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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/42 20060101AFI20220324BHJP
   B65D 1/36 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
B65D1/42
B65D1/36
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2016220054
(22)【出願日】2016-11-10
(65)【公開番号】P2017088249
(43)【公開日】2017-05-25
【審査請求日】2019-11-08
(31)【優先権主張番号】P 2015221672
(32)【優先日】2015-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391011825
【氏名又は名称】中央化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109807
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】木村 貴一
(72)【発明者】
【氏名】松原 裕樹
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/018531(WO,A1)
【文献】実開昭61-129729(JP,U)
【文献】特開2008-131923(JP,A)
【文献】特開2000-296829(JP,A)
【文献】特開平11-056313(JP,A)
【文献】実開昭56-103473(JP,U)
【文献】意匠登録第1411102(JP,S)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/42
B65D 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を載せる底部と、
上記底部の左右の縁から立ち上がり縦方向に延びた縦壁と、
上記底部の前後の縁から立ち上がり横方向に延びた横壁と、
上記底部から上方へ突き出てさらに一方の上記縦壁から他方の上記縦壁まで横方向に延びて一方の上記横壁と他方の上記横壁との間を仕切る横仕切部と、
上記底部から上方へ突き出てさらに縦方向に延びて上記横仕切部と上記横壁との間を仕切る複数の縦仕切部と、を備えていて、
横方向で隣り合う上記縦仕切部は互いに形状が異なる、包装用容器であって、
上記横仕切部の上端部は、最も高い位置に形成された部分と、この部分より低い位置に形成された部分であって高さの異なる複数の部分と、を備えて、凹凸型に形成されており、
上記縦仕切部として、上記横仕切部と距離を置いて設けられ更に上記横壁とつながっているタイプと、上記横仕切部とつながっており更に上記横壁と距離を置いて設けられている他のタイプと、を備え
上記縦壁と上記横壁とは内側に出っぱっていて更に上下に延びた複数の補強部を備え、
上記横壁の補強部は、上記縦仕切部に対応した位置に設けられ、さらに上記縦壁の補強部より幅を広く形成されていることを特徴とする、包装用容器。
【請求項2】
食品を載せる底部と、
上記底部の左右の縁から立ち上がり縦方向に延びた縦壁と、
上記底部の前後の縁から立ち上がり横方向に延びた横壁と、
上記底部から上方へ突き出てさらに一方の上記縦壁から他方の上記縦壁まで横方向に延びて一方の上記横壁と他方の上記横壁との間を仕切る横仕切部と、
上記底部から上方へ突き出てさらに縦方向に延びて上記横仕切部と上記横壁との間を仕切る複数の縦仕切部と、を備えていて、
横方向で隣り合う上記縦仕切部は互いに形状が異なる、包装用容器であって、
上記横仕切部の上端部は、最も高い位置に形成された部分と、この部分より低い位置に形成された部分であって高さの異なる複数の部分と、を備えて、凹凸型に形成されており、
上記縦仕切部として、上記横仕切部と距離を置いて設けられ更に上記横壁とつながっているタイプと、上記横仕切部とつながっており更に上記横壁と距離を置いて設けられている他のタイプと、を備え、
上記縦仕切部は、平面視で弧状に形成されていることを特徴とする、包装用容器。
【請求項3】
上記他のタイプの上記縦仕切部と上記横仕切部とで構成されていて平面視で中心から四方に延びた十字型の連結部をさらに備え、
上記連結部の中心が上記の最も高い位置に設けられていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の包装用容器。
【請求項4】
上記縦仕切部として上記横仕切部及び上記横壁とつながっている別のタイプを備えると共に、上記別のタイプの上記縦仕切部と上記横仕切部とで構成されていて平面視で中心から四方に延びた十字型の連結部を備え、
上記連結部の中心が上記の最も高い位置に設けられていることを特徴とする、請求項1から請求項3の何れかに記載の包装用容器。
【請求項5】
上記横仕切部の上端部は、高さが異なる部分の間で斜めに延びた傾斜部を備えており、
少なくとも一部の上記傾斜部が上記連結部の中心から距離を置いて設けられていることを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の包装用容器。
【請求項6】
上記横仕切部は、低く形成される複数の箇所の内、少なくとも一部が他の箇所より幅を狭く形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項の何れかに記載の包装用容器。
【請求項7】
上記横壁は、隣り合う上記補強部の間で、一方の補強部から他方の補強部までに亘り更に上記底部に隣接した下部を、内側へ出っぱらせて形成されていることを特徴とする、請求項に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック製の包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ワンウェイの包装用容器は、底部とその周縁から立ち上がった側部とで囲われる内側へ食品を入れる際、小分けにして入れることができるよう、仕切部を設けている。仕切部は弁当容器であれば、米飯とおかずとを分けて入れることができるよう、また餃子や焼売などの食品容器であれば、食品を個々に載せる領域を区画するように設けられている。
