IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ▲黄▼ 崇賢の特許一覧

<>
  • 特許-ポンプ付きラジエータ 図1
  • 特許-ポンプ付きラジエータ 図2
  • 特許-ポンプ付きラジエータ 図3
  • 特許-ポンプ付きラジエータ 図4
  • 特許-ポンプ付きラジエータ 図5
  • 特許-ポンプ付きラジエータ 図6
  • 特許-ポンプ付きラジエータ 図7
  • 特許-ポンプ付きラジエータ 図8
  • 特許-ポンプ付きラジエータ 図9
  • 特許-ポンプ付きラジエータ 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】ポンプ付きラジエータ
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/02 20060101AFI20220324BHJP
   F28F 13/12 20060101ALI20220324BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
F28F9/02 301Z
F28F13/12 C
F28D1/053 A
F28F13/12 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021010609
(22)【出願日】2021-01-26
【審査請求日】2021-02-16
(31)【優先権主張番号】202011427259.6
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505446862
【氏名又は名称】▲黄▼ 崇賢
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】特許業務法人服部国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 崇賢
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-247657(JP,A)
【文献】特開2012-97915(JP,A)
【文献】特開2004-301454(JP,A)
【文献】特開2013-100785(JP,A)
【文献】特開2008-39206(JP,A)
【文献】米国特許第5022465(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第0921284(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 13/12
F28D 1/053
F28F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分流槽と、集水槽と、第1並列管と、第2並列管と、第3並列管と、第4並列管と、ポンプ送り装置とを備える液冷放熱水の入水多流路多集水ボックス型補給水のポンプ付きラジエータであって、
前記分流槽は、放熱金属材質で構成され、前記分流槽内に前記分流槽の内部を入水室と、移行室と、出水室とに区画する複数枚の第1分流水仕切板が設置され、前記分流槽上に入水孔と、出水孔と、複数本の第1取付け溝と、第2取付け溝と、前記移行室に連通する第3取付け溝とが開設され、前記入水孔及び前記第1取付け溝は、いずれも前記入水室に連通し、前記出水孔及び前記第2取付け溝は、いずれも前記出水室に連通し、
前記集水槽は、放熱金属材質で構成され、前記集水槽内に前記集水槽の内部を第1集水室と、第2集水室とに区画形成する複数枚の第2分流水仕切板が設置され、前記集水槽上に前記第1集水室に連通する複数本の第4取付け溝と、前記第2集水室に連通する複数本の第5取付け溝とが開設され、
前記第1並列管、前記第2並列管、前記第3並列管及び前記第4並列管上にいずれも放熱フィンが設置され、前記第1並列管の一端部が前記第1取付け溝中に密封取付けされ、前記入水室と連通し、前記第1並列管の他端部が対応の前記第4取付け溝中に密封取付けされ、前記第1集水室と連通し、前記第2並列管の一端部が対応の前記第3取付け溝中に密封取付けされ、前記移行室と連通し、前記第2並列管の他端部が対応の前記第4取付け溝中に密封取付けされ、前記第1集水室と連通し、前記第3並列管の一端部が前記第3取付け溝中に密封取付けされ、前記移行室と連通し、前記第3並列管の他端部が対応の前記第5取付け溝中に密封取付けされ、前記第2集水室と連通し、前記第3並列管が少なくとも2節に分断形成され、前記第4並列管の一端部が前記第2取付け溝中に密封取付けされ、前記出水室と連通し、前記第4並列管の他端部が対応の前記第5取付け溝中に密封取付けされ、前記第2集水室と連通し、
