(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】ガラス製品製造装置
(51)【国際特許分類】
C03B 5/237 20060101AFI20220324BHJP
C03B 5/04 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
C03B5/237
C03B5/04
(21)【出願番号】P 2019551466
(86)(22)【出願日】2018-03-20
(86)【国際出願番号】 US2018023301
(87)【国際公開番号】W WO2018175398
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-22
(31)【優先権主張番号】10-2017-0034757
(32)【優先日】2017-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】アン,チャン-フン
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ビョン-チョル
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソン-ジュン
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ヨン-ギュ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ホ-スン
(72)【発明者】
【氏名】イ,スン-グク
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヒョン-ギュ
【審査官】松本 瞳
(56)【参考文献】
【文献】特表昭60-501809(JP,A)
【文献】国際公開第2016/102621(WO,A1)
【文献】特開2010-052971(JP,A)
【文献】中国実用新案第204298230(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第1300720(CN,A)
【文献】中国実用新案第202988958(CN,U)
【文献】特開平04-219324(JP,A)
【文献】国際公開第2017/021624(WO,A1)
【文献】特開昭57-061636(JP,A)
【文献】特開昭62-162891(JP,A)
【文献】特開昭60-137835(JP,A)
【文献】国際公開第2017/017383(WO,A2)
【文献】特開2014-199146(JP,A)
【文献】特開2014-025601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 5/00
F27D 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス製品製造装置であって、
ガス加熱ゾーンと電気加熱ゾーンとを含む加熱炉;
前記加熱炉から熱を回収するように構成された第1の熱交換モジュール
;
前記第1の熱交換モジュールを通過する熱伝達媒体流体の流れを駆動するように構成されたポンプ
;
前記加熱炉内で生成されるガラス溶融物を使用することによってガラス製品を製造するための1つ以上のユニットプロセスを実行することができ、前記ガラス製品を処理するための処理流体を供給するように構成されたガラス製品処理装置;及び
前記処理流体を加熱するように構成された第2の熱交換モジュール
を含み、
前記第1の熱交換モジュールの少なくとも一部が、前記電気加熱ゾーンの外面の少なくとも一部と熱的に結合して
おり、
前記第2の熱交換モジュールが、前記熱伝達媒体流体から前記処理流体へと熱を伝達するように構成されている、
ガラス製品製造装置。
【請求項2】
前記ガス加熱ゾーンが前記加熱炉内のガラス溶融物の最高レベルより高いレベルにあり、前記電気加熱ゾーンが前記加熱炉内の前記ガラス溶融物の前記最高レベルより低いレベルにある、
請求項1に記載のガラス製品製造装置。
【請求項3】
前記第1の熱交換モジュールの少なくとも一部が前記電気加熱ゾーンの外面と面接触している、
請求項2に記載のガラス製品製造装置。
【請求項4】
前記第1の熱交換モジュールが固定部材を介して前記電気加熱ゾーンの前記外面に接着している、
請求項3に記載のガラス製品製造装置。
【請求項5】
前記第1の熱交換モジュールと前記電気加熱ゾーンの前記外面との間の面接触面積が、前記第1の熱交換モジュールが設けられた外壁の全面積の約15%~約60%の範囲である、
請求項3又は4に記載のガラス製品製造装置。
【請求項6】
前記第1の熱交換モジュールが前記加熱炉の前記外面から離間されている、請求項1に記載のガラス製品製造装置。
【請求項7】
前記加熱炉の前記外面に面する前記第1の熱交換モジュールの表面が前記加熱炉の前記外面と実質的に平行である、
請求項6に記載のガラス製品製造装置。
【請求項8】
ガラス製品製造装置であって、
ガス加熱ゾーンと電気加熱ゾーンとを含む加熱炉;
前記加熱炉内で生成されるガラス溶融物を使用することによってガラス製品を製造するための1つ以上のユニットプロセスを実行することができ、前記ガラス製品を処理するための処理流体を供給するように構成されたガラス製品処理装置;及び
熱交換装置
を備えており、
前記熱交換装置が、
前記加熱炉から熱を回収するように構成された第1の熱交換モジュール;
前記処理流体を加熱するように構成された第2の熱交換モジュール;
