(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】熱媒体利用機器への熱媒体供給方法及び熱媒体利用設備
(51)【国際特許分類】
F28D 1/06 20060101AFI20220323BHJP
B01D 9/02 20060101ALI20220323BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
F28D1/06 B
B01D9/02 602B
B01D9/02 625A
B01D9/02 625D
B01D9/02 611A
B01D9/02 611B
B01D9/02 620
B01D9/02 621
B01D9/02 614
B01D9/02 605
F25B1/00 B
(21)【出願番号】P 2021030054
(22)【出願日】2021-02-26
(62)【分割の表示】P 2019180908の分割
【原出願日】2019-09-30
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000165273
【氏名又は名称】月島機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 究
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-016574(JP,A)
【文献】特開2010-131522(JP,A)
【文献】特開2006-272291(JP,A)
【文献】特開2005-329293(JP,A)
【文献】特開平10-296075(JP,A)
【文献】特開2009-072706(JP,A)
【文献】特開2009-287822(JP,A)
【文献】特開2013-113509(JP,A)
【文献】国際公開第03/101929(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 1/06
F25B 1/00
B01D 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
間接冷却式晶析装置における冷媒の流通部と、冷凍機(19)を含む冷媒供給手段との間で冷媒が循環させる方法であって、
第1の循環ポンプ(21)により、前記冷媒が、前記流通部に流入し、前記流通部から流出して前記第1の循環ポンプ(21)に戻り、前記流通部に戻り流入する第1の循環系(20)と、
前記冷媒供給手段の出側に設けた第2の循環ポンプ(15)により、前記冷媒供給手段からの前記冷媒を、前記第1の循環系における、前記流通部から流出して前記第1の循環ポンプ(21)に至る流路に、合流させて前記流通部に流入するように構成し、前記流通部の出側から前記冷媒供給手段に返送する第2の循環系(30)と、
前記第1の循環系(20)内に組み込まれ、前記冷媒を加熱して、前記流通部を介して結晶の融解を図る、前記冷媒の加熱手段と、
前記第1の循環系(20)に設けられた温度検出手段(25)と、
前記第2の循環系(30)内であって、前記第1の循環系(20)における前記流通部から流出して前記第1の循環ポンプ(21)に至る冷媒の流路の合流位置への冷媒供給路に設けられた流量調整手段(31)と、を備え
、前記第1の循環系に竪向きのベントが設けられ、前記ベントの開口部が前記第2の循環系と接続された設備を用い、
前記温度検出手段による冷媒温度に基づき、前記流量調整手段により冷媒流量を調整する、
ことを特徴とする間接冷却式晶析装置への冷媒供給方法。
【請求項2】
間接冷却式晶析装置における冷媒の流通部と、冷凍機(19)を含む冷媒供給手段との間で冷媒が循環する設備であって、
第1の循環ポンプ(21)により、前記冷媒が、前記流通部に流入し、前記流通部から流出して前記第1の循環ポンプ(21)に戻り、前記流通部に戻り流入する第1の循環系(20)と、
前記冷媒供給手段の出側に設けた第2の循環ポンプ(15)により、前記冷媒供給手段からの前記冷媒を、前記第1の循環系における、前記流通部から流出して前記第1の循環ポンプ(21)に至る流路に、合流させて前記流通部に流入するように構成し、前記流通部の出側から前記冷媒供給手段に返送する第2の循環系(30)と、
