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特許7044963情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 3/00 20060101AFI20220324BHJP
   G06T 11/60 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
G06T3/00
G06T11/60 100C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2016233949
(22)【出願日】2016-12-01
(65)【公開番号】P2018092302
(43)【公開日】2018-06-14
【審査請求日】2019-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社ミクシィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕介
【審査官】▲広▼島 明芳
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-123007(JP,A)
【文献】尾崎 行雄,3Dグラフィックスを作るレイドリーム3Dによる三次元CG入門第12回,Hello!PC 第6巻 第5号,日本,ソフトバンク株式会社,1999年,第6巻,pp.204-207
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00 - 11/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の原画像が配置された平面画像を球面画像に変換する画像変換手段と、
前記平面画像のうち前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが大きくなる所定領域に、前記原画像が配置された場合、ユーザに前記原画像が前記所定領域に配置されていることを報知するユーザ報知部と、を備え、
前記画像変換手段は、前記平面画像のうち前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが大きくなる所定領域に前記原画像が重畳していない前記平面画像を前記球面画像に変換する情報処理装置。
【請求項2】
一又は複数の原画像が配置された平面画像を球面画像に変換する画像変換手段を備え、前記画像変換手段は、前記平面画像のうち前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが大きくなる所定領域に前記原画像が重畳していない前記平面画像を前記球面画像に変換し、
前記平面画像を形成する平面画像形成手段をさらに備え、
前記原画像の領域の一部または全部に重要部分が予め設定され、
前記平面画像形成手段は、前記所定領域に重畳した前記原画像に重要部分が含まれていない場合は、当該原画像を前記平面画像に配置し、
前記平面画像形成手段は、前記所定領域に重畳した前記原画像に重要部分が含まれる場合は、当該原画像を前記平面画像に配置することを禁止する情報処理装置。
【請求項3】
一又は複数の原画像が配置された平面画像を球面画像に変換する画像変換手段を備え、前記画像変換手段は、前記平面画像のうち前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが大きくなる所定領域に前記原画像が重畳していない前記平面画像を前記球面画像に変換し、
前記画像変換手段は、前記所定領域に前記原画像が重畳している場合、該原画像が前記所定領域外となるように前記原画像を再配置した前記平面画像を前記球面画像に変換する情報処理装置。
【請求項4】
前記画像変換手段は、前記所定領域に前記原画像が重畳している場合、該原画像が前記所定領域外となるように異なる方法により再配置した複数の前記平面画像を画像表示手段に表示する請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記原画像の領域の一部または全部に重要部分が予め設定され、
前記画像変換手段は、前記所定領域に前記原画像の前記重要部分が重畳している場合、該原画像の前記重要部分が前記所定領域外となるように前記平面画像を再配置し、再配置した前記平面画像を前記球面画像に変換する請求項3又は請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定領域は、前記球面画像に変換された場合に一点に結合される平面領域の辺から前記平面領域の中心線へと向かう所定領域である請求項1から請求項5の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記画像変換手段は、前記所定領域に重畳した前記原画像を前記球面画像への変換の対象にしない請求項1、請求項3、請求項4及び請求項5の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項8】
一又は複数の原画像が配置された平面画像を球面画像に変換する画像変換工程と、
前記平面画像のうち前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが大きくなる所定領域に、前記原画像が配置された場合、ユーザに前記原画像が前記所定領域に配置されていることを報知するユーザ報知工程を有し、
前記画像変換工程は、前記平面画像のうち前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが大きくなる所定領域に前記原画像が重畳していない前記平面画像を前記球面画像に変換する情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
一又は複数の原画像が配置された平面画像を球面画像に変換する画像変換手段と、
_前記平面画像のうち前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが大きくなる所定領域に、前記原画像が配置された場合、ユーザに前記原画像が前記所定領域に配置されていることを報知するユーザ報知部としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであり、
前記画像変換手段は、前記平面画像のうち前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが大きくなる所定領域に前記原画像が重畳していない前記平面画像を前記球面画像に変換する、制御プログラム。
【請求項10】
