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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】可変速駆動装置用の適応ロジックボード
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20220324BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20220324BHJP
   F24F 11/88 20180101ALI20220324BHJP
【FI】
H02M7/48 E
F25B49/02 D
F24F11/88
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020566533
(86)(22)【出願日】2019-02-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 US2019018604
(87)【国際公開番号】W WO2019161399
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-09-23
(31)【優先権主張番号】62/632,303
(32)【優先日】2018-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518010511
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(73)【特許権者】
【識別番号】518097707
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ エアー・コンディショニング・アンド・リフリジェレーション (ウーシー) カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】ボリソフ,コンスタンティン・アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ワリナー,ジョンポール
(72)【発明者】
【氏名】ジアーン,チェンイ
(72)【発明者】
【氏名】オガーレ,アヌラーダ・ギリシュ
(72)【発明者】
【氏名】ル,フェイ
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-510575(JP,A)
【文献】特開2012-244756(JP,A)
【文献】特開平05-215791(JP,A)
【文献】特表2009-521903(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2072923(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/42 - 7/98
H02M 3/00 - 3/44
F25B 49/02
F24F 11/88
G01R 19/165
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を電流として受け取るように構成された信号検知回路を備える適応(adaptive)ロジックボードであって、前記信号検知回路は、
複数の抵抗器と、
前記信号検知回路に対して、前記複数の抵抗器を電気的に結合又は電気的に分離するように構成された複数のスイッチであって、前記複数のスイッチのうちの各スイッチが、前記複数の抵抗器のうちの対応する抵抗器に対応する、複数のスイッチと、
検知ユニットであって、前記複数の抵抗器のうちのアクティブ抵抗器を渡る前記入力信号の電圧降下を測定するように構成された検知ユニットと、備え
前記アクティブ抵抗器が、前記複数のスイッチのうちの対応するスイッチを介して、前記信号検知回路に電気的に結合される、適応ロジックボード。
【請求項2】
前記入力信号は、電力ラインの周りに配置された電流変換器(current transducer)によって生成される、請求項1に記載の適応ロジックボード。
【請求項3】
前記複数の抵抗器のうちの各抵抗器は、異なる公称(nominal)抵抗値を有する、請求項
1に記載の適応ロジックボード。
【請求項4】
前記複数のスイッチのうちの前記対応するスイッチは、前記複数の抵抗器のうちの単一の抵抗器を前記信号検知回路に電気的に結合させるように構成され、前記単一の抵抗器は前記アクティブ抵抗器である、請求項1に記載の適応ロジックボード。
【請求項5】
前記アクティブ抵抗器は、前記入力信号の大きさに基づいて決定される、請求項4に記載の適応ロジックボード。
【請求項6】
前記アクティブ抵抗器は、所定の識別コードに基づいて決定され、前記所定の識別コードは、ハーネスを介して前記適応ロジックボードに送信される、請求項4に記載の適応ロジックボード。
【請求項7】
前記適応ロジックボードは、可変速駆動装置(VSD)に通信可能に結合され、電流変換器が、前記VSDの電力ラインの周りに配置され、前記電流変換器は、前記電力ライン内の電流の流れに基づいて前記入力信号を生成する、請求項1に記載の適応ロジックボード。
【請求項8】
前記アクティブ抵抗器は、前記入力信号の大きさに基づいて選択され、前記適応ロジックボードは、前記アクティブ抵抗器の両端間の前記電圧降下が目標値から所定の量だけ逸脱した場合に、前記電力ライン内の電流の前記流れの大きさを調整するように前記VSDに命令するように構成されている、請求項7に記載の適応ロジックボード。
【請求項9】
前記信号検知回路が、前記適応ロジックボードの複数の信号検知回路のうちの1つである、請求項1に記載の適応ロジックボードであって、前記複数の信号検知回路の各々は、複数の電流変換器のうちの1つの電流変換器から対応する入力信号を受信するように構成され、前記複数の電流変換器のうちの各電流変換器が、可変速駆動装置の対応する電力ラインの周りに配置されている、適応ロジックボード。
【請求項10】
前記複数のスイッチのうちの少なくとも1つのスイッチは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタを備える、請求項1に記載の適応ロジックボード。
【請求項11】
適応ロジックボードを使用して可変速駆動装置(VSD)を動作させる方法であって、前記方法は、
前記VSDの電力出力範囲に基づいて前記VSDのサイズを判定することと、
複数の抵抗器のうちの1つの抵抗器を、前記VSDのサイズに基づいて、前記適応ロジックボードの信号検知回路に電気的に結合させることであって、前記抵抗器は、前記信号検知回路に電気的に結合されるアクティブ抵抗器である、ことと、
前記VSDの電力ラインに結合された1つ以上の電流変換器を使用して電気信号を生成することであって、前記電気信号の大きさは、前記電力ラインを通って流れる電流の大きさに比例する、ことと、
前記1つ以上の電流変換器の前記電気信号に少なくとも部分的に基づいて、前記電力ラインを通って流れる前記電流の前記大きさを調整するように前記VSDに命令することと、を含む方法。
【請求項12】
前記VSDの前記サイズを判定することは、前記VSDから前記適応ロジックボードへと識別コードを送信することを含み、前記識別コードは、前記VSDの前記電力出力範囲に関連付けられている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アクティブ抵抗器は、
前記VSDの前記電力出力範囲を評価することと、
前記VSDの前記電力出力範囲に基づいて、前記複数の抵抗器から前記抵抗器を選択することによって決定される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記適応ロジックボード内に配置された検知ユニットを使用して前記アクティブ抵抗器の両端間の電圧降下を監視することを更に含み、前記電圧降下は前記電気信号によって生成され、前記電圧降下の大きさは前記電気信号の前記大きさに比例する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記電圧降下の前記大きさが目標値から所定の量だけ逸脱した場合、前記電力ラインを通って流れる前記電流を前記VSDを使用して遮断することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ハーネスの構造を判定することを更に含む請求項11に記載の方法であって、前記ハーネスの構造を判定することは、前記ハーネス内の接続ワイヤの数量を判定することによってなされ、前記ハーネスの前記構造は、前記VSDの前記サイズを示
前記ハーネスは、適応ロジックボードを、前記VSDに通信可能に結合されるように構成される、
方法。
【請求項17】
前記適応ロジックボードの入力デバイスを介して提供されるオペレータ入力に基づいて、前記VSDの前記サイズを判定することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムであって、
圧縮機を駆動するように構成された電動機と、
前記電動機に結合され、複数の電力ラインを通じて前記電動機に第1の電流を供給するよう構成されている可変速駆動装置(VSD)と、
複数の電流変換器であって、前記複数の電流変換器のうちの各電流変換器は、前記複数の電力ラインのうちの対応する電力ラインの周りに配置されている、複数の電流変換器と、
前記VSDに通信可能に結合された適応ロジックボードであって、前記適応ロジックボードは複数の信号検知回路を備え、前記複数の信号検知回路のうちの各信号検知回路は、前記複数の電流変換器のうちの対応する電流変換器に電気的に結合され、前記複数の電流変換器は複数の第2の電流を生成するように構成され、前記複数の信号検知回路のうちの各信号検知回路は、
前記複数の第2の電流のうちの対応する第2の電流を受け取るように構成された抵抗器、及び、
前記抵抗器に電気的に結合されたプログラマブル抵抗器を備え前記VSDのサイズに基づいて前記プログラマブル抵抗器の抵抗値を調整するように構成され、前記抵抗器を渡る前記対応する第2の電流の電圧降下を測定するように構成された適応検知ユニットを備える、適応ロジックボードと、
を備える暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年2月19日に出願された「ADAPTIVE LOGIC BOARD FOR VARIABLE SPEED DRIVE」と題する米国仮特許出願第62/632,303号の優先権及び利益を主張するものであり、同出願は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は一般に、暖房、換気、空調、及び冷凍システムのための可変速駆動装置に関し、より詳細には、可変速駆動装置のための適応ロジックボードに関する。
【0003】
