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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】ファイル
(51)【国際特許分類】
   B42F 21/06 20060101AFI20220324BHJP
   B42F 7/00 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
B42F21/06 R
B42F21/06 F
B42F7/00 G
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017060197
(22)【出願日】2017-03-24
(65)【公開番号】P2018161796
(43)【公開日】2018-10-18
【審査請求日】2020-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】土岐 一貴
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0326865(US,A1)
【文献】特表2011-509852(JP,A)
【文献】実開平07-005776(JP,U)
【文献】特開平11-059047(JP,A)
【文献】特開2005-319603(JP,A)
【文献】米国特許第05875579(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 1/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開放端を有するとともに、書類を収納し得る空間が設けられたファイルであって、
第一のシートと、この第一のシートの前記開放端とこの前記開放端に略平行な仮想線との間に位置する開放端部領域に配された第二のシートとを備えてなり、前記第一、第二のシートの少なくとも一方が透光性を有するものであり、
前記第一のシートと前記第二のシートとの間に付箋を貼り付け可能な付箋貼付部を設けてなり、この付箋貼付部が、前記第一のシートにおける前記開放端側の全域、及び、当該開放端側の全域と連続するように前記開放端に交差する一方又は双方の端部側に開放しているものであるファイル。
【請求項2】
前記付箋貼付部が、前記第一のシートと前記第二のシートとを接合する溶着部よりも前記開放端側に前記付箋を貼り付け得る付箋貼付領域を形成したものであり、
前記付箋貼付領域に貼り付けられた付箋が、前記第一のシートと前記第二のシートとの間に挟まれ得るように構成されている請求項1記載のファイル。
【請求項3】
前記溶着部が前記仮想線上に設定されている請求項2記載のファイル。
【請求項4】
前記第一のシートが表紙であり、前記第二のシートが前記表紙の内面又は外面に添設されたものである請求項1、2又は3記載のファイル。
【請求項5】
前記付箋貼付部に、付箋を貼るための目印線を設けている請求項1、2、3又は4記載のファイル。
【請求項6】
書類を収納し得る空間が設けられたものであり、表紙の開放端外縁に、付箋を貼り付けるための付箋貼付部を設けてなるファイルであって、
前記付箋貼付部が、第一のシートと、この第一のシートに重なり合う第二のシートとを備えたものであり、これら第一、第二のシートの基端が前記表紙の開放端外縁に止着されているとともに前記基端以外の端が開放されており、前記第一、第二のシートの内面に付箋を貼り付け得る付箋貼付領域を備えているファイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等において好適に使用されるファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、見出し片を取り付け可能に構成したファイルが存在する(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に示すものは、見出し片が、二つ折りにした紙製の帯状の形態をなしている。見出し片は、ファイル内すなわち表板及び裏板からなる本体と見出しカバーとの間の隙間に挿入され、ファイル内に保持されるものとなっている。
【0003】