前記第1の循環系(20)内に組み込まれ、前記冷媒を加熱して、前記流通部を介して結晶の融解を図る、前記冷媒の加熱手段と、
前記第1の循環系(20)に設けられた温度検出手段(25)と、
前記第2の循環系(30)内であって、前記第1の循環系(20)における前記流通部から流出して前記第1の循環ポンプ(21)に至る冷媒の流路の合流位置への冷媒供給路に設けられた流量調整手段(31)と、を備え、
前記温度検出手段による冷媒温度に基づき、前記流量調整手段により冷媒流量が調整される構成であ
り、
前記第1の循環系に竪向きのベントが設けられ、前記ベントの開口部が前記第2の循環系と接続されている、
ことを特徴とする冷媒利用設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱媒体利用機器への熱媒体供給方法及び熱媒体利用設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱媒体を利用する機器、例えば、化学機器、さらに間接冷却式の晶出機を具体例とした場合、その晶出機のジャケット、あるいはエレメントにも冷媒を供給し、冷却面を介して内部液を冷却し結晶を析出させる態様がある。
【0003】
しかしながら、この種の晶析操作においては、冷媒としての供給液の冷却及び結晶化熱を除熱する必要があり、またスケーリングを抑止するため冷却面との温度差をあまり大きく取れないため、ジャケット、あるいはエレメントに大量の冷媒を供給する必要がある。
【0004】
このための形態例としては、例えば
図1に示す形態がある。すなわち、冷媒ホールドタンク4から液体冷媒を、冷媒供給ポンプ5により、供給路6を通して、晶析装置1のジャケット2及びエレメント3に対して供給する。
返送冷媒は、返送路7を通して冷媒ホールドタンク4に返送した後、冷凍機供給ポンプ8により冷凍機9に供給し、冷凍機9で冷却したものを復路9Aを通して冷媒ホールドタンク4に戻す態様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前掲の従来の形態例においては、大量の液体冷媒を晶析装置1のジャケット2あるいはエレメント3に対して供給するために、冷媒の供給源、例えば冷凍機9及び冷媒ホールドタンク4を、晶析装置1に近傍に設置することは、工場の設備配置などの観点から困難であり、しかも、スケーリングを抑止するために、冷却面に対する流速が速くなくてはならないために、大容量の冷媒を供給する冷媒循環ラインを大口径とし、かつ、長距離(例えば50~100m)で敷設する必要がある。
【0007】
これでは設備費が嵩むばかりでなく、循環過程での大量の冷却循環動力や冷媒循環ラインにおける入熱などによるエネルギーロスも大きなものとなり、その結果、運転コストが嵩むものとなる。
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、設備コスト及び運転コストを抑制できる熱媒体利用機器への熱媒体供給方法及び熱媒体利用設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、熱媒体利用機器における熱媒体の流通部と、熱媒体供給手段との間で熱媒体を循環させる方法にあって、前記前記流通部の近傍に局所的な
第1の循環系を構成し、熱媒体供給手段から流出しその後戻る熱媒体の第2の循環系とを構成し、第1の循環系と第2の循環系とを繋いで、第1の循環系及び第2の循環系それぞれの負荷を軽減しようとするものである。
【0010】
本発明の第1の態様は、熱媒体利用機器における熱媒体の流通部と、熱媒体供給手段との間で熱媒体を循環させる方法であって、
前記熱媒体が、前記流通部に流入し、前記流通部から流出する第1の循環系を構成し、
前記熱媒体供給手段からの熱媒体を、前記第1の循環系における前記流通部の入側に供給し、前記流通部の出側から前記熱媒体供給手段に返送する第2の循環系を構成する、
ことを特徴とする熱媒体利用機器への熱媒体供給方法である。
【0011】
本発明の第2の態様は、熱媒体利用機器における熱媒体の流通部と、熱媒体供給手段との間で熱媒体が循環する設備であって、