前記ポンプ送り装置は、隣り合う2節の前記第3並列管の間に設置され、放熱金属材質で構成される主ボックス体と、水ポンプ蓋とを含み、前記主ボックス体内に水ポンプキャビティが設置され、前記主ボックス体内に主水仕切板を有し、前記主ボックス体の内部は、前記主水仕切板によって互いに隔離された入水キャビティと出水キャビティとに区画され、前記出水キャビティは、前記水ポンプキャビティに連通し、前記主ボックス体の一側に前記入水キャビティに連通する第6取付け溝が開設され、前記主ボックス体の他側に前記出水キャビティに連通する第7取付け溝が開設され、隣り合う2節の前記第3並列管の端部が、それぞれ前記第6取付け溝と前記第7取付け溝との中に密封取付けされて前記入水キャビティ及び前記出水キャビティとも連通し、前記水ポンプ蓋と前記主ボックス体とを固定して前記水ポンプキャビティの開口を密封被蓋し、前記水ポンプ蓋の内側に水ポンプが固定され、前記水ポンプの出力軸上に羽根車が固定され、前記羽根車は、前記水ポンプキャビティ中に位置し、前記水ポンプに連動されて回転することを特徴とする、ポンプ付きラジエータ。
【請求項2】
前記主ボックス体は、底部ボックスと、上部蓋とを含み、前記主水仕切板は、前記底部ボックス内に位置し、半田付け接続または一体成形を介して前記底部ボックス内に設置され、前記入水キャビティと前記出水キャビティとは、前記底部ボックス内に形成され、前記入水キャビティの開口と前記出水キャビティの開口とを上に向け、前記第6取付け溝と前記第7取付け溝とは、それぞれ前記底部ボックスの両側面に位置し、前記上部蓋と前記底部ボックスとを固定して前記入水キャビティの開口と前記出水キャビティの開口とを密封被蓋し、前記水ポンプキャビティは、前記上部蓋上に成形され、前記水ポンプ蓋と前記上部蓋とを密封固定することを特徴とする、請求項1に記載のポンプ付きラジエータ。
【請求項3】
前記上部蓋の頂面に前記水ポンプキャビティが凹陥形成され、前記水ポンプキャビティの内底面に前記入水キャビティに連通する第1通孔が開設され、前記水ポンプキャビティの内周側壁に第2通孔が開設され、前記主水仕切板上に前記第2通孔に連通する第3通孔が開設されることを特徴とする、請求項2に記載のポンプ付きラジエータ。
【請求項4】
前記水ポンプ蓋の頂面に凹位置が凹設され、前記凹位置中にPCB基板が嵌合され、前記PCB基板は、前記水ポンプと導通連結され、前記PCB基板に電源コードが連結されることを特徴とする、請求項1に記載のポンプ付きラジエータ。
【請求項5】
前記分流槽は、第1ボックス体と、第1ボックス蓋とを含み、前記第1分流水仕切板は、半田付け接続または一体成形を介して前記第1ボックス体内に設置され、前記第1ボックス蓋と前記第1ボックス体とを密封固定して前記入水室と、前記移行室と、前記出水室とが区画形成され、前記第1ボックス体と前記第1ボックス蓋とは、銅またはアルミニウム材質で構成され、前記第1ボックス蓋は、半田付け接続を介して前記第1ボックス体に密封取付けされて固定されることを特徴とする、請求項1に記載のポンプ付きラジエータ。
【請求項6】
前記入水孔と前記出水孔とは、前記第1ボックス体上に設置され、前記入水孔に入水管継手が取付けられ、前記出水孔に出水管継手が取付けられ、前記第1取付け溝と、前記第2取付け溝と、前記第3取付け溝とは、いずれも前記第1ボックス蓋上に設置され、前記入水管継手は、前記入水孔中に挿入され、半田付け接続を介して前記第1ボックス体に密封取付けされて固定され、前記出水管継手は、前記出水孔中に挿入され、半田付け接続を介して前記第1ボックス体に密封取付けされて固定されることを特徴とする、請求項5に記載のポンプ付きラジエータ。
【請求項7】
前記集水槽は、第2ボックス体と、第2ボックス蓋とを含み、前記第2分流水仕切板は、半田付け接続または一体成形を介して前記第2ボックス体内に設置され、前記第2ボックス蓋と前記第2ボックス体とを密封固定して前記第1集水室と、前記第2集水室とが区画形成され、前記第2ボックス体と前記第2ボックス蓋とは、銅またはアルミニウム材質で構成され、前記第2ボックス蓋は、半田付け接続を介して前記第2ボックス体に密封取付けされて固定されることを特徴とする、請求項1に記載のポンプ付きラジエータ。
