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特許7045441発光素子及びタッチ構造を含むタッチディスプレイ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】発光素子及びタッチ構造を含むタッチディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20220324BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20220324BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
G06F3/041 490
G06F3/044 124
G06F3/041 422
G06F3/041 410
G09F9/30 349Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020203949
(22)【出願日】2020-12-09
(65)【公開番号】P2021108114
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】10-2019-0176475
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】金成▲祐▼
(72)【発明者】
【氏名】李榮福
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-109963(JP,A)
【文献】特開2017-016655(JP,A)
【文献】特開2018-109768(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0339818(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に位置する発光素子と、
前記基板上に位置し、前記発光素子を少なくとも部分的に覆う封止部材と、
前記封止部材上に位置し、タッチ電極と、隣接したタッチ電極を電気的に連結する少なくとも一つのブリッジ電極とを含む、タッチ構造と、
前記タッチ電極の下であって、且つ前記ブリッジ電極の上に位置するタッチ絶縁膜とを含み、
前記タッチ絶縁膜は前記発光素子と重畳するガイド開口部を含み、
前記ガイド開口部の側面は、前記タッチ電極によって少なくとも部分的に覆われており
前記ガイド開口部の前記側面は、前記基板と反対側の前記封止部材の上面に対して、ある傾斜角を有する傾斜面であり、
前記ガイド開口部の前記側面上に位置する前記タッチ電極の一部領域は、前記基板と反対側の前記タッチ絶縁膜の上面上に位置する前記タッチ電極の一部領域より高い反射率を有する、タッチディスプレイ装置。
【請求項2】
前記タッチ電極の各々は、第1タッチ電極層と、前記第1タッチ電極層より低い反射率を有する第2タッチ電極層とを含む、積層構造を有し、
前記第2タッチ電極層は、前記タッチ絶縁膜の前記ガイド開口部から離隔している、請求項に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項3】
前記タッチ絶縁膜は有機絶縁物質を含む、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項4】
前記ガイド開口部の外側において、前記基板と反対側の前記タッチ絶縁膜の上面は平面である、請求項に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項5】
前記基板上に位置し、前記封止部材から離隔しているタッチパッドと、
前記封止部材の表面に沿って延び、前記タッチ構造を前記タッチパッドと電気的に連結するタッチルーティングラインとをさらに含み、
前記タッチパッドは、前記タッチ絶縁膜の外側に位置する、請求項に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項6】
前記ブリッジ電極は、前記発光素子の外側に位置する、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項7】
基板上に順に積層された第1発光電極、発光層及び第2発光電極を含む発光素子と、
前記発光素子の前記第2発光電極上に位置する封止部材と、
前記封止部材上に位置するタッチ絶縁膜であって、前記発光素子と重畳するガイド開口部を含むタッチ絶縁膜と、
前記封止部材と前記タッチ絶縁膜との間に位置し、前記タッチ絶縁膜の前記ガイド開口部から離隔しているブリッジ電極と、
前記基板と反対側の前記タッチ絶縁膜の上面上に位置し、前記ブリッジ電極と電気的に連結されるタッチ電極とを含み、
前記タッチ電極は、前記ガイド開口部の側面上に延び、
前記タッチ電極は、前記タッチ絶縁膜の前記上面上に位置する第1タッチ電極層と、前記ガイド開口部の前記側面上に位置する第2タッチ電極層とを含み、
前記第1タッチ電極層は、前記ガイド開口部の前記側面と前記第2タッチ電極層との間に延在し、
前記第2タッチ電極層の反射率は前記第1タッチ電極層の反射率より高い、タッチディスプレイ装置。
【請求項8】
前記タッチ電極は、前記発光素子の外側に位置する、請求項に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項9】
前記タッチ電極は多重層構造を有し、
前記タッチ絶縁膜の前記上面上における前記タッチ電極の積層構造は、前記ガイド開口部の前記側面上における前記タッチ電極の積層構造と違う、請求項に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項10】
前記第1タッチ電極層及び前記第2タッチ電極層は金属を含む、請求項に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項11】
前記基板上に位置し、前記第1発光電極の縁部を少なくとも部分的に覆うバンク絶縁膜をさらに含み、
前記バンク絶縁膜によって露出された前記第1発光電極の一部領域は、前記タッチ絶縁膜の前記ガイド開口部より小さい幅を有する、請求項に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項12】
前記ブリッジ電極は、前記バンク絶縁膜と重畳する、請求項11に記載のタッチディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光素子を覆う封止部材上にタッチ構造が位置するタッチディスプレイ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、モニター、TV、ノートブック型パソコン、デジタルカメラのような電子機器は、イメージの具現のために、ディスプレイ装置を含む。例えば、前記ディスプレイ装置は、少なくとも一つの発光素子を含むことができる。前記発光素子は、特定の色を示す光を放出することができる。例えば、前記発光素子は、第1発光電極と第2発光電極との間に位置する発光層を含むことができる。
