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<図1>
  • 特許-繊維シート集合体の製造装置 図1
  • 特許-繊維シート集合体の製造装置 図2
  • 特許-繊維シート集合体の製造装置 図3
  • 特許-繊維シート集合体の製造装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】繊維シート集合体の製造装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/16 20060101AFI20220324BHJP
   B29C 70/06 20060101ALI20220324BHJP
   D06H 5/00 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
B29C65/16
B29C70/06
D06H5/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018076168
(22)【出願日】2018-04-11
(65)【公開番号】P2019181820
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-03-31
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成25年度、国立研究開発法人科学技術振興機構 研究成果展開事業 センター・オブ・イノベーションプログラム「革新材料による次世代インフラシステムの構築~安全・安心で地球と共存できる数世紀社会の実現~」委託研究開発、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】593165487
【氏名又は名称】学校法人金沢工業大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】鵜澤 潔
(72)【発明者】
【氏名】関戸 俊英
(72)【発明者】
【氏名】山岡 圭一
【審査官】坂口 岳志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-217895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00-65/82
B29C 70/00-70/88
B29C 63/00-63/48
B29B 11/16
B29B 15/08-15/14
C08J 5/04- 5/10
C08J 5/24
D06H 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂によりテープ状に纏められた繊維シートを供給する供給機構と、上記供給機構から供給された多数の繊維シートを搬送する搬送機構と、上記搬送機構によって搬送される多数の繊維シートに向けてレーザ光を照射するレーザ光照射機構とを備え、
上記供給機構は、駆動装置によって振動される振動フィーダを有し、当該振動フィーダの先端部より上記搬送機構上に繊維シートを落下させることによって上下に積み重なって不規則に配置された状態で繊維シートを搬送機構上に供給するようになっており
上記レーザ光照射機構は、上記搬送機構上の繊維シートにレーザ光を照射して、上下に不規則に積み重なった上記繊維シート同士を接合することにより、複数の繊維シートからなる繊維シート集合体を形成することを特徴とする繊維シート集合体の製造装置。
【請求項2】
上記繊維シートの搬送方向に沿って上記レーザ光照射機構によって繊維シートにレーザ光を照射する領域とレーザ光照射機構によってレーザ光を照射しない領域とが設けられるようになっており、該レーザ光を照射しない領域によって搬送方向に分割された所要長さの繊維シート集合体が形成されることを特徴とする請求項1に記載の繊維シート集合体の製造装置。
【請求項3】
上記搬送機構は、上記レーザ光照射機構の下流側に、レーザ光が照射された繊維シートの上面のみを保持して搬送する上面保持手段を備えており、該上面保持手段で繊維シート集合体を搬送する間に、上記繊維シート集合体の下面から未接合の繊維シートが脱落されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の繊維シート集合体の製造装置。
【請求項4】
上記搬送機構の搬送経路に沿って上記レーザ光の照射位置の隣接上流位置および隣接下流位置に、上記搬送機構上の層状の繊維シートを圧縮押圧する押圧手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の繊維シート集合体の製造装置。
【請求項5】
上記押圧手段は、上記搬送機構の搬送方向に直交させて配置した複数の押圧ローラから構成され、
