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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】ヒートポンプユニット
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/50 20110101AFI20220324BHJP
   F24F 1/56 20110101ALI20220324BHJP
   F24F 1/16 20110101ALI20220324BHJP
   F24F 13/08 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
F24F1/50
F24F1/56
F24F1/16
F24F13/08 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018031039
(22)【出願日】2018-02-23
(65)【公開番号】P2019124443
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-11-30
(31)【優先権主張番号】P 2018003090
(32)【優先日】2018-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】521362885
【氏名又は名称】コベルコ・コンプレッサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 晃一朗
(72)【発明者】
【氏名】神崎 奈津夫
(72)【発明者】
【氏名】大上 貴博
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-236436(JP,A)
【文献】特開昭61-101775(JP,A)
【文献】実開昭53-145749(JP,U)
【文献】特開昭61-211630(JP,A)
【文献】特開昭60-162169(JP,A)
【文献】実開昭54-122452(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00-13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械部と、
前記機械部の上方に設けられた熱交換器と、
空気の流れにおいて前記熱交換器の上流側の流路である吸気流路と、
空気の流れにおいて前記熱交換器の下流側の流路である排気流路と、
前記熱交換器の上流側に配置され、前記吸気流路から前記排気流路に向かって前記熱交換器を通過するように空気を流動させるファンと、
前記熱交換器を通過した後の空気の流れを上方に規定するように前記排気流路を形成する誘導部材と
を備え、
前記熱交換器と前記機械部との間には、前記吸気流路と流体的に接続された空気層を形成する第1冷却流路が設けられている、ヒートポンプユニット。
【請求項2】
前記熱交換器は、少なくとも一対のパネル状の対向部を有し、
前記吸気流路は、前記対向部の内側に形成され、
前記排気流路は、前記対向部の外側に形成され、
前記誘導部材は、前記排気流路の外側に配置されている、請求項1に記載のヒートポンプユニット。
【請求項3】
前記誘導部材に隣接して設けられた外壁をさらに備え、
前記誘導部材と前記外壁との間に、前記第1冷却流路と流体的に接続された空気層を形成する第2冷却流路が設けられている、請求項1または請求項2に記載のヒートポンプユニット。
【請求項4】
前記誘導部材には連通孔が設けられており、
前記排気流路と前記第2冷却流路は、前記連通孔を通じて流体的に接続されている、請求項3に記載のヒートポンプユニット。
【請求項5】
前記吸気流路の入口である吸気口と、
前記排気流路の出口である排気口と、
前記排気口から出る空気の流れを前記吸気口から遠ざけるように案内する排気案内部と
をさらに備える、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のヒートポンプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒートポンプユニットとして、例えば特許文献1には、熱交換器を使用して放熱するものが開示されている。熱交換器からの排気は、高温となり得るため、周囲の人およびヒートポンプユニット内の機械部に向けられないようにすることが好ましい。例えば、特許文献2には、側方から常温の空気を熱交換器に吸気し、熱交換器にて熱交換した後の高温の空気を上方へ排気するヒートポンプユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-146025号公報
【文献】登録実用新案第3210094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2のヒートポンプユニットでは、ファンが熱交換器の下流に配置されている。そのため、ファンが高温の排気に晒され、損傷するおそれがある。