【請求項8】
前記第4取付け溝と前記第5取付け溝とは、前記第2ボックス蓋上に設置されることを特徴とする、請求項7に記載のポンプ付きラジエータ。
【請求項9】
前記分流槽と前記集水槽との間に左右に設置される2つのファン固定ブラケットが連結され、前記第1並列管、前記第2並列管、前記第3並列管及び前記第4並列管は、2つの前記ファン固定ブラケットの間に位置し、前記第1並列管、前記第2並列管、前記第3並列管及び前記第4並列管は、いずれも放熱金属扁平管または放熱金属円管であり、前記第1並列管と前記第2並列管の本数は、いずれも2本であり、前記第3並列管と前記第4並列管の本数は、いずれも4本であることを特徴とする、請求項1に記載のポンプ付きラジエータ。
【請求項10】
前記第3並列管が3節に分断形成され、各隣り合う2節の前記第3並列管の間に前記ポンプ送り装置が設置されることを特徴とする、請求項1に記載のポンプ付きラジエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液冷放熱水の入水多流路多集水ボックス型補給水のポンプ付きラジエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の水冷放熱器は、ポンプの連動を使用して液体をループに強制循環させて熱量を奪い去る一種の放熱器であり、公知の風冷放熱器と比べて静音性、降温安定性に優れ、環境に対する依存性が小さいなどの利点を有し、水の熱容量が大きいために、水冷冷媒システムに優れた熱負荷能力を持たせるものである。水冷放熱器の放熱性能は、その中の放熱液(水やその他の液体)の流速と正比例し、冷媒の流速は、まだ冷媒システムの水ポンプのパワーに関連している。
【0003】
水冷放熱器は、通常、水冷ラジエータと、水冷ヘッドと、水管とから構成され、水冷ラジエータと水冷ヘッドとの間を水管で連結し、水管を利用して水冷ラジエータと水冷ヘッド内の水ループに流動させ、水冷ヘッド上に熱量を吸収した後の水は、水冷ラジエータ上に進入して放熱を行い、放熱後の水を水冷ヘッド内へと流し戻すことができる。
水冷ラジエーター構造として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実登3208561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水冷放熱器の水冷ラジエータの流路は、U字形を呈することから、水冷ラジエータにおける水の流動行程を比較的に短くし、水を効率よく降温させて放熱させることができなくなり、水冷ラジエータにおける水の流動速度が比較的に遅く、放熱効率が比較的に低い。そのため、従来の水冷ラジエータについて改良する必要がある。
【0006】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、水冷ラジエータの水を効率よくかつ十分に降温させて放熱させることができ、放熱効率を高める、ポンプ付きラジエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のポンプ付きラジエータは、分流槽と、集水槽と、第1並列管と、第2並列管と、第3並列管と、第4並列管と、ポンプ送り装置とを備え、前記分流槽は、放熱金属材質で構成され、前記分流槽内に前記分流槽の内部を入水室と、移行室と、出水室とに区画する複数枚の第1分流水仕切板11が設置され、前記分流槽上に入水孔と、出水孔と、複数本の第1取付け溝と、第2取付け溝と、前記移行室に連通する第3取付け溝とが開設され、前記入水孔及び前記第1取付け溝は、いずれも前記入水室に連通し、前記出水孔及び前記第2取付け溝は、いずれも前記出水室に連通し、前記集水槽は、放熱金属材質で構成され、前記集水槽内に前記集水槽の内部を第1集水室と、第2集水室とに区画形成する複数枚の第2分流水仕切板が設置され、前記集水槽上に前記第1集水室に連通する複数本の第4取付け溝と、前記第2集水室に連通する複数本の第5取付け溝とが開設され、前記第1並列管、前記第2並列管、前記第3並列管及び前記第4並列管上にいずれも放熱フィンが設置され、前記第1並列管の一端部が前記第1取付け溝中に密封取付けされ、前記入水室と連通し、前記第1並列管の他端部が対応の前記第4取付け溝中に密封取付けされ、前記第1集水室と連通し、前記第2並列管の一端部が対応の前記第3取付け溝中に密封取付けされ、前記移行室と連通し、前記第2並列管の他端部が対応の前記第4取付け溝中に密封取付けされ、前記第1集水室と連通し、