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特許7044939熱伝達抑制シートの製造方法及び組電池の製造方法
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  • 特許-熱伝達抑制シートの製造方法及び組電池の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】熱伝達抑制シートの製造方法及び組電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/658 20140101AFI20220323BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20220323BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20220323BHJP
   H01M 10/651 20140101ALI20220323BHJP
   H01M 10/659 20140101ALI20220323BHJP
   H01M 10/6595 20140101ALI20220323BHJP
【FI】
H01M10/658
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/651
H01M10/659
H01M10/6595
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021201935
(22)【出願日】2021-12-13
(62)【分割の表示】P 2020119429の分割
【原出願日】2020-07-10
(65)【公開番号】P2022037091
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2022-01-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 直己
(72)【発明者】
【氏名】安藤 寿
【審査官】坂本 聡生
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/092888(WO,A1)
【文献】特開2013-71848(JP,A)
【文献】国際公開第2018/211906(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/110055(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/162771(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/121992(WO,A1)
【文献】特開2020-72004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/52-10/667
D04H 1/00-18/04
F16L59/00-59/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機粒子と、第1の無機繊維と、第2の無機繊維とを含む材料を、乾式成形法又は湿式成形法により型成形して製造する熱伝達抑制シートの製造方法であって
前記第1の無機繊維の平均繊維径が、前記第2の無機繊維の平均繊維径よりも大きく、かつ、
前記第1の無機繊維が線状又は針状であり、前記第2の無機繊維が樹枝状又は縮れ状である、熱伝達抑制シートの製造方法
【請求項2】
前記材料が、更に、有機繊維及び有機バインダのうち少なくとも一方を含む、請求項1に記載の熱伝達抑制シートの製造方法。
【請求項3】
少なくとも無機粒子と、第1の無機繊維と、第2の無機繊維とを含む材料を水中で混合及び撹拌して混合液を調製する工程と、
前記混合液を脱水して湿潤シートを作製する工程と、
前記湿潤シートを加熱及び加圧する工程と、
を有する、熱伝達抑制シートの製造方法であって、
前記第1の無機繊維の平均繊維径が、前記第2の無機繊維の平均繊維径よりも大きく、
かつ、
前記第1の無機繊維が線状又は針状であり、前記第2の無機繊維が樹枝状又は縮れ状である、熱伝達抑制シートの製造方法。
【請求項4】
前記混合液が、更に、有機繊維及び有機バインダのうち少なくとも一方を含む、請求項3に記載の熱伝達抑制シートの製造方法。
【請求項5】
前記第1の無機繊維の平均繊維径が1μm以上20μm以下であり、
前記第2の無機繊維の平均繊維径が1nm以上1μm未満である、請求項1~4のいずれか1項に記載の熱伝達抑制シートの製造方法
【請求項6】
前記第1の無機繊維及び前記第2の無機繊維は、同一の種類の繊維又は互いに異なる種類の繊維であり、