【0005】
本発明は、ヒートポンプユニットにおいて、熱交換器からの高温の排気が周囲環境および機械部に悪影響を及ぼさず、ファンが高温の排気に晒されないようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、機械部と、前記機械部の上方に設けられた熱交換器と、空気の流れにおいて前記熱交換器の上流側の流路である吸気流路と、空気の流れにおいて前記熱交換器の下流側の流路である排気流路と、前記熱交換器の上流側に配置され、前記吸気流路から前記排気流路に向かって前記熱交換器を通過するように空気を流動させるファンと、前記熱交換器を通過した後の空気の流れを上方に規定するように前記排気流路を形成する誘導部材とを備え、前記熱交換器と前記機械部との間には、前記吸気流路と流体的に接続された空気層を形成する第1冷却流路が設けられている、ヒートポンプユニットを提供する。
【0007】
この構成によれば、熱交換器を通過する前の常温の空気中にファンが配置されているため、熱交換器を通過した後の高温の排気にファンが晒されることを防止できる。従って、高い耐熱性を有する特殊なファンを使用する必要がなく、標準的なファンを使用できる。また、誘導部材によって排気流路の高温の排気の流れを上方に規定しているため、周囲環境および機械部に悪影響を及ぼすことを防止できる。具体的には、熱交換器下方の機械部に高温の排気が当たり、機械部が熱損傷することを防止できるとともに、周囲の人などに高温の排気が当たり、不快感を与えることを防止できる。また、第1冷却流路は吸気流路と流体的に接続されているため、第1冷却流路には吸気流路から常温の空気が流入する。従って、熱交換器と機械部との間が常温の空気層で冷却されるため、熱交換器からの熱によって機械部の温度が上昇することを防止できる。
【0008】
前記熱交換器は、少なくとも一対のパネル状の対向部を有し、前記吸気流路は、前記対向部の内側に形成され、前記排気流路は、前記対向部の外側に形成され、前記誘導部材は、前記排気流路の外側に配置されてもよい。
【0009】
この構成によれば、内側から外側へ順に、吸気流路、対向部、排気流路、および誘導部材が配置される。そのため、吸気から排気までの空気の流れを概ね内側から外側に規定でき、空気流路が複雑化することを防止するとともに、簡易に熱交換部を具体的に構成できる。
【0012】
前記誘導部材に隣接して設けられた外壁をさらに備え、前記誘導部材と前記外壁との間に、前記第1冷却流路と流体的に接続された空気層を形成する第2冷却流路が設けられてもよい。
【0013】
この構成によれば、第2冷却流路は第1冷却流路と流体的に接続されているため、第2冷却流路には第1冷却流路と概ね同じ常温の空気が流入する。そのため、誘導部材と外壁との間に常温の空気層が設けられる。誘導部材は排気流路を流れる高温の排気によって高温となり得るが、この空気層によって外壁が高温となることが防止される。従って、周囲の人が外壁に触れて熱いと感じることを防止できる。
【0014】
前記誘導部材には連通孔が設けられており、前記排気流路と前記第2冷却流路は、前記連通孔を通じて流体的に接続されてもよい。
【0015】
この構成によれば、排気流路内の高温の排気と、第2冷却流路内の低温の空気とが混合されることで、排気温度が低下する。従って、排気が悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0016】
前記吸気流路の入口である吸気口と、前記排気流路の出口である排気口と、前記排気口から出る空気の流れを前記吸気口から遠ざけるように案内する排気案内部とをさらに備えてもよい。
【0017】
この構成によれば、熱交換器を通過した後の高温の空気が排気流路を通って排気口から出た際に吸気口を介して吸気流路に吸気されることを抑制できる。これにより、吸気流路を通じて高温の空気が熱交換器に供給されることを抑制できるため、熱交換器における熱交換効率の低下を抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、高温の排気の流れを上方に規定しているため、周囲環境および機械部に悪影響を及ぼすことを防止できる。また、熱交換器の上流側にファンを配置しているため、高温の排気にファンが晒されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態に係るヒートポンプユニットの模式的な部分断面図。
図2】本発明の第2実施形態に係るヒートポンプユニットの模式的な部分断面図。
図3】本発明の第3実施形態に係るヒートポンプユニットの模式的な部分断面図。
図4】本発明の第4実施形態に係るヒートポンプユニットの模式的な部分断面図。
図5】本発明の第5実施形態に係るヒートポンプユニットの模式的な部分断面図。
図6A】本発明の第6実施形態に係るヒートポンプユニットの模式的な部分断面図。
図6B図6Aのヒートポンプユニットの変形例を示す模式的な部分断面図。
図7A】本発明の第7実施形態に係るヒートポンプユニットの模式的な部分断面図。