前記第3並列管の一端部が前記第3取付け溝中に密封取付けされ、前記移行室と連通し、前記第3並列管の他端部が対応の前記第5取付け溝中に密封取付けされ、前記第2集水室と連通し、前記第3並列管が少なくとも2節に分断形成され、前記第4並列管の一端部が前記第2取付け溝中に密封取付けされ、前記出水室と連通し、前記第4並列管の他端部が対応の前記第5取付け溝中に密封取付けされ、前記第2集水室と連通し、前記ポンプ送り装置は、隣り合う2節の前記第3並列管の間に設置され、放熱金属材質で構成される主ボックス体と、水ポンプ蓋とを含み、前記主ボックス体内に水ポンプキャビティが設置され、前記主ボックス体内に主水仕切板を有し、前記主ボックス体の内部は、前記主水仕切板によって互いに隔離された入水キャビティと出水キャビティとに区画され、前記出水キャビティは、前記水ポンプキャビティに連通し、前記主ボックス体の一側に前記入水キャビティに連通する第6取付け溝が開設され、前記主ボックス体の他側に前記出水キャビティに連通する第7取付け溝が開設され、隣り合う2節の前記第3並列管の端部が、それぞれ前記第6取付け溝と前記第7取付け溝との中に密封取付けされて前記入水キャビティ及び前記出水キャビティとも連通し、前記水ポンプ蓋と前記主ボックス体とを固定して前記水ポンプキャビティの開口を密封被蓋し、前記水ポンプ蓋の内側に水ポンプが固定され、前記水ポンプの出力軸上に羽根車が固定され、前記羽根車は、前記水ポンプキャビティ中に位置し、前記水ポンプに連動されて回転する。
【0008】
本発明のポンプ付きラジエータは、前記主ボックス体は、底部ボックスと、上部蓋とを含み、前記主水仕切板は、前記底部ボックス内に位置し、半田付け接続または一体成形を介して前記底部ボックス内に設置され、前記入水キャビティと前記出水キャビティとは、前記底部ボックス内に形成され、前記入水キャビティの開口と前記出水キャビティの開口とを上に向け、前記第6取付け溝と前記第7取付け溝とは、それぞれ前記底部ボックスの両側面に位置し、前記上部蓋と前記底部ボックスとを固定して前記入水キャビティの開口と前記出水キャビティの開口とを密封被蓋し、前記水ポンプキャビティは、前記上部蓋上に成形され、前記水ポンプ蓋と前記上部蓋とを密封固定する。
【0009】
本発明のポンプ付きラジエータは、前記上部蓋の頂面に前記水ポンプキャビティが凹陥形成され、前記水ポンプキャビティの内底面に前記入水キャビティに連通する第1通孔が開設され、前記水ポンプキャビティの内周側壁に第2通孔が開設され、前記主水仕切板上に前記第2通孔に連通する第3通孔が開設される。
【0010】
本発明のポンプ付きラジエータは、前記水ポンプ蓋の頂面に凹位置が凹設され、前記凹位置中にPCB基板が嵌合され、前記PCB基板は、前記水ポンプと導通連結され、前記PCB基板に電源コードが連結される。
【0011】
本発明のポンプ付きラジエータは、前記分流槽は、第1ボックス体と、第1ボックス蓋とを含み、前記第1分流水仕切板は、半田付け接続または一体成形を介して前記第1ボックス体内に設置され、前記第1ボックス蓋と前記第1ボックス体とを密封固定して前記入水室と、前記移行室と、前記出水室とが区画形成され、前記第1ボックス体と前記第1ボックス蓋とは、銅またはアルミニウム材質で構成され、前記第1ボックス蓋は、半田付け接続を介して前記第1ボックス体に密封取付けされて固定される。
【0012】
本発明のポンプ付きラジエータは、前記入水孔と前記出水孔とは、前記第1ボックス体上に設置され、前記入水孔に入水管継手が取付けられ、前記出水孔に出水管継手が取付けられ、前記第1取付け溝と、前記第2取付け溝と、前記第3取付け溝とは、いずれも前記第1ボックス蓋上に設置され、前記入水管継手は、前記入水孔中に挿入され、半田付け接続を介して前記第1ボックス体に密封取付けされて固定され、前記出水管継手は、前記出水孔中に挿入され、半田付け接続を介して前記第1ボックス体に密封取付けされて固定される。
【0013】
本発明のポンプ付きラジエータは、前記集水槽は、第2ボックス体と、第2ボックス蓋とを含み、前記第2分流水仕切板は、半田付け接続または一体成形を介して前記第2ボックス体内に設置され、前記第2ボックス蓋と前記第2ボックス体とを密封固定して前記第1集水室と、前記第2集水室とが区画形成され、前記第2ボックス体と前記第2ボックス蓋とは、銅またはアルミニウム材質で構成され、前記第2ボックス蓋は、半田付け接続を介して前記第2ボックス体に密封取付けされて固定される。
【0014】
