(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するためのデバイス、方法、およびブース
(51)【国際特許分類】
A61B 3/028 20060101AFI20220324BHJP
【FI】
A61B3/028
(21)【出願番号】P 2021514488
(86)(22)【出願日】2018-06-07
(86)【国際出願番号】 FR2018051326
(87)【国際公開番号】W WO2019220023
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-05-07
(32)【優先日】2018-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520446850
【氏名又は名称】コスタンチーニ,フロレント
(73)【特許権者】
【識別番号】520446861
【氏名又は名称】コスタンチーニ,マシュー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コスタンチーニ,フロレント
(72)【発明者】
【氏名】コスタンチーニ,マシュー
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-283271(JP,A)
【文献】特開2005-211423(JP,A)
【文献】特開2002-209850(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0153796(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0070650(US,A1)
【文献】仏国特許出願公開第03050922(FR,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0310000(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0150446(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0329154(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するためのデバイスであって、前記デバイス(1)が、
接眼デバイス(3)と、リザーブ(6)から矯正レンズを取り出して前記接眼デバイス(3)に配置するように構成された管理ユニット(5)と、を備える自動屈折器(2)と、
前記矯正レンズを前記接眼デバイス(3)に配置するために、前記自動屈折器(2)の前記管理ユニット(5)を少なくとも制御するように構成された中央ユニット(9)と、
少なくとも患者データを前記中央ユニット(9)に入力するためのデータ入力ユニット(11)と、
を備えるデバイスにおいて、
前記デバイス(1)は、
前記中央ユニット(9)によって制御され、少なくとも検眼中に前記患者への命令を自動的に生成するように構成された命令生成システム(12)と、
前記患者と前記中央ユニット(9)との間のインタフェースシステム(14)であって、少なくとも検眼中に前記患者によってジェスチャの形で生成された表示を直接検出し、これらの命令を前記中央ユニット(9)に直接送信するように構成される、インタフェースシステム(14)と、
をさらに備え、
前記中央ユニット(9)はまた、前記管理ユニット(5)を制御し、前記インタフェースシステム(14)を介して前記患者が生成した前記表示を受信することにより、少なくとも1つの検眼を自動的に実施し、少なくとも前記受信した表示からの前記自覚的眼屈折を自動的に決定するように構成される、
デバイス。
【請求項2】
前記中央ユニット(9)は、前記自覚的眼屈折に適合した、前記患者のための眼鏡の処方を含む処方を生成するように構成されることを特徴とする、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記処方を記録するように構成された記録要素(18)、および、
前記処方を印刷するように構成された印刷要素(19)、
のうちの少なくとも1つをさらに備えることを特徴とする、
請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記処方を遠隔でユーザに送信するように構成された送信要素(21)をさらに備えることを特徴とする、
請求項2または3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記命令生成システム(12)は、音声送信ユニットを備えることを特徴とする、
請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記インタフェースシステム(14)は、少なくとも1つの手動作動要素(23)を備えることを特徴とする、
請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記インタフェースシステム(14)は、患者のジェスチャを自動検出するためのシステム(26)を備えることを特徴とする、
請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記デバイスは、前記患者の他覚的眼屈折を測定し、前記患者の他覚的眼屈折を前記中央ユニット(9)に送信するように構成された自動屈折計(27)をさらに備え、前記測定された他覚的眼屈折は、前記少なくとも1つの検眼を生成することと、前記自覚的眼屈折を決定することの二つのアクションのうちの少なくとも1つを実施するために、前記中央ユニット(9)によって使用されることを特徴とする、
