特許 7044946 シート上に共に印刷された複数の印刷物を個別化する方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2022-03-22

(45)【発行日】2022-03-30

(54)【発明の名称】シート上に共に印刷された複数の印刷物を個別化する方法

(51)【国際特許分類】

   B41F 13/56 20060101AFI20220323BHJP

   B26D 5/00 20060101ALI20220323BHJP

   B26D 5/34 20060101ALI20220323BHJP

【ＦＩ】

B41F13/56 414

B26D5/00 F

B26D5/34 A

【請求項の数】 13

(21)【出願番号】P 2021539392

(86)(22)【出願日】2020-06-17

(65)【公表番号】

(43)【公表日】2022-01-19

(86)【国際出願番号】 EP2020066742

(87)【国際公開番号】W WO2021023421

(87)【国際公開日】2021-02-11

【審査請求日】2021-07-05

(31)【優先権主張番号】102019121401.7

(32)【優先日】2019-08-08

(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】390014188

【氏名又は名称】ケーニッヒ ウント バウアー アー・ゲー

【氏名又は名称原語表記】Ｋｏｅｎｉｇ ＆ Ｂａｕｅｒ ＡＧ

【住所又は居所原語表記】Ｆｒｉｅｄｒｉｃｈ－Ｋｏｅｎｉｇ－Ｓｔｒ． ４， ９７０８０ Ｗｕｅｒｚｂｕｒｇ， Ｇｅｒｍａｎｙ

(74)【代理人】

【識別番号】100114890

【弁理士】

【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス＝ラインハルト

(74)【代理人】

【識別番号】100098501

【弁理士】

【氏名又は名称】森田 拓

(74)【代理人】

【識別番号】100116403

【弁理士】

【氏名又は名称】前川 純一

(74)【代理人】

【識別番号】100134315

【弁理士】

【氏名又は名称】永島 秀郎

(74)【代理人】

【識別番号】100135633

【弁理士】

【氏名又は名称】二宮 浩康

(74)【代理人】

【識別番号】100162880

【弁理士】

【氏名又は名称】上島 類

(72)【発明者】

【氏名】フローリアン ブム

(72)【発明者】

【氏名】ドラガン ドラゴツ

(72)【発明者】

【氏名】トーマス パヴェラク

(72)【発明者】

【氏名】イェンス ザウアー

(72)【発明者】

【氏名】ヨハネス シェーデ

(72)【発明者】

【氏名】ユリアン シューベルト

【審査官】上田 正樹

(56)【参考文献】

【文献】特開２００９－０３９８２４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開昭５８－１８６５９４（ＪＰ，Ａ）

【文献】米国特許第０６１１２６５８（ＵＳ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ４１Ｆ １３／５６

Ｂ２６Ｄ ５／００

Ｂ２６Ｄ ５／３４

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

シート（０１）上に共に印刷された複数の印刷物（０３）を個別化する方法であって、印刷機械（０６）内で前記シート（０１）上に共に印刷された複数の印刷物（０３）を、前記印刷機械（０６）の下流に配置され、断裁装置（１１）を有する断裁機（０７）内で個別化し、前記印刷物（０３）の各々は、前記シート（０１）上における前記印刷物（０３）のそれぞれの位置を識別するそれぞれ１つの識別マーク（０９）を有し、印刷されていない前記シート（０１）は、長方形に形成されており、前記印刷機械（０６）を通り抜けるときに変形される、方法において、
前記シート（０１）の前記変形にしたがって同じく変形された、個別化される前記印刷物（０３）を、前記断裁機（０７）の下流に配置された品質検査装置（０８）内で、少なくとも前記印刷物（０３）のそれぞれの長さ（ｌ０３）および／または幅（ｂ０３）に関する予め設定された許容可能な公差の遵守について検査し、前記品質検査装置（０８）は、前記印刷物（０３）の識別マーク（０９）を基に前記印刷物（０３）の位置に関して識別される各印刷物（０３）のために、該当する前記印刷物（０３）の少なくとも前記長さ（ｌ０３）および／または幅（ｂ０３）の許容可能な前記公差の超過に関する情報を求め、前記品質検査装置（０８）は、前記品質検査装置（０８）によって求められた前記情報を、前記シート（０１）上で特定された前記位置に割り当てて、前記断裁機（０７）の制御ユニット（２１）に伝送し、前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）は、前記品質検査装置（０８）により伝送された前記情報に応じて、後続して前記断裁機（０７）内で個別化すべき同種の、前記シート（０１）上の同じ位置に配置された印刷物（０３）のために、個別化すべき前記印刷物（０３）の各々において、それぞれの予め設定された前記公差が可能な限り最良に遵守されるように、該当する前記シート（０１）および前記断裁装置（１１）のそれぞれの位置を互いに相対的に調整し、該当する前記公差の可能な限り最良の遵守は、シート（０１）と断裁装置（１１）とのそれぞれ互いに相対的に調整すべき前記位置が前記制御ユニット（２１）内で数理最適化法の使用により計算されることにより実施され、個別化すべき前記印刷物（０３）を有する前記シート（０１）を前記断裁機（０７）内で断裁テーブル（１３）上に載置し、前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）は、前記断裁機（０７）の前記断裁装置（１１）に対して相対的な、前記断裁テーブル（１３）上に位置する断裁すべき前記シート（０１）の前記位置を、前記数理最適化法により計算された前記位置に応じて調整し、
個別化すべき前記印刷物（０３）を有する前記シート（０１）を前記断裁機（０７）内で、少なくともその回転角度（φ）が調整可能な断裁テーブル（１３）上に載置し、前記断裁テーブル（１３）の前記回転角度（φ）の前記調整を前記数理最適化法の使用により計算することを特徴とする、方法。

