(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】無人飛行体
(51)【国際特許分類】
G10K 11/178 20060101AFI20220324BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20220324BHJP
B64D 47/00 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
G10K11/178
B64C39/02
B64D47/00
(21)【出願番号】P 2018057310
(22)【出願日】2018-03-23
【審査請求日】2020-10-06
(32)【優先日】2017-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小西 一暢
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ステファン ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】水野 耕
(72)【発明者】
【氏名】金森 丈郎
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-502568(JP,A)
【文献】特開2016-060468(JP,A)
【文献】特開2017-063960(JP,A)
【文献】米国特許第09489937(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0174319(US,A1)
【文献】米国特許第09442496(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0105635(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 11/178
B64C 39/02
B64D 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人飛行体であって、
前記無人飛行体を飛行させる力を発生させる1つ以上の発生器であって、それぞれ気流を発生させる1つ以上の発生器と、
前記1つ以上の発生器がそれぞれ出す気流の領域である1つ以上の第1気流領域のいずれにも含まれない外部領域に位置する1つ以上の第1マイクロフォンと、
前記外部領域において、前記1つ以上の発生器の少なくとも1つと、前記1つ以上の第1マイクロフォンの少なくとも1つとの間にそれぞれ位置する1つ以上の第2マイクロフォンと、
前記1つ以上の第1マイクロフォンから出力される1つ以上の第1信号、及び、前記1つ以上の第2マイクロフォンから出力される1つ以上の第2信号を処理するプロセッサと
、
前記1つ以上の第2マイクロフォンの収音方向をそれぞれ制御する方向制御アクチュエータとを備え、
前記プロセッサは、
前記無人飛行体の移動方向を判定し、
前記移動方向の変化に従って、前記1つ以上の第2マイクロフォンのうちの少なくとも1つの前記収音方向が変化するように前記方向制御アクチュエータを動作させる
無人飛行体。
【請求項2】
前記1つ以上の発生器は、2つ以上の発生器であり、
前記1つ以上の第2マイクロフォンは、2つ以上の第2マイクロフォンであり、
前記2つ以上の第2マイクロフォンの各々は、前記外部領域において、前記2つ以上の発生器のうち前記2つ以上の第2マイクロフォンの各々に対応する発生器と、前記1つ以上の第1マイクロフォンの少なくとも1つとの間に位置する
請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項3】
前記1つ以上の第1マイクロフォンは、1つの第1マイクロフォンであり、
前記2つ以上の第2マイクロフォンの各々は、前記外部領域において、前記2つ以上の発生器のうち前記2つ以上の第2マイクロフォンの各々に対応する発生器と、前記1つの第1マイクロフォンとの間に位置する
請求項2に記載の無人飛行体。
【請求項4】
前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれは、互いに平行でなくかつ交差しない
請求項2又は3に記載の無人飛行体。
【請求項5】
前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれは、前記無人飛行体を飛行させることが可能な方向である
請求項4に記載の無人飛行体。
【請求項6】
前記無人飛行体は、さらに、前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれを制御する第1アクチュエータを備える
請求項4又は5に記載の無人飛行体。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記無人飛行体の移動を判定し、
前記無人飛行体の移動の際に、前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれが互いになす角度が減少するように前記第1アクチュエータを動作させる
請求項6に記載の無人飛行体。
【請求項8】
前記2つ以上の第2マイクロフォンは、前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれの変化にかかわらず、前記外部領域にそれぞれ位置する
請求項6又は7に記載の無人飛行体。
【請求項9】
前記無人飛行体は、さらに、前記2つ以上の第2マイクロフォンの位置をそれぞれ制御する第2アクチュエータを備え、
前記プロセッサは、
前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれが変化する場合、前記外部領域に前記2つ以上の第2マイクロフォンがそれぞれ位置するように前記第2アクチュエータを動作させる
請求項6~8のいずれか1項に記載の無人飛行体。
【請求項10】
前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれが変化する場合、前記2つ以上の発生器の各々の前記第1気流領域と、前記2つ以上の第2マイクロフォンのうちの前記2つ以上の発生器の各々に対応する第2マイクロフォンの位置と、の相対的な関係が維持される
請求項9に記載の無人飛行体。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記1つ以上の第1マイクロフォンで収音が行われない期間において、前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれが互いになす角度が減少するように前記第1アクチュエータを動作させる
請求項7~10のいずれか1項に記載の無人飛行体。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記移動方向と前記1つ以上の第2マイクロフォンのうちの少なくとも1つの前記収音方向とが異なるように前記
方向制御アクチュエータを動作させる
請求項
1~11のいずれか1項に記載の無人飛行体。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記1つ以上の第1信号及び前記1つ以上の第2信号に従って、1つ以上の音を示す1つ以上の第3信号を生成する
請求項1~
12のいずれか1項に記載の無人飛行体。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記1つ以上の第1信号のうちの少なくとも1つによって示される音から前記1つ以上の第2信号のうちの少なくとも1つによって示される音が抑制された音を示す第3信号で構成される前記1つ以上の第3信号を生成する
請求項
13に記載の無人飛行体。
【請求項15】
前記外部領域は、前記1つ以上の第1気流領域のいずれにも含まれない領域であり、かつ、前記1つ以上の発生器にそれぞれ流入する気流の領域である1つ以上の第2気流領域のいずれにも含まれない領域である
請求項1~
14のいずれか1項に記載の無人飛行体。
【請求項16】
前記1つ以上の発生器は、1つ以上の回転翼をそれぞれ備える
請求項1~
15のいずれか1項に記載の無人飛行体。
【請求項17】
無人飛行体であって、
前記無人飛行体を飛行させる力を発生させる2つ以上の発生器であって、それぞれ気流を発生させる2つ以上の発生器と、
前記2つ以上の発生器がそれぞれ出す気流の領域である2つ以上の第1気流領域のいずれにも含まれない外部領域に位置する1つ以上の第1マイクロフォンと、
2つ以上の第2マイクロフォンであって、当該2つ以上の第2マイクロフォンの各々が、前記外部領域において、前記2つ以上の発生器のうち当該2つ以上の第2マイクロフォンの各々に対応する発生器と、前記1つ以上の第1マイクロフォンの少なくとも1つとの間に位置する2つ以上の第2マイクロフォンと、
前記1つ以上の第1マイクロフォンから出力される1つ以上の第1信号、及び、前記2つ以上の第2マイクロフォンから出力される2つ以上の第2信号を処理するプロセッサと、
前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれを制御する第1アクチュエータとを備え、
前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれは、互いに平行でなくかつ交差せず、
前記プロセッサは、
前記無人飛行体の移動を判定し、
前記無人飛行体の移動の際に、前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれが互いになす角度が減少するように前記第1アクチュエータを動作させる
無人飛行体。
【請求項18】
無人飛行体であって、
前記無人飛行体を飛行させる力を発生させる2つ以上の発生器であって、それぞれ気流を発生させる2つ以上の発生器と、
前記2つ以上の発生器がそれぞれ出す気流の領域である2つ以上の第1気流領域のいずれにも含まれない外部領域に位置する1つ以上の第1マイクロフォンと、
2つ以上の第2マイクロフォンであって、当該2つ以上の第2マイクロフォンの各々が、前記外部領域において、前記2つ以上の発生器のうち当該2つ以上の第2マイクロフォンの各々に対応する発生器と、前記1つ以上の第1マイクロフォンの少なくとも1つとの間に位置する2つ以上の第2マイクロフォンと、
前記1つ以上の第1マイクロフォンから出力される1つ以上の第1信号、及び、前記2つ以上の第2マイクロフォンから出力される2つ以上の第2信号を処理するプロセッサと、
前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれを制御する第1アクチュエータと、
前記2つ以上の第2マイクロフォンの位置をそれぞれ制御する第2アクチュエータとを備え、
前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれは、互いに平行でなくかつ交差せず、
前記プロセッサは、
前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれが変化する場合、前記外部領域に前記2つ以上の第2マイクロフォンがそれぞれ位置するように前記第2アクチュエータを動作させる
無人飛行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
無人飛行体に関して、特許文献1には、装置本体の飛行性能を維持しつつ、ノイズを低減することが可能な無線航空機が提案されている。具体的には、特許文献1に記載の無線航空機は、モータで回転するプロペラにより空中を飛行する。そして、特許文献1に記載の無線航空機は、モータの回転音を集音し、集音した回転音の逆位相となる音波を生成し、周辺の音を集音し、集音した音に対して、集音した回転音の逆位相となる音波を合成することでノイズキャンセリングを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、プロペラの近くにマイク(マイクロフォン)が配置された場合、プロペラによって発生する気流がマイクに当たることで風雑音がマイクに入る可能性がある。したがって、プロペラによって発生するノイズを適切に収音することは容易ではなく、ターゲットの音からプロペラによって発生するノイズを取り除くことは容易ではない。
【0005】
そこで、本開示は、風雑音がマイクに入ることを抑制することができる無人飛行体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る無人飛行体は、前記無人飛行体を飛行させる力を発生させる1つ以上の発生器であって、それぞれ気流を発生させる1つ以上の発生器と、前記1つ以上の発生器がそれぞれ出す気流の領域である1つ以上の第1気流領域のいずれにも含まれない外部領域に位置する1つ以上の第1マイクロフォンと、前記外部領域において、前記1つ以上の発生器の少なくとも1つと、前記1つ以上の第1マイクロフォンの少なくとも1つとの間にそれぞれ位置する1つ以上の第2マイクロフォンと、前記1つ以上の第1マイクロフォンから出力される1つ以上の第1信号、及び、前記1つ以上の第2マイクロフォンから出力される1つ以上の第2信号を処理するプロセッサと、前記1つ以上の第2マイクロフォンの収音方向をそれぞれ制御する方向制御アクチュエータとを備え、前記プロセッサは、前記無人飛行体の移動方向を判定し、前記移動方向の変化に従って、前記1つ以上の第2マイクロフォンのうちの少なくとも1つの前記収音方向が変化するように前記方向制御アクチュエータを動作させる。