前記第1の無機繊維及び前記第2の無機繊維のそれぞれが、シリカ繊維、アルミナ繊維、アルミナシリケート繊維、ジルコニア繊維、ガラス繊維及び鉱物系繊維から選択される少なくとも1種からなる、請求項1~5のいずれか1項に記載の熱伝達抑制シートの製造方法
【請求項7】
前記第1の無機繊維がガラス繊維であり、
前記第2の無機繊維が鉱物系繊維である、請求項1~のいずれか1項に記載の熱伝達抑制シートの製造方法
【請求項8】
前記無機粒子の平均二次粒子径が0.01μm以上200μm以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の熱伝達抑制シートの製造方法
【請求項9】
前記無機粒子が、酸化物粒子、炭化物粒子、窒化物粒子及び無機水和物粒子から選択される少なくとも1種からなる、請求項1~のいずれか1項に記載の熱伝達抑制シートの製造方法
【請求項10】
前記無機粒子が酸化物粒子を含む、請求項に記載の熱伝達抑制シートの製造方法
【請求項11】
前記酸化物粒子の平均一次粒子径が0.001μm以上50μm以下である、請求項10に記載の熱伝達抑制シートの製造方法
【請求項12】
前記酸化物粒子が、シリカ、チタニア、ジルコニア、ジルコン、チタン酸バリウム、酸化亜鉛及びアルミナから選択された少なくとも1種からなる、請求項11のいずれか1項に記載の熱伝達抑制シートの製造方法
【請求項13】
前記無機粒子が、ナノ粒子、中空粒子及び多孔質粒子から選択される少なくとも1種を含む、請求項12のいずれか1項に記載の熱伝達抑制シートの製造方法
【請求項14】
前記無機粒子がナノ粒子を含む、請求項13に記載の熱伝達抑制シートの製造方法
【請求項15】
前記ナノ粒子がシリカナノ粒子である、請求項13又は14に記載の熱伝達抑制シートの製造方法
【請求項16】
前記ナノ粒子の平均一次粒子径が1nm以上100nm以下である、請求項1315のいずれか1項に記載の熱伝達抑制シートの製造方法
【請求項17】
前記酸化物粒子がチタニアを含む、請求項1216のいずれか1項に記載の熱伝達抑制シートの製造方法
【請求項18】
熱伝達抑制シート全質量に対して、
前記無機粒子の含有量が30質量%以上94質量%以下、
前記第1の無機繊維の含有量が3質量%以上30質量%以下、及び
前記第2の無機繊維の含有量が3質量%以上30質量%以下である、請求項1~17のいずれか1項に記載の熱伝達抑制シートの製造方法
【請求項19】
複数の電池セルを直列又は並列に接続した組電池の製造方法において、
請求項1~18のいずれか1項に記載の熱伝達抑制シートの製造方法により得られる熱伝達抑制シートを、前記電池セル間に介在させ、組電池の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝達抑制シート、及び該熱伝達抑制シートを電池セル間に介在させた組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護の観点から電動モータで駆動する電気自動車又はハイブリッド車等の開発が盛んに進められている。この電気自動車又はハイブリッド車等には、駆動用電動モータの電源となるための、複数の電池セルが直列又は並列に接続された組電池が搭載されている。
【0003】
また、この電池セルには、鉛蓄電池やニッケル水素電池等に比べて、高容量かつ高出力が可能なリチウムイオン二次電池が主に用いられている。そして、電池の内部短絡や過充電等が原因で、ある電池セルが急激に昇温し、その後も発熱を継続するような熱暴走を起こした場合、熱暴走を起こした電池セルからの熱が、隣接する他の電池セルに伝播することで、他の電池セルの熱暴走を引き起こすおそれがある。
【0004】
上記のような熱暴走を起こした電池セルからの熱の伝播を抑制するための技術として、電池セル間に熱伝達抑制シートを介在させることが行われている。例えば、特許文献1では、鉱物系粉体及び難燃剤の少なくとも一方と、熱硬化性樹脂や熱可塑性エラストマー、ゴムから選択されるマトリックス樹脂とを含む熱伝達抑制シートが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-206605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような熱伝達抑制シートにおいては、熱伝達抑制効果を有する粉体を良好に保持すること(すなわち、粉落ちを抑制すること)、及び電池セルが熱暴走して高温になった場合においても、形状を保持して電池セル間に存在し続けることが求められる。特許文献1に記載の熱伝達抑制シートでは、鉱物系粉体及びや難燃剤を保持するために、マトリックス樹脂を使用しているが、このようなマトリックス樹脂は、高温になった際に溶融してしまう。したがって、特許文献1に記載の熱伝達抑制シートでは、電池セルの熱暴走時に形状を保持できなくなるおそれがある。