一又は複数の原画像が配置された平面画像を球面画像に変換する画像変換工程を有し、前記画像変換工程は、前記平面画像のうち前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが大きくなる所定領域に前記原画像が重畳していない前記平面画像を前記球面画像に変換し、
前記平面画像を形成する平面画像形成工程をさらに有し、
前記原画像の領域の一部または全部に重要部分が予め設定され、
前記平面画像形成工程は、前記所定領域に重畳した前記原画像に重要部分が含まれていない場合は、当該原画像を前記平面画像に配置し、
前記平面画像形成工程は、前記所定領域に重畳した前記原画像に重要部分が含まれる場合は、当該原画像を前記平面画像に配置することを禁止する情報処理装置の制御方法。
【請求項11】
一又は複数の原画像が配置された平面画像を球面画像に変換する画像変換手段と、
前記平面画像を形成する平面画像形成手段としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであり、
前記画像変換手段は、前記平面画像のうち前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが大きくなる所定領域に前記原画像が重畳していない前記平面画像を前記球面画像に変換し、
前記原画像の領域の一部または全部に重要部分が予め設定され、
前記平面画像形成手段は、前記所定領域に重畳した前記原画像に重要部分が含まれていない場合は、当該原画像を前記平面画像に配置し、
前記平面画像形成手段は、前記所定領域に重畳した前記原画像に重要部分が含まれる場合は、当該原画像を前記平面画像に配置することを禁止する、制御プログラム。
【請求項12】
一又は複数の原画像が配置された平面画像を球面画像に変換する画像変換工程を有し、前記画像変換工程は、前記平面画像のうち前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが大きくなる所定領域に前記原画像が重畳していない前記平面画像を前記球面画像に変換し、
前記画像変換工程は、前記所定領域に前記原画像が重畳している場合、該原画像が前記所定領域外となるように前記原画像を再配置した前記平面画像を前記球面画像に変換する情報処理装置の制御方法。
【請求項13】
一又は複数の原画像が配置された平面画像を球面画像に変換する画像変換手段としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであり、
_前記画像変換手段は、前記平面画像のうち前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが大きくなる所定領域に前記原画像が重畳していない前記平面画像を前記球面画像に変換し、
前記画像変換手段は、前記所定領域に前記原画像が重畳している場合、該原画像が前記所定領域外となるように前記原画像を再配置した前記平面画像を前記球面画像に変換する、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置を用いて、複数の画像を配置して形成した平面画像、いわゆるコラージュ画像を生成する手法が開発されている。平面画像は、例えば、予め定められた平面領域にユーザによって選択された複数の画像を配置することによって形成される。
【0003】
特許文献1には、3次元空間で定義された物体に原画像を変形して貼り付けて画像を作成するテクスチャマッピングが開示されている。特許文献1で開示されているテクスチャマッピングは、長方形状の原画像であるテクスチャを、立体として定義された球面の領域に貼り付けることにより、球面画像を生成するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-326351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、平面画像から球面画像への変換は、例えば座標変換によって行われ、平面画像を形成する4つの辺のうち、所定の対向する2つの辺の各々は一点に結合され、いわゆる極点を形成する。そして、球面画像に変換された平面画像は、極点に近くなるほど収縮されて画像の歪みが大きくなり、不正確な画像となる。この結果、ユーザは、球面画像に変換されたことによって不正確となった画像を視認する可能性がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、球面画像に変換されたことによって不正確となった画像をユーザが視認することを抑制できる、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置」は、平面画像を球面画像に変換する情報処理装置であって、前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが相対的に大きくなる所定領域が設定された平面領域に、一又は複数の原画像が配置された前記平面画像を形成する平面画像形成手段と、前記所定領域に前記原画像が重畳していない前記平面画像を前記球面画像に変換する画像変換手段と、を備える。
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置」は、球面画像に変換された場合に相対的に画像の歪みが大きくなる所定領域が設定され、一又は複数の原画像が配置された前記平面画像を形成するための平面領域、及び前記平面画像を変換した球面画像を画像表示手段に表示させる画像表示制御手段を備え、前記画像表示制御手段は、前記所定領域に前記原画像が重畳していない前記平面画像が変換された前記球面画像を前記画像表示手段に表示させる。
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置の制御方法」は、平面画像を球面画像に変換する情報処理装置の制御方法であって、前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが相対的に大きくなる所定領域が設定された平面領域に、一又は複数の原画像が配置された前記平面画像を形成する第1工程と、前記所定領域に前記原画像が重畳していない前記平面画像を前記球面画像に変換する第2工程と、を有する。
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「制御プログラム」は、平面画像を球面画像に変換する情報処理装置が備えるコンピュータを、前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが相対的に大きくなる所定領域が設定された平面領域に、一又は複数の原画像が配置された前記平面画像を形成する平面画像形成手段と、前記所定領域に前記原画像が重畳していない前記平面画像を前記球面画像に変換する画像変換手段と、して機能させる。