従来は、見出し片が、ファイルを構成する本体の背表紙部分と見出しカバーとの間に保持され得る形態をなしていた。このため、当該ファイルから見出し片を取り除いたり交換したりする作業が煩わしいものとなっており、見出し片に必要な情報を表示させる意欲を低下させる一因にもなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平3-108477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、付箋を見出しとして利用可能であり、付箋の着脱作業や交換作業を容易に行い得るファイルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0007】
請求項1に記載の発明は、開放端を有するとともに、書類を収納し得る空間が設けられたファイルであって、第一のシートと、この第一のシートの前記開放端とこの前記開放端に略平行な仮想線との間に位置する開放端部領域に配された第二のシートとを備えてなり、前記第一、第二のシートの少なくとも一方が透光性を有するものであり、前記第一のシートと前記第二のシートとの間に付箋を貼り付け可能な付箋貼付部を設けてなり、この付箋貼付部が、前記第一のシートにおける前記開放端側の全域、及び、当該開放端側の全域と連続するように前記開放端に交差する一方又は双方の端部側に開放しているものであるファイルである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記付箋貼付部が、前記第一のシートと前記第二のシートとを接合する溶着部よりも前記開放端側に前記付箋を貼り付け得る付箋貼付領域を形成したものであり、前記付箋貼付領域に貼り付けられた付箋が、前記第一のシートと前記第二のシートとの間に挟まれ得るように構成されている請求項1記載のファイルである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記溶着部が前記仮想線上に設定されている請求項2記載のファイルである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記第一のシートが表紙であり、前記第二のシートが前記表紙の内面又は外面に添設されたものである請求項1、2又は3記載のファイルである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記付箋貼付部に、付箋を貼るための目印線を設けている請求項1、2、3又は4記載のファイルである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、書類を収納し得る空間が設けられたものであり、表紙の開放端外縁に、付箋を貼り付けるための付箋貼付部を設けてなるファイルであって、前記付箋貼付部が、第一のシートと、この第一のシートに重なり合う第二のシートとを備えたものであり、これら第一、第二のシートの基端が前記表紙の開放端外縁に止着されているとともに前記基端以外の端が開放されており、前記第一、第二のシートの内面に付箋を貼り付け得る付箋貼付領域を備えているファイルである。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、付箋を見出しとして利用可能であり、付箋の着脱作業や交換作業を容易に行い得るファイルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一の実施形態を示す斜視図。
図2】同実施形態における正面図。
図3】同実施形態における背面図。
図4】同実施形態における構造説明用の展開図。
図5】同実施形態における斜視図。
図6図2におけるX-X線概略端面図。
図7】本発明の第二の実施形態を示す斜視図。
図8】同実施形態における正面図。
図9図8におけるY-Y線概略端面図。
図10】同実施形態における裏表紙の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第一の実施形態>
以下、本発明の第一の実施形態を、図1~6を参照して説明する。
【0016】
この実施形態は、本発明を、オフィス等において好適に使用されるクリアーホルダー等と称されるファイルAに適用したものである。
【0017】