【0007】
そこで本発明は、熱伝達抑制効果を有する粉体等の脱落を抑制することができるとともに、高温時の形状保持性に優れる熱伝達抑制シート、及びこの熱伝達抑制シートを電池セル間に介在させた組電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的は、本発明に係る下記(1)の熱伝達抑制シートにより達成される。
【0009】
(1) 無機粒子と、第1の無機繊維と、第2の無機繊維とを含み、
前記第1の無機繊維の平均繊維径が、前記第2の無機繊維の平均繊維径よりも大きく、かつ、
前記第1の無機繊維が線状又は針状であり、前記第2の無機繊維が樹枝状又は縮れ状である、熱伝達抑制シート。
【0010】
また、本発明に係る熱伝達抑制シートは、下記(2)~(15)であることが好ましい。
【0011】
(2) 前記第1の無機繊維の平均繊維径が1μm以上20μm以下であり、
前記第2の無機繊維の平均繊維径が1nm以上1μm未満である、(1)に記載の熱伝達抑制シート。
【0012】
(3) 前記第1の無機繊維及び前記第2の無機繊維は、同一の種類の繊維又は互いに異なる種類の繊維であり、
前記第1の無機繊維及び前記第2の無機繊維のそれぞれが、シリカ繊維、アルミナ繊維、アルミナシリケート繊維、ジルコニア繊維、ガラス繊維及び鉱物系繊維から選択される少なくとも1種からなる、(1)又は(2)に記載の熱伝達抑制シート。
【0013】
(4) 前記第1の無機繊維がガラス繊維であり、
前記第2の無機繊維が鉱物系繊維である、(1)~(3)のいずれか1つに記載の熱伝達抑制シート。
【0014】
(5) 前記無機粒子の平均二次粒子径が0.01μm以上200μm以下である、(1)~(4)のいずれか1つに記載の熱伝達抑制シート。
【0015】
(6) 前記無機粒子が、酸化物粒子、炭化物粒子、窒化物粒子及び無機水和物粒子から選択される少なくとも1種からなる、(1)~(5)のいずれか1つに記載の熱伝達抑制シート。
【0016】
(7) 前記無機粒子が酸化物粒子を含む、(6)に記載の熱伝達抑制シート。
【0017】
(8) 前記酸化物粒子の平均一次粒子径が0.001μm以上50μm以下である、(6)又は(7)に記載の熱伝達抑制シート。
【0018】
(9) 前記酸化物粒子が、シリカ、チタニア、ジルコニア、ジルコン、チタン酸バリウム、酸化亜鉛及びアルミナから選択された少なくとも1種からなる、(6)~(8)のいずれか1つに記載の熱伝達抑制シート。
【0019】
(10) 前記無機粒子が、ナノ粒子、中空粒子及び多孔質粒子から選択される少なくとも1種を含む、(6)~(9)のいずれか1つに記載の熱伝達抑制シート。
【0020】
(11) 前記無機粒子がナノ粒子を含む、(9)に記載の熱伝達抑制シート。
【0021】
(12) 前記無機粒子がシリカナノ粒子を含む、(1)~(11)のいずれか1つに記載の熱伝達抑制シート。
【0022】
(13) 前記無機粒子がチタニアを含む、(1)~(12)のいずれか1つに記載の熱伝達抑制シート。
【0023】
(14) 前記ナノ粒子の平均一次粒子径が1nm以上100nm以下である、(10)~(13)のいずれか1つに記載の熱伝達抑制シート。
【0024】
(15) 熱伝達抑制シート全質量に対して、
前記無機粒子の含有量が30質量%以上94質量%以下、前記第1の無機繊維の含有量が3質量%以上30質量%以下、及び前記第2の無機繊維の含有量が3質量%以上30質量%以下である、(1)~(14)のいずれか1つに記載の熱伝達抑制シート。
【0025】
また、本発明の上記目的は、組電池に係る下記(16)の構成により達成される。
【0026】
(16) 複数の電池セルを直列又は並列に接続した組電池において、
(1)~(15)のいずれか1つに記載の熱伝達抑制シートを、前記電池セル間に介在させた、組電池。
【発明の効果】
【0027】
本発明の熱伝達抑制シートは、熱伝達抑制効果に優れる無機粒子及び無機繊維を含むため、熱伝達抑制効果に優れる。
また、本発明の熱伝達抑制シートにおいては、細径かつ樹枝状又は縮れ状の第2の無機繊維が、無機粒子及び太径の第1の無機繊維と絡み合っているため、無機粒子が良好に保持される。
【0028】
さらに、第1の無機繊維及び第2の無機繊維は、マトリックス樹脂とは異なり、電池セルの熱暴走時の温度において溶融しないので、本発明の熱伝達抑制シートは、電池セルの熱暴走時においても形状を維持し、電池セル間に存在し続けることができる。
さらにまた、熱伝達抑制シートは電池セルの熱暴走に伴う膨張により押圧力を受けたり、電池セルの発火に伴う風圧を受けたりする場合があるが、本発明の熱伝達抑制シートにおいては、第2の無機繊維と絡み合った太径の第1の無機繊維により、これらの外力に抗することができる。
