(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】カバーレベルの決定方法、基地局および端末
(51)【国際特許分類】
H04W 74/08 20090101AFI20220324BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20220324BHJP
H04W 4/70 20180101ALI20220324BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W76/10
H04W4/70
(21)【出願番号】P 2019565407
(86)(22)【出願日】2018-05-07
(86)【国際出願番号】 CN2018085809
(87)【国際公開番号】W WO2018214720
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2019-11-26
(31)【優先権主張番号】201710389056.4
(32)【優先日】2017-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】趙彦
(72)【発明者】
【氏名】劉娜
(72)【発明者】
【氏名】牛康
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0135012(US,A1)
【文献】国際公開第2016/014203(WO,A1)
【文献】特開2012-231236(JP,A)
【文献】特開2012-039308(JP,A)
【文献】特開2014-127976(JP,A)
【文献】ZTE,Mobility enhancement for NB-IoT UP solution,3GPP TSG-RAN WG2#95bis R2-166073,フランス,3GPP,2016年09月30日,Section 2.2.2
【文献】Sony,Considerations on PRACH resources for NB-IoT, ASN.1,3GPP TSG-RAN WG2#93 R2-161141,フランス,3GPP,2016年02月06日,Section 2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット基地局に適用されるカバーレベルの決定方法であって、
ソース基地局によって送信される、ターゲットセルの第1の測定信号を受信するステップと、
前記第1の測定信号と、予め設定された異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、前記ターゲットセルにおける端末の初期カバーレベルを決定するステップと、
前記端末が、前記ソース基地局から送信された前記ターゲットセルにおける前記端末の前記初期カバーレベルに応じて、前記初期カバーレベルによって指定されるカバーレベルに対応するターゲット基地局内の物理リソースに対してランダムアクセスを開始できるように、前記初期カバーレベルを前記ソース基地局へ送信するステップと、を含
み、
前記初期カバーレベルを前記ソース基地局へ送信した後に、
前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを取得するステップと、
前記実際のカバーレベルと前記初期カバーレベルとが一致するか否かを判断するステップと、
前記実際のカバーレベルと前記初期カバーレベルとが一致しない場合、前記実際のカバーレベルに基づいて物理リソースと繰り返し回数とを再構成し、該再構成された物理リソースと繰り返し回数とを前記端末へ送信するステップと、をさらに含む カバーレベルの決定方法。
【請求項2】
前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを取得する前記ステップは、
前記端末が送信したランダムアクセスプリアンブルを受信し、前記ランダムアクセスプリアンブルと、予め設定された異なるカバーレベルに対応するランダムアクセスプリアンブル範囲とに基づいて、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを決定するステップを含む
請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを取得する前記ステップは、
前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを保持し、前記端末で送信される通知メッセージを受信するステップを含む
請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを取得する前記ステップは、
前記端末によって送信される、前記ターゲットセルの第2の測定信号を保持している測定報告を受信し、前記第2の測定信号と、前記予め設定された異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを決定するステップを含む
請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の測定信号は、オプションのセルに保持される
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ソース基地局が送信するターゲットセルの第1の測定信号を受信する前記ステップは、
X2インタフェースまたはコアネットワーク装置を通じて、前記ソース基地局によって送信される前記ターゲットセルの前記第1の測定信号を受信するステップを含み、
前記初期カバーレベルを前記ソース基地局へ送信する前記ステップは、
受け入れが確認された後、前記X2インタフェースまたは前記コアネットワーク装置を通じて、前記初期カバーレベルを前記ソース基地局へ送信するステップを含む。
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
端末に適用されるカバーレベルの決定方法であって、
ソース基地局によって送信される測定情報を受信し、前記測定情報に基づいてターゲットセルの第1の測定信号を測定するステップと、
ターゲット基地局が、前記第1の測定信号に基づいて前記初期カバーレベルを決定できるように、前記第1の測定信号を前記ソース基地局へ送信するステップと、
前記ソース基地局によって送信される、前記ターゲットセルにおける前記端末の初期カバーレベルを受信し、ターゲット基地局において、前記初期カバーレベルが指定するカバーレベルに対応する物理リソースに対してランダムアクセスを開始するステップと、を含
み、
ターゲット基地局において、前記初期カバーレベルが指定するカバーレベルに対応する物理リソースに対してランダムアクセスを開始する前記ステップの後に、
前記ターゲットセルの第2の測定信号を測定するステップと、
前記第2の測定信号、および受信される異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値に基づいて、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを決定するステップと、
前記実際のカバーレベルと前記初期カバーレベルとが一致するか否かを判断するステップと、
前記実際のカバーレベルが前記初期カバーレベルと一致しない場合、前記実際のカバーレベルを保持する通知メッセージを前記ターゲット基地局へ送信するステップと、をさらに含む
カバーレベルの決定方法。
【請求項8】