【0003】
前記ディスプレイ装置は、使用者及び/又は道具のタッチを感知して特定のプログラムを駆動するか、特定の信号を入力することができる。例えば、前記ディスプレイ装置は、タッチ構造を含むことができる。前記タッチ構造は、タッチ電極及び隣接したタッチ電極を電気的に連結する少なくとも一つのブリッジ電極を含むことができる。前記タッチ構造は前記発光素子に近くに位置することができる。例えば、前記タッチ構造は、前記発光素子を覆う封止部材上に位置することができる。
【0004】
前記タッチ構造の前記タッチ電極及び前記ブリッジ電極は、相対的に低い抵抗を有する金属を含むことができる。例えば、前記タッチ構造の前記タッチ電極及び前記ブリッジ電極は前記発光素子から離隔することができる。前記発光素子から一定の傾斜角で放出された光は、前記タッチ電極及び/又は前記ブリッジ電極によって内側方向に反射され得る。これにより、前記ディスプレイ装置では、光抽出効率が低下し得る。
【発明の概要】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、光抽出効率を高めることができるタッチディスプレイ装置を提供することである。
本発明が解決しようとする他の課題は、各画素領域の正面輝度を向上することができるタッチディスプレイ装置を提供することである。
本発明が解決しようとする課題は前述した課題に限定されない。ここで言及しなかった課題は下記の記載から通常の技術者に明らかに理解可能であろう。
【0006】
前記解決しようとする課題を達成するための本発明の技術的思想によるタッチディスプレイ装置は素子基板を含む。素子基板上には発光素子及び封止部材が位置する。封止部材は発光素子を少なくとも部分的に覆う。封止部材上にはタッチ構造が位置する。タッチ構造は、タッチ電極及び少なくとも一つのブリッジ電極を含む。ブリッジ電極は、隣り合うタッチ電極の間を電気的に連結する。タッチ電極とブリッジ電極との間にはタッチ絶縁膜が位置する。タッチ絶縁膜はガイド開口部を含む。ガイド開口部は発光素子と重畳する。ガイド開口部の側面はタッチ電極によって少なくとも部分的に覆われる。
【0007】
ガイド開口部の側面は、素子基板と反対側の封止部材の上面に対して、ある傾斜角を有する傾斜面であり得る。
ガイド開口部の側面上に位置するタッチ電極の一部領域は、素子基板と反対側のタッチ絶縁膜の上面上に位置する該当タッチ電極の一部領域より大きい反射率を有することができる。
【0008】
各タッチ電極は、第1タッチ電極層及び第2タッチ電極層の積層構造を有することができる。第2タッチ電極層は、第1タッチ電極層より低い反射率を有することができる。第2タッチ電極層は、タッチ絶縁膜のガイド開口部から離隔することができる。
【0009】
タッチ絶縁膜は有機絶縁物質を含むことができる。
ガイド開口部の外側において、素子基板と反対側のタッチ絶縁膜の上面は平面であり得る。
素子基板上にはタッチパッドが位置することができる。タッチパッドは封止部材から離隔することができる。タッチ構造は、タッチルーティングラインによってタッチパッドと電気的に連結されることができる。タッチルーティングラインは、封止部材の表面に沿って延びることができる。
タッチパッドはタッチ絶縁膜の外側に位置することができる。
ブリッジ電極は発光素子の外側に位置することができる。
【0010】
前記解決しようとする他の課題を達成するための本発明の技術的思想によるタッチディスプレイ装置は素子基板を含む。素子基板上には、第1発光電極、発光層及び第2発光電極が順に積層される。第2発光電極上には封止部材が位置する。封止部材上にはタッチ絶縁膜が位置する。タッチ絶縁膜は、発光素子と重畳するガイド開口部を含む。封止部材とタッチ絶縁膜との間にはブリッジ電極が位置する。ブリッジ電極は、タッチ絶縁膜のガイド開口部から離隔する。素子基板と反対側のタッチ絶縁膜の上面上にはタッチ電極が位置する。タッチ電極はブリッジ電極と電気的に連結される。タッチ電極はガイド開口部の側面上に延びる。
【0011】
タッチ電極は、第1発光電極、発光層及び第2発光電極を含む発光素子の外側に位置することができる。
タッチ電極は多重層構造を有することができる。タッチ絶縁膜の上面上でのタッチ電極の積層構造はガイド開口部の側面上でのタッチ電極の積層構造と違うことができる。
タッチ絶縁膜の上面上でタッチ電極は、第1タッチ電極層、第2タッチ電極層及び第3タッチ電極層を含むことができる。ガイド開口部の側面上でタッチ電極は、第1タッチ電極層及び第2タッチ電極層を含むことができる。第3タッチ電極層の反射率は第2タッチ電極層の反射率より小さいことができる。
第2タッチ電極層は金属を含むことができる。
素子基板上にはバンク絶縁膜が位置することができる。バンク絶縁膜は第1発光電極の縁部を少なくとも部分的に覆うことができる。バンク絶縁膜によって露出された第1発光電極の一部領域は、タッチ絶縁膜のガイド開口部より小さい幅を有することができる。
ブリッジ電極はバンク絶縁膜と重畳することができる。
【0012】
本発明の技術的思想によるタッチディスプレイ装置は、発光素子を覆う封止部材上に位置するタッチ構造、及び前記タッチ構造のタッチ電極とブリッジ電極との間に位置するタッチ絶縁膜を含み、前記タッチ絶縁膜が前記発光素子と重畳するガイド開口部を含み、前記タッチ電極が前記ガイド開口部の側面を覆うことができる。これにより、本発明の技術的思想によるタッチディスプレイ装置では、前記発光素子から一定の傾斜角で放出された光が前記ガイド開口部の側面上に位置する前記タッチ電極の一部領域によって外部に反射されることができる。よって、本発明の技術的思想によるタッチディスプレイ装置では、光抽出効率及び各画素領域の正面輝度が向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置を概略的に示す図である。
図2】本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置の上面を示す図である。
図3図2のA領域を拡大した図である。
図4図2のI-I’線に沿って切断した断面を示す図である。
図5図4のP領域を拡大した図である。
図6】本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置を示す図である。
図7】本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置を示す図である。