【0029】
本発明の組電池においては、上記の熱伝達抑制シートが電池セル間に介在されている。したがって、本発明の組電池は電池セルの熱暴走の被害を最小限に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明の熱伝達抑制シートの一実施形態を模式的に示す断面図である。
図2図2は、乾式押出成形法により製造された本発明の実施形態に係る熱伝達抑制シートの断面を示すSEM写真である。
図3図3は、本発明の組電池の一実施形態を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を用いて、本発明に係る熱伝達抑制シート及び組電池の実施の形態について詳述する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材や部位に対して同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略又は簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、実際のサイズや縮尺を必ずしも正確に表したものではない。
【0032】
[1.熱伝達抑制シート]
図1は、本発明の熱伝達抑制シートの一実施態様を模式的に示す断面図である。図示される熱伝達抑制シート10は、無機粒子20と、太径の第1の無機繊維30と、細径の第2の無機繊維31とを含む。無機粒子20、第1の無機繊維30及び第2の無機繊維31は、いずれも耐熱性の材料であり、更には、粒子間、粒子と繊維との間、繊維間に微小な空間が無数に形成され、空気による断熱効果も発揮されるため、熱伝達抑制性能に優れる。
【0033】
以下、熱伝達抑制シート10を構成する無機粒子20、第1の無機繊維30、第2の無機繊維31及び他の配合材料、並びに熱伝達抑制シート10の厚さについて、順に説明する。
【0034】
<1-1.無機粒子>
無機粒子20の材質は特に限定されないが、熱伝達抑制効果の観点から、無機粒子20は、酸化物粒子、炭化物粒子、窒化物粒子及び無機水和物粒子から選択される少なくとも1種からなることが好ましく、酸化物粒子を含むことがより好ましい。
また、無機粒子20の形状及び大きさについても特に限定されないが、ナノ粒子、中空粒子及び多孔質粒子から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ナノ粒子を含むことがより好ましい。
【0035】
なお、無機粒子20として、単一の無機粒子を使用してもよいし、2種以上の無機粒子20を組み合わせて使用してもよい。2種以上の熱伝達抑制効果が互いに異なる無機粒子20を併用すると、発熱体を多段に冷却することができ、吸熱作用をより広い温度範囲で発現できる。
また、無機粒子20は、大径粒子と小径粒子とを混合使用することも好ましい。大径の無機粒子20同士の隙間に小径の無機粒子20が入り込むと、より緻密な構造となり、熱伝達抑制効果を向上させることができる。
【0036】
無機粒子20の平均二次粒子径が0.01μm以上であると、入手しやすく、製造コストの上昇を抑制することができる。また、200μm以下であると、所望の断熱効果を得ることができる。したがって、無機粒子20の平均二次粒子径は、0.01μm以上200μm以下であることが好ましく、0.05μm以上100μm以下であることがより好ましい。
【0037】
続いて、無機粒子20として使用することができる粒子の材質又は形状の一例について、以下で詳細に説明する。
【0038】
(1-1-1.酸化物粒子)
酸化物粒子は屈折率が高く、光を乱反射させる効果が強いため、無機粒子として酸化物粒子を使用すると、特に異常発熱などの高温度領域において輻射伝熱を抑制することができる。酸化物粒子としては、シリカ、チタニア、ジルコニア、ジルコン、チタン酸バリウム、酸化亜鉛及びアルミナから選択された少なくとも1種を使用することができる。すなわち、無機粒子として使用することができる上記酸化物粒子のうち、1種のみを使用してもよいし、2種以上の酸化物粒子を使用してもよい。特に、シリカは断熱性が高い成分であり、チタニアは他の金属酸化物と比較して屈折率が高い成分であって、500℃以上の高温度領域において光を乱反射させ輻射熱を遮る効果が高いため、酸化物粒子としてシリカ及びチタニアの少なくとも1種を用いることが最も好ましい。
【0039】
(酸化物粒子の平均一次粒子径:0.001μm以上50μm以下)
酸化物粒子の粒子径は、輻射熱を反射する効果に影響を与えることがあるため、平均一次粒子径を所定の範囲に限定すると、より一層高い断熱性を得ることができる。