【請求項2】

シート（０１）上に共に印刷された複数の印刷物（０３）を個別化する方法であって、印刷機械（０６）内で前記シート（０１）上に共に印刷された複数の印刷物（０３）を、前記印刷機械（０６）の下流に配置され、断裁装置（１１）を有する断裁機（０７）内で個別化し、前記印刷物（０３）の各々は、前記シート（０１）上における前記印刷物（０３）のそれぞれの位置を識別するそれぞれ１つの識別マーク（０９）を有し、印刷されていない前記シート（０１）は、長方形に形成されており、前記印刷機械（０６）を通り抜けるときに変形される、方法において、
前記シート（０１）の前記変形にしたがって同じく変形された、個別化される前記印刷物（０３）を、前記断裁機（０７）の下流に配置された品質検査装置（０８）内で、少なくとも前記印刷物（０３）のそれぞれの長さ（ｌ０３）および／または幅（ｂ０３）に関する予め設定された許容可能な公差の遵守について検査し、前記品質検査装置（０８）は、前記印刷物（０３）の識別マーク（０９）を基に前記印刷物（０３）の位置に関して識別される各印刷物（０３）のために、該当する前記印刷物（０３）の少なくとも前記長さ（ｌ０３）および／または幅（ｂ０３）の許容可能な前記公差の超過に関する情報を求め、前記品質検査装置（０８）は、前記品質検査装置（０８）によって求められた前記情報を、前記シート（０１）上で特定された前記位置に割り当てて、前記断裁機（０７）の制御ユニット（２１）に伝送し、前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）は、前記品質検査装置（０８）により伝送された前記情報に応じて、後続して前記断裁機（０７）内で個別化すべき同種の、前記シート（０１）上の同じ位置に配置された印刷物（０３）のために、個別化すべき前記印刷物（０３）の各々において、それぞれの予め設定された前記公差が可能な限り最良に遵守されるように、該当する前記シート（０１）および前記断裁装置（１１）のそれぞれの位置を互いに相対的に調整し、該当する前記公差の可能な限り最良の遵守は、シート（０１）と断裁装置（１１）とのそれぞれ互いに相対的に調整すべき前記位置が前記制御ユニット（２１）内で数理最適化法の使用により計算されることにより実施され、個別化すべき前記印刷物（０３）を有する前記シート（０１）を前記断裁機（０７）内で断裁テーブル（１３）上に載置し、前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）は、前記断裁機（０７）の前記断裁装置（１１）に対して相対的な、前記断裁テーブル（１３）上に位置する断裁すべき前記シート（０１）の前記位置を、前記数理最適化法により計算された前記位置に応じて調整し、
個々の各印刷物（０３）は、該当する印刷画像（０２）の所定の位置にそれぞれ少なくとも１つの特徴的なマーク（０４）を有し、前記シート（０１）と、前記シート（０１）上に施された前記印刷画像（０２）との変形により、該当する前記特徴的なマーク（０４）の前記位置も変化し、前記品質検査装置（０８）は、前記印刷物（０３）の識別マーク（０９）を基に識別される各印刷物（０３）のために、該当する少なくとも１つの前記特徴的なマーク（０４）の前記位置の前記変化における予め設定された許容可能な前記公差の超過に関する情報も求め、前記品質検査装置（０８）は、前記情報も前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）に、シート（０１）と断裁装置（１１）とのそれぞれの互いに相対的な前記位置を調整すべく伝送し、
該当する前記印刷物（０３）の少なくとも前記長さ（ｌ０３）および／もしくは幅（ｂ０３）の予め設定された許容可能な前記公差の超過に関する繰り返し求められた情報ならびに／または該当する少なくとも１つの前記特徴的なマーク（０４）の前記位置の前記変化における予め設定された許容可能な前記公差の超過に関する繰り返し求められた情報に基づいてのみ、シート（０１）と断裁装置（１１）とのそれぞれの互いに相対的な前記位置の前記調整を、後続して前記断裁機（０７）内で個別化すべき同種の、前記シート（０１）上の同じ位置に配置された印刷物（０３）のために適合することを特徴とする、方法。

【請求項3】

該当する前記印刷物（０３）の少なくとも前記長さ（ｌ０３）および／もしくは幅（ｂ０３）の予め設定された許容可能な前記公差ならびに／または該当する少なくとも１つの前記特徴的なマーク（０４）の前記位置の前記変化における予め設定された許容可能な前記公差を前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）内で調整することを特徴とする請求項２に記載の方法。

【請求項4】

シート（０１）上に共に印刷された複数の印刷物（０３）を個別化する方法であって、印刷機械（０６）内で前記シート（０１）上に共に印刷された複数の印刷物（０３）を、前記印刷機械（０６）の下流に配置され、断裁装置（１１）を有する断裁機（０７）内で個別化し、前記印刷物（０３）の各々は、前記シート（０１）上における前記印刷物（０３）のそれぞれの位置を識別するそれぞれ１つの識別マーク（０９）を有し、印刷されていない前記シート（０１）は、長方形に形成されており、前記印刷機械（０６）を通り抜けるときに変形される、方法において、
前記シート（０１）の前記変形にしたがって同じく変形された、個別化される前記印刷物（０３）を、前記断裁機（０７）の下流に配置された品質検査装置（０８）内で、少なくとも前記印刷物（０３）のそれぞれの長さ（ｌ０３）および／または幅（ｂ０３）に関する予め設定された許容可能な公差の遵守について検査し、前記品質検査装置（０８）は、前記印刷物（０３）の識別マーク（０９）を基に前記印刷物（０３）の位置に関して識別される各印刷物（０３）のために、該当する前記印刷物（０３）の少なくとも前記長さ（ｌ０３）および／または幅（ｂ０３）の許容可能な前記公差の超過に関する情報を求め、前記品質検査装置（０８）は、前記品質検査装置（０８）によって求められた前記情報を、前記シート（０１）上で特定された前記位置に割り当てて、前記断裁機（０７）の制御ユニット（２１）に伝送し、前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）は、前記品質検査装置（０８）により伝送された前記情報に応じて、後続して前記断裁機（０７）内で個別化すべき同種の、前記シート（０１）上の同じ位置に配置された印刷物（０３）のために、個別化すべき前記印刷物（０３）の各々において、それぞれの予め設定された前記公差が可能な限り最良に遵守されるように、該当する前記シート（０１）および前記断裁装置（１１）のそれぞれの位置を互いに相対的に調整し、該当する前記公差の可能な限り最良の遵守は、シート（０１）と断裁装置（１１）とのそれぞれ互いに相対的に調整すべき前記位置が前記制御ユニット（２１）内で数理最適化法の使用により計算されることにより実施され、個別化すべき前記印刷物（０３）を有する前記シート（０１）を前記断裁機（０７）内で断裁テーブル（１３）上に載置し、前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）は、前記断裁機（０７）の前記断裁装置（１１）に対して相対的な、前記断裁テーブル（１３）上に位置する断裁すべき前記シート（０１）の前記位置を、前記数理最適化法により計算された前記位置に応じて調整し、
前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）により、連続する複数のシート（０１）のパイルを評価し、その後、前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）により、シート（０１）と断裁装置（１１）とのそれぞれの互いに相対的な前記位置の前記調整を、後続して前記断裁機（０７）内で個別化すべき同種の、前記シート（０１）上の同じ位置に配置された印刷物（０３）のために適合することを特徴とする、方法。

