(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】埋め込まれた画素ドライバチップを有するディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20220324BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220324BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220324BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20220324BHJP
H01L 33/48 20100101ALI20220324BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/00 338
G09F9/30 338
H01L33/00 L
H01L33/48
(21)【出願番号】P 2020541419
(86)(22)【出願日】2019-02-22
(86)【国際出願番号】 US2019019273
(87)【国際公開番号】W WO2019168763
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2020-07-28
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】フイテマ, エツァー
(72)【発明者】
【氏名】パテル, ヴァイブハヴ
(72)【発明者】
【氏名】ナウタ, トレ
(72)【発明者】
【氏名】リー, シア
(72)【発明者】
【氏名】フー, シン-フア
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/094461(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0358562(US,A1)
【文献】特表2016-538586(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0141091(US,A1)
【文献】特開2010-232577(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106992160(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107689333(CN,A)
【文献】米国特許第09082774(US,B1)
【文献】特開平04-260271(JP,A)
【文献】特開2012-227514(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0269749(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0163765(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
H01L25/00-25/07
25/10-25/11
25/16-25/18
33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ基板と、
前記ディスプレイ基板上の複数の位置合わせマークと、
前記ディスプレイ基板上の絶縁層内に前面を上にして埋め込まれ、前記複数の位置合わせマークに対して配置された画素ドライバチップのアレイと、
前記画素ドライバチップのアレイの前面にわたって広がり、かつ前記前面と電気的に接続している前面再配線層(RDL)と、
前記前面RDL上の発光ダイオード(LED)のアレイと、
を備え
たディスプレイパネルであって、
各画素ドライバチップが、各画素ドライバチップに対応する、前記LEDのアレイ内のLEDの群を切り替え及び駆動するためのものであり、各画素ドライバチップが、前記画素ドライバチップに対応するLEDの前記群
に含まれる複数のLEDのそれぞれに関し
てLED領域全体の直下にあ
る、画素ドライバチップ領域によって
位置付けられ、
各画素ドライバチップが前記ディスプレイパネルの表示領域内にあり、前記LEDのアレイが、前記画素ドライバチップのアレイよりも前記ディスプレイパネルの複数の縁部に近い、
ディスプレイパネル。
【請求項2】
前記前面RDLが、複数の誘電体層と、複数の再配線とを含む、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項3】
各画素ドライバチップがデジタル駆動回路を含む、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項4】
前記前面RDLが、前記画素ドライバチップのアレイに接続されたデータルーティングを含む、請求項3に記載のディスプレイパネル。
【請求項5】
前記前面RDLが、前記画素ドライバチップのアレイに接続されたデータクロックルーティングを含む、請求項4に記載のディスプレイパネル。
【請求項6】
前記前面RDLが、前記画素ドライバチップのアレイに接続されたグレーレベルクロックルーティングを含む、請求項5に記載のディスプレイパネル。
【請求項7】
前記前面RDLに取り付けられたフレックス回路を更に備える、請求項5に記載のディスプレイパネル。
【請求項8】
各LEDが無機半導体ベースの材料で形成されている、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項9】
各LEDが1~300μmの最大横寸法を有する、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項10】
各LEDが1~20μmの最大横寸法を有する、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項11】
前記LEDのアレイの各LEDを横方向に囲む不活性化層を更に備える、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項12】
前記LEDのアレイと電気的に接触させるための、前記不活性化層及び前記LEDのアレイの上に形成された複数の透明な上部導電性接触層を更に備える、請求項11に記載のディスプレイパネル。
【請求項13】
前記複数の透明な導電性接触層が前記前面RDLに接触するために、前記不活性化層内に複数の開口部を更に備える、請求項12に記載のディスプレイパネル。
【請求項14】
前記絶縁層が、熱硬化性樹脂を含む、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項15】
前記表示領域の外側で前記前面RDLに接合された複数の列ドライバチップを更に備える、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項16】
前記前面RDLの上に絶縁バンク層を更に備え、前記絶縁バンク層が、バンク開口部のアレイを含み、前記LEDのアレイが、前記バンク開口部のアレイ内に実装されている、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項17】
各LEDに隣接する拡散体充填材料を更に備える、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項18】
モバイル電子デバイスに組み込まれた、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年2月28日に出願された米国特許出願第15,908,478号の優先権の利益を主張し、同文献は本明細書において参照により援用されている。
【技術分野】
【0002】
本明細書で説明する実施形態は、ディスプレイパネルに関する。より具体的には、実施形態は、高解像度ディスプレイパネルに関する。
背景情報
【0003】
フラットパネル型ディスプレイパネルは、携帯型電子機器からテレビ及び大型屋外標識ディスプレイに及ぶ電子デバイスの広範囲で好評を博してきている。より高解像度のディスプレイ、並びに、より大きなスクリーンを有する、より薄く、より軽量、かつより低コストな電子デバイスに対する需要が増大している。
【0004】
既存の有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED)又は液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)技術は、薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)基板を特徴として備えている。より最近では、基板に接合されたマイクロコントローラのマトリックスでTFT基板を置き換えて、マイクロコントローラ基板上にマイクロLEDのマトリックスを組み込むことによってマイクロ発光ダイオード(light emitting diode、LED)ディスプレイを構築することが提案されており、各マイクロコントローラは、1つ以上のマイクロLEDを切り替え及び駆動するためのものである。
【発明の概要】
【0005】
実施形態は、画素ドライバチップがディスプレイ基板内に上向きに埋め込まれているディスプレイ集積スキームを説明する。前面再配線層(redistribution layer、RDL)は、ディスプレイ基板を形成する画素ドライバチップ及び絶縁層の上に形成され、LEDは、前面RDL層上に配置される。この集積スキームは、実質的に任意のサイズとすることができる画素ドライバチップを設計及び配置する上で大きな自由度を可能にすることができる。導電性ピラーは、ディスプレイ基板の裏面上に配置することができるチップ(例えば、電力管理IC、タイミングコントローラ、プロセッサ、メモリなど)に接続するために、絶縁層を介して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態に係る、複数の埋め込まれた画素ドライバチップの上に配置されたLEDのアレイを含むディスプレイパネルの概略上面図である。
【0007】
【
図2】一実施形態に係る、
図1の線X-Xに沿って取られたディスプレイパネルの概略側断面図である。
【0008】
【
図3】一実施形態に係る、複数の埋め込まれた画素ドライバチップ、行ドライバチップ、及び列ドライバチップの上に配置されたLEDのアレイを含むディスプレイパネルの概略上面図である。
【0009】
【
図4】一実施形態に係る、
図3のX-X断面に沿って取られたディスプレイパネルの概略側断面図である。
【0010】
【
図5】一実施形態に係る、複数の埋め込まれた画素ドライバチップの上に配置されたLEDのアレイ、行ドライバチップ、及び列ドライバチップを含むディスプレイパネルの概略上面図である。
【0011】
【
図6】一実施形態に係る、
図5の線X-Xに沿って取られたディスプレイパネルの概略側断面図である。
【0012】
【
図7】一実施形態に係る、画素ドライバチップのデジタル単位セルの図である。
【0013】
【
図8】一実施形態に係る、画素ドライバチップのアナログ単位セルの図である。
【0014】
【
図9】一実施形態に係る、画素ドライバチップを形成する方法の図である。
【0015】
【
図10】一実施形態に係る、デバイス基板上の導電性バンプの概略側断面図である。
【0016】
【
図11】一実施形態に係る、デバイス基板上の導電性バンプの上に形成された平坦化層の概略側断面図である。