前記ソース基地局によって送信される、前記ターゲットセルにおける前記端末の初期カバーレベルを受信し、ターゲット基地局において、前記初期カバーレベルが指定するカバーレベルに対応する物理リソースに対してランダムアクセスを開始する前記ステップは、
前記ソース基地局によって送信される、前記ターゲットセルにおける前記端末の初期カバーレベルを受信し、前記初期カバーレベルに応じてカバーレベルを取得し、該カバーレベルに対応するランダムアクセスプリアンブルを用いて、前記ターゲット基地局において、該カバーレベルに対応する物理リソースに対して競合ベースのランダムアクセスを開始するステップを含む
請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
ソース基地局によって送信されるターゲットセルの第1の測定信号を受信するための受信モジュールと、
前記第1の測定信号と、予め設定された異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、前記ターゲットセルにおける端末の初期カバーレベルを決定するための決定モジュールと、
前記端末が、前記ソース基地局から送信された前記ターゲットセルにおける前記端末の前記初期カバーレベルに応じて、前記初期カバーレベルによって指定されるカバーレベルに対応するターゲット基地局内の物理リソースに対してランダムアクセスを開始できるように、前記初期カバーレベルを前記ソース基地局へ送信するための第1の送信モジュールと、を備え
、
前記第1の送信モジュールが前記初期カバーレベルを前記ソース基地局へ送信した後に、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを取得するための取得モジュールと、
前記実際のカバーレベルと前記初期カバーレベルとが一致するか否かを判断するための判断モジュールと、
前記実際のカバーレベルが前記初期カバーレベルと一致しない場合、前記実際のカバーレベルに基づいて物理リソースと繰り返し回数とを再構成し、該再構成された物理リソースと繰り返し回数とを前記端末へ送信するための第2の送信モジュールと、
をさらに含む
基地局。
【請求項10】
前記取得モジュールは、前記端末によって送信されるランダムアクセスプリアンブルを受信し、前記ランダムアクセスプリアンブルと、予め設定された異なるカバーレベルに対応するランダムアクセスプリアンブル範囲とに基づいて、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを決定するように構成される
請求項
9に記載の基地局。
【請求項11】
前記取得モジュールは、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを保持し、前記端末によって送信される通知メッセージを受信するように構成される
請求項
9に記載の基地局。
【請求項12】
前記取得モジュールは、前記端末によって送信される、前記ターゲットセルの第2の測定信号を保持している測定報告を受信し、前記第2の測定信号と、前記予め設定された異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを決定するように構成される
請求項
9に記載の基地局。
【請求項13】
前記第1の測定信号は、オプションのセルに保持される
請求項
9に記載の基地局。
【請求項14】
前記受信モジュールは、X2インタフェースまたはコアネットワーク装置を通じて、前記ソース基地局によって送信される前記ターゲットセルの前記第1の測定信号を受信するように構成され、
前記第1の送信モジュールは、前記基地局の受け入れが確認された後、前記X2インタフェースまたは前記コアネットワーク装置を通じて、前記初期カバーレベルを前記ソース基地局へ送信するように構成される
請求項
9に記載の基地局。
【請求項15】
ソース基地局によって送信される測定情報を受信し、前記測定情報に基づいてターゲットセルの第1の測定信号を測定するための第1の測定モジュールと、
ターゲット基地局が、前記第1の測定信号に基づいて、前記初期カバーレベルを決定できるように、前記第1の測定信号を前記ソース基地局へ送信するための第1の送信モジュールと、
前記ソース基地局によって送信される、前記ターゲットセルにおける端末の初期カバーレベルを受信し、ターゲット基地局において、前記初期カバーレベルが指定するカバーレベルに対応する物理リソースに対してランダムアクセスを開始するための受信モジュールと、を含
み、
前記受信モジュールが前記ターゲット基地局において、前記初期カバーレベルが指定するカバーレベルに対応する物理リソースに対してランダムアクセスを開始した後に、前記ターゲットセルの第2の測定信号を測定するための第2の測定モジュールと、
前記第2の測定信号、および受信される異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値に基づいて、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを決定するための決定モジュールと、
前記実際のカバーレベルと前記初期カバーレベルとが一致するか否かを判断するための判断モジュールと、
前記実際のカバーレベルが前記初期カバーレベルと一致しない場合、前記実際のカバーレベルを保持する通知メッセージを前記ターゲット基地局へ送信するための第2の送信モジュールと、をさらに含む
端末。
【請求項16】
前記受信モジュールは、前記ソース基地局によって送信される、前記ターゲットセルにおける前記端末の前記初期カバーレベルを受信し、前記初期カバーレベルに応じてカバーレベルを取得し、該カバーレベルに対応するランダムアクセスプリアンブルを用いて、前記ターゲット基地局において、該カバーレベルに対応する物理リソースに対して競合ベースのランダムアクセスを開始するように構成される
請求項
15に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術分野に関し、特に、カバーレベルの決定方法、基地局および端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
eMTC (enhanced Machine-Type Communications,拡張デバイス型通信)技術は、3GPP(3rd Generation Partnership Project,第3世代パートナーシッププロジェクト)リリースRel-13において導入された通信方式であり、デバイス型ユーザ通信に対する拡張通信である。
しかしながら、現段階の3GPP (3rd Generation Partnership Project,第3世代パートナーシッププロジェクト)標準プロトコルにおいて、ターゲット基地局は、端末が競合ベースのランダムアクセスを開始するときのランダムアクセスプリアンブルによって端末のカバーレベルを決定するが、端末のカバーレベルを早期に取得する有効な手段はなく、端末に適切な物理リソースおよび繰り返し回数を事前に構成することができず、端末がターゲット基地局にアクセスする成功率が低くなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施例は、カバーレベルの決定方法、基地局および端末を提供して、端末がターゲット基地局にアクセスする成功率が低いという問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明の実施例では、ターゲット基地局に適用されるカバーレベルの決定方法であって、ソース基地局によって送信される、ターゲットセルの第1の測定信号を受信するステップと、前記第1の測定信号と、予め設定された異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、前記ターゲットセルにおける端末の初期カバーレベルを決定するステップと、前記初期カバーレベルを前記ソース基地局へ送信するステップと、を含むカバーレベルの決定方法を提供する。
