(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/51 20200101AFI20220324BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20220324BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/10
(21)【出願番号】P 2020536059
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(86)【国際出願番号】 KR2019015076
(87)【国際公開番号】W WO2020149503
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2020-06-26
(31)【優先権主張番号】10-2019-0005861
(32)【優先日】2019-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(72)【発明者】
【氏名】イム,ハンイル
(72)【発明者】
【氏名】キム,テフン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ヒョンジン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジェソン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ジュンホ
【審査官】比嘉 貴大
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/114849(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/137505(WO,A1)
【文献】特表2018-534913(JP,A)
【文献】特表2018-532250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/51
A24F 40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
エアロゾル生成物質を保存するカートリッジ、及び前記エアロゾル生成物質を気化させる霧化部を含むカトマイザと、
前記カートリッジの一側面に接する位置に配置される少なくとも1対の電極と、
前記エアロゾル生成物質の残量を検出するために、前記電極の
第1の静電容量を測定するセンサと、を含
み、
前記カトマイザは、
前記カートリッジの底面に配置される少なくとも1対の底面電極をさらに含む、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記霧化部に電力を供給するバッテリと、
前記センサによって測定される
前記第1の静電容量から
前記残量を検出し、
且つ、前記底面電極の第2の静電容量から前記カートリッジの傾きを検出したうえで、前記残量を前記傾きに応じて補正して、補正された前記残量に基づき、前記霧化部に供給される電力を制御する制御部と、をさらに含む請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記一側面は、
前記エアロゾル生成装置に具備され、前記カトマイザを収容する収容空間の内部表面に、前記カートリッジが接する面を示す請求項1
又は2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記カトマイザは、
前記エアロゾル生成装置から脱着可能である請求項1
~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記電極は、
前記一側面の第1方向に延長される細長型であり、前記一側面の第2方向に沿って配列され、
前記第1方向及び前記第2方向は、互いに直交する請求項1
~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記電極は、
それぞれのペアを構成する2つの電極が離隔される間隔が、前記それぞれのペアごとに異なる請求項1
~5のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記電極は、
2n個の電極で構成されるn個のペアを含み、
前記nは、自然数である請求項1
~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記センサは、
前記電極を構成する少なくとも1つのペアの個数に対応する個数で構成される少なくとも1つのチャネルを含むことを特徴とする請求項1
~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記霧化部は、
前記エアロゾル生成物質を前記カートリッジの外部に移送する芯と、
前記芯に沿って移送されるエアロゾル生成物質を加熱するコイルと、を含むことを特徴とする請求項1
~8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
エアロゾル生成方法において、
エアロゾル生成物質を保存するカートリッジの一側面に接する位置に配置される少なくとも1対の電極の
第1の静電容量を測定する段階と、
前記カートリッジの底面に配置される少なくとも1対の底面電極の第2の静電容量を測定する段階と、
前記第2の静電容量から、前記カートリッジの傾きを検出する段階と、
前記
第1の静電容量から、前記エアロゾル生成物質の残量を検出
し、前記残量を前記カートリッジの傾きに応じて補正する段階と、
前記傾きに応じて補正された前記残量に基づき、前記エアロゾル生成物質を気化させる霧化部に供給される電力を制御する段階と、を含む、エアロゾル生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置及びその方法に関し、さらに詳細には、カートリッジの一側面に配置される電極の静電容量を測定し、エアロゾル生成物質の残量を検出するエアロゾル生成装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服するための代替方法への需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成する方式ではなく、液状のエアロゾル生成物質を加熱し、エアロゾルを生成する方式への需要が増大している。それにより、液状のエアロゾル生成物質を加熱するエアロゾル生成装置に対する研究が活発に進められている。
【0003】
該エアロゾル生成装置は、カートリッジに保存される液状のエアロゾル生成物質を加熱し、エアロゾルを生成することができる。該エアロゾル生成装置が正常に動作するためには、エアロゾル生成物質がカートリッジに残留する量が検出されることが要求される。
