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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】肥料散布機
(51)【国際特許分類】
   A01C 19/02 20060101AFI20220325BHJP
   A01C 15/00 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
A01C19/02 Z
A01C15/00 E
A01C15/00 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018097502
(22)【出願日】2018-05-22
(65)【公開番号】P2019201563
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000132909
【氏名又は名称】株式会社タカキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【弁理士】
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】中山 有二
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慶翼
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-024826(JP,U)
【文献】特開2002-253016(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0034911(KR,A)
【文献】実開昭63-050510(JP,U)
【文献】特開2014-183745(JP,A)
【文献】米国特許第05287999(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 15/00-15/18
A01C 19/00-19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクターの後方に持ち上げられた状態で取り付けられるホッパーと、
肥料を混合させるための混合回転軸を備えた混合部と、
肥料を散布させるための散布回転軸を備えた散布部と、
前記ホッパー内に設けられ、トラクターのPTOから駆動力を用いて前記混合部および散布部を駆動させるミッション部と、
を備えた肥料散布機において、
前記ミッション部を、前記混合回転軸と散布回転軸との間に主軸を通し、前記混合回転軸および散布回転軸を中央位置で駆動させるように構成した肥料散布機。
【請求項2】
前記ミッション部が、ホッパーの左右方向中央位置の下方に設けられたウォームホイールを介して、前記主軸の下方側で散布回転軸を回転させるとともに、
ホッパーの左右方向中央位置の上方に設けられたウォームホイールを介して、前記主軸の上方側で混合回転軸を回転させるものである請求項1に記載の肥料散布機。
【請求項3】
前記混合回転軸をホッパーの前後に一対設けるとともに、
それぞれの混合回転軸に設けられたウォームホイールに係合するウォームを、それぞれ逆向きにして前記主軸に設けるようにした請求項1に記載の肥料散布機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクターの後方に持ち上げた状態で取り付けられる肥料散布機に関するものであり、より詳しくは、横長形状をなすホッパーから肥料を落下させるようにした肥料散布機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、トラクターの後方に取り付けられる肥料散布機は、図8に示すように、肥料を収容するホッパー90と、そのホッパー90内で肥料を混合させながら圃場に落下させる散布部91などを備えて構成される(特許文献1)。そして、このような肥料散布機で肥料を散布する場合は、トラクターのPTOからの駆動力をホッパー90の前方のミッション部92まで伝達させ、そこから、ホッパー90の側方に設けられたスプロケット93に回転力を伝達させて、散布部91の回転軸を回転させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-235318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような肥料散布機を用いて肥料を散布させる場合、次のような問題がある。
【0005】