上記レーザ光照射機構は、上記複数の押圧ローラ間に設けられた間隙から上記レーザ光を繊維シートに向けて照射することを特徴とする請求項4に記載の繊維シート集合体の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は繊維シート集合体の製造装置に関し、より詳しくは、樹脂によりテープ状に纏められた繊維シートを上下に積み重ねて不規則に配置させ、該繊維シートを加熱して繊維シート同士を接合することにより、複数の繊維シートからなる繊維シート集合体を形成する繊維シート集合体の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、繊維シート集合体の製造装置として、搬送コンベヤ上の短冊状の繊維シートを保持して移送するロボットと、該ロボットに保持された繊維シートにレーザ光を照射して加熱するレーザ発振器とを備えたものが知られている。(特許文献1)
上記ロボットは、搬送コンベヤ上の繊維シートを保持して該繊維シートをトレイ上にある下方側の繊維シートに重ね合わせる。その状態でロボットに保持された繊維シートにレーザ光が照射されて加熱されるとともに、該繊維シートが下方へ押圧され、それによりロボットに保持された繊維シートの一部が溶融して、下方側の繊維シートに溶着される。この積層作業が繰り返されて複数の繊維シートからなる繊維シート集合体が製造される。
【0003】
また従来、上下に積み重なって不規則に配置された繊維シートを加熱して繊維シート同士を接合することにより、複数の繊維シートからなる繊維シート集合体を形成する繊維シート集合体の製造装置も知られている。(特許文献2)
特許文献2においては、その図1に示されているように、先ず布地1をスリッタ及びカッタ2により所定の形状に切断して繊維シート(布地パッチ)3を製造し、次に切断した繊維シート3をタンブラー4によって不規則にコンベヤベルト6上に落下させ、さらに該コンベヤベルト6上の不規則な状態の繊維シート3を吸引ヘッド8によって吸引している。
特許文献2においては、上記吸引ヘッド8によって吸引した繊維シート3をその後どのように処理するのかは具体的には記載されていないが、繊維シートを不規則に配置し、次に繊維シートを成形機の周りに層状に分布させ、さらに樹脂を活性化して繊維シート同士を接合するという工程が記載されている。したがって、上記吸引ヘッド8によって不規則な状態で吸引した繊維シートを成形機の周りに配置し、次にその状態で成形機により加熱して繊維シート同士を接合するようにしているものと解される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-217895号公報
【文献】特表2006-501085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の製造装置においては、ロボットで保持した繊維シートをトレイ上にある下方側の繊維シートに重ね合わせ、その状態でレーザ光を加熱して繊維シート同士を接合するようにしているので、繊維シートの繊維方向を正確にコントロールした状態で確実に繊維シート同士を接合することができても、大量生産に向く製造装置ではなかった。
また特許文献2の製造装置においては、上記吸引ヘッド8によって不規則な状態で吸引した繊維シートを成形機の周りに配置してから、それを加熱するようにしているので、やはり大量生産に向く製造装置ではなかった。
本発明はそのような事情に鑑み、従来に比較して繊維シート集合体を大量生産することが可能な繊維シート集合体の製造装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、樹脂によりテープ状に纏められた繊維シートを供給する供給機構と、上記供給機構から供給された多数の繊維シートを搬送する搬送機構と、上記搬送機構によって搬送される多数の繊維シートに向けてレーザ光を照射するレーザ光照射機構とを備え、
上記供給機構は、駆動装置によって振動される振動フィーダを有し、当該振動フィーダの先端部より上記搬送機構上に繊維シートを落下させることによって上下に積み重なって不規則に配置された状態で繊維シートを搬送機構上に供給するようになっており
上記レーザ光照射機構は、上記搬送機構上の繊維シートにレーザ光を照射して、上下に不規則に積み重なった上記繊維シート同士を接合することにより、複数の繊維シートからなる繊維シート集合体を形成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、各繊維シートを上下に積み重なって不規則に配置された状態で上記搬送機構によって搬送させ、その状態で搬送機構上の繊維シートにレーザ光を照射することにより、上下に積み重なった上記繊維シート同士を接合させて繊維シート集合体を形成するようにしているので、従来の製造装置に比較して繊維シート集合体を大量に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例を示す正面図。
図2図1の平面図。
図3】レーザ照射機構11を示す詳細図。
図4】レーザ光Lの照射状態を説明する平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1図2において、繊維シート1は単一方向のみに繊維が並ぶように配置された例えばカーボン繊維を熱可塑性樹脂でテープ状に纏めて成形されており、ホッパ2内に多数収容されている。
上記繊維シート1はいわゆるUD(Uni Directional(単一方向配向))炭素繊維であり、単一方向のみに無数の炭素繊維が配置されており、それらをナイロン樹脂などの熱可塑性樹脂によりテープ状に纏めて成形されたものとなっている。
