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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/52 20140101AFI20220324BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20220324BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20220324BHJP
   A63F 13/47 20140101ALI20220324BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20220324BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20220324BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/55
A63F13/533
A63F13/47
G06T19/00 A
G06F3/0481
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020035866
(22)【出願日】2020-03-03
(65)【公開番号】P2020185373
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】P 2019088472
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】米津 真
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-023564(JP,A)
【文献】特開2012-003755(JP,A)
【文献】特開2007-229204(JP,A)
【文献】特開2005-185692(JP,A)
【文献】特開2002-197343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
G06T 19/00
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、
第1ゲーム空間にプレイヤオブジェクトを第1表示態様で表示する第1オブジェクト表示部と、
前記第1表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、ユーザの操作に基づいて、前記第1ゲーム空間において三次元移動させる三次元制御を行う第1オブジェクト制御部と、
複数の第2ゲーム空間の各々に対応する選択肢の中から、一の前記第2ゲーム空間を選択ゲーム空間として、前記ユーザに選択させるための画像を生成する選択肢生成部と、
前記複数の第2ゲーム空間の各々に対して設定されたゲーム空間タイプを、選択された前記選択ゲーム空間に基づいて、判定するタイプ判定部と、
前記ゲーム空間タイプの判定後、前記第1ゲーム空間において、前記プレイヤオブジェクトを前記第1表示態様から、判定された前記ゲーム空間タイプに対応する第2表示態様に変化させる態様変化部と、
選択された前記選択ゲーム空間のデータを、前記情報処理装置のメモリにロードするロード部と、
前記選択ゲーム空間のデータのロードの完了後に、前記選択ゲーム空間に前記プレイヤオブジェクトを第3表示態様で表示する第2オブジェクト表示部と、
前記第3表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、前記ユーザの操作に基づいて、前記選択ゲーム空間において二次元移動させる二次元制御を行う第2オブジェクト制御部と、
して前記コンピュータを機能させ、
前記第1表示態様、前記第2表示態様、及び前記第3表示態様は、前記プレイヤオブジェクトに係る同一のキャラクタを示しており、
前記第2表示態様は、前記第3表示態様を想起させるような表示態様であって、二次元表示、奥行きの小さい三次元表示、ドットを組み合わせた二次元表示、立方体を組み合わせた表示、または前記第1表示態様よりも画素数が少なく見えるような表示により構成されている、情報処理プログラム。
【請求項2】
情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、
第1ゲーム空間にプレイヤオブジェクトを第1表示態様で表示する第1オブジェクト表示部と、
前記第1表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、ユーザの操作に基づいて、前記第1ゲーム空間において三次元移動させる三次元制御を行う第1オブジェクト制御部と、
複数の第2ゲーム空間の各々に対応する選択肢の中から、一の前記第2ゲーム空間を選択ゲーム空間として、前記ユーザに選択させるための画像を生成する選択肢生成部と、
前記複数の第2ゲーム空間の各々に対して設定されたゲーム空間タイプを、選択された前記選択ゲーム空間に基づいて、判定するタイプ判定部と、
前記ゲーム空間タイプの判定後、前記第1ゲーム空間において、前記プレイヤオブジェクトを前記第1表示態様から、判定された前記ゲーム空間タイプに対応する第2表示態様に変化させる態様変化部と、
選択された前記選択ゲーム空間のデータを、前記情報処理装置のメモリにロードするロード部と、
前記選択ゲーム空間のデータのロードの完了後に、前記選択ゲーム空間に前記プレイヤオブジェクトを第3表示態様で表示する第2オブジェクト表示部と、
前記第3表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、前記ユーザの操作に基づいて、前記選択ゲーム空間において二次元移動させる二次元制御を行う第2オブジェクト制御部と、
して前記コンピュータを機能させ、
前記態様変化部は、前記第2表示態様として、前記第3表示態様を用いる、情報処理プログラム。
【請求項3】
前記第2オブジェクト制御部は、前記第1オブジェクト制御部とは、異なる操作方法により、前記プレイヤオブジェクトの操作を行わせる、請求項1または2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記第2オブジェクト制御部は、前記第1オブジェクト制御部とは、異なる操作入力手段により、前記プレイヤオブジェクトの操作を行わせる、請求項に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記第2オブジェクト制御部は、前記選択ゲーム空間の前記ゲーム空間タイプ毎に設定された操作方法により、前記プレイヤオブジェクトの操作を行わせる、請求項1からのいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記第2オブジェクト制御部は、前記選択ゲーム空間の前記ゲーム空間タイプ毎に設定された操作入力手段により、前記プレイヤオブジェクトの操作を行わせる、請求項に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記第1オブジェクト表示部は、前記第1表示態様として三次元の表示態様を用いる、請求項1からのいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記第2オブジェクト表示部は、二次元空間として表現された前記選択ゲーム空間に、前記プレイヤオブジェクトを前記第3表示態様で表示する、請求項1からのいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記プレイヤオブジェクトが前記第2表示態様に変化した後に、当該プレイヤオブジェクトを他の部分よりも視覚的に強調した画像を生成する強調画像生成手段として、前記コンピュータをさらに機能させる、請求項1からのいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記第2ゲーム空間で前記二次元制御を行っている場合に、前記第1ゲーム空間をロードする条件が満たされた場合、
前記ロード部は、前記第1ゲーム空間のデータのロードを行い、
前記態様変化部は、前記第1ゲーム空間で前記三次元制御を開始するよりも前に、前記第2ゲーム空間において、前記プレイヤオブジェクトを前記第3表示態様から、前記第1表示態様に変化させる、請求項1からのいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
表示部と、
メモリと、
前記表示部に表示された第1ゲーム空間に、プレイヤオブジェクトを第1表示態様で表示する第1オブジェクト表示部と、
前記第1表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、ユーザの操作に基づいて、前記第1ゲーム空間において三次元移動させる三次元制御を行う第1オブジェクト制御部と、
複数の第2ゲーム空間の各々に対応する選択肢の中から、一の前記第2ゲーム空間を選択ゲーム空間として、前記ユーザに選択させるための画像を生成する選択肢生成部と、
前記複数の第2ゲーム空間の各々に対して設定されたゲーム空間タイプを、選択された前記選択ゲーム空間に基づいて、判定するタイプ判定部と、
前記ゲーム空間タイプの判定後、前記第1ゲーム空間において、前記プレイヤオブジェクトを前記第1表示態様から、判定された前記ゲーム空間タイプに対応する第2表示態様に変化させる態様変化部と、
選択された前記選択ゲーム空間のデータを、前記メモリにロードするロード部と、
前記選択ゲーム空間のデータのロードの完了後に、前記表示部に表示された前記選択ゲーム空間に、前記プレイヤオブジェクトを第3表示態様で表示する第2オブジェクト表示部と、
前記第3表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、前記ユーザの操作に基づいて、前記選択ゲーム空間において二次元移動させる二次元制御を行う第2オブジェクト制御部と、
を備え、
前記第1表示態様、前記第2表示態様、及び前記第3表示態様は、前記プレイヤオブジェクトに係る同一のキャラクタを示しており、
前記第2表示態様は、前記第3表示態様を想起させるような表示態様であって、二次元表示、奥行きの小さい三次元表示、ドットを組み合わせた二次元表示、立方体を組み合わせた表示、または前記第1表示態様よりも画素数が少なく見えるような表示により構成されている、情報処理装置。
【請求項12】
表示部を有する表示装置に接続される情報処理装置であって、
メモリと、
前記表示部に表示された第1ゲーム空間に、プレイヤオブジェクトを第1表示態様で表示する第1オブジェクト表示部と、
前記第1表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、ユーザの操作に基づいて、前記第1ゲーム空間において三次元移動させる三次元制御を行う第1オブジェクト制御部と、
複数の第2ゲーム空間の各々に対応する選択肢の中から、一の前記第2ゲーム空間を選択ゲーム空間として、前記ユーザに選択させるための画像を生成する選択肢生成部と、
前記複数の第2ゲーム空間の各々に対して設定されたゲーム空間タイプを、選択された
前記選択ゲーム空間に基づいて、判定するタイプ判定部と、
前記ゲーム空間タイプの判定後、前記第1ゲーム空間において、前記プレイヤオブジェクトを前記第1表示態様から、判定された前記ゲーム空間タイプに対応する第2表示態様に変化させる態様変化部と、
選択された前記選択ゲーム空間のデータを、前記メモリにロードするロード部と、
前記選択ゲーム空間のデータのロードの完了後に、前記表示部に表示された前記選択ゲーム空間に、前記プレイヤオブジェクトを第3表示態様で表示する第2オブジェクト表示部と、
前記第3表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、前記ユーザの操作に基づいて、前記選択ゲーム空間において二次元移動させる二次元制御を行う第2オブジェクト制御部と、
を備え、
前記第1表示態様、前記第2表示態様、及び前記第3表示態様は、前記プレイヤオブジェクトに係る同一のキャラクタを示しており、