請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスは、前記患者の眼鏡レンズの矯正を測定し、前記測定された矯正を前記中央ユニット(9)に送信するように構成されたフロントフォコメータ(29)をさらに備え、前記測定された矯正は、前記少なくとも1つの検眼を生成することと、前記自覚的眼屈折を決定することの二つのアクションのうちの少なくとも1つを実施するために、前記中央ユニット(9)によって使用されることを特徴とする、
請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記デバイスは、前記デバイス(1)の前記要素の少なくともいくつかの間の通信を可能にするように構成されたローカルエリアネットワーク(32)を備えることを特徴とする、
請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記デバイス(1)の少なくともいくつかの要素は、シリアルリンク(41)を介して互いに通信することを特徴とする、
請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するためのブースであって、
前記ブースは、少なくとも部分的に閉じられており、前記ブースは、患者用の少なくとも1つの座席(44)と、請求項1から11のいずれか一項に記載の患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するためのデバイス(1)と、を備えることを特徴とする、
ブース。
【請求項13】
前記患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するための前記デバイス(1)のさまざまな要素は、必要に応じて前記患者の座席(44)からアクセスできるように配置されることを特徴とする、
請求項12に記載のブース。
【請求項14】
デバイス(1)を使用して、患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するための方法であって、前記デバイス(1)が、
接眼デバイス(3)と、リザーブ(6)から矯正レンズを取り出して前記接眼デバイス(3)に配置するように構成された管理ユニット(5)と、を備える自動屈折器(2)と、
中央ユニット(9)と、
データ入力ユニット(11)と、
命令生成システム(12)と、
患者と前記中央ユニット(9)との間のインタフェースシステム(14)と、
を備える方法において、
前記方法は、
前記中央ユニット(9)によって実施され、少なくとも前記患者に関連する入力されたデータを使用して、少なくとも1つの検眼を自動生成することからなる生成ステップ(E2)と、
前記生成ステップ(E2)で生成された少なくとも1つの検眼を実施することからなる検査ステップ(E3)であって、前記検査ステップ(E3)は少なくとも、
前記命令生成システム(12)によって実施される、前記患者のための命令の生成のサブステップ(E3A)と、
前記自動屈折器(2)の前記管理ユニット(5)に、前記リザーブ(6)から矯正レンズを取り出して前記接眼デバイス(3)に配置するように指示するサブステップ(E3B)と、
前記接眼デバイス(3)を通してディスプレイを見ることにより前記検眼中に前記患者によってジェスチャの形で生成される表示を直接検出し、これらの表示を前記中央ユニット(9)に直接送信する、前記インタフェースシステム(14)によって実施されるサブステップ(E3C)と、
を含む、検査ステップ(E3)と、
前記中央ユニット(9)によって実施され、少なくとも前記受信された表示から、前記患者の少なくとも自覚的眼屈折を自動的に決定することからなる処理ステップ(E4)と、
を含むことを特徴とする、
方法。
【請求項15】
前記方法は、前記生成ステップ(E2)の前に実施される少なくとも1つのデータ入力ステップ(E1)をさらに含むことを特徴とする、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記生成ステップ(E2)と前記検査ステップ(E3)は雲霧検査を使用することを特徴とする、
請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記検査ステップ(E3)は、異なる向きを有する分岐を備えた文字Eを表示することから成ることを特徴とする、
請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するためのデバイスおよび方法、ならびにそのようなデバイスを備えたブースに関する。
【0002】
眼屈折は、目の中のさまざまな媒体を通過する光線の方向の変化である。この光線は最終的に網膜に収束し、つまり、眼球の底に並ぶ細胞の層に収束し、これは、光エネルギーを神経インパルスに変換することを目的としており、神経インパルスは脳によって画像の形でデコードされる。
【0003】
眼屈折は、人(以下、「患者」という)の視力の異常(屈折異常)を判断するために使用される。眼の屈折異常は、網膜に対して偏向される、眼に入る光線の位置によって定義される。これらの光線の位置に応じて、目は近視、正常、または遠視と見なされる。さらに、光線が点ではなく網膜の表面を描写する場合、目は乱視になる。
【背景技術】
【0004】
患者の眼屈折を決定するために、自動屈折計(automatic refractometer)(または「自動屈折計(auto-refractometer)」)は、一般に、他覚的屈折と呼ばれる理論的屈折を測定するために使用され、これは、患者の眼のそれぞれに他覚的矯正を定義する。
【0005】