【0007】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、又は、コンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、及び、記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る無人飛行体は、風雑音がマイクに入ることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態における無人飛行体の構成を示す外観図である。
【
図2】
図2は、実施の形態における無人飛行体の構成を示す断面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態における気流領域の変形例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第1変形例における無人飛行体の構成を示す断面図である。
【
図5】
図5は、第2変形例における無人飛行体の構成を示す概略図である。
【
図6】
図6は、第2変形例における無人飛行体の構成を示す断面図である。
【
図7】
図7は、第3変形例における無人飛行体の構成を示す断面図である。
【
図8】
図8は、第3変形例における発生器が傾斜していない状態を説明するための図である。
【
図9】
図9は、第3変形例における収音方向を示す概略図である。
【
図10】
図10は、第4変形例における無人飛行体の構成を示す断面図である。
【
図11】
図11は、第4変形例における発生器が傾斜していない状態を説明するための図である。
【
図12】
図12は、第5変形例における無人飛行体の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見)
近年、ドローン、無人航空機又はUAV(Unmanned Aerial Vehicle)とも表現される無人飛行体が、情報収集等に利用され始めている。例えば、人が行くことが困難な場所へ、センサが搭載された無人飛行体を移動させることにより、センサからその場所の様々な情報を取得することが可能になる。このような利用は、建造物の診断などにも適用され得る。例えば、このような無人飛行体を利用して、無人飛行体の周辺の音が収音され得る。
【0011】
一方で、基本的に、無人飛行体によって発生するノイズは大きく、無人飛行体によって発生するノイズを除いて無人飛行体の周辺の音を収音することは容易ではない。そこで、例えば、無人飛行体の周辺の音と、無人飛行体によって発生するノイズとを収音し、周辺の音からノイズを取り除くための技術が適用されてもよい。これにより、無人飛行体の周辺の音として収音された音から、ノイズとして収音された音が取り除かれ、収音したい機体周辺の音がクリアにとれる。
【0012】
具体的には、音からノイズを取り除くため、ノイズキャンセリング(NC)が用いられてもよい。ノイズキャンセリングは、騒音等のノイズを能動的に逆位相音で抑制したり、音からノイズに関連する音だけを除去したりする技術である。例えば、音とノイズとが収音され、音とノイズの逆位相音とを合成することによって、音からノイズが取り除かれる。元の音の逆位相音とは、元の音の位相に対して逆位相を有する音であり、元の音の波形が反転された波形を有する音である。
【0013】
このようなノイズキャンセリングを適用するため、ノイズを収音するためのマイクは、ノイズの発生源の近くに配置される。例えば、無人飛行体に搭載されたプロペラからノイズが発生する。具体的には、プロペラが回転することにより、プロペラを構成する1つのブレードから翼端渦が発生する。この翼端渦がプロペラを構成する他のブレードに当たることにより、ノイズが発生する。このようなノイズを収音するためのマイクは、プロペラの近くに配置される。
【0014】
しかしながら、プロペラによって発生する風がマイクに当たることで、風雑音がマイクに入る可能性がある。すなわち、ノイズキャンセリングのためのノイズとは異なるノイズがマイクに入る可能性があり、プロペラによって発生するノイズが適切に収音されない可能性がある。ノイズが正しく収音できないことで、無人飛行体の周辺の音からノイズが適切に取り除かれない可能性がある。
【0015】
そこで、本開示の一態様に係る無人飛行体は、前記無人飛行体を飛行させる力を発生させる1つ以上の発生器であって、それぞれ気流を発生させる1つ以上の発生器と、前記1つ以上の発生器がそれぞれ出す気流の領域である1つ以上の第1気流領域のいずれにも含まれない外部領域に位置する1つ以上の第1マイクロフォンと、前記外部領域において、前記1つ以上の発生器の少なくとも1つと、前記1つ以上の第1マイクロフォンの少なくとも1つとの間にそれぞれ位置する1つ以上の第2マイクロフォンと、前記1つ以上の第1マイクロフォンから出力される1つ以上の第1信号、及び、前記1つ以上の第2マイクロフォンから出力される1つ以上の第2信号を処理するプロセッサとを備える。
【0016】
これにより、無人飛行体は、無人飛行体の周辺の音を収音するための第1マイクロフォン、及び、ノイズを収音するための第2マイクロフォンに、風雑音が入ることを抑制することができる。また、無人飛行体を飛行させる力を発生させ、かつ、気流を発生させる発生器は、ノイズを発生させると想定される。したがって、無人飛行体は、第1マイクロフォンと発生器との間に位置する第2マイクロフォンによって、発生器で発生し第1マイクロフォンに入ると想定されるノイズを適切に収音することができる。
【0017】
例えば、前記1つ以上の発生器は、2つ以上の発生器であり、前記1つ以上の第2マイクロフォンは、2つ以上の第2マイクロフォンであり、前記2つ以上の第2マイクロフォンの各々は、前記外部領域において、前記2つ以上の発生器のうち前記2つ以上の第2マイクロフォンの各々に対応する発生器と、前記1つ以上の第1マイクロフォンの少なくとも1つとの間に位置してもよい。
【0018】
これにより、無人飛行体は、複数の発生器に従って、無人飛行体が飛行するための力を発生させることができる。また、無人飛行体は、各発生器のノイズを収音するための第2マイクロフォンを備え得る。したがって、無人飛行体は、適切に各発生器のノイズを収音することができる。
【0019】
また、例えば、前記1つ以上の第1マイクロフォンは、1つの第1マイクロフォンであり、前記2つ以上の第2マイクロフォンの各々は、前記外部領域において、前記2つ以上の発生器のうち前記2つ以上の第2マイクロフォンの各々に対応する発生器と、前記1つの第1マイクロフォンとの間に位置してもよい。
【0020】
これにより、無人飛行体は、各発生器で発生し1つの第1マイクロフォンに入ると想定されるノイズを適切に収音することができる。
【0021】
また、例えば、前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれは、互いに平行でなくかつ交差しなくてもよい。
【0022】
これにより、無人飛行体は、複数の発生器で発生する複数の気流の間において、第1マイクロフォン及び第2マイクロフォンを配置するための十分な領域を有し得る。したがって、第1マイクロフォン及び第2マイクロフォンが、適切な位置に配置され得る。
【0023】
また、例えば、前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれは、前記無人飛行体を飛行させることが可能な方向であってもよい。
【0024】
これにより、無人飛行体は、各発生器が傾斜されている状態で、適切に飛行することができる。
【0025】
また、例えば、前記無人飛行体は、さらに、前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれを制御する第1アクチュエータを備えてもよい。
【0026】
これにより、無人飛行体は、発生器が出す気流の方向に対応する傾斜を制御することができる。すなわち、無人飛行体は、発生器の傾斜を適応的に変化させることができる。
【0027】
また、例えば、前記プロセッサは、前記無人飛行体の移動を判定し、前記無人飛行体の移動の際に、前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれが互いになす角度が減少するように前記第1アクチュエータを動作させてもよい。
【0028】
これにより、無人飛行体は、移動方向に対して反対方向に力が発生することを抑制することができる。
【0029】
また、例えば、前記2つ以上の第2マイクロフォンは、前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれの変化にかかわらず、前記外部領域にそれぞれ位置してもよい。
【0030】
これにより、無人飛行体は、気流の方向が変化しても、風雑音が第2マイクロフォンに入ることを抑制することができる。
【0031】
また、例えば、前記無人飛行体は、さらに、前記2つ以上の第2マイクロフォンの位置をそれぞれ制御する第2アクチュエータを備え、前記プロセッサは、前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれが変化する場合、前記外部領域に前記2つ以上の第2マイクロフォンがそれぞれ位置するように前記第2アクチュエータを動作させてもよい。
【0032】
これにより、無人飛行体は、発生器の傾斜の変化に対して、第2マイクロフォンを適切な位置に配置することができる。
【0033】
また、例えば、前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれが変化する場合、前記2つ以上の発生器の各々の前記第1気流領域と、前記2つ以上の第2マイクロフォンのうちの前記2つ以上の発生器の各々に対応する第2マイクロフォンの位置と、の相対的な関係が維持されてもよい。
【0034】
これにより、無人飛行体は、発生器の傾斜の変化に対して、第2マイクロフォンを適切な位置に維持することができる。
【0035】
また、例えば、前記プロセッサは、前記1つ以上の第1マイクロフォンで収音が行われない期間において、前記2つ以上の発生器が前記気流を出す方向それぞれが互いになす角度が減少するように前記第1アクチュエータを動作させてもよい。
【0036】
これにより、無人飛行体は、収音期間において、発生器を傾斜させて、収音に適切な状態を構築することができる。また、無人飛行体は、収音期間以外において、移動に適切な状態を構築することができる。
【0037】
また、例えば、前記無人飛行体は、前記1つ以上の第2マイクロフォンの収音方向をそれぞれ制御する第3アクチュエータを備え、前記プロセッサは、前記無人飛行体の移動方向を判定し、前記移動方向の変化に従って、前記1つ以上の第2マイクロフォンのうちの少なくとも1つの前記収音方向が変化するように前記第3アクチュエータを動作させてもよい。
【0038】
これにより、無人飛行体は、移動方向の変化に従って、適応的に収音方向を変化させることができる。
【0039】
また、例えば、前記プロセッサは、前記移動方向と前記1つ以上の第2マイクロフォンのうちの少なくとも1つの前記収音方向とが異なるように前記第3アクチュエータを動作させてもよい。
【0040】
これにより、無人飛行体は、移動に対して相対的に受ける風によって、第2マイクロフォンに風雑音が入ることを抑制することができる。
【0041】
また、例えば、前記プロセッサは、前記1つ以上の第1信号及び前記1つ以上の第2信号に従って、1つ以上の音を示す1つ以上の第3信号を生成してもよい。
【0042】
これにより、無人飛行体は、発生器から相対的に遠い第1マイクロフォンの信号と、発生器から相対的に近い第2マイクロフォンの信号とに従って、音を示す信号を新たに生成することができる。
【0043】
また、例えば、前記プロセッサは、前記1つ以上の第1信号のうちの少なくとも1つによって示される音から前記1つ以上の第2信号のうちの少なくとも1つによって示される音が抑制された音を示す第3信号で構成される前記1つ以上の第3信号を生成してもよい。
【0044】
これにより、無人飛行体は、発生器から相対的に遠い第1マイクロフォンの信号によって示される音から、発生器から相対的に近い第2マイクロフォンの信号によって示される音が抑制された音を示す信号を新たに生成することができる。
【0045】