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体」に記録される制御プログラムは、平面画像を球面画像に変換する情報処理装置が備えるコンピュータを、前記球面画像に変換された場合に画像の歪みが相対的に大きくなる所定領域が設定された平面領域に、一又は複数の原画像が配置された前記平面画像を形成する平面画像形成手段と、前記所定領域に前記原画像が重畳していない前記平面画像を前記球面画像に変換する画像変換手段と、して機能させる。
【0012】
上記「情報処理装置」には、以下に例示するように、種々の技術的限定を加えてもよい。また、同趣旨の技術的限定を、「情報処理装置の制御方法」が実行する処理ステップや「制御プログラム」の機能に加えてもよい。
【0013】
前記所定領域は、前記球面画像に変換された場合に一点に結合される前記平面領域の辺から前記平面領域の中心線へと向かう所定領域である、という限定を加えてもよい。
【0014】
前記画像変換手段は、前記所定領域に重畳した前記原画像を前記球面画像への変換の対象にしない、という限定を加えてもよい。
【0015】
前記原画像は、重要部分が予め設定され、前記画像変換手段は、前記所定領域に重畳した前記原画像であっても、前記重要部分が前記所定領域に重畳していない前記原画像を前記球面画像への変換の対象にする、という限定を加えてもよい。
【0016】
前記画像変換手段は、前記原画像の前記重要部分が前記所定領域に重畳していない場合、前記平面画像を前記球面画像に変換し、前記原画像の前記重要部分が前記所定領域に重畳している場合、前記平面画像を前記球面画像に変換しない、という限定を加えてもよい。
【0017】
前記画像変換手段は、前記所定領域に前記原画像が重畳している場合、該原画像が前記所定領域外となるように加工した前記平面画像を前記球面画像に変換する、という限定を加えてもよい。
【0018】
前記所定領域に重畳した前記原画像は、前記所定領域外となるように加工される、という限定を加えてもよい。
【0019】
前記原画像は、重要部分が予め設定され、前記画像変換手段は、前記所定領域に前記原画像の前記重要部分が重畳している場合、該原画像の前記重要部分が前記所定領域外となるように加工した前記平面画像を前記球面画像に変換する、という限定を加えてもよい。
【0020】
前記平面画像形成手段は、前記原画像が前記所定領域に重畳する配置を受け付けない、という限定を加えてもよい。
【0021】
前記原画像は、重要部分が予め設定され、前記平面画像形成手段は、前記原画像に設定されている前記重要部分の前記所定領域に重畳する配置を受け付けない、という限定を加えてもよい。
【0022】
ユーザの操作による前記所定領域への前記原画像の配置が禁止されていることをユーザに報知する報知手段を備える、という限定を加えてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、球面画像に変換されたことによって不正確となった画像をユーザが視認することを抑制できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態に係る携帯電話端末の正面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る携帯電話端末の電気的構成を示す機能ブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る平面画像を形成するための平面キャンバスを示す図である。
図4】平面画像を球面画像に変換した一例を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る球面画像変換機能に関する機能ブロック図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る球面画像変換処理の流れを示すフローチャートである。
図7】本発明の第1実施形態に係る球面画像変換処理によって平面画像を球面画像に変換した一例を示す図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る変形例に係る平面画像を示す図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る球面画像変換処理の流れを示すフローチャートである。
図10】本発明の第3実施形態に係る球面画像変換機能に関する機能ブロック図である。
図11】本発明の第3実施形態に係る球面画像変換処理の流れを示すフローチャートである。
図12】本発明の他の実施形態を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明に係る情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び制御プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、情報処理装置を携帯電話端末、いわゆるスマートフォンとして説明する。
【0026】
〔1.第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
【0027】
[1-1.携帯電話端末の構成]
図1は本実施形態に係る携帯電話端末10の正面図である。
【0028】
携帯電話端末10の筐体12には、その正面12Aに、画面に画像を表示する画像表示手段であるタッチパネルディスプレイ14が備えられる。タッチパネルディスプレイ14は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)及びタッチセンサを備える。LCDは、各種画像を表示し、タッチセンサは、指、スタイラス、又はペン等の指示体を用いて行われる各種入力操作を受け付ける。
【0029】
また、携帯電話端末10の正面12Aには、音が入力されるマイクロフォン16、音を出力するスピーカ18、及び被写体を撮像するカメラ20が備えられる。カメラ20は、筐体12の正面12Aだけでなく筐体12の背面にも備えられる。さらに、筐体12の側面12Bには、携帯電話端末10を起動又は停止させるための電源ボタンやスピーカ18が出力する音のボリューム調整ボタン等の操作ボタン22が備えられる。
【0030】
また、携帯電話端末10の筐体12には、メモリカードが挿入されるスロットやUSB(Universal Serial Bus)端子等が備えられる。
【0031】
図2は、携帯電話端末10の電気的構成を示す機能ブロック図である。
【0032】