前記熱媒体が、前記流通部に流入し、前記流通部から流出する第1の循環系と、
前記熱媒体供給手段からの熱媒体が、前記第1の循環系における前記流通部の入側に供給され、前記流通部の出側から前記熱媒体供給手段に返送される第2の循環系と、
を有することを特徴とする熱媒体利用設備である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、設備コスト及び運転コストを抑制できる熱媒体利用機器への熱媒体供給方法及びその装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】従来の形態例の概要を示すフローシートである。
【
図2】本発明の態様の概要を示すフローシートである。
【
図3】他の態様の概要を示す要部のフローシートである。
【
図4】別の態様の概要を示す要部のフローシートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の熱媒体利用機器及び熱媒体については、加熱媒体及び冷媒(冷却媒体)の両者を含む意義である。
また、利用機器は、熱媒体を利用するものであれば限定はされず、例えば反応装置、晶析装置、蒸発装置、乾燥装置などを含む各種の化学機器のほか、熱機器なども含む意義である。また、利用機器は、単一の機器に限定されず、複数の機器で当該熱を利用する態様も含む。
【0015】
以下においては、熱媒体として冷媒を、利用機器として晶析装置(晶出機)の一例について添付図面を参照しつつ説明する。この説明の過程で、適宜、他の例についても言及することとする。
【0016】
例えば
図2に示す態様において、冷媒ホールドタンク14から冷媒を、冷媒供給ポンプ15により、供給路16を通して、間接冷却式晶析装置1のジャケット2及びエレメント3に対して供給する。
返送する冷媒は、返送路17を通して冷媒ホールドタンク14に返送した後、冷凍機供給ポンプ18により冷凍機19に供給し、冷凍機19で冷却したものを復路19Aを通して冷媒ホールドタンク14に戻すようにしてある。
【0017】
この態様において、流通部を備えた晶析装置1に対して冷媒を流通させる。この場合、少なくとも冷却ジャケット2に対して冷媒を供給するもので、エレメント3を設置せず、これへの供給を行わないものでもよい。
【0018】
この態様において、冷媒の循環のために、循環ポンプ21が設けられている。冷媒が、循環ポンプ21から往路22を介して、流通部としての冷却ジャケット2及びエレメント3に流入され、冷却ジャケット2及びエレメント3から流出され、返路23を介して循環ポンプ21に戻る第1の循環系20が構成されている。
【0019】
他方で、冷媒ホールドタンク14、冷凍機19を含む冷媒供給手段が設けられており、冷媒ホールドタンク14から液体冷媒を、冷媒供給ポンプ15により、供給路16を通して、第1の循環系20に供給し、第1の循環系20の余剰分を返送路17を通して冷媒ホールドタンク14に返送する第2の循環系30が構成されている。
【0020】
さらに図示の態様においては、サイフォンブレイクのための竪向きのベント24が必要により第1の循環系20に設けられ、その上部よりオーバーフローで第2の循環系30に抜き出すようになっている。
この形態によれば、付帯の制御機構無しに安定的な余剰分の抜出しが可能となる。
【0021】
流通部への供給冷媒による冷却及び結晶化熱を除熱する必要があるところ、上記の態様によれば、第1の循環系20において、冷媒を循環させることで達成できる。
そして、主に温度変動分のみについて、第2の循環系30から冷媒を供給すれば足りる。
第1の循環系20の構成要素は、主に循環ポンプ21及び循環用管路であるから、晶析装置1を取り囲むごく近傍に第1の循環系20を構成できる。流通部高さを除く第1の循環系20の長さは、例えば、従来例の長さ50~100mに対して、例えば10~20m程度で足りる。
【0022】
例えば、間接冷却式晶析装置1においては、スケーリングを抑止するため冷却面との温度差もあまり大きく取れないため、従来例においては、ジャケット2、あるいはエレメント3に大量の冷媒を供給する必要がある。