本発明のポンプ付きラジエータは、前記第4取付け溝と前記第5取付け溝とは、前記第2ボックス蓋上に設置される。
【0015】
本発明のポンプ付きラジエータは、前記分流槽と前記集水槽との間に左右に設置される2つのファン固定ブラケットが連結され、前記第1並列管、前記第2並列管、前記第3並列管及び前記第4並列管は、2つの前記ファン固定ブラケットの間に位置し、前記第1並列管、前記第2並列管、前記第3並列管及び前記第4並列管は、いずれも放熱金属扁平管または放熱金属円管であり、前記第1並列管と前記第2並列管の本数は、いずれも2本であり、前記第3並列管と前記第4並列管の本数は、いずれも4本である。
【0016】
本発明のポンプ付きラジエータは、前記第3並列管が3節に分断形成され、各隣り合う2節の前記第3並列管の間に前記ポンプ送り装置が設置される。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、分流槽と集水槽との中のいずれにも設置される分流水仕切板によって複数個の室を形成し、それに合わせて相応の室に連通する各本の並列管が設置されることで、流路に複数個順次連結した複数個の迂回構造を呈させ、水冷ラジエータにおける水の流動行程を有効に延長することにより、水を効率よくかつ十分に降温させて放熱させることができ、ポンプ送り装置が設置されることにより、ポンプ送り装置を利用して水の流動速度を効率よく加速させることができ、放熱効率を高めることができ、全体の放熱効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第一実施形態を示す分解斜視図である。
図2】本発明の第一実施形態を示す上面図である。
図3】本発明の第一実施形態を示す部分分解斜視図である。
図4】本発明の第一実施形態の使用状態を示す斜視図である。
図5】本発明の第一実施形態を示す上面図である。
図6】本発明の第二実施形態を示す分解斜視図である。
図7】本発明の第二実施形態を示す上面図である。
図8】本発明の第二実施形態を示す部分分解斜視図である。
図9】本発明の第二実施形態の使用状態を示す斜視図である。
図10】本発明の第二実施形態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明による実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0020】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態について図1から図5に基づいて説明する。
【0021】
図1から図5に示すように、分流槽10と、集水槽20と、複数の第1並列管31と、複数の第2並列管32と、複数の第3並列管33と、複数の第4並列管34と、ポンプ送り装置40とを備え、分流槽10は、放熱金属材質で構成され、分流槽10内に複数枚の第1分流水仕切板11が設置され、分流槽10の内部は、複数枚の第1分流水仕切板11によって入水室101と、移行室102と、出水室103とに区画され、分流槽10上に入水孔104と、出水孔105と、複数本の第1取付け溝106と、複数本の第2取付け溝107と、複数本の第3取付け溝108とが開設され、入水孔104及び第1取付け溝106は、いずれも入水室101に連通し、出水孔105及び第2取付け溝107は、いずれも出水室103に連通し、第3取付け溝108は、移行室102に連通する。
分流槽10は、第1ボックス体12と、第1ボックス蓋13とを含み、第1分流水仕切板11は、半田付け接続または一体成形の方式によって第1ボックス体12内に設置され、第1ボックス蓋13と第1ボックス体12とを密封固定して入水室101と、移行室102と、出水室103とが区画形成され、入水孔104と出水孔105とは、いずれも第1ボックス体12上に設置され、入水孔104中に入水管継手51が密封取付けされ、出水孔105中に出水管継手52が密封取付けされ、第1取付け溝106と、第2取付け溝107と、第3取付け溝108とは、いずれも第1ボックス蓋13上に設置される。
入水管継手51は、入水孔104中に挿入され、半田付け接続を介して第1ボックス体12に密封取付けされて固定され、出水管継手52は、出水孔105中に挿入され、同様に半田付け接続を介して第1ボックス体12に密封取付けされて固定される。第1ボックス体12と第1ボックス蓋13とは、銅またはアルミニウム材質で構成されることが好ましく、第1ボックス蓋13は、半田付け接続を介して第1ボックス体12に密封取付けされて固定される。
