が可能であるのは、個々のケーブルタイをケーブルタイリボンから分離する機構が工具自体の内部にある場合である。したがって、扱いやすい長さの個々のケーブルタイリボンが携帯式工具に配置され、各ケーブルタイを順次分離、前進、及び適用する。従来の自動のケーブルタイ設置用工具は、ケーブルタイ前進機構として、押出し棒またはキャリッジなどの様々な往復機構を利用して、タイを束の周りの適用位置に輸送していた。この種の工具は、なおも欠点がある。往復部材を次のケーブルタイを輸送するために所定の位置に引き込む必要があることに起因している。したがって、ケーブルタイの前進の機構を簡素化すると、工具全体の複雑さが大幅に軽減される。さらに、往復運搬機構を排除することで、工具の長さを短くし、使用する可動部分を減少させることができる。
【0006】
本発明は、上述の問題及び他の問題を解決し、このタイプの従来のケーブルタイ工具用デバイスによって提供されずにいる利点及び態様を提供するために提供される。本発明の特徴及び利点の完全な議論は、添付の図面を参照して進められる以下の詳細な説明に委ねられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、ケーブルの束などの周りにケーブルタイを締め付けて固定するための自動ケーブルタイ装置を対象とする。第1のモータは、第1のシャフトに第1の方向及び第2の方向に別々に回転移動を伝え、第1及び第2の方向は、それぞれ時計回り及び反時計回りの方向の一方である。ケーブルタイ送達機構は、第1のシャフトが第1の方向に回転すると、ケーブルタイ送達機構がケーブルタイをケーブルタイ装填開始位置に移送するように、第1のモータに動作可能に結合される。運搬装置は、第1のシャフトが第2の方向に回転すると、運搬装置がケーブルタイをケーブルタイ装填開始位置からケーブルタイ引張り位置に移送するように、第1のモータに動作可能に結合される。
【0008】
本発明の第1の態様は、以下の特徴の1つ以上をさらに含み得る。第1のクラッチは、第1のモータとケーブルタイ送達機構との間に配置されてもよい。第1のクラッチは、第1のシャフトによる第1の方向の回転移動がケーブルタイ送達機構による移動を駆動する係合状態と、第2の方向の第1のシャフトによる回転移動が、第1のシャフトをケーブルタイ送達機構に対してフリーホイールさせる係合解除状態とを有し、第2の方向の第1のシャフトによるそのような回転移動が、ケーブルタイ送達機構に移動を伝えない。第2のクラッチは、第1のモータと運搬装置との間に配置され得る。第2のクラッチは、第1のシャフトによる第2の方向の回転移動が運搬装置による移動を駆動する係合状態と、第1の方向の第1のシャフトによる回転移動が、第1のシャフトを運搬装置に対してフリーホイールさせる係合解除状態とを有し、第1の方向の第1のシャフトによるそのような回転移動が、運搬装置に移動を伝えない。
【0009】
ケーブルタイ送達機構は、第1のモータに動作可能に結合されたギアリングアセンブリを含み得、ギアリングアセンブリの第1のギアは、ケーブルタイ装填開始位置に複数のケーブルタイのケーブルタイを送達するよう第1のシャフトが第1の方向に回転すると、ケーブルタイキャリアに摩擦係合してケーブルタイキャリアに移動を伝えるように構成された複数の面取り歯を含む。
【0010】
運搬装置はまた、第1のモータに動作可能に結合されたギアリングアセンブリを備えてもよく、第1のギアが運搬装置に移動を伝えて、ケーブルタイをケーブルタイ装填開始位置からケーブルタイ引張り位置に運ぶ。
【0011】
本発明の第1の態様は、第2のシャフトが第1の方向または第2の方向の一方に対応する方向に回転するのに応答して支持壁が上方に移動するように、第2のモータに動作可能に結合された支持壁をさらに含み得る。支持壁は、ケーブルタイがケーブルタイ装填開始位置からケーブルタイ引張り位置に移動するときに、ケーブルタイを支持するために運搬装置に隣接する位置まで上方に移動し得る。
【0012】