【0005】
本発明の実施例では、ソース基地局に適用されるカバーレベルの決定方法であって、端末へ測定情報を送信するステップと、前記端末が報告するターゲットセルの第1の測定信号を受信するステップと、前記第1の測定信号をターゲット基地局へ送信するステップと、前記ターゲット基地局によって送信される、前記ターゲットセルにおける前記端末の初期カバーレベルを受信し、前記初期カバーレベルを前記端末へ送信するステップと、を含むカバーレベルの決定方法をさらに提供する。
【0006】
本発明の実施例では、端末に適用されるカバーレベルの決定方法であって、ソース基地局によって送信される測定情報を受信し、前記測定情報に基づいてターゲットセルの第1の測定信号を測定するステップと、前記第1の測定信号を前記ソース基地局へ送信するステップと、前記ソース基地局によって送信される、前記ターゲットセルにおける前記端末の初期カバーレベルを受信し、ターゲット基地局において、前記初期カバーレベルが指定するカバーレベルに対応する物理リソースに対してランダムアクセスを開始するステップと、を含むカバーレベルの決定方法をさらに提供する。
【0007】
本発明の実施例では、ソース基地局によって送信されるターゲットセルの第1の測定信号を受信するための受信モジュールと、前記第1の測定信号と、予め設定された異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、前記ターゲットセルにおける端末の初期カバーレベルを決定するための決定モジュールと、前記初期カバーレベルを前記ソース基地局へ送信するための第1の送信モジュールと、を備える基地局をさらに提供する。
【0008】
本発明の実施例では、端末へ測定情報を送信するための第1の送信モジュールと、前記端末が報告するターゲットセルの第1の測定信号を受信するための第1の受信モジュールと、前記第1の測定信号をターゲット基地局へ送信するための第2の送信モジュールと、前記ターゲット基地局によって送信される、前記ターゲットセルにおける前記端末の初期カバーレベルを受信し、前記初期カバーレベルを前記端末へ送信するための第2の受信モジュールと、を備える他の基地局をさらに提供する。
【0009】
本発明の実施例では、ソース基地局によって送信される測定情報を受信し、前記測定情報に基づいてターゲットセルの第1の測定信号を測定するための第1の測定モジュールと、前記第1の測定信号を前記ソース基地局へ送信するための第1の送信モジュールと、前記ソース基地局によって送信される、前記ターゲットセルにおける端末の初期カバーレベルを受信し、ターゲット基地局において、前記初期カバーレベルが指定するカバーレベルに対応する物理リソースに対してランダムアクセスを開始するための受信モジュールと、を含む端末をさらに提供する。
【0010】
本発明の実施例では、コンピュータ実行可能な1つ又は複数のプログラムを記憶したコンピュータ記憶媒体をさらに提供し、前記1つ又は複数のプログラムが前記コンピュータで実行される際に、前記コンピュータは前記のいずれかのカバーレベルの決定方法を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施例に適用可能なネットワーク構造の概念図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例により提供されるカバーレベルの決定方法のフロー概念図ある。
【
図3】
図3は、本発明の実施例により提供されるもう1つのカバーレベルの決定方法のフロー概念図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例により提供されるカバーレベルの決定方法におけるX2インタフェース切り替えのフロー概念図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例により提供されるカバーレベルの決定方法におけるS1インタフェース切り替えのフロー概念図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例により提供されるもう1つのカバーレベルの決定方法のフロー概念図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例により提供されるもう1つのカバーレベルの決定方法のフロー概念図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例により提供される基地局の構造概念図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施例により提供されるもう1つの基地局の構造概念図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例により提供されるもう1つの基地局の構造概念図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例により提供されるもう1つの基地局の構造概念図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例により提供される端末の構造概念図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施例により提供されるもう1つの端末の構造概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明が解決しようとする技術課題、技術案および利点をより明らかにするために、以下では図面と具体的な実施例を組み合わせて、本発明をさらに詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施例に適用可能なネットワーク構造の概念図であり、該ネットワーク構造は、端末11、ソース基地局12、ターゲット基地局13およびコアネットワーク装置14を含む。
そのうち、端末11は、ソース基地局12およびターゲット基地局13とそれぞれ通信を確立することができる。ソース基地局12とターゲット基地局13とは、通信を直接確立してもよく、コアネットワーク装置14を介して通信を確立してもよい。ソース基地局12とターゲット基地局13とが通信を直接確立する場合、ソース基地局12とターゲット基地局13は、X2インタフェースを介して通信を確立することができる。なお、本発明の実施例では、ソース基地局12とターゲット基地局13との通信を確立するための具体的なインタフェースの種類は限定されない。ソース基地局12とターゲット基地局13がコアネットワーク装置14を介して通信を確立する場合、ソース基地局12とコアネットワーク装置14、ターゲット基地局13とコアネットワーク装置14はS1インタフェースを介して通信を確立することができる。なお、本発明の実施例では、ソース基地局12とコアネットワーク装置14、ターゲット基地局13とコアネットワーク装置14が通信を確立する具体的なインタフェースの種類は限定されない。