前記第1の熱交換モジュールと前記第2の熱交換モジュールとの間を循環する熱伝達媒体流体;及び
前記熱伝達媒体流体の流れを駆動するように構成されたポンプ
を備えている、
ガラス製品製造装置。
【請求項9】
前記第1の熱交換モジュールが横方向に互いに離間した3つのセクションを含む、
請求項8に記載のガラス製品製造装置。
【請求項10】
前記熱伝達媒体流体が水である、
請求項8又は9に記載のガラス製品製造装置。
【請求項11】
前記第1の熱交換モジュールが前記熱伝達媒体流体の温度を約7℃~約15℃上昇させるように構成される、
請求項8~10のいずれか一項に記載のガラス製品製造装置。
【請求項12】
前記第1の熱交換モジュールに供給される前記熱伝達媒体流体を貯蔵するように構成された第1のタンクをさらに含み、前記第1の熱交換モジュールから排出される前記熱伝達媒体流体が前記第1のタンクに再循環するように構成される、
請求項8~11のいずれか一項に記載のガラス製品製造装置。
【請求項13】
前記第2の熱交換モジュールから排出される前記熱伝達媒体流体を貯蔵するように構成された第2のタンクをさらに含む、
請求項12に記載のガラス製品製造装置。
【請求項14】
前記加熱炉が、原料を供給する供給装置が結合した第1の側壁と、ガラス溶融物の出口が取り付けられた第2の側壁とを備えており、前記第1の熱交換モジュールが前記第1の側壁に直接接触している、
請求項8~13のいずれか一項に記載のガラス製品製造装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、その全体がここに参照することによって本願に援用される、2017年3月20日出願の韓国特許出願第10-2017-0034757号の米国法典第35編特許法119条に基づく優先権の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ガラス製品製造装置に関し、より詳細には、欠陥率を低下させ、エネルギー効率を高めるガラス製品製造装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ガラス製品の製造では、エネルギー効率を高め、製造プロセスの欠陥率を低下させることは有利でありうる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態によれば、ガス加熱ゾーンと電気加熱ゾーンとを含む加熱炉;加熱炉から熱を回収するように構成された第1の熱交換モジュール;及び、該第1の熱交換モジュールを通過する熱伝達媒体流体の流れを駆動するように構成されたポンプを備えたガラス製品製造装置が提供され、ここで、第1の熱交換モジュールの少なくとも一部は、電気加熱ゾーンの外面の少なくとも一部と熱的に結合している。
【0005】
ガラス製品製造装置はさらに、ガラス製品を処理するための処理流体を供給するように構成されたガラス製品処理装置;及び、処理流体を加熱するように構成された第2の熱交換モジュールを含んでよく、該第2の熱交換モジュールは、熱伝達媒体流体から処理流体へと熱を伝達するように構成することができる。
【0006】
ガス加熱ゾーンは、加熱炉内のガラス溶融物の最高レベルよりも高いレベルにあってよく、電気加熱ゾーンは、加熱炉内のガラス溶融物の最高レベルよりも低いレベルにあってよい。
【0007】
第1の熱交換モジュールの少なくとも一部は、電気加熱ゾーンの外面と面接触しうる。
【0008】
第1の熱交換モジュールは、固定部材を介して電気加熱ゾーンの外面に接着されうる。
【0009】
第1の熱交換モジュールと電気加熱ゾーンの外面との間の面接触面積は、加熱炉の外壁の全面積の15%~60%の範囲でありうる。
【0010】
第1の熱交換モジュールは、加熱炉の外面から離間配置することができる。
【0011】
加熱炉の外面に面する第1の熱交換モジュールの表面は、該加熱炉の外面と実質的に平行でありうる。
【0012】
本開示の実施形態によれば、ガス加熱ゾーンと電気加熱ゾーンとを含む加熱炉;ガラス製品を処理するための処理流体を供給するように構成されたガラス製品処理装置;及び、熱交換装置を備えたガラス製品製造装置が提供され、ここで、熱交換装置は、加熱炉から熱を回収するように構成された第1の熱交換モジュール;処理流体を加熱するように構成された第2の熱交換モジュール;第1の熱交換モジュールと第2の熱交換モジュールとの間を循環する熱伝達媒体流体;及び、熱伝達媒体流体の流れを駆動するように構成されたポンプを備えている。
【0013】
第1の熱交換モジュールは、横方向に互いに離間した3つのセクションを含むことができる。
【0014】
熱伝達媒体流体は水でありうる。
【0015】
第1の熱交換モジュールは、熱伝達媒体流体の温度を約7℃~約15℃上昇させるように構成することができる。
【0016】
第2の熱交換モジュールは、処理流体の温度を約3℃~約8℃上昇させるように構成することができる。
【0017】
ガラス製品製造装置はさらに、第1の熱交換モジュールに供給される熱伝達媒体流体を貯蔵するように構成された第1のタンクを含んでよく、第1の熱交換モジュールから排出される熱伝達媒体流体を第1のタンクに再循環することができる。
【0018】
ガラス製品製造装置はさらに、第2の熱交換モジュールから排出される熱伝達媒体流体を貯蔵するように構成された第2のタンクを含むことができる。
【0019】
加熱炉は、原料を供給する供給装置が結合した第1の側壁と、ガラス溶融物の出口が取り付けられた第2の側壁とを含んでよく、第1の熱交換モジュールは、第1の側壁に直接接触していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】幾つかの実施形態に従うガラス製品製造装置のブロック図