第1の態様は、第1の方向または第2の方向に別々に第2のシャフトに回転移動を伝える第2のモータをさらに含み得る。第1の方向または第2の方向の一方に対応する方向に第2のシャフトが回転すると、ケーブルタイサポーターがケーブルタイ装填開始位置からケーブルタイ引張り位置までのケーブルタイの移動を誘導するように、ケーブルタイサポーターは第2のモータに動作可能に結合される。ケーブルタイテンショナは、第2のシャフトが第1の方向または第2の方向の他方に回転するときにケーブルタイテンショナが環状形状の円周の長さを減少させるように、第2のモータに動作可能に結合される。
【0013】
また、本発明の第2の態様は、ケーブルの束などの周りにケーブルタイを締め付けて固定するための自動ケーブルタイ装置を対象とする。モータは、シャフトに第1の方向または第2の方向に別々に回転移動を伝え、第1または第2の方向は、それぞれ時計回り及び反時計回りの方向の一方である。支持壁は、シャフトが第1の方向に回転することに応答して支持壁が上方に移動するように、モータに動作可能に結合され得る。支持壁は、ケーブルタイがケーブルタイ装填開始位置からケーブルタイ引張り位置に移動するときに、ケーブルタイを支持するために運搬装置に隣接する位置まで上方に移動し得る。
【0014】
第1の方向にシャフトが回転すると、ケーブルタイサポーターがケーブルタイ装填開始位置からケーブルタイ引張り位置までのケーブルタイの移動を誘導するように、ケーブルタイサポーターはモータに動作可能に結合される。ケーブルタイテンショナは、シャフトが第2の方向に回転するとき、ケーブルタイテンショナが環状形状の円周の長さを減少させるように、モータに動作可能に結合される。
【0015】
また、本発明の第3の態様は、ケーブルの束などの周りにケーブルタイを締め付けて固定するための自動ケーブルタイ装置に関する。順次実行される複数の機械的機能は、ケーブルタイを複数のケーブルタイからケーブル装填開始位置に送達し、ケーブルタイを環状の形態に形成し、ケーブルタイを引張り、環状の形態の円周の長さを短くする。第1のモータは、第1のシャフトに第1の方向及び第2の方向に別々に回転移動を伝え、第1及び第2の方向は、時計回り及び反時計回りの方向の一方である。第1のモータは、第1のシャフトが第1の方向に回転するとき、複数の機械的機能における第1の装置の機能に、第1のシャフトが第2の方向に回転するとき、複数の機械的機能における第2の装置の機能に、機械の動力を別々に供給する。第2のモータは第2のシャフトに回転移動を第3の方向及び第4の方向に別々に伝え、第3及び第4の方向は、時計回りの方向及び反時計回りの方向の一方である。第2のモータは、第2のシャフトが第3の方向に回転するとき、複数の機械的機能における第3の装置の機能に、第2のシャフトが第4の方向に回転するとき、複数の機械的機能における第4の装置の機能に、機械の動力を別々に供給する。ケーブルタイ送達機構は、第1及び第2のモータの1つに動作可能に結合され、複数の機械的機能の1つを実行し、ケーブルタイ送達機構は、ケーブルタイをケーブル装填開始位置に送達する。ケーブルタイサポーターは、第1及び第2のモータの1つに動作可能に結合され、複数の機械的機能の1つを実行し、ケーブルタイサポーターは、ケーブルタイを運搬チャネルに誘導し、下部ジョーを持ち上げ、タイをキャリアストリップから切断することができる。ケーブルタイ運搬装置は、第1及び第2のモータの1つに動作可能に結合され、複数の機械的機能の1つを実行し、ケーブルタイ運搬装置は、ケーブルタイをケーブルタイ装填開始位置からケーブルタイ引張り位置に移動し、ケーブルタイを環状状態に曲げる。ケーブルタイテンショナは、第1及び第2のモータの1つに動作可能に結合され、複数の機械的機能の1つを実行し、ケーブルタイテンショナは、環状の形態の円周の長さを短くし、余分なケーブルタイを取り除く。
【0016】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の図面と併せて以下の詳述から明らかになる。
【0017】