すなわち、酸化物粒子の平均一次粒子径が0.001μm以上であると、加熱に寄与する光の波長よりも十分に大きく、光を効率よく乱反射させるため、500℃以上の高温度領域において熱伝達抑制シート内における熱の輻射伝熱が抑制され、より一層断熱性を向上させることができる。
一方、酸化物粒子の平均一次粒子径が50μm以下であると、圧縮されても粒子間の接点や数が増えず、伝導伝熱のパスを形成しにくいため、特に伝導伝熱が支配的な通常温度域の断熱性への影響を小さくすることができる。
【0040】
2種以上の酸化物粒子を使用する場合に、大径粒子と小径粒子(ナノ粒子)とを混合使用することも好ましく、この場合の大径粒子の平均一次粒子径は、1μm以上50μm以下であることがより好ましく、5μm以上30μm以下であることが更に好ましく、10μm以下であることが最も好ましい。
なお、本発明において平均一次粒子径は、顕微鏡で粒子を観察し、標準スケールと比較し、任意の粒子10個の平均をとることにより求めることができる。
【0041】
(1-1-2.ナノ粒子)
本発明において、ナノ粒子とは、球形又は球形に近い平均一次粒子径が1μm未満のナノメートルオーダーの粒子を表す。ナノ粒子は低密度であるため伝導伝熱を抑制し、無機粒子としてナノ粒子を使用すると、更に空隙が細かく分散するため、対流伝熱を抑制する優れた断熱性を得ることができる。このため、通常の常温域の電池使用時において、隣接するナノ粒子間の熱の伝導を抑制することができる点で、ナノ粒子を使用することが好ましい。
【0042】
また、本発明において、無機粒子として選択される酸化物粒子、炭化物粒子、窒化物粒子及び無機水和物粒子のうち、少なくとも1種がナノ粒子であることが好ましい。
さらに、酸化物粒子として、平均一次粒子径が小さいナノ粒子を使用すると、電池セルの熱暴走に伴う膨張によって熱伝達抑制シートが圧縮され、内部の密度が上がった場合であっても、熱伝達抑制シートの伝導伝熱の上昇を抑制することができる。これは、ナノ粒子が静電気による反発力で粒子間に細かな空隙ができやすく、かさ密度が低いため、クッション性があるように粒子が充填されるからであると考えられる。
【0043】
なお、本発明において、無機粒子としてナノ粒子を使用する場合に、上記ナノ粒子の定義に沿ったものであれば、材質について特に限定されない。例えば、シリカナノ粒子は、断熱性が高い材料であることに加えて、粒子同士の接点が小さいため、シリカナノ粒子により伝導される熱量は、粒子径が大きいシリカ粒子を使用した場合と比較して小さくなる。また、一般的に入手されるシリカナノ粒子は、かさ密度が0.1g/cm程度であるため、例えば、断熱シートの両側に配置された電池セルが熱膨張し、断熱シートに対して大きな圧縮応力が加わった場合であっても、シリカナノ粒子同士の接点の大きさ(面積)や数が著しく大きくなることはなく、断熱性を維持することができる。したがって、ナノ粒子としてはシリカナノ粒子を使用することが好ましい。シリカナノ粒子としては、湿式シリカ、乾式シリカ及びエアロゲル等を使用することができる。
【0044】
また、本発明において、無機粒子として選択される酸化物粒子、炭化物粒子、窒化物粒子及び無機水和物粒子のうち、少なくとも1種がナノ粒子であることが好ましい。上述の通り、チタニアは輻射熱を遮る効果が高く、シリカナノ粒子は伝導伝熱が極めて小さいとともに、断熱シートに圧縮応力が加わった場合であっても、優れた断熱性を維持することができるため、無機粒子として、チタニア及びシリカナノ粒子の両方を使用することが最も好ましい。
【0045】
(ナノ粒子の平均一次粒子径:1nm以上100nm以下)
ナノ粒子の平均一次粒子径を所定の範囲に限定すると、より一層高い断熱性を得ることができる。
すなわち、ナノ粒子の平均一次粒子径を1nm以上100nm以下とすると、特に500℃未満の温度領域において、熱伝達抑制シート内における熱の対流伝熱及び伝導伝熱を抑制することができ、断熱性をより一層向上させることができる。また、圧縮応力が印加された場合であっても、ナノ粒子間に残った空隙と、多くの粒子間の接点が伝導伝熱を抑制し、熱伝達抑制シートの断熱性を維持することができる。
なお、ナノ粒子の平均一次粒子径は、2nm以上であることがより好ましく、3nm以上であることが更に好ましい。一方、ナノ粒子の平均一次粒子径は、50nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。
【0046】
(1-1-3.無機水和物粒子)
無機水和物粒子は、発熱体からの熱を受けて熱分解開始温度以上になると熱分解し、自身が持つ結晶水を放出して発熱体及びその周囲の温度を下げる、所謂「吸熱作用」を発現する。また、結晶水を放出した後は多孔質体となり、無数の空気孔により断熱作用を発現する。