また、例えば、前記外部領域は、前記1つ以上の第1気流領域のいずれにも含まれない領域であり、かつ、前記1つ以上の発生器にそれぞれ流入する気流の領域である1つ以上の第2気流領域のいずれにも含まれない領域であってもよい。
【0046】
これにより、無人飛行体は、発生器に流れ込む気流が第1マイクロフォン及び第2マイクロフォンに当たることを抑制することができ、第1マイクロフォン及び第2マイクロフォンに、風雑音が入ることをさらに抑制することができる。
【0047】
また、例えば、前記1つ以上の発生器は、1つ以上の回転翼をそれぞれ備えてもよい。
【0048】
これにより、無人飛行体は、回転翼によって発生する気流が第1マイクロフォン及び第2マイクロフォンに当たることを抑制することができる。また、無人飛行体は、回転翼によって発生するノイズを適切に収音することができる。
【0049】
さらに、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、又は、コンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、及び、記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0050】
以下、実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0051】
また、以下の説明に用いられる各図は、模式図であり、必ずしも厳密に構成要素の配置及び大きさ等を図示していない。
【0052】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における無人飛行体の構成を示す外観図である。
図1において、無人飛行体100は、発生器111~114、主マイク(第1マイクロフォン)120、副マイク(第2マイクロフォン)131~134及び筐体140を備えている。なお、無人飛行体100は撮像装置を備えてもよい。
【0053】
発生器111~114は、無人飛行体100を飛行させる力を発生させる。例えば、発生器111~114のそれぞれは、動力源、動力源から伝達される動力を利用して飛行力を発生させるアクチュエータ及びその他の構造物等で構成される機械であって、例えば、モータ、1つ以上の回転翼及び当該1つ以上の回転翼を覆うダクト又はガードを備える。具体的には、発生器111~114のそれぞれが、個別に力を発生させる。無人飛行体100を飛行させる力は、発生器111~114で個別に発生する複数の力を含む。また、無人飛行体100を飛行させる力は、発生器111~114で個別に発生する複数の力が発生器111~114の全体で合成された力とも表現される。発生器111~114で個別に発生する力は、例えば無人飛行体100を垂直方向に移動すなわち上昇させる揚力又は無人飛行体100を水平方向に移動すなわち前後左右に移動させる推力と表現されてもよい。
【0054】
また、発生器111~114のそれぞれは、個別に発生する力の方向とは、反対方向に気流を発生させる。個別に発生する力の方向は、発生器111~114の間で異なっていてもよく、気流の方向は、発生器111~114の間で異なっていてもよい。ここでは、気流の方向は、発生器が気流を出す方向である。発生器111~114で個別に発生する力は、無人飛行体100を飛行させる力の成分とも表現され得る。すなわち、発生器111~114のそれぞれは、無人飛行体100を飛行させる力の成分を気流の方向とは反対方向に発生させる。
【0055】
ここで、気流の方向は、気流の中心的な1つの方向であって、上流側から下流側へ向かう方向である。例えば、発生器111~114のそれぞれは、無人飛行体100の飛行時において、無人飛行体100の上側の方向へ力を発生させ、無人飛行体100の下側の方向へ気流を発生させる。上側の方向は、必ずしも真上の方向でなくてもよい。また、下側の方向は、必ずしも真下の方向でなくてもよい。
【0056】
より具体的には、無人飛行体100は、発生器111~114のそれぞれが1つ以上の回転翼で構成される場合、各回転翼が回転することにより、上側に揚力を発生させ、下側に気流を発生させる。具体的には、回転翼で発生する気流の方向及び力の方向は、回転翼の軸に沿う互いに反対の方向である。無人飛行体100は、上側に発生する揚力によって、上側に揚がる。また、無人飛行体100は、発生器111~114のうちの少なくとも1つの回転翼を他の発生器の回転翼と異なる回転数で回転させることにより、前後左右のいずれかに推力を発生させる。そして、各回転翼において、騒音が発生する。
【0057】
なお、発生器111~114のそれぞれは、力発生器、気流発生器又は推進器とも表現され得る。
【0058】
主マイク120は、音を取得し、取得された音を信号に変換し、信号を出力する装置である。つまり、主マイク120は、音を収音し、収音された音を示す信号を出力する。主マイク120は、第1マイク又は音取得マイクとも表現され得る。
【0059】
副マイク131~134のそれぞれは、音を取得し、取得された音を信号に変換し、信号を出力する装置である。つまり、副マイク131~134のそれぞれは、音を収音し、収音された音を示す信号を出力する。副マイク131~134のそれぞれは、第2マイク又はノイズ取得マイクとも表現され得る。副マイク131~134は、それぞれ、発生器111~114に対応する。つまり、副マイク131~134のそれぞれに対して、発生器111~114の少なくとも1つが定められる。
【0060】
ここでは、副マイク131は、発生器111に対応し、副マイク132は、発生器112に対応し、副マイク133は、発生器113に対応し、副マイク134は、発生器114に対応する。そして、副マイク131は、発生器111に対応して配置され、副マイク132は、発生器112に対応して配置され、副マイク133は、発生器113に対応して配置され、副マイク134は、発生器114に対応して配置される。
【0061】
具体的には、副マイク131は、発生器111と主マイク120との間に位置する。ここで、発生器111と主マイク120との間に位置する副マイク131は、必ずしも、発生器111の位置と主マイク120の位置との中央に位置していなくてもよい。例えば、発生器111と主マイク120との間の距離よりも、発生器111と副マイク131との間の距離が短く、かつ、発生器111と主マイク120との間の距離よりも、副マイク131と主マイク120との間の距離が短ければよい。
【0062】
同様に、副マイク132は、発生器112と主マイク120との間に位置し、副マイク133は、発生器113と主マイク120との間に位置し、副マイク134は、発生器114と主マイク120との間に位置する。
【0063】
また、副マイク131~134のそれぞれは、基本的に主マイク120と同じ性能のマイクであるが、主マイク120とは異なる性能のマイクであってもよい。
【0064】
筐体140は、プロセッサ及びメモリ等を物理的に収容するための構造物である。例えば、発生器111~114、主マイク120、副マイク131~134及び筐体140は、1つ以上の支持構造物を介して連結され、相対的な配置が維持されるように1つ以上の支持構造物によって物理的に支持される。
【0065】
領域161~164は、それぞれ、発生器111~114に対応する。具体的には、領域161は、発生器111の領域であり、領域162は、発生器112の領域であり、領域163は、発生器113の領域であり、領域164は、発生器114の領域である。
【0066】
例えば、発生器111の領域161は、発生器111が物理的に到達する範囲に対応する。具体的には、発生器111が回転翼である場合、発生器111の領域161は、回転翼が回転することで回転翼が到達する範囲である。領域162~164のそれぞれも同様に定められる。
【0067】
また、無人飛行体100は、各構成要素を動作させるための電源などのエネルギー源を備えていてもよく、外部の電源と接続されていてもよい。
【0068】
図2は、
図1に示された無人飛行体100の構成を示す断面図である。具体的には、
図2は、
図1に示された無人飛行体100の発生器111及び114に対する鉛直面の断面を概念的に示している。発生器112及び113に対する断面は、発生器111及び114に対する断面と基本的に同じであるため、発生器112及び113に対する断面の図示を省略する。
【0069】
図2のように、プロセッサ170及びメモリ180が筐体140に収容されている。すなわち、無人飛行体100は、さらに、プロセッサ170及びメモリ180を備えている。
【0070】
プロセッサ170は、情報処理を行う電気回路である。具体的には、主マイク120から出力される第1信号、及び、副マイク131~134のそれぞれから出力される第2信号をメモリ180に記憶する。第1信号は、主信号と表現されてもよいし、第2信号は、副信号と表現されてもよい。
【0071】
例えば、プロセッサ170は、有線又は無線の通信によって、主マイク120から出力される第1信号、及び、副マイク131~134のそれぞれから出力される第2信号を取得する。有線の通信のための通信線が、主マイク120、副マイク131~134及び筐体140等を支持するための1つ以上の支持構造物に含まれていてもよい。プロセッサ170は、取得された第1信号、及び、取得された第2信号をメモリ180に入出力回路を介して入力することにより、第1信号及び第2信号をメモリ180に記憶する。
【0072】
また、プロセッサ170は、第1信号及び第2信号に従って、第3信号を生成してもよい。第3信号は、目的信号と表現されてもよい。具体的には、プロセッサ170は、主マイク120から出力される第1信号、及び、副マイク131から出力される第2信号に従って、第3信号を生成してもよい。同様に、プロセッサ170は、主マイク120から出力される第1信号、及び、副マイク132~134のそれぞれから出力される第2信号に従って、第3信号を生成してもよい。
【0073】
例えば、第3信号は、第1信号によって示される音から第2信号によって示される音が取り除かれた音を示す。プロセッサ170は、第2信号によって示される音の逆位相音を示す第4信号を生成し、第1信号と第4信号とを合成することにより、第1信号によって示される音と、第2信号によって示される音の逆位相音とが合成された音を示す第3信号を生成してもよい。プロセッサ170は、その他のノイズキャンセリング方法によって、第3信号を生成してもよい。
【0074】
また、第3信号は、第1信号によって示される音から第2信号によって示される音が取り除かれた音を示す信号に限られない。例えば、第3信号は、第2信号によって示される音から第1信号によって示される音が取り除かれた音を示してもよい。すなわち、第3信号は、より高精度のノイズを示してもよい。
【0075】
また、プロセッサ170は、第3信号を生成する際、第1信号及び第2信号をメモリ180へ一時的に記憶し、一時的に記憶された第1信号及び第2信号に従って、第3信号を生成してもよい。また、プロセッサ170は、第1信号及び第2信号に従って生成される第3信号をメモリ180に記憶してもよい。
【0076】
また、無人飛行体100は通信装置を備え、プロセッサ170は、無人飛行体100の外部に位置する外部装置と通信装置を介して無線で通信を行ってもよい。そして、プロセッサ170は、無人飛行体100に対する操作信号を通信装置を介して受信してもよい。そして、プロセッサ170は、操作信号に従って、発生器111~114等を動作させ、無人飛行体100を飛行させてもよい。
【0077】
また、プロセッサ170は、外部装置へ、主マイク120から出力される第1信号、及び、副マイク131~134のそれぞれから出力される第2信号を送信してもよい。また、プロセッサ170は、第1信号及び第2信号に従って生成される第3信号を送信してもよい。例えば、プロセッサ170は、第1信号、第2信号及び第3信号を外部装置へ送信する際、第1信号、第2信号及び第3信号をメモリ180へ一時的に記憶し、一時的に記憶された第1信号、第2信号及び第3信号を外部装置へ送信してもよい。
【0078】
メモリ180は、情報を記憶するための媒体である。メモリ180は、揮発性メモリであってもよいし、不揮発性メモリであってもよい。また、メモリ180は、光ディスクでもよいし、磁気ディスクでもよいし、光磁気ディスクでもよいし、半導体メモリでもよい。メモリ180には、例えば、主マイク120から出力される第1信号、及び、副マイク131~134のそれぞれから出力される第2信号が記憶される。
【0079】
図2に示された気流領域(第1気流領域)191及び194は、それぞれ、発生器111及び114に対応する。気流領域191は、発生器111が出す気流(言い換えると発生器111を通過した気流又は発生器111から流出した気流)の領域として定められる領域である。気流領域194は、発生器114が出す気流の領域として定められる領域である。
【0080】
具体的には、気流領域191は、
図1に示された発生器111の領域161が、発生器111で発生する気流の方向に伸張された領域である。例えば、気流領域191は、発生器111の領域161が、無限に伸張された領域であってもよいし、気流の方向に垂直な方向に発生器111が有する幅の5倍等のような有限なサイズで伸張された領域であってもよい。