本発明を理解するために、添付の図面を参照して、本発明を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の手持ち式ケーブルタイ工具の斜視図である。
図2】ハウジングが取り外され、そこに装填された複数のケーブルタイを示す、本発明の手持ち式ケーブルタイ工具の斜視図である。
図3】複数のケーブルタイが装填された手持ち式ケーブルタイ工具の部分斜視図である。
図4】ケーブルタイがケーブルタイ引張り位置に向かってオーガを介して送達されていることを示す、複数のケーブルタイが装填された手持ち式ケーブルタイ工具の部分斜視図である。
図5】複数のケーブルタイが装填された手持ち式ケーブルタイ工具の部分斜視図である。
図6】ケーブル装填開始位置にあるケーブルタイを示す、上方の位置に支持壁がある複数のケーブルタイが装填された手持ち式ケーブルタイ工具の部分斜視図である。
図7】ハウジングが取り外された、本発明のケーブルタイ工具の上部の左正面斜視図である。
図8】ハウジングが取り外された、本発明のケーブルタイ工具の上部の右正面斜視図である。
図9】ハウジングが取り外された、本発明のケーブルタイ工具の上部の右背面斜視図である。
図10】ハウジングが取り外された、本発明のケーブルタイ工具の上部の左側の側面図である。
図11】ハウジングが取り外された、本発明のケーブルタイ工具の上部の右側の側面図である。
図12】駆動ベルトを示す、ハウジングが取り外された、本発明のケーブルタイ工具の上部の右側の側面図である。
図13】ハウジングが取り外された、本発明のケーブルタイ工具の上部の正面図である。
図14】ハウジングが取り外された、本発明のケーブルタイ工具の上部の背面図である。
図15】環状の形態に曲げられたケーブルタイと上方の位置にある後部ジョーとを示す装置の部分断面図である。
図16】ケーブルタイ引張り位置で環状の形態に曲げられたケーブルタイと、ケーブルタイテンショナによって減少した環状の形態の円周の長さとを示す装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、多くの異なる形態の実施形態が可能であるが、図面に示され、本明細書において本発明の好ましい実施形態に詳細に説明されており、本開示は本発明の原理の例示として考慮されるべきで、本発明の広い態様を図示された実施形態に限定することを意図していないということが理解されるべきである。
【0020】
図面を全体的に参照すると、携帯型の手持ち式ケーブルタイ装置10が示されている。このケーブルタイ装置は、供給物のケーブルタイ18からケーブルタイ14を分配し、ケーブルタイ14を複数のケーブル(図示せず)の周囲に巻き、ケーブルタイ14をケーブルの周囲で締め付ける。ケーブルタイ装置は多くの理由で有利である。
【0021】
例えば、これは完全に自己完結型である。供給物のケーブルタイ18は、ケーブルタイ装置10のハウジング22の外側にあるが、ケーブルタイ装置10の中または上に装填されると、容易に輸送される。
【0022】
さらに、ケーブルタイ装置10は片手で操作してもよい。したがって、使用者はケーブルを支え、ケーブルを持ち上げまたは移動し、及び/またはケーブルタイ装置10へケーブルを供給するのに手が自由になる。
【0023】
さらに、本発明のケーブルタイ装置10は、電源、つまり電源装置26、好ましくは装置ドライバに電子的に接続された充電式電池などのDC電源によって電力供給される。したがって、トリガなどのアクチュエータ30を操作することによるケーブルタイ装置10の作動により、ケーブルタイ14が分配され、さらなる手動の介入なしにケーブルの周りに巻き付けられる。
【0024】
図2図6に示すように、ケーブルタイ装置10と共に使用されるケーブルタイ18は、ラチェットタイプのケーブルタイであり得る。各ケーブルタイ14の一端、典型的にはヘッド34は、キャリアストリップ38に取り付けられる。反対側の端、すなわち先細の先端42は自由端であり、キャリアストリップ38に取り付けられていない。ケーブルタイ18及びキャリアストリップ38は、ケーブルタイ装置10の左側に入っていく。一対の移送ギア46は、キャリアストリップ38に食い込み、各ケーブルタイ14を適切な位置へ割出し、例えばケーブルタイ14をキャリアストリップ38から切断するまたは切ることにより分離するように構成された歯を有する。圧力バー50は、キャリアストリップ38が常に移送ギア46に対して装填されることを確実にする上方の力を生成する。これは、適切な操作とケーブルタイの移送に不可欠である。