【請求項5】

シート（０１）上に共に印刷された複数の印刷物（０３）を個別化する方法であって、印刷機械（０６）内で前記シート（０１）上に共に印刷された複数の印刷物（０３）を、前記印刷機械（０６）の下流に配置され、断裁装置（１１）を有する断裁機（０７）内で個別化し、前記印刷物（０３）の各々は、前記シート（０１）上における前記印刷物（０３）のそれぞれの位置を識別するそれぞれ１つの識別マーク（０９）を有し、印刷されていない前記シート（０１）は、長方形に形成されており、前記印刷機械（０６）を通り抜けるときに変形される、方法において、
前記シート（０１）の前記変形にしたがって同じく変形された、個別化される前記印刷物（０３）を、前記断裁機（０７）の下流に配置された品質検査装置（０８）内で、少なくとも前記印刷物（０３）のそれぞれの長さ（ｌ０３）および／または幅（ｂ０３）に関する予め設定された許容可能な公差の遵守について検査し、前記品質検査装置（０８）は、前記印刷物（０３）の識別マーク（０９）を基に前記印刷物（０３）の位置に関して識別される各印刷物（０３）のために、該当する前記印刷物（０３）の少なくとも前記長さ（ｌ０３）および／または幅（ｂ０３）の許容可能な前記公差の超過に関する情報を求め、前記品質検査装置（０８）は、前記品質検査装置（０８）によって求められた前記情報を、前記シート（０１）上で特定された前記位置に割り当てて、前記断裁機（０７）の制御ユニット（２１）に伝送し、前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）は、前記品質検査装置（０８）により伝送された前記情報に応じて、後続して前記断裁機（０７）内で個別化すべき同種の、前記シート（０１）上の同じ位置に配置された印刷物（０３）のために、個別化すべき前記印刷物（０３）の各々において、それぞれの予め設定された前記公差が可能な限り最良に遵守されるように、該当する前記シート（０１）および前記断裁装置（１１）のそれぞれの位置を互いに相対的に調整し、該当する前記公差の可能な限り最良の遵守は、シート（０１）と断裁装置（１１）とのそれぞれ互いに相対的に調整すべき前記位置が前記制御ユニット（２１）内で数理最適化法の使用により計算されることにより実施され、個別化すべき前記印刷物（０３）を有する前記シート（０１）を前記断裁機（０７）内で断裁テーブル（１３）上に載置し、前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）は、前記断裁機（０７）の前記断裁装置（１１）に対して相対的な、前記断裁テーブル（１３）上に位置する断裁すべき前記シート（０１）の前記位置を、前記数理最適化法により計算された前記位置に応じて調整し、
前記数理最適化法の選択によって、所定の生産プロセスにおいて、できる限り多くの印刷物（０３）をそれでもまだ十分に良好と見なされる範囲の品質で生産すべきか、あるいは前者と比較すれば印刷物（０３）の数は少なくなるが高品質の生産を実施すべきかを決定することを特徴とする、方法。

【請求項6】

シート（０１）上に共に印刷された複数の印刷物（０３）を個別化する方法であって、印刷機械（０６）内で前記シート（０１）上に共に印刷された複数の印刷物（０３）を、前記印刷機械（０６）の下流に配置され、断裁装置（１１）を有する断裁機（０７）内で個別化し、前記印刷物（０３）の各々は、前記シート（０１）上における前記印刷物（０３）のそれぞれの位置を識別するそれぞれ１つの識別マーク（０９）を有し、印刷されていない前記シート（０１）は、長方形に形成されており、前記印刷機械（０６）を通り抜けるときに変形される、方法において、
前記シート（０１）の前記変形にしたがって同じく変形された、個別化される前記印刷物（０３）を、前記断裁機（０７）の下流に配置された品質検査装置（０８）内で、少なくとも前記印刷物（０３）のそれぞれの長さ（ｌ０３）および／または幅（ｂ０３）に関する予め設定された許容可能な公差の遵守について検査し、前記品質検査装置（０８）は、前記印刷物（０３）の識別マーク（０９）を基に前記印刷物（０３）の位置に関して識別される各印刷物（０３）のために、該当する前記印刷物（０３）の少なくとも前記長さ（ｌ０３）および／または幅（ｂ０３）の許容可能な前記公差の超過に関する情報を求め、前記品質検査装置（０８）は、前記品質検査装置（０８）によって求められた前記情報を、前記シート（０１）上で特定された前記位置に割り当てて、前記断裁機（０７）の制御ユニット（２１）に伝送し、前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）は、前記品質検査装置（０８）により伝送された前記情報に応じて、後続して前記断裁機（０７）内で個別化すべき同種の、前記シート（０１）上の同じ位置に配置された印刷物（０３）のために、個別化すべき前記印刷物（０３）の各々において、それぞれの予め設定された前記公差が可能な限り最良に遵守されるように、該当する前記シート（０１）および前記断裁装置（１１）のそれぞれの位置を互いに相対的に調整し、該当する前記公差の可能な限り最良の遵守は、シート（０１）と断裁装置（１１）とのそれぞれ互いに相対的に調整すべき前記位置が前記制御ユニット（２１）内で数理最適化法の使用により計算されることにより実施され、個別化すべき前記印刷物（０３）を有する前記シート（０１）を前記断裁機（０７）内で断裁テーブル（１３）上に載置し、前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）は、前記断裁機（０７）の前記断裁装置（１１）に対して相対的な、前記断裁テーブル（１３）上に位置する断裁すべき前記シート（０１）の前記位置を、前記数理最適化法により計算された前記位置に応じて調整し、
前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）は、前記断裁機（０７）の前記断裁装置（１１）に対して相対的な、前記断裁テーブル（１３）上に位置する断裁すべき前記シート（０１）の前記位置を、前記シート（０１）の送りの調整を前記数理最適化法の使用により計算することにより調整し、
前記シート（０１）の前記送りを、前記断裁機（０７）の前記制御ユニット（２１）により制御される少なくとも１つのスライダ（１８）により行うことを特徴とする、方法。