【0003】
プラスチック製の従来の包装用容器では、仕切部が底部と一体に構成されている。例えば、底部の一部が上方へ突出して形成されている。餃子用容器は、横長で外形を矩形型に形成された底部で横方向に長く伸びる横仕切部と、さらに複数の餃子を向きを揃えて並べるよう縦方向に延びる複数の縦仕切部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】意匠登録第1411102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の包装用容器において、横仕切部が同じ高さで長く構成されていると、例えば餃子用容器を長手方向の端側で掴み持ち上げると、包装用容器が餃子の重みで横仕切部の中間部分で折れて、餃子が包装用容器から落ちてしまう事態が起こり得る。このような包装用容器の変形を防ぐために、各部を厚く構成することが考えられるが、材料費が嵩み望ましくない。
【0006】
本発明は、変形を防止した包装用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の包装用容器は、食品を載せる底部と、上記底部の左右の縁から立ち上がり縦方向に延びた縦壁と、上記底部の前後の縁から立ち上がり横方向に延びた横壁と、上記底部から上方へ突き出てさらに一方の上記縦壁から他方の上記縦壁まで横方向に延びて一方の上記横壁と他方の上記横壁との間を仕切る横仕切部と、上記底部から上方へ突き出てさらに縦方向に延びて上記横仕切部と上記横壁との間を仕切る複数の縦仕切部と、を備えている。横方向で隣り合う上記縦仕切部は互いに形状が異なる。上記横仕切部の上端部は、最も高い位置に形成された部分とこの部分より低い位置に形成された部分であって高さの異なる複数の部分とを備えて、凹凸型に形成されている。上記縦仕切部として、上記横仕切部と距離を置いて設けられ更に上記横壁とつながっているタイプと、上記横仕切部とつながっており更に上記横壁と距離を置いて設けられている他のタイプと、を備えている。上記縦壁と上記横壁とは内側に出っぱっていて更に上下に延びた複数の補強部を備え、上記横壁の補強部は、上記縦仕切部に対応した位置に設けられ、さらに上記縦壁の補強部より幅を広く形成されている。
本発明の第二の包装用容器は、食品を載せる底部と、上記底部の左右の縁から立ち上がり縦方向に延びた縦壁と、上記底部の前後の縁から立ち上がり横方向に延びた横壁と、上記底部から上方へ突き出てさらに一方の上記縦壁から他方の上記縦壁まで横方向に延びて一方の上記横壁と他方の上記横壁との間を仕切る横仕切部と、上記底部から上方へ突き出てさらに縦方向に延びて上記横仕切部と上記横壁との間を仕切る複数の縦仕切部と、を備えていて、横方向で隣り合う上記縦仕切部は互いに形状が異なる。上記横仕切部の上端部は、最も高い位置に形成された部分と、この部分より低い位置に形成された部分であって高さの異なる複数の部分と、を備えて、凹凸型に形成されており、上記縦仕切部として、上記横仕切部と距離を置いて設けられ更に上記横壁とつながっているタイプと、上記横仕切部とつながっており更に上記横壁と距離を置いて設けられている他のタイプと、を備えている。上記縦仕切部は平面視で弧状に形成されている。
【0008】
らに、上記包装用容器は、好ましくは、上記他のタイプの上記縦仕切部と上記横仕切部とで構成されていて平面視で中心から四方に延びた十字型の連結部を備えている。上記連結部の中心が上記の最も高い位置に設けられ、少なくとも一部の上記傾斜部が上記連結部の中心から距離を置いて設けられている。
上記包装用容器は、好ましくは、上記横仕切部が、低く形成される複数の箇所の内、少なくとも一部が他の箇所より幅を狭く形成されている。上記横壁の補強部は、上記縦仕切部に対応した位置に設けられ、さらに上記縦壁の補強部より幅を大きく形成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、底部を横断する横仕切部が、部分的に低く形成されているので、包装用容器の剛性を高めることができる。これにより、横仕切部の途中で、包装用容器が折れ曲がるなどの変形を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態の包装用容器を示す平面図である。
図2】(a)は図1のA-A線に沿った包装用容器の断面図であり、(b)は図1のB-B線に沿った包装用容器の断面図であり、(c)は図1のC-C線に沿った包装用容器の断面図である。
図3図2(c)の円Dで囲った周辺を拡大した図である。
図4図1の包装用容器の変形例を示す平面図である。
図5】(a)と(b)は図4の包装用容器の使用方法を説明するための図である。
図6】(a)は図1の包装用容器の連結部周辺を拡大した斜視図であり、(b)は(a)の矢印Eの方向から見た連結部周辺を示す図である。
図7】(a)と(b)は図1の包装用容器の側部の変形例を示す部分斜視図である。
図8】本発明の実施例の包装用容器を示す斜視図である。
図9】本発明の実施例の包装用容器を示す平面図である。
図10】(a)は本発明の実施例の包装用容器を示す正面図であり、(b)は本発明の実施例の包装用容器を示す背面図であり、(c)は本発明の実施例の包装用容器を示す左側面図である。
図11】本発明の実施例の包装用容器を示す底面図である。
図12】(a)は図9のF-F線に沿った包装用容器の断面図であり、(b)は図9のG-G線に沿った包装用容器の断面図であり、(c)は図9のJ-J線に沿った包装用容器の断面図である。
図13図9のK-K線に沿った包装用容器の断面図である。
図14】(a)と(b)とは、本発明の他の実施形態の包装用容器を示す平面図である。
図15】(a)と(b)とは、本発明の他の実施形態の包装用容器を示す平面図である。
図16図14(b)のC′―C′に沿った包装用容器の断面図である。