ただし、患者の目の状態は時間とともに変化する可能性があるため、自動屈折計によって提供される結果は時間とともに変化する。調節などの筋肉および神経感覚の現象も、これらの結果を変化させる可能性がある。したがって、特に患者に適合した矯正レンズを処方する目的で、眼科検査または診察中に、眼科医(または視能訓練士、検眼医または眼鏡技師などの別の視覚専門家)が患者の参加を必要する患者の自覚的眼屈折を決定する。
【0006】
アイケアの専門家(眼科医、視能訓練士、検眼医、眼鏡技師など)は通常、自動屈折器を使用してこれを行う。自動屈折器は通常、患者の目の前に配置される2つの接眼レンズを備えた接眼デバイス、供給器から矯正レンズを取り出して接眼レンズに配置するように構成された管理ユニット、および管理ユニットを操作するアイケアの専門家が使用する制御インタフェースで構成される。この検査中、矯正レンズのさまざまな組み合わせが接眼レンズに配置され、患者は、接眼デバイスを通してターゲットを見て、提示されたレンズがターゲットをはっきりと見ることができるかどうかをチェックする。
【0007】
アイケアの専門家は、一般的に、患者の快適な視力矯正を決定することができる前に、多数の連続した検査を実行する必要がある。したがって、このような検査にはかなりの時間がかかる。
【0008】
特許文献1は、患者の自覚的眼屈折の検査の期間を短縮するための方法を開示している。自動屈折器を制御することを目的とするこの方法は、過度に調節するかどうかの目の能力を示す調節プロファイルを決定するステップと、眼をいくつかの連続した屈折検査にかけるために、接眼デバイス内に連続的に配置されるべき矯正レンズを識別する少なくとも1つの選択コマンドを生成するステップとによって特徴付けられ、選択コマンドは、決定された調節プロファイルに依存する。この方法では、接眼デバイスに配置される矯正レンズを識別することにより、一連の検査を自動的に決定できるため、検査の期間を短縮できる。
【0009】
ただし、検査中は常に通常の方法で検眼が行われる。特に:
-患者は、(自動的に決定される)検査の実施を管理するアイケアの専門家などのオペレータによってガイドされ、
-オペレータは、検査中に患者から提供された応答をシステムに入力する。
【0010】
この方法は部分的に自動化されているが、それでもオペレータ、通常はアイケアの専門家の介入が必要であり、特にコストと可用性の点で欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【0012】
本発明は、少なくとも患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するためのデバイスを提供する。本発明は、
-(1つまたは2つの接眼レンズを備えた)接眼デバイスと、リザーブから矯正レンズを取り出して接眼デバイスに配置するように構成された管理ユニットと、を備えた自動屈折器と、
-接眼デバイスに矯正レンズを配置するために、少なくとも自動屈折器管理ユニットを制御するように構成された中央ユニットと、
-少なくとも患者関連のデータを中央ユニットに入力するためのデータ入力ユニットと、
を備えたデバイスに関する。
【0013】
本発明によれば:
-デバイスは:
・中央ユニットによって制御され、少なくとも検眼中に患者への命令を自動的に生成するように構成された命令生成システムと、
・患者と中央ユニットとの間のインタフェースシステムであって、ジェスチャの形で、好ましくは手動で、少なくとも検眼中に患者によって生成された表示を直接検出し、これらの表示を中央ユニットに直接送信するように構成される、インタフェースシステムと、
をさらに備え、
-中央ユニットはまた、管理ユニットを制御し、インタフェースシステムを介して患者によって生成された表示を受信することによって、少なくとも1つの検眼を自動的に実施し、少なくとも受信された表示から自覚的眼屈折を自動的に決定するように構成される。
【0014】
中央ユニットは、好ましくは、このように決定された自覚的眼屈折に適合された、患者のための眼鏡の処方を含む処方を生成するように構成される。
【0015】
本発明の文脈において、「直接」の検出および/またはジェスチャ表示(またはジェスチャの形で生成された表示)の送信という用語は、これらのジェスチャ表示の第三者(例えば、オペレータ、特にアイケアの専門家)の介入なしの検出、およびこれらのジェスチャ表示の、第三者の介入なしの、デバイスの中央ユニットへの送信を意味する。
【0016】
したがって、特に1つまたは複数の検眼の実施を視野に入れた(命令生成システムを介した)患者への命令の同時自動生成、および直接検出の結果、(インタフェースシステムを介した)検眼中の(ジェスチャの形で表現された)患者の応答を考慮して、このデバイスは、アイケアの専門家などのオペレータの介入を必要とせず、患者の自覚的眼屈折を決定するために、デバイスの中央ユニットで必要な検眼を実行する。このデバイスは、第三者(オペレータなど)の介入なしに患者と協力するだけで、患者の自覚的眼屈折を自動的に決定し、必要に応じて処方を自動的に生成することを可能にし、これにより、特にコストと利用可能性の点で利点をもたらし、前述の欠点を修正することが可能になる。
【0017】
好適には、デバイスは、さらに:
-処方を記録するように構成された記録要素;および、
-処方を印刷するように構成された印刷要素;
のうちの少なくとも1つを含む。
【0018】
さらに、特定の実施形態では、デバイスはまた、処方を遠隔でユーザに送信するように構成された送信要素を備える。
【0019】
さらに、好ましい実施形態では、命令生成システムは、音声出力ユニットを備える。
【0020】
本発明の文脈において:
-インタフェースシステムは、患者が検眼中に尋ねられた質問に関連するコメント(または応答)を表す表示(ジェスチャ)を提供(または生成)するために実行する患者のジェスチャを自動的に検出することを可能にするシステムである;
-患者のジェスチャは、体の少なくとも一部の動きに対応する。これらの動きは、好ましくは、患者の片手または両手によって実行される動きまたはアクションに関係する。しかしながら、例えば、足などの身体の他の部分の使用は、本発明の文脈において考慮され得る。
【0021】
第1の実施形態では、インタフェースシステムは、少なくとも1つの手動作動要素を含む。この手動作動要素は、患者が手動で操作するように構成されている。これには、ボタンなどの1つまたは複数の作動要素が含まれ得る。それはジョイスティックであり得る。したがって、この第1の実施形態では、ジェスチャの形での表示は、手動作動要素の手動作動を表す。
【0022】
さらに、第2の実施形態では、インタフェースシステムは、患者のジェスチャを自動検出するためのシステムを含む。この第2の実施形態では、(ジェスチャの形での)表示は、ジェスチャ、特に片方または両方の手の動きを表し、これらは、自動ジェスチャ検出システムによって自動的かつ直接検出される(そして中央ユニットに送信される)。
【0023】
さらに、特定の実施形態では、デバイスは、さらに:
-患者の他覚的眼屈折を測定し、それを中央ユニットに送信するように構成された自動屈折計であって、測定された他覚的眼屈折は、少なくとも1つの検眼を生成することと、自覚的眼屈折を決定することの2つのアクションのうちの少なくとも1つを実行するために中央ユニットによって使用される、自動屈折計;および/または、
-患者の眼鏡レンズ矯正を測定し、測定された矯正を中央ユニットに送信するように構成されたフロントフォコメータであって、測定された矯正は、少なくとも1つの検眼を生成することと、自覚的眼屈折を決定することの2つのアクションのうちの少なくとも1つを実行するために中央ユニットによって使用される、フロントフォコメータ;および/または、
-患者がデバイスに音声表示を提供できるようにする音声制御システム;
を備える。
【0024】
本発明の枠組みの中で、デバイスのさまざまな構成要素(特に、自動屈折器、中央ユニット、データ収集ユニット、命令生成システムおよびインタフェースシステム、ならびに場合によっては自動屈折計およびフロントフォコメータ)は、特にデータおよび/またはコマンドを通信および送信するために、異なる方法で一緒に接続され得る。
【0025】
したがって、好適には:
-第1の実施形態では、デバイスは、このデバイスの要素の少なくともいくつかの間の通信を可能にするように構成されたローカルネットワークを備え;
-第2の実施形態では、このデバイスの要素の少なくともいくつかは、シリアルリンクを介して互いに通信し;
-第3の実施形態では、このデバイスの要素の少なくともいくつかは、無線(または「Wifi」)通信によって互いに通信する。
【0026】
本発明はまた、患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するための(そして好ましくは処方を生成するための)ブースに関する。
【0027】
本発明によれば、ブースは、少なくとも部分的に閉じられており、患者用の少なくとも1つの座席と、上記で特定された患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するためのデバイスとを備える。
【0028】
好適には、(自覚的眼屈折を自動的に決定するためのデバイスの)さまざまな要素は、必要に応じて患者の座席からアクセスできるようにブース内に配置される。
【0029】
本発明はさらに、前述のようなデバイスによって、患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するための方法に関し、このデバイスは、少なくとも:
-接眼デバイスと、リザーブから矯正レンズを取り出して接眼デバイスに配置するように構成された管理ユニットを備えた自動屈折器と;
-中央ユニットと;
-データ入力ユニットと;
-命令生成システムと;
-患者と中央ユニットとの間のインタフェースシステムと;
を備える。
【0030】
本発明によれば、方法は:
-中央ユニットによって実施され、少なくとも患者に関連する入力されたデータを使用して、少なくとも1つの検眼を自動的に生成することからなる生成ステップと;
-生成ステップで生成された少なくとも1つの検眼を実施することからなる検査ステップであって、検査ステップは、少なくとも:
・命令生成システムによって実施される、患者のための命令生成のサブステップと;
・リザーブから矯正レンズを取り出して接眼デバイスに配置するために、自動屈折器管理ユニットを制御するサブステップと;
・接眼デバイスを通してディスプレイを見ることにより検眼中に患者によってジェスチャの形で生成された表示を直接検出して、これらの表示を中央ユニットに直接送信する、インタフェースシステムによって実施されるサブステップと;
を含む、検査ステップと、
-中央ユニットによって実施され、少なくとも受信された表示および処方から、患者の自覚的眼屈折を自動的に決定することからなる処理ステップと;
を含む。
【0031】
プロセスは、好適には、生成ステップの前に実施される少なくとも1つのデータ入力ステップも含む。
【0032】
生成および検査ステップは、好ましくは雲霧検査を使用する。
【0033】
さらに、好ましい実施形態では、検査ステップは、特に非識字者の集団によって容易かつ簡単に認識され得る、異なる向きの分岐を有する文字Eを表示することからなる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
