IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECプラットフォームズ株式会社の特許一覧

特許7044907情報処理装置、情報処理システム、情報処理装置の制御方法、及び、情報処理装置の制御プログラム
<>
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理装置の制御方法、及び、情報処理装置の制御プログラム 図1
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理装置の制御方法、及び、情報処理装置の制御プログラム 図2
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理装置の制御方法、及び、情報処理装置の制御プログラム 図3
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理装置の制御方法、及び、情報処理装置の制御プログラム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理装置の制御方法、及び、情報処理装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/34 20060101AFI20220323BHJP
   G06F 11/07 20060101ALI20220323BHJP
   G06F 11/30 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
G06F11/34 176
G06F11/07 166
G06F11/07 140A
G06F11/30 165
G06F11/30 140A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021001786
(22)【出願日】2021-01-08
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】志村 裕
【審査官】多賀 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-154594(JP,A)
【文献】特開昭55-006671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/30-11/34
G06F 11/07
G06F 15/16-15/177
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のOS(Operating System)による制御によってユーザアプリケーションを実行する実行手段と、第2のOSによる制御によって前記実行手段の動作を監視する監視手段と、を備える情報処理装置を複数備えるシステムにおける前記情報処理装置の1つを自装置とする情報処理装置であって、
他の前記情報処理装置における、前記第2のOSによって出力される前記監視手段の状態を表す他装置監視手段状態情報を受信する受信手段と、
前記自装置の前記第2のOSによって出力される前記監視手段の状態を表す自装置監視手段状態情報を、他の前記情報処理装置における前記受信手段に送信する送信手段と、
前記自装置の前記第1のOSによる制御によって、前記他装置監視手段状態情報を、前記自装置の前記実行手段によって制御される記憶手段に出力する出力手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第2のOSによる制御によって、前記自装置監視手段状態情報を他の前記情報処理装置における前記監視手段に送信するとともに、前記他装置監視手段状態情報を他の前記情報処理装置における前記監視手段から受信する送受信手段をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記送受信手段は二重化されている、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受信手段及び前記送信手段は、LAN(Local Area Network)インタフェースを使用し、
前記送受信手段は、LANインタフェース及びI2C(Inter-Integrated Circuit)インタフェースの少なくともいずれかを使用する、
請求項2または請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記第1のOSによって生成された前記実行手段の状態を表す情報と、前記第2のOSによって生成された前記実行手段の状態を表す情報とを、前記記憶手段に出力する、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
互いに通信可能な複数の、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記記憶手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項7】