商業用又は産業用の暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムでの用途のためのチラーシステムは、典型的には、圧縮機に電力を供給するための比較的大きな電動機を含む。電動機の電力出力は、HVAC&Rシステムの容量(例えば、冷却需要)に基づいて選択され得る。例えば、電動機の出力は馬力(HP)で100HP~5,000HPの範囲にある、又は5,000HPを超える場合がある。これらシステムの多くは、システムの冷却需要の変動に応じて電動機の速度を制御するための可変速駆動装置(VSD)を含む。HVAC&Rシステムの冷却需要が増加した場合、VSDは電動機の速度、したがって圧縮機の速度を増加させる場合がある。逆に、HVAC&Rシステムの冷却需要が減少した場合、VSDは電動機の速度を減少させる場合がある。
【0004】
電動機の閾値電力出力が、VSDのサイズ(例えば、電力出力範囲)を決定し得る。例えば、比較的高出力の電動機は、比較的低出力の電動機を制御するVSDよりも、より高い電流引き込み及び電圧需要をサポートできるVSDによって制御され得る。それに応じて、広い電力出力範囲で動作する電動機に対応するために、いくつかのサイズのVSDをHVAC&Rシステムに含める場合がある。各サイズのVSDは、それぞれのVSDの特定の動作パラメータ(例えば、電流出力、電圧出力)を監視又は制御するプリント回路基板(例えば、ロジックボード)を含み得る。残念なことに、VSDのサイズごとに異なるロジックボードを製造することは生産を複雑にし、ロジックボードの製造コストを増加させる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、入力信号を電流として受け取るように構成された信号検知回路を含む適応ロジックボードに関する。信号検知回路は、複数の抵抗器と、複数の抵抗器を信号検知回路に対して電気的に結合又は電気的に分離するように構成された複数のスイッチとを含み、複数のスイッチのうちの各スイッチは、複数の抵抗器のうちの対応する抵抗器に対応する。適応ロジックボードはまた、複数の抵抗器のうちのアクティブ抵抗器を渡る入力信号の電圧降下を測定するように構成された検知ユニットを含む。
【0006】
本開示はまた、適応ロジックボードを使用して可変速駆動装置(VSD)を動作させる方法に関し、方法は、VSDの電力出力範囲に少なくとも部分的に基づいてVSDのサイズを決定することを含む。方法はまた、複数の抵抗器のうちの1つの抵抗器を、適応ロジックボードの信号検知回路に電気的に結合させることを含み、抵抗器はアクティブ抵抗器である。方法は、VSDの電力ラインに結合された1つ以上の電流変換器を使用して電気信号を生成することを更に含み、電気信号の大きさは、電力ラインを通って流れる電流の大きさに比例する。方法はまた、1つ以上の電流変換器の電気信号に少なくとも部分的に基づいて、電力ラインを通って流れる電流の大きさを調整するようにVSDに命令することを含む。
【0007】
本開示はまた、圧縮機を駆動するように構成された電動機を含む、暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムに関する。複数の電力ラインを通じて電動機に第1の電流を供給するようにVSDが構成されるように、可変速駆動装置(VSD)は電動機に結合されている。HVACシステムはまた、複数の電流変換器を含み、複数の電流変換器のうちの各電流変換器は、複数の電力ラインのうちの対応する電力ラインの周りに配置される。HVACシステムは、VSDに通信可能に結合された適応ロジックボードを更に含み、適応ロジックボードは複数の信号検知回路を含み、複数の信号検知回路のうちの各信号検知回路は、複数の電流変換器が複数の第2の電流を生成するように構成されるように、複数の電流変換器のうちの対応する電流変換器に電気的に結合されている。複数の信号検知回路のうちの各信号検知回路は、複数の第2の電流のうちの対応する第2の電流を受け取るように構成された抵抗器と、抵抗器に電気的に結合され、抵抗器を渡る対応する第2の電流の電圧降下を測定するように構成されている適応検知ユニットとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の様々な態様は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することで、より深く理解され得る。
図1】本開示の態様による、商業的環境において暖房、換気、空調及び冷凍(HVAC&R)システムを使用し得る建物の実施形態の斜視図である。
図2】本開示の一態様による蒸気圧縮システムの斜視図である。
図3】本開示の一態様による、図2の蒸気圧縮システムの実施形態の概略図である。
図4】本開示の一態様による、図2の蒸気圧縮システムの実施形態の概略図である。
図5】本開示の一態様による、図2図4の蒸気圧縮システムで使用され得る可変速駆動装置(VSD)の一般的な構成の実施形態の概略図である。
図6】本開示の一態様による、VSDで使用され得る適応ロジックボードの一般的な構成の実施形態の概略図である。
図7】本開示の実施形態による、適応ロジックボードで使用され得るスイッチの実施形態の概略図である。
図8】本開示の一態様による、適応ロジックボードに含まれ得る信号検知回路の一般的な構成の実施形態の概略図である。
図9】本開示の一態様による、適応ロジックボードに含まれ得る信号検知回路の一般的な構成の実施形態の概略図である。
図10】本開示の一態様による、適応ロジックボードの動作方法の実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の1つ以上の特定の実施形態を以下に説明する。これらの説明される実施形態は本開示の技術の単なる例に過ぎない。加えて、これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実装形態の全ての特徴が本明細書において説明されない場合がある。あらゆるそのような実際の実装形態の開発においては、あらゆる工学又は設計プロジェクトと同様に、実装形態ごとに異なり得るシステム関連及び事業関連の制約の順守などの、開発者の具体的な目標を達成するために、数多くの実装形態固有の決定がなされなければならないことを理解されたい。更に、このような開発努力は、複雑になり且つ時間がかかり得るが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとって設計、組み立て及び製造の通常の作業であろうことを理解されたい。
【0010】
本開示の様々な実施形態の要素を紹介するとき、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、1つ又は複数の要素が存在することを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、包括的であることが意図されており、列挙された要素以外の追加の要素があり得ることを意味する。加えて、本開示の「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、列挙された特徴も組み込んでいる追加の実施形態の存在を除外すると解釈されることを意図していないことを理解されたい。
【0011】
暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムは、建物、住宅、又は他の好適な構造物内の空間を熱的に調節するために用いられ得る。例えば、HVAC&Rシステムは、冷媒などの熱伝達流体と空気などの調整される流体との間で熱エネルギーを伝達する蒸気圧縮システムを含み得る。蒸気圧縮システムは、導管を介して互いに流体的に結合された凝縮器及び蒸発器を含み得る。圧縮機は、導管を通して冷媒を循環させ、したがって、凝縮器と蒸発器との間での熱エネルギーの伝達を可能にするように使用され得る。
【0012】
多くの場合、HVAC&Rシステムの圧縮機は電動機で駆動され得る。電動機は、可変速駆動装置(VSD)を含む制御システムに通信可能に結合され得る。制御システムは、電動機を毎分0回転(RPM)から閾速度まで加速し得る。場合によっては、制御システムは、HVAC&Rシステムの動作中に閾速度の大きさを更に調節してもよい。電動機の電力出力は、HVAC&Rシステムの容量(例えば、冷却需要)に基づいて選択され得る。場合によっては、VSDのサイズは電動機の電力出力に比例する。例えば、比較的大きな電動機が、比較的小さな電動機を制御するように構成されたVSDよりも大きな電流又は電圧を供給することができるVSDによって制御され得る。それに応じて、いくつかのサイズのVSDをHVAC&Rシステムに含めて、様々な電力出力閾値を有する幅広い電動機を制御できる。
【0013】
各VSDは、それぞれのVSDの特定の動作パラメータを監視及び/又は制御し得るプリント回路基板(例えば、ロジックボード)を含み得る。例えば、VSDは、VSDによって(例えば、電力供給から)引き出される電流の大きさ、VSDによって(例えば、電動機へと)供給される電流の大きさ、又はその両方を監視してもよい。多くの場合、特定のロジックボードが、各サイズのVSDに関連付けられてもよく、特定のサイズのVSDの動作用パラメータを監視するように構成されてもよい。例えば、比較的大きなVSDの動作パラメータを監視するように構成されたロジックボードは、比較的小さいVSDの動作状態を監視するように構成されたロジックボードの内部構成要素よりも大きい負荷(例えば、より大きい電流、より高い電圧)で動作するように定格化された内部構成要素(例えば、検知抵抗器など)を含んでもよい。それに応じて、いくつかのロジックボードをHVAC&Rシステムに含めて、それぞれが異なる内部構成要素を含み、特定のサイズのVSDに関連付けられていてもよい。残念ながら、複数の異なるロジックボードを製造すること及び含めることは、組み立てを複雑にし、HVAC&Rシステムの生産コストを増加させる場合がある。
【0014】
本開示の実施形態は、複数の異なるサイズのVSDの動作パラメータを監視するように構成され得る適応ロジックボードを対象とする。例えば、適応ロジックボードは、適応ロジックボードをVSDに通信可能に結合するハーネスを介して、所与のVSDのサイズを判定し得る。ハーネスは、VSDの電力出力定格(例えば、サイズ)を示すデジタル又はアナログの識別コードを、VSDから適応ロジックボードへと送信し得る。場合によっては、適応ロジックボードは、複数の内部構成要素(例えば、電子構成要素又は電気機械構成要素)を含み、受信した識別コードに基づいて、特定のVSDに対応する内部構成要素の特定の組み合わせを選択し得る。例えば、適応ロジックボードは、比較的大きいVSDを監視する場合に構成要素の第1のセットを利用し、比較的小さいVSDを監視する場合に構成要素の第2のセットを利用してもよい。場合によっては、適応ロジックボードは、2個、3個、4個、5個、6個、又はそれを超える異なるサイズのVSDを監視するように構成されてもよい。このように、適応ロジックボードは、従来のロジックボードと比較して、組み立てコストを削減させ、生産を容易にし得る。