しかし、上記態様においては、第1の循環系20における循環流速を必要速度に保持すればよく、第2の循環系30からは主に温度変動分のみについて補償するように、液体冷媒を少流量で供給すればよいので、第2の循環系30の経路は小口径のもので足りる。
その結果、第2の循環系30の流路のみならず、循環用機器(例えば大容量で高揚程のポンプ)、冷凍機関連機器などを小型化でき、設備コストを低減することができる。また、エネルギーロスも少なくなり、運転コストも低減する。
【0023】
この点についてさらに説明すると、ジャケット2に対しては、例えば0.5~4.0m/秒程度の流速をもって冷媒を流通させる必要がある。本発明の態様に従えば、第1の循環系により必要な流速を確保し、第2の循環系では主に第1の循環系での温度変動分のみについて補償すればよいので、第2の循環系での循環量は、第1の循環系での循環量の1/5~1/20として良好な運転が可能である。
【0024】
流通部への冷媒は所定のバルブ開度で一定量を供給しても良く、また流量制御などにより供給量制御を行なっても良い。
好ましくは、晶出機のジャケット2あるいはエレメント3に対して、第1の循環系20を局所循環する冷媒の温度により冷媒の供給量を制御する方式を採用する。
この具体例としては、例えば
図4に示すように、望ましくは、循環ポンプ21の出側に温度検出器25(指示調節計の形態で図示してある)を設け、この温度検出器25による温度信号に基づき、第1の循環系20内に設けた流量調整弁(図示せず)、あるいはより望ましくは、循環ポンプ21の入側であって、第2の循環系30における冷媒の供給量を調整する流量調整弁31によって温度制御する。
このように、間接冷却式晶析装置1側が要求する温度変動に対して、例えば、第1の循環系20での流量調整、あるいは第2の循環系30から第1の循環系20へ供給する液体冷媒の流量調整によって温度補償できるので、精度の高い温度制御が可能である。
【0025】
第2の循環系30から第1の循環系20への冷媒の供給個所は、循環ポンプ21のサクション側あるいは吐出側のどちらに供給しても良いが、循環する冷媒との混合と供給圧力を考慮するとサクション側が好ましい。サクション側であると、循環ポンプ21内で良好に混合できる。
【0026】
冷媒の供給により発生した第1の循環系20を局所循環する冷媒の余剰分については、所定のバルブ開度で一定量を抜出しても良く、また流量制御などにより抜出量制御を行なっても良い。
【0027】
晶析装置1の冷却面には晶析物が付着し、伝熱効果を低減させ、スケーリングが生長することがある。
晶析装置1の安定運転のために、先行技術(特開2010-131522号)は熱媒体を加熱したものをジャケットに供給することで、晶析物を融解させる形態を開示している。
なお、この先行技術は、本発明における第1の循環系及び第2の循環系を構成するものではない。
【0028】
前記の融解に際しては、例えば次のような形態によって融解を図ることができる。
すなわち、例えば晶析装置1内面に晶析した結晶が付着し、継続した運転が困難になるなどの段階において、
図3に示すように、第1の循環系20中に熱交換器40を設置し、晶析装置1の融解洗浄作業にあたって、第1の循環系20内部の冷媒のみを加熱することで、融解洗浄作業のための昇温を行なうことができる。
また、熱交換器40に換えて、又は併用で、循環ラインの一部を加熱ジャケット配管とすることも可能である。
熱交換器としては、シェルアンドチューブ、プレート、二重管などの適宜の形式のものを使用できる。
なお、結晶の融解が必要か否かは、たとえば晶析装置1の運転時間、晶析装置1内部の画像、動画、または晶析装置1のジャケット2から排出される冷媒の温度などにより判断することができる。
【0029】
これとの対比に関し、従来例のように、冷媒供給手段と晶析装置1との間で循環ラインを構成する冷媒システムが構築されている場合には、冷媒システム全体のホールド量に対して加熱操作を行う必要があるため、溶解(融解)操作に時間がかかり、加熱のために多くのエネルギーを要することになる。
これに対して、例えば、