そのうち、端末11は、携帯電話、タブレット( Tablet Personal Computer )、ラップトップコンピュータ( Laptop Computer )、携帯情報端末( personal digital assistant,PDA )、モバイルネットワーク装置( Mobile Internet Device,MID )、又はウェアラブルデバイス( Wearable Device )などの端末側デバイスであってもよいが、これに限定されない。ソース基地局12とターゲット基地局13は、eLTE基地局でもよく、5G基地局でもよいが、これに限定されない。また、ソース基地局12とターゲット基地局13は、異なるRATの基地局であってもよい。ソース基地局12およびターゲット基地局13の具体的な機能については、以下の複数の実施例を通じて詳細に説明する。コアネットワーク装置14は、5Gコアネットワークであってもよいが、これに限定されない。
【0014】
図2に示すように、本発明の実施例が提供するカバーレベルの決定方法は、ターゲット基地局に適用され、以下のステップを含む。
【0015】
ステップS201、ソース基地局によって送信されるターゲットセルの第1の測定信号を受信する。
本発明の実施例において、ソース基地局は、端末へ測定情報を送信し、該測定情報は、端末が測定する必要のあるオブジェクト、セルリスト、報告方式、測定フラグ、イベントパラメータ等を含むが、それらに限定されない。端末は、当該測定情報の指示に応じて測定動作を実行する。例えば、端末は、当該測定情報の指示に応じて、ある周波数ポイントにおけるターゲットセルのブラックリストセルを除く全ての隣接セルのリファレンス信号受信電力(以下、RSRPと略す)やリファレンス信号受信品質(以下、RSRQと略す)等のパラメータを、当該ターゲットセルの第1の測定信号として測定する。当然ながら、他の実施例において、端末は、他の方法を通じてターゲットセルにおける第1の測定信号を取得することもでき、ここでは限定しない。
測定報告条件を満たす場合、端末は、測定報告を第1の測定信号としてソース基地局へ送信する。そのうち、測定報告は、サービングセルの測定信号、隣接セルの測定信号を含んでもよいが、これらに限定されない。そのうち、測定信号は、RSRP、RSRQなどのパラメータの測定結果であってもよい。
ソース基地局は、端末によって報告される測定報告に基づいて切換え決定を実行し、即ち、端末によって報告される測定報告に基づいて、端末が切換えを行う必要があるか否かを判断する。一実施例において、ソース基地局は、第1の測定信号強度が端末のサービングセルの第1の測定信号強度よりもが大きいターゲット隣接セルが存在するか否かを判断し、存在する場合には、切換えを確認し、ターゲット隣接セルの中から第1の測定信号強度が最大のセルを切換えのターゲットセルとして選択し、当該ターゲットセルに対応するターゲット基地局にターゲットセルの第1の測定信号を送信する。当然ながら、他の実施例において、ソース基地局は、端末が切換えを行う必要があるかどうかを他の方式で判断することもでき、ここでは限定しない。
そのうち、ターゲットセルの第1の測定信号は、TargetCellRsrpResult_r13のようなオプションセルに保持され、ソース基地局からターゲット基地局に送信される。このように、ブラインド切換えに基づくシーンでは、当該セルを保持しないことを選択できるため、ブラインド切換えのプロセスに影響を与えない。ターゲットセルの第1の測定信号は、切換え請求メッセージ内の候補セル情報リスト( Candidate Cell Info List )に保持されてもよく、ソース基地局によってターゲット基地局に送信される。さらに、当該リストには他の機能に用いられる規約の要求が既に記入されており、且つターゲットセルと同じ周波数ポイントの第1の測定信号が最も強い他の隣接エリアの場合、他の機能の通常の使用に影響を与えないように、ターゲットセルの第1の測定信号をリストの最後に記入してよい。当然ながら、他の実施例において、ソース基地局は、他の方式によって測定信号を切換え請求メッセージに保持させて、ターゲット基地局へ送信することもでき、ここでは限定しない。
【0016】
ステップS202、前記第1の測定信号と、予め設定された異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、ターゲットセルにおける端末の初期カバーレベルを決定する。
当該ステップでは、ターゲットセルにおける端末の第1の測定信号をターゲット基地局が受信した後、アクセスリソースがあるか否かを調査することにより判断を受け入れる。アクセスリソースがまだ存在している場合、受け入れを確認し、端末との通信の確立を許可し、前記第1の測定信号と、予め設定された異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、ターゲットセルにおける端末の初期カバーレベルを決定し、当該初期カバーレベルによって指定されるカバーレベルで端末に当該カバーレベルに対応する物理リソースおよび繰り返し回数を予約する。
【0017】
一実施例において、ターゲット基地局は、異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値を予め設定し、測定信号をいくつかの区間に分割し、且つ各測定信号の区間に異なるカバーレベルを対応させる。説明の便宜上、測定信号がRSRPである場合を例に説明するが、本発明は測定信号のパラメータを限定しない。ターゲット基地局がRSRPの閾値を-120db、-100db、-80dbと予め設定すれば、RSRPはそれぞれ-120db以下の区間(以下、第1の区間と称する)、120dbより大きく-100db以下の区間(以下、第2の区間と称する)、100dbより大きく-80db以下の区間(以下、第3の区間と称する)、80dbより大きい区間(以下、第4の区間と称する)の4つの区間に分けられ、第1の区間は、カバーレベル0に対応し、第2の区間は、カバーレベル1に対応し、第3の区間は、カバーレベル2に対応し、第4の区間は、カバーレベル3に対応する。端末はターゲット基地局でのRSRPが-95 dbであるということが測定されると、当該RSRPは第3の区間にあり、対応するカバーレベルは2である。当然ながら、他の実施例において、ターゲット基地局は、測定信号に応じて他の方法でカバーレベルを決定することもでき、ここでは限定しない。
【0018】
ステップS203、前記初期カバーレベルを前記ソース基地局へ送信する。
本発明の実施例において、ターゲット基地局は、ターゲットセルにおける端末の初期カバーレベルを決定した後、端末がソース基地局によって初期カバーレベルを受信するように、前記初期カバーレベルをソース基地局に送信し、ターゲット基地局において、前記初期カバーレベルによって指定されるカバーレベルに対応する物理リソースにランダムアクセスを開始する。一実施例において、端末は、前記ソース基地局によって送信される、前記ターゲットセルにおける前記端末の初期カバーレベルを受信し、前記初期カバーレベルに応じてカバーレベルを取得し、該カバーレベルに対応するランダムアクセスプリアンブルを用いて、前記ターゲット基地局において、該カバーレベルに対応する物理リソースに対して競合ベースのランダムアクセスを開始する。例えば、端末が取得する初期カバーレベルを2とした場合、切換えを実行する際に、端末は、ターゲット基地局へカバーレベル2に対応する物理リソースに対してランダムアクセスを開始することができる。アクセスに成功した場合、端末は切換えを完了する。アクセスに失敗すると、端末は、最大アクセス回数に達するまで、電力ランピングの方式で、当該カバーレベルに対応する物理リソースに再度ランダムアクセスを開始する。
【0019】
本実施例では、
図1に示すネットワーク構成が適用可能であるが、
図1に示すネットワーク構成に限定されるものではない。