【
図2】一実施形態に従う第1の熱交換モジュールと加熱炉の分解斜視図
【
図3A】一実施形態に従う加熱炉の後壁に設置された第1の熱交換モジュールの正面図
【
図3B】一実施形態に従う第1の熱交換モジュール内の管の斜視図
【
図4A】実施形態に従う管と加熱炉との接触状態を概念的に示す側面断面図
【
図4B】実施形態に従う管と加熱炉との接触状態を概念的に示す側面断面図
【
図4C】実施形態に従う管と加熱炉との接触状態を概念的に示す側面断面図
【
図5】実施形態に従う第1の熱交換モジュールが加熱炉の後壁に適用された場合の電気加熱ゾーンにおける消費電力のグラフ
【
図6】一実施形態に従うガラス製品製造装置における加熱炉とガラス製品処理装置との間の処理段階を詳細に示すプロセス図
【
図7】第1の熱交換モジュールが適用されている場合、及び第1の熱交換モジュールが適用されていない場合の欠陥率の変化を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、例示的な実施形態が示されている添付の図面を参照して、本開示をより詳細に説明する。しかしながら、本開示の主題は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される例示的な実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示によって主題が当業者に伝わるように提供されている。図面において、層及び領域の厚さは、明確にするために誇張されている場合がある。可能な限り、図面中の同様の参照番号は同様の要素を示す。したがって、本開示は、添付の図面に示されるような相対的なサイズ又は間隔によって制限されない。
【0022】
「第1」、「第2」などの用語は、さまざまな構成要素を説明するために使用される場合があるが、このような構成要素は上記の用語に限定されない。上記の用語は、ある構成要素を別の構成要素と区別するためにのみ使用される。例えば、矛盾することなく、第1の構成要素が第2の構成要素を示してもよく、あるいは第2の構成要素が第1の構成要素を示してもよい。
【0023】
さまざまな例示的な実施形態において本明細書で使用される用語は、例示的な実施形態のみを説明するために使用され、さまざまな追加の実施形態を限定するものと解釈されるべきではない。文脈で特に定義されていない限り、単数表現には複数表現が含まれる。さまざまな例示的な実施形態において本明細書で使用される「含む」又は「含むことができる/含みうる」という用語は、対応する機能、動作、又は構成要素の存在を示してよく、1つ以上の追加の機能、動作、又は構成要素を限定するものではない。本明細書で使用される場合、用語「含む」及び/又は「含んでいる」は、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するために使用されうるが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。
【0024】
ある特定の実施形態が異なる方法で実行されうる場合、特定のプロセス順序は、記載された順序とは異なる方法で実行することができる。例えば、連続して記載される2つのプロセスは、実質的に同時に行うことができ、若しくは、記載された順序とは逆の順序で行うことができる。
【0025】
例えば製造技術及び/又は公差の結果として、図の形状からの変動が予想される。したがって、本開示の実施形態は、本明細書に図示される領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば製造に起因する形状の逸脱が含まれるべきである。本明細書で用いられる「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上のありとあらゆる組合せを含む。
【0026】
図1は、実施形態に従うガラス製品製造装置1のブロック図である。
【0027】
図1を参照すると、ガラス製品製造装置1は、加熱炉12と、第1の熱交換モジュール110とを含む。
【0028】
幾つかの実施形態では、第1の熱交換モジュール110は、加熱炉12の外面に設けることができる。ここで、加熱炉12の「外面」に設けられている第1の熱交換モジュール110は、第1の熱交換モジュール110が加熱炉12の外面に物理的に接触していること、若しくは第1の熱交換モジュール110が加熱炉12の外面から離間していることを意味しうる。
【0029】
幾つかの実施形態では、第1の熱交換モジュール110は加熱炉12の外面に直接設けることができる。本明細書では、加熱炉12の「外面に直接」設けられている第1の熱交換モジュール110とは、第1の熱交換モジュール110が加熱炉12の外面に物理的に接触することを意味しうる。
【0030】
他の幾つかの実施形態では、第1の熱交換モジュール110は、加熱炉12の外面から所定の距離だけ離間されうる。所定の距離は、例えば約5mm~約30mmでありうる。
【0031】
第1の熱交換モジュール110は、伝導、対流、及び/又は放射を通じて加熱炉12から熱を伝達するために提供することができ、これについては後で詳細に説明される。
【0032】