携帯電話端末10は、上記構成に加え、主制御部24、主記憶部26、補助記憶部28、通信部30を備える。
【0033】
主制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)等であり、携帯電話端末10の全体の動作を制御する。
【0034】
主記憶部26は、例えば、RAM(Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成されており、主制御部24による各種プログラムに基づく処理の実行時のワークエリア等として用いられる。
【0035】
補助記憶部28は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、画像等の各種データ及び主制御部24の処理に利用されるプログラム等を保存する。補助記憶部28に記憶されるプログラムは、例えば、携帯電話端末10の基本的な機能を実現するためのOS(Operating System)、各種ハードウェア制御するためのドライバ、電子メールやウェブブラウジング、その他各種機能を実現するためのプログラム等である。また、補助記憶部28には、詳細を後述する本実施形態に係る球面画像変換処理を実行するためのプログラムが予め記憶されている。
【0036】
通信部30は、例えばNIC(Network Interface Controller)であり、携帯電話網等の通信網に接続する機能を有する。なお、通信部30は、NICに代えて又はNICと共に、無線LAN(Local Area Network)に接続する機能、無線WAN(Wide Area Network)に接続する機能、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信、及び赤外線通信等を可能とする機能を有してもよい。
【0037】
これら主制御部24、主記憶部26、補助記憶部28、通信部30、タッチパネルディスプレイ14、マイクロフォン16、スピーカ18、カメラ20、及び操作ボタン22は、システムバス32を介して相互に電気的に接続されている。従って、主制御部24は、主記憶部26及び補助記憶部28へのアクセス、タッチパネルディスプレイ14に対する画像の表示、ユーザによるタッチパネルディスプレイ14や操作ボタン22に対する操作状態の把握、マイクロフォン16への音の入力、スピーカ18からの音の出力、カメラ20に対する制御、及び通信部30を介した各種通信網や他の情報処理装置へのアクセス等を行える。
【0038】
[1-2.平面画像から球面画像への変換の概要]
本実施形態に係る携帯電話端末10は、平面画像を球面画像へ変換(以下「球面画像変換」という。)する球面画像変換機能を有する。球面画像変換は、例えば、平面座標系から球面座標系に変換することによって行われる。
【0039】
平面画像から変換された球面画像は、タッチパネルディスプレイ14に表示されて、ユーザによって視認可能とされる。なお、平面画像が球面画像変換された場合、変換された画像は疑似的な球体の内表面に表示されてもよいし、外表面に表示されてもよい。変換された画像が球体の内表面に表示される場合は、ユーザの視点位置は球面画像の内側(例えば球体の中心)になる。一方、変換された画像が球体の外表面に表示される場合は、ユーザの視点位置は球面画像の外側になる。
【0040】
図3に示されるように、平面画像40は、予め定められた平面領域(以下「平面キャンバス」という。)42に複数の原画像44が配置されて形成される、矩形状の画像である。複数の原画像44によって形成された平面画像40は、いわゆるコラージュ画像である。なお、原画像44は、予め補助記憶部28等に記憶されている画像等であり、球面画像変換されていない画像である。
【0041】
例えば、携帯電話端末10のユーザの操作によって平面画像40が形成される場合、タッチパネルディスプレイ14に平面キャンバス42が表示される。そして、ユーザが補助記憶部28に記憶されている原画像44を選択し、平面キャンバス42に配置することによって平面画像40が形成される。なお、原画像44は、回転されて平面キャンバス42に配置されてもよいし、原画像44同士が重なり合ってもよい。また、原画像44は、矩形以外に円形等、他の形状であってもよい。
【0042】
平面キャンバス42の縦及び横の大きさは、ユーザによって任意に設定が可能となっている。また、原画像44が配置されなかった平面キャンバス42の領域は、所定の背景色で表示される。背景色は、例えば、透明、白色又は黒色等の予め定められた色、又は予め定められた模様等である。
【0043】
図4は、平面画像40を変換した球面画像50を示す図である。図4における「A′」,「B′」,「C′」,「D′」,「E′」,「F′」で表記される領域は、平面キャンバス42に配置した原画像44に対応する変換後の画像領域52である。なお、図4に示す球面画像50は一例であり、図3に示す平面キャンバス42への原画像44の配置位置と図4に示す画像領域32とが対応しているものではない。
【0044】
平面画像40が球面画像変換されると、概念的には、平面画像40を形成する4つの辺のうち、対向する2つの辺42a,42bの各々は一点に結合され、いわゆる極点を形成する。一方、他の対向する2つの辺42c,42dは一つに結合されて2つの極点を結ぶ線(弧)を形成する。なお、2つの極点を結ぶこの線は、経線の一つでもある。以下の説明では、図4に示すように、極点に近い領域を高緯度という。また、球面画像50の中心線(大円)50aは平面キャンバス42の中心線42eに対応し、以下「赤道」という。
【0045】
平面画像40が球面画像変換されると、極点に近くなるほど、すなわち高緯度ほど画像が収縮されるために画像の歪みが大きくなり、不正確な画像となる。すなわち、球面画像50は、高緯度になるほど、原画像44に対応する画像領域52の歪みが大きくなる。このため、不正確な画像が球面画像50としてユーザに視認されると、ユーザは画像を誤認する可能性がある。
【0046】
[1-3.本実施形態に係る球面画像変換機能の概要]
本実施形態に係る携帯電話端末10が有する球面画像変換機能は、不正確な画像が球面画像50としてユーザに視認されることを抑制する。
【0047】
ここで、本実施形態に係る平面キャンバス42には、図3に示されるように、進入禁止領域46が予め定められている。進入禁止領域46は、平面画像40が球面画像変換された場合に一点に結合される平面キャンバス42の辺42a又は辺42bから中心線42eへと向かう所定領域である。すなわち、進入禁止領域46は、球面画像変換後において極点に近い領域であり、平面画像40を球面画像変換した場合に、画像の歪みが相対的に大きくなる領域として設定されている。進入禁止領域46は、辺42a又は辺42bを一辺として固定されるものの、辺42a又は辺42bから中心線42eの方向で任意の範囲に設定可能とされている。
