(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】ランプユニット
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/54 20170101AFI20220324BHJP
B60Q 3/217 20170101ALI20220324BHJP
【FI】
B60Q3/54
B60Q3/217
(21)【出願番号】P 2020009428
(22)【出願日】2020-01-23
(62)【分割の表示】P 2018028280の分割
【原出願日】2018-02-20
【審査請求日】2021-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 昌弘
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-109507(JP,A)
【文献】特開2001-155801(JP,A)
【文献】特開2010-083210(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0080014(US,A1)
【文献】特開2008-037287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/54
B60Q 3/217
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象に取り付けられるべく構成されたホルダ部材と、
発光素子をその主面上に備えた基板と、
前記基板を前記ホルダ部材上の所定の位置に保持するべく、前記ホルダ部材に係合して、前記ホルダ部材に対して前記基板を挟持するための保持部材と、
少なくとも部分的に透光性を有し、前記ホルダ部材と協働して、前記基板及び前記保持部材を収容する収容室を画定すべく前記ホルダ部材に取り付けられたカバー部材とを有し、
前記ホルダ部材は前記基板及び前記保持部材を収容する収容凹部を備え、
前記収容凹部を画定する壁には前記保持部材を係止するための係合部が設けられ、
前記基板には前記係合部に対応する位置に切欠部が設けられていることを特徴とするランプユニット。
【請求項2】
前記収容凹部は底壁と、前記底壁の外縁に沿って設けられた側壁とによって画定され、
前記係合部は前記側壁に設けられ、
前記切欠部は前記基板の外周縁に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のランプユニット。
【請求項3】
前記基板は前記底壁と前記保持部材との間に配置され、
前記係合部は前記側壁から突出し、前記保持部材の表面に当接していることを特徴とする請求項2に記載のランプユニット。
【請求項4】
前記基板は略方形をなし、
前記切欠部は前記基板の外周縁の一辺において略中央部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のランプユニット。
【請求項5】
前記係合部は前記側壁に複数設けられ、
前記切欠部は前記係合部の少なくとも2つが通過可能な幅を有していることを特徴とする請求項4に記載のランプユニット。
【請求項6】
前記係合部は前記基板の外周縁の一辺のみに設けられていることを特徴とする請求項5に記載のランプユニット。
【請求項7】
前記保持部材は外縁をなし、略方形な外枠を含み、
前記切欠部は前記外枠と前記底壁との間に設けられていることを特徴とする請求項2~請求項6のいずれか1つの項に記載のランプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発光素子を備えたランプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ドアが開かれたときに発光して乗員の足元を照らすランプユニットが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1のランプユニットは発光素子を有している。発光素子は機能部に設けられた金属板であるバスバーに結合している。