第1の熱交換モジュール110は、熱交換のための熱伝達媒体流体を使用することができる。熱伝達媒体流体は、例えば、水、油、不活性ガス等でありうるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、熱伝達媒体流体は水でありうる。熱伝達媒体流体が加熱炉12からの熱を吸収するため、熱伝達媒体流体の温度は、第1の熱交換モジュール110を通過中に上昇する。
【0033】
詳細には、そこを通じて熱伝達媒体流体が第1の熱交換モジュール110内に導入される第1の入口110_inと、そこを通じて熱伝達媒体流体が第1の熱交換モジュール110から排出される第1の出口110_outとの温度の差は、例えば、約7℃~約15℃でありうる。例えば、第1の入口110_inを通じて導入される熱伝達媒体流体の温度は、約65℃~約75℃でありうる。加えて、第1の出口110_outを通じて排出される熱伝達媒体流体の温度は、例えば約75℃~約85℃でありうる。
【0034】
熱伝達媒体流体は、第1のタンク131内に貯蔵することができ、ポンプ133によって第1の熱交換モジュール110に供給することができる。
図1では、第1のタンク131は液体を貯蔵するように示されているが、当業者は、第1のタンク131内にガスを貯蔵することができることを認識するであろう。
【0035】
ガラス製品製造装置1はさらに、ガラス製品処理装置70及び第2の熱交換モジュール120を含みうる。
【0036】
ガラス製品処理装置70は、加熱炉12内で生成されるガラス溶融物を使用することによってガラス製品を製造するための1つ以上のユニットプロセス、例えば、延伸、切断、洗浄、すすぎ等を実行することができる。このようなユニットプロセスでは、高温の処理流体、例えば、水、油、不活性ガス等が有利でありうる。例えば、高温の処理流体は、洗浄プロセスにおいてガラスの表面からの汚れ、不純物等の除去を促進することができる。あるいは、高温の処理流体は、すすぎプロセスにおいてガラス表面からの洗浄液の除去を促進することができる。上述のように、処理流体の温度の上昇は、第2の熱交換モジュール120によって達成することができる。
【0037】
第2の熱交換モジュール120は、ガラス製品処理装置70に用いられる処理流体の温度を上昇させることができる。第1の熱交換モジュール110内で温度が上昇した熱伝達媒体流体が、第2の熱交換モジュール120に供給されうる。加えて、熱伝達媒体流体は、第2の熱交換モジュール120を通過する間に処理流体に熱を伝達して、処理流体の温度を上昇させる。幾つかの実施形態では、第1の熱交換モジュール110から排出される熱伝達媒体流体は、少なくとも部分的に第1のタンク131に再循環されうる。
【0038】
詳細には、そこを通じて熱伝達媒体流体が第2の熱交換モジュール120内に導入される第2の入口121_inと、そこを通じて熱伝達媒体流体が第2の熱交換モジュール120から排出される第2の出口121_outとの温度の差は、例えば、約15℃~約25℃でありうる。例えば、第2の入口121_inを通じて導入された熱伝達媒体流体の温度は約74℃~約84℃でありうる。加えて、第2の出口121_outを通じて排出される熱伝達媒体流体の温度は、例えば約55℃~約65℃でありうる。
【0039】
加えて、そこを通じて熱伝達媒体流体が第2の熱交換モジュール120内に導入される第3の入口127_inと、そこを通じて処理流体が第2の熱交換モジュール120から排出される第3の出口127_outとの温度の差は、例えば、約3℃~約8℃でありうる。例えば、第3の入口127_inを通じて導入された処理流体は、約47℃~約53℃の温度を有しうる。加えて、第3の出口127_outを通じて排出される処理流体は、約52℃~約58℃の温度を有しうる。
【0040】
処理流体に熱を伝達することによって冷却された熱伝達媒体流体は、第2のタンク141に搬送され、そこに貯蔵されうる。
図1は、第2のタンク141が液体を貯蔵することを例証しているが、当業者は、第2のタンク141がガスを貯蔵できることを認識するであろう。
【0041】
第2のタンク141内の熱伝達媒体流体は、直接、又は第1の冷却ユニット151を通過した後に、第1のタンク131に搬送されうる。加えて、熱伝達媒体流体は、第1の冷却ユニット151を通過した後に第2のタンク141に再循環されうる。
【0042】
第1の冷却ユニット151は、ガラス製品の製造プロセス又は他のユーティリティプロセスのうちの少なくとも1つを含んでよく、第1の冷却ユニット151の出口における温度は、例えば約60℃~約75℃でありうる。
【0043】
加えて、第2のタンク141内の熱伝達媒体流体は、延伸機などの第2の冷却ユニット153を通過した後、第2のタンク141に再循環されうる。
【0044】
上述のように、加熱炉12及びガラス製品処理装置70は、第1の熱交換モジュール110、第2の熱交換モジュール120、熱伝達媒体流体、並びにポンプ133及び143を介して互いに熱的に接続することができる。本明細書では、第1の熱交換モジュール110、第2の熱交換モジュール120、熱伝達媒体流体、並びにポンプ133及び143は、熱交換装置100として定義することができる。
【0045】
図2は、実施形態に従う第1の熱交換モジュール110と加熱炉12の分解斜視図である。
【0046】
図2を参照すると、加熱炉12は、ガス加熱ゾーン12gと電気加熱ゾーン12eとを含みうる。ガス加熱ゾーン12gは、概して、電気加熱ゾーン12eの上に位置している。
【0047】
ガス加熱ゾーン12gは、燃料としてガスを使用するバーナ12gaを使用することにより、エネルギーを加熱炉12に供給することができる。電気加熱ゾーン12eは、電極12eaを使用することにより、エネルギーを加熱炉12に供給することができる。
