(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】1次部材
(51)【国際特許分類】
H02K 41/03 20060101AFI20220324BHJP
【FI】
H02K41/03 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017126013
(22)【出願日】2017-06-28
【審査請求日】2020-03-27
(32)【優先日】2016-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502149218
【氏名又は名称】エテル・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(72)【発明者】
【氏名】ホセ・マヌエル・フェルナンデス・ゴンサウヴェス
(72)【発明者】
【氏名】シルヴィア・シュチュキエビッチ
【審査官】島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-157233(JP,A)
【文献】特開2001-275335(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 41/03
H02K 9/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄芯のないリニアモータの1次部材であって、該1次部材が、複数の冷却プレート(K)と、該冷却プレート(K)の間に配置された複数のコイル(C)とを備え、前記冷却プレート(K)のエッジ領域に冷却媒体を供給するための接続部材(A)が延在し、該接続部材(A)にそれぞれの冷却プレート(K)が接続されている1次部材において、
前記冷却プレート(K)の前記接続部材(A)が、前記冷却プレート(K)に対して垂直方向に重なり合っており、1次部材(P)の端面には、前記冷却プレート(K)のための共通の接続領域(B)が生じ、該接続領域には冷却媒体のための分配ヘッド(V)が解除可能に接続されており、
前記接続部材(A)が、冷却プレート(K)を収容するために単独でも十分に深いか、または向かい合った接続部材(A)の凹部(A5)と合わせて十分に深い凹部(A5)を備えることを特徴とする鉄芯のないリニアモータの1次部材。
【請求項2】
請求項1に記載の1次部材において、
前記分配ヘッド(V)が凹部(V1)を備え、前記分配ヘッド(V)を2つの異なる方向に前記接続部材(A)に接続することができるように、前記凹部に孔部(V2)および冷却媒体開口部(V3)が配置されている1次部材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の1次部材において、
前記分配ヘッド(V)がねじ(S1)によって、前記接続部材(A)の前記接続領域(B)に接続されている1次部材。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の1次部材において、
それぞれの前記冷却プレート(K)が付属の前記接続部材(A)にはんだ付けされている1次部材。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項に記載の1次部材において、
前記冷却プレート(K)が、相互にはんだ付けされた2つのプレート(K2,K3)によって構成されており、該プレートが冷却媒体のための通路を備える1次部材。
【請求項6】
請求項5に記載の1次部材において、
全ての前記冷却プレート(K)の冷却媒体のための通路が等しく延在している1次部材。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一項に記載の1次部材において、
2つの冷却プレート(K)の間隔が、冷却プレート(K)の両方の接続部材(A)のうち、両方の冷却プレート(K)の間に配置されている一方の接続部材(A)の厚さによって決定され、両方の接続部材(A)のうち他方の接続部材(A)が両方の冷却プレート(K)の外部に配置されている1次部材。
【請求項8】
請求項1から6までのいずれか一項に記載の1次部材において、
