IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アフィニティ インターナショナル ホールディングス, リミテッドの特許一覧

特許7045396コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための技法
<>
  • 特許-コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための技法 図1
  • 特許-コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための技法 図2
  • 特許-コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための技法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための技法
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/523 20060101AFI20220324BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
H04M3/523
H04M3/42 Z
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2019563047
(86)(22)【出願日】2018-07-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 IB2018000907
(87)【国際公開番号】W WO2019155248
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】15/892,886
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517083224
【氏名又は名称】アフィニティ, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チシティー, ジア
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/093798(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/093799(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/523
H04M 3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための方法であって、
前記コンタクトセンターシステムに通信可能に結合されかつ前記コンタクトセンターシステムにおいて動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、コンタクトに対する好ましい保留アクティビティを決定することと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記好ましい保留アクティビティを前記コンタクトに提示することと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記コンタクトセンターシステムの全体的実績を向上させるように前記コンタクトを対応可能なエージェントとペアリングするために、前記好ましい保留アクティビティについての情報を有する挙動ペアリングモデルを分析することと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記分析に少なくとも部分的に基づいて、前記コンタクトを前記対応可能なエージェントに割り当てることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい音楽を再生することである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい情報メッセージを配信することである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記好ましい保留アクティビティを決定することは、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記コンタクトから前記好ましい保留アクティビティについての入力を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記挙動ペアリングモデルは、前記好ましい保留アクティビティについての情報を含まない挙動ペアリングモデルと比較して前記コンタクトセンターシステムのための向上された全体的実績をもたらす最適化された成果を生じさせるように前記コンタクトを前記対応可能なエージェントとペアリングするために、前記好ましい保留アクティビティについての情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための方法であって、
前記コンタクトセンターシステムに通信可能に結合されかつ前記コンタクトセンターシステムにおいて動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、コンタクトに対する好ましい保留アクティビティを決定することと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記好ましい保留アクティビティを前記コンタクトに提示することと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記コンタクトセンターシステムの全体的実績を向上させるように前記コンタクトを対応可能なエージェントとペアリングするために、前記好ましい保留アクティビティについての情報を有する挙動ペアリングモデルを分析することと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記好ましい保留アクティビティに基づいて、前記コンタクトを割り当てることを延期することと、
延期した後、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記分析に少なくとも部分的に基づいて、前記コンタクトを前記対応可能なエージェントに割り当てることと
を含む、方法。
【請求項7】
前記挙動ペアリングモデルは、前記好ましい保留アクティビティについての情報を含まない挙動ペアリングモデルと比較して前記コンタクトセンターシステムのための向上された全体的実績をもたらす最適化された成果を生じさせるように前記コンタクトを前記対応可能なエージェントとペアリングするために、前記好ましい保留アクティビティについての情報を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記好ましい保留アクティビティについての情報に基づいて、前記コンタクトに対するデフォルトサービスレベル準拠規定を拡張することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい音楽を視聴することである、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記延期することは、前記好ましい保留アクティビティの持続時間に基づく、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのためのシステムであって、
前記コンタクトセンターシステムに通信可能に結合されかつ前記コンタクトセンターシステムにおいて動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、