機能部は車両用ドアの組み付け対象部に取付けられた意匠部に嵌合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発光素子はバスバーに結合されているため、発光素子はホルダ部材に対してがたつくという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は以上の背景を鑑み、発光素子のがたつきが防止されたランプユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様によるランプユニット(4)は、取付対象(3)に取り付けられるべく構成されたホルダ部材(9)と、発光素子(5)をその主面上に備えた基板(6)と、前記基板を前記ホルダ部材上の所定の位置に保持するべく、前記ホルダ部材に係合して、前記ホルダ部材に対して前記基板を挟持するための保持部材(8)と、少なくとも部分的に透光性を有し、前記ホルダ部材と協働して、前記基板及び前記保持部材を収容する収容室(90)を画定すべく前記ホルダ部材に取り付けられたカバー部材(9)とを有し、前記ホルダ部材は前記基板及び前記保持部材を収容する収容凹部(17)を備え、前記収容凹部を画定する壁には前記保持部材を係止するための係合部(37)が設けられ、前記基板には前記係合部に対応する位置に切欠部(204)が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この態様によれば、基板の主面に発光素子が結合され、その基板がホルダ部材と保持部材とによって挟持されているため、発光素子のホルダ部材に対するがたつきが防止される。また、保持部材及び基板が収容凹部に収容されているため、保持部材及び基板の破損を防止することができる。係合部に対応する位置に切欠部が設けられているため、組付時に基板が係合部と干渉し難くなり、基板のホルダ部材への組付が容易になる。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記収容凹部は底壁(18)と、前記底壁の外縁に沿って設けられた側壁(19)とによって画定され、前記係合部は前記側壁に設けられ、前記切欠部は前記基板の外周縁に設けられているとよい。
【0009】
この態様によれば、切欠部が基板の外周縁に設けられているため、基板を切欠部と係合部とが対応する位置となるように容易に移動させることができ、基板のホルダ部材への組付がより容易になる。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記基板は前記底壁と前記保持部材との間に配置され、
前記係合部は前記側壁から突出し、前記保持部材の表面に当接しているとよい。
【0011】
この態様によれば、保持部材の組付が容易になる。
【0012】
また、本発明の一態様によれば、前記基板は略方形をなし、前記切欠部は前記基板の外周縁の一辺において略中央部に設けられているとよい。
【0013】
この態様によれば、切欠部が基板の外周縁の端部側に偏って設けられる場合に比べて、基板に荷重が不均一に加わり難く、基板が変形し難くなる。
【0014】
また、本発明の一態様によれば、前記係合部は前記側壁に複数設けられ、前記切欠部は前記係合部の少なくとも2つが通過可能な幅を有しているとよい。
【0015】
この態様によれば、基板に設けられる切欠部の数を減らすことができるため、基板に切欠部を容易に形成することができる。
【0016】
また、本発明の一態様によれば、前記係合部は前記基板の外周縁の一辺(203)のみに設けられているとよい。
【0017】
この態様によれば、外周縁の複数の辺に設けられる場合に比べて、基板の剛性が低下し難い。
【0018】
また、本発明の一態様によれば、前記保持部材は外縁をなし、略方形な外枠(35)を含み、前記切欠部は前記外枠と前記底壁との間に設けられているとよい。
【0019】
この態様によれば、基板が切欠部においても保持部材と底壁との間に位置しているため、切欠部に物が衝突し難くなる。これによって、基板の変形をより防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上の態様によれば、基板の主面に発光素子が結合され、その基板がホルダ部材と保持部材とによって挟持されているため、発光素子のがたつきが防止されたランプユニットを提供することが可能となる。また、基板の係合部に対応する位置に切欠部が設けられているため、組付時に基板が係合部と干渉し難くなり、基板のホルダ部材への組付が容易になる。
【0021】
また、切欠部が基板の外周縁に設けられている態様によれば、基板を切欠部と係合部とが対応する位置となるように容易に移動させることができ、基板のホルダ部材への組付がより容易になる。
【0022】
また、基板は略方形をなし、切欠部は前記基板の外周縁の一辺において略中央部に設けられている態様によれば、切欠部が基板の外周縁の端部側に偏って設けられる場合に比べて、基板に荷重が不均一に加わり難く、基板が変形し難くなる。
【0023】
また、収容凹部は底壁と、底壁の外周縁に沿って設けられた側壁とを有し、係合部は側壁から突出し、保持部材の表面に当接している態様によれば、保持部材の組付が容易になる。