図8】本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の前記目的と技術的構成及びこれによる作用効果についての詳細な事項は本発明の実施例を示している図面を参照する以下の詳細な説明によってより明らかに理解可能であろう。ここで、本発明の実施例は当業者に本発明の技術的思想を充分に伝達するために提供するものなので、本発明は以下で説明する実施例に限定されずに他の形態に具体化することができる。
【0015】
また、明細書全般にわたって同じ参照符号で表示した部分は同じ構成要素を意味し、図面において層又は領域の長さと厚さは便宜のために誇張して表現することができる。さらに、第1構成要素が第2構成要素「上」にあると記載する場合、前記第1構成要素が前記第2構成要素と直接接触する上側に位置する場合だけではなく、前記第1構成要素と前記第2構成要素との間に第3構成要素が位置する場合も含む。
【0016】
ここで、前記第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するためのものであり、一構成要素を他の構成要素と区別する目的で使う。ただ、本発明の技術的思想を逸脱しない範疇内で第1構成要素と第2構成要素は当業者の便宜によって任意に名付けることができる。
【0017】
本発明の明細書で使う用語はただ特定の実施例を説明するために使うものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。例えば、単数で表現した構成要素は文脈上明白に単数のみ意味しない限り、複数の構成要素を含む。また、本発明の明細書で、「含む」又は「有する」などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらの組合せなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものであると理解しなければならない。
【0018】
さらに、他に定義しない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで使う全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味がある。一般的に使われる辞書に定義されているもののような用語は関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味があるものに解釈されなければならなく、本発明の明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味に解釈されない。
【0019】
(実施例)
図1は本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置を概略的に示す図である。図2は本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置の上面を示す図である。図3図2のA領域を拡大した図である。図4図2のI-I’線に沿って切断した断面を示す図である。図5図4のP領域を拡大した図である。
【0020】
図1~5を参照すると、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、素子基板110を含むことができる。前記素子基板110は、絶縁性物質を含むことができる。例えば、前記素子基板110は、ガラス又はプラスチックを含むことができる。
【0021】
前記素子基板110上には、信号配線GL、DL、VDDが位置することができる。例えば、前記信号配線GL、DL、VDDは、ゲート信号を伝達するゲートラインGL、データ信号を伝達するデータラインDL、及び電源電圧を供給する電源電圧供給ラインVDDを含むことができる。前記信号配線GL、DL、VDDは画素領域PAを定義することができる。各画素領域PAは、前記信号配線GL、DL、VDDを介して印加された信号を用いて光を放出することができる。例えば、各画素領域PAは、駆動回路及び発光素子130を含むことができる。
【0022】
前記駆動回路は、前記ゲート信号に応じて前記データ信号に対応する駆動電流を生成することができる。例えば、前記駆動回路は、第1薄膜トランジスタT1、第2薄膜トランジスタT2、及びストレージキャパシタCstを含むことができる。前記第1薄膜トランジスタT1は、前記ゲート信号に応じて前記第2薄膜トランジスタT2をターンオン/オフすることができる。前記第2薄膜トランジスタT2は、前記データ信号に対応する駆動電流を生成することができる。前記ストレージキャパシタCstは、前記第2薄膜トランジスタT2の動作を1フレームの間に維持することができる。
【0023】
前記第1薄膜トランジスタT1及び前記第2薄膜トランジスタT2は同じ構造を有することができる。例えば、前記第2薄膜トランジスタT2は、半導体パターン121、ゲート絶縁膜122、ゲート電極123、層間絶縁膜124、ソース電極125及びドレイン電極126を含むことができる。
【0024】
前記半導体パターン121は半導体物質を含むことができる。例えば、前記半導体パターン121はシリコンを含むことができる。前記半導体パターン121は酸化物半導体であり得る。例えば、前記半導体パターン121はIGZOのような金属酸化物を含むことができる。前記半導体パターン121は、ソース領域、チャネル領域及びドレイン領域を含むことができる。前記チャネル領域は、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に位置することができる。前記ソース領域及び前記ドレイン領域は前記チャネル領域より高い電気伝導度を有することができる。
【0025】
前記ゲート絶縁膜122は前記半導体パターン121上に位置することができる。例えば、前記半導体パターン121は、前記素子基板110と前記ゲート絶縁膜122との間に位置することができる。前記ゲート絶縁膜122は前記半導体パターン121の外側に延びることができる。例えば、前記半導体パターン121の側面は前記ゲート絶縁膜122と直接接触することができる。前記ゲート絶縁膜122は絶縁性物質を含むことができる。例えば、前記ゲート絶縁膜122は、シリコン酸化物(SiO)及び/又はシリコン窒化物(SiN)を含むことができる。前記ゲート絶縁膜122は、高誘電率を有する物質(High-K material)を含むことができる。例えば、前記ゲート絶縁膜122はハフニウム酸化物(HfO)を含むことができる。前記ゲート絶縁膜122は多重層構造を有することができる。
【0026】