2つの前記冷却プレート(K)の間隔が、該冷却プレート(K)の両方の前記接続部材(A)の厚さによって決定されており、両方の接続部材(A)が、両方の冷却プレート(K)の間に相互に隣接して配置されている1次部材。
【請求項9】
請求項7または8に記載の1次部材において、
前記1次部材(P)の、前記接続領域(B)に向かい合った側に、スペーサ(D)が配置されており、該スペーサ(D)が、前記接続部材(A)の厚さに対応する間隔をおいて2つの前記冷却プレート(K)をそれぞれ保持する1次部材。
【請求項10】
請求項9に記載の
1次部材において、
前記スペーサ(D)が円筒状である
1次部材。
【請求項11】
請求項10に記載の
1次部材において、
前記冷却プレート(K)が開口部(K1)を備え、前記スペーサ(D)が前記開口部(K1)に挿入可能であり、円筒軸線を中心とした90°の回動により係止可能である
1次部材。
【請求項12】
請求項11に記載の
1次部材において、
前記冷却プレート(K)の前記開口部(K1)の縁部が、前記スペーサ(D)の端部(D2)の溝に係合し、スペーサ(D)および冷却プレート(K)が、係止された状態で形状に基づいて相互に結合されている
1次部材。
【請求項13】
請求項12に記載の
1次部材において、
前記冷却プレート(K)のそれぞれ外側に位置するプレート(K2)が、円形部分の形状の開口部を備え、それぞれ内側に位置するプレート(K3)がU字形の開口部を備える
1次部材。
【請求項14】
請求項11から13までのいずれか一項に記載の
1次部材において、
前記スペーサ(D)の面取り部(D1)が、係止された状態で前記冷却プレート(K)のエッジと同一平面上に並ぶ
1次部材。
【請求項15】
極性が交互に代わる磁石からなるレールを有する2次部材と、請求項1から14までのいずれか一項に記載の1次部材とを備えるリニアモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄を含まないリニアモータの1次部材もしくはこのような1次部材を備えるリニアモータに関する。このようなリニアモータは、高精度の位置決めを必要とする用途において利点を有する。なぜなら、1次部材の鉄芯が不要であることにより、不都合なコギングトルクが防止されるからである。しかしながら、鉄芯なしに大きい動力を引き起こせるようにするためには、できるだけ大きいコイル電流が必要であり、このようなコイル電流は、コイルを良好に冷却することによってのみ得られる。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,998,889号明細書により、それぞれ冷却媒体によって貫流される2つの冷却プレートの間に、鉄芯のないリニアモータのコイルを配置することが知られている。このために、冷却プレートのエッジ領域には冷却媒体を供給するための接続部材が延在し、それぞれの冷却プレートはこの接続部材に接続されている。しかしながら、このような1次部材の組付けおよび製造にはかなりの手間がかかる。なぜなら、接続部材は、1次部材の向かい合った端部に位置し、したがって、冷逆媒体のための別個の供給管路および排出管路に接続される必要があるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、特に簡単に組付けられるリニアモータのための1次部材を形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に記載の装置によって解決される。請求項1に従属する請求項によりこの装置の利点が明らかである。
【0006】
鉄芯のないリニアモータの1次部材であって、冷却プレートの間に配置された複数のコイルを備え、冷却プレートのエッジ領域には冷却媒体を供給するための接続部材が延在し、それぞれの冷却プレートはこの接続部材に接続されている。冷却プレートの接続部材は、冷却プレートに対して垂直方向に重なり合っており、1次部材の端面には、冷却プレートのための共通の接続領域が生じ、この場合、この接続領域には冷却媒体のための分配ヘッドが解除可能に接続されている。
【0007】
したがって、1次部材には単一の供給管路および単一の排出管路を介して冷却媒体(例えば水)を供給することができ、これらの管路は単一の分配ヘッドに接続される。この分配ヘッドは、冷却プレートへの冷却媒体の供給を行う。