【0025】
第1のモータ55、例えばステッパモータは、回転移動を移送ギア46に移送する駆動ギア56に結合されたシャフトを有する。したがって、シャフトは、第1の方向及び第2の方向に別々に回転移動を伝え、この場合第1及び第2の方向は、それぞれ時計回り及び反時計回りの方向の一方である。移送ギア46は、移動をキャリアストリップ38に取り付けられた複数のケーブルタイ18に移送する。
【0026】
ケーブル送達機構52は、モータ55に動作可能に結合されている。この機構は、ケーブルタイ14を装填開始位置に送達する(例えば、図6を参照)。ケーブルタイ14は、装置10の左側に装填され、キャリアストリップ38は、キャリアストリップガイド54に駆られる、または押し上げられる。キャリアストリップ38が移送ギア46に到達すると、移送ギア46は、キャリアストリップ38に係合して噛み合い、回転してケーブルタイ14を装填開始位置に移動させる。
【0027】
タイセンサ58は、キャリアストリップガイド54の端部に配置される(例えば、図7を参照)。タイセンサ58(図8)は、ケーブルタイ14があることを感知する。タイセンサ58は、第1のモータ55に、駆動ギア56及びケーブルタイ14が付いているキャリアストリップ38の回転を停止させる信号を送信し、それはケーブルタイ14が移送オーガ62の真下に配置されると前進を停止させる。ケーブルタイ14がこの位置にあるとき、装置10は、操作者がケーブルタイ14をケーブルの束(図示せず)に適用し始める態勢になっている。
【0028】
第1のモータ55のシャフトはさらに、ケーブルタイ運搬装置60に結合される。ケーブルタイ運搬装置60は、ケーブルタイ14を、ケーブルタイ装填開始位置からケーブルタイ引張り位置へと直線の形で移動する。ケーブルタイ運搬装置60は、オーガ62を駆動する第2の組のギア63、64を含む。駆動ギア63は、オーガ62の端部に直接取り付けられたオーガギア64に移動を移送する。
【0029】
ケーブルタイ送達機構52及びケーブルタイ運搬装置60はそれぞれ、一方向クラッチ65を有する。駆動ギア56、63は、クラッチ65が装備されている。これらのクラッチ65は、一方向に係合し、他方の方向に係合解除するように設定されている。これにより、第1のモータ55は、1つの原動力で2つの異なる機能を別々に有効にすることができる。この場合、第1のモータ55のシャフトが第1の方向に回転すると、第1の駆動ギア56の回転を駆動し、移送ギア46に運動を移送して、複数のケーブルタイ18を割出しする。第1のモータ55のシャフトは、第2の方向に回転するとき、駆動ギア63の回転を駆動し、それがオーガギア64に運動を移送し、これにより、オーガ62は、複数のケーブルタイ18からケーブルタイ14を、前部ジョー68及び後部ジョー70に向けて、オーガ62の全長に沿って外側に移送する。ケーブルタイ14は、前部ジョー68及び後部ジョー70のケーブルタイサポーター66の周りで押され、ケーブルの束(図示せず)の周りで環状の形状になる。
【0030】
したがって、1つのクラッチ65は、第1のモータ55とケーブルタイ送達機構52との間に配置される。このクラッチ65は、第1のモータ55のシャフトによる第1の方向の回転移動がケーブルタイ送達機構52による移動を駆動する係合状態と、第1のモータ55のシャフトによる第2の方向の回転移動がケーブルタイ送達機構52を第1のモータ55のシャフトに対してフリーホイールする非係合状態とを有する。第2の方向への第1のモータ55のシャフトによるそのような回転移動は、ケーブルタイ送達機構52に移動を伝えない。
【0031】