【請求項7】

前記印刷機械（０６）は、前記シート（０１）を鋼凹版法またはインタリオ印刷法で印刷し、かつ／または前記印刷物（０３）は、それぞれ銀行券を形成することを特徴とする請求項１または２または３または４または５または６に記載の方法。

【請求項8】

前記印刷物（０３）の各々には、前記印刷物（０３）のそれぞれの識別マーク（０９）としてそれぞれ生産プロセスにおいて一続きのシリアルナンバを付すことを特徴とする請求項１または２または３または４または５または６または７に記載の方法。

【請求項9】

品質検査装置（０８）として、カメラをベースとするインスペクションシステムを使用することを特徴とする請求項１または２または３または４または５または６または７または８に記載の方法。

【請求項10】

数理最適化法として、調整計算、または計算により実施される近似法を使用することを特徴とする請求項１または２または３または４または５または６または７または８または９に記載の方法。

【請求項11】

前記数理最適化法は、検出されたまたは求められた複数の個別値を介して計算により平均値を形成し、かつ／または標準偏差を計算し、かつ／または所定の四分位数（０％、２５％、５０％（＝中央値）、７５％、１００％）を考慮することを包含することを特徴とする請求項１または２または３または４または５または６または７または８または９または１０に記載の方法。

【請求項12】

前記シート（０１）は、前記印刷機械（０６）を通り抜けるときに台形に変形することを特徴とする請求項１または２または３または４または５または６または７または８または９または１０または１１に記載の方法。

【請求項13】

それぞれの前記シート（０１）上に複数の割り付け面として共に印刷された複数の前記印刷物（０３）は、それぞれ、複数の列（ａ；ｂ；ｃ；ｄ；ｅ；ｆ）と、複数の行（Ｓ１；Ｓ２；Ｓ３；Ｓ４；・・・；Ｓ１０）とをなして配置されており、それぞれの印刷された前記シート（０１）を、それぞれ段階的に、割り付け面レイアウトのそれぞれの前記列（ａ；ｂ；ｃ；ｄ；ｅ；ｆ）および／または行（Ｓ１；Ｓ２；Ｓ３；Ｓ４；・・・；Ｓ１０）に対応する複数のストリップへと断裁することを特徴とする請求項１または２または３または４または５または６または７または８または９または１０または１１または１２に記載の方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、請求項１に記載のシート上に共に印刷された複数の印刷物を個別化する方法に関する。

【0002】

独国特許出願公開第１０２００８０５４０１９号明細書により、少なくとも１つの印刷装置と、下流に配置された少なくとも１つの横方向断裁装置とを有するロール輪転印刷機械の断裁用見当を調整する方法であって、少なくとも１つの被印刷物ウェブを、それぞれの生産のために定められた軌道にわたって印刷装置から横方向断裁装置へと案内し、横方向断裁装置において横方向断裁し、イメージに対するこの断裁の実際位置を求め、断裁実際位置を断裁目標位置と比較し、断裁用見当をこうして求めた位置偏差に応じて調整することができ、このとき、断裁実際位置を求めるべく、軌道内において残留区間を残して横方向断裁装置の上流に配置されている少なくとも１つのセンサを用いて、被印刷物ウェブ上の、イメージに対する断裁の位置を示す位置情報を検出し、センサと横方向断裁装置との間の残留区間内で生じる断裁エラーを、検出された、求められたかつ／または既知の量に応じて推定し、センサにより求められた位置偏差または断裁用見当の調整を、この推定された付加的な断裁エラーの分だけ修正する、方法が公知である。

【0003】

独国特許出願公開第１０２０１２０１７６３６号明細書により、パンチ加工機械および／またはエンボス加工機械の機械に依存したアジャストメント要求を決定する方法であって、
ａ）アジャストメントシートの全面を計算して特に一様なグリッドにより多数の部分面に分割し、
ｂ）アジャストメントシート上のアジャストメントストリップおよびアジャストメントペーパの位置および厚さを検出し、
ｃ）パンチ加工ステーションおよび／またはエンボス加工ステーションで使用される複数のアジャストメントシートのためにステップｂ）を繰り返し、
ｄ）アジャストメント要求プロフィールを決定すべく、それぞれの部分面におけるアジャストメントストリップおよびアジャストメントペーパの厚さの平均値を計算する、
ステップを有する、方法が公知である。

【0004】

独国特許出願公開第１０２００５０１２９１３号明細書により、アクチュエータにより調整可能な少なくとも１つの機械要素を有する印刷機械であって、少なくとも１つの機械要素の調整が、印刷機械により実施される印刷の品質に作用し、印刷機械内で印刷された被印刷物の表面に向けられたセンサを有する光学式の検出装置が、印刷の品質を検出し、光学式の検出装置からデータを受信した制御装置が、アクチュエータにより少なくとも１つの機械要素を、予め定められた印刷の品質の目標値と、光学式の検出装置により実際値として検出された印刷の品質との間の差に応じて、目標値と実際値との間の差を最小化するように調整する、印刷機械が公知である。

【0005】

国際公開第２００３／０８２５７４号により、ロール印刷機械であって、様々な規模の運動および張力をロール基材に対して及ぼすことが可能な少なくとも１つのフレキソ印刷モジュールと、様々な規模の運動および張力をロール基材に対して及ぼすことが可能な少なくとも１つの凹版印刷モジュールと、フレキソ印刷モジュールおよび凹版印刷モジュールによりロール基材に対して及ぼされる運動および張力の規模を制御する手段とを有する、ロール印刷機械が公知である。

【0006】

国際公開第２００１／０１５０９１号により、複数の割り付け面を有して印刷された被印刷物の印刷画像をインスペクション装置によりコントロールし、被印刷物をその個々の割り付け面に分割し、エラーを含む割り付け面を選別する、割り付け面を処理する方法および装置が公知である。

【0007】

国際公開第２００２／０４８０１４号により、多数の割り付け面を有して印刷されたシートを、それぞれ複数の割り付け面を有する複数の長手方向ストリップに切り分ける第１の断裁装置と、エラーを含む割り付け面を検出する品質コントロール装置と、ストリップを個々の割り付け面に切り分ける第２の断裁装置とを有する、印刷されたシートの割り付け面を個別化し、エラーを含む割り付け面を取り除く装置が公知である。

