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特許7045727配信システム、配信システム用のコンピュータプログラム、及び配信用映像の作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】配信システム、配信システム用のコンピュータプログラム、及び配信用映像の作成方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/497 20140101AFI20220325BHJP
   A63F 13/86 20140101ALI20220325BHJP
   A63F 13/812 20140101ALI20220325BHJP
   H04N 21/232 20110101ALI20220325BHJP
   H04N 21/2665 20110101ALI20220325BHJP
   H04N 21/262 20110101ALI20220325BHJP
【FI】
A63F13/497
A63F13/86
A63F13/812 A
H04N21/232
H04N21/2665
H04N21/262
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020008908
(22)【出願日】2020-01-23
(65)【公開番号】P2021115128
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2021-02-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】上原 和彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英之
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/080005(WO,A1)
【文献】特開2018-011850(JP,A)
【文献】特開2007-313001(JP,A)
【文献】特開2017-064161(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤがプレイするゲームのゲーム映像を複数の観戦ユーザの表示装置に配信する配信システムであって、
前記ゲーム映像を取得するゲーム映像取得手段と、
前記ゲームのプレイ中に記憶された関連映像を取得する関連映像取得手段と、
前記ゲームにおいて、前記ゲームの進行中に発生したイベントが再表示される場合に、前記イベントの発生タイミングを特定するタイミング特定情報を取得する情報取得手段と、
前記タイミング特定情報によって特定された前記発生タイミングに基づいて、前記関連映像から再表示関連映像を抽出する抽出手段と、
前記ゲーム映像と前記再表示関連映像とが同時に表示されるように、配信用映像を作成する作成手段と、
前記配信用映像を前記表示装置に配信する配信制御手段と、
前記再表示関連映像の再生速度を調整する時間調整手段とを備え、
前記情報取得手段は、前記イベントが再表示される場合の再表示速度を含む再表示情報をさらに取得し、
前記時間調整手段は、前記再表示情報に基づいて前記再生速度を調整する、配信システム。
【請求項2】
前記ゲームの進行を制御するとともに、前記ゲームの進行中に前記イベントを再表示するゲーム制御手段と、
前記ゲームのプレイ中に前記関連映像を記憶する映像記憶手段とをさらに備え、
前記情報取得手段は、前記ゲーム制御手段から前記タイミング特定情報を取得する、請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記再表示情報は、前記イベントが再表示される場合の再表示時間をさらに含み、
前記時間調整手段は、前記再表示情報に基づいて前記再表示関連映像の再生時間をさらに調整する、請求項1又は2に記載の配信システム。
【請求項4】
前記関連映像は、第1視点から見た映像である第1視点映像と、第1視点とは異なる第2視点から見た映像である第2視点映像とを含み、
前記配信用映像は、前記第1視点映像及び前記第2視点映像の少なくとも一方を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項5】
前記情報取得手段は、前記イベントの再表示の対象となるプレイに関連するプレイヤを特定するプレイヤ情報をさらに取得し、
前記抽出手段は、前記プレイヤ情報に基づいて選択された前記第1視点映像及び前記第2視点映像の一方を、前記再表示関連映像として抽出する、請求項4に記載の配信システム。
【請求項6】
前記情報取得手段は、前記イベントの再表示の停止又は一時停止を示す停止情報をさらに取得し、
前記情報取得手段が前記停止情報を取得すると、前記再表示関連映像の取得が停止される、請求項1から5のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項7】
コンピュータを備え、プレイヤがプレイするゲームのゲーム映像を複数の観戦ユーザの表示装置に配信する配信システム用のコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記ゲーム映像を取得するゲーム映像取得手段と、
前記ゲームのプレイ中に記憶された関連映像を取得する関連映像取得手段と、
前記ゲームにおいて、前記ゲームの進行中に発生したイベントが再表示される場合に、前記イベントの発生タイミングを特定するタイミング特定情報を取得する情報取得手段と、
前記発生タイミングに基づいて、前記関連映像から再表示関連映像を抽出する抽出手段と、
前記ゲーム映像と前記再表示関連映像とが同時に表示されるように、配信用映像を作成する作成手段と、
前記配信用映像を前記表示装置に配信する配信制御手段と、
前記再表示関連映像の再生速度を調整する時間調整手段として機能させ、
前記情報取得手段は、前記イベントが再表示される場合の再表示速度を含む再表示情報をさらに取得し、
前記時間調整手段は、前記再表示情報に基づいて前記再生速度を調整する、配信システム用のコンピュータプログラム。
【請求項8】
コンピュータを備え、プレイヤがプレイするゲームのゲーム映像を複数の観戦ユーザの表示装置に配信する配信システムにおいて、前記コンピュータに配信用映像を作成させる配信用映像の作成方法であって、
前記ゲーム映像と、前記ゲームのプレイ中に記憶された関連映像とを取得し、
前記ゲームにおいて、前記ゲームの進行中に発生したイベントが再表示される場合に、前記イベントの発生タイミングを特定するタイミング特定情報と、前記イベントが再表示される場合の再表示速度を含む再表示情報とを取得し、
前記発生タイミングに基づいて、前記関連映像から再表示関連映像を抽出し、
前記再表示情報に基づいて、前記再表示関連映像の再生速度を調整し、
前記ゲーム映像と前記再表示関連映像とが同時に表示されるように、前記配信用映像を作成する、配信用映像の作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームのプレイ中に記憶された関連映像を配信する配信システム、配信システム用のコンピュータプログラム、及び配信用映像の作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザがコントローラを動かすことによってゲームに対する操作または入力を行うゲームシステムが開示されている。当該ゲームシステムは、リプレイデータに基づいてプレイヤのリプレイ画像を再現するゲーム装置を備えている。このゲーム装置は、プレイヤのゲーム操作に関する履歴をリプレイデータとして記憶する。そして、ゲーム装置は、リプレイモードの場合にはリプレイデータを読み込み、リプレイ画面を表示して、ゲーム操作に応じてゲーム処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-264173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、eスポーツが盛り上がりを見せており、ゲーム映像のライブ配信が人気となっている。一例として、ゲーム映像は、動画配信サイトにおいてリアルタイムでライブ配信される。また、最近ではゲームのプロプレイヤも存在しており、プレイヤの人気が高まっている。そして、人気のあるプレイヤのゲーム動画は、多くの観戦ユーザに視聴されている。そのため、ゲーム映像の配信においては、ゲーム映像とともに、ゲームに関連する関連映像がライブ配信されることがある。
【0005】
例えば、関連映像は、ゲームをプレイするプレイヤを撮影して得られた映像であり、プレイヤの表情を視聴させることを目的として配信されることも多い。観戦ユーザは、ゲームのプレイ内容だけではなく、ゲームの進行とともに変化するプレイヤの表情を同時に楽しみながら観戦をしている。ところで、特許文献1に記載されているように、ゲーム装置がリプレイモードを実行する場合があり、この場合にはゲーム映像が再表示される。さらに、ゲームのリプレイを伴わずに、ゲーム装置がゲーム映像を再表示する機能を有する場合もある。