ファイルAは、透光性を有した第一のシートである表表紙1と裏表紙2との間に、例えば複数枚の書類を挟み込むことにより、書類を整理し得るものである。ファイルAは、透光性を有する表紙である表表紙1の内面にカードCを保持し得るポケット4を有したものである。ポケット4のカード挿入口41は、表表紙1及び裏表紙2の開放端である側部開放端ea及び上部開放端eb以外の方向に開口したものとなっている。また、ファイルAは、第一のシートたる表表紙1と、表表紙1の開放端部領域rに配された第二のシートである延出シート32を備えてなり、表表紙1と延出シート32との間に付箋Pを貼り付け可能な付箋貼付部5を設けている。付箋貼付部5は、表表紙1の開放端側に開放しているもの、より具体的に言えば、付箋貼付部5は、表表紙1の開放端である側部開放端ea及び上部開放端ebに開口しているものである。
【0018】
以下、このファイルAについて詳述する。
【0019】
ファイルAは、展開状態において略矩形状をなす略透明な合成樹脂製のシートB(図4を参照)を二つ折りにすることにより構成された表表紙1及び裏表紙2と、表表紙1の内面側に添設された合成樹脂製の裏当て部材3とを備えている。表表紙1及び裏表紙2の一端部同士、すなわち、図2における表表紙1及び裏表紙2の各左側の側端部同士は連続しており、折り返された部分に側端の折り返し線部saが設けられている。表表紙1の下端部近傍と裏表紙2の下端部近傍は溶着により接続している。図2における表表紙1の下端縁には、折り返された部分に下端の折り返し線部sbが設けられている。
【0020】
なお、この明細書において、「透明」とは、狭義の無色透明だけでなく有色透明をも含む概念である。
【0021】
表表紙1は、略矩形状をなすものであり、その内面にシート状をなす裏当て部材3が溶着されている。表表紙1の開放端部領域rは、当該表表紙1の開放端である側部開放端eaと、この側部開放端eaに略平行な仮想線iとの間に位置するものであり、この実施形態では、後述する内溶着部mが上述した仮想線i上に設定されている。
【0022】
裏表紙2は、表表紙1と略同じ大きさに設定された略矩形状をなすものである。この実施形態では、表表紙1の下端縁に、裏表紙2に接続する折り返し片hが延設されている。折り返し片hは、図3に示すように、表表紙1の内面側に折り返された状態で、下端の折り返し線部sbと略平行に延びる底溶着部nにおいて裏表紙2の外面側に接続している。
【0023】
また、裏表紙2における開放端側のコーナー部21には、表表紙1における開放端側のコーナー部11を保持し得る保持シートfが設けられている。保持シートfは、略台形状をなしており、裏表紙2の開放端である側部開放端ea及び上部開放端ebに対応する二辺が裏表紙2の内面に溶着されている。
【0024】
裏当て部材3は、下部に位置しポケット4を構成する本体シート31と、本体シート31の上側に連設され表表紙1の開放端部領域rに沿って延びる第二のシートである延出シート32とを備えている。裏当て部材3を有したファイルAは、裏当て部材3、及び、表表紙1を主体にして、名刺等のカードCを挿入し得るカード挿入口41を有したポケット4、及び、後述する複数の付箋Pを保持し得る付箋貼付部5を形成したものである。
【0025】
ポケット4は、表表紙1の内面と裏表紙2の内面との間において側端の折り返し線部sa側に開口したカード挿入口41を有したものである。ポケット4は、表表紙1と、表表紙1の内面側に溶着された裏当て部材3の本体シート31とによって構成されている。ポケット4におけるカード挿入口41は、図2において右側に位置している側部開放端ea、図2において上側に位置している上部開放端eb、及び、図2において下側に位置している下端の折り返し線部sbとは異なる方向に開口したものとなっている。
【0026】
ポケット4を形成する裏当て部材3の本体シート31は、表表紙1の開放端部領域rに設けられた上下方向に延びる外溶着部gと、カードCの大きさに対応させて区成する位置すなわちカードCの上端縁に沿う位置に設けられた左右方向に延びる区成溶着部jを備えている。本体シート31は、外溶着部g、及び、区成溶着部jにおいて、表表紙1に溶着されている。つまり、ポケット4のカード収容空間42は、表表紙1の下端である下端の折り返し線部sbと、この下端の折り返し線部sbと略平行に形成された区成溶着部jとの間に形成されている。
【0027】
続いて、付箋貼付部5について説明する。
【0028】