図3のように、第1の循環系20内に冷媒の加熱手段(例えば熱交換器40)が組み込まれ、前記加熱手段により冷媒が加熱されて、前記流通部を介して結晶の融解を行う形態においては、溶解(融解)操作に長時間を要せず、加熱のためのエネルギーは小さいもので足りる。
【0030】
一方、冷媒の温度調節を必要とする晶析操作がある。この場合には、例えば、第2の循環系30内で冷媒温度が温度調節された冷媒を、第1循環系20に供給することができる。
【0031】
これまた前述の従来例のように、冷媒供給手段と晶析装置1との間で循環ラインを構成する冷媒システムが構築されている場合には、特に低温冷媒を使用するシステムにおいては冷媒を冷却するための冷凍機などを含めた冷媒システム全体の温度を変化させる必要があるため、温度調節の追従性が悪くなるという問題がある。
【0032】
これに対して、本発明の前述の態様によれば、第1の循環系20での流量調整、あるいは第2の循環系30から第1の循環系20へ供給する液体冷媒の流量調整によって温度補償できるので、精度の高い温度制御が可能であるほか、冷凍機などを含めた冷媒システム全体の温度変化なしで、主に第1の循環系20へ供給する液体冷媒の流量調整によって、あるいは冷媒システム全体の温度変化を抑制しながら温度調節できる。
【0033】
上記例においては、サイフォンブレイクのための竪向きのベント24を設けてある。従来の形態においては、晶析装置1のジャケット2に入れた大量の冷媒量がそのままリターンラインで冷凍機19側に戻るもので、ベントは使用されていない。従来の形態における返送量の制御は、晶析装置1へ冷媒を供給するポンプの回転数制御などによる。晶析装置1のジャケット2に入れた大量の冷媒がそのままリターンラインで冷凍機19側に戻る。
本発明に従う冷媒の循環系では、第1の循環系20から冷凍機19側に戻すべき返送量が少ないため、ベント24を設置して、第1の循環系20における余剰分をオーバーフローで冷凍機19側に返送できるようにしている。
第1の循環系20における余剰分をオーバーフローで冷凍機19側に返送できることは、晶析装置1へ冷媒を供給するポンプ及びその回転数制御機器などの負担が小さくなり、設備及び運転コストが低減する利点がある。
上記形態においては、冷凍機19側に戻すべき返送量についての圧力損失分相当の液高さより高い位置に、ベント24の開口部を設けるのが好適である。
【0034】
上記例において冷媒ホールドタンク14を設けてある。冷媒ホールドタンク14内には堰板14aが設けられている。
第1の循環系20から返送されてきた冷媒のリターン分は、堰板14aの一方側に、冷凍機19で冷却された冷媒は、復路19Aを通して冷媒ホールドタンク14の堰板14aの他方側に戻される。この場合の冷媒ホールドタンク14への供給分の振り分けについては、次のように行われるのが望ましい。
すなわち、冷凍機19側から復路19Aを通しての冷媒ホールドタンク14への供給量を多くし、冷媒ホールドタンク14内を堰板14aによって仕切り、
図2に示すように、堰板14aの他方側から、冷凍機供給ポンプ18による冷凍機19への供給側に(すなわち、第1の晶析循環系20から返送路17を通って冷媒のリターン分が返送される堰板14aの一方側に)、オーバーフローさせる形態が望ましい。
このオーバーフロー形態であると、上述のように、第2の循環系における冷媒循環量が少なくなることに伴って、オーバーフローする冷媒の循環量も少なくなるので、冷媒ホールドタンク14におけるオーバーフロー形態の利点が顕在化し、設備及び運転コストが低減する利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明においいて、前述のように、熱媒体利用機器及び熱媒体については、加熱媒体及び冷媒(冷却媒体)の両者を含む意義であり、前述の晶析装置及び冷媒に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0036】
1…間接冷却式晶析装置、2…ジャケット、3…エレメント、14…冷媒ホールドタンク、15…冷媒供給ポンプ、16…供給路、17…返送路、19…冷凍機、20…第1の循環系、21…循環ポンプ、22…往路22、23…返路、24…ベント、25…温度検出器、30…第2の循環系、31…流量調整弁、40…熱交換器。