(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】図形処理装置、図形処理方法及び図形処理のためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 13/80 20110101AFI20220325BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
G06T13/80 C
G09G5/38 B
(21)【出願番号】P 2018019764
(22)【出願日】2018-02-07
【審査請求日】2021-02-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 情報処理学会が、平成29年8月10日発行の情報教育シンポジウム論文集の第2017巻第16号の第100頁~第120頁にて、伊藤一成が発明した、図形処理装置、図形処理方法及び図形処理のためのコンピュータプログラムについて公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトでの公開 ウェブサイトの掲載日:平成29年12月7日 ウェブサイトのアドレス:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1712/07/news121.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトでの公開 ウェブサイトの掲載日:平成29年12月7日 ウェブサイトのアドレス:http://pictogramming.org/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社学研ホールディングスが、平成30年1月5日発行の「学研・進学情報」の2018年2月号にて、伊藤一成が発明した、図形処理装置、図形処理方法及び図形処理のためのコンピュータプログラムについて公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】518017288
【氏名又は名称】伊藤 一成
(74)【代理人】
【識別番号】100092130
【氏名又は名称】若原 誠一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 一成
【審査官】片岡 利延
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-020748(JP,A)
【文献】特開2008-033840(JP,A)
【文献】特開平09-311946(JP,A)
【文献】office #9,Pictogramming,Youtube[video][online],2017年12月09日,https://www.youtube.com/watch?v=EqegbIOh9x4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 13/80
G09G 5/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに対して、
指示された図形全体の動きの情報の入力を許容させ、当該図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力を禁止させ、
上記指示とは分離されて指示された上記図形の中の上記一部のみの個別の動きの情報の入力を許容させ、上記図形全体の動きの情報の入力を禁止させ、
これら入力された情報を記憶手段に記憶させ、
この記憶手段から、上記記憶された両動きの情報を読み出しさせ、
この読み出された動きの情報に応じた動きを並行して表示させ、
上記図形全体の動きの情報の入力許容と、上記図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力許容との切り替えにおいて、 第一の所定の操作によって、上記表示させる処理における上記図形の縮小比を所定値より大きくして、当該図形を所定値より小さくしたときに、図形全体の動きの指示を可能とし、図形の中の一部のみの個別の動きの指示を禁止し、 第二の所定の操作によって、上記表示させる処理における上記図形の縮小比を所定値より小さくして、当該図形を所定値より大きくしたときに、上記図形の中の一部のみの個別の動きの指示を可能とし、図形全体の動きの指示を禁止させることを特徴とする図形処理方法。
【請求項2】
指示された図形全体の動きの情報の入力を許容させ、当該図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力を禁止
する処理と、
上記指示とは分離されて指示された上記図形の中の上記一部のみの個別の動きの情報の入力を許容させ、上記図形全体の動きの情報の入力を禁止
する処理と、
これら入力された情報を記憶手段に記憶させる処理と、
この記憶手段から、上記記憶された両動きの情報を読み出し
する処理と、
この読み出された動きの情報に応じた動きを並行して表示
する処理と、
上記図形全体の動きの情報の入力許容と、上記図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力許容との切り替えにおいて、 第一の所定の操作によって、上記表示させる処理における上記図形の縮小比を所定値より大きくして、当該図形を所定値より小さくしたときに、図形全体の動きの指示を可能とし、図形の中の一部のみの個別の動きの指示を禁止し、 第二の所定の操作によって、上記表示させる処理における上記図形の縮小比を所定値より小さくして、当該図形を所定値より大きくしたときに、上記図形の中の一部のみの個別の動きの指示を可能とし、図形全体の動きの指示を禁止する処理と、をコンピュータに実行させる図形処理のためのコンピュータプログラム。
【請求項3】
指示された図形全体の動きの情報の入力を許容し、当該図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力が禁止される第一の入力手段と、
上記指示とは分離されて指示された上記図形の中の上記一部のみの個別の動きの情報の入力を許容し、上記図形全体の動きの情報の入力が禁止される第二の入力手段と、
これら第一の入力手段及び第二の入力手段から入力された情報を記憶する記憶手段と、
この記憶手段から、上記記憶された両動きの情報を読み出す読み出し手段と、
この読み出された動きの情報に応じた動きを並行して表示する表示手段と、
上記図形全体の動きの情報の入力許容と、上記図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力許容との切り替えにおいて、 第一の所定の操作によって、上記表示手段における上記図形の縮小比を所定値より大きくして、当該図形を所定値より小さくしたときに、図形全体の動きの指示を可能とし、図形の中の一部のみの個別の動きの指示を禁止し、 第二の所定の操作によって、上記表示手段における上記図形の縮小比を所定値より小さくして、当該図形を所定値より大きくしたときに、上記図形の中の一部のみの個別の動きの指示を可能とし、図形全体の動きの指示を禁止する制御手段と、を備えたことを特徴とする図形処理装置。