【0006】
このような場合に、再表示されるゲーム映像は、既に表示された映像である。一方、プレイヤの関連映像は、再表示されるゲーム映像を見ているプレイヤを撮影して得られるリアルタイムの映像となる。つまり、再表示されるゲーム映像と、当該映像と同時に表示される関連映像とは、異なる状況で得られた映像である。そのため、観戦ユーザは、ゲーム映像が再表示される場合に、再表示されるゲーム映像と同時期に得られた関連映像を視聴することができなくなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る配信システムは、プレイヤがプレイするゲームのゲーム映像を複数の観戦ユーザの表示装置に配信する配信システムであって、前記ゲーム映像を取得するゲーム映像取得手段と、前記ゲームのプレイ中に記憶された関連映像を取得する関連映像取得手段と、前記ゲームにおいて、前記ゲームの進行中に発生したイベントが再表示される場合に、前記イベントの発生タイミングを特定するタイミング特定情報を取得する情報取得手段と、前記タイミング特定情報によって特定された前記発生タイミングに基づいて、前記関連映像から再表示関連映像を抽出する抽出手段と、前記ゲーム映像と前記再表示関連映像とが同時に表示されるように、配信用映像を作成する作成手段と、前記配信用映像を前記表示装置に配信する配信制御手段とを備える。
【0008】
また、本発明の一態様に係る配信システム用のコンピュータプログラムは、コンピュータを備え、プレイヤがプレイするゲームのゲーム映像を複数の観戦ユーザの表示装置に配信する配信システム用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記ゲーム映像を取得するゲーム映像取得手段と、前記ゲームのプレイ中に記憶された関連映像を取得する関連映像取得手段と、前記ゲームにおいて、前記ゲームの進行中に発生したイベントが再表示される場合に、前記イベントの発生タイミングを特定するタイミング特定情報を取得する情報取得手段と、前記発生タイミングに基づいて、前記関連映像から再表示関連映像を抽出する抽出手段と、前記ゲーム映像と前記再表示関連映像とが同時に表示されるように、配信用映像を作成する作成手段と、前記配信用映像を前記表示装置に配信する配信制御手段として機能させる。
【0009】
また、本発明の一態様に係る配信用映像の作成方法は、コンピュータを備え、プレイヤがプレイするゲームのゲーム映像を複数の観戦ユーザの表示装置に配信する配信システムにおいて、前記コンピュータに配信用映像を作成させる配信用映像の作成方法であって、前記ゲーム映像と、前記ゲームのプレイ中に記憶された関連映像とを取得し、前記ゲームにおいて、前記ゲームの進行中に発生したイベントが再表示される場合に、前記イベントの発生タイミングを特定するタイミング特定情報を取得し、前記発生タイミングに基づいて、前記関連映像から再表示関連映像を抽出し、前記ゲーム映像と前記再表示関連映像とが同時に表示されるように、配信用映像を作成する。
【0010】
これにより、ゲーム装置がゲーム映像を再表示するときに、再表示されるゲーム映像が得られた時期と同時期に得られた関連映像を配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】配信システムの概略全体図。
図2】プレイ中の視聴画面の概略説明図。
図3】参考例に係るイベント再現中の視聴画面の概略説明図。
図4】配信システムの概略ブロック図。
図5】イベントデータの概略説明図。
図6】ゲーム装置における処理のフローチャート。
図7】ビデオミキサにおける処理のフローチャート。
図8】レコーダにおける処理のフローチャート。
図9】配信サーバにおける処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。
【0013】
[配信システム]
図1に示すように、配信システム100は、配信用映像を作成する作成システム30を備えている。また、配信システム100は、表示装置60に配信用映像を配信する配信サーバ20をさらに備えている。そして、配信システム100は、プレイヤがプレイするゲームのゲーム映像を複数の観戦ユーザの表示装置60に配信する。さらに、配信システム100は、プレイヤがプレイするゲームを提供するゲーム機の一例としてのゲーム装置11を備えている。
【0014】
表示装置60は、所定のネットワーク50を介して配信サーバ20に接続可能である。当該表示装置60は、ネットワーク接続が可能であるコンピュータ装置である。一例として、表示装置60は、携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置61を含む。その他にも、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ、据置型の家庭用ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、及び携帯型タブレット端末装置等の各種のコンピュータ装置が、表示装置60に含まれる。表示装置60は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、配信サーバ20が提供する種々のサービスをユーザに享受させることができる。具体的に、表示装置60は、映像表示用のソフトウェアを通じてゲーム映像を表示させる。一例として、観戦ユーザは、ゲーム大会の会場10、又はユーザの自宅等において表示装置60を使用する。
【0015】
また、表示装置60は、不図示の操作部、表示部、スピーカ、及び通信部を備えている。そして、表示装置60は、映像表示用のソフトウェアを実行することによって、配信用映像を表示部に表示させる。また、スピーカは、配信用映像の表示に伴い、ゲーム音声などの関連する音声を出力する。なお、操作部、表示部、及びスピーカは、表示装置60と一体であってもよく、別体であってもよい。
【0016】
配信サーバ20は、複数のコンピュータとしてのサーバユニット21が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。そして、配信サーバ20は、表示装置60又は表示装置60のユーザに対して、配信用映像を配信するサービスを提供する。ただし、単一のサーバユニット21によって、配信サーバ20が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して、配信サーバ20が論理的に構成されてもよい。
【0017】
一例として、配信サーバ20は、作成システム30が生成した配信用映像を表示装置60に配信する。当該配信用映像は、ゲーム映像を含んでおり、ゲームのプレイ中に記憶された関連映像とゲーム映像とが同時に表示される。さらに、配信サーバ20は、ネットワーク50を介して表示装置60のユーザにWebサービスを提供してもよい。当該Webサービスは、映像に関する各種の情報を提供する情報提供サービス、ユーザによる情報発信、交換、及び共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等の他のサービスを含んでいてもよい。
【0018】
ネットワーク50は、配信サーバ20に対して、作成システム30及び表示装置60をそれぞれ接続できるように構成されている。一例として、ネットワーク50は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成されている。具体的には、LAN(Local Area Network)が、配信サーバ20と、インターネット51とを接続している。そして、WAN(Wide Area Network)としてのインターネット51とLANとが、不図示のルータを介して接続されている。作成システム30及び表示装置60も、インターネット51に接続されるように構成されている。
【0019】
なお、配信サーバ20に代えて、作成システム30が配信制御手段として機能する配信装置をさらに備えていてもよい。この場合、ビデオミキサ41が作成した配信用映像は、当該配信装置を介して観戦ユーザの表示装置60に配信される。
【0020】
ゲーム装置11はコンピュータ装置であり、例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ、及び携帯電話のようなモバイル端末装置である。その他にも、アーケードゲーム機、据置型の家庭用ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、及び携帯型タブレット端末装置等の各種のコンピュータ装置が、ゲーム装置11に含まれる。ゲーム装置11は、ゲーム装置用のソフトウェアを通じてゲーム機として機能する。そして、ゲーム装置11は、ゲーム映像を作成システム30のビデオミキサ41に送信する。そのため、ゲーム装置11は、作成システム30(ビデオミキサ41及びレコーダ31)と通信できるように構成されている。一例として、ゲーム装置11は、USB(Universal Serial Bus)規格等の汎用的な規格に従って、作成システム30と接続されている。または、ゲーム装置11は、CEC(Consumer Electronics Control)を利用して、HDMI(登録商標)規格に従って、作成システム30と接続されてもよい。