【0024】
また、係合部は側壁に複数設けられ、切欠部は係合部の少なくとも2つが通過可能な幅を有している態様によれば、基板に設けられる切欠部の数を減らすことができるため、基板に切欠部を容易に形成することができる。
【0025】
また、係合部が基板の外周縁の一辺のみに設けられている態様によれば、外周縁の複数の辺に設けられる場合に比べて、基板の剛性が低下し難い。
【0026】
また、保持部材は外縁をなす枠部を含み、切欠部は枠部と底壁との間に設けられている態様によれば、切欠部に物が衝突し難くなる。これによって、基板の変形をより防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】実施形態に係るランプユニットが取り付けられた車両用ドアの側面図
【
図2】ランプユニットを右後方から見たときの斜視図
【
図3】ランプユニットを左上方から見たときの斜視図
【
図4】ランプユニットに接続されるコネクタの斜視図
【
図6】カバー部材を外したときのランプユニットの側面図
【
図7】カバー部材及び保持部材を外したときのランプユニットの側面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明のランプユニットを運転席用の車両用ドアに設けられるカーテシーランプに適用した例について、図面を参照して説明する。
【0029】
<<第1実施形態>>
図1に示されるように、運転席用の車両用ドア1は、骨格となるドアパネル2と、ドアパネル2の内側に内装部材として取り付けられたドアトリム3とを有する。カーテシーランプ4はドアトリム3の下端に取り付けられている。
【0030】
図2、
図3、及び
図6に示されるように、カーテシーランプ4は、発光素子5が設けられた基板6と、基板6を支持するホルダ部材7と、基板6をホルダ部材7に固定する保持部材8と、基板6及び保持部材8を覆うカバー部材9とを備える。
【0031】
基板6は表面に平板状のプリント基板であり、発光素子5を含む抵抗やダイオードなど(図示せず)の電子部品が半田付けされている。
図7に示されるように、基板6は平面視で略長方形をなす板状の基部202と、基部の一方側の短辺(以下、第1短辺203)の略中央部分において基部202の内方に向かって切欠形成された1つの切欠部204とを備えている。切欠部204は第1短辺203にのみ形成され、基部202の他方側の短辺(以下、第2短辺209)には形成されていない。切欠部204は基部202の長辺に略平行に延びる第1縁壁205及び第2縁壁206と、基部202の短辺に略平行に形成された第3縁壁207とによって画定されている。発光素子5は白色に発光する表面実装型のLED素子であるが、これには限定されず、有機EL素子、電球等であってもよい。本実施形態では、発光素子5は、短手方向に2行、長手方向に4列の格子状に配置されている。
【0032】
基板6には略中央に貫通し、基板6の長手方向に沿って延びる略方形な方形貫通孔11が形成されている。基板6には更に略円形な貫通孔である接続孔12が方形貫通孔11に対して基板6の長手方向側に4つ形成されている。基板6の表面であって接続孔12の開口周縁には、半田付け用のランド13が設けられている。
【0033】
ホルダ部材7は、
図2及び
図11に示されるように、収容部15と、収容部15から所定の方向であるX方向に突出したコネクタ部16とを有する樹脂製の部材である。収容部15には、コネクタ部16が結合された面の逆側において、X方向に凹む収容凹部17が形成されている。収容凹部17は、X方向に垂直な収容凹部底壁18と、収容凹部底壁18の周囲に設けられた収容凹部側壁19とによって画定されている。
【0034】
図8に示されるように、収容凹部底壁18は略長方形をなしている。以下では、収容凹部底壁18の長辺に沿う方向をY方向、短辺に沿う方向をZ方向と記載する。ホルダ部材7の収容凹部側壁19は、収容凹部底壁18の短辺のそれぞれに接続された収容凹部横壁20と、収容凹部底壁18の長辺のそれぞれに接続された収容凹部縦壁107とを含んでいる。収容凹部横壁20はY方向を向いて互いに対向し、略平行な第1横壁20Aと第2横壁20Bとを含む。収容凹部縦壁107はZ方向を向いて互いに対向し、略平行な2つの縦壁を含んでいる。
【0035】
図11に示されるように、コネクタ部16にはY方向に凹む挿入凹部22が形成されている。収容凹部底壁18には、X方向に凹む係止凹部23が形成されている。係止凹部23と挿入凹部22とは、Z方向から見て、X方向及びY方向に一部が重なっている。係止凹部23と挿入凹部22とが重なっている部分には開口部24が形成されている。係止凹部23及び挿入凹部22は開口部24を介して互いに接続されている。係止凹部23の底壁である係止凹部底壁25は挿入凹部22のX方向における略中央に位置している。挿入凹部22の底壁である挿入凹部底壁26は係止凹部23のY方向における略中央に位置している。係止凹部底壁25と挿入凹部底壁26とは互いに接続されている。