付箋貼付部5はポケット4の上側に位置している。付箋貼付部5は、互いに重なり合わないように配された見出しとして機能し得る複数の付箋Pを挟み込んで保持し得るものである。付箋貼付部5は、表表紙1の開放端である側部開放端ea側及び上部開放端eb側に開口し得る形態をなしている。付箋貼付部5は、表表紙1と、表表紙1の内面側に溶着された裏当て部材3の延出シート32とによって構成されている。
【0029】
換言すれば、付箋貼付部5は、表表紙1と延出シート32とを接合する溶着部たる内溶着部mよりも開放端である側部開放端ea側に複数の付箋Pを貼り付け得る付箋貼付領域51を形成したものである。付箋貼付領域51に貼り付けられた複数の付箋Pは、表表紙1と延出シート32との間に挟まれ得るように構成されている。
【0030】
この実施形態では、図1図2、及び、図5に示すように、一面側すなわち裏側に粘着剤層p1を設けた二枚の付箋Pが、付箋貼付領域51である裏当て部材3における延出シート32の内面に上下に重ならないように貼付されている。そして、上下に並び配された二枚の付箋Pは、表表紙1と裏当て部材3の延出シート32との間に挟まれて保持されている。各付箋Pの表面には、使用者の任意でインデックスとなり得る表示、例えば、書類のカテゴリーや用途等を示すための語句、或いは、分類作業等に便宜となる記号や図形が表示される。
【0031】
なお、図6に示すように、延出シート32の開放端の位置と表表紙1の開放端の位置とは互いにずらせてある。より具体的に言えば、延出シート32の開放側の側端縁は、表表紙1の開放端側の側端縁よりも正面視において内側に位置するように設定されている。このように延出シート32と表表紙1の端縁をずらしておくことで、表表紙1をめくりやすくしてある。
【0032】
付箋貼付部5を形成する裏当て部材3の延出シート32は、本体シート31との間に位置する区成溶着部jの内方端部から当該区成溶着部jと略直交する方向、換言すれば、外溶着部gに略平行して延びる溶着部たる内溶着部mを備えている。
【0033】
この実施形態においては、外溶着部g、区成溶着部j、及び、内溶着部mはそれぞれ複数の溶着部分m1を破線状に配列させたものである。そして、内溶着部mは、その溶着部分の一部を利用して、付箋貼付部5に、付箋Pを貼るための目印線である特定の溶着部分m2を設けている。すなわち、目印線m2は、複数の溶着部分m1の内、特定の溶着部分m2を他の溶着部分と異なった形状にすることにより構成されている。
【0034】
具体的には、内溶着部mは、略矩形状をなす複数の溶着部分m1を一定のピッチで複数配列させてなるものである。そして、目印線となる特定の溶着部分m2のみを他の溶着部分よりも横長な形状のものとしており、表表紙1の外縁側に突出させている。複数設けられた目印線となる特定の溶着部分m2は略等間隔に配列されている。そのため、上下方向に延びてなる内溶着部mは、全体として、複数設けられた特定の溶着部分m2である目印線を目盛りのように機能させた定規状の外観をなしている。そして、使用者は、目印線である特定の溶着部分m2を目安として、インデックス等の目的で付箋Pを位置決めし貼り付けることができるようにしてある。
【0035】
付箋貼付部5を構成する表表紙1及び裏当て部材3の少なくとも一方、この実施形態では、裏当て部材3における区成溶着部jの近傍部分に、開放端である側部開放端ea側に開放された切れ込みzが設けられている。そのため、付箋貼付部5を構成する延出シート32を表表紙1から離れる方向にめくりやすくなり、裏当て部材3の内面に付箋Pを貼り付ける操作を円滑にできるようにしてある。
【0036】
なお、表表紙1と裏当て部材3とを接合する外溶着部g、区成溶着部j、及び、内溶着部mは、それぞれ略直線状に形成されている。これら外溶着部g、区成溶着部j、及び、内溶着部mが、順に連続するように配列されており、全体として略階段状に形成されている。
【0037】
裏当て部材3が、ポケット4を構成する本体シート31と、付箋貼付部5を構成する延出シート32とを有した単一のシート状の部材により作られているため、製造時における部品点数を無理なく削減することができる。なお、裏当て部材3が、表紙1と一体に構成されたものであり、外溶着部gを設けないように構成したものであってもよい。
【0038】