無機水和物の具体例として、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、水酸化カルシウム(Ca(OH))、水酸化亜鉛(Zn(OH))、水酸化鉄(Fe(OH))、水酸化マンガン(Mn(OH))、水酸化ジルコニウム(Zr(OH))、水酸化ガリウム(Ga(OH))等が挙げられる。
【0047】
例えば、水酸化アルミニウムは約35%の結晶水を有しており、下記式に示すように、熱分解して結晶水を放出して吸熱作用を発現する。そして、結晶水を放出した後は多孔質体であるアルミナ(Al)となり、断熱材として機能する。
2Al(OH)→Al+3H
【0048】
なお、後述するように本発明の組電池では、熱伝達抑制シート10が電池セル間に介在されるが、熱暴走を起こした電池セルでは、200℃を超える温度に急上昇し、700℃付近まで温度上昇を続ける。したがって、無機粒子は熱分解開始温度が200℃以上である無機水和物からなることが好ましい。
上記に挙げた無機水和物の熱分解開始温度は、水酸化アルミニウムは約200℃、水酸化マグネシウムは約330℃、水酸化カルシウムは約580℃、水酸化亜鉛は約200℃、水酸化鉄は約350℃、水酸化マンガンは約300℃、水酸化ジルコニウムは約300℃、水酸化ガリウムは約300℃であり、いずれも熱暴走を起こした電池セルの急激な昇温の温度範囲とほぼ重なり、温度上昇を効率よく抑えることができることから、好ましい無機水和物であるといえる。
【0049】
また、無機粒子20として、無機水和物粒子を使用した場合に、その平均粒子径が大きすぎると、熱伝達抑制シート10の中心付近にある無機粒子20(無機水和物)が、その熱分解温度に達するまでにある程度の時間を要するため、シート中心付近の無機粒子20が熱分解しきれない場合がある。このため、無機水和物粒子の平均二次粒子径は、0.01μm以上200μm以下であることが好ましく、0.05μm以上100μm以下であることがより好ましい。
【0050】
<1-2.第1の無機繊維>
第1の無機繊維30は、その平均繊維径が第2の無機繊維31の平均繊維径よりも太く設定されている。第1の無機繊維30として、線状又は針状の太径の繊維を使用することにより、熱伝達抑制シート10の電池セルからの押圧や風圧に抗する機械的強度や保形性を向上させることができる。熱伝達抑制シート10には、外部からの衝撃が作用することがあり、太径の第1の無機繊維30が含まれていることにより、耐衝撃性を高めることができる。外部からの衝撃としては、例えば電池セルの膨張による押圧力や、電池セルの発火による風圧などである。なお、線状又は針状の繊維とは、後述の捲縮度が例えば10%未満、好ましくは5%以下である繊維をいう。
【0051】
このような効果を発現するために、第1の無機繊維30は、平均繊維径で1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。ただし、第1の無機繊維30が太すぎると、熱伝達抑制シート10への成形性、加工性が低下するおそれがあるため、20μm以下とすることが好ましく、15μm以下とすることがより好ましい。
また、第1の無機繊維30は長すぎても成形性や加工性が低下するおそれがあるため、繊維長を100mm以下とすることが好ましい。さらに、第1の無機繊維30は短すぎても保形性や機械的強度が低下するため、繊維長を0.1mm以上とすることが好ましい。
【0052】
<1-3.第2の無機繊維>
第2の無機繊維31は、第1の無機繊維30よりも細径である。また、その形状は、樹枝状又は縮れ状である。第2の無機繊維31の形状を樹枝状又は縮れ状とすることにより、変形が容易で、柔軟性を有するものとなるため、第2の無機繊維31は第1の無機繊維30及び無機粒子20と複雑に絡み合い、無機粒子20の保持性能を高める。
また、第1の無機繊維30は第2の無機繊維31と絡み合っていることにより、熱伝達抑制シートが押圧力や風圧を受けた際に滑って移動したり、角度が変わったりすることが抑制されている。このことにより、特に外部からの押圧力や衝撃に抗する効果が発揮される。
【0053】
なお、樹枝状とは、2次元的又は3次元的に枝分かれした構造であり、例えば羽毛状、テトラポット形状、放射線状、立体網目状である。
【0054】
また、縮れ状とは、繊維が様々な方向に屈曲した構造である。縮れ形態を定量化する方法の一つとして、電子顕微鏡写真からその捲縮度を算出することが知られており、例えば下記式から算出することができる。
捲縮度(%)=(繊維長さ-繊維末端間距離)/(繊維長さ)×100
ここで、繊維長さ、繊維末端間距離ともに電子顕微鏡写真上での測定値である。すなわち、2次元平面上へ投影された繊維長、繊維末端間距離であり、現実の値よりも短くなっている。この式に基づき、第2の無機繊維31の捲縮度は10%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。捲縮度が小さいと、無機粒子20の保持能力や、第2の無機繊維31同士、第1の無機繊維30との絡み合い(ネットワーク)が形成されにくくなる。