図7B図7Aのヒートポンプユニットの変形例を示す模式的な部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るヒートポンプユニット1を示している。本実施形態のヒートポンプユニット1は、機械部10と、熱交換部20とを備える。
【0022】
機械部10は、外装であるケーシング11内に圧縮機および制御盤などを収容しており、ヒートポンプユニット1における機械部分を構成する。機械部10は、公知のヒートポンプユニット1のものと同じであるため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0023】
熱交換部20は、ヒートポンプユニット1内を循環する冷媒を介して機械部10からの熱を空気中に放出する部分である。熱交換部20は、熱交換器21と、ファン22と、誘導部材23とを備える。
【0024】
熱交換器21は、機械部10の上方に立設され、一対のパネル状の対向部21aを有している。対向部21aは、鉛直方向に延び、水平方向に対向している。対向部21aは、複数の伝熱管(図示せず)を有し、伝熱管の外側を空気が通過することによって空気中に放熱する。ここで、対向部21aの上流側(即ち対向部21aの間)の空気の流路を吸気流路P1と称し、下流側の空気の流路を排気流路P2と称する。また、本実施形態の熱交換器21は、下端において機械部10と接触している。
【0025】
ファン22は、図示されないモータによって駆動され、熱交換部20における気流を発生させる(図1中の矢印参照)。ファン22は、対向部21aの間の吸気流路P1中に配置され、対向部21aを内側から外側へ通過するように空気を流動させる。即ち、空気は、ファン22によって、吸気流路P1から排気流路P2に向かって熱交換器21を通過するように流されている。なお、ファン22の種類は、特に限定されない。例えば、図示のような軸流型のファンであってもよいし、遠心型ないしその他のファンであってもよい。
【0026】
誘導部材23は、対向部21aの外側にて上下方向(本実施形態においては鉛直方向)に延びるように立設されている。誘導部材23は、対向部21aを通過した後の空気を上方に排気する排気流路P2を形成している。本実施形態の誘導部材23の高さd1は、熱交換器21の高さと同程度であり、例えば1200mm程度である。また、排気流路P2の幅d2は、例えば300mm程度である。
【0027】
本実施形態の空気の流れを説明する。常温の空気は、ファン22によって熱交換器21上部に設けられた吸気流路P1の入口である吸気口24から吸気流路P1に吸気される。即ち、吸気流路P1内の温度は、常温であり、例えば30度程度である。吸気流路P1内に吸気された空気は、2手に分かれて熱交換器21の対向部21aを内側から外側へ通過する。空気は、熱交換器21の対向部21aを通過する際に加熱され、昇温する。対向部21aを通過した高温の空気は、誘導部材23によって上方に誘導され、排気流路P2内を上方に流動する。即ち、排気流路P2内の空気は、高温となっており、例えば70℃程度である。排気流路P2を上方に流動する空気は、排気流路P2の出口である排気口25から上方に排気される。
【0028】
本実施形態によれば、熱交換器21の上流側に位置して常温の空気が流れる吸気流路P1にファン22が配置されているため、熱交換器21を通過した後の高温の排気にファン22が晒されることを防止できる。従って、高い耐熱性を有する特殊なファンを使用する必要がなく、標準的なファンを使用できる。また、排気流路P2によって熱交換器21からの高温の排気の流れを上方に規定しているため、周囲環境および機械部10に悪影響を及ぼすことを防止できる。具体的には、周囲の人などに高温の排気が当たり、不快感を与えることを防止できる。
【0029】
また、本実施形態によれば、熱交換部20において、内側から外側へ順に、吸気流路P1、対向部21a、排気流路P2、および誘導部材23が配置される。そのため、吸気から排気までの空気の流れを概ね内側から外側に規定でき、空気流路が複雑化することを防止するとともに、簡易に熱交換部20を具体的に構成できる。
【0030】
(第2実施形態)
図2に示す第2実施形態のヒートポンプユニット1の熱交換部20には、排気流路P2に流体連通せず吸気流路P1と流体連通した第1冷却流路P3が設けられている。これに関する構成以外は、図1の第1実施形態のヒートポンプユニット1の構成と実質的に同じである。従って、図1に示した構成と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0031】
本実施形態では、熱交換器21と機械部10との間に、吸気流路P1と流体的に接続された空気層を形成する第1冷却流路P3が設けられている。第1冷却流路P3によって形成される上下方向の隙間の間隔d3は、例えば50mm程度である。第1冷却流路P3を流れる空気は、熱交換部20の側方の排気口26から排気される。排気口26は、排気が上方に向かうように傾斜して設けられている。
【0032】