図17図14(a)と(b)の包装用容器の横仕切部を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は本発明の実施形態の包装用容器1を示す平面図である。包装用容器1は、食品を載せる底部10と、底部10の周縁から立ち上がった側部20と、側部20の上端から外側へ延びたフランジ部30と、を備えている。側部20は、底部10の前側と後側に設けられ横方向に延びた横壁210と、底部10の左側と右側に設けられ縦方向に延びた縦壁220とから構成されている。側部20は各側面の高さを揃えて形成され、さらに側部20の高さが底部10の縦と横の寸法と比べて小さく設定されていて、包装用容器1は浅いトレー型に形成されている。
【0012】
包装用容器1は、内側を仕切るために、横方向に延びた横仕切部110と、縦方向に延びた縦仕切部120とを備えている。
【0013】
横仕切部110は、底部10の領域の一部が上方へ突き出て形成されている。横仕切部110は、図2(a)に示す縦方向に沿った断面の形状が、底部10から立ち上がり向かい合った一対の側面(以下、横仕切側面110Aと呼ぶ。)と、横仕切側面110Aの端をつないで高い部分を構成する頂部(以下、横仕切頂部110Bと呼ぶ。)とで逆U字型に構成されていて、平面視で、左側の縦壁220から右側の縦壁220まで横方向に延びている。二つの横仕切側面110Aは、横仕切頂部110B側が先細になるよう傾いて、テーパーを構成している。以下、底部10で横仕切部110より前側の領域を『前側底部』、後側の領域を『後側底部』と呼ぶ。
【0014】
縦仕切部120は、前側底部と後側底部とにそれぞれ複数設けられている。縦仕切部120は、底部10の領域の一部が上方へ突き出て形成されている。縦仕切部120は、図2(b)に示す横方向に沿った断面の形状が、底部10から立ち上がり向かい合った一対の側面(以下、縦仕切側面120Aと呼ぶ。)と、縦仕切側面120Aの端をつないで高い部分を構成する頂部(以下、縦仕切頂部120Bと呼ぶ。)とで逆U字型に構成されていて、平面視で縦方向に延びている。二つの縦仕切側面120Aは、縦仕切頂部120B側が先細になるよう傾いて、テーパーを構成している。
【0015】
複数の縦仕切部120は、前側底部と後側底部とを複数の領域(以下、小領域11と呼ぶ。)に分けるよう、例えば等間隔で横に並んでいる。前側底部の縦仕切部120と後側底部の縦仕切部120とは、横仕切部110の位置を基準として対称に設けられている。
【0016】
一部の縦仕切部120は長手方向の一方の端部が横仕切部110につながっている。縦に並んだ前側底部の縦仕切部120と後側底部の縦仕切部120とが横仕切部110につながって、平面視で中心131から四方に延びた十字型の連結部130を構成している。横仕切側面110Aと縦仕切側面120Aとのつながり部分が入隅を構成する。
【0017】
図2(c)は横仕切部110の長手方向に沿った断面を表していて、横仕切部110の上端部は、底部10からの高さが全長に亘って一定に設定されておらず、最も高い位置に形成される部分と、この部分より低い位置に形成される部分と、高さの異なる部分の間に設けられる傾斜部145とが長手方向に並んで凹凸型に形成されている。図2(c)の一点鎖線は底部10と縦壁220とを表している。
【0018】
図3に示すように、底部10から所定の高さ(H1)を最も高い位置として、この位置より下方で異なる高さ(H2,H3)の複数の位置を低い位置として設定している。低い位置は、高さがH2とH3だけに限らず、例えば二点鎖線で示す高さ(H4)の位置や図示省略する高さ(H4)より低い位置などを複数設けてもよい。
【0019】
側部20の底部10からの鉛直方向の寸法(高さ)をHとすると、例えばH/2<H1<2H/3の範囲に設定されている。段階的に設定された各高さ(H1~H4)のギャップは同じ寸法に限定されるものではない。なお、側部20の高さは、底部10に食品を載せた際、食品全体が内側に入ることができる大きさに設定され、横仕切部110の上端部で最も低い位置が、例えば側部20の高さHの三分の一より高い位置に設けられている。
【0020】
傾斜部145は図3に実線で示すように、曲面状に高さが徐々に高く或いは低く形成されていて、高さが異なる部分をつないでいる。連結部130の中心131が最も高い位置(高さH1)に設けられており、横仕切部110は、連結部130の中心131とその近傍を除いて、その全長に亘って断面が逆U字型に構成されている。
【0021】
フランジ部30は、図2に示すように、側部20の上端から横へ延びた横延長部310と、横延長部310の端から下方へ延びた下延長部320と、下延長部320の下端から横に出た横延長部330とを備えている。
【0022】
包装用容器1は、底部10と側部20とフランジ部30とが樹脂材で一体に構成されている。原料は限定されるものではないが、ポリプロピレンなどを利用することができる。包装用容器1は、ポリプロピレンで構成された樹脂シートを加熱した後に容器型に賦形し、さらに裁断装置で樹脂シートから分離した個々の成形品を冷却して、製造することができる。
【0023】
包装用容器1は、複数の縦仕切部120と一つの横仕切部110とで底部10を複数の小領域11に区画し、個々の小領域11に食品を載せて、使用することができる。また、内側に食品を入れた包装用容器1は、ラップを掛けることができる。ラップは、包装用容器1の上方で広げ、側部20のフランジ部30を利用してラップの余剰の部分を折り返して底面へまわし、ラップ端部を包装用容器1の底面で重ね合わせることで、包装用容器1の全体を包むことができる。
【0024】
食品を載せた包装用容器1を長手方向の片側を掴んで持ち上げると、従来の包装用容器で起こり得た包装用容器の折れ曲がりなどの事態に対して、横仕切部110が、縦仕切部120とつながって高い強度を持った連結部130に加えて、連結部130の中心131からずれた位置に高さを低く設定して強度を高める部分を複数設けているので、包装用容器1は、内側を前後に仕切りつつ剛性を向上させることができる。これにより、食品を入れた包装用容器1の持ち運びを円滑に行える。
【0025】
以下、包装用容器1の変形例について説明する。
(横仕切部の幅)
横仕切部110は、図4に示すように長手方向の一部が底部10からの立ち上り部分の幅、つまり対向する横仕切側面110Aの間隔が他の部分より狭くなるように設定されている。以下、このように幅が狭い部分を幅狭部150と呼ぶ。横仕切部110は上端部を低い位置に配置した箇所を幅狭部150として形成すると、包装用容器1の強度が向上する。