【0008】
この場合、分配ヘッド、固定用ねじのための対応する孔部、および冷却媒体通路は、分配ヘッドを2つの異なる方向に取り付けることができるように構成されている。好ましくは、分配ヘッドは、冷却プレートの接続部材もしくは冷却プレートの接続領域を収容する凹部によっても組付けを容易にする。
【0009】
冷却プレートは、冷却媒体のための通路を備える2つのプレートによってそれぞれ構成されており、これらプレートは相互にはんだ付けされている。接続部材も冷却プレートにはんだ付けされている。このようなはんだ付け結合部は極めて長期間にわたり安定的である。冷却プレートおよび接続部材により形成された構成ユニットは、密閉性を極めて良好に前もって試験することができるので、後になってこれらのユニットから冷却媒体が漏出することは考えにくい。漏出は、むしろ分配ヘッドの領域で生じるが、この領域はメンテナンス時にアクセスしやすく、したがって、例えば接続部材と分配ヘッドとの間のシールリングを簡単に交換することができる。
【0010】
本発明のさらなる実施例および利点を図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】付属の接続部材を備える2つの冷却プレートを示す図である。
【
図4】接続部材のための2つの異なる構成を示す図である。
【
図5】冷却プレートの間にスペーサが挿入されたところを示す図である。
【
図6】冷却媒体回路に1次部材を接続するための異なる可能性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1および
図2は、本発明による1次部材Pを示す。
図1の分解図では、1次部材Pの構成が特によく示されている。
【0013】
非磁性のステンレス鋼からなる2つの冷却プレートKの間には、3つの平坦なコイルCが配置されており、コイルCのコイル軸線は冷却プレートKに対して垂直方向である。コイルCは、ポリアミドシートなどのように、絶縁耐力があるが、良好に熱を伝導する材料の層によって、冷却プレートKに対して絶縁されている。リニアモータは、一般に3つの位相によって作動されるので、1次部材Pの内部には3または3の整数倍の数のコイルCが設けられている。個々の冷却プレートKは、上述のように、冷却媒体のための通路を備える2つのプレートK2,K3によってそれぞれ構成されており、これらプレートK2,K3は相互にはんだ付けされている。プレートK2,K3は
図2の側面図に示されている。実施例では、それぞれ2つの冷却プレートKおよびその間に配置された層のコイルCが示されている。複数層のコイルC、および対応してより多くの冷却プレートKをサンドイッチ状に構成することも可能である。
【0014】
好ましくは、同様に非磁性のステンレス鋼により作製された接続部材Aがそれぞれ冷却プレートKにはんだ付けされている。これらの接続部材Aは、冷却プレートKのエッジに沿って、好ましくは、1次部材Pの移動方向に位置するエッジに沿って延在している。接続部材Aは冷却プレートKの冷却通路を接続領域Bに接続し、この接続領域Bを介して冷却媒体を供給もしくは排出することができる。冷却プレートKは、冷却プレートKに対して垂直方向に関して重なり合っており、合同である。個々のプレートK2、K3にエッチングまたはフライス加工された冷却プレートKの内部の冷却通路は同じであり(すなわち、好ましくは同様に合同であり)、全てのコイルCのためにできるだけ良好な放熱を確保する。
【0015】
両方の冷却プレートKの接続部材Aは相互に並列に位置し、共通の接続領域Bが1次部材Pの端面に生じる。この共通の接続領域Bは、両方の冷却プレートKの冷却媒体入口および冷却媒体出口のための開口部と、分配ヘッドVを固定するためのねじ山を有する孔部とをそれぞれ備える。
【0016】
この分配ヘッドVは、冷却媒体を冷却プレートKに一様に分配する。このために、分配ヘッドVは、シールリングRを介して接続部材Aのそれぞれの接続部に結合される冷却媒体出入口としての複数の冷却媒体開口部V3と、固定ねじS1を差し込む孔部V2とを備え、固定ねじS1は、接続部材Aの対応するねじ山付き孔部にねじ込まれる。この場合、それぞれの冷却媒体開口部V3は、側方に配置されたそれぞれ2つのねじS1を有し、これによりシールリングRに一様に押圧力を加えることができる。