【0036】
挿入凹部22を画定する側壁には、互いに対向する第1挿入凹部横壁27及び第2挿入凹部横壁28と、互いに対向する一対の挿入凹部縦壁29が含まれる。第1挿入凹部横壁27及び第2挿入凹部横壁28はX方向を向いている。第1挿入凹部横壁27は第2挿入凹部横壁28に比べて、係止凹部23側に位置している。
図10に示されるように、挿入凹部縦壁29はそれぞれZ方向を向いている。
【0037】
係止凹部23を画定する側壁には、
図11に示されるように、Y方向に直交し、挿入凹部22の開口側を向く係止凹部縦壁30が含まれている。
【0038】
図7に示されるように、基板6は主面がX方向に向くように、収容凹部17に収容されている。基板6は第1短辺203が第1横壁20Aに沿うように収容凹部底壁18に配置され、裏面において収容凹部底壁18に当接している。
【0039】
基板6の表側には、保持部材8が配置されている。保持部材8は可撓性を有する樹脂製の部材である。
図9に示されるように、保持部材8は、保持部材8の外縁をなし略長方形状の外枠35と、外枠35の間に設けられた複数の縦梁36とを有している。外枠35は基板6の縁部と略同形に形成されている。
【0040】
保持部材8は、外枠35の長手方向に延びる部分(長辺)が基板6の長辺、且つ外枠35の長手方向に直交する方向に延びる部分(短辺)が基板6の短辺に沿うように配置されている。縦梁36は、外枠35の長手方向に直交する方向に延びている。縦梁36はそれぞれ、外枠35の長手方向に延びる部分を接続している。本実施形態では、保持部材8には3つの縦梁36が設けられている。保持部材8は、外枠35及び縦梁36の基板6に対向する面(裏面)において基板6に当接している。
【0041】
収容凹部横壁20にはそれぞれ、係止突起37が設けられている。
図6に示すように、第1横壁20Aには第1係止突起37A及び第2係止突起37Bの2つの係止突起37が設けられている。第1係止突起37Aと第2係止突起37BとはそれぞれY方向に沿って収容凹部17の内側に突出している。第1係止突起37Aは第2係止突起37Bに対してZ方向一方側に位置し、収容凹部底壁18に対して平行に並ぶように配置されている。また、第2横壁20Bには収容凹部底壁18に平行に並ぶ第3係止突起37C及び第4係止突起37Dの2つの係止突起37が設けられている。第3係止突起37Cと第4係止突起37DとはそれぞれY方向に沿って収容凹部17の内側に突出している。第1係止突起37Aと第3係止突起37CとはY方向に互いに対向し、第2係止突起37Bと第4係止突起37DとはY方向に互いに対向している。
【0042】
外枠35の表面には第1係止突起37A~第4係止突起37Dがそれぞれ当接している。これによって、保持部材8の収容凹部底壁18から離れる方向の移動が規制される。更に、上述したように、基板6は裏面において収容凹部底壁18に当接し、表面において保持部材8の裏面に当接しているため、保持部材8は第1係止突起37A~第4係止突起37Dによって係止され、基板6は保持部材8と収容凹部底壁18との間に挟持されている。
【0043】
切欠部204はX方向視で、第1係止突起37A及び第2係止突起37Bに対してY方向に対向し、切欠部204は第1係止突起37A及び第2係止突起37Bに対応する位置にある。また、切欠部204は、X方向において保持部材8の外枠35と収容凹部底壁18との間に位置している。
【0044】
また、第1係止突起37AのZ方向一側の端部と第2係止突起37BのZ方向他側の端部との距離は、第1縁壁205及び第2縁壁206の間隔よりも小さい。これによって、第1係止突起37A及び第2係止突起37Bが切欠部204を同時に通過可能であるように設定されている。第1係止突起37Aの突端及び第3係止突起37Cの突端と、第2係止突起37Bの突端及び第4係止突起37Dの突端とはそれぞれ、第3縁壁207及び第2短辺209の距離よりも離間している。そのため、組付時に、第3縁壁207及び第2短辺209の間の部分を、第1係止突起37Aの突端及び第3係止突起37Cの突端の間、及び第2係止突起37Bの突端及び第4係止突起37Dの突端の間を通過するように移動させることで、基板6を収容凹部底壁18に向かって容易に移動させることができる。
【0045】