【請求項4】
上記所定値は、変更可能であることを特徴とする請求項
3記載の図形処理装置。
【請求項5】
上記図形全体の動きの情報の入力、または上記図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力において、すでに動きの情報が入力されていれば、この動きの情報が読み出されて表示されることを特徴とする請求項
3または
4記載の図形処理装置。
【請求項6】
すでに動きの情報が入力されていれば、この動きの情報が読み出されて表示されるか、すでに動きの情報が入力されていても、この動きの情報が読み出されないで表示されないかを、選択可能であることを特徴とする請求項
5記載の図形処理装置。
【請求項7】
上記選択は、図形全体、図形の一部ごとに選択可能であることを特徴とする請求項
6記載の図形処理装置。
【請求項8】
上記図形全体は人型の図形であり、上記図形の中の一部のみは腕のみまたは脚のみであることを特徴とする請求項
7記載の図形処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図形処理装置、図形処理方法及び図形処理のためのコンピュータプログラムに関し、特に図形の動きを円滑に処理する装置/方法/プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ピクトグラムのように簡略化した図形が考えられてきている。このピクトグラムによって、非常口を指し示したり、横断禁止を指し示したり、つまずき注意を喚起したり、危険個所を指し示して事故回避を促したりしてきている。しかし、これらは表示板、標識などに掲載された静止画であった。
【0003】
【文献】特開平11-341427号公報
【文献】特開2002-307354号公報
【文献】特開2006-133937号公報
【文献】特開2016-071558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、動く画像によって、より認識をし易い図形を提供しようというものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、 指示された図形全体の動きの情報の入力を許容させ、当該図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力を禁止させ、 上記指示とは分離されて指示された上記図形の中の上記一部のみの個別の動きの情報の入力を許容させ、上記図形全体の動きの情報の入力を禁止させ、 これら第一の入力手段及び第二の入力手段から入力された情報を記憶手段に記憶させ、 これら記憶手段から、両動きの情報を読み出しさせ、 この読み出された動きの情報に応じた動きを並行して表示させるようにした。
【発明の効果】
【0006】
これにより、図形全体の動きと、図形の中の一部のみ、例えば腕のみまたは脚のみの個別の動きとを、分けて指示することができ、動く図形をより円滑に作成できる。また、ピクトグラムの動きとしては、より簡易に入力できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】図形処理(全体処理)のフローチャートを示す。
【
図4】ステップ12の図形処理の図形全体21の入力・書き込み処理のフローチャートを示す。
【
図5】ステップ12の図形処理の腕22、脚23、頭24、胴体25の図形個々の入力・書き込み処理のフローチャートを示す。
【
図6】ステップ13の図形処理の出力・読み出し処理のフローチャートを示す。
【
図7】出力部4のディスプレイに表示される図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形個々の表示倍率が大きい場合を示す。
【
図8】出力部4のディスプレイに表示される図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形個々の表示倍率が小さい場合を示す。
【
図9】出力部4のディスプレイに表示される図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25が階段をのぼる例を示す。
【
図10】出力部4のディスプレイに表示される図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形個々の表示倍率が小さい場合を示す。
【
図11】出力部4のディスプレイに表示される図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形個々の表示倍率が大きい場合を示す。
【符号の説明】
【0008】
1…コントローラ
2…アドレス/データバスライン
3…入力部 4…出力部
5…インターフェース部
6…情報記憶部(図形の情報の記憶手段)
7…プログラム/データ記憶部(図形の情報の記憶手段)
11…第一記憶部 12…第二記憶部
16…第一入力部(第一入力手段)
17…第二入力部(第二入力手段)
21…図形全体 22…腕
23…脚 24…頭 25…胴体
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)全体回路
図1は、図形処理の情報処理のデータ処理装置/システム、図形処理の情報処理方法を実現するための装置/システム、図形処理の情報処理のためのコンピュータプログラムを実行する装置/システム、図形処理の情報処理装置/システム、サーバー、パソコン、スマートフォン、携帯情報端末、インターネット機器、カーナビゲーション、マイクロコンピュータ、システムの全体回路を示す。
【0010】
この全体回路は、コントローラ1(中央処理演算装置であるCPU、ROM、RAM、時計回路など)を中心に、アドレス信号及びデータ信号が双方向に伝達されるアドレス/データバスライン2を介して入力部3、出力部4、インターフェース部5、情報記憶部6、プログラム/データ記憶部7等と電気的に接続されて構成されている。
【0011】
入力部3は、キーボ-ド、マウス、タッチパネル、デジタイザなどの文字入力装置または画像入力装置などからなっている。文字入力装置または画像入力装置からは、図形処理の各種情報、連絡先情報、年月日情報、期間情報、現在情報、図形情報、画像情報などが入力され、文章数値データ、日付日時データなども入力され、さらに、その他の各種データを処理するためのコマンド、設定・指示データ、その他の情報が入力されてもよい。
【0012】
この入力部3は、図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形個々の動きが入力される。この入力部3は、図形全体21の動きを入力する第一入力部16(第一入力手段)と、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形個々の動きを入力する第二入力部17(第二入力手段)とに分けて分離されている。