本実施例のカバーレベルの決定方法を用いて、ソース基地局によって送信されるターゲットセルの第1の測定信号を受信し、前記第1の測定信号と、予め設定された異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、ターゲットセルにおける端末の初期カバーレベルを決定し、前記初期カバーレベルを前記ソース基地局へ送信し、ターゲット基地局は、ターゲットセルにおける端末のカバーレベルを事前に取得し、当該カバーレベルに応じて、当該カバーレベルに対応する物理リソースおよび繰り返し回数を端末に事前に設定する。これによって、端末は、当該カバーレベルに基づいてターゲット基地局における当該カバーレベルに対応する物理リソースへのランダムアクセスを開始する際に、ターゲット基地局へのアクセスの成功率を効果的に向上させることができる。
【0020】
図3に示すように、本発明の実施例が提供するもう1つのカバーレベルの決定方法は、ターゲット基地局に適用され、以下のステップを含む。
【0021】
ステップS301、ソース基地局によって送信されるターゲットセルの第1の測定信号を受信する。
【0022】
ステップS302、前記第1の測定信号と、予め設定された異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、ターゲットセルにおける端末の初期カバーレベルを決定する。
【0023】
ステップS303、前記初期カバーレベルを前記ソース基地局へ送信する。
そのうち、本実施例におけるステップS301、ステップS302およびステップS303は、それぞれ、上記実施例におけるステップS201、ステップS202およびステップS203と一致し、説明の重複を避けるために、具体的には上記実施例における説明を参照されたく、ここでは説明を省略する。
【0024】
ステップS304、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを取得する。
当該ステップにおいて、端末がターゲット基地局に対して競合ベースのランダムアクセスを開始する場合、ターゲット基地局は、端末が競合ベースのランダムアクセスを開始するときに用いるランダムアクセスプリアンブルと、ターゲット基地局によって予め設定された異なるカバーレベルに対応するランダムアクセスプリアンブル範囲とに基づいて、ターゲットセルにおける端末の実際のカバーレベルを自発的に決定することができる。端末がターゲット基地局に対して非競合的なランダムアクセスを開始するか、或いは端末のカバーレベルが無線環境の変化等の原因(例えば、移動端末が移動する)により変化するとき、ターゲット基地局は、端末が送信する実際のカバーレベルを受信することにより、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを取得することができる。一実施例において、端末は、切換えの完了後に、ターゲットセルにおける端末の実際のカバーレベルをさらに取得し、当該実際のカバーレベルがステップ302で決定されたカバーレベルと一致しないと判定された場合に、当該実際のカバーレベルをターゲット基地局へ送信することができる。
【0025】
ステップS305、前記実際のカバーレベルと前記初期カバーレベルとが一致するか否かを判断する。
当該ステップでは、前記実際のカバーレベルと前記初期カバーレベルとが一致するか否かを判定することにより、カバーレベルの補正プロセスをトリガするか否かを決定する。
前記実際のカバーレベルが前記初期カバーレベルと一致する場合、カバーレベルの補正プロセスをトリガせず、前記実際のカバーレベルが前記初期カバーレベルと一致しない場合、ステップS306を実行する。
【0026】
ステップS306、前記実際のカバーレベルと前記初期カバーレベルが一致しない場合、前記実際のカバーレベルに基づいて物理リソースと繰り返し回数を再構成し、該再構成された物理リソースと繰り返し回数を前記端末へ送信する。
当該ステップでは、前記実際のカバーレベルと前記初期カバーレベルとが一致しないため、ターゲット基地局は、端末のカバーレベルを補正し、セル内の切換え手順を開始する必要がある。具体的に、基地局は、ターゲットセルにおける端末の実際のカバーレベルに応じて物理リソースと繰り返し回数を設定し、切換えコマンドメッセージを通じて端末へ当該再構成された物理リソースと繰り返し回数を送信して、端末が当該再構成された物理リソースと繰り返し回数に応じてターゲット基地局に対してランダムアクセスを開始することによりランダムアクセスの成功率を向上させ、カバーレベルを向上させるという目的を実現する。なお、端末のカバーレベルのセル内での切り替えは、ルートキーKASMEを更新する必要がないため、切換えコマンドメッセージ内のキー更新インジケータ(key Change Indicator)は、「false」に設定されてもよい。
【0027】
任意で、ステップS304は、前記端末によって送信されるランダムアクセスプリアンブルを受信し、前記ランダムアクセスプリアンブルと、予め設定された異なるカバーレベルに対応するランダムアクセスプリアンブル範囲とに基づいて、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを決定することを含む。
当該ステップは、端末がターゲット基地局に対して競合ベースのランダムアクセスを開始するシーンに適用され、端末がランダムアクセスに成功した後、即ち、切換えが完了した後、ターゲット基地局は、端末が競合ベースのランダムアクセスを開始するときに用いたランダムアクセスプリアンブルと、予め設定された異なるカバーレベルに対応するランダムアクセスプリアンブル範囲とに基づいて、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを決定する。
【0028】
任意で、ステップS304は、前記端末で送信される通知メッセージを受信し、前記通知メッセージには、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルが保持されることを含む。
当該ステップは、端末がターゲット基地局に対して非競合ベースのランダムアクセスを開始するシーンに適用してもよく、非切換えシーンにも適用してもよい。例えば、端末が無線環境の変化等の原因でそのカバーレベルの変化を発見した場合、具体的な表現は、端末がターゲットセルの信号カバーの中心から縁に移動し、信号値が変化して、カバーレベルに変化が発生するが、切換えゲートはトリガされていないというものであるが、これに限定されない。
端末がターゲット基地局に対して非競合的なランダムアクセスを開始するシーンにおいて、端末がランダムアクセスに成功し、即ち、切換えが完了した後、端末は、ターゲットセルの第2の測定信号を測定し、第2の測定信号と、異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを決定し、そのうち、異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値は、端末によって、ブロードキャストを介して取得することができ、ターゲット基地局から送信される切換えコマンドメッセージから取得することもできる。
端末は、ターゲットセルにおける実際のカバーレベルが初期カバーレベルと一致しないことを発見すると、通知メッセージをターゲット基地局へ送信し、当該通知メッセージに実際のカバーレベルを保持させる。そのうち、当該通知メッセージは、新たに追加された空きRRC (Radio Resource Control,無線リソース制御)シグナリングメッセージであってもよく、既存RRCシグナリングメッセージに追加された端末の現在の実際のカバーレベルのコマンドセルであってもよいが、これに限定されない。