保持部材8は、複数の縦梁36の略中央を接続する横梁38を備える。本実施形態では、横梁38は3つの縦梁36全てを接続している。縦梁36及び横梁38は隣り合う発光素子5の間を通過している。保持部材8には、外枠35、縦梁36及び横梁38によって、発光素子5に対応する位置に、X方向に貫通する通光孔39が形成されている。
図11に示されるように、横梁38には、裏面からX方向に突出する係止凸部40が設けられている。
【0046】
係止凸部40は方形貫通孔11を通過し、係止凹部23に突入して嵌合している。係止凸部40が方形貫通孔11を通過しているため、基板6の保持部材8に対する係止凸部40の突出方向に垂直な方向の移動が規制されている。係止凸部40は係止凹部23に嵌合しているため、保持部材のホルダ部材7に対する収容凹部底壁18に沿う方向(X方向及びY方向)の移動が規制されている。
【0047】
係止凸部40は、X方向を向く係止凸部突端壁41と、係止凸部突端壁41の周辺に結合された係止凸部側壁42によって画定されている。係止凸部突端壁41には、段違いに形成され、略X方向を向く第1突端面43及び第2突端面44と、第1突端面43と第2突端面44を接続する接続面45が設けられている。第1突端面43は、第2突端面44よりも係止凸部40の基端側に位置している。第1突端面43は係止凹部底壁25に対向する面をなし、第2突端面44は開口部24を介して第2挿入凹部横壁28に対向する位置に設けられている。接続面45はY方向における挿入凹部22の開口側に向き、且つ挿入凹部底壁26の壁面に連続している。係止凸部40は第1突端面43において、係止凹部底壁25に当接している。係止凸部側壁42には、係止凹部縦壁30に対向する係止凸部縦壁46が含まれる。
【0048】
基板6には、板バネ状に形成された金属製の接続端子47が複数結合されている。
図6及び
図7に示されるように、本実施形態では、基板6には、2つの接続端子47が結合されている。接続端子47は基端側において、基板6に結合している。
【0049】
図7及び
図11に示されるように、接続端子47は、基端側から順に、基端部47Aと、中間部47Bと、突端部47Cとを含む。基端部47Aは、その基端側において、2つの分岐し、それぞれ接続孔12に挿入されて、ランド13に半田付けされている。基端部47Aは、接続孔12から方形貫通孔11に向かって延びている。基端部47Aは、突端側において、X方向に屈曲し、方形貫通孔11の内部に延びて、中間部47Bに接続している。中間部47Bは、方形貫通孔11に沿って基板6の裏側に達し、係止凸部縦壁46と係止凹部縦壁30との間を通過して、係止凹部底壁25に達している。中間部47Bは、係止凹部底壁25において屈曲して、突端部47Cに接続している。突端部47Cは、係止凹部底壁25に沿ってY方向に延びている(
図10参照)。係止凹部底壁25には、係止凹部縦壁30から挿入凹部22の開口に向かう方向(Y方向)に延びる溝48が複数形成されている。本実施形態では、係止凹部底壁25には2つの溝48が形成されている。突端部47Cは中間部47B側において、それぞれ溝48に受容され、
図10及び
図11に示されるように、突端部47Cは中間部47B側において、係止凹部底壁25と第1突端面43との間に挟持されている。
【0050】
図8に示されるように、溝48のY方向における略中間には、Z方向に幅が狭められた狭窄部49が形成されている。突端部47Cは狭窄部49に対応する位置において、Z方向の幅が狭められている。接続端子47がY方向に沿って移動すると、狭窄部49を画定する壁面に突端部47Cが当接する。狭窄部49によって、接続端子47のY方向の移動が規制されている。
【0051】
図11に示されるように、突端部47Cは溝48を通って、Y方向に延び、挿入凹部22の開口に向けて突出している。突端部47Cは挿入凹部底壁26に対して略垂直に突出し、第2突端面44と第2挿入凹部横壁28との間に達している。第2突端面44は第1突端面43よりも基端側に位置するため、第2突端面44はX方向に係止凹部底壁25から離れている。そのため、第2突端面44と接続端子47との間には隙間が形成され、突端部47Cの突端は、連続した接続面45と挿入凹部底壁26の壁面との間から突出している。第2突端面44は、挿入凹部22の開口に向かって、第2挿入凹部横壁28から離れるように傾斜している。
【0052】
第2挿入凹部横壁28には、Y方向に延びる突条51、及び、X方向に貫通する係止孔53が形成されている。
【0053】
図3に示されるように、収容凹部底壁18のコネクタ部16の突出方向側の面には、X方向に略垂直な底壁裏面54が形成されている。コネクタ部16はその底壁裏面54からX方向に突出し、挿入凹部22の開口は底壁裏面54よりもコネクタ部16の突出方向側に位置している。