【0026】
また、底面で、横仕切部110によって出来た凹んだ溝160の内、幅狭部150に対応した部分が狭く形成される。このような一部幅の狭い溝を底面に設けた包装用容器1の取扱方法として、包装機械を用いた包装用容器1へのラップ掛けは、図5(a)に示すように、ラップ2が食品を入れた包装用容器1の上に広げられ、さらに包装用容器1がラップの下方から持ち上げられてラップ2が包装用容器1に被さる。次に、図5(b)で、破線で示すラップ2の余剰の部分をフランジ部30で折り返して底面側にまわし、実線で示すようにラップ2の端部を底面で重ねる。さらに包装機械が、ラップ2の重なる部分を底面の溝160の位置で例えば板状の加熱部3を当てて溶着することで、包装用容器1は全体をラップで包まれる。
【0027】
溝160の幅が広いとラップ2の端部同士のつながりが場合によって弱くなり得るが、横仕切部110が部分的に幅狭部150で形成されているので、幅狭部150で出来た溝部分でラップ2の重なり部分を加熱部3で溶かして強固につなぐことができる。これにより顧客が食品を使用するまで、ラップ2で包んだ状態を一層維持することができる。
【0028】
(傾斜部の配置)
傾斜部145は、横仕切部110で各小領域11に隣接した部分に複数設けられている。一部の傾斜部145は連結部130の中心131から離れた箇所に設けられている。図6(a)は連結部130周辺の斜視図であり、連結部130の中心131より左側と右側に複数の傾斜部145を設けている。
【0029】
図6(b)は図6(a)を矢印Eの向きから見た図であり、上記の所定の高さ(H1、H2、H3)に配置される部分が上を向いているのに対し、傾斜部145は、これらの部分とは異なる方向を向いている。連結部130の中心131より左側で、符号N1の傾斜部145は左上を向き、符号N2の傾斜部145が右上を向いて、斜めに延びている。連結部130の中心131より右側にもこのような傾斜部145が設けられている。なお図6(b)の破線は縦仕切部120を表している。
【0030】
包装用容器1は、各小領域11に隣接してそれぞれ複数の傾斜部145を設けることで剛性を高めることができ、これにより連結部130の中心131より離れた位置での折れ曲がりを一層防止することができる。
【0031】
(縦仕切部の形状)
前側底部と後側底部で隣り合う縦仕切部120が異なる形状である。縦仕切部120として、縦方向の長さ、底部10から突き出る高さ、横仕切部110と前後の横壁210とに対する端部のつながり関係などを変えて、異なる形に構成したものを複数利用する。これらの配置としては、好ましくは、同じ形の縦仕切部120が前側底部と後側底部で横に並ばないように配置する。
【0032】
寸法として、縦方向に沿った長さ、横方向に沿った幅、底部10からの高さを変える。高さは、互いの高さを変える他、一つの縦仕切部120の中で一部を低くしたり高くしたりして異なる高さの部分が連なるよう形成してもよい。また、幅も、高さのように、互いの幅を異ならせる他、一つの縦仕切り部の中で一部を広くしたり狭くしてもよい。
【0033】
横仕切部110と前後の横壁210とに対する端部のつながり関係として、一方の端部を横仕切部110につなげ他方の端部を前後の横壁210につなげたり、一方の端部を横仕切部110と前後の横壁210の何れかにつなげたり、両側の端部を横仕切部110と前後の横壁210との何れとも離れて設けるように配置する。
【0034】
底部10が、形の異なる複数の縦仕切部120を、連結部を除いて互いに離して設けることで、底部10の縦と横方向での折れ曲がりに加えてねじれに対して、強度を高めることができる。
【0035】
(側部の補強)
側部20は、図7(a)に示すように、内側に出っぱっていて、さらに上下に延びた補強部を備えている。補強部は、横仕切部110と平行に配置される前後の横壁210と、左右の縦壁220とにそれぞれ複数設けられる。横壁210に設けられる補強部211は、縦壁220の補強部221と比べて幅などの寸法を大きく設定されていて、内側に突き出るものを利用する。包装用容器1は、横壁210が補強部211を備えることで、横方向の途中での折れ曲がりを一層防止できる。
【0036】
さらに、横壁210は、図7(b)に示すように、底部10に隣接していて補強部211の間の下部212を、一方の補強部211から他方の補強部211までに亘って内側へ出っぱらせて形成されている。包装用容器1は、横壁210の下部212を補強したことで横方向の途中での折れ曲がりを一層防止できる。なお、包装用容器1は、変形例の幅狭部150、縦仕切部120、補強部211などを組み合わせて、構成されてもよい。
【実施例
【0037】
図8は実施例の包装用容器1Aを示す斜視図であり、図9は包装用容器1Aを示す平面図であり、図10(a)は包装用容器1Aを示す正面図であり、図10(b)は包装用容器1Aを示す背面図であり、図10(c)は包装用容器1Aを示す左側面図であり、図11は包装用容器1Aを示す底面図である。右側面図は左側面図と同一に表れるため省略している。
【0038】
包装用容器1Aは、外形を横長の矩形型に形成された底部10と、底部10の周縁から延長した側部20と、側部20から外側に形成されたフランジ部30とを備えている。包装用容器1Aは浅いトレー型に形成されている。
【0039】
側部20は、底部10の前後の縁から立ち上がり横方向へ延びた横壁210と、底部10の左右の縁から立ち上がり縦方向へ延びた縦壁220と、を備え、これらが底部10の隅でつながって角部230を構成している。
【0040】
包装用容器1Aでは、横仕切部110が底部10を前後の中間位置で横断して前側底部と後側底部とに分けている。前側底部と後側底部とには、それぞれ縦仕切部120が七つ設けられている。横仕切部110を境に、縦仕切部120が前側と後側で対称に配置されている。前側底部と後側底部とは、これらの縦仕切部120によって同じ食品を個々に載せる大きさで、8つの小領域11に区分けされている。
【0041】
後側の縦仕切部120について説明するが、前側のものはこれと対称に形成されている。包装用容器1Aでは、3タイプの縦仕切部120を用いている。
【0042】