【0013】
第一入力部16と第二入力部17とのうち、一方の入力が許容されるとき、他方の入力が禁止される。その他、表示倍率、状態、モードの情報も入力され、この表示倍率、状態、モードに応じて第一入力部16の入力と第二入力部17の入力とが切り替えられる。第一入力部16と第二入力部17とは、全く別体でもよいし、逆に全く同じ入力部がモード切り替えによって、切り替えられるものでもよい。
【0014】
出力部4は、ディスプレイ、プリンタなどから構成されており、上記図形処理の各種情報、連絡先情報、年月日情報、期間情報、現在情報、図形情報、画像情報、文章数値データ、日付日時データなどの各種データ、種々の情報の入力画面、制御画面、出力画面などが表示画面に表示/印刷されるなどの出力処理が行われる。
【0015】
出力部4のディスプレイには、動く図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形個々、その他の図形が表示される。表示倍率の数値、その他の数値、状態、モードも表示される。これら動く図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25は、ディスプレイ以外の、プリンタ、ホログラム、三次元画像表示器などで表示されてもよい。
【0016】
インターフェース部5は、LAN、インターネット、外部機器接続用のなどの送受信回路などからなり、外部入力装置と外部出力装置とからなる外部装置が接続される。このインターフェース部5を通じて、他のパソコンなどからも、上記図形処理の各種情報、連絡先情報、年月日情報、期間情報、現在情報、図形情報、画像情報、文章数値データ、日付日時データなどの各種データなどのほか、その他のデータ、コマンド、設定・指示データ、その他の情報、プログラムが送受される。
【0017】
プログラム/データ記憶部7(内部記憶媒体/手段)はフラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、CD-ROMなどROM等の不揮発性メモリと、RAM、キャッシュメモリ、ハードディスク、磁気カード、磁気ディスク、CD-RAM、DVD(デジタルビデオディスク)等が用いられた一時記憶メモリという大別して二種類の記憶装置(記憶手段)から構成されている。
【0018】
そして、プログラム/データ記憶部7のROMには、図形処理の情報処理装置(全体回路)で実行されるプログラムや各種処理に使用される汎用データが記憶される。このプログラムは後述するフローチャートに対応している。また、プログラム/データ記憶部7の一時記憶メモリには、プログラム処理中のデータの一時的な蓄積等、つまりワーキングメモリ若しくはキャッシュメモリとして用いられ、フラグ、モードなども記憶される。
【0019】
また、情報記憶部6(外部記憶補助媒体/手段、補助記憶媒体)は、磁気ディスク、光ディスク、フレキシブルディスク(プロッピィーディスク)、磁気ドラム、磁気テープ、メモリカード、CD-RAM、CD-ROM、DVDなどの大量情報記憶/保存メディアとそれらのメディアへの情報書き込み/読み出し装置等(ドライブ装置、インターフェイス回路)から構成されている。
【0020】
なお、場合によって、図形処理の情報処理装置は、情報記憶部6のROM内に予め記憶されたプログラムによって単一の処理が行われる専用装置とされ、情報記憶部6に保存されたプログラムが、適宜、プログラム/データ記憶部7のRAM内に呼び込まれて起動される汎用のコンピュータ装置とされる。この場合は、情報記憶部6には、コントローラ1によって実行される基本ソフト(オペレーティングソフト)、システムソフト、応用プログラムを含む各プログラムが保存されている。
【0021】
そして、図形処理の情報処理装置の電源立ち上げ時、または新たなプログラムの起動時等において、情報記憶部6から読み出されて取り込まれ、プログラム/データ記憶部7のRAM等に一時的に保存されると共に、コントローラ1によって実行される。つまり、図形処理の情報処理装置によって実行されるプログラムが、情報記憶部6に保存されており、適宜読み出されて取り込まれてコントローラ1によって実行される。
【0022】
この場合、新たなプログラムへの変更は、情報記憶部6内に保存されているプログラム自体が置き換えられるか、若しくはプログラムの保存されているCD-ROM、磁気ディスク、フレキシブル磁気ディスク等が交換される(インストール/転送される)ことで行われる。
【0023】
また、プログラム/データ記憶部7のEPROMに保存されたプログラムを専用に実行するコンピュータ装置の場合には、同じように、CD-ROM、磁気ディスク、フレキシブル磁気ディスク等が交換される(インストール/転送される)ことに呼応してEPROM等の書き換えが行われるか、またはROM自体の交換によって達成される。
【0024】
なお、このプログラムの新規置き換えは、場合によって、上記インターフェース部5を通じて、インターネット回線、電話回線、公衆回線またはLAN回線を介して接続されている他のコンピュータなどの外部装置から送られてくる。つまり、コンピュータ装置(全体回路)で実行されるプログラムが、情報記憶部6に対して直接的に交換されたり、インターネットなどの通信網を介して国内外の外部装置から送られてきたもので交換されたりする。
【0025】
したがって、場合によって、図形処理の情報処理装置(全体回路)において実行されるプログラムが、起動の度毎に、国内外の外部装置から送られてくる。つまり、図形処理の情報処理装置の情報記憶部6に応用プログラムが保存されておらず、国内外の外部装置から送られてくるプログラムを実行する端末装置の役目のみが、本発明の図形処理の情報処理装置(全体回路)に与えられる。さらには、国内外の外部装置からプログラムとそのプログラムによって処理されるデータが共に送られてきて、そのプログラムによってデータ処理がなされた後、その結果が国内外の外部装置に送り返される。
【0026】
また、図形処理の情報処理装置(コンピュータ装置)で実行されるプログラムは、場合によって、OSなどの基本プログラムを基に、応用プログラムが実行されるような、一般的なコンピュータシステムによるプログラムであり、OSを含む統一化された一つのプログラムのみが実行される専用のコンピュータシステムである。よって、それらの統一化されたプログラムが国内外の外部装置から与えられるし、応用プログラムまたは基本プログラムまたはプログラムの一部のみが国内外の外部装置から送られてきて実行される。
【0027】
なお、場合によって、本図形処理の情報処理装置(コンピュータ装置)に予め別のオペレーティングシステム、システムプログラム(OS)、その他のプログラムが記憶され、上記プログラムはこれらのOS、その他のプログラムとともに実行される。このプログラムは本装置(コンピュータ本体)にインストールされ実行されるときに、別のプログラムとともにまたは単独で請求項(特許請求の範囲)または末尾の他の発明の効果の各請求項に記載された処理・機能を実行させる。
【0028】