すなわち、小型トラクターの後方にこのような肥料散布機を持ち上げた状態で取り付ける場合、肥料散布機が重くなると、トラクターの後輪を中心としてモーメントが働き、トラクターの前輪に荷重が掛からなくなって走行時の操舵性が悪くなる。これに対して、従来では、肥料散布機をトラクターに取り付ける際、ホッパー前方のミッション部を避けるようにホッパーを取り付けているため、どうしてもホッパーが後方に位置してしまい、前輪に掛かる荷重が小さくなってしまい、必要以上に大きなクラスのトラクターに装着しなければならなくなるといった問題があった。
【0006】
また、従来の肥料散布機では、ホッパーの側方に設けられたスプロケットに駆動力を伝達させて散布部の回転軸を回転させるようにしていたため、そのスプロケットによって、左右の重量バランスが悪くなるといった問題もあった。
【0007】
そこで、本発明は上記課題を解決するために、トラクターの後方に持ち上げた状態で取り付けられる肥料散布機において、可能な限りトラクター側に近づけてホッパーを取り付けられるようにするとともに、また、ホッパーの左右のバランスも取れるようにした肥料散布機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、トラクターの後方に持ち上げられた状態で取り付けられるホッパーと、肥料を混合させるための混合回転軸を備えた混合部と、肥料を散布させるための散布回転軸を備えた散布部と、前記ホッパー内に設けられ、トラクターのPTOから駆動力を用いて前記混合部および散布部を駆動させるミッション部と、を備えた肥料散布機において、前記ミッション部を、前記混合回転軸と散布回転軸との間に主軸を通し、前記混合回転軸および散布回転軸を中央位置で駆動させるように構成したしたものである。
【0009】
また、このような発明において、前記ミッション部を、ホッパーの左右方向中央位置の下方に設けられたウォームホイールを介して、前記主軸の下方側で散布回転軸を回転させるとともに、ホッパーの左右方向中央位置の上方に設けられたウォームホイールを介して、前記主軸の上方側で混合回転軸を回転させるように構成する。
【0010】
さらに、前記混合回転軸をホッパーの前後に一対設けるとともに、それぞれの混合回転軸に設けられたウォームホイールに係合するウォームを、それぞれ逆向きにして前記主軸に設けるようにする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ホッパーの前方のミッション部が邪魔にならず、ホッパーをトラクター側に近づけて取り付けることができるようになる。これにより、前輪に掛かる荷重を確保することができ、トラクターの走行時における操舵性を保つことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態である肥料散布機をトラクターに取り付けた状態図
図2】同形態におけるホッパー内のミッション部を示す図
図3】同形態におけるホッパー内の構造を示す概略図
図4】同形態における混合部と散布部を示す図
図5】同形態におけるホッパーの開口部と散布羽根の位置関係を示す図
図6】同形態における肥料の混合状態を示す図
図7】同形態における肥料の混合状態を示す図
図8】従来例における肥料散布機を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
この実施の形態における肥料散布機1は、図1に示すように、トラクターの後方に持ち上げた状態で取り付けられるものであって、横長形状をなすホッパー2と、そのホッパー2内で肥料を均一に混合させる混合部3(図4参照)と、この混合部3で混合された肥料を圃場に向けて落下させる散布部4などを備えるようにしたものである。そして、特徴的に、トラクターのPTOからの駆動力を混合部3や散布部4に伝達させるミッション部6をホッパー2の内側に設け(図2参照)、これによって、ホッパー2をトラクター側に近づけて取り付けられるようにしたものである。以下、本実施の形態における肥料散布機1の構造について詳細に説明する。なお、説明において、トラクターの走行方向を前後方向とし、これに水平面内で直交する方向を左右方向(あるいは、「横方向」)として説明する。
【0015】