横に並んだ七つの内、左端と右端の縦仕切部120(以下、第1縦仕切部121と呼ぶ。)は、長手方向の端部が横仕切部110と横壁210とにつながって後側底部を縦断している。図12(a)は図9のF-F線に沿った包装用容器1Aの断面図である。図12の一点鎖線は底部10と横壁210とを表している。
【0043】
長手方向の中間部が高い位置に配置され、端部が高さを低く設定されている。横仕切部側の端部は、側部20の高さHの四分の一より高い位置に設けられている。横壁側の端部は、横仕切部側の端部より低く形成され、さらに側部20の高さHの五分の一より高い位置に設けられている。中間部は、連結部130の中心131より低い位置に設けられている。横仕切頂部110Bは一方の端部から他方の端部まで曲面状に形成されている。また図9に示すように、中間部が両端部より左側にずれて、平面視で弧状に曲りながら、縦方向へ延びている。
【0044】
左から二番目の縦仕切部120(以下、第2縦仕切部122と呼ぶ。)では、一方の端部が横仕切部110につながり、他方の端部が横壁210と距離を置いて設けられている。図12(b)は図9のG-G線に沿った包装用容器1Aの断面図である。第2縦仕切部122は、横壁210と対向する端部を除いて、連結部130の中心131側から一定の高さで形成されている。横壁210側の端部は、横壁210側へ延び更に高さを徐々低くして底部10につながっている。第2縦仕切部122の高さは、上記の第1縦仕切部121の中間部より高く形成されている。この第2縦仕切部122も、第1縦仕切部121と同様に、平面視で弧状に曲りながら、縦方向に延びている。中央(外側から四番目)と右から二番目の縦仕切部120も、第2縦仕切部122で構成されている。
【0045】
左から三番目に設けられる縦仕切部120(以下、第3縦仕切部123と呼ぶ。)は、第2縦仕切部122とは逆に、外側の端部が横壁210につながり、内側の端部が横仕切部110と距離を置いて設けられている。図12(c)は図9のJ-J線に沿った包装用容器1Aの断面図である。長手方向の中間部が高い位置に配置され、横壁210側の端部が高さを低く設定されていて、側部20の高さHの四分の一より高い位置に設けられている。横壁210側の端部は、第1縦仕切部121の横壁210側の端部より、高く形成されている。内側の端部は、横仕切部110側へ延び更に高さを徐々に低くして底部10につながっている。中間部は、第1縦仕切部121の中間部と同じ高さに設定されている。横仕切頂部110Bは一方の端部から他方の端部まで曲面状に形成されている。第3縦仕切部123も、第1縦仕切部121と同様に、平面視で弧状に曲りながら、縦方向に延びている。右から三番目の縦仕切部120も、第3縦仕切部123で構成されている。
【0046】
これらの3タイプの縦仕切部(121,122,123)は、隣におなじ形のものが並ばないよう配置されている。
【0047】
図13図9のK-K線に沿った包装用容器1Aの断面図であり、横仕切部110は、上端部が長手方向の各部で異なる高さに配置されて凹凸型に形成されている。底部10から上方へ離れた位置(高さ)が四段階に設定されている。以下、最も高い位置(高さH1)に形成された部分を最高部140と呼び、最高部140から一段低い位置(高さH2)に形成された部分を第1低部141と呼び、この第1低部141からさらに一段低い位置(高さH3)に形成された部分を第2低部142と呼び、第2低部142からさらに一段低い位置(高さH4)に形成された部分を第3低部143と呼ぶ。
【0048】
横仕切部110と縦仕切部120とがつながって平面視で十字型に形成された連結部130が五カ所設けられている。図13では、各連結部130を区別するために、左のものから順に、130A,130B,130C,130D,130Eの符号を付けている。また図13の二点鎖線は連結部130を構成する縦仕切部120(121,122)を表し、一点鎖線は底部10と縦壁220とを表している。
【0049】
底部10の左端寄りに設けられた連結部130(図13では符号130A)は、第1縦仕切部121と横仕切部110とで構成されている。図8図13に示すように横仕切部110が第1縦仕切部121より高い位置まで立ち上がっていて、第1縦仕切部121の低い端部は横仕切部110の側面につながっている。連結部130の中心131が、横仕切部110の最も高い位置(H1)に設けられている。
【0050】
連結部130の左側は、図13に示すように、近いものから順に、低い側へ延びる傾斜部145と、低い第3低部143とが設けられている。この傾斜部145は、最高部140から三段階低くなった位置まで延びていて斜面の長さが他の箇所に設けられる傾斜部145より長く設定される。連結部130の右側は、低い側へ延びる傾斜部145と、第1低部141と、高い側へ延びる傾斜部145とが設けられている。これらの傾斜部145は、連結部130に隣接する小領域11(左から一番目と二番目の領域)の横幅の範囲内で、その中間に対応した横仕切部110の位置に設けられている。
【0051】
第1縦仕切部121の端部は、図9に示すように横仕切部110へ近づくにつれて縦仕切頂部120Bの幅が広くなるように形成されている。なお、横仕切部110は、連結部130の左側で第3低部143の幅を広く形成されている。この第3低部143の横仕切頂部110Bが、徐々に高くなりながら縦壁220につながっている。
【0052】
左から二番目の連結部130(図13では符号130B)は、第2縦仕切部122と横仕切部110とで構成されている。図8図13に示すように第2縦仕切部122と横仕切部110とが底部10から高い位置まで立ち上がって形成されている。連結部130の中心131が、横仕切部110の最も高い位置(H1)に設けられていて、前側と後側の第2縦仕切部122の縦仕切頂部120Bがこの中心131につながっている。
【0053】
連結部130の左側には、図13に示すように近いものから順に、低い側へ延びた傾斜部145と、第1低部141と、高い側へ延びる傾斜部145とが設けられている。連結部130の右側には、近いものから順に、低い側へ延びた傾斜部145と、第1低部141と、さらに低い側へ延びる傾斜部145と、第2低部142とが設けられている。縦仕切側面120Aと横仕切側面110Aとがつながって入隅を構成し、これらの入隅は底部10から高い位置まで形成されている。