【0048】
また、平面キャンバス42は、進入禁止領域46と他の領域とがユーザによって区別可能なようにタッチパネルディスプレイ14に表示される。例えば、進入禁止領域46と他の領域とが異なる背景色で表示される。または、進入禁止領域46と他の領域とを区別するための線が平面キャンバス42に表示される。これにより、ユーザは、進入禁止領域46に配置する原画像44を認識できる。また、ユーザが進入禁止領域46に原画像44を配置した場合又は配置しようとした場合、進入禁止領域46への原画像44の配置であることが、例えば、ポップアップによる表示やスピーカ18から出力する音によって報知される。また、この他にも、進入禁止領域46の背景色が変化したり、携帯電話端末10が振動してもよい。図3の例では「A」,「B」,「C」,「L」,「M」,「N」の表記がある原画像44が、進入禁止領域46に重畳して配置された重畳原画像48である。
【0049】
本実施形態に係る球面画像変換機能は、進入禁止領域46に原画像44が重畳していない平面画像40を球面画像50に変換する。なお、図3に示されるように、原画像44は、進入禁止領域46に少なくとも一部が重畳すると重畳原画像48とされる。
【0050】
また、原画像44には、重要部分が予め設定可能とされている。重要部分は、一例として、ユーザによって任意に決定されて設定されるものであり、原画像44の一部領域が重要部分として設定されてもよいし、原画像44の全体が重要部分として設定されてもよい。重要部分は、ユーザにより任意に決定されるだけでなく、例えば、人の顔、建物、又は文字等の予め定められた画像が原画像44毎に認識(画像認識又は文字認識)されて、認識された画像の部分が重要部分として自動的に設定されてもよい。以下の説明では、原画像44に設定されている重要部分を示す情報を「重要情報」という。なお、必ずしも、平面キャンバス42に配置される原画像44の全てに重要部分や重要度が設定される必要はない。
【0051】
そして、本実施形態に係る球面画像変換では、進入禁止領域46に重畳した重畳原画像48であっても、重要部分が進入禁止領域46に重畳していない重畳原画像48は球面画像50に変換する。
【0052】
[1-4.本実施形態に係る球面画像変換機能に関する機能ブロック図]
図5は、本実施形態に係る球面画像変換機能に関する機能ブロック図である。主制御部24は、画像表示制御部60、平面画像形成部62、重要情報設定部64、球面画像変換部66、原画像配置位置判定部68、重要情報読取部70、及びユーザ報知部72を備える。主制御部24が備える各機能は、補助記憶部28に記憶されているプログラムによって実現される。
【0053】
画像表示制御部60は、タッチパネルディスプレイ14に表示させる画像を示すデータをタッチパネルディスプレイ14に出力する。なお、球面画像変換機能において、タッチパネルディスプレイ14に表示させる画像とは、例えば、平面キャンバス42、平面画像40、及び球面画像50等である。なお、画像表示制御部60は、進入禁止領域46と他の領域とがユーザによって区別可能なように平面キャンバス42を表示する。
【0054】
平面画像形成部62は、原画像44を補助記憶部28から読み出し、平面キャンバス42に配置された複数の原画像44から平面画像40を形成する。なお、形成された平面画像40は、適宜、主記憶部26又は補助記憶装置28に記憶される。
【0055】
本実施形態に係る平面画像形成部62は、手動画像配置部62Aを備える。手動画像配置部62Aは、ユーザによって選択された原画像44を補助記憶部28から読み出し、ユーザの操作に応じて原画像44を平面キャンバス42に配置する。
【0056】
重要情報設定部64は、原画像44毎に重要情報を設定する。重要情報設定部64は、ユーザによって決定された原画像44毎の重要情報を受け付けて原画像44毎に設定する。また、重要情報設定部64は、原画像44から自動的に重要部分を認識し、設定してもよい。原画像44毎の重要情報の設定は、一例として、平面キャンバス42に原画像44を配置する前に行われる。
【0057】
球面画像変換部66は、平面画像40を球面画像50に変換する。
【0058】
原画像配置位置判定部68は、平面キャンバス42又は平面画像40において、進入禁止領域46に原画像44が配置されたか否か、すなわち、重畳原画像48の有無を判定する。なお、進入禁止領域46や原画像44の位置は、一例として座標によって特定される。
【0059】
重要情報読取部70は、原画像44や重畳原画像48に設定されている重要情報である重要部分を読み取る。
【0060】
ユーザ報知部72は、球面画像変換機能に関する各種報知をユーザに対して行う。例えば、ユーザ報知部72は、ユーザの操作によって進入禁止領域46に原画像44の重要部分が進入した場合に、進入禁止領域46への原画像44の配置が禁止されていることをユーザに報知する。
【0061】
[1-5.本実施形態に係る球面画像変換処理]
図6は、主制御部24によって実行される球面画像変換機能による処理(以下「球面画像変換処理」という。)の流れを示すフローチャートである。球面画像変換処理を実行するためのプログラムは補助記憶部28の所定領域に予め記憶されており、球面画像変換処理は、該プログラムが起動することによって開始する。
【0062】
なお、本実施形態に係る球面画像変換処理(球面画像変換機能)は、形成された平面画像40を球面画像変換する際に、球面画像変換の対象としない重畳原画像48の有無を判定する。
【0063】
まず、ステップ100では、平面画像40の形成を平面画像形成部62が行う。具体的には、画像表示制御部60が平面キャンバス42をタッチパネルディスプレイ14に表示させる。そして、ユーザが選択した原画像44を手動画像配置部62Aが平面キャンバス42に配置することで平面画像40が形成される。形成された平面画像40は、主記憶部26又は補助記憶部28に記憶される。
【0064】
次のステップ102では、進入禁止領域46に重畳している原画像44、すなわち重畳原画像48の有無を原画像配置位置判定部68が判定し、肯定判定の場合はステップ104へ移行し、否定判定の場合はステップ106へ移行する。
【0065】
ステップ104では、ユーザが原画像44の少なくとも一部が進入禁止領域46に重畳するように配置したことをユーザ報知部72が報知する。なお、ユーザ報知部72による報知は、ユーザが進入禁止領域46に原画像44を配置した場合又は配置しようとした場合にその都度行われてもよいし、ユーザが平面画像40の形成を完了した場合に行われてもよい。この報知によって、ユーザは、原画像44の位置を修正してもよい。また、この報知は、原画像44(重畳原画像48)の重要部分が進入禁止領域46に重畳している場合に行われてもよい。