前記ゲート電極123は前記ゲート絶縁膜122上に位置することができる。前記ゲート電極123は前記半導体パターン121の前記チャネル領域と重畳することができる。例えば、前記半導体パターン121の前記ソース領域及び前記ドレイン領域は前記ゲート電極123の外側に位置することができる。前記ゲート電極123は導電性物質を含むことができる。例えば、前記ゲート電極123は、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)及び銅(Cu)のような金属を含むことができる。
【0027】
前記層間絶縁膜124は前記ゲート電極123上に位置することができる。前記層間絶縁膜124は前記半導体パターン121の外側に延びることができる。例えば、前記ゲート電極123の側面は前記層間絶縁膜124と直接接触することができる。前記層間絶縁膜124は絶縁性物質を含むことができる。例えば、前記層間絶縁膜124はシリコン酸化物(SiO)を含むことができる。
【0028】
前記ソース電極125は前記層間絶縁膜124上に位置することができる。前記ソース電極125は前記半導体パターン121の前記ソース領域と電気的に連結されることができる。例えば、前記ゲート絶縁膜122及び前記層間絶縁膜124は、前記半導体パターン121の前記ソース領域を部分的に露出するソースコンタクトホールを含むことができる。前記ソース電極125は、前記ソースコンタクトホールを介して前記半導体パターン121の前記ソース領域と連結されることができる。例えば、前記ソース電極125は、前記半導体パターン121の前記ソース領域と重畳する領域を含むことができる。前記ソース電極125は導電性物質を含むことができる。例えば、前記ソース電極125は、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)のような金属を含むことができる。前記ソース電極125は前記ゲート電極123と違う物質を含むことができる。
【0029】
前記ドレイン電極126は前記層間絶縁膜124上に位置することができる。前記ドレイン電極126は前記半導体パターン121の前記ドレイン領域と電気的に連結されることができる。前記ドレイン電極126は前記ソース電極125から離隔することができる。例えば、前記ゲート絶縁膜122及び前記層間絶縁膜124は、前記半導体パターン121の前記ドレイン領域を部分的に露出するドレインコンタクトホールを含むことができる。前記ドレイン電極126は、前記ドレインコンタクトホールを介して前記半導体パターン121の前記ドレイン領域と連結されることができる。例えば、前記ドレイン電極126は、前記半導体パターン121の前記ドレイン領域と重畳する領域を含むことができる。前記ドレイン電極126は導電性物質を含むことができる。例えば、前記ドレイン電極126は、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)のような金属を含むことができる。前記ドレイン電極126は、前記ソース電極125と同じ物質を含むことができる。例えば、前記ドレイン電極126は、前記ゲート電極123と違う物質を含むことができる。
【0030】
前記第1薄膜トランジスタT1のゲート電極は前記ゲートラインGLと電気的に連結されることができる。前記第2薄膜トランジスタT2の前記ゲート電極123は前記第1薄膜トランジスタT1のドレイン電極と電気的に連結されることができる。前記第1薄膜トランジスタT1のソース電極は前記データラインDLと連結されることができる。前記第2薄膜トランジスタT2の前記ソース電極125は前記電源電圧供給ラインVDDと連結されることができる。前記ストレージキャパシタCstは、前記第1薄膜トランジスタT1の前記ドレイン電極と連結される第1キャパシタ電極、及び前記第2薄膜トランジスタT2の前記ドレイン電極126と連結される第2キャパシタ電極を含むことができる。
【0031】
前記素子基板110と前記駆動回路との間には素子バッファー層111が位置することができる。例えば、前記第1薄膜トランジスタT1、前記第2薄膜トランジスタT2及び前記ストレージキャパシタCstは前記素子バッファー層111上に位置することができる。前記素子バッファー層111は、前記駆動回路の形成工程で前記素子基板110による汚染を防止することができる。前記素子バッファー層111は絶縁性物質を含むことができる。例えば、前記素子バッファー層111は、シリコン酸化物(SiO)及び/又はシリコン窒化物(SiN)を含むことができる。前記素子バッファー層111は多重層構造を有することができる。例えば、前記素子バッファー層111は、シリコン酸化物(SiO)からなる絶縁膜及びシリコン窒化物(SiN)からなる絶縁膜の積層構造を有することができる。
【0032】
前記駆動回路上には下部保護膜112が位置することができる。前記下部保護膜112は、外部の水分及び衝撃による前記駆動回路の損傷を防止することができる。前記下部保護膜112は、前記素子基板110と反対側の前記駆動回路の表面に沿って延びることができる。前記下部保護膜112は前記駆動回路の外側に延びることができる。例えば、前記下部保護膜112は、前記第2薄膜トランジスタT2の前記ソース電極125及び前記ドレイン電極126を覆うことができる。前記下部保護膜112は絶縁性物質を含むことができる。前記下部保護膜112は無機絶縁物質を含むことができる。例えば、前記下部保護膜112は、シリコン酸化物(SiO)又はシリコン窒化物(SiN)を含むことができる。
【0033】
前記下部保護膜112上にはオーバーコート層113が位置することができる。前記オーバーコート層113は前記駆動回路による段差を除去することができる。例えば、前記第2薄膜トランジスタT2による段差は前記オーバーコート層113によって除去することができる。前記素子基板110と反対側の前記オーバーコート層113の表面は平面であり得る。前記オーバーコート層113は絶縁性物質を含むことができる。前記オーバーコート層113は、相対的に流動性の大きい物質を含むことができる。例えば、前記オーバーコート層113は有機絶縁物質を含むことができる。
【0034】
前記発光素子130は前記オーバーコート層113上に位置することができる。前記発光素子130は特定の色を示す光を放出することができる。例えば、前記発光素子130は、前記オーバーコート層113上に順に積層された第1発光電極131、発光層132及び第2発光電極133を含むことができる。
【0035】
前記第1発光電極131は導電性物質を含むことができる。前記第1発光電極131は、相対的に反射率の高い物質を含むことができる。例えば、前記第1発光電極131は、アルミニウム(Al)及び銀(Ag)のような金属を含むことができる。前記第1発光電極131は多重層構造を有することができる。例えば、前記第1発光電極131は、ITO及びIZOのような透明な導電性物質から形成された透明電極の間に金属から形成された反射電極が位置する構造を有することができる。