また、場合によって、このプログラムの一部または全部が本装置以外の1つ以上の国内外の単数又は複数の別装置に記憶されて実行され、本装置と別装置との間には通信手段を介して、これから処理するデータ/既に処理されたデータ/プログラムが送受され、本装置及び別装置全体として、本発明が実行される。これらの通信手段はインターネット通信システムなどである。
【0029】
(2)図形処理の情報処理(全体処理)
図2は上記プログラム/データ記憶部7を示す。このプログラム/データ記憶部7は、第一記憶部11(第一の記憶手段)と第二記憶部12(第二の記憶手段)とに分けられて分離されている。
【0030】
第一記憶部11には、上記入力部3の第一入力手段から入力され指示された人型の図形全体21の動きの情報の入力が許容されて記憶され、当該人型の図形全体21の中の腕22のみ、脚23のみ、頭24のみ、胴体25のみの図形の一部のみの個別の動きの入力・指示が禁止されてその情報が記憶されない。
【0031】
第二記憶部12には、上記指示とは分離されて指示された上記人型の図形全体21の中の腕22のみ、脚23のみ、頭24のみ、胴体25のみの図形の一部のみの個別の動きの情報の入力が許容されて記憶され、人型の図形全体21の動きの入力・指示が禁止されてその情報が記憶されない。
【0032】
しかし、第一記憶部11と第二記憶部12とは実際には一体にされて、図形全体21を動かすプログラムは、図形全体21の動きのプログラムも、図形の中の腕22のみ、脚23のみ、頭24のみ、胴体25のみの図形の一部のみの個別の動きも、一体のものとして記憶される。むろん、両プログラムは分離されて第一記憶部11及び第二記憶部12に分けて記憶されてもよい。第一記憶部11及び第二記憶部12は、情報記憶部7に設けられていてもよい。
【0033】
(3)全体処理
図3は、上記コントローラ1によって実行される図形処理の情報処理(全体処理)のフローチャートを示す。
【0034】
図3の処理は電源投入または当該プログラム実行の所定処理によって開始され、まず、イニシャライズ処理が実行され(ステップ11)、上記情報記憶部6、プログラム/データ記憶部7のエラーチェック、その他の初期化が行われる。
【0035】
次いで、入力された図形の動きの書き込み処理が実行され(ステップ12)、さらに入力された図形の動きの読み出し処理が実行され(ステップ13)、これ以降、電源が切られるまで、この書き込み処理と読み出し処理とが繰り返される。
【0036】
(4)図形全体21の入力・書き込み処理
図4は、上記ステップ12の図形全体21の入力・書き込み処理のフローチャートを示す。まず、出力部4のディスプレイで、ディスプレイに表示されている人型の図形全体21、その他の表示物の大きさを変える。この変更は、表示タグのズームで倍率を小さくする指定をしたり、ペンで縮小比の数値を上げたり、ディスプレイ上で二本以上の指を狭くしたりする等、多々ある。
【0037】
これにより、上記ディスプレイにおける上記人型の図形全体21の縮小比が所定値より大きくなって、当該図形全体21が所定値より小さくなる(ステップ21)。このとき、すでにプログラミングされたプログラムにつき、起動・再生が指示されれば(ステップ22)、この動きのプログラム/情報が読み出されて当該プログラムに応じて図形全体21、個々の腕22、脚23、頭24、胴体25が動かされて表示される(ステップ23)。
【0038】
これにより、すでに前にプログラムが書き込まれて入力されていれば、このプログラムに応じた動きに矛盾しない整合のとれた動き・プログラミングを組むことができ、上記図形全体21の動きの情報の入力において、すでに動きの情報が入力されていれば、この動きの情報が読み出されて表示される。
【0039】
もし、すでにプログラミングされたプログラムにつき、起動・再生が指示されなければ(ステップ22)、このプログラムが読み出されず当該プログラムに応じて図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25は動かされない(ステップ23)。
【0040】
したがって、すでに動きの情報が入力されていれば、この動きの情報が読み出されて表示されるか、すでに動きの情報が入力されていても、この動きの情報が読み出されないで表示されないかを、選択することができる。
【0041】
次いで、マウス、ペン、指などで、図形全体21をクリックして動かすと、図形全体21が動く(ステップ24、25)。この動きは、上記クリック解除まで継続される(ステップ26)。この動きの、方向、距離、時間、角度が計測されて、プログラムとして入力され書き込まれる(ステップ27)。
【0042】
図8、
図9の例でいうと、階段の右下から左上まで、階段に沿って図形全体21を動かせば、階段の右下から左上までの、方向、距離、時間、角度がプログラムの1つとしてプログラム/データ記憶部7に入力され書き込まれる。
【0043】
このとき、図形全体21の腕22、脚23、頭24、胴体25のどこがクリックされても、図形全体21が同期して平行移動し、図形全体21の動きの入力・指示のみが可能となり、図形全体21の動きの情報の入力・指示のみが許容され、腕22、脚23、頭24、胴体25のどこがクリックされても、図形全体21の中の腕22のみ、脚23のみ、頭24のみ、または胴体のみ25の図形の一部のみの個別の動きの入力・指示は禁止される。この場合入力部3は、第一入力部16のみに切り替えられる。
【0044】
次いで、同様にクリックのオンからオフまで、別の動きが入力されると、同様に図形全体21が再び動かされ(ステップ21~26)、次の方向、距離、時間、角度のプログラムが作成されてプログラム/データ記憶部7に入力されて書き足されていき(ステップ27)、以上の処理の終了の指示があるまで繰り返され続けられる(ステップ28)。上記ステップ22~23の処理は省略されてもよい。
【0045】
上記ステップ25の図形全体21の動きには、後進、前進、右カーブ進行(時計回り方向)、左カーブ進行(反時計回り方向)、ペンを下げる、ペンを上げる、消去などの動きも含まれる。右カーブ進行、左カーブ進行には、前進と後進もある。
【0046】
「ペンを下げる」は、図形全体21の動きの「開始」を意味し、「ペンを上げる」は図形全体21の動きの「終了」を意味する。この「開始」は、上記ステップ24、34のクリックオンと同じである。
【0047】
この「終了」は、上記ステップ26、28、36、39のクリックオフ、終了指示と同じである。消去は、入力した動きをすべて消去する。ペンは、マウス、指などでもよく、マウスの右クリック/左クリック、指のタッチ開始/タッチ終了で代用できる。
【0048】
(5)腕22、脚23、頭24、胴体25の図形個々の入力・書き込み処理
図5は、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形個々の入力書き込み処理のフローチャートを示す。まず、上記ディスプレイにおける上記人型の図形全体21の縮小比が所定値より小さくなって、当該図形全体21が所定値より大きくなるように(ステップ21)、図形全体21、その他の表示物の大きさを変える。
【0049】