【0017】
【
図12】一実施形態に係る、単体化された画素ドライバチップの概略側断面図である。
【0018】
【
図13】一実施形態に係る、画素ドライバチップを形成する方法の図である。
【0019】
【
図14】一実施形態に係る、デバイス基板上の導電性バンプの上に形成された平坦化層の概略側断面図である。
【0020】
【
図15】一実施形態に係る、キャリア基板に取り付けられたデバイス基板の概略側断面図である。
【0021】
【
図16】一実施形態に係る、薄膜化されたデバイス基板の概略側断面図である。
【0022】
【
図17】一実施形態に係る、第2のキャリア基板に取り付けられた薄膜化されたデバイス基板の概略側断面図である。
【0023】
【
図18】一実施形態に係る、平坦化された平坦化層の概略側断面図である。
【0024】
【
図19】一実施形態に係る、単体化された画素ドライバチップの概略側断面図である。
【0025】
【
図20】一実施形態に係る、ディスプレイパネルを形成する方法の図である。
【0026】
【
図21】一実施形態に係る、ディスプレイパネルを形成する方法の図である。
【0027】
【
図22】一実施形態に係る、裏面RDL上に形成された複数の導電性ピラーの概略側断面図である。
【0028】
【
図23】一実施形態に係る、キャリア基板に上向きに転写された画素ドライバチップのアレイの概略側断面図である。
【0029】
【
図24】一実施形態に係る、キャリア基板上にカプセル化された画素ドライバチップのアレイの概略側断面図である。
【0030】
【
図25】一実施形態に係る、カプセル化された画素ドライバチップのアレイ上に形成された前面RDLの概略側断面図である。
【0031】
【
図26】一実施形態に係る、前面RDLに転写されたLEDのアレイの概略側断面図である。
【0032】
【
図27】一実施形態に係る、埋め込まれた画素ドライバチップを含むディスプレイパネルの概略側断面図である。
【0033】
【
図28】一実施形態に係る、ディスプレイパネルを形成する方法の図である。
【0034】
【
図29】一実施形態に係る、ディスプレイパネルを形成する方法の図である。
【0035】
【
図30】一実施形態に係る、キャリア基板に下向きに転写された画素ドライバチップのアレイの概略側断面図である。
【0036】
【
図31】一実施形態に係る、キャリア基板上にカプセル化された画素ドライバチップのアレイの概略側断面図である。
【0037】
【
図32】一実施形態に係る、カプセル化された画素ドライバチップのアレイ上に形成された裏面RDLの概略側断面図である。
【0038】
【
図33】一実施形態に係る、前面RDLに転写されたLEDのアレイの概略側断面図である。
【0039】
【
図34】一実施形態に係る、埋め込まれた画素ドライバチップを含むディスプレイパネルの概略側断面図である。
【0040】
【
図35】一実施形態に係る、下部接点及び裏面RDLを有する埋め込まれた画素ドライバチップを含むディスプレイパネルの概略側断面図である。
【0041】
【
図36】一実施形態に係る、上部接点及び前面RDLを有する埋め込まれた画素ドライバチップを含むディスプレイパネルの概略側断面図である。
【0042】
【
図37】一実施形態に係る、上部接点及び下部接点並びに前面RDL及び裏面RDLを有する埋め込まれた画素ドライバチップを含むディスプレイパネルの概略側断面図である。
【0043】
【
図38】一実施形態に係る、埋め込まれた画素ドライバチップを含むOLED又はQDディスプレイパネルの概略側断面図である。
【0044】
【
図39】一実施形態に係る、画素ドライバチップを形成する方法の図である。
【0045】
【
図40】一実施形態に係る、デバイスウエハ及びビルドアップ構造体の概略側断面図である。
【0046】
【
図41】一実施形態に係る、デバイスウェハ内の金属接触層及び犠牲酸化物トレンチ充填材の形成の概略側断面図である。
【0047】
【
図42】一実施形態に係る、キャリア基板に接合されたパターン化されたデバイスウエハの概略側断面図である。
【0048】
【
図43】一実施形態に係る、キャリア基板上の薄膜化されたデバイスウエハの概略側断面図である。
【0049】
【
図44】一実施形態に係る、裏面接合パッド及びポスト接触開口部の形成の概略側断面図である。
【0050】
【
図45】一実施形態に係る、裏面安定化構造体の形成の概略側断面図である。
【0051】
【
図46】一実施形態に係る、キャリア基板から剥離した後の、パターン化されたデバイスウエハの概略側断面図である。
【0052】
【
図47】一実施形態に係る、犠牲剥離層の除去後の、複数の安定化された画素ドライバチップの概略側断面図である。
【0053】
【
図48】一実施形態に係る、ディスプレイパネルを形成する方法の図である。
【0054】
【
図49A】一実施形態に係る、ディスプレイ基板の上に形成された接着剤層の概略側断面図である。
【0055】
【
図49B】一実施形態に係る、ディスプレイ基板に上向きに転写された画素ドライバチップのアレイの概略側断面図である。
【0056】
【
図49C】一実施形態に係る、第1の絶縁体オーバーコート及びエッチバックの概略側断面図である。
【0057】
【
図49D】一実施形態に係る、パターン化されたコンタクトパッドの概略側断面図である。
【0058】
【
図49E】一実施形態に係る、パターン化されたコンタクトパッドを露出させるためのパターン化された絶縁層の概略側断面図である。
【0059】
【
図49F】実施形態に係る、第1の再配線の形成の概略側断面図である。
【0060】
【
図49G】一実施形態に係る、前面RDL及びパターン化されたバンク層の概略側断面図である。
【0061】
【
図49H】一実施形態に係る、前面RDLに転写されたLEDの概略側断面図である。
【0062】
【
図49I】一実施形態に係る、LEDの周囲の拡散体充填材の適用の概略側断面図である。
【0063】
【
図49J】一実施形態に係る、LEDのアレイ上の上部導電性接触層の形成の概略側断面図である。
【0064】
【
図50A】一実施形態に係る、金属接触層の下にある複数の画素ドライバチップコンタクトビアの概略上面図である。
【0065】
【
図50B】一実施形態に係る、複数の位置合わせされたパターン化されたコンタクトパッドの下にある複数の画素ドライバチップコンタクトビアの概略上面図である。
【0066】
【
図50C】一実施形態に係る、複数のオフセットしたパターン化されたコンタクトパッドの下にある複数の画素ドライバチップコンタクトビアの概略上面図である。
【0067】
【
図51】一実施形態に係る、オフセットしたパターン化されたコンタクトパッドの拡大概略上面図である。
【0068】
【
図52】一実施形態に係る、オフセットした画素ドライバチップのアレイの上に形成されたコンタクトパッドのアレイの概略上面図である。
【0069】
【
図53】一実施形態に係る、曲線状又は可撓性ディスプレイパネルの側面図である。
【0070】
【
図54】一実施形態に係る、折り曲げ可能なディスプレイパネルの等角投影図である。
【0071】
【
図55】一実施形態に係る、並列に配置された複数のディスプレイパネルタイルの上面図である。
【0072】
【
図56】一実施形態に係る、ディスプレイシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
実施形態は、ディスプレイパネル構成及び製造方法を説明する。一実施形態では、ディスプレイパネルは、絶縁層内に前面を上にして埋め込まれた画素ドライバチップのアレイと、画素ドライバチップのアレイの前面にわたって広がり、かつ前面と電気的に接続している前面再配線層(RDL)と、前面RDLに接合された発光ダイオード(LED)のアレイと、を含む。LEDのアレイは、画素のアレイ内に配置されてもよく、各画素ドライバチップは、複数の画素に対してLEDのアレイ内の複数のLEDを切り替え及び駆動するためのものである。
【0074】
様々な実施形態では、図を参照して説明する。しかしながら、ある実施形態はこれらの特定の詳細うちの1つ以上を用いることなく、また、他の既知の方法及び構成と組み合わせることで実施することができる。以下の説明では、実施形態の徹底的な理解を提供するために、特定の構成、寸法、及びプロセスなど、多数の特定の詳細について述べる。他の場合、実施形態を不必要に曖昧にしないように、よく知られている半導体プロセス及び製造技法について特に詳細には説明しない。本明細書全体にわたって、「一実施形態」への参照は、その実施形態に関連して記載する特定の特徴、構造体、構成、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたって様々な場所における「一実施形態では」という語句への言及は、必ずしも同じ実施形態を参照しているとは限らない。更に、特定の特徴、構造、構成又は特性は、1つ以上の実施形態において任意に好適に組み合わせてもよい。
【0075】
本明細書で使用される用語「の上に(above)」、「の上に(over)」、「へと(to)」、「の間(between)」、「にわたる(spanning)」、及び「上に(on)」は、他の層に対するある層の相対位置について、言及する場合がある。ある層が別の層「の上に(above)」、「の上に(over)」、「にわたる(spanning)」、若しくは「上に(on)」あること、又は別の層「へと(to)」若しくは「接触(contact)」して接合することは、別の層と直接接触してもよく、又は1つ以上の介在層を有してもよい。層と層の「間」に位置する1つの層は、それらの層に直接接触する場合も、又は1以上の介在層を有する場合もある。
【0076】
一態様では、実施形態は、高解像度ディスプレイに適合するディスプレイパネル構成を説明する。実施形態によれば、LEDを駆動及び切り替えするための画素ドライバチップは、ディスプレイ基板内に埋め込まれ、前面RDLを介してLEDと電気的に接続される。そのような構成では、画素ドライバチップのサイズは、LED間のピッチによって制限されない。この態様では、より多くの機能を有するより大きい画素ドライバチップを、潜在的にディスプレイパネルに組み込むことができる。40PPI(pixels per inch、1インチ当たり画素)を有する例示的なRGBディスプレイパネル(赤色発光、緑色発光、及び青色発光LEDを含む画素)では、約211μmのサブ画素ピッチを有してもよく、440PPIを有する例示的なRGBディスプレイパネルは、約19μmのサブ画素ピッチを有してもよい。実施形態によれば、ディスプレイパネル上のLEDの間に画素ドライバチップを配置するのではなく、画素ドライバチップは、ディスプレイ基板内に埋め込まれ、高PPIを有する高解像度ディスプレイへのディスプレイパネルのスケーラビリティを可能にする。実施形態によれば、画素ドライバチップは、LEDの直下及びディスプレイパネルの表示領域の直下に配置されてもよい。
【0077】
一実施形態では、LEDは、1~300μm、1~100μm、1~20μm、又はより具体的には5μmなどの1~10μmの最大横寸法を有する無機半導体ベースの材料とすることができる。一実施形態では、画素ドライバは、チップの形態であってもよい。実施形態によれば、画素ドライバチップは、TFTアーキテクチャ内に通常用いられるようなそれぞれのディスプレイ要素に対するスイッチ(単数又は複数)及び記憶装置(単数又は複数)に取って代わることができる。画素ドライバチップは、デジタル単位セル、アナログ単位セル、又はデジタル及びアナログの混合単位セルを含むことができる。加えて、非晶質シリコン(amorphous silicon、a-Si)又は低温ポリシリコン(low temperature polysilicon、LTPS)上のTFT処理技術とは対照的に、単結晶シリコン上の画素ドライバチップの製造のために、MOSFET処理技術を使用することができる。