図11に示されるように、挿入凹部22の開口縁は挿入凹部22の開口に向かうにつれてコネクタ部16の突出方向側に傾斜する傾斜面55を介して、底壁裏面54に接続している。
【0054】
図4に示されるように、コネクタ60の挿入端には、接続端子47が挿入される端子受容孔61が形成され、コネクタ60の挿入方向後面から外方にケーブル62が延びている。ケーブル62はドアパネル2に沿って車体に延び、車体に設けられた図示しないコントロールユニットに接続されている。コネクタ60の側面にはそれぞれ、延在方向に沿って延びるガイド溝63が形成されている。コネクタ60には側面から突出する係止壁65が設けられている。係止壁65には、係止孔53に係合する係止爪67が設けられている。
【0055】
コネクタ挿入孔80は第2突端面44、接続面45、挿入凹部22によって画定されている。コネクタ60をコネクタ挿入孔80に挿入する時には、コネクタ60の前端は傾斜面55に当接し、傾斜面55に沿って移動して、挿入凹部22に案内される。コネクタ60を更に挿入すると、コネクタ60の前端は第2突端面44に当接し、第2突端面44に沿って移動する。これによって、コネクタ60は端子受容孔61に接続端子47が挿入される適正位置に案内される。突条51はガイド溝63に係合し、コネクタ60は適正位置に案内される。係止爪67を係止孔53に係合させることによって、コネクタ60はカーテシーランプ4に結合される。このとき、
図10に示されるように、コネクタ60は、第2突端面44及び第2挿入凹部横壁28に挟まれている。また、コネクタ60は接続端子47を介して基板6に接続されている。
【0056】
図2及び
図3に示されるように、収容部15の外面には、収容凹部17の開口縁に沿って係止爪70が複数設けられている。
図4に示されるように、カバー部材9は、透光性の樹脂によって形成された板状をなしている。カバー部材9の縁部には係合孔71が形成されている。係止爪70が係合孔71に係合することによって、カバー部材9は、収容凹部17の開口に結合する。
図2に示されるように、収容凹部17の開口がカバー部材9によって閉じられることによって、ホルダ部材7とカバー部材9とが協働し、基板6及び保持部材8を収容する収容室90が形成される。
【0057】
収容凹部17の開口縁には、
図6、
図7及び
図8に示されるように、開口方向に突出した複数の突起73が設けられている。
図3に示されるように、カバー部材9は突起73に当接し、カバー部材9と収容凹部17の開口縁との間には隙間が形成されている。隙間を介して、発光素子5から発生した熱を収容凹部17の外に逃がすことができる。
【0058】
カバー部材9は透光性の樹脂によって形成され、
図2及び
図5に示されるように、カバー側壁74と、カバー側壁74に略垂直に結合するカバー下壁75とを有している。カバー側壁74は無色透明であり、略方形をなしている。カバー側壁74の外面には赤色透明な着色部76が設けられている。
図1に示されるように、カーテシーランプ4がドアトリム3に取り付けられたときは、着色部76の外面はドアトリム3の側面に連続している。カバー下壁75は無色透明であり、略方形をなしている。カーテシーランプ4がドアトリム3に取り付けられたときは、カバー下壁75の外面はドアトリム3の下面に連続している。本実施形態ではカバー部材9は透光性の樹脂によって形成されていたが、カバー部材9は部分的に透光性を有していてもよい。
【0059】
カーテシーランプ4は、ねじ等の所定の部材を用いて、取付対象となるドアトリム3に固定されている。カーテシーランプ4にはコネクタ60が接続されている。ドアトリム3はドアパネル2に所定のボルトを用いて固定されている。車両用ドア1が閉じられている時には、X方向は車外側に向って斜め上方に向く方向となり、Y方向は車体に対して前後方向となっている。
【0060】
車両用ドア1が開かれたときには、ケーブル62を介して発光素子5に電力が供給され、発光素子5が発光する。発光素子5の発光によって、カーテシーランプ4のカバー側壁74は赤色に点灯する。これによって、カーテシーランプ4は後続車への警告灯として機能する。同時に、カーテシーランプ4のカバー下壁75は白色に点灯し、カーテシーランプ4は昇降する乗員の足元を照らす照明として機能する。
【0061】
次に、このように構成したカーテシーランプ4の効果について説明する。発光素子5は基板6に結合され、基板6は保持部材8と収容凹部底壁18とに挟持されている。そのため、発光素子5のがたつきが防止されている。
【0062】