【0004】
該エアロゾル生成物質の残量が検出されえない場合、エアロゾル生成装置が使用可能であるかということが確認されず、ユーザの不都合を引き起こしてしまう。また、残量により、エアロゾル生成物質が加熱される程度が異なるようにも要求され、残量が検出されえない場合、エアロゾルの提供が不均質になってしまう。
【0005】
従って、ユーザに、エアロゾル生成装置が使用可能であるか否かということを知らせ、エアロゾルがさらに均質に提供されるようにするために、エアロゾル生成物質の残量を正確に測定するための技術が要求されるのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
エアロゾル生成装置及びその方法が提供される。ただし、エアロゾル生成装置及びその方法に関する技術的課題以外にも、以下の実施形態から他の技術的課題が類推されるのである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一側面によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を保存するカートリッジ、及び前記エアロゾル生成物質を気化させる霧化部を含むカトマイザ(cartomizer);前記カートリッジの一側面に接する位置に配置される少なくとも1対の電極;及び前記エアロゾル生成物質の残量を検出するために、前記電極の静電容量(capacitance)を測定するセンサを含んでもよい。
【0008】
他の側面によるエアロゾル生成方法は、エアロゾル生成物質を保存するカートリッジの一側面に接する位置に配置される少なくとも1対の電極の静電容量を測定する段階と、前記静電容量から、前記エアロゾル生成物質の残量を検出する段階と、前記残量に基づき、前記エアロゾル生成物質を気化させる霧化部に供給される電力を制御する段階と、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0009】
カートリッジの一側面に接する位置に配置される少なくとも1対の電極の静電容量を測定することにより、エアロゾル生成物質の残量が測定されもする。特に、電極が、多様な配列により、カートリッジの一側面にも配置され、残量が測定される正確度が向上する。
【0010】
エアロゾル生成物質の残量が正確に測定されることにより、エアロゾル生成装置の使用いかんに関する情報がユーザに提供され、便宜性が増大する。また、エアロゾル生成装置が、測定される残量に基づき、エアロゾル生成物質を加熱する程度を調整することができるので、エアロゾル生成装置から、エアロゾルがさらに均質に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】エアロゾル生成装置の一例を示す構成図である。
【
図2】少なくとも1対の電極の静電容量が決定される方式の一例について説明するための図面である。
【
図3A】少なくとも1対の電極が配列される方式の一例を示す図面である。
【
図3B】少なくとも1対の電極が配列される方式の一例を示す図面である。
【
図4A】少なくとも1対の電極が配列される方式の他の例を示す図面である。
【
図4B】少なくとも1対の電極が配列される方式の他の例を示す図面である。
【
図5】少なくとも1対の底面電極の一例を示す図面である。
【
図6】少なくとも1対の電極の静電容量を測定するセンサの一例を示す図面である。
【
図7】エアロゾル生成装置の構成要素が配置される方式の一例について説明するための図面である。
【
図8】バッテリ及び制御部をさらに含むエアロゾル生成装置の一例を示す構成図である。
【
図9】カートリッジが傾く場合、残量が補正される方式の一例について説明するための図面である。
【
図10】カトマイザがエアロゾル生成装置に収容される方式の一例について説明するための図面である。
【
図11】エアロゾル生成方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付された図面を参照しながら、ただ、例示のための実施形態について詳細に説明する。以下の説明は、本実施形態を具体化させるためのものであるのみ、発明の権利範囲を制限したり限定したりするものではないということは言うまでもない。詳細な説明及び実施形態から、当該技術分野の専門家が容易に類推することができることは、権利範囲に属すると解釈される。
【0013】
本明細書で使用される「構成される」または「含む」というような用語は、明細書上に記載されたさまざまな構成要素、またはさまざまな段階を、必ずしもいずれも含むものであると解釈されるものではなく、そのうち一の部構成要素または一部段階は、含まれなかったり、追加的な構成要素または段階がさらに含まれたりもすると解釈されなければならない。
【0014】
本明細書で使用される「第1」または「第2」というような序数を含む用語は、多様な構成要素についての説明に使用されるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されるものではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するための目的のみに使用される。
【0015】
本明細書で使用される用語は、本発明における機能を考慮し、可能な限り、現在汎用される一般的な用語によって選択されたが、それは、当分野の当業者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、その意味を詳細に記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0016】
本実施形態は、エアロゾル生成装置及びその方法に関するものであり、以下の実施形態が属する技術分野において当業者に広く知られている事項については、詳細な説明を省略する。
【0017】
図1は、エアロゾル生成装置の一例を示す構成図である。
【0018】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、カトマイザ(cartomizer)110、少なくとも1対の電極120、及びセンサ130を含んでもよい。ただし、それらに制限されるものではなく、
図1に図示される構成要素以外に、他の汎用的な構成要素が装置100にさらに含まれてもよい。
【0019】
カトマイザ110は、エアロゾル生成物質を保存するカートリッジ111、及びエアロゾル生成物質を気化させる霧化部112を含んでもよい。装置100は、カトマイザ110を介して、エアロゾル生成物質からエアロゾルを生成することができる。カトマイザ110によって生成されるエアロゾルは、ユーザにも伝達される。なお、カトマイザ110は、蒸気化器または霧化器(atomizer)とも称される。
【0020】