コンタクトに対する好ましい保留アクティビティを決定することと、
前記好ましい保留アクティビティを前記コンタクトに提示することと、
前記コンタクトセンターシステムの全体的実績を向上させるように前記コンタクトを対応可能なエージェントとペアリングするために、前記好ましい保留アクティビティについての情報を有する挙動ペアリングモデルを分析することと、
前記分析に少なくとも部分的に基づいて、前記コンタクトを前記対応可能なエージェントに割り当てることと
を行うようにさらに構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ
を備える、システム。
【請求項12】
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい音楽を再生することである、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい情報メッセージを配信することである、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記好ましい保留アクティビティを決定することは、前記コンタクトから前記好ましい保留アクティビティについての入力を受信することを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記挙動ペアリングモデルは、前記好ましい保留アクティビティについての情報を含まない挙動ペアリングモデルと比較して前記コンタクトセンターシステムのための向上された全体的実績をもたらす最適化された成果を生じさせるように前記コンタクトを前記対応可能なエージェントとペアリングするために、前記好ましい保留アクティビティについての情報を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのためのシステムであって、
前記コンタクトセンターシステムに通信可能に結合されかつ前記コンタクトセンターシステムにおいて動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、
コンタクトに対する好ましい保留アクティビティを決定することと、
前記好ましい保留アクティビティを前記コンタクトに提示することと、
前記コンタクトセンターシステムの全体的実績を向上させるように前記コンタクトを対応可能なエージェントとペアリングするために、前記好ましい保留アクティビティについての情報を有する挙動ペアリングモデルを分析することと、
前記好ましい保留アクティビティに基づいて、前記コンタクトを割り当てることを延期することと、
延期した後、前記分析に少なくとも部分的に基づいて、前記コンタクトを前記対応可能なエージェントに割り当てることと
を行うようにさらに構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ
を備える、システム。
【請求項17】
前記挙動ペアリングモデルは、前記好ましい保留アクティビティについての情報を含まない挙動ペアリングモデルと比較して前記コンタクトセンターシステムのための向上された全体的実績をもたらす最適化された成果を生じさせるように前記コンタクトを前記対応可能なエージェントとペアリングするために、前記好ましい保留アクティビティについての情報を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、
前記好ましい保留アクティビティについての情報に基づいて、前記コンタクトに対するデフォルトサービスレベル準拠規定を拡張するようにさらに構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい音楽を視聴することである、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記延期することは、前記好ましい保留アクティビティの持続時間に基づく、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための非一過性プロセッサ可読媒体であって、前記非一過プロセッサ可読媒体は、その上に記憶された命令を有し、
前記命令は、前記コンタクトセンターシステムに通信可能に結合されかつ前記コンタクトセンターシステムにおいて動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記媒体から読取可能であり、それによって、
コンタクトに対する好ましい保留アクティビティを決定することと、
前記好ましい保留アクティビティを前記コンタクトに提示することと、
前記コンタクトセンターシステムの全体的実績を向上させるように前記コンタクトを対応可能なエージェントとペアリングするために、前記好ましい保留アクティビティについての情報を有する挙動ペアリングモデルを分析することと、
前記分析に少なくとも部分的に基づいて、前記コンタクトを前記対応可能なエージェントに割り当てることと
を行うように、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサを動作させるように構成されている、非一過性プロセッサ可読媒体
【請求項22】
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい音楽を再生することである、請求項21に記載の非一過性プロセッサ可読媒体
【請求項23】
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい情報メッセージを配信することである、請求項21に記載の非一過性プロセッサ可読媒体
【請求項24】
前記好ましい保留アクティビティを決定することは、前記コンタクトから前記好ましい保留アクティビティについての入力を受信することを含む、請求項21に記載の非一過性プロセッサ可読媒体
【請求項25】
前記挙動ペアリングモデルは、前記好ましい保留アクティビティについての情報を含まない挙動ペアリングモデルと比較して前記コンタクトセンターシステムのための向上された全体的実績をもたらす最適化された成果を生じさせるように前記コンタクトを前記対応可能なエージェントとペアリングするために、前記好ましい保留アクティビティについての情報を含む、請求項21に記載の非一過性プロセッサ可読媒体
【請求項26】
コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための非一過性プロセッサ可読媒体であって、前記非一過プロセッサ可読媒体は、その上に記憶された命令を有し、
前記命令は、前記コンタクトセンターシステムに通信可能に結合されかつ前記コンタクトセンターシステムにおいて動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記媒体から読取可能であり、それによって、
コンタクトに対する好ましい保留アクティビティを決定することと、
前記好ましい保留アクティビティを前記コンタクトに提示することと、
前記コンタクトセンターシステムの全体的実績を向上させるように前記コンタクトを対応可能なエージェントとペアリングするために、前記好ましい保留アクティビティについての情報を有する挙動ペアリングモデルを分析することと、
前記好ましい保留アクティビティに基づいて、前記コンタクトを割り当てることを延期することと、
延期した後、前記分析に少なくとも部分的に基づいて、前記コンタクトを前記対応可能なエージェントに割り当てることと
を行うように、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサを動作させるように構成されている、非一過性プロセッサ可読媒体
【請求項27】