【0054】
連結部130の中心131に隣接した傾斜部145は、中心131寄りの高い側が幅を広く、離れた低い側を狭く形成されている。また、連結部130の左側と右側には、連結部130の中心131より離れた位置に傾斜部145が形成されている。これらの傾斜部145は、連結部130に隣接する小領域11(左から二番目と三番目の領域)の横幅の範囲内で、その中間に対応した横仕切部110の位置に設けられている。
【0055】
底部10の中央に設けられる連結部130(図13では符号130C)は、左から二番目の連結部130と同様に、第2縦仕切部122と横仕切部110とで構成されている。図8図13に示すように第2縦仕切部122と横仕切部110とが底部10から高い位置まで立ち上がって形成されている。連結部130の中心131が、横仕切部110の最も高い位置(H1)に設けられていて、前側と後側の第2縦仕切部122の縦仕切頂部120Bがこの中心131につながっている。
【0056】
連結部130の左側には、図13に示すように近いものから順に、低い側へ延びる傾斜部145と、第1低部141と、高い側へ延びる傾斜部145と、最高部140と、低い側へ延びる傾斜部145と、第2低部142とが設けられている。連結部130の右側には、近いものから順に、低い側へ延びる傾斜部145と、第1低部141と、さらに低い側へ延びる傾斜部145、第2低部142とが設けられている。
【0057】
連結部130の中心131に隣接した傾斜部145は、中心131寄りの高い側が幅を広く、離れた低い側を狭く形成されている。また、連結部130の左側と右側には、連結部130の中心131より離れた位置に傾斜部145が形成されている。これらの傾斜部145は、連結部130に隣接する各小領域11(左から四番目と五番目の領域)の横幅の範囲内で、その中間に対応した横仕切部110の位置に設けられている。また、傾斜部145は、第3縦仕切部123と縦に並ばないよう、横にずらして配置されている。
【0058】
右から二番目の連結部130(図13では符号130D)は、左から二番目の連結部130と同様に、第2縦仕切部122と横仕切部110とで構成されている。図8図13に示すように第2縦仕切部122と横仕切部110とが底部10から高い位置まで立ち上がって形成されている。連結部130の中心131が、横仕切部110の最も高い位置(H1)に配置されていて、前側と後側の第2縦仕切部122の縦仕切頂部120Bがこの中心131につながっている。
【0059】
連結部130の左側には、図13に示すように近いものから順に、低い側へ延びる傾斜部145と、第1低部141と、高い側へ延びる傾斜部145と、最高部140と、低い側へ延びる傾斜部145と、第2低部142が設けられている。連結部130の右側には、近いものから順に、中心131から横に延びた最高部140と、低い側へ延びる傾斜部145と、第1低部141と、高い側へ延びる傾斜部145と、最高部140とが設けられている。この連結部130は、中央の連結部130と比べて、中心131から右側へ延びる横仕切部110の形状が異なる。
【0060】
連結部130の中心131に隣接した傾斜部145は、中心131寄りの高い側が幅を広く、離れた低い側を狭く形成されている。また、連結部130の左側と右側には、連結部130の中心131より離れた位置に傾斜部145が形成されている。これらの傾斜部145は、連結部130に隣接する小領域11(右から二番目と三番目の領域)の横幅の範囲内で、その中間に対応した横仕切部110の位置に設けられている。
【0061】
右端寄りの連結部130(図13では符号130E)は、左端寄りの連結部130(図13では符号130A)と同様に、第1縦仕切部121と横仕切部110とで構成されている。図8図13に示すように横仕切部110が第1縦仕切部121より高い位置まで立ち上がっていて、第1縦仕切部121の低い端部は横仕切部110の側面につながっている。この連結部130は、左端寄りの連結部130と比べて、中心131から右側を左側より低く形成している。連結部130の中心131が、横仕切部110の最も高い位置(H1)に配置されている。連結部130の左側は、図13に示すように近いものから順に、横に延びた最高部140と、低い側へ延びる傾斜部145と、第1低部141とが設けられている。連結部130の右側は、近いものから順に、低い側へ延びる傾斜部145と、低い第3低部143とが設けられている。
【0062】
連結部130の左側と右側には、連結部130の中心131より離れた位置に傾斜部145が形成されている。これらの傾斜部145は、連結部130に隣接する小領域11(右から一番目と二番目の領域)の横幅の範囲内で、その中間に対応した横仕切部110の位置に設けられている。
【0063】
第1縦仕切部121の端部は、図8に示すように横仕切部110へ近づくにつれて縦仕切頂部120Bの幅が広くなるように形成されている。なお、横仕切部110は、連結部130の右側で第3低部143の幅を広く形成されている。この第3低部143の横仕切頂部110Bが、徐々に高くなりながら右側の縦壁220につながっている。
【0064】
横仕切部110は、高い部分と低い部分(第1低部141,第2低部142,第3低部143)と傾斜部145とが横に不規則に並んで、上端部を凹凸型に形成されている。さらに、横仕切部110では、内側の三つの連結部130(図13では符号130B,130C,130D)の間隔は、左端寄りの二つの連結部130(図13では符号130Aと130B)の間隔と比べて広く設定されている。さらに内側三つの連結部130の間では、上端部が第1低部141と第2低部142とで段差状に形成されている。この第2低部142は、幅を横仕切部110の他の部位より狭くした幅狭部150で構成されている。この幅狭部150は、連結部130間の横仕切部110で、最も長く形成されており、一つの小領域11の横方向の寸法に相当する長さに設定されている。
【0065】
二つの横壁210と二つの縦壁220とは、高さを揃えて構成されている。横壁210と縦壁220は上下に延びた補強部211,221を複数備えている。横壁210では、第1縦仕切部121及び第3縦仕切部123とつながる部分、第2縦仕切部122と対向する部分が内側へ突き出て形成されている。
【0066】