上記炭素繊維としては、東レ株式会社製トレカ(登録商標)T700×12K、長さ10~50mmを用いることができ、また炭素繊維の他にも、ガラス繊維、SiC繊維、ボロン繊維等を用いても良い。
また繊維シート1の熱可塑性樹脂としては、ナイロン樹脂の他、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、PPS樹脂、PEEK樹脂、PEKK樹脂、ポリカーボネイト樹脂等もよく、半硬化のエポキシ樹脂やビニルエステル樹脂等を用いても良い。
上記ホッパ2内の繊維シート1は、該ホッパ2の下端開口から所定量ずつ振動フィーダ3上に落下供給され、さらに該振動フィーダ3から搬送機構4上に落下供給されるようになっている。
上記振動フィーダ3はホッパ2の下方から搬送機構4に向けて下方に傾斜しており、図示しない駆動装置により搬送方向、直交方向、前後方向並びに上下方向に振動されて繊維シート1を搬送機構4に向けて前進させ、該振動フィーダ3の先端部より搬送機構4上に多数の繊維シート1を不規則な状態で、かつ層状に落下させることができるようになっている。
本実施例では上記ホッパ2と振動フィーダ3とによって、繊維シート1を搬送機構4に供給する供給機構5が構成されている。
【0010】
上記搬送機構4は、上流側から下流側へ第1コンベヤ6、第2コンベヤ7および第3コンベヤ8を直列に配置した構成を備えており、上記振動フィーダ3からの繊維シート1は最上流側の第1コンベヤ6上に落下供給されるようになっている。
上記第1コンベヤ6は駆動ローラ9と従動ローラ10との間に無端状に水平に掛け渡されており、上記駆動ローラ9は駆動モータ11によって回転駆動されて、第1コンベヤ6の上側部分6aの上面で繊維シート1を不規則に積層した状態で図1図2の右方向に搬送することができるようになっている。
上記第1コンベヤ6の搬送方向中央部位置には、上記層状の繊維シート1を上下方向に圧縮押圧する上下各一対の押圧ローラ15を設けてある。上下各一対の押圧ローラ15はそれぞれ樹脂又は金属で構成してあり、両者間で繊維シート1とこれを載置した第1コンベヤ6の上側部分6aとを挟んで層状の繊維シート1を圧縮押圧できるようになっている。
図示実施例では上下各一対の押圧ローラ15を搬送方向に6組配置してあり、各押圧ローラ15は図示しないギヤ又はチェーンとモータとで構成される駆動機構16(図2)によって繊維シート1を搬送する方向に回転駆動されるようになっている。
上記6組の押圧ローラ15は3組ずつを等間隔に配置してあり、かつ搬送方向上流側の3組の押圧ローラ15と搬送方向下流側の3組の押圧ローラ15との間は間隔を大きくとって、その大きな間隔を介してレーザ光照射機構17から発振されたレーザ光Lを層状の繊維シート1の上面に照射することができるようにしてある。
【0011】
上記レーザ光照射機構17は、図3に示すように、レーザ発振器18、コリメータ19、ガルバノミラー20およびfθレンズ21を1組として、これを4組備えており、レーザ発振器18から発振されたレーザ光Lはコリメータ19によって平行にされ、さらにガルバノミラー20によって繊維シート1の搬送方向と直交する左右方向に振られるようになり、また上記fθレンズ21はガルバノミラー20によって振られたレーザ光Lの焦点fの位置を一定高さに保つようになっている。
上記レーザ発振器18は、熱可塑性樹脂への吸収性が良好な800nm~5μmの波長域を有するレーザ光Lを発振することができるものが好ましく、ファイバーレーザ発振器や半導体レーザ発振器を用いることができる。またその出力は、熱可塑性樹脂の種類や、製造しようとする繊維シート集合体の厚さなどによって適宜選択すればよい。
【0012】
上記fθレンズ21によるレーザ光Lの焦点fの位置は、第1コンベヤ6上の繊維シート1の上面よりも所定距離だけ離した上方位置に設定してあり、それによって繊維シート1および第1コンベヤ6を損傷させることがないようにしてある。
上記第1コンベヤ6はレーザ光Lによって損傷を受けることがないように金属製のベルトコンベヤによって構成することが好ましいが、上述したようにレーザ光Lの焦点fの位置を第1コンベヤ6の上面から離してあるので、耐熱性のある樹脂やゴムのベルトコンベヤによって構成してもよい。
上記4つのレーザ発振器18は、いずれも第1コンベヤ6による繊維シート1の搬送と同期してレーザ光Lを発振するようになっており、また各ガルバノミラー20もそれらと同期して作動されるようになっている。
これにより図4に示すように、レーザ光Lは前進される繊維シート1に対して4列でそれぞれジグザグ状に照射されるようになり、これによって各繊維シート1の熱可塑性樹脂が溶融されて各繊維シート1同士が相互に接着されて繊維シート集合体1Aが形成されるようになる。
この際、層状の繊維シート1は上流側の3組の押圧ローラ15によって相互に押圧されているので、上記レーザ光Lを照射することによって密着した状態で接着されるようになり、またレーザ光Lの照射後も下流側の3組の押圧ローラ15によって継続して相互に押圧されるので、確実に密着した状態で接着されるようになる。
【0013】