【0015】
ここで図面を参照すると、図1は、典型的な商業的環境における建物12内の暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システム10のための環境の実施形態の斜視図である。HVAC&Rシステム10は、建物12を冷却するために使用され得る冷却された液体を供給する蒸気圧縮システム14(例えば、チラー)を含み得る。HVAC&Rシステム10はまた、建物12を加熱するために温かい液体を供給するためのボイラー16と、空気を建物12を通して循環させる空気分配システムとを含み得る。空気分配システムはまた、空気戻りダクト18、空気供給ダクト20、及び/又は空気調和機22を含み得る。いくつかの実施形態では、空気調和機22は、導管24によってボイラー16及び蒸気圧縮システム14に接続された熱交換器を含み得る。空気調和機22内の熱交換器は、HVAC&Rシステム10の動作モードに応じて、ボイラー16からの加熱された液体又は蒸気圧縮システム14からの冷却された液体のいずれかを受け取ることができる。HVAC&Rシステム10は、別個の空気調和機が建物12の各フロアにある状態で示されているが、他の実施形態では、HVAC&Rシステム10は、フロア間で共有され得る空気調和機22及び/又は他の構成要素を含み得る。
【0016】
図2及び図3は、HVAC&Rシステム10において用いることができる蒸気圧縮システム14の実施形態である。蒸気圧縮システム14は、圧縮機32から始まる回路を通して冷媒を循環させ得る。回路はまた、凝縮器34、膨張弁又は膨張装置36、及び液体チラー又は蒸発器38を含み得る。蒸気圧縮システム14は、アナログ-デジタル(A/D)変換器42、マイクロプロセッサ44、不揮発性メモリ46、及び/又はインターフェースボード48を有する制御パネル40を更に含み得る。
【0017】
蒸気圧縮システム14において冷媒として使用され得る流体のいくつかの例には、例えば、R-410A、R-407、R-134a、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)といったハイドロフルオロカーボン(HFC)ベースの冷媒、アンモニア(NH)、R-717、二酸化炭素(CO)、R-744、若しくは炭化水素ベースの冷媒のような「天然」冷媒、水蒸気、又は任意の他の好適な冷媒がある。いくつかの実施形態では、蒸気圧縮システム14は、R-134aなどの中圧冷媒に対して低圧冷媒とも呼ばれる1気圧の圧力で摂氏約19度(華氏66度)の標準沸点を有する冷媒を効率的に利用するように構成され得る。本明細書で使用する場合、「標準沸点」は、1気圧で計測された沸点温度を指し得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、蒸気圧縮システム14は、可変速駆動装置(VSD)52、電動機50、圧縮機32、凝縮器34、膨張弁若しくは膨張装置36、及び/又は蒸発器38のうちの1つ以上を使用し得る。電動機50は、圧縮機32を駆動してもよく、可変速駆動装置(VSD)52により電力が供給されてもよい。VSD52は、AC電源から特定の固定ライン電圧及び固定ライン周波数を有する交流(AC)電力を受け、可変電圧及び周波数を有する電力を電動機50に提供する。他の実施形態では、電動機50は、AC又は直流(DC)電源から直接、電力を供給され得る。電動機50は、スイッチドリラクタンス電動機、誘導電動機、電子整流永久磁石電動機、又は別の好適な電動機など、VSDによって、又はAC若しくはDC電源から直接、電力を供給され得る任意のタイプの電動機を含み得る。
【0019】
圧縮機32は冷媒蒸気を圧縮し、その蒸気を、排出通路を通じて凝縮器34へ送達する。いくつかの実施形態では、圧縮機32は遠心圧縮機であり得る。圧縮機32によって凝縮器34に送達された冷媒蒸気は、凝縮器34内の冷却流体(例えば、水又は空気)に熱を伝達し得る。冷媒蒸気は、冷却流体との熱伝達の結果、凝縮器34で凝縮して冷媒液になり得る。凝縮器34からの液体冷媒は、膨張装置36を通して蒸発器38に流れ得る。図3に示す実施形態では、凝縮器34は水冷され、冷却塔56に接続されたチューブ束54を含み、チューブ束54が冷却流体を凝縮器34に供給する。
【0020】
蒸発器38に送達された液体冷媒は別の冷却流体からの熱を吸収してもよく、この冷却流体は凝縮器34で使用される冷却流体と同じであっても、同じでなくてもよい。蒸発器38における液体冷媒は、液体冷媒から冷媒蒸気への相変化を受け得る。図3の図示した実施形態に示すように、蒸発器38は、供給ライン60Sと、冷却負荷62に接続された戻りライン60Rとを有するチューブ束58を含み得る。蒸発器38の冷却流体(例えば、水、エチレングリコール、塩化カルシウムブライン、塩化ナトリウムブライン、又は任意の他の好適な流体)は、戻りライン60Rを介して蒸発器38に入り、供給ライン60Sを介して蒸発器38を出る。蒸発器38は、チューブ束58における冷却流体の温度を、冷媒との熱伝熱を介して低下させ得る。蒸発器38におけるチューブ束58は、複数のチューブ及び/又は複数のチューブ束を含み得る。いずれにせよ、蒸気冷媒は蒸発器38を出て、吸引ラインにより圧縮機32に戻って、サイクルを完了する。
【0021】
図4は、中間回路64が凝縮器34と膨張装置36との間に組み込まれた蒸気圧縮システム14の概略図である。中間回路64は、凝縮器34に直接的に流体接続された入口ライン68を有し得る。他の実施形態では、入口ライン68は、凝縮器34に間接的に流体的に結合され得る。図4の図示した実施形態に示すように、入口ライン68は、中間容器70の上流に位置付けられた第1の膨張装置66を含む。いくつかの実施形態では、中間容器70は、フラッシュタンク(例えば、フラッシュインタークーラー)であり得る。他の実施形態では、中間容器70は熱交換器又は「サーフェスエコノマイザ」として構成され得る。図4に示す実施形態では、中間容器70はフラッシュタンクとして使用され、第1の膨張装置66は、凝縮器34から受け取った液体冷媒の圧力を下げる(例えば、膨張させる)ように構成されている。膨張プロセスの間、液体の一部が蒸発する場合があり、したがって、中間容器70を使用して、第1の膨張装置66から受け取った液体から蒸気を分離できる。
【0022】
加えて、中間容器70は、中間容器70に入るときに液体冷媒が受ける圧力降下(例えば、中間容器70に入るときに受ける体積の急激な増加に起因する)ゆえに、液体冷媒の更なる膨張をもたらす場合がある。中間容器70における蒸気は、圧縮機32により、圧縮機32の吸引ライン74を通して引き込まれ得る。他の実施形態では、中間容器内の蒸気は、圧縮機32の中間ステージ(例えば、吸引ステージではなく)に引き込まれ得る。中間容器70に集まる液体は、膨張装置66及び/又は中間容器70における膨張ゆえに、凝縮器34を出る液体冷媒よりもエンタルピーが低い場合がある。中間容器70からの液体は、次いで、ライン72内を流れ、第2の膨張装置36を通って蒸発器38へと流れ得る。
【0023】
本明細書に記載される特徴はいずれも、蒸気圧縮システム14、又は任意の他の好適なHVAC&Rシステムに組み込まれ得ることを理解されたい。上述のように、本開示の実施形態は、様々なサイズのVSD52を制御するように構成され得る適応ロジックボードを対象とする。VSD52のサイズは、VSD52が生成するように構成されている電力出力範囲(例えば、供給電流、供給電圧)の大きさを示し得る。例えば、比較的大きな電動機(例えば、5,000馬力(HP)電動機)の動作を制御するために、比較的大きなVSDが使用され得る。逆に、比較的小さい電動機(例えば、100HP電動機)を動作させるために、より小さいVSDが使用され得る。いくつかの実施形態では、適応ロジックボードは、適応ロジックボードに電気的に結合される特定の電気構成要素(例えば、抵抗器、トランジスタ、電流変換器)を使用して、VSD52の動作パラメータを監視及び/又は制御し得る。例えば、適応ロジックボードは、VSD52によって生成されて一連の電流変換器及び抵抗器を通る出力電流を監視し、出力電流が所定値から逸脱した場合に、出力電流を増加又は減少させるようにVSD52に命令し得る。
【0024】
多くの場合、特定のサイズのVSDに関連する動作パラメータ(例えば、電力出力定格)を監視するために、特定の電気構成要素が選択される。例えば、比較的大きいVSDが、比較的小さいVSDによって出力される電流よりも大きさが実質的に大きい電流を出力し得る。そのような場合、電気構成要素の第1のセットが、比較的大きいVSDの出力電流を監視してもよく、電気構成要素の第2のセットが、比較的小さいVSDの動作用パラメータを監視してもよい。いくつかの実施形態では、第1のセットの特定の構成要素が、第2のセットに含まれてもよく、逆もまた同様である。
【0025】
本明細書でより詳細に論じるように、適応ロジックボードは、電気構成要素の複数のセットを含んでもよく、電気構成要素の各セットは、所定の閾値範囲内にある電圧及び/又は電流を監視するように構成されてもよい。適応ロジックボードは、VSD52のサイズに基づいて、VSD52を監視するために使用する電気構成要素の特定のセットを選択してもよい。それに応じて、適応ロジックボードは、複数の異なるサイズのVSDを制御してもよく、その各々が、特定の閾値範囲内にある電流及び/又は電圧を出力してもよい。このように、単一の適応ロジックボードを蒸気圧縮システム14に含めて、比較的小さいVSD、比較的中サイズのVSD、又は比較的大きいVSDを監視してもよい。
【0026】
上記を念頭に置いて、図5は、図1図4の蒸気圧縮システム14の電動機50を制御するために使用され得る、適応ロジックボード100を含むVSD52の実施形態の概略図である。上述のように、交流(AC)電源102は、AC電力をVSD52に供給してもよく、VSD52は続いて、AC電力を電動機50に供給する。AC電源102は、システムの近くに存在するAC電力グリッド又は配電システムからVSD52に三相、固定電圧、且つ固定周波数のAC電力を供給し得る。例えば、AC電源102は、第1の受信ライン104、第2の受信ライン106、及び第3の受信ライン108を介して、それぞれ、AC電力の第1の相、AC電力の第2の相、及びAC電力の第3の相を供給し得る。
【0027】