【0017】
さらに分配ヘッドVは、共通の接続領域Bを収容することができるように構成された凹部V1を備える。これにより、分配ヘッドVの組付けが容易になる。なぜなら、凹部は、分配ヘッドVの冷却媒体開口部V3、シールリングR、および孔部V2が、接続部材Aの接続領域Bに対して正しく位置決めされるようにする役割を果たすからである。
【0018】
分配ヘッドVは、凹部V1、孔部V2、および冷却媒体開口部V3に関して、分配ヘッドVを2つの異なる方向に取り付けることができるように構成されている。したがって、2つの冷却媒体接続部Mには、用途に応じて2つの異なる側から供給を行うことができる。
【0019】
図2には、接続部材Aのさらに好ましい詳細が示されている。冷却プレートKの厚さ(冷却プレートの平面に対して垂直方向)は、製造条件として特に定義されておらず、所定の許容差がある。したがって、接続部材Aは、それぞれの場合に冷却プレートKの厚さを収容できる深さの凹部A5を備える。この場合、
図2に示すように、凹部A5は、別の接続部材Aの対応する凹部A5が向かい合っている場合には冷却プレートKの半分の厚さを収容してもよいし、または凹部A5は冷却プレートKの厚さ全てを収容してもよい。したがって、両方の冷却プレートKの間隔は、接続部材Aの厚さによって正確に決定されており、したがって、冷却プレートKの正確な厚さは、1次部材Pの外寸のためには本質的ではない。このような1次部材Pは、一般にできるだけ近くで2次部材(極性が交互に代わる磁石を有する磁石レール)に沿ってガイドされるか、または2つの磁石レールの間を通ってガイドされるので、このことは重要である。
【0020】
図3は、組立前の2つの冷却プレートKおよび冷却プレートの接続部材Aのみを示す。次に構成部材の詳細を説明する。
【0021】
図3の両方の接続部材Aは、1次部材Pの組立てを容易にする特徴を備える。図示のように、接続部材Aはそれぞれ両側に凹部A5を備え、組み立てられた場合にこれらの2つの凹部A5は、冷却プレートKの厚さが許容差範囲の上限にある場合であっても冷却プレートKを収容するために十分なスペースを形成する。
【0022】
円筒状の突起A2(例えば、対応する孔部に圧入されるピン)が、両方の接続部材Aのいずれか一方から突出し、他方の接続部材Aの対応する切欠きA3、A4に係合する。このために、図示の実施例では孔部A3および長孔部A4が設けられている。代替的に、製造許容差を補正するために接続部材を位置決めする場合に所定の自由度を得るために、2つの長孔部を使用してもよい。このことは、共通の接続平面が生じるように両方の接続部材Aを接続領域Bで整列するためには特に有効である。したがって、両方の接続部材Aが接続領域Bにおいて分配ヘッドに接触するように、まず分配ヘッドVを固定するためにねじS1を締め付けることができ、次いで接続部材Aを相互に結合するためにねじS2を締め付けることができる。
【0023】
接続部材Aはそれぞれ4つの孔部A6を備え、これらの孔部A6のうち、それぞれ連続する2つの孔A6のいずれか一方がねじ山を有し、両方の接続部材Aは、
図1に示したねじS2によって相互に固定することができる。接続領域Bに向かい合って、凹部A5の領域に位置する孔部A6はリング状の隆起部A8によって包囲されており、これにより、この領域における接続部材Aの間隔が調節され、冷却プレートKを収容するための凹部A5が保持される。したがって、ねじS2を締め付ける場合に冷却プレートKが挟まれることはない。
【0024】
1次部材Pを固定するために、接続部材Aは互いに上下に位置する2つの孔部A7をそれぞれ備え、これらの孔部のうちそれぞれ1つの孔部はねじ山を含む。したがって、後ろ側からナットを取り付ける必要なしに、ねじによって1次部材Pを一方側から顧客アプリケーションに結合することができる。これにより狭い状況において1次部材Pの取付けが容易になる。
【0025】
接続部材Aには、さらに1次部材Pの質量を低減するためのポケットA1がフライス加工されている。
【0026】
冷却プレートKには、さらに接続部材Aに向かい合ったエッジには、スペーサDを収容するための開口部K1が設けられている。これらのスペーサDおよびスペーサの組付けについては以下に詳しく説明する。