【0078】
一態様では、TFT集積化技術と比較して、著しい効率を実現することができる。例えば、画素ドライバチップは、TFT技術よりも、ディスプレイ基板の実装面積を利用しないようにできる。例えば、デジタル単位セルを組み込んだ画素ドライバチップは、アナログ蓄積コンデンサより比較的少ない面積を消費する、デジタル記憶素子(例えば、レジスタ)を使用することができる。画素ドライバチップがアナログ構成要素を含む場合、単結晶シリコン上のMOSFET処理技術は、非晶質シリコン(a-Si)又は低温ポリシリコン(LTPS)上でより低い効率を有する、より大きなデバイスを形成する薄膜技術に取って代わることができる。画素ドライバチップは、加えて、a-Si又はLTPSを使用して形成されたTFTよりも電力を必要としないようにすることもできる。加えて、実施形態は、既知の良好な画素ドライバチップの集積を可能にする。
【0079】
別の態様では、実施形態は、ディスプレイパネル上の表示領域に対する割り当ての増大を伴うディスプレイパネル構成を説明する。従来のチップオンガラス(chip on glass、COG)パッケージングは、ドライバICチップ及びフレキシブルプリント回路(flexible printed circuit、FPC)接触領域の割り当てのために、少なくとも4~5mmのドライバレッジ及び/又は接触レッジを必要とする場合がある。実施形態によれば、ドライバレッジ及び/又は接触レッジは、ディスプレイパネルの前面から除去することができる。一実施形態では、行ドライバチップ若しくは列ドライバチップは、画素ドライバチップと共にディスプレイ基板内に埋め込まれてもよく、又はディスプレイパネルの裏面に接合されてもよい。一実施形態では、導電性ピラーは、前面RDLと、裏面RDLに接合されたデバイスチップ(例えば、タイミングコントローラチップ、電力管理IC、プロセッサ、タッチ感知IC、無線コントローラ、通信ICなど)との間の電気的接続を提供する。
【0080】
更に別の態様では、実施形態は、可撓性ディスプレイパネルのディスプレイパネル構成を説明する。例えば、ディスプレイパネルは、曲線状、巻くことができる、折り曲げ可能、又は別の方法で可撓性であってもよい。他の態様では、実施形態は、増大した表示領域を有するディスプレイパネル構成を説明する。例えば、複数のディスプレイパネルは、タイルとして並列して配置されてもよい。
【0081】
ここで
図1を参照して、一実施形態に係る、複数の埋め込まれた画素ドライバチップ200の上に配置されたLED102のアレイを含むディスプレイパネル100の概略上面図を示す。
図2は、一実施形態に係る、
図1の線X-Xに沿って取られたディスプレイパネル100の概略側断面図である。
図1及び
図2の両方を参照して、実施形態によれば、微細なはす縁幅、又は最も外側のLED102とディスプレイパネル縁部103との間の距離が可能である。そのような構成では、特に従来のCOGパッケージング技術と比較して、ディスプレイパネルの表示領域の割合を増加させることができる。しかしながら、そのような構成が可能であり得るが、実施形態はそのようなことを必要としないことを理解されたい。
【0082】
一実施形態では、画素ドライバチップ200のアレイは、絶縁層104内に前面202を上にして埋め込まれている。前面再配線層(RDL)110は、画素ドライバチップ200のアレイの前面202にわたって広がり、かつ前面と電気的に接続している。LED102のアレイは、前面RDL110に接合され、LED102のアレイは、画素190のアレイ内に配置される。各画素190は、異なる色の光を発する複数のサブ画素を含むことができる。赤-緑-青(red-green-blue、RGB)サブ画素配列では、各画素は、赤色光、緑色光、及び青色光それぞれを発する3つのサブ画素を含んでもよい。RGB配列は例示的であり、本開示はそのように限定されないことを理解されたい。利用可能な他のサブ画素配列の例としては、赤-緑-青-黄(red-green-blue-yellow、RGBY)、赤-緑-青-黄-シアン(red-green-blue-yellow-cyan、RGBYC)、又は赤-緑-青-白(red-green-blue-white、RGBW)、又は画素が異なる数のサブ画素を有し得る他のサブ画素マトリックススキームが挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
実施形態によれば、各画素ドライバチップ200は、複数の画素190に対してLEDのアレイ内の複数のLED102を切り替え及び駆動することができる。実施形態に係るディスプレイパネル100は、デジタル構成要素、アナログ構成要素、又は両方の組み合わせを含むことができる。例えば、各画素ドライバチップ200は、アナログ駆動回路、デジタル駆動回路、又はアナログ及びデジタル構成要素の両方を組み合わせた駆動回路を含んでもよい。一実施形態では、画素ドライバチップはそれぞれ、隣接するLED間のx-y寸法の最大ピッチよりも大きい最小x-y寸法を有する。
【0084】
図2を参照して、LED102のそれぞれは、前面RDL110の前面111上の対応するコンタクトパッド118に接合されてもよい。側壁不活性化層130は、LED102を横方向に囲むことができる。側壁不活性化層130は、電気的絶縁材料で形成されてもよく、透明又は不透明であってもよい。次いで、1つ以上の上部導電性接触層140を、LED102の1つ以上又は全ての上に形成することができる。一実施形態では、上部導電性接触層140は、透明である。例えば、上部導電性接触層140は、インジウムスズ酸化物(indium-tin oxide、ITO)などの透明導電性酸化物、又はポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン、PEDOT)などの透明導電性ポリマーから形成することができる。一実施形態では、上部導電性接触層140は、Vss又は接地線116上にそれと電気的に接触して更に形成される。次に、上部カプセル化層150を、上部導電性接触層140の上に形成することができる。上部カプセル化層150は、透明な材料で形成することができる。
【0085】
実施形態によれば、裏面RDL120は、任意選択的に、絶縁層104及び画素ドライバチップ200のアレイの裏面203にわたって広がっている。加えて、複数の導電性ピラー108は、任意選択的に、裏面RDL120から前面RDL110まで絶縁層104を通って延びてもよい。実施形態によれば、裏面RDL120及び導電性ピラー108は必須ではないが、そのような構成を使用して、ディスプレイパネルの縁部103とは対照的に、ディスプレイパネル100の裏面へのルーティングを提供することによって、基板の前面上の利用可能な表示領域を増加させることができる。実施形態によれば、1つ以上のデバイスチップ300は、裏面RDL120上に実装され、複数の導電性ピラー108と電気的に接続していてもよい。例えば、デバイスチップ300は、電源管理IC、タイミングコントローラ、タッチ感知IC、無線コントローラ、通信IC、プロセッサ、メモリなどを含むことができる。
【0086】
実施形態によれば、ディスプレイパネル100は、1つ以上の行ドライバチップ及び/又は列ドライバチップを含むことができる。
図1~
図2に示す実施形態では、1つ以上の行ドライバチップ及び/又は列ドライバチップは、デバイスチップ300の間に含まれてもよい。他の実施形態では、1つ以上の行ドライバチップ及び列ドライバチップは、絶縁層104内に前面を上にして埋め込まれてもよく、又は前面RDL110の前面111上に実装されてもよい(例えば、接合されてもよい)。
【0087】
ここで
図3を参照して、一実施形態に係る、複数の埋め込まれた画素ドライバチップ200、行ドライバチップ310、及び列ドライバチップ320の上に配置されたLED102のアレイを含むディスプレイパネル100の概略上面図を示す。
図4は、一実施形態に係る、
図3のX-X断面に沿って取られたディスプレイパネルの概略側断面図である。
図3~
図4は、ディスプレイパネル100の表示領域が、ディスプレイパネルの表示領域と同じ面上の表面実装チップに対する要件によって制約されないという点で、
図1~
図2と同様である。したがって、画素ドライバチップ200と共に表示領域の下に行ドライバチップ310及び列ドライバチップ320を埋め込むことによって、表示領域を増大させることができる。
図3~
図4に示す実施形態では、行ドライバチップ310は、絶縁層104内に前面312を上にして埋め込まれ、列ドライバチップ320は、絶縁層104内に前面322を上にして埋め込まれている。前面RDL110は、画素ドライバチップ200のアレイの前面202、並びに複数の行ドライバチップ310の前面312及び複数の列ドライバチップ320の前面322にわたって広がり、かつそれらと電気的に接続している。一実施形態では、裏面RDL120は、絶縁層104、並びに画素ドライバチップ200のアレイの裏面203、複数の行ドライバチップ310の裏面313、及び複数の列ドライバチップ320の裏面323にわたって広がっている。
【0088】
ここで
図5を参照して、一実施形態に係る、複数の埋め込まれた画素ドライバチップ200の上に、かつディスプレイパネル100の表示領域101の外側に配置された、LED102のアレイ、行ドライバチップ310、及び列ドライバチップ320を含むディスプレイパネル100の概略上面図を示す。
図6は、一実施形態に係る、
図5の線X-Xに沿って取られたディスプレイパネルの概略側断面図である。
図5~
図6は、ディスプレイパネル100の表示領域101が、行ドライバチップ310及び/又は列ドライバチップ320の位置によって任意選択的に制約される点で、
図1~
図2と異なる。フレックス回路350が、
図5に更に示されている。例えば、フレックス回路350は、前面RDL110又は裏面RDL120に取り付けることができる。図示した実施形態では、画素ドライバチップ200のアレイは、表示領域101の直下に、絶縁層104内に前面202を上にして埋め込まれ、複数の任意選択の行ドライバチップ310は、表示領域101の外側の前面RDL110上に前面312を下にして実装される。画素ドライバチップ200はまた、表示領域101の外側の絶縁層104内に前面202を上にして、例えば、行ドライバチップ310及び/又は列ドライバチップ320の直下に埋め込まれてもよい。
【0089】
図1~
図6は、実施形態に係る可能な様々な構成を示す。いくつかの構成が別個に例示されているが、他の実施形態では、いくつかを組み合わせてもよい。例えば、フレックス回路350は、例えば、任意選択の導電性ピラー108及び裏面RDL120が含まれない場合、ディスプレイパネル100から離れた構成要素への電気的接続を提供するために、
図1~
図6に示す実施形態のいずれかにおいて、前面RDL110の前面111に取り付けられてもよい。フレックス回路350はまた、裏面RDL120に取り付けられてもよい。
【0090】