第2のクラッチ65は、第1のモータ55とケーブルタイ運搬装置60との間に配置される。また、このクラッチ65は、第1のモータ55のシャフトによる第2の方向の回転移動がケーブルタイ運搬装置60による移動を駆動する係合状態と、第1のモータ55のシャフトによる第1の方向の回転移動が駆動ギア63を第1のモータ55のシャフトに対してフリーホイールする非係合状態とを有する。第1の方向での第1のモータ55のシャフトによるそのような回転移動は、ケーブルタイ運搬装置60に移動を伝えない。
【0032】
移送ギア46に加えて、各ギアは、変更された歯の端部の外形を呈する(例えば、図5を参照)。移送ギア46の先端には、各々の歯の各側に2つ小さな面取りが施されている。この面取りされた外形により、各歯の端部が尖り、キャリアストリップ38に噛み込むことから歯が摩擦係合し、キャリアストリップ38に確実に移動を伝え、ケーブルタイ18を割出しする。この外形はまた、ケーブルタイ18が乾いているか濡れているかに関係なく、各歯の表面積を減らして、キャリアストリップ38の表面を貫通することを可能にする。
【0033】
操作者は、ケーブルの束の周りに前部ジョー68及び後部ジョー70を配置し、アクチュエータ30を係合することによって、例えば、装置のトリガを押すことによって、装置10を作動させる。
【0034】
第2のモータ74は、時計回り及び反時計回りの方向に別々にシャフトに回転移動を伝える。ケーブルタイサポーター66は、シャフトが時計回りまたは反時計回りの方向の一方に回転すると、ケーブルタイサポーター66がケーブルタイの先細の先端42をケーブルタイヘッド34に誘導するように、第2のモータ74に動作可能に結合される(例えば、図15を参照)。ケーブルタイサポーター66を駆動する方向と反対方向にシャフトが回転すると、先細の先端42がグリッパギア122と係合しているときにケーブルタイテンショナは環状の形状の円周の長さを短くするように、ケーブルタイテンショナはまた、第2のモータ74に動作可能に結合される。
【0035】
作動すると、ブラシレスモータなどの第2のモータ74が駆動ベルト78を移動させる。駆動ベルト78は、第2のモータ74に取り付けられたモータプーリ82、アイドラー86、カムプーリ90、及び引張り・遮断プーリ94に巻き付けられている。第2のモータ74は、モータプーリ82を駆動し、モータプーリ82は、駆動ベルト78を駆動して、カムプーリ90及び引張り・遮断プーリ94を回転させる。
【0036】
支持壁98は、ケーブルタイ14がケーブルタイ装填開始位置からケーブルタイ引張り位置に移動するときに、ケーブルタイ14を支持するために第2のモータ74に動作可能に結合する。支持壁98は、第2のモータ74のシャフトが時計回りまたは反時計回りの方向の一方に対応する方向に回転するのに応答して、ケーブルタイ運搬装置60に隣接する位置まで上方に移動する。
【0037】
カムプーリ90の略180度の回転により、支持壁98に移動が生じる。支持壁98は、より上の位置へと上方に移動する(例えば、図4及び図6を参照)。支持壁98は、後部ジョー70に動作可能に結合され、後部ジョー70を閉鎖すること(例えば、図11図15とを比較されたい)、ケーブルタイ14をキャリアストリップ38から切断すること、及びオーガ62によって装填開始位置から引張り位置に移送されるケーブルタイ14を支持することを作動する特徴を含む。支持壁98が上方へ移動している最中に、3つの事象が起こり、ケーブルタイ14を適切なまたは所望の位置に配置する。
【0038】
第1に、支持壁98は、第2のシャフトが第1の方向または第2の方向の一方に対応する方向で回転することに応答して支持壁が上方に移動するように、第2のモータ74に動作可能に結合される。支持壁98は上方に移動し、後部ジョーリンケージ99によって生成された支持壁98の前部の抵抗により、支持壁98の後部が最初に上方に移動する。支持壁98は、支持壁98の後部に取り付けられたカッターブレード102がケーブルタイ14に接触するまで、ある角度で上方に移動する。これにより、上方に動く支持壁98の後部に抵抗が追加され、支持壁98の前部が完全に上がり1つ以上のピン103によって停止するまで、支持壁98の前部は角度を付けて上昇する。