このとき、すでにプログラミングされたプログラムにつき、起動・再生が指示されれば(ステップ32)、この動きのプログラム/情報が読み出されて当該プログラムに応じて図形全体21のほか、個々の腕22、脚23、頭24、胴体25が動かされて表示される(ステップ33)。
【0050】
このとき、動かすのは、図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形の一部のみのいずれかが選択できるようにしてもよい。この場合、この選択に応じて、対応するプログラムのみが読み出され個別に起動・再生される。
【0051】
このように、上記選択は、図形全体、図形の一部ごとに選択可能となり、例えば出力部4のディスプレイの隅に人型の図形が別途表示され、動かす部位ごとにクリックされ、図形全体は全体のアイコンが表示されこれがクリックされる。
【0052】
これにより、すでに前にプログラムが書き込まれて入力されていれば、このプログラムに応じた動きに矛盾しない整合のとれた動き・プログラミングを組むことができ、上記腕22、脚23、頭24、胴体25の図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力において、すでに動きの情報が入力されていれば、この動きの情報が読み出されて表示される。
【0053】
もし、すでにプログラミングされたプログラムにつき、起動・再生が指示されなければ(ステップ32)、このプログラムが読み出されず当該プログラムに応じて図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25は動かされない(ステップ33)。
【0054】
したがって、すでに動きの情報が入力されていれば、この動きの情報が読み出されて表示されるか、すでに動きの情報が入力されていても、この動きの情報が読み出されないで表示されないかを、選択することができる。
【0055】
次いで、マウス、ペン、指などで、図形全体21の中の腕22、脚23、頭24、胴体25をクリックして動かすと、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形の一部のみが個別に動く(ステップ34、35)。この動きは、上記クリック解除まで継続される(ステップ36)。この動きの、方向、距離、時間、角度が計測されて、プログラムとして入力され書き込まれる(ステップ37)。
【0056】
図7、
図9の例でいうと、階段の片方の例えば右の脚23が階段のあるステップから二段上のステップまで、階段に沿って図形全体21の脚23を動かせば、右の脚23のあるステップから二段上のステップまでの、方向、距離、時間、角度がプログラムの1つとしてプログラム/データ記憶部7に入力され書き込まれる。
【0057】
このとき、右の脚23のみをクリックしなくてはならず、右の脚23のみをクリックすることによって、上記右の脚23の図形の一部のみの個別の動きのみの入力・指示が可能となり、右の脚23の図形の一部のみの動きの情報の入力・指示のみが許容され、図形全体21の動きの入力・指示が禁止される。この場合入力部3は、第二入力部17のみに切り替えられる。
【0058】
同様にして、左の腕22を胴体25の後方ほぼ45度の位置から胴体25の前方ほぼ45度の位置まで動かす(ステップ21、35~36)。これにより、同動きが、プログラムの1つとしてプログラム/データ記憶部7に入力され書き込まれる(ステップ37)。ここで、上記左の腕22の図形の一部のみの個別の動きのみの指示が可能となり、図形全体21の動きの指示が禁止される。
【0059】
さらに同様にして、右の腕22を胴体25の前方ほぼ45度の位置から胴体25の後方ほぼ45度の位置まで動かす(ステップ21、35~36)。これにより、同動きが、プログラムの1つとしてプログラム/データ記憶部7に入力され書き込まれる(ステップ37)。ここで、上記右の腕22の図形の一部のみの個別の動きのみの指示が可能となり、図形全体21の動きの指示が禁止される。
【0060】
次いで、不合理解消処理が実行される(ステップ38)。この不合理解消処理では、左右の前腕が上腕から分離されたり、左右の上腕は肩から分離されたり、左右の下腿は大腿の先から分離されたり、左右の大腿は股から分離されたり、頭24は胴体25上部から分離されないように調整する処理が実行される(ステップ38)。
【0061】
このように、同様にクリックのオンからオフまで、別の動きが入力されると、同様に腕22のみ、脚23のみ、頭24のみ、胴体25のみの図形の一部のみが再び動かされ(ステップ32~36)、次の方向、距離、時間、角度のプログラムが作成されてプログラム/データ記憶部7に入力され書き足されていき(ステップ37、38)、以上の処理の終了の指示があるまで繰り返され続けられる(ステップ39)。ここで、すでに作成した動きのプログラムを順次コピーして、
図9の多数の階段をのぼる動作を完成させることもできる。
【0062】
この場合、上記ステップ34~37で、腕22の中の前腕がクリックされていれば、胴体25の肩と前腕の肘をつなぐように上腕が動かされてプログラムされる(ステップ21、34~37)。
同様に、上記ステップ34~37で、脚23の中の下腿がクリックされていれば、胴体25の股と下腿の膝をつなぐように大腿が動かされてプログラムされる(ステップ21、34~37)。
【0063】
また、上記ステップ34~37で、腕22の中の上腕がクリックされていれば、移動した上腕の肘から分離されないように前腕が動かされてプログラムされる(ステップ21、34~37)。
同様に、上記ステップ34~37で、脚23の中の大腿がクリックされていれば、移動した大腿の膝から分離されないように下腿が動かされてプログラムされる(ステップ21、34~37)。
【0064】
さらに、上記ステップ34~37で、頭24がクリックされていれば、頭24と胴体25をつなぐように胴体25が動かされてプログラムされる(ステップ21、34~37)。こうして、
腕22、脚23、頭24、胴体25の動きうち、上腕は肩から、前腕は上腕の先から、大腿は股から、下腿は大腿の先から、頭24は胴体25から分離されないように規制される。
【0065】
上記ステップ35の腕22、脚23、頭24、胴体25の図形の一部のみの個別の動きには、腕22、脚23、頭24、胴体25それぞれにつき、時計回り方向/反時計回り方向に時間A秒かけて、角度B度、回転する、所定時間後C秒後に時間D秒かけてX軸方向にEピクセル、Y軸方向にFピクセル直線移動する、図形全体21を正面向きにする、図形全体21を側面向きにする、図形全体21を初期状態に戻す、プログラム全体を起動させるなどの動きも含まれる。上記A~Fは、操作者/プログラミングする人が任意の数値、または図形全体21の動きに矛盾が生じないようにまたは円滑な動きとなるような数値が入力される。
【0066】
(6)表示倍率変更によるモード切り替え
表示倍率変更によるモード切り替え、つまり上述ステップ21の上記ディスプレイにおける上記図形全体21の縮小比が所定値より大きく/小さくなって、当該図形全体21が所定値より小さく/大きくなるように、図形全体21、その他の表示物の大きさを変えるには、具体的には以下のとおりである。