図7は、一実施形態に係る、画素ドライバチップ200のデジタル単位セル700の図である。画素ドライバチップ200は、1つ以上の単位セル700を含んでもよく、単位セル700の1つ以上の構成要素を含んでもよい。図示の単位セル700は、LED102から出力されることになる発光に対応するデータ信号を記憶するレジスタ730(例えば、デジタルデータ記憶装置)を含む。レジスタに記憶されたデータは、例えば、コンデンサに記憶されたアナログデータとは対照的に、デジタルデータと呼ばれる場合がある。データ(例えば、ビデオ)信号は、例えば、データクロックに従ってクロックされることによって、レジスタ730にロード(例えば、記憶)されてもよい。一実施形態では、データクロック信号がアクティブである(例えば、ハイになる)ことにより、データ(例えば、列ドライバチップ320からの)をレジスタに入力することが可能になり、次いで、データクロック信号(例えば、行ドライバチップ310からの)が非アクティブである(例えば、ローになる)ときに、データがレジスタにラッチされる。信号(例えば、非線形)グレースケール(例えば、レベル)クロック(例えば、行ドライバチップ310からの)は、カウンタ732をインクリメントしてもよい。グレースケールクロックはまた、カウンタをその元の値(例えば、ゼロ)にリセットしてもよい。
【0091】
単位セル700はまた、コンパレータ734を含む。コンパレータは、レジスタ730からのデータ信号を、カウンタ732によってカウントされた(例えば非線形)グレースケールクロックからのパルス数と比較して、データ信号が非線形グレースケールクロックからのパルス数と異なる(例えば、又はそれよりも大きい若しくはそれ未満である)ときに、LED102による発光を生じさせることができる。図示したコンパレータは、スイッチに電流源736を起動させて、LED102をそれに応じて照明させることができる。電流源(例えば、限定するものではないが、基準電圧(Vref)などの入力によって調整される)は、LED102を動作させるための電流を提供することができる。電流源は、電流を設定するバイアス電圧などの制御信号、(例えば、Vth)補償画素回路の使用、又はオペアンプの電流の出力を制御するための定電流演算増幅器(オペアンプ)の抵抗器を調整することによって設定される、その電流を有してもよい。
【0092】
図8は、一実施形態に係る、画素ドライバチップ200のアナログ単位セル800の図である。アナログ単位セル800は単なる例であり、他の画素回路が利用されてもよい。図示されるように、アナログ単位セル800は、データ電圧を保持するための蓄積コンデンサ(Cst)と、電流駆動トランジスタT1と、サンプルホールド用のスイッチングトランジスタT2と、発光をオン及びオフにするためのスイッチングトランジスタT3と、を含んでもよい。一実施形態では、(例えば、列ドライバチップ320からの)Vdata(入力)アナログ信号は、スイッチングトランジスタT2によってサンプリングされ、電流駆動トランジスタT1のゲート電圧を設定する。一実施形態では、スイッチングトランジスタT2への走査信号及びスイッチングトランジスタT3への発光パルス制御信号は、1つ以上の行ドライバチップ310から生成されてもよい。
【0093】
図9は、一実施形態に係る、画素ドライバチップを形成する方法の図である。明確にするために、
図9の以下の説明は、
図10~
図12の概略側断面図に関してなされる。開始点として、デバイス基板210は、デバイス層内にアクティブデバイス領域220を含んでもよい。一実施形態では、デバイス基板210は単結晶シリコンウエハであるが、シリコンオンインシュレータ、又はIII-V族半導体材料から形成されたウエハなどの他の種類のウエハが使用されてもよい。実施形態によれば、アクティブデバイス領域220は、画素ドライバチップ200に含まれることになるデバイス構成要素を含む。以下のプロセス及び処理シーケンスは、画素ドライバチップ200の製造に関して記載されているが、プロセス及び処理シーケンスは、行ドライバチップ310及び列ドライバチップ320などの他のデバイスチップの製造に等しく適用可能であることを理解されたい。一実施形態では、画素ドライバチップ200、行ドライバチップ310、及び列ドライバチップ320は全て、同じデバイス基板210から製作することができる。
【0094】
図10を参照して、開始デバイス基板210は、200~1,000μmの例示的な厚さを有する標準的なシリコンウエハであってもよいが、特にウエハサイズ(例えば、直径)に応じて、他の厚さが使用されてもよい。金属パッド230は、デバイス基板210上に形成することができる。不活性化層240は、デバイス基板210を覆うことができ、金属パッド230を露出させる開口部を含むことができる。一実施形態によれば、露出した金属パッド230上に導電性バンプ250(例えば、銅)が形成される。導電性バンプ250は、単一又は複数の層を含んでもよい。
【0095】
図11に示すように、動作910では、平坦化層260が、デバイス基板210の前面上の導電性バンプ250の上に形成される。平坦化層260は、電気的絶縁材料で形成することができる。一実施形態では、平坦化層260は、ポリベンゾオキサゾール(PBO)などであるが、これらに限定されないポリマー充填材料から形成される。平坦化層260は、スロットコーティング又はスピンコーティングなどの好適な堆積技術を使用して形成されてもよい。一実施形態では、平坦化層260の前面261は、平坦化されている。例えば、平坦化は、平坦化層260を堆積させた後に化学機械研磨(chemical mechanical polishing、CMP)を使用して達成されてもよい。
【0096】
動作920では、デバイス基板210の前面上の導電性バンプ250は、任意選択的に露出される。しかしながら、全ての実施形態に関してこの処理段階で導電性バンプ250を露出させる必要はない。
図10に示す特定の実施形態では、平坦化層260の上面261は、導電性バンプ250の上面251の上にある。動作930では、画素ドライバチップ200は、デバイス基板210から単体化される。
図12に示すように、単体化は、最初にキャリア基板500上の接着剤(例えば、テープ)層510にデバイス基板210を取り付けることと、続いて切断して個々の画素ドライバチップ200を形成すること、を含むことができる。
【0097】
図13は、一実施形態に係る、画素ドライバチップを形成する方法の図である。明確にするために、
図13の以下の説明は、
図14~
図19の概略側断面図に関してなされる。簡潔にするために、
図9~
図12に関連して前述したものと実質的な類似性を有する特徴の説明は、繰り返さない場合がある。
図14を参照して、動作910と同様に、動作1310では、平坦化層260が、デバイス基板210の前面上の導電性バンプ250の上に形成される。
図15に示すように、動作1320では、デバイス基板210の前面は、キャリア基板400に取り付けられる。ここで
図16を参照して、動作1330では、デバイス基板210は、例えば、研削技術(例えば、CMP)、又はエッチングと研削との組み合わせを使用して薄膜化される。薄膜化されたデバイス基板210の結果として得られる厚さは、形成されることになるディスプレイパネルの結果として得られる可撓性、及びアクティブデバイス領域220の深さに依存し得る。一実施形態では、デバイス基板210は、約100μmまで薄膜化されるが、薄膜化されたデバイス基板210は、100μmより薄くてもよく(例えば、5μm、20μmなど)、又は100μmより厚くてもよい。
【0098】
ここで
図17を参照して、動作1340では、薄膜化されたデバイス基板210の裏面は、例えば、接着剤(例えば、テープ)層510を用いて第2のキャリア基板500に取り付けられる。次に、
図18に示すように、動作1350で、キャリア基板400は除去され、
図19に示すように、動作1360で、個々の画素ドライバチップ200がデバイス基板210から単体化される。
【0099】
図20~
図21は、実施形態に係る、ディスプレイパネル100を形成する方法の図である。明確にするために、
図20~
図21の以下の説明は、
図22~
図27の概略側断面図に見出される参照の特徴に関してなされる。
図20を参照して、動作2010では、画素ドライバチップ200のアレイは、前面202を上にしてキャリア基板600に転写される。動作2020では、画素ドライバチップ200のアレイは、キャリア基板600上にカプセル化される。動作2030では、カプセル化された画素ドライバチップ200のアレイの前面202上に、前面RDL110が形成される。動作2040では、LED102のアレイが、前面RDL110に転写される。
【0100】
図21を参照して、動作2110では、裏面RDL120が、キャリア基板600上に形成される。動作2120では、画素ドライバチップ200のアレイは、裏面RDL120に転写される。動作2130では、画素ドライバチップ200のアレイは、裏面RDL120上にカプセル化される。動作2140では、カプセル化された画素ドライバチップ200のアレイ上に、前面RDL110が形成される。動作2150では、LED102のアレイが、前面RDL110に転写される。
【0101】
ここで
図22を参照して、裏面RDL120は、例えば動作2110に関して説明したように、キャリア基板600上に任意選択的に形成される。加えて、複数の導電性ピラー108が、裏面RDL120上に任意選択的に形成される。上述したように、裏面RDL120及び導電性ピラー108の形成は、ディスプレイパネル100の裏面上の構成要素への電気的接続を可能にすることができる。しかしながら、裏面接続は必ずしも必要ではなく、実施形態により任意選択である。したがって、裏面RDL120及び導電性ピラー108が図示及び説明されているが、これらの特徴は必須ではない。
【0102】
裏面RDL120は、1つ以上の再配線122(例えば、銅)及び誘電体層124を有してもよい。裏面RDL120は、層ごとのプロセスによって形成することができ、薄膜技術を使用して形成することができる。一実施形態では、裏面RDL120は、5~50μmの厚さを有する。一実施形態では、導電性ピラー108は、パターン化したフォトレジストを使用して導電性ピラー108の寸法を画定する電気めっきなどのめっき技法を行い、その後パターン化したフォトレジスト層を除去することによって形成される。導電性ピラー108の材料としては、銅、チタン、ニッケル、金、及びこれらの組み合わせ又は合金などの金属材料を挙げることができるが、これらに限定されない。一実施形態では、導電性ピラー108は銅である。一実施形態では、導電性ピラー108は、画素ドライバチップ200の厚さとほぼ同じ高さ(例えば、100μm)を有する。
【0103】
ここで
図23を参照して、画素ドライバチップ200のアレイは、キャリア基板600に転写される。図示した実施形態では、画素ドライバチップ200は、前面202を上にしてキャリア基板600上に転写される。一実施形態では、裏面203画素ドライバチップ200は、ダイ取り付けフィルム270を使用してキャリア基板600に取り付けられる。裏面RDL120を含む実施形態によれば、画素ドライバチップ200は、裏面RDL120上に前面202を上にして転写され、ダイ取り付けフィルム270を使用して取り付けられてもよい。
【0104】
画素ドライバチップ200のアレイ及び任意選択的に導電性ピラー108は、次いで、絶縁層104内にカプセル化される。別個に図示されていないが、特定の構成では、行ドライバチップ310及び列ドライバチップ320もまた、絶縁層104内にカプセル化されてもよい。
【0105】