【0066】
ステップ106では、形成された平面画像40に対する球面画像変換の指示をユーザから受け付ける。なお、球面画像変換の指示の受け付けは、原画像44が進入禁止領域46に重畳した平面画像40に対しても可能とされている。
【0067】
次のステップ108では、球面画像変換される平面画像40に重畳原画像48が存在しているか否かを原画像配置位置判定部68が判定し、肯定判定の場合はステップ110へ移行し、否定判定の場合はステップ116へ移行する。
【0068】
ステップ110では、重畳原画像48の重要情報を重要情報読取部70が読み取る。
【0069】
次のステップ112では、読み取った重要情報に基づいて重畳原画像48の重要部分が進入禁止領域46に重畳しているか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ114へ移行し、否定判定の場合はステップ116へ移行する。
【0070】
ステップ114では、球面画像変換が不可であることをユーザ報知部72が報知し、ステップ100へ戻る。ステップ100へ戻ると、ユーザは、平面画像40の形成を再び行う。この場合の平面画像40の形成は、球面画像変換が不可となった平面画像40の修正であってもよい。
【0071】
ステップ116では、平面画像40に対する球面画像変換を球面画像変換部66が行い、球面画像50を生成する。生成された球面画像50は主記憶部26又は補助記憶部28に記憶され、その後、球面画像変換処理は終了する。また、球面画像変換処理によって生成された球面画像50は、タッチパネルディスプレイ14に表示され、ユーザに視認可能とされる。
【0072】
なお、上述したステップ112,116の処理で示されるように、本実施形態に係る球面画像変換処理は、進入禁止領域46に重畳した重畳原画像48であっても、重要部分が進入禁止領域46に重畳していない重畳原画像48を球面画像50に変換する。
【0073】
また、本実施形態に係る球面画像変換処理は、上述したように、原画像44の重要部分が進入禁止領域46に重畳していない場合、平面画像40を球面画像50に変換し、原画像44の重要部分が進入禁止領域46に重畳している場合、平面画像40を球面画像50に変換しない。換言すると、重要部分が進入禁止領域46に重畳していない場合に限り、平面画像40は球面画像50に変換される。これにより、球面画像変換処理は、球面画像50に変換されたことによって不正確となった画像をユーザが視認することをより確実に抑制できる。
【0074】
[1-6.本実施形態に係る変換画像変換の詳細]
図7を参照して、本実施形態に係る変換画像変換について具体的に説明する。図7(A)は、本実施形態に係る球面画像変換によって生成された球面画像50を示す。図7(B)は、進入禁止領域46に重要部分が重畳した重畳原画像48も球面画像変換して生成された球面画像50を示す。図7(A),(B)の上下方向は図3に示す平面キャンバス42の上下方向と同じであり、極点に近い領域54が平面キャンバス42における進入禁止領域46に対応する領域である。
【0075】
図7(A),(B)において「A′」,「B′」,「C′」の表記がある領域が進入禁止領域46に重畳した重畳原画像48が球面画像変換された画像領域56であり、各々、重畳原画像対応領域56A′,56B′,56C′とする。図7(A),(B)において「D′」,「E′」,「F′」の表記がある領域は、進入禁止領域46に重畳していない原画像44が球面画像変換された画像領域52であり、各々、原画像対応領域52D′,52E′,52F′とする。
【0076】
なお、以下の説明において、重畳原画像対応領域56A′,56B′,56C′に対応する重畳原画像48を各々重畳原画像48A,48B,48Cといい、原画像対応領域52D′,52E′,52F′に対応する原画像44を各々原画像44D,44E,44Fという。
【0077】
重畳原画像48A,48Bには、重要情報として、重畳原画像48A,48Bの全体を重要部分とすることが設定されている。一方、重畳原画像対応領域56C′に対応する重畳原画像48Cには、重要情報は設定されていない。
【0078】
このため、本実施形態に係る変換画像変換は、重要部分が進入禁止領域46に重畳している重畳原画像48A,48Bが平面画像40に存在していた場合、平面画像40を球面画像50に変換しない。一方、重畳原画像48Cは、重要部分が進入禁止領域46に重畳していない。このため、本実施形態に係る変換画像変換は、重畳原画像48Cが存在している平面画像40であっても、球面画像50に変換する。
【0079】
従って、本実施形態に係る球面画像変換は、図7(B)に示される球面画像50は生成されることはない。一方、進入禁止領域46に重畳原画像48A,48Bが重畳していない平面画像40であれば、本実施形態に係る球面画像変換は、図7(A)に示される球面画像50に変換する。
【0080】
以上説明したように、本実施形態に係る携帯電話端末10は、球面画像50に変換された場合に画像の歪みが相対的に大きくなる進入禁止領域46が設定された平面キャンバス42に、一又は複数の原画像が配置された平面画像40を形成し、進入禁止領域46に原画像44が重畳していない平面画像40を球面画像50に変換する。このために、本実施形態に係る携帯電話端末10は、進入禁止領域46に重畳した原画像44を球面画像50への変換の対象にしない。
【0081】
従って、本実施形態に係る携帯電話端末10は、球面画像50に変換されたことによって不正確となった画像をユーザが視認することを抑制できる。
【0082】
なお、本実施形態では、原画像44が進入禁止領域46に重畳している場合に平面画像40を球面画像50に変換しない形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、球面画像変換は、重畳原画像48を球面画像50への変換の対象としない形態としてもよい。この形態の場合、球面画像50における重畳原画像48に対応する領域は、例えば背景色で表示される。なお、球面画像変換後に、重畳原画像48が球面画像変換されなかったことがユーザに報知される。
【0083】
また、球面画像変換は、重畳原画像48のうち進入禁止領域46に重畳している部分のみを対象としない形態としてもよい。この形態の場合、進入禁止領域46に重畳している部分は、例えばトリミングにより除外されたり、背景色と同色で塗りつぶされる。
【0084】
[1-7.本実施形態の変形例]
【0085】
球面画像変換部66は、進入禁止領域46に原画像44(重畳原画像48)が重畳している場合、該原画像44が進入禁止領域46外となるように加工した平面画像40を球面画像50に変換する。