端末が無線環境の変化等が原因のカバーレベルの変化を発見したシーンでは、端末がターゲット基地局へのアクセスまたは再構成に成功した後、ターゲット基地局は、RRCメッセージによって端末にサービングセル測定信号の測定周期を設定するか、または端末が自らサービングセル測定信号を周期的に測定して、端末のカバーレベルが変化するか否かを監視する。
端末は、ターゲットセルにおける測定信号を測定する度に、当該測定信号と、基地局構成又はブロードキャストによって取得した異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、ターゲットセルにおける現在のカバーレベル、すなわち、実際のカバーレベルを決定し、実際のカバーレベルが初期カバーレベルと一致しない場合、通知メッセージをターゲット基地局に送信し、実際のカバーレベルを通知メッセージに保持させる。そのうち、当該通知メッセージは、新たに追加された空きRRCシグナリングメッセージであってもよく、既存RRCシグナリングメッセージに追加された端末の現在の実際のカバーレベルのコマンドセルであってもよいが、これに限定されない。
【0029】
任意で、ステップS304は、前記端末で送信される、前記ターゲットセルの第2の測定信号を保持している測定報告を受信し、前記第2の測定信号と、前記予め設定された異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを決定することを含む。
本ステップは、「前記端末が送信した通知メッセージを受信し、前記通知メッセージに、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを含む」という上記ステップと類似し、具体的には、当該ステップにおける記述を参照されたく、ここでは詳細な説明は省略する。
【0030】
好ましくは、前記第1の測定信号は、オプションのセルに保持される。
そのうち、ターゲットセルの第1の測定信号は、TargetCellRsrpResult_r13オプションセルのようなオプションのセルに保持され、ソース基地局からターゲット基地局へ送信される。これにより、ブラインド切換えに基づくシーンでは、当該セルを保持しないことを選択できるため、ブラインド切換えのプロセスに影響を与えない。当然ながら、他の実施例において、ソース基地局は、他の方式によって、測定信号を切換え請求メッセージに保持させて、ターゲット基地局へ送信することもでき、ここでは限定しない。
任意で、ステップS301は、X2インタフェースまたはコアネットワーク装置を介して、ソース基地局が送信するターゲットセルの第1の測定信号を受信することを含み、S303は、受入れ確認後に、前記X2インタフェースまたは前記コアネットワーク装置を介して、前記ソース基地局に前記初期カバーレベルを送信することを含む。
【0031】
図4を参照すると、端末がX2インタフェースに基づいて切換えを行うとき、ソース基地局は、無線リソース制御接続リセットメッセージ(RRC Connection Reconfiguration)によって端末に測定情報を送信し、測定情報は、端末が測定を必要とするオブジェクト、セルリスト、報告方式、測定フラグ、イベントパラメータなどを含むが、これらに限定されない。
端末は、測定情報に基づいて測定動作を完成した後、RRC接続リセット完了メッセージをソース基地局へ送信する。
測定報告条件が満たされた時、端末は、測定報告をソース基地局へ送信し、測定報告は、サービングセルの測定信号、隣接セルの測定信号を含んでもよいが、これに限定されない。そのうち、測定信号は、RSRP、RSRQなどのパラメータの測定結果であってもよい。
ソース基地局は、端末から報告される測定信号に基づいて切換えの決定を行い、即ち、端末から報告される測定信号に基づいて切換えする必要があるか否かを判断し、切換えを確認し、端末が切換えるターゲット基地局を決定した後、X2インタフェースを介して当該ターゲット基地局へ切換え請求メッセージを送信し、当該切換え請求メッセージに保持されるRRCコンテキストメッセージセルには切換え準備情報が含まれ、目的は、ターゲット基地局に切換えリソースの準備を請求するためであり、且つ当該切換え請求メッセージには、ターゲットセルにおける端末の第1の測定信号が保持される。そのうち、X2インタフェースは、基地局と基地局との間の通信を実現し、基地局と基地局との間のシグナリング情報のやり取りをサポートするために用いられ、当然ながら、他の実施例において、基地局と基地局との間は、他のインタフェースを介して通信が確立されてもよい。
ターゲット基地局は、切換え請求メッセージを受信した後、まだアクセスリソースがあるか否かを調査することにより判断を受け入れ、アクセスリソースがまだ存在している場合、受け入れを確認し、端末との通信の確立を許可する。受け入れ確認後、ターゲット基地局は、ターゲットセルにおける端末の第1の測定信号と、予め設定された異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、ターゲット基地局における端末のカバーレベルを決定する。
ターゲット基地局は、カバーレベルを確認した後、X2インタフェースを介して切換え請求確認メッセージをソース基地局へ送信し、目的は、切換えの端末にリソースを予約するためであり、且つ当該切換え請求確認メッセージは、カバーレベルを保持する。このように、ソース基地局は、X2インタフェースを介して、ターゲット基地局が送信した切換え請求確認メッセージを受信し、カバーレベルを取得することができる。
ソース基地局は、切換えコマンドメッセージ(或いは再構成メッセージ)を端末に送信し、当該切換えコマンドメッセージには、初期カバーレベル等のセルを含み、且つ当該初期カバーレベルのセルは初期カバーレベルを保持するので、端末は、切換えコマンドメッセージを受信した後、ターゲットセルにおける端末のカバーレベルを初期カバーレベルによって精確に取得し、ターゲット基地局に当該カバーレベルに対応する物理リソースにランダムアクセスを開始することができる。
初期カバーレベルのセルは、ターゲット基地局における精確なカバーレベルを保持するため、PRACH構成メッセージでは、異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値を保持するオプションセルRSRP-ThresholdsPrachInfoList_r13を保持する必要がないため、空域信号オーバーヘッドをある程度減らすことができる。
【0032】
図5を参照すると、S1インタフェースに基づく端末の切換えを行う際、ソース基地局が切換えを確認し、端末が切換えるターゲット基地局を決定した後、S1インタフェースを介して切換え要求メッセージをコアネットワークへ送信し、目的は、コアネットワーク装置を経由して、ターゲット基地局に切換えリソースの準備を請求するためであり、且つ当該切換え要求メッセージには、ターゲットセルにおける端末の第1の測定信号が保持される。
コアネットワーク装置は、S1インタフェースを介して、切換え請求メッセージをターゲット基地局へ送信し、目的は、ターゲット基地局に切換えリソースの準備を請求するためであり、且つ当該切換え請求メッセージには、ターゲットセルにおける端末の第1の測定信号が保持される。一実施例において、ターゲットセルにおける端末の第1の測定信号を保持するために、切換え要求メッセージに、TargetCellRsrpResult_r13オプションセルのようなオプションのセルを新たに追加することによって、ブラインド切換えに基づくシーンにおいて、当該セルを保持しないことを選択できるため、ブラインド切換えのプロセスに影響を与えない。当然ながら、他の実施例において、ソース基地局は、他の方式によって切換え要求メッセージに測定信号を保持させて、ターゲット基地局に送信することもでき、ここでは限定しない。そのうち、S1インタフェースは、基地局とコアネットワーク装置との間の通信を実現し、基地局とコアネットワーク装置との間のシグナリング情報のやり取りをサポートするためのものであり、当然ながら、他の実施例では、基地局とコアネットワーク装置は、他のインタフェースを介して通信を確立することもできる。