【0008】

本発明の根底にある課題は、印刷プロセスに起因したシートの特に台形の変形時にも、該当するシートから、シートの変形にもかかわらず許容可能な公差内にとどまる幾何学形状、例えば長さおよび／または幅を有する個別化された印刷物を提供する、シート上に共に印刷された複数の印刷物を個別化する方法を提供することである。

【0009】

上記課題は、本発明において請求項１の特徴により解決される。従属請求項は、見出した解決手段の有利な発展形および／または構成に関する。

【0010】

本発明により達成可能な利点は、特に、印刷プロセスに起因したシートの特に台形の変形時にも、該当するシートから、シートの変形にもかかわらず許容可能な公差内にとどまる幾何学形状を有する個別化された印刷物が生産されることにある。

【0011】

本発明の一実施例を図面に示し、以下に詳しく説明する。実施例との関連で本発明のさらなる利点も看取可能である。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】割り付け面技術で印刷され、印刷プロセスにより歪んだシートを示す図である。

【図2】割り付け面技術で印刷される印刷物を生産する流れを示す図である。

【図3】断裁装置を有する断裁機を示す図である。

【0013】

図１は、単独の印刷シート（略してシート０１という）を例示している。このシート０１は、好ましくは紙、例えば銀行券用紙または厚紙もしくはボール紙からなっている。このシート０１は、印刷されていない状態では長方形に形成された版型を有し、例えば４５０ｍｍ～８２０ｍｍの範囲内にある第１の辺長さと、第１の辺長さに対して横方向に例えば４７５ｍｍ～７００ｍｍの範囲内にある第２の辺長さとを有している。このシート０１には、印刷機械０６（図２）を用いた業としての印刷プロセスにおいて、例えば鋼凹版法、好ましくはインタリオ印刷法で、少なくとも片面、好ましくは両面で、少なくとも１つの印刷画像０２が印刷されている。同じシート０１の表面および裏面に印刷される印刷画像０２のそれぞれの印刷モチーフは、通常は互いに異なっている。

【0014】

図１に示したシート０１は、複数の割り付け面を有している。割り付け面という概念は、シート０１上に配置される印刷物０３の部数を表し、個々の印刷物０３は、それぞれ、例えば製造すべき銀行券であるか、またはそれぞれ少なくとも１つの特徴的なマーク０４、特に偽造防止手段を有するその他のドキュメントである。偽造防止手段とは、このドキュメントの真正を証明するとともに、このドキュメントの偽造を少なくとも著しく困難にさせる特徴的な特性と解すべきである。割り付け面は、シート０１上の印刷画像０２内で、複数の列、例えば２列～１１列、特に６列の列ａ；ｂ；ｃ；ｄ；ｅ；ｆと、複数の行、例えば２行～１０行の行Ｓ１；Ｓ２；Ｓ３；Ｓ４；・・・；Ｓ１０、特に３行～８行の行Ｓ１；Ｓ２；Ｓ３；・・・とをなして配置されている。所定の生産プロセスを実施する際、該当するシート０１は、所定の搬送方向Ｔで印刷機械０６を通して搬送される。割り付け面のレイアウトは、この搬送方向Ｔに列ａ；ｂ；ｃ；ｄ；ｅ；ｆを有している。行Ｓ１；Ｓ２；Ｓ３；Ｓ４；・・・は、この搬送方向Ｔに対して横方向に延在している。個々の各印刷物０３は、シート０１の搬送方向Ｔでそれぞれ幅ｂ０３を有し、シート０１の搬送方向Ｔに対して横方向でそれぞれ長さｌ０３を有していることが望ましい。個々の印刷物０３の幅ｂ０３は、例えば５０ｍｍ～１００ｍｍ、好ましくは５８ｍｍ～９０ｍｍの範囲内にある。個々の印刷物０３の長さｌ０３は、例えば１００ｍｍ～２００ｍｍ、好ましくは１１０ｍｍ～１８０ｍｍの範囲内にある。シート０１上に共に印刷されたすべての印刷物０３は、予め設定された許容可能な公差の範囲内で、シート０１の搬送方向Ｔでそれぞれ１つの同じ幅ｂ０３を有し、シート０１の搬送方向Ｔに対して横方向でそれぞれ１つの同じ長さｌ０３を有していることが望ましい。

【0015】

元来は長方形に形成されたシート０１上に印刷された印刷画像０２は、シート０１の搬送方向Ｔで幅Ｂを有し、搬送方向Ｔに対して横方向で当初は第１の長さＬ１を有し、この当初の長さＬ１は、印刷プロセスにより別の第２の長さＬ２へと変化し得る。特に鋼凹版法、好ましくはインタリオ印刷法では、シート０１は、印刷プロセス中、印刷機械０６を通り抜けるとき、極めて高い機械的なプレスに曝され、その結果、印刷されていない状態では長方形に形成されたシート０１は、ひいては、シート０１の印刷された印刷画像０２も、特に台形に変形される。シート０１のこの変形は、本来は長方形に形成すべき印刷画像０２を対称的に等脚台形にしてしまうこともあれば、不等脚にしてしまうこともある。シート０１の搬送方向Ｔで追従する端部は、この台形の底辺をなしている。台形のこの底辺に対応する印刷画像０２の第２の長さＬ２は、これにより実際には、印刷プロセスの実施後、シート０１の搬送方向Ｔでシート０１の先行する端部に存在する本来意図した印刷画像０２の長さＬ１より若干長く形成されている。図１においてそれぞれ第２の長さＬ２の一部を形成する伸びＶ１；Ｖ２（ただし、これらの伸びＶ１；Ｖ２は、数値的に互いに異なっていることがある）により略示した長さの増加分は、印刷画像０２の当初の長さＬ１の０．１％より大きいことが多く、合わせて例えば１０ｍｍまでである場合がある。