第1のOSによる制御によってユーザアプリケーションを実行する実行手段と、第2のOSによる制御によって前記実行手段の動作を監視する監視手段と、を備える情報処理装置を複数備えるシステムにおける第1の前記情報処理装置によって、
第2の前記情報処理装置における、前記第2のOSによって出力される前記監視手段の状態を表す他装置監視手段状態情報を受信し、
前記第1の情報処理装置の前記第2のOSによって出力される前記監視手段の状態を表す自装置監視手段状態情報を、前記第2の情報処理装置に送信し、
前記第1の情報処理装置の前記第1のOSによる制御によって、前記他装置監視手段状態情報を、前記第1の情報処理装置の前記実行手段によって制御される記憶手段に出力する、
情報処理装置の制御方法。
【請求項8】
前記第2のOSによる制御によって、前記自装置監視手段状態情報を前記第2の情報処理装置における前記監視手段に送信するとともに、前記他装置監視手段状態情報を前記第2の情報処理装置における前記監視手段から受信する、
請求項7に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
第1のOSによる制御によってユーザアプリケーションを実行する実行手段と、第2のOSによる制御によって前記実行手段の動作を監視する監視手段と、を備える情報処理装置を複数備えるシステムにおける前記情報処理装置の1つを自装置とする情報処理装置に、
他の前記情報処理装置における、前記第2のOSによって出力される前記監視手段の状態を表す他装置監視手段状態情報を受信する受信処理と、
前記自装置の前記第2のOSによって出力される前記監視手段の状態を表す自装置監視手段状態情報を、他の前記情報処理装置における前記受信処理に送信する送信処理と、
前記自装置の前記第1のOSによる制御によって、前記他装置監視手段状態情報を、前記自装置の前記実行手段によって制御される記憶手段に出力する出力処理と、
を実行させるための情報処理装置の制御プログラム。
【請求項10】
前記第2のOSによる制御によって、前記自装置監視手段状態情報を他の前記情報処理装置における前記監視手段に送信するとともに、前記他装置監視手段状態情報を他の前記情報処理装置における前記監視手段から受信する送受信処理をさらに実行させるための、
請求項9に記載の情報処理装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理装置の制御方法、及び、情報処理装置の制御プログラムに関し、特に、情報処理装置のログを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ等の大型のコンピュータシステムは、障害処理等のシステム制御動作を行う専用のサービスプロセッサ(監視手段)を備える場合がある。そして、コンピュータシステムにおいて障害が発生した場合に迅速に復旧できるように、サービスプロセッサによる障害の状態を表す情報(障害ログ)の管理を着実に行う技術が求められている。
【0003】
このような技術に関連して、特許文献1には、監視対象の計算機に発生する障害に起因して、サービスプロセッサへの過度な負荷がかかることが防止する障害ログ管理方法が開示されている。この方法では、複数の計算機を複数のグループに分割し、グループ毎に計算機を管理するサービスプロセッサを割り当てる。この方法では、複数のサービスプロセッサをネットワークによって接続したシステムにおいて、あるサービスプロセッサがその管轄下の計算機の障害を検知して障害ログを取得した時、当該サービスプロセッサの負荷率を測定する。この方法では、測定した負荷率と予め定めた閾値を比較し、負荷率が閾値未満であれば自サービスプロセッサの記憶装置に障害ログを保存する。そしてこの方法では、測定した負荷率が閾値以上であれば、負荷率が閾値未満である他サービスプロセッサへ障害ログを送信して、他サービスプロセッサの記憶装置に保存する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-110078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サービスプロセッサを備えるコンピュータシステムでは、通常、サービスプロセッサは専用のOS(Operating System)による制御の下で動作する。即ち、ユーザアプリケーションを実行するコンピュータシステム本体を制御するOS(システムOSとも称する)と、サービスプロセッサを制御するOS(監視OSとも称する)とは、別々のOSである。そして、このようなコンピュータシステムは、コンピュータシステムの状態を表す情報(ログ)として、大別して、システムOSログ、システム監視ログ、監視OSログを生成する。
【0006】