【0048】
電極12eaは、加熱炉12内のガラス溶融物に浸漬させることができる。加えて、加熱炉12内のガラス溶融物の液体レベルは、バーナ12gaのレベルと電極12eaのレベルの間に位置していてもよい。すなわち、バーナ12gaはガラス溶融物の最高レベルよりも高い位置にあってよく、電極12eaはガラス溶融物の最高レベルよりも低い位置にありうる。幾つかの実施形態では、ガス加熱ゾーン12gはガラス溶融物の最高レベルよりも高い位置にあってよく、電気加熱ゾーン12eはガラス溶融物の最高レベルよりも低い位置にありうる。
【0049】
電極12ea及びバーナ12gaはそれぞれ、加熱炉12の互いに向かい合う対向する側壁12swに設けることができる。
【0050】
加えて、第1の熱交換モジュール110は、加熱炉12の後壁12bwに設けることができる。ガラス溶融物の原料を供給するための供給口12fhは、加熱炉12の後壁12bw内に形成することができる。加熱炉12内で生成されたガラス溶融物は、後壁12bwとは反対側の壁を通じて、ガラス製品を製造するプロセスに供給されてもよい。
【0051】
第1の熱交換モジュール110は、電気加熱ゾーン12eと少なくとも部分的に重なるように配置することができる。幾つかの実施形態では、第1の熱交換モジュール110の少なくとも一部が電気加熱ゾーン12eの少なくとも一部と重なるように配置することができる。幾つかの実施形態では、第1の熱交換モジュール110は、電気加熱ゾーン12eと完全に重なるように配置することができる。幾つかの実施形態では、第1の熱交換モジュール110は、電気加熱ゾーン12eと部分的に重なっていてよく、かつ、ガス加熱ゾーン12gと部分的に重なっていてよい。本明細書では、電気加熱ゾーン12eとの「重なり」は、第1の熱交換モジュール110の外周が加熱炉12の外面上に投影されたときに、第1の熱交換モジュール110の周囲が電気加熱ゾーン12eと重なることを意味しうる。
【0052】
第1の熱交換モジュール110は、固定部材112によって加熱炉12に固定することができる。固定部材112は、第1の熱交換モジュール110を加熱炉12に固定することができる任意の連結部材でありうるが、これに限定されない。固定部材112は、例えば、格子、バー、ワイヤ等でありうる。
【0053】
第1の熱交換モジュール110は、加熱炉12の外面と接触していてもよいし、あるいは加熱炉12の外面から所定の距離だけ離間していてもよい。
【0054】
図3Aは、実施形態に従う加熱炉12の後壁12bwに設けられた第1の熱交換モジュール110の正面図である。
図3Bは、実施形態に従う第1の熱交換モジュール110を形成する各管の斜視図である。
【0055】
図3A及び3Bを参照すると、第1の熱交換モジュール110は、互いに接続された複数の管110tbを含みうる。複数の管110tbは、互いに並列及び/又は直列に接続されうる。幾つかの実施形態では、複数の管110tbは、それぞれ、横方向に互いに離間した3つのセクションを含みうる。
【0056】
各管110tbは、その両側に開口部を有する管体110bd、該管体110bdと共に管体110bdの内部空間を画成するための管バー110br、及び管体110bdをフレームに固定するための管プレート110plを含みうる。
図3Bでは、管体110bdと管バー110brは別々に形成されうるが、当業者は、管体110bdと管バー110brを互いに一体的に又はモノリシックに形成できることを認識するであろう。加えて、
図3Bでは、管体110bdは長方形の断面を有するが、当業者は、管体110bdが長方形以外の形状の断面を有していてもよいことを認識するであろう。
【0057】
幾つかの実施形態では、管110tbの外面のうち、加熱炉12に面する表面は平面でありうる。特に、第1の熱交換モジュール110は、平面が加熱炉12の外面と実質的に平行になるように形成することができる。
【0058】
上述のように、第1の熱交換モジュール110は、加熱炉12の外面と接触して設置されてもよいし、あるいは、加熱炉12の外面から所定の距離だけ離間するように設置されてもよい。第1の熱交換モジュール110が加熱炉12の外面に接触して設置される場合には、管体110bdの表面の1つが、伝導を介して加熱炉12から熱を受け取るように外面と面接触しうる。
【0059】
本明細書では、第1の熱交換モジュール110と加熱炉12の外面との間の面接触面積は、加熱炉12の外壁のうち、第1の熱交換モジュール110が設置される外壁(ここでは、加熱炉12の後壁12bw)の全面積の約15%~約60%でありうる。面接触面積の比率が低すぎると、伝導による熱伝達が不十分になりうる。面接触面積の比率が高すぎると、加熱炉12に含まれる他の構成要素との干渉が生じる可能性がある。
【0060】
加えて、加熱炉12に面する管体110bdの表面が平坦な面である場合には、加熱炉12からの熱放射は、加熱炉12に効果的に反射され戻されうる。特に、管体110bdが例えば金属などの熱放射を効果的に反射することができる材料を含む場合、加熱炉12からの熱放射は、加熱炉12に効果的に反射され戻されうる。
【0061】
図4A~4Cは、管110tbと加熱炉12との間の接触の実施形態を概念的に示す側面断面図である。
【0062】
図4Aを参照すると、管110tbは導管110cnを介して互いに接続されており、各管110tbの表面は加熱炉12の後壁12bwに接着している。すなわち、管110tbと後壁12bwとは互いに面接触している。面接触による接着は、固定部材112によって強化することができる。
