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特許7045736レーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッド及び作業方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】レーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッド及び作業方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/146 20140101AFI20220325BHJP
【FI】
B23K26/146
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020573405
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 CN2019120388
(87)【国際公開番号】W WO2020215715
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2020-12-28
(31)【優先権主張番号】201910340702.7
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520255609
【氏名又は名称】孫 樹峰
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】王 萍萍
(72)【発明者】
【氏名】呂 強強
(72)【発明者】
【氏名】孫 樹峰
(72)【発明者】
【氏名】孫 夢凡
(72)【発明者】
【氏名】孫 萌
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特開平3-501948(JP,A)
【文献】特開平11-123583(JP,A)
【文献】特表2017-533100(JP,A)
【文献】特開2007-185694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続部を含む噴射機構であって、接続部にはノズルと鏡筒の内部スペースとに連通される通路が配置されており、接続部は、一端に鏡筒が接続され、他端がノズルに接続されてノズルの内部に挿入され、ノズルの内部に挿入される部分にノズルの側壁に密接するフランジが配置され、ノズルの内部に挿入される部分がノズルの側壁とともに環形キャビティを形成しており、フランジには複数の貫通孔が配置され、貫通孔は環形キャビティ及びノズルの内部スペースに連通されており、前記環形キャビティの位置するノズルの側壁には、設定圧の飽和塩溶液を環形キャビティに注入するための注液口が配置され、環形キャビティが飽和塩溶液で満たされた後、飽和塩溶液は貫通孔を流れ、ノズルから噴射されて、溶液によって乱流が発生し、レーザビームの照射及び伝搬を影響することを防止する噴射機構と、
両端が開口した冷却シリンダを含み、前記冷却シリンダの内部には、ノズルから噴射されて冷却シリンダを流れる飽和塩溶液を冷却し、微細結晶粒を析出させる冷却ダクトが配置される冷却機構と、を含む、ことを特徴とするレーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッド。
【請求項2】
前記鏡筒は、一端が接続部に接続され、他端に端部キャップが接続されており、前記端部キャップには、レーザ光の伝送ケーブルを接続するためのポートが配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッド。
【請求項3】
前記鏡筒の内部にはフレームが取り付けられ、前記フレームにはコリメータレンズと集束レンズが取り付けられ、前記コリメータレンズはポートの近くに取り付けられる、ことを特徴とする請求項2に記載のレーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッド。
【請求項4】
前記接続部は第1接続セグメント、第2接続セグメント及び挿入セグメントを含み、前記第1接続セグメントは鏡筒にねじ接続され、第2接続セグメントはノズルにねじ接続され、挿入セグメントはノズルの内部に挿入されて、その外径はノズルの側壁の内径より小さく、ノズルの側壁とともに環形キャビティを形成する、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッド。
【請求項5】
前記フランジとノズルとの接触面はテーパ面である、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッド。
【請求項6】
前記フランジには、中空隔離管が取外し可能に接続され、前記中空隔離管の内部スペースは通路に連通されている、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッド。
【請求項7】
前記鏡筒は第1接続プレートに固定接続され、冷却機構は第2接続プレートを介して第1接続プレートと接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッド。
【請求項8】
前記第2接続プレートには調節溝が配置され、前記調節溝内を調節ボルトが貫通し、第2接続プレートは調節ボルトを介して第1接続プレートに固定接続される、ことを特徴とする請求項7に記載のレーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッド。