前記挙動ペアリングモデルは、前記好ましい保留アクティビティについての情報を含まない挙動ペアリングモデルと比較して前記コンタクトセンターシステムのための向上された全体的実績をもたらす最適化された成果を生じさせるように前記コンタクトを前記対応可能なエージェントとペアリングするために、前記好ましい保留アクティビティについての情報を含む、請求項26に記載の非一過性プロセッサ可読媒体
【請求項28】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、
前記好ましい保留アクティビティについての情報に基づいて、前記コンタクトに対するデフォルトサービスレベル準拠規定を拡張するようにさらに動作させられる、請求項26に記載の非一過性プロセッサ可読媒体
【請求項29】
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい音楽を視聴することである、請求項26に記載の非一過性プロセッサ可読媒体
【請求項30】
前記延期することは、前記好ましい保留アクティビティの持続時間に基づく、請求項26に記載の非一過性プロセッサ可読媒体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年2月9日に出願された米国特許出願15/892,886号に対する優先権を主張するものであり、該米国特許出願は、本明細書中に完全に記載されているかのように、その全体が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本開示は、概して、コンタクトセンターにおけるコンタクトとエージェントのペアリングに関し、より具体的には、コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための技法に関する。
【背景技術】
【0003】
典型的なコンタクトセンターは、コンタクトセンターに着信するコンタクトを、それらのコンタクトに対処するために対応可能なエージェントにアルゴリズム的に割り当てる。ある時は、コンタクトセンターは、対応可能であって、インバウンドまたはアウトバウンドコンタクト(例えば、通話、インターネットチャットセッション、電子メール)への割当を待機するエージェントを有し得る。またある時は、コンタクトセンターは、エージェントが割当のために対応可能になるまで1つ以上の待ち行列にコンタクトを待機させ得る。
【0004】
いくつかの典型的なコンタクトセンターでは、コンタクトは、着信時間に基づいて順序付けられたエージェントに割り当てられ、エージェントは、それらのエージェントが対応可能になったときの時間に基づいて順序付けられたコンタクトを受信する。本方略は、「先入れ先出し」、「FIFO」、または「ラウンドロビン」方略と称され得る。他の典型的なコンタクトセンターでは、「実績ベースルーティング」または「PBR」方略等の他の方略も、使用され得る。
【0005】
他のより高度なコンタクトセンターでは、コンタクトは、「挙動ペアリング」または「BP」方略を使用してエージェントとペアリングされ、その下では、コンタクトおよびエージェントは、後続コンタクトエージェントペアの割当を可能にする方式で意図的に(優先的に)ペアリングされ得、したがって、BP方略下の全ての割当の利益が合計されると、それらは、FIFOおよび実績ベースルーティング(「PBR」)方略等の他の方略のものを上回り得る。BPは、スキル待ち行列内のエージェントの平衡した利用を促すように設計されるが、それにもかかわらず、同時に、FIFOまたはPBR方法が可能にするであろうものを上回って全体的コンタクトセンター実績を向上させる。これは、BPがFIFOまたはPBR方法と同一のコールおよび同一のエージェントに作用し、FIFOが提供するものとほぼ均一にエージェントを利用し、全体的コンタクトセンター実績をさらに向上させるため、優れた成果である。BPは、例えば、米国特許第9,300,802号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。ペアリングまたはマッチングモジュール(時として、「SATMAP」、「ルーティングシステム」、「ルーティングエンジン」等とも称される)に関するこれらおよび他の特徴についての付加的情報が、例えば、米国特許第8,879,715号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0006】
いくつかの典型的コンタクトセンターでは、コンタクトは、コンタクトがエージェントに接続されることを待機している間、保留音楽または情報メッセージを提示され得る。コンタクトのうちの一部は、デフォルト保留アクティビティを享受し得ず、保留アクティビティは、使用可能な情報をBP方略に提供しない。
【0007】
前述に照らして、BP方略等の複数の可能性として考えられるペアリングの中から選定するように設計されるペアリング方略の効率および実績を改良するように、コンタクトセンターが好ましい保留アクティビティをコンタクトに提示し、かつ好ましい保留アクティビティについての情報をペアリング方略において使用することを可能にする、システムの必要性があり得ることが理解され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第9,300,802号明細書
【文献】米国特許第8,879,715号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための技法が、開示される。1つの特定の実施形態では、本技法は、コンタクトセンターシステムに通信可能に結合され、その中で動作するように構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、コンタクトに対する好ましい保留アクティビティを決定するステップと、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、好ましい保留アクティビティをコンタクトに提示するステップと、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、好ましい保留アクティビティに基づいて、コンタクトを対応可能なエージェントに割り当てるステップとを含む、コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための方法として実現されてもよい。
【0010】
本特定の実施形態の他の側面によると、好ましい保留アクティビティは、コンタクトに好ましい音楽を再生することであってもよい。
【0011】
本特定の実施形態の他の側面によると、好ましい保留アクティビティは、コンタクトに好ましい情報メッセージを配信することであってもよい。
【0012】
本特定の実施形態の他の側面によると、好ましい保留アクティビティを決定するステップは、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、コンタクトから好ましい保留アクティビティについての入力を受信するステップを含んでもよい。
【0013】
本特定の実施形態の他の側面によると、コンタクトを対応可能なエージェントに割り当てるステップは、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、挙動ペアリング方略を使用するステップを含んでもよい。
【0014】