前記第2表示態様は、前記第3表示態様を想起させるような表示態様であって、二次元表示、奥行きの小さい三次元表示、ドットを組み合わせた二次元表示、立方体を組み合わせた表示、または前記第1表示態様よりも画素数が少なく見えるような表示により構成されている、情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置のコンピュータにおいて実行する情報処理方法であって、
第1ゲーム空間にプレイヤオブジェクトを第1表示態様で表示するステップと、
前記第1表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、ユーザの操作に基づいて、前記第1ゲーム空間において三次元移動させる三次元制御を行うステップと、
複数の第2ゲーム空間の各々に対応する選択肢の中から、一の前記第2ゲーム空間を選択ゲーム空間として、前記ユーザに選択させるための画像を生成するステップと、
前記複数の第2ゲーム空間の各々に対して設定されたゲーム空間タイプを、選択された前記選択ゲーム空間に基づいて、判定するステップと、
前記ゲーム空間タイプの判定後、前記第1ゲーム空間において、前記プレイヤオブジェクトを前記第1表示態様から、判定された前記ゲーム空間タイプに対応する第2表示態様に変化させるステップと、
選択された前記選択ゲーム空間のデータを、前記情報処理装置のメモリにロードするステップと、
前記選択ゲーム空間のデータのロードの完了後に、前記選択ゲーム空間に前記プレイヤオブジェクトを第3表示態様で表示するステップと、
前記第3表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、前記ユーザの操作に基づいて、前記選択ゲーム空間において二次元移動させる二次元制御を行うステップと、
を備え、
前記第1表示態様、前記第2表示態様、及び前記第3表示態様は、前記プレイヤオブジェクトに係る同一のキャラクタを示しており、
前記第2表示態様は、前記第3表示態様を想起させるような表示態様であって、二次元表示、奥行きの小さい三次元表示、ドットを組み合わせた二次元表示、立方体を組み合わせた表示、または前記第1表示態様よりも画素数が少なく見えるような表示により構成されている、情報処理方法。
【請求項14】
表示部と、
メモリと、
前記表示部に表示された第1ゲーム空間に、プレイヤオブジェクトを第1表示態様で表示する第1オブジェクト表示部と、
前記第1表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、ユーザの操作に基づいて、前記第1ゲーム空間において三次元移動させる三次元制御を行う第1オブジェクト制御部と、
複数の第2ゲーム空間の各々に対応する選択肢の中から、一の前記第2ゲーム空間を選択ゲーム空間として、前記ユーザに選択させるための画像を生成する選択肢生成部と、
前記複数の第2ゲーム空間の各々に対して設定されたゲーム空間タイプを、選択された前記選択ゲーム空間に基づいて、判定するタイプ判定部と、
前記ゲーム空間タイプの判定後、前記第1ゲーム空間において、前記プレイヤオブジェクトを前記第1表示態様から、判定された前記ゲーム空間タイプに対応する第2表示態様に変化させる態様変化部と、
選択された前記選択ゲーム空間のデータを、前記メモリにロードするロード部と、
前記選択ゲーム空間のデータのロードの完了後に、前記表示部に表示された前記選択ゲーム空間に、前記プレイヤオブジェクトを第3表示態様で表示する第2オブジェクト表示部と、
前記第3表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、前記ユーザの操作に基づいて、前記選択ゲーム空間において二次元移動させる二次元制御を行う第2オブジェクト制御部と、
を備え、
前記態様変化部は、前記第2表示態様として、前記第3表示態様を用いる、情報処理装置。
【請求項15】
表示部を有する表示装置に接続される情報処理装置であって、
メモリと、
前記表示部に表示された第1ゲーム空間に、プレイヤオブジェクトを第1表示態様で表示する第1オブジェクト表示部と、
前記第1表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、ユーザの操作に基づいて、前記第1ゲーム空間において三次元移動させる三次元制御を行う第1オブジェクト制御部と、
複数の第2ゲーム空間の各々に対応する選択肢の中から、一の前記第2ゲーム空間を選択ゲーム空間として、前記ユーザに選択させるための画像を生成する選択肢生成部と、
前記複数の第2ゲーム空間の各々に対して設定されたゲーム空間タイプを、選択された
前記選択ゲーム空間に基づいて、判定するタイプ判定部と、
前記ゲーム空間タイプの判定後、前記第1ゲーム空間において、前記プレイヤオブジェクトを前記第1表示態様から、判定された前記ゲーム空間タイプに対応する第2表示態様に変化させる態様変化部と、
選択された前記選択ゲーム空間のデータを、前記メモリにロードするロード部と、
前記選択ゲーム空間のデータのロードの完了後に、前記表示部に表示された前記選択ゲーム空間に、前記プレイヤオブジェクトを第3表示態様で表示する第2オブジェクト表示部と、
前記第3表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、前記ユーザの操作に基づいて、前記選択ゲーム空間において二次元移動させる二次元制御を行う第2オブジェクト制御部と、
を備え、
前記態様変化部は、前記第2表示態様として、前記第3表示態様を用いる、情報処理装置。
【請求項16】
情報処理装置のコンピュータにおいて実行する情報処理方法であって、
第1ゲーム空間にプレイヤオブジェクトを第1表示態様で表示するステップと、
前記第1表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、ユーザの操作に基づいて、前記第1ゲーム空間において三次元移動させる三次元制御を行うステップと、
複数の第2ゲーム空間の各々に対応する選択肢の中から、一の前記第2ゲーム空間を選択ゲーム空間として、前記ユーザに選択させるための画像を生成するステップと、
前記複数の第2ゲーム空間の各々に対して設定されたゲーム空間タイプを、選択された前記選択ゲーム空間に基づいて、判定するステップと、
前記ゲーム空間タイプの判定後、前記第1ゲーム空間において、前記プレイヤオブジェクトを前記第1表示態様から、判定された前記ゲーム空間タイプに対応する第2表示態様に変化させるステップと、
選択された前記選択ゲーム空間のデータを、前記情報処理装置のメモリにロードするステップと、
前記選択ゲーム空間のデータのロードの完了後に、前記選択ゲーム空間に前記プレイヤオブジェクトを第3表示態様で表示するステップと、
前記第3表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、前記ユーザの操作に基づいて、前記選択ゲーム空間において二次元移動させる二次元制御を行うステップと、
を備え、
前記第2表示態様として、前記第3表示態様を用いる、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1に示すゲームでは、予め設定された複数のゲームのコース(ゲーム空間)の中から、ユーザがコースを選択すると、選択されたコースをプレイする際に、そのコースのタイプに応じて、プレイヤのキャラクタの姿が変化するように構成されており、遊戯性を高めている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】任天堂株式会社、[online]、[平成31年4月10日検索]、インターネット、<https://www.nintendo.co.jp/wiiu/amaj/guide/page_06.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このゲームにおいては、コースを選択後、そのコースに係るデータがメモリにロードされる間、ユーザは待機するしかなかった。本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、コースを切り替える際に、ユーザが体感するロード時間を低減することができる、情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る情報処理プログラムは、情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、第1ゲーム空間にプレイヤオブジェクトを第1表示態様で表示する第1オブジェクト表示部と、前記第1表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、ユーザの操作に基づいて、前記第1ゲーム空間において三次元移動させる三次元制御を行う第1オブジェクト制御部と、複数の第2ゲーム空間の各々に対応する選択肢の中から、一の前記第2ゲーム空間を選択ゲーム空間として、前記ユーザに選択させるための画像を生成する選択肢生成部と、前記複数の第2ゲーム空間の各々に対して設定されたゲーム空間タイプを、選択された前記選択ゲーム空間に基づいて、判定するタイプ判定部と、前記ゲーム空間タイプの判定後、前記第1ゲーム空間において、前記プレイヤオブジェクトを前記第1表示態様から、判定された前記ゲーム空間タイプに対応する第2表示態様に変化させる態様変化部と、選択された前記選択ゲーム空間のデータを、前記情報処理装置のメモリにロードするロード部と、前記選択ゲーム空間のデータのロードの完了後に、前記選択ゲーム空間に前記プレイヤオブジェクトを前記第2表示態様に関連する第3表示態様で表示する第2オブジェクト表示部と、前記第3表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、前記ユーザの操作に基づいて、前記選択ゲーム空間において二次元移動させる二次元制御を行う第2オブジェクト制御部と、して前記コンピュータを機能させる。
【0006】
この構成によれば、プレイヤオブジェクトに対して三次元制御を行う第1ゲーム空間から、プレイヤオブジェクトに対して二次元制御を行う第2ゲーム空間に遷移する際に、選択された第2ゲーム空間のゲーム空間タイプに応じて、プレイヤオブジェクトを第1ゲーム空間内で、一旦第2表示態様に変化させた後、第2ゲーム空間においてオブジェクトを第3表示態様で表示している。ここで、第2表示態様は、第3表示態様に関連するものであるため、第1ゲーム空間から第2ゲーム空間に遷移する際に、オブジェクトが突然、二次元制御のための第3表示態様に変化するユーザの違和感を低減することができる。
【0007】
また、プレイヤオブジェクトが第1表示態様から第2表示態様に変化し、その後、選択ゲーム空間を表示して二次元制御が開始されるまでの時間を利用して選択ゲーム空間のデータのロードを行うことができる。すなわち、第1ゲーム空間から第2ゲーム空間に遷移するまでの間に、プレイヤオブジェクトの表示態様の変化をユーザに見せる時間が設けられるため、データのロードをユーザが体感する時間を低減することができる。
【0008】
上記情報処理プログラムにおいて、前記第2オブジェクト制御部は、前記第1オブジェクト制御部とは、異なる操作方法により、前記プレイヤオブジェクトの操作を行わせることができる。
【0009】
この構成のように、第1ゲーム空間と第2ゲーム空間とでプレイヤオブジェクトの操作方法が異なる場合、ユーザは、違和感を感じる可能性があるが、上記のように、第2表示態様を示すことで、ユーザは第2ゲーム空間に遷移したときに、操作方法が変わることに対する準備を行うことができる。その結果、操作方法の誤りを低減することができる。
【0010】
上記情報処理プログラムにおいて、前記第2オブジェクト制御部は、前議第1オブジェクト制御部とは、異なる操作入力手段により、前記プレイヤオブジェクトの操作を行わせることができる。
【0011】
操作入力手段とは、例えば、プレイヤオブジェクトを操作するためのアナログスティック、十字キー、ボタンなどであり、例えば、第1オブジェクト制御部がアナログスティックによる操作を行わせるのに対し、第2オブジェクト制御部が十字キーによる操作を行わせるように、操作入力手段が異なるように構成することができる。この場合であっても、ユーザは第2ゲーム空間に遷移したときに、操作入力手段が変わることに対する準備を行うことができる。