【0081】
同様に、気流領域194は、
図1に示された発生器114の領域164が、発生器114で発生する気流の方向に伸張された領域である。発生器112及び113のそれぞれについても、同様に、気流領域が定められる。そして、4つの発生器111~114にそれぞれ対応する4つの気流領域が定められる。
【0082】
主マイク120及び副マイク131~134は、4つの気流領域の全体に対する外部領域に位置する。例えば、主マイク120及び副マイク131~134は、4つの気流領域で囲まれる中央の領域に位置する。
【0083】
これにより、発生器111~114のそれぞれが発生させる気流が、主マイク120及び副マイク131~134に当たることが抑制され、風雑音が主マイク120及び副マイク131~134に入ることが抑制される。そして、無人飛行体100は、主マイク120及び副マイク131~134によって、無人飛行体100の周辺の音、及び、発生器111~114で発生するノイズを適切に収音することができる。
【0084】
したがって、無人飛行体100は、無人飛行体100の周辺の音からノイズが取り除かれた音を取得するための音及びノイズを適切に収音することができる。
【0085】
図3は、
図1に示された無人飛行体100の気流領域の変形例を説明するための図である。上述した例では、発生器111~114のそれぞれから流出する気流の領域が気流領域(第1気流領域)として定められる。さらに、発生器111~114のそれぞれへ流入する気流の領域が気流領域(第2気流領域)として定められてもよい。そして、主マイク120及び副マイク131~134は、これらの気流領域(第1気流領域及び第2気流領域)の全体に対する外部領域に位置してもよい。
【0086】
具体的には、
図3に示された第1気流領域311及び314は、それぞれ、
図2に示された気流領域191及び194と同じである。発生器112及び113のそれぞれについても、同様に、第1気流領域が定められる。
【0087】
また、
図3に示された第2気流領域321及び324は、それぞれ、発生器111及び114に対応する。第2気流領域321は、発生器111が発生させる気流の領域の一部として定められる領域であって、発生器111へ流入する気流の領域として定められる領域である。第2気流領域324は、発生器114が発生させる気流の領域の一部として定められる領域であって、発生器114へ流入する気流の領域として定められる領域である。
【0088】
具体的には、第2気流領域321は、
図1に示された発生器111の領域161が、発生器111で発生する気流の方向の反対方向に伸張された領域である。第1気流領域311と同様に、第2気流領域321は、発生器111の領域161が、無限に伸張された領域であってもよいし、有限なサイズで伸張された領域であってもよい。
【0089】
同様に、第2気流領域324は、
図1に示された発生器114の領域164が、発生器114で発生する気流の方向の反対方向に伸張された領域である。発生器112及び113のそれぞれについても、同様に、第2気流領域が定められる。
【0090】
そして、4つの発生器111~114にそれぞれ対応する4つの第1気流領域と、4つの発生器111~114にそれぞれ対応する4つの第2気流領域とが定められる。そして、
図2の例と同様に、主マイク120及び副マイク131~134は、4つの第1気流領域と4つの第2気流領域との全体に対する外部領域に位置する。
【0091】
これにより、発生器111~114のそれぞれへ流入する気流が、主マイク120及び副マイク131~134に当たることが抑制され、風雑音が主マイク120及び副マイク131~134に入ることが抑制される。
【0092】
なお、プロセッサ170及びメモリ180は、筐体140とは異なる構成要素に収容されていてもよい。例えば、主マイク120に収容されていてもよい。そして、無人飛行体100は、筐体140を備えていなくてもよい。
【0093】
また、
図3の例において、気流の上流側の第2気流領域に、主マイク120及び副マイク131~134が配置されない。しかし、気流の上流側では、気流の下流側に比べて、気流が弱いと想定される。したがって、気流の上流側の第2気流領域に、主マイク120及び副マイク131~134が配置されてもよい。
【0094】
また、図面において、4つの発生器111~114のそれぞれとして、1つの回転面及び1つの回転軸を有する1つの回転翼が示されている。しかしながら、1つの発生器が、複数の回転翼で構成されていてもよい。複数の回転翼は、互いに異なる複数の回転面を有していてもよいし、互いに異なる複数の回転軸を有していてもよい。なお、上記では、回転面の直径を回転翼の全長として1つの回転翼が備えられると説明したが、回転面の半径を回転翼の全長として2つの回転翼が備えられると解釈されてもよい。
【0095】
ここで、回転翼は、1つ以上の翼を有し、回転することによって、回転軸に沿う方向に力を発生させ、力の発生方向とは反対方向に流出する気流を発生させる。回転翼は、ブレード、ローター又はプロペラとも呼ばれる。また、1つ以上の回転翼は、回転翼セットとも表現され得る。
【0096】
また、発生器111~114のそれぞれは、1つ以上の回転翼でなくてもよい。発生器111~114のそれぞれは、ジェットエンジン又はロケットエンジン等であってもよい。
【0097】
また、無人飛行体100は、上述した例において4つの発生器111~114を備えているが、3つ以下の発生器を備えていてもよいし、5つ以上の発生器を備えていてもよい。
【0098】
また、無人飛行体100は、上述した例においてそれぞれノイズ取得マイクとして4つの副マイク131~134を備えているが、3つ以下の副マイクを備えていてもよいし、5つ以上の副マイクを備えていてもよい。また、副マイクは、発生器に一対一に対応していなくてもよい。無人飛行体100は、複数の発生器に対して、1つの副マイクを備えていてもよいし、1つの発生器に対して、複数の副マイクを備えていてもよい。
【0099】
また、無人飛行体100は、上述した例において音取得マイクとして1つの主マイク120を備えているが、複数の主マイクを備えていてもよい。例えば、無人飛行体100は、複数の副マイクにそれぞれ対応する複数の主マイクを備えていてもよい。
【0100】
また、無人飛行体100は、上述した例において筐体140の上側に主マイク120及び副マイク131~134を備えているが、無人飛行体100は、筐体140の下側に主マイク120及び副マイク131~134を備えていてもよい。また、無人飛行体100は、筐体140の下側に主マイク120を備え、筐体140の上側に副マイク131~134を備えていてもよい。これにより、無人飛行体100は、主マイク120によって筐体140の下側の音を効率的に収音することができる。
【0101】
また、プロセッサ170は、複数のサブプロセッサで構成されていてもよい。つまり、プロセッサ170として、複数のプロセッサが用いられてもよい。また、例えば、プロセッサ170は、マルチプロセッサであってもよい。また、メモリ180は、複数のサブメモリで構成されていてもよい。つまり、メモリ180として、複数のメモリが用いられてもよい。また、メモリ180は、プロセッサ170に含まれていてもよい。
【0102】
また、無人飛行体100は、無線の通信のためのアンテナを備えていてもよいし、無線通信回路を備えていてもよい。プロセッサ170が、無線の通信のための無線通信回路の役割を果たしてもよい。
【0103】
また、無人飛行体100は、対称性を有していなくてもよい。以下に示される複数の変形例のそれぞれにおいて示される無人飛行体も、対称性を有していなくてもよい。
【0104】
以下、上記の実施の形態の複数の変形例を示す。各変形例において、上記の実施の形態と実質的に同一の構成に対する説明を省略する場合がある。
【0105】
(第1変形例)
上記の実施の形態における無人飛行体100は、4つの発生器111~114を備えているが、本変形例における無人飛行体は、1つの発生器を備えている。
【0106】
図4は、本変形例における無人飛行体の構成を示す断面図である。
図4に示された無人飛行体200は、1つの発生器210、2つの主マイク221及び222、2つの副マイク231及び232、筐体240、プロセッサ270、並びに、メモリ280を備えている。本変形例における無人飛行体200の複数の構成要素のそれぞれは、上記の実施の形態における無人飛行体100の複数の構成要素のうちの少なくとも1つの構成要素に対応する。
【0107】
具体的には、発生器210は、発生器111~114に対応し、主マイク221及び222は、主マイク120に対応し、副マイク231及び232は、副マイク131~134に対応する。また、筐体240、プロセッサ270及びメモリ280は、それぞれ、筐体140、プロセッサ170及びメモリ180に対応する。そして、無人飛行体200の複数の構成要素のそれぞれは、無人飛行体100において対応する少なくとも1つの構成要素と基本的に同じ特徴を有する。
【0108】
無人飛行体100は、4つの発生器111~114を備えているが、無人飛行体200は、1つの発生器210を備えている。そして、1つの発生器210に対して定められる気流領域290の外部領域に、主マイク221及び222並びに副マイク231及び232が配置される。また、副マイク231が、主マイク221と発生器210との間に位置し、副マイク232が、主マイク222と発生器210との間に位置する。
【0109】
これにより、発生器210が発生させる気流が、主マイク221及び222並びに副マイク231及び232に当たることが抑制され、風雑音が主マイク221及び222並びに副マイク231及び232に入ることが抑制される。したがって、1つの発生器210を備えている無人飛行体200が、主マイク221及び222並びに副マイク231及び232によって、無人飛行体200の周辺の音、及び、発生器210で発生するノイズを適切に収音することができる。
【0110】
なお、主マイク221で収音された音から、副マイク231で収音されるノイズを取り除くことにより、主マイク221で収音された音から、発生器210で発生するノイズが適切に取り除かれ得る。また、主マイク222で収音された音から、副マイク232で収音されるノイズを取り除くことにより、主マイク222で収音された音から、発生器210で発生するノイズが適切に取り除かれ得る。
【0111】
また、発生器210に対して、
図3のように第1気流領域及び第2気流領域が定められ、第1気流領域及び第2気流領域の両方に対する外部領域に、主マイク221及び222並びに副マイク231及び232が配置されてもよい。
【0112】
また、上記の実施の形態における無人飛行体100の発生器111~114のそれぞれは、無人飛行体100を飛行させる力の成分を発生させる。本変形例における無人飛行体200の発生器210も、無人飛行体200を飛行させる力の成分を発生させるが、この成分は、無人飛行体200を飛行させる力自体とみなされ得る。
【0113】
(第2変形例)
本変形例における無人飛行体は、上記の実施の形態における無人飛行体100と同様に、発生器111~114、主マイク120及び副マイク131~134、筐体140、プロセッサ170及びメモリ180を備えている。本変形例における無人飛行体では、発生器111~114の態様が、上記の実施の形態における無人飛行体100とは異なっている。
【0114】
図5は、本変形例における無人飛行体の構成を示す概略図である。
図5のように、本変形例における無人飛行体400では、上記の実施の形態における無人飛行体100と比較して、発生器111~114が気流を出す方向それぞれは、互いに交差していない点では同一だが、互いに平行でない点で異なる。具体的には、発生器111~114が傾斜している。すなわち、無人飛行体400の飛行時において、発生器111~114のそれぞれで発生する気流の方向に垂直な平面が、重力方向に従って定められる水平面に対して傾斜している。
【0115】
そして、発生器111は、発生器111で発生する気流が、発生器111から離れていくほど、発生器111~114に対する所定方向の基準線から離れていき、所定方向において発生器111から離れていくように、気流を発生させる。すなわち、発生器111は、発生器111で発生する気流が、発生器111から離れていくほど、発生器111~114に対する所定方向の基準線から離れていき、所定方向において発生器111から離れていくように、傾斜している。
【0116】
発生器112も同様に傾斜している。すなわち、発生器112は、発生器112で発生する気流が、発生器112から離れていくほど、発生器111~114に対する所定方向の基準線から離れていき、所定方向において発生器112から離れていくように、傾斜している。発生器113及び114も同様に傾斜している。
【0117】