【0022】
集水槽20は、放熱金属材質で構成され、集水槽20内に第2分流水仕切板21が設置され、集水槽20の内部は、第2分流水仕切板21によって第1集水室201と、第2集水室202とに区画形成され、集水槽20上に複数本の第4取付け溝203と、複数本の第5取付け溝204とが開設され、第4取付け溝203は、第1集水室201に連通し、第5取付け溝204は、第2集水室202に連通する。
集水槽20は、第2ボックス体22と、第2ボックス蓋23とを含み、第2分流水仕切板21は、半田付け接続または一体成形の方式によって第2ボックス体22内に設置され、第2ボックス蓋23と第2ボックス体22とを密封固定して第1集水室201と、第2集水室202とが区画形成され、第4取付け溝203と第5取付け溝204とは、いずれも第2ボックス蓋23上に設置される。
第2ボックス体22と第2ボックス蓋23とは、銅またはアルミニウム材質で構成されることが好ましく、第2ボックス蓋23は、半田付け接続を介して第2ボックス体22に密封取付けされて固定される。
【0023】
第1並列管31、第2並列管32、第3並列管33及び第4並列管34上にいずれも放熱フィン60が設置される。
本実施形態において、第1並列管31、第2並列管32、第3並列管33及び第4並列管34は、いずれも放熱金属扁平管または放熱金属円管である。
第1並列管31、第2並列管32、第3並列管33及び第4並列管34の両端部は、それぞれ分流槽10と集水槽20とに半田付け接続されていて固定される。
【0024】
第1並列管31の一端部が第1取付け溝106中に密封取付けされ、入水室101と連通し、第1並列管31の他端部が対応の第4取付け溝203中に密封取付けされ、第1集水室201と連通する。
本実施形態において、第1並列管31は、間隔をあけて2本配列設置される。
【0025】
第2並列管32の一端部が対応の第3取付け溝108中に密封取付けされ、移行室102と連通し、第2並列管32の他端部が対応の第4取付け溝203中に密封取付けされ、第1集水室201と連通する。
本実施形態において、第2並列管32は、間隔をあけて2本配列設置される。
【0026】
第3並列管33の一端部が第3取付け溝108中に密封取付けされ、移行室102と連通し、第3並列管33の他端部が対応の第5取付け溝204中に密封取付けされ、第2集水室202と連通し、第3並列管33が2節に分断形成される。
本実施形態において、第3並列管33が前後2節に分断形成される。
本実施形態において、第3並列管33は、間隔をあけて4本配列設置される。
【0027】
第4並列管34の一端部が第2取付け溝107中に密封取付けされ、出水室103と連通し、第4並列管34の他端部が対応の第5取付け溝204中に密封取付けされ、第2集水室202と連通する。
本実施形態において、第4並列管34は、間隔をあけて4本配列設置される。
【0028】
図1図2及び図3に示すように、ポンプ送り装置40は、隣り合う2節の第3並列管33の間に一体的に設置され、ポンプ送り装置40は、主ボックス体41と、水ポンプ蓋42とを含み、主ボックス体41は、放熱金属材質で構成され、主ボックス体41内に水ポンプキャビティ401が設置され、主ボックス体41内に主水仕切板43を有し、主ボックス体41の内部は、主水仕切板43によって互いに隔離された入水キャビティ402と出水キャビティ403とに区画形成され、出水キャビティ403は、水ポンプキャビティ401に連通し、主ボックス体41の一側に入水キャビティ402に連通する1本また複数本の第6取付け溝404が開設され、主ボックス体41の他側に出水キャビティ403に連通する1本また複数本の第7取付け溝405が開設され、隣り合う2節の第3並列管33の端部がそれぞれ第6取付け溝404と第7取付け溝405との中に密封取付けされて入水キャビティ402及び出水キャビティ403とも連通し、水ポンプ蓋42と主ボックス体41とを固定して水ポンプキャビティ401の開口を密封被蓋し、水ポンプ蓋42の内側に水ポンプ44が固定され、水ポンプ44の出力軸上に羽根車45が固定され、羽根車45は、水ポンプキャビティ401中に位置し、水ポンプ44に連動されて回転する。
【0029】