別の特定の実施形態では、本技法は、コンタクトセンターシステムに通信可能に結合され、その中で動作するように構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、コンタクトに対する好ましい保留アクティビティを決定するステップと、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、好ましい保留アクティビティをコンタクトに提示するステップと、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、好ましい保留アクティビティに基づいて、コンタクトを割り当てることを延期するステップと、延期した後、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、挙動ペアリング方略を使用して、コンタクトを複数の対応可能なエージェントのうちの対応可能なエージェントに割り当てるステップとを含む、コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための方法として実現されてもよい。
【0015】
本特定の実施形態の他の側面によると、挙動ペアリング方略は、好ましい保留アクティビティについての情報を組み込んでもよい。
【0016】
本特定の実施形態の他の側面によると、本方法はさらに、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、好ましい保留アクティビティについての情報に基づいて、コンタクトに対するデフォルトサービスレベル準拠規定を拡張するステップを含んでもよい。
【0017】
本特定の実施形態の他の側面によると、好ましい保留アクティビティは、コンタクトに好ましい音楽を視聴することであってもよい。
【0018】
本特定の実施形態の他の側面によると、延期するステップは、好ましい保留アクティビティの持続時間に基づいてもよい。
【0019】
別の特定の実施形態では、本技法は、コンタクトセンターシステムに通信可能に結合され、その中で動作するように構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、上記に議論される方法におけるステップを実施するようにさらに構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサを備える、コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのためのシステムとして実現されてもよい。
【0020】
別の特定の実施形態では、本技法は、非一過性プロセッサ可読媒体と、媒体上に記憶される命令とを備え、命令は、コンタクトセンターシステムに通信可能に結合され、その中で動作するように構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、媒体から読取可能であり、それによって、少なくとも1つのコンピュータプロセッサを上記に議論される方法におけるステップを実施するように動作させるように構成される、コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための製造品として実現されてもよい。
【0021】
本開示は、ここで、付随の図面に示されるようなその特定の実施形態を参照してより詳細に説明されるであろう。本開示は、特定の実施形態を参照して以下に説明されるが、本開示は、それに限定されないことを理解されたい。本明細書の教示を利用できる当業者は、付加的実装、修正、および実施形態、および他の使用分野を認識し、これらは、本明細書に説明されるように本開示の範囲内であり、それらに関して、本開示は、有意に有用であり得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための方法であって、
前記コンタクトセンターシステムに通信可能に結合され、その中で動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、コンタクトに対する好ましい保留アクティビティを決定することと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記好ましい保留アクティビティを前記コンタクトに提示することと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記好ましい保留アクティビティに基づいて、前記コンタクトを対応可能なエージェントに割り当てることと
を含む、方法。
(項目2)
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい音楽を再生することである、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい情報メッセージを配信することである、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記好ましい保留アクティビティを決定することは、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記コンタクトから前記好ましい保留アクティビティについての入力を受信することを含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記コンタクトを前記対応可能なエージェントに割り当てることは、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、挙動ペアリング方略を使用することを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための方法であって、
前記コンタクトセンターシステムに通信可能に結合され、その中で動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、コンタクトに対する好ましい保留アクティビティを決定することと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記好ましい保留アクティビティを前記コンタクトに提示することと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記好ましい保留アクティビティに基づいて、前記コンタクトを割り当てることを延期することと、
延期した後、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、挙動ペアリング方略を使用して、前記コンタクトを複数の対応可能なエージェントのうちの対応可能なエージェントに割り当てることと
を含む、方法。
(項目7)
前記挙動ペアリング方略は、前記好ましい保留アクティビティについての情報を組み込む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記好ましい保留アクティビティについての情報に基づいて、前記コンタクトに対するデフォルトサービスレベル準拠規定を拡張することをさらに含む、項目6に記載の方法。
(項目9)
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい音楽を視聴することである、項目6に記載の方法。
(項目10)
前記延期することは、前記好ましい保留アクティビティの持続時間に基づく、項目6に記載の方法。
(項目11)
コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのためのシステムであって、
前記コンタクトセンターシステムに通信可能に結合され、その中で動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、
コンタクトに対する好ましい保留アクティビティを決定することと、
前記好ましい保留アクティビティを前記コンタクトに提示することと、
前記好ましい保留アクティビティに基づいて、前記コンタクトを対応可能なエージェントに割り当てることと
を行うようにさらに構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ
を備える、システム。
(項目12)
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい音楽を再生することである、項目11に記載のシステム。
(項目13)
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい情報メッセージを配信することである、項目11に記載のシステム。
(項目14)
前記好ましい保留アクティビティを決定することは、前記コンタクトから前記好ましい保留アクティビティについての入力を受信することを含む、項目11に記載のシステム。
(項目15)
前記コンタクトを前記対応可能なエージェントに割り当てることは、挙動ペアリング方略を使用することを含む、項目11に記載のシステム。
(項目16)
コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのためのシステムであって、
前記コンタクトセンターシステムに通信可能に結合され、その中で動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、
コンタクトに対する好ましい保留アクティビティを決定することと、
前記好ましい保留アクティビティを前記コンタクトに提示することと、
前記好ましい保留アクティビティに基づいて、前記コンタクトを割り当てることを延期することと、
延期した後、挙動ペアリング方略を使用して、前記コンタクトを複数の対応可能なエージェントのうちの対応可能なエージェントに割り当てることと
を行うようにさらに構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ
を備える、システム。
(項目17)
前記挙動ペアリング方略は、前記好ましい保留アクティビティについての情報を組み込む、項目16に記載のシステム。
(項目18)
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサはさらに、
前記好ましい保留アクティビティについての情報に基づいて、前記コンタクトに対するデフォルトサービスレベル準拠規定を拡張するように構成される、項目16に記載のシステム。
(項目19)
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい音楽を視聴することである、項目16に記載のシステム。
(項目20)
前記延期することは、前記好ましい保留アクティビティの持続時間に基づく、項目16に記載のシステム。
(項目21)
コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための製造品であって、
非一過性プロセッサ可読媒体と、
前記媒体上に記憶される命令と
を備え、
前記命令は、前記コンタクトセンターシステムに通信可能に結合され、その中で動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記媒体から読取可能であり、それによって、
コンタクトに対する好ましい保留アクティビティを決定することと、
前記好ましい保留アクティビティを前記コンタクトに提示することと、
前記好ましい保留アクティビティに基づいて、前記コンタクトを対応可能なエージェントに割り当てることと
を行うように、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサを動作させるように構成される、製造品。
(項目22)
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい音楽を再生することである、項目21に記載の製造品。
(項目23)
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい情報メッセージを配信することである、項目21に記載の製造品。
(項目24)
前記好ましい保留アクティビティを決定することは、前記コンタクトから前記好ましい保留アクティビティについての入力を受信することを含む、項目21に記載の製造品。
(項目25)
前記コンタクトを前記対応可能なエージェントに割り当てることは、挙動ペアリング方略を使用することを含む、項目21に記載の製造品。
(項目26)
コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングのための製造品であって、
非一過性プロセッサ可読媒体と、
前記媒体上に記憶される命令と
を備え、
前記命令は、前記コンタクトセンターシステムに通信可能に結合され、その中で動作するように構成される、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記媒体から読取可能であり、それによって、
コンタクトに対する好ましい保留アクティビティを決定することと、
前記好ましい保留アクティビティを前記コンタクトに提示することと、
前記好ましい保留アクティビティに基づいて、前記コンタクトを割り当てることを延期することと、
延期した後、挙動ペアリング方略を使用して、前記コンタクトを複数の対応可能なエージェントのうちの対応可能なエージェントに割り当てることと
を行うように、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサを動作させるように構成される、製造品。
(項目27)
前記挙動ペアリング方略は、前記好ましい保留アクティビティについての情報を組み込む、項目26に記載の製造品。
(項目28)
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサはさらに、
前記好ましい保留アクティビティについての情報に基づいて、前記コンタクトに対するデフォルトサービスレベル準拠規定を拡張するように動作させられる、項目26に記載の製造品。
(項目29)
前記好ましい保留アクティビティは、前記コンタクトに好ましい音楽を視聴することである、項目26に記載の製造品。
(項目30)
前記延期することは、前記好ましい保留アクティビティの持続時間に基づく、項目26に記載の製造品。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示のより完全な理解を促進するために、ここで、同様の要素が同様の番号を用いて参照される、付随の図面を参照する。これらの図面は、本開示の限定として解釈されるべきではなく、例証にすぎないことが意図される。
【0023】
図1図1は、本開示の実施形態による、コンタクトセンターシステムのブロック図を示す。
図2図2は、本開示の実施形態による、挙動ペアリング方法のフロー図を示す。
図3図3は、本開示の実施形態による、挙動ペアリング方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
典型的なコンタクトセンターは、コンタクトセンターに着信するコンタクトを、それらのコンタクトに対処するために対応可能なエージェントにアルゴリズム的に割り当てる。ある時は、コンタクトセンターは、対応可能であって、インバウンドまたはアウトバウンドコンタクト(例えば、通話、インターネットチャットセッション、電子メール)への割当を待機するエージェントを有し得る。またある時は、コンタクトセンターは、エージェントが割当のために対応可能になるまで1つ以上の待ち行列にコンタクトを待機させ得る。
【0025】
いくつかの典型的なコンタクトセンターでは、コンタクトは、着信時間に基づいて順序付けられたエージェントに割り当てられ、エージェントは、それらのエージェントが対応可能になったときの時間に基づいて順序付けられたコンタクトを受信する。本方略は、「先入れ先出し」、「FIFO」、または「ラウンドロビン」方略と称され得る。他の典型的なコンタクトセンターでは、「実績ベースルーティング」または「PBR」方略等の他の方略も、使用され得る。