上記の所定方向は、発生器111~114に対して共通に定められる方向であって、例えば、発生器111~114の全体の気流方向である。所定方向は、発生器111~114で発生する4つの気流の平均的な方向であってもよい。例えば、所定方向は、無人飛行体400の飛行時における下方向であってもよい。言い換えれば、所定方向は、無人飛行体400の飛行時における重力方向であってもよい。
【0118】
発生器111~114に対する所定方向の基準線は、例えば、発生器111~114の間を通る線であり、所定方向に沿う線として定められる。発生器111~114の間を通る線は、発生器111~114で囲まれる位置を通る線であってもよいし、発生器111~114の中心の位置を通る線であってもよいし、発生器111~114の平均的な位置を通る線であってもよい。
【0119】
また、発生器111~114が気流を出す方向それぞれは、無人飛行体400を飛行させることが可能な方向である。具体的には、発生器111~114のそれぞれで発生する気流の方向と、所定方向との間の角度は、無人飛行体400を飛行させることが可能な角度として定められた所定角度以下である。つまり、発生器111~114は、無人飛行体400を飛行させる力が得られる範囲で、傾斜している。例えば、所定角度は、35°であってもよいし、40°であってもよいし、45°であってもよい。ただし、35°、40°及び45°は例であり、所定角度は、35°、40°又は45°に限られない。
【0120】
図6は、
図5に示された無人飛行体400の構成を示す断面図である。具体的には、
図6は、
図5に示された無人飛行体400の発生器111及び114に対する鉛直面の断面を概念的に示している。発生器112及び113に対する断面は、発生器111及び114に対する断面と基本的に同じであるため、発生器112及び113に対する断面の図示を省略する。
【0121】
上記の通り、無人飛行体400では、無人飛行体100と比較して、発生器111~114が傾斜している。具体的には、無人飛行体400では、発生器111~114は、1つ以上の支持構造物によって傾斜するように支持されている。
【0122】
例えば、発生器111は、発生器111で発生する気流が、発生器111から離れていくほど、全体の気流方向の基準線から離れていき、全体の気流方向において発生器111から離れていくように、気流を発生させる。同様に、発生器114は、発生器114で発生する気流が、発生器114から離れていくほど、全体の気流方向の基準線から離れていき、全体の気流方向において発生器111から離れていくように、気流を発生させる。
【0123】
これにより、各気流が、全体の気流方向に進むほど、基準線から離れていく。そして、発生器111の気流領域191、及び、発生器114の気流領域194が、基準線から遠ざけられる。発生器112及び113の各気流領域も、同様に、基準線から遠ざけられる。
【0124】
したがって、無人飛行体400は、4つの発生器111~114にそれぞれ対応する4つの気流領域の間に、主マイク120及び副マイク131~134を配置するための十分な領域を有し得る。よって、主マイク120及び副マイク131~134が、適切な位置に配置され得る。
【0125】
例えば、副マイク131は、主マイク120と発生器111との間において、主マイク120から離れた位置に配置され得る。副マイク134も、同様に、主マイク120と発生器114との間において、主マイク120から離れた位置に配置され得る。副マイク132及び133も、同様に配置され得る。したがって、無人飛行体400は、音及びノイズを適切に収音することができる。
【0126】
また、軽量化のため、発生器111~114等を支持するための各支持構造物が短く、発生器111~114の間隔が小さい場合がある。無人飛行体400は、このような場合であっても、発生器111~114の傾斜によって、主マイク120及び副マイク131~134を配置するための十分な領域を有し得る。
【0127】
なお、本変形例においても、主マイク120及び副マイク131~134は、
図3のように、気流の下流側の第1気流領域と、気流の上流側の第2気流領域との両方に対する外部領域に配置されてもよい。
【0128】
また、発生器111~114は、互いに異なる方向に、気流を発生させなくてもよい。例えば、上述したように、発生器111~114のそれぞれが、全体の気流方向に進むほど基準線から離れていく気流を発生させる。その際、発生器111及び112が、気流を互いに平行に発生させてもよい。同様に、発生器113及び114が、気流を互いに平行に発生させてもよい。このような場合にも、各気流領域が基準線から遠ざけられ、主マイク120及び副マイク131~134が、適切な位置に配置され得る。
【0129】
(第3変形例)
本変形例における無人飛行体は、上記の実施の形態における無人飛行体100と同様に、発生器111~114、主マイク120及び副マイク131~134、筐体140等を備えている。そして、本変形例では、第2変形例と同様に、発生器111~114が傾斜される。そして、本変形例では、発生器111~114のそれぞれの傾斜、副マイク131~134のそれぞれの位置、及び、副マイク131~134のそれぞれの収音方向が制御される。
【0130】
図7は、本変形例における無人飛行体の構成を示す断面図である。具体的には、
図7は、本変形例における無人飛行体500の発生器111及び114に対する鉛直面の断面を概念的に示している。発生器112及び113に対する断面は、発生器111及び114に対する断面と基本的に同じであるため、発生器112及び113に対する断面の図示を省略する。
【0131】
また、無人飛行体500は、角度制御アクチュエータ(第1アクチュエータ)511及び514、位置制御アクチュエータ(第2アクチュエータ)521及び524、並びに、方向制御アクチュエータ(第3アクチュエータ)531及び534等を備えている。同様に、無人飛行体500は、発生器112及び113のそれぞれに対応する角度制御アクチュエータ、並びに、副マイク132及び133のそれぞれに対応する位置制御アクチュエータ及び方向制御アクチュエータを備えている。
【0132】
具体的には、角度制御アクチュエータは、発生器111~114が気流を出す方向それぞれを制御する。具体的には、角度制御アクチュエータ511は、第1アクチュエータ又は傾斜制御アクチュエータとも表現され、発生器111の傾斜を制御する。すなわち、角度制御アクチュエータ511は、発生器111で発生する気流の方向と、全体の気流方向との間の角度を制御する。
【0133】
例えば、角度制御アクチュエータ511は、発生器111で発生する気流の方向に対して垂直な方向に沿う軸で発生器111を回動させることによって、所定角度以内で、発生器111で発生する気流の方向と、全体の気流方向との間の角度を制御する。ここで、所定角度は、第2変形例で説明された所定角度であってもよい。
【0134】
同様に、角度制御アクチュエータ514は、発生器114の傾斜を制御する。すなわち、角度制御アクチュエータ514は、発生器114で発生する気流の方向と、全体の気流方向との間の角度を制御する。同様に、発生器112に対応する角度制御アクチュエータによって、発生器112の傾斜が制御され、発生器113に対応する角度制御アクチュエータによって、発生器113の傾斜が制御される。
【0135】
また、位置制御アクチュエータ521は、第2アクチュエータとも表現され、副マイク131の位置を制御する。例えば、位置制御アクチュエータ521は、2軸のアクチュエータであって、全体の気流方向における副マイク131の位置、及び、全体の気流方向に沿う基準線と副マイク131との間の距離を制御する。
【0136】
同様に、位置制御アクチュエータ524は、副マイク134の位置を制御する。同様に、副マイク132に対応する位置制御アクチュエータによって、副マイク132の位置が制御され、副マイク133に対応する位置制御アクチュエータによって、副マイク133の位置が制御される。
【0137】
また、方向制御アクチュエータ531は、第3アクチュエータとも表現され、副マイク131の収音方向を制御する。例えば、副マイク131~134のそれぞれは、他の方向よりも音の感度が高い方向を収音方向として有する。方向制御アクチュエータ531は、副マイク131が取り付けられた位置制御アクチュエータ521の軸を回動させることにより、副マイク131の収音方向を制御する。
【0138】
同様に、方向制御アクチュエータ534は、副マイク134の収音方向を制御する。同様に、副マイク132に対応する方向制御アクチュエータは、副マイク132の収音方向を制御し、副マイク133に対応する方向制御アクチュエータは、副マイク133の収音方向を制御する。
【0139】
また、無人飛行体500は、筐体140において、プロセッサ570及びメモリ180を備えている。無人飛行体500のプロセッサ570及びメモリ180は、無人飛行体100のプロセッサ170及びメモリ180と基本的に同じである。ただし、無人飛行体500のプロセッサ570は、無人飛行体100のプロセッサ170と比較して、追加の動作を行う。
【0140】
具体的には、無人飛行体500のプロセッサ570は、無人飛行体100のプロセッサ170の動作に加えて、各角度制御アクチュエータ、各位置制御アクチュエータ及び各方向制御アクチュエータを動作させる処理を行う。例えば、プロセッサ570は、有線又は無線の通信によって、これらのアクチュエータへ制御信号を送信することにより、これらのアクチュエータを動作させる。
【0141】
なお、上記における発生器111の傾斜、副マイク131の位置、及び、副マイク131の収音方向等を制御する各アクチュエータは、一例であって、各アクチュエータの態様は、上記の例に限られない。すなわち、これらの制御機構は、上記の例に限られない。
【0142】
図8は、
図7に示された発生器111及び114等が傾斜していない状態を説明するための図である。
【0143】
例えば、角度制御アクチュエータは、無人飛行体の移動の際に、発生器111~114が気流を出す方向それぞれが互いになす角度を減少させる。具体的には、無人飛行体500の移動の際に、角度制御アクチュエータ511は、発生器111の傾斜を減少させる。つまり、無人飛行体500の移動の際に、角度制御アクチュエータ511は、発生器111で発生する気流の方向と、全体の気流方向との間の角度を減少させる。
【0144】
具体的には、プロセッサ570は、無人飛行体500の移動を判定する。プロセッサ570は、外部装置から受信される操作信号に従って無人飛行体500の移動を判定してもよいし、無人飛行体500の状態等を検知することにより無人飛行体500の移動を判定してもよい。そして、プロセッサ570は、無人飛行体500の移動の際に、発生器111の傾斜を減少させるように、角度制御アクチュエータ511を動作させる。
【0145】
より具体的には、プロセッサ570は、無人飛行体500の移動の開始時に、発生器111の傾斜を減少させるように、角度制御アクチュエータ511を動作させる。そして、プロセッサ570は、無人飛行体500の移動の終了時に、発生器111の傾斜を増加させるように、角度制御アクチュエータ511を動作させる。すなわち、プロセッサ570は、無人飛行体500の移動期間において、移動期間以外よりも、発生器111で発生する気流の方向と、全体の気流方向との間の角度を小さくする。
【0146】
図8の例では、角度制御アクチュエータ511は、発生器111の傾斜がなくなるまで、発生器111の傾斜を減少させている。すなわち、角度制御アクチュエータ511は、発生器111で発生する気流の方向と、全体の気流方向との間の角度が0°になるまで、角度を減少させている。なお、0°は例であって、角度制御アクチュエータ511は、発生器111で発生する気流の方向と、全体の気流方向との間の角度を0°よりも大きい下限まで減少させてもよい。
【0147】
同様に、無人飛行体500の移動の際に、角度制御アクチュエータ514は、発生器114の傾斜を減少させる。つまり、無人飛行体500の移動の際に、角度制御アクチュエータ514は、発生器114で発生する気流の方向と、全体の気流方向との間の角度を減少させる。具体的には、プロセッサ570は、無人飛行体500の移動の際に、発生器114の傾斜を減少させるように、角度制御アクチュエータ514を動作させる。
【0148】
同様に、プロセッサ570は、移動の際に、発生器112の傾斜を減少させるように、発生器112に対応する角度制御アクチュエータを動作させ、発生器113の傾斜を減少させるように、発生器113に対応する角度制御アクチュエータを動作させる。
【0149】
また、例えば、発生器111~114のそれぞれの傾斜が変化することで、発生する気流の方向が変化する。これに伴い、気流領域191~194等が変化し、これらの外部領域も変化する。これに対し、副マイク131は、発生器111~114が気流を出す方向それぞれの変化にかかわらず、外部領域にそれぞれ位置する。具体的には、プロセッサ570は、変化した外部領域に副マイク131が位置するように、位置制御アクチュエータ521を動作させる。