【0055】
このような効果を発現するために、第2の無機繊維31の平均繊維径は1μm未満であることが好ましく、0.1μm以下であることがより好ましい。ただし、第2の無機繊維31が細すぎると破断しやすく、無機粒子20の保持能力が低下する。また、無機粒子20を保持せずに繊維が絡み合ったままでシート中に存在する割合が多くなり、無機粒子20の保持能力の低下に加えて、成形性や保形性にも劣るようになる。そのため、第2の無機繊維31の平均繊維径は1nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。第2の無機繊維31が樹枝状である場合に、その平均繊維径は、SEMによって幹部及び枝部の径を数点測定し、これらの平均値を算出することにより得ることができる。
更に、第2の無機繊維31は、長くなりすぎると成形性や保形性が低下するため、繊維長を0.1mm以下とすることが好ましい。
【0056】
<1-4.無機繊維の種類>
第1の無機繊維30及び第2の無機繊維31はともに、耐熱性に優れるものが好ましく、例えば、シリカ繊維、アルミナ繊維、アルミナシリケート繊維及びジルコニア繊維等のセラミックス系繊維、ガラス繊維、等が挙げられる。第1の無機繊維30及び第2の無機繊維31は、それぞれ、上記の無機繊維を単独で使用してもよいし、2種以上を混合使用してもよい。また、第1の無機繊維30と第2の無機繊維31は、同一の種類の繊維であっても、互いに異なる種類の繊維であってもよい。特に、第1の無機繊維30としては、ガラス繊維を使用することが好ましく、第2の無機繊維31としては、ガラス繊維、シリカ繊維及び鉱物系繊維のうち少なくとも1種を使用することが好ましく、鉱物系繊維を使用することがより好ましい。
【0057】
なお、第1の無機繊維30及び第2の無機繊維31のいずれか一方は非晶質の繊維であり、他方は、上記一方の繊維よりもガラス転移点が高い非晶質の繊維、及び結晶質の繊維から選択される少なくとも1種からなることが好ましい。このような場合、熱伝達抑制シートが高温にさらされたときに一方の無機繊維の表面が比較的早期に軟化し、他方の無機繊維及び無機粒子20を結着するため、機械的強度が向上する。
ただし、平均繊維径が大きい第1の無機繊維30が非晶質の繊維であり、第1の無機繊維30よりも平均繊維径が小さい第2の無機繊維31が、第1の無機繊維30よりもガラス転移点が高い非晶質の繊維、及び結晶質の繊維から選択される少なくとも1種からなる繊維であることがより好ましい。
【0058】
<1-5.無機粒子、第1の無機繊維及び第2の無機繊維の各含有量>
上記の無機粒子20の含有量は、熱伝達抑制シート10の全質量に対して30質量%以上94質量%以下であることが好ましく、第1の無機繊維30の含有量は、熱伝達抑制シート10の全質量に対して3質量%以上30質量%以下であることが好ましく、第2の無機繊維31の含有量は、熱伝達抑制シート10の全質量に対して3質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
【0059】
また、より好ましくは、熱伝達抑制シート10の全質量に対して、無機粒子20の含有量が60質量%以上90質量%以下であり、第1の無機繊維30の含有量が5質量%以上15質量%以下であり、第2の無機繊維31の含有量が5質量%以上15質量%以下である。このような含有量にすることにより、無機粒子20による吸熱・断熱効果、第1の無機繊維30による保形性や押圧力耐性、抗風圧性、及び第2の無機繊維31による無機粒子20の保持能力がバランス良く発現される。
【0060】
<1-6.他の配合材料>
熱伝達抑制シート10には、必要に応じて、有機繊維や有機バインダ等を配合することができる。これらはいずれも熱伝達抑制シート10の補強や成形性の向上を目的とする上で有用であり、熱伝達抑制シート全質量に対する合計量で、10質量%以下とすることが好ましい。
【0061】
なお、使用する有機繊維及び有機バインダ等の種類は特に制限されないが、有機繊維としては、パルプ及びポリエステル繊維等を挙げることができる。また、有機バインダとしては、製造方法によって好ましいバインダを選択することができる。本発明において選択することができる有機バインダについては、後述する。
【0062】
<1-7.熱伝達抑制シートの厚さ>
熱伝達抑制シート10の厚さは特に限定されないが、0.05mm以上5mm以下であることが好ましい。厚さが0.05mm未満であると、充分な機械的強度を熱伝達抑制シート10に付与することができない。一方、厚さが5mmを超えると、熱伝達抑制シート10の成形自体が困難となるおそれがある。