エアロゾル生成物質は、液状組成物及びエアロゾル形成剤を含んでもよい。液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メンソール、ペパーミント、スぺアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよく、香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供することができる成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも一つが混合されものでもあるが、それらに制限されるものではない。
【0021】
エアロゾル形成剤は、装置100から提供されるエアロゾルの煙霧量を増大させることができる。例えば、エアロゾル形成剤は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含んでもよいが、それらに制限されるものではない。また、エアロゾル形成剤には、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質が含有され、メンソールまたは保湿剤のような加香液がさらに含まれてもよい。
【0022】
カートリッジ111は、エアロゾル生成物質を保存することができる。装置100に対する喫煙が行われる場合、装置100から生成されるエアロゾルがユーザに伝達され、それにより、カートリッジ111に保存されるエアロゾル生成物質が消耗され、カートリッジ111にエアロゾル生成物質が残留する量が減少する。
【0023】
エアロゾル生成物質の残量が変更される場合、エアロゾル生成物質を気化させるための加熱特性も、変更が要求される。また、エアロゾル生成物質の残量が不足する場合、喫煙最中、エアロゾルの提供が中断されたり、装置100からエアロゾルが生成されなかったりもする。従って、カートリッジ111内部の残量検出が要求される。一方、カートリッジ111は、カトマイザ110から脱着/付着されるようにも作製され、カトマイザ110と一体にも作製される。
【0024】
カートリッジ111は、多様な形状にも作製される。カートリッジ111は、液状のエアロゾル生成物質を保存するための内部空間、及び内部空間をなす壁面を含んでもよい。例えば、カートリッジ111は、底面、天井面及び側面によって構成される内部空間を有する柱状でもある。ただし、それに制限されるものではなく、カートリッジ111は、液状のエアロゾル生成物質を保存することができる他の形状にも具現される。
【0025】
霧化部112は、エアロゾル生成物質を気化させることができる。霧化部112は、カートリッジ111に保存されるエアロゾル生成物質を加熱することにより、エアロゾル生成物質を気化させることができる。例えば、霧化部112は、エアロゾル生成物質をカートリッジ111の外部に移送し、外部に移送されるエアロゾル生成物質を加熱することができる。
【0026】
霧化部112は、液状伝達手段及び加熱要素を含んでもよい。該液状伝達手段は、エアロゾル生成物質をカートリッジ111の外部に移送するための手段でもあり、該加熱要素は、液状伝達手段によってカートリッジ111の外部に伝達されるエアロゾル生成物質を加熱するための要素でもある。例えば、該液状伝達手段は、エアロゾル生成物質をカートリッジ111の外部に移送する芯(wick)でもあり、該加熱要素は、芯に沿って移送されるエアロゾル生成物質を加熱するコイル(coil)でもある。
【0027】
具体的には、該芯は、毛細管現象を介して、エアロゾル生成物質を移送する綿ファイバ、セラミックスファイバ、ガラスファイバ及び多孔性セラミックスのうち少なくとも一つでもあり、該コイルは、芯に巻き取られる形状に配置され、供給される電流によって発熱するニクロム線のような伝導性フィラメントを含んでもよいが、それらに制限されるものではない。
【0028】
カトマイザ110は、装置100からも脱着される。カトマイザ110は、装置100に結合され、エアロゾルを生成することができ、装置100から分離されもする。例えば、カトマイザ110は、装置100の使用によって周期的に交換される消耗品でもある。カトマイザ110のカートリッジ111に保存されるエアロゾル生成物質が全部消耗される場合、ユーザにより、カトマイザ110が交換される。
【0029】
電極120は、少なくとも1つのペア(pair)を形成することができる。該ペアは、第1電極及び第2電極が対をなす1対の電極を意味する。電極120は、二つの電極ごとに1つの単位としてペアをなすように配置されることができる。例えば、自然数nにおいて、電極120は、2n犬の電極で構成されるn犬のペアを含んでもよい。電極120は、1つのペアをなす2つの電極でもあり、n個のペアをなす2n個の電極でもある。さらに詳細には、電極120は、16個以下のペアによっても構成される。または、電極120は、4個のペアによっても構成される。
【0030】
電極120は、カートリッジ111の一側面に接する位置にも配置される。電極120は、カートリッジ111の内部空間を形成する複数の面のうちいずれか1つの面に接触するように位置することができる。例えば、カートリッジ111が、底面、天井面、及び四つの側面によって内部空間が形成される四角柱の形状を有する場合、電極120は、四角柱の4つの側面のうちいずれか1つの側面に接するようにも配置される。
【0031】
電極120がカートリッジ111の一側面にだけ接するように配置されることにより、電極120がカートリッジ111の複数面に接するように配置される場合に比べ、装置100の設計、及び装置100内部での構成要素の配置がさらに容易になる。また、電極120がカートリッジ111の底面または天井面ではない側面のうちいずれか一つに接するように配置されるので、カートリッジ111の側面に沿ってエアロゾル生成物質の残量が変わるところが電極120によっても感知される。
【0032】
電極120は、カートリッジ111の外部表面にも付着される。電極120は、カートリッジ111の外側において、カートリッジ111の一側面に接することができる。ただし、それに制限されるものではなく、必要によっては、電極120は、カートリッジ111内部の一側面に配置される方式で、カートリッジ111とも共に製造される。
【0033】
装置100は、カトマイザ110を収容する収容空間を具備することができ、電極120は、収容空間の内部表面にも配置される。カートリッジ111の一側面は、装置100内部において、電極120と接することができるので、カートリッジ111の一側面は、収容空間の内部表面にカートリッジ111が接する面を示すことができる。従って、電極120は、カートリッジ111の一側面と、収容空間の内部表面との間に位置することができ、カートリッジ111の一側面に接すると共に、収容空間の内部表面に接することができる。カトマイザ110を収容する収容空間、少なくとも1対の電極120、及びカートリッジ111の一側面相互間の配置関係に関する具体的な例示は、