AC電力は、電気事業者から直接、又は電気事業者とAC電力グリッドとの間の1つ以上の変電所から供給され得る。いくつかの実施形態では、AC電源102は、対応するAC電力グリッドに応じて、50ヘルツ(Hz)~60Hzのライン周波数にて、最大15キロボルト(kV)の三相AC電圧又はライン電圧をVSD52に供給し得る。しかしながら、他の実施形態では、AC電源102は、AC電力グリッドの構成に応じて、任意の好適な固定ライン電圧又は固定ライン周波数をVSD52に供給することができる。加えて、特定のサイトは、様々なライン電圧及びライン周波数の要求を満たし得る複数のAC電力グリッドを有し得る。
【0028】
VSD52は、AC電源102から電動機50へと所望の電圧及び所望の周波数にてAC電力を供給し、これらは両方とも、電動機50の所定の設定点を満足するように変化させることができる。特定の実施形態では、VSD52は、AC電源102から受け取った固定電圧及び固定周波数よりも、より高い電圧及び周波数又はより低い電圧及び周波数を有するAC電力を電動機50に供給することができる。例えば、VSD52は、3つの内部ステージ、すなわち、コンバータ110(例えば、整流器)、直流(DC)リンク112、及びインバータ114を有してもよい。コンバータ110は、AC電源102からの固定ライン周波数及び/又は固定ライン電圧をDC電力に変換し得る。DCリンク112は、コンバータ110からのDC電力をフィルタリングし、且つ/又はコンデンサ及び/若しくはインダクタ(図示せず)などの構成要素を利用してエネルギーを蓄積することができる。インバータ114は、DCリンク112からのDC電力を、電動機50のための可変周波数、可変電圧AC電力(例えば、三相AC電力)に変換して戻すことができる。例えば、インバータ114は電動機50に、第1の出力ライン116、第2の出力ライン118、及び第3の出力ライン120を介して、それぞれ、AC電力の第1の相、AC電力の第2の相、及びAC電力の第3の相を供給し得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、コンバータ110は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を有するパルス幅変調(PWM)ブーストコンバータ又は整流器であって、ブーストDC電圧をDCリンク112に供給し、VSD52への固定公称基本二乗平均平方根(root mean square,RMS)入力電圧よりも大きい、VSD52からの基本RMS出力電圧を生成し得る。特定の実施形態では、VSD52は、VSD52に供給される入力電圧の固定周波数よりも高いか又は低い周波数にて出力電圧を供給し得る。更に、いくつかの実施形態では、VSD52は、図5に示すものに対して追加の構成要素を組み込んで、電動機50に適切な出力電圧及び周波数を供給してもよい。
【0030】
特定の実施形態では、電動機50は、可変速度で駆動することが可能な誘導電動機であってもよい。誘導電動機は、2極、4極、6極、又は任意の好適な数の極を含む任意の好適な極の構成を有し得る。誘導電動機は、蒸気圧縮システム14の圧縮機32などの負荷を駆動するために使用される。他の実施形態では、電動機50は、圧縮機32を駆動するための任意の好適な電動機であってもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100は、ハーネス124を介して、又は以下で論じるように複数のハーネスを介して、VSD52に通信可能に結合させてもよい。ハーネス124は、VSD52と適応ロジックボード100との間のデータ及び/又は信号の送信を可能にする複数のワイヤ(例えば、銅線、光ファイバ)を含み得る。いくつかの実施形態では、ハーネス124は、VSD52が、VSD52のサイズ(例えば、電力出力定格)を示し得る識別コード(例えば、デジタルコード、アナログ信号)を適応ロジックボード100に送ることを可能にし得る。識別コードは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、及び/又は読み取り専用メモリ(ROM)などの不揮発性メモリを含み得る、VSD52のメモリデバイス内に格納され得る。加えて又は代替として、識別コードは、制御パネル40の不揮発性メモリ46に、又はハーネス124自体の中に(例えば、追加のメモリデバイスを介して)格納されてもよい。
【0032】
各々がVSD52の特定のサイズに対応する複数の所定の識別コードが(例えば、VSD52の製造中に)生成されてもよい。換言すれば、電動機を第1の閾値馬力範囲内で動作させるように構成されたVSDは、第1の識別コードと関連付けられてもよく、電動機を第2の閾値馬力範囲内で動作させるように構成されたVSDは、第2の識別コードと関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100は、2個、3個、4個、5個、6個、又はそれを超える識別コードを受信するように構成されてもよく、この各々がVSD52の特定のサイズに対応する。いずれにせよ、ハーネス124は、VSD52と適応ロジックボード100との間で識別コードを送信することにより、適応ロジックボード100がVSD52のサイズを判定することを可能にし得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100は、ハーネス124の構造に基づいてVSD52のサイズを判定することができる。例えば、特定のハーネスは、VSD52の各サイズ又はサイズ範囲に関連付けられ得る。ハーネス124は、関連するVSD52のサイズに応じて、追加の又はより少ない接続ワイヤを含み得る。例えば、比較的大きいVSDに関連付けられたハーネスは、第1の数量の接続ワイヤ(例えば、多数の接続ワイヤ)を含んでもよく、比較的小さいVSDに関連付けられたハーネスは、第2の数量の接続ワイヤ(例えば、少数の接続ワイヤ)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ハーネス124は、汎用プラグ(例えば、端子プラグ)を介して適応ロジックボード100に電気的に結合され得る。汎用プラグは、所定量の接続ポートを含んでもよく、そのうちの第1の数量の接続ポートが接続ワイヤに電気的に結合されている。したがって、いくつかの実施形態では、接続ポートの第2の数量(例えば、残りの数量)は空のままであり得る。適応ロジックボード100は、汎用プラグに含まれる接続ワイヤの数量、及び空の接続ポートの数量を判定し、したがって、VSD52のサイズを判定し得る。
【0034】
例えば、適応ロジックボード100は、複数の接続ポートの各接続ポートに試験信号を送り、特定の接続ポートが適応ロジックボード100をVSD52に通信可能に結合しているかどうかを判定し得る。それに応じて、適応ロジックボード100は、確立された接続ポートの数、及び空のままの接続ポートの数を判定し得る。適応ロジックボード100は、確立された接続ポートの数、及び空の接続ポートの数を使用して、VSD52のサイズを判定し得る。非限定的な例として、空の位置が3個であることが、適応ロジックボード100が比較的小さいVSDに結合されていることを示し得る一方で、空の位置がないことは、適応ロジックボード100が比較的大きいVSDに結合されていることを示し得る。
【0035】
上述のように、いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100をVSD52に電気的に結合させるために、複数のハーネスを使用してもよい。例えば、適応ロジックボード100は、適応ロジックボード100の様々な通信機能、電圧検知機能、及び/又は電流検知機能に関連するそれぞれのハーネスを含み得る。いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100は、ハーネス124に加えて又はその代わりに、これらの追加のハーネスに基づいてVSD52のサイズを判定するように構成されてもよい。すなわち、いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100は、適応ロジックボード100をVSD52に電気的に結合させるために使用され得る任意の1つのハーネス又はハーネスの組み合わせの構造、及び/又はそれからの通信に基づいて、VSD52のサイズを判定し得る。このように、上述の技術に従って、適応ロジックボード100は、例えば、追加のハーネス内の確立された接続ポートの数、及び追加のハーネス内の空の接続ポートの数を識別することによって、VSD52のサイズを判定し得る。加えて又は代替として、適応ロジックボード100は、1つ以上のハーネス内に(例えば、ハーネス内に配置された対応するメモリデバイスを介して)格納され得る識別コードに基づいて、VSDのサイズを判定し得る。
【0036】
特定の実施形態では、適応ロジックボード100は、適応ロジックボード100をVSD52に設置している間に、VSD52のサイズをオペレータが手動で指定することを可能にし得るユーザ選択可能スイッチなどの入力デバイス128を含み得ることに留意されたい。一例として、いくつかの実施形態では、入力デバイス128は、3つのスイッチ位置の間を遷移し得るスイッチを含んでもよく、スイッチ位置は、それぞれ、例えば、比較的小さいVSD、比較的中サイズのVSD、又は比較的大きいVSDに関連付けられている。それに応じて、VSDを、例えば比較的大きいVSDに結合させる場合、VSD52を監視するために使用する電気構成要素の特定のセットを適応ロジックボード100が選択できるように、オペレータは入力デバイス128を、比較的大きいVSDに関連付けられスイッチング位置に遷移させてもよい。すなわち、この例では、適応ロジックボード100は、比較的大きいVSDのパラメータを監視するのに好適な電気構成要素を選択してもよい。
【0037】
実際、本明細書でより詳細に説明するように、適応ロジックボード100は、内部電気構成要素の複数セットを含んでもよく、複数セットの各々は、VSD52の特定のサイズの動作パラメータを監視するように構成されている。例えば、適応ロジックボード100は、比較的小さいVSDの動作用パラメータを監視するのに好適な電気構成要素と、比較的大きいVSDの動作用パラメータを監視するのに好適な追加の内部電気構成要素とを含み得る。適応ロジックボード100は、VSD52から受信した識別コード、又はハーネス124の構造を使用して、適応ロジックボード100が結合している特定のVSD52を監視するのに好適な電気構成要素を選択してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100は、VSD52によってAC電源102から引き出される電流の大きさを監視してもよい。例えば、適応ロジックボード100は、第1の受信ライン104、第2の受信ライン106、及び/又は第3の受信ライン108上に配置され得る入力電流変換器130に(例えば、ハーネス124を介して)通信可能に結合され得る。入力電流変換器130を使用して、電力ワイヤ(例えば、第1、第2、又は第3の受信ライン104、106、108)を通る電流の流れを監視し、対応する電力ワイヤを通る電流の流れに比例するが、それを下回る出力信号(例えば、電流)を生成してもよい。