添付の概略図を参照すると、本発明はよりよく理解され、本発明の他の目的、詳細、特徴および利点は、純粋に例示的かつ非網羅的な例として与えられた本発明の実施形態の以下の詳細な説明においてより明確に現れる。
【
図1】患者の自覚的眼屈折を決定するための本発明のデバイスの特定の実施形態の概略図である。
【
図2】ローカルネットワークを介したデバイスの異なる要素間の通信の第1のモードを概略的に示す図である。
【
図3】シリアルリンクを介したデバイスの異なる要素間の通信の第2のモードを概略的に示す図である。
【
図4】患者の自覚的眼屈折を決定するためのブースの概略斜視図である。
【
図5】
図4のブースを左から見た概略斜視図である。
【
図6】
図4のブースを右から見た概略斜視図である。
【
図7】患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するための方法の特定の実施形態の主なステップを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1に概略的に示され、本発明を説明するのに役立つデバイス1は、少なくとも患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するためのデバイスである。
【0036】
このデバイス1は通常:
-1つまたは好ましくは2つの接眼レンズ4Aおよび4Bを備えた接眼レンズデバイス3と、
図1の混合線7Aおよび7Bによって概略的に示されるように、例えば関節アーム(図示せず)を使用してリザーブ6から矯正レンズを取り出して接眼レンズ4Aおよび4Bに配置するように構成された管理ユニット5と、を備える自動屈折器2と;
-接眼レンズデバイス3の少なくとも一つの接眼レンズ4Aおよび4Bにレンズを配置するために、リンク8によって示されるように、自動屈折器2の管理ユニットを少なくとも制御するように構成された中央ユニット9と;
-リンク10によって示されるように、少なくとも患者関連データを中央ユニット9に入力するためのデータ入力ユニット11と;
を備える。
【0037】
データ入力ユニット11は、例えば、画面またはタッチスクリーンに関連付けられたキーボードなど、任意のタイプの要素またはデータを入力する通常の手段を備えることができる。
【0038】
本発明によれば、デバイス1は:
-リンク13によって示されるように、中央ユニット9によって制御され、少なくとも検眼中に患者への命令を生成するように構成された命令生成システム12と;
-患者と中央ユニット9との間のインタフェースを作成するインタフェースシステム14と;
をさらに備える。
【0039】
本発明によれば、インタフェースシステム14は、少なくとも検眼中に、ジェスチャの形で、好ましくは手動で、患者によって生成された表示を直接検出し、リンク15を介してこれらの検出された表示を(ジェスチャの形で)中央ユニット9に直接送信するように構成される。
【0040】
さらに、本発明によれば、中央ユニット9は制御要素16を備え、この制御要素16は:
-管理ユニット5を制御することにより、命令生成システム12を介して患者をガイドし、インタフェースシステム14を介して患者によって生成された表示を受信することにより、少なくとも1つの検眼を自動的に実施し;
-少なくとも受信した表示から自覚的眼屈折を自動的に決定する;
ように構成される。
【0041】
中央ユニット9はまた、処方を生成するように構成された処理要素17を備える。この処方は、特に、患者用の眼鏡の矯正レンズのための処方を含み、その矯正は、制御要素16によって決定される自覚的眼屈折に適合される。
【0042】
デバイス1はまた、処理要素17によって生成された処方(および場合によっては他覚的眼屈折)を、例えばUSBキーなどの任意の通常のタイプの内部または外部(中央ユニット9に対して)の記憶媒体18Aに少なくとも記録するように構成される記録要素18を備える。
【0043】
追加的および/または代替的に、デバイス1は、印刷要素(またはプリンタ)19を備える。この印刷要素19は、処理要素17によって生成され、リンク20を介して受信された処方(または単に自覚的眼屈折)を紙に印刷するように構成される。したがって、検査の直後に、患者は紙の文書の形で処方を受け取り、患者の視力に適合した眼鏡を手に入れることが可能になる。
【0044】
さらに、特別な実施形態では、デバイス1は、追加的におよび/または代替的に、送信要素21を含む。この送信要素21は、処理要素17によって生成され、リンク22を介してユーザ、例えば医療専門家に受信された処方(または単に自覚的眼屈折)を(特にインターネットを介して遠隔で)送信するように構成される。
【0045】
したがって、デバイス1は、処方および/または自覚的眼屈折の遠隔送信を実行することができる。
【0046】
好ましい実施形態では、命令生成システム12は、音声信号として、すなわち合成音声を介して命令を生成するように構成されたラウドスピーカ31(
図2および
図3)を含む従来の音声出力ユニットを備える。これらの命令の目的の1つは、以下に説明するように、特に検眼を行うときに患者をガイドすることである。代替的に、命令生成システム12が視覚的な形式の命令を生成することも可能である。
【0047】
本発明の文脈において:
-インタフェースシステム14は、患者のジェスチャ、すなわち、患者が特に検眼中に尋ねられた質問に関連する患者のコメント(または応答)を表す表示(ジェスチャの形で)を提供(または生成)するために実行するジェスチャを自動的に検出することを可能にするシステムであり;