【0012】
上記情報処理プログラムにおいて、前記第2オブジェクト制御部は、前記選択ゲーム空間の前記ゲーム空間タイプ毎に設定された操作方法により、前記プレイヤオブジェクトの操作を行わせることができる。この場合であっても、ユーザは第2ゲーム空間に遷移したときに、操作方法が変わることに対する準備を行うことができる。
【0013】
上記情報処理プログラムにおいて、前記第2オブジェクト制御部は、前記選択ゲーム空間の前記ゲーム空間タイプ毎に設定された操作入力手段により、前記プレイヤオブジェクトの操作を行わせることができる。この場合であっても、ユーザは第2ゲーム空間に遷移したときに、操作入力手段が変わることに対する準備を行うことができる。
【0014】
上記情報処理プログラムにおいて、前記態様変化部は、前記第2表示態様として、種々の表示態様を設定することができるが、例えば、前記第3表示態様を三次元的に表現した表示態様を用いることができる。
【0015】
あるいは、前記態様変化部は、前記第2表示態様として、例えば、前記第3表示態様を用いることができる。これにより、第2ゲーム空間で表示する第3表示態様を、第1ゲーム空間において既に表示することになるため、第2表示空間に遷移する際に、第3表示態様のプレイヤオブジェクトを改めてロードすることが不要になる。したがって、第3表示態様のプレイヤオブジェクトに係るデータをロードする時間をなくすことができる。
【0016】
上記情報処理プログラムにおいて、前記第1オブジェクト表示部は、前記第1表示態様として三次元の表示態様を用いることができる。これにより、第1ゲーム空間における三次元制御に、第1表示態様が適合するため、ユーザが操作しやすくなる。
【0017】
上記情報処理プログラムにおいて、前記第2オブジェクト表示部は、二次元空間を表現する前記選択ゲーム空間に、前記プレイヤオブジェクトを前記第3表示態様で表示することができる。これにより、第2ゲーム空間における二次元制御に、第2ゲーム空間が適合するため、ユーザが操作しやすくなる。
【0018】
上記情報処理プログラムにおいて、前記プレイヤオブジェクトが前記第2表示態様に変化した後に、当該プレイヤオブジェクトを他の部分よりも視覚的に強調した画像を生成する強調画像生成手段として、前記コンピュータをさらに機能させることができる。
【0019】
この構成により、ゲーム空間が遷移することをユーザに、より分かりやすく示すことができる。
【0020】
上記情報処理プログラムにおいては、前記第2ゲーム空間で前記二次元制御を行っている場合に、前記第1ゲーム空間をロードする条件が満たされた場合に、前記ロード部は、前記第1ゲーム空間のデータのロードを行い、前記態様変化部は、前記第1ゲーム空間で前記三次元制御を開始するよりも前に、前記第2ゲーム空間において、前記プレイヤオブジェクトを前記第3表示態様から、前記第1表示態様に変化させることができる。
【0021】
本開示に係る第1の情報処理装置は、表示部と、メモリと、前記表示部に表示された第1ゲーム空間に、プレイヤオブジェクトを第1表示態様で表示する第1オブジェクト表示部と、前記第1表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、ユーザの操作に基づいて、前記第1ゲーム空間において三次元移動させる三次元制御を行う第1オブジェクト制御部と、複数の第2ゲーム空間の各々に対応する選択肢の中から、一の前記第2ゲーム空間を選択ゲーム空間として、前記ユーザに選択させるための画像を生成する選択肢生成部と、前記複数の第2ゲーム空間の各々に対して設定されたゲーム空間タイプを、選択された前記選択ゲーム空間に基づいて、判定するタイプ判定部と、前記ゲーム空間タイプの判定後、前記第1ゲーム空間において、前記プレイヤオブジェクトを前記第1表示態様から、判定された前記ゲーム空間タイプに対応する第2表示態様に変化させる態様変化部と、選択された前記選択ゲーム空間のデータを、前記メモリにロードするロード部と、前記選択ゲーム空間のデータのロードの完了後に、前記表示部に表示された前記選択ゲーム空間に、前記プレイヤオブジェクトを前記第2表示態様に関連する第3表示態様で表示する第2オブジェクト表示部と、前記第3表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、前記ユーザの操作に基づいて、前記選択ゲーム空間において二次元移動させる二次元制御を行う第2オブジェクト制御部と、を備えている。
【0022】
本開示に係る第2の情報処理装置は、表示部を有する表示装置に接続される情報処理装置であって、メモリと、前記表示部に表示された第1ゲーム空間に、プレイヤオブジェクトを第1表示態様で表示する第1オブジェクト表示部と、前記第1表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、ユーザの操作に基づいて、前記第1ゲーム空間において三次元移動させる三次元制御を行う第1オブジェクト制御部と、複数の第2ゲーム空間の各々に対応する選択肢の中から、一の前記第2ゲーム空間を選択ゲーム空間として、前記ユーザに選択させるための画像を生成する選択肢生成部と、前記複数の第2ゲーム空間の各々に対して設定されたゲーム空間タイプを、選択された前記選択ゲーム空間に基づいて、判定するタイプ判定部と、前記ゲーム空間タイプの判定後、前記第1ゲーム空間において、前記プレイヤオブジェクトを前記第1表示態様から、判定された前記ゲーム空間タイプに対応する第2表示態様に変化させる態様変化部と、選択された前記選択ゲーム空間のデータを、前記メモリにロードするロード部と、前記選択ゲーム空間のデータのロードの完了後に、前記表示部に表示された前記選択ゲーム空間に、前記プレイヤオブジェクトを前記第2表示態様に関連する第3表示態様で表示する第2オブジェクト表示部と、前記第3表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、前記ユーザの操作に基づいて、前記選択ゲーム空間において二次元移動させる二次元制御を行う第2オブジェクト制御部と、を備えている。
【0023】
本開示に係る情報処理方法は、情報処理装置のコンピュータにおいて実行する情報処理方法であって、第1ゲーム空間にプレイヤオブジェクトを第1表示態様で表示するステップと、前記第1表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、ユーザの操作に基づいて、前記第1ゲーム空間において三次元移動させる三次元制御を行うステップと、複数の第2ゲーム空間の各々に対応する選択肢の中から、一の前記第2ゲーム空間を選択ゲーム空間として、前記ユーザに選択させるための画像を生成するステップと、前記複数の第2ゲーム空間の各々に対して設定されたゲーム空間タイプを、選択された前記選択ゲーム空間に基づいて、判定するステップと、前記ゲーム空間タイプの判定後、前記第1ゲーム空間において、前記プレイヤオブジェクトを前記第1表示態様から、判定された前記ゲーム空間タイプに対応する第2表示態様に変化させるステップと、選択された前記選択ゲーム空間のデータを、前記情報処理装置のメモリにロードするステップと、前記選択ゲーム空間のデータのロードの完了後に、前記選択ゲーム空間に前記プレイヤオブジェクトを前記第2表示態様に関連する第3表示態様で表示するステップと、前記第3表示態様で表示された前記プレイヤオブジェクトを、前記ユーザの操作に基づいて、前記選択ゲーム空間において二次元移動させる二次元制御を行うステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0024】
上記情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法によれば、ゲーム空間のタイプを切り替える際のデータのロード中においても、ユーザに対する遊戯性を演出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本体装置に左コントローラおよび右コントローラ装着した状態のゲームシステムの一例を示す図である。
図2】本体装置から左コントローラおよび右コントローラをそれぞれ外した状態のゲームシステムの一例を示す図である。
図3図1の本体装置の一例を示す六面図である。
図4図1の左コントローラの一例を示す六面図である。
図5図1の右コントローラの一例を示す六面図である。
図6図1の本体装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
図7図1の本体装置と左コントローラおよび右コントローラとの内部構成の一例を示すブロック図である。
図8】ディスプレイに表示される第1ゲーム空間の概要を示す図である。
図9】ディスプレイに表示される第2ゲーム空間のタイプT1の概要を示す図である。
図10】ディスプレイに表示される第2ゲーム空間のタイプT2の概要を示す図である。
図11図8の第1ゲーム空間に第2表示態様のプレイヤオブジェクトが表示された状態を示す図である。
図12図9の第1ゲーム空間に第2表示態様のプレイヤオブジェクトが表示された状態を示す図である。
図13】本発明の一実施形態に係るゲームシステムの機能構成の一例である。
図14】ゲーム空間タイプリストが表示された第1ゲーム空間の画面の例を示す図である。
図15】DRAMに記憶されるデータの一例である。
図16】ゲーム処理の一例を示すフローチャートである。
図17】遷移処理の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る情報処理装置を、ゲームシステムに適用した場合の一実施形態について説明する。
【0027】
<1.ゲームシステムのハードウエア構成>
以下、本実施形態の一例に係るゲームシステムについて説明する。本実施形態におけるゲームシステム1の一例は、本体装置(情報処理装置;本実施形態ではゲーム装置本体として機能する)2と左コントローラ3および右コントローラ4とを含む。本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4がそれぞれ着脱可能である。つまり、ゲームシステム1は、左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ本体装置2に装着して一体化された装置として利用できる。また、ゲームシステム1は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4とを別体として利用することもできる(図2参照)。以下では、本実施形態のゲームシステム1のハードウエア構成について説明し、その後に本実施形態のゲームシステム1の制御について説明する。
【0028】
<1-1.本体装置>
図1は、本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を装着した状態の一例を示す図である。図1に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、それぞれ本体装置2に装着されて一体化されている。本体装置2は、ゲームシステム1における各種の処理(例えば、ゲーム処理)を実行する装置である。本体装置2は、ディスプレイ(表示部)12を備える。左コントローラ3および右コントローラ4は、ユーザが入力を行うための操作部を備える装置である。
【0029】
図2は、本体装置2から左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ外した状態の一例を示す図である。図1および図2に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、本体装置2に着脱可能である。なお、以下において、左コントローラ3および右コントローラ4の総称として「コントローラ」と記載することがある。
【0030】
図3は、本体装置2の一例を示す六面図である。図3に示すように、本体装置2は、略板状のハウジング11を備える。本実施形態において、ハウジング11の主面(換言すれば、表側の面、すなわち、ディスプレイ12が設けられる面)は、大略的には矩形形状である。
【0031】