本実施形態によれば、第1冷却流路P3は、吸気流路P1と流体的に接続されているため、第1冷却流路P3には吸気流路P1と概ね同じ常温の空気が流れる。従って、熱交換器21と機械部10との間が流動する常温の空気層で冷却されるため、熱交換器21からの熱によって機械部10の温度が上がることを防止できる。
【0033】
(第3実施形態)
図3に示す第3実施形態のヒートポンプユニット1の熱交換部20には、第1冷却流路P3に流体連通した第2冷却流路P4が設けられている。これに関する構成以外は、図2の第2実施形態のヒートポンプユニット1の構成と実質的に同じである。従って、図2に示した構成と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0034】
本実施形態では、外壁28が誘導部材23の外側に鉛直方向(上下方向)に延びるように立設されている。外壁28と誘導部材23との間には、第1冷却流路P3と流体的に接続された空気層を形成する第2冷却流路P4が設けられている。第2冷却流路P4によって形成される隙間の対向部21aにおける内外方向の間隔d4は、例えば150mm程度である。なお、本実施形態では、第2冷却流路P4は、排気流路P2と流体的に接続されておらず、第2冷却流路P4内を流れる空気は、熱交換器21の上部に設けられた排気口27から上方に排気される。
【0035】
第2冷却流路P4は第1冷却流路P3と流体的に接続されているため、第2冷却流路P4には第1冷却流路P3と概ね同じ常温の空気が流れる。そのため、誘導部材23と外壁28との間に流動する常温の空気層が設けられる。誘導部材23は排気流路P2を流れる高温の排気によって高温となり得るが、この空気層によって外壁28が高温となることが防止される。従って、周囲の人が外壁28に触れて熱いと感じることを防止できる。
【0036】
(第4実施形態)
図4に示す本実施形態のヒートポンプユニット1の熱交換部20には、排気流路P2に流体連通した第1冷却流路P3が設けられている。これに関する構成以外は、図1の第1実施形態のヒートポンプユニット1の構成と実質的に同じである。従って、図1に示した構成と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0037】
本実施形態では、熱交換器21と機械部10との間に、吸気流路P1と流体的に接続された空気層を形成する第1冷却流路P3が設けられている。第1冷却流路P3によって形成される隙間の上下方向の間隔d3は、例えば50mm程度である。第1冷却流路P3は吸気流路P1と流体的に接続されているため、第1冷却流路P3には吸気流路P1と概ね同じ常温の空気が流れる。従って、熱交換器21と機械部10との間に流動する常温の空気層が設けられるため、熱交換器21からの熱によって機械部10の温度が上昇することを防止できる。また、第1冷却流路P3は排気流路P2と流体的に接続されているため、排気流路P2内で、排気流路P2内の相対的に高温の排気と、第1冷却流路P3内の相対的に低温の空気とが混合される。従って、排気口25からの排気温度が第1実施形態に比べて低下する。従って、排気が悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0038】
(第5実施形態)
図5に示す本実施形態のヒートポンプユニット1の熱交換部20には、排気流路P2および第1冷却流路P3に流体連通した第2冷却流路P4が設けられている。これに関する構成以外は、図3の第3実施形態のヒートポンプユニット1の構成と実質的に同じである。従って、図3に示した構成と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0039】
本実施形態では、誘導部材23にスリット状に複数の連通孔23aが設けられている。従って、第2冷却流路P4と排気流路P2は、連通孔23aを通じて流体的に接続されている。従って、排気流路P2内の高温の排気と、第2冷却流路P4内の低温の空気とが混合されることで、排気温度が低下する。従って、排気が悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0040】
(第6実施形態)
図6Aに示す本実施形態のヒートポンプユニット1の排気流路P2の排気口25には、フード状部品(排気案内部)29が設けられている。これに関する構成以外は、図1の第1実施形態のヒートポンプユニット1の構成と実質的に同じである。従って、図1に示した構成と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0041】
フード状部品29は薄い板で構成されており、その一端(下端)が熱交換器21の対向部21aの上部に取り付けられている。フード状部品29は、鉛直方向からファン22とは反対側に向かって傾斜して配置され、排気口25を部分的に覆っている。従って、フード状部品29は、排気流路P2を流れて排気口25から上方へ出る空気の流れ(図6A中の矢印A参照)を吸気口24から遠ざけるように案内する(図6A中の矢印B参照)。
【0042】