ターゲット基地局は、切換え請求メッセージを受信した後、まだアクセスリソースがあるか否かを調査することにより判断を受け入れ、アクセスリソースがまだ存在している場合、受け入れを確認し、端末との通信の確立を許可する。受け入れ確認後、ターゲット基地局は、測定信号に基づいてターゲット基地局での端末の初期カバーレベルを決定し、S1インタフェースを介して、切換え請求確認メッセージをコアネットワーク装置に送信し、目的は、切換えする端末にリソースを予約するためであり、且つ当該切換え請求確認メッセージには初期カバーレベルが保持される。コアネットワーク装置は、切換え請求確認メッセージを受信した後、S1インタフェースを介して、初期カバーレベルを保持する切換えコマンドメッセージをソース基地局に送信する。
ソース基地局は端末へ再構成メッセージを送信し、当該再構成メッセージには、ソース基地局が受信した初期カバーレベルを保持するための初期カバーレベルセルが含まれ、これにより、端末が再構成メッセージを受信した後に、初期カバーレベルに基づいて、ターゲットセルにおける端末のカバーレベルを精確に取得し、ターゲット基地局におけるカバーレベルに対応する物理リソースにランダムアクセスを開始することができる。
本実施例では、
図1に示すネットワーク構成に適用可能であるが、
図1に示すネットワーク構成に限定されるものではない。
当該ステップは、上記実施例にも同様に適用できると理解される。
本実施例におけるカバーレベルの決定方法を用いて、ターゲット基地局は、ターゲットセルにおける端末のカバーレベルを事前に取得し、当該カバーレベルに応じて、端末に当該カバーレベルに対応する物理リソースと繰返し回数を事前に配置することができるため、端末は、当該カバーレベルに基づいてターゲット基地局における当該カバーレベルに対応する物理リソースへのランダムアクセスを開始する際に、ターゲット基地局へのアクセスの成功率を効果的に向上させることができる。また、ターゲット基地局は、ターゲットセルにおける端末のカバーレベルに変化が発生したことを検出した場合、端末のカバーレベル補正プロセスをトリガし、ターゲット基地局へのアクセス成功率を向上させ、カバーの強化を実現する。
【0033】
図6に示すように、本発明の実施例が提供するもう1つのカバーレベルの決定方法は、ソース基地局に適用され、以下のステップを含む。
ステップS601、端末へ測定情報を送信する。
ステップS602、前記端末が報告するターゲットセルの第1の測定信号を受信する。
ステップS603、前記第1の測定信号をターゲット基地局へ送信する。
ステップS604、前記ターゲット基地局によって送信される前記ターゲットセルにおける前記端末の初期カバーレベルを受信し、前記初期カバーレベルを前記端末へ送信する。
任意で、前記第1の測定信号は、オプションのセルに保持される。
任意で、S603は、切換えを確認し、切換えるターゲット基地局を決定した後、X2インタフェースまたはコアネットワーク装置を介して前記第1の測定信号を前記ターゲット基地局に送信することを含み、S604は、前記X2インタフェースまたは前記コアネットワーク装置を介して前記ターゲット基地局が送信する前記端末の前記ターゲットセルにおける初期カバーレベルを受信することを含む。
なお、本実施例は、ターゲット基地局の実施例に対応するソース基地局の実施例であり、その具体的な実施形態および有益な効果は、ターゲット基地局の実施例における説明を具体的に参照することができ、重複説明を避けるために、ここでは詳しい説明を省略する。
【0034】
図7に示すように、本発明の実施例が提供するもう1つのカバーレベルの決定方法は、端末に適用され、以下のステップを含む。
ステップS701、ソース基地局によって送信される測定情報を受信し、前記測定情報に基づいてターゲットセルの第1の測定信号を測定する。
ステップS702、前記第1の測定信号を前記ソース基地局へ送信する。
ステップS703、前記ソース基地局によって送信される前記ターゲットセルにおける前記端末の初期カバーレベルを受信し、ターゲット基地局において、前記初期カバーレベルが指定するカバーレベルに対応する物理リソースに対してランダムアクセスを開始する。
任意で、ステップS703は、前記ソース基地局によって送信される、前記ターゲットセルにおける前記端末の初期カバーレベルを受信し、前記初期カバーレベルに応じてカバーレベルを取得し、当該カバーレベルに対応するランダムアクセスプリアンブルを用いて、ターゲット基地局において当該カバーレベルに対応する物理リソースに対して競合ベースのランダムアクセスを開始することを含む。
任意で、ステップS703の後に、当該方法は、前記ターゲットセルの第2の測定信号を測定するステップと、前記第2の測定信号、および受信される異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値に基づいて、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを決定するステップと、前記実際のカバーレベルと前記初期カバーレベルとが一致するか否かを判断するステップと、前記実際のカバーレベルが前記初期カバーレベルと一致しない場合、前記実際のカバーレベルを保持する通知メッセージを前記ターゲット基地局へ送信するステップと、をさらに含む。
【0035】
任意で、ステップS703の後に、当該方法は、前記ターゲットセルの第2の測定信号を測定するステップと、前記第2の測定信号、および受信される異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値に基づいて、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを決定するステップと、前記実際のカバーレベルと前記初期カバーレベルとが一致するか否かを判断するステップと、前記実際のカバーレベルが前記初期カバーレベルと一致しない場合、前記第2の測定信号を保持する測定報告を前記ターゲット基地局へ送信するステップと、をさらに含む。
なお、本実施例は、ターゲット基地局の実施例に対応する端末の実施形態であり、当該具体的な実施形態および有益な効果は、ターゲット基地局の実施例における説明を具体的に参照することができ、重複説明を避けるために、ここでは詳しい説明を省略する。
【0036】
図8は、本発明の実施例が提供する基地局の構造概念図であり、基地局80は、受信モジュール81、決定モジュール82および第1の送信モジュール83を含む。
そのうち、受信モジュール81は、ソース基地局によって送信されるターゲットセルの第1の測定信号を受信するためのものであり、決定モジュール82は、前記第1の測定信号と、予め設定された異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、前記ターゲットセルにおける端末の初期カバーレベルを決定するためのものであり、第1の送信モジュール83は、前記初期カバーレベルを前記ソース基地局へ送信するためのものである。
【0037】
任意で、