【0067】
上記ステップ35には、図形全体21の倍率を例えば0.01~100の間で変更するなどの動きも含まれる。上記倍率は、例えば「1」で出力部4のディスプレイ全体と図形全体21がほぼ同じ大きさとなり、「1」より小さくなるにしたがって、表示される図形全体21の大きさが小さくなり縮小され、「1」より大きくなるにしたがって、表示される図形全体21の大きさが大きくなり拡大される。
【0068】
上記ステップ21における、上記ステップ22~28の図形全体21の動きのプログラミングと、上記ステップ32~39の腕22のみ、脚23のみ、頭24のみ、胴体25のみの図形の一部のみの個別の動きのプログラミングとの切り替えは、次のようにして実行される。
【0069】
上記出力部4のディスプレイにおける上記図形全体21の縮小比が所定値例えば「0.35」より大きくなって、当該図形全体21の大きさが所定値「0.35」より小さくなったときに、上記ステップ22以降の図形全体21の動きの入力が許容され、そのプログラミングに切り替えられる。このとき、腕22のみ、脚23のみ、頭24のみ、胴体25のみの図形の一部のみの個別の動きの入力は禁止される。
【0070】
また、上記出力部4のディスプレイにおける上記図形全体21の縮小比が所定値例えば「0.35」より小さくなって、当該図形全体21の大きさが所定値「0.35」より大きくなったときに、上記ステップ32以降の腕22のみ、脚23のみ、頭24のみ、胴体25のみの図形の一部のみの個別の動きの入力が許容され、そのプログラミングに切り替えられる。このとき、図形全体21の動きの入力は禁止される。
【0071】
この切り替えの所定値は任意であり、「0.35」以外でもよく、操作者/プログラミングする人が入力部3を通じてこの数値を入力して変更できてもよい。この場合、ステップ21の前に、この数値を入力してプログラム/データ記憶部7に入力され書き込む処理が実行される。
【0072】
このほか、変数に任意の式を代入する、代入されるまたは作成された一連の式を末尾まで実行する、対応するENDまでの一連の命令を指示された回数繰り返す、終了、所定時間待つなどの動きもある。これらの動きは、ステップ22~28で入力されてもよいし、ステップ32~39で入力されてもよい。
【0073】
上記ステップ24~27、ステップ34~37の動きのプログラミングでは、操作者/プログラミングする人が数値を入力してもよい。この場合、方向、距離、時間、角度の具体的な数値が入力される。上記ステップ32~33の処理は省略されてもよい。
【0074】
(7)図形の動きの情報の出力・読み出し処理
図6は、図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形個々の出力・読み出し処理のフローチャートを示す。まず、上記ディスプレイにおける上記図形全体21の縮小比、つまり当該図形全体21の大きさを変更する指示があれば(ステップ41)、図形全体21、その他の表示物の大きさを変える(ステップ42)。
【0075】
次いで、プログラムを読み出して出力し(ステップ43)、同じタイミングで実行すべきプログラムがさらにあれば(ステップ44)、さらにこのプログラムを並行して読み出して出力する(ステップ44→43)。
【0076】
この並行して読み出されるプログラムは、次のさらに次のプログラムに、〇〇時間かけて…の動作をする、次のプログラムに△△時間だけ待て、というような、時間データが含まれていれば、この直前まで読み出し出力が繰り返される。〇〇時間かけて…の動作をするというプログラムが、すぐ次のプログラムであれば、このプログラムは読み出されて出力され実行される。
【0077】
また、この並行して読み出されて出力されるプログラムは、図形全体21の動きのプログラム、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形個々の動きのプログラム、両方につき並行して読み出され出力される。両方のプログラムは、通常は、それぞれの先頭のプログラムが並行して読み出され出力される。
【0078】
このようにして読み出し出力された各プログラムにつき、この各プログラムに応じた各動きが同時に並行して実行されて出力されていく(ステップ45)。これにより、図形全体21の動き、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形個々の動きが同時に並行し実行され出力されていく。以上の処理は、上記各時間データごとに実行され、次のプログラムがなくなれば上記読み出し出力処理は終了する(ステップ46)。
【0079】
(8)第二実施形態
上記図形全体の動きの情報の入力と、上記図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力との切り替えは、次のようにしてもよい。
【0080】
例えば、上記ステップ21で、入力部3のカーソルキー、モード切り替えキー/スイッチなどの操作でモード/状態切り替え操作が実行され、出力部4でステップ22~28の処理とステップ32~39の処理との、上記両入力の切り替えが実行される。
【0081】
このほか、このモード/状態切り替えは、図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25、または表示図形の背景の大きさ、色、模様、向き、縦と横、正面と側面といった方向、距離、時間、角度、形状、動きなどの状態/モードを変更する、他の状態変更/モード変更の操作といった、第一の所定の操作と第二の所定の操作に応じて切り替えられてもよい。
【0082】
上記他のモード変更/状態変更の操作としては、例えば、再生モード/記録モード/プレイモード/逆再生モード/早送りモード/早戻しモード、攻撃モード/守備モード、書き込みモード/読み出しモード、先攻モード/後攻モード、スタートモード/ゴールモード、活動モード/授業モード/仕事モード/休憩モード/終了モードなどにおける多種多様なモード/状態切り替えがある。
【0083】
このような切り替えポイントは、任意に変更できてもよい。例えば、上述の各モード/状態のうち、Aモード/状態とBモード/状態とで切り替えられるポイントが、Aモード/状態とCモード/状態とで切り替えられるポイント、またはDモード/状態とBモード/状態とで切り替えられるポイント、若しくはDモード/状態とCモード/状態とで切り替えられるポイントなどに変更される。A、B、C、Dのモード/状態は上述の任意のモード/状態である。これにより、ある状態と異なる状態の切り替えポイントは、任意に変更可能であるといえる。
【0084】
これにより、第一の所定の操作によって、ある状態(「モード」を含む。以下及び以上同じ)に切り替えられたときに、図形全体21の動きの指示が可能となり、図形の中の一部のみ、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形の一部のみの個別の動きの指示が禁止され、 第二の所定の操作によって、上記ある状態と異なる状態に切り替えられたときに、上記図形の中の一部のみ、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形の一部のみの個別の動きの指示が可能となり、図形全体21の動きの指示が禁止される。