以上説明したように、本実施形態に係るファイルAは、第一のシートである表表紙1と、表表紙1の開放端部領域rに配された第二のシートである裏当て部材3の延出シート32とを備えている。そして、表表紙1と延出シート32との間に複数の付箋Pを貼り付け可能な付箋貼付部5を設けてなり、少なくとも表表紙1が透光性を有するものとなっている。このため、付箋Pを見出しとして利用可能であり、付箋Pの着脱作業や交換作業を容易に行い得るファイルAを提供することができるものとなる。
【0039】
つまり、複数の付箋Pを表表紙1と延出シート32との間に貼り付け可能に構成しているものであり、且つ、表表紙1の開放端部領域rに延出シート32を配しているため、複数の付箋Pを利用して見出しを設ける柔軟性に優れた見出し表示システムを好適に実現し得るものとなっている。
【0040】
この実施形態では、二枚の付箋Pをそれぞれ別個独立に付箋貼付部5に着脱することができるものとなっている。換言すれば、このファイルAは、付箋貼付部5に貼り付けられた二枚の付箋Pをそれぞれ別個独立に簡単に交換することができるものとなっている。例えば、二枚の付箋Pに異なる見出し情報(書類の用途、カテゴリー、担当者、その他書類の整理に必要な情報等)を記載したものとすれば、それら二枚の付箋Pの一方又は両方を使用者の任意で交換することによって、ファイルAの見出し情報を極めて柔軟に変更することが可能となる。
【0041】
付箋貼付部5が、表表紙1における開放端である側部開放端ea及び上部開放端eb側に開口したものである。このため、複数の付箋Pを付箋貼付部5に容易に貼り付け得るものとなっている。
【0042】
付箋貼付部5が、表表紙1と延出シート32とを接合する溶着部たる内溶着部mよりも開放端である側部開放端ea側に付箋Pを貼り付け得る付箋貼付領域51を形成したものである。そして、付箋貼付領域51に貼り付けられた付箋Pが、表表紙1と延出シート32との間に挟まれ得るように構成されている。このため、付箋Pは、その粘着剤層p1に依拠した貼着力だけでなく、表表紙1と延出シート32との間に挟まれることによって、ずれ動きが抑制された状態に保持されたものとなる。
【0043】
表表紙1の開放端部領域rが、当該表表紙1の開放端である側部開放端eaと側部開放端eaに略平行な仮想線iとの間に位置するものであり、内溶着部mが仮想線i上に設定されている。このため、内溶着部mが表表紙1の側部開放端eaと略平行をなすものとなるため、複数の付箋Pを内溶着部mに沿って姿勢よく整然と貼り付けることができるものとなる。
【0044】
延出シート32が、表表紙1の内面に添設されたものである。このため、付箋貼付部5を設けるにあたり、表表紙1の外面側を外観上好適な面一な状態に保持しやすいものとなっている。
【0045】
付箋貼付部5に、付箋Pを貼るための目印線である特定の溶着部分m2を設けている。このため、使用者は、付箋貼付部5において付箋Pを目印線である特定の溶着部分m2を参照して整然とした姿勢に貼り付け得るものとなる。
【0046】
内溶着部mが、破線状をなす複数の溶着部分m1を備えている。そして、目印線が、複数の溶着部分m1の内、特定の溶着部分m2を他の溶着部分と異なった形状にすることにより構成したものである。このため、目印線である特定の溶着部分m2を、内溶着部mを形成する過程において効率よく設定し得るものとなっている。
【0047】
付箋貼付部5を構成する裏当て部材3に、開放端側に開放された切れ込みzが設けられている。このため、裏当て部材3の内面に付箋Pを貼りやすいものとなっている。
【0048】
<第二の実施形態>
続いて、本発明の第二の実施形態を、図7~10を参照して説明する。
【0049】
第二の実施形態においては、付箋貼付部5Aが、第一のシートである裏表紙2A側に設けられている。すなわち、付箋貼付部5Aは、裏表紙2Aと、裏表紙2Aに付箋貼付領域51Aを確保した状態で溶着された透光性を有するカバーシート3Aとを主体に構成されている。
【0050】
ファイルDは、図7図10に示すように、透光性を有したインデックス部6をそれぞれ位置をずらせて設けた複数の区成シート7a~7dを有している。ファイルDは、区成シート7a~7dの背後に、見出し内容表示部である付箋貼付部5Aを設けた背後シートたる裏表紙6を有する。
【0051】
ファイルDは、複数の資料収納空間Sが区成シート7a~7dにより区成されている。インデックス部6は、資料収納空間Sを区成する後方側の区成シート7a~7dにそれぞれ設定されている。
【0052】
