(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】広告宣伝用走行装置
(51)【国際特許分類】
G09F 21/04 20060101AFI20220324BHJP
【FI】
G09F21/04 C
(21)【出願番号】P 2021065125
(22)【出願日】2021-04-07
【審査請求日】2021-05-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2021年1月18日から2021年2月17日(別紙のとおり)にかけて行ったZOOM商談(別紙のとおり)において公開。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521146676
【氏名又は名称】茗井 保郁
(73)【特許権者】
【識別番号】521146687
【氏名又は名称】株式会社TechVoice
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】茗井 モリス
(72)【発明者】
【氏名】茗井 保郁
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3042205(JP,U)
【文献】特開2004-151629(JP,A)
【文献】特開2012-048091(JP,A)
【文献】特開2013-023188(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0152295(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0030427(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 21/00-21/22
B62K 5/00- 5/10
B62J 9/00- 9/40
B62J 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席を有し、複数の車輪によって前方向に走行可能な走行体と、
前記走行体における前記運転席よりも後方の部分に搭載されると共に一対の側壁部、天壁部及び後壁部を含むコンテナと、
前記一対の側壁部の各々に設置され、表示面の向く方向が、前記前方向に対して直交しかつ互いに反対方向を向く一対のディスプレイと、
前記ディスプレイに対して給電する給電装置と、
を備え、
前記給電装置は、太陽電池モジュールを有し、
前記コンテナは、前記天壁部と前記後壁部とでなす出隅部が、後方にいくに従って下方向にいくように、前記天壁部に対して傾斜しており、
前記太陽電池モジュールは、前記天壁部から前記出隅部まで延びるように取り付けられている、
広告宣伝用走行装置。
【請求項2】
前記走行体は、三つの車輪を有しかつ駆動輪がモータ駆動である電動トライクである、請求項1記載の広告宣伝用走行装置。
【請求項3】
前記一対の側壁部の各々は、
前記ディスプレイの表示面に合わせた開口部と、
前記開口部を閉塞する透明板と、
を有し、
前記ディスプレイは、前記表示面が前記透明板の裏面に対向するように設置されている、請求項1又は請求項2に記載の広告宣伝用走行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告宣伝用走行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の広告宣伝用バイクが記載されている。この広告宣伝用バイクは、バイク本体の後部に所定長さの竿が立てられ、この竿の上端部に広告旗又は看板が取り付けられている。この特許文献1の広告宣伝用バイクを使用すれば、例えば、デリバリー中に広告宣伝を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の広告宣伝用バイクは、竿の上端部に広告旗又は看板が取り付けられているだけに過ぎず、広告旗又は看板が歩行者等の視覚から外れた位置にある上に、仮に広告旗等に気付いても、広告旗等に表示された内容が認識できず、適切な広告・宣伝効果が得られないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、走行中に、周囲の者に対して、広告・宣伝を効果的に行うことができる広告宣伝用走行装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る一態様の広告宣伝用走行装置は、運転席を有し、複数の車輪によって前方向に走行可能な走行体と、前記走行体において前記運転席よりも後方の部分から起立した一対の側壁部の各々に設置され、表示面の向く方向が、前記前方向に対して直交しかつ互いに反対方向を向く一対のディスプレイと、を備える。
