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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220324BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018070582
(22)【出願日】2018-04-02
(65)【公開番号】P2019180455
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊東 秀城
(72)【発明者】
【氏名】島崎 徳人
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲平
【審査官】本村 眞也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-190071(JP,A)
【文献】特開2016-101453(JP,A)
【文献】特開2005-124928(JP,A)
【文献】特開2015-119905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04;7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定条件の成立を契機として当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定手段による当否判定結果を報知する演出が実行されていないときに、外国語を含む複数種の言語のうちから遊技者に好みの言語を選択させる言語選択画面を表示装置に表示させることが可能な表示制御手段と、
記当否判定手段による当否判定結果を報知する演出の少なくとも一部を、前記言語選択画面において選択された言語を用いて実行する演出実行手段と、
を備え
所定の遊技仕様を遊技者が任意にカスタマイズすることが可能であり、
前記言語選択画面において複数種の言語のうちのいずれかが新たに選択されたときには、前記遊技仕様が初期仕様にリセットされることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
日本語が理解できない外国人向けの遊技機が種々提案されている。下記特許文献1には、リーチ状態になると任意の言語を選択することが可能となる遊技機が記載されている。しかし、そもそも外国人は、基本的な遊技方法すら知らないことが想定されるから、リーチ状態となって言語選択が可能となるのは問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-42323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、幅広い遊技者が遊技を楽しむことが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、所定条件の成立を契機として当否判定を実行する当否判定手段と、前記当否判定手段による当否判定結果を報知する演出が実行されていないときに、外国語を含む複数種の言語のうちから遊技者に好みの言語を選択させる言語選択画面を表示装置に表示させることが可能な表示制御手段と、前記言語選択画面において外国語が選択された場合には、前記当否判定手段による当否判定結果を報知する演出の少なくとも一部を、前記言語選択画面において選択された外国語を用いて実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機によれば、幅広い遊技者が遊技を楽しむことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかる遊技機の正面図である。
図2】表示領域に表示される識別図柄を示した図である。
図3】言語選択方法を示した図である。
図4】選択言語による演出が発生することを説明するための図である。
図5】選択言語による演出が発生することを説明するための図であり、外国語選択時には日本語と併せて選択された外国語が表示される例を示した図である。
図6】選択言語による演出が発生することを説明するための図であり、日本語の音声で出力されるものが外国語選択時には外国語で表示される例を示した図である。
図7】第一具体例を説明するための図(その一)である。
図8】第一具体例を説明するための図(その二)である。
図9】第二具体例を説明するための図である。
図10】第三具体例を説明するための図である。