絶縁層104は、熱硬化性架橋樹脂(例えば、エポキシ)などの成形コンパウンドを含んでもよいが、電子パッケージングで既知の他の材料を使用することもできる。カプセル化は、それだけに限定されるものではないが、移送成形、圧縮成形、及び積層など、好適な技法を使用して実現することができる。絶縁層104は、カプセル化後に、導電性ピラー108の前面109及び画素ドライバチップ200の前面202を覆ってもよい。カプセル化後、絶縁層104の前面105は、導電性ピラーの前面109及び導電性バンプ250の前面251を露出させるように処理されてもよい。一実施形態では、絶縁層は、CMPを使用して研磨されて、前面105、109、251を含む平坦な前面を形成する。
【0106】
ここで
図25を参照して、カプセル化された画素ドライバチップ200のアレイの前面202上に、前面RDL110が形成される。存在する場合、前面RDL110はまた、カプセル化された行ドライバチップ310及び列ドライバチップ320の前面上に形成されてもよい。前面RDL110は、1つ以上の再配線112(例えば、銅)及び誘電体層114を有してもよい。前面RDL110は、層ごとのプロセスによって形成することができ、薄膜技術を使用して形成することができる。一実施形態では、前面RDL110は、5~50μmの厚さを有する。一実施形態では、コンタクトパッド118を含む前面RDL110の前面111は、平坦化される。
【0107】
図26に示すように、LED102は、前面RDL110の前面111上の対応するコンタクトパッド118に接合されてもよい。一実施形態では、LED102を転写する前に、はんだポスト(例えば、インジウム)をコンタクトパッド118上に形成して、LED102をコンタクトパッド118に接合するのを容易にすることができる。
【0108】
ここで
図27を参照して、次いで、側壁不活性化層130が、LED102の周囲に横方向に形成されてもよい。側壁不活性化層130は、エポキシ又はアクリルなどであるがこれらに限定されない電気的絶縁材料で形成されてもよく、透明又は不透明であってもよい。次いで、1つ以上の上部導電性接触層140を、LED102の1つ以上又は全ての上に形成することができる。一実施形態では、上部導電性接触層140は、透明である。例えば、上部導電性接触層140は、ITOなどの透明導電性酸化物、又はPEDOTなどの透明導電性ポリマーから形成することができる。一実施形態では、上部導電性接触層140は、Vss又は接地線116上にそれと電気的に接触して更に形成される。次に、上部カプセル化層150を、上部導電性接触層140の上に形成することができる。上部カプセル化層150は、透明な材料で形成することができる。キャリア基板600は除去されてもよく、1つ以上のデバイスチップ300は、ディスプレイパネル100の裏面に、例えば、裏面RDL120に取り付けられてもよい。
【0109】
図28~
図29は、実施形態に係る、ディスプレイパネル100を形成する方法の図である。明確にするために、
図28~
図29の以下の説明は、
図30~
図34の概略側断面図に見出される参照の特徴に関してなされる。
図28を参照して、動作2810では、画素ドライバチップ200のアレイは、前面202を下にしてキャリア基板610に転写される。動作2820では、画素ドライバチップ200のアレイは、キャリア基板610上にカプセル化される。動作2830では、キャリア基板610は除去される。動作2840では、カプセル化された画素ドライバチップ200のアレイの前面202上に、前面RDL110が形成される。動作2850では、LED102のアレイが前面RDL110に転写される。
【0110】
図29を参照して、動作2910では、前面RDL110がキャリア基板610上に形成される。動作2920では、画素ドライバチップ200のアレイは、前面RDL110に転写される。動作2930では、画素ドライバチップ200のアレイが前面RDL110上にカプセル化される。動作2940では、カプセル化された画素ドライバチップ200のアレイ上に、裏面RDL120が形成される。動作2950では、LED102のアレイが前面RDL110に転写される。
【0111】
ここで
図30を参照して、前面RDL110は、例えば動作2910に関して説明したように、キャリア基板610上に形成される。加えて、複数の導電性ピラー108が、前面RDL110上に任意選択的に形成される。上述したように、導電性ピラー108の形成は、ディスプレイパネル100の裏面上の構成要素への電気的接続を可能にすることができる。しかしながら、裏面接続は必ずしも必要ではなく、実施形態により任意選択である。したがって、導電性ピラー108が図示及び説明されているが、これらの特徴は必須ではない。
【0112】
前面RDL110は、1つ以上の再配線112(例えば、銅)及び誘電体層114を有してもよい。前面RDL110は層ごとのプロセスによって形成することができ、薄膜技術を使用して形成することができる。一実施形態では、前面RDL110は5~50μmの厚さを有する。一実施形態では、導電性ピラー108は、パターン化したフォトレジストを使用して導電性ピラー108の寸法を画定する電気めっきなどのめっき技法を行い、その後パターン化したフォトレジスト層を除去することによって形成される。導電性ピラー108の材料としては、銅、チタン、ニッケル、金、及びこれらの組み合わせ又は合金などの金属材料を挙げることができるが、これらに限定されない。一実施形態では、導電性ピラー108は銅である。一実施形態では、導電性ピラー108は、画素ドライバチップ200の厚さとほぼ同じ高さ(例えば、100μm)を有する。
【0113】
図30を更に参照して、画素ドライバチップ200のアレイは、キャリア基板610に転写される。図示した実施形態では、画素ドライバチップ200は、前面202を下にしてキャリア基板610上に転写される。前面RDL110を含む実施形態によれば、画素ドライバチップ200は、前面RDL110上に前面202を下にして転写される。一実施形態では、画素ドライバチップ200は、はんだバンプ280などの導電性バンプを用いて前面RDL110に接合されてもよい。アンダーフィル材料282は、任意選択的に、電気接続の完全性を保持するために、画素ドライバチップ200の周囲/下に適用されてもよい。
【0114】
図31に示すように、画素ドライバチップ200のアレイ及び任意選択的に導電性ピラー108は、次いで、絶縁層104内にカプセル化される。別個に図示されていないが、特定の構成では、行ドライバチップ310及び列ドライバチップ320もまた、絶縁層104内にカプセル化されてもよい。
【0115】
絶縁層104は、熱硬化性架橋樹脂(例えば、エポキシ)などの成形コンパウンドを含んでもよいが、電子パッケージングで既知の他の材料を使用することもできる。カプセル化は、それだけに限定されるものではないが、移送成形、圧縮成形、及び積層など、好適な技法を使用して実現することができる。絶縁層104は、カプセル化後に、導電性ピラー108の裏面107及び画素ドライバチップ200の裏面203を覆ってもよい。カプセル化後、絶縁層104の裏面113は、導電性ピラー108の裏面107、及び任意選択的に画素ドライバチップ200の裏面203を露出させるように処理されてもよい。一実施形態では、絶縁層は、CMPを使用して研磨されて、裏面107、113、203を含む平坦な裏面を形成する。
【0116】
ここで
図32を参照して、カプセル化された画素ドライバチップ200のアレイの裏面203上に、裏面RDL120が任意選択的に形成される。存在する場合、裏面RDL120はまた、カプセル化された行ドライバチップ310及び列ドライバチップ320の裏面上に形成されてもよい。裏面RDL120は、1つ以上の再配線122(例えば、銅)及び誘電体層124を有してもよい。裏面RDL120は、層ごとのプロセスによって形成することができ、薄膜技術を使用して形成することができる。一実施形態では、裏面RDL120は、5~50μmの厚さを有する。
【0117】
図33を参照して、キャリア基板610は、前面RDL110から除去され、第2のキャリア基板620は、構造的支持を提供するために、存在する場合、裏面RDL120に任意選択的に取り付けられてもよい。前面RDL110は、キャリア基板610を除去した後に平坦な前面111を有してもよいが、CMPなどの平坦化動作は、前面111を平坦化するために行われてもよい。LED102は、前面RDL110の前面111上の対応するコンタクトパッド118に接合されてもよい。一実施形態では、LED102を転写する前に、はんだポスト(例えば、インジウム)をコンタクトパッド118上に形成して、LED102をコンタクトパッド118に接合するのを容易にすることができる。
【0118】
ここで
図34を参照して、次いで、側壁不活性化層130が、LED102の周囲に横方向に形成されてもよい。側壁不活性化層130は、エポキシ又はアクリルなどであるがこれらに限定されない電気的絶縁材料で形成されてもよく、透明又は不透明であってもよい。次いで、1つ以上の上部導電性接触層140を、LED102の1つ以上又は全ての上に形成することができる。一実施形態では、上部導電性接触層140は透明である。例えば、上部導電性接触層140は、ITOなどの透明導電性酸化物、又はPEDOTなどの透明導電性ポリマーから形成することができる。一実施形態では、上部導電性接触層140は、Vss又は接地線116上にそれと電気的に接触して更に形成される。次に、上部カプセル化層150を、上部導電性接触層140の上に形成することができる。上部カプセル化層150は、透明な材料で形成することができる。第2のキャリア基板620は除去されてもよく、1つ以上のデバイスチップ300は、ディスプレイパネル100の裏面に、例えば、裏面RDL120に取り付けられてもよい。
【0119】
図9~
図34で説明及び図示した処理シーケンスは例示的であり、実施形態は必ずしもそのように限定されるものではないことを理解されたい。例えば、画素ドライバチップ200がダイ取り付けフィルム又は導電性バンプを用いてRDLに取り付けられる必要はない。処理シーケンスの変形を使用して、RDLが絶縁層又は画素ドライバチップ200の前面及び裏面上に直接形成されるディスプレイパネルを形成することができる。したがって、実施形態によれば、多数の変形が可能である。
【0120】
別の態様では、実施形態は、高解像度LEDディスプレイ用の拡張可能な大面積のソリューションの形成のために実施することができる。加えて、従来のTFTバックプレーン積層体と同様に、バックプレーン機能が電気光学層から垂直に分離することができるため、開示される実施形態は、LED、OLED、量子ドット(quantum dot、QD)、LCD、又は電子インク(Eインク)などの全ての発光型及び反射型電気光学媒体に使用される、汎用バックプレーンであってもよい。非常に大きなTFTバックプレーンを製造することができるが、TFTはLEDに確実に供給することができる電流量が制限されるため、最適な選択ではない。TFTの代わりに、実施形態に係る画素ドライバチップの使用がこの問題に対する解決策を提供することができ、画素ドライバチップとLEDの垂直分離は、そうでなければLED及び画素ドライバチップの並列集積と共に存在し得るディスプレイのサイズ及び解像度に対する制限を撤廃する。垂直集積はまた、IC性能を改善し、マイクロレンズ及び画素内拡散体などの画素光学素子の集積のための追加のスペースを提供することができる。加えて、実施形態は、表示境界を更に低減しながら、依然として画素ドライバチップ層内の機能の更なる集積のための余地を与えることができる。適用領域としては、発光型及び反射型ディスプレイ、照明、大面積センサアレイ(例えば、X線)、並びに更には太陽光を挙げることができる。