【0016】

印刷すべきシート０１は、印刷機械０６を通して搬送する間、保持手段により保持されなければならない。保持手段として、実地ではグリッパが使用されることが多い。これらのグリッパの少なくとも１つ、好ましくは、印刷画像０２の第１の長さＬ１に沿って互いに間隔を置いて配置される少なくとも２つのグリッパが、該当するシート０１を縁部領域Ｒ１において保持する。縁部領域Ｒ１は、好ましくは、このシート０１の、搬送方向Ｔで前側の辺に配置されており、グリッパ縁部Ｒ１とも称呼する。グリッパ縁部Ｒ１は、シート０１の、搬送方向Ｔで前側の、境界線を形成する辺において、このシート０１の搬送方向Ｔに対して横方向で、このシート０１の搬送方向Ｔに方向付けられた幅ｒ１にわたって延在しており、グリッパ縁部Ｒ１の幅ｒ１は、例えば１５ｍｍ～３５ｍｍの範囲内にある。それぞれシート０１の搬送方向Ｔに沿って延在し、それぞれ１つの境界線を形成するシート０１の右側および左側の辺にも、それぞれ１つの縁部領域Ｒ２；Ｒ３が、それぞれに対応する、それぞれこのシート０１の搬送方向Ｔに対して横方向に方向付けられた幅ｒ２；ｒ３を有して形成されている。これらの縁部領域Ｒ２；Ｒ３は、それぞれ側縁部Ｒ２；Ｒ３とも称呼する。該当する側縁部Ｒ２；Ｒ３のそれぞれの幅ｒ２：ｒ３は、例えば５ｍｍ～３０ｍｍの範囲内にあり、これらの縁部領域Ｒ２；Ｒ３の幅ｒ２；ｒ３は、数値的に等しいこともあれば、異なっていることもある。グリッパ縁部Ｒ１と、両側縁部Ｒ２；Ｒ３とは、シート０１に印刷された複数の割り付け面を有する印刷画像０２を三方において包囲している。任意選択的には、搬送方向Ｔで後側の、やはり境界線を形成するシート０１の辺にも、印刷画像０２の第２の長さＬ２に沿って延在する縁部領域が設けられており、シート０１の追従する端部における縁部の幅は、例えば５ｍｍ～４０ｍｍの範囲内にある。

【0017】

該当するシート０１上に形成された個々の印刷物０３は、それぞれ、例えば少なくとも１つの特徴的なマーク０４を有し、印刷画像０２内に配置された該当する特徴的なマーク０４の位置は、座標を割り振ることによって特定されるか、または少なくとも特定可能である。これらの座標、好ましくはデカルト座標ｘ；ｙは、例えば印刷画像０２または該当する印刷物０３のそれぞれ予め定められた境界線に関して定められている。図１に例示したシート０１では、印刷画像０２により生成された複数の印刷物０３の少なくとも１つの印刷物０３内の特徴的なマーク０４の位置を示すための基準点Ｐ、すなわち、座標ｘ；ｙのための座標原点が、例えばこの印刷画像０２の、シート０１の搬送方向Ｔで前側の辺における右側のコーナ部に存在している。シート０１と、シート０１上に施された印刷画像０２との印刷プロセスに起因した変形により、個々の印刷物０３のそれぞれの長さｌ０３および／またはそれぞれの幅ｂ０３は、変化する。このような変化は、特にそれぞれ銀行券として形成される印刷物０３の場合、相応の目標値からの偏差、例えば±１ｍｍを超過してはならない。しかし、シート０１と、シート０１上に施された印刷画像０２の特に台形の変形に伴い、該当する印刷物０３のそれぞれ予め定められた境界線に対して相対的な、該当する特徴的なマーク０４の位置も変化する。該当する特徴的なマーク０４の位置のこのような変化は、特にそれぞれ銀行券として形成される印刷物０３の場合、目標位置からの偏差、例えば±１ｍｍを超過してはならない。これらの上述の予め設定された許容可能な公差が超過されると、該当する印刷物０３は、特にそれがそれぞれ１つの銀行券を形成している場合、損紙として、進行している生産プロセスから排除かつ／または破棄されなければならない。

【0018】

割り付け面技術で印刷される印刷物０３は、これらの印刷物０３の各々が識別マーク０９を有しているため、それぞれのシート０１上での印刷物０３のそれぞれの位置に関して一義的に識別可能である。而して、これらの印刷物０３の各々には、例えば生産プロセスにおいて一続きのシリアルナンバが付されている。さらに、好ましくは、生産プロセスにおいて加工される各シート０１にも、例えばシートナンバが付されていてもよく、その結果、複数のシート０１を含む生産プロセス時にも、この生産プロセスにおいて印刷された印刷物０３の各々のそれぞれの位置は、一義的に識別され得る。代替的には、予め定められた範囲内に含まれるシートナンバと、割り付け面、すなわち、各シート０１上の印刷物０３の既知の数とを含む使用されるナンバリングパターンにより、各シート０１のそれぞれのナンバは、算出されてもよい。

【0019】

印刷機械０６により実施される業としての銀行券を生産する印刷プロセスにおいて、毎時少なくとも１００，０００枚の銀行券、好ましくは、例えば毎時６００，０００枚までの銀行券が製造されるように努められる。このために印刷機械０６により多数のシート０１に次々とそれぞれ同じ印刷画像０２が印刷される。図２に略示したように、それぞれ複数の割り付け面が印刷されたシート０１は、生産プロセスにおいて印刷機械０６の下流に配置された断裁機０７に供給され、これにより、割り付け面技術で印刷され、それぞれ例えば銀行券を形成する印刷物０３を個別化することができる。印刷物０３の個別化は、断裁機０７においてそれぞれ直線状の断裁の例えば逐次実施により行われ、直線状の断裁により、該当する印刷されたシート０１は、それぞれ段階的に、割り付け面レイアウトのそれぞれの列ａ；ｂ；ｃ；ｄ；ｅ；ｆおよび／または行Ｓ１；Ｓ２；Ｓ３；Ｓ４；・・・；Ｓ１０に対応する複数のストリップへと断裁される。その際、個々の断裁線は、それぞれ例えば銀行券を形成する個々の印刷物０３のそれぞれの長さｌ０３および／またはそれぞれの幅ｂ０３および／またはそれぞれの目標位置に関する該当する特徴的なマーク０４の位置が、シート０１と、シート０１上に施された印刷画像０２との印刷プロセスに起因した変形にもかかわらず、それぞれの印刷物０３に関して予め定められたかつ／または予め設定されたそれぞれの公差を可能な限り最良に「ベストフィット」適合の意味で遵守し、公差を超過しないように延びていることが望ましい。「ベストフィット」適合は、数理最適化法の使用により実施される。最適化法は、例えば、検出されたまたは求められた複数の個別値を介して計算により平均値を形成し、標準偏差を計算し、かつ／または所定の四分位数（０％、２５％、５０％（＝中央値）、７５％、１００％）を考慮することを包含し得る。数理最適化法として、例えば調整計算もしくはカーブフィッティング、または計算により実施される近似法が使用されてもよい。選択した最適化法次第で、生産プロセスは、生産プロセスの重点をむしろ、生産される印刷物０３の品質に置くか、または生産すべき印刷物０３の量に置くことができる。「ベストフィット」適合は、それゆえ必要に応じて、所定の生産プロセスにおいて、例えばできる限り多くの印刷物０３が、それでもまだ十分に良好と見なされる範囲の品質で生産されるか、あるいは前者と比較すれば印刷物０３の数は少なくなるが、高品質の生産が実施されるという意味で行われ得る。この決定は、生産の開始前または生産の開始時に最適化法の相応の選択により個別的に下すことができる。