【請求項9】
前記冷却ダクトは螺旋状構造であり、冷却シリンダの内側面に固定される、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッド。
【請求項10】
レーザビームを鏡筒及びノズルから出射して、被加工物に対するレーザ加工を行うと同時に、設定圧の飽和塩溶液が環形キャビティ及び貫通孔を流れて、ノズルから噴射され、冷却機構によってその噴射された液体ビームを冷却して飽和塩溶液から微細結晶粒を析出させ、被加工物を衝撃及び研削する、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一つに記載のレーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッドの作業方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザ加工装置の技術分野に関し、具体的にレーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッド及び作業方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ加工は、非接触加工であり、ツールを不要とし、加工速度が速く、表面の変形が小さいため、各種の材料の加工に適用可能である。発明者らが気付いたところによれば、従来のレーザ加工はほとんどレーザのみで加工を行っており、すなわち、ただレーザの高温によって材料を溶解又は気化させることで加工を行うだけで、再鋳層の発生を避けない。これは、レーザ加工の精度を著しく低下させることにつながる。また、従来のレーザ加工ヘッドは、レーザ加工しか行わず、複合加工ができないものである。そのため、レーザ加工は比較的に低いレベルに止まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記従来の技術の欠陥を解決するために、レーザ加工の際に発生した再鋳層を効果的に除去し、レーザ加工の精度を向上させ、被加工物の面粗さを低減する、レーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッドを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術案を採用する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
接続部を含む噴射機構であって、接続部にはノズルと鏡筒の内部スペースとに連通する通路が配置され、接続部は、一端に鏡筒が接続され、他端はノズルに接続されてノズルの内部に挿入され、かつ、ノズルの内部に挿入されている部分にはノズルの側壁に密接するフランジが配置され、ノズルの内部に挿入されている部分はノズルの側壁とともに環形キャビティを形成しており、フランジには複数の貫通孔が配置され、貫通孔は環形キャビティ及びノズルの内部スペースに連通しており、前記環形キャビティの位置するノズルの側壁には、設定圧の飽和塩溶液を環形キャビティに注入するための注液口が配置され、環形キャビティが飽和塩溶液で満たされた後、飽和塩溶液は貫通孔を流れ、ノズルから噴射されて、溶液によって乱流が発生し、レーザビームの照射及び伝搬を影響することを防止する噴射機構と、
【0005】
両端が開口した冷却シリンダを含む噴射機構であって、前記冷却シリンダの内部には、ノズルから噴射されて冷却シリンダを流れる飽和塩溶液を冷却し、微細結晶粒を析出させる冷却ダクトが配置される冷却機構と、を含むレーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッド。
【0006】
ノズルと冷却機構との配置により、レーザ加工を行う同時に飽和塩溶液を噴射し、冷却機構によって飽和塩溶液から微細結晶粒を析出させて研磨粒子の流れを形成し、被加工物の表面を衝撃及び研削して、被加工物の表面の品質を改善する。
【0007】
さらに、前記鏡筒は、一端が接続部に接続され、他端に端部キャップが接続され、前記端部キャップには、レーザ光の伝送ケーブルを接続するためのポートが配置される。
【0008】
さらに、前記鏡筒の内部にはフレームが取り付けられ、前記フレームにはコリメータレンズと集束レンズが取り付けられ、前記コリメータレンズはポートの近くに取り付けられる。
【0009】
さらに、前記接続部は第1接続セグメント、第2接続セグメント及び挿入セグメントを含み、前記第1接続セグメントは鏡筒にねじ接続され、第2接続セグメントはノズルにねじ接続されており、挿入セグメントはノズルの内部に挿入されて、外径がノズルの側壁の内径より小さく、ノズルの側壁とともに環形キャビティを形成する。
さらに、前記フランジとノズルとの接触面はテーパ面であり、フランジとノズルの密閉効果を確保する。
【0010】
さらに、前記フランジには、中空隔離管が取外し可能に接続され、前記中空隔離管の内部スペースは通路に連通しており、レーザビームから液体ビームを隔離する。
さらに、前記鏡筒は第1接続プレートに固定接続され、冷却機構は第2接続プレートを第1接続プレートに接続される。
【0011】
さらに、前記第2接続プレートには調節溝が配置され、前記調節溝内を調節ボルトが貫通し、第2接続プレートは調節ボルトを介して第1接続プレートに固定接続される。