なお、ハウジング11の形状および大きさは、任意である。一例として、ハウジング11は、携帯可能な大きさであってよい。また、本体装置2単体または本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4が装着された一体型装置は、携帯型装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が手持ち型の装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が可搬型装置となってもよい。
【0032】
図3に示すように、本体装置2は、ハウジング11の主面に設けられるディスプレイ12を備える。ディスプレイ12は、本体装置2が生成した画像を表示する。本実施形態においては、ディスプレイ12は、液晶表示装置(LCD)とする。ただし、ディスプレイ12は任意の種類の表示装置であってよい。
【0033】
また、本体装置2は、ディスプレイ12の画面上にタッチパネル13を備える。本実施形態においては、タッチパネル13は、マルチタッチ入力が可能な方式(例えば、静電容量方式)のものである。ただし、タッチパネル13は、任意の種類のものであってよく、例えば、シングルタッチ入力が可能な方式(例えば、抵抗膜方式)のものであってもよい。
【0034】
本体装置2は、ハウジング11の内部においてスピーカ(すなわち、図6に示すスピーカ88)を備えている。図3に示すように、ハウジング11の主面には、スピーカ孔11aおよび11bが形成される。そして、スピーカ88の出力音は、これらのスピーカ孔11aおよび11bからそれぞれ出力される。
【0035】
また、本体装置2は、本体装置2が左コントローラ3と有線通信を行うための端子である左側端子17と、本体装置2が右コントローラ4と有線通信を行うための右側端子21を備える。
【0036】
図3に示すように、本体装置2は、スロット23を備える。スロット23は、ハウジング11の上側面に設けられる。スロット23は、所定の種類の記憶媒体を装着可能な形状を有する。所定の種類の記憶媒体は、例えば、ゲームシステム1およびそれと同種の情報処理装置に専用の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)である。所定の種類の記憶媒体は、例えば、本体装置2で利用されるデータ(例えば、アプリケーションのセーブデータ等)、および/または、本体装置2で実行されるプログラム(例えば、アプリケーションのプログラム等)を記憶するために用いられる。また、本体装置2は、電源ボタン28を備える。
【0037】
本体装置2は、下側端子27を備える。下側端子27は、本体装置2がクレードルと通信を行うための端子である。本実施形態において、下側端子27は、USBコネクタ(より具体的には、メス側コネクタ)である。上記一体型装置または本体装置2単体をクレードルに載置した場合、ゲームシステム1は、本体装置2が生成して出力する画像を据置型モニタに表示することができる。また、本実施形態においては、クレードルは、載置された上記一体型装置または本体装置2単体を充電する機能を有する。また、クレードルは、ハブ装置(具体的には、USBハブ)の機能を有する。
【0038】
<1-2.左コントローラ>
図4は、左コントローラ3の一例を示す六面図である。図4に示すように、左コントローラ3は、ハウジング31を備える。本実施形態においては、ハウジング31は、縦長の形状、すなわち、上下方向(すなわち、図1および図4に示すy軸方向)に長い形状である。左コントローラ3は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング31は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に左手で把持可能な形状および大きさをしている。また、左コントローラ3は、横長となる向きで把持されることも可能である。左コントローラ3が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0039】
左コントローラ3は、アナログスティック32を備える。図4に示すように、アナログスティック32は、ハウジング31の主面に設けられる。アナログスティック32は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。ユーザは、アナログスティック32を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。なお、左コントローラ3は、方向入力部として、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、本実施形態においては、アナログスティック32を押下する入力が可能である。
【0040】
左コントローラ3は、各種操作ボタンを備える。左コントローラ3は、ハウジング31の主面上に4つの操作ボタン33~36(具体的には、右方向ボタン33、下方向ボタン34、上方向ボタン35、および左方向ボタン36)を備える。さらに、左コントローラ3は、録画ボタン37および-(マイナス)ボタン47を備える。左コントローラ3は、ハウジング31の側面の左上に第1Lボタン38およびZLボタン39を備える。また、左コントローラ3は、ハウジング31の側面の、本体装置2に装着される際に装着される側の面に第2Lボタン43および第2Rボタン44を備える。これらの操作ボタンは、本体装置2で実行される各種プログラム(例えば、OSプログラムやアプリケーションプログラム)に応じた指示を行うために用いられる。
【0041】
また、左コントローラ3は、左コントローラ3が本体装置2と有線通信を行うための端子42を備える。
【0042】
<1-3.右コントローラ>
図5は、右コントローラ4の一例を示す六面図である。図5に示すように、右コントローラ4は、ハウジング51を備える。本実施形態においては、ハウジング51は、縦長の形状、すなわち、上下方向に長い形状である。右コントローラ4は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング51は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に右手で把持可能な形状および大きさをしている。また、右コントローラ4は、横長となる向きで把持されることも可能である。右コントローラ4が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。ここで、説明の便宜のため、右コントローラ4のハウジング51の外面を次のように規定することする。すなわち、ハウジング51は概ね直方体状に形成されており、上下方向を長手方向とする長方形状の第1主面、及びこれとは反対側の第2主面を備えている。そして、ハウジング51において、これら主面の長手方向の上端面が第1端面を構成し、下端面が第2端面を構成する。また、両主面の短手方向の右側面が第1側端面を構成し、左側面が第2側端面を構成する。但し、第1端面は、左端部に長手方向の上方を向く平坦な面を有しているが、右側にいくにしたがって下方に湾曲するように構成され、第1側端面の上端に連結されている。そして、この第1端面には、後述するように、湾曲した第1Rボタン60が配置されている。同様に、第2端面は、左端部に長手方向の下方を向く平坦な面を有しているが、右側にいくにしたがって上方に湾曲するように構成され、第1側端面の下端に連結されている。そして、この第2端面に後述する赤外撮像部123及び赤外発光部124が配置されている。
【0043】
右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、方向入力部としてアナログスティック52を備える。本実施形態においては、アナログスティック52は、左コントローラ3のアナログスティック32と同じ構成である。また、右コントローラ4は、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、ハウジング51の主面上に4つの操作ボタン53~56(具体的には、Aボタン53、Bボタン54、Xボタン55、およびYボタン56)を備える。さらに、右コントローラ4は、+(プラス)ボタン57およびホームボタン58を備える。これら右コントローラ4の第1主面に設けられたる操作ボタン53~58及びアナログスティック32が、本発明の第1操作部の一例となる。また、右コントローラ4は、ハウジング51の第1端面に湾曲した第1Rボタン60を備える。また、第1Rボタン60の背面側には、背面側に突出するとともに、上方から押し込み可能なZRボタン61が設けられている。そして、このZRボタン61の下方には隆起部500が形成されている。この隆起部500は、第2主面から膨出する部位でありZRボタン61から下方にいくにしたがって第2主面に向かう傾斜面を有している。ここで、第1Rボタン60が本発明の第2操作部の一例となり、ZRボタン61及び隆起部500が第3操作部の一例となる。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、第2Lボタン65および第2Rボタン66を備える。
【0044】
また、ハウジング51の第2端面には、窓部68が設けられる。詳細は後述するが、右コントローラ4は、ハウジング51の内部に配置される赤外撮像部123および赤外発光部124を備えている。赤外撮像部123は、右コントローラ4の下方向(図5に示すy軸負方向)を撮像方向として、窓部68を介して右コントローラ4の周囲を撮像する。赤外発光部124は、右コントローラ4の下方向(図5に示すy軸負方向)を中心とする所定範囲を照射範囲として、赤外撮像部123が撮像する撮像対象に窓部68を介して赤外光を照射する。窓部68は、赤外撮像部123のカメラのレンズや赤外発光部124の発光体等を保護するためのものであり、当該カメラが検知する波長の光や当該発光体が照射する光を透過する材質(例えば、透明な材質)で構成される。なお、窓部68は、ハウジング51に形成された孔であってもよい。なお、本実施形態においては、カメラが検知する光(本実施形態においては、赤外光)以外の波長の光の透過を抑制するフィルタ部材を赤外撮像部123自身が有する。ただし、他の実施形態においては、窓部68がフィルタの機能を有していてもよい。
【0045】
また、詳細は後述するが、右コントローラ4は、NFC通信部122を備える。NFC通信部122は、NFC(Near Field Communication)の規格に基づく近距離無線通信を行う。NFC通信部122は、近距離無線通信に用いられるアンテナ122aと、アンテナ122aから送出すべき信号(電波)を生成する回路(例えばNFCチップ)とを有する。なお、NFC通信部122は、NFCの規格に基づく近距離無線通信を行う代わりに、任意の近接通信(非接触通信とも言う)で近距離無線通信を行うようにしてもよい。ここで、NFCの規格は、近接通信(非接触通信)に用いることができるものであり、「任意の近接通信で近距離無線通信を行うようにしてもよい」とは、NFCの規格による近接通信を除いた他の近接通信で近距離無線通信を行ってもよいことを意図している。
【0046】
また、右コントローラ4は、右コントローラ4が本体装置2と有線通信を行うための端子64を備える。
【0047】
<1-4.本体装置の内部構成>
図6は、本体装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。本体装置2は、図3に示す構成の他、図6に示す各構成要素81~91、97、および98を備える。これらの構成要素81~91、97、および98のいくつかは、電子部品として電子回路基板上に実装されてハウジング11内に収納されてもよい。
【0048】
本体装置2は、プロセッサ81を備える。プロセッサ81は、本体装置2において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central
Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ81は、記憶部(具体的には、フラッシュメモリ84等の内部記憶媒体、あるいは、スロット23に装着される外部記憶媒体等)に記憶される情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。