【0026】
他のより高度なコンタクトセンターでは、コンタクトは、「挙動ペアリング」または「BP」方略を使用してエージェントとペアリングされ、その下では、コンタクトおよびエージェントは、後続コンタクトエージェントペアの割当を可能にする方式で意図的に(優先的に)ペアリングされ得、したがって、BP方略下の全ての割当の利益が合計されると、それらは、FIFOおよび実績ベースルーティング(「PBR」)方略等の他の方略のものを上回り得る。BPは、スキル待ち行列内のエージェントの平衡した利用を促すように設計されるが、それにもかかわらず、同時に、FIFOまたはPBR方法が可能にするであろうものを上回って全体的コンタクトセンター実績を向上させる。これは、BPがFIFOまたはPBR方法と同一のコールおよび同一のエージェントに作用し、FIFOが提供するものとほぼ均一にエージェントを利用し、全体的コンタクトセンター実績をさらに向上させるため、優れた成果である。BPは、例えば、米国特許第9,300,802号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。ペアリングまたはマッチングモジュール(時として、「SATMAP」、「ルーティングシステム」、「ルーティングエンジン」等とも称される)に関するこれらおよび他の特徴についての付加的情報が、例えば、米国特許第8,879,715号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0027】
いくつかの典型的コンタクトセンターでは、コンタクトは、コンタクトがエージェントに接続されることを待機している間、保留音楽または情報メッセージを提示され得る。コンタクトのうちの一部は、デフォルト保留アクティビティを享受し得ず、保留アクティビティは、使用可能な情報をBP方略に提供しない。
【0028】
前述に照らして、BP方略等の複数の可能性として考えられるペアリングの中から選定するように設計されるペアリング方略の効率および実績を改良するように、コンタクトセンターが好ましい保留アクティビティをコンタクトに提示し、かつ好ましい保留アクティビティについての情報をペアリング方略において使用することを可能にする、システムの必要性があり得ることが理解され得る。
【0029】
図1は、本開示の実施形態による、コンタクトセンターシステム100のブロック図を示す。本明細書の説明は、1つ以上のモジュールを含み得るコンタクトセンターシステムをシミュレートするためのシステムおよび方法のネットワーク要素、コンピュータ、および/またはコンポーネントを説明する。本明細で使用されるように、用語「モジュール」は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、および/またはそれらの種々の組み合わせを指すように理解され得る。しかしながら、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア上に実装されない、またはプロセッサ可読記録可能記憶媒体上に記録されないソフトウェアとして解釈されるべきではない(すなわち、モジュールは、それ自体はソフトウェアではない)。モジュールは、例示的であることに留意されたい。モジュールは、種々の用途をサポートするために、組み合わせられる、統合される、分離される、および/または複製され得る。また、特定のモジュールにおいて実施されるように本明細書に説明される機能が、特定のモジュールにおいて実施される機能の代わりに、またはそれに加えて、1つ以上の他のモジュールにおいて、および/または1つ以上の他のデバイスによって実施され得る。さらに、モジュールは、相互にローカルまたは遠隔の複数のデバイスおよび/または他のコンポーネントを横断して実装され得る。加えて、モジュールは、1つのデバイスから移動され、別のデバイスに追加され得る、および/または両方のデバイス内に含まれ得る。
【0030】
図1に示されるように、コンタクトセンターシステム100は、中央スイッチ110を含んでもよい。中央スイッチ110は、着信するコンタクト(例えば、発信者)を受信する、または遠隔通信ネットワーク(図示せず)を介してコンタクトへのアウトバウンド接続をサポートしてもよい。中央スイッチ110は、他のインターネットベース、クラウドベース、または別様にネットワーク化されたコンタクトエージェントハードウェアまたはソフトウェアベースのコンタクトセンターソリューションを含む、1つ以上のコンタクトセンター間で、または1つ以上のPBX/ACDまたは他の待ち行列または切替コンポーネントにコンタクトをルーティングすることに役立てるためのコンタクトルーティングハードウェアおよびソフトウェアを含んでもよい。
【0031】
コンタクトセンターが1つしか存在しない、またはPBX/ACDルーティングコンポーネントが1つしか存在しない場合等、中央スイッチ110は、コンタクトセンターシステム100において必要ではない場合がある。1つを上回るコンタクトセンターがコンタクトセンターシステム100の一部である場合、各コンタクトセンターは、少なくとも1つのコンタクトセンタースイッチ(例えば、コンタクトセンタースイッチ120Aおよび120B)を含んでもよい。コンタクトセンタースイッチ120Aおよび120Bは、中央スイッチ110に通信可能に結合されてもよい。実施形態では、ルーティングおよびネットワークコンポーネントの種々のトポロジが、コンタクトセンターシステムを実装するように構成されてもよい。
【0032】
コンタクトセンター毎の各コンタクトセンタースイッチは、複数のエージェント(またはその「集団」)に通信可能に結合されてもよい。各コンタクトセンタースイッチは、ある数のエージェント(または「座席」)が一度にログインするようにサポートし得る。任意の所与の時点で、ログインしたエージェントは、対応可能であり、コンタクトに接続されることを待機し得る、またはログインしたエージェントは、別のコンタクトに接続されている、コールについての情報のロギング等のあるコール後機能を実施している、または休憩している等のいくつかの理由のいずれかのために対応不可能であり得る。
【0033】
図1の実施例では、中央スイッチ110は、それぞれ、コンタクトセンタースイッチ120Aおよびコンタクトセンタースイッチ120Bを介して、2つのコンタクトセンターのうちの1つにコンタクトをルーティングする。コンタクトセンタースイッチ120Aおよび120Bはそれぞれ、各2人のエージェントとともに示される。エージェント130Aおよび130Bが、コンタクトセンタースイッチ120Aにログインしてもよく、エージェント130Cおよび130Dが、コンタクトセンタースイッチ120Bにログインしてもよい。
【0034】
コンタクトセンターシステム100はまた、例えば、サードパーティベンダからの統合サービスに通信可能に結合され得る。図1の実施例では、挙動ペアリングモジュール140が、中央スイッチ110、コンタクトセンタースイッチ120A、またはコンタクトセンタースイッチ120B等、コンタクトセンターシステム100のスイッチシステムにおける1つ以上のスイッチに通信可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、コンタクトセンターシステム100のスイッチは、複数の挙動ペアリングモジュールに通信可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、挙動ペアリングモジュール140は、コンタクトセンターシステムのコンポーネント内に埋設され(例えば、スイッチ、すなわち、「BPスイッチ」内に埋設される、または別様にそれと統合され)てもよい。挙動ペアリングモジュール140は、スイッチにログインしたエージェント(例えば、エージェント130Aおよび130B)について、および別のスイッチ(例えば、中央スイッチ110)を介して、またはいくつかの実施形態では、ネットワーク(例えば、インターネットまたは遠隔通信ネットワーク)(図示せず)から着信するコンタクトについての情報を、スイッチ(例えば、コンタクトセンタースイッチ120A)から受信してもよい。