【0036】
前記発光層132は、前記第1発光電極131と前記第2発光電極133との間の電圧差に対応する輝度の光を生成することができる。例えば、前記発光層132は発光物質を含む発光物質層(Emission Material Layer;EML)であり得る。前記発光物質は、有機物質、無機物質又はハイブリッド物質を含むことができる。例えば、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、有機物質の発光層132を含む有機電界発光表示装置であり得る。
【0037】
前記第2発光電極133は導電性物質を含むことができる。前記第2発光電極133は、前記第1発光電極131と違う物質を含むことができる。例えば、前記第2発光電極133は、ITO及びIZOのような透明な導電性物質から形成された透明電極であり得る。これにより、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、前記発光層132によって生成された光が前記第2発光電極133を介して放出されることができる。
【0038】
前記発光素子130は、前記第1発光電極131と前記発光層132との間及び/又は前記発光層132と前記第2発光電極133との間に位置する発光機能層をさらに含むことができる。前記発光機能層は、正孔注入層(Hole Injection Layer;HIL)、正孔輸送層(HoleTransmittingLayer;HTL)、電子輸送層(Electron Transmitting Layer;ETL)及び電子注入層(Electron Injection Layer;EIL)の少なくとも一つを含むことができる。これにより、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、前記発光素子130の発光効率が向上することができる。
【0039】
各画素領域PAの前記発光素子130は該当画素領域PAの前記駆動回路と電気的に連結されることができる。例えば、前記下部保護膜112及び前記オーバーコート層113は、各駆動回路の前記第2薄膜トランジスタT2を部分的に露出する電極コンタクトホールを含むことができる。各画素領域PAの前記第1発光電極131は、該当電極コンタクトホールを介して該当画素領域PAの前記第2薄膜トランジスタT2と電気的に連結されることができる。例えば、各発光素子130の前記第1発光電極131は、該当第2薄膜トランジスタT2の前記ドレイン電極126と電気的に連結されることができる。
【0040】
各画素領域PAの前記発光素子130は、隣接した画素領域PAの前記発光素子130と独立的に制御されることができる。例えば、各画素領域PAの前記第1発光電極131は、隣接した画素領域PAの前記第1発光電極131と絶縁されることができる。各画素領域PAの前記第1発光電極131は、隣接した画素領域PAの前記第1発光電極131から離隔することができる。隣り合う第1発光電極131間の空間にはバンク絶縁膜114が位置することができる。前記バンク絶縁膜114は絶縁性物質を含むことができる。例えば、前記バンク絶縁膜114は有機絶縁物質を含むことができる。前記バンク絶縁膜114は前記オーバーコート層113上に位置することができる。例えば、前記バンク絶縁膜114は、隣り合う第1発光電極131の間で前記オーバーコート層113と直接接触することができる。前記バンク絶縁膜114は、前記オーバーコート層113と違う物質を含むことができる。前記バンク絶縁膜114はそれぞれの第1発光電極131の縁部を覆うことができる。例えば、各画素領域PAの前記発光層132及び前記第2発光電極133は、前記バンク絶縁膜114によって露出された該当第1発光電極131の一部領域上に積層されることができる。
【0041】
各画素領域PAは、隣接した画素領域PAと違う色を具現することができる。例えば、各画素領域PAの前記発光層132は、隣接した画素領域PAの前記発光層132と違う物質を含むことができる。各画素領域PAの前記発光層132は、隣接した画素領域PAの前記発光層132から離隔することができる。例えば、各画素領域PAの前記発光層132は、前記バンク絶縁膜114上に位置する端部を含むことができる。各画素領域PAの前記発光層132は、隣接した画素領域PAの前記発光層132と違う工程によって形成されることができる。例えば、各画素領域PAの前記発光層132は、微細金属マスク(Fine Metal Mask;FMM)を用いる蒸着工程によって形成されることができる。
【0042】
各画素領域PAの前記第2発光電極133には、隣接した画素領域PAの前記第2発光電極133と同じ電圧が印加されることができる。例えば、各画素領域PAの前記第2発光電極133は、隣接した画素領域PAの前記第2発光電極133と電気的に連結されることができる。各画素領域PAの前記第2発光電極133は、隣接した画素領域PAの前記第2発光電極133と同じ物質を含むことができる。各画素領域PAの前記第2発光電極133は、隣接した画素領域PAの前記第2発光電極133と接触することができる。例えば、各画素領域PAの前記第2発光電極133は前記バンク絶縁膜114上に延びることができる。
【0043】
各画素領域PAの前記発光素子130は、隣接した画素領域PAの前記発光素子130と同じ積層構造を有することができる。例えば、各画素領域PAの前記発光素子130は、隣接した画素領域PAの前記発光素子130と同じ発光機能層を含むことができる。各画素領域PAの前記発光機能層は、隣接した画素領域PAの前記発光機能層と連結されることができる。例えば、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、前記正孔注入層、前記正孔輸送層、前記電子輸送層及び前記電子注入層の少なくとも一つが前記バンク絶縁膜114上に延びることができる。
【0044】
各画素領域PAの前記発光素子130上には封止部材140が位置することができる。前記封止部材140は、外部水分及び衝撃による前記発光素子130の損傷を防止することができる。前記封止部材140は前記第2発光電極133の外側に延びることができる。例えば、前記封止部材140は、前記オーバーコート層113、前記バンク絶縁膜114及び前記発光素子130を覆うことができる。
【0045】