図3Aないし
図6、
図10を介しても後述される。
【0034】
センサ130は、エアロゾル生成物質の残量を検出するために、電極120の静電容量(capacitance)を測定することができる。ペアをなす2つの電極は、それぞれが反対符号の電荷(electric charge)を保存するキャパシタ(capacitor)として機能することができる。ペアをなす2つの電極間の空間に、いかなる誘電率(permittivity)を有する物質が位置するかということにより、ペアをなす2つの電極の静電容量が決定される。
【0035】
センサ130は、少なくとも1対の電極120を構成するそれぞれのペアの静電容量を測定することにより、電極120近傍に位置する物質の誘電率に関する情報を提供することができる。誘電率に関する情報から、電極120近傍にエアロゾル生成物質が満たされているか、あるいは空の空間が形成されているかということが判断され、それにより、エアロゾル生成物質の残量が検出される。
【0036】
電極120の近傍は、電極120を構成する少なくとも1つのペアの近傍を意味する。第1電極及び第2電極で構成されるペアの近傍は、第1電極と第2電極との間に形成される空間だけではなく、当該空間から一定範囲まで拡張される空間までを意味する。電極120の近傍、またはペアの近傍に関する具体的な例示は、
図2を介しても後述される。
【0037】
センサ130は、対をなす第1電極及び第2電極で構成されるペアの静電容量を測定するために、第1電極及び第2電極のうちいずれか一つに電流を印加した後、第1電極及び第2電極のうち残り一つから返還される電流を測定することができる。センサ130は、両電流の関係を活用し、第1電極及び第2電極で構成されるペアの静電容量を導き出すことができる。センサ130は、第1電極及び第2電極と電流をやり取りするために、第1電極及び第2電極と導線によっても連結される。
【0038】
センサ130は、少なくとも1つのチャネルを含んでもよい。少なくとも1つのチャネルは、センサ130内部に形成され、電極120を構成する少なくとも1つのペアの静電容量を並列的に測定することができる。そのために、センサ130に含まれる少なくとも1つのチャネルの個数は、電極120を構成する少なくとも1つのペアの個数にも対応する。センサ130に関する具体的な例示は、
図6を介しても後述される。
【0039】
センサ130により、カートリッジ111の一側面に接する位置に配置される電極120の静電容量が測定され、電極120の静電容量から、エアロゾル生成物質の残量が検出される。それにより、ユーザに残量に関する情報が提供され、便宜性が増大される。また、残量により、霧化部112に供給される電力が制御され、装置100から、エアロゾルがさらに均一に提供され、喫煙品質が向上する。
【0040】
図2は、少なくとも1対の電極の静電容量が決定される方式の一例について説明するための図面である。
【0041】
図2を参照すれば、1ペア123を構成する第1電極121及び第2電極122は、カートリッジ111の一側面に接する位置にも配置される。
図2の例示においては、電極120が1ペア123の電極であるように図示されているが、電極120が複数のペアである場合にも、後述する内容は、複数のペアそれぞれについても適用される。
【0042】
第1電極121及び第2電極122の近傍に位置する物質により、第1電極121及び第2電極122で構成されるペア123の静電容量が決定されもする。特に、カートリッジ111に保存されるエアロゾル生成物質の残量レベルにより、ペア123の静電容量が決定されもする。
【0043】
第1電極121及び第2電極122は、カートリッジ111の外部に位置し、エアロゾル生成物質は、カートリッジ111の内部に位置することができる。それにもかかわらず、
図2に図示された例示のように、第1電極121及び第2電極122で構成されるペア123の近傍に位置する物質が、ペア123の静電容量に影響を及ぼす。従って、カートリッジ111に保存されるエアロゾル生成物質の残量レベルにより、ペア123の静電容量が決定されもする。
【0044】
ペア123の静電容量は、ペア123の近傍、または第1電極121及び第2電極122の近傍に位置する物質の誘電率によっても決定される。ペア123の近傍は、第1電極121及び第2電極122の間に形成される空間だけではなく、当該空間から一定範囲まで拡張される空間までを意味する。
図2に図示された例示のように、ペア123の近傍は、第1電極121及び第2電極122を連結する曲線を介して表示される領域を含んでもよく、ペア123の近傍には、カートリッジ111内部のエアロゾル生成物質が位置することができる。
【0045】
該特定物質の誘電率は、真空の誘電定数に対する特定物質の誘電定数の比を意味する。第1電極121及び第2電極122の近傍に高い誘電率を有する物質が位置する場合、ペア123の静電容量が大きくもなり、低い誘電率を有する物質が位置する場合、ペア123の静電容量が小さくもなる。
【0046】
ペア123の静電容量は、第1電極121及び第2電極122の近傍に、エアロゾル生成物質が残留する量によっても決定される。装置100に対する喫煙が進められることにより、エアロゾル生成物質が消耗され、エアロゾル生成物質の残量が減少し、エアロゾル生成物質が消耗される量ほど、カートリッジ111内部に空の空間、または空気層が形成されもする。
【0047】
例えば、常温及び常圧において、空気の誘電率は、約1.0006であり、純粋な水の誘電率は、約80.4でもある。エアロゾル生成物質は、水、またはその他液状の溶媒に各種物質が溶解される溶液でもあるので、エアロゾル生成物質も、空気の誘電率対比で、相対的に高い誘電率を有することができる。従って、第1電極121及び第2電極122の近傍に、空の空間ないし空気層に対比し、エアロゾル生成物質が残留する比重が上昇するほど、ペア123の静電容量が増加する。
【0048】
図2の例示を参照すれば、エアロゾル生成物質の残量が残量レベル210に該当する場合、ペア123は、高い静電容量C1を有することができ、エアロゾル生成物質の残量が残量レベル230に該当する場合、ペア123は、低い静電容量C3を有することができる。または、エアロゾル生成物質の残量が残量レベル220に該当する場合、ペア123は、C1とC3との間の値を有する静電容量C2を有することができる。そのような方式で、ペア123の静電容量が測定されることにより、第1電極121及び第2電極122の近傍に、空の空間、または空気層に対比するエアロゾル生成物質が残留する量が決定される。例えば、エアロゾル生成物質の残量と、ペア123の静電容量との対応関係があらかじめ構築され、該対応関係によって測定されるペア123の静電容量が残量にも換算される。
【0049】