【0007】
本発明に係る広告宣伝用走行装置では、上記態様において、前記走行体は、三つの車輪を有しかつ駆動輪がモータ駆動である電動トライクであることが好ましい。
【0008】
本発明に係る広告宣伝用走行装置では、上記態様において、前記ディスプレイに対して給電する給電装置を更に備え、前記給電装置は、太陽電池モジュールを有することが好ましい。
【0009】
本実施形態に係る広告宣伝用走行装置では、上記態様において、前記走行体における前記運転席よりも後方の部分に搭載されると共に前記一対の側壁部を含むコンテナを更に備え、前記コンテナは、天壁部と後壁部とでなす出隅部が、後方にいくに従って下方向にいくように、前記天壁部に対して傾斜しており、前記太陽電池モジュールは、前記天壁部から前記出隅部まで延びるように取り付けられていることが好ましい。
【0010】
本発明に係る広告宣伝用走行装置では、上記態様において、前記一対の側壁部の各々は、前記ディスプレイの表示面に合わせた開口部と、前記開口部を閉塞する透明板と、を有し、前記ディスプレイは、前記表示面が前記透明板の裏面に対向するように設置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る上記態様の広告宣伝用走行装置は、走行中に、周囲の者に対して、広告・宣伝を効果的に行うことができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明に係る一実施形態の広告宣伝用走行装置の側面図である。
【
図2】
図2は、同上の広告宣伝用走行装置の後方から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の広告宣伝用走行装置のコンテナの側壁部の、前後方向に直交する面での断面図である。
【
図4】
図4は、同上の広告宣伝用走行装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
(1)全体
本実施形態に係る広告宣伝用走行装置1は、
図1に示すように、走行面R1を前方向に走行可能な走行体2と、コンテナ3と、一対のディスプレイ4と、制御装置5(
図4)と、給電装置6と、を備える。一対のディスプレイ4の表示面41は、前方向に対して直交しかつに互いに反対方向を向く。
【0014】
このように、広告宣伝用走行装置1は、進行方向(前方向)に対して直交しかつ互いに反対方向に向く表示面41で画像(動画像を含む)を表示させながら、移動することができるため、例えば、画像として、宣伝・広告の画像を表示することで、歩道を歩行する者、車道を走行する車両や駐車場に停車する車両に搭乗する者等に対して、効果的に訴求をすることができる。
【0015】
広告宣伝用走行装置1は、単なる移動手段としての利用のほか、例えば、出前、宅配、郵便等の配送サービスにも利用することができる。これによって、広告宣伝用走行装置1の所有者が訴求したい物品又は/及びブランド、あるいは、広告主から依頼を受けて訴求する物品又は/及びブランドについての宣伝・広告を、物品を配送しながら行うことができる。
【0016】
ここでいう「走行面R1」とは、走行体2が走行し得る面を意味する。走行面R1としては、例えば、路面、地面、フロア面、線路等が挙げられる。また、走行面R1は、平面又は凹凸面のいずれであってもよい。また、走行面R1は、水平面又は勾配を有する面のいずれであってもよいが、本明細書では、説明の便宜上、水平面であるとして説明する。
【0017】
また「表示面41」とは、ディスプレイ4において、文字や図形等の出力画像が表示される領域を意味し、ベゼルを有するディスプレイ4の場合、ベゼルに囲まれた領域を指す。表示面41は、平面のほか、凹面であってもよい。
【0018】
また、本明細書でいう「画像」は、静止画及び動画像(映像)のいずれも含む。
【0019】
以下、本実施形態に係る広告宣伝用走行装置1について、詳細に説明する。
【0020】
(2)走行体