図9に示すように、基地局80は、第1の送信モジュール83が前記初期カバーレベルを前記ソース基地局へ送信した後に、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを取得するための取得モジュール84と、前記実際のカバーレベルと前記初期カバーレベルとが一致するか否かを判断する判断モジュール85と、前記実際のカバーレベルが前記初期カバーレベルと一致しない場合、前記実際のカバーレベルに基づいて物理リソースと繰り返し回数を再構成し、当該再構成された物理リソースと繰り返し回数を前記端末へ送信するための第2の送信モジュール86と、をさらに備える。
任意で、取得モジュール84は、前記端末によって送信されるランダムアクセスプリアンブルを受信し、前記ランダムアクセスプリアンブルと、予め設定された異なるカバーレベルに対応するランダムアクセスプリアンブル範囲とに基づいて、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを決定するように構成される。
任意で、取得モジュール84は、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを保持し、前記端末によって送信される通知メッセージを受信するように構成される。
【0038】
任意で、取得モジュール84は、前記端末によって送信される、前記ターゲットセルの第2の測定信号を保持している測定報告を受信し、前記第2の測定信号と、前記予め設定された異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値とに基づいて、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを決定するように構成される。
任意で、前記第1の測定信号は、オプションのセルに保持される。
任意で、受信モジュール81は、X2インタフェースまたはコアネットワーク装置を通じて、ソース基地局によって送信されるターゲットセルの第1の測定信号を受信するように構成され、第1の送信モジュール83は、基地局80の受け入れが確認された後、前記X2インタフェースまたはコアネットワーク装置を通じて、初期カバーレベルをソース基地局へ送信するように構成される。
基地局80は、
図2および
図3の方法の実施例における各プロセスを実施することができ、また同一の有益な効果を果たすことができる。重複を避けるために、ここでは繰り返し説明しない。
【0039】
図10は、本発明の実施例が提供するもう1つの基地局の構造概念図であり、基地局100は、第1の送信モジュール101、第1の受信モジュール102、第2の送信モジュール103および第2の受信モジュール104を含む。
そのうち、第1の送信モジュール101は、端末へ測定情報を送信するように構成され、第1の受信モジュール102は、前記端末が報告するターゲットセルの第1の測定信号を受信するように構成され、第2の送信モジュール103は、前記第1の測定信号をターゲット基地局へ送信するように構成され、第2の受信モジュール104は、前記ターゲット基地局によって送信される、前記ターゲットセルにおける前記端末の初期カバーレベルを受信し、前記初期カバーレベルを前記端末へ送信するように構成される。
任意で、前記第1の測定信号は、オプションのセルに保持される。
任意で、第2の送信モジュール103は、切換えを確認し、切換えるターゲット基地局を決定した後、X2インタフェースまたはコアネットワーク装置を通じて、前記第1の測定信号を前記ターゲット基地局へ送信するように構成され、第2の受信モジュール104は、前記X2インタフェースまたは前記コアネットワーク装置を通じて、前記ターゲット基地局によって送信される前記ターゲットセルにおける前記端末の初期カバーレベルを受信するように構成される。
基地局100は、
図6の方法実施例における各プロセスを実行することができ、また同一の有益な効果を果たすことができる。重複を避けるために、ここでは繰り返し説明しない。
【0040】
図11は、本発明の実施例が提供する端末の構造概念図であり、端末110は、第1の測定モジュール111、第1の送信モジュール112および受信モジュール113を含む。
そのうち、第1の測定モジュール111は、ソース基地局によって送信される測定情報を受信し、前記測定情報に基づいてターゲットセルの第1の測定信号を測定するように構成され、第1の送信モジュール112は、前記第1の測定信号を前記ソース基地局へ送信するように構成され、受信モジュール113は、前記ソース基地局によって送信される、前記ターゲットセルにおける前記端末の初期カバーレベルを受信し、ターゲット基地局において、前記初期カバーレベルが指定するカバーレベルに対応する物理リソースに対してランダムアクセスを開始するように構成される。
任意で、受信モジュール113は、前記ソース基地局によって送信される、前記ターゲットセルにおける前記端末の初期カバーレベルを受信し、前記初期カバーレベルに応じてカバーレベルを取得し、該カバーレベルに対応するランダムアクセスプリアンブルを用いて、前記ターゲット基地局において、当該カバーレベルに対応する物理リソースに対して競合ベースのランダムアクセスを開始するように構成される。
【0041】
任意で、
図12に示すように、端末110は、前記ターゲット基地局において、前記初期カバーレベルが指定するカバーレベルに対応する物理リソースに対してランダムアクセスを開始した後に、前記ターゲットセルの第2の測定信号を測定するための第2の測定モジュール114と、前記第2の測定信号、および受信される異なるカバーレベルに対応する測定信号閾値に基づいて、前記ターゲットセルにおける前記端末の実際のカバーレベルを決定するための決定モジュール115と、前記実際のカバーレベルと前記初期カバーレベルとが一致するか否かを判断するための判断モジュール116と、前記実際のカバーレベルが前記初期カバーレベルと一致しない場合、前記実際のカバーレベルを保持する通知メッセージを前記ターゲット基地局へ送信するための第2の送信モジュール117と、をさらに含む。
【0042】
任意で、
図13に示すように、端末110は、
図12に示す第1の測定モジュール111、第1の送信モジュール112、受信モジュール113、第2の測定モジュール114、決定モジュール115および判断モジュール116を有し、前記実際のカバーレベルが前記初期カバーレベルと一致しない場合、前記実際のカバーレベルを保持する測定報告を前記ターゲット基地局へ送信するための第3の送信モジュール118をさらに有する。
端末110は、
図7の方法実施例における各プロセスを実行することができ、また同一の有益な効果を果たすことができる。重複を避けるために、ここでは繰り返し説明しない。
上述の実施例の方法を実現するステップの全てまたは一部は、プログラムコマンドに関連するハードウェアによって完成でき、前記プログラムはコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶できると当業者は理解できる。前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、上記実施例における基地局および端末にそれぞれ設けることができ、前記プログラムは実行時に、上記実施例で説明したようなカバーレベルの決定方法をそれぞれ実行する。
前記の記憶媒体は、例えば、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスク、または光ディスク等である。
【0043】
以上、本発明の実施例について説明したが、本分野の一般的な技術者は、本発明の原理から逸脱しない状況において、様々な改善と修正を行うことができ、これらの改善と修正も本発明の請求範囲と見なされる。