【0150】
位置制御アクチュエータ521は、発生器111で発生する気流の方向と、発生器111の位置と、副マイク131との相対的な関係を維持するように、副マイク131の位置を制御してもよい。具体的には、位置制御アクチュエータ521は、発生器111と副マイク131との間の距離、及び、発生器111から副マイク131へ向かう方向と、発生器111で発生する気流の方向との間の角度を維持するように、副マイク131の位置を制御してもよい。
【0151】
同様に、プロセッサ570は、変化した外部領域に副マイク134が位置するように、位置制御アクチュエータ524を動作させる。位置制御アクチュエータ524は、発生器114で発生する気流の方向と、発生器114の位置と、副マイク134との相対的な関係を維持するように、副マイク134の位置を制御してもよい。
【0152】
同様に、プロセッサ570は、変化した外部領域に副マイク132及び133が位置するように、副マイク132及び133のそれぞれに対応する位置制御アクチュエータを動作させる。
【0153】
これにより、無人飛行体500は、移動時に、風雑音が副マイクに収音されることを抑制しながら、発生器111~114のそれぞれの傾斜を減少させることができる。そして、これにより、無人飛行体500は、移動方向に対して反対方向に力が発生することを抑制することができる。
【0154】
例えば、無人飛行体500が水平方向に移動する際に、発生器111~114のうち発生器111が、無人飛行体500の移動の前側であって
図7のように傾斜している場合、発生器111が移動方向とは反対方向に力を発生させる。そして、発生器111が移動方向とは反対方向に発生させる力は、無人飛行体500の移動を妨げる。そこで、無人飛行体500は、無人飛行体500の移動の際に、発生器111~114のそれぞれの傾斜を減少させことで、飛行に対して無駄なエネルギーの消費を削減することができる。
【0155】
また、無人飛行体500は、発生器111~114のそれぞれの傾斜の変更に伴う全体の気流領域の変化に従って、副マイク131~134のそれぞれの位置を制御することができる。そして、これにより、無人飛行体500は、発生器111~114のそれぞれの傾斜が変化した場合に、副マイク131~134に風雑音が入ることを抑制することができる。
【0156】
また、無人飛行体500は、水平方向に移動する際に、発生器111~114のそれぞれの傾斜を減少させてもよい。そして、無人飛行体500は、重力方向に移動する際に、発生器111~114のそれぞれの傾斜を減少させなくてもよい。また、無人飛行体500は、重力方向とは反対方向に移動する際に、効率的な移動のため、発生器111~114のそれぞれの傾斜を減少させてもよい。
【0157】
また、無人飛行体500は、水平方向に移動する際に、発生器111~114のうち、前側の1つ以上の発生器の傾斜を減少させ、他の1つ以上の発生器の傾斜を減少させなくてもよい。この場合、無人飛行体500は、4つの副マイク131~134のそれぞれの位置を変化させてもよい。あるいは、この場合、無人飛行体500は、前側の1つ以上の発生器に対応する1つ以上の副マイクの各位置を変化させ、かつ、他の1つ以上の副マイクの各位置を変化させなくてもよい。
【0158】
また、無人飛行体500は、主マイク120で収音が行われない期間において、発生器111~114の各傾斜を減少させてもよい。つまり、無人飛行体500は、主マイク120で収音が行われない期間において、発生器111~114の各気流の方向と、全体の気流方向との間の角度を減少させてもよい。これにより、無人飛行体500は、主マイク120で収音が行われない期間において、効率的に移動することができる。
【0159】
この場合、無人飛行体500は、4つの副マイク131~134の各位置を変化させなくてもよいし、変化させてもよい。
【0160】
なお、上記では、副マイクの位置を制御することにより副マイクの位置が外部領域に維持される例を説明したが、発生器が出す気流の方向がどのように変化しても第1気流領域に含まれない位置に副マイクが固定されてもよい。
【0161】
図9は、
図7に示された副マイク131~134の各収音方向を示す概略図であって、無人飛行体500を全体の気流方向の上流側から見た図である。
【0162】
例えば、プロセッサ570は、無人飛行体500の移動方向の変化に従って、副マイク131の収音方向を変化させるように、方向制御アクチュエータ531を動作させる。これにより、方向制御アクチュエータ531は、無人飛行体500の移動方向の変化に従って、副マイク131の収音方向を変化させる。
【0163】
より具体的には、プロセッサ570は、無人飛行体500の移動方向を判定する。すなわち、プロセッサ570は、無人飛行体500の移動方向を識別する。プロセッサ570は、外部装置から受信される操作信号に従って無人飛行体500の移動方向を判定してもよいし、無人飛行体500の状態等を検知することにより無人飛行体500の移動方向を判定してもよい。そして、プロセッサ570は、判定された移動方向の変化に従って、方向制御アクチュエータ531を介して、副マイク131の収音方向を変化させる。
【0164】
同様に、プロセッサ570は、無人飛行体500の移動方向の変化に従って、副マイク134の収音方向を変化させるように、方向制御アクチュエータ534を動作させる。これにより、方向制御アクチュエータ534は、無人飛行体500の移動方向の変化に従って、副マイク134の収音方向を変化させる。
【0165】
同様に、プロセッサ570は、無人飛行体500の移動方向の変化に従って、副マイク132の収音方向を変化させるように、副マイク132に対応する方向制御アクチュエータを動作させる。また、プロセッサ570は、無人飛行体500の移動方向の変化に従って、副マイク133の収音方向を変化させるように、副マイク133に対応する方向制御アクチュエータを動作させる。
【0166】
例えば、無人飛行体500が移動していない場合、副マイク131の収音方向は、発生器111へ向けられる。同様に、この場合、副マイク132の収音方向は、発生器112へ向けられ、副マイク133の収音方向は、発生器113へ向けられ、副マイク134の収音方向は、発生器114へ向けられる。
【0167】
また、例えば、
図9のように、無人飛行体500の移動において前側が発生器111である場合、プロセッサ570は、無人飛行体500の移動方向と副マイク131の収音方向とが異なるように、方向制御アクチュエータ531を動作させる。
【0168】
この場合、方向制御アクチュエータ531は、発生器111が発生させる音を収音できる範囲で、無人飛行体500の移動方向と副マイク131の収音方向とを異ならせてもよい。例えば、方向制御アクチュエータ531は、収音方向と、副マイク131から発生器111へ向かう方向との間の角度が、45°以内等の所定範囲に維持されるように、移動方向と収音方向とを異ならせてもよい。
【0169】
そして、この場合、副マイク132の収音方向は、発生器112へ向けられたままであり、副マイク133の収音方向は、発生器113へ向けられたままであり、副マイク134の収音方向は、発生器114へ向けられたままである。あるいは、この場合、副マイク132及び133のそれぞれの収音方向が、移動方向からより遠ざけられてもよい。
【0170】
また、例えば、無人飛行体500の移動において前側が発生器114である場合、プロセッサ570は、無人飛行体500の移動方向と副マイク134の収音方向とが異なるように、方向制御アクチュエータ534を動作させる。この場合、方向制御アクチュエータ534は、発生器114が発生させる音を収音できる範囲で、無人飛行体500の移動方向と副マイク134の収音方向とを異ならせてもよい。
【0171】
そして、この場合、プロセッサ570は、副マイク131の収音方向が発生器111へ向けられるように、方向制御アクチュエータ531を動作させる。また、この場合、副マイク132の収音方向は、発生器112へ向けられたままであり、副マイク133の収音方向は、発生器113へ向けられたままである。あるいは、この場合、副マイク132及び133のそれぞれの収音方向が、移動方向からより遠ざけられてもよい。
【0172】
収音方向が移動方向に向けられている場合、移動によって相対的に受ける風によって、副マイク131~134に風雑音が入る可能性がある。無人飛行体500は、移動方向の変化に従って、収音方向を変化させることにより、副マイク131~134に風雑音が入ることを抑制することができる。
【0173】
無人飛行体500は、さらに、主マイク120の収音方向を制御する方向制御アクチュエータを備えていてもよい。そして、プロセッサ570は、無人飛行体500の移動方向と、主マイク120の収音方向とが異なるように、方向制御アクチュエータを動作させてもよい。
【0174】
また、無人飛行体500は、上述した例において、収音方向を全体の気流方向に垂直な左右方向に変化させているが、収音方向を全体の気流方向に平行な上下方向に変化させてもよい。
【0175】
また、上述した例では、方向制御アクチュエータ531が位置制御アクチュエータ521の軸を回転させることにより、副マイク131の収音方向を変化させている。しかし、方向制御アクチュエータ531は、副マイク131の内部に含まれ、副マイク131の素子を左右方向又は上下方向に回転させることにより、副マイク131の収音方向を変化させてもよい。他の方向制御アクチュエータも同様に動作してもよい。
【0176】
また、本変形例における無人飛行体500は、角度制御アクチュエータ、位置制御アクチュエータ及び方向制御アクチュエータのうちいずれかを備え、傾斜、位置及び収音方向のうちいずれかを制御してもよい。
【0177】
例えば、無人飛行体500は、方向制御アクチュエータを備えていなくてもよいし、位置制御アクチュエータを備えていなくてもよい。また、無人飛行体500は、角度制御アクチュエータ及び位置制御アクチュエータを備えていなくてもよい。すなわち、本変形例の一部が、上記の実施の形態又は第2変形例等に適用されてもよい。
【0178】
(第4変形例)
本変形例における無人飛行体は、第3変形例における無人飛行体500と同様に、発生器111~114、主マイク120及び副マイク131~134、筐体140等を備えている。そして、また、本変形例における無人飛行体は、第3変形例における無人飛行体500と同様に、発生器111~114のそれぞれに対応する角度制御アクチュエータを備えている。第3変形例と比較して、本変形例では、各発生器に固定的に連結された連動構造物に副マイクが取り付けられている。
【0179】
図10は、本変形例における無人飛行体の構成を示す断面図である。具体的には、
図10は、本変形例における無人飛行体600の発生器111及び114に対する鉛直面の断面を概念的に示している。発生器112及び113に対する断面は、発生器111及び114に対する断面と基本的に同じであるため、発生器112及び113に対する断面の図示を省略する。
【0180】
例えば、本変形例における無人飛行体600は、第3変形例における無人飛行体500と比較して、連動構造物641及び644、並びに、方向制御アクチュエータ631及び634を備えている。同様に、無人飛行体600は、発生器112及び113のそれぞれに対応する連動構造物、並びに、副マイク132及び133のそれぞれに対応する方向制御アクチュエータを備えている。
【0181】
すなわち、本変形例における無人飛行体600は、第3変形例における無人飛行体500と比較して、副マイク131~134のそれぞれに対応する位置制御アクチュエータに代えて、発生器111~114のそれぞれに対応する連動構造物を備えている。また、無人飛行体600では、無人飛行体500と比較して、副マイク131~134のそれぞれに対応する方向制御アクチュエータの機構が異なっている。
【0182】
連動構造物641は、発生器111に固定的に連結される構造物である。また、連動構造物641には、副マイク131が取り付けられている。これにより、発生器111の傾斜の変化に従って、連動構造物641の配置が変化し、連動構造物641の配置の変化に従って、副マイク131の位置が変化する。例えば、角度制御アクチュエータ511は、発生器111の傾斜を変化させることにより、連動構造物641の配置を変化させ、副マイク131の位置を変化させる。
【0183】
同様に、発生器114に固定的に連結された連動構造物644に副マイク134が取り付けられている。これにより、発生器114の傾斜の変化に従って、副マイク134の位置が変化する。例えば、角度制御アクチュエータ514は、発生器114の傾斜を変化させることにより、連動構造物644の配置を変化させ、副マイク134の位置を変化させる。
【0184】
同様に、発生器112に固定的に連結された連動構造物に副マイク132が取り付けられている。これにより、発生器112の傾斜の変化に従って、副マイク134の位置が変化する。また、発生器113に固定的に連結された連動構造物に副マイク133が取り付けられている。これにより、発生器113の傾斜の変化に従って、副マイク133の位置が変化する。