【0049】
本体装置2は、自身に内蔵される内部記憶媒体の一例として、フラッシュメモリ84およびDRAM(Dynamic Random Access Memory)85を備える。フラッシュメモリ84およびDRAM85は、プロセッサ81に接続される。フラッシュメモリ84は、主に、本体装置2に保存される各種のデータ(プログラムであってもよい)を記憶するために用いられるメモリである。DRAM85は、情報処理において用いられる各種のデータを一時的に記憶するために用いられるメモリである。
【0050】
本体装置2は、スロットインターフェース(以下、「I/F」と略記する。)91を備える。スロットI/F91は、プロセッサ81に接続される。スロットI/F91は、スロット23に接続され、スロット23に装着された所定の種類の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)に対するデータの読み出しおよび書き込みを、プロセッサ81の指示に応じて行う。
【0051】
プロセッサ81は、フラッシュメモリ84およびDRAM85、ならびに上記各記憶媒体との間でデータを適宜読み出したり書き込んだりして、上記の情報処理を実行する。
【0052】
本体装置2は、ネットワーク通信部82を備える。ネットワーク通信部82は、プロセッサ81に接続される。ネットワーク通信部82は、ネットワークを介して外部の装置と通信(具体的には、無線通信)を行う。本実施形態においては、ネットワーク通信部82は、第1の通信態様としてWi-Fiの規格に準拠した方式により、無線LANに接続して外部装置と通信を行う。また、ネットワーク通信部82は、第2の通信態様として所定の通信方式(例えば、独自プロトコルによる通信や、赤外線通信)により、同種の他の本体装置2との間で無線通信を行う。なお、上記第2の通信態様による無線通信は、閉ざされたローカルネットワークエリア内に配置された他の本体装置2との間で無線通信可能であり、複数の本体装置2の間で直接通信することによってデータが送受信される、いわゆる「ローカル通信」を可能とする機能を実現する。
【0053】
本体装置2は、コントローラ通信部83を備える。コントローラ通信部83は、プロセッサ81に接続される。コントローラ通信部83は、左コントローラ3および/または右コントローラ4と無線通信を行う。本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との通信方式は任意であるが、本実施形態においては、コントローラ通信部83は、左コントローラ3との間および右コントローラ4との間で、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信を行う。
【0054】
プロセッサ81は、上述の左側端子17、右側端子21、および下側端子27に接続される。プロセッサ81は、左コントローラ3と有線通信を行う場合、左側端子17を介して左コントローラ3へデータを送信するとともに、左側端子17を介して左コントローラ3から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、右コントローラ4と有線通信を行う場合、右側端子21を介して右コントローラ4へデータを送信するとともに、右側端子21を介して右コントローラ4から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、クレードルと通信を行う場合、下側端子27を介してクレードルへデータを送信する。このように、本実施形態においては、本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4との間で、それぞれ有線通信と無線通信との両方を行うことができる。また、左コントローラ3および右コントローラ4が本体装置2に装着された一体型装置または本体装置2単体がクレードルに装着された場合、本体装置2は、クレードルを介してデータ(例えば、画像データや音声データ)を据置型モニタ等に出力することができる。
【0055】
ここで、本体装置2は、複数の左コントローラ3と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。また、本体装置2は、複数の右コントローラ4と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。したがって、複数のユーザは、左コントローラ3および右コントローラ4のセットをそれぞれ用いて、本体装置2に対する入力を同時に行うことができる。一例として、第1ユーザが左コントローラ3および右コントローラ4の第1セットを用いて本体装置2に対して入力を行うと同時に、第2ユーザが左コントローラ3および右コントローラ4の第2セットを用いて本体装置2に対して入力を行うことが可能となる。
【0056】
本体装置2は、タッチパネル13の制御を行う回路であるタッチパネルコントローラ86を備える。タッチパネルコントローラ86は、タッチパネル13とプロセッサ81との間に接続される。タッチパネルコントローラ86は、タッチパネル13からの信号に基づいて、例えばタッチ入力が行われた位置を示すデータを生成して、プロセッサ81へ出力する。
【0057】
また、ディスプレイ12は、プロセッサ81に接続される。プロセッサ81は、(例えば、上記の情報処理の実行によって)生成した画像および/または外部から取得した画像をディスプレイ12に表示する。
【0058】
本体装置2は、コーデック回路87およびスピーカ(具体的には、左スピーカおよび右スピーカ)88を備える。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に接続されるとともに、プロセッサ81に接続される。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に対する音声データの入出力を制御する回路である。
【0059】
また、本体装置2は、加速度センサ89を備える。本実施形態においては、加速度センサ89は、所定の3軸(例えば、図1に示すxyz軸)方向に沿った加速度の大きさを検出する。なお、加速度センサ89は、1軸方向あるいは2軸方向の加速度を検出するものであってもよい。
【0060】
また、本体装置2は、角速度センサ90を備える。本実施形態においては、角速度センサ90は、所定の3軸(例えば、図1に示すxyz軸)回りの角速度を検出する。なお、角速度センサ90は、1軸回りあるいは2軸回りの角速度を検出するものであってもよい。
【0061】
加速度センサ89および角速度センサ90は、プロセッサ81に接続され、加速度センサ89および角速度センサ90の検出結果は、プロセッサ81へ出力される。プロセッサ81は、上記の加速度センサ89および角速度センサ90の検出結果に基づいて、本体装置2の動きおよび/または姿勢に関する情報を算出することが可能である。
【0062】
本体装置2は、電力制御部97およびバッテリ98を備える。電力制御部97は、バッテリ98およびプロセッサ81に接続される。また、図示しないが、電力制御部97は、本体装置2の各部(具体的には、バッテリ98の電力の給電を受ける各部、左側端子17、および右側端子21)に接続される。電力制御部97は、プロセッサ81からの指令に基づいて、バッテリ98から上記各部への電力供給を制御する。
【0063】
また、バッテリ98は、下側端子27に接続される。外部の充電装置(例えば、クレードル)が下側端子27に接続され、下側端子27を介して本体装置2に電力が供給される場合、供給された電力がバッテリ98に充電される。
【0064】
<1-5.コントローラの内部構成>
図7は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との内部構成の一例を示すブロック図である。なお、本体装置2に関する内部構成の詳細については、図6で示しているため図7では省略している。
【0065】
左コントローラ3は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部101を備える。図7に示すように、通信制御部101は、端子42を含む各構成要素に接続される。本実施形態においては、通信制御部101は、端子42を介した有線通信と、端子42を介さない無線通信との両方で本体装置2と通信を行うことが可能である。通信制御部101は、左コントローラ3が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。すなわち、左コントローラ3が本体装置2に装着されている場合、通信制御部101は、端子42を介して本体装置2と通信を行う。また、左コントローラ3が本体装置2から外されている場合、通信制御部101は、本体装置2(具体的には、コントローラ通信部83)との間で無線通信を行う。コントローラ通信部83と通信制御部101との間の無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)の規格に従って行われる。
【0066】
また、左コントローラ3は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ102を備える。通信制御部101は、例えばマイコン(マイクロプロセッサとも言う)で構成され、メモリ102に記憶されるファームウェアを実行することによって各種の処理を実行する。
【0067】
左コントローラ3は、各ボタン103(具体的には、ボタン33~39、43、44、および47)を備える。また、左コントローラ3は、アナログスティック(図7では「スティック」と記載する)32を備える。各ボタン103およびアナログスティック32は、自身に対して行われた操作に関する情報を、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力する。
【0068】
左コントローラ3は、慣性センサを備える。具体的には、左コントローラ3は、加速度センサ104を備える。また、左コントローラ3は、角速度センサ105を備える。本実施形態においては、加速度センサ104は、所定の3軸(例えば、図4に示すxyz軸)方向に沿った加速度の大きさを検出する。なお、加速度センサ104は、1軸方向あるいは2軸方向の加速度を検出するものであってもよい。本実施形態においては、角速度センサ105は、所定の3軸(例えば、図4に示すxyz軸)回りの角速度を検出する。なお、角速度センサ105は、1軸回りあるいは2軸回りの角速度を検出するものであってもよい。加速度センサ104および角速度センサ105は、それぞれ通信制御部101に接続される。そして、加速度センサ104および角速度センサ105の検出結果は、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力される。
【0069】
通信制御部101は、各入力部(具体的には、各ボタン103、アナログスティック32、各センサ104および105)から、入力に関する情報(具体的には、操作に関する情報、またはセンサによる検出結果)を取得する。通信制御部101は、取得した情報(または取得した情報に所定の加工を行った情報)を含む操作データを本体装置2へ送信する。なお、操作データは、所定時間に1回の割合で繰り返し送信される。なお、入力に関する情報が本体装置2へ送信される間隔は、各入力部について同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
【0070】
上記操作データが本体装置2へ送信されることによって、本体装置2は、左コントローラ3に対して行われた入力を得ることができる。すなわち、本体装置2は、各ボタン103およびアナログスティック32に対する操作を、操作データに基づいて判別することができる。また、本体装置2は、左コントローラ3の動きおよび/または姿勢に関する情報を、操作データ(具体的には、加速度センサ104および角速度センサ105の検出結果)に基づいて算出することができる。
【0071】