前記封止部材140は多重層構造を有することができる。例えば、前記封止部材140は、前記第2発光電極133上に順に積層された第1封止層141、第2封止層142及び第3封止層143を含むことができる。前記第1封止層141、前記第2封止層142及び前記第3封止層143は絶縁性物質を含むことができる。前記第2封止層142は、前記第1封止層141及び前記第3封止層143と違う物質を含むことができる。例えば、前記第1封止層141及び前記第3封止層143は無機絶縁物質を含み、前記第2封止層142は有機絶縁物質を含むことができる。これにより、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、外部の水分及び衝撃による前記発光素子130の損傷を効果的に防止することができる。前記発光素子130による段差は前記第2封止層142によって除去することができる。例えば、前記素子基板110と反対側の前記封止部材140の上面は、前記素子基板110の表面に平行であり得る。
【0046】
前記封止部材140上にはタッチ構造310、320が位置することができる。前記タッチ構造310、320は、使用者又は道具のタッチを感知することができる。例えば、各タッチ構造310、320は、タッチ電極311、321及びブリッジ電極312、322を含むことができる。各ブリッジ電極312、322は、隣り合うタッチ電極311、321の間を電気的に連結することができる。前記封止部材140と前記タッチ構造310、320との間にはタッチバッファー膜200が位置することができる。前記タッチバッファー膜200は、前記タッチ構造310、320の形成工程による前記発光素子130及び前記封止部材140の損傷を防止することができる。前記タッチバッファー膜200は絶縁性物質を含むことができる。例えば、前記タッチバッファー膜200は、シリコン窒化物(SiN)及び/又はシリコン酸化物(SiO)を含むことができる。
【0047】
前記タッチ電極311、321は導電性物質を含むことができる。前記タッチ電極311、321は相対的に抵抗の低い物質を含むことができる。前記タッチ電極311、321は相対的に反射率の高い物質を含むことができる。例えば、前記タッチ電極311、321はアルミニウム(Al)のような金属を含むことができる。
【0048】
前記ブリッジ電極312、322は導電性物質を含むことができる。前記ブリッジ電極312、322は相対的に抵抗の低い物質を含むことができる。例えば、前記ブリッジ電極312、322は、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)及び銅(Cu)のような金属を含むことができる。
【0049】
前記タッチ電極311、321及び前記ブリッジ電極312、322は前記発光素子130の外側に位置することができる。前記タッチ電極311、321及び前記ブリッジ電極312、322は前記発光素子130から離隔することができる。例えば、前記タッチ電極311、321及び前記ブリッジ電極312、322は前記バンク絶縁膜114と重畳することができる。各タッチ電極311、321はメッシュ状であってもよい。これにより、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、前記発光素子130から前記素子基板110の表面に垂直な方向に放出された光が前記タッチ電極311、321及び前記ブリッジ電極312、322によって遮断されないことができる。また、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、各画素領域PAの前記発光素子130から隣接した画素領域PAの方向に放出された光が前記タッチ電極311、321及び前記ブリッジ電極312、322によって遮断されることができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、隣接画素領域PAから放出された光の混じりによるイメージの品質低下を防止することができる。
【0050】
前記タッチ構造310、320は、第1タッチ構造310及び第2タッチ構造320から構成されることができる。それぞれの第1タッチ構造310は、第1タッチ電極311及び少なくとも一つの第1ブリッジ電極312を含むことができる。前記第1タッチ電極311は、前記第1ブリッジ電極312によって第1方向に連結されることができる。それぞれの第2タッチ構造320は、第2タッチ電極321及び少なくとも一つの第2ブリッジ電極322を含むことができる。前記第2タッチ電極321は、前記第2ブリッジ電極322によって前記第1方向に垂直な第2方向に連結されることができる。前記第2タッチ電極321は前記第1タッチ電極311に平行に位置することができる。例えば、前記第2タッチ電極321は前記第1タッチ電極311と同じ層上に位置することができる。前記第2ブリッジ電極322は前記第1ブリッジ電極312と交差することができる。前記第2ブリッジ電極322は前記第1ブリッジ電極312と絶縁されることができる。例えば、前記第2ブリッジ電極322は前記第1ブリッジ電極312と違う層上に位置することができる。
【0051】
前記第1ブリッジ電極312と前記第2ブリッジ電極322との間にはタッチ絶縁膜340が位置することができる。前記第2ブリッジ電極322は、前記タッチバッファー膜200と前記タッチ絶縁膜340との間に位置することができる。前記第1タッチ電極311及び前記第2タッチ電極321は前記タッチ絶縁膜340上に位置することができる。例えば、前記第1ブリッジ電極312は、前記第1タッチ電極311及び前記第2タッチ電極321と同じ物質を含むことができる。前記第1ブリッジ電極312は、前記第1タッチ電極311と直接接触することができる。前記第2ブリッジ電極322は前記第1ブリッジ電極312と違う物質を含むことができる。前記タッチ絶縁膜340は、前記第2ブリッジ電極322の一部領域を露出するタッチコンタクトホールを含むことができる。前記第2タッチ電極321は、前記タッチコンタクトホールを介して前記第2ブリッジ電極322と連結されることができる。
【0052】
前記タッチ絶縁膜340は絶縁性物質を含むことができる。前記タッチ絶縁膜340は、前記第2ブリッジ電極322による段差を除去することができる。例えば、前記素子基板110と反対側の前記タッチ絶縁膜340の上面は平面であり得る。前記タッチ絶縁膜340は有機絶縁物質を含むことができる。
【0053】
前記タッチ絶縁膜340は、各発光素子130と重畳する多数のガイド開口部340hを含むことができる。各ガイド開口部340hの側面340sは前記タッチ電極311、321によって覆われることができる。これにより、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、各画素領域PAの前記発光素子130から該当ガイド開口部340hの前記側面340sの方向に放出された光L2が該当画素領域PAの内側方向に反射されることができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、光抽出効率が向上することができる。