【0020】

予め設定された許容可能な公差の遵守は、生産フローにおいて断裁機０７の下流に配置された品質検査装置０８内で検査され、該当する生産プロセス中、好ましくは連続的に監視される。品質検査装置０８は、例えば、好ましくはオプトエレクトロニクス式の、特にカメラをベースとするインスペクションシステムを有し、検査の前に作成された印刷物０３を例えば個別検査にかける。品質検査装置０８によって求められた情報、特に、少なくとも１つの許容可能な公差からの偏差と、その識別マーク０９を基に識別され、少なくとも１つの上述の公差を超過した印刷物０３の位置とに関する情報は、断裁機０７に好ましくは直接かつ／またはリアルタイムでフィードバックされる。

【0021】

図３に看取可能であるように、概略的にのみ例示した断裁機０７は、この断裁機０７内に定置に配置されていて好ましくは直線状の断裁を実施する少なくとも１つの断裁装置１１と協働するように、例えば好ましくは鉛直の軸線１２回りに水平平面内で回転可能な断裁テーブル１３を有し、断裁テーブル１３上には、ストリップへと断裁すべきシート０１が載置されているか、または少なくとも載置可能である。断裁テーブル１３は、軸線１２回りに好ましくは両周方向で、回転方向矢印により略示した回転角度φの分だけ回転可能であり、回転運動は、制御ユニット２１により制御される駆動部１４により駆動されている。この断裁テーブル１３上において例えばストッパ１６により予め定められた位置に載置されている断裁すべきシート０１は、そこで、好ましくは制御ユニット２１により制御されるクランプ１７により保持され、かつ／または駆動部１９により動かされる少なくとも１つのスライダ１８の相応の操作時、特にシート０１の搬送方向Ｔで断裁テーブル１３上をスライド可能である。品質検査装置０８により断裁機０７の制御ユニット２１にフィードバックされた情報は、特に、それぞれ例えば銀行券を形成する個々の印刷物０３のそれぞれの長さｌ０３および／もしくはそれぞれの幅ｂ０３ならびに／またはそれぞれの目標位置に関する該当する特徴的なマーク０４の位置が、シート０１と、シート０１上に施された印刷画像０２との、印刷プロセスに起因した特に台形の変形にもかかわらず、それぞれの印刷物０３に関して予め定められたそれぞれの公差を可能な限り最良に例えば「ベストフィット」適合の意味で遵守するように、断裁機０７の断裁テーブル１３の回転運動および／または断裁すべきシート０１の、断裁テーブル１３上での、それぞれ断裁装置１１に対して相対的な送りを制御するために使用され、ここでも、「ベストフィット」適合は、数理最適化法の使用により実施される。最適化法は、既に前述したように、実施すべき生産に応じて、必要に応じて選択され得る。

【0022】

提示した問題点を背景として、而るに、シート０１上に共に印刷された複数の印刷物０３を個別化する方法であって、印刷機械０６内でシート０１上に共に印刷された複数の印刷物０３を、印刷機械０６の下流に配置され、好ましくは直線状の断裁を実施する断裁装置１１を有する断裁機０７内で個別化する方法を提案する。その際、これらの印刷物０３の各々は、シート０１上における印刷物０３のそれぞれの位置を一義的に識別するそれぞれ１つの識別マーク０９を有している。印刷されていないシート０１は、長方形に形成されている。シート０１は、印刷機械０６を通り抜けるとき、特に台形に変形されるので、個別化される印刷物０３は、シート０１の変形にしたがって同じく変形されている。個別化される印刷物０３は、それゆえ、断裁機０７の下流に配置された品質検査装置０８内で、少なくとも印刷物０３のそれぞれの長さｌ０３および／または幅ｂ０３に関する許容可能な公差の遵守について検査され、品質検査装置０８は、印刷物０３の識別マーク０９を基に印刷物０３の位置に関して識別される各印刷物０３のために、該当する印刷物０３の少なくとも長さｌ０３および／または幅ｂ０３の許容可能な公差の超過に関する情報を求める。品質検査装置０８は、品質検査装置０８によって求められたこれらの情報を、識別マーク０９を基にシート０１上で特定された位置に割り当てて、断裁機０７の制御ユニット２１に伝送し、断裁機０７の制御ユニット２１は、品質検査装置０８により伝送された情報に応じて、後続して断裁機０７内で個別化すべき同種の、シート０１上の同じ位置に配置された印刷物０３のために、個別化すべき印刷物０３の各々において、それぞれの予め設定された公差が可能な限り最良に遵守されるように、該当するシート０１および断裁装置１１のそれぞれの位置を互いに相対的に調整し、該当する公差の可能な限り最良の遵守は、シート０１と断裁装置１１とのそれぞれ互いに相対的に調整すべき位置が制御ユニット２１内で既に言及したように数理最適化法の使用により計算されることにより実施される。該当するシート０１と断裁装置１１とのそれぞれの位置の互いに相対的な調整は、つまり、該当する数理最適化法を使用して、すなわち、該当する数理最適化法を用いて計算された位置に応じて実施される。該当する印刷物０３の少なくとも長さｌ０３および／もしくは幅ｂ０３の予め設定された許容可能な公差ならびに／または該当する少なくとも１つの特徴的なマーク０４の位置の変化における予め設定された許容可能な公差は、これにより好ましくは、断裁機０７の制御ユニット２１内で調整される。