図11】第六具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、各図においては、表示領域911を大まかに記載するが、その形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0011】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0012】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0013】
大当たりの抽選(当否判定)は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口が複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。大当たりに当選した場合には大当たり遊技が実行される。大当たり遊技は、大入賞口906が頻繁に開放状態となり、遊技者が多くの遊技球(いわゆる出玉)を獲得することができるものであって、公知の遊技機と同様であるため詳細な説明を省略する。獲得できる遊技球の期待値が異なる複数種の大当たり遊技が設定されていてもよい。本実施形態では、表示装置91の表示領域911に表示される識別図柄70(図2参照。なお、図2以外においては識別図柄70の図示を省略する)の組み合わせによって当否判定結果が遊技者に報知される。また、図示しないが、表示領域911には、周知の「保留」の存在を示す保留図柄等が表示されるようにしてもよい。
【0014】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0015】
本実施形態にかかる遊技機1は、複数種の言語のうちから遊技者が好みの言語を選択することができる言語選択機能を備える。以下、当該言語選択機能について詳細に説明する。本実施形態における言語選択機能は、実際に遊技が実行されているときに利用することができる(任意の言語を選択することができる)ものではない。具体的には、当否判定結果を報知する演出が実行されている(識別図柄70が変動中である)ときには利用することができない。本実施形態では、待機状態にあるときに当該機能を利用することができる。待機状態は、全ての当否判定結果の報知が完了した状態(全ての保留が消化された状態)から所定時間経過することにより待機状態に移行する。
【0016】
待機状態においては、遊技に関する各種設定(仕様)を遊技者の好みのものにすることができるカスタマイズ機能を利用することができる。言語選択機能は、当該カスタマイズ機能の一種として設定されたものである。本実施形態では、日本語、英語、中国語のうちから好みの言語を選択することができる。当該言語種類の数は適宜増減可能である。言語選択機能を利用する際には、待機状態にて言語選択画面10を表示させる。なお、本実施形態における言語選択画面10は静止画であるが、動画であってもよい(以下、画面(画像)というときは、静止画、動画の両方を含むものとする)。当該言語選択画面10を表示させるまでの手順はどのようなものであってもよいが、本実施形態では外国人(日本語が不得手な遊技者)も言語選択画面10に辿り着くことができるよう工夫されている。具体的には以下の通りである。
【0017】
カスタマイズ機能を利用したい場合、待機状態において第一操作手段81(本実施形態では押しボタンである)を操作する(図3(a)参照)。第一操作手段81の操作が検出されると、各種カスタマイズ機能を示すリストの表示がなされる(図3(b)参照)。当該リストの一つとして「言語選択」というリストが設定されており、当該リストを選択して決定する。これにより、言語選択画面10が表示される(図3(c)参照)。リストの選択(カーソルの移動)は第二操作手段82(本実施形態では十字キーである)を操作して行い、決定は第一操作手段81を操作することにより行う。具体的に図示はしないが、本実施形態では、待機状態において、第一操作手段81を操作することによりカスタマイズ機能を利用することができることや、各種リストには、外国語による説明が付記されている。本実施形態は、外国語として英語、中国語が選択可能であるため、両言語による説明が付記される。例えば、「言語選択」のリストには、英語による説明として「Language」の文字が付記される。このように、本実施形態では、言語選択画面10に辿り着くまでの手順自体が外国語で説明されているから、外国人(英語または中国語を理解できる人)であっても言語選択画面10に容易に辿り着くことが可能である。
【0018】