左コントローラ3は、振動によってユーザに通知を行うための振動子107を備える。本実施形態においては、振動子107は、本体装置2からの指令によって制御される。すなわち、通信制御部101は、本体装置2からの上記指令を受け取ると、当該指令に従って振動子107を駆動させる。ここで、左コントローラ3は、コーデック部106を備える。通信制御部101は、上記指令を受け取ると、指令に応じた制御信号をコーデック部106へ出力する。コーデック部106は、通信制御部101からの制御信号から振動子107を駆動させるための駆動信号を生成して振動子107へ与える。これによって振動子107が動作する。
【0072】
振動子107は、より具体的にはリニア振動モータである。リニア振動モータは、回転運動をする通常のモータと異なり、入力される電圧に応じて所定方向に駆動されるため、入力される電圧の波形に応じた振幅および周波数で振動をさせることができる。本実施形態において、本体装置2から左コントローラ3に送信される振動制御信号は、単位時間ごとに周波数と振幅とを表すデジタル信号であってよい。別の実施形態においては、本体装置2から波形そのものを示す情報を送信するようにしてもよいが、振幅および周波数だけを送信することで通信データ量を削減することができる。また、さらにデータ量を削減するため、そのときの振幅および周波数の数値に替えて、前回の値からの差分だけを送信するようにしてもよい。この場合、コーデック部106は、通信制御部101から取得される振幅および周波数の値を示すデジタル信号をアナログの電圧の波形に変換し、当該波形に合わせて電圧を入力することで振動子107を駆動させる。したがって、本体装置2は、単位時間ごとに送信する振幅および周波数を変えることによって、そのときに振動子107を振動させる振幅および周波数を制御することができる。なお、本体装置2から左コントローラ3に送信される振幅および周波数は、1つに限らず、2つ以上送信するようにしてもよい。その場合、コーデック部106は、受信された複数の振幅および周波数それぞれが示す波形を合成することで、振動子107を制御する電圧の波形を生成することができる。
【0073】
左コントローラ3は、電力供給部108を備える。本実施形態において、電力供給部108は、バッテリおよび電力制御回路を有する。図示しないが、電力制御回路は、バッテリに接続されるとともに、左コントローラ3の各部(具体的には、バッテリの電力の給電を受ける各部)に接続される。
【0074】
図7に示すように、右コントローラ4は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部111を備える。また、右コントローラ4は、通信制御部111に接続されるメモリ112を備える。通信制御部111は、端子64を含む各構成要素に接続される。通信制御部111およびメモリ112は、左コントローラ3の通信制御部101およびメモリ102と同様の機能を有する。したがって、通信制御部111は、端子64を介した有線通信と、端子64を介さない無線通信(具体的には、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信)との両方で本体装置2と通信を行うことが可能であり、右コントローラ4が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。
【0075】
右コントローラ4は、左コントローラ3の各入力部と同様の各入力部を備える。具体的には、各ボタン113、アナログスティック52、慣性センサ(加速度センサ114および角速度センサ115)を備える。これらの各入力部については、左コントローラ3の各入力部と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0076】
また、右コントローラ4は、振動子117およびコーデック部116を備える。振動子117およびコーデック部116は、左コントローラ3の振動子107およびコーデック部106と同様に動作する。すなわち、通信制御部111は、本体装置2からの指令に従って、コーデック部116を用いて振動子117を動作させる。
【0077】
右コントローラ4は、NFCの規格に基づく近距離無線通信を行うNFC通信部122を備える。NFC通信部122は、いわゆるNFCリーダ・ライタの機能を有する。ここで、本明細書において近距離無線通信とは、一方の装置(ここでは、右コントローラ4)からの電波によって(例えば電磁誘導によって)他方の装置(ここでは、アンテナ122aと近接する装置)に起電力を発生させる通信方式が含まれる。他方の装置は、発生した起電力によって動作することが可能であり、電源を有していてもよいし有していなくてもよい。NFC通信部122は、右コントローラ4(アンテナ122a)と通信対象とが接近した場合(典型的には、両者の距離が十数センチメートル以下となった場合)に当該通信対象との間で通信可能となる。通信対象は、NFC通信部122との間で近距離無線通信が可能な任意の装置であり、例えばNFCタグやNFCタグの機能を有する記憶媒体である。ただし、通信対象は、NFCのカードエミュレーション機能を有する他の装置であってもよい。
【0078】
また、右コントローラ4は、第2端面に赤外撮像部123を備える。赤外撮像部123は、右コントローラ4の周囲を撮像する赤外線カメラを有する。一例として、本体装置2および/または右コントローラ4は、撮像された情報(例えば、撮像された撮像画像における少なくとも一部の領域全体を分割した複数のブロックの輝度に関連する情報等)を算出し、当該情報に基づいて、右コントローラ4の周囲変化を判別する。また、赤外撮像部123は、環境光によって撮像を行ってもよいが、本実施形態においては、赤外線を照射する赤外発光部124を有する。赤外発光部124は、例えば、赤外線カメラが画像を撮像するタイミングと同期して、赤外線を照射する。そして、赤外発光部124によって照射された赤外線が撮像対象によって反射され、当該反射された赤外線が赤外線カメラによって受光されることで、赤外線の画像が取得される。これによって、赤外撮像部123は、より鮮明な赤外線画像を得ることができる。なお、赤外撮像部123と赤外発光部124とは、それぞれ別のデバイスとして右コントローラ4内に設けられてもよいし、同じパッケージ内に設けられた単一のデバイスとして右コントローラ4内に設けられてもよい。また、本実施形態においては、赤外線カメラを有する赤外撮像部123が用いられるが、他の実施形態においては、撮像手段として、赤外線カメラに代えて可視光カメラ(可視光イメージセンサを用いたカメラ)が用いられてもよい。
【0079】
右コントローラ4は、処理部121を備える。処理部121は、通信制御部111に接続される。また、処理部121は、NFC通信部122、赤外撮像部123、および赤外発光部124に接続される。処理部121は、本体装置2からの指令に応じて、NFC通信部122に対する管理処理を実行する。例えば、処理部121は、本体装置2からの指令に応じてNFC通信部122の動作を制御する。また、処理部121は、NFC通信部122の起動を制御したり、通信対象(例えば、NFCタグ)に対するNFC通信部122の動作(具体的には、読み出しおよび書き込み等)を制御したりする。また、処理部121は、通信制御部111を介して通信対象に送信されるべき情報を本体装置2から受信してNFC通信部122へ渡したり、通信対象から受信された情報をNFC通信部122から取得して通信制御部111を介して本体装置2へ送信したりする。
【0080】
また、処理部121は、CPUやメモリ等を含み、右コントローラ4に備えられた図示しない記憶装置(例えば、不揮発性メモリ等)に記憶された所定のプログラム(例えば、画像処理や各種演算を行うためのアプリケーションプログラム)に基づいて、本体装置2からの指令に応じて赤外撮像部123に対する管理処理を実行する。例えば、処理部121は、赤外撮像部123に撮像動作を行わせたり、撮像結果に基づく情報(撮像画像の情報、あるいは、当該情報から算出される情報等)を取得および/または算出して通信制御部111を介して本体装置2へ送信したりする。また、処理部121は、本体装置2からの指令に応じて赤外発光部124に対する管理処理を実行する。例えば、処理部121は、本体装置2からの指令に応じて赤外発光部124の発光を制御する。なお、処理部121が処理を行う際に用いるメモリは、処理部121内に設けられてもいいし、メモリ112であってもよい。
【0081】
右コントローラ4は、電力供給部118を備える。電力供給部118は、左コントローラ3の電力供給部108と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0082】
<2.ゲームの概要>
次に、本実施形態のゲームシステムにおいて行われるゲームの概要について、図8図11を参照しつつ説明する。
【0083】
このゲームにおいて、ユーザは、所定の目的のために、プレイヤオブジェクトを、ディスプレイ12に表示される第1ゲーム空間及び第2ゲーム空間で操作する。本実施形態におけるプレイヤオブジェクトは、人物の形態を模したものである。このゲームにおいては、仮想カメラが設定されており、この仮想カメラで撮影された領域がディスプレイ12に表示される。図8はディスプレイに表示される画面であり、この画面に表示される第1ゲーム空間71は、三次元空間を模したものである。そして、プレイヤオブジェクト701は、この第1ゲーム空間71内では、三次元移動を行うことができる。すなわち、プレイヤオブジェクト701は、第1ゲーム空間71内で、仮想カメラによる撮影方向と垂直な方向(図8の矢印X1,X2の方向)のほか、撮影方向の手前側及び奥側(図8の矢印Y1
,Y2の方向)にも移動することができる。そして、第1ゲーム空間71においては、プ
レイヤオブジェクト701は、三次元的な態様で表示されている。すなわち、三次元空間を模した第1ゲーム空間71に合わせて、奥行きのある態様で表示されており、例えば、ポリゴンを用いて描画されたものとすることができる。以下、このようなプレイヤオブジェクトの表示態様を、第1表示態様と称することとする。
【0084】
一方、本実施形態では、第2ゲーム空間として設定されるゲームコースが複数存在しており、後述するように、ユーザが選択を行うことができる。その例を、図9及び図10に示すが、第2ゲーム空間はこれら2種類に限定されない。図9は第2ゲーム空間721を表示した画面の例である。この第2ゲーム空間721は、二次元空間を模したものであり、プレイヤオブジェクト702は、この第2ゲーム空間721内では、二次元移動を行うことができる。すなわち、プレイヤオブジェクト702は、第2ゲーム空間721内で、仮想カメラの撮影方向と垂直な方向にのみ(図9中の矢印の方向)、移動することができる。そして、この第2ゲーム空間721において、プレイヤオブジェクト701は、ドット等を用いた二次元的な態様で表示されている。すなわち、二次元空間を模した第2ゲーム空間721に合わせて、奥行きのない態様で表示されている。以下、このような二次元空間を模した第2ゲーム空間721を、タイプT1と称することとする。
【0085】
次に、図10に示す第2ゲーム空間について説明する。図10は第2ゲーム空間722を表示した画面の例である。同図に示すように、この第2ゲーム空間722は、三次元空間を模したものであるが、プレイヤオブジェクト702は、この第2ゲーム空間722内では、二次元移動しか行うことができない。すなわち、この第2ゲーム空間722は、奥行きがあるように表示されているが、プレイヤオブジェクト703は、この第2ゲーム空間722内で、仮想カメラの撮影方向と垂直な方向にのみ(図10中の矢印の方向)、移動することができる。すなわち、撮影方向の手前側及び奥側には移動することができない。そして、この第2ゲーム空間722においては、プレイヤオブジェクト703は、三次元的な態様で表示されている。すなわち、三次元空間を模した第2ゲーム空間722に合わせて、奥行きのある態様で表示されている。以下、このような三次元空間を模した第2ゲーム空間722を、タイプT2と称することとする。また、タイプT1,タイプT2のような第2ゲーム空間721,722のタイプをゲーム空間タイプと称することとする。そして、上述した複数のゲームコースに、いずれかのゲーム空間タイプが設定されている。なお、第2ゲーム空間721,722においては、仮想カメラを用いずにプレイヤオブジェクト702,703の移動の操作をすることもできる。すなわち、プレイヤオブジェクト702,703がディスプレイ12の面方向に沿って移動するように操作できるのであれば、必ずしも仮想カメラは必要ではない。