図3に示すように、主ボックス体41は、底部ボックス411と、上部蓋412とを含み、主水仕切板43は、底部ボックス411内に位置し、半田付け接続または一体成形の方式によって底部ボックス411内に設置され、入水キャビティ402と出水キャビティ403とは、底部ボックス411内に形成され、入水キャビティ402の開口及び出水キャビティ403の開口をいずれも上に向け、第6取付け溝404と第7取付け溝405とは、それぞれ底部ボックス411の両側面上に位置し、上部蓋412と前記底部ボックス411とを固定して入水キャビティ402の開口と出水キャビティ403の開口とを密封被蓋し、水ポンプキャビティ401は、上部蓋412上に成形され、なおかつ、上部蓋412の各個の隅角箇所に第1固定孔406が開設され、底部ボックス411の各個の隅角箇所に第2固定孔407が開設され、固定ネジは、第1固定孔406を通り抜けて第2固定孔407に固定連結される。
【0030】
図3に示すように、水ポンプ蓋42と上部蓋412とを密封固定し、水ポンプ蓋42と上部蓋412との間にシールワッシャ46が挟設され、上部蓋412の頂面に水ポンプキャビティ401が凹陥形成され、水ポンプキャビティ401の内底面に第1通孔408が開設され、第1通孔408は、入水キャビティ402に連通し、水ポンプキャビティ401の内周側壁に第2通孔409が開設され、主水仕切板43上に第3通孔431が開設され、第3通孔431は、第2通孔409に連通する。
水ポンプ蓋42の頂面に凹位置421が凹設され、凹位置421中にPCB基板47が嵌合され、PCB基板47は、水ポンプ44と導通連結され、PCB基板47に電源コード48が連結され、電源コード48は、外部電源と連結するために用いられる。
【0031】
図1図4及び図5に示すように、分流槽10と集水槽20との間に2つのファン固定ブラケット70が連結され、2つのファン固定ブラケット70は、左右に設置され、第1並列管31、第2並列管32、第3並列管33及び第4並列管34は、2つのファン固定ブラケット70の間に位置することで、構成をより強固なものとさせ、ファンを取り付けて固定することができる。
【0032】
本実施形態の動作原理は、以下の通りである。
図4及び図5に示すように、本発明の使用時に、入水管継手51と出水管継手52とをそれぞれ入水管81と出水管82とに連結し、入水管81と出水管82とをそれぞれ水冷ヘッド83の出水口と入水口とに連通させ、発熱した電子部品84を水冷ヘッド83上に貼合固定する。動作過程において、電子部品84の運転により発生した熱量で水冷ヘッド83内の水の温度を上昇させるようにし、温度が比較的に高い水が水冷ヘッド83の出水口から出力され、入水管81を通過して入水管継手51中に進入し、その後、水が入水室101中に進入する。
図2に示すように、水が順次第1並列管31、第1集水室201、第2並列管32、移行室102、第3並列管33、第2集水室202、第4並列管34及び出水室103を流過し、最後に、水が前記出水管継手52から出力される。水が第3並列管33を流過するとき、水をポンプ送り装置40を介して動力を得ることにより、水の流路を加速され、水が入水室101、第1並列管31、第1集水室201、第2並列管32、移行室102、第3並列管33、ポンプ送り装置40、第2集水室202、第4並列管34及び出水室103を流過する過程において温度が漸次低下するに従って、出水管継手52から出力される水の温度が比較的に低く、良好な降温・放熱効果を実現することができる。
図5に示すように、温度が比較的に低い水を出水管82を介して水冷ヘッド83内に輸送して電子部品84により発生した熱量が継続的に吸収されることで、電子部品84の温度を比較的に低い状態に保持するに従い、電子部品84の運転を安定にさせ、温度が過高温になって運転に異常が現われることをなくす。
【0033】
(第二実施形態)
図6から図10に示すように、本実施形態では、第3並列管33が3節に分断形成され、各隣り合う2節の第3並列管33の間にポンプ送り装置40が一体的に設置され、2つのポンプ送り装置40が設置されることにより、第3並列管33における水の流動速度をより一層加速させ、放熱効率をより一層高め、より良好な放熱効果を得られる。
【0034】
本発明は、分流槽10と集水槽20との中のいずれにも設置される分流水仕切板によって複数個の室を形成し、それに合わせて相応の室に連通する各本の並列管が設置されることで、流路に複数個順次連結した複数個の迂回構造を呈させ、水冷ラジエータにおける水の流動行程を有効に延長することにより、水を効率よくかつ十分に降温させて放熱させることができ、ポンプ送り装置40が設置されることにより、ポンプ送り装置40を利用して水の流動速度を効率よく加速させることができ、放熱効率を高めることができ、放熱効果を好適に発揮することができることである。