-患者のジェスチャは、患者の体の一部の動きに対応する。好ましくは、これらの動きは、患者の片手または両手によって実行される動きまたは動作に関係する。しかしながら、患者の体の他の部分の動きは、特に、例えば、(このケースではインタフェースシステム14の一部を形成する)ペダルまたは他の機械的要素に作用する患者の足の動きなどは、本発明の文脈において想定され得る。
【0048】
第1の実施形態では、インタフェースシステム14は、少なくとも1つの手動作動要素23を備える。この手動作動要素23は、患者によって手動で操作されるように構成される。特に、これは、例えばボタン24で
図2および
図3に示されるように、ボタン(例えば押しボタンまたは回転ノブ)などの1つまたは複数の作動要素であってもよい。例示として、手動作動要素23は、2つのボタンを備えることができ、例えば、その一方は右を示し、他方は左を示す。手動作動要素23はまた、
図2および
図3に示されるように、従来のジョイスティック25であり得る。例えば、そのようなジョイスティック25は、2つの異なる方向、前/後および上/下に動かすことができる。したがって、この第1の実施形態では、ジェスチャの形での表示は、患者による手動作動デバイス23の手動動作を表す。
【0049】
さらに、第2の実施形態では、インタフェースシステム14は、患者のジェスチャを自動的に検出する(遠隔で、すなわち、接触せずに)ように構成された通常のタイプの検出システム26(
図2および
図3)を備える。この第2の実施形態では、ジェスチャの形での表示は、ジェスチャ、特に患者の片手または両手の動きを表し、これは、第三者の介入なしに、および患者との接触なしに、検出システム26によって自動的かつ直接検出される。
【0050】
さらに、特定の実施形態では、デバイス1は、特に検眼中に、患者がデバイス1(および特に中央ユニット9)に音声形式の表示を提供することを可能にする音声コマンドシステム(図示せず)を備える。
【0051】
さらに、好ましい実施形態では、デバイス1は、
図1に示されるように、患者の他覚的眼屈折を測定するように構成された従来の自動屈折計27も備える。この検査を行うには、患者は額とあごを適切な支持部に置かなければならない。次に、自動屈折計27は、患者の眼の他覚的眼屈折を自動的に測定する。自動屈折計27は、リンク28を介して、このように測定された他覚的眼屈折を中央ユニット9に自動的に送信するように構成される。この測定された他覚的眼屈折は、中央ユニット9によって使用されて、検眼を自動的に生成し、および/または自覚的眼屈折を自動的に決定する。
【0052】
さらに、特定の実施形態では、デバイス1は、さらに、
図1に示されるように、患者の眼鏡のレンズの矯正を測定するように構成された通常のフロントフォコメータ29を備える。好ましい実施形態では、フロントフォコメータ29は自動化されている。このフロントフォコメータ29は、リンク30を介して測定された矯正を中央ユニット9に送信するように構成される。これらの測定された矯正は、中央ユニット9によって使用されて、検眼を自動的に生成し、および/または自覚的眼屈折を自動的に決定する。
【0053】
本発明の枠組みの中で、デバイス1のさまざまな構成要素(特に、自動屈折器2、中央ユニット9、データ入力ユニット11、命令生成システム12およびインタフェースシステム14、ならびに適切な場合、自動屈折計27およびフロントフォコメータ29)は、特にデータおよび/またはコマンドを通信および送信するために、様々な方法で一緒に接続され得る。
【0054】
図2に示される第1の実施形態では、デバイス1は、デバイス1の上記の要素の少なくともいくつかの間の通信を可能にするように構成されたローカルエリアネットワーク(LAN)を備える。
【0055】
図2および
図3の例では、インタフェースシステム14は、例えばRaspberry PI(ラズペリーパイ)タイプの、ARMプロセッサを備えたナノコンピュータ33を備える。ボタン24とジョイスティック25は、リンク34および35に示されているように、それぞれUSBリンクまたはRaspberry PI IOバスを介して、すなわちRaspberry PI電子ボードの異なるユニット(入力または出力)間の電子接続のセットを介して、ナノコンピュータ33に接続されている。
【0056】
図2に示す例では、自動屈折器2、中央ユニット9、ナノコンピュータ33、自動屈折計27およびフロントフォコメータ29は、例えばRJ45タイプの通常のコネクタ36を介してローカルネットワーク32にリンク(または接続)されている。
【0057】
さらに、
図2および
図3の2つの実施形態では、例えば、コンピュータ37に統合されている中央ユニット9は、例えば、USBタイプのリンク38を介して検出システム26にリンクされている。さらに、中央ユニット9は、有線リンク39(「jack」または「RCA」コンセント)または「Bluetooth」タイプのリンク40を介して命令生成システム12にリンクされている。
【0058】
さらに、
図3に示される第2の実施形態では、デバイス1の要素の少なくともいくつかは、シリアルリンク41を介して互いに通信する。例として、
図3に示される例では、自動屈折器2、自動屈折計27およびフロントフォコメータ29は、例えば、UART(‘‘Universal Asynchronous Receiver Transmitter’’)タイプのRS232リンクなど、そのようなリンク41を介して中央ユニット9にリンク(または接続)される。
【0059】
この第2の実施形態では、デバイス1はまた、例えばRJ45タイプのコネクタ36を介してインタフェースシステム14のナノコンピュータ33を中央ユニット9に接続する「HUB」または「スイッチ」タイプのデバイス42を備える。