【0121】
一態様では、実施形態に係る画素ドライバチップは、電気光学層(例えばLED)と同じ層内のスペースについて競合しない。結果として、ディスプレイの最大解像度を増大させることができ(すなわち、最小画素サイズをより小さくすることができる)、同時に、画素ドライバチップは、大きいディスプレイサイズに拡張可能なSi面積効率の良いソリューションのための最適なサイズ及び形状を有することができる(性能及びコスト利益)。加えて、実施形態に係るアーキテクチャは、シリコンデバイスから発光デバイスを分離することができ、行ドライバ、列ドライバ、センサ、又はタッチなどの更なる機能のためのより多くの余地をもたらすことができる。更に、これにより、その接点が下向きの代わりに上向きの画素ドライバチップが可能になる。これは、金属トレースを含む層と画素ドライバチップのコンタクトパッドとの間の低オーム接触を引き起こすことから画素ドライバチップ配置を分離するため、画素ドライバチップの接触問題を解決する(歩留まり利益)。
【0122】
実施形態によれば、画素ドライバチップをバックプレーントレースに接合するためにマイクロボンディング技術を利用するのではなく、バックプレーントレースは、代わりに、画素ドライバチップのコンタクトパッド(又は前述の導電性バンプ)上に形成される。したがって、高解像度及び高温、したがって高リスク接合工程を回避して、接続を作製するための主流のリソグラフィ方法を使用することに置き換えることができ、これにより、費用効果の高い大面積ディスプレイ用のより大きい画素ドライバチップ及びより多くのドライバパッドへのスケーリングを更に容易にする。
【0123】
別の態様では、実施形態は、境界が低減されたディスプレイの製造に使用されてもよい。現在主流のディスプレイ技術で使用されるTFTバックプレーンは、狭い境界を有することができるが、画素の下の領域が回路で完全に満たされているので、境界を完全に排除することができず、表示境界内で行われるグローバルトレースルーティングを必要とする。実施形態に係る画素ドライバチップアーキテクチャは、はるかに小さい特徴サイズ(例えば、40nm対1μm)を有することによって、境界を大幅に低減し、高速データバスアーキテクチャを使用することによって、ディスプレイ内の画素当たりに必要とされるトレース数を低減することができる。提案されるアーキテクチャは、これをまた更に低減し、より多くの有機形状のバックプレーンを可能にすることができる。したがって、別個の層内の画素ドライバチップにより、有機(例えば、丸みを帯びた)境界形状であっても、ディスプレイのアクティブ画素領域内に全ての画素ドライバチップを配置する自由度がある。これにより、表示境界を最小に低減する(設計スペース利益)。
【0124】
ここで
図35~
図38を参照して、画素ドライバチップが電気光学層の下に配置された概略断面図を示す。
図35は、一実施形態に係る、下部コンタクトパッド255及び裏面RDL120を有する埋め込まれた画素ドライバチップ200を含むディスプレイパネルの概略側断面図である。
図36は、一実施形態に係る、上部コンタクトパッド255及び前面RDL110を有する埋め込まれた画素ドライバチップ200を含むディスプレイパネルの概略側断面図である。この実施形態における画素ドライバチップ200の配置は、例えば、フリップチップ技術又は他の配置ツールを使用して、画素ドライバチップが表面上に配置されたときにそれらを「貼り付け」させるのに十分な接着力を有する表面のみを必要とする。
図37は、一実施形態に係る、上部及び下部コンタクトパッド255、並びに前面RDL110及び裏面RDL120を有する埋め込まれた画素ドライバチップ200を含むディスプレイパネルの概略側断面図である。このような画素ドライバチップ構成を使用して、画素ドライバチップ領域を増大させることなく、画素ドライバチップの接触密度を増大させることができる。特定の実装形態では、全ての電力供給ラインは、裏面のRDL120内の画素ドライバチップ200の下を通ることができ、一方で、LED102への全てのトレースは、RDL110内の画素ドライバチップ200の上を通る。これにより、画素ドライバチップ200の下のトレースの量が制限されることになり、広い電力供給ラインを有し、同時に、画素ドライバチップ200とLED102との間の効率的なルーティングを有すること(又は他のディスプレイ効果)が可能になる。図示のように、ブラックマトリックス層160は、任意選択的に、積層構造の上に形成されて、発光及び反射に影響を及ぼすことができる。
【0125】
図35~
図37に示す実施形態に加えて、画素ドライバチップが電気光学層積層体の上の層にある実施形態(いわゆる上部画素ドライバチップの実施形態)などの、電気光学層とは異なる面に画素ドライバチップを有する他の実施形態が可能である。画素ドライバチップが不透明であるため、発光は、画素ドライバチップ層から離れて観察者に向かって行われる必要がある。したがって、そのような実施形態は、光学的に透明な基板を通る底面発光を有することができる。
【0126】
300℃より高い処理温度を必要とする従来のLTPS、低温多結晶酸化物(low temperature polycrystalline oxide、LTPO)、酸化物及びa-Si TFT技術とは対照的に、いくつかの実施形態に係る画素ドライバチップを使用するバックプレーン処理は、200℃未満の温度割当量で実行することができる。これにより、現在全て黄色ポリイミド(PI)基材を使用する従来のTFTプロセスと比較して、それぞれ約200℃及び約120℃の最大処理温度を有するポリエチレンナフタレート(PEN)又は更にはポリエチレンテレフタレート(PET)などの低コストの光学的に透明な基材を含む、より広い範囲のプラスチック基材を使用する可能性が開かれる。
【0127】
実施形態に係る画素ドライバチップアーキテクチャは、OLED、量子ドット(QD)、LCD、電子インク(Eインク)などの他の電気光学媒体と組み合わせることができる。例えば、実施形態は、そうでなければ画素ドライバチップがバックライトユニットから来る光を局所的に遮断するため、LCDが反射モードで使用されるLCDに適合することができる。
図38は、例示的なRGB構成における有機若しくは発光QD層380R、380G、380Bを含む実施形態に係る、埋め込まれた画素ドライバチップを含むOLED又はQDディスプレイパネルの概略側断面図である。OLEDが酸素及び水に敏感であるため、積層体の上部及び下部上のカプセル化層172、704を十分な寿命にわたって含むことができる。画素画定層170などの追加の層もまた、OLED及び/又はQDの製造要件若しくは技術と一致して存在してもよい。
図35~
図37に示す3つ全ての下部画素ドライバチップ構成がここでもまた可能であるが、
図36と一致する上部接触画素ドライバチップ構成のみを
図38に示すことを理解されたい。
【0128】
実施形態によれば、OLED用にTFTの代わりに画素ドライバチップを使用することは、電力消費、境界、及び機能に関して重要な意義を有することができる。例えば、OLEDにおける画素ドライバチップの集積は、より低い電力消費をもたらすことができる。例示的な比較モデルでは、画素ドライバチップは、1.1Vの供給のみを必要とし、発光経路内の約1Vのオーバーヘッドのみを追加することができ、その一方で、従来のTFTバックプレーンは、使用されるTFT技術の種類に応じて、10~18Vの供給電圧及び約3~5Vの発光経路内のオーバーヘッドを有する。5~6VのOLED積層体上の電圧では、これにより、発光部に対する20%~40%の電力の低減がもたらされ、低発光電力では、これは、供給電圧によって決定されるアドレス指定電力消費が支配的になるため、2倍よりも更に大きくなり得る。
【0129】
境界を狭めることに関しては、画素ドライバチップは、従来のTFTバックプレーンの場合での直接ソース及びゲート接続の代わりに、高速デジタルデータバス及びバッファを使用することができ、バックプレーンで必要とされるトレースの数は、はるかに少なくてもよい。更に、画素ドライバチップは、有機形状(例えば、丸みを帯びた角)が必要な場合であっても、ディスプレイアクティブ領域境界内に十分に配置することができる。これにより、ゼロ境界ディスプレイの能力をもたらし、環境障壁のみが境界領域内に延びる必要がある。
【0130】
集積及び機能に関しては、従来のTFTバックプレーン(例えば、1~2μmの特徴サイズ)と比較して、画素ドライバチップをはるかに高いトランジスタ密度(例えば、電流ノードにおける22nmの特徴サイズ)を用いて製造することができるので、画素ドライバチップの実施形態は、センサ又はタッチなどの同じ平面内での機能の更なる集積のために、多くのスペースを残す。
【0131】
ここで
図39を参照して、一実施形態に係る、画素ドライバチップを形成する方法を示す。具体的には、方法は、上部接触画素ドライバチップの形成に関するものであるが、他の処理シーケンスが、下部接点の形成、又はその両方のために供給されてもよい。
図39に示す処理シーケンスは、標準的なフォトリソグラフィプロセスと、フリップチップ又はマイクロデバイス静電転写ヘッドアセンブリを用いた転写などの好適な転写技術を使用した画素ドライバチップ及びLEDの配置との組み合わせを使用する、アディティブ法であってもよい。簡潔かつ明確にするために、
図39の以下の説明は、
図40~
図47の概略側断面図に関して一緒になされる。
【0132】
図40に示すように、処理シーケンスは、デバイス基板210上のビルドアップ構造体290の形成中に開始することができる。例えば、デバイス基板210は、バルク基板201(例えばシリコン基板)の上に形成されたアクティブ領域を含むデバイス層220を含んでもよい。ビルドアップ構造体290は、複数の誘電体層292と、金属層291と、不活性化層293とを含むことができる。図示される特定の実施形態では、複数のコンタクトビア295が露出される。動作3910では、デバイス基板210上の露出した複数のコンタクトビア295の上に、金属接触層802が形成される。上部金属接触層802は、この段階ではパターン化されていなくてもよい。上部金属は、下流パネルプロセスフローとの適合性のために選択されてもよく、Al、Ti、TiN、Ta、TaNなどであってもよい。更に、上部金属接触層802は、任意選択的に、後続の剥離動作(例えば、蒸気HF)中の潜在的な攻撃から金属層を保護するために、原子層堆積(atomic layer deposition、ALD)層(例えば、Al
2O
3)などの誘電体層によって被覆することができる。加えて、金属接触層802を覆う誘電体層は、静電転写ヘッドを使用して転写が達成される場合に役立つことができる。
【0133】
図41を参照して、動作3912では、トレンチ801が、ビルドアップ構造体290を通ってデバイス基板210のデバイス層220内に形成される。ALD Al
2O
3などの任意選択の誘電体層は、任意選択的に、例えば、後続の剥離動作中のエッチング選択性のために、トレンチ801の側壁に沿って形成されてもよい。いくつかの実施形態では、この段階で、犠牲トレンチ充填材806(例えば、SiO
2)をトレンチに充填するために、任意選択の動作3914が実行される。次いで、動作3916では、デバイス基板210のビルドアップ構造体290側が、キャリア基板812に接合される。