言語選択画面10(図3(c)参照)においては、選択可能な言語が表示される。本実施形態では、日本語(日本語選択表示11)、英語(英語選択表示12)、中国語(中国語選択表示13)の三種類が示される。ここで、英語選択表示、中国語選択表示については、English、中文という文字を含むものとすることにより、これらの言語を選択しようとする人(外国人)が理解できる表示とされる。本実施形態では、第二操作手段82を操作してカーソルを好みの言語の位置に移動させ、第一操作手段81を操作することによる決定操作を行うことで、当該言語が選択された状態に移行する。
【0019】
本実施形態では、当否判定結果を報知する演出(識別図柄70の変動開始から変動停止までの演出。以下報知演出と称することもある)は、基本的には日本語での演出とされる(図4(a)参照)。つまり、デフォルトの言語が日本語である。遊技機1の電源ON時には、日本語が設定された状態とされる。
【0020】
一方、言語選択機能により、日本語以外の言語(外国語)が選択された場合には、報知演出の少なくとも一部が選択された言語(以下、選択外国語と称することもある)を用いたものとされる。演出が選択外国語を用いたものとされる例としては、大まかに分けて視覚的な演出に選択外国語を用いるものと、聴覚的な演出に選択外国語を用いるものを挙げることができる。視覚的な演出に選択外国語を用いる例としては、演出に登場するキャラクタ等のセリフを表す文字を、選択外国語のものに置換(翻訳)して表示領域911に表示することが挙げられる。聴覚的な演出に選択外国語を用いる例としては、演出に登場するキャラクタ等のセリフを表す音声を、選択外国語のものに置換してスピーカ85から出力することが挙げられる(図4(b)参照)。視覚的な演出および聴覚的な演出のいずれか一方のみが選択外国語のものに置換される構成としてもよい。なお、全ての演出を選択外国語に対応させたものとしなくてもよい。一部の演出のみ選択外国語に対応したものに変更される構成であってもよい。また、図5に示すように、視覚的な演出については、演出中の日本語が選択外国語に置換されるのではなく、日本語の表示を残しつつ、選択外国語を併せて表示するような構成としてもよい(特に図5(b)参照)。
【0021】
また、日本語選択時には聴覚的な演出(例えばキャラクタのセリフを表す音声が出力される演出)として実行されるもの(視覚的な演出(日本語の表示)は実行されないもの。図6(a)参照)について、外国語選択時には当該音声に相当するものを選択外国語で表示する(図6(b)参照)ことが考えられる。つまり、音声として日本語で出力される演出を、文字として選択外国語で翻訳して出力することが考えられる。この場合、外国語選択時においても、そのまま日本語の音声が出力されるようにしてもよい(図6(b)参照)。このようにすれば、選択言語に応じて音声を切り替える必要がなくなる(どのような言語が選択されている場合であっても、日本語が出力される)ため、制御が容易である。これに対し、遊技者(外国人)の混乱を防止するため、外国語選択時には日本語の音声が出力されない(聴覚的な演出が実行されない)ようにしてもよい。
【0022】
このように、本実施形態にかかる遊技機1では、日本語に不得手な人であっても、容易に言語を外国語に切り替えることが可能となる。外国語に切り替えられた場合、報知演出の少なくとも一部が選択外国語を用いたものとなるから、このような人でも遊技を楽しむことが可能である。
【0023】
以下、上記実施形態にかかる遊技機1を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
【0024】
○第一具体例
言語選択画面10において複数種の言語のうちのいずれかが選択された場合、その後、当該選択された言語による遊技説明(表示領域911に表示される画像およびスピーカ85から出力される音の少なくともいずれか一方による説明)が自動的に行われるようにする。遊技説明として実行される内容は、ぱちんこ遊技機を遊技する上で知っておくべき事項を含むものとされる。例えば、お金の投入の仕方、遊技球の発射の仕方、通常時(大当たり当選を目指して遊技するとき)の遊技の仕方、抽選がどのようにして行われるか、大当たりとなった場合の遊技の仕方等種々例示することができる。このような遊技説明が選択された言語で行われることになるため、遊技者は容易に遊技を行うことが可能となる。
【0025】
本例は、以下の1)および2)のいずれかの設定とすることが考えられる。
1)日本語を含むいずれの言語が選択された場合であっても、選択された言語による遊技説明が自動的に開始されるようにする(図7参照)。
2)日本語が選択された場合には遊技説明が自動的に開始されないものの、一または複数種の外国語のうちのいずれかが選択された場合には遊技説明が自動的に開始されるようにする(図8参照)。