【0054】
各ガイド開口部340hの前記側面340sは、前記封止部材140の前記上面に対して、ある傾斜角を有する傾斜面であり得る。例えば、各ガイド開口部340hの幅W2は、前記封止部材140から遠くなるほど増加することができる。すなわち、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、各ガイド開口部340hの前記側面340sによって反射された光による干渉を防止することができる。これにより、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、各ガイド開口部340hの前記側面340sで反射された光による各画素領域PAの正面輝度が効果的に向上することができる。
【0055】
各ガイド開口部340hの幅W2は、前記バンク絶縁膜114によって露出された該当第1発光電極131の一部領域の幅W1より大きくてもよい。例えば、各発光素子130から一定値以下の傾斜を有する光L1は、該当ガイド開口部340hを通過して外部に放出されることができる。これにより、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、各発光素子130から放出される光L1の放出角度を前記タッチ構造310、320によって決定することができる。よって、本発明の実施例によるディスプレイ装置では、前記タッチ絶縁膜340の前記ガイド開口部340hによって視野角を制御することができる。
【0056】
前記素子基板110上にはパッド104、304が位置することができる。前記パッド104、304は前記封止部材140から離隔することができる。例えば、前記パッド104、304は前記封止部材140の外側に位置することができる。前記封止部材140と前記パッド104、304との間には少なくとも一つのダム106が位置することができる。前記ダム106は、相対的に高い流動性を有する前記第2封止層142の流れを遮断することができる。例えば、前記ダム106は、前記第2封止層142によって覆われる領域を定義することができる。前記ダム106は前記素子基板110の縁部に沿って延びることができる。前記ダム106は絶縁性物質を含むことができる。前記ダム106は、前記素子基板110と前記発光素子130との間に形成される絶縁膜の一つと同じ物質を含むことができる。例えば、前記ダム106は前記オーバーコート層113と同時に形成されることができる。
【0057】
前記パッド104、304は、表示パッド104及びタッチパッド304から構成されることができる。各表示パッド104は、前記信号配線GL、DL、VDDの一つと電気的に連結されることができる。前記表示パッド104は導電性物質を含むことができる。前記表示パッド104は、前記駆動回路を構成する電極のいずれか一つと同じ物質を含むことができる。例えば、前記表示パッド104は、前記第2薄膜トランジスタT2の前記ソース電極125及び前記ドレイン電極126と同時に形成されることができる。
【0058】
各タッチパッド304は前記タッチ構造310、320の一つと電気的に連結されることができる。例えば、各タッチ構造310、320は、前記封止部材140の表面に沿って延びるタッチルーティングライン330の一つを介して該当タッチパッド304と電気的に連結されることができる。各タッチルーティングライン330は、該当タッチ構造310、320の前記タッチ電極311、321と同じ物質を含むことができる。例えば、前記タッチルーティングライン330は前記タッチ電極311、321と同時に形成されることができる。前記各タッチルーティングライン330は該当タッチ構造310、320の前記タッチ電極311、321と直接接触することができる。
【0059】
各タッチパッド304は多重層構造を有することができる。例えば、各タッチパッド304は、前記表示パッド104と同じ層上に位置する下部パッド層304a、及び前記タッチルーティングライン330と同じ層上に位置する上部パッド層304bを含むことができる。前記下部パッド層304aは前記表示パッド104と同じ物質を含むことができる。前記上部パッド層304bは前記タッチルーティングライン330と同じ物質を含むことができる。例えば、各タッチパッド304の前記上部パッド層304bは該当タッチルーティングライン330と直接連結されることができる。前記下部保護膜112及び前記タッチバッファー膜200は前記ダム106の外側に延びることができる。例えば、前記下部保護膜112及び前記タッチバッファー膜200は、各タッチパッド304の前記下部パッド層304aを部分的に露出するパッドコンタクトホールを含むことができる。各タッチパッド304の前記上部パッド層304bは、該当パッドコンタクトホール内で該当タッチパッド304の前記下部パッド層304aと直接接触することができる。
【0060】
前記表示パッド104及び前記タッチパッド304は前記タッチ絶縁膜340の外側に位置することができる。前記タッチ絶縁膜340は前記表示パッド104及び前記タッチパッド304から離隔することができる。例えば、前記タッチ絶縁膜340は前記ダム106によって定義された領域内のみに位置することができる。これにより、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、各タッチパッド304の前記下部パッド層304aと前記上部パッド層304bとの間に前記タッチ絶縁膜340による段差が形成されないことができる。すなわち、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、各タッチパッド304の前記下部パッド層304aを部分的に露出する前記パッドコンタクトホールの深さが前記タッチ絶縁膜340の厚さに関係ないことができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、各タッチパッド304の前記下部パッド層304aと前記上部パッド層304bが安定的に連結されることができる。
【0061】
結果として、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、発光素子130を覆う封止部材140上に位置する第1タッチ構造310及び第2タッチ構造320を含み、それぞれの第1タッチ構造310の第1ブリッジ電極312とそれぞれの第2タッチ構造320の第2ブリッジ電極322との間を絶縁するタッチ絶縁膜340が前記発光素子130と重畳するガイド開口部340hを含み、各ガイド開口部340hの側面340sが前記タッチ構造310、320のタッチ電極311、321によって覆われることができる。これにより、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、光抽出効率及び各画素領域PAの正面輝度が向上することができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、イメージの品質が向上することができる。