そのように、ペア123の静電容量により、ペア123周辺にエアロゾル生成物質が残留する量が導き出されもする。また、カートリッジ111の一側面に接する位置に2以上のペアが配置される場合、ペアそれぞれに対応するカートリッジ111の部分に、エアロゾル生成物質が残留するか否かということが判断される。従って、少なくとも1対の電極120の静電容量から、エアロゾル生成物質の残量が検出されもする。
【0050】
前述のように、エアロゾル生成物質の残量は、電極120を構成する少なくとも1つのペアそれぞれの近傍に、エアロゾル生成物質が残留する程度からも検出されるが、それに制限されるものではない。例えば、エアロゾル生成物質の残量は、少なくとも1対の電極120から測定される少なくとも1つの静電容量に関する合算によっても検出される。エアロゾル生成物質の残量レベルが高い場合、静電容量に関する合算が高い値に測定され、残量レベルが低い場合、静電容量に関する合算が低い値にも測定されるので、静電容量に関する合算を介しても残量が検出される。
【0051】
一方、静電容量に関する合算が活用される場合、カートリッジ111の傾きにより、残量が実際レベルと異なる値に測定されることが防止される。
図2には、単一個数のペア123だけが図示されているが、それと異なり、電極120が複数のペアで構成される場合を想定すれば、カートリッジ111が、
図2のピッチ方向P1,P2のうちいずれか一つに傾く場合、電極120を構成する複数のペアそれぞれの静電容量が変更されるが、複数のペアの静電容量に関する合算は、比較的一定にも維持され、カートリッジ111の傾きによる誤差発生が防止される。
【0052】
カートリッジ111が、
図2のヨー方向Y1,Y2のうちいずれか一つに回転する場合には、カートリッジ111のエアロゾル生成物質が傾かず、電極120の静電容量が同一に測定され、別途の残量補正が要求されない。
【0053】
ただし、カートリッジ111が、
図2のロール方向R1に傾く場合、電極120の静電容量がさらに大きくも測定され、カートリッジ111が、
図2のロール方向R2に傾く場合、電極120の静電容量がさらに小さくも測定される。従って、カートリッジ111が、
図2のロール方向R1,R2に傾くか否かということを判断するための傾き測定手段が要求されもする。該傾き測定手段を介し、電極120の静電容量から導き出される残量が補正されもする。該傾き測定手段は、
図4A及び
図5を介しても後述される。また、測定される傾きに基づいて残量が補正される方式は、
図9を介しても後述される。
【0054】
図3A及び
図3Bは、少なくとも1対の電極が配列される方式の一例を示す図面である。
【0055】
図3Aを参照すれば、電極120が配列される方式の一例に関するエアロゾル生成装置310が図示されており、
図3Bを参照すれば、電極120が配列される方式の一例に関するエアロゾル生成装置320が図示されている。
【0056】
電極120は、カートリッジ111の一側面の第1方向に延長される細長型でもあり、電極120は、カートリッジ111の一側面の第2方向に沿っても配列され、第1方向及び第2方向は、互いに直交することができる。電極120が第1方向に延長され、第2方向に沿って配列される場合、電極120が比較的単純に配置されるながらも、電極120により、カートリッジ111の一側面が抜けることなしにもカバーされる。ただし、細長型形状以外にも、電極120は、カートリッジ111内部のエアロゾル生成物質の残量によって変更される静電容量を有する他の形状でもある。
【0057】
図3Aのエアロゾル生成装置310の場合、カートリッジ111の一側面の第1方向は、横方向または水平方向を意味し、カートリッジ111の一側面の第2方向は、縦方向または垂直方向を意味する。電極120は、横方向に延長される細長型でもあり、縦方向に沿っても配列される。
【0058】
図3Bのエアロゾル生成装置320の場合、カートリッジ111の一側面の第1方向は、縦方向ないし垂直方向を意味し、カートリッジ111の一側面の第2方向は、横方向ないし水平方向を意味する。電極120は、縦方向に延長される細長型でもあり、横方向に沿っても配列される。
【0059】
図4A及び
図4Bは、少なくとも1対の電極が配列される方式の他の例を示す図面である。
【0060】
図4Aを参照すれば、電極120が配列される方式の他の例に関するエアロゾル生成装置410が図示されており、
図4Bを参照すれば、電極120が配列される方式の他の例に関するエアロゾル生成装置420が図示されている。
【0061】
電極120は、それぞれのペアを構成する2つの電極が離隔される間隔がそれぞれのペアごとに異なることができる。2つの電極が離隔される間隔がそれぞれのペアごとに異なるように設定される場合、電極120が配置される特定位置に、エアロゾル生成物質の存在するか否かということが確認される。また、
図4A及び
図4Bに図示される例示以外にも、離隔される間隔が異なるように配置される電極120の多様な様相により、カートリッジ111が特定方向に傾いているか否かということが判断される。
【0062】
図4Aのエアロゾル生成装置410の場合、電極120を構成する少なくとも1つのペアが、カートリッジ111の多様な部位の残量を検出するためにも配置される。そのために、
図4Aの例示のように、電極120は、ペアをなす2つの電極間の間隔がペアごとにも異なる。それぞれのペアをなす2つの電極は、カートリッジ111に接する内部表面の上部において、間隔d1ほど離隔され、下部に下がるほど、間隔d2または間隔d3のように、離隔される程度が狭くなる。それにより、下部においては、下部全体ではない下部の一末端の近傍に、エアロゾル生成物質が残留するか否かということが感知される。
【0063】
また、電極120は、カートリッジ111の傾きを検出するための位置にも配置される。例えば、
図4Aにおいて、カートリッジ111に接する内部表面の下部の一末端411にだけペアが配置されるように図示されているが、それと異なり、下部の一末端411及び他末端412にペアが一つずつ配置されもする。そのような場合、一末端411及び他末端412において、ペアの静電容量が異なるように測定されるならば、カートリッジ111に傾きが形成されたとも確認される。
【0064】
図4Bのエアロゾル生成装置420の場合、電極120は、横方向に延長される細長型でもあり、縦方向に沿っても配列される。また、電極120は、それぞれのペアを構成する2つの電極が離隔される間隔が、それぞれのペアごとにも異なる。
図4Bに図示される例示のように、カートリッジ111の上部に対応する位置においては、それぞれのペアをなす2つの電極が、広い間隔d4でも離隔され、下部に行くほど、それぞれのペアをなす2つの電極が、間隔d5のような狭い間隔でも離隔される。エアロゾル生成物質の残量レベルが低い場合、カートリッジ111の下部に、エアロゾル生成物質が残留し。カートリッジ111の下部に対応する位置において、電極120がさらに細密にも配置されるので、残量レベルが低くなるほど、残量がさらに細密にも測定される。