日本語を含むいずれの言語が選択された場合であっても、このような言語選択を行うということは、ぱちんこ遊技機を遊技したことがない人や遊技経験に乏しい人が遊技しようとしていると想定するのであれば、上記1)のような設定とするとよい。
一方、上記2)の設定のように、日本語を選択するような人、すなわち日本人は、ぱちんこ遊技機の基本的な遊技の仕方は知っているであろうから、外国語を選択するような外国人(ぱちんこ遊技機を遊技したことがない蓋然性が高い人)に限り、遊技説明が自動的に行われるようにしてもよい。このような設定は、日本語選択をした日本人(ぱちんこ遊技機の遊技経験がある人)の遊技者に対し、遊技説明が自動的に行われる(不要な遊技説明が自動的に開始される)ことで、遊技者が苛立ってしまうおそれを低減することができるという利点がある。ただし、上記2)のような設定とする場合であっても、日本語による遊技説明機能は搭載されていることが好ましい。すなわち、遊技説明を受けたい日本人向けの遊技説明として、希望者に対しては当該説明が実行される構成としてもよい。すなわち、日本語による遊技説明については、操作手段を操作する等により遊技者の意思が確認できた場合のみ実行される構成とする。
【0026】
なお、遊技説明は、言語選択機能が搭載された遊技機1固有の内容を含んでいてもよい。例えば、遊技機1について、発生した場合にはチャンスとなる演出はどのようなものがあるか、どのようなスペック(大当たり確率や確変割合等)なのか等を含むものとすることが考えられる。また、遊技機1が設置されている遊技店の案内を含んでいてもよい。つまり、ぱちんこ遊技機に共通する事項、(タイトルの異なる)遊技機1固有の事項、および遊技店の案内の少なくともいずれかを含むものとすることができる。ただし、本機能がぱちんこ遊技機を遊技したことのない外国人に向けたものであることに照らせば、遊技説明にはぱちんこ遊技機に共通する事項が含まれているものとすることが好ましい。
【0027】
また、遊技説明が開始されても、遊技者が遊技を開始した場合には遊技説明が途中で終了するようにするとよい。つまり、遊技説明を最後まで見なければ遊技を行うことができないものとはしないようにするとよい。言語選択が行われた場合であっても、ぱちんこ遊技機の遊技方法を知っている可能性があるから、このような遊技者は遊技説明の途中であっても遊技を開始することができるようにする。なお、「遊技者が遊技を開始した」と判断する基準(条件)はどのようなものであってもよい。遊技者が発射装置908(発射ハンドル)を操作したことが検出されたことを契機としてもよいし、遊技球が始動入賞口904に入賞したこと(当否判定結果を報知する識別図柄70の変動が開始されたこと)を契機としてもよい。
【0028】
○第二具体例(第一具体例をさらに具体化した例)
上記第一具体例は、言語選択画面10において複数種の言語のうちのいずれかが選択された場合、当該選択された言語による遊技説明が自動的に行われるものであることを説明したが、現状設定されている言語(以下、切替前言語と称することもある)からそれとは異なる言語(以下、切替後言語と称することもある)に切り替えられた場合にのみ、当該切替後に切替後言語による遊技説明が自動的に行われるものとする(図9(a)、(c)参照)。つまり、言語選択画面10において切替前言語と同じ言語が再度選択された場合には、遊技説明が自動的に発生するものとはしない(図9(a)、(b)参照)。
【0029】
さらに、切替後言語が外国語である場合に限り、遊技説明が自動的に行われるようにしてもよい。すなわち、切替後言語が日本語である場合には遊技説明が自動的に行われず、切替後言語が一または複数種の外国語のうちのいずれかである場合には遊技説明が自動的に行われるようにする。切替後言語が日本語である場合に遊技説明が自動的に行われないようにするのは、日本人はぱちんこ遊技機の基本的な遊技の仕方は知っているであろうという仮定に基づく。
【0030】
○第三具体例
遊技者が遊技を行っていないときに、待機状態に移行するように設定されたものが公知である。待機状態に移行する条件はどのようなものであってもよい。例えば、最後の当否判定結果の報知が完了してから、所定時間経過後(当該所定時間中遊技が再開されなかったとき)に移行するようにすることが考えられる。かかる待機状態中には待機画面20(デモ画面等とも称される)が表示される。待機画面20の具体的態様はどのようなものであってもよいが、その一例としては、遊技機1の演出等を説明する映像等を例示することができる。当該待機画面20が、上述した言語選択画面10を含むものとする(図10参照)。つまり、待機状態にあるときには、常に言語選択画面10が表示されているものとする。例えば、待機画面20本来の画像(演出等を説明する映像等)を表すレイヤと、言語選択画面10を表すレイヤを別のものとしておき、前者のレイヤよりも後者のレイヤの方が手前に位置するように制御することで、言語選択画面10が常に表示された状態を実現することができる。