【0021】
なお、ゲーム装置11がアーケードゲーム機である場合、ゲーム装置11は、ゲームサーバが提供する種々のサービスをユーザに享受させることができる。そして、ゲームサーバは、ゲーム装置11によってプレイされているゲームのゲーム映像を記録する。ゲームサーバは、記録したゲーム映像を、作成システム30のビデオミキサ41に送信する。
【0022】
ゲームをプレイするプレイヤは、ゲーム大会の会場10、店舗等の所定の施設、又はプレイヤの自宅等においてゲーム装置11を使用する。本実施形態においては、プレイヤが、会場10においてゲーム装置11を使用する例について説明する。会場10には、関連映像を撮影するカメラ16が設けられている。カメラ16は、プレイヤに加えて又は代えて、観客、会場10の様子、ゲーム装置11の操作部、及びゲーム画面等を撮影してもよい。また、カメラ16は、撮影した関連映像を作成システム30のビデオミキサ41に送信する。代替的に、カメラ16は、配信システム100の外部に設けられた外部記憶装置、又は作成システム30のレコーダ31に関連映像を送信してもよい。この場合、ビデオミキサ41は、外部記憶装置又はレコーダ31から関連映像を取得する。
【0023】
図1の例では、ゲーム装置11が一台であるが、配信システム100は、複数のゲーム装置11を備えていてもよい。この場合、例えば、複数のプレイヤがゲームをプレイする会場10には、複数のプレイヤのそれぞれが操作するゲーム装置11と、複数のプレイヤのそれぞれを撮影するカメラ16とが設置される。そして、複数のゲーム装置11同士が通信可能に接続される。代替的に、一台のゲーム装置11に複数のプレイヤのそれぞれが操作するコントローラが接続されていてもよい。または、複数のプレイヤがそれぞれのゲーム装置11でプレイしたゲームの結果を競う場合、例えば、複数のプレイヤが音楽ゲーム又はパズルゲームの得点を競う場合、複数のゲーム装置11同士は通信を行わなくともよい。
【0024】
作成システム30は、ゲーム映像を記憶するレコーダ31と、ゲーム映像に関連映像を合成して配信用映像を作成するビデオミキサ41とを備えている。レコーダ31は、ビデオミキサ41から関連映像を取得して、取得した関連映像を記憶する。また、ビデオミキサ41は、カメラ16から関連映像を取得する。関連映像は、少なくともゲームのプレイ中に記録された映像であればよい。一例として、関連映像は、プレイヤ、観客、会場10の様子、ゲーム装置11の操作部、及びゲーム画面等を撮影して得られた映像である。さらに、関連映像は、対戦相手、司会者、及び解説者等を撮影して得られた映像であってもよい。なお、レコーダ31とビデオミキサ41とは一体的に構成されていてもよい。例えば、コンピュータ装置である作成サーバが、配信用映像を作成するとともに、ゲーム映像を記憶してもよい。
【0025】
プレイヤがプレイするゲームは、一例として、スポーツゲームであり、プレイヤが操作する野球選手が所属するチームを相手チームと対戦させる野球ゲームである。なおプレイヤがプレイするゲームは、FPS(ファーストパーソン・シューティング)ゲーム、TPS(サードパーソン・シューティング)ゲーム、RTS(リアルタイム・ストラテジー)ゲーム、MOBA(マルチプレイ・オンライン・バトルアリーナ)ゲーム、MMORPG(マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロール・プレイング・ゲーム)、格闘ゲーム、レーシングゲーム、パズルゲーム、トレーディングカードゲーム、及びオンライン・ストラテジーゲーム等の他のゲームであってもよい。以下では、プレイヤが野球ゲームをプレイする場合を主に説明する。
【0026】
[ゲーム映像の再表示]
図2及び図3を参照して、ゲーム映像の再表示について説明する。ゲーム装置11は、再表示機能として、ゲーム映像のみを再表示する機能、又はゲーム映像を再表示し且つプレイヤによるゲーム操作を受け入れる機能を有している。ゲーム装置11は、ゲームの対戦における優劣を左右するような重要なイベントが発生した場合に、プレイを一時中断して、発生したイベントを再現する。なお、イベントは、ゲームの進行に起因して生じるイベント(例えば、戦闘、及びゲーム結果の発表等)と、プレイヤのプレイに起因して生じるイベント(得点、及び得点に伴う演出等)とを含む。
【0027】
再現されるイベントとしては、野球ゲームであれば、ホームランを打ったこと、ファインプレイをしたこと、及び対戦に勝利したこと等である。サッカーゲームであれば、再現するイベントは、シュートが決まったこと、キーパーがナイスセーブをしたこと等である。さらに、ゲームの途中経過の振り返り、及びゲームの回想シーン等において、イベントが再現されてもよい。これらのイベントが発生した場合、ゲーム装置11は、ゲーム映像の状況を再現することによってイベントに関連するゲーム映像を一定時間表示する。イベントの再現は、プレイヤ及び観戦ユーザに対して、プレイ結果の成功又は失敗をより深く実感させるために行われる。ゲーム装置11は、ゲームプログラムによって、イベントの再表示を実行するか否かを判断する。そして、ゲーム装置11は、再表示を実行すると判断すると、自動的にイベントの再表示を実行する。代替的に、ゲーム装置11は、プレイヤの操作に従って、イベントの再表示を実行してもよい。
【0028】
一例として、ゲーム装置11は、野球ゲームの得点シーンを再表示する。この場合、ゲーム装置11は、再表示するイベントに対応するゲーム映像の表示速度及び視点の少なくとも一方を変えて表示してもよい。すなわち、ゲーム装置11は、既に表示されたゲーム映像の表示に代えて、表示速度及び視点の少なくとも一方を変えたゲーム映像を表示してもよい。さらに、ゲーム装置11は、イベントを複数回再表示してもよく、それぞれのイベントの再表示においてゲーム映像の表示速度及び視点の少なくとも一方を変えてもよい。
【0029】
図2は、プレイヤがゲームをプレイしている途中の配信用映像の視聴画面の概略説明図である。図2の例では、プレイヤが打者を操作しており、コンピュータが投手を操作している。そして、ゲーム映像画面GVとプレイヤの関連映像画面RVとが配信用映像として同時に表示されている。プレイヤがホームランを打った瞬間、プレイヤは両手を上げて喜びを表現している。このようなプレイヤの様子は、観戦ユーザの視聴対象となっている。一方、図3は、参考例に係る視聴画面を示し、イベントの再表示中の配信用映像の視聴画面の概略説明図である。イベントの再表示中、ホームランを打った瞬間であるが、関連映像画面RVにおけるプレイヤは喜んでおらず、コントローラを持って落ち着いている。特にライブ配信である場合、映像を編集する時間が無く、イベントの再表示中に関連映像画面RVを他の映像と差し替えることは困難である。
【0030】
[配信システムの制御系]
このような問題を解決する配信システム100の制御系について、図4を参照して説明する。ビデオミキサ41は、ミキサ制御部42と、ミキサ記憶部43とを有している。また、レコーダ31は、レコーダ制御部32と、レコーダ記憶部33とを有している。また、配信サーバ20は、サーバ制御部22と、サーバ記憶部23とを有している。また、ゲーム装置11は、ゲーム制御部12と、ゲーム記憶部13とを有している。
【0031】
ミキサ制御部42、レコーダ制御部32、サーバ制御部22、及びゲーム制御部12は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、プロセッサの動作に必要な内部メモリと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。一例として、これらのプロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)であり、所定のプログラムに基づいて、装置全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。
【0032】
ミキサ記憶部43、レコーダ記憶部33、サーバ記憶部23、及びゲーム記憶部13は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体を含んだ記憶装置である。そして、各記憶部は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を含む。プロセッサは、ROM又はHDDに記憶された制御プログラムに従って、種々の演算、制御、及び判断等の処理動作を実行できる。なお、各記憶部は、一の記憶装置に全てのデータを保持してもよいし、複数の記憶装置にデータを分散して記憶してもよい。また、ミキサプログラムMPと、レコーダプログラムRPと、サーバプログラムSPと、ゲームプログラムGPとが協働して、配信システム100用のコンピュータプログラムとして機能する。
【0033】
[ビデオミキサ]