【0185】
角度制御アクチュエータ511は、発生器111の傾斜を制御することにより、副マイク131の位置を制御し、第3変形例における位置制御アクチュエータ521と同じ役割を果たす。同様に、角度制御アクチュエータ514は、発生器114の傾斜を制御することにより、副マイク134の位置を制御し、第3変形例における位置制御アクチュエータ524と同じ役割を果たす。同様に、発生器112及び113のそれぞれに対応する角度制御アクチュエータは、第3変形例における位置制御アクチュエータと同じ役割を果たす。
【0186】
また、方向制御アクチュエータ631は、副マイク131の収音方向を制御する。方向制御アクチュエータ631は、副マイク131が取り付けられた連動構造物641の軸を回動させることにより、副マイク131の収音方向を制御する。これにより、方向制御アクチュエータ631は、第3変形例における方向制御アクチュエータ531と同じ役割を果たす。
【0187】
同様に、方向制御アクチュエータ634は、副マイク134の収音方向を制御することにより、第3変形例における方向制御アクチュエータ534と同じ役割を果たす。同様に、副マイク132に対応する方向制御アクチュエータは、副マイク132の収音方向を制御し、副マイク133に対応する方向制御アクチュエータは、副マイク133の収音方向を制御する。これにより、副マイク132及び133のそれぞれに対応する方向制御アクチュエータも、第3変形例における方向制御アクチュエータと同じ役割を果たす。
【0188】
また、本変形例における無人飛行体600は、第3変形例における無人飛行体500と比較して、筐体140に、プロセッサ570に代えてプロセッサ670を備えている。無人飛行体600のプロセッサ670は、第2マイク131~134のそれぞれに対応する位置制御アクチュエータを動作させる処理を除いて、基本的に、無人飛行体500のプロセッサ570と同様の動作を行う。
【0189】
なお、上記における発生器111の傾斜、副マイク131の位置、及び、副マイク131の収音方向等を制御する各アクチュエータ及び各構造物は、一例であって、各アクチュエータ及び各構造物の態様は、上記の例に限られない。すなわち、これらの制御機構は、上記の例に限られない。
【0190】
図11は、
図10に示された発生器111及び114等が傾斜していない状態を説明するための図である。
【0191】
例えば、無人飛行体600の移動の際に、角度制御アクチュエータ511は、発生器111の傾斜を減少させ、角度制御アクチュエータ514は、発生器114の傾斜を減少させる。同様に、無人飛行体600の移動の際に、発生器112に対応する角度制御アクチュエータは、発生器112の傾斜を減少させ、発生器113に対応する角度制御アクチュエータは、発生器113の傾斜を減少させる。
【0192】
そして、発生器111~114のそれぞれの傾斜が変化することで、発生する気流の方向が変化する。これに伴い、気流領域191及び194等が変化し、これらの外部領域も変化する。
【0193】
一方で、発生器111の傾斜が変化することで、連動構造物641の配置が変化し、副マイク131の位置が変化する。その際、発生器111で発生する気流の方向と、発生器111の位置と、副マイク131との相対的な関係が維持される。同様に、発生器114の傾斜が変化することで、連動構造物644の配置が変化し、副マイク134の位置が変化する。その際、発生器114で発生する気流の方向と、発生器114の位置と、副マイク134との相対的な関係が維持される。
【0194】
同様に、発生器112の傾斜が変化することで、発生器112に対応する連動構造物の配置が変化し、副マイク132の位置が変化する。その際、発生器112で発生する気流の方向と、発生器112の位置と、副マイク132との相対的な関係が維持される。また、発生器113の傾斜が変化することで、発生器113に対応する連動構造物の配置が変化し、副マイク133の位置が変化する。その際、発生器113で発生する気流の方向と、発生器113の位置と、副マイク133との相対的な関係が維持される。
【0195】
これにより、無人飛行体600は、発生器111~114の各傾斜の変更に従って変化する外部領域に副マイク131~134が位置するように、副マイク131~134の各位置を制御することができる。したがって、無人飛行体600は、副マイク131~134に風雑音が入ることを抑制することができる。
【0196】
また、角度制御アクチュエータ511~514の制御によって、発生器111~114の傾斜及び副マイク131~134の位置が制御される。したがって、制御が簡略化させる。また、相対的な配置が維持されるため、配置の変化の影響が抑制させる。
【0197】
また、第3変形例と第4変形例とが適宜組み合わされてもよい。例えば、第4変形例における無人飛行体600は、第3変形例における無人飛行体500と同様に、発生器111~114の各傾斜を制御してもよい。具体的には、第4変形例における無人飛行体600は、第3変形例における無人飛行体500と同じタイミングで、発生器111~114の各傾斜を減少させてもよい。また、第4変形例における無人飛行体600は、発生器111~114のうちの1つ以上の発生器の各傾斜を減少させてもよい。
【0198】
また、第4変形例における無人飛行体600は、第3変形例における無人飛行体500と同様に、副マイク131~134の各収音方向を変化させてもよい。例えば、無人飛行体600、プロセッサ670、方向制御アクチュエータ631及び634等は、第3変形例における無人飛行体500、プロセッサ570、方向制御アクチュエータ531及び534等と同様に動作してもよい。
【0199】
(第5変形例)
本変形例における無人飛行体は、第3変形例における無人飛行体500と同様に、発生器111~114、主マイク120及び副マイク131~134、筐体140等を備えている。そして、また、本変形例における無人飛行体は、第3変形例における無人飛行体500と同様に、発生器111~114のそれぞれに対応する角度制御アクチュエータを備えている。第3変形例と比較して、本変形例では、副マイク131~134が風を遮る構造物(以下、風防構造物とも称する。)に覆われている。
【0200】
図12は、本変形例における無人飛行体の構成を示す断面図である。具体的には、
図12は、本変形例における無人飛行体700の発生器111及び114に対する鉛直面の断面を概念的に示している。発生器112及び113に対する断面は、発生器111及び114に対する断面と基本的に同じであるため、発生器112及び113に対する断面の図示を省略する。
【0201】
例えば、本変形例における無人飛行体700は、第3変形例における無人飛行体500と比較して、風防構造物751及び754、並びに、方向制御アクチュエータ731及び734を備えている。同様に、無人飛行体700は、副マイク132及び133のそれぞれに対応する風防構造物及び方向制御アクチュエータを備えている。
【0202】
すなわち、本変形例における無人飛行体700は、第3変形例における無人飛行体500と比較して、副マイク131~134のそれぞれに対応する位置制御アクチュエータに代えて、副マイク131~134のそれぞれに対応する風防構造物を備えている。また、無人飛行体700では、無人飛行体500と比較して、副マイク131~134のそれぞれに対応する方向制御アクチュエータの機構が異なっている。また、第3変形例における無人飛行体500と比較して、発生器111~114は互いに近づけられている。
【0203】
風防構造物751は、発生器111と副マイク131との間に配置される。また、風防構造物751の少なくとも一部が、発生器111が発生させる気流領域191に含まれるように、風防構造物751のサイズ又は配置が定められる。また、力の低下を抑制するため、例えば、気流領域191に含まれる風防構造物751の少なくとも一部が、気流の方向に垂直な方向において、発生器111が備える回転翼の回転半径よりも小さくなるように、サイズ又は配置が定められる。
【0204】
上記の説明における気流領域191は、風防構造物751が存在しない場合における気流領域である。実際には、気流領域191は、風防構造物751によって変化する。具体的には、気流領域191は、風防構造物751よりも気流の下流側を含まないように変化する。
【0205】
同様に、風防構造物754は、発生器114と副マイク134との間に配置される。また、風防構造物754の少なくとも一部が、発生器114が発生させる気流領域194に含まれるように、風防構造物754のサイズ又は配置が定められる。また、力の低下を抑制するため、例えば、気流領域194に含まれる風防構造物754の少なくとも一部が、気流の方向に垂直な方向において、発生器114が備える回転翼の回転半径よりも小さくなるように、サイズ又は配置が定められる。
【0206】
上記の説明における気流領域194は、風防構造物754が存在しない場合における気流領域である。実際には、気流領域194は、風防構造物754によって変化する。具体的には、気流領域194は、風防構造物754によって、風防構造物754よりも気流の下流側を含まないように変化する。
【0207】
同様に、副マイク132に対応する風防構造物も、発生器112及び副マイク132に対して配置される。同様に、副マイク133に対応する風防構造物も、発生器113及び副マイク133に対して配置される。そして、副マイク132及び133のそれぞれに対応する風防構造物のサイズ及び配置も、風防構造物751及び754と同様に定められる。
【0208】
また、方向制御アクチュエータ731は、副マイク131の収音方向を制御する。方向制御アクチュエータ731は、副マイク131が取り付けられた支持構造物の軸を回動させることにより、副マイク131の収音方向を制御する。これにより、方向制御アクチュエータ731は、第3変形例における方向制御アクチュエータ531と同じ役割を果たす。
【0209】
同様に、方向制御アクチュエータ734は、副マイク134の収音方向を制御することにより、第3変形例における方向制御アクチュエータ534と同じ役割を果たす。同様に、副マイク132に対応する方向制御アクチュエータは、副マイク132の収音方向を制御し、副マイク133に対応する方向制御アクチュエータは、副マイク133の収音方向を制御する。これにより、副マイク132及び133のそれぞれに対応する方向制御アクチュエータも、第3変形例における方向制御アクチュエータと同じ役割を果たす。
【0210】
また、本変形例における無人飛行体700は、第3変形例における無人飛行体500と比較して、筐体140に、プロセッサ570に代えてプロセッサ770を備えている。無人飛行体700のプロセッサ670は、第2マイク131~134のそれぞれに対応する位置制御アクチュエータを動作させる処理を除いて、基本的に、無人飛行体500のプロセッサ570と同様の動作を行う。
【0211】
本変形例において、副マイク131は、風防構造物751の内部に配置される。また、副マイク134は、風防構造物754の内部に配置される。同様に、副マイク132は、副マイク132に対応する風防構造物の内部に配置され、副マイク133は、副マイク133に対応する風防構造物の内部に配置される。これにより、無人飛行体700は、副マイク131~134に風雑音が入ることを抑制することができる。
【0212】
なお、主マイク120も、複数の副マイク131~134に対応する複数の風防構造物の少なくとも1つの内部に配置されてよい。これにより、無人飛行体700は、主マイク120に風雑音が入ることを抑制することができる。
【0213】
また、本変形例における無人飛行体700は、角度制御アクチュエータ及び方向制御アクチュエータを備えなくてもよい。そして、各発生器の配置、及び、各副マイクの収音方向が固定されていてもよい。本変形例に示された風防構造物は、第3変形例に限らず、上記の実施の形態、又は、第3変形例とは異なる変形例にも適用可能である。例えば、上記の実施の形態における無人飛行体100等が、本変形例に示された風防構造物を備えてもよい。
【0214】
また、各風防構造物は、無人飛行体700の移動方向に対して相対的に発生する気流を遮ってもよい。これにより、各副マイク等に入る風雑音が抑制される。
【0215】
以上、複数の変形例を含む上記の実施の形態等に基づいて無人飛行体の態様を説明したが、無人飛行体の態様は、上記の実施の形態等に限定されない。上記の実施の形態等に対して当業者が思いつく変形が施されてもよいし、上記の実施の形態等における複数の構成要素が任意に組み合わされてもよい。
【0216】
例えば、上記の実施の形態において特定の構成要素によって実行される処理を特定の構成要素の代わりに別の構成要素が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0217】
また、説明に用いられた第1及び第2等の序数は、適宜、付け替えられてもよい。また、構成要素などに対して、序数が新たに与えられてもよいし、取り除かれてもよい。