【0085】
図形全体の動きの情報の入力モード/入力状態と、図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力モード/入力状態との間には、第三のモード/状態があり、図形全体の動きの情報と図形の中の一部のみの個別の動きの情報の両方の入力が可能となってもよい。
【0086】
この場合ステップ21で、表示倍率が「中」が判別され、ステップ22~28と同じ処理、またはステップ32~39と同じ処理が実行される。この場合、ステップ25、35では、図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25が選択されて動かされる。
【0087】
(9)第三実施形態
図10、
図11は、具体的に図形を作成、例えば動くピクトグラムの作成例を示す。
ピクトグラミングでは、大別して人型ピクトグラムのポーズを決めるピクトアニメーション命令と、人型ピクトグラム自身が動き、その軌跡で図形を描くピクトグラフィックス命令の2種類の命令があり、その両者を組み合わせることで様々なピクトグラムが作成できるようになっている。その場合の作成プロセスは次の通りである。例えば、日常のひとコマに掲載している「段差注意」を例にとってみる。
ア.はじめに、トピックを決める(今回は段差注意)。
イ.含めるオブジェクト(今回は段差のある床)を人型ピクトグラム自身が動いて描き、構図を整える。
【0088】
定義 段差
倍率 0.2
移動 ?120 200
ペン 下げる
ペン幅 10
右回り 90
前進 180
右回り 90
前進 30
左回り 90
前進 100
ペン 上げる
終わり
注意
実行 段差
以上のプログラムは、
図10に示すように、図形全体21を動かして入力したプログラムの例を示す。右回り、左回りの次の数値は角度を示す。ペン幅、移動、前進の次の数値はピクセル数を示す。倍率は上記表示倍率である。
【0089】
ウ.最後に人型ピクトグラムの腕・足の絶対角度、ピクトグラムの相対位置や倍率を設定することで、ポーズをとってその構図の中に収まる。
【0090】
定義 段差
倍率 0.2
移動 ?120 200
ペン 下げる
ペン幅 10
右回り 90
前進 180
右回り 90
前進 30
左回り 90
前進 100
ペン 上げる
移動 -180 -120
終わり
定義 こける
倍率 0.5
回転 体 45
回転 体 15 0.2
回転 左上腕 ?120 0.2
回転 左前腕 45 0.2
回転 右上腕 45 0.2
回転 右前腕 90 0.2
回転 左大腿 20 0.2
回転 左下腿 ?60 0.2
回転 右大腿 45 0.2
回転 右下腿 ?60 0.2
終わり
注意
実行 段差
実行 こける
【0091】
以上のプログラムは、
図11に示すように、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形個々を動かして入力したプログラムの例を示す。上記体は胴体25を示す。左上腕、左前腕、右上腕、右前腕、左大腿、左下腿、右大腿、右下腿は、上記腕22、脚23をより細かく分けたそれぞれを示す。次の数値は上記回転の角度を示す。さらに次の数値は当該回転に費やす時間(秒)を示す。
【0092】
つまり、通常の撮影と同じ手順を踏む。ピクトグラミングでは、同調的学習(Syntonic learning)を重視していて、人間が普段から何気なく行なっている一連の動作、操作と同じプロセスでコンテンツを作り、また最終的に普段から馴染みのある事象について表現できるように工夫されているのが特徴の一つである。
【0093】
(10)他の実施の形態
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々変更可能である。例えば、図形処理の情報処理装置、図形処理の情報処理方法及び図形処理の情報処理のためのコンピュータプログラムは、複数の場所、複数の国、国内外に分散して設けられた装置、プログラムによって、実行されてもよく、この場合各分散システムはインターネット回線、その他の通信回線を通じて接続され情報・データが送受される。
【0094】
これに応じて、上記情報記憶部6、プログラム/データ記憶部7は、複数に分割、分離されて、これらの記憶手段に記憶された情報・データは、複数個所に分散記憶されてもよいし、上記フローチャートに応じたプログラム内に記憶されてもよい。
【0095】
上記図形全体21は、人型であったが、これに限られず、ロボット、4つの脚23を持ち、腕22を持たない動物、その他の動物、脚23の多い昆虫、その他の昆虫、腕22の多い仮想の動物、胴体25、頭24の複数の仮想の動物、自動車、二輪車、船舶、航空機、鉛筆、消しゴムなどの文房具、指差し手、棒、矢印、カーソルなどの器物など、何でもよい。
【0096】
「図形の中の一部のみ」としては、腕22、脚23、頭24、胴体25のほか、前腕、上腕、大腿、下腿、指、首、眉毛、目、鼻、口、耳、歯、唇、下半身、上半身、右半身、左半身、腹、胸、背中、その他体の一部、車輪、翼、スクリュウ、煙突でもよく、「図形全体」としては胴体25でもよい。
【0097】
上記ステップ21の表示倍率の判定は、図形全体21に準じる箇所、例えば、胴体25のみ、胴体25と脚23のみ、胴体25と脚23と頭24のみなど、図形全体21に準じる部分の大きさで判定してもよい。
【0098】
図形全体21を動かすプログラムと、図形の中の一部のみ、腕22のみ、脚23のみ、頭24のみ、胴体25のみ動かすプログラムとは、プログラム文としては、並列にまとめて記憶されているが、分離されて別々に記憶されてもよいし、逆に完全に一体化して記憶されてもよい。この場合、腕22のみ、脚23のみ、頭24のみ、胴体25のみを指定するコマンドが入力される。何もコマンドが何もなければ、図形全体21が指定されたと判断されるか、図形全体21を指定するコマンドが入力される。
【0099】
上記
図3~
図6の各ステップの図形処理の情報処理(入力処理/出力処理/書き込み処理、読み出し処理)は、全体処理の中で実行されるのではなく、インタラプト処理により、管理者などによって入力、出力、書き込み、読み出しのコマンドが入力された時に実行されてもよいし、インタラプト処理により、連絡先などからインターネット回線などを通じてアクセスされた時に実行されてもよい。
【0100】
上記ステップ11~46のそれぞれの処理の順番は一部または全部入れ変えてもよいし、一部または全部が省略されてもよいし、各ステップが均等の他の処理に置き換えられてもよいし、同等の機能を発揮する変化テーブル、ハードまたは回路で一部または全部が置き換え可能であり、均等の範囲で一部人為的に実行されてもよいし、分割分離されてその数が増えても減ってもよいし、これらそれぞれの一部または全部が省略されてもよいし、それぞれの処理は単数でも複数でも3つ以上でもよいし、これらの2つまたは3つ以上が合体または一体化されて兼用されてもよい。