【0063】
[2.熱伝達抑制シートの製造方法]
熱伝達抑制シート10は、少なくとも無機粒子20、第1の無機繊維30、第2の無機繊維31を含む材料を、乾式成形法又は湿式成形法により型成形して製造される。乾式成形法については、例えばプレス成形法(乾式プレス成形法)及び押出成形法(乾式押出成形法)を使用することができる。
【0064】
<2-1.乾式プレス成形法を用いた製造方法>
乾式プレス成形法では、無機粒子20、第1の無機繊維30及び第2の無機繊維31、並びに必要に応じて有機繊維及び有機バインダ等を所定の割合でV型混合機等の混合機に投入する。そして、混合機に投入された材料を充分に混合した後、この混合物を所定の型内に投入し、プレス成形することにより、熱伝達抑制シート10を得ることができる。プレス成形時に、必要に応じて加熱してもよい。
【0065】
なお、プレス成形時のプレス圧は、0.98MPa以上9.80MPa以下の範囲であることが好ましい。プレス圧が0.98MPa未満であると、得られる熱伝達抑制シート10において、強度を保つことができずに崩れてしまうおそれがある。一方、プレス圧が9.80MPaを超えると、過度の圧縮によって加工性が低下したり、かさ密度が高くなるため固体伝熱が増加し、断熱性が低下するおそれがある。
【0066】
また、乾式プレス成形法を用いる場合には、有機バインダとして、ポリビニルアルコール(PVA:PolyVinyl Alcohol)を使用することが好ましいが、乾式プレス成形法を用いる場合に一般的に使用される有機バインダであれば、特に限定されずに使用することができる。
【0067】
<2-2.乾式押出成形法を用いた製造方法>
乾式押出成形法では、無機粒子20、第1の無機繊維30及び第2の無機繊維31、並びに必要に応じて結合材である有機繊維及び有機バインダ等に水を加え、混練機で混練することにより、ペーストを調製する。その後、得られたペーストを、押出成形機を用いてスリット状のノズルから押出し、更に乾燥させることにより、熱伝達抑制シート10を得ることができる。乾式押出成形法を用いる場合には、有機バインダとしてメチルセルロース及び水溶性セルロースエーテル等を使用することが好ましいが、乾式押出成形法を用いる場合に一般的に使用される有機バインダであれば、特に限定されずに使用することができる。
【0068】
図2は、乾式押出成形法により製造された本発明の実施形態に係る熱伝達抑制シートの断面を示すSEM写真である。図2に示すように、熱伝達抑制シートは、無機粒子20と、太径の第1の無機繊維30と、細径の第2の無機繊維31とを含む。無機粒子20の粒子間、無機粒子20と無機繊維30,31との間、及び無機繊維30,31間には、微小な空間が無数に形成されており、空気による断熱効果も発揮されるため、熱伝達抑制性能に優れる。
【0069】
<2-3.湿式成形法を用いた製造方法>
湿式成形法では、無機粒子20、第1の無機繊維30及び第2の無機繊維31、並びに必要に応じて結合材である有機バインダを水中で混合し、撹拌機で撹拌することにより、混合液を調製する。その後、得られた混合液を、底面に濾過用のメッシュが形成された成形器に流し込み、メッシュを介して混合液を脱水することにより、湿潤シートを作製する。その後、得られた湿潤シートを加熱するとともに加圧することにより、熱伝達抑制シート10を得ることができる。
なお、加熱及び加圧工程の前に、湿潤シートに熱風を通気させて、シートを乾燥する通気乾燥処理を実施してもよいが、この通気乾燥処理を実施せず、湿潤した状態で加熱及び加圧してもよい。
また、湿式成形法を用いる場合には、有機バインダとして、カチオン化デンプンやアクリル樹脂を選択することができる。
【0070】
[3.組電池]
本発明に係る組電池は、電池セル間に、上記の熱伝達抑制シート10を介在させたものである。具体的には、図2に示すように、組電池100は、複数個の電池セル101を並設し、直列又は並列に接続して電池ケース110に収容したものであるが、電池セル101間に、熱伝達抑制シート10が介在されている。
【0071】
このような組電池100では、一の電池セル101が熱暴走して高温になり、膨張したり発火したりした場合でも、熱伝達抑制効果、高温時の保形性、抗押圧性及び抗風圧性に優れる上記の熱伝達抑制シート10により、隣接する他の電池セル101への影響が抑えられる。したがって、本発明の組電池では電池セルの熱暴走の連鎖が抑制されており、一の電池セル101が熱暴走しても被害が最小限に抑制される。
【符号の説明】
【0072】
10 熱伝達抑制シート
20 無機粒子
30 第1の無機繊維
31 第2の無機繊維
100 組電池
110 電池ケース
図1
図2
図3