【0218】
上記において各構造物には、純物質が用いられてもよいし、混合物が用いられてもよい。例えば、金属が用いられてもよいし、樹脂が用いられてもよいし、木材が用いられてもよいし、その他の素材が用いられてもよい。また、各構成要素の位置は、その構成要素の中心の位置であってもよいし、その構成要素の主要な位置であってもよい。
【0219】
また、上流側は、気流の方向とは反対の方向の側に対応し、下流側は、気流の方向の側に対応している。例えば、気流の方向が下方向である場合、上流側は上側であり、下流側は下側である。
【0220】
また、上記の実施の形態では、無人飛行体にはメモリが備えられ、プロセッサはメモリに信号を記憶させる例を説明したが、無人飛行体にはメモリが備えられなくてもよい。この場合、プロセッサは、信号を送信するための送信処理を行い、信号はアンテナを介して外部装置へ送信される。そして、外部装置にて信号処理が行われる。すなわち、プロセッサの処理は、記憶処理、信号処理、又は通信処理のいずれであってもよい。
【0221】
以下、本開示の一態様における無人飛行体の基本的な構成及び代表的な変形例等を示す。これらは、互いに組み合わされてもよいし、上記の実施の形態等の一部と組み合わされてもよい。
【0222】
(1)本開示の一態様における無人飛行体(100、200、400、500、600、700)は、1つ以上の発生器(111~114、210)と、1つ以上の第1マイクロフォン(120、221、222)と、1つ以上の第2マイクロフォン(131~134、231、232)と、プロセッサ(170、270、570、670、770)とを備える。
【0223】
1つ以上の発生器(111~114、210)は、無人飛行体を飛行させる力を発生させ、それぞれ気流を発生させる。1つ以上の第1マイクロフォン(120、221、222)は、1つ以上の発生器がそれぞれ出す気流の領域である1つ以上の第1気流領域のいずれにも含まれない外部領域に位置する。
【0224】
1つ以上の第2マイクロフォン(131~134、231、232)は、外部領域において、少なくとも1つの発生器と、少なくとも1つの第1マイクロフォンとの間に位置する。プロセッサ(170、270、570、670、770)は、1つ以上の第1マイクロフォンから出力される1つ以上の第1信号、及び、1つ以上の第2マイクロフォンから出力される1つ以上の第2信号を処理する。
【0225】
これにより、無人飛行体(100、200、400、500、600、700)は、無人飛行体の周辺の音を収音するための第1マイクロフォン、及び、ノイズを収音するための第2マイクロフォンに、風雑音が入ることを抑制することができる。また、無人飛行体(100、200、400、500、600、700)は、第1マイクロフォンと発生器との間に位置する第2マイクロフォンによって、発生器で発生し第1マイクロフォンに入ると想定されるノイズを適切に収音することができる。
【0226】
(2)例えば、無人飛行体(100、400、500、600、700)において、1つ以上の発生器(111~114)は、2つ以上の発生器であってもよい。また、1つ以上の第2マイクロフォン(131~134)は、2つ以上の第2マイクロフォンであってもよい。また、各第2マイクロフォン(131~134)は、外部領域において、各第2マイクロフォンに対応する発生器と、少なくとも1つの第1マイクロフォンとの間に位置してもよい。
【0227】
これにより、無人飛行体(100、400、500、600、700)は、複数の発生器に従って、無人飛行体が飛行するための力を発生させることができる。また、無人飛行体(100、400、500、600、700)は、各発生器のノイズを収音するための第2マイクロフォンを備え得る。したがって、無人飛行体(100、400、500、600、700)は、適切に各発生器のノイズを収音することができる。
【0228】
(3)例えば、無人飛行体(100、400、500、600、700)において、1つ以上の第1マイクロフォン(120)は、1つの第1マイクロフォンである。また、各第2マイクロフォン(131~134)は、外部領域において、各第2マイクロフォンに対応する発生器と、1つの第1マイクロフォンとの間に位置してもよい。これにより、無人飛行体(100、400、500、600、700)は、各発生器で発生し1つの第1マイクロフォンに入ると想定されるノイズを適切に収音することができる。
【0229】
(4)例えば、無人飛行体(400、500、600、700)において、2つ以上の発生器(111~114)が気流を出す方向それぞれは、互いに平行でなくかつ交差しない方向であってもよい。
【0230】
これにより、無人飛行体(400、500、600、700)は、複数の発生器で発生する複数の気流の間において、第1マイクロフォン及び第2マイクロフォンを配置するための十分な領域を有し得る。したがって、第1マイクロフォン(120)及び第2マイクロフォン(131~134)が、適切な位置に配置され得る。
【0231】
(5)例えば、無人飛行体(400、500、600、700)において、2つ以上の発生器(111~114)が気流を出す方向それぞれは、それぞれ無人飛行体を飛行させることが可能な方向であってもよい。これにより、無人飛行体(400、500、600、700)は、各発生器が傾斜されている状態で、適切に飛行することができる。
【0232】
(6)例えば、無人飛行体(500、600、700)は、2つ以上の発生器が気流を出す方向それぞれを制御する第1アクチュエータ(511、514)を備えてもよい。これにより、無人飛行体(500、600、700)は、発生器が出す気流の方向に対応する傾斜を制御することができる。すなわち、無人飛行体(500、600、700)は、発生器の傾斜を適応的に変化させることができる。
【0233】
(7)例えば、無人飛行体(500、600、700)において、プロセッサ(570、670、770)は、無人飛行体の移動を判定してもよい。そして、プロセッサ(570、670、770)は、無人飛行体の移動の際に、2つ以上の発生器が気流を出す方向それぞれが互いになす角度が減少するように第1アクチュエータを動作させてもよい。これにより、無人飛行体(500、600、700)は、移動方向に対して反対方向に力が発生することを抑制することができる。
【0234】
(8)例えば、無人飛行体(500、600、700)において、2つ以上の第2マイクロフォン(131~134)は、2つ以上の発生器が気流を出す方向それぞれの変化にかかわらず、外部領域に位置してもよい。これにより、無人飛行体(500、600、700)は、気流の方向が変化しても、風雑音が第2マイクロフォンに入ることを抑制することができる。
【0235】
(9)例えば、無人飛行体(500)は、2つ以上の第2マイクロフォンの位置をそれぞれ制御する第2アクチュエータ(521、524)を備えてもよい。プロセッサ(570)は、2つ以上の発生器が気流を出す方向それぞれが変化する場合、外部領域に2つ以上の第2マイクロフォンがそれぞれ位置するように第2アクチュエータを動作させてもよい。これにより、無人飛行体(500)は、発生器の傾斜の変化に対して、第2マイクロフォンを適切な位置に配置することができる。
【0236】
(10)例えば、無人飛行体(500、600、700)において、2つ以上の発生器が気流を出す方向それぞれが変化する場合、各発生器の第1気流領域と、各発生器に対応する第2マイクロフォンの位置との相対的な関係が維持されてもよい。これにより、無人飛行体(500、600、700)は、発生器の傾斜の変化に対して、第2マイクロフォンを適切な位置に維持することができる。
【0237】
(11)例えば、無人飛行体(500、600、700)において、プロセッサ(570、670、770)は、1つ以上の第1マイクロフォンで収音が行われない期間において、2つ以上の発生器が気流を出す方向それぞれが互いになす角度が減少するように第1アクチュエータを動作させてもよい。
【0238】
これにより、無人飛行体(500、600、700)は、収音期間において、発生器を傾斜させて、収音に適切な状態を構築することができる。また、無人飛行体(500、600、700)は、収音期間以外において、移動に適切な状態を構築することができる。
【0239】
(12)例えば、無人飛行体(500、600、700)は、1つ以上の第2マイクロフォンの収音方向をそれぞれ制御する第3アクチュエータ(531、534、631、634、731、734)を備えてもよい。そして、プロセッサ(570、670、770)は、無人飛行体の移動方向を判定し、移動方向の変化に従って、1つ以上の第2マイクロフォンのうちの少なくとも1つの収音方向が変化するように第3アクチュエータを動作させてもよい。
【0240】
これにより、無人飛行体(500、600、700)は、移動方向の変化に従って、適応的に収音方向を変化させることができる。
【0241】
(13)例えば、無人飛行体(500、600、700)において、プロセッサ(570、670、770)は、移動方向と、1つ以上の第2マイクロフォンのうちの少なくとも1つの収音方向とが異なるように第3アクチュエータを動作させてもよい。これにより、無人飛行体(500、600、700)は、移動に対して相対的に受ける風によって、第2マイクロフォンに風雑音が入ることを抑制することができる。
【0242】
(14)例えば、無人飛行体(100、200、400、500、600、700)において、プロセッサ(170、270、570、670、770)は、1つ以上の第1信号及び1つ以上の第2信号に従って、1つ以上の音を示す1つ以上の第3信号を生成してもよい。これにより、無人飛行体(100、200、400、500、600、700)は、発生器から相対的に遠い第1マイクロフォンの信号と、発生器から相対的に近い第2マイクロフォンの信号とに従って、音を示す信号を新たに生成することができる。
【0243】
(15)例えば、無人飛行体(100、200、400、500、600、700)において、プロセッサ(170、270、570、670、770)は、1つ以上の第1信号のうち少なくとも1つが示す音から1つ以上の第2信号のうち少なくとも1つが示す音が抑制された音を示す信号で構成される1つ以上の第3信号を生成してもよい。
【0244】
これにより、無人飛行体(100、200、400、500、600、700)は、発生器から相対的に遠い第1マイクロフォンの信号で示される音から、発生器から相対的に近い第2マイクロフォンの信号で示される音が取り除かれた音を示す信号を新たに生成できる。
【0245】
(16)例えば、無人飛行体(100、200、400、500、600、700)に関して、外部領域は、1つ以上の第1気流領域のいずれにも含まれない領域であり、かつ、1つ以上の第2気流領域のいずれにも含まれない領域である。ここで、1つ以上の第2気流領域は、1つ以上の発生器にそれぞれ流入する気流の領域である。
【0246】
これにより、無人飛行体(100、200、400、500、600、700)は、発生器に流れ込む気流が第1マイクロフォン及び第2マイクロフォンに当たることを抑制することができる。そして、無人飛行体(100、200、400、500、600、700)は、第1マイクロフォン及び第2マイクロフォンに、風雑音が入ることをさらに抑制することができる。
【0247】
(17)例えば、無人飛行体(100、200、400、500、600、700)において、1つ以上の発生器(111~114、210)は、1つ以上の回転翼をそれぞれ備えてもよい。これにより、無人飛行体(100、200、400、500、600、700)は、回転翼によって発生する気流が第1マイクロフォン及び第2マイクロフォンに当たることを抑制することができる。また、無人飛行体(100、200、400、500、600、700)は、回転翼によって発生するノイズを適切に収音することができる。
【産業上の利用可能性】
【0248】
本開示は、音を収音する無人飛行体に利用可能であり、無人飛行体を用いて音を収音する録音システム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0249】
100、200、400、500、600、700 無人飛行体
111、112、113、114、210 発生器
120、221、222 主マイク(第1マイクロフォン)
131、132、133、134、231、232 副マイク(第2マイクロフォン)
140、240 筐体
161、162、163、164 領域
170、270、570、670、770 プロセッサ
180、280 メモリ
191、194、290、311、314 気流領域(第1気流領域)
321、324 第2気流領域
511、514 角度制御アクチュエータ(第1アクチュエータ)
521、524 位置制御アクチュエータ(第2アクチュエータ)
531、534、631、634、731、734 方向制御アクチュエータ(第3アクチュエータ)
641、644 連動構造物
751、754 風防構造物