【0086】
以上のように、第2ゲーム空間721、722としては、二次元空間を模したもの、あるいは三次元空間を模したものが設定されており、これに合わせてプレイヤオブジェクト702,703の表示態様が設定されているが、いずれも二次元移動、つまり仮想カメラによる撮影方向に垂直な方向(あるいは、ディスプレイ12の面方向に沿う方向)にしか移動できないように設定されている。したがって、以下では、第2ゲーム空間721,722で表示されるプレイヤオブジェクトの表示態様を、第3表示態様と称することとする。なお、第2表示態様については後述する。また、各ゲーム空間71,721,722で表示されるプレイヤオブジェクトを区別するため、第1ゲーム空間71、第2ゲーム空間のタイプT1(721)、及び第2ゲーム空間のタイプT2(722)で表示されるプレイヤオブジェクトの符号を、それぞれ701,702,703と表示することとする。
【0087】
また、本実施形態では、第1ゲーム空間71でのプレイ中に、いずれかの第2ゲーム空間のタイプが設定されたゲームコースが選択されると、ゲームの画面が第1ゲーム空間71から第2ゲーム空間721,722に遷移する前に、プレイヤオブジェクト701が、第2表示態様に変化するように構成されている。そして、プレイヤオブジェクトが第2表示態様に変化した後、ディスプレイ12に表示される空間が、第2ゲーム空間721,722に遷移する。例えば、タイプT1(721)の第2ゲーム空間が設定されたゲームコースC1を選択したとき、第1ゲーム空間71においては、図11に示すように、プレイヤオブジェクトが、第1表示態様701から、第2表示態様704に変化する。第2表示態様704は、タイプT1の第3表示態様702を想起させるものであり、第3表示態様702のドット表現の代わりに小さい立方体を組み合わせた表示態様である。ユーザは、このような第2表示態様704を見ることで、次に表示される第2ゲーム空間721に対する準備を行うことができる。そして、図11に示す画面が表示された後、ディスプレイ12には、例えば、暗転などの遷移表示の後、図9に示す第2ゲーム空間721が第3表示態様のプレイヤオブジェクト702とともに表示される。なお、第2表示態様は、第2ゲーム空間のタイプ毎に設定されており、図10に示すタイプT2の第2ゲーム空間722が設定されたゲームコースC2が選択されたときには、例えば、図12に示すように、図11とは異なる第2表示態様でプレイヤオブジェクト704が表示される。
【0088】
<3.ゲームシステムの機能構成>
次に、上記のように構成されたゲームシステムの機能構成(ソフトウエア構成)について説明する。図13は、本実施形態に係るゲームシステムの機能構成の一例である。ゲームシステムのプロセッサ81は、フラッシュメモリ84、あるいはスロット23に装着された外部記憶媒体に記憶された情報処理プログラムをDRAM85に展開する。そして、プロセッサは、DRAM85に展開された情報処理プログラムを解釈及び実行して、各機能構成要素を制御する。これにより、本実施形態に係るゲームシステムは、第1オブジェクト表示部811、第1オブジェクト制御部812、選択肢生成部813、タイプ判定部814、ロード部815、態様変化部816、第2オブジェクト表示部817、及び第2オブジェクト制御部818を備えるコンピュータとして機能する。
【0089】
第1オブジェクト表示部811は、第1ゲーム空間71がディスプレイ12に表示されているときに、プレイヤオブジェクト701を、図8に示すように、第1表示態様で表示するための表示態様を制御する。そして、第1オブジェクト制御部812は、第1表示態様で表示されたプレイヤオブジェクト701を、第1ゲーム空間71内で三次元移動させるための三次元制御を行う。すなわち、上述したように、プレイヤオブジェクト70を、図8の矢印に示すように、仮想カメラの撮影方向と垂直な方向、及び撮影方向の手前側・奥側に移動することができる。
【0090】
このとき、第1オブジェクト制御部812は、プレイヤオブジェクト701の操作を、いずれかのアナログスティック32,52により行わせる。例えば、アナログスティック32,52を左右方向に傾けたときには、プレイヤオブジェクト701は、第1ゲーム空間71内で、撮影方向と垂直な方向、つまりディスプレイ12の面方向に沿って、左右方向に移動する。また、プレイヤオブジェクト701の移動の操作に伴い、ディスプレイ12においては、第1ゲーム空間71を左右方向にスクロールする制御も行われる。また、アナログスティック32,52を上側に傾けたときには、プレイヤオブジェクト701は、第1ゲーム空間71内で、仮想カメラの撮影方向の奥側に移動し、下側に傾けたときには、仮想カメラの撮影方向の手前側に移動する。また、プレイヤオブジェクト701の奥側または手前側への移動の操作に伴い、ディスプレイ12においては、プレイヤオブジェクト701あるいは第1ゲーム空間71を手前側または奥側へスクロールする制御が行われることもある。なお、第1ゲーム空間71内でのプレイヤオブジェクト701の操作は、上述したものに限られず、各コントローラ3,4に設けられている操作入力手段(アナログスティック、各種操作ボタンなど)により、移動以外の種々の操作を行うことができる。
【0091】
選択肢生成部813は、第1ゲーム空間71が表示されているときに、所定の操作を行うと、選択可能なゲームコースを画面に表示する。そして、所定の操作、例えば、いずれかのボタンが押下されると、複数のゲームコースが示されたゲームコースリスト718が表示される。上記のように、各ゲームコースには、いずれかのゲーム空間のタイプが設定されており、図14の例では、ゲームコースC1,C2に、上述したタイプT1,2が設定されているが、これは一例であり、ゲームコースの数、及び設定されるタイプは適宜変更することができる。そして、例えば、ユーザが、アナログスティック32,52により、画面に表示されているポインタ708を移動させ、いずれかのゲームコースの上で、アナログスティック32,52を押下すると、ゲームコースの選択が完了する。なお、ゲームコースの選択方法は、特には限定されず、ゲームシステムに装備されているいずれかの操作入力を用いて選択できればよい。
【0092】
タイプ判定部814では、何れのゲーム空間タイプが選択されたかを判定する。すなわち、選択されたゲームコースに設定されているゲーム空間タイプを判定する。ここでは、選択されたゲームコースに設定された第2ゲーム空間を、選択ゲーム空間と称することとする。ロード部815は、タイプ判定部814の判定に基づいて、選択ゲーム空間のデータ(後述する第2ゲーム空間データ853)をフラッシュメモリ84または外部記憶媒体から、DRAM85にロードする。こうして、選択ゲーム空間のデータがDRAM85にロードされると、第2ゲーム空間721,722が設定されたゲームコースでのゲームが開始可能となる。
【0093】
態様変化部816は、タイプ判定部814によって判定されたタイプに応じて、第1表示態様で表示されたプレイヤオブジェクト701を、第2表示態様に変化させる。なお、第2表示態様のプレイヤオブジェクト704は、第1ゲーム空間71から第2ゲーム空間721,722に遷移するまでの一時的な表示態様である。
【0094】
第2オブジェクト表示部817は、ディスプレイ12の画面が、第2ゲーム空間721,722に遷移した後、プレイヤオブジェクト702,703を、第3表示態様で表示するための表示態様を制御する。そして、第2オブジェクト制御部818は、第3表示態様で表示されたプレイヤオブジェクト702,703を、第2ゲーム空間721,722内で二次元移動させるための二次元制御を行う。すなわち、上述したように、プレイヤオブジェクト702,703を、仮想カメラによる撮影方向に垂直な方向(あるいは、ディスプレイ12の面方向に沿う方向)に移動させる制御を行う。
【0095】
このとき、第2オブジェクト制御部818は、プレイヤオブジェクト702,703の操作を、アナログスティック32,52、または左コントローラ3の4つの操作ボタン33~36により行わせる。但し、ゲームの種類によっては、操作ボタン33~36の使用の方が適している場合がある。操作ボタン33~36を使用する場合、例えば、右方向ボタン33または左方向ボタン36を押下すると、プレイヤオブジェクト701は、第2ゲーム空間721,722内で、ディスプレイ12の面方向に沿って、左右方向に移動する。また、プレイヤオブジェクト701の左右方向の移動に伴って、ディスプレイ12においては、第2ゲーム空間721,722を左右方向にスクロールする制御も行われる。さらに、例えば、第2ゲーム空間721,722において、プレイヤオブジェクト702、703の位置に梯子やツタ等の登ることが可能なオブジェクトが表示されている場合、上方向ボタン35を押下したときには、プレイヤオブジェクト702,703は、それらを登るように移動する。但し、そのようなオブジェクトが表示されていないときには、上方向ボタン35を押下しても何も起こらない。一方、下方向ボタン34を押下したときには、例えば、図10の右側のプレイヤオブジェクト703のように、しゃがむ動作を行う。その他、第2ゲーム空間721,722においては、第1ゲーム空間71とは異なる操作方法で、プレイヤオブジェクト702,703を操作することができる。例えば、右方向ボタン33または左方向ボタン36とともに、右コントローラ4のBボタン54を押下すると、プレイヤオブジェクト702,703が左右方向にダッシュしながら移動させることができる。なお。第2ゲーム空間721,722内でのプレイヤオブジェクト702,703の操作は、上述したものに限られず、各コントローラ3,4に設けられている操作入力手段により、移動以外の種々の操作を行うことができる。
【0096】
次に、DRAM85に記憶されるデータの一例を、図15に示す。図15に示すように、DRAM85には、ゲームプログラム851、第1ゲーム空間71に関する第1ゲーム空間データ852、複数の第2ゲーム空間721,722に関する第2ゲーム空間データ853、第1表示態様のプレイヤオブジェクト701に関する第1プレイヤオブジェクトデータ854、第3表示態様のプレイヤオブジェクト702,703に関する複数の第2プレイヤオブジェクトデータ855、及び第2表示態様のプレイヤオブジェクト704に関する複数の第3プレイヤオブジェクトデータ856が、記憶される。
【0097】
ゲームプログラム851は、本実施形態のゲームを行うためのプログラムであり、フラッシュメモリ84またはスロット23に装着された外部記憶媒体に予め記憶されている。ゲームプログラム851は、ゲームの開始時にDRAM85にロードされる。
【0098】
その他のデータのうち、第2ゲーム空間データ853及び第2プレイヤオブジェクトデータは、上述したように、タイプ判定部814による判定後に、DRAM85にロードされる。
【0099】
その他、図示を省略するが、ゲームを進行する上で必要となるオブジェクトに関するデータも、適宜、DRAM85にロードされて実行される。ここでいうオブジェクトとは、ゲームに登場する人物、動物、魔物などのキャラクタ、キャラクタが持つべき道具や武器、建物等の構造物、山、湖、岩などの自然物など、ゲームを構成する各種の要素を意味する。また、具体的な形状を有するオブジェクトのほか、ゲーム中に行われるイベント(例えば、戦闘シーン,デモ)もオブジェクトとなる。
【0100】
<4.ゲーム処理の例>
次に、ゲーム処理の例について、図16を参照しつつ説明する。図16は、ゲーム処理の一例を示すフローチャートである。まず、ゲームプログラム851がDRAM85にロードされ、ゲームが開始されると(ステップS101)、図8に示すように、ディスプレイ12には第1ゲーム空間71とともに、第1表示態様のプレイヤオブジェクト701が表示される(ステップS102)。この状態で、ユーザは、いずれかのアナログスティック32,52を操作して、第1ゲーム空間71内で、プレイヤオブジェクト701を三次元移動させる(ステップS103)。その他、ゲーム内で必要な操作をコントローラ3,4を用いて行うと、それに伴ってゲーム処理が行われる。
【0101】