【0039】
例えば、第1の受信ライン104上に配置された第1の入力電流変換器132は、第1の受信ライン104を通って流れるAC電力の第1の相を監視し得る。したがって、第1の入力電流変換器132は、AC電力の第1の相の大きさに比例する電流(例えば、信号)を出力してもよい。例えば、第1の受信ライン104を通って流れる電流のアンペア数は、100アンペア(アンペア)~2000アンペアであってもよく、一方、第1の入力電流変換器132によって生成される出力信号のアンペア数は、1ミリアンペア(mA)~2アンペアであってもよい。同様に、第2の受信ライン106上に配置された第2の入力電流変換器134は、第2の受信ライン106を流れるAC電力の第2の相を監視してもよく、第3の受信ライン108上に配置された第3の入力電流変換器136は、第3の受信ライン108を通って流れるAC電力の第3の相を監視してもよい。
【0040】
適応ロジックボードは加えて、VSD52が電動機50に供給する電流の大きさを監視することができる。例えば、出力電流変換器140は、第1の出力ライン116、第2の出力ライン118、及び第3の出力ライン120上にそれぞれ配置された第1の出力電流変換器142、第2の出力電流変換器144、及び第3の出力電流変換器146を含み得る。それに応じて、第1、第2、及び第3の出力電流変換器142、144、及び146は、それぞれ、第1、第2、及び第3の出力ライン116、118、及び120を流れるAC電力の第1、第2、及び第3の相を監視することができる。入力電流変換器130と同様に、出力電流変換器140は各々が、ハーネス124を介して適応ロジックボード100に通信可能に結合してもよい。
【0041】
図6は、適応ロジックボード100の実施形態の概略図である。適応ロジックボード100は、1つ以上の信号検知回路152を含んでもよく、これを用いて、各入力電流変換器130及び各出力電流変換器140によって生成された出力信号を分析することができる。図6に図示した実施形態は、第3の出力電流変換器146によって生成された出力信号に関連付けられ、これを分析するように構成された、1つ以上の信号検知回路152のうちの単一の信号検知回路153を示すことに留意されたい。しかしながら、適応ロジックボード100は、入力電流変換器130の各々及び出力電流変換器140の各々に関連付けられた個々の信号検知回路を含んで、入力電流変換器130及び出力電流変換器140の各々の対応する出力信号を監視してもよい。それに応じて、いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100は6つの信号検知回路152を含んでもよく、6つの信号検知回路152の各々は、入力電流変換器130のうちの1つ又は出力電流変換器140のうちの1つに関連付けられ、且つ通信可能に結合されている。加えて又は代替として、適応ロジックボード100は、追加の又は6個未満の信号検知回路152を含んでもよい。例えば、適応ロジックボード100の特定の実施形態は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、又はそれを超える信号検知回路152を含んでもよい。
【0042】
信号検知回路153は1つ以上の抵抗器154を含んでもよく、抵抗器は各々が、並列構成で信号検知回路153の信号ライン150に電気的に結合されている。信号ライン150は、第3の電流変換器146と信号検知回路153との間に延び、したがって、第3の出力電流変換器146によって生成された出力信号を信号検知回路153に送信し得る。1つ以上のスイッチ156が、1つ以上の抵抗器154の各々と信号ライン150との間に配置されてもよく、それにより適応ロジックボード100は、信号検知回路153に対して特定の抵抗器を電気的に結合又は電気的に分離させてもよい。本明細書でより詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、1つ以上のスイッチ156の各々は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を含んでもよい。しかしながら、他の実施形態では、1つ以上のスイッチが、任意の他の好適な電流調節及び/又は電圧調節構成要素を含んでもよい。
【0043】
1つ以上のスイッチ156は、1つ以上の抵抗器154のうちの第1の抵抗器164、第2の抵抗器166、及び第3の抵抗器168と関連付けることができる第1のスイッチ158、第2のスイッチ160、及び第3のスイッチ162をそれぞれ含んでもよい。1つ以上のスイッチ156のうちの各々が、閉回路位置と開回路位置との間を移動することができ、したがって各スイッチは、対応する抵抗器を信号検知回路153に対して電気的に結合又は電気的に分離させてもよい。例えば、適応ロジックボード100は、第1のスイッチ158を閉回路位置に移動させ、一方で第2のスイッチ160及び第3のスイッチ162を開回路位置に移動させるように命令してもよい。このように、信号ライン150からの電流は、第1の抵抗器164を通って接地端子170に流れ得るが、第2及び第3の抵抗器166及び168を通って流れる電流は実質的にはない。
【0044】
いくつかの実施形態では、1つ以上の抵抗器154の各々は、異なる公称抵抗値を有し得る。例えば、1つ以上の抵抗器154のうちの第1の抵抗器164は、比較的小さい抵抗値(例えば、0.1オーム~5オーム)を有してもよく、一方で第2の抵抗器166は、比較的中程度の抵抗値(例えば、5オーム~8オーム)を有し、第3の抵抗器168は、比較的大きい抵抗値(例えば、8オーム~100オーム、又は100オームを超える)を有する。それに応じて、第1の抵抗器164、第2の抵抗器166、及び第3の抵抗器168はそれぞれ、電流の所定の動作範囲にわたって動作するように構成され得る。例えば、第1の抵抗器164に供給される電流の大きさが閾値(例えば、抵抗器と電流の組み合わせによって決定される第1の閾値)を下回る場合、第1の抵抗器164は十分な出力電圧を供給せず、動作精度を低下させ得る。
【0045】
上述のように、VSD52のサイズ、したがって、第3の出力ライン120を通って流れる電流の大きさは、第3の出力電流変換器146によって生成される電流の大きさを決定し得る。それに応じて、VSD52のサイズは、信号ライン150を介して信号検知回路153に供給される出力電流の大きさを決定し得る。適応ロジックボード100は(例えば、識別コードを介して)VSD52のサイズを認識し、1つ以上の抵抗器154のうちで、特定のVSDに対して第3の出力電流変換器146によって生成される出力信号の範囲に対応する抵抗器を選択し得る。
【0046】
例えば、VSD52のサイズが比較的大きいことを識別コードが示す場合、適応ロジックボード100は、第1の抵抗器164(例えば、比較的低い抵抗の抵抗器)及び第2の抵抗器166(比較的中間範囲の抵抗の抵抗器)を信号検知回路153から電気的に分離させ、一方で、第3の抵抗器168(例えば、比較的高い抵抗の抵抗器)を信号ライン150に電気的に結合させるように、スイッチ156に命令してもよい。それに応じて、第3の出力電流変換器146によって生成された出力信号(例えば、電流)は、信号ライン150、信号検知回路153の第3の抵抗器168、及び接地端子170を通って流れ得る。逆に、適応ロジックボード100によって受信された識別コードが、VSD52のサイズが比較的小さいことを示す場合、適応ロジックボード100は、第1の抵抗器164を信号ライン150に電気的に結合させ、一方で、第2の抵抗器166及び第3の抵抗器168を信号ライン150から分離させるように、スイッチ156に命令してもよい。更に、いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100は、特定のVSDについて、抵抗器154の組み合わせの累積抵抗が、その特定のVSDに対して第3の出力電流変換器146によって生成される出力信号(例えば、出力電流)の予想される範囲を受信するのに好適なように、抵抗器154の組み合わせを信号検知回路153に電気的に結合させるように構成されてもよい。一例として、適応ロジックボード100によって受信された識別コードが、VSD52が比較的中サイズのVSDであることを示す場合、適応ロジックボード100は、第1の抵抗器164及び第2の抵抗器166を信号ライン150に電気的に結合させ、一方で、第3の抵抗器168を信号ライン150から電気的に分離させてもよい。
【0047】
図6に図示する実施形態では3つの抵抗器が示されているが、信号検知回路153は、1つ以上のスイッチ156の対応するスイッチにそれぞれが関連付けられている任意の数の抵抗器、例えば2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又はそれを超える抵抗器を含み得ることに留意されたい。それに応じて、適応ロジックボード100は、VSD52のサイズに応じて、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又はそれを超える抵抗器のグループから任意の好適な抵抗器を選択し、選択された抵抗器を信号検知回路153に電気的に結合させてもよい。例えば、適応ロジックボードが、第1のサイズのVSDを検出した場合、適応ロジックボード100は、第1のサイズ(例えば、第1の抵抗率)の抵抗器を信号検知回路153に電気的に結合させ、第2のサイズのVSDを検出した場合、第2のサイズ(例えば、第2の抵抗率)の抵抗器を信号検知回路に電気的に結合させてもよい。信号検知回路153に電気的に結合されている1つ以上の抵抗器154のうちの抵抗器を、本明細書では「アクティブ抵抗器」と称することにする。換言すれば、アクティブ抵抗器は、1つ以上の抵抗器154のうちの1つの抵抗器に対応してもよく、その抵抗器は、特定のサイズのVSDに関連し、適応ロジックボード100がその特定のサイズのVSDに通信可能に結合された場合に、信号検知回路153に電気的に結合される。
【0048】