【0035】
コンタクトセンターは、複数のペアリングモジュール(例えば、BPモジュールおよびFIFOモジュール)(図示せず)を含んでもよく、1つ以上のペアリングモジュールが、1つ以上の異なるベンダによって提供されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のペアリングモジュールは、挙動ペアリングモジュール140または中央スイッチ110またはコンタクトセンタースイッチ120Aおよび120B等の1つ以上のスイッチのコンポーネントであってもよい。いくつかの実施形態では、BPモジュールは、どのペアリングモジュールが特定のコンタクトに対するペアリングに対処し得るかを決定してもよい。例えば、BPモジュールは、BPモジュールを介してペアリングをイネーブルにすることとFIFOモジュールを用いてペアリングをイネーブルにすることとの間を交互に行い得る。他の実施形態では、1つのペアリングモジュール(例えば、BPモジュール)が、他のペアリング方略をエミュレートするように構成されてもよい。例えば、BPモジュールまたはBPモジュール内のBPコンポーネントと統合されたBPコンポーネントが、BPモジュールが特定のコンタクトに対してBPペアリングまたはエミュレートされたFIFOペアリングを使用し得るかどうかを決定してもよい。本場合では、「BPオン」は、BPモジュールがBPペアリング方略を適用しているときの時間を指し得、「BPオフ」は、BPモジュールが異なるペアリング方略(例えば、FIFO)を適用しているときの他の時間を指し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、ペアリング方略が別個のモジュールによって対処されるかどうかにかかわらず、またはいくつかのペアリング方略が単一のペアリングモジュール内でエミュレートされる場合、単一のペアリングモジュールは、任意のまたは全てのペアリング方略下で成されるペアリングについての情報を監視かつ記憶するように構成されてもよい。例えば、BPモジュールは、FIFOモジュールによって成されるFIFOペアリングについてのデータを観察かつ記録してもよく、またはBPモジュールは、FIFOエミュレーションモードにおいて動作するBPモジュールによって成されるエミュレートされたFIFOペアリングについてのデータを観察かつ記録してもよい。
【0037】
スイッチ(例えば、中央スイッチ110)は、保留アクティビティをコンタクトに配信することが可能なコンタクト通信機器を含んでもよい。例えば、コールセンターでは、中央スイッチ110は、保留音楽または保留メッセージを読み出し、それをコンタクトに再生してもよい。いくつかの実施形態では、中央スイッチ110は、コンタクトから保留アクティビティに関する入力を受信するように構成されてもよい。例えば、中央スイッチ110は、好ましい保留音楽の選択をコンタクトから受信し、好ましい保留音楽を再生してもよい。いくつかの実施形態では、BPモジュール140または類似モジュールは、入力をコンタクトから受信するために読み出す、または提示されるべき保留アクティビティについての情報をスイッチ(例えば、中央スイッチ110)に提供するように構成されてもよい。
【0038】
図2は、本開示の実施形態による、挙動ペアリング方法200のフロー図を示す。挙動ペアリング方法200は、ブロック210から開始してもよい。
【0039】
ブロック210では、コンタクトに対する好ましい保留アクティビティが、決定されてもよい。いくつかの実施形態では、入力は、コンタクトから受信される。例えば、コールセンターでは、発信者は、いくつかの歌またはいくつかの音楽のジャンルの選択肢を与えられてもよく、コンタクトは、ボタンを押下すること、または双方向音声応答(IVR)システムに発話すること等によって、選択を行ってもよい。いくつかの実施形態では、コンタクトの選択は、BPモジュール140(図1)等のコンタクトセンターシステムに通信可能に結合される、別のモジュールに伝送されてもよい。いくつかの実施形態では、コンタクトセンターシステムは、コンタクトが、無保留アクティビティ(例えば、発信者には、何の音も聞こえないであろう)、ビープ音、または周囲雑音(例えば、海辺または熱帯雨林からの画像または音)を選択することを可能にするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、コンタクトは、コンタクトの好ましい保留アクティビティの選択前、間、または後にコールバックを要求するオプションを提供されてもよい。
【0040】
他の実施形態では、コンタクトの選好は、コンタクトセンターシステムにすでに把握されていてもよい。例えば、コンタクトセンターシステムは、コンタクトとの以前の相互作用からのコンタクトの選好を記憶していてもよい。他の実施形態では、コンタクトセンターシステムは、情報をソーシャルネットワークまたは音楽ストリーミングサービス等のサードパーティから読み出してもよい。例えば、コンタクトは、コンタクトセンターシステムが、音楽ストリーミングサービスに接続し、好ましい歌、アルバム、プレイリスト等を読み出すための許可を以前に与えていてもよい。いくつかの実施形態では、好ましい保留アクティビティを選択するオプションは、コンタクトがBPモデルに知らせるために使用され得る他の付加的データ(好ましい保留アクティビティに関連しないデータを含む)を以前に提供していることに応じて有効にされてもよい。
【0041】
コンタクトに対する好ましい保留アクティビティが決定されると、挙動ペアリング方法200は、ブロック220に進んでもよい。
【0042】
ブロック220では、好ましい保留アクティビティが、コンタクトに提示されてもよい。例えば、コンタクトの選択されたまたは別様に好ましい歌が、保留音楽として再生されてもよい。いくつかの実施形態では、コンタクトセンターシステムは、コンタクトが、ブロック210に戻り、保留アクティビティを変更することを可能にするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の好ましい保留アクティビティが、コンタクトに提示されてもよい。例えば、1つ以上の情報メッセージが、1つ以上の好ましい歌が再生されている前、間、または後に、コンタクトに提示されてもよい。いくつかの実施形態では、好ましい保留アクティビティは、サードパーティサービスプロバイダへの接続を介して提供されてもよい。例えば、好ましい歌が、サードパーティ音楽ストリーミングサービスを介してストリーミングされてもよい。好ましい保留アクティビティをコンタクトに提示されると、挙動ペアリング方法200は、ブロック230に進んでもよい。
【0043】
ブロック230では、コンタクトが、好ましい保留アクティビティに基づいて、対応可能なエージェントに割り当てられてもよい。いくつかの実施形態では、割当は、好ましい保留アクティビティについての情報をそのBPモデル内に組み込み、好ましくは、コンタクトとBP方略によって最適化されている好ましい成果につながるであろうエージェントとをペアリングする、BP方略を使用して行われてもよい。好ましい保留アクティビティについての情報を組み込むことによって、BP方略は、コンタクトの好ましい保留アクティビティについての情報の利点を有していないBP方略よりコンタクトセンターシステムのための改良された全体的実績を達成し得る。いくつかの実施形態では、BP方略は、好ましい保留アクティビティに関連する付加的情報を組み込んでもよい。例えば、BPモジュールは、コンタクトの視聴履歴、プレイリスト情報、好ましいアーティストおよびバンド等のコンタクトについての付加的情報をコンタクトのソーシャルネットワークまたは音楽ストリーミングサービスから読み出してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、対応可能なエージェントへのコンタクトの割当は、コンタクトセンターシステムの1つ以上の他のモジュールに出力されてもよい。保留アクティビティの提示は、終了し得、接続が、音声コール、チャットセッション、または別の通信チャネルを介した通信のために、コンタクトとエージェントとの間に確立され得る。