【0035】
この第二実施形態の動作原理は、第一実施形態と同様である。
この第二実施形態の他の基本的構成は、第一実施形態と同様である。
【0036】
(その他の実施形態)
集水槽は、放熱金属材質で構成されなくてもよい。
【0037】
本実施形態において、第1並列管、第2並列管、第3並列管及び第4並列管は、いずれも放熱金属扁平管または放熱金属円管に限らない。
第1並列管、第2並列管、第3並列管及び第4並列管上にいずれも放熱フィンが設置される。
第1並列管、第2並列管、第3並列管及び第4並列管の両端部は、それぞれ分流槽と集水槽とに半田付け接続されて固定される。
【0038】
本実施形態において、第1並列管は、間隔をあけて2本配列設置に限らない。
第1並列管の一端部が第1取付け溝中に密封取付けされ、入水室と連通し、第1並列管の他端部が対応の第4取付け溝中に密封取付けされ、第1集水室と連通する。
【0039】
本実施形態において、第2並列管は、間隔をあけて2本配列設置に限らない。
第2並列管の一端部が対応の第3取付け溝中に密封取付けされ、移行室と連通し、第2並列管の他端部が対応の第4取付け溝中に密封取付けされ、第1集水室と連通する。
【0040】
本実施形態において、第3並列管は、間隔をあけて4本配列設置に限らない。
第3並列管が前後2節に分断形成されるのではなく、第3並列管が2節より多く分断形成される。
第3並列管の一端部が第3取付け溝中に密封取付けされ、移行室と連通し、第3並列管の他端部が対応の第5取付け溝中に密封取付けされ、第2集水室と連通する。
【0041】
本実施形態において、第4並列管は、間隔をあけて4本配列設置に限らない。
第4並列管の一端部が第2取付け溝中に密封取付けされ、出水室と連通し、第4並列管34の他端部が対応の第5取付け溝中に密封取付けされ、第2集水室と連通する。
【0042】
主ボックス体は、放熱金属材質で構成されなくてもよい。
【0043】
その他の実施形態の他の基本的構成は、第一実施形態と同様である。
【0044】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 分流槽、
11 第1分流水仕切板、
12 第1ボックス体、
13 第1ボックス蓋、
101 入水室、
102 移行室、
103 出水室、
104 入水孔、
105 出水孔、
106 第1取付け溝、
107 第2取付け溝、
108 第3取付け溝、
20 集水槽、
21 第2分流水仕切板、
22 第2ボックス体、
23 第2ボックス蓋、
201 第1集水室、
202 第2集水室、
203 第4取付け溝、
204 第5取付け溝、
31 第1並列管、
32 第2並列管、
33 第3並列管、
34 第4並列管、
40 ポンプ送り装置、
41 主ボックス体、
411 底部ボックス、
412 上部蓋、
42 水ポンプ蓋、
421 凹位置、
43 主水仕切板、
431 第3通孔、
44 水ポンプ、
45 羽根車、
46 シールワッシャ、
47 PCB基板、
48 電源コード、
401 水ポンプキャビティ、
402 入水キャビティ、
403 出水キャビティ、
404 第6取付け溝、
405 第7取付け溝、
406 第1固定孔、
407 第2固定孔、
408 第1通孔、
409 第2通孔、
51 入水管継手、
52 出水管継手、
60 放熱フィン、
70 ファン固定ブラケット、
81 入水管、
82 出水管、
83 水冷ヘッド、
84 電子部品。
【要約】
【課題】ポンプ付きラジエータを提供する。
【解決手段】分流槽10と、集水槽20と、第1並列管31と、第2並列管32と、第3並列管33と、第4並列管34と、ポンプ送り装置40とを備える。分流槽10と集水槽20は、放熱金属材質で構成される。隣り合う2節の第3並列管33の間に設置されるポンプ送り装置40は、主ボックス体41と、水ポンプ蓋42とを含む。分流槽10と集水槽20との中のいずれにも設置される分流水仕切板によって複数個の室を形成し、それに合わせて相応の室に連通する各本の並列管が設置されることで、流路に複数個順次連結した複数個の迂回構造を呈させ、水冷ラジエータにおける水の流動行程を有効に延長し、水ポンプ送り装置40が設置される。これより、効率よくかつ十分に降温させて放熱させ、水の流動速度を効率よく加速させ、全体の放熱効果を向上させることができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10