【0060】
さらに、第3の実施形態(図示せず)では、デバイス1の要素の少なくともいくつかは、無線(または‘‘wifi’’)通信を介して互いに通信する。
【0061】
図4~
図6に示される好ましい用途では、上記のように、患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するためのデバイス1は、(自覚的眼屈折を自動的に決定するために)ブース43に統合される。このブース43は、少なくとも部分的に閉じられており、デバイス1に加えて、患者用の座席44を備える。この座席44は、特に高さにおいて、そして場合により水平面において調整可能である。
【0062】
デバイス1のさまざまな要素、特に自動屈折器2、インタフェースシステム14、自動屈折計27およびフロントフォコメータ29は、患者の座席44からアクセスできるように配置されている。
【0063】
自動屈折計27およびフロントフォコメータ29は、簡略化された実施形態ではオプションであり得る。
【0064】
例示として、データ入力ユニット11、例えば、ディスプレイ46と組み合わされたキーボード45を、
図4~
図6の例に示されるように、ブース43の入口に配置することができる。データ入力ユニット11を、ブース43内に配置することもできる。データユニット11はまた、例えばクレジットカードによる支払いのために、決済端末47を備えることができる。
【0065】
示されている例では、ブース43はその中に:
-一方側に、
図5に示すように、自動屈折器2、インタフェースシステム14、および命令生成システム12;
-他方側に、
図6に示すように、自動屈折計27とフロントフォコメータ29と、
を備える。
【0066】
患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するためのPR方法は、上記のようなデバイス1を使用して、
図1と併せて
図7を参照して、以下に説明される。
【0067】
このPR方法は:
-患者に関連するデータをデバイス1(より具体的には中央ユニット9)に入力することからなるデータ入力ステップE1と;
-中央ユニット9によって実施され、患者に関連する少なくとも入力されたデータを使用して、少なくとも1つの検眼を自動的に生成することからなる生成ステップE2と;
-生成ステップE2で生成された少なくとも1つの検眼を実施するための検査ステップE3であって、
検査ステップE3は、少なくとも:
・命令生成システム12によって実施される、患者のための命令の生成のサブステップE3Aと;
・自動屈折器2の制御ユニット5に、リザーブ6から矯正レンズを取り出して接眼レンズデバイス3の接眼レンズ4Aおよび4Bに配置するように命令するためのサブステップE3Bと;
・検眼中に患者が生成するジェスチャの形の表示を直接検出するためのサブステップE3Cであって、この間、患者は、特別な矯正レンズを備えた接眼レンズデバイス3を通して中央ユニット9によって制御されるディスプレイを見て、見たものに応じて表示を生成し、(インタフェースシステム14によって実施される)サブステップE3Cは、これらの表示を中央ユニット9に直接送信することも含む、サブステップE3Cと;
を含む、検査ステップE3と;
-中央ユニット9によって実施され、特に受け取った表示に基づいて、患者の自覚的眼屈折、および好ましくは処方も自動的に決定することからなる処理ステップE4と;
を含む。処理ステップE4は、好ましくは、とりわけ、患者の年齢、自動屈折計27によって測定された他覚的眼屈折RO、フロントフォコメータ29によって測定された光学範囲補正、および検眼中にインタフェースシステム14を介して中央ユニット9によって収集された応答を使用して、患者の自覚的眼屈折を決定する。
【0068】
PR方法のステップE1からE4については、以下で詳しく説明する。
【0069】
データ入力ステップE1において、患者は、(データ入力ユニット11を使用して)年齢を含む自分自身に関するデータを入力し、これは、自覚的眼屈折を決定するために中央ユニット9によって使用される。
【0070】
特定の実施形態では:
-患者が、例えば、決済端末47を使用して、相談前の支払いを行うこと;および/または、
-患者が、例えば、処方に記載される可能性のある名前や住所など、自分自身に関するその他の情報を入力すること、
を想定することができる。
【0071】
データ入力ステップE1において、好ましい実施形態では、患者はまた、自動屈折計27を使用して測定を実行して、患者の眼の他覚的眼屈折ROを測定するように、命令生成システム12を介して求められる。
【0072】
別の方法として、特にデバイス1に自動屈折計27がない場合、患者は、患者の眼の他覚的眼屈折を知っている場合、(データ入力ユニット11を介して)患者の眼の他覚的眼屈折を入力するように求められることもできる。
【0073】
データ入力ステップE1において、好ましいが排他的ではない実施形態では、患者はまた、フロントフォコメータ29が眼鏡のレンズ矯正を自動的に測定するように、眼鏡をフロントフォコメータ29に配置するよう命令生成システム12を介して求められる。
【0074】
中央ユニット9によって実施される後続の生成ステップE2は、特に患者の年齢、患者の他覚的眼屈折RO、およびフロントフォコメータ29で測定される光学補正範囲を使用して、少なくとも1つの検眼を自動的に生成することからなる。
【0075】
検眼は、他覚的眼屈折ROに基づいて矯正レンズの異なる組み合わせを患者に提示するために中央ユニット9によって決定される。患者は、これらの矯正レンズが取り付けられた接眼レンズデバイス3を介して中央ユニット9によって制御されるディスプレイ25を見て、検査ステップE3においてインタフェースシステム14を介して患者の視力に関する表示を提供する。