システムOSログは、システムOSによって生成されるログであり、例えばユーザアプリケーションの実行状況等の、システムOSが認識可能なコンピュータシステムの状態を表す情報である。システム監視ログは、サービスプロセッサがコンピュータシステムを監視した結果を表す情報であり、システムOSに通知される。監視OSログは、例えばサービスプロセッサの動作状態を表す情報である。通常、上述したシステムOSログ及びシステム監視ログは、システムOSによってシステムOSが管理する所定の記憶領域に格納され、監視OSログは、監視OSによって監視OSが管理する、例えばサービスプロセッサが備える所定の記憶領域に格納される。
【0007】
コンピュータシステムにおいて障害が発生した場合、システム管理者(ユーザ)は、通常、システムOSログ及びシステム監視ログを確認することによって障害を解析し、その解析結果に基づいてコンピュータシステムの復旧を行う。そして、システムOSログ及びシステム監視ログのみからでは障害の発生原因が特定できない場合、システム管理者は、監視OSログを確認することによって、より詳細に障害を解析する。
【0008】
監視OSログは上述した通り、システムOSログ及びシステム監視ログとは異なる記憶領域に格納されているので、監視OSログを確認するためには、専用のアプリケーションの使用、システム環境に合わせた手順の確立、手順書の作成等が必要となる。また、昨今のセキュリティが強化されたコンピュータシステムでは、許可が与えられていないデバイスが通信可能に接続できない仕様になっていることが多く、監視OSログを確認するために使用するデバイスの接続に時間を要する場合がある。以上のことは、障害が発生したコンピュータシステムの復旧が遅れる要因となる。即ち、情報処理装置において障害が発生した場合にユーザが障害を迅速に解析できるように、障害の状態を表す監視OSログ等の情報をユーザが確認する際の利便性を向上させることが課題である。上述した特許文献1は、この課題に関しては特に言及していない。
【0009】
本発明の主たる目的は、情報処理装置において発生した障害の状態を表す情報をユーザが確認する際の利便性を向上させることを実現する情報処理装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、第1のOSによる制御によってユーザアプリケーションを実行する実行手段と、第2のOSによる制御によって前記実行手段の動作を監視する監視手段と、を備える情報処理装置を複数備えるシステムにおける前記情報処理装置の1つを自装置とする情報処理装置であって、他の前記情報処理装置における、前記第2のOSによって出力される前記監視手段の状態を表す他装置監視手段状態情報を受信する受信手段と、前記自装置の前記第2のOSによって出力される前記監視手段の状態を表す自装置監視手段状態情報を、他の前記情報処理装置における前記受信手段に送信する送信手段と、前記自装置の前記第1のOSによる制御によって、前記他装置監視手段状態情報を、前記自装置の前記実行手段によって制御される記憶手段に出力する出力手段と、を備える。
【0011】
上記目的を達成する他の見地において、本発明の一態様に係る情報処理装置の制御方法は、第1のOSによる制御によってユーザアプリケーションを実行する実行手段と、第2のOSによる制御によって前記実行手段の動作を監視する監視手段と、を備える情報処理装置を複数備えるシステムにおける第1の前記情報処理装置によって、第2の前記情報処理装置における、前記第2のOSによって出力される前記監視手段の状態を表す他装置監視手段状態情報を受信し、前記第1の情報処理装置の前記第2のOSによって出力される前記監視手段の状態を表す自装置監視手段状態情報を、前記第2の情報処理装置に送信し、前記第1の情報処理装置の前記第1のOSによる制御によって、前記他装置監視手段状態情報を、前記第1の情報処理装置の前記実行手段によって制御される記憶手段に出力する。
【0012】
また、上記目的を達成する更なる見地において、本発明の一態様に係る情報処理装置の制御プログラムは、第1のOSによる制御によってユーザアプリケーションを実行する実行手段と、第2のOSによる制御によって前記実行手段の動作を監視する監視手段と、を備える情報処理装置を複数備えるシステムにおける前記情報処理装置の1つを自装置とする情報処理装置に、他の前記情報処理装置における、前記第2のOSによって出力される前記監視手段の状態を表す他装置監視手段状態情報を受信する受信処理と、前記自装置の前記第2のOSによって出力される前記監視手段の状態を表す自装置監視手段状態情報を、他の前記情報処理装置における前記受信手段に送信する送信処理と、前記自装置の前記第1のOSによる制御によって、前記他装置監視手段状態情報を、前記自装置の前記実行手段によって制御される記憶手段に出力する出力処理と、を実行させる。
【0013】