特定の実施形態では、1つ以上のスイッチ156は、アクティブ抵抗器を信号検知回路153に永続的に電気的に結合させ得る。例えば、適応ロジックボード100がハーネス124を介してVSD52に通信可能に結合されている場合、適応ロジックボード100はVSD52のサイズを判定し、したがって、1つ以上の抵抗器154から適切なアクティブ抵抗器を選択することにより、そのサイズのVSD52に対応するように信号検知回路153を構成し得る。いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100が(例えば、保守のためなどに)VSD52から通信可能に分離されている場合であっても、アクティブ抵抗器は、信号検知回路153に電気的に結合されたままであり得る。他の実施形態では、適応ロジックボード100は、「リセット」され、適応ロジックボード100が第1のVSDから分離されるごとに適切なアクティブ抵抗器を選択し、そして第2のVSDに再結合されるように構成されてもよい。例えば、適応ロジックボード100が第1のサイズのVSDに通信可能に結合されている場合、適応ロジックボード100は、第1の抵抗器164をアクティブ抵抗器として選択し得る。適応ロジックボードが第1のサイズのVSDから分離され、続いて第2のサイズのVSDに再結合される場合、適応ロジックボードは、複数の抵抗器154から異なる抵抗器をアクティブ抵抗器として自動的に選択してもよい(例えば、第2又は第3の抵抗器166、168のうちの1つなど)。
【0049】
いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100は、第3の出力電流変換器146によって生成された出力信号を、検知ユニット180を介して評価し得る。例えば、検知ユニット180は、信号検知回路153のアクティブ抵抗器の両端間の電圧降下を測定する電圧検知器182、又は他の好適な検知機器に電気的に結合されてもよい。アクティブ抵抗器の両端間の電圧降下の大きさは、第3の出力電流変換器146によって生成された出力信号の大きさ、したがって、第3の出力ライン120を流れる電流の大きさを示し得る。特定の実施形態では、適応ロジックボード100は、測定されたアクティブ抵抗器の両端間の電圧降下が目標値から所定の量だけ逸脱した場合に、1つ以上の抵抗器154のうちの異なる抵抗器を信号ライン150に電気的に結合させるようにVSD52に命令し得る。例えば、アクティブ抵抗器が第2の抵抗器166(例えば、中間範囲の抵抗値を有する抵抗器)であり、アクティブ抵抗器の両端で測定された電圧降下が所定の量だけ目標値を下回る実施形態では、適応ロジックボード100は、第2の抵抗器166を(例えば、第2のスイッチ160を介して)信号ライン150から電気的に分離させ、第1の抵抗器164(例えば、比較的低い抵抗値を有する抵抗器)を(例えば、第1のスイッチ158を介して)信号ライン150に電気的に結合させ得る。それに応じて、適応ロジックボード100は、アクティブ抵抗器の両端間の電圧降下の大きさが、検知ユニット180の有効動作範囲を下回らないように、信号検知回路153の抵抗を変更することによって、検知ユニット180の測定分解能を改善することができる。いくつかの実施形態では、アクティブ抵抗器の両端間の測定された電圧降下が所定量だけ目標値を下回り、アクティブ抵抗器が他の抵抗器154の中で最小の抵抗値を有する場合、適応ロジックボード100は、電動機50への電流出力を中断するようにVSD52に命令してもよい。上述のように、適応ロジックボード100は、入力電流変換器130の各々及び出力電流変換器140の各々に関連付けられた個々の信号検知回路を含み、それにより、VSD52を通って流れるAC電力の各相を、適応ロジックボード100が監視することが可能になり得る。
【0050】
図7は、1つ以上のスイッチ156のそれぞれを表し得るスイッチ200の実施形態の概略図である。例えば、第1、第2、又は第3のスイッチ158、160、及び162のそれぞれがスイッチ200を含み得る。スイッチ200は、1つ以上の抵抗器154(例えば、第1、第2、又は第3の抵抗器164、166、及び168)のうちの1つ、及び接地端子170にそれぞれ電気的に結合され得る上部ノード202及び下部ノード204を含み得る。スイッチ200は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、集積回路コントローラ、又は別の好適なスイッチング要素などの電気スイッチング要素206を含んでもよい。いくつかの実施形態では、スイッチング要素は、スイッチング要素206を閉回路位置と開回路位置との間で遷移させることを可能にするドレイン208、ゲート210、及びソース212を含み得る。具体的には、スイッチング要素206は、上部ノード202と下部ノード204との間で開回路又は短絡を形成するように動作可能であってもよく、上部ノード202と下部ノード204との間での電流の流れを有効化又は無効化してもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、スイッチング要素206は、スイッチング要素206が閉回路位置にある間に、スイッチ200の上部ノード202と下部ノード204との間の電圧降下を実質的にゼロにすることを可能にしてもよい。それに応じて、スイッチ200は、アクティブ抵抗器の両端間の電圧降下に実質的に影響を及ぼさず、したがって、検知ユニット180によって測定されるような電圧降下の精度を向上させ得る。特定の実施形態では、スイッチング要素206は電圧源214を使用して制御されてもよく、電圧源は、スイッチング要素206が開放回路位置と閉回路位置との間で調整されるように、ゲート210と接地(例えば、接地端子170)との間に電圧差を生成させてもよい。いくつかの実施形態では、抵抗器216及び218を使用して、適応ロジックボード100の動作中にスイッチング要素206に加えられ得る電気的ストレス(例えば、電気的インパルス)を低減又は実質的に軽減させ得る。このように、抵抗器216及び218はまた、スイッチング要素206が閉回路位置と開回路位置との間を意図せずに遷移することを防止又は制限し得る。抵抗器216及び218はそれぞれ、同じ公称抵抗値又は異なる公称抵抗値を有し得ることを理解されたい。
【0052】
図8は、適応ロジックボード100の1つ以上の信号検知回路152に含まれ得る信号検知回路の別の実施形態の概略図である。具体的に言えば、図示した実施形態は、信号検知ユニット180の代わりに適応検知ユニット221を含む信号検知回路219を示し、信号検知回路219は、出力ライン150を通る電流の流れを監視するために使用され得る。図8に図示した実施形態では、信号検知回路219は、VSD52の検出されたサイズに基づいて、信号検知回路219に対して(例えば、スイッチ156を介して)電気的に結合又は電気的に分離させるように構成された複数の抵抗器(例えば、抵抗器164、166、168など)を含まない。代わりに、信号検知回路219は、信号ライン150と接地端子170とに電気的に結合される単一の抵抗器、例えば抵抗器224、を含み得る。実際、適応検知ユニット221は、VSD52の検出されたサイズに基づいて調整可能な電気構成要素を含むことができ、それにより、適応検知ユニット221が、様々なサイズのVSDについて、抵抗器224の両端間の電圧降下を好適に監視することが可能になる。すなわち、適応検知ユニット221は構成可能な利得を有してもよく、それにより、VSDの特定のサイズに対して、第3の出力電流変換器146の電流出力によって抵抗器224の両端間に生成され得る予想される電圧降下を、適応検知ユニット221が効果的に監視することが可能になる。換言すれば、適応検知ユニット221は、抵抗器224の両端間の電圧降下を効果的に監視するために使用する特定の電気構成要素を選択することができる。
【0053】
信号検知回路153に関して上述したように、適応ロジックボード100は、複数の信号検知回路219を含み、複数の信号検知回路219の各々は、入力電流変換器130の対応する1つ及び出力電流変換器140の対応する1つによって生成された出力信号を分析するように構成されてもよいことを理解されたい。すなわち、いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100は6つの信号検知回路152を含んでもよく、6つの信号検知回路152の各々は、入力電流変換器130のうちの1つ又は出力電流変換器140のうちの1つに関連付けられ、且つ通信可能に結合されている。一例として、図8に図示した実施形態は、第3の出力電流変換器146によって生成された出力信号に関連付けられ、これを分析するように構成された単一の信号検知回路219を示す。
【0054】
図示した実施形態に示すように、第3の出力電流変換器146は、信号ライン150を介して抵抗器224及び適応検知ユニット221に電気的に結合されている。具体的には、信号ライン150は、適応検知ユニット221の第1の複数の抵抗器226に電気的に結合されており、抵抗器は各々が第1の集積回路コントローラ228に電気的に結合されている。いくつかの実施形態では、第1の複数の抵抗器226は、第1の抵抗器227、第2の抵抗器230、第3の抵抗器232、及び第4の抵抗器234を含む。第1の集積回路コントローラ228は、第1の集積回路コントローラ228が、第1の複数の抵抗器226のうちの特定の抵抗器を適応検知ユニット221の出力ライン236に対して電気的に結合又は電気的に分離することを可能にする内部構成要素(例えば、トランジスタ、ダイオード、抵抗器、コンデンサなど)を含む。適応ロジックボード100(例えば、適応ロジックボード100のコントローラ)及び/又は制御パネル40は、複数の抵抗器226のうちの特定の1つの抵抗器又は複数の抵抗器に関連付けられている、第1の集積回路コントローラ228の1つ以上の制御ライン238を介して、第1の集積回路コントローラ228に命令を送ることができる。このように、適応ロジックボード100は、第1の集積回路コントローラ228を介して、複数の抵抗器226のうちの1つ以上の抵抗器を選択して信号検知回路219に電気的に結合させることができる。
【0055】
例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の制御ライン238のうちの各制御ラインは、複数の抵抗器226のうちの対応する1つに関連付けられている。具体的には、図示した実施形態では、1つ以上の制御ライン238は、第1の制御ライン240、第2の制御ライン242、第3の制御ライン244、及び第4の制御ライン246を含み、これらは、それぞれ第1の抵抗器227、第2の抵抗器230、第3の抵抗器232、及び第4の抵抗器234に関連付けられている。それに応じて、適応ロジックボード100は、第1の制御ライン240を介して、第1の抵抗器227(例えば、アクティブ抵抗器)を信号検知回路219に電気的に結合させるように第1の集積回路コントローラ228に命令する信号を、第1の集積回路コントローラ228に送り、一方で、第2、第3、及び第4の抵抗器230、232、234は、信号検知回路219から電気的に分離されたままであってもよい。同様に、適応ロジックボード100は、第2、第3、又は第4の制御ライン242、244、246をそれぞれ介して、対応する命令信号を第1の集積回路コントローラ228に送ることにより、第2、第3、又は第4の抵抗器230、232、234のうちの1つを信号検知回路219に電気的に結合させるように、第1の集積回路コントローラ228に命令してもよい。