ビデオミキサ41は、複数の映像入力信号を合成し、様々な特殊効果を加えることもできる。また、ビデオミキサ41は、会場10に隣接したコントロールルーム等に設置されており、カメラ16(図1)、ゲーム装置11、配信サーバ20、及びレコーダ31に接続されている。そして、ビデオミキサ41は、ビデオミキサ41を制御するミキサ制御部42と、ミキサ制御部42によって実行される制御プログラムであるミキサプログラムMPを記憶するミキサ記憶部43とを備えている。ミキサ制御部42は、ゲーム映像取得手段の一例である映像取得部44と、作成手段の一例である作成部45とを有している。
【0034】
映像取得部44は、ゲーム映像を取得する。一例として、映像取得部44は、ゲーム装置11からゲーム映像を取得する。代替的に、映像取得部44は、レコーダ31又は他の記憶装置からゲーム映像を取得してもよい。また、複数のゲーム装置11が使用されている場合、映像取得部44は、少なくとも一つのゲーム装置11からゲーム映像を取得する。一例として、複数のゲーム装置11に同一のゲーム画面が表示されるゲーム(例えば対戦型格闘ゲーム)がプレイされる場合、映像取得部44は、いずれかのゲーム装置11からゲーム映像を取得する。一方、複数のゲーム装置11のそれぞれに異なるゲーム画面が表示されるゲーム(例えばFPSゲーム及びレーシングゲーム)がプレイされる場合、映像取得部44は、それぞれのゲーム装置11からゲーム映像を取得する。
【0035】
また、映像取得部44は、カメラ16から関連映像を取得する。代替的に、映像取得部44は、レコーダ31又は他の記憶装置から関連映像を取得してもよい。さらに、ゲーム装置11がゲームのプレイを中断してイベントを再現する場合、映像取得部44は、レコーダ31から再表示関連映像を取得する。
【0036】
作成部45は、ゲーム装置11がイベントを再表示する場合に、映像取得部44が取得したゲーム映像と、レコーダ31において抽出される再表示関連映像とが同時に表示されるように、配信用映像を作成する。また、ゲームのプレイ中、作成部45は、映像取得部44が取得した関連映像を取得し、ゲーム映像と関連映像とが同時に表示されるように、配信用映像を作成する。一例として、作成部45は、関連映像とゲーム映像とに基づいて編集を行い、最終的な配信用映像を作成する。ミキサ制御部42は、作成部45が作成した配信用映像を、不図示の通信装置を介して配信サーバ20へ送信する。なお、会場10に複数のカメラ16が設置されている場合、作成部45は、複数のカメラ16から関連映像を取得してもよい。
【0037】
一例として、作成部45は、ゲーム映像に関連映像又は再表示関連映像を重ね合わせて配置する。具体的に、作成部45は、ゲーム映像の表示領域を含む下レイヤーに、関連映像又は再表示関連映像を含む上レイヤーを重ね合わせる。さらに、作成部45は、関連映像又は再表示関連映像を表示させるワイプ画面をゲーム映像に重ねて表示させてもよい。もしくは、作成部45は、ゲーム映像を表示させる第1画面と、関連映像又は再表示関連映像を表示させる第2画面とを並べて表示させてもよい。
【0038】
なお、作成部45が作成する配信用映像に含まれるゲーム映像には、ゲーム装置11がイベントを再表示する場合にゲーム画面に表示される映像が含まれる。すなわち、ゲーム映像には、プレイヤが見ているゲーム画面に表示される映像が含まれる。そのため、観戦ユーザは、イベントが再表示されている間、再表示関連映像とともに、再表示されるイベントのゲーム映像を視聴できる。
【0039】
[レコーダ]
レコーダ31は、取得した映像を随時記憶するとともに、記憶した映像を表示する。また、レコーダ31は、ビデオミキサ41と同様に会場10に隣接したコントロールルーム等に設置されている。そして、レコーダ31が記憶する映像は、必要に応じてビデオミキサ41に送信される。また、レコーダ31は、ゲーム装置11、及びビデオミキサ41に接続されている。代替的に、レコーダ31は、カメラ16と接続されて、関連映像を記憶してもよい。なお、ビデオミキサ41とレコーダ31と別体であっても一体であってもよい。
【0040】
また、レコーダ31は、レコーダ31を制御するレコーダ制御部32と、レコーダ制御部32によって実行される制御プログラムであるレコーダプログラムRPを記憶するレコーダ記憶部33とを備えている。レコーダ制御部32は、関連映像取得手段の一例である関連映像取得部34と、情報取得手段の一例である情報取得部35と、抽出手段の一例である抽出部36と、時間調整手段の一例である時間調整部37とを有している。
【0041】
関連映像取得部34は、ゲームのプレイ中に記憶された関連映像を取得する。一例として、関連映像取得部34は、カメラ16が撮影した関連映像を、ビデオミキサ41から取得する。関連映像は、第1視点から見た映像である第1視点映像と、第1視点とは異なる第2視点から見た映像である第2視点映像とを含んでいてもよい。この場合、関連映像取得部34は、第1視点映像及び第2視点映像の両方を関連映像として取得する。さらに、関連映像取得部34は、プレイヤを特定する情報と関連付けて、レコーダ記憶部33に両映像を記憶させる。
【0042】
情報取得部35は、ゲーム装置11が提供するゲームにおいて、ゲームの進行中に発生したイベントが再表示される場合に、イベントの発生タイミングを特定するタイミング特定情報を取得する。さらに、情報取得部35は、イベントが再表示される場合の再表示速度及び再表示時間の少なくとも一方を含む再表示情報を取得する。再表示速度は、再表示されるゲーム映像の表示速度であり、再表示時間は再表示されるイベントの表示時間の長さである。
【0043】
また、情報取得部35は、イベントの再表示の対象となるプレイに関連するプレイヤを特定するプレイヤ情報をさらに取得する。プレイヤ情報は、複数のプレイヤのいずれか又はいずれかのチームを特定する情報であって、プレイヤを特定可能な識別情報である。一例として、識別情報は、コントローラID、プレイヤID、チームID、プレイヤ名、チーム名、及びゲーム装置ID等である。さらに、情報取得部35は、イベントの再表示の停止又は一時停止を示す停止情報を取得する。一例として、情報取得部35は、ゲーム装置11のゲーム制御部12からタイミング特定情報、再表示情報、プレイヤ情報、及び停止情報を取得する。代替的に、情報取得部35は、オペレータが入力したタイミング特定情報、再表示情報、プレイヤ情報、及び停止情報を取得してもよい。
【0044】
抽出部36は、情報取得部35が取得したタイミング特定情報によって発生タイミングを特定し、特定した発生タイミングに基づいて、関連映像から再表示関連映像を抽出する。例えば、抽出部36は、レコーダ記憶部33に記憶された関連映像から再表示関連映像を抽出する。その後、レコーダ制御部32は、再表示関連映像をビデオミキサ41に送信する。これにより、ビデオミキサ41は、レコーダ31に記憶された関連映像から再表示関連映像を表示することができる。さらに、タイミング特定情報は、発生タイミングの情報と、再表示されるイベントの長さの情報とを含んでいてもよい。これにより、抽出部36は、関連映像からイベントの再表示に必要な長さの再表示関連映像を抽出できる。例えば、発生タイミングがゲーム開始から21分50秒経過時であったときに、イベントの長さが60秒であれば、抽出部36は、21分50秒経過時から22分50秒経過時までの関連映像を再表示関連映像として抽出する。
【0045】
一例として、抽出部36は、イベントの再表示時間の長さを特定して、発生タイミングから特定した長さの時間を経過するまでに撮影された関連映像を再表示関連映像として抽出する。なお、再表示関連映像は、発生タイミングに基づいて特定されるタイミング又は期間に得られた映像を含んだ映像である。例えば、再表示関連映像は、イベントの発生タイミングと同時、発生タイミングより前、及び発生タイミングより後に得られた映像の少なくとも一つを含んでいる。図2の例で説明すると、再表示関連映像は、ホームランを打った瞬間(ゲーム制御部12がホームランを判定した瞬間)、ホームランを打つ前、及びホームランを打った後に得られた映像の少なくとも一つを含んでいる。そのため、抽出部36は、発生タイミングを含むように、発生タイミングの前から特定した長さの時間を経過するまでに撮影された関連映像を再表示関連映像として抽出してもよい。
【0046】
ただし、抽出部36が、発生タイミングと同時に記憶された映像を含むように、関連映像から再表示関連映像を抽出することにより、最もイベントに関連する映像を再表示関連映像に含めることができる。また、再表示関連映像は、ゲーム装置11によるイベントの再表示時間と同じか、短いか、又は長い表示時間の映像のいずれであってもよい。ただし、再表示時間と同じ長さの表示時間とすることによって、イベントの再表示と再表示関連映像の表示との終了タイミングを一致させることができる。
【0047】