更に、本発明は、係る情報処理装置の制御プログラム(コンピュータプログラム)が格納された、コンピュータ読み取り可能な、不揮発性の記録媒体によっても実現可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、情報処理装置において発生した障害の状態を表す情報をユーザが確認する際の利便性を向上させることを実現する情報処理装置等が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置60の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の各実施形態に係るサーバ10あるいは情報処理装置60を実現可能な情報処理装置900の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る情報処理システム1の構成を示すブロック図である。情報処理システム1は、サーバ10、サーバ20、ストレージ30、管理端末40、LANスイッチ41を有する。サーバ10、サーバ20、及び、ストレージ30は、互いに通信可能に接続されている。情報処理システム1は、サーバ10及び20による冗長構成を構築し、サーバ10及び20のいずれかが障害の発生により停止しても、運用を継続可能である。サーバ10及び20は情報処理装置の一例であり、ストレージ30は記憶手段の一例である。尚、情報処理システム1は、3つ以上のサーバを有してもよいし、複数のストレージを有してもよい。
【0018】
ストレージ30は、例えば図4を参照して後述するRAM(Random Access Memory)903あるいはハードディスク904のような記憶デバイスを備える。ストレージ30は、サーバ10及び20において実行されるユーザアプリケーションが使用するデータを記憶し、後述する実行部11及び21によって制御される。ストレージ30は、また、後述するシステムOSログ301、システム監視ログ302、及び、監視OSログ303を記憶する。
【0019】
管理端末40は、後述するサービスプロセッサ12あるいは22から出力された情報を確認する、あるいはサービスプロセッサ12あるいは22に対する入力操作を行う際にユーザが使用する、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。管理端末40は、LAN(Local Area Network)スイッチ41を介して、サービスプロセッサ12及び22と通信可能に接続されている。
【0020】
サーバ10は、実行部11及びサービスプロセッサ12を備える。サーバ20は、実行部21及びサービスプロセッサ22を備える。実行部11及び21は同等の構成(機能)を備え、サービスプロセッサ12及び22は同等の構成(機能)を備えることとする。したがって、本実施形態では、サーバ10に関する動作の説明をもって、サーバ20に関する動作の説明を省略する場合がある。
【0021】
実行部11は、受信部111及び出力部112を備え、システムOS110を実行する。実行部21は、受信部211及び出力部212を備え、システムOS210を実行する。実行部11及び21は、より具体的には、図4を参照して後述する情報処理装置900に含まれる構成により実現される。尚、実行部11及び21、受信部111及び211、出力部112及び212は、順に、実行手段、受信手段、出力手段の一例である。
【0022】
システムOS110及び210は、例えばUNIX(登録商標)あるいはWindows(登録商標)のようなOSであり、実行部11あるいは実行部21によるユーザアプリケーションの実行を制御する。尚、システムOS110及び210は、第1のOSの一例である。
【0023】
実行部11は、システムOS110による制御によって、システムOSログ301を生成する。システムOSログ301は、例えば実行部11によるユーザアプリケーションの実行状況等の、システムOS110が認識可能な実行部11の状態を表す情報である。生成されたシステムOSログ301は、出力部112によって、随時、ストレージ30に格納される。ストレージ30に記憶されたシステムOSログ301は、サーバ20の実行部21によって同様に生成されたシステムOSログも含んでいる。
【0024】
サービスプロセッサ12は、送信部121及び送受信部122を備え、監視OS120を実行する。サービスプロセッサ22は、送信部221及び送受信部222を備え、監視OS220を実行する。サービスプロセッサ12及び22は、より具体的には、図4を参照して後述する情報処理装置900に含まれる構成により実現される。尚、サービスプロセッサ12及び22、送信部121及び221、送受信部122及び222は、順に、監視手段、送信手段、送受信手段の一例である。
【0025】
監視OS120及び220は、サービスプロセッサ12あるいはサービスプロセッサ22による実行部11あるいは実行部21の状態の監視動作を制御する。尚、監視OS120及び220は、第2のOSの一例である。
【0026】
サービスプロセッサ12は、監視OS120による制御によって、システム監視ログ302を生成する。システム監視ログ302は、サービスプロセッサ12が実行部11の動作の状態を監視した結果を表す情報である。サービスプロセッサ12は、生成したシステム監視ログ302を、実行部11に入力する。実行部11に入力されたシステム監視ログ302は、出力部112によって、随時、ストレージ30に格納される。ストレージ30に記憶されたシステム監視ログ302は、サーバ20のサービスプロセッサ22によって同様に生成されたシステム監視ログも含んでいる。