【0045】
コンタクトを対応可能なエージェントに割り当てた後、挙動ペアリング方法200は、終了してもよい。いくつかの実施形態では、挙動ペアリング方法200の複数のインスタンスは、同時に起動してもよい。例えば、コンタクトセンターシステムは、第1のコンタクトを対応可能なエージェントに割り当てると同時に、コンタクトセンターシステムに直近に到着したいくらかの他のコンタクトに対する好ましい保留アクティビティを決定してもよい。
【0046】
図3は、本開示の実施形態による、挙動ペアリング方法300のフロー図を示す。挙動ペアリング方法300は、ブロック310から開始してもよい。
【0047】
ブロック310では、コンタクトに対する好ましい保留アクティビティが、挙動ペアリング方法200(図2)のブロック210におけるように決定されてもよい。コンタクトに対する好ましい保留アクティビティが決定されると、挙動ペアリング方法300は、ブロック320に進んでもよい。
【0048】
ブロック320では、好ましい保留アクティビティは、挙動ペアリング方法200のブロック220におけるように、コンタクトに提示されてもよい。保留アクティビティの提示の間、挙動ペアリング方法300は、ブロック330に進んでもよい。
【0049】
ブロック330では、コンタクトへの割当は、好ましい保留アクティビティに基づいて、延期されてもよい。いくつかの実施形態では、BP方略等の選択肢ベースのペアリング方略は、より多くのコンタクトが到着する、またはより多くのエージェントが割当のために対応可能になるにつれて、遅延または延期から利点を享受する。選択肢の量の増加は、選択肢ベースの方略の実績を改良し得る。BP方略に関する選択肢を増加させる効果は、例えば、米国特許出願第15/395,469号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に詳細に説明される。
【0050】
いくつかの実施形態では、挙動ペアリング方法300は、保留アクティビティの終了までまたはその後、延期することによって、好ましい保留アクティビティに基づく割当を延期してもよい。例えば、発信者が、お気に入りの歌を視聴している場合、挙動ペアリング方法300は、歌が終わるまで、発信者をエージェントに割り当てることを遅延させてもよい。他の実施形態では、挙動ペアリング方法300は、より多くのエージェントが対応可能となるにつれて好ましい選択肢の量が可能となる、または好ましい保留アクティビティが終わるときのいずれか早い方まで、コンタクトを割り当てることを遅延させてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、コンタクトセンターシステムは、コンタクトが所定の時間量より(例えば、平均待機時間より30秒、1分、10%長く等)待機している場合、コンタクトが先入れ先出し(FIFO)ベースで割り当てられることを要求する、サービスレベル準拠規定(SLA)を講じてもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、SLAは、保留アクティビティの持続時間に対して緩和または拡張されてもよい。例えば、SLAは、3分より長く待機している場合、FIFOペアリング方略を使用して、コンタクトがルーティングされることを要求し得るが、コンタクトが、3分および47秒の持続時間を伴う歌を視聴することを選定する場合、そのコンタクトに関するSLAは、47秒を上回る、それと等しい、またはそれ未満のある時間周期にわたって、拡張されてもよい。いくつかのシナリオでは、コンタクトは、コンタクトSLAが「違反」または別様に超過したと見なされないであろうため、保留アクティビティの全体を享受し、依然として、BP方略を使用して割り当てられ得る。
【0052】
好ましい保留アクティビティに基づいて、コンタクトの割り当てが延期されると、挙動ペアリング方法300は、ブロック340に進んでもよい。
【0053】
ブロック340では、コンタクトが、対応可能なエージェントに割り当てられてもよい。いくつかの実施形態では、コンタクトは、挙動ペアリング方法200のブロック230におけるように、好ましい保留アクティビティに基づいて、対応可能なエージェントに割り当てられてもよい。いくつかの状況では、より多くのエージェントが、遅延の間、対応可能となり、BP方略に利用可能な選択肢の量を増加させ、それによって、コンタクトセンターシステムの実績を改良し得る。SLAが拡張される実施形態では、より多くのコンタクトが、FIFO(または別のデフォルトルーティング方略)の代わりに、BP方略を使用して割り当てられ、それによって、コンタクトセンターシステムの実績を改良し得る。
【0054】
コンタクトを対応可能なエージェントに割り当てた後、挙動ペアリング方法300は、終了してもよい。いくつかの実施形態では、挙動ペアリング方法300の複数のインスタンスは、挙動ペアリング方法200と同様に、同時に起動してもよい。
【0055】
この時点で、上記に説明されるような本開示による、コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングは、入力データの処理および出力データの生成をある程度伴い得ることに留意されたい。本入力データ処理および出力データ生成は、ハードウェアまたはソフトウェアにおいて実装され得る。例えば、具体的電子コンポーネントが、上記に説明されるような本開示による、コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングと関連付けられる機能を実装するために、挙動ペアリングモジュールまたは類似または関連する回路において採用され得る。代替として、命令に従って動作する1つ以上のプロセッサが、上記に説明されるような本開示による、コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングと関連付けられる機能を実装し得る。そのような場合では、そのような命令は、1つ以上の非一過性プロセッサ可読記憶媒体(例えば、磁気ディスクまたは他の記憶媒体)上に記憶される、または1つ以上の搬送波において具現化される1つ以上の信号を介して1つ以上のプロセッサに伝送され得ることも、本開示の範囲内である。
【0056】
本開示は、本明細書に説明される具体的実施形態によって範囲を限定されるべきではない。実際には、本明細書に説明されるものに加えて、本開示の他の種々の実施形態および修正が、前述の説明および付随の図面から当業者に明白となるであろう。したがって、そのような他の実施形態および修正は、本開示の範囲内に該当することが意図される。さらに、本開示は、少なくとも1つの特定の目的のための少なくとも1つの特定の環境における少なくとも1つの特定の実装のコンテキストにおいて本明細書に説明されたが、当業者は、その有用性が、それに限定されず、本開示が、有益なこととして、任意の数の目的のために任意の数の環境において実装され得ることを認識するであろう。故に、以下に記載される請求項は、本明細書に説明されるような本開示の完全な範囲および精神に照らして解釈されるべきである。
図1
図2
図3