図42に示すように、接着剤層810を使用して、接合を容易にすることができる。一実施形態では、犠牲トレンチ充填材806の突起807は、接着剤層810に埋め込まれる。
【0134】
次いで、動作3918では、バルク基板201を除去して、デバイス基板210の裏面を露出させることができる。これは、ウエハの薄化及び研削によって達成して、トレンチ801を露出させることができる。この段階では、安定化パッド820が、薄膜化された表面上に形成されてもよい。安定化パッド820は、形成されることになる安定化ポストとの接着を制御するために、金属で形成されてもよい。一実施形態では、安定化パッド820は、銅又はアルミニウムなどの金属である。次いで、動作3920では、犠牲層830は、デバイス層220上に形成され、パターン化されて、安定化パッド820の上にポスト開口部832を形成してもよい。一実施形態では、犠牲層830は、犠牲トレンチ充填材806(例えば、SiO2)と同じ材料で形成される。
【0135】
図45を参照して、動作3922では、次いで、安定化構造体が、デバイス基板210の裏面上に形成される。図示のように、安定化構造体は、安定化ポスト842も含む安定化層840を含んでもよい。一実施形態では、安定化層840は、金属、又はベンゾシクロブテン(BCB)などのポリマーで形成される。安定化構造体は、恒久的キャリア基板としても機能することができる支持基板850を更に含んでもよい。支持基板850は、剛性であってもよい。
図46に移ると、動作3924では、キャリア基板は、除去されてもよい。一実施形態では、これは、レーザーアブレーション技術、及び接着剤層を除去するための湿式洗浄を使用して達成される。次いで、裏面のパターン化された犠牲層830は、剥離動作3926中に除去され、複数の支持ポスト842によって支持された画素ドライバチップ200のアレイが得られる。実施形態によれば、犠牲トレンチ充填材806もまた、この動作中に、例えば、蒸気HFエッチング技術を使用して除去される。
【0136】
ここで
図48を参照して、一実施形態に係る、ディスプレイパネルを形成する方法を示す。簡潔かつ明確にするために、
図48の以下の説明は、
図49A~
図49Jの概略側断面図に関して一緒になされる。
図49Aは、一実施形態に係る、ディスプレイ基板710の上に形成された接着剤層702の概略側断面図である。ディスプレイ基板710は、様々な剛性又は可撓性基板であってもよく、1つ以上の層を含んでもよい。一実施形態では、ディスプレイ基板710は、ガラス又はポリマーパネルである。図示される特定の実施形態では、ディスプレイ基板は、ガラスなどの剛性支持基板705と、最終的なディスプレイパネル100製品では支持基板705から除去することができる、ポリイミド、PEN、又はPETなどの可撓性基板701とを含む。いくつかの実施形態では、金属層が形成され、パターン化されて、位置合わせ(整列)マーク703を形成して、リソグラフィの整列及び転写ツールの整列を容易にする。接着剤層702の例示的な材料としては、ポリマー、はんだなどが挙げられる。一実施形態では、接着剤層は、部分的に硬化される(例えば、B段階化される)。例示的な材料としては、BCBが挙げられる。別の実施形態では、接着剤層702は、接着剤層が画素ドライバチップ200の領域内にのみ存在するようにパターン化される。動作4810では、
図49Bに示すように、複数の画素ドライバチップ200が、ディスプレイ基板710上に上向きに実装される。各画素ドライバチップ200は、複数のコンタクトビア295と、複数のコンタクトビア295の全ての上にあり、かつそれと電気的に接触している、連続的な上部金属接触層802とを含むことができる。実装は、その後硬化させることができる接着剤層702によって容易にされてもよい。
【0137】
次に、
図49Cに示すように、第1の絶縁層104Aを、複数の実装された画素ドライバチップ200の上に形成し、(例えば、局所的に)エッチバックして、金属接触層802を露出させることができる。動作4820では、金属接触層は、パターン化されて、各画素ドライバチップ200上にコンタクトパッド255のパターンを形成する。具体的には、コンタクトパッド255は、コンタクトビア295の上に位置合わせされてもよい。いくつかの実施形態では、金属接触層802を覆う任意選択の誘電体層(例えば、ALD)は、最初にパターン化される、又は代わりに金属パターニングと同じプロセス中にパターン化される。説明したように、任意選択の誘電体層は、例えば、静電転写技術を使用して転写されるときに、画素ドライバチップ200の転写を支援することができる。そのようなプロセスでは、誘電体層は、必要とされるピックアップ圧力を生成する電界の生成を容易にすることができる。加えて、任意選択の誘電体層は、転写プロセス中、並びに第1の絶縁層104Aのエッチバック中に機械的及び化学的保護を提供することができる。一実施形態では、パターン化された誘電体層は、コンタクトパッド255と同じパターンを共有する。
【0138】
更に
図49Dを参照して、コンタクトパッド255を形成するための金属接触層802のパターニングは、パネルレベルのプロセスフローで実行されてもよい。したがって、コンタクトパッド255は、それぞれの個々の画素ドライバチップ200と直接ではなく、パネル位置合わせマーク703と位置合わせされる。パネルレベルのプロセスフローにおいて画素ドライバチップの上部金属層をパターン化することにより、
図49Bに示す転写動作4810は、より大きな不整合許容差を有することができる。したがって、コンタクトパッド255をビルドアップ構造体内の内部金属層に接続する画素ドライバチップ200内のコンタクトビア295は、技術の特徴サイズ(例えば、55nm、40nm)ほど小さくすることができるが、高歩留まり率及び低抵抗率を有するように、より大きく(例えば、0.5μm、1μm)てもよい。この特徴の使用の検出は、画素ドライバチップ200の転写許容差に起因し得る上部コンタクトパッド255に対する画素ドライバチップ200及びコンタクトビア295の不整合の明確なパターンが存在し得るため、可能である。静電マイクロデバイス転写アセンブリ又はマルチノズルピックアンドプレースツールの使用の場合、この不整合は、画素ドライバチップの局所グループ(例えば、バッチ)に関して同じ又は少なくとも同様であり得る。というのは、それらが全て同時に転写されているためである(例えば、パネルは、転写された画素ドライバチップの複数のバッチを含む)。別個のバッチは、別個のキャリア基板から、又は同じキャリア基板内の異なる位置から転写されていてもよい。単一のダイのピックアンドプレースプロセスの場合、全ての画素ドライバチップは、典型的なピックアンドプレースの機械許容差に由来し得るそれ自体の不整合を有する。
【0139】
ここで
図49Eを参照して、次いで、第2の絶縁層104Bが、画素ドライバチップ200の上に形成され、パターン化されて、コンタクトパッド255を露出させる開口部805を形成してもよい。第1及び第2の絶縁層104A、104Bは、共に絶縁層104を形成してもよい。次いで、動作4830では、複数の画素ドライバチップ200上に、RDLが形成される。
図49F~
図49Gに示す特定の実施形態では、再配線112及び誘電体層114を含む前面RDL110は、層ごとのプロセスを用いて形成される。再配線112は、コンタクトパッド255上に直接形成されてもよい。これにより、画素ドライバチップ接点のための特定の接合工程の必要性が除去される。
【0140】
図49Gに示すように、前面RDLの形成は、前面RDL110の前面上のコンタクトパッド118の形成を含んでもよい。加えて、次いで絶縁バンク層132を形成し、パターン化して、コンタクトパッド118を露出させるバンク開口部134のパターンを生成してもよい。バンク開口部134は、任意選択的に、薄い金、銀、又はアルミニウム層などの反射性コーティングで裏打ちされてもよい。はんだポスト119(例えば、インジウム)は、任意選択的に、コンタクトパッド118上に形成されて、後続のLED102のコンタクトパッド118への接合を容易にすることができる。
【0141】
次いで、動作4840では、発光素子のアレイが、RDLの上に組み込まれる。
図49Hに示す特定の実施形態では、複数の無機半導体ベースのマイクロLEDが組み込まれているが、実施形態は、OLED、量子ドット(QD)、LCD、又は電子インク(Eインク)などの他の種類の発光素子に適合する。
図49Hに示す特定の実施形態では、複数のマイクロLED102が、はんだポスト119の助けを借りてコンタクトパッド118に接合される。LED102を実装した後に、LED102の周囲及びバンク開口部134内に、任意選択の拡散体充填材136が形成されてもよい。例えば、拡散体充填材136は、LED102から放出された光を散乱させるために、TiO
2などの粒子充填剤を有するポリマーマトリックスを含んでもよい。ここで
図49Jを参照して、LED集積化を完了するために、追加の処理が実行されてもよい。例えば、上部不活性化層138が、LED102の上のデバイス接触開口部に対して形成され、パターン化されてもよい。加えて、ビア139が、第2の電極端子(例えば、接地、低電圧接点(Vss)など)を露出させるために、バンク層132を貫通して形成されてもよい(又は、既に形成されていてもよい)。次いで、1つ以上の上部導電性接触層140を、LED102の1つ以上又は全ての上に形成することができる。上部導電性接触層(単数又は複数)140は、更に、ビア139内に形成されて、LED102のための第2の電極端子に接触してもよい。また、最終的なブラックマトリックス層が、周囲光反射を最小化するために、積層体の上部に処理されてもよい。
【0142】
ここで
図50Aを参照して、一実施形態に係る、単一の画素ドライバチップの金属接触層802の下にある複数の画素ドライバチップのコンタクトビア295の概略上面図を示す。例えば、これは、動作4820での、
図49Dに示す金属接点の形成の前の、
図49Cの画素ドライバチップ200の状態に対応してもよい。図示のように、金属接触層802はコンタクトビア295の上の連続層であってもよく、コンタクトビア295を完全に覆ってもよい。したがって、金属接触層802は、金属接触層を有さない小さい縁部領域(例えば、1又は2μm)(例えば、除外区域)が存在し得ることを除いて、画素ドライバチップ200の上面全体を完全に覆うことができる。
【0143】
図50B及び
図50Cは、下にあるコンタクトビア295と位置合わせされた(
図50B)、又は下にあるコンタクトビア295からオフセットした(
図50C)、パターン化されたコンタクトパッド255の2つの概略上面図を提供する。図示した実施形態では、単一のコンタクトパッド255は、単一のコンタクトビア295に接続されているが、単一のコンタクトパッド255は、複数のコンタクトビア295に、例えば、より低い抵抗に接続されてもよい。いくつかの実施形態によれば、パネル上の構成要素に関する位置許容差を提供するために、標準偏差が利用される。具体的には、本開示においてプロセスの標準偏差が比較される場合、比較は、同じ数の(例えば、第1、第2、第3など)標準偏差を意味する。例えば、一般統計学の省略表現の68-95-99.7則を使用して、平均値から標準偏差の1倍、2倍、及び3倍の範囲内にある値の割合を割り当てる。例として、画素ドライバチップ200の製造に使用される標準的な半導体製造技術は、金属パターンをコンタクトビア295と、3σ(標準偏差の3倍)で0.05μm以内、又は更には0.01μm以内に位置合わせすることができる。画素ドライバチップ200の形成中にウエハスケールでコンタクトパッド255が形成された場合、位置合わせは、