まず、ホッパー2は、横長形状をなすものであって、その内部に肥料を収容し、底面に設けられた開口部22から肥料を落下させるように構成されている。このホッパー2の前方には、トラクターのトップリンクやロアーリンクに取り付けられる上部取付部20aや下部取付部20bが設けられており、これによってホッパー2をトラクターの後方に取り付けられるようにしている。また、このホッパー2の中央部分には、混合部3や散布部4を駆動させるためのミッション部6を覆うカバー体60(図2および図3参照)が設けられており、このカバー体60によってホッパー2の収容部分が左右に分断されている。ところで、このようにミッション部6のカバー体60をホッパー2内に分断させるようにすると、ホッパー2に肥料を投入する際、そのカバー体60の上に肥料が載ってしまう可能性がある。そこで、このミッション部6を覆うカバー体60の上面に、ホッパー2の左右方向の収容部に向けて傾斜させた傾斜面60a(図3参照)を設けるようにしておき、これによって、上から投入された肥料を左右に落下させるようにしている。なお、この傾斜面60aとしては、直線的な傾斜面であってもよく、あるいは、湾曲した傾斜面であってもよい。
【0016】
このホッパー2における内部の上方部分に設けられる混合部3は、前後一対の混合回転軸31(図4参照)と、その混合回転軸31の外周から突出するように設けられるパドル32とを設けて構成されるものであって、これらの混合回転軸31を互いに逆方向に回転させることによって、パドル32でホッパー2内の肥料を混合させるように構成されている。この混合部3の混合回転軸31の一端側は、ホッパー2の中央に設けられたミッション部6に着脱可能に取り付けられており、他端側は、ホッパー2の側壁に取り付けられた軸支部材31aに回転自在に取り付けられている。一方、この混合回転軸31の外周に設けられるパドル32は、図3に示すように、混合回転軸31の外周から突出された一対の突出片33と、この突出片33の先端部分で傾斜した状態で取り付けられた平板状のプレート34を有するように構成されている。このプレート34は、ホッパー2の前後の壁面21から肥料を内側に移動させるような傾斜角をもって取り付けられており、これによってホッパーの壁面21に付着する肥料を掻き出せるようにしている。さらに、このパドル32は、図3に示すように、軸方向に沿って、それぞれ所定の角度をもって段違いに取り付けられており、ここでは、90度の角度をもってそれぞれ段違いに取り付けられている。そして、前後の混合回転軸31のパドル32を、それぞれ干渉させないように逆方向に回転させ、例えば、前側のパドル32が前方に位置している際に、後側のパドル32は、上方向になるように90度の角度をもって位相をずらせて互いに干渉させないようにして、中央部分の肥料を持ち上げられるようにしている。
【0017】
散布部4は、散布回転軸41の外周に設けられた散布羽根42を回転させることによって、開口部22から肥料を下方に押し出すように構成されるものであって、ミッション部6の駆動力を用いて駆動される。この散布部4の散布回転軸41の一端側は、混合部3と同様に、中央に設けられたミッション部6に着脱可能に取り付けられており、他端側については、側壁に設けられた軸支部材41aに回転自在に取り付けられている。そして、混合部3の前後の回転領域の隙間に、散布部4の回転領域を位置させるようにして、肥料散布機1をコンパクトなものにするとともに、また、ホッパー2内で混合された肥料を、隙間なく散布部4に移せるようにしている。この散布部4に設けられる散布羽根42は、図5に示すように、常に開口部22の上方で回転するように設けられており、螺旋状に傾斜させた羽根要素43を回転させることで、肥料を開口部22側に押し出せるようになっている。なお、この羽根要素43の傾斜方向を一方向にのみ傾斜させた場合、その羽根要素43によって片側に肥料が搬送されてしまい、肥料に偏りを生じてしまう。そこで、この実施の形態では、羽根要素43の傾斜方向が交互となるように外周に設けることによって、肥料の偏りを防止するようにしている。
【0018】
この開口部22の下方に設けられるシャッター5は、図5に示すように、開口部22における開口面積を調整できるようにしたものであって、細長いプレートを開口部22に密着させて横方向にスライドさせることで、開口面積を調整できるように設けられている。このシャッター5は、図示しない駆動機構によってプレートの移動方向上流側から引っ張られており、これによって、スライド時におけるプレートの撓みを防止して、強い力でシャッター5を開閉させられるようになっている。
【0019】
このような構成のもと、本実施の形態では、ミッション部6をホッパーの内側であって、左右方向の中央部分に設けるようにしている。
【0020】