また、情報取得部35がイベントの再表示の開始時にタイミング特定情報を取得すると、抽出部36は、ゲーム映像に関連付けられた時間データと同期して記憶された関連映像の中から、発生タイミングに基づいて再表示関連映像を抽出する。例えば、抽出部36は、発生タイミングから所定時間の長さの関連映像を再表示関連映像として抽出する。そして、レコーダ制御部32は、再表示関連映像をビデオミキサ41に送信する。代替的に、情報取得部35は、イベントの再表示の開始前に予めタイミング特定情報を取得してもよい。この場合、抽出部36は、予め再表示関連映像を抽出しておいてもよい。そして、レコーダ制御部32は、イベントの再表示の開始タイミングに合わせて、予め抽出された再表示関連映像をビデオミキサ41に送信する。
【0048】
また、関連映像が互いに異なる視点に基づく第1視点映像及び第2視点映像を含んでいる場合、抽出部36は、情報取得部35が取得したプレイヤ情報に基づいて第1視点映像及び第2視点映像の一方を選択する。そして、選択した映像から再表示関連映像を抽出する。これにより、配信用映像は、抽出部36が選択した映像を含むことになる。そのため、配信システム100は、再表示するイベントに関連するプレイヤの映像を、関連映像として配信できる。なお、第1視点は複数のプレイヤの一方に対応しており、第2視点は複数のプレイヤの他方に対応している。例えば、第1視点は一方のプレイヤを見る視点であり、第2視点は他方のプレイヤを見る視点である。代替的に、第1視点及び第2視点は、プレイヤの手元を見る視点、ゲーム画面を見る視点、又はプレイヤ自身の視点等であってもよい。さらに、三人以上のプレイヤがいる場合、関連映像は、三つ以上の視点から見た映像を含んでいてもよい。この場合であっても、各視点映像は、各プレイヤに対応しており、プレイヤ情報に基づいて選択可能である。
【0049】
プレイヤ情報は、例えばコントローラID等であり、イベントの再表示の対象となるプレイに関連するプレイヤを特定する情報である。一例として、プレイヤ情報は、評価の高いプレイをしたプレイヤ、勝ったプレイヤ、負けたプレイヤ、及び得点したプレイヤ等を特定する。情報取得部35は、ゲーム装置11からプレイヤ情報を取得することに代えて、作成システム30のオペレータが入力したプレイヤ情報を取得してもよい。
【0050】
なお、配信用映像は、第1視点映像及び第2視点映像の両方を含んでいてもよい。また、ビデオミキサ41の作成部45が、プレイヤ情報に基づいて第1視点映像及び第2視点映像の一方を選択してもよい。この場合、情報取得部35は、ビデオミキサ41に設けられている。そして、作成部45は、取得したプレイヤ情報に基づいて第1視点映像及び第2視点映像の一方を選択する。その後、作成部45は、選択した映像を含むように、配信用映像を作成する。
【0051】
また、抽出部36は、情報取得部35が停止情報を取得すると、再表示関連映像の抽出を停止する。これにより、プレイヤがイベントの再表示の停止又は一時停止を選択した場合に、再表示関連映像の抽出が停止する。その結果、レコーダ制御部32は、再表示関連映像のビデオミキサ41への送信を停止する。そのため、イベントの再表示の停止又は一時停止と合わせて、再表示関連映像の表示が停止又は一時停止される。代わりに、ビデオミキサ41の作成部45は、カメラ16から取得した関連映像をゲーム映像に合成して配信用映像を作成する。これにより、再表示の停止後に撮影された関連映像が、再表示関連映像の代わりに配信される。代替的に、情報取得部35が停止情報を取得すると、レコーダ制御部32は、再表示関連映像のビデオミキサ41への送信を停止してもよい。この場合も、イベントの再表示の停止又は一時停止と合わせて、再表示関連映像の表示が停止又は一時停止される。
【0052】
なお、抽出部36は、情報取得部35がゲーム装置11からイベントの再表示の再開を示す再開情報を取得すると、再表示関連映像の抽出を再開する。これにより、レコーダ制御部32は、再表示関連映像のビデオミキサ41への送信を再開する。すなわち、レコーダ制御部32は、停止後に撮影された関連映像に代えて再表示関連映像をビデオミキサ41へ送信する。その結果、イベントの再表示の再開と合わせて、再表示関連映像の表示が再開される。
【0053】
時間調整部37は、再表示関連映像の再生速度及び再生時間の少なくとも一方を調整する。具体的に、時間調整部37は、情報取得部35が取得した再表示情報に基づいて、再表示関連映像の再生速度又は再生時間を決定する。そして、時間調整部37は、決定した再生速度又は再生時間となるように、再表示関連映像の再生速度及び再生時間を調整する。例えば、イベントの再現時に再表示されるゲーム映像の表示速度が、1倍速から0.5倍速に変化することがある。この場合、時間調整部37は、表示速度が変化するタイミングに合うように、再表示関連映像の再生速度を1倍速から0.5倍速に変化させる。これにより、イベントの再表示中に変化する表示速度に対応させて、再表示関連映像の再生速度を変化させることができる。
【0054】
なお、時間調整部37は、再表示関連映像の再生速度を変えずに、再生時間の長さだけを変えてもよい。例えば、時間調整部37は、再表示情報に基づいて、イベントが再表示される時間の長さを特定する。そして、時間調整部37は、特定した時間と一致するように、再表示関連映像の再生時間を調整する。一例として、時間調整部37は、再表示関連映像の任意の部分を削除することによって、再生時間を調整する。これにより、イベントの再表示の終了タイミングと、再表示関連映像の表示の終了タイミングを合わせることができる。また、イベントの再表示前に再表示関連映像が抽出されている場合、時間調整部37は、イベントの再表示前に再表示関連映像を調整してもよい。
【0055】
レコーダ記憶部33は、映像記憶手段の一例であり、関連映像D1を記憶している。レコーダ記憶部33は、プレイヤがゲームをプレイしている間に関連映像D1を記憶する。例えば、レコーダ記憶部33は、カメラ16が撮影した関連映像D1をビデオミキサ41から取得して記憶する。代替的に、レコーダ記憶部33は、カメラ16から関連映像D1を取得して記憶してもよい。または、レコーダ記憶部33は、外部記憶装置から関連映像D1を取得して記憶してもよい。さらに、レコーダ記憶部33は、ゲーム装置11又はビデオミキサ41から取得したゲーム映像を記憶してもよい。
【0056】
[配信サーバ]
配信サーバ20は、配信サーバ20を制御するサーバ制御部22と、サーバ制御部22によって実行される制御プログラムであるサーバプログラムSPを記憶するサーバ記憶部23と、不図示の通信部とを備えている。そして、サーバ制御部22は、配信制御手段の一例である配信制御部24を有している。また、サーバ記憶部23は、作成部45から受信した配信用映像を記憶する。
【0057】
サーバ制御部22には、装置の入力状態、設定状態、計測結果、及び各種情報を表示する表示装置が、有線接続又は無線接続されている。また、サーバ記憶部23には、所定の指令及びデータを入力するキーボード若しくは各種スイッチを含む操作装置が、有線接続又は無線接続されている。なお、サーバ制御部22は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CF(Compact Flash)カード、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。
【0058】
配信制御部24は、作成部45が作成した配信用映像を受け取り、観戦ユーザの表示装置60に配信する。すなわち、配信制御部24は、配信用映像を配信するための各種制御を実行する。一例として、配信制御部24は、観戦ユーザがアクセスするWebページに、配信用映像を表示する。配信用映像の配信は、各観戦ユーザに一斉に配信する形式であり、一例としてリアルタイムでの映像配信(ライブ配信)の形式である。ここでライブ配信とは、撮影又はキャプチャーされた映像を即時配信する形式であり、観戦ユーザは、配信のタイミングを選択することができない。
【0059】
[ゲーム装置]
ゲーム装置11は、ゲーム制御部12、ゲーム記憶部13、ゲーム操作部14、ゲーム表示部15、及び不図示の音声出力装置及び通信部を備えている。ゲーム記憶部13は、ゲーム制御部12によって実行される制御プログラムであるゲームプログラムGPと、イベントデータD2とを記憶している。ゲーム制御部12は、ゲーム装置11を制御するとともに、ゲームプログラムGPを実行することによって、ユーザにゲームをプレイさせる。また、ゲーム操作部14は、コントローラ、又はタッチパネル等の操作装置であり、ユーザによるゲーム操作の入力を受け付ける。ゲーム表示部15は、ディスプレイ、又はタッチパネル等の表示装置であり、ユーザがプレイするゲームのゲーム画面を表示する。ゲーム操作部14及びゲーム表示部15は、ゲーム装置11と一体であってもよく、別体であってもよい。
【0060】
ゲーム制御部12は、ゲームの進行を制御するとともに、ゲームの進行中にイベントを再表示する。一例として、ゲーム制御部12は、ゲームプログラムGPによって特定されたタイミングで、特定のイベントを再表示する。具体的に、ゲーム制御部12は、イベント発生時に、再表示されるイベントか否かを判定する。そして、再表示されるイベントであると判定すると、ゲーム制御部12は、イベントデータD2として、ゲームの状況パラメータ及びユーザによるゲーム操作の情報等のイベントを再現するための情報を、ゲーム記憶部13に記憶させる。代替的に、ゲーム制御部12は、再表示させるゲーム映像をゲーム記憶部13に記憶させてもよい。例えば、再表示させるゲーム映像は、イベント発生時に表示したゲーム映像と同一の映像である。さらに、ゲーム制御部12は、イベントの発生時刻を、イベントの発生タイミングとしてイベントデータD2に含めて記憶させる。