【0031】
遊技者が遊技を開始しようとする際、遊技機1は待機状態にあることが多い。かかる待機状態にあるときには常に言語選択画面10が表示されるようにすることで、言語選択画面10の存在に気付かない状況が発生してしまうおそれを低減することが可能である。また、空台を探している人(特に外国人)に対し、言語選択画面10が表示された状態が示されることになるため、言語を選択した上で遊技することが可能であるということを知らせることが可能である。
【0032】
○第四具体例
遊技に関する仕様を複数種の仕様のうちから選択することが可能なもの、いわゆるカスタマイズ機能を有するものが公知である。当該カスタマイズ機能の一種としては、ある演出の発生頻度を変化させるものを例示することができる。いわゆる一発告知演出の発生頻度の多少を変化させたり、いわゆる先読み演出の発生頻度の多少を変化させたりすることができるものが知られている。また、音量や光量等を増減可能なものが知られている。このような仕様変更が可能なカスタマイズ機能を備えた構成において、言語選択画面10にていずれかの言語が選択されたときには、カスタマイズ機能を利用して変更することができる各種遊技に関する仕様が、強制的に初期仕様(デフォルトの仕様)とされる。例えば、いわゆる先読み演出の発生頻度が「発生せず」「発生頻度:通常」「発生頻度:高」の三段階に分けられており、「発生頻度:通常」が初期仕様とされている場合には、言語選択がなされたことを契機として、自動的に先読み演出の仕様は「発生頻度:通常」に設定されるようにする。
【0033】
遊技者が任意に選択することが可能な遊技に関する各種仕様について、最も好ましいバランス(演出等のバランス)であると設計者が考えたものが初期仕様として設定されるのが一般的である。したがって、言語選択画面10にて言語を選択するような人は、ぱちんこ遊技機を遊技したことがない人や遊技経験に乏しい人である蓋然性が高いと考え、カスタマイズ可能な遊技に関する仕様を初期仕様とする(初期仕様以外の仕様が設定されているときでも初期仕様に戻す(リセットする))。
【0034】
また、本例をさらに限定し、言語選択画面10にて一または複数種の外国語のうちのいずれかが選択された場合に限り、自動的に初期仕様が設定される構成とすることが考えられる。つまり、日本語が選択された場合には現状の仕様が維持される一方、外国語が選択された場合には初期仕様が設定されるものとする。日本人は、ぱちんこ遊技機の基本的な遊技の仕方は知っているであろうから、外国語を選択するような外国人(ぱちんこ遊技機を遊技したことがない蓋然性が高い人)に限り、カスタマイズ可能な遊技に関する仕様が初期仕様とされるものとしてもよい。
【0035】
なお、遊技者がカスタマイズ可能な仕様の全部が自動的に初期仕様とされるのではなく、一部のみが自動的に初期仕様とされるものとしてもよい。例えば、演出の発生頻度等、演出に関係するもの(演出バランスに関係するもの)については自動的に初期仕様とされるが、音量や光量等の演出に関係しないものについては初期仕様とされず現状の仕様が維持されるものとしてもよい。
【0036】
〇第五具体例
言語選択画面10にて言語が切り替えられた場合、それに合わせてカスタマイズ画面の表示も変化するようにする。具体的には、一または複数種の外国語のうちのいずれかが選択された場合、図3(b)に示した各種リストの表示等が、選択された言語に置換されて表示される、または日本語とともに表示されるようにする。このようにすることで、外国人であっても、言語選択画面10にて任意の外国語を選択した後は、各種機能を容易にカスタマイズすることが可能となる。
【0037】
〇第六具体例
一般的な遊技機と同様に、遊技機1に異常が発生した場合、それを報知する異常報知画面30が表示領域911に表示される。当該異常報知画面30にて示される文字の少なくとも一部が、言語選択画面10にて選択された言語で表示される。日本語が選択されている場合には、通常通り日本語で表示される。一または複数種の外国語のうちのいずれかが選択されている場合には、当該選択された外国語で表示される(図11(a)参照)。日本語が併せて表示されるようにしてもよい(図11(b)参照)。言語選択画面10にて表示される内容としては、エラーの内容や、店員を呼ぶ旨の表示等を例示することができる。これらのうちの少なくとも一部が、選択された外国語で表示されるようにする(例えば、エラーの具体的内容を遊技者は知る必要がないともいえるから、店員を呼ぶ旨の表示のみ選択された外国語で行うようにすることが考えられる)。このようにすることで、遊技機1に異常が発生した場合、外国人であっても、当該異常解消のために適切な措置を取ることが可能となる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0039】