【0065】
図5は、少なくとも1対の底面電極の一例を示す図面である。
【0066】
図5を参照すれば、カトマイザ110は、カートリッジ111の底面に配置される少なくとも1対の底面電極113をさらに含んでもよい。底面電極113は、カートリッジ111と霧化部112との間に位置することができ、底面電極113を構成するそれぞれのペアの静電容量が、センサ130によっても測定される。
【0067】
カトマイザ110に底面電極113がさらに含まれる場合、底面電極113の静電容量を介し、カートリッジ111が傾いているか否かということが検出される。特に、底面電極113から、カートリッジ111がロール方向R1,R2に傾くか否かということが検出される。
【0068】
例えば、カトマイザ110がロール方向R1,R2に傾く場合、底面電極113の一部は、エアロゾル生成物質を感知することができず、低い静電容量を有する。従って、底面電極113の静電容量に対する分析を介し、カートリッジ111が、ロール方向R1,R2に傾くか否かということが判断され、底面電極113が一定個数以上である場合、ロール方向R1,R2に傾く程度も判断される。
【0069】
一方、残量レベルが低いほど、小さい傾きにおいても、底面電極113の近傍に、エアロゾル生成物質が残留しない。残量レベルがある程度レベル以上に高い場合には、微細な傾きが形成されても、底面電極113は、全部がエアロゾル生成物質を感知することができる。従って、残量レベルが低いほど、小さい傾きまでさらに精巧に感知されるので、傾きによる補正を考慮すれば、残量レベルが低いほど、残量がさらに細密にも測定される。
【0070】
前述のように、電極の配置により、カートリッジ111が各種方向に傾いているか否かということ、及び傾き程度が判断される。カートリッジ111の傾きが判断される場合、傾きに基づき、エアロゾル生成物質の残量がさらに正確に検出される。例えば、
図5において、カートリッジ111のロール方向R1の傾きが判断された場合、残量は、電極120の静電容量から検出された数値より低くなるようにも補正され、カートリッジ111のロール方向R2の傾きが判断された場合、残量は、電極120の静電容量から検出された数値より高くなるようにも補正される。
【0071】
一方、カートリッジ111の傾きは、装置100にさらに含まれる追加的な構成要素によっても探知される。一例として、装置100には、メモリのような保存装置がさらに含まれてもよく、該メモリは、プロセッサのような処理装置と一体にも構成される。装置100にメモリがさらに含まれる場合、装置100の累積使用により、メモリに残量が累積されても記録される。該残量は、装置100の使用が続くことによって減少していまうので、該残量が以前時点より増加したと検出される場合、傾きが形成されたとも判断される。他の例として、装置100には、傾きを測定するためのジャイロセンサ(gyro sensor)がさらに含まれてもよく、ジャイロセンサからカートリッジ111の傾き情報が提供され、それにより、残量が補正されもする。
【0072】
図6は、少なくとも1対の電極の静電容量を測定するセンサの一例を示す図面である。
【0073】
図6を参照すれば、センサ130は、電極120の静電容量を測定するために、電極120とも連結される。前述のように、センサ130は、電極120のペア個数に対応する個数のチャネルを有するマルチチャネルセンサでもある。センサ130内部には、電極120を構成する少なくとも1つのペアの静電容量を並列的に測定するための少なくても1つのチャネルが形成されもする。
【0074】
センサ130は、電極120に含まれる少なくとも1つのペアそれぞれにも連結される。センサ130は、少なくとも1つのペアそれぞれに、電流印加用導線及び電流返還用導線を介しても連結される。センサ130の少なくとも1つのチャネルは、電極120を構成する少なくとも1つのペアともそれぞれ連結される。
【0075】
カトマイザ110に底面電極113がさらに含まれる場合、センサ130は、電極120の静電容量を測定する第1センサ、及び底面電極113の静電容量を測定する第2センサを含んでもよい。センサ130に、第1センサ及び第2センサが含まれる場合、第1センサは、残量検出に活用され、第2センサは、カートリッジ111の傾き検出に活用される方式に、役割が分担される。
【0076】
図7は、エアロゾル生成装置の構成要素が配置される方式の一例について説明するための図面である。
【0077】
図7を参照すれば、装置100は、装置下部20及び装置上部10を含んでもよい。装置下部20には、センサ130が含まれてもよく、装置上部10には、カトマイザ110及び電極120が含まれてもよい。ただし、それらに制限されるものではなく、必要により、装置100の構成要素が配置される位置は、変更されてもよい。
【0078】
装置下部20は、装置100からエアロゾルを生成するための動作を遂行する電子的構成要素を含んでもよい。従って、装置下部20には、センサ130以外に、他の電子部品がさらに含まれてもよい。
【0079】
装置上部10は、エアロゾルの生成に関与する構成要素を含んでもよい。装置上部10には、カトマイザ110が含まれ、装置上部10からエアロゾルが生成され、エアロゾルをユーザに伝達するためのマウスピース11が形成されもする。ユーザは、マウスピース11を介して、装置上部10からエアロゾルを吸い込むことができる。また、カートリッジ111の一側面に接する位置に配置される電極120は、カートリッジ111と共に装置上部10に位置することができる。
【0080】
装置上部10は、シガレットを収容するための収容空間、及び収容空間に収容されるシガレットを加熱するためのヒータをさらに含んでもよい。装置上部10に、収容空間及びヒータがさらに含まれる場合、カトマイザ110から生成されるエアロゾルが、収容空間に収容されるシガレットを介して、ユーザに伝達される。
【0081】
図8は、バッテリ及び制御部をさらに含むエアロゾル生成装置の一例を示す構成図である。
【0082】
図8を参照すれば、装置100は、バッテリ140及び制御部150をさらに含んでもよい。装置100に含まれるバッテリ140及び制御部150は、装置下部20に含まれてもよい。ただし、それに制限されるものではなく、設計により、装置100に含まれる構成要素が配置される位置は、変更されてもよい。また、
図8に図示される構成要素以外に、他の汎用的な構成要素が装置100にさらに含まれてもよい。
【0083】
バッテリ140は、リチウムリン酸鉄(LiFePO4)バッテリでもあるが、それに制限されるものではない。例えば、バッテリ140は、酸化リチウムコバルト(LiCoO2)バッテリ、リチウムチタン酸塩バッテリなどでもある。