【0063】
特に、管110tbの長方形断面は、長さL1及びL2(L1>L2)を有する辺を有し、第1の熱交換モジュール110は、より長い辺が後壁12bwに面することができるように構成することができる。この場合、伝導による熱伝達が増加しうる。言い換えれば、熱伝達の総量に対する伝導による熱伝達の比率が増加しうる。
【0064】
図4Bを参照すると、管110tbは、導管110cnを介して互いに接続することができ、各管110tbの表面は、加熱炉12の後壁12bwに接着している。すなわち、管110tbと後壁12bwとは互いに面接触している。
【0065】
図4Aに示される例とは異なり、
図4Bに示される第1の熱交換モジュール110は、管110tbの短辺が後壁12bwに面することができるように構成されうる。この場合、熱伝達の総量に対する伝導による熱伝達の比率は、
図4Aを参照して示された例の比率よりも低くなりうる。言い換えれば、熱伝達の総量に対する放射又は対流を介した熱伝達の比率は、
図4Aを参照して示された例の比率よりも大きくなりうる。
【0066】
図4Cを参照すると、管110tbは導管110cnを介して互いに接続されており、管110tbは後壁12bwから距離dだけ離間している。伝導を介した熱伝達が、後壁12bwの表面温度、第1の熱交換モジュール110の熱伝達能力、外部温度等のさまざまな処理条件に応じて、場合によってはエネルギー効率の観点から不利益を生じる可能性があることから、この事例は、管110tbと後壁12bwとの間の伝導による熱伝達を防止することを目的としうる。
【0067】
図4A及び4Bを参照して示される例とは異なり、各管110tbは後壁12bwに直接接触しないことから、伝導を介した熱伝達は生じない可能性がある。したがって、熱は、伝導を介してではなく、対流及び/又放射を介して管110tbと後壁12bwとの間で伝達されうる。伝導を介した熱伝達は、加熱炉12の側壁を通じたエネルギーの損失をある程度まで、不利に増加させる可能性がある。したがって、伝導を介した熱伝達が遮断されると、加熱炉12のエネルギー効率が改善されうる。
【0068】
距離dは、例えば約5mm~約30mmでありうる。距離dが小さすぎると、管110tbと後壁12bwとの間の意図しない接触に起因して、伝導を介した熱伝達が生じる可能性がある。距離dが大きすぎると、放射による熱伝達効率が急速に低下する可能性がある。
【0069】
必要に応じて、管110tbが後壁12bwに直接接触するのを防ぐために、管110tbと後壁12bwとの間にスペーサが配置されてもよい。本明細書では、スペーサは断熱材を含みうる。
【0070】
加えて、
図4Cを参照して示されるように、管110tbが必ずしも後壁12bwに接触しない場合には、管110tbは、さまざまなタイプの断面を有することができる。例えば、管110tbは、円形断面、楕円形断面、半円形断面、多角形断面等を有しうる。
【0071】
図5は、実施形態に従う第1の熱交換モジュール110が加熱炉12の後壁12bwに適用された場合の電気加熱ゾーン12eにおける消費電力のグラフである。
【0072】
図5では、横軸は動作時間を示し、縦軸は設定温度を維持するための電気加熱ゾーン12eの消費電力を示す。
【0073】
時点A
3つのセクションを含む第1の熱交換モジュールを加熱炉の後壁に適用した。1つのセクションには11本の管が含まれ、各セクションでは、
図4Aを参照して示すように、各管の長方形断面の長辺を後壁に直接接触させた。長方形の長辺は40mmの長さを有する。
【0074】
第1の熱交換モジュールを設置すると、電気加熱ゾーンの消費電力が急速に減少した。これは、伝導によって幾らかの熱損失が促進されたとしても、第1の熱交換モジュールの熱放射反射によって相対的に大量の熱が加熱炉に戻されたためでありうる。
【0075】
時点B
加熱炉の外部空間で断熱材を強化し、それによって電気加熱ゾーンの電力消費がわずかに低下した。
【0076】
時点B’
加熱炉内の温度の設定点を上昇させた。したがって、電気加熱ゾーンの消費電力が増加した。その後、溶融加熱炉は、特定の期間、安定した。
【0077】
時点C
図4Bを参照して示されるように、各管の長方形断面の短辺が後壁に直接接触したことを除いて、第1の熱交換モジュールは時点Aのものと同一に構成された。
【0078】
消費電力は時点Aのように劇的には低下しなかったが、消費電力の低下を示したことが確認された。接触面積は時点Aの接触面積よりも小さいことから、第1の熱交換モジュールの放射熱反射効果は低下した。
【0079】
時点D
加熱炉内の温度の設定点の変化により、電気加熱ゾーンの消費電力は連続的に増加した。その後、時点Dで第1の熱交換モジュールを、熱交換モジュールの1つのセクションが11本ではなく8つの管を含んでいたことを除いて時点Aで使用した第1の熱交換モジュールと同一の第1の熱交換モジュールに交換した。
【0080】
その結果、時点Dでの消費電力の削減量は、時点Aでの消費電力の削減量よりも小さかったが、時点Cでの消費電力の削減量よりも大きかった。
【0081】
時点D’
加熱炉内の温度の設定点を上昇させた。したがって、電気加熱ゾーンの消費電力が増加した。その後、溶融加熱炉は、特定の期間、安定した。
【0082】
時点E
第1の熱交換モジュールは交換せずに、第1の熱交換モジュールを後壁から1インチ(=2.54cm)離間させた。
【0083】
結果として、電気加熱ゾーンの消費電力が連続的に低下することが確認された。消費電力の低下は、伝導による第1の熱交換モジュールへの熱伝達が妨げられたことに起因すると考えられる。