図8図9とに示すように第1縦仕切部121がつながる箇所に設けられた補強部(以下、第1補強部211Aと呼ぶ。)は、上下に延びていて第1縦仕切部121側を向いた対向部213と、対向部213の左端と右端から外側へ延長した二つの延長部214とで、断面をコ字型に形成されている。対向部213は、横壁210の上縁の高さから下方へ延びていて、さらに低くなるにつれて幅が広がっている。対向部213は、第1縦仕切部121の低い端部の縦仕切頂部120Bにつながっている。左右の延長部214は、底部10寄りの部分が第1縦仕切部121の低い端部の縦仕切側面120Aにつながっている。
【0067】
図8図9とに示すように第2縦仕切部122を縦方向に延長させた位置に設けられる補強部(以下、第2補強部211Bと呼ぶ。)は、第1補強部211Aと同様に、上下に延びていて第2縦仕切部122側を向いた対向部213と、対向部213の左右の端から外側へ延長した二つの延長部214とで、断面をコ字型に形成されている。対向部213は、横壁210の上縁の高さから底部10まで延びていて、さらに低くなるにつれて幅が広がっている。
【0068】
図8図9とに示すように第3縦仕切部123がつながる箇所に設けられた補強部(以下、第3補強部211Cと呼ぶ。)は、横壁210中間より下方を内側へ突き出して形成されている。第3補強部211C、上下に延びていて第3縦仕切部123側を向いた対向部213と、対向部213の左右の端から外側へ延長した二つの延長部214とで、断面をコ字型に形成されている。対向部213は、横壁210の高さ方向で中間の位置から内側へ出っぱり、下方へ延びており、第3縦仕切部123の低い端部の縦仕切頂部120Bにつながっている。左右の延長部214は、底部10寄りの下部が第3縦仕切部123の低い端部の縦仕切側面120Aにつながっている。
【0069】
横壁210は、図8に示すように隣り合う補強部211の間で、下部212を内側へ出っぱらせている。また、この下部212は、一方の補強部211から他方の補強部211まで横方向に延びており、その横方向の全体に亘って断面が図12(a)に示すように弧状に形成されている。
【0070】
また、横壁210には、上記の補強部211の間で上下に延びた他の補強部215を設けており、この補強部215は上記の補強部211と比べ、内側への突き出る程度を小さく設定されている。この補強部215は、横壁210の上縁から下部212まで延びている。
【0071】
縦壁220は、横壁210の補強部215と同形状の補強部221を複数備えている。補強部221は、縦壁220の上縁から底部10へ向けて上下に延びていて、弧状の断面で形成されている。この補強部221は、横壁210の補強部211に比べて、内側への突き出る程度を小さく設定されている。
【0072】
また、底部10は、横仕切部110が縦壁220とつながる周辺を一段高く形成している。縦壁220は、縦壁220の中間と各角部230との間に、それぞれ四つの補強部215を設けていて、これらの内、角部側から三番目の補強部215が、第1縦仕切部121まで延びている。
【0073】
さらに、底部10は、隅部12を除いて、外形を横長の小判状に形成され上方へ膨らんだ凸部171と窪んだ凹部172とを各小領域11で縦に交互に並ぶように設けている。凸部171や凹部172の底部10に対する高さや深さ方向の寸法は非常に小さく設定されていて、数値は限定されるものではないが例えば0.5mmから1mmである。底部10には、凸部171より上方へ突き出た他の凸部173が、横壁210の下部212に隣接して設けられている。
【0074】
包装用容器1Aは、ポリプロピレンで構成されたシートを加熱し軟化した状態で成型装置によって容器型に賦形し、裁断装置で分離後に冷却して製造することができる。包装用容器1Aは、数値が限定されるものではないが、例えば縦17cm、横25cm、高さ2.6cmの半透明のトレー型であり、各部の厚みが0.33mm~0.4mmで構成されている。横仕切部110と複数の縦仕切部120とが底部10を区切るように設けられていて、一つの小領域11は縦70mm、横23mmの縦長に形成されていて餃子等の食品を載せることができる。
【0075】
横仕切部110が部分的に低く形成されていることに加えて、高さなどを変えた三つの縦仕切部120(121,122,123)が底部10に並んで設けられ、複数の上下に延びた補強部211,213,221や内側へ出っぱる下部212が側部20に設けられて、包装用容器1Aは長手方向の途中での折れ曲がりだけでなく、容器全体のねじれに対しても高い剛性を発揮することができる。
【0076】
例えば、食品を入れた包装用容器1Aを長手方向の片側を掴んで持ち上げることができ、取扱いが便利である。さらに包装用容器1Aが強度を高く構成することができるので、厚みを薄くして包装用容器1Aを製造することができる。これにより使用材料が少なくなり、製造費用を低減できる。また、横仕切部110が広い底部10を横断し、複数の縦仕切部120では互いに形の異なる縦仕切部120が隣に並んでいる等、包装用容器1Aは従来の餃子用容器と異なり良好な美観を呈する。
【0077】
(他の実施形態)
図14図15で(a)と(b)とは、本発明の他の実施形態の包装用容器4,5,6,7を示す平面図である。これらの包装用容器4,5,6,7は、食品を載せる底部10と、底部10の周縁から立ち上がった側部20と、側部20の上端から外側へ延びたフランジ部30と、を備えている。側部20は、底部10の前側と後側に設けられ横方向に延びた横壁210と、底部10の左側と右側に設けられ縦方向に延びた縦壁220とから構成されている。側部20は各側面の高さを揃えて形成され、さらに側部20の高さが底部10の縦と横の寸法と比べて小さく設定されていて、包装用容器1と同様に浅いトレー型に形成されている。以下、包装用容器1と同様の構成には同じ符号を付して、それらの説明を省略する。
【0078】
図14(a)の包装用容器4は、上記包装用容器1と比べて連結部130を備えずに構成されており、横方向に延びた横仕切部110と縦方向に延びた縦仕切部120とが離れて設けられている。横仕切部110は、底部10の領域の一部が上方へ突き出て形成されていて、平面視で、左側の縦壁220から右側の縦壁220まで横方向に延びており、全体に亘って縦方向に沿った断面の形状が、底部10から立ち上がり向かい合った一対の横仕切側面110Aと、横仕切側面110Aの端をつないで高い部分を構成する横仕切頂部110Bとで逆U字型に構成されている。