上述したように、レーザ光Lは繊維シート1に対して4列でそれぞれジグザグ状に照射されるが、本実施例では所定の長さ分の領域だけレーザ光Lを繊維シート1に照射したら、レーザ光Lを照射しない領域Zを設けるようにしており、この照射しない領域Zによって搬送方向前後の照射領域部分すなわち接着領域部分を相互に分割することができるようにしている。これにより所定長さの照射領域部分による所定長さの繊維シート集合体1Aが得られるようになる。
なお、図4に示す実施例では4列のジグザグ状の照射位置を幅方向(搬送方向と直交する方向)で相互に所要の間隔をあけるように設定しているが、互いに密着もしくは重合するようにレーザ光Lを照射してもよい。また4つのレーザ発振器18を設けることなく、1つのレーザ発振器18からのレーザ光を分光して複数のガルバノミラー20に導くようにしてもよい。
【0014】
次に、上記搬送機構4を構成する第2コンベヤ7は第1コンベヤ6の下流側に連続して設けてあり、該第2コンベヤ7は第1コンベヤ6によって搬送されてきた繊維シート1若しくは繊維シート集合体1Aの上面を吸着保持して搬送することができるようになっている。
第2コンベヤ7は駆動ローラ25と従動ローラ26との間に無端状に水平に掛け渡されており、第2コンベヤ7の下側部分7bが第1コンベヤ6によって搬送されてきた繊維シート集合体1Aの上面の高さに一致するように配置してある。
上記第2コンベヤ7は吸引穴が多数形成されたベルトコンベヤ又はメッシュコンベヤから構成されており、第2コンベヤ7の上側部分7aと下側部分7bとの間に吸引ボックス27を設けて該吸引ボックス27の下面を第2コンベヤ7の下側部分7bの上面に摺接するように配置してある。
上記吸引ボックス27内には負圧源30(図2)から負圧を導入するとともに、吸引ボックス27の下面に多数の吸引穴を形成し、それによって第2コンベヤ7の下側部分7bの下面に繊維シート1を吸着保持できるようにしてある。すなわち上記吸引ボックス27と負圧源30とによって、レーザ光が照射された繊維シート1の上面のみを保持して搬送する上面保持手段を構成してある。
上記駆動ローラ25は駆動モータ28によって回転駆動されて、第2コンベヤ7の下側部分7bに吸着保持した繊維シート1を図1図2の右方向に搬送することができるようになっている。
【0015】
上記第2コンベヤ7の下方には回収ボックス29を設けてあり、上記第2コンベヤ7の下側部分7bに吸着保持されて搬送される繊維シート集合体1Aから、上記レーザ光Lによって接着されなかった繊維シート1を落下させて回収ボックス29で回収できるようにしてある。
この際、上述したレーザ光Lを照射しない領域Zから落下される繊維シート1も回収ボックス29で回収するようになっており、該領域Zから繊維シート1を落下させることにより、搬送方向に連続した繊維シート1を所定長さの繊維シート集合体1Aに分割させることができるようになっている。
なお、上記吸引ボックス27に該吸引ボックス27を振動させる振動手段を設けたりエアを吹き付けたりして、接着されていない繊維シート1を良好に振るい落とすことができるようにすることが好ましい。また、回収ボックス29で回収した繊維シート1は、図示しない搬送手段によってホッパ2に循環供給することができるようにしてもよい。
【0016】
上述のようにして分離されて第2コンベヤ7によって搬送される繊維シート集合体1Aは、該第2コンベヤ7から第3コンベヤ8に受け渡される。
上記第3コンベヤ8は第1コンベヤ6と同様に、駆動ローラ33と従動ローラ34との間に無端状に水平に掛け渡されており、上記駆動ローラ33は駆動モータ35によって回転駆動されて、第3コンベヤ8の上面で繊維シート集合体1Aを図1図2の右方向に搬送することができるようになっている。
上記第3コンベヤ8の下流側には、ロボットなどの搬出機構36を設けてあり、該搬出機構36は第3コンベヤ8によって搬送されてきた繊維シート集合体1Aを吸着保持して第3コンベヤ8に隣接させて設けた回収テーブル37上に搬出することができるようになっている。
【0017】
なお、上記回収テーブル37は、繊維シート集合体1Aを処理する図示しない処理装置に繊維シート集合体1Aを供給する供給コンベヤであってもよく、或いは搬出機構36を省略して、第3コンベヤ8を上記供給コンベヤとして用いることも可能である。
また、上記実施例ではレーザ光Lを照射しない領域Zを設けるようにしているが、その代わりにカッタを設けて連続した繊維シート集合体1Aを切断するようにしてもよく、或いは上記振動フィーダ3よる供給を一時的に停止して、予めピッチをあけた状態で繊維シート1を供給するようにしてもよい。
さらに上記実施例では複数の押圧ローラ15によって層状の繊維シート1を押圧圧縮させるようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば第1コンベヤ6に同期追従するプッシャを設けてもよい。すなわち該プッシャを第1コンベヤ6の搬送方向に同期させて移動させながら下降させて繊維シートを押圧させ、次に上昇させて元の下降開始位置まで復帰させてこれを繰り返すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0018】
1 繊維シート 4 搬送機構
5 供給機構 15 押圧ローラ
17 レーザ光照射機構 27 吸引ボックス(上面保持手段)
L レーザ光 Z 領域
図1
図2
図3
図4