【0084】
時点F
条件は、第1の熱交換モジュールと後壁との間の距離が1/2インチ(=1.27cm)に変更されたことを除いて、時点Eの条件と同じであった。
【0085】
第1の熱交換モジュールと後壁との間の距離の短縮に起因して、第1の熱交換モジュールによる熱放射反射が増加したために、電気加熱ゾーンの消費電力はさらに低下した。
【0086】
時点G
条件は、第1の熱交換モジュールと後壁との間の距離が1/4インチ(=0.635cm)に短縮されたことを除いて、時点Fの条件と同じであった。
【0087】
第1の熱交換モジュールと後壁との間の距離の短縮に起因して、第1の熱交換モジュールによる熱放射反射がさらに増加したために、電気加熱ゾーンの消費電力はさらに削減された。
【0088】
時点H
条件は時点Gと同じであったが、第1の熱交換モジュールを後壁に接触させた。
【0089】
その結果、第1の熱交換モジュールと加熱炉との間の接触による伝導に起因して熱が放出されたため、電気加熱ゾーンの電力消費は増加した。
【0090】
上述のように、実施形態に従う第1の熱交換モジュールを含むガラス製品製造装置により、ガラス製品をより安価に製造することができる。特に、実施形態によるガラス製品製造装置は、電気エネルギーの削減に寄与しうる。
【0091】
図6は、実施形態によるガラス製品製造装置1(
図1参照)における加熱炉12とガラス製品処理装置70との間の処理段階を示すプロセス図である。
【0092】
図6を参照すると、ガラス製品製造装置10は、バッチ材料57を加熱炉12に供給することができるバッチ搬送装置11を含みうる。バッチ材料57は、モータ13によって駆動されるバッチ搬送装置11によって溶融容器12内に導入されうる。コントローラ15は、矢印17で示されるように、所望の量のバッチ材料57が溶融容器12に導入されうるようにモータ13を制御することができる。ガラスレベルプローブ19は、スタンドパイプ23内のガラス溶融物21のレベルを測定し、測定されたレベル情報を、通信ライン25を介して送信するようにコントローラ15と通信することができる。
【0093】
ガラス物品製造装置10は、溶融ガラスの流れに対し溶融容器12の下流に位置し、第1の接続管29を介して溶融容器12と流体連通する、例えば清澄管などの清澄容器27を含みうる。加えて、例えば攪拌チャンバなどの混合容器31を清澄容器27の下流に配置することができ、送達容器33は混合容器31の下流に配置することができる。図面に示されるように、第2の接続管35は清澄容器27を混合容器31に接続することができ、第3の接続管37は混合容器31を送達容器33に接続することができる。出口導管39は、ガラス溶融物21を送達容器33から成形装置43の入口管41に移送するように配置されうる。示されるように、溶融容器12、清澄容器27、混合容器31、送達容器33、及び成形装置43は、ガラス物品製造装置10に沿って直列に配置することができるガラス溶融物ステーションの例である。
【0094】
溶融容器12は、典型的には、耐火性(例えばセラミック)ブリックなどの耐火材料から作られる。ガラス物品製造装置10は、通常、白金、又は白金-ロジウム、白金-イリジウム及びそれらの組合せなどの白金含有金属から作られる構成要素をさらに含むことができるが、また、モリブデン、パラジウム、レニウム、タンタル、チタン、タングステン、ルテニウム、オスミウム、ジルコニウム、並びにそれらの合金、及び/又は二酸化ジルコニウムなどの耐火金属を含んでいてもよい。白金含有構成要素は、第1の接続管29、清澄容器27(例えば、清澄管)、第2の接続管35、スタンドパイプ23、混合容器31(例えば、攪拌チャンバ)、第3の接続管37、送達容器33(例えば、ボウル)、出口導管39、及び入口41の1つ以上を含みうる。成形容器43もまた耐火材料から作られ、ガラスリボンを形成するように設計される。
【0095】
加熱炉12の少なくとも一部、例えば加熱炉12の内壁の少なくとも一部は、溶融ジルコニア(FZ)などの耐火物を含みうる。また、第1の熱交換モジュール110の適用は、耐火物に生じる亀裂を低減することもでき、したがって、ガラス溶融物中に流入し、欠陥として残る(例えばストーニング)耐火物の粒子を低減すると考えられる。
【0096】
図1のガラス製品処理装置70は、成形装置43であってもよく、あるいは成形装置43の下流でガラス製品を追加的に処理するための段階の1つ、例えば、エッジ切断、洗浄、すすぎなどであってもよい。したがって、
図1では加熱炉12とガラス製品処理装置70は別々に設けられているが、それらは1つの連続したプロセスフローの2つの部分であってもよい。
【0097】
図7は、第1の熱交換モジュール110が適用された場合(II)及び第1の熱交換モジュール110が適用されない場合(I、III、IV、V、及びVI)の欠陥率の変化を示すグラフである。
【0098】
図7を参照すると、第1の熱交換モジュール110が適用された場合(II)の欠陥率(約0.86%)は、第1の熱交換モジュール110が適用されない場合(I、III、IV、V、及びVI)の欠陥率よりも有意に低い。
【0099】
本明細書では、欠陥率は、欠陥がジルコニア損失によるものである全製品中の欠陥製品のパーセンテージとして定義される。
【0100】
本開示は、その例示的な実施形態を参照して特に示され、説明されてきたが、以下の特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細のさまざまな変更がなされうることが理解されよう。