走行体2は、複数の車輪21によって、少なくとも前方向に沿って、走行面R1上を走行可能な乗り物である。走行体2は、運転席26を有しており、搭乗者が搭乗することができる。走行体2は、前方向に沿って移動し得るが、後方向に沿って移動することもできる。ここでは、通常の進行方向を「前方向」として定義し、その反対方向を「後方向」として定義する。
【0021】
走行体2は、2輪、3輪又は4輪のいずれであってもよいが、小回りが利き、かつ低速走行での安定性の観点から、3輪であることが好ましい。また、走行体2の駆動源は、人力であってもよいが、例えば、モータ(電動機)、エンジン、油圧モータ、エアモータ、水素燃料エンジン等であってもよい。駆動源の動力源としては、特に制限はなく、例えば、電気、ガソリン、水素、天然ガス、石炭等が挙げられる。
【0022】
本実施形態では、走行体2として、電気を動力源とするモータ(電力源)で車輪21を駆動する(要するに、モータ駆動である)電動トライクが用いられる。走行体として、電動トライクを用いることで、排気ガスの排出がなく、環境への負荷を減らすことはもちろん、宣伝・広告を行う対象の物品やブランドのイメージを損なうのを防ぐことができるし、よりクリーンなイメージを与えることができる。また、駆動源がモータであるため、騒音がなく、宣伝・広告を行う対象の物品やブランドのイメージを損なわないようにできるし、また、宣伝・広告の映像と共に流れる音を周囲の人に効果的に伝えることができる。
【0023】
走行体2は、
図1に示すように、複数の車輪21と、車体22と、駆動機構23と、屋根24と、ハンドル25と、を備える。
【0024】
車輪21は、走行面R1上に車体22を支持する。本実施形態では、車輪21は三つあり、前輪は従動輪(非駆動輪)であり、二つの後輪は駆動輪である。駆動輪は、駆動機構23に連結されている。本実施形態では、三つのうちの後ろ二つの車輪21が駆動輪であるが、前輪が駆動輪であってもよい。
【0025】
車体22は、車輪21によって支持される構造体である。車体22は、運転席26が設けられた前側車体221と、ディスプレイ4が設けられた後側車体222と、を備える。前側車体221は、後側車体222に対して、前後方向に沿う回転軸X1を中心に回転可能に連結されている。これによって、例えば、搭乗者がハンドル25を操作し、左右方向のいずれかに旋回しようとすると、前側車体221が走行面R1に対して当該方向に傾く。この結果、走行体2は、左右方向のいずれかに旋回することができる。
【0026】
駆動機構23は、駆動輪に対して、動力的に連結されている。駆動機構23の駆動源は、上述したように、モータである。駆動機構23は、後側車体222に搭載されている。特に図示しないが、モータから出力された回転力は、例えば、減速機、シャフト、トランスミッション等を伝って、一対の駆動輪に伝達される。
【0027】
屋根24は、運転席26を覆う。屋根24は、前側車体221の後端部から立ち上げられた柱体241と、前側車体221の前端部との間に掛け渡されている。屋根24は、前方向にいくほど下方向にいくように、走行面R1に対して傾斜している。屋根24は、外側に膨らむ曲面状に形成されている。屋根24は、前方の一部が透明であり、搭乗者の視界を遮らないように構成されている。なお、屋根24の全体が透明板332で構成されてもよい。
【0028】
ハンドル25は、走行体2の進行方向を操縦するための握りである。ハンドル25は、前輪を支持するフロントホーク251に連結されており、ハンドル25を操作することで、フロントホーク251のコラムの中心軸を中心にして、前輪を回転させることができる。
【0029】
(3)コンテナ
コンテナ3は、走行体2における運転席26よりも後方の部分(ここでは後側車体222)に搭載され、内部に収納スペースを有する。コンテナ3は、
図1に示すように、天壁部34と後壁部32とでなす出隅部35が、後方向にいくに従って下方向にいくように、天壁部34の上面に対して傾斜している。具体的には、出隅部35は、側面視曲面状に形成されている。コンテナ3は、前壁部31と、後壁部32と、一対の側壁部33と、天壁部34と、底壁部(不図示)と、上述の出隅部35と、を備える。
【0030】
前壁部31は、コンテナ3において前面の壁面をなす部分である。前壁部31は、前後方向に略直交する。後壁部32は、コンテナ3において後面の壁面をなす部分である。後壁部32は、前後方向に略直交しており、前壁部31に対して略平行である。後壁部32は、
図2に示すように、収納開口321と、当該収納開口321を開閉可能に閉じる扉322と、を有する。収納開口321は、後壁部32を貫通しており、収納開口321を通して、物品をコンテナ3内に収納したり、物品をコンテナ3から出したりすることができる。