【0086】
加工とは、例えば、進入禁止領域46に重畳した原画像44が進入禁止領域46外となるように原画像44を加工する場合と、特定の原画像44を加工するのではなく平面画像40全体を加工する場合とがある。原画像44を加工する場合とは、例えば、重畳原画像48に限り移動、重畳原画像48に限り回転、重畳原画像48に限り縮小、又は、重畳原画像48の加工と共にこの近隣に配置されている原画像44を加工すること等である。平面画像40全体を加工する場合とは、平面画像40全体を縮小又は移動することである。
【0087】
なお、原画像44に重要部分が設定され、進入禁止領域46に原画像44の重要部分が重畳している場合、原画像44の重要部分が進入禁止領域46外となるように平面画像40が加工される。また、平面画像40全体を縮小又は移動する場合は、例えば、重畳原画像48の重要部分が進入禁止領域46に重畳しないように縮小又は移動する。
【0088】
図8は、上記加工の一例を示す図である。なお、図8の例では重畳原画像48は、全体を重要部分とすることが設定されている。
【0089】
「A」で示される重畳原画像48は、下方向にのみ縮小される。「B」で示される重畳原画像48は、回転される。「C」で示される重畳原画像48は、全体が縮小され、下方向に移動される。「L」で示される重畳原画像48は、上方向に移動される。「M」で示される重畳原画像48は、斜め上方向に移動される。「N」で示される重畳原画像48は、上方向にのみ縮小される。
【0090】
重畳原画像48の加工方法は、予め設定されていてもよいし、異なる加工方法で加工された複数の平面画像40がタッチパネルディスプレイ14に表示され、加工後の複数の平面画像40から一つをユーザが選択するとしてもよい。
【0091】
なお、本実施形態では、複数の原画像44が平面キャンバス42に配置されて形成された平面画像40を球面画像50に変換する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、一枚の原画像44を平面キャンバス42に配置して球面画像50に変換する形態としてもよい。この形態の場合、原画像44の重要部分が進入禁止領域46に重畳している場合、重畳部分が進入禁止領域46外となるように、例えば、原画像44(平面画像40)を縮小する。
【0092】
〔2.第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
【0093】
上述した第1実施形態は、形成された平面画像40を球面画像変換する際に、重畳原画像48の有無を判定したが、本第2実施形態は、平面キャンバス42に原画像44が配置される際に、原画像44の進入禁止領域46への重畳の有無を判定する。
【0094】
本実施形態に係る携帯電話端末10の構成は、図1から図3に示す第1実施形態に係る携帯電話端末10の構成と同様であるので説明を省略する。
【0095】
[2-1.本実施形態に係る球面画像変換処理]
図9は、本実施形態に係る球面画像変換処理の流れを示すフローチャートである。
【0096】
まず、ステップ200では、平面キャンバス42に配置する原画像44のユーザによる選択を受け付ける。
【0097】
次のステップ202では、ユーザによって選択された原画像44の重要情報を重要情報読取部70が読み取る。
【0098】
次のステップ204では、平面キャンバス42に対するユーザによる原画像44の移動操作を手動画像配置部62Aが受け付ける。ユーザによる原画像44の移動操作は、例えば以下のようにして行われる。
【0099】
ユーザが原画像44を選択すると、原画像44が平面キャンバス42の所定位置に表示される。そして、ユーザは原画像44が表示されたタッチパネルディスプレイ14の位置に指又はペン等の指示体を接触させる。これにより、原画像44は平面キャンバス42上を移動可能となる。ユーザは、指示体をタッチパネルディスプレイ14に接触させながら移動させることで、原画像44を平面キャンバス42における所望の配置位置まで移動させる。
【0100】
次のステップ206では、ステップ202で読み取った重要情報を参照して、原画像44の重要部分の少なくとも一部が進入禁止領域46に進入したか否かを原画像配置位置判定部68が判定し、肯定判定の場合はステップ208へ移行する。一方、否定判定の場合はステップ210へ移行する。
【0101】
ステップ208では、配置禁止報知をユーザ報知部72が報知し、ステップ204へ戻る。配置禁止報知は、進入禁止領域46に原画像44の重要部分を配置することが禁止されていることを示すものである。すなわち、本実施形態に係る平面画像形成部62は、ユーザの操作によって原画像44の重要部分の少なくとも一部が進入禁止領域46に重畳する配置を受け付けない。
【0102】
ステップ210では、ユーザによる原画像44の配置操作を手動画像配置部62Aが受け付ける。ユーザによる原画像44の配置操作は、原画像44を移動させるためにタッチパネルディスプレイ14に接触させていた指示体をタッチパネルディスプレイ14から話すことで行われる。すなわち、タッチパネルディスプレイ14から指示体を離した平面キャンバス42上の位置が、原画像44の配置位置となる。
【0103】
次のステップ212では、ユーザによる平面画像40の作成が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ214へ移行し、否定判定の場合はステップ200へ戻り、ユーザは平面画像40の作成が終了するまで原画像44の選択及び平面キャンバス42への配置を繰り返す。なお、平面画像40の作成の終了は、タッチパネルディスプレイ14に表示される終了ボタンに指示体を接触させることで行われる。なお、球面画像変換される平面画像40は、ステップ202からステップ210の処理によって、原画像44の重要部分が進入禁止領域46に重畳していない画像とされている。
【0104】
ステップ214では、平面画像40を球面画像50に変換する球面画像変換を球面画像変換部66が行い、球面画像50を生成する。生成された球面画像50は主記憶部26又は補助記憶部28に記憶される。
【0105】
以上説明したように、本実施形態に係る平面画像形成部62は、ユーザの操作によって平面キャンバス42に原画像44を配置する場合、原画像44が進入禁止領域46に重畳する配置を受け付けない。従って、本実施形態に係る携帯電話端末10は、球面画像50に変換されたことによって不正確となった画像をユーザが視認することを抑制できる。
【0106】
〔3.第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
【0107】