【0101】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0102】
実施形態1
ガラス製品製造装置であって、
ガス加熱ゾーンと電気加熱ゾーンとを含む加熱炉;
前記加熱炉から熱を回収するように構成された第1の熱交換モジュール;及び
前記第1の熱交換モジュールを通過する熱伝達媒体流体の流れを駆動するように構成されたポンプ
を含み、
前記第1の熱交換モジュールの少なくとも一部が、前記電気加熱ゾーンの外面の少なくとも一部と熱的に結合している、
ガラス製品製造装置。
【0103】
実施形態2
前記ガラス製品を処理するための処理流体を供給するように構成されたガラス製品処理装置;及び
前記処理流体を加熱するように構成された第2の熱交換モジュール
をさらに含み、
前記第2の熱交換モジュールが、前記熱伝達媒体流体から前記処理流体へと熱を伝達するように構成されている、実施形態1に記載のガラス製品製造装置。
【0104】
実施形態3
前記ガス加熱ゾーンが前記加熱炉内のガラス溶融物の最高レベルより高いレベルにあり、前記電気加熱ゾーンが前記加熱炉内の前記ガラス溶融物の前記最高レベルより低いレベルにある、実施形態1に記載のガラス製品製造装置。
【0105】
実施形態4
前記第1の熱交換モジュールの少なくとも一部が前記電気加熱ゾーンの外面と面接触している、実施形態3に記載のガラス製品製造装置。
【0106】
実施形態5
前記第1の熱交換モジュールが固定部材を介して前記電気加熱ゾーンの前記外面に接着している、実施形態4に記載のガラス製品製造装置。
【0107】
実施形態6
前記第1の熱交換モジュールと前記電気加熱ゾーンの前記外面との間の面接触面積が、前記第1の熱交換モジュールが設けられた外壁の全面積の約15%~約60%の範囲である、実施形態4に記載のガラス製品製造装置。
【0108】
実施形態7
前記第1の熱交換モジュールが前記加熱炉の前記外面から離間されている、実施形態1に記載のガラス製品製造装置。
【0109】
実施形態8
前記加熱炉の前記外面に面する前記第1の熱交換モジュールの表面が前記加熱炉の前記外面と実質的に平行である、実施形態7に記載のガラス製品製造装置。
【0110】
実施形態9
ガラス製品製造装置であって、
ガス加熱ゾーンと電気加熱ゾーンとを含む加熱炉;
前記ガラス製品を処理するための処理流体を供給するように構成されたガラス製品処理装置;及び
熱交換装置
を備えており、
前記熱交換装置が、
前記加熱炉から熱を回収するように構成された第1の熱交換モジュール;
前記処理流体を加熱するように構成された第2の熱交換モジュール;
前記第1の熱交換モジュールと前記第2の熱交換モジュールとの間を循環する熱伝達媒体流体;及び
前記熱伝達媒体流体の流れを駆動するように構成されたポンプ
を備えている、
ガラス製品製造装置。
【0111】
実施形態10
前記第1の熱交換モジュールが横方向に互いに離間した3つのセクションを含む、実施形態9に記載のガラス製品製造装置。
【0112】
実施形態11
前記熱伝達媒体流体が水である、実施形態9に記載のガラス製品製造装置。
【0113】
実施形態12
前記第1の熱交換モジュールが、前記熱伝達媒体流体の温度を約7℃~約15℃上昇させるように構成されている、実施形態9に記載のガラス製品製造装置。
【0114】
実施形態13
前記第2の熱交換モジュールが、前記処理流体の温度を約3℃~約8℃上昇させるように構成されている、実施形態12に記載のガラス製品製造装置。
【0115】
実施形態14
前記第1の熱交換モジュールに供給される前記熱伝達媒体流体を貯蔵するように構成された第1のタンクをさらに含み、前記第1の熱交換モジュールから排出される前記熱伝達媒体流体が前記第1のタンクに再循環するように構成されている、実施形態9に記載のガラス製品製造装置。
【0116】
実施形態15
前記第2の熱交換モジュールから排出される前記熱伝達媒体流体を貯蔵するように構成された第2のタンクをさらに含む、実施形態14に記載のガラス製品製造装置。
【0117】
実施形態16
前記加熱炉が、原料を供給する供給装置が結合した第1の側壁と、ガラス溶融物の出口が取り付けられた第2の側壁とを備えており、前記第1の熱交換モジュールが前記第1の側壁に直接接触している、実施形態9に記載のガラス製品製造装置。
【符号の説明】
【0118】
1,10 ガラス製品製造装置
11 バッチ搬送装置
12 加熱炉/溶融容器
12bw 加熱炉後壁
12sw 加熱炉側壁
12e 電気加熱ゾーン
12ea 電極
12fh 供給口
12g ガス加熱ゾーン
12ga バーナ
13 モータ
15 コントローラ
17 矢印
19 ガラスレベルプローブ
21 ガラス溶融物
23 スタンドパイプ
25 通信ライン
27 清澄容器
29 接続管
31 混合容器
33 送達容器
35 第2の接続管
37 第3の接続管
39 出口導管
41 入口管
43 成形装置
57 バッチ材料
70 ガラス製品処理装置
100 熱交換装置
110 第1の熱交換モジュール
110bd 管体
110br 管バー
110cn 導管
110pl 管プレート
110tb 管
110_in 第1の入口
110_out 第1の出口
112 固定部材
120 第2の熱交換モジュール
121_in 第2の入口
121_out 第2の出口
127_in 第3の入口
127_out 第3の出口
131 第1のタンク
133 ポンプ
141 第2のタンク
143 ポンプ
151 第1の冷却ユニット
153 第2の冷却ユニット