また、カバー部材9によって、保持部材8、及び基板6が覆われている。また、収容凹部17に保持部材8、及び基板6が収められている。カバー部材9によって、収容凹部17の開口が閉じられている。それらによって、カーテシーランプ4に荷重が加わった場合においても、保持部材8及び基板6に直接荷重が加わらず、保持部材8及び基板6の破損が防止できる。
【0063】
組立時には、基板6を収容凹部17に斜めに挿入して第2短辺209を第2横壁20Bに対向するように配置した後に、基板6を回転させて第1短辺203を収容凹部17の底に向かって移動させ、基板6を収容凹部底壁18に接するように配置すればよい。このとき、第1係止突起37A及び第2係止突起37Bが同時に切欠部204を通過するため、基板6が第1係止突起37A及び第2係止突起37Bに干渉せず、基板6を容易に配置することができる。また、切欠部204が第1短辺203のみに設けられているため、第1短辺203及び第2短辺209に切欠部204が設けられる場合に比べて、基板6の剛性が高い。また、切欠部204が第1短辺203のみに設けられているため、基板6を容易に形成することができる。
【0064】
また、切欠部204が第1係止突起37A及び第2係止突起37Bが同時に通過可能であるため、基板6には第1係止突起37A及び第2係止突起37Bのそれぞれに対応する位置に切欠部204を形成する必要がない。そのため、基板6の形状が簡素になり、基板6を容易に形成することができる。
【0065】
切欠部204は基板6の外周縁に設けられているため、基板6を第1係止突起37A及び第2係止突起37Bに干渉することを避けるように容易に配置することができる。また、切欠部204が第1短辺203の略中央部分に設けられているため、第1短辺203に荷重が加わったときに第1短辺203の両端のうち一方に荷重が集中せず、基板6に荷重が不均一に加わりにくい。そのため、基板6が変形し難くなる。
【0066】
切欠部204は外枠35と収容凹部底壁18との間に位置している。そのため、切欠部204に物が衝突し難く、基板6が変形し難い。切欠部204が外枠35と収容凹部底壁18との間に挟持されているため、第1短辺203をより強固に外枠35と収容凹部底壁18との間に保持することができる。これによって、保持部材8を係止突起37と収容凹部底壁18との間に安定して保持することができる。
【0067】
基板6は保持部材8とホルダ部材7との間に挟持されているため、取り付けには、螺子等を必要とせず、取り付けが容易である。また、基板6は収容凹部底壁18に沿って配置されているため、基板6を破断させる荷重が加わりにくく、基板6の破損や移動が防止できる。
【0068】
通光孔39によって、発光素子5からの光が保持部材8によって妨げられることなく、収容凹部17の開口に到達する。また、保持部材8に通光孔39が形成されているため、板状に形成した場合に比べて、保持部材8が軽量である。また、横梁38が縦梁36を繋ぎ、外枠35に結合されていないため、外枠35がY方向に撓み易く、保持部材8の組み付けが容易である。
【0069】
接続端子47は、係止凹部底壁25と第1突端面43とに挟持されているため、接続端子47のホルダ部材7に対する移動を防止することができる。接続端子47を接着等によってホルダ部材7に固定する必要がなく、組み付けが容易である。
【0070】
突端部47Cは接続面45及び挿入凹部底壁26から突出している。よって、接続端子47はコネクタ挿入孔80の底壁の略中央から突出している。そのため、コネクタ60の端子受容孔61に接続端子47を嵌め合わせることができる。
【0071】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。第1横壁20A及び第2横壁20Bにそれぞれ2つずつの係止突起37が設けられていたが、3つ以上が設けられていてもよい。このとき、係止突起37の少なくとも2つが1つの切欠部204を同時に通過可能であるとよい。
【0072】
本実施形態では、ランプユニットはカーテシーランプ4に適用されていたが、これには限定されない。例えば、ランプユニットは、ヘッドライト、ウィンカー、フォグライト、テールライト、ブレーキライト、バックライト、ナンバー灯、ルームランプ等、車両用の各種ライトに適用されてもよい。また、ランプユニットは、自転車用ライト、懐中電灯等にも適用されてもよい。
【符号の説明】
【0073】
3 :ドアトリム(取付対象)
4 :カーテシーランプ(ランプユニット)
5 :発光素子
6 :基板
7 :ホルダ部材
8 :保持部材
9 :カバー部材
17 :収容凹部
18 :収容凹部底壁(底壁)
19 :収容凹部側壁(側壁)
35 :外枠
37 :係止突起(係合部)
90 :収容室
203 :第1短辺
204 :切欠部