【0039】
支持壁98の後部は、ケーブルタイ14をキャリアストリップ38から分離、解放、または切断するカッターブレード102を含む。カッターブレード102がキャリアストリップ接続ゲートに接触すると、支持壁98は、抵抗を受けて支持壁98の前部を上昇させ始める。この角運動により、複数のケーブルタイ18内のケーブルタイ14を装填チャネルに引き込む掃引動作が生じる。これにより、オーガ62による適切なタイの移送のためにケーブルタイ14が位置合わせされる。
【0040】
第2に、支持壁98が上方に動いている間、支持壁98は、後部ジョーリンケージ99を作動させ、後部ジョー70をケーブル束などの周りで閉鎖させる(例えば、図6及び図15を参照)。
【0041】
第3に、ケーブルタイ14がキャリアストリップ38から分離されるまで、支持壁98はその上方移動を続ける。ケーブルタイ14が分離されると、カムプーリ90が停止し、支持壁98はその最終的な位置である完全に上方の位置にある。カムプーリ90は、ケーブルタイの移送の間、支持壁98をこの位置に保持する。支持壁98は、ケーブルタイ14の底面がオーガ62の長さに沿って外向きに引張り位置まで移動するときに、ケーブルタイ14の底面を支える下部ガイドとして機能する。
【0042】
この時点で、第1のモータ55は方向を逆にし、オーガ62は回転を始める。これにより、ケーブルタイ14は、ヘッドストップ110に到達するまで、前部ジョー68及び後部ジョー70に向かって前方に移動する。
【0043】
ケーブルタイ14の移動は、オーガ62の螺旋状チャネル114内に封鎖されたタイヘッド34によって成し遂げられる。オーガ62の回転により、タイヘッド34が螺旋状チャネル114の内部を直線状に前方に移動する。
【0044】
一方向クラッチ65は、第2のモータ74とカムプーリ90との間に配置されている。このクラッチ65は、第2のモータ74のシャフトによる一方向への回転移動がカムプーリ90による移動を駆動する係合状態を有する。シャフトが反対方向に回転すると、係合解除状態が発生する。この場合、シャフトによる反対方向の回転移動により、カムプーリ90は、第2のモータ74のシャフトに対してフリーホイールする。反対の方向でのシャフトによるそのような回転移動は、カムプーリ90に移動を伝えない。
【0045】
同様に、別の一方向クラッチ65は、第2のモータ74とケーブルタイテンショナとの間に配置されている。このクラッチ65は、第2のモータのシャフトによる時計回りまたは反時計回りの方向の一方での回転移動がケーブルタイテンショナによる移動を駆動する係合状態を有する。係合解除状態では、シャフトによる反対方向の回転移動により、ケーブルタイテンショナは、第2のモータ74のシャフトに対してフリーホイールする。反対の方向でのシャフトによるそのような回転移動は、ケーブルタイテンショナに移動を伝えない。
【0046】
引張り・遮断プーリ94及びカムプーリ90は、引張り・遮断プーリ94及びカムプーリ90にそれぞれ押し込まれる一方向クラッチ65を含む。一方向クラッチ65の目的は、プーリ94及びカムプーリ90が一方向に機能を実行し、他方向にフリースピンを実行できるようにすることである。引張り・遮断プーリ94とカムプーリ90には、一方向クラッチ65が反対方向に取り付けられているため、同じ第2のモータ74は、方向を逆にするだけで2つの異なる操作を実行できる(図11及び図12を参照)。
【0047】
最後の機能は、ケーブルの束などの周りでケーブルタイ14に張力をかけ、タイヘッド34で自由端42を切ることである。これは、Panduit Corp.によって市販及び販売され、また米国特許第5,595,220号に記載されているPAT1M 4.0システムで実行される機能と同じ機能である。その完全な開示は、参照により本明細書に組み込まれ、またケーブルの束の周りのケーブルタイ14に対する引張り、及びタイヘッド34でのケーブルタイ14の切断の特定の説明に対するものである。本装置10では、第2のモータ74が方向を逆転させ、引張り・遮断プーリ94が係合され、中間ギア115が引張り・遮断プーリ94によって駆動される。