【0027】
サービスプロセッサ12は、監視OS120による制御によって、監視OSログ303を生成する。監視OSログ303は、例えばサービスプロセッサ12の動作の状態を表す情報である。サービスプロセッサ12は、生成した監視OSログ303を、サービスプロセッサ12が備える所定の記憶領域に格納する。サービスプロセッサ12は、また、生成した監視OSログ303を、送信部121を介してサーバ20における受信部211に送信する。但し、送信部121と受信部211とは、専用LANインタフェース502によって通信可能に接続されていることとする。尚、送信部121と受信部211とは、LAN以外の通信規格により接続されてもよい。送信部121から受信部211に送信される監視OSログ303は、自装置監視手段状態情報の一例である。
【0028】
サーバ20において、上述の通りに受信部211によって受信された、サービスプロセッサ12によって生成された監視OSログ303は、システムOS210によって制御される出力部212によって、随時、ストレージ30に格納される。
【0029】
ストレージ30に記憶された監視OSログ303は、サービスプロセッサ22によって同様に生成された監視OSログも含んでいる。即ち、サービスプロセッサ22は、生成した監視OSログ303を、送信部221を介してサーバ10における受信部111に送信する。但し、送信部221と受信部111とは、専用LANインタフェース501によって通信可能に接続されていることとする。尚、送信部221と受信部111とは、LAN以外の通信規格により接続されてもよい。送信部221から受信部211に送信される監視OSログ303は、他装置監視手段状態情報の一例である。
【0030】
サーバ10において、上述の通りに受信部111によって受信された、サービスプロセッサ22によって生成された監視OSログ303は、システムOS110によって制御される出力部112によって、随時、ストレージ30に格納される。
【0031】
サービスプロセッサ12における送受信部122とサービスプロセッサ22における送受信部222とは、専用LANインタフェース503及びI2C(Inter-Integrated Circuit:I2Cは登録商標)インタフェース504によって通信可能に接続されている。即ち、送受信部122及び222は、2つの通信インタフェースにより通信可能な二重化された構成を備える。尚、送受信部122と送受信部222とは、LAN及びI2C以外の通信規格により接続されてもよい。
【0032】
送受信部122及び送受信部222は、専用LANインタフェース503あるいはI2Cインタフェース504を介して、サービスプロセッサ12あるいはサービスプロセッサ22により生成された監視OSログ303を互いに送受信する。送受信部122及び送受信部222は、例えば、専用LANインタフェース503及びI2Cインタフェース504の片方が障害により使用できない場合、正常に動作しているもう片方の通信インタフェースを介して、監視OSログ303を送受信可能である。
【0033】
送受信部122及び送受信部222は、また、上述した専用LANインタフェース501及び502の少なくともいずれかが障害により使用できない場合に、サービスプロセッサ12あるいはサービスプロセッサ22により生成された監視OSログ303を送受信する。例えば、専用LANインタフェース502が障害により使用できない場合、情報処理システム1は、サービスプロセッサ12により生成された監視OSログ303を、上述したようにストレージ30へ格納することができない。またこの場合において、さらに、管理端末40とサービスプロセッサ12との間における通信経路に障害が発生した場合、ユーザは、サービスプロセッサ12における所定の記憶領域に格納されている監視OSログ303等の情報を確認することができなくなる。しかしながら、本実施形態に係る送受信部122は、サービスプロセッサ12により生成された監視OSログ303を、上述した通り送受信部222に送信するので、上述した場合においても、ユーザは、管理端末40からサービスプロセッサ22にアクセスすることによって、当該監視OSログ303を確認可能である。
【0034】
次に図2のフローチャートを参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の動作(処理)について詳細に説明する。
【0035】
実行部11及び実行部21は、システムOS110あるいはシステムOS210による制御によって、サーバ10及びサーバ20のシステムOSログ301を生成する(ステップS101)。実行部11及び実行部21は、システムOS110あるいはシステムOS210による制御によって、サーバ10及びサーバ20のシステム監視ログ302を生成する(ステップS102)。サービスプロセッサ12及びサービスプロセッサ22は、監視OS120あるいは監視OS220による制御によって、サーバ10及びサーバ20の監視OSログ303を生成する(ステップS103)。但し、上述したステップS101乃至S103は順不同である。