【0084】
バッテリ140は、霧化部112に電力を供給することができる。霧化部112が芯及びコイルを含む場合、バッテリ140は、芯を取り囲むコイルに電力を供給し、芯に沿って移送されるエアロゾル生成物質を加熱することができる。また、バッテリ140は、センサ130及び制御部150が動作するために要求される電力を、センサ130及び制御部150に供給することができる。
【0085】
制御部150は、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されるメモリとの組み合わせによっても具現される。制御部150は、複数個のプロセッシングエレメント(processing elements)によっても構成される。また、制御部150は、他の形態のハードウェアによっても具現される。
【0086】
制御部150は、センサ130によって測定される電極120の静電容量から、エアロゾル生成物質の残量を検出することができる。制御部150は、センサ130から、静電容量に関するデータを受信することができ、そこから残量レベルを導き出すことができる。前述の例示のように、制御部150は、電極120を構成するペアの静電容量それぞれにより、カートリッジ111内部において、エアロゾル生成物質が存在する部分を決定することができる。または、制御部150は、残量レベルを導き出すための手段として、電極120を構成するペアの静電容量に関する合算を活用することもできる。
【0087】
制御部150は、多様な方式で、エアロゾル生成物質の残量を検出することができる。カートリッジ111内部の残量レベルによる電極120の静電容量測定値が実験的に事前に決定され、制御部150は、静電容量と残量レベルとの対応関係に関するデータベースを基に、静電容量を入力され、残量レベルを出力することができる。ただし、それに制限されるものではなく、制御部150は、測定される静電容量から残量レベルを計算するアルゴリズムにより、残量レベルを導き出すこともできる。
【0088】
制御部150は、静電容量から残量レベルを導き出す過程において、カートリッジ111の傾きを反映させることができる。前述のように、底面電極113などを介し、カートリッジ111の傾きが導き出され、制御部150は、カートリッジ111の傾きにより、残量レベルを昇降させる補正を行うことができる。カートリッジ111の傾きに基づき、エアロゾル生成物質の残量を補正する具体的な内容は、
図9を介しても後述される。
【0089】
装置100は、装置100及びカートリッジ111の傾きを測定するための構成要素をさらに含んでもよい。前述のように、装置100は、別途のメモリをさらに含むか、あるいはジャイロセンサをさらに含んでもよい。制御部150は、メモリまたはジャイロセンサから、傾きに関する情報を提供される。メモリは装置100に対する喫煙が行われることにより、エアロゾル生成物質の残量を累積させて記録することができる。制御部150は、メモリに記録される残量が、以前時点より増加したか否かということが確認される場合、カートリッジ111が傾いていると判断することもできる。
【0090】
制御部150は、エアロゾル生成物質の残量に基づき、バッテリ140から霧化部112に供給される電力を制御することができる。芯及びコイルを含む霧化部120について、残量レベルが高い場合、エアロゾル生成物質が芯に沿って、カートリッジ111外部に移送される速度が速くなり、残量レベルが低い場合、エアロゾル生成物質が芯に沿ってカートリッジ111外部に移送される速度が遅くなる。
【0091】
それにより、エアロゾル生成物質が移送される速度が速い場合には、コイルにさらに多くの電力が供給され、エアロゾル生成物質が移送される速度が遅い場合には、コイルにより、少ない電力が供給されることが要求される。一方、エアロゾル生成物質が移送される速度は、カートリッジ111内部の温度のような追加的な要因によって影響を受ける。
【0092】
エアロゾル生成物質が移送される速度に符合するように、電力供給が制御されない場合、装置100からエアロゾルが不均質にも生成される。また、エアロゾル生成物質が移送される速度が遅い場合、供給電力を低減させなければ、芯が焦げてしまい、問題にもなる。制御部150は、残量レベルに基づき、コイルに供給される電力を制御することにより、装置100からエアロゾルが生成される品質を向上させることができる。
【0093】
図9は、カートリッジが傾く場合、残量が補正される方式の一例について説明するための図面である。
【0094】
図9を参照すれば、カートリッジ111が地面に対し、一定角度θほど傾く場合、エアロゾル生成物質がカートリッジ111内部で傾く例示が、残量レベルにより、3種類の場合として図示されている。
【0095】
図9において、カートリッジ111が傾く方向は、
図2または
図5のロール方向R1でもある。ただし、ロール方向R1以外の他方向に、カートリッジ111が傾く場合にも、制御部150は、ロール方向R1の場合と対応する方式で残量を補正することができる。一方、カートリッジ111が傾く角度θは、
図5を介して説明したように、底面電極113によっても導き出される。または、角度θは、装置100にさらに含まれるジャイロセンサによっても測定される。
【0096】
残量レベルは、カートリッジ111内部に残留するエアロゾル生成物質の高さでも表現される。センサ130によって測定される電極120の静電容量から、カートリッジ111に、エアロゾル生成物質が充填される高さが決定されもする。
図9の例示を参照すれば、電極120は、電極120の近傍に位置するエアロゾル生成物質を感知するので、残量h1の場合、制御部150は、残量レベルh11を検出することができ、残量h2の場合、制御部150は、残量レベルh21を検出することができ、残量h3の場合制御部150は、残量レベルh31を検出することができる。
【0097】
カートリッジ111に残量h2が残留する場合、カートリッジ111の実際残量は、残量レベルh23でもあり、残量レベルh22ほど補正されることが要求される。カートリッジ111が幅dを有するとき、残量レベルh22は、(d/2)*tanθのようでもある。制御部150は、測定された残量レベルh21を残量レベルh23に補正することができる。具体的には、制御部150は、測定された残量レベルh21から、(d/2)*tanθを差し引いて補正された残量レベルh23を導き出すことができる。
【0098】