【0061】
代替的に、再表示されるゲーム映像は、イベント発生時に表示されたゲーム映像とは異なる視点から見たゲーム映像であってもよい。例えば、再表示されるゲーム映像は、視点(例えばゲーム内の仮想カメラの位置)、又は視界範囲(例えばズーム等によって変化する表示範囲)が、イベント発生時に表示されたゲーム映像とは異なっている。一例として、ゲーム制御部12は、イベント発生時に、打者の背後から見る視点のゲーム映像を表示させる。そして、イベントを再表示する際に、ゲーム制御部12は、スタンド席に入る打球を見る視点のゲーム映像を表示させる。
【0062】
あるいは、サッカーゲームの例でキーパーがナイスセーブをした場合、ゲーム制御部12は、イベント発生時に、フィールドを見下ろす視点のゲーム映像を表示させる。そして、イベントを再表示する際に、ゲーム制御部12は、ゴールネットの裏側からから見る視点のゲーム映像を表示させる。イベントを再表示する際には、プレイのし易さを考慮する必要が無い。そのため、演出として、イベントのナイスプレイをしたゲームキャラクタにフォーカスする視点の映像に変更することができる。
【0063】
さらに、イベントデータD2は、再表示されるイベントに関連する関連情報を含んでいる。そして、ゲーム制御部12は、ゲームプログラムGPによって定められたタイミングで関連情報の少なくとも一部を、レコーダ31に送信する。図5の表に示すように、関連情報は、イベント識別情報の一例であるイベントIDと、タイミング特定情報の一例である発生タイミングと、再表示情報の一例である表示時間及び表示速度と、プレイヤ情報とを含んでいる。イベントIDは、どのイベントを識別するための識別情報であり、一例として、イベントの発生順に付与される番号である。複数のイベントが再表示される場合、どのイベントであるかを特定するために利用される。
【0064】
発生タイミングは、再表示されるイベントが発生した時を示しており、図5の例では所定の基準からの経過時間である。所定の基準は、ゲーム装置11のタイマーに基づいて定めることができる。若しくは、ゲーム装置11のタイマーとレコーダ31のタイマーとの間で同期をとり、同期開始時点を基準としてもよい。代替的に、所定の基準を、ビデオミキサ41又はレコーダ31のタイマーに基づいて定めてもよい。さらに、所定の基準は、ゲーム開始時点、及びその他の任意の時点であってもよく、会場10の所在地の標準時に基づいて定めてもよい。
【0065】
また、タイミング特定情報は、イベントの再表示時点を基準として、基準からどの程度前の時点であるのかを示していてもよい。さらに、タイミング特定情報は、発生タイミングの他に、イベントの終了タイミングであってもよい。この場合、抽出部36は、終了タイミングから、再表示時間を減算して得られたタイミングを発生タイミングとして特定する。
【0066】
さらに、タイミング特定情報は、再表示されるイベントの識別情報(例えばイベントID)であってもよい。例えば、レコーダ31は、イベントの発生タイミングにゲーム装置11からの指示を受けて、所定の時間の関連映像を、イベントの識別情報と関連付けて再表示関連映像として記憶しておく。そして、タイミング特定情報としてイベントの識別情報を取得すると、抽出部36は、イベントの識別情報に基づいて発生タイミングを特定する。具体的に、抽出部36は、何番目に発生したイベントであるかを特定する。そして、特定したイベントの識別情報に関連付けられている再表示関連映像を抽出する。
【0067】
表示時間は、イベントを再表示する時間の長さである。図5の例では、イベントID「0001」と「0003」の表示時間がそれぞれ10秒であり、イベントID「0002-1」と「0002-2」の表示時間がそれぞれ5秒である。なお、イベントID「0002-1」と「0002-2」とは、それぞれ同じイベントの一部である。
【0068】
表示速度は、イベントを再表示する際の表示速度である。イベント発生時のゲーム映像の表示速度を1とした場合に、それに対する速度を示している。例えば、1倍速であれば、ゲーム制御部12は、イベント発生時のゲーム映像の表示速度と同じ速度でゲーム映像を表示する。また、0.5倍速であれば、ゲーム制御部12は、イベント発生時のゲーム映像の表示速度の半分の速度でゲーム映像を表示する。なお、レコーダ31の時間調整部37は、表示速度に合わせるように、再表示関連映像の再生速度を調整する。
【0069】
さらに、図5の例では、イベントID「0002-1」と「0002-2」とで表示速度が異なっている。すなわち、一つのイベントを再表示する際に、途中から(23分20秒経過時から)表示速度が遅くなっている。例えば、動きが早くてプレイヤに分かり難いイベントの場合、又は感動的な演出をしたい場合、ゲーム制御部12は、表示速度を減速させてイベント発生時よりも遅く表示させる。野球ゲームの例でいえば、アウトの判定タイミングがシビアとなるダブルプレイのイベントが発生した場合、ゲーム制御部12は、イベントを再表示する際のゲーム映像の表示速度を、イベント発生時よりも遅くする。
【0070】
他の例として、ゲームのテンポを良くしたい場合、ゲーム制御部12は、表示速度を増速させてイベント発生時よりも早く表示させてもよい。図5の例では、イベントID「0003」の表示速度は、イベント発生時の2倍である。これにより、再表示の時間を短くして、ゲームのテンポを良くすることができる。さらに、ゲーム制御部12は、表示速度の増減をプレイヤが決定できるように構成されてもよい。例えば、ゲーム制御部12は、プレイヤがコントローラの特定のボタンを押すと、イベントを再表示する際の表示速度を、早く又は遅くする。この場合、プレイヤがボタンを押したときに、ゲーム制御部12は、再生速度をレコーダ31に送信する。
【0071】
プレイヤ情報は、イベントの再表示の対象となるプレイに関連するプレイヤを特定する情報である。例えば、ナイスプレイと判定されたイベントを再表示する場合、対戦している二人のプレイヤのいずれであるのかを示す情報である。図5の例では、プレイヤ情報が、コントローラID「1P」を示しており、当該コントローラIDによって特定されるコントローラを使用しているプレイヤであることを示している。これにより、抽出部36は、プレイヤ情報に基づいて、イベントの再表示の対象となるプレイに関連する関連映像を、再表示関連映像として抽出できる。例えば、二つのチームが対戦するゲームにおいて、イベントを再表示する際に、一方のチームを見た視点の関連映像を表示する場合、抽出部36は、再表示されるプレイヤ(例えばナイスプレイをしたプレイヤ)の関連映像を抽出できる。なお、イベントID「0002-1」と「0002-2」は、コンピュータによるプレイであるため、プレイヤ情報が設定されていない。ただし、コンピュータであることを特定するプレイヤ情報が設定されていてもよい。
【0072】
なお、ゲーム制御部12は、ゲームプログラムGPを実行することによって、ゲームの進行を制御するが、外部のゲームサーバ(不図示)と協働してゲームの進行を制御してもよい。例えば、ゲームサーバがゲームの少なくとも一部の進行を制御し、ゲーム制御部12は、その結果をゲーム表示部15に表示させてもよい。このゲームサーバは、ゲーム装置11からプレイデータを収集し、収集したプレイデータを管理してもよい。
【0073】
[配信システムによる処理フロー]
図6から図9を参照して配信システム100による配信用映像の作成フローについて説明する。詳細は以下に説明するが、配信システム100は、所定の開始条件が満たされると処理を開始する。例えば、配信システム100は、ライブ配信する場合、オペレータの操作に従って処理を開始する。そして、ゲーム装置11は、イベントの再表示を実行する際に、そのイベントが発生したタイミングを特定可能なタイミング特定情報をレコーダ31に送信する。そして、レコーダ31は、タイミング特定情報を元に、イベント発生時に撮影された関連映像を再表示関連映像として抽出する。図6はゲーム装置11による処理フローであり、図7はビデオミキサ41による処理フローであり、図8はレコーダ31による処理フローであり、図9は配信サーバ20による処理フローである。
【0074】
図6に示すように、ゲーム装置11のゲーム制御部12は、プレイヤの操作に従ってゲームを開始する(S601)。そして、ゲーム制御部12は、ゲーム表示部15にゲーム映像を表示させるとともに、ビデオミキサ41へゲーム映像を送信する(S602)。図7に示すように、ビデオミキサ41の映像取得部44は、ゲーム装置11からゲーム映像を取得する(S701)。さらに、映像取得部44は、カメラ16から関連映像を取得する(S702)。そして、ビデオミキサ41のミキサ制御部42は、取得した関連映像をレコーダ31に送信する(S703)。
【0075】