本実施形態のヒートポンプユニット1によれば、熱交換器21を通過した後の高温の空気が排気流路P2を通って排気口25から出た際に吸気口24から吸気流路P1に吸気されることを抑制できる。これにより、吸気流路P1を通じて高温の空気が熱交換器21に供給されることを抑制できるため、熱交換器21における熱交換効率の低下を抑制できる。
【0043】
図6Bは、第6実施形態のヒートポンプユニット1の変形例を示している。本変形例では、上記フード状部品29(図6A参照)に代えてルーバー状部品(排気案内部)30が設けられている。
【0044】
ルーバー状部品30は、排気口25を覆うように取り付けられている。ルーバー状部品30は、鉛直方向からファン22とは反対側に向かって傾斜して並べられた複数の羽根部30aを有している。従って、ルーバー状部品30は、排気流路P2を流れて排気口25から上方へ出る空気の流れ(図6B中の矢印A参照)を吸気口24から遠ざけるように方向転換する(図6B中の矢印B参照)。
【0045】
ルーバー状部品30を使用した本変形例でも、上記フード状部品29(図6A参照)を取り付けた場合と同様の効果を得ることができる。
【0046】
(第7実施形態)
図7Aに示す本実施形態のヒートポンプユニット1の排気流路P2の排気口25には、フード状部品(排気案内部)29が設けられている。これに関する構成以外は、図3の第3実施形態のヒートポンプユニット1の構成と実質的に同じである。従って、図3に示した構成と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0047】
本実施形態のヒートポンプユニット1には、第6実施形態(図6A参照)と同じく、フード状部品29が設けられている。このようにフード状部品29は、第3実施形態のヒートポンプユニット1にも設けることができる。さらにいえば、フード状部品29は、その他の実施形態のヒートポンプユニット1にも設けることができる。
【0048】
本実施形態のヒートポンプユニット1によって得られる効果は第6実施形態と概ね同じである。これに加えて、特に本実施形態では、フード状部品29によって、排気流路P2を流れて排気口25から出た高温の排気を、第2冷却流路P4を流れて排気口27から出た常温の空気と合流させることができる。これにより、高温の排気をヒートポンプユニット1外に放出することを抑制できる。
【0049】
図7Bは、第7実施形態のヒートポンプユニット1の変形例を示している。本変形例では、上記フード状部品29の端部29aが概ね水平方向外側に、即ち吸気口24から遠ざかる方向へ折り曲げられている。
【0050】
このようにフード状部品29に概ね水平な端部29aを形成することで、前述のように排気流路P2を流れて排気口25から出た高温の排気を、第2冷却流路P4を流れて排気口27から出た常温の空気と合流させる機能を損なうことなく、ヒートポンプユニット1の高さを低くすることができる。より詳細には、図7Bでは概ね水平な端部29aを有していないフード状部品29を破線で仮想的に示しており、これと比較して、本変形例では高さhだけ低くすることができる。
【0051】
以上より、本発明の具体的な実施形態および変形例について説明したが、本発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、個々の実施形態および変形例の内容を適宜組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。特に留意すべきは、第6実施形態および第7実施形態のフード状部品29およびルーバー状部品30は、それぞれ任意の実施形態に対して組み合わせて使用できる。また、上記の各実施形態では、熱交換器21の形状として対向部21aを有するものを例示したが、熱交換器21の形状はこれに特に限定されない。また、ファン22は複数個設けられてもよい。また、熱交換器21は、少なくとも一対のパネル状の対向部21aを有し、吸気流路P1は、対向部21aの外側に形成され、排気流路P2は、対向部21aの内側に形成され、誘導部材は、排気流路の内側に配置されてもよい。また、上記の各実施形態では、熱交換器21、誘導部材23、排気流路P2および第2冷却流路P4が、鉛直方向に設けられているものを例示した。しかしながら、誘導部材23が熱交換器を通過した後の空気の流れを上方に規定する機能を損なわなければ、熱交換器21、誘導部材23、排気流路P2および第2冷却流路P4の少なくとも一つを傾斜するように配置してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 ヒートポンプユニット
10 機械部
11 ケーシング
20 熱交換部
21 熱交換器
21a 対向部
22 ファン
23 誘導部材
23a 連通孔
24 吸気口
25,26,27 排気口
28 外壁
29 フード状部品(排気案内部)
30 ルーバー状部品(排気案内部)
30a 羽根部
P1 吸気流路
P2 排気流路
P3 第1冷却流路
P4 第2冷却流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B