図50Bに示すように予想することができ、例えば、コンタクトパッド255の幾何学的中心(例えば、重心)がコンタクトビア295の幾何学的中心と、3σで0.05μm以内、又は更には0.01μm以内に位置合わせされる。
【0144】
実施形態によれば、例えば動作4810で画素ドライバチップ200がディスプレイ基板に転写されるとき、画素ドライバチップ200は、ディスプレイ基板710上の位置合わせ(整列)マーク703に対して配置することができる。転写プロセスの例示的な典型的な位置合わせ精度は、3σで5μm、及び3σで最高1μmであり得る。これは、例えば、単一の画素ドライバチップ200にわたる又はディスプレイ内の複数の画素ドライバチップ200のチップごとのコンタクトビア295の位置の変動よりも1~2桁大きい。
【0145】
動作4820に関して説明したように、各画素ドライバチップ上の接触金属層は、パネルレベルでパターン化されて、画素ドライバチップ200の全てにわたってコンタクトパッド255のパターンを形成することができる。このパターニングもまた、ディスプレイ基板710上の位置合わせマーク703に対して行われ、位置合わせ精度は、使用されるフォトリソグラフィツールによって決定されてもよく、これは、典型的には0.05μmよりも良好、又は更には0.01μm以内であってもよい。この方法では、画素ドライバチップ200の上部金属接触層802は、プレート上の位置合わせマーク703、並びに後続のビアコンタクト295及び金属パターンに正確に位置合わせされる。しかしながら、画素ドライバチップ200自体は、転写プロセスの精度に関連して、はるかに大きい位置変動(例えば、1~2桁大きい)を依然として有し得る。これにより、実際の画素ドライバチップの配置が目標画素ドライバチップの配置位置からオフセットしている一方で、コンタクトパッド255の位置は変化しない、
図50Cに示すような位置合わせをもたらし得る。画素ドライバチップ200のビアコンタクト295は、典型的には、プレート処理における最小の可能な特徴(典型的には5μm、及び最高1μm)と比較して小さい(1μmより小さい、更に0.2μmほど小さい)ため、実施形態に係るプロセスは、転写プロセス中の画素ドライバチップ200の配置のための許容差割当量を緩和(増加)することができる。
【0146】
図51は、一実施形態に係る、オフセットしたパターン化されたコンタクトパッド255の拡大概略上面図である。例示的な実装形態では、位置合わせ許容差は、式(1)によって提供することができる。
許容差t=(p-2*e-v)/2 (1)
式中、(e)は、ビアコンタクト295の縁部からコンタクトパッド255の縁部までの縁部クリアランスに対応し、(v)は、ビアコンタクト295の幅に対応し、(p)は、コンタクトパッド255の幅に対応する。
【0147】
図52は、一実施形態に係る、ディスプレイパネル100のオフセットした画素ドライバチップ200のアレイの上に形成されたコンタクトパッド255のアレイの概略上面図である。縮尺通りに描かれていないが、
図52は、実施形態に係るいくつかの構造的相関を示す。例えば、各画素ドライバチップ200A~220Fは、バッチA~Fで転写される単一の画素ドライバチップ200を表してもよい。したがって、画素ドライバチップ200のバッチ内では、各画素ドライバチップは、上に重なるコンタクトパッド255からの同様の変位を有し得る。
図52に示すように、コンタクトパッド255の位置分布は、ディスプレイパネル100(又はディスプレイ基板710)にわたって同様の間隔を有するという点で、ディスプレイパネルにわたって比較的均一である。これは、リソグラフィの許容差に起因し得る。画素ドライバチップ200の位置合わせ誤差又は配置分布は、使用される転写ツールの位置合わせ許容差に起因して、より顕著であり得る。例示として、画素ドライバチップ200A、200C、200Eは、それらの目標位置に位置するものとして示されている。比較すると、転写バッチB内の画素ドライバチップ200Bは、目標位置の左に変位されてもよい。同様に、画素ドライバチップ200Dは、目標配置の下に変位されてもよく、画素ドライバチップ200Fは、目標配置の上及び右の両方に変位される。
【0148】
したがって、画素ドライバチップの各「バッチ」は、それ自体のバッチ変位によって特徴付けられてもよく、対応するバッチ内の各画素ドライバチップは、バッチにわたって同じ変位を有する。図示したバッチA、C、E、及び関連する画素ドライバチップ200A、200C、200Eは、より小さい「バッチ」変位を有してもよく、画素ドライバチップ200B、200D、200Fに関連付けられたバッチB、D、Fは、比較的により大きいバッチ変位を有する。図示したように、バッチA、C、Eは、ほぼ同じ「バッチ」バッチ変位(無視できるものとして示される)を有してもよく、バッチB、D、Fは、それ自体の特性「バッチ」変位を有してもよい。例えば、画素ドライバチップ200Fに関連付けられたバッチFは、最大の「バッチ」変位を有してもよく、最大x及びy位置オフセットが示されている。
【0149】
一実施形態では、ディスプレイパネルは、絶縁層104内に埋め込まれた画素ドライバチップ200のアレイを含み、各画素ドライバチップ200は、複数のコンタクトパッド255に結合された複数のコンタクトビア295を含み、それにより、チップコンタクトビアのアレイ及びチップコンタクトパッドのアレイが、ディスプレイパネル100にわたって分布している。発光素子(例えば、102)のアレイは、画素ドライバチップ200のアレイに結合され、ディスプレイパネル100にわたる画素ドライバチップ200のアレイの配置分布は、ディスプレイパネル100にわたるコンタクトパッド255のアレイの位置分布の標準偏差よりも大きい標準偏差によって特徴付けられる。例えば、画素ドライバチップ200のアレイの配置分布の標準偏差は、コンタクトパッド295のアレイの位置分布の標準偏差よりも少なくとも1桁大きくてもよい。
図52に示すように、(各画素ドライバチップ200の上の局所の)複数のコンタクトパッド225の位置分布は、ディスプレイパネルにわたる(グローバルの)コンタクトパッドのアレイの位置分布と同じ標準偏差によって特徴付けられる。加えて、ディスプレイパネルにわたるコンタクトビア295のアレイは、ディスプレイパネルにわたるコンタクトパッド255のアレイから均一にオフセットされない。しかしながら、複数のコンタクトビア295は、局所的な複数のコンタクトパッド255から均一にオフセットして、バッチ内のチップごとに均一に分布してもよい。これらの特徴付けは、ディスプレイパネル100にわたるコンタクトパッド255のパターンの下に「浮遊する」画素ドライバチップのバッチ位置に起因し得る。一実施形態では、ディスプレイパネル100にわたる画素ドライバチップ220のアレイの配置分布の標準偏差は、1μmより大きく、ディスプレイパネル100にわたるコンタクトパッド295のアレイの位置分布の標準偏差は、0.05μm未満である。一実施形態では、画素ドライバチップ220のアレイは、画素ドライバチップ220の複数のバッチを含み、画素ドライバチップ220の各バッチは、複数の画素ドライバチップを含み、複数のバッチ内の複数のバッチは、対応する複数のコンタクトパッド295からの異なるバッチ変位によって特徴付けられる。
【0150】
実施形態は、画素ドライバチップ200のアレイが裏面再配線層(RDL)120上で下向きであり、かつ発光素子(例えば、102)のアレイが画素ドライバチップのアレイの上方にある構成、画素ドライバチップ200のアレイが上向きであり、前面RDL110が画素ドライバチップのアレイの上に、かつ画素ドライバチップのアレイ上に形成され、かつ発光素子(例えば、102)のアレイが前面RDL110の上方にある構成、並びに上部コンタクトパッド及び下部コンタクトパッドの両方を有する画素ドライバチップ200を含む、様々な構成に適用可能である。実施形態によれば、RDLは、コンタクトパッドのアレイ255上に直接形成された再配線112を含む。
【0151】
更に別の態様では、上記実施形態は、ディスプレイパネル内での集積のための画素ドライバチップに関して記載されているが、処理シーケンスはそのように限定されず、様々な一般的なパッケージングソリューションに適用されてもよい。一実施形態では、パッケージング方法は、複数のチップを基板上に上向きに実装することであって、各チップが、複数のコンタクトビアと、複数のコンタクトビアの全ての上にあり、かつそれと電気的に接触している連続的な上部金属接触層とを含む、ことと、複数のチップの金属接触層をパターン化して、各チップ上にコンタクトパッドのパターンを形成することと、複数のチップ上に再配線層(RDL)を形成することと、を含む。加えて、単に単一の金属接触層を有する必要はなく、実装時に複数の金属接触層が代わりに存在して、続いて実装後にコンタクトパッドを微細パターン化することができる。同様に、パターン化されたコンタクトパッド上にRDLを形成する必要はなく、代わりに、電気的接続を作製するための他の方法を採用することができる。したがって、粗い金属パターンでチップを実装し、続いて微細パターン化してコンタクトパッドを形成する概念は、様々な異なる方法で実施することができる。
【0152】
実施形態に係るディスプレイパネルは、剛性、曲線状、巻くことができる、折り曲げ可能、又は別の方法で可撓性であってもよい。例えば、
図53は、曲線状又は可撓性ディスプレイパネル100の側面図である。
図54は、一実施形態に係る、折り曲げ可能なディスプレイパネル100の等角投影図である。
図55は、並列に配置された複数のディスプレイパネル100のタイルの上面図である。このような構成では、タイルを一緒に使用して、より大きなスクリーン又は表示領域を形成することができる。一態様では、これは、実施形態により可能である、ディスプレイパネル100の前面上の表示領域の増大によって容易にすることができる。
【0153】
図56は、一実施形態に係るディスプレイシステム5600を示す。ディスプレイシステムは、プロセッサ5610と、データ受信機5620と、走査ドライバIC及びデータドライバICなどの1つ以上のディスプレイドライバICを含むことができる1つ以上のディスプレイパネル100とを収容する。データ受信機5620は、データを無線又は有線で受信するように構成することができる。無線は、複数の無線規格又はプロトコルのうちの任意のもので実現することができる。
【0154】
ディスプレイシステム5600は、その用途に応じて、他の構成要素を含んでもよい。これら他の構成要素としては、メモリ、タッチスクリーンコントローラ及びバッテリが挙げられるが、これらに限定されない。種々の実装形態では、ディスプレイシステム5600は、ウェアラブル、テレビ、タブレット、電話機、ラップトップコンピュータ、コンピュータモニタ、キオスク、デジタルカメラ、手持ち式ゲームコンソール、メディアディスプレイ、電子書籍ディスプレイ、又は大面積標識ディスプレイであってもよい。
【0155】
本実施形態の種々の態様の利用において、ディスプレイパネルを製造するために、上記実施形態の組み合わせ又は変形が可能であることが、当業者には明らかとなるであろう。実施形態について、構造上の特徴及び/又は方法論的な作業に特定の言語で説明したが、添付の特許請求の範囲は、必ずしも上述した特定の特徴又は作業に限定されないことを理解されたい。その代わりに、開示する特定の特徴及び動作は、例示を目的とする特許請求の範囲の実施形態として理解されるべきである。