そして、所定の操作によって、ゲーム空間タイプリストを画面に表示させた後、ユーザが、ゲーム空間タイプを選択すると(ステップS104のYES)、タイプ判定部814により、ゲーム空間タイプが判定される。そして、その判定結果に応じて、図11または図12に示すように、プレイヤオブジェクトを第1表示態様701から、第2表示態様704に変化させる(ステップS105)。その後、次に説明するデータのロード(ステップS106)の開始後、画面の暗転等の遷移処理を行う(ステップS107)。
【0102】
上述したタイプ判定部による判定後、DRAM85には、選択された第2ゲーム空間データ853及び第2プレイヤオブジェクトデータ855がロードされる(ステップS106)。これらのデータ853,855のロードは、内部処理であるため、プレイヤオブジェクトの第2表示態様への変化と同時、またはその前後に行うこともできるが、当然ながら、上述した遷移処理が終了するまで、つまり暗転が終了するまでに完了する。
【0103】
第2ゲーム空間データ853及び第2プレイヤオブジェクトデータ855のロードが完了すると、上記暗転に続いて、ディスプレイ12には第2ゲーム空間とともに、第3表示態様のプレイヤオブジェクト702,703が表示される(ステップS108)。この状態で、ユーザは、操作ボタン33~36を操作して、第2ゲーム空間721,722内で、プレイヤオブジェクト702,703を二次元移動させる(ステップS109)。その他、ゲーム内で必要な操作をコントローラ3,4を用いて行うと、それに伴ってゲーム処理が行われる。
【0104】
そして、第2ゲーム空間721,723において、所定の目的を達成し、ゲームをクリアしたとき、あるいはプレイヤオブジェクトが死亡したり、リタイアするなど、ゲームを進行することができない状態になったときには(ステップS110のNO)、画面を暗転させるなどの遷移処理を行った後、第1ゲーム空間71及び第1表示態様のプレイヤオブジェクト701を表示させる(ステップS102)。これにより、ユーザは、第1ゲーム空間71でのゲームを再開する。
【0105】
<5.特徴>
本実施形態に係るゲームシステムによれば、以下の効果を得ることができる。
(1)プレイヤオブジェクトに対して三次元制御を行う第1ゲーム空間71から、プレイヤオブジェクトに対して二次元制御を行う第2ゲーム空間721,722に遷移する際に、選択された第2ゲーム空間のタイプに応じて、プレイヤオブジェクトを第1ゲーム空間71内で、第1表示態様から一旦、第3表示態様を想起させる第2表示態様に変化させた後、第2ゲーム空間においてオブジェクトを第3表示態様で表示している。そのため、第1ゲーム空間71から第2ゲーム空間721,722に遷移する際に、プレイヤオブジェクトが突然、第1表示態様から第3表示態様に変化するユーザの違和感を低減することができる。
【0106】
(2)プレイヤオブジェクトが第1表示態様から第2表示態様に変化し、その後、暗転が終了するまでの時間を利用して第2ゲーム空間データ853及び第2プレイヤオブジェクトデータ855のロードを行うことができる。すなわち、ディスプレイ12の表示が、第1ゲーム空間71から第2ゲーム空間721,722に遷移するまでの間に、プレイヤオブジェクトの表示態様の変化をユーザに見せる時間が設けられるため、ユーザがデータのロードを体感する時間を低減することができる。なお、本実施形態においては、タイプT2の第2ゲーム空間722が選択された場合、図10及び図12に示すように、プレイヤオブジェクトの第2表示態様と第3表示態様が同じになっている。そのため、この場合には、第2ゲーム空間722に遷移する際に、第3表示態様のプレイヤオブジェクト704をロードすることが不要になる。すなわち、第3表示態様のプレイヤオブジェクト704のロード時間を無くすことができる。
【0107】
(3)本実施形態においては、第1ゲーム空間71におけるプレイヤオブジェクト701の操作方法と、第2ゲーム空間721,722におけるプレイヤオブジェクト702,703の操作方法と、が相違している。すなわち、第1ゲーム空間71では、アナログスティック32,52でプレイヤオブジェクト701を移動させるが、第2ゲーム空間721,722では、アナログスティック32,52よりも、操作ボタン33~36の方がゲームに適している場合がある。本実施形態では、上記のように、第1ゲーム空間71から第2ゲーム空間721,722に遷移する間に、第3表示態様を想起させる第2表示態様のプレイヤオブジェクト704が表示されるため、これを視認することで、ユーザは、第2ゲーム空間721,722におけるプレイに備えた準備、例えば、コントローラ3,4の持ち替えなどを行うことができる。すなわち、第1ゲーム空間71でのプレイと,第2ゲーム空間721,722でのプレイとで、操作のための最適な入力手段が相違する場合、その準備を行うことができる。
【0108】
<6.変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、適宜組み合わせることができる。
【0109】
(1)上記実施形態では、プレイヤオブジェクトが第1表示態様から第2表示態様に変化した後、暗転による遷移処理が行われ、その後、第2ゲーム空間とともに第3表示態様のプレイヤオブジェクトが表示されるが、遷移処理は暗転に限定されない。例えば、図17に示すように、第2表示態様になったプレイヤオブジェクトに対し、黒色の部分を円形状にワイプインさせるような処理を行い、画面全体が暗転した後、第2ゲーム空間721,722及びプレイヤオブジェクト702,703を表示させることができる。これにより、変化した第2表示態様のプレイヤオブジェクト704を強調することができ、ゲーム空間が遷移することをユーザに分かりやすく示すことができる。なお、このような、画面の遷移に伴う、プレイヤオブジェクトの強調処理は、ワイプインに限られず、種々の態様が可能である。また、このような処理を行う機能構成として、強調画面生成部を、ゲームプログラムに加えることができる。
【0110】
その他、遷移処理は適宜設定することができる。あるいは、第2表示態様のプレイヤオブジェクト704を所定時間表示した後、暗転や図17のような遷移処理を行うことなく、第1ゲーム空間71から第2ゲーム空間721,722へ画面を切り替えて、第2ゲーム空間721,722及びプレイヤオブジェクト702,703を表示させることができる。
【0111】
また、第2ゲーム空間721,722から第1ゲーム空間71への遷移も同様であり、上述したような種々の遷移処理を行うことができる。あるいは遷移処理を行わず、第2ゲーム空間721,722から第1ゲーム空間71へ画面の切替を行うこともできる。
【0112】
(2)上記実施形態で示した、プレイヤオブジェクトの表示態様である第1表示態様、第2表示態様、及び第3表示態様は、一例であり、種々の態様が可能である。例えば、本発明に係る第1表示態様は、必ずしも、第1ゲーム空間のような三次元空間に合わせた表示態様でなくてもよく、二次元的な表示、あるいはそれに近い表示態様でもよい。また、本発明に係る第3表示態様は、上記実施形態のように、ゲーム空間タイプに合わせて、二次元的な表示または三次元的な表示にすればよいが、必ずしもゲーム空間のタイプに合わせなくてもよく、少なくとも第1表示態様と相違していればよい。なお、三次元的な表示とは、少なくとも奥行きが視認できるような表示であり、二次元的な表示とは、奥行きが視認できず、平面でしかプレイヤオブジェクトを認識できない表示である。また、二次元的な表示に近いとは、例えば、奥行きが極めて小さく、一見すると、二次元の表示に見える表示とすることができる。
【0113】
さらに、本発明に係る第2表示態様は、上記実施形態ではタイプT1の第2ゲーム空間721に遷移する際に、ドットを組み合わせた表示にしているが、これに限定されるものではなく、第3表示態様と関連するような種々の表示態様が可能である。「第3表示態様と関連する」とは、例えば、第3表示態様を想起させるような表示態様であり、第3表示態様が二次元的な表示であれば、二次元態様、あるいは奥行きが小さい三次元態様にすることができる。あるいは、第3表示態様が三次元的な表示であっても、例えば、第2ゲーム空間721,722及び第3表示態様が、古いタイプのゲームを再現したようなゲーム空間等であれば、それに合わせて画素数が少なく見えるような表示態様にすることもでき、このような表示態様も「第3表示態様と関連する」といえる。また、第2表示態様と第3表示態様を同じにすることもでき、これも「第3表示態様と関連する」といえる。
【0114】
そして、第2表示態様と第3表示態様とが関連することで、第1ゲーム空間71から第2ゲーム空間721,722に遷移したときに、プレイヤオブジェクトが同一のキャラクタ(例えば、同一人物)のままプレイが続行されることをユーザに認識させることができる。さらには、第1ゲーム空間71でのプレイと第2ゲーム空間721,722でのプレイとが世界観的には同一線上で行われる事象であることもユーザに認識させることができる。
【0115】
(3)上記実施形態では、第1ゲーム空間71でのプレイヤオブジェクトの操作と、第2ゲーム空間721,722でのプレイヤオブジェクトの操作と、ゲームの種類によっては相違することがあるようにしている。すなわち、第2オブジェクト制御部818は、第1オブジェクト制御部812とは、異なる操作方法により、プレイヤオブジェクト702,703の操作を行わせることがあるが、これは、同じ操作を行う際に、異なる操作入力手段を使用するようにするほか、例えば、一方のゲーム空間で可能な操作が、他方のゲーム空間で操作できないような場合も含む。例えば、上述したBボタンによるダッシュのほか、ジャンプの方法などを相違させることができる。また、第2オブジェクト制御部818は、第1オブジェクト制御部812とで、一部の操作方法を同じにしたり、あるいはすべて同じ操作方法にすることもできる。
【0116】
(4)第2ゲーム空間721,722でのプレイヤオブジェクト702,703の操作方法を、ゲーム空間タイプによって異ならせることもできる。例えば、アナログスティック、操作ボタン等、各コントローラ3,4に配置された操作入力手段が異なるようにすることもできる。この点は、上述した(3)の項で示した事項を同様に適用することができる。
【0117】
(5)第2ゲーム空間721,722から第1ゲーム空間71に遷移する際に、第2ゲーム空間721,722において、プレイヤオブジェクト702,703を一旦第2表示態様704に変化させた後、第1ゲーム空間71への遷移とともに、プレイヤオブジェクトを第1表示態様で表示することもできる。この場合の第2表示態様とは、第1表示態様に関連する表示態様であり、この点は、上記(2)の項で示した事項を同様に適用することができる。
【0118】
(6)プレイヤオブジェクトは、人物に限定されず、動物、魔物、移動体(自動車等)など、移動可能なキャラクタであればよい。
【0119】
(7)上記実施形態において、本発明の情報処理装置に相当するゲームシステムは、ディスプレイ12を有しているが、これに限定されない。すなわち、本発明に係る情報処理装置は、ディスプレイを有していなくてもよく、外部のディスプレイを備えた表示装置に接続可能で、そのディスプレイに、上記各画面が表示できればよい。
【0120】
(8)本発明の情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法は、有線または無線で接続された、LANまたはインターネットのようなネットワークを介した複数人用のプレイにも適用することができる。
【符号の説明】
【0121】
1 ゲームシステム(情報処理装置)
12 ディスプレイ(表示部)
71 第1ゲーム空間
721,722 第2ゲーム空間
701 第1表示態様のプレイヤオブジェクト
702,703 第3表示態様のプレイヤオブジェクト
704 第2表示態様のプレイヤオブジェクト
85 DRAM(メモリ)
811 第1オブジェクト表示部
812 第1オブジェクト制御部
813 選択肢生成部
814 タイプ判定部
815 ロード部
816 態様変化部
817 第2オブジェクト表示部
818 第2オブジェクト制御部
図1
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