【0056】
適応ロジックボード100及び/又は制御パネル40は、上記で論じた技術に従って、複数の抵抗器226のうちからアクティブ抵抗器を選択してもよい。すなわち、アクティブ抵抗器は、適応ロジックボード100が結合されるVSD52のサイズに基づいて選択され得る。その上、いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100及び/又は制御パネル40は、複数の抵抗器226のうちの2つ以上を信号検知回路219に電気的に結合するように、第1の集積回路コントローラ228に命令してもよいことを理解されたい。そのような実施形態では、信号検知回路219に電気的に結合された、複数の抵抗器226のうちの選択された抵抗器を、一括してアクティブ抵抗器と称する。
【0057】
図8に図示する実施形態では、第1の集積回路コントローラ228は、4つの抵抗器226及び4つの制御ライン238に電気的に結合されているように示されているが、他の実施形態では、第1の集積回路コントローラ228は、任意の好適な数量の抵抗器228及び対応する制御ライン238に電気的に結合され得ることに留意されたい。すなわち、第1の集積回路コントローラ228は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、又は6個を超える制御ライン238にそれぞれ関連付けられた1個、2個、3個、4個、5個、6個、又は6個を超える抵抗器226に電気的に結合されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、第1の集積回路コントローラ228は、第1の集積回路コントローラ228の動作を容易にするように構成された基準電圧端子248(例えば、正の電圧源)に電気的に結合され得る。非限定的な例として、基準電圧端子248は、約ゼロボルト~約20ボルトの電圧差(例えば、0ボルト±20ボルト)を第1の集積回路コントローラ228に供給するように構成され得る。第1の集積回路コントローラ228はまた、第1の電力供給端子249(例えば、正電圧源)及び第2の電力供給端子250(例えば、負電圧源)に電気的に結合されてもよく、これら電力供給端子は、基準電圧端子248によって供給される電圧差(例えば、0ボルト±20ボルト)と実質的に等しいか又は異なる電圧差を、第1の集積回路コントローラ228に供給するように構成されてもよい。更に、特定の実施形態では、第1の集積回路コントローラ228は、第1の集積回路コントローラ228の効果的な動作を可能にする複数の追加の電気構成要素、例えば抵抗器251及びコンデンサ253に電気的に結合され得る。抵抗器251の各々及び/又はコンデンサ253の各々は、異なる又は実質的に同様の抵抗値及び静電容量値をそれぞれ有し得ることを理解されたい。いずれにせよ、第1の集積回路コントローラ228の出力ライン236は、ライン258を介して演算増幅器256に(例えば、演算増幅器256の非反転入力)に電気的に結合されている。このように、演算増幅器256は、第3の出力電流変換器146によって生成された出力信号を評価することができる。
【0059】
図示した実施形態では、信号検知回路219は、第2の複数の抵抗器262に電気的に結合された第2の集積回路コントローラ260を含む。以下で詳細に説明するように、第2の複数の抵抗器262のうちの各抵抗器は、第1の複数の抵抗器226のうちの対応する抵抗器と関連付けられてもよい。すなわち、第2の複数の抵抗器262の第1の抵抗器264は第1の抵抗器227に関連付けられてもよく、第2の複数の抵抗器262の第2の抵抗器266は第2の抵抗器230に関連付けられてもよく、第2の複数の抵抗器262の第3の抵抗器267は第3の抵抗器232に関連付けられてもよく、第2の複数の抵抗器262の第4の抵抗器268は第4の抵抗器234に関連付けられてもよい。特定の実施形態では、第2の複数の抵抗器262のうちの特定の抵抗器に対応する、第1の複数の抵抗器226のうちの抵抗器は、互いに対して実質的に同様の抵抗値又は異なる抵抗値を含んでもよい。例えば、第1の抵抗器227の抵抗値は、第1の抵抗器264の抵抗値と実質的に同じであっても異なっていてもよい。
【0060】
第1の集積回路コントローラ228と同様に、第2の集積回路コントローラ260は、制御ライン238を介して、適応ロジックボード100及び/又は制御パネル40に通信可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、制御ライン238はそれぞれ、第2の複数の抵抗器262のうちの対応する抵抗器に関連付けられ、それにより、上述の技術に従って、適応ロジックボード100及び/又は制御パネル40が、第2の集積回路コントローラ260に、複数の抵抗器262のうちの特定の抵抗器を信号検知回路219に対して電気的に結合又は電気的に分離するように命令することを可能にする。信号検知回路219に電気的に結合されている複数の抵抗器262のうちの抵抗器を、本明細書では「追加アクティブ抵抗器」と称することにする。追加アクティブ抵抗器は、第1の集積回路コントローラ228によって信号検知回路219に電気的に結合されている第1の複数の抵抗器226の抵抗器(例えば、アクティブ抵抗器)と関連付けられてもよい。一例として、適応ロジックボード100が、第1の制御ライン240を介して第1及び第2の集積回路コントローラ228、260に命令信号を送信する実施形態では、第1及び第2の集積回路コントローラ228、260は協働して、第1の抵抗器227(例えば、アクティブ抵抗器)及び第1の抵抗器264(例えば、追加アクティブ抵抗器)を信号検知回路219に電気的に結合することができる。以下で論じるように、追加のアクティブ抵抗器は、信号ライン150を介して供給される電圧信号(例えば、ライン258によって出力される信号)と比較する適切な基準電圧を、演算増幅器256が受け取ることを確実にすることができる。
【0061】
図示した実施形態では、第2の集積回路コントローラ260は、ライン272を介して演算増幅器256に(例えば、演算増幅器256の反転端子に)電気的に結合される出力ライン270を含む。加えて、いくつかの実施形態では、第2の集積回路コントローラ260は、第1の集積回路コントローラ260の効果的な動作を容易にするように構成されている複数の追加の電気構成要素、例えば、抵抗器251、コンデンサ253、第1の電力供給端子249、及び/又は第2の電力供給端子250などに結合されてもよい。特に、抵抗器251及びコンデンサ253は、基準電圧端子248、及び/又は第1及び第2の電力供給端子249、250によって供給され得る電圧の変動を緩和するためのフィルタとして動作し得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、演算増幅器256は、演算増幅器256の動作を可能にする電圧差(例えば、0ボルト±20ボルト)を供給するように構成された追加の電力供給273(例えば、正電圧源)に電気的に結合されてもよい。演算増幅器256は、ライン258を介して供給される信号(例えば、第3の出力電流変換器146によって生成される出力信号に対応する信号)と、ライン272を介して供給される信号(例えば、基準電圧信号)との間の電圧差を決定するように構成されていてもよい。特に、演算増幅器256は、第3の出力電流変換器146によって生成された出力信号の大きさを示し得る差動電圧信号を、出力ライン274を介して出力してもよい。適応検知ユニット221は、VSD52の検出されたサイズに基づいて、第1の複数の抵抗器226及び第2の複数の抵抗器262の適切な1つの抵抗器又は複数の抵抗器を信号検知回路219に電気的に結合させることにより、演算増幅器256によって受け取られた電圧差が、確実に演算増幅器256の有効動作範囲内にあるようにすることができる。
【0063】
このように、適応ロジックボード100は、出力ライン274を介して出力された差動電圧信号の大きさに基づいて、第3の出力ライン120を通って流れる電流の大きさを判定し得る。いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100は、差動電圧信号が閾値量だけ目標値から逸脱した場合に、VSD52によって出力される電流の大きさを増加又は減少させるようにVSD52に命令し得る。
【0064】
図9は、適応ロジックボード100の信号検知回路219に含まれ得る適応検知ユニット278の別の実施形態の概略図である。特に、適応検知ユニット278は、第3の出力電流変換器146及び演算増幅器256に電気的に結合されたプログラマブル抵抗器280を含む(例えば、適応検知ユニット221の第1の複数の抵抗器226及び第2の複数の抵抗器262の代わりに)。図示した実施形態に示すように、プログラマブル抵抗器280は、第1のライン284を介して信号ライン150に電気的に結合された第1の可変抵抗要素282を含み、第2のライン288を介して接地端子170及び抵抗器224に電気的に結合された第2の可変抵抗要素286を含む。第1の可変抵抗要素282は、演算増幅器256の非反転入力に電気的に結合される第1の出力ライン292を含む。同様に、第2の可変抵抗要素286は、演算増幅器256の反転入力に電気的に結合される第2の出力ライン294を含む。いくつかの実施形態では、第1の可変抵抗要素282及び第2の可変抵抗要素286は、それぞれ、第1のライン284と第1の出力ライン292との間、及び第2のライン288と第2の出力ライン294との間に特定の抵抗値を提供するようにプログラム可能である。それに応じて、第1及び第2の可変抵抗要素282、286は、信号ライン150を介して適応検知ユニット278に供給される出力電流の大きさに関係なく、演算増幅器256が効果的に動作することを確実にし得る。
【0065】
例えば、上述のように、適応ロジックボード100は、適応ロジックボード100に結合されたVSD52のサイズを(例えば、識別コードを介して、入力デバイス128を介したオペレータ入力を介して)認識することができる。それに応じて、適応ロジックボード100は、VSD52の動作中に第3の出力電流変換器146によって生成され得る電流の予想範囲、すなわち換言すれば、信号ライン150を介して抵抗器224に供給される電流の予想範囲を判定し得る。この判定に基づいて、第1の可変抵抗要素282及び第2の可変抵抗要素286のそれぞれの抵抗値を、抵抗器224の両端間の予想される電圧降下を演算増幅器256が適切に測定することを可能にする抵抗値へと調整するように、適応ロジックボード100がプログラマブル抵抗器280に命令してもよい。換言すれば、演算増幅器256の好適な動作範囲内にある電圧差を演算増幅器256が受け取るように、プログラマブル抵抗器280は適応検知ユニット278の利得を調整してもよい。
【0066】