【0062】
図6図4のK領域を拡大した図である。図4及び図6を参照すると、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、各タッチ電極311、321が多重層構造を有することができる。例えば、各タッチ電極311、321は、前記タッチ絶縁膜340上に順に積層された第1タッチ電極層321a、第2タッチ電極層321b及び第3タッチ電極層321cを含むことができる。前記第1タッチ電極層321a、前記第2タッチ電極層321b及び前記第3タッチ電極層321cは導電性物質を含むことができる。前記第1タッチ電極層321a、前記第2タッチ電極層321b及び前記第3タッチ電極層321cは互いに異なる物質を含むことができる。例えば、前記第1タッチ電極層321aは、相対的に前記タッチ絶縁膜340と接着性の良い物質を含むことができる。前記第3タッチ電極層321cは、前記第2タッチ電極層321bより低い反射率を有する物質を含むことができる。例えば、前記第1タッチ電極層321a及び前記第3タッチ電極層321cはチタン(Ti)を含み、前記第2タッチ電極層321bはアルミニウム(Al)を含むことができる。
【0063】
前記素子基板110と反対側の前記タッチ絶縁膜340の上面上の前記タッチ電極311、321の積層構造は、各ガイド開口部340hの前記側面340s上の前記タッチ電極311、321の積層構造と違うことができる。例えば、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置では、各ガイド開口部340hの前記側面340s上に前記第3タッチ電極層321cが形成されなくてもよい。これにより、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置では、前記ガイド開口部340hの前記側面340s上に位置する各タッチ電極311、321の一部領域が、前記素子基板110と反対側の前記タッチ絶縁膜340の上面上に位置する該当タッチ電極311、321の一部領域より大きい反射率を有することができる。よって、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置では、前記タッチ電極311、321による外光反射を防止し、各ガイド開口部340hの前記側面340sを用いて光抽出効率及び各画素領域PAの正面輝度が向上することができる。
【0064】
本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、各ガイド開口部340hの側面340s上で前記タッチ電極311、321が相対的に少ない積層数を有するものとして説明する。しかし、本発明のさらに他の実施例によるタッチディスプレイ装置では、各タッチ電極311、321が、各ガイド開口部340hの前記側面340s上において、前記素子基板110と反対側の前記タッチ絶縁膜340の上面より多い層が積層された構造を有することができる。例えば、図7に示したように、本発明のさらに他の実施例によるタッチディスプレイ装置では、各タッチ電極311、321が低抵抗金属層321a及び反射電極層321dを含むことができる。前記低抵抗金属層321aは前記タッチ絶縁膜340の表面に沿って延びることができる。前記反射電極層321dは各ガイド開口部340hの前記側面340sと重畳することができる。前記低抵抗金属層321aは各ガイド開口部340hの前記側面340sと前記反射電極層321dとの間で延びることができる。前記反射電極層321dは、前記素子基板110と反対側の前記タッチ絶縁膜340の上面上に位置する端部を含むことができる。例えば、各タッチ電極311、321の前記反射電極層321dは前記ブリッジ電極312、322の外側に位置することができる。
【0065】
前記低抵抗金属層321aは、相対的に低い抵抗を有する物質を含むことができる。例えば、前記低抵抗金属層321aは、クロム(Cr)、銅(Cu)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)のような金属を含むことができる。前記反射電極層321dは相対的に高い反射率を有する物質を含むことができる。例えば、前記反射電極層321dは、アルミニウム(Al)及び銀(Ag)を含むことができる。前記反射電極層321dの反射率は前記低抵抗金属層321aの反射率より高いことができる。これにより、本発明のさらに他の実施例によるタッチディスプレイ装置では、領域別に反射率が異なるタッチ電極311、321の形成工程に対する自由度が向上することができる。また、本発明のさらに他の実施例によるタッチディスプレイ装置では、前記タッチ電極311、321による外光反射を最少化し、前記ガイド開口部340hの前記側面340s上で前記タッチ電極311、321による反射を最大化することができる。
【0066】
本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、各タッチ電極311、321の端部が前記バンク絶縁膜114と重畳するものとして説明する。しかし、図8に示したように、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置では、各ガイド開口部340h内で前記タッチ電極321間の距離が前記バンク絶縁膜114によって露出されたそれぞれの第1発光電極131の一部領域の幅W3と同一であっても良い。これにより、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置では、前記タッチ電極321によって視野角を制御することができる。例えば、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記タッチ電極321を用いて狭視野角を具現することができる。よって、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置では、使用者に提供されるイメージの品質が向上することができる。
【符号の説明】
【0067】
110 素子基板
130 発光素子
140 封止部材
200 タッチバッファー膜
310 第1タッチ構造
311 第1タッチ電極
312 第1ブリッジ電極
320 第2タッチ構造
321 第2タッチ電極
322 第2ブリッジ電極
340 タッチ絶縁膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8