このミッション部6は、図2図3に示すように、トラクターのPTOからの回転駆動力を伝達させる前後方向の主軸61と、その主軸61に設けられる複数のウォーム62a~cと、混合部3や散布部4の混合回転軸31や散布回転軸41を回転させるためのウォームホイール63a~cとを備えて構成されており、これによってPTOの駆動力を減速させて混合部3や散布部4を駆動させるようになっている。
【0021】
このうち、主軸61は、PTOから図示しないユニバーサルジョイントを用いて連結されており、ホッパー2の前後方向の軸を中心として回転するようになっている。また、この主軸61の前方側と後方側には、互いに逆方向の螺旋溝を有するウォーム62a、62bが取り付けられており、また、これら2つのウォーム62a、62bの中央にも、散布部4を駆動させるためのウォーム62cが取り付けられている。
【0022】
一方、これらのウォーム62a~cには、ミッション部6内の混合駆動軸64や散布駆動軸65を回転させるためのウォームホイール63a~cが取り付けられており、これによって、主軸61を回転させて、混合駆動軸64や散布駆動軸65を同時に回転させられるようになっている。この混合駆動軸64や散布駆動軸65は、ミッション部6のカバー体60から若干突出するように設けられており、この突出部分に混合回転軸31や散布回転軸41を着脱可能に嵌合させて混合部3や散布部4を駆動させるようになっている。
【0023】
次に、このように構成された肥料散布機1の動作について説明する。
【0024】
まず、トラクターの後方にこの肥料散布機1を取り付ける場合、図1に示すように、ホッパー2の前方に設けられた上部取付部20aや下部取付部20bをトラクターのトップリンクやロアーリンクに取り付ける。このとき、従来であれば、ホッパーの前面側にミッション部が位置しているため、取付部を前方側に更に延出させてホッパーを後方側に取り付けなければならないが、本実施の形態ではミッション部6をホッパー2の内側に設けているため、ホッパー2をトラクター側に近づけて取り付けることができるようになる。
【0025】
そして、このようにホッパー2をトラクターに取り付けた後、トラクターのPTOをミッション部6の主軸61に連結し駆動力を伝達できるようにする。
【0026】
そして、このように肥料散布機1をトラクターに取り付けた後、ホッパー2の開口部22を閉じた状態でホッパー2の上から肥料を投入する。肥料を投入する際、複数種類の肥料を用いる場合は、下から薄い層状となるように左右に肥料を投入していく。このとき、投入された肥料は、ミッション部6のカバー体60の上側にも投入されるようになるが、カバー体60の上面に左右に傾斜する傾斜面60aを設けているため、肥料を左右に落とし込むことができるようになる。
【0027】
次に、このように肥料を投入した後、トラクターのPTOを駆動させる。すると、ミッション部6の主軸61が回転し、ウォーム62a~cやウォームホイール63a~cを介して混合駆動軸64や散布駆動軸65が回転する。そして、これに連結された混合回転軸31や散布回転軸41が同時に回転する。すると、逆向きの螺旋溝を有するウォーム62a、62bによって、混合回転軸31が互いに逆向きに回転し、前後のパドル32がそれぞれ逆方向に回転するようになる。このとき、中央部分の肥料を持ち上げる方向にパドル32を回転させる。すると、図6に示すように、上方向に向けて回転するパドル32のプレート34によって、その部分の肥料が持ち上げられる。このとき、軸方向に隣接する左右のパドル32は、図7に示すように、肥料を前後方向に移動させるように回転しているため、パドル32によって持ち上げられた肥料(図7の楕円破線領域の肥料)が、左右のパドル32の回転領域に流れ込むようになる。これにより、その持ち上げた肥料を左右方向に流れ込ませて混合させることができるようになる。また、その持ち上げられた肥料は、図7に示すように、前方側へも流れ込み、これによって、ホッパー2の前後方向にも混合させることができる。さらに、このパドル32のプレート34によって持ち上げられた肥料は、突出片33と突出片33の内側領域にも入り込むため、上下方向にも肥料を混合させることができるようになる。
【0028】
また、散布部4に存在している肥料も混合させる。シャッター5を閉じている状態で、混合部3とともに散布部4を回転させていると、その散布部4の回転によって肥料が外側に押し出されるようになる。しかし、シャッター5が閉じられた状態では、その押し出された肥料が、湾曲した壁面21に沿って上方に押し出されていき、上向きに回転している混合部3によって、肥料が上方へ持ち上げられていく。これにより、最初に投入された散布部4の肥料は、上方に持ち上げられて混合されていくようになる。
【0029】
そして、肥料を一定時間混合させた後、トラクターを移動させながら肥料を圃場に散布していく。