【0036】
送信部121は、サーバ10の監視OSログ303を、専用LANインタフェース502を介してサーバ20の受信部211へ送信し、送信部221は、サーバ20の監視OSログ303を、専用LANインタフェース501を介してサーバ10の受信部111へ送信する(ステップS104)。出力部112は、サーバ10のシステムOSログ301及びシステム監視ログ302、及び、サーバ20の監視OSログ303をストレージ30に格納する(ステップS105)。出力部212は、サーバ20のシステムOSログ301及びシステム監視ログ302、及び、サーバ10の監視OSログ303をストレージ30に格納し(ステップS106)、全体の処理は終了する。但し、上述したステップS105及びS106は順不同である。
【0037】
本実施形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置において発生した障害の状態を表す情報をユーザが確認する際の利便性を向上させることができる。その理由は、情報処理システム1は、サービスプロセッサ12及び22により生成された監視OSログ303を、サービスプロセッサ12及び22における送信部121及び221、及び、実行部11及び21における出力部112及び212を介して、ストレージ30に格納するからである。
【0038】
以下に、本実施形態に係る情報処理システム1によって実現される効果について、詳細に説明する。
【0039】
サービスプロセッサを備えるコンピュータシステムは、システムOSログ、システム監視ログ、監視OSログを生成する。システムOSログ及びシステム監視ログは、システムOSが管理する所定の記憶領域に格納され、監視OSログは、監視OSが管理する、例えばサービスプロセッサにおける所定の記憶領域に格納される。コンピュータシステムにおいて障害が発生したときに、ユーザは、システムOSログ及びシステム監視ログに加えて、監視OSログを確認することによって、より詳細に障害を解析する場合がある。
【0040】
しかしながら、監視OSログはシステムOSログ及びシステム監視ログとは異なる記憶領域に格納されているので、監視OSログを確認するためには、専用のアプリケーションの使用等が必要となる。また、セキュリティが強化されたコンピュータシステムでは、許可が与えられていないデバイスが通信可能に接続できない仕様になっていることが多く、監視OSログを確認するために使用するデバイスの接続に時間を要する場合がある。即ち、ユーザが障害を迅速に解析できるように、障害の状態を表す監視OSログ等の情報をユーザが確認する際の利便性を向上させることが課題である。
【0041】
このような課題に対して、本実施形態に係るサーバ10は、受信部111、出力部112、及び、送信部121を備え、例えば図1及び図2を参照して上述した通り動作する。但し、サーバ10は、サーバ10及び20を備える情報処理システム1における情報処理装置の1つであって、システムOS110による制御によってユーザアプリケーションを実行する実行部11と、監視OS120による制御によって実行部11の動作を監視するサービスプロセッサ12と、を備える。受信部111は、サーバ20おける、監視OS220によって出力されるサービスプロセッサ22の状態を表す監視OSログ303を受信する。送信部121は、サーバ10の監視OS120によって出力されるサービスプロセッサ12の状態を表す監視OSログ303を、サーバ20における受信部211に送信する。そして、出力部112は、システムOS110による制御によって、サーバ20の監視OSログ303を、実行部11によって制御されるストレージ30に出力する。
【0042】
即ち、本実施形態に係るサーバ10は、一般的にはサービスプロセッサ12における記憶領域に格納される監視OSログ303を、システムOSログ301及びシステム監視ログ302が記憶されているストレージ30に格納する。したがって、ユーザは、監視OSログ303を確認するための専用のアプリケーションやデバイスを準備する必要が無く、システムOSログ301及びシステム監視ログ302と同様に監視OSログ303も確認することができる。これにより、サーバ10は、情報処理装置において発生した障害の状態を表す情報をユーザが確認する際の利便性を向上させることができる。
【0043】
また、本実施形態に係るサーバ10は、送受信部122をさらに備える。送受信部122は、監視OS120による制御によって、サーバ10の監視OSログ303をサーバ20におけるサービスプロセッサ22に送信するとともに、サーバ20の監視OSログ303をサーバ20のサービスプロセッサ22から受信する。これにより、例えば、専用LANインタフェース501あるいは502が障害により使用できず、さらに、管理端末40とサービスプロセッサ12あるいは22との間における通信経路に障害が発生した場合であっても、サーバ10は、ユーザが監視OSログ303を確認できなくなることを回避することができる。
【0044】