例えば、プログラマブル抵抗器280は、制御ライン300を介して適応ロジックボード100に(例えば、適応ロジックボード100のコントローラに)通信可能に結合されてもよく、制御ライン300は、適応ロジックボード100が、VSD52の検出されたサイズに基づいて、第1及び第2の可変抵抗要素282、286に対して特定の抵抗値を指定することを可能にする。それに応じて、ライン292を介して演算増幅器256に供給される信号(例えば、第3の出力電流変換器146によって生成される出力信号に対応する信号)、及びライン294を介して演算増幅器256に供給される信号(例えば、基準電圧信号)は各々が、演算増幅器256の好適な動作範囲内にある電圧の大きさ及び/又は電流の大きさを有し、それにより、演算増幅器256の有効性が高まり得る。実際、第1及び第2の可変抵抗要素282、286の対応する抵抗値が、信号ライン150によって供給される電流を受け取るのに好適な閾値抵抗値より上又は下である場合、第1及び第2の出力292、294ラインは、演算増幅器256の有効動作範囲を超えるか又は下回る対応する出力電圧を演算増幅器256に供給し得る。
【0067】
第1及び第2の可変抵抗要素282、286の各々は、非常に多数の個別の抵抗値に調整可能であり、それにより、演算増幅器256は、演算増幅器256の動作有効性を高める特定の大きさにて(例えば、ライン292、294を介して)入力信号を受信することが可能になる。実際、いくつかの実施形態では、第1及び第2の可変抵抗要素282、286は、それぞれ、第1のライン284と第1の出力ライン292との間、及び第2のライン288と第2の出力ライン294との間に、2個、3個、4個、5個、10個、20個、50個、又は50個を超える個別の選択可能な抵抗値のうちの1つを提供するように、各々が調整可能である。このようにして、適応ロジックボード100は、様々なサイズのVSD52の動作用パラメータを適切に監視するように、適応検知ユニット278を選択的に構成し得る。
【0068】
それに応じて、図8を参照して上記で同様に説明したように、演算増幅器256は、第1の出力ライン292を介して供給される信号と第2の出力ライン294を介して供給される信号との間の電圧差を比較して差動電圧信号を生成してもよく、差動電圧信号は出力ライン274を介して出力される。したがって、差動電圧信号の大きさは、第3の出力電流変換器146によって生成された出力信号の大きさ、したがって、第3の出力ライン120を流れる電流の大きさを示し得る。
【0069】
図10は、適応ロジックボード100を使用してVSD52を制御する方法320の実施形態である。例えば、ブロック322において、適応ロジックボード100は、ハーネス124を使用してVSD52に通信可能に結合され得る。ハーネス124は、VSD52から適応ロジックボード100への、又はその逆の、データ信号及び/又は電流の伝達を可能にし得る。ブロック324において、適応ロジックボード100は、VSD52のサイズ(例えば、電力出力定格)を判定し得る。上述のように、VSD52は、VSD52のサイズを示す識別コードを(例えば、ハーネス124を介して)適応ロジックボード100に送信し得る。いくつかの実施形態では、識別コードは、(例えば、ハーネス124内に配置されたメモリデバイスを介して)ハーネス124自体の中に格納され得る。いずれにしても、適応ロジックボード100は、識別コードを使用して、VSD52が、例えば、比較的小さいか、比較的中サイズであるか、又は比較的大きいかを判定し得る。更に、いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100は、入力デバイス128を介して提供され得るオペレータ入力に基づいて、VSD52のサイズを判定し得る(例えば、オペレータは、入力デバイス128を介してVSD52のサイズを手動で指定し得る)。
【0070】
特定の実施形態では、VSD52と適応ロジックボード100との間の確立された接続(例えば、ハーネス124を使用)の数量により、適応ロジックボード100が、識別コードに加えて又はその代わりに、VSD52のサイズを判定することが可能であってもよい。例えば、比較的大きいVSD52が、ハーネス124が電気的に結合し得る第1の数量の出力端子を含み得る。このように、ハーネス124は加えて、適応ロジックボード100の第1の数量の入力端子に結合し得る。適応ロジックボード100は、VSD52に通信可能に結合されている入力端子の数量、及び空の(例えば、VSDに通信可能に結合されていない)入力端子の数量を判定し、したがって、結合された及び/又は空の入力端子に基づいてVSD52のサイズを判定し得る。例えば、確立された接続の第1の数量は、比較的大きいVSDに関連付けられ得る。逆に、比較的小さいVSDは、確立された接続の第2の数量に関連付けられ得る。
【0071】
ブロック326において、適応ロジックボード100は、1つ以上の抵抗器154のうちの1つの抵抗器(例えば、アクティブ抵抗器)、又は抵抗器、複数の抵抗器226を選択し、信号検知回路153及び/又は219に電気的に結合させ得る。アクティブ抵抗器は、入力電流変換器130のうちの1つ又は出力電流変換器140のうちの1つによって生成された対応する出力信号を受信するように構成された抵抗器(例えば、抵抗器164、166、168、227、230、232、234のうちの1つ)を示し得る。信号検知回路219を含む適応ロジックボード100の実施形態では、適応ロジックボード100は加えて、複数の抵抗器262のうちの1つの抵抗器(例えば、追加のアクティブ抵抗器)を選択し、信号検知回路219へと電気的に結合させ得る。上述のように、追加のアクティブ抵抗器は、アクティブ抵抗器に関連付けられ、好適な基準電圧信号を演算増幅器256に供給するように構成され得る。更に、適応検知ユニット278を含む適応ロジックボード100の実施形態では、ブロック328によって示すように、適応ロジックボード100は、VSD52の検出されたサイズに対応する特定の抵抗値を提供するように、第1及び第2の可変抵抗要素282、286に命令し得る。すなわち、適応ロジックボード100は、特定の抵抗器を信号検知回路153及び/又は219に対して電気的に結合又は電気的に分離する代わりに、第1及び第2の可変抵抗要素282、286によって提供される抵抗値の大きさを調整するように、プログラマブル抵抗器280に命令し得る。
【0072】
いずれの場合でも、上述のように、入力及び出力電流変換器130及び140の各々は、対応する信号検知回路152に電気的に結合され得る。このように、信号検知回路152の各々を使用して、対応する入力電流変換器(例えば、第1、第2、又は第3の入力電流変換器132、134、又は136のうちの1つ)、又は対応する出力電流変換器(例えば、第1、第2、又は第3の出力電流変換器142、144、又は146のうちの1つ)によって生成された出力信号の大きさを、したがって、受信又は出力ライン104、106、108、116、118、及び/又は120のうちの対応する1つを流れる電流の大きさを監視することができる。換言すれば、適応ロジックボード100は、ブロック330によって示すように、対応するアクティブ抵抗器の両端間の電圧降下を評価することによって、VSD52によってAC電源102から引き出されるAC電力の各相の大きさを監視し、VSD52が電動機50に供給するAC電力の各相の大きさを監視することができる。信号検知回路219を含む適応ロジックボード100の実施形態では、適応ロジックボード100は、演算増幅器256によって生成された出力信号の評価を介して、VSD52によってAC電源102から引き出されるAC電力の各相の大きさを監視し、VSD52が電動機50に供給するAC電力の各相の差動電圧の大きさを監視することができる。
【0073】
ブロック332において、適応ロジックボード100は、受信又は出力ライン104、106、108、116、118、及び/又は120を通る電流の流れが目標値から所定の量を超えて逸脱した場合に、第1、第2、若しくは第3の受信ライン104、106及び/又は108のいずれか、及び/又は第1、第2、若しくは第3の出力ライン116、118及び/又は120のいずれかを通る電流の流れを調整するように、VSD52に命令してもよい。例えば、第3の出力ライン120を介して電動機50に供給される電流の大きさが目標値を下回ると適応ロジックボード100が判断した場合、適応ロジックボード100は、この電流の大きさを(例えば、DCリンク112を使用して)増加させるようにVSD52に命令してもよい。それに応じて、適応ロジックボード100は、VSD52のサイズに関係なく、VSD52への及び/又はVSD52からの電流の流れを監視及び/又は調節することができる。
【0074】
本願は、以下の説明に記載の又は図中に示す詳細又は方法体系に限定されないことを理解すべきである。本明細書で使用した語法及び用語は説明目的に過ぎず、限定的なものと解釈すべきではないことも理解すべきである。
【0075】
図中に示し本明細書に記載した例示的実施形態が現在好ましいが、これらの実施形態は例として与えられたに過ぎないことを理解すべきである。したがって、本願は特定の実施形態に限定されないが、添付の特許請求の範囲に依然として含まれる様々な修正形態に及ぶ。任意のプロセス又は方法ステップの順序又は順番は、代替的実施形態に応じて変更する又は並べ替えることができる。
【0076】
様々な例示的実施形態において示したような中電圧同期伝達システムの構造及び構成は例示に過ぎないことに留意することが重要である。本開示では、いくつかの実施形態しか詳細に説明しなかったが、特許請求の範囲に記載する主題の新規な教示及び利点から著しく逸脱することなしに、多くの修正形態(例えば、様々な要素の大きさ、サイズ、構造、形状、及び比率、パラメータ値、取付方法、材料の使用法、色、向き等のバリエーション)が可能であることを、本開示を検討する者は容易に理解するであろう。例えば、一体化して形成されるものとして示される要素は複数の部品又は要素で構築することができ、要素の位置を逆にするか又は変更することができ、個別要素又は位置の性質若しくは数を変えるか又は変更することができる。したがって、そのような全ての修正形態が本願の範囲に含まれることが意図されている。任意のプロセス又は方法ステップの順序又は順番は、代替的実施形態に応じて変更する又は並べ替えることができる。特許請求の範囲において、如何なるミーンズプラスファンクション節も、列挙した機能を実行するものとして本明細書に記載した構造及び構造上の等価物だけでなく、等価な構造も範囲に含むことが意図される。例示的実施形態の設計、動作条件、及び構成に関して、本出願の範囲から逸脱することなしに、他の置換、修正、変更、及び省略を加えることができる。
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