【0030】
肥料を圃場に散布する場合、トラクターを走行させながら、シャッター5を開放させる。すると、散布部4の回転によって、開口部22の真上で回転する散布羽根42によって肥料を連続的に押し出して落下させることができるようになる。これにより、肥料を均一に散布させることが可能となる。
【0031】
次に、このように肥料を散布させた後、肥料散布機1を清掃・メンテナンスする場合の動作について説明する。
【0032】
肥料の散布を終えた状態でホッパー2を掃除する場合、ホッパー2の壁面21やパドル32や散布羽根42に付着した肥料を取り除く必要がある。そこで、まず、ホッパー2の上側に設けられた混合部3の混合回転軸31を取り外す。この混合回転軸31を取り外す場合は、ホッパー2の側壁に設けられた回転軸の穴部から軸支部材31aを取り外し、軸方向に混合回転軸を若干スライドさせる。このとき、パドル32が穴部に当たる位置まで混合回転軸31をスライドさせる。そして、このスライドと同時に、ミッション部6側の連結部分を取り外し、ミッション部6側の端部を上方に持ち上げて混合回転軸31を斜め上方に混合回転軸31を抜き出すようにする。以下、同様にして、他の混合回転軸31もホッパー2から取り外し、そのパドル32に付着した肥料などを取り除く。このとき、作業者が両手を広げた状態で短い混合回転軸の両端を持つことができるため、パドル32をホッパー2の壁面21などに当てることなく取り外すことができるようになる。これに対して、従来のように、ホッパーを跨る一本の長い混合回転軸を取り外す場合は、左右両手を広げても他端部に手が届かないため、パドルがホッパーに当たることが多く、ホッパーやパドルを傷つけてしまうという問題がある。
【0033】
次に、散布回転軸41を取り外す。散布回転軸41を取り外す場合は、ホッパー2の側壁に設けられた穴部から軸支部材41aを取り外し、その穴部から軸方向に散布回転軸41を抜く。このとき、混合部3の散布羽根42は側壁の穴部よりも小さく構成されているため、その穴部から軸方向に抜き取ることが可能となる。そして、このように散布回転軸41を軸方向に抜き取った後、同様に、散布羽根42から肥料を取り除いて清掃し、また、ホッパー2の壁面21に付着した肥料や、開口部22とシャッター5との間に詰まった肥料などを清掃する。
【0034】
このように上記実施の形態によれば、トラクターの後方に持ち上げられた状態で取り付けられるホッパー2と、肥料を混合させるための混合回転軸31を備えた混合部3と、肥料を散布させるための散布回転軸41を備えた散布部4と、前記ホッパー2内に設けられ、トラクターのPTOから駆動力を用いて前記混合部3および散布部4を駆動させるミッション部6と、を備えた肥料散布機1において、前記ミッション部6を、前記混合回転軸31と散布回転軸41との間に主軸61を通し、前記混合回転軸31および散布回転軸41を中央位置で駆動させるように構成したので、従来のように、ホッパーの前方のミッション部が邪魔にならず、ホッパーをトラクター側に近づけて取り付けることができるようになる。これにより、前輪に掛かる荷重を確保することができ、トラクターの走行時における操舵性を保つことができるようになる
【0035】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0036】
例えば、上記実施の形態によれば、ミッション部6をウォーム62a~cとウォームホイール63a~cで構成したが、軸方向の変換や減速を行わせるような構成であれば、どのような構成(例えば、笠歯車など)を用いてもよい。
【0037】
また、上記実施の形態では、ミッション部6をホッパー2内の中央位置に設けるようにしたが、中央以外の位置にバランスをもって設けるようにしてもよい。
【0038】
さらに、上記実施の形態では、ミッション部6でホッパー2の収容領域を左右に分断するようにしたが、ミッション部6とホッパー2の内壁との間に所定の隙間を設けておき、左右に肥料を行き来させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1・・・肥料散布機
2・・・ホッパー
3・・・混合部
4・・・散布部
6・・・ミッション部
31・・・混合回転軸
41・・・散布回転軸
60・・・カバー体
60a・・・傾斜面
61・・・主軸
62a、b、c・・・ウォーム
63a、b、c・・・ウォームホイール
64・・・混合駆動軸
65・・・散布駆動軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8