【0101】
上記コントローラ1、アドレス/データバスライン2、入力部3(第一の入力手段、第二の入力手段)、出力部4、インターフェース部5、情報記憶部6、プログラム/データ記憶部7、上記ステップ11~13、21~28、32~39、41~46、第一記憶部11、第二記憶部12、図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25は、単数でも複数でも3つ以上でもよいし、これらそれぞれの一部または全体は省略されてもよいし、分割分離されてその数が増えても減ってもよいし、その形状・配置形態・情報形態は任意に変更可能であり、均等の他の物に置き換えられてもよいし、これらの2つまたは3つ以上が合体または一体化されて兼用されてもよい。
【0102】
(11)他の発明の効果
[1]指示された図形全体の動きの情報の入力を許容させ、当該図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力を禁止させ、 上記指示とは分離されて指示された上記図形の中の上記一部のみの個別の動きの情報の入力を許容させ、上記図形全体の動きの情報の入力を禁止させ、 これら第一の入力手段及び第二の入力手段から入力された情報を記憶手段に記憶させ、 これら記憶手段から、両動きの情報を読み出しさせ、 この読み出された動きの情報に応じた動きを並行して表示させることを特徴とする図形処理方法。
【0103】
[2]指示された図形全体の動きの情報の入力を許容させ、当該図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力を禁止させる処理と、 上記指示とは分離されて指示された上記図形の中の上記一部のみの個別の動きの情報の入力を許容させ、上記図形全体の動きの情報の入力を禁止させる処理と、 これら第一の入力手段及び第二の入力手段から入力された情報を記憶手段に記憶させる処理と、 これら記憶手段から、両動きの情報を読み出しさせる処理と、 この読み出された動きの情報に応じた動きを並行して表示させる処理とをコンピュータに実行させる図形処理のためのコンピュータプログラム。
【0104】
[3]指示された図形全体の動きの情報の入力を許容し、当該図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力が禁止される第一の入力手段と、 上記指示とは分離されて指示された上記図形の中の上記一部のみの個別の動きの情報の入力を許容し、上記図形全体の動きの情報の入力が禁止される第二の入力手段と、 これら第一の入力手段及び第二の入力手段から入力された情報を記憶する記憶手段と、 これら記憶手段から、両動きの情報を読み出す読み出し手段と、 この読み出された動きの情報に応じた動きを並行して表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする図形処理装置。
【0105】
[4]上記図形全体の動きの情報の入力許容と、上記図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力許容との切り替えは、 第一の所定の操作によって、ある状態に切り替えられたときに、図形全体の動きの指示が可能となり、図形の中の一部のみの個別の動きの指示が禁止され、 第二の所定の操作によって、上記ある状態と異なる状態に切り替えられたときに、上記図形の中の一部のみの個別の動きの指示が可能となり、図形全体の動きの指示が禁止されることを特徴とする請求項3記載の図形処理装置。 これにより、ある状態と異なる状態の切り替えによって、自動的に図形全体の動きのみが入力できたり、図形の中の一部の動きのみが入力できたりできる。
【0106】
[5]上記図形全体の動きの情報の入力許容と、上記図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力許容との切り替えは、 上記表示手段における上記図形の縮小比が所定値より大きくなって、当該図形が所定値より小さくなったときに、図形全体の動きの指示が可能となり、図形の中の一部のみの個別の動きの指示が禁止され、 上記表示手段における上記図形の縮小比が所定値より小さくなって、当該図形が所定値より大きくなったときに、上記図形の中の一部のみの個別の動きの指示が可能となり、図形全体の動きの指示が禁止されることを特徴とする請求項4記載の図形処理装置。 これにより、図形の倍率に応じて、自動的に図形全体の動きのみが入力できたり、図形の中の一部の動きのみが入力できたりできる。
【0107】
[6]上記ある状態と異なる状態とは、変更可能であることを特徴とする請求項4記載の図形処理装置。 これにより、図形全体の動きのみが入力できる状態と、図形の中の一部の動きのみが入力できる状態との境界を任意に変更できる。
【0108】
[7]上記所定値は、変更可能であることを特徴とする請求項5記載の図形処理装置。 これにより、図形全体の動きのみが入力できる状態と、図形の中の一部の動きのみが入力できる状態との境界を任意に変更できる。
【0109】
[8]上記図形全体の動きの情報の入力、または上記図形の中の一部のみの個別の動きの情報の入力において、すでに動きの情報が入力されていれば、この動きの情報が読み出されて表示されることを特徴とする請求項6または7記載の図形処理装置。 これにより、図形全体または一部の動きの入力がそれまでに入力された動きと整合のとれたものにすることができる。
【0110】
[9]すでに動きの情報が入力されていれば、この動きの情報が読み出されて表示されるか、すでに動きの情報が入力されていても、この動きの情報が読み出されないで表示されないかを、選択可能であることを特徴とする請求項8記載の図形処理装置。 これにより、それまで入力された動きとの整合をとるか、これから入力する動きにしぼって集中するかを選択でき、状況に応じて入力できる。
【0111】
[10]上記選択は、図形全体、図形の一部ごとに選択可能であることを特徴とする請求項9記載の図形処理装置。 これにより、それまで入力された動きとの整合をとるのを、図形全体、図形の一部ごとに選択でき、状況に応じて入力できる。
【0112】
[11]上記図形全体は人型の図形であり、上記図形の中の一部のみは腕のみまたは脚のみであることを特徴とする請求項10記載の図形処理装置。 これにより、人型のピクトグラムによって、掲示内容を分かりやすくできる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
ピクトグラムなど、動く図形をより円滑に作成できる。表示倍率が小さければ(ステップ21)、図形全体21の動きの情報のみが入力され(ステップ24~27)、表示倍率が大きければ(ステップ21)、腕22、脚23、頭24、胴体25の図形の中の一部のみの個別の動きの情報のみが入力される(ステップ34~37)。このとき、すでに図形全体21、腕22、脚23、頭24、胴体25動きの情報が入力されて指示されれば、この動きの情報が読み出されて表示される(ステップ22、23、32、33)。