さらに、前記冷却ダクトはが螺旋状構造であり、冷却シリンダの内側面に固定される。
【0012】
本発明は、さらに、レーザビームを鏡筒を介してノズルから出射させ、被加工物に対するレーザ加工を行うと同時に、設定圧の飽和塩溶液が環形キャビティ及び貫通孔を流れてから、ノズルから噴射され、冷却機構によってその噴射された液体ビームを冷却して飽和塩溶液から微細結晶粒を析出させ、被加工物を衝撃及び研削する、レーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッドの作業方法を開示する。
本発明の有益な効果は下記のとおりである。
【0013】
1、本発明の複合加工ヘッドは、レーザ光の伝送ケーブルに接続されるとともに、注液口からノズルに設定圧の飽和塩溶液を注入することができ、レーザビームと液体ビームとを同時に出射することができ、冷却機構を備え、ノズルから噴射された飽和塩溶液を冷却して微細結晶粒を析出させ、その微細結晶粒によって被加工物の表面を衝撃及び研削することで、効果的に被加工物の表面での再鋳層を除去し、被加工物の面粗さを低減して、被加工物の加工品質を改善する。
【0014】
2、本発明の複合加工ヘッドは、注入された飽和塩溶液がまず環形キャビティを満たし、貫通孔から流出し、ノズルから均一に噴射されるため、飽和塩溶液によって乱流が発生し、レーザビームの照射及び伝搬を影響することを防止する。
3、本発明の複合加工ヘッドは、中空隔離管を備え、飽和塩溶液からレーザビームを隔離して、レーザビームの伝搬に対する飽和塩溶液の影響をさらに低減する。
【0015】
4、本発明の複合加工ヘッドは、フランジが傾斜面を介してノズルの側壁に接触して、接続部をノズルに螺着すると、フランジとノズルの側壁との密閉性を確保でき、飽和塩溶液が貫通孔からしか流出できない。
【0016】
5、本発明の複合加工ヘッドは、調節溝及び調節ボルトによって、冷却機構と噴射機構との相対位置を調節し、異なる位置での噴射液体ビームを冷却し、微細結晶粒を析出させて、研磨粒子の流れを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本願の一部である添付図面は、本願をより理解するためのものであり、本願の例示的な実施例及びその説明は本願の解釈に使用され、本発明を限定するものではない。
図1】本発明の実施例1の構造全体を示す図である。
図2】本発明の実施例1における噴射機構の内部構造を示す図である。
図3】本発明の実施例1における端部キャップの構造を示す図である。
図4】本発明の実施例1における鏡筒の構造を示す図である。
図5】本発明の実施例1における接続部の構造を示す図である。
図6】本発明の実施例1におけるノズルの構造を示す図である。
図7】本発明の実施例1における第1接続プレートの構造を示す図である。
図8】本発明の実施例1における冷却機構の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
なお、下記の詳細な説明は、例示的なものであり、本願についてはさらに説明することを目的とする。別途特記しない限り、本明細書において使用されているすべての技術用語は、当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。
【0019】
注意されるべきことは、ここで使用する用語は、実施例について説明するためのものに過ぎず、本願の例示的な実施例を意図的に限定するものではないことである。ここで使用する用語は、文脈で別途明示しない限り、単数形がその複数形をも含むことを意図する。また、理解されるべきことは、本明細書における、「含む」及び/又は「含める」という用語は、特徴、ステップ、操作、装置、アセンブリ及び/又はその組み合わせを意味することである。
【0020】
説明の便宜上、本発明において使用される「上」、「下」、「左」、「右」などの文字は、本発明の説明を簡単にするために、図面自体の上、下、左、右の方向に合わせるものに過ぎず、言及される装置や素子が特定の方位を備える、又は特定の方位において構成や操作されるなど、構造を限定するものではないため、本発明を限定するものであると理解されるべきではない。
【0021】
背景技術で説明したように、従来のレーザ加工ヘッドは複合加工ができず、その結果、レーザ加工を行う時、被加工物の表面に再鋳層が発生し、面粗さが粗い課題について、本願はレーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッドを提供する。
【0022】
本願の典型的な一実施形態1では、図1~8に示すように、レーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッドは、噴射機構及び冷却機構を含み、前記噴射機構は鏡筒、接続部及びノズルを含む。
【0023】
図に示すように、鏡筒1の先端には端部キャップ2がねじ接続され、前記端部キャップの中央部にはポート3が設けられ、鏡筒は前記ポートを介してレーザ光の伝送ケーブルに接続されることができ、レーザ光の伝送ケーブルから伝送されてきたレーザビームは、ポートを通して鏡筒内に入射し、ノズルから出射する。
【0024】
前記鏡筒の内部にはフレーム4が接続され、前記フレームの外壁は透かし彫り構造となり、フレームの底端は鏡筒の底部の内表面に配置されるボス構造5に載置され、前記フレームの先端にはコリメータレンズ6が固定接続され、前記フレームの底端には集束レンズ7が固定接続される。
【0025】