【0079】
横仕切部110の上端部は、上記包装用容器1と同様に、底部10からの高さが全長に亘って一定に設定されておらず、最も高い位置(H1)に形成される部分と、この部分より低い位置(H2,H3)に形成される部分と、高さの異なる部分の間に設けられる傾斜部145とが長手方向に並んで凹凸型に形成されている。
【0080】
図14(b)の包装用容器5は、上記包装用容器1と比べて連結部130の構成が異なり、包装用容器5では連結部130′が、前後に並んだ縦仕切り部120の一方が横仕切部110につながって平面視でT字型に形成されている。
【0081】
包装用容器5の横仕切部110では、縦方向に沿った断面の形状が、縦仕切り部120がつながる連結部130′を除いて、一対の横仕切側面110Aと横仕切頂部110Bとで逆U字型に構成されていて、横仕切部110は平面視で、左側の縦壁220から右側の縦壁220まで横方向に延びている。
【0082】
包装用容器5の横仕切部110の上端部も、底部10からの高さが全長に亘って一定に設定されておらず、最も高い位置(H1)に形成される部分と、この部分より低い位置(H2,H3)に形成される部分と、高さの異なる部分の間に設けられる傾斜部145とが長手方向に並んで凹凸型に形成されている。
【0083】
ここで、図16図14(b)のC′―C′に沿った包装用容器5の断面図であり、横仕切部110とフランジ部30を実線で表し、縦仕切部120を破線で表し、底部10と縦壁220とを一点鎖線で表している。包装用容器5では、左側の連結部130′と右側の連結部130′の構成が異なる。左側の連結部130′では横仕切部110と縦仕切部120とが高さを違えて構成され、右側では横仕切部110と縦仕切部120とが同じ高さに設定されている。さらに左側の連結部130′では中心131が最も高い位置(高さH1)に設けられ、右側の連結部130′では中心131が高さ(H2)に設けられている。
【0084】
図17は横仕切部110の上端部の凹凸形状を説明するための図であり、高さが異なる部分をつなぐ傾斜部145は、図17で実線で表すように、急峻に形成されていてもよい。なお、図17で一点鎖線は底部10の位置を表している。
【0085】
図15(a)の包装用容器6は、上記包装用容器5と比べて、一方の連結部130が平面視で十字型に形成されている。図14(b)の包装用容器5と図15(a)の包装用容器6とでは、一部の縦仕切部120が横仕切部110につながって連結部130,130′を構成しているが、図15(b)の包装用容器7では、全ての縦仕切部120が横仕切部110につながって連結部130を六つ設けている。なお、包装用容器7は、全ての連結部130が平面視で十字型に形成されているが、一部が平面視でT字型の連結部130′として構成されてもよい。
【0086】
包装用容器7の横仕切部110も、縦方向に沿った断面の形状が、連結部130を除いて、一対の横仕切側面110Aと横仕切頂部110Bとで逆U字型に構成されていて、横仕切部110は平面視で、左側の縦壁220から右側の縦壁220まで横方向に延びている。
【0087】
包装用容器7の横仕切部110の上端部も、底部10からの高さが全長に亘って一定に設定されておらず、最も高い位置(H1)に形成される部分と、この部分より低い位置(H2,H3)に形成される部分と、高さの異なる部分の間に設けられる傾斜部145とが長手方向に並んで凹凸型に形成されている。包装用容器7の連結部130は、上記包装用容器1,4等のように、隣の連結部130,130′と異なる形に構成されてもよい。
【0088】
包装用容器4,5,6,7は、上記包装用容器1のように、幅狭部150を設けるよう横仕切部110の幅を部分的に変えたり、小領域11毎に傾斜部145を配置したり、隣り合う縦仕切部120の形状や横壁210や横仕切部110とのつながり方などを変えたり、補強部211などを設けて側部20を補強して、構成されてもよい。例えば、図14(a)の包装用容器4や図15(b)の包装用容器7は、全ての縦仕切部120が横壁210へつながるように構成してもよい。
【0089】
包装用容器4,5,6,7は、上記包装用容器1と同様に、底部10を横断する横仕切部110が、部分的に低く形成されているので、包装用容器4,5,6,7の剛性を高めることができる。これにより、横仕切部110の途中で、包装用容器4,5,6,7が折れ曲がるなどの変形を防止できる。
【0090】
(その他)
本発明は、餃子用容器に限らず、内側に仕切りを設けた包装用容器に適用することができ、例えば焼売、小龍包、さらにコロッケなどの冷凍食品を個々に入れるよう、横仕切部110,縦仕切部120の配置、また高さの寸法等を変えて構成して利用できる。底部10の縦と横の比率や大きさも、上記説明の包装用容器1,1A,4,5,6,7の構成に限定されるものではない。また底部10の外形を円形状に形成し、横壁210を弓なりに横方向に延ばし、縦壁220も弓なり縦方向に延ばして、包装用容器を構成してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1,1A,4,5,6,7 包装用容器
2 ラップ
10 底部
11 小領域
12 隅部
110 横仕切部
110A 横仕切側面
110B 横仕切頂部
120 縦仕切部
120A 縦仕切側面
120B 縦仕切頂部
121 第1縦仕切部
122 第2縦仕切部
130,130′ 連結部
131 中心
140 最高部
141 第1低部
142 第2低部
143 第3低部
145 傾斜部
150 幅狭部
160 溝
171,173 凸部
172 凹部
20 側部
210 横壁
211 補強部
211A 第1補強部
211B 第2補強部
211C 第3補強部
212 下部
212 対向部
213 延長部
220 縦壁
221 補強部
230 角部
30 フランジ部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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図15
図16
図17