【0023】

個々の各印刷物０３が、該当する印刷画像０２の所定の位置にそれぞれ少なくとも１つの特徴的なマーク０４も有しているので、シート０１と、シート０１上に施された印刷画像０２との特に印刷プロセスに起因した変形により、通常、該当する特徴的なマーク０４の位置も変化する。それゆえ品質検査装置０８は、印刷物０３の識別マーク０９を基に識別される各印刷物０３のために、該当する少なくとも１つの特徴的なマーク０４の位置の変化における許容可能な公差の超過に関する情報も求め、品質検査装置０８は、その後、これらの情報も断裁機０７の制御ユニット２１に、シート０１と断裁装置１１とのそれぞれの互いに相対的な位置を調整すべく伝送する。

【0024】

シート０１は、印刷機械０６により好ましくは鋼凹版法またはインタリオ印刷法で印刷される。シート０１には、このとき、片面および／または両面でそれぞれ印刷画像０２が印刷される。好ましい構成において、それぞれ複数の、通常はシームレスに並べられる印刷物０３は、シート０１上の印刷画像０２内に、シート０１の搬送方向Ｔで延在する複数の列ａ；ｂ；ｃ；ｄ；ｅ；ｆと、シート０１の搬送方向Ｔに対して横方向で延在する複数の行Ｓ１；Ｓ２；Ｓ３；Ｓ４；・・・とをなして配置されており、シート０１上に共に印刷されるすべての印刷物０３のために、シート０１の搬送方向Ｔでは、それぞれ１つの同じ幅ｂ０３が、そしてシート０１の搬送方向Ｔに対して横方向では、それぞれ１つの同じ長さｌ０３が、さらにはシート０１上の印刷物０３のそれぞれの位置を一義的に識別するそれぞれ１つの識別マーク０９が、例えば法規に則ってまたは発注者により予め定められる。個々の印刷物０３は、それぞれ例えば銀行券へと形成され、かつ／または印刷物０３の各々には、そのそれぞれの識別マーク０９として、それぞれ、好ましくは、生産プロセスにおいて一続きのシリアルナンバが付される。品質検査装置０８として、特にカメラをベースとするインスペクションシステムが使用される。

【0025】

シート０１上に共に印刷された複数の印刷物０３は、シート０１の搬送方向Ｔで印刷機械０６の下流に配置された断裁機０７内で個別化され、断裁機０７は、少なくとも１つの断裁装置１１と、例えば該当する断裁装置１１に対して相対的に少なくともその回転角度φが調整可能である断裁テーブル１３とを有している。断裁機０７の断裁テーブル１３上に載置され、好ましくはストリップへと断裁すべきシート０１は、加えて好ましくは、断裁装置１１に対して相対的なその送りに関して、制御ユニット２１により、それぞれの印刷物０３に関して予め定められたそれぞれの公差が可能な限り最良に遵守されるように制御される。その際、予め定められた公差の可能な限り最良の遵守は、断裁テーブル１３の回転角度φの調整および／または断裁機０７の断裁テーブル１３上に載置され、好ましくはストリップへと断裁すべきシート０１の送りの調整が制御ユニット２１内で数理最適化法の使用により計算されることにより実施される。

【0026】

印刷機械０６により実施される業としての銀行券を生産する印刷プロセスにおいて、通常、多数のシート０１が印刷され、続いてそのそれぞれの印刷物０３を個別化すべく、断裁機０７にそれぞれ逐次供給される。その後、個々の印刷物０３は、説明したように、品質検査装置０８内で公差の遵守について検査される。予め定められた公差からの断裁機０７の制御ユニット２１によって求められた超過における個々の異常値が、断裁テーブル１３の回転角度φの調整および／または断裁機０７の断裁テーブル１３上に載置され、好ましくはストリップへと断裁すべきシート０１の送りの調整における飛躍的な変化に至ることを回避すべく、好ましい構成では、該当する印刷物０３の少なくとも長さｌ０３および／もしくは幅ｂ０３の許容可能な公差の超過に関する繰り返し求められた情報ならびに／または該当する少なくとも１つの特徴的なマーク０４の位置の変化における許容可能な公差の超過に関する繰り返し求められた情報に基づいてのみ、シート０１と断裁装置１１とのそれぞれの互いに相対的な位置の調整が、後続して断裁機０７内で個別化すべき同種の、シート０１上の同じ位置に配置された印刷物０３のために適合されるようになっている。例えば、断裁機０７の制御ユニット２１により、複数の、例えば１０枚の連続するシート０１のパイルが評価され、目標値プリセットからのそれぞれ求められた偏差が例えば平均され、その後、断裁機０７の制御ユニット２１が、シート０１と断裁装置１１とのそれぞれの互いに相対的な位置の調整を、後続して断裁機０７内で個別化すべき同種の、シート０１上の同じ位置に配置された印刷物０３のために適合するようになっている。適合は、つまり、好ましくは、例えばそれぞれ求められた平均値が、該当する公差を超過する場合にのみ実施される。評価すべきシート０１についてそれぞれ異なる重み付けが行われてもよく、例えば、評価に際し、１つのパイルの最初の１枚または最初の複数枚のシート０１および／または１つのパイルの最後の１枚または最後の複数枚のシート０１に、例えば該当するパイルの中間のシート０１よりも大きな比重を置いてもよい。

【符号の説明】

【0027】

０１ シート
０２ 印刷画像
０３ 印刷物
０４ 特徴的なマーク
０５ －
０６ 印刷機械
０７ 断裁機
０８ 品質検査装置
０９ 識別マーク
１０ －
１１ 断裁装置
１２ 軸線
１３ 断裁テーブル
１４ 駆動部（１３）
１５ －
１６ ストッパ
１７ クランプ
１８ スライダ
１９ 駆動部（１８）
２０ －
２１ 制御ユニット
ａ；ｂ；ｃ；ｄ；ｅ；ｆ 列
Ｓ１；Ｓ２；Ｓ３；Ｓ４；・・・ 行
ｂ０３ 幅（０３）
ｌ０３ 長さ（０３）
Ｂ 幅（０２）
Ｌ１ 長さ（０２）
Ｌ２ 長さ（０２）
Ｒ１ 縁部領域；グリッパ縁部
Ｒ２ 縁部領域；側縁部
Ｒ３ 縁部領域；側縁部
Ｔ 搬送方向
Ｖ１ 伸び
Ｖ２ 伸び
Ｐ 基準点
ｘ 長さ（０２）に沿った座標
ｙ 幅（０２）に沿った座標
φ 回転角度

【図1】

【図2】

【図3】