図8に示すように、レコーダ31の関連映像取得部34は、ビデオミキサ41から関連映像を取得する(S801)。そして、レコーダ31のレコーダ記憶部33は、関連映像取得部34が取得した関連映像を記憶する(S802)。図7に戻り、ビデオミキサ41の作成部45は、映像取得部44が取得したゲーム映像と関連映像とが同時に表示されるように、配信用映像を作成する(S704)。そして、ミキサ制御部42は、配信用映像を配信サーバ20に送信する(S705)。図9に示すように、配信サーバ20の配信制御部24は、ビデオミキサ41から配信用映像を取得する(S901)。そして、配信制御部24は、ゲーム映像と関連画面とを含む配信用映像を表示装置60へ配信する(S902)。表示装置60は、自らの表示部に配信用映像を表示させる。
【0076】
図6に戻り、ゲーム制御部12は、イベントが発生すると、当該イベントが再表示されるイベントか否かを判定する(S603)。再表示するイベントではない場合(S603でNO)、ゲーム制御部12は、ゲームの進行とゲーム映像の送信とを繰り返す。一方、再表示するイベントである場合(S603でYES)、ゲーム制御部12は、イベントデータD2として、イベントを再表示させるための情報をゲーム記憶部13に記憶させる(S604)。
【0077】
その後、ゲームの進行に伴い、ゲーム制御部12はイベントを再表示するか否かを判定する(S605)。そして、ゲームプログラムGPによって特定されたタイミングに到達している場合、ゲーム制御部12は、イベントを再表示すると判定する(S605でYES)。一方、特定されたタイミングに到達していない場合、ゲーム制御部12は、イベントを再表示しないと判定して(S605でNO)、ゲームの進行とゲーム映像の送信とを繰り返す。イベントを再表示する場合、ゲーム制御部12は、イベントデータD2に含まれる関連情報をレコーダ31に送信する(S606)。そして、ゲーム制御部12は、イベントデータD2を用いてイベントを再現することによって、ゲーム表示部15にゲーム映像を再表示させるとともに、ビデオミキサ41へ再表示させるゲーム映像を送信する(S607)。
【0078】
その後、勝敗が決した等の理由によってゲームを終了する場合(S608でYES)、ゲーム装置11は処理を終了する。一方、ゲームを継続する場合(S608でNO)、ゲーム装置11は処理を繰り返す。その後、図7に示すように、ビデオミキサ41の映像取得部44は、ゲーム装置11から再表示されるイベントのゲーム映像を取得する(S701)。
【0079】
図8に示すように、レコーダ31の情報取得部35は、ゲーム装置11から関連情報を取得する(S803)。そして、情報取得部35は、関連情報に含まれているタイミング特定情報を取得する。レコーダ31の抽出部36は、再表示関連映像を抽出するために抽出処理を実行する(S804)。具体的に、抽出部36は、情報取得部35が取得したタイミング特定情報によって発生タイミングを特定し、特定した発生タイミングに基づいて、発生タイミングから所定の長さの関連映像を再表示関連映像として抽出する。
【0080】
さらに、関連情報にプレイヤ情報が含まれている場合(S805でYES)、抽出部36は、プレイヤ情報を取得する。そして、抽出部36は、関連映像に含まれている互いに異なる視点の複数の映像の中から、プレイヤ情報によって特定される視点に対応する映像を選択し(S806)、再表示関連映像として抽出する。一方、関連情報にプレイヤ情報が含まれていない場合(S805でNO)、次の処理へ進む。
【0081】
また、関連情報に再表示情報が含まれている場合(S807でYES)、時間調整部37は、再表示情報を取得する。そして、時間調整部37は、再表示情報に基づいて、再表示関連映像の再生速度又は再生時間を決定して、決定した再生速度又は再生時間となるように、再表示関連映像の再生速度及び再生時間を調整する調整処理を実行する(S808)。一方、関連情報に再表示情報が含まれていない場合(S807でNO)、次の処理へ進む。
【0082】
レコーダ31のレコーダ制御部32は、抽出された又は調整された再表示関連映像をビデオミキサ41に送信する(S809)。その後、ゲーム映像が最後まで配信された等の理由によって配信を終了する場合(S810でYES)、レコーダ31は処理を終了する。一方、配信を継続する場合(S810でNO)、レコーダ31は処理を繰り返す。
【0083】
ビデオミキサ41の映像取得部44は、レコーダ31から再表示関連映像を取得する。図7に示すように、映像取得部44が再表示関連映像を取得すると(S706でYES)、作成部45は、映像取得部44が取得したゲーム映像と再表示関連映像とが同時に表示されるように、配信用映像を作成する(S704)。そして、ミキサ制御部42は、配信用映像を配信サーバ20に送信する(S705)。なお、作成部45は、関連映像に代えて再表示関連映像が表示されるように、配信用映像を作成する。代替的に、作成部45は、関連映像に加えて再表示関連映像が表示されるように、配信用映像を作成してもよい。一方、再表示関連映像を取得しない場合(S706でNO)、次の処理へ進む。その後、ゲーム映像が最後まで配信された等の理由によって配信を終了する場合(S707でYES)、ビデオミキサ41は処理を終了する。一方、配信を継続する場合(S707でNO)、ビデオミキサ41は処理を繰り返す。
【0084】
そして、ミキサ制御部42が、ゲーム映像と再表示関連映像とを含む配信用映像を送信すると、図9に示すように、配信サーバ20の配信制御部24は、ビデオミキサ41から配信用映像を取得する(S901)。続いて、配信制御部24は、ゲーム映像と再表示関連映像とを含む配信用映像を表示装置60へ配信する(S902)。そして、表示装置60は、自らの表示部に配信用映像を表示させる。その後、ゲーム映像が最後まで配信された等の理由によって配信を終了する場合(S903でYES)、配信サーバ20は処理を終了する。一方、配信を継続する場合(S903でNO)、配信サーバ20は処理を繰り返す。
【0085】
なお、プレイヤがイベントの再表示を停止又は一時停止した場合、ゲーム装置11のゲーム制御部12は、イベントの再表示を停止又は一時停止する。さらに、ゲーム制御部12は停止情報をレコーダ31に送信し、レコーダ31の情報取得部35は停止情報を取得する。そして、情報取得部35が停止情報を取得すると、抽出部36は、再表示関連映像の抽出を停止する。そのため、プレイヤがイベントの再表示の停止又は一時停止を選択した場合に、再表示関連映像の抽出が停止する。これにより、映像取得部44による再表示関連映像の取得が停止される。代わりに、ビデオミキサ41の作成部45は、カメラ16から取得した関連映像をゲーム映像に合成して配信用映像を作成する。そして、ミキサ制御部42は、配信用映像を配信サーバ20に送信する。その後、配信サーバ20の配信制御部24は、ビデオミキサ41から配信用映像を取得する。続いて、配信制御部24は、ゲーム映像と関連映像とを含む配信用映像を表示装置60へ配信する。
【0086】
なお、ミキサ制御部42が情報取得手段として停止情報を取得した場合、映像取得部44による再表示関連映像の取得が停止されてもよい。この場合、映像取得部44は、レコーダ31からの再表示関連映像の取得を中断する。これにより、映像取得部44による再表示関連映像の取得が停止される。
【0087】
以上、説明した第1実施形態によれば、ゲーム装置11がゲーム映像を再表示するときに、再表示されるゲーム映像が得られた時期と同時期に得られた関連映像を配信することができる。そのため、ゲーム映像がイベントの再表示であっても、イベントの発生時の関連映像を配信できる。特にライブ配信の場合に、イベントの発生時の関連映像(例えば、イベントの発生時にプレイヤを撮影した映像)を配信できる。
【0088】
なお、再表示するイベントの表示速度をレコーダ31へ送信することに代えて、ゲーム装置11は、比較的に短い周期(例えば、1/30秒)で再表示するイベントの発生タイミングを特定する情報をレコーダ31へ送信してもよい。レコーダ31の抽出部36は、タイミング特定情報によって都度発生タイミングを特定して、再表示関連映像を抽出する。これにより、表示速度を示す情報がなくとも、イベントの再表示と同期するように再表示関連映像を抽出して配信できる。
【0089】
また、ビデオミキサ41の作成部45は、レコーダ31から再表示関連映像を取得した場合に、再表示関連映像と関連映像のいずれをゲーム映像に合成するのか選択してもよい。これにより、作成部45は、再表示関連映像の配信が不要な場合は、ゲーム映像に関連映像を合成して配信用映像を作成できる。また、時間調整部37は、ビデオミキサ41に設けられていてもよい。この場合、ミキサ制御部42は、ゲーム装置11から再生情報を取得する。そして、時間調整部37は、取得された再生情報に基づいて、映像取得部44が取得した再表示関連映像の再生速度及び再生時間の少なくとも一方を調整する。
【0090】
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0091】