【0027】
図4には、接続部材Aを配置するための2つの異なる実施例が示されている。右側の実施例は、これまでの図面に対応している:2つの冷却プレートKの間に、両方の冷却プレートKのいずれか一方の接続部材Aが位置し、他方の接続部材Aは両方の冷却プレートの外側に位置する。1次部材Pの接続部材Aの領域は、2次部材の磁石の近くをガイドされる必要がなく、一般に1次部材から突出しているので、問題はない。冷却媒体のための個々の通路は次に説明する実施形態の場合よりも大きい横断面を備えていてもよく、したがって、流体抵抗が小さくてもよい。
【0028】
図4の左側の実施例では、2つの冷却プレートKの両方の接続部材Aは両方の冷却プレートKの間に位置する。したがって、1次部材Pは、接続領域BにおいてコイルCの領域と同様に幅が狭く、このことは、幾つかの用途では構造的な利点となり得る。しかしながら、冷却通路のためにはより小さい横断面のみが使用できる。
【0029】
図5に基づいて、冷却プレートKの間へのスペーサDの挿入を詳細に説明する。このスペーサDは、押圧力が加えられた場合にも、引っ張り力が加えられた場合にも、冷却プレートKの間隔を保持する必要がある。ねじ結合部はこの箇所において1次部材Pから側方に突出することがあるが、特殊なスペーサDのおかげで防止される。
【0030】
冷却プレートKの開口部K1は、それぞれ外側に位置する冷却プレートKのプレートK2においてはいずれにせよ、円形であり、冷却プレートKのエッジと交差し、これにより円形部分の形状が生じる。スペーサDは円筒体の基本形状を備え、円筒体の半径は、外側に位置するプレートK2の円形の開口部の半径に対応している。
【0031】
図5に示すように、スペーサDの端部D2は、開口部K1に挿入できるように構成されている。スペーサの90°の回動後には、スペーサDの面取り部D1は冷却プレートKのエッジと同一平面をなし、したがってスペーサDは突出しない。この場合、面取り部D1は、外側のプレートK2の開口部K1の切断された円形部分に対応する。
【0032】
開口部K1およびスペーサDの端部D2は、90°の回動後に冷却プレートKとスペーサDとの間の形状に基づいた結合が生じるように構成されている。スペーサDはこの位置で係止されており、この位置ではもはやスペーサを開口部K1から引き出すか、または側方から押し出すことはできない。このために、図示のように両方のプレートK2,K3の両方の開口部K1は異なる形状を備えている。すなわち、それぞれ内側に位置するプレートK3の開口部は、円形とは異なり、スペーサDの端部D2の溝に対応する幅の狭いU字形状を有し、90°の回動後に形状に基づいた結合が生じる。この場合、溝は、冷却プレートKの内側のプレートK3の厚さに対応する幅を有する。
【0033】
同様に冷却プレートKに対して垂直方向には、スペーサDは冷却プレートKから外側に突出していない。このことは、冷却プレートKはコイルC、すなわち磁石を備える2次部材に近いため好ましい。
【0034】
1次部材Pの組付けが終了した後に、内部に位置するコイルCの周囲のフリースペースには、良好に熱を伝導する鋳込み材が真空下に鋳込まれる。
【0035】
最後に
図6は、分配ヘッドVを180°だけ、回動した2つの位置で、接続部材Aもしくは接続領域Bに取り付けることができることをさらに示している。真っ直ぐな、もしくは角度を付けた冷却媒体接続部Mと一緒に、冷却装置を取り付けるための多数の実施形態を構成することができ、これにより冷却媒体の供給部の空間的な構成に関して大きい柔軟性が生じる。分配ヘッドVは簡単に取り外すこともでき、修理は、密閉されていない場合には、例えばシールリングRを交換することにより簡単に行うことが可能である。
【符号の説明】
【0036】
A 接続部材
A1 ポケット
A2 突起
A3 孔部
A4 長孔部
A5 凹部
A6 孔部
A7 孔部
A8 隆起部
B 接続領域
C コイル
D スペーサ
D1 端部
D2 端部
K 冷却プレート
K1 開口部
K2 プレート
K3 プレート
M 冷却媒体接続部
P 一次部材
R シールリング
V 分配ヘッド
V1 凹部
V2 孔部
V3 冷却媒体接続部、冷却媒体出入口