また、本実施形態に係る送受信部122と、サービスプロセッサ22の送受信部222との間の通信インタフェースは、専用LANインタフェース503及びI2Cインタフェース504によって二重化されている。これによりサーバ10は、ユーザが監視OSログ303を確認できなくなることを、より確実に回避することができる。
【0045】
尚、情報処理システム1は、サーバ10及び20による冗長構成のシステムに限定されない。情報処理システム1は、例えば、サーバ10及び20が互いに異なるサービスを提供する、クラスタシステムなどでもよい。
<第2の実施形態>
図3は、本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置60の構成を示すブロック図である。但し、説明の都合上、情報処理装置60に加えて情報処理装置70及び記憶部80を図3に記載するとともに、情報処理装置60と情報処理装置70及び記憶部80との関係をふまえて、本実施形態に係る情報処理装置60の動作について説明することとする。
【0046】
本実施形態に係る情報処理装置60は、実行部61及び監視部62を備えている。実行部61及び監視部62は、順に、実行手段及び監視手段の一例である。実行部61は、受信部611及び出力部612を備えている。受信部611及び出力部612は、受信手段及び出力手段の一例である。監視部62は、送信部621を備える。送信部621は、送信手段の一例である。
【0047】
情報処理装置70も情報処理装置60と同様の構成(機能)を備える。即ち、情報処理装置70は、実行部71及び監視部72を備える。実行部71は受信部711及び出力部712を備え、監視部72は送信部721を備える。実行部71は第1のOS710による制御によって動作し、監視部72は第2のOS720による制御によって動作する。
【0048】
実行部61は、第1のOS610による制御によってユーザアプリケーションを実行する。第1のOS610は、例えば第1の実施形態に係るシステムOS110と同様のOSである。実行部61は、例えば第1の実施形態に係る実行部11と同様に動作する。
【0049】
監視部62は、第2のOS620による制御によって実行部61の動作を監視する。第2のOS620は、例えば第1の実施形態に係る監視OS120と同様のOSである。監視部62は、例えば第1の実施形態に係るサービスプロセッサ12と同様に動作する。
【0050】
受信部611は、情報処理装置70における第2のOS720によって出力される監視部72の状態を表す他装置監視手段状態情報801を受信する。他装置監視手段状態情報801は、例えば第1の実施形態に係るサーバ20に関する監視OSログ303と同様な情報である。受信部611は、例えば第1の実施形態に係る受信部111と同様に動作する。
【0051】
送信部621は、情報処理装置60の第2のOS620によって出力される監視部62の状態を表す自装置監視手段状態情報802を、情報処理装置70における受信部711に送信する。自装置監視手段状態情報802は、例えば第1の実施形態に係るサーバ10に関する監視OSログ303と同様な情報である。送信部621は、例えば第1の実施形態に係る送信部121と同様に動作する。
【0052】
出力部612は、第1のOS610による制御によって、他装置監視手段状態情報801を、実行部61によって制御される記憶部80に出力する。記憶部80は、記憶手段の一例であり、例えば第1の実施形態に係るストレージ30と同様な記憶デバイスである。出力部612は、例えば第1の実施形態に係る出力部112と同様に動作する。
【0053】
本実施形態に係る情報処理装置60は、情報処理装置において発生した障害の状態を表す情報をユーザが確認する際の利便性を向上させることができる。その理由は、情報処理装置60は、監視部62により生成された自装置監視手段状態情報802を情報処理装置70に送信するとともに、情報処理装置70から受信した監視部72により生成された他装置監視手段状態情報801を、記憶部80に格納するからである。
【0054】
<ハードウェア構成例>
上述した各実施形態において図1、及び、図3に示したサーバあるいは情報処理装置における各部は、専用のHW(HardWare)(電子回路)によって実現することができる。また、図1、及び、図3において、少なくとも、下記構成は、プロセッサによって実行される命令を含むソフトウェアプログラムの機能(処理)単位(ソフトウェアモジュール)と捉えることができる。
・実行部11及び61、
・受信部111及び611、
・出力部112及び612、
・サービスプロセッサ12、
・監視部62、
・送信部121及び621、
・送受信部122。
【0055】
但し、これらの図面に示した各部の区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。この場合のハードウェア環境の一例を、図4を参照して説明する。
【0056】