【0076】
次に、これらの患者の表示に基づいて、中央ユニット9は、RB屈折(または雲霧屈折)を決定し、処理ステップE4において自覚的RF眼屈折を導出する。
【0077】
好ましい実施形態では、生成ステップE2は、雲霧検査を使用する。当然、他のタイプの検査を、本発明の文脈においてデバイス1によって実行することができる。
【0078】
好ましくは、雲霧検査は、文字Eのディスプレイ(接眼レンズデバイス3に配置された矯正レンズを通して患者によって見られる)を作成することからなり、Eの分岐は、4つの異なる向き、すなわち、右、下、左、および上向きに表示される。患者のRO補正と接眼デバイス3の2/10のEを使用して、異なる向きの4つのEが表示されるように計画されている。患者は、接眼デバイス3に配置された矯正レンズを通してこれらのディスプレイを見る。雲霧を徐々に取り除くことで、視界は徐々に明るくなる(そして可能になる)。
【0079】
好ましくは、雲霧技術を使用して、デバイス1は、RB屈折を決定するために片方の眼のみで検査を実行する。慣例により、自動屈折計27による測定が右眼で不可能でない限り、右眼が使用される。
【0080】
検査ステップE3において、患者をガイドするために、命令生成システム12は、(サブステップE3Aにおいて)以下の音声メッセージを患者に発することができる:「次のリーディング検査は雲霧検査と呼ばれます。これは、あなたの矯正を正確に決定するために使用されます。あなたの視界は、眼鏡を通して意図的にぼかされ、その後徐々にクリアになります。次のように、4つの異なる向きの分岐を有する文字Eを表示します。右、下、左、および上です。初めは全く応答できませんが、雲霧を取り除いて徐々に視界をクリアにしていきます。この検査で最も重要なことは、Eの方向を推測できる場合にのみ応答することです。これを行うときは、方向ジョイスティックを使用して、Eの方向、つまり、上、下、右、左を教えてください」。この方向ジョイスティックは、上記のジョイスティック25に対応する。
【0081】
例示として、RB屈折の計算方法は以下の通りであり、RB屈折は、+4ジオプトリが追加されたRO屈折から開始して得られる。
【0082】
4つの可能なEが表示され、その後RO+4ジオプトリの矯正レンズが自動屈折器の接眼デバイス3に統合される。サイズ2/10の単一のEが表示され、応答ごとに向きが変更される。この場合:
-患者の応答にエラーがある場合、または患者が応答できない場合は、1ジオプトリの雲霧が除去されるまで0.50の雲霧が除去され、その後0.25が段階的に除去され;
-4つの連続した答えが正しければ、検査は停止し;
-同様に、2.75が除去されると、検査は停止する。
【0083】
中央ユニット9は、次の式を使用してRB屈折を決定する:RB=2/10を読み取り可能にする屈折-1.25(球面ジオプトリ)。
【0084】
片方の眼のRB屈折が決定されると、中央ユニット9は、同じ方法で他方の眼のRB屈折を決定するか、または以下の計算を実行することができる:
-次の式を使用して、調節値Δを決定し:
Δ=RB-検査された眼のRO;
-検査せずに、もう一方の眼に対してこの調節値Δを削除する。
【0085】
最後に、中央ユニット9によって実施される処理ステップE4は、自覚的眼RF屈折の自動決定を含む。
【0086】
中央ユニット9は、上記のように決定されたRB屈折から自覚的眼屈折RFを計算する。
【0087】
これを行うために、中央ユニット9は、以下のように、患者の調節値Δ(例えば、Δ=RB-RO)を考慮に入れて、自覚的眼屈折RFを決定する:
-Δ=0の場合、RF=RO=RB;
-Δ<1.00ジオプトリの場合、RF=RO+0.25;
-Δ≧1.00ジオプトリの場合:
・RBが正(プラス)の球面の場合、RF値は、RB値とRF値との間の所定の対応表を考慮してRB値から決定され;
・RBが負(マイナス)の球面の場合、自覚的眼RF屈折を決定するために「赤緑」テストが実行される。
【0088】
検査ステップE4はまた、この自覚的RF眼屈折から処方Pを生成することから成る。より具体的には、中央ユニット9は、以下のように、処方に入力される処方Pを決定する:
-Δ=0の場合、またはΔ<1.00ジオプトリの場合、または患者が38歳超の場合:
・RFが負の球面の場合、P=検証済みRFであり;
・RFが正の球面の場合、P=対応表から取得したRFであり;
-Δ≧1.00ジオプトリの場合:P=RFである。
【0089】
最後に、処方Pは、例えば、印刷要素19によって印刷されることによって、患者に提供される。処方Pはまた、送信要素21を使用して、第三者、例えば医療専門家に遠隔送信されることができる。
【0090】
デバイス1は、視力が低すぎる場合に緊急時にアイケアの専門家に相談するように患者にアドバイスするアラートメッセージを発行するように設定することもできる。
【0091】
したがって、上記の方法は、アルゴリズム(中央ユニット9に統合されている)、および特に自動屈折計27を使用して自動的に測定された他覚的屈折データ、患者の年齢、フロントフォコメータ29を使用して測定された光学補正範囲、および中央ユニット9によって収集された応答の組み合わせの人工知能による分析を使用して、患者の自覚的眼屈折を自動的に決定するための方法であり、デバイス1のさまざまな要素は、中央ユニット9によって自動的に制御され、中央ユニット9は、接眼デバイス3の接眼レンズ4Aおよび4Bに一連の適合された矯正レンズを提示し、検眼は、合成音声(命令生成システム12を介して)による患者の音声ガイダンスで実施され、インタフェースシステム14を使用した応答の収集を含む。