【0031】
コンテナ3の内部には、後述の制御装置5が収納されている。制御装置5は、例えば、コンテナ3の収納開口321の近傍に設置されており、ディスプレイ4に表示させる画像を操作する際に操作しやすい位置に配置されている。
【0032】
側壁部33は、
図1に示すように、後側車体222から起立しており、前後方向に沿っている(要するに、左右方向に直交している)。一対の側壁部33は、互いに略平行である。各側壁部33は、
図3に示すように、ディスプレイ4の表示面41に合わせて開口した開口部331と、開口部331を閉塞する透明板332と、を備える。
【0033】
開口部331は、側壁部33を貫通している。開口部331は、略矩形状(正方形を含む)に形成されている。ただし、本発明では、開口部331は矩形状に制限されず、例えば、円形状、五角形状、三角形等に形成されてもよい。
【0034】
透明板332は、開口部331を閉塞し、開口部331の開口周縁が水密状態に保たれる。したがって、開口部331と透明板332との間から、雨水が浸入することが防止される。開口部331の開口周縁と透明板332とは、例えば、嵌め込み、パッキン(乾式/湿式)、コーキング、ラビリンス構造等により水密状態が保たれる。
【0035】
この透明板332の裏面(コンテナ3の内部側の面)には、
図3に示すように、ディスプレイ4の表示面41が対向している。透明板332とディスプレイ4の表示面41とは、近接していることが好ましく、接触していることがより好ましい。ディスプレイ4は、側壁部33の裏面(コンテナ3の内部側の面)に対して、例えば、断面クランク状の固定具333によって取り付けられている。側壁部33とディスプレイ4との取付けは、断面クランク状の固定具333に限らず、例えば、接着、吊り下げ、ねじ止め、ピン止め等によって実現されてもよい。
【0036】
透明板332としては、特に制限はなく、例えば、アクリル板、ポリカーボネート板、ガラス板、塩化ビニル板、PET(polyethylene terephthalate)等が挙げられる。本実施形態では、アクリル板が用いられる。ここでいう「透明」とは、透明板332が、当該透明板332を通してディスプレイ4の表示が見える程度の透過率を有することを意味する。本実施形態では、例えば、透過率が5%以上であれば「透明」であり、いわゆる半透明な素材も「透明」の範疇である。ただし、透明板332としては、透過率が高いほど視認性が高いため好ましい。
【0037】
天壁部34は、コンテナ3の上面を構成する。天壁部34は、水平面に沿っており、上方を向く。天壁部34及び出隅部35には、後述の太陽電池モジュール62が取り付けられている。コンテナ3の天壁部34と後壁部32とでなす出隅部35が、天面部34に対して傾斜しているため、歩行者等に対して、太陽電池モジュール62の存在を視認させることができる。これによって、広告宣伝用走行装置1に対して、歩行者等はクリーンなイメージを持ち、この結果、宣伝・広告を行う対象の物品やブランドに対するイメージを向上させることができる。
【0038】
(4)ディスプレイ
ディスプレイ4は、制御装置5の出力として、例えば、図形、文字等を表示面41に表示させる装置である。ディスプレイ4の表示面41の向く方向は、
図1に示すように、前後方向に対して直交し、かつコンテナ3の内側から外側に向かう方向である。したがって、一対のディスプレイ4は、互いに反対方向を向いている。本明細書では、進行方向に対して左側にあるディスプレイ4を「第一ディスプレイ4A」といい、右側にあるディスプレイ4を「第二ディスプレイ4B」という場合がある。
【0039】
ここでいう「表示面41の向く方向」とは、表示面41の法線のうちの表示面41の中心(図心)を通る法線に沿った方向を意味する。ただし、本発明において「一対のディスプレイ4が互いに反対方向を向く」とは、厳密な意味で「反対方向」を意味するのではなく、走行体2の進行方向に対して両側にいる者が、各ディスプレイ4を視認できる向きで設置されていればよい。一対のディスプレイ4の表示面41の向く方向同士のなす角が、180°でなくてもよく、例えば、180°±20°であっても、「一対のディスプレイ4が互いに反対方向を向く」範疇である。
【0040】