図4は、本発明の各実施形態に係るサーバあるいは情報処理装置を実現可能な情報処理装置900(コンピュータ)の構成を例示的に説明する図である。即ち、図4は、図1、及び、図3に示したサーバあるいは情報処理装置を実現可能なコンピュータ(情報処理装置)の構成であって、上述した実施形態における各機能を実現可能なハードウェア環境を表す。
【0057】
図4に示した情報処理装置900は、構成要素として下記を備えている。
・CPU(Central_Processing_Unit)901、
・ROM(Read_Only_Memory)902、
・RAM(Random_Access_Memory)903、
・ハードディスク(記憶装置)904、
・通信インタフェース905、
・バス906(通信線)、
・CD-ROM(Compact_Disc_Read_Only_Memory)等の記録媒体907に格納されたデータを読み書き可能なリーダライタ908、
・モニターやスピーカ、キーボード等の入出力インタフェース909。
【0058】
即ち、上記構成要素を備える情報処理装置900は、これらの構成がバス906を介して接続された一般的なコンピュータである。情報処理装置900は、CPU901を複数備える場合もあれば、マルチコアにより構成されたCPU901を備える場合もある。
【0059】
そして、上述した実施形態は、図4に示した情報処理装置900に対して、次の機能を実現可能なコンピュータプログラムを供給してもよい。例えば、その機能とは、その実施形態の説明において参照したブロック構成図(図1、及び、図3)における上述した構成、或いはフローチャート(図2)の機能である。上述した実施形態に係るサーバあるいは情報処理装置の機能は、その後、そのコンピュータプログラムを、当該ハードウェアのCPU901に読み出して解釈し実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータプログラムは、読み書き可能な揮発性のメモリ(RAM903)、または、ROM902やハードディスク904等の不揮発性の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0060】
また、前記の場合において、当該ハードウェア内へのコンピュータプログラムの供給方法は、現在では一般的な手順を採用することができる。その手順としては、例えば、CD-ROM等の各種記録媒体907を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等がある。そして、このような場合において、本実施形態に係る情報処理装置に供給されるコンピュータプログラムは、そのプログラムを構成するコード或いは、そのコードが格納された記録媒体907によって構成されると捉えることができる。
【0061】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 情報処理システム
10 サーバ
11 実行部
110 システムOS
111 受信部
112 出力部
12 サービスプロセッサ
120 監視OS
121 送信部
122 送受信部
20 サーバ
21 実行部
210 システムOS
211 受信部
212 出力部
22 サービスプロセッサ
220 監視OS
221 送信部
222 送受信部
30 ストレージ
301 システムOSログ
302 システム監視ログ
303 監視OSログ
40 管理端末
41 LANスイッチ
501 専用LANインタフェース
502 専用LANインタフェース
503 専用LANインタフェース
504 I2Cインタフェース
60 情報処理装置
61 実行部
610 第1のOS
611 受信部
612 出力部
62 監視部
620 第2のOS
621 送信部
70 情報処理装置
71 実行部
710 第1のOS
711 受信部
712 出力部
72 監視部
720 第2のOS
721 送信部
80 記憶部
801 他装置監視手段状態情報
802 自装置監視手段状態情報
900 情報処理装置
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 ハードディスク(記憶装置)
905 通信インタフェース
906 バス
907 記録媒体
908 リーダライタ
909 入出力インタフェース
【要約】
【課題】情報処理装置において発生した障害の状態を表す情報をユーザが確認する際の利便性を向上させる。
【解決手段】情報処理装置60は、第1のOSによる制御によってユーザアプリケーションを実行する実行部と、第2のOSによる制御によって実行部の動作を監視する監視部と、を備える情報処理装置を複数備えるシステムの情報処理装置の1つであって、情報処理装置70における、第2のOS720によって出力される監視部72の状態を表す他装置監視手段状態情報801を受信する受信部611と、情報処理装置60の第2のOS620によって出力される監視部62の状態を表す自装置監視手段状態情報802を、情報処理装置70の受信部711に送信する送信部621と、第1のOS610による制御によって、他装置監視手段状態情報801を記憶部80に出力する出力部612と、を備える。
【選択図】 図3
図1
図2
図3
図4