前記接続部8は、一体に接続された第1接続セグメント8-1、第2接続セグメント8-2及び挿入セグメント8-3を含み、前記第1接続セグメントは雌ねじ構造を備え、鏡筒の端部の雄ねじ構造を介して鏡筒にねじ接続され、前記第2接続セグメントの外径は第1接続セグメントの外径より小さく、第2接続セグメントには雄ねじ構造が設けられ、第2接続セグメントはノズルの端部に設けられている雌ねじ構造を介してノズル10にねじ接続されており、前記挿入セグメントはノズルの内部に挿入され、その底端には、ノズルの側壁の内側面に密接するフランジ8-4が設けられ、挿入セグメントの外径は、対応する位置におけるノズルの内径より小さく、ノズルの側壁とともに環形キャビティを形成しており、本実施例において、前記環形キャビティは円形形状としてもよいし、他の形状としてもよく、前記環形キャビティの位置するノズルの側壁には、設定圧の飽和塩溶液を環形キャビティに注入するための注液口9が配置され、前記飽和塩溶液は飽和塩化ナトリウム溶液を採用してもよいし、他の種類の飽和塩溶液を採用してもよく、前記フランジには、円周にわたって均一に分散して配置されている複数の貫通孔8-5が設けられ、環形キャビティ内の飽和塩溶液は貫通孔から流出し、ノズルの底部の噴射口から噴射されることができる。
【0026】
前記フランジは逆テーパ構造となり、前記フランジのノズルの側壁の内側面に接触する面はテーパ面であり、接続部をノズルに螺着すると、接触面が傾斜に配置されるため、密閉効果を最大限に確保し、飽和塩溶液が貫通孔からしか流出できない。
【0027】
第2接続セグメントはノズルの内壁とともに環形キャビティを形成しており、噴射液体ビームは、一方向から伝送されてくると、環形キャビティを充満し、フランジの円周にわたって均一に分散して配置されている貫通孔から流出させ、そしてノズルから均一に噴射されることにより、液体ビームによる乱流が発生したため、レーザビームの照射及び伝搬を影響することを防止することができる。
【0028】
前記フランジの中央部には、中空隔離管11がねじ接続され、前記中空隔離管の内部スペースは通路に連通しており、液体ビームをレーザビームから隔離し、レーザビームの伝搬に対する液体ビームの影響をさらに低減することができる。
【0029】
前記冷却機構は噴射機構の下方に配置され、前記冷却機構は、両端が開口した冷却シリンダ12を含み、前記冷却シリンダの内表面には螺旋状構造の冷却ダクト13が固定され、前記冷却シリンダは、噴射機構から噴射された飽和塩溶液を受け入れることができ、冷却ダクトには冷媒を導入させることができ、前記冷却ダクトは、上端が冷媒の出口であり、底端が冷媒の入口であり、冷却ダクトは冷却シリンダに流入した飽和塩溶液を冷却し、微細結晶粒を析出させて、研磨粒子の流れを形成する。
【0030】
前記鏡筒の筒壁の外側面には、固定プレート1-1が対称的に固定されて配置され、固定プレートには、ねじ孔が設けられ、鏡筒は固定プレートのねじ孔及び固定ボルトを介して第1接続プレート14に固定接続され、前記第1接続プレートは、L字型構造となり、鏡筒と、ノズルと接続部とを他の装置に接続するためのものである。
【0031】
前記冷却シリンダには、第2接続プレート15がボルトを介して接続され、前記第2接続プレートには調節溝15-1が設けられ、前記調節溝内を調節ボルトが貫通し、前記第2接続プレートは調節ボルトを介して第1接続プレートに接続され、調節溝及び調節ボルトによって、ノズルと冷却機構との相対位置を調節し、さらに、異なる位置での噴射液体ビームを冷却し、微細結晶粒を析出させて、研磨粒子の流れを形成することができる。
実施例2
【0032】
本実施例は、注液口からノズル内に設定圧の飽和塩溶液(飽和塩化ナトリウム溶液)を注入し、ポートを介して鏡筒をレーザ光の伝送ケーブルと接続し、レーザ光の伝送ケーブルにより伝送されたレーザビームはポートを通して鏡筒に入射し、コリメータレンズ及び集束レンズを通して通路に入射し、中空隔離管の内部キャビティを通してノズルの底部にある噴射口から噴射されており、被加工物に対してレーザ加工を行うと同時に、注液口から環形キャビティに設定圧の飽和塩溶液を注入し、環形キャビティを充満後に貫通孔から流出させ、ノズルから設定圧の飽和塩溶液を噴射し、液体ビームは冷却シリンダを流れながら冷却され、飽和塩溶液から微細結晶粒を析出させ、その微細結晶粒が飽和塩溶液とともに噴射されて被加工物の表面を衝撃及び研削する、レーザと噴射液体ビームによる研磨粒子の流れとに基づく複合加工ヘッドの作業方法を開示しており、被加工物に対するレーザ加工の際に発生した再鋳層を除去し、被加工物の面粗さを低減し、被加工物の加工品質を改善する。
【0033】
以上は図面を参照しながら本発明の実施形態については詳細に説明したが、発明の保護範囲を限定するものではなく、当業者にとって、本発明に基づいて、創造的な努力を必要とせずに想到し得る各種の変更又は変形は本発明の保護範囲内に属する。
【符号の説明】
【0034】
1、鏡筒
1-1、固定プレート
2、端部キャップ
3、ポート
4、フレーム
5、ボス構造
6、コリメータレンズ
7、集束レンズ
8、接続部
8-1、第1接続セグメント
8-2、第2接続セグメント
8-3、挿入セグメント
8-4、フランジ
8-5、貫通孔
9、注液口
10、ノズル
11、中空隔離管
12、冷却シリンダ
13、冷却ダクト
14、第1接続プレート
15、第2接続プレート
15-1、調節溝

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8