本第3実施形態では、進入禁止領域46に重畳しないように平面キャンパス42に原画像44を自動的に配置する場合について説明する。
【0108】
本実施形態に係る携帯電話端末10の構成は、図1,2に示す第1実施形態に係る携帯電話端末10の構成と同様であるので説明を省略する。
【0109】
[3-1.本実施形態に係る球面画像変換機能に関する機能ブロック図]
図10は、本実施形態に係る球面画像変換機能に関する機能ブロック図である。なお、図10における図3と同一の構成部分については図3と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0110】
本実施形態に係る平面画像形成部62は、自動画像配置部62Bを備える。
【0111】
自動画像配置部62Bは、予め定められた配置条件に従って又はランダムに原画像44を平面キャンバス42に自動的に配置する。配置する原画像44の選択は、自動画像配置部62Bが予め定められた選択条件に従って選択してもよいし、ユーザが選択してもよい。
【0112】
[3-2.本実施形態に係る球面画像変換処理]
図11は、本実施形態に係る球面画像変換処理の流れを示すフローチャートである。
【0113】
まず、ステップ300では、平面キャンバス42に配置する原画像44を自動画像配置部62Bが選択する。なお、原画像44の選択は、自動画像配置部62Bが行わずにユーザが行ってもよい。
【0114】
次のステップ302では、選択された原画像44の重要情報を重要情報読取部70が読み取る。
【0115】
ステップ304では、ステップ302で読み取った重要情報を参照して、原画像44の重要部分が進入禁止領域46に重畳しないように、自動画像配置部62Bが原画像44を平面キャンバス42に配置(以下「自動配置」ともいう。)させる。すなわち、自動画像配置部62Bは、原画像44の重要部分の少なくとも一部が進入禁止領域46に重畳する配置を受け付けない。
【0116】
自動配置としては、例えば、原画像44の重要部分の少なくとも一部が進入禁止領域46に重畳しないように自動画像配置部62Bが原画像44を配置してもよいし、自動画像配置部62Bが原画像44を条件に従い適当に又はランダムに配置し、原画像44の重要部分の少なくとも一部が進入禁止領域46に重畳する場合に、自動画像配置部62Bが原画像44の配置をやり直してもよい。
【0117】
次のステップ306では、選択された全ての原画像44が平面キャンバス42に配置されたか否かを判定し、肯定判定の場合はステップステップ308へ移行し、否定判定の場合はステップ200へ戻り、平面画像形成部62は全ての選択された原画像44の平面キャンバス42への配置が終了するまで、ステップ300からステップ306の処理を繰り返す。
【0118】
ステップ308では、平面画像40を球面画像50に変換する球面画像変換を球面画像変換部66が行い、球面画像50を生成する。生成された球面画像50は主記憶部26又は補助記憶部28に記憶される。なお、球面画像変換される平面画像40は、ステップ304の処理によって、原画像44の重要部分が進入禁止領域46に重畳していない画像とされている。
【0119】
以上説明したように、本実施形態に係る平面画像形成部62は、自動的に平面キャンバス42に原画像44を配置する場合、原画像44が進入禁止領域46に重畳する配置を受け付けない。従って、本実施形態に係る携帯電話端末10は、球面画像50に変換されたことによって不正確となった画像をユーザが視認することを抑制できる。
【0120】
[4.他の実施形態]
以上、本発明を、上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0121】
例えば、上記各実施形態では、球面画像変換処理を携帯電話端末10が実行する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、図12に示されるように、携帯電話端末10が通信網80を介してサーバ82等の他の情報処理装置と情報の送受信を行い、本実施形態に係る球面画像変換処理の一部又は全部をサーバ82が行ってもよい。この形態の場合、例えば、携帯電話端末10を用いてユーザが平面画像40を作成し、携帯電話端末10からサーバ82へ平面画像40を送信する。サーバ82は、受信した平面画像40を球面画像変換処理によって球面画像50へ変換し、変換後の球面画像50を携帯電話端末10へ送信する。携帯電話端末10は、サーバ82から球面画像50を受信すると、受信した球面画像50をタッチパネルディスプレイ14に表示する。
【0122】
また、上記各実施形態では、本発明に係る情報処理装置を携帯電話端末10とする形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、情報処理装置をノート型又はデスクトップ型のパーソナルコンピュータやタブレット型の携帯情報端末装置とする形態としてもよい。また、上記各実施形態では、タッチパネルディスプレイ14を画像表示手段としたが、これに限らず、タッチパネルを備えないディスプレイを画像表示手段としてもよい。
【0123】
また、上記各実施形態では、本実施形態に係る球面画像変換処理を実行するためのプログラムを主記憶部26に予め記憶させる形態について説明したが、これに限られず、USBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等を適用することができる。
【0124】
また、上記各実施形態では、本発明に係る原画像44に重要部分を設定する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、原画像44に重要部分を設定することに代えて、原画像44に非重要部分を設定する形態としてもよい。この形態の場合、非重要部分を有する原画像44は、進入禁止領域46への配置が許可され、球面画像変換の対象とされる。非重要部分は、ユーザが設定してもよいが、例えば、原画像44のうち、ほぼ同一色で占められる所定範囲以上の部分が自動的に非重要部分として設定されてもよい。
【0125】
また、上記各実施形態で説明した球面画像変換処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0126】
10 携帯電話端末(情報処理装置)
14 タッチパネルディスプレイ(画像表示手段)
40 平面画像
42 平面キャンバス(平面領域)
44 原画像
46 進入禁止領域(所定領域)
50 球面画像
60 画像表示制御部(画像表示制御手段)
66 球面画像変換部(画像変換手段)
72 ユーザ報知部(報知手段)
82 サーバ(情報処理装置)




図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12