詳述すれば、ファイルDは、表紙たる表表紙1Aと、背後シートたる裏表紙2Aとの間に、複数の区成シート7a~7dが配されたものである。インデックス部6は、区成シート7a~7dの外縁7a1~7d1から突出して設けられている。
【0053】
しかして、付箋貼付部5Aは、インデックス部6の背後に位置するようにして裏表紙2A側に設けられている。付箋貼付部5Aは、裏表紙2Aと、裏表紙2Aに付箋貼付領域51Aを確保した状態で溶着部mAにおいて溶着された透光性を有するカバーシート3Aとを具備してなるものである。
【0054】
換言すれば、ファイルDは、第一のシートである裏表紙2Aと、裏表紙2Aの外縁側の領域すなわち開放端部領域rに配された第二のシートであるカバーシート3Aとの間に、付箋Pを貼り付け可能な付箋貼付部5Aを設けてなる。付箋貼付部5Aは、裏表紙2Aにおける開放端側に開放しているものである。具体的に言えば、付箋貼付部5Aは、裏表紙2A、及び、カバーシート3Aにおける開放端側すなわち外縁側に開口している。この実施形態では、付箋貼付部5Aに見出しとして機能し得る五枚の付箋Pを保持させることができるようになっている。
【0055】
付箋貼付部5Aの付箋貼付領域51Aは、裏表紙2Aとカバーシート3Aとを接合する溶着部mAよりも開放端側に形成されている。そして、付箋貼付領域51Aに貼り付けられた複数の付箋Pが、裏表紙2Aとカバーシート3Aとの間に挟まれ得るように構成されている。裏表紙2Aの付箋貼付領域51Aは、当該裏表紙2Aの開放端と、この開放端に略平行な仮想線iとの間に位置するものであり、溶着部mAが仮想線i上に設定されている。
【0056】
付箋貼付部5Aには、付箋Pを貼るための目印線mjがそれぞれ設けられている。また、カバーシート3Aには、付箋Pの貼付作業を容易にするために、間隔をあけて外縁に開放された切れ込み3A1が形成されている。一方、裏表紙2Aには、カバーシート3Aを前面側にめくりやすくするために、凹欠部6aを備えている。
【0057】
以上、第二の実施形態として説明したファイルDにおいても、付箋Pを見出しとして利用可能であり、且つ、付箋Pの着脱作業や交換作業を容易に行い得るため、所期の目的を達成し得るものとなる。
【0058】
その他本発明における各部の具体的構成については、上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能であることはいうまでもない。
【0059】
付箋貼付部は、第一のシートと第二のシートとの間に、複数ではなく、一枚の付箋を貼り付け得るものであってもよい。
【0060】
第一のシートは、表表紙や裏表紙に限られるものではない。また、第二のシートは、延出シートやカバーシートに限られるものではない。つまり、ファイルを構成する第一、第二のシート間に、付箋が貼り付けられるようになっており、且つ、使用者が少なくとも第一、第二のシートの何れか一方のシートを透過した上で第一、第二のシート間に配された付箋を視認し得るものとなっていれば、本発明の目的を達成し得るものとなる。
【0061】
例えば、ファイルを、表紙の開放端に、付箋を貼り付けるための付箋貼付部を設けてなるものとしてもよい。この付箋貼付部は、第一のシートと、この第一のシートに重なり合う第二のシートとを備えたものであり、これら第一、第二のシートの基端がそれぞれ表紙の開放端に止着されたものとなっている。そして、第一、第二のシートの内面に付箋を貼り付け得る付箋貼付領域を備えている。このようなものであっても、所期の目的を達成し得るものとなる。
【0062】
付箋貼付部における目印線は、種々の方法で設けることができるものであり、上述したような溶着部の形態により実現したものに限定されるものではない。例えば、目印線は、印刷により設けたものであってもよい。
【0063】
付箋貼付部への付箋の貼りやすさを補助し得る切れ込みは、第一のシートまたは第二のシートの何れか一方のみに設けたものであってもよいし、双方に設けたものであってもよい。
【0064】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0065】
1…表表紙(第一のシート)
2…裏表紙
3…裏当て部材
32…延出シート(第二のシート)
5…付箋貼付部
A…ファイル
P…付箋
r…開放端部領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10