上記実施形態にかかる遊技機1は、いわゆるぱちんこ遊技機であるが、回胴式遊技機(スロットマシン)等、他の遊技機に対しても同様の技術思想が適用可能である。
【0040】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0041】
・手段1
所定条件の成立を契機として当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定手段による当否判定結果を報知する演出が実行されていないときに、複数種の言語のうちから遊技者に好みの言語を選択させる言語選択画面を表示装置に表示させることが可能な表示制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定結果を報知する演出の少なくとも一部を、前記言語選択画面において選択された言語を用いて実行する演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、遊技者が望む言語によって演出が実行されることになるから、幅広い遊技者が遊技を楽しむことが可能である。
【0042】
・手段2
前記言語選択画面において複数種の言語のうちのいずれかが選択されたときには、当該選択された言語による遊技説明が自動的に行われることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
好みの言語を選択する人は、遊技方法が分からないまたは遊技経験が乏しい人である蓋然性が高いから、選択した言語での遊技説明が自動的に行われるようにするとよい。
【0043】
・手段3
前記言語選択画面において示される複数種の言語には、日本語および一または複数種の外国語が含まれ、
前記言語選択画面において一または複数種の外国語のうちのいずれかが選択されたときには、当該選択された言語による遊技説明が自動的に行われる一方、前記言語選択画面において日本語が選択されたときには、遊技説明が自動的に行われることがないように構成されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
外国人は、遊技方法が分からないまたは遊技経験が乏しいと考えられるから、選択した言語での遊技説明が自動的に行われるようにするとよい。
【0044】
・手段4
遊技者が遊技を行っていないときに移行する待機状態にて前記表示装置に表示される待機画面が、前記言語選択画面を含むことを特徴とする手段1から手段3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、言語選択機能が搭載されていることに遊技者が気付かないおそれを低減することが可能である。また、空台となっている状態で言語選択画面が表示されるから、外国人の遊技促進に資する。
【0045】
・手段5
遊技に関する仕様を複数種の仕様のうちから選択可能なものであって、当該複数種の仕様のうちのいずれかが初期仕様として設定されたものであり、
前記言語選択画面において複数種の言語のうちのいずれかが選択されたときには、自動的に前記初期仕様が設定されることを特徴とする手段1から手段4のいずれかに記載の遊技機。
言語選択画面にて言語を選択するような人は、遊技方法が分からないまたは遊技経験が乏しい人である蓋然性が高いと考えられるから、遊技に関する仕様を初期仕様(バランスのとれた仕様)とすることが好ましい。
【0046】
・手段6
前記言語選択画面において示される複数種の言語には、一または複数種の外国語が含まれ、
前記言語選択画面において一または複数種の外国語のうちのいずれかが選択された状態にて、異常が発生したときには、当該異常を報知する異常報知画面が、選択された外国語を含むものとされることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このようにすることで、遊技機に異常が発生した場合、外国人であっても、当該異常解消のために適切な措置を取ることが可能となる。
【符号の説明】
【0047】
1 遊技機
10 言語選択画面
11 日本語選択表示
12 英語選択表示
13 中国語選択表示
20 待機画面
91 表示装置
911 表示領域

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11