ディスプレイ4としては、特に制限はなく、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、ブラウン管等が挙げられる。ディスプレイ4の表示面41の大きさは、特に制限はないが、例えば、40インチ以上が好ましく、より好ましくは、50インチ以上であり、更に好ましくは55インチである。
【0041】
ディスプレイ4の表示面41の高さは、走行面R1と表示面41の下端との間の寸法が300mm以上であることが好ましく、より好ましくは、400mm以上であり、更に好ましくは450mm以上である。一方、走行面R1と表示面41の上端との間の寸法は、2000mm以下であることが好ましく、より好ましくは1900mmであり、更に好ましくは1850mmである。これによって、周囲にいる歩行者等の目線に対し、ディスプレイ4の表示面41を適切な位置に配置することができ、効果的な宣伝・広告を行うことができる。
【0042】
(5)制御装置
制御装置5は、ディスプレイ4の表示を制御する。制御装置5は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを主構成とするコンピュータにより構成される。制御装置5の各種機能は、マイクロコントローラのメモリに記録されたプログラムを、マイクロコントローラのプロセッサが実行することにより実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0043】
制御装置5は、
図4に示すように、画像入力部51と、画像制御部52と、音声制御部53と、を備える。
【0044】
画像入力部51は、ディスプレイ4に表示される画像データを制御装置5に入力する入力インターフェースである。画像入力部51は、例えば、記録媒体に記録された画像データを入力するものであってもよいし、インターネットを介して有線又は無線により受信した画像データを入力するものであってもよい。画像入力部51としては、特に制限はなく、例えば、HDMI(登録商標)、USB端子、LAN端子、SD-SDI、HD(1.5G)-SDI、3G-SDI、6G-SDI、12G-SDI、Bluetooth(登録商標)受信機、Wi-Fi(登録商標)受信機、SDカードリーダ等が挙げられる。
【0045】
画像制御部52は、画像入力部51に入力された画像データを用いて、ディスプレイ4に画像を表示させる。画像制御部52は、本実施形態では、第一ディスプレイ4Aと第二ディスプレイ4Bとで同じ画像を表示させるが、互いに異なる画像を表示させてもよい。
【0046】
また、画像制御部52は、一のディスプレイ4において分割して複数の画像を表示させることができてもよいし、一の画像の中に他の画像を表示させる、いわゆるピクチャ・イン・ピクチャを実行することができてもよい。
【0047】
また、画像制御部52は、広告宣伝用走行装置1に明るさセンサを設け、明るさセンサから得た電気信号に基づいて、画像の輝度、明度又は/及び彩度を調整するように制御してもよい。例えば、画像制御部52は、昼間に走行する際、高輝度に調整し、夜間に走行する際、低輝度に調整するように制御する。
【0048】
音声制御部53は、ディスプレイ4の表示に合わせて音声を出力するように、スピーカ7を制御する。音声制御部53は、画像入力部51に入力された画像データに記録された音声データを抽出し、画像制御部52と協働して、画像に合わせて音声を出力する。
【0049】
音声制御部53は、画像入力部51に入力された画像データに対して音声データが記録されていない場合には、音声の出力をしなくてもよいが、別途、メモリやインターネットを介して取得した音声データに基づいて音声の出力を行ってもよい。本明細書でいう「音声」には、例えば、音楽、人の声、機械音、衝撃音、動物の鳴き声、虫の音等、種々の音が含まれる。
【0050】
スピーカ7は、
図1に示すように、各側壁部33においてディスプレイ4の下方(ディスプレイ4と車体22との間)に設置されている。スピーカ7は、防水仕様であることが好ましい。
【0051】
(6)給電装置
給電装置6は、制御装置5及びディスプレイ4に対して給電する。給電装置6は、
図4に示すように、バッテリ61と、太陽電池モジュール62と、を備える。
【0052】
バッテリ61は、外部から得た電気的エネルギーを蓄え、必要に応じて、起電力として取り出す装置である。バッテリ61は、車体22に設置されていてもよいし、コンテナ3内に設置されてもよい。また、バッテリ61は、走行体2のバッテリ61と共用してもよいし、個別に用いられてもよい。バッテリ61は、充電する際、広告宣伝用走行装置1から取り外してもよいし、走行体2に設けられた充電プラグを用いた給電によって充電されてもよい。なお、走行体2の給電プラグは、