一方、カートリッジ111に残量h2が残留する場合、あるいはカートリッジ111に残量h2が残留する場合、残量レベルが補正される方式が残量h2の場合と異なりもする。例えば、残量h1の場合、測定された残量レベルh11と実際残量レベルh13との差に該当する残量レベルh12は、(d/2)*tanθよりも低い。例えば、残量レベルh12は、(d/3)*tanθのようでもある。また、残量h3の場合、測定された残量レベルh31と実際残量レベルh33との差に該当する残量レベルh32は、(d/2)*tanθよりも高くなる。例えば、残量レベルh32は、(2d/3)*tanθのようでもある。従って、そのような詳細事項が考慮される場合、傾きによる残量補正がさらに精巧にも行われる。制御部150は、角度θ、カートリッジの幅d、及び残量レベルの測定値のようなものに基き、どの算式によって残量を補正するかということを決定することができる。
【0099】
図10は、カトマイザがエアロゾル生成装置に収容される方式の一例について説明するための図面である。
【0100】
図10を参照すれば、装置100に含まれる詳細的な構成要素に関する例示がさらに詳細に図示されている。装置100は、装置下部20、装置上部10及び上部ケース30を含んでもよい。
【0101】
装置上部10には、カトマイザ110が収容されもする。カトマイザ110は、装置上部10に収容され、装置上部10の外面の一部を構成することができる。カトマイザ110は、装置上部10の右側上端にも結合されるが、それに制限されるものではなく、カトマイザ110が装置上部10上に収容される位置は、必要によっても変更される。
【0102】
装置100は、カトマイザ110以外にも、シガレットをさらに収容するようにも具現される。例えば、装置上部10は、シガレットを収容するための収容部12を含んでもよい。収容部12は、シガレットを収容するための円筒形状の空間であり、収容部12側面の周囲方向に沿って配置されるヒータが、装置上部10にさらに含まれてもよい。ただし、それに制限されるものではなく、該ヒータは、シガレット内部に挿入され、シガレットを加熱するヒータによっても具現される。
【0103】
装置上部10は、気流パス15,16をさらに含んでもよい。気流パス15,16は、シガレットからエアロゾルが生成されるように、シガレットに外気を導入するための通路でもある。気流パス15,16は、シガレットとカトマイザ110とを連結する通路でもある。それにより、カトマイザ110から生成されるエアロゾルは、気流パス15,16を介し、シガレットにも伝達される。シガレットは、カトマイザ110とは別途に、エアロゾルを生成することができる。従って、カトマイザ110から生成されるエアロゾルは、シガレットから生成されるエアロゾルと共に、シガレットを介し、ユーザにも伝達される。
【0104】
装置上部10は、電気接点18をさらに含んでもよい。電気接点18を介し、カトマイザ110は、装置下部20に含まれるセンサ130、バッテリ140及び制御部150とも連結される。電気接点18を介して、バッテリ140から、霧化部112に電力が供給され、カトマイザ110に底面電極113がさらに含まれる場合、電気接点18を介し、底面電極113の静電容量が測定されもする。
【0105】
装置下部20には、センサ130、バッテリ140及び制御部150などが含まれてもよい。装置下部20は、電気接点18を介し、カトマイザ110と電気的にも連結される。装置下部20には、減圧センサのようなセンサがさらに含まれてもよく、振動発生用モータのような触覚インターフェース、及びディスプレイのような視覚インターフェースがさらに含まれてもよい。
【0106】
上部ケース30は、装置上部10にも結合される。上部ケース30は、カトマイザ110を収容する装置上部10に結合され、カトマイザ110が装置100から不意に分離されることを防止することができる。上部ケース30は、収容部12に対応する位置に配置されるホール31、及びホール31と収容部12とを開閉することができるスライドカバー32をさらに含んでもよい。
【0107】
装置100に、収容部12、ヒータ及び気流パス15,16などがさらに含まれる場合、装置100は、カトマイザ110及びシガレットのいずれからもエアロゾルを生成し、ユーザに提供することができる。それにより、装置100から提供されるエアロゾルが多元化され、エアロゾルの香味及び喫煙感が向上する。
【0108】
図11は、エアロゾル生成方法の一例を示すフローチャートである。
【0109】
図11を参照すれば、エアロゾル生成方法は、段階1110ないし段階1130を含んでもよい。ただし、それらに制限されるものではなく、
図11に図示される段階以外に、他の汎用的な段階がエアロゾル生成方法にさらに含まれてもよい。
【0110】
図11のエアロゾル生成方法は、
図8ないし
図10のエアロゾル生成装置100において、時系列的に処理される段階によっても構成される。従って、
図11のエアロゾル生成方法について、以下で省略される内容であるとしても、
図8ないし
図10のエアロゾル生成装置100について、以上で記述される内容は、
図11のエアロゾル生成方法にも適用される。
【0111】
段階1110において、装置100は、エアロゾル生成物質を保存するカートリッジ111の一側面に接する位置に配置される少なくとも1対の電極120の静電容量を測定することができる。
【0112】
段階1120において、装置100は、静電容量からエアロゾル生成物質の残量を検出することができる。
【0113】
段階1130において、装置100は、残量に基づき、エアロゾル生成物質を気化させる霧化部112に供給される電力を制御することができる。
【0114】
なお、
図11のエアロゾル生成方法は、その方法を実行する命令語を含む1以上のプログラムが記録されるコンピュータで読み取り可能な記録媒体にも記録される。
【0115】
コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピィーディスク及び磁気テープのような磁気媒体(magnetic media);CD-ROM(compact disc read only memory)、DVD(digital versatile disc)のような光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気・光媒体(magneto-optical media)、及びROM(read-only memory)、RAM(random access memory)、ラッシュメモリのようなプログラム命令を保存して遂行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれてもよい。該プログラム命令語の例には、コンパイラによって作われるような機械語コードだけではなく、インタープリタなどを使用し、コンピュータによって実行されうる高級言語コードが含まれてもよい。
【0116】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、それらに限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多くの変形、及び改良形態も、本発明の権利範囲に属するものである。