例えば、関連情報を送信するゲーム制御部12は、ゲーム装置11と協働するゲームサーバに設けられていてもよい。また、ゲーム制御部12は、イベントの再表示時にタイミング特定情報等の関連情報を送信していたが、関連情報の送信タイミングは再表示時に限定されない。ゲーム制御部12は、再表示するイベントの発生時、イベントを再表示する時、及びイベントを再表示する前、及び再表示するイベントの発生後等の、いずれのタイミングで関連情報を送信してもよい。
【0092】
また、ゲーム制御部12は、再表示されるイベントが発生した時に、関連情報をレコーダ31へ送信してもよい。この場合、ゲーム制御部12は、イベントの再表示を開始する予定時刻を関連情報としてレコーダ31へ送信する。さらに、イベントの再表示が予め決まったタイミングで行われるゲームの場合、ゲーム制御部12は、再表示の対象となるイベントの発生前に関連情報を送信してもよい。例えば、所定時間で終了するゲームの終了時に、所定のゲーム映像が再表示される場合、ゲーム制御部12は、ゲーム開始時に関連情報をレコーダ31へ送信してもよい。この場合、ゲーム制御部12は、イベントの再表示を開始する時に、その旨を示す情報を関連情報としてレコーダ31へ送信する。レコーダ31の抽出部36は、当該情報を取得すると再表示関連映像の抽出を開始する。これにより、ゲーム装置11がイベントの再表示を中止した場合(例えば、プレイヤが再表示をキャンセルするように設定していた場合)、不要な再表示関連映像の抽出を省略できる。
【0093】
また、上述の説明においては、ビデオミキサ41において、配信されるゲーム映像に関連映像を合成していた。しかし、配信用映像の作成は、配信サーバ20のサーバ制御部22が実行してもよい。この場合、配信サーバ20がゲーム映像、関連映像及び再表示関連映像を、ゲーム装置11、レコーダ31及びカメラ16から取得する。さらに、配信用映像の作成は、レコーダ31のレコーダ制御部32が実行してもよい。この場合、レコーダ31がゲーム映像及び関連映像を、ゲーム装置11及びカメラ16から取得する。そして、配信サーバ20は、レコーダ31から配信用映像を取得する。
【0094】
以下、上述した各実施形態及び各変形例から導き出される各種の態様を記載する。なお、各態様の理解を容易にするため、添付図面に図示された参照符号を付記する。ただし、参照符号は、本発明を図示の形態に限定する意図で付記するものではない。
【0095】
プレイヤがプレイするゲームのゲーム映像を複数の観戦ユーザの表示装置(60)に配信する配信システム(100)は、前記ゲーム映像を取得するゲーム映像取得手段(44)と、前記ゲームのプレイ中に記憶された関連映像を取得する関連映像取得手段(34)と、前記ゲームにおいて、前記ゲームの進行中に発生したイベントが再表示される場合に、前記イベントの発生タイミングを特定するタイミング特定情報を取得する情報取得手段(35)と、前記タイミング特定情報によって特定された前記発生タイミングに基づいて、前記関連映像から再表示関連映像を抽出する抽出手段(36)と、前記ゲーム映像と前記再表示関連映像とが同時に表示されるように、配信用映像を作成する作成手段(45)と、前記配信用映像を前記表示装置に配信する配信制御手段(24)とを備える。
【0096】
コンピュータ(12,22,32,42)を備え、プレイヤがプレイするゲームのゲーム映像を複数の観戦ユーザの表示装置(60)に配信する配信システム(100)用のコンピュータプログラム(GP,MP,RP,SP)は、前記コンピュータを、前記ゲーム映像を取得するゲーム映像取得手段(44)と、前記ゲームのプレイ中に記憶された関連映像を取得する関連映像取得手段(34)と、前記ゲームにおいて、前記ゲームの進行中に発生したイベントが再表示される場合に、前記イベントの発生タイミングを特定するタイミング特定情報を取得する情報取得手段(35)と、前記発生タイミングに基づいて、前記関連映像から再表示関連映像を抽出する抽出手段(36)と、前記ゲーム映像と前記再表示関連映像とが同時に表示されるように、配信用映像を作成する作成手段(45)と、前記配信用映像を前記表示装置に配信する配信制御手段(24)として機能させる。
【0097】
コンピュータ(12,22,32,42)を備え、プレイヤがプレイするゲームのゲーム映像を複数の観戦ユーザの表示装置(60)に配信する配信システム(100)において、前記コンピュータに配信用映像を作成させる配信用映像の作成方法においては、前記ゲーム映像と、前記ゲームのプレイ中に記憶された関連映像とを取得し(S701,S702)、前記ゲームにおいて、前記ゲームの進行中に発生したイベントが再表示される場合に、前記イベントの発生タイミングを特定するタイミング特定情報を取得し(S803)、前記発生タイミングに基づいて、前記関連映像から再表示関連映像を抽出し(S804)、前記ゲーム映像と前記再表示関連映像とが同時に表示されるように、配信用映像を作成する(S704)。
【0098】
これにより、ゲーム装置11がゲーム映像を再表示するときに、再表示されるゲーム映像が得られた時期と同時期に得られた関連映像を配信することができる。そのため、ゲーム映像がイベントの再表示であっても、イベントの発生時の関連映像を配信できる。特にライブ配信の場合に、イベントの発生時の関連映像を配信できる。
【0099】
配信システム(100)は、前記ゲームの進行を制御するとともに、前記ゲームの進行中に前記イベントを再表示するゲーム制御手段(12)と、前記ゲームのプレイ中に前記関連映像を記憶する映像記憶手段(33)とをさらに備え、前記情報取得手段(35)は、前記ゲーム制御手段から前記タイミング特定情報を取得する。
【0100】
これにより、ゲーム装置11がゲーム映像を再表示するときに、再表示されるゲーム映像が得られた時期と同時期に得られた関連映像を配信することができる。
【0101】
配信システム(100)は、前記再表示関連映像の再生速度及び再生時間の少なくとも一方を調整する時間調整手段(37)をさらに備え、前記情報取得手段(35)は、前記イベントが再表示される場合の再表示速度及び再表示時間の少なくとも一方を含む再表示情報をさらに取得し、前記時間調整手段は、前記再表示情報に基づいて前記再生速度及び前記再生時間の少なくとも一方を調整する。
【0102】
これにより、再表示されるイベントの再表示時間又は再表示速度が、イベント発生時の表示時間又は表示速度と異なる場合に、再表示関連映像の再生速度又は再生時間を増減するように調整できる。例えば、再表示時の演出(映像の追加、繰り返し、スロー再生、及び早送り再生等)に起因して再表示時間又は再表示速度が変化した場合に、イベントの再表示時間と再表示関連映像の再生時間とを合わせることができる。そのため、イベントの再表示と再表示関連映像の再生との終了タイミングを揃えることができる。その結果、イベントの再表示が終了した時に再表示関連映像の再生を終了できるので、観戦ユーザに違和感を与えることを抑制できる。
【0103】
前記関連映像は、第1視点から見た映像である第1視点映像と、第1視点とは異なる第2視点から見た映像である第2視点映像とを含み、前記配信用映像は、前記第1視点映像及び前記第2視点映像の少なくとも一方を含む。また、前記情報取得手段(35)は、前記イベントの再表示の対象となるプレイに関連するプレイヤを特定するプレイヤ情報をさらに取得し、前記抽出手段(36)は、前記プレイヤ情報に基づいて選択された前記第1視点映像及び前記第2視点映像の一方を、前記再表示関連映像として抽出する。
【0104】
これにより、再表示されるイベントとの関連が深いプレイヤの関連映像を再表示関連映像として抽出できる。そのため、観戦ユーザは、イベントとの関連が深いプレイヤの関連映像を視聴できる。
【0105】
前記情報取得手段(35)は、前記イベントの再表示の停止又は一時停止を示す停止情報をさらに取得し、前記情報取得手段が前記停止情報を取得すると、前記再表示関連映像の取得が停止される。
【0106】
これにより、ゲーム装置11がイベントの再表示を停止した場合に、不要な再表示関連映像の抽出を省略できる。その結果、イベントの再表示を停止した場合に、再表示関連映像の配信を停止できるので、観戦ユーザに違和感を与えることを抑制できる。
【符号の説明】
【0107】
12 :ゲーム制御部(ゲーム制御手段、コンピュータ)
22 :サーバ制御部(コンピュータ)
24 :配信制御部(配信制御手段)
32 :レコーダ制御部(コンピュータ)
33 :レコーダ記憶部(映像記憶手段)
34 :関連映像取得部(関連映像取得手段)
35 :情報取得部(情報取得手段)
36 :抽出部(抽出手段)
37 :時間調整部(時間調整手段)
42 :ミキサ制御部(コンピュータ)
44 :映像取得部(ゲーム映像取得手段)
45 :作成部(作成手段)
60 :表示装置
100 :配信システム
GP :ゲームプログラム(コンピュータプログラム)
MP :ミキサプログラム(コンピュータプログラム)
RP :レコーダプログラム(コンピュータプログラム)
SP :サーバプログラム(コンピュータプログラム)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9