【0048】
オーガ62は、ケーブルタイ14を装填位置からヘッドストップ110に移送する。ケーブルタイ14が前方に押されると、自由端42は前部ジョー68及び後部ジョー70の周りを移動し、環状の形状になる。第2のモータ74は、時計回りまたは反時計回りの方向に回転し、前部ジョー68を内側に動かして、自由端42をタイヘッド34に押し込む。
【0049】
この場合、ケーブルタイ14の自由端42は、前部ジョー68及び後部ジョー70内にある溝118内を横断し、これはガイドを形成し、ケーブルタイ14がその中を移動して、ケーブルタイ14の自由端42がタイヘッド34を通過する円周状態を形成する。
【0050】
前部ジョー68の移動は、自由端42をタイヘッド34に通し、自由端42をグリッパギア122に送達する。自由端42がタイヘッド34を通ると、前部ジョー68はケーブルタイ14の中間部分を押してタイヘッド34にさらに通し、そこで自由端42がグリッパギア122によって把持される。グリッパギア122が回転すると、自由端42が移動し、ケーブルタイ14がケーブル束の周りに引張られるまたは締め付けられる。このプロセスは、所定の設定張力に達するまで続く。所定の張力は、ノブ124によって調整可能である。このとき、第2のカッターブレード126が作動し、ケーブルタイ14の中間部分をタイヘッド34と面一に切断する。
【0051】
引張り・遮断プーリ94は、中間ギア115を駆動するギア127(例えば、図9及び図13を参照)を有する。中間ギア115は、シャフトによってグリッパ駆動ギア128に結合される。グリッパ駆動ギア128は、グリッパギア122を駆動する。
【0052】
ギア127と共に回転する前部ジョーカムローラ130(例えば、図13を参照)は、前部ジョーカムリンク134を前方に押し、その結果、前部ジョー68がピボット点138を中心に旋回して回り、それにより、タイヘッド34にケーブルタイ14の自由端42を通し、ケーブルタイ14の中間部分をグリッパギア122と係合させる。前部ジョーカムローラ130が前部ジョー戻り伸長ばね142によって十分に回転した後、前部ジョー68はその通常の位置に戻される。
【0053】
張力調整アセンブリは、グリッパギア122に機械的に連結されており、張力リテーナリンク150に張力制限ばね146を介してプリセットされた力を加え、それが戻り止めカムフォロア154に変換され、グリッパギア122がケーブルタイ14を引張ると、グリッパ戻り止めリンク158に加えられる下向きの力を増大させ、下向きの力が張力アセンブリによって加えられる力に打ち勝ち、グリッパギア122がケーブルタイを移動し始める箇所に到達する。グリッパ戻り止めリンク158が回転すると、それは、第2のカッターブレード126に、引張られたタイからケーブルタイ14の余分な中間部分を切断させる切断リンクを引張る。余剰の部分が切断されると、張力制限ばね146は、グリッパ戻り止めリンク158を所定の位置に押し戻し、戻り止めカムフォロワ154が引張り保持リンクの戻り止めまたは凹部と係合する。グリッパ戻り止めリンク158が戻ると、センサ170が作動し、ケーブルタイ14が切断され、サイクルが成功裏に完了したことを示す。グリッパギア122の継続的な回転は、ケーブルタイ14の切られた部分を装置10の外に駆動する。
【0054】
引張り・遮断プーリ94はまた、タイミング制御カットアウト178(例えば、図9を参照)を含み、それが工具のサイクルごとに1回転を完了するようにタイミングがとられる。引張り・遮断プーリ94の回転は、センサ170が最初にタイミング制御カットアウト178を感知したときにモータ74が減速するようにタイミングがとられている。センサ170がタイミング制御カットアウト178の終了を感知すると、前部ジョー68が元の位置に戻ったことを示し、モータ74は停止する。
【0055】