図1の符号8の内部に収納されており、引き出して使用することができる。
【0053】
太陽電池モジュール62は、バッテリ61、制御装置5、ディスプレイ4、又は/及び走行体2に対して電力を供給する。太陽電池モジュール62は、パネル状に形成されており、
図2に示すように、コンテナ3の天壁部34の上面(天面)に沿って設置されている。これによって、広告宣伝用走行装置1の走行中にも、バッテリ61を充電したり、ディスプレイ4に給電したりすることができ、バッテリ61の省電力化を図ることができ、走行中にバッテリ61の電圧が低下してディスプレイ4が表示できなくなるのを防ぐことができる。
【0054】
また、太陽電池モジュール62は、
図2に示すように、天壁部34から出隅部35にかけて設けられている。このため、歩行者は、広告宣伝用走行装置1の後方から、太陽電池モジュール62の存在を視認することができる。本実施形態では、太陽電池モジュール62は、出隅部35の全体(すなわち後壁部32の上端)にまで延びているが、出隅部35の途中まで延びてもよい。
【0055】
<変形例>
上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0056】
上記実施形態に係る走行体2は、一つの前輪と、二つの後輪からなる電動トライクであるが、本発明では、二つの前輪と一つの後輪からなる、いわゆる逆トライクであってもよい。また、オートバイ(2輪)、四輪バギー、自動車等であってもよい。
【0057】
上記実施形態に係るコンテナ3は、開口部331と、開口部331を閉塞する透明板332とを備え、ディスプレイ4の表示を、透明板332を通して、周囲の者に見せたが、本発明では、開口部331からディスプレイ4の表示面41を露出し、ディスプレイ4の表示を直接的に周囲の者に見せてもよい。また、ディスプレイ4は、コンテナ3の側壁部33の表面に対して取り付けてもよい。側壁部33の表面に対するディスプレイ4の取付けは、例えば、フックによる吊り下げ、接着、アーム等を介した取り付け、ねじ止め等により実現されてもよい。
【0058】
上記実施形態に係る側壁部33は、パネル状に形成されているが、例えば、枠状体、一対のポール、網状体(例えば、パンチングメタル、エキスバンドメタル)等で構成されてもよい。
【0059】
上記実施形態に係る広告宣伝用走行装置1は、制御装置5を備えたが、例えば、ポータブルメディアプレイヤー、ノートPC、スマートフォン等の機器を接続可能な端子を設け、必要に応じて機器を接続し、当該機器を制御装置5として使用してもよい。
【0060】
上記実施形態に係る広告宣伝用走行装置1では、天壁部34と後壁部32とでなす出隅部が、側面視で曲面状に形成されていたが、天壁部34に対して傾斜していれば、側面視で平面状であってもよいし、凹曲面状であってもよい。
【0061】
本明細書にて、「略平行」、又は「略直交」のように「略」を伴った表現が、用いられる場合がある。例えば、「略直行」とは、実質的に「直行」であることを意味し、厳密に「直行」な状態だけでなく、数度程度の誤差を含む意味である。言い換えると「直行」と表記する場合があるが、略直行と同じ意味である。他の「略」を伴った表現についても同様である。
【0062】
また、本明細書において「端部」及び「端」などのように、「…部」の有無で区別した表現が用いられている。例えば、「端」は物体の末の部分を意味するが、「端部」は「端」を含む一定の範囲を持つ域を意味する。端を含む一定の範囲内にある点であれば、いずれも、「端部」であるとする。他の「…部」を伴った表現についても同様である。
【符号の説明】
【0063】
1 広告宣伝用走行装置
2 走行体
21 車輪
26 運転席
3 コンテナ
33 側壁部
331 開口部
332 透明板
4 ディスプレイ
41 表示面
6 給電装置
62 太陽電池モジュール
【要約】
【課題】走行中に、周囲の者に対して、広告・宣伝を効果的に行うことができる広告宣伝用走行装置を提供する。
【解決手段】広告宣伝用走行装置1は、運転席26を有し、複数の車輪21によって前方向に走行可能な走行体2と、前記走行体2において前記運転席26よりも後方の部分から起立した一対の側壁部33の各々に設置され、表示面41の向く方向が、前記前方向に対して直交しかつ互いに反対方向を向く一対のディスプレイ4と、を備える。
【選択図】
図1