したがって、ケーブルタイ14が張力制限ばね146の所定の張力に達すると、張力リテーナ150が解放される。これにより、グリッパ戻り止めリンク158が主要ピボットシャフトの周りで動き、これにより、第2のカッターブレード126が引張られたケーブルタイ14を切断する。
【0056】
次に、支持壁98は、ばね174によって加えられるばねの力により補助されて、下降位置(例えば、図10を参照)まで下降する。複数のケーブルタイ18の次のケーブルタイ14は、装填位置に割出しする。これにより、ケーブルタイ装置10の1サイクルが完了する。
【0057】
カムプーリ90をさらに180度回転させることにより、支持壁98が下がる。センサ170は、支持壁98の位置を感知して、完全に下降した位置にくることを確実にする。支持壁98が下降し、センサ170がその位置を確認すると、複数のケーブルタイ18の次のケーブルタイ14が装填位置に割出しされる。
【0058】
上述のように、本発明の実施形態によれば、ケーブルタイ装置10は、複数の機械的な機能を順次実行する。これらの機能は、第1及び第2のモータ55、74によって駆動または動力付与され、これらは、複数のセンサ170、一般に近接センサまたは光学センサによって作動または制御される。この機能は、ケーブルタイ14を複数のケーブルタイ18からケーブル装填開始位置に送達し、ケーブルタイ14をその位置からケーブルタイ引張り位置に運搬し、ケーブルタイ14を環状リングに形成し、ケーブルの束周囲の環状の形態の円周の長さを短くする。
【0059】
第1のモータ55は、第1の方向及び第2の方向に別々にシャフトに回転移動を伝える。第1及び第2の方向は、時計回りの方向及び反時計回りの方向の一方である。第1のモータ55は、シャフトが第1の方向に回転するときに複数の機械的機能の第1の装置の機能に機械的動力を別々に供給する。第1のモータ55は、シャフトが第2の方向に回転するときに複数の機械的機能の第2の装置の機能に機械的動力を別々に供給する。
【0060】
第2のモータ74は、シャフトに第3の方向及び第4の方向に別々に回転移動を伝え、第3及び第4の方向は、時計回り及び反時計回りの方向の一方である。第2のモータ74は、そのシャフトが第3の方向に回転するときに複数の機械的機能の第3の装置の機能に機械的動力を別々に供給する。第2のモータ74は、そのシャフトが第4の方向に回転するときに複数の機械的機能の第4の装置の機能に機械的動力を別々に供給する。
【0061】
ケーブルタイ送達機構は、第1のモータ55及び第2のモータ74の1つに動作可能に結合され、複数の機械的機能の1つを実行し、ケーブルタイ送達機構は、ケーブルタイ14をケーブル装填開始位置に送達する。
【0062】
ケーブルタイ運搬装置は、第1のモータ55及び第2のモータ74の1つに動作可能に結合され、複数の機械的機能の1つを実行し、ケーブルタイ運搬装置は、ケーブルタイ14をケーブルタイ装填開始位置からケーブルタイ引張り位置に移動する。
【0063】
ケーブルタイテンショナは、第1のモータ55及び第2のモータ74の1つに動作可能に結合され、複数の機械的機能の1つを実行し、ケーブルタイテンショナは、環状の形態の円周の長さを短くする。
【0064】
特定の実施形態を図示し説明してきたが、本発明の精神から大幅に逸脱することなく多くの修正が思い浮かび、保護の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【符号の説明】
【0065】
10 ケーブルタイ装置
14 ケーブルタイ
18 ケーブルタイ
22 ハウジング
26 電源装置
30 アクチュエータ
34 タイヘッド
38 キャリアストリップ
46 移送ギア
52 ケーブルタイ送達機構
55 第1のモータ
60 ケーブルタイ運搬装置
65 クラッチ
68 前部ジョー
70 後部ジョー
74 第2のモータ
90 カムプーリ
94 遮断プーリ
98 支持壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16